JP2013044062A - 寝衣 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】寝衣において、首周りに位置する最内周の生地、脇に位置する最内周の生地、及び内太ももに位置する最内周の生地からなる群より選ばれた1以上の生地のqmax値が、他のいずれかに位置する生地のqmax値よりも高いことを特徴とする。首周りに位置する最内周の生地、脇に位置する最内周の生地、及び内太ももに位置する最内周の生地からなる群より選ばれた1以上の生地のqmax値は、0.20J/sec/cm2以上であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
また、本発明者は、寝つきを改善するためには、体の深部を冷やすことが効果的であることを見出して、本発明を完成させた。
さらに、腹部を冷やさずに、首周り、脇、及び内太ももの少なくとも1箇所を冷やすことで、冷やす箇所の冷感をより実感することができる。
したがって、寝つきをより改善できる寝衣を提供することができる。
図1〜図5に示すように、上衣100は、左前身頃110と、右前身頃120と、後身頃130と、衿部140と、左腕部150と、右腕部160と、冷感部171〜173とを備えている。
右前身頃120は、前方右側に位置する生地である。右前身頃120は、例えば係止部111に着脱可能なボタン121を有する。
左右前身頃110、120において、腹部に位置する領域(図1において、例えば左右前身頃110、120の鉛直方向の半分よりも下方に位置する領域)には、後述する接触冷感を感じさせる生地が配置されていないことが好ましい。つまり、腹部に位置する生地のqmax値は、首周りに位置する最内周の生地、脇に位置する最内周の生地、及び内太ももに位置する最内周の生地からなる群より選ばれた1以上の生地のqmax値よりも低いことが好ましい。
後身頃130は、左右前身頃110、120と接続され、後方に位置する生地である。
衿部140は、左右前身頃110、120及び後身頃130の上端部と接続された土台部141と、土台部141と連なった折返部142とを有している。土台部141と折返部142とは、別部材が縫合されてもよく、一体成形されてもよい。
土台部141は、着用時に鉛直方向に立つことが可能なように形成されている。折返部142は、土台部141の上方に接続され、首周り方向に沿って外側に折り返された衿を構成する。
なお、外周側に配置される生地は省略されてもよい。つまり、首周りに位置する生地は冷感部171のみであってもよく、背部に位置する生地は冷感部172のみであってもよく、脇部に位置する生地は冷感部173のみであってもよい。
また、外周側に冷感部171〜173と異なる生地が配置される場合には、外周側の生地は1層であってもよく、複数層であってもよい。
冷感部171〜173の外周側に他の生地が配置されている場合には、冷感部171〜173と他の生地とは、例えば、互いに縫合されている。
左右前身頃110、120に形成された冷感部172は、左前身頃110の左端及び右前身頃120の右端に沿って配置され、下方から上方(冷感部171との接続位置)に向けてテーパ状に幅が広がっている。左右前身頃110、120における冷感部172の下方端は、例えば、鎖骨より下の大胸筋に位置する。
後身頃130に形成された冷感部172は、鉛直方向に沿った中心軸に対して左右対称であり、下方から上方(冷感部171との接続位置)に向けてテーパ状に幅が広がっている。後身頃130における冷感部172の下方端は、例えば、僧帽筋に位置する。
なお、図5において、右前身頃120(左前身頃110)と、後身頃130とは、縫合部181で縫合されており、右前身頃120(左前身頃110)及び後身頃130と、右腕部160(左腕部150)とは、縫合部182で縫合されている。図5において、冷感部173の平面形状は、縫合部181、182上を頂点とする四角形である。冷感部173の平面形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形などであってもよい。
図6及び図7に示すように、下衣200は、左足部210と、右足部220と、履き口部230と、冷感部240を備えている。
履き口部230は、左右足部210、220の上端に位置し、開口部を形成している。履き口部230は、例えばゴムを有する。
冷感部171〜173、240を構成する生地のqmax値は、他のいずれかに位置する生地(本実施の形態では、冷感部171〜173、240以外の生地)のqmax値よりも高く、0.20J/sec/cm2以上であることが好ましく、0.21J/sec/cm2以上であることがより好ましく、0.22J/sec/cm2以上であることがより一層好ましい。qmax値が0.20J/sec/cm2以上であると、接触した瞬間に、皮膚から熱を奪う能力が大きいので、官能試験を行なった場合に、接触冷感を感じる割合が高く、0.21J/sec/cm2以上であると、接触冷感を感じる割合がより高く、0.22J/sec/cm2以上であると、接触冷感を感じる割合がより一層高い。
qmax値は、例えば、20.5℃の温度に設定した試料台の上に生地を置き、生地の上に32.5℃の温度に温められた貯熱板を接触圧0.098N/cm2で重ねた直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱量のピーク値を測定して得られる値である。測定には、例えばサーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いる。
平衡吸水率(%)=(乾燥前重量(g)−絶乾重量(g))/絶乾重量(g)×100
乾燥前重量とは、20℃・65%の標準状態で生地と空気中の水分移動が平衡状態になる重量である。絶乾重量とは、105℃の温度で2時間乾燥させた状態の重量である。
また、本発明の寝衣の左右腕部は、長袖でもよく、半袖でもよく、腕部が省略されたノースリーブでもよい。本発明の寝衣がノースリーブの場合には、脇部に位置する冷感部173は省略されてもよく、左右前身頃110、120及び後身頃130とが縫合された側部のみに形成されていてもよい。
実施例1の寝衣は、首周りに位置する最内周の生地のqmax値が、他のいずれかに位置する生地のqmax値よりも高かった。
具体的には、上述した実施の形態の寝衣において、図5に示す冷感部173及び図7に示す冷感部240を備えず、図1及び図4に示す冷感部171、172を備えていた。冷感部171、172を構成する生地は、0.201J/sec/cm2のqmax値を有する熱可塑性エラストマーを紡糸して得た繊維およびポリエステルで形成された生地(組成比65%:35%)であり、他のいずれかに位置する生地(実施例1では、冷感部171、172以外の生地)は0.157J/sec/cm2のqmax値を有する綿であった。上衣100は半袖であり、下衣200は半ズボンであった。
比較例1の寝衣は、冷感部171、172を備えていない点において、実施例1と異なっていた。つまり、比較例1の寝衣は、同一の生地で構成された上衣及び下衣を備えていた。
室温が29℃で湿度が60%の部屋で、実施例1及び比較例1の寝衣を被験者に着用し、手背及び腹の皮膚温度を測定するためのセンサを付けた。その30分後に、室温が29℃で湿度が60%の別の部屋で、被験者をベッドに就床させた。このとき、掛け布団はなかった。この状態で、10分毎に、手背及び腹の皮膚温度を測定した。その結果を図8及び図9にそれぞれ示す。なお、図8及び図9において、縦軸は、手背及び腹の皮膚温度(単位:℃)を示し、横軸は寝衣を着用してからの経過時間(単位:分)を示す。図8及び図9において、30分の時点から、就寝するために被験者がベッドに入っている。
また、図8及び図9において寝衣を着用した時点を基準にして手背及び腹の皮膚温度の変化量を求めた結果を図10及び図11に示す。なお、図10及び図11において、縦軸は、手背及び腹の皮膚温度の変化量(単位:℃)を示し、横軸は寝衣を着用してからの経過時間(単位:分)を示す。図10及び図11において、30分の時点から、就寝するために被験者がベッドに入っていた。
図10及び図11に示すように、実施例1の寝衣を着用したときの方が、比較例1の寝衣を着用した場合に比べて、就床直後に手背及び腹の皮膚温度が上昇した。これは、皮膚からの熱を外部に放出していることを示し、寝衣内温度は低いと考えられる。このため、首周りに位置する最内周の生地のqmax値が、他のいずれかに位置する生地のqmax値よりも高い実施例1の寝衣を着用した方が、動脈を冷やすことにより、体の深部を冷やすことができるので、寝つきを改善することができることがわかった。
Claims (3)
- 寝衣において、
首周りに位置する最内周の生地、脇に位置する最内周の生地、及び内太ももに位置する最内周の生地からなる群より選ばれた1以上の生地のqmax値が、他のいずれかに位置する生地のqmax値よりも高いことを特徴とする、寝衣。 - 前記首周りに位置する最内周の生地、脇に位置する最内周の生地、及び内太ももに位置する最内周の生地からなる群より選ばれた1以上の生地のqmax値は、0.20J/sec/cm2以上であることを特徴とする、請求項1に記載の寝衣。
- 前記他のいずれかに位置する生地は、腹部に位置する生地であることを特徴とする、請求項1または2に記載の寝衣。
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Citations (2)
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JPH11247011A (ja) * | 1998-03-02 | 1999-09-14 | Gunze Ltd | 冷感衣類 |
JP2004270075A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Gunze Ltd | 接触冷感に優れた繊維、生地及び肌着 |
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2011
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