以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタンともいう)130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作(第1停止ボタン受付ともいう)、次の停止操作を第2停止操作(第2停止ボタン受付ともいう)、最後の停止操作を第3停止操作(第3停止ボタン受付ともいう)という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
チャンスボタン146は、後述する演出装置160が実行する演出の演出態様に変化を与えるボタンであり、所定の条件が成立した場合には、遊技者がチャンスボタン146を操作することにより、実行中の演出の内容が変化するようになっている。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図2を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422及び424が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄(白7ともいう)−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄(青7ともいう)−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄(ボーナスともいう)−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りであり、チェリーが4枚、スイカが12枚、ベルが8枚である。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<主制御部メイン処理>
次に、図4を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、再遊技(リプレイ)に内部当選した場合には、再遊技(リプレイ)に内部当選したことを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
ステップS106ではステップS105の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS107では、リール110〜112が回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。なお、このステップS108では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン137〜139に関する停止ボタン受付コマンド(詳しくは、第1停止操作に対しては、停止ボタン受付1コマンド、第2停止操作に対しては、停止ボタン受付2コマンド、第3停止操作に対しては、停止ボタン受付3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンド(詳しくは、第1停止リールに対しては、リール停止1コマンド、第2停止操作に対しては、リール停止2コマンド、第3停止操作に対しては、リール停止3コマンド)を第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では遊技状態を移行するための制御が行われる遊技状態制御処理を行う。例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合には次回からBB遊技状態を開始できるよう準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。例えば、遊技状態がBB遊技の場合には、BB遊技を示す遊技情報コマンドを送信する準備を行う。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図5のステップS206)において送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS204では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS205では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS206では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴うリール回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴うリール停止コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400は、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
ステップS207では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS208では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まず、ステップS203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行する。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS209では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS211に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS210に進む。
ステップS210では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図4に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS211では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図4に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部の処理>
図6を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2003の処理に移行する。
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS2004では、コマンド処理を行う。コマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別し、新たなコマンド(未処理コマンド)があった場合には、コマンドに応じた処理にジャンプする。例えば、未処理コマンドがスタートレバー受付コマンドの場合には、スタートレバー受付時処理(説明は省略)、内部当選コマンドの場合には、演出設定処理(詳しくは後述)、停止ボタン受付コマンドの場合には、停止ボタン受付時処理(詳しくは後述)、表示判定コマンドの場合には、表示判定時処理(説明は省略)、遊技状態コマンドの場合には、遊技状態更新時処理(説明は省略)にジャンプする。
ステップS2005では、演出制御処理を行う。演出制御処理では、ステップS2004で新たなコマンド(未処理コマンド)があった場合には、このコマンドに対応する各イベント処理(例えば、演出設定処理、遊技状態制御時処理等)の結果に基づいて、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には各演出デバイス(スピーカ、ランプ、液晶画像表示装置、シャッタなど)の演出データの更新処理を行う。
ステップS2006では、ステップS2005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS2007では、ステップS2005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS2008では、ステップS2005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS2002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。例えば、演出画像表示装置157やシャッタ163による演出の演出切替時(例えば、スタートレバー操作時、ストップボタン137〜139操作時など)には演出コマンドが第2副制御部500に送信される。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS2101では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2201では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS2002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS2202では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<演出設定処理>
次に、図7を用いて、演出設定処理について説明する。図7は、ステップS2005の演出制御処理において、未処理コマンドが内部当選コマンドである場合に実行される演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS2401では、内部当選コマンドに基づいて、第1副制御部400における内部抽選情報を更新する。具体的には、内部当選コマンドに含まれる内部当選情報を第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域に記憶する。
ステップS2402では、演出抽選処理を実行する。演出抽選処理では、更新された内部抽選情報及び遊技状態情報に応じた抽選を行い、演出情報を決定する。ここで、演出情報とは、予めストーリー立てされた演出のかたまり(演出パターン)に関するシナリオ情報であり、各イベント(主制御部300からコマンドを受信したときなど、所定の条件が成立した契機)ごとに割り当てられた演出指示情報から構成される。なお、演出指示情報とは、各イベント時に参照される情報であり、この演出指示情報に基づいて第1副制御部400は演出を実行する。すなわち、演出指示情報は、一の演出を行うためにどのデバイスで何をするかが予め定められたデータである。
ステップS2403では、演出抽選処理により決定された演出情報に基づき、演出情報を予約設定する。具体的には、決定された演出情報(各イベントごとの演出指示情報のかたまり)を第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域に記憶する。
図8は、予約設定された演出情報の一例(以下、演出情報Aという)を模式的に示した図である。演出情報Aは、図8に示すように、演出設定時(内部当選コマンド受信時)に「スタート音B」の演出指示情報が割り当てられ、リール回転開始時(リール回転開始コマンド受信時)に「演出A」の演出指示情報が割り当てられ、第1停止操作時(停止ボタン受付1コマンド受信時)に「停止音A」の演出指示情報が割り当てられ、第2停止操作時(停止ボタン受付2コマンド受信時)に「停止音A」の演出指示情報が割り当てられ、第3停止操作時(停止ボタン受付3コマンド受信時)に「演出B」の演出指示情報が割り当てられた演出情報となっている。なお、演出は、予約された演出情報に従って各イベント時に実行されるようになっているが、遊技者の停止操作に左右される条件が成立(払出し役に入賞、ボーナス役に入賞、ボーナス図柄のテンパイなど)した場合には、その条件が成立したイベントごとにその都度、演出指示情報の追加設定を行い、遊技者の停止操作に左右される条件に対応した演出が行われる(例えば、払出音、ボーナス入賞の祝福音、テンパイ音などの音出力)。
ここで、図9を参照して、演出情報Aが予約設定された場合に実行される演出A及びBの具体的な内容について説明する。図9は、演出画像表示装置157及びシャッタ163における演出を示す図であり、図9(a)は、通常演出の状態、図9(b)は、通常演出から演出Aに切り替わった状態、図9(c)は、演出Aから演出Bに切り替わった状態を示している。なお、演出Aは、シャッタ163が演出画像表示装置157により表示された情報を遮蔽する遮蔽演出であり、演出Bは、出画像表示装置157により表示された情報を報知する報知演出である。
まず、通常演出を実行している場合には、図9(a)に示すように、右シャッタ163a及び左シャッタ163bは開いた状態にあり、演出画像表示装置157の表示画面は遮蔽されていない。本実施形態では、演出画像表示装置157の表示画面が遮蔽されず、表示画面が表出している状態におけるシャッタ163の位置を退避位置ともいう。図9(a)においては、右シャッタ163a及び左シャッタ163bは退避位置にある。
次に、通常演出を実行時にリール110〜112が回転開始されると、通常演出に代わって演出Aが実行される(図8参照)。演出Aでは、図9(b)に示すように、退避位置から右シャッタ163aが左に移動して右半分の画面が遮蔽される位置で停止するともに、画像全体が左スクロールするようになっている。本実施形態では、演出画像表示装置157の表示画面の一部が遮蔽されて、遊技に関する情報の報知が遮蔽されている状態におけるシャッタ163の位置を遮蔽位置ともいう。図9(b)においては、右シャッタ163aは遮蔽位置にある。
ここで、遊技に関する情報の報知とは、詳しくは、入賞役の内部抽選処理の結果(内部当選役)を示唆する情報の報知であり、具体的には、ズボンを引っ張られている人物P1の下着C1の色が内部当選した役を示唆するようになっている(下着C1の色が内部当選した役の図柄の色を示している。例えば、チェリー当選なら赤など)。図9(b)では、人物P1の下着C1の色は、シャッタ163aに遮蔽されて遊技者からは見えない。なお、本実施形態の右シャッタ163a及び左シャッタ163bは、僅かに透けて見える部材から構成されているので、その背後が全く見えないわけではなく、遮蔽された表示画像の影は視認可能となっている。勿論、右シャッタ163a及び左シャッタ163bを不透明な部材から構成してこれらの背後が全く見えないようにしてもよい。また、画像全体の左スクロールとは、具体的には、人物P2及びその背景の表示位置が画面上の右端から左端に移動したことを意味する。
また、演出Aでは、シャッタ163aが遮蔽位置に到達後、シャッタ163aは遮蔽位置にて振動を行う。本実施形態では、演出Aは、リール回転開始時から第3停止操作まで継続されるので(図8参照)、この振動動作は、遊技者が第3停止操作を行うまで継続されることになる。さらに詳しくは、右シャッタ163aの振動動作は、演出画像表示装置157に表示される画像とその演出内容が連動している。すなわち、シャッタ163aの振動は、別の人物P3が人物P1のズボンを引っ張る動作及び人物P1の抵抗動作によって生じる人物P1の体の揺動を示している。
次に、遊技者による第3停止操作が行われると、演出Aに代わって演出Bが実行される(図8参照)。演出Bでは、図9(c)に示すように、遮蔽位置から右シャッタ163aが右方の退避位置まで移動して停止し、演出画像表示装置157の表示画面が表出するので、人物P1の下着C1が遊技者に視認可能となる。この結果、遊技者は、当該ゲームにおける内部当選役を把握することができる。なお、右シャッタ163aの移動とともに、演出Aで示されていた画像全体は右スクロールされる。
図7に戻って、ステップS2404では、演出設定時に対応する演出指示情報を設定する。例えば、図8に示す演出情報Aの場合には、「スタート音B」の演出指示情報が設定される。この結果、第1副制御部400の音制御処理やランプ制御処理、第2副制御部500の後述するシャッタ制御処理、画像制御処理において、「スタート音B」の演出指示情報に対応する各演出デバイスの演出データが実行される。
ステップS2405では、内部当選コマンドに基づくその他の処理を実行する。
<第3停止ボタン受付時処理>
次に、図10を用いて、第3停止ボタン受付時処理について説明する。図10は、ステップS2005の演出制御処理において、未処理コマンドが停止ボタン受付3コマンドである場合に実行される第3停止ボタン受付時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS2501では、予約設定された演出情報の第3停止操作時における演出指示情報があるか否かを判定する。第3停止操作時における演出指示情報がある場合には、ステップS2502に進み、そうでない場合には、ステップS2503に進む。
ステップS2502では、第3停止操作時における演出指示情報を設定する。例えば、図8に示した演出情報Aが予約設定された場合には、「演出B」の演出指示情報を設定する。この場合、演出Bが実行されると、表示画像の一部(内部当選役を示唆する画像)を遮蔽していた右シャッタ163aの振動が停止するとともに右シャッタ163aが右方に移動して、表示画像全体が視認可能となる。
ステップS2503では、停止ボタン受付3コマンドに基づくその他の処理を実行する。
なお、図10では、第3停止ボタン受付時処理について説明したが、未処理コマンドが停止ボタン受付1コマンドである場合に実行される第1停止ボタン受付時処理、及び未処理コマンドが停止ボタン受付2コマンドである場合に実行される第2停止ボタン受付時処理についても同様である。
<第2副制御部の処理>
図11を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずS3001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS3002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS3003の処理に移行する。
ステップS3003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS3004では、コマンド処理(詳しくは後述)を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS3005では、演出制御処理(詳しくは後述)を行う。例えば、ステップS704で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS3006では、ステップS3005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS3007では、ステップS3005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS3002へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS3101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS3201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS702において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。
ステップS3202では、演出用乱数値などを更新する各種更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500の画像制御処理について説明する。同図(d)は、同図(a)のステップS3007の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS3302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS3303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS3303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS1001でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS3304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS3305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS3306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS3306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<コマンド処理>
次に、図12を用いて、コマンド処理について説明する。図12は、図11のステップS3004のコマンド処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3401では、未処理の演出コマンドがあるか否かを判定する。未処理の演出コマンドがある場合には、ステップS3402に進み、そうでない場合には、コマンド処理を終了する。
ステップS3402では、演出コマンドからシャッタ163の演出データを抽出する。
ここで、図13(a)を用いて、シャッタ163の演出データについて説明する。図13(a)は、シャッタ163の演出データの構成を示す模式図である。なお、図13(a)に示す演出データは、実際には、右シャッタ163a用と左シャッタ163b用が存在する。
シャッタ163の演出データは、図13(a)に示すように、複数の動作データから構成されている。動作データは、シャッタ163を動かすための目標位置と、移動時間から構成されるデータである。本実施形態では、演出データに含まれる動作データが先頭から順次設定されていくことにより、シャッタ163は、所望の動きを行うようになっている。例えば、図13(a)に示す演出データにおいては、まず、先頭の動作データ1が設定されると、動作データ1の目標位置及び移動時間に従って、現在位置からシャッタ163は動作し、次に、動作データ1の更新タイミングがくると(動作データ1の移動時間が経過すると)、動作データ1に代わって次の順序の動作データ2が設定され、動作データ2が設定されると、動作データ2の目標位置及び移動時間に従って、現在位置からシャッタ163は動作する。このようにして順次動作データ(動作データ3、4、…)が設定されていき、順次設定された動作データに基づき、シャッタ163は動作する。そして、演出データに含まれる最後の動作データが設定され、最後の動作データの目標位置及び移動時間に従ったシャッタ163の動作が終了すると、当該演出データによるシャッタ163の動作は終了する。なお、動作データの設定処理は、上述したように予め定めた順序に従って該当する動作データを設定するほか、複数の動作データを繰り返す構成(例えば、動作データ5と動作データ6を繰り返す場合には、動作データ5→動作データ6→動作データ5→動作データ6→…)を用いて、動作データを設定してもよい(上述した演出Aのシャッタ163の振動はこの構成による)。
図12に戻り、ステップS3403では、シャッタ163の演出データに含まれる先頭(最初)の動作データを設定する。例えば、上述した図13(a)に示した演出データの場合には、動作データ1が設定される。
ステップS3404では、設定された動作データに基づいて、更新時間を設定する。更新時間とは、次の動作データを設定するまでの時間をいい、例えば、動作データ1が設定された場合には、動作データ1の移動時間が更新時間となる。すなわち、動作データ1の移動時間が終了するタイミングが次の動作データの更新タイミングとなる。
ステップS3405では、設定された動作データに基づいて、経過時間を設定する。経過時間とは、先頭の動作データを設定して以降の経過時間をいい、当該演出データに基づく総演出時間を意味する。例えば、動作データ1が設定されたときには、経過時間は0である。
ステップS3406では、演出コマンドに基づくその他の処理を実行する。例えば、演出画像表示装置157の演出データの設定などを行う。
なお、ステップS3402〜S3406の処理は、演出コマンド受信時に行われる。つまり、図13(a)に示すように、コマンド処理において、シャッタ163の演出データに含まれる先頭の動作データが設定される。
<シャッタの動作データ更新処理>
次に、図14を用いて、シャッタ163の動作データ更新処理について説明する。図14は、図11のステップS3005の演出制御処理の中の1つの処理であるシャッタ163の動作データ更新処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3501では、シャッタ163の動作データの更新タイミングであるか否かを判定する。詳しくは、図12のステップS3404または後述するステップS3505で設定された更新時間が経過した場合には、動作データの更新タイミングであると判断する。シャッタ163の動作データの更新タイミングである場合には、ステップS3502に進み、そうでない場合には、シャッタ163の動作データ更新処理を終了する。
ステップS3502では、経過時間の更新を行う。詳しくは、現在設定されている更新時間を経過時間に加算して、経過時間の更新を行う。
ステップS3503では、更新された経過時間が連続動作可能時間未満であるか否かを判定する。ここで、連続動作可能時間とは、シャッタ163の最大動作時間を意味し、具体的には、本実施形態の場合、連続動作可能時間として20秒が設定されている。すなわち、本実施形態のシャッタ163は、20秒以上の連続動作が許されていない。これは、シャッタ163のモータによる発熱を抑えるためである。
図8及び図9(b)に示したように、停止操作を行わずリール110〜112を空回しさせた場合には、空回しの間、シャッタ163による振動も継続されることになるから、シャッタ163のモータによる発熱も持続されることとなり、筐体内部が高温にさらされる可能性がある。すなわち、筐体内部の高温化により、スロットマシンの制御に誤作動が生じたり、故障が生じたりする可能性がある。このため、本実施形態では、経過時間が連続動作時間(20秒間)以上の場合には、次の動作データを設定しない、つまり、シャッタ163を連続動作時間(20秒間)以上動作させないようにしている。例えば、シャッタ163の演出データが連続動作時間を超える動作データの集まりであっても、連続動作時間以上の動作は行われない。
なお、本実施形態において、リール110〜112を空回しする構成、つまりリール110〜112を自動停止しない構成としているのは、自動停止を可能とすると、自動停止により遊技者が利益を得る攻略など生まれ(例えば、リプレイはずしなどをする)、遊技店側に不利益を与える可能性が生じるためである。
更新された経過時間が連続動作可能時間未満である場合、つまり、今後のシャッタ163の動作が可能な場合には、ステップS3504に進み、そうでない場合、つまり、今後のシャッタ163の動作が不可能な場合には、動作データ更新処理を終了する。
ステップS3504では、動作データの更新を行う。詳しくは、現在設定されている動作データの次の動作データを設定する。例えば、上述した図13(a)に示した演出データにおいて、現在動作データ1が設定されている場合には、次の動作データとして動作データ2が設定される。
ステップS3505では、設定された動作データに基づいて、更新時間を設定する。例えば、動作データ2が設定された場合には、動作データ2の移動時間が更新時間となる。
なお、ステップS3502、S3504〜S3505の処理は、シャッタ163の動作データ更新処理(演出制御処理の一つ)において行われるので、図13(b)に示すように、演出制御処理時に、シャッタ163の演出データに含まれる2番目以降の動作データが設定される。
ここで、図13(b)を参照して、更新時間と経過時間について詳しく説明する。図13(b)は、更新時間と経過時間の関係を示すタイミングチャートである。なお、動作データ1の移動時間100(ms)、動作データ2の移動時間を50(ms)、動作データ3の動作時間を150(ms)、経過時間は連続動作可能時間未満として説明する。
まず、演出データの先頭の動作データ1が設定されると(図12のステップS3403参照)、更新時間に100(ms)が設定され(図12のステップS3404参照)、経過時間に0(ms)が設定される(図12のステップS3405参照)。この結果、動作データ1に基づき、シャッタ163の移動演出が行われる。
次に、動作データ1の更新タイミング(更新時間=100)となると(図14のステップS3501:YES参照)、経過時間の0(ms)に更新時間の100(ms)が加算されて、経過時間は、図13(b)に示すように、100(ms)となる(図14のステップS3502参照)。
また、動作データ1の更新タイミング(更新時間=100)となったので、次の動作データ2が設定され(図12のステップS3504参照)、更新時間に50(ms)が設定される(図14のステップS3505参照)。この結果、動作データ2に基づき、シャッタ163の移動演出が行われる。
次に、動作データ2の更新タイミング(更新時間=50)となると(図14のステップS3501:YES参照)、経過時間の100(ms)に更新時間の50(ms)が加算されて、経過時間は、図13(b)に示すように、150(ms)となる(図14のステップS3502参照)。
また、動作データ2の更新タイミング(更新時間=50)となったので、次の動作データ3が設定され(図14のステップS3504参照)、更新時間に150(ms)が設定される(図12のステップS3505参照)。この結果、動作データ3に基づき、シャッタ163の移動演出が行われる。なお、動作データ3の更新タイミング(更新時間=150)となると(図14のステップS3501:YES参照)、経過時間の150(ms)に更新時間の150(ms)が加算されて、経過時間は、図13(b)に示すように、300(ms)となる(図14のステップS3502参照)。
なお、本実施形態では、図14に示したように、経過時間が連続動作可能時間以上になると、動作データは設定されない。この場合、新たなイベントが発生して(例えば、ストップボタン操作など)、第1副制御部400が新たな演出コマンドを受信すると、新たな演出コマンドに基づくコマンド処理(図14参照)を実行するので、実行中の演出データ(動作データ)は上書きされることとなる。したがって、シャッタ163の振動停止後の特別な復帰処理は不要であり、通常通りに新たな演出コマンドに基づいて新たな演出設定を行えば、その後の演出がスムーズに再開されることとなる。
<経過時間が連続動作可能時間以上となった場合の演出>
次に、図15を用いて、経過時間が連続動作可能時間以上となった場合の演出A及びBの具体的な内容について説明する。図15は、演出画像表示装置157及びシャッタ163における演出を示す図であり、図15(a)は、経過時間が連続動作可能時間未満のときの演出A、図15(b)は、経過時間が連続動作可能時間以上となったときの演出A、図15(c)は、経過時間が連続動作可能時間以上となったときの演出Bを示している。
まず、リール110〜112が回転開始されて、演出Aを実行した場合、シャッタ163の演出Aにおける演出データの経過時間が連続動作可能時間未満のときには、退避位置から右シャッタ163aが左に移動して右半分の画面が遮蔽される遮蔽位置で停止するともに、画像全体が左スクロールする(図14のステップS3503(YES)〜S3504に相当)。そして、図15(a)に示すように、シャッタ163aが遮蔽位置に到達後、シャッタ163aは遮蔽位置にて振動を行う(図14のステップS3503(YES)〜S3504に相当)。
しかしながら、演出Aを実行後、遊技者が第3停止操作を行わず、シャッタ163の演出Aにおける演出データの経過時間が連続動作可能時間以上になると、シャッタ163aは遮蔽位置にて行っていた振動を停止する(待機演出ともいう;図14のステップS3503(NO)に相当)。一方、演出画像表示装置157は、継続して画像を表示し続ける。具体的には、経過時間が連続動作可能時間未満のときから表示されていた別の人物P3が人物P1のズボンを引っ張る動作及び人物P1の抵抗動作を示す画像(ループ画像)は、継続して表示され続ける。このように本実施形態では、シャッタ163の演出Aにおける演出データの経過時間が連続動作可能時間以上になると、次の動作データの設定を行うことができないので(図14のステップS3503(NO)参照)、シャッタ163の振動動作はなくなるが、演出画像表示装置157上で実行されていた画像演出は中止されることなく、継続して演出Aの画像は表示され続ける。
次に、遊技者による第3停止操作が行われると、演出Bが実行される。演出Bでは、図15(c)に示すように、遮蔽位置から右シャッタ163aが右方の退避位置まで移動して停止し、演出画像表示装置157の表示画面が表出するので、人物P1の下着C1の色が遊技者に視認可能となる。この結果、遊技者は、当該ゲームにおける内部当選役を把握することができる。
このように、本実施形態では、停止操作を行わずリール110〜112を空回しさせたとしても、シャッタ163を連続動作時間(20秒間)以上動作させないようにしているので、シャッタ163のモータ発熱を抑えることができる。
また、本実施形態では、図15(b)に示すように、振動していた遮蔽位置においてシャッタ163の振動を停止させるので、その後に実行される演出とのつながりにおいても違和感がない。すなわち、シャッタ163を一旦初期位置に戻した後に振動を停止させた場合には、演出の連続性が途切れてしまうという問題があるが、本実施形態ではこのような問題も生じない。
また、シャッタ163の振動を停止させても、演出画像表示装置157の画像演出は継続されているので、遊技者は演出が実行中であることを把握でき、その後に実行される演出とのつながりにおいてもさらに違和感がない。
<シャッタ制御処理>
次に、図16を用いて、シャッタ制御処理について説明する。図16は、図11のステップS3006のシャッタ制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS3601では、シャッタ163の動作データが設定されているか否かを判定する。シャッタ163の動シャッタ163の動作データが設定されている場合には、ステップS3702に進み、そうでない場合には、シャッタ制御処理を終了する。
ステップS3602では、設定されていた動作データの解析を行う。詳しくは、動作データの目標位置及び移動時間を取得する。
ステップS3603では、図示しない周期的な割込み処理(例えば、500μsごとに実行される割込み処理)により取得されるシャッタ163の現在位置、並びにステップS3602で取得したシャッタ163の目標位置及び移動時間から、シャッタ163の速度を算出する。
ステップS3604では、シャッタ163の現在位置と目標位置から移動ステップ数を算出する。
ステップS3605では、ステップS3603で算出した速度及びステップS3604で算出した移動ステップ数に基づいて、動作テーブルを選択する。詳しくは、速度及び移動ステップ数から、素早く動作させると判定した場合には、スルーアップ(モータの回転速度を徐々に加速させること)の動作テーブル、ゆっくりと動作させると判定した場合には、自起動の動作テーブルを選択する。なお、動作テーブルは、速度及び移動ステップ数に基づく最適な動作パターンが記憶されたデータテーブルである。
ステップS3606では、制御パラメータを設定する。ここで、制御パラメータとは、具体的には、上述した現在位置、目標位置、移動ステップ数、移動時間、速度及び動作テーブル、並びに現在位置と目標位置から算出される移動方向及び動作しているか否かを示す状態から構成されている。なお、図示しない周期的な割込み処理(例えば、500μsごとに実行される割込み処理)において、この設定された制御パラメータに基づくパルス信号がシャッタ163のモータに対して出力されるので、この結果、シャッタ163は、制御パラメータに従った所望の動作を行う。
このように本実施形態においては、動作データの値に基づいて、制御パラメータを設定し、設定した制御パラメータに従ってシャッタ163の動作を制御するようになっているので、経過時間が連続動作可能時間以上になり、シャッタ163の振動が停止されたとしても、その後のイベント時に発生した新たな演出データ(動作データ)の値に基づいて制御パラメータを設定し、設定した制御パラメータに従ってシャッタ163を再び動作させればよく、特別に復帰用の演出データを用意する必要はない。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態では、経過時間が予め定めた規定時間(連続動作可能時間)未満の場合には動作データの更新を行い、予め定めた規定時間(連続動作可能時間)以上の場合には動作データの更新を行わない構成を採用して、シャッタ163の動作時間に上限を設けたが、他の方法により、シャッタ163の動作時間を予め定めた規定時間以内に制御してもよい。例えば、シャッタ163の演出データに含まれる複数の動作データそれぞれの移動時間の合計が予め定めた規定時間以内となるように演出データを構成してもよい。この場合には、リールの空回し状態が続き、演出データに含まれるすべての動作データが設定されることになったとしても、演出データの実行時間が連続動作可能時間を超えることはないので、予め定めた規定時間以上、シャッタ163が振動することはない。勿論、この場合においても、上記実施形態と同様に、シャッタ163の動作時間が規定時間以内の場合には、シャッタ163による演出と演出画像表示装置157による演出は同期がとれており、規定時間以上の場合には、シャッタ163による演出が停止され、演出画像表示装置157による演出は継続されるようになっている。また、規定時間となった場合、シャッタ163は、初期位置に戻るのではなく、遮蔽位置において停止するようになっている。
図17は、このような場合(第2実施形態)のコマンド処理の流れを示すフローチャートであり、図18は、このような場合(第2実施形態)のシャッタの動作データ更新処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図17を用いて、第2実施形態のコマンド処理について説明する。
ステップS3701では、未処理の演出コマンドがあるか否かを判定する。未処理の演出コマンドがある場合には、ステップS3702に進み、そうでない場合には、コマンド処理を終了する。
ステップS3702では、演出コマンドからシャッタ163の演出データを抽出する。
ステップS3703では、シャッタ163の演出データに含まれる先頭(最初)の動作データを設定する。例えば、上述した図13(a)に示した演出データの場合には、動作データ1が設定される。
ステップS3704では、設定された動作データに基づいて、更新時間を設定する。例えば、動作データ1が設定された場合には、動作データ1の移動時間が更新時間となる。
ステップS3705では、演出コマンドに基づくその他の処理を実行する。例えば、演出画像表示装置157の演出データの設定などを行う。
次に、図18を用いて、第2実施形態のシャッタの動作データ更新処理について説明する。
ステップS3801では、シャッタ163の動作データの更新タイミングであるか否かを判定する。シャッタ163の動作データの更新タイミングである場合には、ステップS3802に進み、そうでない場合には、シャッタ163の動作データ更新処理を終了する。
ステップS3802では、動作データの更新を行う。詳しくは、現在設定されている動作データの次の動作データを設定する。例えば、上述した図13(a)に示した演出データにおいて、現在動作データ1が設定されている場合には、動作データ2が設定される。
ステップS3803では、設定された動作データに基づいて、更新時間を設定する。例えば、動作データ2が設定された場合には、動作データ2の移動時間が更新時間となる。
以上、第2実施形態によれば、仮にリール110〜112が空回しされたとしても、演出データに含まれる複数の動作データの移動時間の合計が、連続動作可能時間以上とならないように演出データを構成しているので、シャッタ163の振動が連続動作可能時間以上となることはない。
なお、上記実施形態では、シャッタ163は、遮蔽位置において、内部当選役を示唆する情報を遮蔽したが、この場合、内部当選役を示唆する情報は遊技者から視認不可能であればよく、当該情報は必ずしも表示されていなくてもよい。すなわち、上記実施形態における「内部当選役を示唆する情報の遮蔽」とは、演出画像表示装置157の画面上に内部当選役を示唆する情報(画像)が表示されている場合は勿論、表示されていない場合も含む意である。なお、当選役を示唆する情報(画像)が表示されていない場合には、シャッタ163は、当選役を示唆する情報(画像)が表示される領域(シャッタ163が開放されたときに当選役を示唆する情報(画像)が表示される領域)を遮蔽することになる。
また、上記実施形態における遮蔽位置は、当選役を示唆する情報(画像)の少なくとも一部が遮蔽される位置であればいずれでもよく、単一の位置ではなく、許容される位置は所定の領域幅を有する。例えば、シャッタ163が当選役を示唆する情報(画像)の少なくとも一部を遮蔽すれば、振動を開始した位置と振動を停止した位置が完全同一でなくてもよい。
また、上記実施形態では、リール回転開始から第3停止操作まで演出A(遮蔽演出)を実行し、第3停止操作以後に演出B(報知演出)を実行したが、演出Aから演出Bへの切替契機は第3停止操作に限定されない。すなわち、第1停止操作でもよいし、第2停止操作でもよい。
また、上記実施形態では、演出画像表示装置157に表示される情報(画像)を遮蔽する場合について説明したが、遮蔽される情報は、演出画像表示装置157に表示される情報に限定されず、当選役を示唆する情報であれば、何であってもよい。例えば、ランプ(LED、7セグ等)の色(ランプの色により当選役を示唆する)やサブリールの図柄(サブリールの図柄により当選役を示唆する)であってもよい。
また、上記実施形態では、遊技に関する情報の報知が、入賞役の内部抽選処理の結果(内部当選役)を示唆する情報の報知である場合について説明したが、遊技に関する情報の報知は、これに限定されるものではない。例えば、出玉に関する内部状態(設定値、ART(アシストリプレイタイム)に近い状態か否か、ARTの抽選モード、ART潜伏中か否か、ポイント値など)を示す内部情報、演出特典(例えば、プレミアム演出など)、演出の発展先を示す情報(どの演出に発展するかを示す情報)、ボーナスへの期待度を示す情報などの報知でもよい。
さらには、上記実施形態では、シャッタ163は遮蔽位置で振動するように制御されたが、遮蔽位置における遮蔽可動物の動作は振動に限定されない。遮蔽可動物の種類に応じた動作であればいずれでもよい。例えば、回転可能な遮蔽可動物であれば、遮蔽可動物が回転するように制御されてもよい。
なお、上記第1実施形態の場合には、遮蔽可動物の種類(例えば、大きさや重さなど)やモータの種類に応じて、最適な連続動作可能時間をパラメータとして設定すればよいので、連続動作可能時間の変更が容易であるというメリットがさらにある。すなわち、遮蔽可動物の種類やモータの種類が変わったとしても、演出データ(動作データ)の構成を変化させる必要がなく、連続動作可能時間の設定を変更するだけでよい。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、上記実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、前記複数のリールを回転開始させるためのスタート操作を受け付けるスタート操作受付手段(例えば、スタートレバー135、主制御部300、スタート操作受付処理S102)と、前記スタート操作を受け付けた場合に、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により行う抽選手段(例えば、主制御部300、乱数取得処理S104、入賞役内部抽選処理S105)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための停止操作を受け付ける停止操作受付手段(例えば、ストップボタン137〜139、主制御部300)と、前記抽選手段の抽選結果及びそれぞれの前記停止操作に基づいて、前記複数のリールそれぞれの回転停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止データ選択処理S106、リール停止制御処理S108)と、前記停止制御手段による停止制御により、予め定められた有効ライン上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かを判定する判定手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理S109)と、 複数種類の遊技状態のうち、前記判定手段による判定結果に対応する遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段(例えば、主制御部300、遊技状態制御処理S111)と、前記抽選手段による抽選結果に関する情報を視覚的に遊技者に報知する報知装置(例えば、演出画像表示装置157、ランプ、サブリールなど)と、モータ駆動によって移動自在に構成され、前記情報が報知される前記報知装置の所定領域の少なくとも一部を遮蔽可能な遮蔽部材(例えば、シャッタ163、ハーフミラーなど)と、前記報知装置が報知する情報及び前記遮蔽部材の移動を制御して演出を実行する演出実行手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500、第1副制御部メイン処理、第2副制御部メイン処理)と、を備えた遊技台であって、前記遮蔽部材は、前記報知装置の所定領域を遮蔽しない退避位置と、前記所定領域の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽位置との間を移動可能に構成され、前記演出実行手段は、前記遮蔽部材を前記遮蔽位置に移動させるとともに、前記複数のリールのいずれかが回転中において、前記遮蔽位置で前記遮蔽部材を可動(例えば、振動、水平移動、垂直移動、回転など)させる遮蔽演出を実行し、前記遮蔽演出を実行開始後、予め定めた所定時間が経過する前に、回転中のいずれかのリールに対応する停止操作を受け付けた場合には、前記遮蔽位置における前記遮蔽部材の可動を停止させた後、前記遮蔽部材を移動させて、前記抽選結果に関する情報を報知する報知演出を実行する一方、前記所定時間が経過しても、前記回転中のいずれかのリールに対応する停止操作を受け付けない場合には、前記遮蔽位置における前記遮蔽部材の可動を、遮蔽の状態を維持したまま停止させる待機演出を実行することを基本的構成とする。
この一態様によれば、遮蔽部材を用いた演出を実行中にリールを空回しさせたとしても、遮蔽部材のモータ発熱を抑えることができる。また、遮蔽演出と報知演出の連続性を保つことができる。
また、前記報知装置は、画像を表示する画像表示装置(例えば、演出画像表示装置157)を含み、前記演出実行手段は、前記遮蔽演出を実行している間、前記遮蔽部材の可動に連動した演出画像を表示し、前記所定時間の経過に伴って前記遮蔽部材の可動を停止した後も、前記遮蔽部材の可動に連動した演出画像を継続して表示することが好ましい。
この場合、遮蔽部材の可動が停止しても画像演出は継続されるので、違和感ない演出を提供することができる。
また、前記遮蔽部材を移動させる演出データ(例えば、シャッタ163の演出データ)を備え、前記演出データは、前記遮蔽部材の移動による終点である目標位置と、現在地から前記目標位置までの移動時間からなる動作データ(例えば、シャッタ163の動作データ)を複数備えて構成され、前記演出実行手段は、前記演出データの複数の前記動作データのそれぞれを順次設定し、順次設定されたそれぞれの前記動作データの前記目標位置及び前記移動時間に従って、前記遮蔽部材を移動制御することが好ましい。
この場合、遮蔽部材の可動が停止しても、遮蔽部材の次の動作を違和感なくスムーズに実現することができる。
また、前記演出実行手段は、前記所定時間が経過すると、前記動作データの設定を行わないことが好ましい。
この場合、遮蔽部材のモータの性能に応じて柔軟に所定時間を設定することができる。
また、前記抽選結果に関する情報は、内部当選した役を示唆する情報であることが好ましい。
この場合、遮蔽される情報が内部当選した役を示唆する情報であるので、期待感を向上させることができる。
また、前記遮蔽部材の可動は、前記遮蔽部材の振動であることが好ましい。
この場合、遮蔽部材のモータには負荷がかかり発熱しやすくなっているので、より好適に遮蔽部材のモータ発熱を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。