以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「10」、「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチAやスーパーリーチB、スーパーリーチCといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれていればよい。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。例えば、先読み予告演出として、保留表示予告を実行することができればよい。
保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。こうした先読み予告演出としては、保留表示予告の他にも、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、予告対象となる可変表示における可変表示結果などに基づいてストーリーの結果を表示するような演出が実行されてもよい。より具体的には、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、可変表示結果が「大当り」となる場合には試合やバトルに勝利する演出を行い、可変表示結果が「ハズレ」であれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合であれば、試合やバトルが引き分けて継続する演出を行うようにしてもよい。また、勝敗などの結果を表示するものではなく、物語などの所定のストーリーを複数回の可変表示にわたり順に展開させていくような演出を実行してもよい。あるいは、先読み予告演出として、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときに、可変表示結果が「大当り」となるか否かを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば50回、30回のいずれかの回数)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば78回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了すればよい。ただし、時短状態は、大当り終了後、変動表示を30回または50回終了したとき(始動回数が30回または50回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を78回終了するまで(始動回数が78回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、30回目の変動表示または50回目の変動表示を終了してから78回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。なお、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「10R非確変1」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「10R非確変2」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変1」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変2」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第5可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「10R確変1」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第6可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C06Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「10R確変2」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第7可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C07Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変1」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第8可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C08Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変2」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第9可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C09Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変3」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第10可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0AHは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確1」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第11可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0BHは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確2」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第12可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0CHは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確3」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第13可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0DHは、可変表示結果が「小当り」で大当り種別が「小当りA」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第14可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0EHは、可変表示結果が「小当り」で大当り種別が「小当りB」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第15可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C0FHは、可変表示結果が「小当り」で大当り種別が「小当りC」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第16可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図18参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5、開放種別決定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR6の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR6の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。開放種別決定用の乱数値MR6は、特別可変入賞球装置7の開放種別を「通常開放」、「短期開放」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「39」の範囲の値をとる。当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別や、可変表示結果を「小当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である小当り種別を決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、あらかじめ用意された変動パターンを示す説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図5に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図5に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図5において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、短期開放大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、短期開放大当りまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図5に示すように、短期開放大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、短期開放大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施の形態では、図5に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、短期開放大当りや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、短期開放大当りや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、通常開放大当りである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、短期開放大当りである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、短期開放大当りである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−0と、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される当り判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、当り判定テーブルとして、図6(A)に示す大当り判定テーブル130aと、図6(B)に示す小当り判定テーブル130bと、図6(C)に示す小当り判定テーブル130cと、が予め用意されている。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、特定表示結果決定用の乱数値MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、特定表示結果決定用の乱数値MR1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130Bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130Cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130Bには、図6(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130Cには、図6(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図6(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を特定表示結果決定用の乱数値MR1とするのであるが、特定表示結果決定用の乱数値MR1が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常開放大当り、短期開放大当り)にすることに決定する。また、特定表示結果決定用の乱数値MR1が図6(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図6(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図6(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130Bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130Cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示装置4Aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、短期開放大当りにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示装置4Bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は短期開放大当りにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示装置4Bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130Bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、短期開放大当りに決定する割合(1/1330(低確時)、1/133(高確時))に比較して高く、小当りが短期開放大当りよりも高頻度にて発生するようになっている。
図7は、ROM101に記憶されている開放種別判定テーブル131を示す説明図である。開放種別判定テーブル131は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて開放種別を決定する場合の開放種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の開放種別判定テーブル131が使用されて、開放種別が決定される。
開放種別判定テーブル131は、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、開放種別決定用の乱数値MR6にもとづいて、開放種別を「通常開放」、「短期開放」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、「通常開放」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で通常開放と決定される)、「短期開放」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で短期開放大当りと決定される)。従って、この実施の形態では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「短期開放」となる確率は「通常開放」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「短期開放」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「短期開放」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施の形態では、第2特定遊技状態としての15ラウンドの短期開放大当りと、この短期開放大当りと比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態としての通常開放大当りと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、ラウンド数が多い第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
開放種別判定テーブル131には、開放種別決定用の乱数値MR6と比較される数値であって、「通常開放」、「短期開放」のそれぞれに対応した判定値(開放種別判定値)が設定されている。CPU103は、開放種別決定用の乱数値MR6が開放種別判定値のいずれかに一致した場合に、開放種別を、一致した開放種別判定値に対応する種別に決定する。
図8は、ROM101に記憶される当り種別判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、当り種別判定テーブルとして、図8(A)に示す第1始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Aと、図8(B)に示す第2始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Bと、図8(C)に示す短期開放大当り種別判定テーブル132Cと、図8(D)に示す小当り種別判定テーブル132Dと、が予め用意されている。
図8(A)、(B)に示す通常開放大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別決定用の乱数値MR2にもとづいて、大当りの種別を、「15R確変」、「10R確変」、「15R非確変」、「10R非確変」のうちのいずれかの種別(種類)に決定するために参照されるテーブルである。
なお、「15R確変」、「10R確変」、「15R非確変」、「10R非確変」の各々にも、複数の種別がある。図8(A)、(B)に示す例では、大当り種別は9種類である。
15R確変大当りおよび15R非確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回(15ラウンド))まで許容されるような大当りである。15R確変大当りの場合には、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させる。10R確変大当りおよび10R非確変大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が相対的に少ない回数(例えば、10回(10ラウンド))まで許容されるような大当りである。10R確変大当りの場合には、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させる。
また、図8(A)、(B)に示すように、いずれの種別の大当りが生じた場合にも、大当り遊技が終了した後、遊技状態が時短状態(高ベース状態ともいう。)に移行する。高ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、第1特別図柄表示装置4A、4Bや画像表示装置5における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)。
なお、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、普通可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、普通可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器20における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、普通可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
従って、時短状態(高ベース状態)は、遊技球が始動領域に進入する頻度が高い高頻度状態に対応する。
また、図8(A)、(B)に示すように、高ベース状態は、所定回の可変表示(変動表示)が実行されるまで、または、次に大当りが発生するまで継続するが、継続回数(高ベース状態で実行可能な可変表示の回数)は、大当りの種別に応じて異なる。
また、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは一意に対応している。
なお、この実施の形態では所定の乱数値を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数値を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
図8(C)に示す短期開放大当り種別判定テーブル132Cは、開放種別判定テーブル131を用いた判定で、開放種別が短期開放に決定され、その時点の遊技状態が低確状態である場合において、短期開放大当りの種別を突確1、突確2、突確3のいずれかに決定するために用いられるテーブルである。
具体的には、短期開放大当り種別判定テーブル131bには、突確1、突確2、突確3のそれぞれに対応して、当り種別決定用の乱数値MR2の判定値が記憶されており、開放種別が短期開放に決定された際に抽出された当り種別決定用の乱数値MR2が該当する種別に決定される。
尚、この実施の形態では、「突確1」に対して10個の判定値が割り当てられ(100分の10の割合で突確1と決定される)、「突確2」に対して35個の判定値が割り当てられている(100分の35の割合で突確2と決定される)、「突確3」に対して55個の判定値が割り当てられており(100分の55の割合で突確3と決定される)、「突確3」>「突確2」>「突確1」の順で多く決定されるようになっている。
尚、図8(E)に示すように、突確1は、大当り状態の終了後においてはずれの変動パターンの種別決定に使用するテーブルを変更する使用テーブル変更始動回数が10回とされる短期開放大当りであり、突確2は使用テーブル変更始動回数が20回とされる短期開放大当りであり、突確3は使用テーブル変更始動回数が30回とされる短期開放大当りであり、突確1、突確2、突確3は、使用テーブル変更始動回数が異なるのみで、該使用テーブル変更始動回数以外の内容は全て同一とされている。
よって、短期開放大当りとなる場合には、使用テーブル変更始動回数の多い突確3が決定され易く、使用テーブル変更始動回数の少ない突確1が決定され難くなっており、各種別に対する割り当て比率(10/100,35/100,55/100)と使用テーブル変更始動回数(10,20,30)とのそれぞれの積を合計することで得られる使用テーブル変更始動回数の期待値としては、短期開放大当りでは24.5回である。
また、高確状態において短期開放大当りが決定された場合には、時短状態に移行して、該時短状態に対応した短縮の変動パターン種別を決定可能とされた変動パターン種別判定テーブルが使用されるので、短期開放大当りの種別の決定は行わないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら短期開放大当りの種別の決定を低確状態と同様に実施するものの、これら決定された種別に対応する使用テーブル変更始動回数にかかわらずに、時短状態に対応した短縮の変動パターン種別を決定可能とされた変動パターン種別判定テーブルを使用するようにしても良い。
図8(D)に示す小当り種別判定テーブル132Dは、小当り判定テーブル130B、130Cを用いた判定で、小当りに決定され、その時点の遊技状態が低確状態である場合において、小当りの種別を小当りA、小当りB、小当りCのいずれかに決定するために用いられるテーブルである。
具体的には、小当り種別判定テーブル132Dには、小当りA、小当りB、小当りCのそれぞれに対応して、当り種別決定用の乱数値MR2の判定値が記憶されており、小当りに決定された際に抽出された当り種別決定用の乱数値MR2が該当する種別に決定される。
尚、この実施の形態では、「小当りA」に対して65個の判定値が割り当てられ(100分の65の割合で小当りAと決定される)、「小当りB」に対して30個の判定値が割り当てられている(100分の30の割合で小当りBと決定される)、「小当りC」に対して5個の判定値が割り当てられており(100分の5の割合で小当りCと決定される)、「小当りA」>「小当りB」>「小当りC」」の順で多く決定されるようになっている。
尚、図8(E)に示すように、「小当りA」は、小当り状態の終了後においてはずれの変動パターンの種別決定に使用するテーブルを変更する使用テーブル変更始動回数が10回とされる小当りであり、「小当りB」は使用テーブル変更始動回数が20回とされる小当りであり、「小当りC」は使用テーブル変更始動回数が30回とされる小当りであり、小当りA、小当りB、小当りCは、使用テーブル変更始動回数が異なるのみで、該使用テーブル変更始動回数以外の内容は全て同一とされている。
よって、小当りとなる場合には、使用テーブル変更始動回数の少ない小当りAが決定され易く、使用テーブル変更始動回数の多い小当りCが決定され難くなっており、各種別に対する割り当て比率(65/100,30/100,5/100)と使用テーブル変更始動回数(10,20,30)とのそれぞれの積を合計することで得られる使用テーブル変更始動回数の期待値としては、小当りでは14.0回である。
尚、高確状態において小当りに決定された場合には、遊技状態が変化せずに高確状態を維持するとともに、該高確状態に移行する契機となった通常開放大当りまたは短期開放大当りにおいて決定された確変回数や使用テーブル変更始動回数が既に存在するので、小当りの種別の決定は行わないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら小当りの種別の決定を低確状態と同様に実施するものの、これら決定された種別に対応する使用テーブル変更始動回数を無効として、該高確状態に移行する契機となった短期開放大当りにおいて決定された使用テーブル変更始動回数を優先させる(有効とする)ようにしても良い。
また、この実施の形態では、短期開放大当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、短期開放大当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易くしても良い。
また、この実施の形態では、短期開放大当りと小当りとで異なる短期開放大当り種別判定テーブル132Cと小当り種別判定テーブル132Dとを使用することにより、短期開放大当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の多い種別が決定され易く、小当りとなる場合には、付与される使用テーブル変更始動回数の少ない種別が決定され易くすることで、これら使用テーブル変更始動回数の違いにより、短期開放大当りや小当りの発生直後の遊技状態が、高確(確変)状態であるか否かを遊技者が推定し易くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら短期開放大当りと小当りとで、例えば、各使用テーブル変更始動回数に判定値がほぼ均等に割り当てられた同一の種別判定テーブルを用いるようにして、短期開放大当りであるか小当りであるかの当りの種別にかかわらずに、使用テーブル変更始動回数を複数種類の使用テーブル変更始動回数(10回、20回、30回)のうちから決定するようにしても良く、このようにすることにより、短期開放大当りや小当りの発生直後の遊技状態が、高確(確変)状態であるか否かを遊技者が推定し難くすることにより、遊技機の興趣を向上させるようにしても良い。
また、この実施の形態では、短期開放大当りや小当りの種別を決定することにより、付与する使用テーブル変更始動回数を決定するようにしているが、これら短期開放大当りや小当りの種別を決定せずに、付与する使用テーブル変更始動回数を、例えば、短期開放大当りで決定可能な使用テーブル変更始動回数範囲である21〜30の範囲内から抽出して決定する一方、例えば、小当りで決定可能な使用テーブル変更始動回数範囲である11〜20の範囲内から抽出して決定するようにしても良い。
図9及び図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別判定テーブルとして、図9(A)に示す通常開放大当り用変動パターン種別判定テーブル133Aと、図9(B)に示す短期開放大当り/小当り用変動パターン種別判定テーブル133Bと、図10(A)〜(D)に示すはずれ変動パターン種別判定テーブル134A〜134Dとが、予め用意されている。
図9(A)に示す通常期間大当り用変動パターン種別判定テーブル133Aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
通常期間大当り用変動パターン種別判定テーブル133Aには、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
これら判定値の数としては、図9(A)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、通常期間大当りとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図9(B)に示す短期開放大当り/小当り用変動パターン種別判定テーブル133Bは、特定表示結果決定用の乱数値MR1並びに当り種別決定用の乱数値MR2に基づく当り種別の判定において、短期開放大当り及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図9(B)に示すように、短期開放大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、短期開放大当りでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、短期開放大当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する短期開放大当りや小当りに対応した演出図柄の組み合わせ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、短期開放大当りと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、短期開放大当りとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する短期開放大当りや小当りに対応した演出図柄の組み合わせ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施の形態では、高確状態に移行する短期開放大当りの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に短期開放大当りの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する短期開放大当りである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する短期開放大当りや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する短期開放大当りのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する短期開放大当りのときにおいて多く決定される。
尚、この実施の形態では、高確状態に移行する短期開放大当りのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する短期開放大当りであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施の形態では、高確状態における小当りの場合には、短期開放大当りの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(短期開放大当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、短期開放大当りと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、短期開放大当りの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図10(A)〜(D)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル134A〜134Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が時短状態であるか或いは合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bを示している。また、図10(C)は、短期開放大当り或いは小当りが発生した後、変動回数(始動回数)が該発生した短期開放大当りまたは小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において、合算保留記憶数にかかわらずに用いられる、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cを示している。また、図10(D)は、短期開放大当りが発生した後、変動回数(始動回数)が、該発生した短期開放大当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数となってから確変回数である78回となるまでの期間において、合算保留記憶数にかかわらずに用いられる、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dを示している。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル134A〜134Dには、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−0〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A)〜(D)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
また、図10(C)示す使用テーブル変更始動回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cにおいては、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、スーパーCA2−8に対して割り当てられている判定値は、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aと同一であるが、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値が、110〜250(通常用では230〜250)とされ、通常用よりも多く設定されているとともに、スーパーリーチに比較して変動時間の短い各種ノーマルリーチの演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対して割り当てられている判定値が、100〜104(通常用では100〜169)、105〜109(通常用では170〜229)とされ、通常用よりも少なく設定されていることで、変動時間の長いスーパーリーチが多く発生し、変動時間の平均時間が通常よりも長くなる。
尚、変動時間の平均時間は、それぞれの変動パターン種別に含まれる各変動パターンの変動時間に図11(C)に示す判定値の割り当て数に基づく決定比率(例えば、非リーチPA1−0であれば750/997、非リーチPA2−1であれば997/997等)を乗じた値を合算した各変動パターン種別毎の平均変動時間に、各変動パターン種別の乱数値MR3の判定値の割り当て数に基づく決定比率(例えばスーパーCA2−7であれば141/251)乗じた値を合算した値が平均変動時間であり、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cとはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aでは、それぞれのテーブルに含まれる変動パターン種別が同一であるので、各種別毎の平均変動時間が同一であるため、それぞれのテーブルにおける乱数値MR3の判定値の割り当ての違いのみ、つまりノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−7の判定値の割り当ての違いにより平均変動時間の違いが生じることになり、それぞれの変動パターン種別の平均変動時間は、ノーマルCA2−4<ノーマルCA2−5<スーパーCA2−7であるので、平均変動時間の長いスーパーCA2−7に対して判定値の割り当て数が多く、平均変動時間の短いスーパーCA2−4やノーマルCA2−5に対して判定値の割り当て数が少ないはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cの方が、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aよりも変動時間が長くなる。また、当然ながら、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Aよりも変動時間が短いはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bよりも、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cの方が変動時間が長くなる。
このように、はずれのスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値を通常よりも高めることで、短期開放大当りが発生することによる高確状態においてスーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまい、興趣が低下してしまうことを防止できる。
つまり、短期開放大当りが発生した場合には、大当りと判定される確率が、1/399から1/40に約10倍に高められ、これら大当りと判定された場合には、スーパーリーチの変動パターンが多く決定されるので、当りのスーパーリーチの発生確率が、低確状態の場合に比較して非常に高くなる、つまりは、スーパーリーチが発生した場合に、大当りとなる確率(信頼度)が非常に高くなってしまい、遊技者は、これらスーパーリーチが発生したときにはほぼ確実に大当りとなると解ってしまうことになり、興趣が低下してしまうのに対し、この実施例のように、短期開放大当りの発生後において、はずれのスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含むスーパーCA2−7に対して割り当てられている判定値を多くしたはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cを用いることで、スーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまうことを回避できるので、これらスーパーリーチの信頼度が非常に高くなることによる興趣の低下を防止できる。
尚、この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cにおいては、スーパーリーチCの演出を伴わない演出パターンを含むスーパーCA2−7に対する判定値を多くする一方、スーパーリーチCの演出を伴う演出パターンを含むスーパーCA2−8に対する判定値を、通常と同一とすることで、スーパーリーチCの信頼度が、通常の場合と同じ、高い信頼度に維持されるようになっている。
つまり、この実施の形態では、スーパーリーチCは、通常開放大当りに決定されたときにおいては、後述する図11(A)の当り変動パターン判定テーブル137aに示すように、901〜997の範囲の判定値が割り当てられていることにより、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×97/997(スーパーリーチCに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定割合)×1/251(スーパーCA2−8が決定される割合)×1/997(スーパーリーチCに決定される割合)の確率にて発生する。すなわち、当りの場合のスーパーリーチCは、はずれの場合のスーパーリーチCに比較して42.3倍も発生し易く、スーパーリーチCの信頼度(当りのスーパーリーチCの発生確率/(当りのスーパーリーチCの発生確率+はずれのスーパーリーチCの発生確率))は、97、7%である。
また、スーパーリーチAは、通常開放大当りに決定されたときにおいては、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×408/997(スーパーリーチAに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定確率)×22/251(スーパーCA2−7とスーパーCA2−8が決定される確率)×608/997(スーパーリーチあに決定される確率)の確率にて発生するので、スーパーリーチAの信頼度は、1.3%である。
また、スーパーリーチBは、通常開放大当りに決定されたときにおいては、1/399(大当り決定割合)×172/251(スーパーCA3−3が決定される割合)×492/997(スーパーリーチBに決定される割合)の確率にて発生する一方、はずれの場合においては、398/399(はずれの決定割合)×22/251(スーパーCA2−7とスーパーCA2−8が決定される割合)×389/997(スーパーリーチBに決定される確率)の確率にて発生するので、スーパーリーチBの信頼度は、2.4%である。
このように、スーパーリーチCのはずれの発生確率にかかわるスーパーCA2−8に対する判定値が変化せず、スーパーリーチCよりも信頼度の低いスーパーリーチAやスーパーリーチBのはずれの発生確率にかかわるスーパーCA2−7に対する判定値を増加させることは、スーパーリーチCの高信頼度を維持しつつ、はずれのスーパーリーチA、Bの発生頻度を増加させることにより、当りのスーパーリーチの信頼度が非常に高くなってしまうことを防止できるが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーCA2−8に対する判定値の割り当てを、例えば、確変において大当りと判定される確率の増加分である10倍程度増加させて、はずれにおけるスーパーリーチCの発生頻度を増加させることで、高確時において、スーパーリーチCの信頼度を低確時とほぼ同様となるようにしても良い。
また、この実施の形態では、使用テーブル変更始動回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cにおいては、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対する判定値を減少して、スーパーCA2−7に対する判定値の割り当てを増加するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5に対する判定値を減少させずに、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2に対する判定値の割り当てを減少させるようにしたり、或いは、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5のそれぞれの判定値をほぼ均等に減少させるようにしても良い。
尚、この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cにおいては、非リーチCA2−0に対して判定値を割り当てていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動時間の平均が、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134A(通常用)の変動時間の平均よりも短くならない範囲で非リーチCA2−0に対して判定値を割り当てることで、これらはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cが使用される使用テーブル変更始動回数までの期間においても、超短縮の変動パターンや短縮の変動パターンが実施されるようにしても良い。
また、図10(D)示す使用テーブル変更始動回数以降から確変回数までの期間用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dにおいては、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、スーパーCA2−8に対して割り当てられている判定値が、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bと同一とされているが、該短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dにおいては、非リーチCA2−3に代えて、非リーチCA2−0に対して同一の判定値が割り当てられている。
つまり、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bにおける非リーチCA2−3では、図11(C)に示すように、超短縮(1.25秒)の変動パターンである非リーチPA1−0に対して「1〜500」の判定値が割り当てられ、短縮(2.5秒)の変動パターンである非リーチPA1−2に対して「501〜997」の判定値が割り当てられているのに対し、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dにおける非リーチCA2−0では、超短縮(1.25秒)の変動パターンである非リーチPA1−0に対して「1〜750」の判定値が割り当てられ、短縮(2.5秒)の変動パターンである非リーチPA1−2に対して「751〜997」の判定値が割り当てられている。すなわち、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dでは、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bよりも、超短縮(1.25秒)の変動パターンが決定され易くなっており、変動時間の平均時間が、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bの変動時間の平均時間よりも短縮される。
よって、後述するように、短期開放大当りが発生した場合には、短期開放大当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数まで、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが全く発生せずに変動時間の長いスーパーリーチが発生し易く、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも長くなるとともに、使用テーブル変更始動回数から確変回数(78回)までの期間では、保留記憶数にかかわらずに、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bよりも平均変動時間の短いはずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが通常よりも発生し易く、変動時間の長いスーパーリーチが通常と同じ頻度となることで、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも短くなるので、使用テーブル変更始動回数の前後で変動時間の長さが大きく変化する。
また、後述するように、小当りが発生した場合には、小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数まで、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cが使用されることで、変動時間の短い超短縮の変動パターンが全く発生せずに変動時間の長いスーパーリーチが発生し易く、変動時間の平均時間が通常の変動時間よりも長くなるとともに、使用テーブル変更始動回数以降においては、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134A或いは、保留記憶数が3以上であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Bが使用されることで、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cによる変動時間よりも変動時間の平均時間が短くなるので、使用テーブル変更始動回数の前後で変動時間の長さが大きく変化する。
尚、この実施の形態では、短期開放大当りおよび小当りの発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間、つまり使用テーブル変更始動回数となる前において、変動時間の平均時間を長くし、使用テーブル変更始動回数の後において使用テーブル変更始動回数前よりも変動時間の平均時間を短くするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、逆に、短期開放大当りおよび小当りの発生してから使用テーブル変更始動回数となるまでの期間において、例えば、超短縮の変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを多くしたり、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを少なくする等により変動時間の平均時間を短くし、使用テーブル変更始動回数の後において、超短縮の変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを少なくしたり(或いは通常に戻す)、変動時間の長いスーパーリーチの演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対する判定値の割り当てを多くする(或いは通常に戻す)等により、該使用テーブル変更始動回数前の変動時間の平均時間よりも、変動時間の平均時間を長くするようにしても良い。
なお、図10に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル134Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル134Bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよいし、更には、小当り後に使用テーブル変更始動回数となってから所定回数(例えば30回)の変動表示が実施されるまでは、合算保留記憶数の閾値を1とすることで、該所定回数となるまでの期間については、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが使用されるようにしても良い。
図11は、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図11(A)、(B)に示す当り変動パターン判定テーブル135A、135Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル135A〜135Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル135Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル135Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル135A〜135Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、擬似連の演出有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図11(C)に示すはずれ変動パターン判定テーブル135Cは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル135Cは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施の形態のはずれ変動パターン判定テーブル135Cでは、前述したように、非リーチCA2−0と非リーチCA2−1とで、非リーチPA1−0(超短縮)と非リーチPA1−02(短縮)との判定値の割り当てが異なっている。
また、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図13(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図13(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図14(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図14(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図14(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図14(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。図14(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図14(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告演出の種別が決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17は、始動入賞判定処理として、図16のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図17に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、開放種別を「通常開放」、「短期開放」のいずれにするか、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別や「小当り」とする場合の小当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図18は、入賞時乱数値判定処理として、図17のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図16のステップS110、図19)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図16のステップS111、図20)において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図18に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図17のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405の処理に続いて、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS406)。例えば、時短制御が行われていないときには、「79」、「99」、「199」、「219」および「229」を、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値に設定する。このうち、「79」は、図10(A)に示すはずれ変動パターン種別判定テーブル(通常時)134Aにおいて、合計保留記憶数にかかわらず変動パターン種別CA1−1に決定される乱数値MR3の上限値となっている。また、「99」は、合計保留記憶数が「0」または「1」であるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「199」は、合計保留記憶数が「2」〜「4」のいずれかであるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「219」は、合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかであるときに、可変表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「229」は、合計保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチのリーチ演出が実行されない変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。このように、変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリを設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS408)。例えば、ステップS408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3における最大値であり、乱数値MR3は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、開放種別決定用の乱数値MR6や当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、開放種別判定テーブル131を参照することにより、開放種別が「通常開放」、「短期開放」のいずれに決定されるかを判定し、「通常開放」に決定されると判定したときには、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、第1始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132A、第2始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Bのいずれかを選択する。そして、選択した大当り種別判定テーブルを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS410の処理に続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS411)。
ステップS406、S408、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
なお、ステップS406、S408、S411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、図9および図10に示すような変動パターン種別決定テーブルのいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図18に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図17に示す始動入賞判定処理や図18に示す入賞時乱数値判定処理では、図17におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図18に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図18におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図17におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図15に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図16のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図19は、特別図柄通常処理として、図16のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3、MR6を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、開放種別決定用の乱数値MR6、当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、図18に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。次いで、CPU103は、選択した開放種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された開放種別決定用の乱数値MR6と一致する値に対応した種別(「通常開放」または「短期開放」)を開放種別に決定する(ステップS2422)。この場合、CPU103は、始動入賞判定処理のステップS209で抽出し変動用乱数バッファに格納された開放制御決定用の乱数値MR6を示す数値データを読み出し、開放種別の決定を行う。
そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、ステップS2422にて決定された開放種別および変動特図指定バッファ値に対応する大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS243)。具体的には、CPU103は、開放種別が「通常開放」で、変動特図指定バッファ値が「1」を示している場合には、図8(A)に示す第1特別図柄用の通常開放大当り種別判定用テーブル132Aを選択する。また、CPU103は、開放種別が「通常開放」で、変動特図指定バッファ値が「2」を示している場合には、図8(B)に示す第2特別図柄用の通常開放大当り種別判定用テーブル132Bを選択する。さらに、CPU103は、開放種別が「短期開放」である場合には、図8(C)に示す短期開放大当り種別判定用テーブル132Cを選択する。更に、当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出し、該抽出した当り種別判定用の乱数値MR2と一致する値に対応した種別を、大当り種別として決定する(ステップS244)。ステップS243にて図8(A)に示す第1特別図柄用の通常開放大当り種別判定用テーブル132Aが選択された場合には、大当り種別が「10R非確変1」、「10R非確変2」、「10R確変1」、「10R確変2」、「15R確変1」のいずれかに決定される。また、ステップS243にて図8(B)に示す第2特別図柄用の通常開放大当り種別判定用テーブル132Bが選択された場合には、大当り種別が「15R非確変1」、「15R非確変2」、「15R確変1」、「15R確変2」、「15R確変3」のいずれに決定される。さらに、ステップS243にて図8(C)に示す短期開放大当り種別判定用テーブル132Cが選択された場合には、大当り種別が「突確1」、「突確2」、「突確3」のいずれに決定される。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「10R非確変1」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「10R非確変2」であれば「01」とし、「15R非確変1」であれば「02」とし、「15R非確変2」であれば「03」とし、「10R確変1」であれば「04」とし、「10R確変2」であれば「05」とし、「15R確変1」であれば「06」とし、「15R確変2」であれば「07」とし、「15R確変3」であれば「08」とし、「突確1」であれば「09」とし、「突確2」であれば「10」とし、「突確3」であれば「11」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。すなわち、CPU103は、特定表示結果決定用の乱数値MR1が図8(b)、(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、変動特図指定バッファ値を確認し、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には、図8(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には、図8(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
次に、当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出し、図8(f)に示する小当り種別判定テーブル132Dを用いて、該抽出した当り種別判定用の乱数値MR2と一致する値に対応した種別(「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」)を、小当りの種別として決定する(ステップS2472)。そして、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM102における小当り種別バッファに設定した後(ステップS2473)、ステップS248に移行する。これら小当り種別バッファには、例えば、小当り種別が「小当りA」の場合には小当り種別を示すデータとして「12」が設定され、小当り種別が「小当りB」の場合には小当り種別を示すデータとして「13」が設定され、小当り種別が「小当りC」の場合には小当り種別を示すデータとして「14」が設定される。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S2473の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図20は、変動パターン設定処理として、図16のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS261)。大当りフラグがセットされている場合にCPU103は、更に、大当り種別バッファに記憶されているデータにより、通常開放大当りであるか否かを判定する(ステップS262)。
大当りが通常開放大当りである場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル133A(図9(A)参照)を選択する(ステップS263)。そして、ステップS274に移行する。
一方、大当りが通常開放大当りでない場合、つまり、短期開放大当りである場合には、ステップS265に進んで、短期開放大当り/小当り用変動パターン種別判定テーブル133B(図9(B)参照)を選択する(ステップS265)。そして、ステップS274に移行する。また、大当りフラグがセットされていない場合にCPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS264)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短期開放大当り/小当り用変動パターン種別判定テーブル133B(図9(B)参照)を選択する(ステップS265)。そして、ステップS274に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合にCPU103は、使用テーブル変更始動回数に残回数が存在するか否かを判定する(ステップS266)。使用テーブル変更始動回数に残回数が存在する場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Cを選択した後(ステップS267)、ステップS274に移行する。
使用テーブル変更始動回数に残回数が存在しない場合には、ステップS97に進んで、遊技状態が、時短フラグがセットされていない低ベース状態であって、確変回数の残回数が存在するか否かを判定する。確変回数の残回数が存在する場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134Dを選択した後(ステップS268)、ステップS274に移行する。
確変回数の残回数が存在しない場合には、ステップS270に進んで、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS270;Yes)、CPU103は、ステップS272に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS272;No)、CPU103は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS271)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS271;No)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134A(図10A参照)を選択する(ステップS273)。そして、ステップS274に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS270;Yes)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS271;Yes)には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル134B(図10(B)参照)を選択した後(ステップS272)、ステップS274に移行する。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)から変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを読み出し、ステップS263、S265、S267,S269,S272またはS273の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS274)。
次いで、CPU103は、ステップS274の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル135A、135B、はずれ変動パターン判定テーブル135C(図11参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS275)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)から変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを読み出し、ステップS275の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS276)。なお、始動入賞のタイミングで変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR3を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを直接抽出し、抽出した変動パターン決定用の乱数値MR3にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS277)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。また、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS279)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新する(ステップS280)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS266〜S273の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
ステップS277でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図21は、特別図柄停止処理として、図16のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄停止処理において、特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、変動図柄指定バッファ値に「1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動図柄指定バッファ値に「2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS133a)、セットされている場合には、大当り遊技状態において遊技状態を一旦通常状態に移行させるが、後述する大当り終了処理において大当り遊技状態の終了後の遊技状態を決定する際に、大当り前の遊技状態が確変状態であったか否かが判るようにするために、大当り前の遊技状態が確変状態であったことを示す大当り前確変フラグをセットする(ステップS133b)。
次いで、確変フラグや時短フラグや高確報知フラグがあった場合にはそれらをリセットし(ステップS134)、演出制御基板12に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常開放大当りである場合には通常開放大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が短期開放大当りである場合には短期開放大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常開放大当り、短期開放大当りのいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、CPU103は、演出制御基板12に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)および大当り種別に応じた開放時間をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS114)に対応した値“4”に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(ステップS153)。そして、CPU103は、減算後の確変回数カウンタの値にもとづいて確変回数指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップS154)。次いで、CPU103は、減算後の確変回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS155)、確変フラグをリセットするとともに、高確報知フラグがセットされている場合には該高確報知フラグをリセットする(ステップS156)。また、CPU103は、演出制御基板12に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS157)。
ステップS155において減算後の確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、確変・時短状態に制御されている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行った後(ステップS143)、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
ステップS145にて時短フラグをリセットした場合、またはステップS140;No,S141;No,S144;Noの場合、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御基板12に小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば15回)および小当りに対応した開放時間(短期開放大当りと同じ開放時間)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS118)に対応した値“8”に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147;No)、CPU103は、RAM102の所定領域に記憶されている使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS192)。使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0である場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値“0”に更新する(ステップS195)。
一方、使用テーブル変更始動回数カウンタの値が0でない場合には、使用テーブル変更始動回数カウンタの値を1減算する(ステップS193)。そして、CPU103は、減算後の使用テーブル変更始動回数カウンタの値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行った後(ステップS194)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS100)に対応した値“0”に更新する(ステップS195)。
図22は、図16のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS157)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットするともに(ステップS158)、終了した大当りの種別が短期開放大当りである場合には、短期開放大当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数を使用テーブル変更始動回数カウンタにセットするとともに(ステップS160)、該使用テーブル変更始動回数カウンタにセットした値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップS161)。
そして、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常開放大当りであった場合には通常開放大当り終了指定コマンドを送信し、短期開放大当りであった場合には小当り/短期開放大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165;Yes)、CPU103は、大当りの種別が通常開放大当りであるか否かを確認する(ステップS166A)。具体的には、特別図柄通常処理のステップS245で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」〜「08」のいずれであるか否かを確認することによって判定できる。通常開放大当りであれば、CPU103は、ステップS167に進んで、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットするとともに、、大当りの種別に応じた時短回数(図8参照)を時短回数カウンタ(2バイト構成)にセットし(ステップS168)、使用テーブル変更始動回数が使用テーブル変更始動回数カウンタに存在する場合には、該使用テーブル変更始動回数カウンタをリセットした後(ステップS168+)、時短状態指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップS169)。
次いで、CPU103は、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに(ステップS170)、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば78回)をセットし(ステップS171)、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
尚、この遊技状態を確変状態に移行させる段階、つまり、起動時以外の遊技中において確変(高確)状態に移行する場合には、起動時において電力供給停止前に確変フラグがセットされている場合と異なり、高確報知フラグをセットしないので、所定の高確報知LEDが点灯されて確変(高確)状態であることが報知されてしまうことがないとともに、起動高確情報が所定の情報出力回路から出力されて呼び出しランプにより確変(高確)状態であることが報知されてしまうこともない。
また、ステップS166Aにおいて短期開放大当りであればステップS166Bに進んで、大当り前確変フラグがセットされているか否かを確認する。大当り前確変フラグがセットされていなければ、ステップS170に進んでステップS170〜173の処理を行う。一方、大当り前確変フラグがセットされていれば、ステップS166Cに進んで、大当り前確変フラグをリセットしてからステップS167〜173の処理を行う。
すなわち、通常状態(低確低ベース状態)において短期開放大当りが発生した場合は、使用テーブル変更始動回数と確変回数が更新(セット)され、確変状態(高確低ベース状態)または確変・時短状態(高確高ベース状態)において短期開放大当りが発生した場合は、使用テーブル変更始動回数はセットされずに、時短回数および確変回数が更新(セット)される。
なお、この実施の形態では、ステップS167でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU103は、普通図柄プロセス処理(ステップS16参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS100)に対応した値“0”に更新する(ステップS173)。
図23は、図16のステップS120にて実行される小当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す小当り終了処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS187に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットするともに(ステップS181)、確変フラグがセットされているか否か、つまり、高確(確変)中において発生した小当りであるか否かを判定する。
確変フラグがセットされていない場合には、ステップS183に進んで、小当りの種別に応じた使用テーブル変更始動回数を使用テーブル変更始動回数カウンタにセットするとともに(ステップS183)、該使用テーブル変更始動回数カウンタにセットした値にもとづいてテーブル変更回数指定コマンドを演出制御基板12に送信する制御を行う(ステップS184)。
一方、確変フラグがセットされている場合には、ステップS183、ステップS184を経由することなくステップS185に進む。
つまり、確変フラグがセットされている場合には、該小当りの発生以前に既に通常開放大当りまたは短期開放大当りが発生したことによる確変回数が既にセットされている状態であるので、これら確変回数が既にセットされている状態を保持することで、通常開放大当りまたは短期開放大当りから確変回数が終了するまでの確変状態の遊技性を小当りの発生により損なうことがないようにされている。
そして、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS185)。そして、小当り終了表示タイマに、画像表示装置5において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS186)、処理を終了する。
ステップS187では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS188)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS188;Yes)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS100)に対応した値“0”に更新する(ステップS189)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図24のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図25は、コマンド解析処理として、図24のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3などを示す数値データに基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときには、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過しているか否かを判定する。このとき、これらの待ち時間が経過していなければ、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信コマンドを格納する。一方、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれかを受信したときに、第1保留記憶数通知待ち時間や第2保留記憶数通知待ち時間が経過していれば、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、あるいは、正常な受信期間内に受信できなかったとして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信コマンドを格納すればよい。
図26は、演出制御プロセス処理として、図24のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や先読み予告演出の結果(先読み結果)を決定する先読み予告決定処理を実行する(ステップS161)。図27および図28は、図26のステップS161にて実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図27および図28に示す先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(図27のステップS701)。そして、始動入賞時のコマンドのうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS702)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS702;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
ステップS702にて受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS702;Yes)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704にて先読み予告制限中ではない場合には(ステップS704;No)、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)であるか否かを判定する(ステップS705)。
ステップS705にて時短制御中ではない場合には(ステップS705;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS706)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS707)。ステップS707の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否か、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとの内容が整合しているか否かなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。なお、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS707にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS707;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして、先読み予告演出を実行するか否かという先読み予告演出の有無を決定する(ステップS710)。一例として、ステップS710の処理では、先読み予告演出の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「予告実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合に対応する「予告実行あり」の決定結果などに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無を決定すればよい。
ステップS710の処理では、特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)や変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無を異ならせている。具体的な一例として、変動カテゴリが「非リーチ共通」や「その他のハズレ」、「小当り」のいずれかであれば、特図保留記憶数が多くなるに従って、「予告実行なし」に決定される割合が高くなる。なお、「非リーチ共通」の変動カテゴリは、合計保留記憶数にかかわらず可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動カテゴリである。一方、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」や「大当り」のいずれかであれば、特図保留記憶数が多くなるに従って、「予告実行なし」に決定される割合が低くなる。なお、「スーパーリーチ共通」の変動カテゴリは、合計保留記憶数にかかわらずスーパーリーチのリーチ演出を伴うリーチ変動パターンとなる場合に対応した変動カテゴリである。こうした設定により、複数回の可変表示にわたる先読み予告演出の実行回数が増加するに従って、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性が増大し、遊技者の期待感を高めることができる。
ステップS710にて先読み予告演出を実行する決定割合の設定は、これに限定されず、一部または全部の先読み予告演出について、複数回の可変表示にわたる先読み予告演出の実行回数が増加するに従って、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される可能性が高められる任意の設定であればよい。あるいは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が確変制御を伴う確変制御中であるときには、確変制御中ではない通常状態のときよりも高い割合で、所定の先読み予告演出を実行することに決定されるよう設定してもよい。あるいは、パチンコ遊技機1における演出モードが複数モードのうちの特定演出モードであるときには、通常時に対応した通常演出モードであるときよりも高い割合で、所定の先読み予告演出を実行することに決定されるよう設定してもよい。
なお、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときには、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「6」または「7」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。また、小当り遊技状態であるか否かは、例えば演出プロセスフラグの値が「4」または「5」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。例えば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(例えば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを読み出して先読み予告演出を実行するか否かを決定し、そのラウンドを実行中に先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、先読み予告演出として、連続した態様の演出ではなく、例えば、今回の大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となることを確定的に報知する一発告知態様の演出を実行してもよいし、保留表示予告と同様の先読み予告演出のみを実行してもよい。
ステップS710の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」であるか否かを判定する(ステップS711)。このとき、「予告実行なし」以外であれば(ステップS711;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS713)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS713;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、所定の予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS714)、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS713にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS713;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、所定の予告表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS715)、先読み予告決定処理を終了する。ステップS713〜S715の処理が実行されることにより、先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに予告演出を開始させることができる。
ステップS711にて「予告実行なし」と判定されたときには(ステップS711;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS720)。
ステップS720にて第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS720;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS721)、先読み予告決定処理を終了する。一方、ステップS720にて第1始動口入賞指定コマンドではないと判定された場合には(ステップS720;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第2特図を用いた特図ゲームが新たに保留されたことに対応する表示部位を、通常表示態様で更新する制御を行ってから(ステップS722)、先読み予告決定処理を終了する。
ステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(ステップS707;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新のコマンドを確認し、少なくとも始動口入賞指定コマンド以外のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)を受信しているか否かを判定する(図28のステップS723)。このとき、欠落しているコマンドが始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)のみであり、それ以外の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンドが順番通りに格納され、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容も整合していれば、ある程度までは正確性を担保できている可能性がある。
ステップS723にて少なくとも始動口入賞指定コマンド以外のコマンドを受信していると判定された場合には(ステップS723;Yes)、現在の遊技状態が確変制御を伴う確変制御中であるか否かを判定する(ステップS726)。ステップS726にて確変制御中ではない場合には(ステップS726;No)、先読み予告演出の有無を決定する(ステップS727)。
ステップS727の処理では、合計保留記憶数にかかわらず可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動カテゴリである「非リーチ共通」のときと、「非リーチ共通」のとき以外に可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動カテゴリである「ハズレ各種」のときにのみ、「保留表示予告」の先読み結果に決定することができる。これにより、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にのみ先読み予告演出を実行可能として、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。なお、可変表示結果が「大当り」や「小当り」の場合にも、低い割合で先読み予告演出が実行可能となるように設定してもよい。あるいは、始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかった場合には、先読み予告演出が実行されないように制限してもよい。
ステップS727の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告実行なし」であるか否かを判定する(ステップS728)。
ステップS723にて始動口入賞指定コマンド以外にも始動入賞時のコマンドに受信できなかったものがある場合や(ステップS723;No)、ステップS726にて確変制御中であると判定されたとき(ステップS726;Yes)、あるいはステップS728にて「予告実行なし」と判定されたときには(ステップS728;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応して、未判定情報をセットする(ステップS731)。例えば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号ごとに、未判定情報の格納領域を設け、最新のコマンドに対応するバッファ番号の未判定情報を「1」(またはオン状態)にセットすればよい。
ステップS728にて「予告実行なし」以外であると判定されたときや(ステップS728;No)、ステップS731のいずれかの処理を実行した後には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を示す表示部位をそれぞれ、所定の非正常表示態様に変更して、新たに保留されたことに対応する表示部位の変更も行う(ステップS732)。なお、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)を正常に受信できなかった場合でも、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を正常に受信できていれば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定することができるので、通常表示態様で保留表示を更新してもよい。非正常表示態様は、通常表示態様や予告表示態様であるときとは表示部位の表示色や表示形状、表示キャラクタなどの一部または全部を異ならせることにより、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことを認識可能に報知できればよい。なお、新たに保留されたことに対応する表示部位のみを非正常表示態様とする一方で、その他の表示部位における表示態様は変更しなくてもよい。保留表示予告が実行されていること、および、始動入賞時のコマンドに取りこぼしが生じたことの双方を、認識可能に報知できればよい。あるいは、図27に示すステップS713〜S715と同様の処理を実行して、所定の予告表示態様で保留表示を更新してもよい。
ステップS732の処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた先読み予告制限フラグをオン状態にセットするといった、先読み予告制限中の設定を行ってから(ステップS733)、先読み予告決定処理を終了する。
こうした先読み予告決定処理では、図27のステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定した後、さらに図28のステップS723にて始動口入賞指定コマンド以外にも正常に受信できなかったコマンドがあると判定したときに、図27に示すステップS710の処理や図28に示すステップS727の処理を実行しないことで、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。
なお、始動口入賞指定コマンドのみが欠落している場合や、保留記憶数通知コマンドのみが欠落している場合、あるいは、始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドとが整合しない場合にも、先読み予告演出を実行しないように制限されてもよい。すなわち、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報を取りこぼしたときには、先読み予告演出の実行を制限できればよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定する保留記憶情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合がとれなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった、始動入賞の発生時における判定結果を認識可能に指定する判定結果情報の一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する可変表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と可変表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、その他の判定結果情報によって判定結果を認識可能な場合であっても、その判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、いずれかの判定結果情報によって認識可能な判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
これに加えて、例えば高ベース状態であるときに始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部または全部を取りこぼした場合には、たとえ図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報を正常に受信したとしても、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。
一方、例えば始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった保留記憶情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった判定結果情報の一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
あるいは、例えば図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドといった複数の判定結果情報から認識可能な判定結果が整合しない場合に、先読み予告演出の少なくとも一部を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
図26に示すステップS161にて先読み予告決定処理を実行した後には、先読み予告演出の実行を制御する先読み予告制御処理を実行する(ステップS162)。ステップS162にて先読み予告制御処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図29は、可変表示開始待ち処理として、図26のステップS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送される変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5001)。このとき、変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS5001;No)、演出制御パターンにおける設定などに基づいて、操作検出期間であるか否かを判定する(ステップS5002)。操作検出期間は、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の指示操作(傾倒操作)およびプッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作(押引操作)を有効に検出する期間である。
ステップS5002にて押引検出期間でないときには(ステップS5002;No)、例えば主基板11から伝送されるデモ指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS5003)。このとき、デモ指定コマンドを受信していなければ(ステップS5003;No)、そのまま可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS5003にてデモ指定コマンドを受信したときには(ステップS5003;Yes)、複数種類のキャラクタを選択可能な選択画面に表示する演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS5004)、可変表示開始待ち処理を終了する。例えば、ステップS5004の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。これにより、画像表示装置5には、図30(A)に示すような選択画面が表示される。
ステップS5002にて押引検出期間であるときには(ステップS5002;Yes)、プッシュセンサ35Bから伝送される操作検出信号などに基づいて、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)の検出があったか否かを判定する(ステップS5005)。ステップS5005にてプッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出されたときには(ステップS5005;Yes)、選択画面に表示されている複数種類の選択肢のうち、その時点でカーソルにより選択されている選択肢に対応するキャラクタによる演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS5006)、可変表示開始待ち処理を終了する。例えば、ステップS5006の処理による演出動作制御では、大当り遊技状態に制御される可能性(大当り信頼度)に基づく予告が実行され、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。図30に示す例では、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出されたときに、図30(A)に示すように、カーソルによりキャラクタAを指定する選択肢が選択されているので、図30(B)に示すように、キャラクタAが選択されたことが分かるように表示して、キャラクタAによる演出動作が開始される。なお、キャラクタAが選択されたことが分かるような表示を行わないようにしてもよい。この実施の形態では、デモンストレーション表示中や前回の大当り遊技状態など当該大当り遊技状態の開始前に一旦選択されて対応するキャラクタによる演出動作が実行された選択肢(選択済みの選択肢)は、当該大当り遊技状態では原則として選択画面に表示されず、全てのキャラクタが選択されるまで選択不可能となる。なお、選択済みの選択肢が選択不可能になる期間は任意に変更可能であり、例えばキャラクタによる演出動作が所定回実行されるまで(大当り遊技状態が所定回発生するまで)の期間であってもよいし、確変潜伏モードやチャンスモードが終了するまでの期間であってもよい。
ステップS5003にてプッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出されなかったときには(ステップS5003;No)、その他の演出動作を制御するための設定を行ってから(ステップS5007)、可変表示開始待ち処理を終了する。例えば、ステップS5007の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。一例として、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出される以前は、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の指示操作(傾倒操作)に応じて、カーソルを移動させる演出動作の制御が行われ、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出された以後は、カーソルにより選択された選択肢に対応するキャラクタによる演出動作の制御が行われればよい。
ステップS5001にて変動開始コマンドを受信しているときには(ステップS5001;No)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS5008)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図31は、可変表示開始設定処理として、図26のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、先読み予告演出とは異なる変動中予告演出を実行するための設定が行われてもよい。変動中予告演出は、開始条件が成立した特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示中に、その可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出であればよい。
変動中予告演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、変動中予告演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や、ミニキャラとなる所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
図32は、特図当り待ち処理として、図26のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンド受信フラグがセットされていたら図柄確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8301)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8302)。図30に示す例では、図30(C)に示すように、キャラクタAによる大当り報知となる演出動作が行われる。
また、演出制御用CPU120は、チャンスモードカウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS8309)。チャンスモードカウンタの値が0でない場合には、チャンスモードカウンタの値を−1する(ステップS8310)。
なお、チャンスモードカウンタには、チャンスモードの演出(図33(C)〜(E)に示す演出のいずれか)が開始されるときに0でない値(具体的には、チャンスモードの演出が継続して実行される飾り図柄の変動回数)がセットされる。ここで、図33(C)に示す演出は、「チャンス大」の文字画像9cによって、確変状態である可能性が高いことを遊技者に報知する演出である。図33(D)に示す演出は、「チャンス中」の文字画像9dによって、確変状態である可能性が中程度であることを遊技者に報知する演出である。図33(E)に示す演出は、「チャンス小」の文字画像9eによって、確変状態である可能性が低いことを遊技者に報知する演出である。
−1された後のチャンスモードカウンタの値が0になった場合には、演出制御用CPU120は、チャンスモードの演出を終了させる(ステップS8312)。具体的には、図33(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eを画像表示装置5の画面から消去する。また、チャンスモードフラグをリセットする(ステップS8313)。なお、チャンスモードの演出が終了する前には、文字画像9c,9d,9eのいずれかが画像表示装置5に表示されている。
また、演出制御用CPU120は、確変潜伏モードフラグがセットされているか否か確認する(ステップS8314)。確変潜伏モードフラグがセットされている場合には、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS8315)。
演出制御用CPU120は、時短回数カウンタの値が0になったときに(ステップS8316)、チャンスモード設定処理を実行する(ステップS8317)。
図34は、チャンスモード設定処理を示すフローチャートである。チャンスモード設定処理において、演出制御用CPU120は、確変潜伏モードフラグをリセットする(ステップS8331)。飾り図柄の表示結果が大当り図柄であった場合には処理を終了する(ステップS8332)。
飾り図柄の表示結果が大当り図柄でなかった(はずれ図柄であった)場合には、チャンスモード決定用乱数SR3を抽出する(ステップS8333)。そして、チャンスモード決定テーブルを用いて、チャンスモードの種類を決定する(ステップS8334)。
図35は、チャンスモード決定テーブルの一例を示す説明図である。図35に示す例では、最後に発生した大当りが10R確変大当りである場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図35(A)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数50回の非確変大当り(図8(A)、(B)に示す例では、15R非確変1または10R非確変1)である場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図35(B)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数30回の非確変大当り(図8(A)、(B)に示す例では、15R非確変2または10R非確変2)である場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図35(C)参照)とがある。
いずれのチャンスモード決定テーブルにも、チャンスモード決定用乱数と比較される判定値であって、チャンスモードA,B,Cに対応する判定値が設定されている。
演出制御用CPU120は、ステップS8334の処理で、チャンスモード決定用乱数の値と一致する判定値に応じた内容(「チャンスモードA」、「チャンスモードB」または「チャンスモードC」)を決定結果とするが、決定したチャンスモードの種類に応じたチャンスモードフラグ(チャンスモードフラグA、チャンスモードフラグBまたはチャンスモードフラグC)をセットする(ステップS8335)。
また、演出制御用CPU120は、チャンスモード継続回数決定用乱数SR4を抽出する(ステップS8336)。そして、チャンスモード継続回数決定テーブルを用いて、チャンスモードの継続回数(飾り図柄の変動回数)を決定する(ステップS8337)。
図36は、チャンスモード継続回数決定テーブルの一例を示す説明図である。図36に示す例では、最後に発生した大当りが時短回数50回の通常大当り(図8(A)、(B)に示す例では、15R非確変1または10R非確変1)である場合に使用されるチャンスモード継続回数決定テーブル(図36(A)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数30回の非確変大当り(図8(A)、(B)に示す例では、15R非確変2または10R非確変2)である場合に使用されるチャンスモード継続回数決定テーブル(図36(B)参照)とがある。
ステップS8337の処理で、演出制御用CPU120は、チャンスモード継続回数決定用乱数の値と一致する判定値に応じた内容(「10回」または「20回」)を決定結果とするが、決定結果(チャンスモード継続回数)を、チャンスモードカウンタに設定する(ステップS8338)。なお、10R確変であった場合には、チャンスモードカウンタに65536(実質的に無限大)をセットする。従って、10R確変であった場合には、実質的に、次に大当りが発生するまで、チャンスモード(チャンスモードの演出が実行される期間)が継続する。
そして、ステップS8334の処理で決定したチャンスモードの種類に応じた演出(図33(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eのいずれかを画像表示装置5に表示)を開始する(ステップS8339)。なお、ステップS8339の処理を実行するときに、演出制御用CPU120は、図33(B)に示す確変潜伏状態の演出の文字画像9bを、画像表示装置5から消去する。ここで、図33(B)に示す演出は、「確変かも」の文字画像9bによって、遊技状態が確変状態であるの否かを明確に報知しないような演出である。確変潜伏状態における演出が実行されているときには、実際には確変状態である場合と通常状態である場合とがある。
図35に示すように、最後に発生した大当りが10R確変大当りである場合には、最後に発生した大当りが通常大当りである場合に比べて、時短状態である期間において、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出(図33に示す例では「チャンス大」)が実行されやすい。また、最後に発生した大当りが時短回数50回の非確変大当りである場合には、最後に発生した大当りが時短回数30回の非確変大当りである場合にに比べて、時短状態である期間において、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出が実行されやすい。
すなわち、実際の遊技状態が確変状態である場合には、チャンスモードAの演出が実行されやすく、また、実際の遊技状態が確変状態でない場合には、時短状態が長く継続する場合の方が、チャンスモードAの演出が実行されやすい。
よって、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出によって遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる上に、実際の遊技状態が確変状態でない場合でも有利度(この例では、時短回数が多い/少ない)に応じてチャンスモードAの演出の発生頻度を制御することによって、時短状態(実際の遊技状態が通常状態であるときの)における遊技者の確変状態に対する期待感を減退させないようにすることができる。
また、図36に示すように、チャンスモード継続回数の上限は20回である。よって、実際の遊技状態が通常状態であるにも関わらず長期間に亘ってチャンスモードの演出が実行されることを避けることができる。
なお、最後に発生した大当りの種類は、大当り種別格納領域に格納されている表示結果指定コマンドで特定される。大当り種別格納領域の内容は、次に大当りが発生するまで書き換えられないからである。
ステップS8317のチャンスモード設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8321)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理に応じた値“0”に更新する(ステップS8323)。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り制御中演出処理に応じた値“6”に更新する(ステップS8322)。
図37は、大当り制御中演出処理として、図26のステップS176にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す大当り制御中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。このとき、当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS601;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出を終了するための設定を行い(ステップS602)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“7”に更新してから(ステップS603)、大当り制御中演出処理を終了する。一例として、ステップS602の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS601にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS601;No)、演出制御パターンにおける設定などに基づいて、操作検出期間であるか否かを判定する(ステップS604)。操作検出期間は、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の指示操作(傾倒操作)およびプッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作(押引操作)を有効に検出する期間である。
ステップS604にて押引検出期間でないときには(ステップS604;No)、演出制御パターンにおける設定などに基づいて、選択画面表示の開始タイミング(例えば10回目のラウンド遊技の開始時)であるか否かを判定する(ステップS605)。このとき、選択画面表示の開始タイミングであれば(ステップS605;Yes)、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される選択画面決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、図38に示す選択画面決定テーブル170を参照することなどにより、選択済みの選択肢も含む選択画面を表示するか否かを決定する(ステップS606)。
選択画面決定テーブル170では、大当り種別が「非確変」である場合、常に選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定され、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定されることはない。これに対して、大当り種別が「確変」である場合、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することに決定される割合が、選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することに決定される割合よりも高くなっている。これにより、遊技者が既に選択した選択肢に対応する演出が実行されないことによって不満を持つことを解消できるとともに、有利な遊技状態に制御されることへの期待感を向上させることができ、遊技興趣が向上する。より具体的には、確変状態に制御されるか否かに応じて、選択済みの選択肢を含む複数種類の選択肢が表示される割合が異なるので、画像表示装置5に表示される複数種類の選択肢に注目させることができる。
図37のステップS606にて選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定されたか否かを判定する(ステップS6062)。このとき、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定されていれば(ステップS6062;Yes)、正確報知フラグをセットする(ステップS6063)。正確報知フラグは、大当り終了演出において参照される。
ステップS6062にて選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定されたときや(ステップS6062;No)、ステップS6063の処理を実行した後には、ステップS606での決定結果に応じて、複数種類のキャラクタを選択可能な選択画面を表示する演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS607)、大当り制御中演出処理を終了する。例えば、ステップS607の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。一例として、ステップS606にて選択済みの選択肢(この例ではキャラクタAを指定する選択肢)を含まない選択画面を表示することが決定された場合には、図39(D1)に示すような選択画面が表示され、選択済みの選択肢(この例ではキャラクタAを指定する選択肢)を含む選択画面を表示することが決定された場合には、図40(D2)に示すような選択画面が表示される。
図37のステップS605にて選択画面表示の開始タイミングでないときには(ステップS605;No)、ラウンド数に応じた大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行う(ステップS608)。一例として、ステップS608の処理では、主基板11から伝送された大当り用の大入賞口開放中指定コマンドなどから、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを各種演出制御パターンテーブルから読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を実行させる。こうしたステップS608の処理を実行した後には、大当り制御中演出処理を終了する。
ステップS604にて押引検出期間であるときには(ステップS604;Yes)、プッシュセンサ35Bから伝送される操作検出信号などに基づいて、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)の検出があったか否かを判定する(ステップS609)。ステップS609にてプッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出されたときには(ステップS609;Yes)、選択画面に表示されている複数種類の選択肢のうち、その時点でカーソルにより選択されている選択肢に対応するキャラクタによる演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS610)、大当り制御中演出処理を終了する。例えば、ステップS610の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。
ステップS604にて押引検出期間でないときには(ステップS604;No)、演出制御パターンにおける設定などに基づいて、操作検出期間の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS611)。操作検出期間の終了タイミングは、例えば選択画面が表示されてから所定期間経過後のタイミングであってもよいし、操作検出期間の開始タイミングから所定の操作検出期間の経過後であってもよい。さらには選択画面が表示されたラウンド(例えば第10ラウンド)の終了時点であってもよい。このとき、操作検出期間の終了タイミングであれば(ステップS611;Yes)、選択画面に表示されている選択肢のうちからいずれか一つの選択肢を、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される選択肢決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、所定の選択肢決定テーブル170を参照することなどにより、ランダムに決定する(ステップS612)。
その後、ステップS612にて決定された選択肢に対応するキャラクタによる演出動作を開始するための設定を行ってから(ステップS613)、大当り制御中演出処理を終了する。例えば、ステップS613の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。
ステップS611にて選択画面表示の開始タイミングでないときには(ステップS611;No)、その他の演出動作を制御するための設定を行ってから(ステップS614)、大当り制御中演出処理を終了する。例えば、ステップS614の処理による演出動作制御では、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること、音声制御データが指定する音番号データに応じた指令を音声制御基板13に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプ制御基板14に対して行うことのうち、一部又は全部が順次に又は並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。一例として、操作検出期間中において、プッシュボタン31Bに対する指示操作(押引操作)が検出される以前は、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の指示操作(傾倒操作)に応じて、カーソルを移動させる演出動作の制御が行われ、操作検出期間の終了後には、カーソルにより選択された選択肢、あるいはランダムに決定された選択肢に対応するキャラクタによる演出動作の制御が行われればよい。
図41は、エンディング処理として、図26のステップS177にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図41に示すエンディング処理において、演出制御用CPU120は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS871)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS875に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS872)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS873)、大当り終了演出タイマに大当り終了演出時間(遊技制御手段における大当り終了処理に要する時間に相当する時間)に相当する値を設定する(ステップS874)。
ステップS875では、演出制御用CPU120は、大当り終了演出タイマの値を−1する。大当り終了演出タイマの値が0になった(大当り終了時間が経過)場合には(ステップS876)、大当りの種別が15R確変(15R確変1、15R確変2または15R確変3)であったときには(ステップS880)、確変報知演出(図33(A)参照)を実行する(ステップS881)。15R確変大当りでなかったときには、演出制御用CPU120は、正確報知フラグ(図37におけるステップS6063参照)がセットされているか否か確認する(ステップS882)。
正確報知フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120は、正確報知フラグをリセットし(ステップS883)、大当りの種別が確変(具体的には、10R確変1または10R確変2)であったか否か確認する(ステップS884)。
演出制御用CPU120は、確変であった場合には確変報知演出(図33(A)参照)を実行し(ステップS885)、確変でなかった場合には非確変報知演出(図33(F)参照)を実行する(ステップS886)。そして、ステップS889に移行する。ここで、図33(A)に示す演出は、「確変!」の文字画像9aによって、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する演出である。図33(F)に示す演出は、「残念!」の文字画像9fによって、遊技状態が確変状態でない(通常状態である)ことを遊技者に報知する演出である。これにより、図40(D2)に示すように、選択済みの選択肢を含む選択画面が表示された場合には、正確報知フラグがセットされるので、図40(E2)に示すように、「確変!」の文字画像9aによって、遊技状態が確変状態であることが遊技者に報知される。
正確報知フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120は、確変潜伏演出(図33(B)参照)を実行する(ステップS887)。そして、確変潜伏モードフラグをセットする(ステップS888)。また、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理に対応した値“0”に更新する(ステップS889)。これにより、図39(D1)に示すように、選択済みの選択肢を含まない選択画面が表示された場合には、正確報知フラグがセットされないので、図39(E1)に示すように、「確変かも」の文字画像9bによって、遊技状態が確変状態であるの否かが明確に報知されない。
以上のような制御によって、15R確変大当りが発生した場合には、遊技状態が確変状態になったことが遊技者に明確に報知される。また、正確報知フラグがセットされているときに、確変大当り(具体的には、10R確変大当り)が発生した場合には、遊技状態が確変状態になったことが遊技者に明確に報知され、確変大当りでなかった場合には、遊技状態が通常状態(非確変状態)であることが遊技者に明確に報知される。
また、遊技者にとって最も有利な遊技価値に相当する15R確変大当りが発生した場合には、無条件に、確変報知演出が実行され、正確な遊技状態が報知される。また、15R確変大当り以外の大当りが発生し、正確報知期間内でなければ、確変潜伏モードになって確変潜伏演出が実行される。演出制御用CPU120は、確変潜伏演出を、チャンスモードが開始されるまで継続して実行する。なお、演出制御用CPU120は、チャンスモードの演出についても、チャンスモード継続期間において継続して実行する。
なお、正確報知フラグがセットされていた場合に、確変報知演出または非確変報知演出を実行するのではなく、確変潜伏モードまたはチャンスモードに移行するようにしてもよい。チャンスモードに移行するように構成するとき(確変潜伏モードから移行する場合も含む。)には、正確報知フラグがセットされていた場合には、確変であればチャンスモードAが選択される割合を高くし、非確変であればチャンスモードCが選択される割合を高くする。
また、この実施の形態では、チャンスモードになると、特定のチャンスモードの演出(チャンスモードAの演出、チャンスモードBの演出、またはチャンスモードCの演出)が継続して実行されるが、すなわち、チャンスモードA、チャンスモードB、またはチャンスモードCが維持されるが、中途で、チャンスモードの種類(チャンスモードA、チャンスモードB、またはチャンスモードC)を変更可能であるようにしてもよい。変更は、例えば、乱数値を示す数値データを用いた抽選によって実現されるが、最後に発生した大当りが確変大当りであった場合には、通常大当りであった場合に比べて、チャンスモードB→チャンスモードAに移行しやすくするとともに、チャンスモードC→チャンスモードBに移行しやすくする。また、チャンスモードA→チャンスモードBの移行やチャンスモードB→チャンスモードCの移行があってもよい。
また、この実施の形態では、10R確変大当りの場合には、次に大当りが発生知るまでチャンスモードが継続するが(図34におけるステップS8338参照)、10R確変大当りの場合にも、チャンスモードの継続回数を有限の回数にし、その回数の可変表示が実行されたらチャンスモードの演出を終了させる(具体的には、図33(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eを画像表示装置5の画面から消去する)ようにしてもよい。その場合、10R確変大当りの場合には、通常大当りである場合(図36参照)に比べて、多い継続回数に決定される割合を高くする。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1における選択画面決定テーブル170では、大当り種別が「非確変」である場合、常に選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定され、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定されることはない。これに対して、大当り種別が「確変」である場合、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することに決定される割合が、選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することに決定される割合よりも高くなっている。これにより、遊技者が既に選択した選択肢に対応する演出が実行されないことによって不満を持つことを解消できるとともに、有利な遊技状態に制御されることへの期待感を向上させることができ、遊技興趣が向上する。より具体的には、確変状態に制御されるか否かに応じて、選択済みの選択肢を含む複数種類の選択肢が表示される割合が異なるので、画像表示装置5に表示される複数種類の選択肢に注目させることができる。
また、確変状態(高確低ベース状態)での始動条件の成立状況は通常状態(低確低ベース状態)と共通である、つまり時短状態ではない低ベース状態であるため、短期開放大当りが終了した後に確変状態に制御されているか否かを特定しにくい。
また、潜伏条件の成立となる短期開放大当りや小当りが発生してから演出図柄の可変表示の実行回数が使用テーブル変更始動回数に到達する前と後とで、特定可変表示パターンとなるスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するようになるとともに、これらの変動パターンの出現状況が変化するタイミングとなる使用テーブル変更始動回数が、高確(確変)状態に移行する短期開放大当りである場合と、高確(確変)状態に移行しない小当りである場合とで異なるので、遊技者は、これら短期開放大当りや小当りの発生直後の遊技状態が低確状態である通常遊技状態であるのか、或いは高確状態である高確低ベース状態であるのかを判断するために、これらスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するタイミングに注目して遊技を行うようになるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、使用テーブル変更始動回数の前後において、平均変動時間が異なるはずれ用変動パターン種別判定テーブルが使用されることで可変表示の変動時間(可変表示時間)も変化するようになるので、遊技者は、特定可変表示パターンとなるスーパーリーチA、Bや超短縮の変動パターンの出現状況が変化するタイミングだけでなく、変動時間(可変表示時間)が変化するタイミングにも注目して遊技を行うようになるため、遊技の興趣を向上させることができるとともに、これら変化するタイミングを変動時間(可変表示時間)の変化によっても認識できるので、これら変化するタイミングを遊技者が特定し易くなる。
また、高ベース状態(時短状態)、および高ベース状態から移行した低ベース状態において、遊技状態が高確率状態である場合と通常状態(通常遊技状態)である場合とで共通の演出(この例では、確変潜伏演出およびチャンスモードの演出)を実行し、遊技状態が高確率状態に制御されるときには、高確率状態に制御されない場合に比べて、実行回数を高い割合で多い回数に決定し(この例では、チャンスモード継続回数を多くする。)、遊技状態が高確率状態であるときには、低ベース状態において、次に大当り遊技状態に制御されるまで共通の演出を実行し、遊技状態が通常遊技状態であるときには、低ベース状態において、実行回数を多い回数(この例では、時短回数50回)に決定した場合には少ない回数(この例では、時短回数30回)に決定した場合に比べて長い期間に亘って共通の演出を実行する(この例では、20回:図36参照)ので、高確率状態であるのか通常遊技状態であるのかを把握しづらくする演出(この例では、確変潜伏演出およびチャンスモードの演出)を実行する場合に、実際の遊技状態が通常遊技状態であるときにも遊技者の高確率状態に対する期待感を低下させないようにすることができる。
つまり、時短回数50回の場合には遊技者の期待感が高まるが、その場合には長い期間に亘って共通の演出が継続して実行されるので、共通の演出によって遊技者の期待感を持続させることができる。
また、パチンコ遊技機1では、始動入賞時のコマンドが正常に受信され、図27のステップS710にて先読み予告演出を実行すると判定されたことを条件に、当該判定結果の対象となった可変表示についての先読み予告演出が実行されるため、複数の可変表示についての先読み予告演出を同時に実行することができ、先読み予告演出を目立たせることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な遊技状態として、高確率状態を例に説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技者にとって有利な遊技状態は、大当り遊技状態であってもよいし、大当り遊技状態が終了した後の時短回数が多いこと(例えば50回)であってもよい。さらには、特図表示結果を「大当り」にすると決定される保留データが特図保留記憶部に記憶されていることであってもよいし、大当り遊技状態の制御中に行われるラウンド遊技の回数が多いこと(例えば15ラウンド)であってもよい。
一例として、遊技者にとって有利な遊技状態が、大当り遊技状態である場合や、特図表示結果を「大当り」にすると決定される保留データが特図保留記憶部に記憶されていることである場合、選択画面から選択された選択肢に対応するキャラクタによる演出動作としては、ステップアップ予告や先読み予告など、特図表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)に基づく予告が実行されればよい。
また、遊技者にとって有利な遊技状態が、特図表示結果を「大当り」にすると決定される保留データが特図保留記憶部に記憶されていることである場合には、記憶されていない場合よりも高い割合で、選択済みの選択肢を含む選択画面が表示されればよい。これにより、特図表示結果を「大当り」にすると決定される保留データが特図保留記憶部に記憶されているか否かに応じて、選択済みの選択肢を含む複数種類の選択肢が表示される割合が異なってくるので、画像表示装置5に表示される複数種類の選択肢に注目させることができる。
また、この場合、図27のステップS707にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS707;Yes)、ステップS606と同様に、RAM122に設けられたランダムカウンタ等により更新される選択画面決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、図38に示す選択画面決定テーブル170を参照することなどにより、選択済みの選択肢も含む選択画面を表示するか否かを決定するようにすればよい。これに対して、図27のステップS707にて始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定した後、さらに図28のステップS723にて始動口入賞指定コマンド以外にも正常に受信できなかったコマンドがあると判定したときに、図27に示すステップS710の処理や図28に示すステップS727の処理を実行しないことで、選択済みの選択肢も含む選択画面を表示しないように制限されればよい。このように、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する保留記憶情報としての保留記憶数通知コマンドを正常に受信することができなかったときには、選択済みの選択肢も含む選択画面の表示を制限するので、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
他の例として、遊技者にとって有利な遊技状態が、大当り遊技状態が終了した後の時短回数が50回である場合、時短回数が30回である場合よりも高い割合で、選択済みの選択肢を含む選択画面が表示されればよい。これにより、大当り遊技状態が終了した後の時短回数に応じて、選択済みの選択肢を含む複数種類の選択肢が表示される割合が異なってくるので、画像表示装置5に表示される複数種類の選択肢に注目させることができる。
上記実施の形態では、デモンストレーション表示中や大当り遊技状態に制御されているときに、選択画面が表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれ限定されるものではなく、選択画面の表示は、通常時、リーチ前、大当り開始時、確変突入時、確変秘匿モード突入時などに行われてもよい。一例として、大当り開始前又は大当り開始時に選択画面を表示するときには、大当り種別が非確変及び確変のいずれであるかや、ラウンド数が10ラウンド及び15ラウンドのいずれであるかに応じて、選択済みの選択肢を含む複数種類の選択肢が表示される割合が異ならせればよい。また、大当り開始時に選択画面を表示し、大当り中には、表示された選択画面から選択された選択肢に対応するキャラクタに基づいて、確変報知演出を実行し、確変報知演出にて高確率状態に制御されることが報知されると、さらに大当り終了前の所定タイミング(例えば10ラウンド目)には、選択画面を再表示し、再表示された選択画面から選択された選択肢に対応するキャラクタに基づいて、高確率状態における演出を実行してもよい。この場合、選択画面に選択済みのキャラクタが表示されたときには、特図表示結果を「大当り」にすると決定される保留データが特図保留記憶部に記憶され、大当り遊技状態が連続して発生(連荘)することや、高確率状態に制御されることが確定するようすればよい。あるいは、大当り遊技状態が10ラウンドで終了せず15ラウンドまで継続することが確定するなどといった大当り遊技状態がより有利なものであることを示唆するものであってもよい。さらに、リーチ時に選択画面を表示する場合には、選択画面に選択済みのキャラクタが表示されていれば、表示されていないときよりも特図表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなるようにしたり、あるいは特図表示結果が「大当り」となることが確定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、選択済みの選択肢を含む選択画面が表示された場合、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることが確定するものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、選択済みの選択肢を含む選択画面が表示された場合、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御される可能性が高くなるが、高確率状態に制御されないこともあるようにしてもよい。この場合、大当り種別が「非確変」である場合にも、少ない割合で、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定されるようにすればよい。
上記実施の形態では、図29に示すステップS5003にてデモ指定コマンドを受信したときに(ステップS5003;Yes)、複数種類のキャラクタを選択可能な選択画面が表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、デモンストレーション表示(デモ画面表示)が行われているとき、すなわち主基板11からデモ指定コマンドを受信した後、所定期間内(例えば1分間)に変動開始コマンドを受信しなかったときに、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作(押引操作)がなされたことに基づいて、選択画面を表示するようにしてもよい。また、デモンストレーション表示(デモ画面表示)が行われなくても、飾り図柄の可変表示が終了した後、所定期間が経過したときに、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作(押引操作)がなされたことに基づいて、選択画面を表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図37のステップS606にて選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定された場合(ステップS606;No)、選択済みの選択肢以外の選択肢の全てが選択画面に表示され、選択済みの選択肢も含む選択画面を表示することが決定された場合(ステップS606;Yes)、選択済みの選択肢も含む全ての選択肢が選択画面に表示されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、図37のステップS606における決定結果に関わらず、選択画面に表示される選択肢の数を一定(例えば3個)にしてもよい。具体的には、選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定された場合(ステップS606;No)、未だ選択されていない選択肢のうちから、例えば3個の選択肢をランダムに選んで選択画面に表示し、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定された場合には(ステップS606;Yes)、選択済みのものも含む全ての選択肢のうちから、例えば3個の選択肢をランダムに選んで選択画面に表示すればよい。また、選択済みの選択肢を含まない選択画面を表示することが決定された場合(ステップS606;No)、未だ選択されていない選択肢のうちから、例えば3個の選択肢をランダムに選んで選択画面に表示し、選択済みの選択肢を含む選択画面を表示することが決定された場合には(ステップS606;Yes)、未だ選択されていない選択肢のうちからランダムに選んだ3個の選択肢に、選択済みの選択肢を加えて選択画面に表示してもよい。
上記実施の形態では、ステップS409の処理において、開放種別判定テーブル131を参照することにより、開放種別が「通常開放」、「短期開放」のいずれに決定されるかを判定し、「通常開放」に決定されると判定したときには、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、第1始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132A、第2始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Bのいずれかを選択する。そして、選択した大当り種別判定テーブルを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、ステップS409の処理では、第1始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Aや、第2始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Bに「突確1」、「突確2」、「突確3」に対する割り当てを含めることで、開放種別の決定を行うことなく、直接第1始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132A、第2始動入賞時通常開放大当り種別判定テーブル132Bのいずれかのみを用いて、大当り種別を決定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。