JP2013040852A - セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムイオンコレクターおよびセシウム回収方法 - Google Patents
セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムイオンコレクターおよびセシウム回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013040852A JP2013040852A JP2011177800A JP2011177800A JP2013040852A JP 2013040852 A JP2013040852 A JP 2013040852A JP 2011177800 A JP2011177800 A JP 2011177800A JP 2011177800 A JP2011177800 A JP 2011177800A JP 2013040852 A JP2013040852 A JP 2013040852A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cesium
- ion
- ions
- hom
- mesoporous silica
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】有機シリコン化合物および界面活性剤から作製した高秩序化メソポーラスシリカ(HOMS)に、目標元素であるセシウム(Cs)を選択的に吸着するDPAR等のCsイオン吸着性化合物を担持させる。Csイオン吸着性化合物を担持したHOMSをCsが溶解された溶液と接触させ、Csイオンを選択的にHOMSに担持されたCsイオン吸着性化合物に吸着させる。Csイオンを吸着したCsイオン吸着性化合物を担持したHOMSを化学的処理し、目標元素であるCsイオンをHOMSに担持されたCsイオン吸着性化合物から遊離させ、Csを回収する。Csイオンが遊離されたCsイオン吸着性化合物を担持したHOMSは、再使用できる。このCsイオン吸着性化合物を担持したHOMSはCsコレクター・濃度検出センサー・放射性セシウム除去剤としても使用できる。
【選択図】図7
Description
resorcinol (DPAR)}、4−(2−ジアゼニル−1,3,4−チアジアゾル)−6−ドデシルレゾルシノール{4-(2-diazenyl-1,3,4-thiadiazole)-6-dodecylresorcinol (DTDR)}、およびピロガロールレッド{Pyrogallol red (PR)}が挙げられる。これらのセシウム(Cs)イオン吸着性化合物をメソポーラスシリカに担持する。(たとえばこれらのセシウム(Cs)イオン吸着性化合物を総称してMCとして、MCを担持したメソポーラスシリカをHOM−MC、あるいはHOMS−MCと称する。)これらは単独でHOMSに担持しても良いし、複数混合してHOMSに担持しても良い。従って、DPARの場合はHOM−DPAR、DTDRの場合はHOM−DTDR、あるいはPRの場合はHOM−PRとなる。
図1は、本発明のセシウム(Cs)回収システムを示す図である。まず、第1段階で高度に秩序化したメソポーラスシリカ(HOMシリカ(HOMS):High Ordered Mesoporous Silica、通常、HOMと言った場合、シリカ(Silica)は含まないが、本明細書等においてはHOMと記載した場合も、特に明記しない限りシリカ(Silica)も含むものとする。)を合成する。ここで、メソポーラスシリカとは、多孔質シリカの1種であり、メソポア領域と呼ばれる、2nmから50nmの領域の大きさのほぼ均一で規則的な直径の細孔(メソ孔)を有し、細孔の作るネットワークの様式(空間対称性)や製造方法等によって、様々な特性を有することが知られている多孔質物質群である。しかし、本特許出願においては、メソ孔よりも小さなマイクロ孔(2nm以下の細孔)やメソ孔よりも大きなマクロ孔(50nm以上の細孔)を有するポーラスシリカもメソポーラスシリカと呼ぶ。
resorcinol (DPAR)}(以下レセプターDPARまたはキャプターDPARとも称する)の化合物がセシウム(Cs)イオンを選択的に優先的に吸着することを見出した。(レセプター(receptor)とは本来「受容体」という生物学的用語であるが、本出願では特定元素(セシウム(Cs))イオンを吸着する(セシウム(Cs))イオン吸着性化合物という意味でレセプターという用語を用いることもある。)
図2は、HOM(立方晶Im3m)シリカ・モノリスの合成方法を示す図である。HOMシリカ・モノリスはコポリマー界面活性剤F108(EO141PO44EO141)を用いて瞬間直接鋳型法を採用することにより合成された。立方晶Im3m (HOM)ケージ状メソ細孔を持つメソポーラスシリカモノリスは、F108/オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)混合相にドデカンをドデカン:F108:TMOS=1:2.8:4の比率で付加することによって形成されたマイクロエマルジョン相を使って作製された。
<2−ドデシル−4−((フェニル)ジアゼニル)レゾルシノール{2-dodecyl-4-((phenyl)diazenyl)
resorcinol (DPAR)}の生成>
図3は、レセプターDPARの生成に関する合成方法を示す図である。約0.05モルのアニリンを40mlのHCl溶液に溶解する。この溶液を0℃に冷却し、水に溶かした3.5gのNaNO2をこの溶液にゆっくりと添加した。反応の進行は、ヨウ化デンプン紙により制御された。最終的に、このジアゾニウム塩溶液は、4NのHCl溶液60mlに3.4gの6-ドデシルレゾルシノール(6-dodecylresorcinol)を溶解し充分に冷却した溶液に、ゆっくりと注がれた。この結果得られた溶液を0℃で30分冷却し、その後で、180mlの水に60gの酢酸ナトリウムを溶解した水溶液を加えた。このカップリング反応は0℃で2時間かけて行なわれ、生成した析出物は水洗された。この析出物がDPARである。
<4−(2−ジアゼニル−1,3,4−チアジアゾル)−6−ドデシルレゾルシノール{4-(2-diazenyl-1,3,4-thiadiazole)-6-
dodecylresorcinol (DTDR)}の生成>
図4は、レセプターDTDRの生成に関する合成方法を示す図である。約0.05モルの2−アミノ−1,3,4−チアジアゾル(2-amino-1,3,4-thiadiazol)を40mlのHClに溶解し、この溶液を0℃に冷却し、水に溶かした3.5gのNaNO2をゆっくりと添加した。この反応の進行は、ヨードデンプン紙によってコントロールされた。最終的にジアゾニウム塩の溶液は、60mlの4NのHClに溶けた6−ドデシルレゾルシノール(6-dodecylresorcinol)3.4gの充分に冷却された溶液にゆっくりと注がれた。この結果生じた溶液はその後0℃で30分間冷却され、180mlの水に溶かされた60gの酢酸ナトリウム溶液が添加された。このカップリング反応は2時間の間に0℃で行なわれた。析出物が生成し、この析出物は水洗された。この析出物がDTDRである。このDTDRはセシウム(Cs)を選択的に吸着することができるセシウム(Cs)イオン吸着性化合物である。セシウム(Cs)はDTDRの環状分子構造の中に取り込まれる。すなわち、DTDRはセシウム(Cs)を優先的に吸着するキレート錯体である。また、セシウム(Cs)を分離(遊離)すれば元のDTDRに戻る。このようにセシウム(Cs)とDTDRの吸着遊離反応は可逆的である。従って、レセプターDTDRは放射性セシウム(Cs)の回収に使用できる。
<ピロガロールレッド{Pyrogallol red (PR)}>
レセプター・ピロガロールレッド{Pyrogallol red (PR)}の構造式を図5に示す。このレセプターPRは工業的に製造されており容易に入手可能で、本発明においても市販のものを用いた。
<HOM−DPARの作製および特性>
HOM−センサー材料すなわち、HOMにレセプターDPAR、DTDRおよびPRを担持し、HOM−DPAR、DTDR、PRを作製する方法はほとんど同じであるので、HOM−DPARを合成する方法について以下に示す。図6は、レセプターDPARを担持したHOM−DPARの製造方法を示す図である。丸形フラスコに入ったエタノール液中に50mgの2-ドデシル-4-((フェニル)ジアゼニル)レゾルシノール(DPAR)を入れ、実施例2で生成したHOM−Cage(Cage状HOMS)を1g添加した。丸形フラスコ中のエタノールは、フラスコをロータリーエバポレーターへ連結し、45〜50℃でゆっくりと真空引きして取り除かれた。フラスコ中の粘性液体は、2時間以内に有色のゲル状材料(固体生成物)へ変化した。この材料を65〜70℃で5時間乾燥した後温水洗浄し、再度65〜70℃で乾燥した。乾燥した塊状粉末をすりつぶして細かい粉末状にして、この粉末状材料(HOM−DPAR)は種々の実験条件においてセシウムイオン{Cs(I)}抽出に使用された。
<HOM−DTDRの作製および特性>
0.030gのDTDRを丸形フラスコのエタノール中に溶解して、HOM(Cage状)を1.0g添加した。溶液中のエタノールは、ロータリーエバポレーターに連結されて45℃でゆっくりと真空引きされて取り除かれた。この後、この材料は、洗浄され、65−70℃で5時間乾燥された。この材料は、すり潰されて粉末状になり、色々な実験条件でセシウムの除去に使用された。この材料がセシウムイオン吸着性化合物であるDTDRを担持したHOM-DTDRである。
図7および図8は、セシウム吸着性化合物{キャプター(Captor)}としてDPARを用いたときのHOM−DPARによるセシウム(Cs)抽出フローを示す図である。図7は、HOMにDPARを担持してHOM−DPARを生成する手順も示している。pH調整した溶液4mlにセシウム溶液を相当量添加し、種々の濃度(0.5ppm〜5ppm)にし、さらに必要量の水を加えて20ml溶液にした。これらの水溶液に、実施例5において作製した固体状のHOM−DPAR20mgを添加して、45−50℃で12時間攪拌した後ろ過した。ろ過後の固体材料は、紫外線可視分光法(UV-VIS-NIR Spectroscopy)によって調査され、吸収スペクトルを取った。また、ろ過後の固体材料について比色分析を行なった。
acid (CAPS)}を添加し、NaOHを使ってpH9.5に調整した。
図9は、pH2において種々のセシウム濃度を有する水溶液中にHOM−DPARを浸漬しろ過した後に得られた、セシウムイオンを吸着した固形物HOM−DPAR−Csの紫外線可視分光法の吸収スペクトル(紫外線可視分光分析)および比色分析を示す図である。HOM−DPARはセシウムを吸着してHOM−DPAR−Csになると、吸収スペクトルが変化して波長域(250nm−700nm)(実際の測定装置における測定波長は250nm−900nm)において吸収度(吸光度)が小さくなる傾向にあることが分かる。特に波長が375nm近傍において、HOM−DPARの吸収バンドの強度変化(ピーク値)が存在することが分かる。この強度変化はセシウムを吸着したことに基づくと考えられる。また、HOM−DPARはセシウムを吸着してHOM−DPAR−Csになると、色調が変化することも分かる。すなわち、HOM−DPAR(Csを吸着していない)は薄い茶色を示すが、セシウムを吸着したHOM−DPAR−Csは茶色が濃くなる。特にセシウム濃度が増加するにつれて濃くなる傾向にある。(比色分析(固形物の色調)の結果は、セシウム濃度が左から0、5ppm、2.5ppm、1.5ppm、0.5ppm、5ppmCs+5ppmIonsである。)これらの結果から、セシウムを吸着したHOM−DPAR−Csの紫外線可視分光法の吸収スペクトルを調べれば、セシウム(Cs)を吸着したかどうかが分かり、さらに吸着したセシウム(Cs)の濃度も知ることができる。また、セシウムを吸着したHOM−DPAR−Csの比色分析を行なって固形物の色調を調べれば、セシウム(Cs)を吸着したかどうかが分かり、さらに吸着したセシウム(Cs)の濃度も知ることができる。
(尚、図9おとび図10における「5ppmCs+5ppmIons」とは、5ppmのセシウム(Cs)および、5ppmのNaCl、LiCl、KI、MaCl2、およびCaCl2を含む溶液を意味する。)
pH2の溶液を4ml取って、50mlのビーカーへ注入し、5ppmのCs1+(200ppm貯蔵液ビンから500μl)を加えて、この溶液に(NaCl、LiCl、KI、MgCl2、およびCaCl2)の各イオンから5ppm(各溶液の200ppm貯蔵液ビンから200μl)を添加した後、脱イオン水を使って溶液を20mlにして、セシウムイオン以外にアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類イオンを含む複数イオンの溶液を作製する。この複数イオン溶液にHOM−DPAR20mgを添加し、50−60℃で12時間攪拌した後、ろ過する。ICP−MS分析(ICP質量分析)の結果から、ろ過液はセシウムイオンCs(I)を含まず、ろ過液においてセシウムイオン以外の元素イオンが検出された。また、ろ過後の固形物は紫外線可視分光法(UV-VIS-NIR Spectroscopy)によって調査され、吸収スペクトルを取った。また、ろ過後の固体材料について比色分析を行なった。
pH9.5の溶液を4ml取って、50mlのビーカーへ注入し、0.1Mのドデシル硫酸ナトリウム{sodium
dodecyl sulfate(SDS)}2mlを添加する。さらに、5ppmのCs1+(200ppm貯蔵液ビンから500μl)を加えて、この溶液に(NaCl、LiCl、KI、MgCl2、およびCaCl2)の各イオンから5ppm(各溶液の200ppm貯蔵液ビンから200μl)を添加した後、脱イオン水を使って溶液を20mlにして、セシウムイオン以外にアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類イオンを含む複数イオンの溶液を作製する。この複数イオン溶液にHOM−DPAR20mgを添加し、50−60℃で12時間攪拌した後、ろ過する。ICP−MS分析(ICP質量分析)の結果から、ろ過液はセシウムCs(I)を含まず、ろ過液においてセシウムイオン以外の元素イオンが検出された。また、ろ過後の固形物は紫外線可視分光法(UV-VIS-NIR Spectroscopy)によって調査され、吸収スペクトルを取った。また、ろ過後の固体材料について比色分析を行なった。
上記の実施例ではセシウムイオン溶解溶液は少量(20ml)であったが、実際の処理現場で適用する場合はかなり大量の処理水を用いることになる。そこで大量のセシウムイオン溶解溶液に本発明のセシウム吸着材料であるHOM−DPARを用いたときのセシウム吸着について調査した。まず、pH2の調整溶液160mlを取って1000mlビーカーへ注入した後、5ppmのセシウムイオンCs(I)(セシウムイオンCs(I)の200ppm貯蔵液ビンから20ml)を添加した後、必要量の脱イオン水を加えてセシウムイオン溶解溶液を800ml溶液に調整した。その後、HOM−DPARキャプター500mgをこのセシウムイオン溶解溶液に添加し、50−60℃で24時間攪拌した後ろ過した。
大量のセシウムイオン溶解溶液に本発明のセシウム吸着材料であるHOM−DTDRを用いたときのセシウム吸着について調査した。pH2の調整溶液160mlを取って1000mlビーカーへ注入した後、5ppmのセシウムCs(I)(セシウムイオンCs(I)の200ppm貯蔵液ビンから20ml)を添加した後、必要量の脱イオン水を加えてセシウムイオン溶解溶液を800ml溶液に調整した。その後、HOM−DTDRキャプター500mgをこのセシウムイオン溶解溶液に添加し、50−60℃で24時間攪拌した後ろ過した。
大量のセシウムイオン溶解溶液に本発明のセシウム吸着材料であるHOM−PRを用いたときのセシウム吸着について調査した。pH9.5の調整溶液160mlを取って1000mlビーカーへ注入した後、0.1Mのドデシル硫酸ナトリウム{sodium
dodecyl sulfate(SDS)}を40mlを添加する。次に、5ppmのセシウムCs(I)(セシウムイオンCs(I)の200ppm貯蔵液ビンから20ml)を添加した後、必要量の脱イオン水を加えてセシウムイオン溶解溶液を800ml溶液に調整した。その後、HOM−PRキャプター400mgをこのセシウムイオン溶解溶液に添加し、50−60℃で24時間攪拌した後ろ過した。
セシウム溶解溶液(pH9.5)からセシウムイオンCs(I)をHOM−DPARに吸着後(実施例7、8、セシウム吸着濃度5ppm)、セシウムイオンCs(I)を吸着した固体材料(HOM−DPAR―Cs)20mgは、50mlビーカーにおいて0.01MのHNO3の溶離溶液20ml(20mlの脱イオン水へ濃硝酸HNO3(60−61%)を20μl溶解して0.01MのHNO3を作る)に添加され、5分間攪拌する。この後この溶液をろ過した。
pH2の調整溶液160mlを取って1000mlビーカーへ注入した後、4.5ppmのセシウムイオンCs(I)(セシウムイオンCs(I)の200ppm貯蔵液ビンから18ml)を添加した後、必要量の脱イオン水を加えてセシウムイオン溶解溶液を800ml溶液に調整した。その後、HOM−DPARキャプター500mgをこのセシウムイオン溶解溶液に添加し、50−60℃で24時間攪拌した後ろ過した。ろ過液はICP−MS分析(ICP質量分析)を行ないセシウムイオン濃度の測定を行なった。
Claims (21)
- 目標元素であるセシウム(Cs)を含む各種イオンが溶解された溶液(セシウムイオン溶解溶液)からセシウムイオンを吸着するとともに吸着されたセシウムイオンを遊離することが可能な、セシウムイオンを吸着するセシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカ。
- セシウムイオン吸着性化合物は目標元素であるセシウムイオンを選択的に吸着可能な化合物であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載のメソポーラスシリカ。
- セシウムイオン吸着性化合物はキレート化合物であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項に記載のメソポーラスシリカ。
- セシウムイオン吸着性化合物は、2−ドデシル−4−((フェニル)ジアゼニル)レソルシノール{2-dodecyl-4-((phenyl)diazenyl)
resorcinol (DPAR)}、4−(2−ジアゼニル−1,3,4−チアジアゾル)−6−ドデシルレゾルシノール{4-(2-diazenyl-1,3,4-thiadiazole)-6-
dodecylresorcinol (DTDR)}またはピロガロル・レッド{Pyrogallol red (PR)}から選択された少なくとも1つであることを特徴とする、特許請求の範囲第3項に記載のメソポーラスシリカ。 - セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカを、目標元素であるセシウムが良く吸着されるpH値に調整されたセシウムイオン溶解溶液と接触させ、メソポーラスシリカに吸着したセシウムイオン吸着性化合物に目標元素であるセシウムイオンを吸着させることを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかの項に記載のメソポーラスシリカ。
- 前記DPARの場合には前記pH値は1.5〜2.5、好適には2.0、または9.0〜10.0、好適には9.5であり、前記DTDRの場合にはpH値は1.5〜2.5、好適には2.0であり、前記PRの場合にはpH値は9.0〜10.0、好適には9.5であることを特徴とする、特許請求の範囲第5項に記載のメソポーラスシリカ。
- セシウムを吸着する前のセシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカの色調はセシウムを吸着することにより変色し、さらにセシウムを分離すると色調が変化することを特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第6項に記載のメソポーラスシリカ。
- 特許請求の範囲第1項〜第7項に記載のメソポーラスシリカを用いてセシウムイオン溶解溶液からセシウム(Cs)を収集することを特徴とするセシウムコレクター。
- セシウムイオン溶解溶液は放射性セシウムを含むことを特徴とする、特許請求の範囲第8項に記載のセシウムコレクター。
- 目標元素であるセシウムイオンを良く吸着するpH値に調整された、目標元素であるセシウムイオンを含むセシウムイオン溶解溶液に、セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカを接触させ、前記セシウムイオン吸着性化合物に目標元素であるセシウムイオンを選択的に吸着する工程、
目標元素であるセシウムイオンを吸着した前記セシウムイオン吸着性化合物から目標元素であるセシウムイオンを遊離する工程
を含むことを特徴とするメソポーラスシリカを用いたセシウム回収方法。 - セシウムイオン吸着性化合物をメソポーラスシリカに担持する工程をさらに含むことを特徴とする、特許請求の範囲第10項に記載のセシウム回収方法。
- 比色法を用いてセシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカに吸着されたセシウムイオンの濃度を判定する工程をさらに含むことを特徴とする、特許請求の範囲第10項または第11項に記載のセシウム回収方法。
- セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカはリユースすることを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第12項のいずれかの項に記載のセシウム回収方法。
- セシウムイオン吸着性化合物はキレート化合物であることを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第13項のいずれかの項に記載のセシウム回収方法。
- セシウムイオン吸着性化合物は、2−ドデシル−4−((フェニル)ジアゼニル)レソルシノール{2-dodecyl-4-((phenyl)diazenyl)
resorcinol (DPAR)}、4−(2−ジアゼニル−1,3,4−チアジアゾル)−6−ドデシルレゾルシノール{4-(2-diazenyl-1,3,4-thiadiazole)-6-
dodecylresorcinol (DTDR)}またはピロガロル・レッド{Pyrogallol red (PR)}から選択された少なくとも1つであることを特徴とする、特許請求の範囲第14項に記載のセシウム回収方法。 - 前記DPARの場合には前記pH値は1.5〜2.5、好適には2.0、または9.0〜10.0、好適には9.5であり、前記DTDRの場合にはpH値は1.5〜2.5、好適には2.0であり、前記PRの場合にはpH値は9.0〜10.0、好適には9.5であることを特徴とする、特許請求の範囲第15項に記載のセシウム回収方法。
- 前記セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカがセシウムイオンを吸着すると変色することを用いてセシウムイオンを抽出すること、および/またはセシウムイオンを吸着した前記メソポーラスシリカがセシウムイオンを溶離すると変色し前記セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカに戻ることを用いてセシウムイオンを分離することを特徴とする、特許請求の範囲第10項〜第16項のいずれかの項に記載のセシウム回収方法。
- 高濃度の競合イオンの存在下でも低濃度のセシウムイオンを収集し検出することができる、セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカをベースとした視覚コレクター。
- 比色法または紫外可視分光分析(UV-VIS-NIR
spectroscopy)を用いてセシウムイオン濃度を決定するために使用することが可能な特許請求の範囲第18項に記載の視覚コレクター。 - 250nm〜900nmの波長を変えながらUV−VIS−NIR分光分析を適用することによってセシウムイオンの濃度を決定するために、視覚的にまたは定性的に使用することが可能な特許請求の範囲第19項に記載の視覚コレクター。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載のメソポーラスシリカを用いたセシウム除去フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011177800A JP5967748B2 (ja) | 2011-08-16 | 2011-08-16 | セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムコレクター、セシウム回収方法、セシウムイオン収集剤、セシウムイオン濃度センサおよびセシウム除去フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011177800A JP5967748B2 (ja) | 2011-08-16 | 2011-08-16 | セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムコレクター、セシウム回収方法、セシウムイオン収集剤、セシウムイオン濃度センサおよびセシウム除去フィルター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013040852A true JP2013040852A (ja) | 2013-02-28 |
JP5967748B2 JP5967748B2 (ja) | 2016-08-10 |
Family
ID=47889395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011177800A Active JP5967748B2 (ja) | 2011-08-16 | 2011-08-16 | セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムコレクター、セシウム回収方法、セシウムイオン収集剤、セシウムイオン濃度センサおよびセシウム除去フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5967748B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8956542B1 (en) | 2013-07-30 | 2015-02-17 | Showa Freezing Plant Co., Ltd. | Method for processing radioactively-contaminated water |
JP2015075338A (ja) * | 2013-10-05 | 2015-04-20 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 濁水中セシウム除去装置および方法 |
JP2018031786A (ja) * | 2017-10-25 | 2018-03-01 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 測定試料調製装置およびこれを用いた測定試料の調製方法 |
CN114452951A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-05-10 | 淮阴工学院 | 一种酚醛气凝胶铷/铯特效吸附剂及其制备方法和应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101847475B1 (ko) | 2016-08-18 | 2018-04-10 | 인하대학교 산학협력단 | 세슘 검출용 비색 센서 및 이를 이용한 세슘 검출방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008224461A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 化学センサー材 |
-
2011
- 2011-08-16 JP JP2011177800A patent/JP5967748B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008224461A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 化学センサー材 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6015014525; Yuehe Lin,Glen E.Fryxell,Hong Wu,and Mark Engelhard: 'Selective Sorption of Cesium Using Self-Assembled Monolayers on Mesoporous Supports' Environmental science & technology Vol.35,No.19, 20010824, p3962-p3966, American Chemical Society * |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8956542B1 (en) | 2013-07-30 | 2015-02-17 | Showa Freezing Plant Co., Ltd. | Method for processing radioactively-contaminated water |
JP2015075338A (ja) * | 2013-10-05 | 2015-04-20 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 濁水中セシウム除去装置および方法 |
JP2018031786A (ja) * | 2017-10-25 | 2018-03-01 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 測定試料調製装置およびこれを用いた測定試料の調製方法 |
CN114452951A (zh) * | 2021-12-15 | 2022-05-10 | 淮阴工学院 | 一种酚醛气凝胶铷/铯特效吸附剂及其制备方法和应用 |
CN114452951B (zh) * | 2021-12-15 | 2023-12-01 | 淮阴工学院 | 一种酚醛气凝胶铷/铯特效吸附剂及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5967748B2 (ja) | 2016-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Awual et al. | A reliable hybrid adsorbent for efficient radioactive cesium accumulation from contaminated wastewater | |
Zhang et al. | Competitive adsorption of strontium and cobalt onto tin antimonate | |
Awual et al. | Selective lanthanide sorption and mechanism using novel hybrid Lewis base (N-methyl-N-phenyl-1, 10-phenanthroline-2-carboxamide) ligand modified adsorbent | |
Tan et al. | Effect of silicate on the formation and stability of Ni–Al LDH at the γ-Al2O3 surface | |
Hamed et al. | Adsorption behavior of zirconium and molybdenum from nitric acid medium using low-cost adsorbent | |
CN108160048B (zh) | 高稳定性除铯吸附剂的规模化制备方法及其产品与应用 | |
Hamed et al. | Removal of selenium and iodine radionuclides from waste solutions using synthetic inorganic ion exchanger | |
JP6048855B2 (ja) | ランタノイド元素又はアクチノイド元素の抽出方法及びナノ構造体 | |
Mansy et al. | Evaluation of synthetic aluminum silicate modified by magnesia for the removal of 137Cs, 60Co and 152+ 154Eu from low-level radioactive waste | |
RU2541474C2 (ru) | Нанокомпозитный твердый материал на основе гекса- и октацианометаллатов, способ его приготовления и способ фиксации минеральных загрязнителей с использованием упомянутого материала | |
Wu et al. | Development of adsorption and solidification process for decontamination of Cs-contaminated radioactive water in Fukushima through silica-based AMP hybrid adsorbent | |
JP5967748B2 (ja) | セシウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたセシウムコレクター、セシウム回収方法、セシウムイオン収集剤、セシウムイオン濃度センサおよびセシウム除去フィルター | |
JP6176636B2 (ja) | ヨウ素イオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたヨウ素イオンコレクターおよびヨウ素回収方法 | |
Wu et al. | Synergistic adsorption behavior of a silica-based adsorbent toward palladium, molybdenum, and zirconium from simulated high-level liquid waste | |
JP5787288B2 (ja) | パラジウムイオン吸着性化合物を担持したメソポーラスシリカおよびそれを用いたパラジウムイオンコレクターおよびパラジウム回収方法 | |
Rizk et al. | Investigations on sorption performance of some radionuclides, heavy metals and lanthanides using mesoporous adsorbent material | |
Metwally et al. | Utilization of low-cost sorbent for removal and separation of 134 Cs, 60 Co and 152+ 154 Eu radionuclides from aqueous solution | |
CN105944658B (zh) | 一种颗粒态除铯无机离子吸附剂的制备方法及产品与应用 | |
JP7146738B2 (ja) | アルカリ金属のヘキサシアノメタレートまたはオクタシアノメタレートに基づく固体ナノ複合材料、その調製方法、及び金属カチオンの抽出方法 | |
Mahrous et al. | Bentonite phosphate modified with nickel: preparation, characterization, and application in the removal of 137Cs and 152+ 154Eu | |
Gomaa et al. | Green extraction of uranium (238U) from natural radioactive resources | |
Um et al. | Synthesis of nanoporous zirconium oxophosphate and application for removal of U (VI) | |
Sang et al. | Selective separation and immobilization process of 137Cs from high-level liquid waste based on silicon-based heteropoly salt and natural minerals | |
Kang et al. | Efficient radon removal using fluorine-functionalized natural zeolite | |
Chen et al. | Highly efficient removal of radioactive iodine anions by nano silver modified activated carbon fiber |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140630 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150622 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151117 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160621 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160701 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5967748 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |