JP2013040453A - 洗浄タンクの給水装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)洗浄タンク内の水位に連動して昇降するフロート34と、給水弁36と、給水弁36の下流部で分岐したタンク内給水流路52及び便器に補給水を送る補給水流路54とを有するボールタップ、及び、(B)遮断部96と開口部104とを有して、補給水流路54を開閉する開閉部材84と、タンク内の水位と連動して昇降することで開閉部材84を移動させ、下降位置で遮断部96にて補給水流路54を遮断し、下降位置からの上昇で開口部104にて補給水流路54を連通させるフロート34とを有する補給水の給水遅延機構16とを含んで給水装置を構成する。
【選択図】 図5
Description
従ってこのサイホン式便器にあっては、一旦溜水を排出した後に再び鉢内に一定量の溜水を溜めるための補給水を給水することが必要となる。
このときの補給水の給水は、具体的にはタンク内に設けてあるオーバーフロー管等の導水管、詳しくは便器の排水トラップ部に向けて補給水を導く導水管に補給水流路からの補給水を流入させることで行う。
つまり便器内でサイホンが起るまでの間も、便器に向けて補給水の給水を行っていた。
このときに便器に給水された補給水は、サイホン後において便器に再び溜水を溜めるための水としては用いられないものであり、この間の給水が無駄に消費されてしまうこととなる。
但しこの特許文献1に開示のものでは、サイホンが起るまでの間も補給水が便器に向けて給水されてしまう問題を解決することはできない。
従ってタンク内の水位の下降に伴ってボールタップにおける第1フロートが下降し、これにより給水弁が開いても、ボールタップからはタンク内給水流路を通じてのタンク内への給水のみが行われ、補給水流路を通じての便器への補給水の給水は行われない。
即ちサイホンが起るまでの間に便器に向けて補給水が給水されてしまうのを防ぐことができる。
ここにおいて補給水流路を通じ便器内に補給水を給水する。
この場合において便器への補給水の給水は、タンク内の水位が満水位置まで上昇し、ボールタップの給水弁が閉弁することで給水停止するようになしておくことができる。
この場合、単に第2フロートにて開閉部材を上げ下げするだけで、補給水流路を開閉することができる。
遮断部における補給水流路の1次側の面が平坦な面であったりすると、遮断部が補給水流路の水の力を強く受けてしまう。
そうすると開閉部材の移動に対する抵抗が大となり、開閉部材を移動させるために強い力が必要となったり、或いは開閉部材の円滑な移動が阻害されてしまう恐れが生ずる。
ここで水抜開口は、水溜部への補給水の流入流量よりも少ない流量で、水溜部に溜めた補給水を外部に水抜きする形状の開口としておく。
この請求項4によれば、第1フロートの上昇により給水弁を閉弁させて止水を行ったとき、その止水状態を安定化することができる。
補給水の漏出により水溜部に溜まった水は、第1フロートに対して錘として作用する。
第1フロートはその錘の作用の下で、タンク内の洗浄水の浮力により上昇して給水弁を閉弁させる。
給水弁が閉弁して止水すれば、補給水流路への水の流出も停止し、従って補給水の漏出による水溜部への水の供給も停止する。
一方水溜部に溜まっていた水は、給水弁の閉弁後も水抜開口を通じて外部に抜き出される。
従って給水弁の閉弁後において、第1フロート全体の重さは軽くなり、第1フロートがその軽量化により給水弁の閉弁後においてもタンク内の洗浄水の浮力により僅かに上昇運動する。
そしてそのフロートの僅かな上昇運動により給水弁を閉弁状態に保持する力を増大する。
このようにすればフロートの数を少なくし得て、給水装置の小型化及びコストダウンを図ることができる。
即ちタンク内の水位の変動及びこれに伴う給水弁の開閉との関係において、補給水の給水制御を適正なタイミングで行うことが可能となる。
図1において、10は便器で、12は便器10の洗浄水を内部に貯える洗浄タンク(以下単にタンクとする場合がある)である。
この洗浄タンク12の内部には、便器10に洗浄水を給水し、また補給水を給水するための本実施形態の給水装置が設けられている。
図2〜図5に給水装置の構成が示してある。これらの図に示しているように給水装置は、ボールタップ14と、補給水の給水遅延機構16とを含んでいる。
22は排水弁(ここではフラッパ弁)で、オーバーフロー管18に設けられた軸部24周りに上下に回動可能とされている。排水弁22は、軸部24の周りに回動することで放出口20を開閉する。
この排水弁22は、玉鎖26が図中上向きに引き上げられることによって開弁し、タンク12内の洗浄水を放出口20から放出させる。
34はフロートで、このフロート34はタンク12内の洗浄水の水位に連動して昇降運動する。
ボールタップ14の本体部28には、給水弁36が内蔵されており、この給水弁36とフロート34とが、連繋アーム38にて連繋されている。
連繋アーム38は、図3に示す軸40周りに回動運動する横向きの回動アーム42と、縦軸部44とを有している。
この補給水吐水口48には、可撓性を有する補給水管50の一端側が接続されており、補給水吐水口48から吐水された補給水が、この補給水管50を通じてオーバーフロー管18の内部に流入せしめられる。
オーバーフロー管18内部に流入した補給水は、続いて上記の放出口20を通じて便器10へと給水される。
図5に示しているように本体部28の内部には、給水弁36の下流部において、タンク内給水流路52と補給水流路54とが分岐して形成されている。
ここでパイロット弁68は、上記の連繋アーム38における回動アーム42の端部に設けられている。
図6(A)は、給水弁36が閉弁した状態を表している。
この状態で連繋アーム38の回動アーム42が図3に示す軸40周りに図中下向きに回動し、その端部のパイロット弁68がパイロット弁座66から離座して開弁すると、背圧室60内の水がパイロット孔64を通じて外部に抜け出し、ここにおいて背圧室60内の圧力が消失する。
そしてその開放によって、給水管30からの水が上記のタンク内給水流路52及び補給水流路54へと流入する。
そしてタンク内給水流路52の先端部のタンク内吐水口46からタンク内への給水が行われる。
またこのとき補給水流路54が開放されていれば、その先端の補給水吐水口48から上記の補給水管50及びオーバーフロー管18を通じて、便器10に補給水の給水がなされる。
一方連繋アーム38の縦軸部44には、その上端とそれよりも所定距離下側の位置とに円形の鍔状部72,74とが設けられている。
縦軸部44は、これら鍔状部72と74との間の部分が上記の凹部70に挿通されている。
ここで上側の鍔状部72が回動アーム42の分岐部69に当って縦軸部44を支持した状態の下で、下側の鍔状部74と分岐部69との間には、所定の間隙(遊び)が形成されるようになっている。そのように鍔状部74の位置が定められている。
一方縦軸部44からは嵌入軸部78が立ち下がっており、その嵌入軸部78が筒部76内に摺動可能に嵌入されている。
ここで筒部76の上端80は、フロート34の浮力による押上力を縦軸部44即ち連繋アーム38に加える押上部(第1押上部)として働く。
この上端80に対応して、縦軸部44にはその真上位置に鍔状部82が設けられている。
この鍔状部82は、第1押上部としての筒部76の上端80に当接して、その押上力を受ける第1受部として働く。
一方縦軸部44の上記の鍔状部74は第2押上部として働き、そしてその上側位置の回動アーム42の分岐部69は、この鍔状部74からの押上力を受ける第2受部として働く。
図10(I)及び図12(I)は、図2の排水弁22が閉じられ、タンク12内の洗浄水の水位が満水位である状態を表している。
このとき、図12(I)に示しているように便器10内には設定量の溜水が保持されており、便器10内の排水トラップ部Tは、その溜水により封水された状態にある。
この状態で排水弁22が、図2の玉鎖26により引き上げられて開弁すると、タンク12内の洗浄水が図2のタンク12底部の放出口20から放出され、便器10に向けて勢い良く給水される。
そしてその給水により、図12(II)に示すように便器10においてサイホン作用が惹起され、便器10内の溜水が、そのサイホン作用によって排水トラップ部Tの下流側へと一挙に排出される。
つまりここにおいて始めて連繋アーム38が、フロート34の上昇運動の開始に遅れて動作し、給水弁36を閉弁せしめてボールタップ14からの、具体的にはタンク内給水流路52を通じてのタンク12内への給水を停止させる。
ここで保持部83は、ボールタップ14の本体部28に一体に構成されている。
そしてこの保持部83の内部に、スライド部材から成る開閉部材84が、上下にスライド可能に挿通され、保持されている。
即ちここでは、開閉部材84がフロート34と一体移動状態にフロート34に結合されている。
従って開閉部材84は、フロート34に働く浮力によりフロート34が上昇移動することで、これと一体に上昇移動する。またフロート34が下降すると、これと一体に下降移動する。
また開閉部材84は、フロート34の圧入孔86への圧入深さを変えることで、フロート34からの高さを調節することができる。そしてその高さを調節することで、後に明らかにされるように補給水の給水開始時期及び給水量を調節することが可能となる。
即ちここでは、フロート34に対する開閉部材84の圧入による固定手段が、開閉部材84の高さ調節手段をなしている。
開閉部材84は、図5に示しているようにこの頭部92が保持部83の上端に当ることで、保持部83により下向きに支持され、更にこの開閉部材84を介してフロート34が支持される。
ここで一対の板状のリブ94は、この上部の遮断部96と下端部の連結部98とによって連結されており、更にこれら上部の遮断部96と下部の連結部98との間において、上下の一対の連結リブ100,102によって左右に連結されている。
尚遮断部96は、図9に示しているように補給水流路54における1次側の面が、その1次側に向って凸曲する凸曲面(ここでは円弧面)106とされ、また反対側の2次側の面が平坦面108とされている。
この水溜部112の周壁部114には、水溜部112の内部に溜めた水を外部に抜き出す水抜開口116が設けられている。
ここで水抜開口116は、水溜部112への補給水の流入流量よりも小流量で溜めた水を外部に抜き出すように、その形状,大きさが定められている。
尚図14(I),(II),(III)は図12の(I),(II),(III)に対応し、また図15の(IV),(V),(VI)は図13の(IV),(V),(VI)にそれぞれ対応する。
図14(I)は、洗浄タンク12内の水位が満水位である状態を示しており、このときフロート34は上昇端にあって、スライド部材から成る開閉部材84はフロート34とともに上昇端に位置していて、遮断部96は補給水流路54から上方に外れた位置にあり、補給水流路54は連通した状態にある。
但しこのときには給水弁36は閉弁した状態にあって、補給水流路54には補給水は供給されてはいない。
即ち遮断部96が補給水流路54に一致した状態となって、この遮断部96により補給水流路54を遮断状態とする。
従ってこのときには補給水流路54を通じて補給水が便器10に向けて補給されることはない。
但しこのとき補給水流路54内の補給水は、開閉部材84と保持部83との間から下方に僅かに漏出する。
図15(IV)は、タンク12内水位が設定水位に達した直後の状態を示している。
このとき開閉部材84は、フロート34の上昇により補給水流路54を連通開始する。詳しくは遮断部96が上昇開始し、補給水流路54を連通開始する。
そして補給水流路54の連通によって、給水管30からの水が給水弁36を通過して補給水流路54へと流れ込み、更にこの補給水流路54からオーバーフロー管18を経て、便器10に向け補給水が給水される。
そしてその後の更なるフロート34の上昇運動により、給水弁36が閉じられるに到り、ここにおいて補給水流路54からの便器10への補給水の給水が停止する。
図16はこのときの変化を表している。
開閉部材84が補給水流路54を連通させ、補給水流路54を通じて補給水を便器10に給水させている間、補給水流路54を流れる補給水の一部は、開閉部材84と保持部83との間の漏出部110を通じて下向きに漏出し、そして漏出した補給水は、フロート34の上端部の水溜部112内に流入して、そこに水を溜める(図16(VII)参照)。
この水溜部112に溜まった水は、フロート34に対して錘として作用する。
フロート34は、その錘の作用の下にタンク12内の洗浄水による浮力によって上昇運動し、給水弁36を閉弁せしめ、止水させる。
一方で水溜部112内の水は、その後も引き続いて水抜開口116から流出し続けるため、最終的に水溜部112の水(ここでは大部分の水)は水溜部112から抜き出され、その分フロート34の重量が軽くなるため、フロート34は洗浄水による浮力によって給水弁36の閉弁後も、図16中Δhで示す僅かな高さだけ上昇運動して、そこで最終的に上昇を停止する。
即ちその状態で連繋アーム38が僅かにパイロット弁68を開く方向に動作しても、パイロット弁68は開弁することはなく、給水弁36は依然として閉弁状態に、つまり止水状態に保持される。
従ってタンク12内の水位の下降に伴ってボールタップ14が給水弁36を開いても、ボールタップ14からはタンク内給水流路52を通じてのタンク12内への給水のみが行われ、補給水流路54を通じての便器10への補給水の給水は行われない。
即ちサイホンが起るまでの間に便器10に向けて補給水が給水されてしまうことはない。
ここにおいて補給水流路54を通じ便器10内に補給水が給水される。
即ちタンク12内の水位の変動及びこれに伴う給水弁36の開閉との関係において、補給水の給水制御を適正なタイミングで行うことができる。
例えば本発明はボールタップ用の第1フロートと、補給水の給水遅延機構のための第2フロートとを別々に設けるといったことも可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 洗浄タンク
14 ボールタップ
16 給水遅延機構
34 フロート
36 給水弁
38 連繋アーム
52 タンク内給水流路
54 補給水流路
76 筒部
78 嵌入軸部
80 上端
82 鍔状部
83 保持部
84 開閉部材
96 遮断部
104 開口部
106 凸曲面
110 漏出部
112 水溜部
116 水抜開口
Claims (6)
- (A)(a)洗浄タンク内の水位に連動して昇降する第1フロートと、(b)給水弁と、(c)該第1フロートと該給水弁とを連繋し、該第1フロートの昇降に連動して該給水弁を開閉させる連繋アームと、(d)該給水弁の下流部で分岐したタンク内給水流路及び便器に補給水を送る補給水流路と、を有し、該給水弁の開閉により前記タンク内への給水と給水停止とを自動的に行うボールタップ、及び
(B)(e)前記補給水流路を遮断する遮断部及び該補給水流路を連通させる開口部を有して、該補給水流路を開閉する開閉部材と、(f)該開閉部材を移動可能に保持する保持部と、(g)前記タンク内の水位と連動して昇降することで該開閉部材を移動させ、下降位置で該開閉部材の遮断部を前記補給水流路に一致させて該補給水流路を遮断し、該下降位置からの上昇で前記開口部を該補給水流路に一致させて該補給水流路を連通させる第2フロートと、を有する補給水の給水遅延機構
を含んで構成してあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。 - 請求項1において、前記開閉部材が上下にスライドして位置移動するスライド部材であって、該開閉部材の上部に前記遮断部が設けてあり、該遮断部の下側に前記開口部が設けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記開閉部材の前記遮断部は、前記補給水流路における1次側の面が該1次側に向って凸曲した凸曲面となしてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記開閉部材と前記保持部との間には記補給水流路の補給水を漏出させる漏出部が設けてあるとともに、
前記第1フロートには、上端部に該漏出した前記補給水を溜める水溜部と、該水溜部に溜めた該補給水を、該水溜部への該補給水の流入流量よりも少ない流量で該水溜部の外部に水抜きする水抜開口が設けてあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。 - 請求項1〜4の何れかにおいて、前記第1フロート及び第2フロートが共通のフロートから成っていることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
- 請求項5において、前記開閉部材は前記共通のフロートに対して一体移動状態に結合してあり、
前記連繋アームは該共通のフロートに対して、該フロートが下降端より設定距離上昇した時点から該フロートの浮力を該連繋アームに加えて該連繋アームを該フロートと連動して動作させる動作遅延機構を介して連結してあることを特徴とする洗浄タンクの給水装置。
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