JP2013038303A - 多層基板、及び多層基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子回路モジュール製造工程の歩留まりを向上することができる多層基板を提供する。
【解決手段】複数の基板を積層された基板部2と、基板部2の厚さ方向に貫通するビア3と、ビア3の内部を充填した金属部4と、を備えた多層基板1において、金属部4は、ビア3の内壁に形成された第1の金属部20と、第1の金属部の内側に形成された第2の金属部21から構成され、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に配置され、かつ、第1の金属部20と基板部2の外部とを電気的に接続するように配置された導電部6と、を有することを特徴とする多層基板1とした。
【選択図】図1
【解決手段】複数の基板を積層された基板部2と、基板部2の厚さ方向に貫通するビア3と、ビア3の内部を充填した金属部4と、を備えた多層基板1において、金属部4は、ビア3の内壁に形成された第1の金属部20と、第1の金属部の内側に形成された第2の金属部21から構成され、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に配置され、かつ、第1の金属部20と基板部2の外部とを電気的に接続するように配置された導電部6と、を有することを特徴とする多層基板1とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、多層基板、及び多層基板の製造方法に関するものである。
近年の電子機器の小型化や高周波化に伴い、それら電子機器にもちいられる電子回路モジュール用の多層基板においては、その多層基板の層間接合として、その層間にビアを形成し、そのビア内部を湿式めっき法等によって金属部を形成することか要求されている。
これら従来の多層基板の製造方法としては、(1)電解めっき法によって、そのビアの中央部をほぼ完全に埋める工程と、(2)電解めっき法によって、前述の(1)の工程にて、ビア中のほぼ完全に2つの領域を埋める工程という、2段階にてビア内部の金属部を形成する工程を含む多層基板の製造方法が良く知られている(例えば、これに類似する技術は下記特許文献1に記載されている)。
前記従来の多層基板においては、ビア内部の金属部を2段階にて形成するようになっているので、ビア内部におけるボイドが発生を低減することによって、そのボイドによる多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生するのを低減することができるということで極めて高く評価されるものであったが、さらなるボイドに起因する多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生するのを低減することが求められている。
すなわち、従来の多層基板の製造方法においては、(1)電解めっき法によって、そのビアの中央部をほぼ完全に埋める工程と、(2)電解めっき法によって、前述の(1)の工程にて、ビア中のほぼ完全に2つの領域を埋める工程、という2段階にてビア内部の金属部を形成する工程を含む多層基板の製造方法によって、ビア内部におけるボイドが発生を低減させていた。ここで、この従来の多層基板の製造方法においては、前記(1)や(2)を行うため、製造工程におけるバラツキ(例えば、めっき液の濃度バラツキや、めっき液流速度のバラツキ)を抑える、すなわち、多層基板の製造工程の細やかな管理が必須であった。
そこで、本発明の多層基板、及び多層基板の製造方法は、多層基板の構成(構造)、及びその構成に伴った製造方法によって、より容易にボイドの発生低減を行うことによって、この多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生するのを低減することを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明は、複数の絶縁層が積層された基板部と、前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、前記ビアの内部を充填した金属部と、を備えた多層基板において、前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置され、かつ、前記金属部と前記基板部の外部とを電気的に接続するように配置された導電部、を有することを特徴とする多層基板とした。
これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、複数の絶縁層が積層された基板部と、前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、前記ビアの内部を充填した金属部と、を備えた多層基板において、前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置され、かつ、前記金属部と前記基板部の外部とを電気的に接続するように配置された導電部、を有することを特徴とする多層基板としたので、多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生するのを低減することができる。
すなわち、本発明は、前記金属部と前記基板部の外部とを電気的に接続するための導電部を、前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置する多層基板構造とすることによって、前記ビアの内部を最終的に(完全に)充填する金属部を形成する際に、(1)まずはじめに、前記金属部における前記ビアの厚さ方向に対する中央部(近傍)を金属部で完全に充填し、(2)次に、前記ビアの厚さ方向の両端に向かって、前記金属部の内側を、徐々に充填させることができる(言い換えると、前記ビアの前記基板部の内部側から前記基板部の表面方向に向かって、前記金属部の内側を、徐々に充填させることができる)ので、ビア内部に空隙が生成されることを防止することができる。その結果として、多層基板を用いた電子回路モジュールを製造する際に発生するボイドを防止し、多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができるのである。
以下に、本発明の一実施形態を図面とともに詳細に説明するが、これら実施形態は、本発明を限定するものではない。
(実施の形態1)
[1]多層基板の構成
まずはじめに、本実施形態における多層基板の構成に関して説明する。
[1]多層基板の構成
まずはじめに、本実施形態における多層基板の構成に関して説明する。
図1は本発明の実施の形態1における多層基板の構成を示す断面図を示すものであり、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)中の点線A−Aにおける断面図を示すものである。図1(a)に示すように、多層基板1は、複数の絶縁層が積層された基板部2と、基板部2の厚さ方向に貫通するビア3と、ビア3の内側に形成された金属部4とを有している。
また、図1(a)に示すように、ビア3に接するように配置され、更に、図1(b)に示すように、ビア3の外周に形成されており、かつ、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に導電部6を配置している。更に、この導電部は、金属部4と基板部2の外部とを電気的に接続するように配置されている。
ここで、本実施形態における基板部2は、主成分がセラミックの成分から構成された絶縁物で形成されている。本実施形態における基板部2は、アルミナ(Al2O3)粉末を55[wt%]、ガラス粉末を45[wt%]の割合で配合したガラス・セラミックの固体成分と、有機溶剤等からなる有機バインダーを、固体成分と有機バインダーとの割合が、固体成分84:有機バインダー16の重量比の割合で混合された組成物からなる、シート状の形状のグリーンシート(すなわち、絶縁層に相当)と呼ばれるものを、複数枚(すくなくとも2枚以上、本実施形態においては4枚)積層し、その後、加圧しながら、900[℃]にて焼成することによって形成されたものである。
なお、本実施形態においては、主成分がセラミックである基板部を用いたが、その他、プリント基板の材料として知られるFR−4(FLAME RETARDANT TYPE 4)を用いた基板部や、フレキシブルプリント基板の材料として知られるポリイミドを用いた基板部を用いることもできる。
また、図1(a)に示すように、本実施形態における導電部6は、前述のように、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に配置している。本実施形態における「基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部」とは、基板部2の厚さB(図1(a)中に図示)に対し、基板部2表面から導電部6の中心までの距離(図1(a)中のCに図示)が、その半分の位置を中心として、基板部2の厚さ方向に対し+/−10%の交差を有する位置(即ち、(0.4xB)<C<(0.6xB)という関係を有する位置)と定義する。
更に、図1(a)、図1(b)に示すように、本実施形態における導電部6は、前述のように、金属部4と基板部2の外部とを電気的に接続するように配置されている。この導電部6は、後述で説明するが、この導電部6を陰極(図1(a)、図1(b)には図示なし、図13に図示)とし、基板部2の外部に用意した電極を陽極(図1(a)、図1(b)には図示なし、図13に図示)として、電解めっき法を用いて、金属部4を形成するために配置したものである。
ここで、本実施形態における導電部6は、前述の焼成前のグリーンシートに、予め、スクリーン印刷法を用いて所望のパターンに印刷して形成後、前述のセラミックシートを焼成する際に同時に焼成される事によって形成している。なお、本実施形態においては、銀(Ag)粒子とガラス成分を含有する導体ペーストを用いた。
また、本実施形態における金属部4は、前述のように、導電部6を陰極(図1(a)、図1(b)には図示なし、図13に図示)とし、基板部2の外部に用意した電極を陽極(図1(a)、図1(b)には図示なし、図13に図示)とする電解めっき法を用いて形成した。本実施形態における金属部4としては銅(Cu)を用いた。なお、金属部4の材料としては、本実施形態で用いた電気めっき法によって形成された銅(Cu)の他に、電気抵抗の低い物質、例えば金(Au)や銀(Ag)等を電解めっき法にて形成することもできる。
また、本実施形態においては、金属部4を形成する電解めっき法に、非パルス形状の直流電流による電解めっき法を用いた。より具体的には、非パルス形状の直流電流として、0.1〜3A/dm2の定電流が流れるように制御を行った。
以上が、本実施形態における多層基板1の構成である。
[2]セラミック基板の製造方法
次に、本実施形態における多層基板の製造方法に関して説明する。
次に、本実施形態における多層基板の製造方法に関して説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における多層基板の製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態における多層基板の製造方法は、
S1:基板部準備工程
S2:金属部形成工程と、
という2つの工程から構成されるものである。
S1:基板部準備工程
S2:金属部形成工程と、
という2つの工程から構成されるものである。
以下に、S1、及びS2の製造工程の詳細を説明する。
[2]−(1):基板部準備工程S1
図3は、本発明の実施の形態1における基板部準備工程を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態における基板部準備工程S1は、
S100:グリーンシート準備工程
S200:積層工程
S300:脱バインダー工程
S400:焼成工程
S500:拘束層除去工程
という5つの工程から構成されるもので、この5つの工程によって、基板部2を形成するのである。 それでは、以下に、この5つの工程の順次説明を行う。
図3は、本発明の実施の形態1における基板部準備工程を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態における基板部準備工程S1は、
S100:グリーンシート準備工程
S200:積層工程
S300:脱バインダー工程
S400:焼成工程
S500:拘束層除去工程
という5つの工程から構成されるもので、この5つの工程によって、基板部2を形成するのである。 それでは、以下に、この5つの工程の順次説明を行う。
[2]−(1)−(i):グリーンシート準備工程S100
まずはじめに、図4、図5を用いて、基板部2の材料となるグリーンシート8A、8Bを準備するグリーンシート準備工程S100に関して説明する。
まずはじめに、図4、図5を用いて、基板部2の材料となるグリーンシート8A、8Bを準備するグリーンシート準備工程S100に関して説明する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの断面図を示すものであり、図4(a)はグリーンシート8Aの断面図、図4(b)はグリーンシート8Bの断面図を示すものである。また、図5は、本発明の実施の形態1におけるグリーンシートの上面図を示すものであり、図5(a)はグリーンシート8Aの上面図、図4(b)はグリーンシート8Bの上面図を示すものである。
本実施形態においては、純のグリーンシート(アルミナ粉末を55[wt%]、ガラス粉末を45[wt%]の割合で配合したガラス・セラミックの固体成分と、有機溶剤等からなる有機バインダーを、固体成分と有機バインダーとの割合が、固体成分84:有機バインダー16の重量比の割合で混合された組成物をシート状に形成したもの)から、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示すように、グリーンシート8A(図4(a)、図5(a))、グリーンシート8B(図4(b)、図5(b))を作成する。
まず、はじめに、図4(a)、図5(a)に示すグリーンシート8Aに関して説明する。グリーンシート8Aには、例えば、レーザー光による加工によってビア3(一般には穴とも呼ばれる)を形成する。これにて、グリーンシート8Aが完成する。
次に、図4(b)、図5(b)に示すグリーンシート8Bに関して説明する。グリーンシート8Bは、はじめに、グリーンシート8Aと同様に、ビア3を形成する。なお、本実施形態において、グリーンシート8Aのビア3の内径(図4(a)中のDに相当)は、200[um]を用いた。
次に、図4(b)、図5(b)に示すように、導電部6を、スクリーン印刷法を用いて、グリーンシート8B上面におけるビア3の外径(ビア3の外周)に接するように導体ペーストを塗布することによって形成する。これにて、グリーンシート8Bが完成する。ここで、グリーンシート8Bのビア3の内径(図4(b)中のEに相当)は、グリーンシート8Aのビア3の内径(図4(a)中のDに相当)より小さく(E<D)なるように形成してある。本実施形態においては、グリーンシート8Bのビア3の内径(図4(b)中のEに相当)は、グリーンシート8Aと同様、200[um]を用いた。
なお、本実施形態においては、グリーンシート8Aは3枚、グリーンシート8Bは1枚、それぞれ用意した。
[2]−(1)−(ii):積層工程S200
次に、図6、図7、図8を用いて、積層工程S200について説明する。
次に、図6、図7、図8を用いて、積層工程S200について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1の積層工程における積層手順を示す断面図である。また、図7は、本発明の実施の形態1の積層工程におけるグリーンシート積層体の断面図を示すものである。また、図8は、本発明の実施の形態1の積層工程における加圧加熱方法を説明する断面図を示すものである。
まず、はじめに、図6、図7に示している拘束層9に関して説明する。一般に、アルミナ粉末とガラス粉末を配合したガラス・セラミックの組成物で、シート状の形状のグリーンシートを、高温を印加すると、アルミナ粉末とガラス粉末が焼成することによって、そのグリーンシートの体積(平面方向、および厚さ方向)に収縮する。
本実施形態においても、本工程である積層工程S200、次の工程である脱バインダー工程S300、次々工程である焼成工程S400にて、グリーンシート積層体10を、熱を印加するのであるが、その際、図6に示すように、それらグリーンシート8A、8B、8Cを挟み込むように、印加する温度では焼成しない成分のセラミックからなる拘束層9を上下面に配置しておく。
こうすることによって、グリーンシー8A、8B、8Cは、図6中に示す、X方向、およびY方向(すなわち、グリーンシート積層体10の平面方向)には収縮せず、Z方向(すなわち、グリーンシート積層体10の厚さ方向)にのみ収縮する。このX方向、Y方向に収縮させないために、この拘束層9を使用するのである。本実施形態においては、アルミナ粉末をシート状に成形したものを拘束層9として用いた。
次に、図6を用いて、グリーンシート8A、8Bを積層し、グリーンシート積層体10を準備する方法を説明する。
まず、拘束層9上に、グリーンシート8Aを1枚積層する。その際、図6、図7に示すように、ビア3の位置が合うように位置あわせをしながら積層する。本実施形態においては、それぞれのビア3の中心が一致するように位置あわせを実施しながら積層した。
次に、グリーンシート8A上に、グリーンシート8Bを、グリーンシート8Aに形成されているビア3と、グリーンシート9Bに形成されているビア3の位置合わせを実施しながら1枚積層する。本実施形態においては、それぞれのビア3の中心が一致するように位置あわせを実施しながら積層した。
次に、グリーンシート8B上に、前述と同じように、それぞれのビア3の位置が合うようにグリーンシート8Aを2枚積層する。本実施形態においては、それぞれのビア3の中心が一致するように位置あわせを実施しながら積層した。
最後に、グリーンシート8A上に、拘束層9を配置する。このようにして、図7に示すような、グリーンシート積層体10が準備されるのである。
最後に、グリーンシート8A上に、拘束層9を配置する。このようにして、図7に示すような、グリーンシート積層体10が準備されるのである。
次に、図8に示すように、グリーンシート積層体10の上下面にステンレス板11を配置し、それを台座12上に配置し、その上面から加圧加熱をすることによって、グリーンシート積層体10中のグリーンシート8A、8B同士を仮接着する。
ここで、図8中のグリーンシート積層体10は、図7中のグリーンシート積層体10と同一のものであるが、図8中のグリーンシート積層体10は簡略化して図示している。
また、本実施形態において、グリーンシート積層体10上のステンレス板11上から加圧した圧力は15.2[MPa]とし、加熱温度は85℃[℃]を用いた。このようにして、グリーンシート積層体10中のグリーンシート8A、8B、8C同士を仮接着する。
なお、グリーンシート積層体10と、グリーンシート積層体10の上下面に配置したステンレス板11とは接着されることはない。
なお、グリーンシート積層体10と、グリーンシート積層体10の上下面に配置したステンレス板11とは接着されることはない。
[2]−(1)−(iii):脱バインダー工程S300
次に、図9を用いて、脱バインダー工程S300について説明する。
次に、図9を用いて、脱バインダー工程S300について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1の脱バインダー工程における加圧加熱方法を説明する断面図を示すものである。
この工程では、図9に示すように、グリーンシート積層体10を台座13上に配置し、加熱をすることによって、グリーンシート積層体10中のグリーンシート8A、8B、8C内部の有機バインダーを除去する。
本実施形態において、加熱温度は650[℃]にて加熱を行った。このようにして、グリーンシート積層体10中のグリーンシート8A、8B、8C内部の有機バインダーを除去する。
[2]−(1)−(iv):焼成工程S400
次に、図10を用いて、焼成工程S400について説明する。
次に、図10を用いて、焼成工程S400について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1の焼成工程における加圧加熱方法を説明する断面図を示すものである。また、図11は、本発明の実施の形態1の焼成工程後におけるグリーンシート積層体の断面図を示すものである。
グリーンシート積層体10を台座14上に配置し、加熱をすることによって、グリーンシート積層体10を焼成する。
本実施形態において、加熱温度は900[℃]を用いた。
このようにして、この焼成工程後、図11に示すように、グリーンシート積層体10は、その厚さ方向に収縮するのである。また、この焼成工程S400を実施することによって、グリーンシート8A、8B、8Cが基板部2となるのである。
[2]−(1)−(v):拘束層除去工程S500
次に、拘束層除去工程S500について説明する。
次に、拘束層除去工程S500について説明する。
この工程では、水96gと平均粒径0.1〜10umのアルミナ粉末4gの割合の混合物を、圧力0.4[MPa]の圧縮空気にて、グリーンシート積層体10の上下面の拘束層9上から吹き付ける。
図12は、本発明の実施の形態1の拘束層除去工程後におけるグリーンシート積層体の断面図を示すものである。こうすることによって、拘束層9を除去することができ、図12に示すようなものになる。
以上のように、本実施形態におけるセラミック部準備工程S1は、図3に示す、グリーンシート準備工程S100、積層工程S200、脱バインダー工程S300、焼成工程S400、拘束層除去工程S500という5つの工程を実施することによって、基板部2の厚さ方向に貫通するビア3と、ビア3の内側に形成された金属部4と、ビア3に接するように配置され、ビア3の外周に形成されており、さらに、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に配置された導電部6を有する基板部2を準備することができるのである。
次に、図2中の金属部形成工程S2に関して説明する。
[2]−(2):金属部形成工程S2
最後に、図2中の金属部形成工程S2に関して説明する。
第2の金属部形成工程S3においては、前述の基板部2のビア3の内部に、電解めっき法によって、金属部4を形成する。
最後に、図2中の金属部形成工程S2に関して説明する。
第2の金属部形成工程S3においては、前述の基板部2のビア3の内部に、電解めっき法によって、金属部4を形成する。
図13は、本発明の実施の形態1の金属部形成工程の概略図を示すものであり、図13(a)は、金属部形成工程に関する概略図、図13(b)は、金属部形成後の概略図を示すものである。
また、図14は、本発明の実施の形態1の金属部形成工程における基板部の断面図を示すものであり、図14(a)は、図13(a)中の点線G−Gの断面図、図14(b)は、図13(b)中の点線H−Hの断面図を示すものである。
図13(a)に示すように、基板部2内部の導電部6は、直流電源15の陰極に接続されている。更に、直流電源15の陽極は、電解めっき装置(図示なし)内部の平行平板16に接続されている。本実施形態では、この平行平板16を陽極、この導電部6のビア3側の先端部を陰極として、電解めっき法によって、金属部4が形成するのである。
図13(a)に示すように、基板部2内部の導電部6は、直流電源15の陰極に接続されている。更に、直流電源15の陽極は、電解めっき装置(図示なし)内部の平行平板16に接続されている。本実施形態では、この平行平板16を陽極、この導電部6のビア3側の先端部を陰極として、電解めっき法によって、金属部4が形成するのである。
また、本実施形態においては、前述のように、金属部4を形成する電解めっき法に、非パルス形状の直流電流による電解めっき法を用いた。より具体的には、非パルス形状の直流電流として、0.1〜3A/dm2の定電流が流れるように制御を行い、電解めっきを行って、金属部4を形成した。
また、基板部2の表裏面のビア3以外の部分にレジスト17が塗布されており、この金属部形成工程において、基板部2の不必要な部分(本実施形態においてはビア3以外)に金属膜(めっき膜)が付着しないようしてある。このレジスト17は、この金属部4を電気めっき法によって形成した後、除去されるものである。
また、本実施形態においては、図13(a)中の矢印に示すように、電解めっき装置(図示なし)内部のめっき浴槽内部にあるめっき液の液流は、基板部2の表裏面に向かって流れるようにしてある。
また、本実施形態においては、図13(a)中の矢印に示すように、電解めっき装置(図示なし)内部のめっき浴槽内部にあるめっき液の液流は、基板部2の表裏面に向かって流れるようにしてある。
次に、本実施形態における金属部4の成長過程に関して説明する。
また、図15は、本発明の実施の形態1における金属部形成工程における金属部の成長過程を説明するためのビアの拡大断面図であり、図15(a)は第1ステップの拡大断面図、図15(b)は第2ステップの拡大断面図、図15(c)は第3ステップの拡大断面図、図15(d)は第4ステップ(最終)の拡大断面図を示すものである。
さらに、図16は、本発明の実施の形態1における金属部形成工程における金属部の成長過程を説明するためのビアの拡大断面図で、図16(a)は図15(a)中の点線I−Iの拡大断面図、図16(b)は図15(b)中の点線J−Jの拡大断面図、図16(c)は図15(c)中の点線k−kの拡大断面図、図16(d)は図15(d)中の点線L−Lの拡大断面図を示すものである。
まず、図15(a)、図16(a)に示すように、導電部6の一端側を陰極として、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍、すなわち、導電部6の一端側から金属部4は成長を開始する。
次に、図15(a)、図15(b)、図15(c)の順、及び、図16(a)、図16(b)、図16(c)の順に、ビア3内部を金属部4が横方向、すなわち、ビア3の外径から内径に向かって成長する。
その次に、図15(c)から図15(d)の順、及び、図16(c)から図16(d)に順に、ビア3内部を、基板部2の厚さ方向(表裏面方向)に、金属部4が徐々に成長する。
すなわち、まず、金属部4は、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍を充填する。その後、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍から基板部2の表面方向に向かって、徐々に充填するのである。
以上のように、金属部形成工程S2によって、図15(d)、図16(d)に示すように、基板部2のビア3内部に金属部4を形成することができるのである。この金属部形成工程S2後の基板部2は、図1に示すように、本実施形態における多層基板1と同等なものとなるのである。
以上にて説明したように、本実施形態における多層基板1の製造方法は、基板部準備工程S1、金属部形成工程S2、という2つの工程を実施することによって、図1に示すような多層基板1を製造することができるのである。
[3]実施の形態1における効果
以上のように、本実施形態においては、複数の絶縁層が積層された基板部と、前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、前記ビアの内部を充填した金属部と、を備えた多層基板において、前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置され、かつ、前記金属部と前記基板部の外部とを電気的に接続するように配置された導電部、を有することを特徴とする多層基板としたので、多層基板1を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができる。
以上のように、本実施形態においては、複数の絶縁層が積層された基板部と、前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、前記ビアの内部を充填した金属部と、を備えた多層基板において、前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置され、かつ、前記金属部と前記基板部の外部とを電気的に接続するように配置された導電部、を有することを特徴とする多層基板としたので、多層基板1を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができる。
すなわち、本発明は、金属部4と基板部2の外部とを電気的に接続するための導電部6を、基板部2内部におけるビア3の厚さ方向の中央部に配置する多層基板構造とすることによって、ビア3の内部を最終的に(完全に)充填する金属部4を形成する際に、(1)まずはじめに、金属部4におけるビア3の厚さ方向に対する中央部(近傍)を金属部4で完全に充填し、(2)次に、ビア3の厚さ方向の両端に向かって、金属部4の内側を、徐々に充填させることができる(言い換えると、ビア3の基板部2の内部側から基板部2の表面方向に向かって、金属部4の内側を、徐々に充填させることができる)ので、ビア3内部に空隙が生成されることを防止することができる。その結果として、多層基板1を用いた電子回路モジュールを製造する際に発生するボイドを防止し、多層基板1を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができるのである。
(実施の形態2)
[4]実施の形態2における多層基板の構成
図17は、本発明の実施の形態2の多層基板の断面図を示すものである。
[4]実施の形態2における多層基板の構成
図17は、本発明の実施の形態2の多層基板の断面図を示すものである。
図17に示すように、本実施形態における多層基板18と前述の実施の形態1の多層基板1と異なるのは、金属部19が、ビア3の内壁に形成された第1の金属部20と、その第1の金属部20の内側に形成された第2の金属部21から形成されている点である。
また、本実施形態における第1の金属部20の形成方法に関して説明する。本実施形態においては、まず、基板部2のビア3の内部表面に金属触媒を付与し、さらにその後、前記金属触媒を還元させ、更にその後、無電解めっき法で第1の金属部20を形成した。本実施形態における第1の金属部20としては銅(Cu)を用いた。なお、本実施形態においては、第1の金属部20として銅(Cu)を用いたが、特に銅(Cu)に限定するものではく、例えば、ニッケルリン(Ni−P)、銅ニッケルリン(Cu−Ni−P)等をはじめとする、ニッケルを含む合金を用いることもできる。
また、本実施形態における第2の金属部21の形成方法に関して説明する。本実施形態においては、第1の金属部20を形成後、第1の金属部20を陰極とし、基板部2の外部に用意した電極(図17に図示なし)を陽極とする電解めっき法を用いて形成した。また、本実施形態においては、前述の実施の形態1と同様、第2の金属部21を形成する電解めっき法に、非パルス形状の直流電流による電解めっき法を用いた。より具体的には、非パルス形状の直流電流として、0.1〜3A/dm2の定電流が流れるように制御を行い、電解めっきを行って、第2の金属層21を形成した。
また、本実施形態における第2の金属層21としては銅(Cu)を用いた。なお、第2の金属層21の材料としては、本実施形態で用いた電気めっき法によって形成された銅(Cu)の他に、電気抵抗の低い物質、例えば金(Au)や銀(Ag)等を電気めっき法にて形成することもできる。
以上が、本実施形態における多層基板18の構成の説明である。
[5]セラミック基板の製造方法
次に、本実施形態における多層基板の製造方法に関して説明する。
次に、本実施形態における多層基板の製造方法に関して説明する。
図18は、本発明の実施の形態2における多層基板の製造方法を示すフローチャートである。
図18に示すように、本実施形態における多層基板18の製造方法は、
S1:基板部準備工程
S3:第1の金属部形成工程と、
S4:第2の金属部形成工程と、
という3つの工程から構成されるものである。
S1:基板部準備工程
S3:第1の金属部形成工程と、
S4:第2の金属部形成工程と、
という3つの工程から構成されるものである。
以下に、S1、S3、S4の製造工程の詳細を説明する。
[5]−(1):基板部準備工程S1
まずはじめに、基板部準備工程S1に関して説明する。
まずはじめに、基板部準備工程S1に関して説明する。
図19は、本発明の実施の形態2の基板部の断面図を示すものである。
本実施形態における基板部準備工程S1は、前述の本発明の実施の形態1と同様である(前述の[2]−(1)を参照)ため、詳細な説明を省略するが、本実施形態においては、図19に示すような基板部2を準備するのである。
[5]−(2):基板部準備工程S3
次に、図18中の第2の金属部形成工程S3に関して説明する。
第1の金属部形成工程S3において、基板部2のビア3の内壁に、無電解めっき法によって、第1の金属部20を形成する。
次に、図18中の第2の金属部形成工程S3に関して説明する。
第1の金属部形成工程S3において、基板部2のビア3の内壁に、無電解めっき法によって、第1の金属部20を形成する。
まずはじめに、前処理として、基板部2のビア3の内壁の表面に付着している異物及び油分などを除去する。この前処理は、本発明に必須の工程ではなく、基板部2のビア3の内壁の表面がきれいな状態であれば不要である。
次に、基板部2のビア3の内壁の表面を、金属触媒を含む水溶液に接触させる。この金属触媒としては、第1の金属部20を形成するための触媒となり得るもの、例えばパラジウム(Pd)触媒、銅(Cu)触媒等を用いることができる。本実施形態においては、パラジウム(Pd)触媒を用いた。また、触媒付与工程における触媒の濃度、処理時間、温度等の諸条件は、適宜変更可能である。こうして、基板部2のビア3の内側の表面に、これら金属触媒(本実施形態においてはパラジウム(Pd)触媒)が結合する。
次に、無電解めっき法によって第1の金属部20を形成するが、このとき無電解めっき液に含まれる還元成分により、基板部2のビア3の内側の表面の金属触媒が還元されるため、触媒作用が働き、触媒金属を核として、無電解めっき膜が形成される。本実施形態においては、前述のように、無電解めっき法によって、銅(Cu)を形成した。
また、この第1の金属層20の膜厚は、前述のように、0.5[um](500[nm])を用いた。
また、この第1の金属層20の膜厚は、前述のように、0.5[um](500[nm])を用いた。
図20は、本発明の実施の形態2の第1の金属層形成工程後における基板部の断面図を示すものである。図20に示すように、導電部6は、第1の金属部20と電気的に接続されるように形成される。更に、導電部6は、基板部2の外部まで出てくるように配置されている。言い換えると、導電部6は、第1の金属部20と電気的に接続され、かつ、基板部2の外部へ露出するように配置されている。このように構成することによって、第1の金属部20は、基板部2の外部と電気的に接続することが可能となる。
以上のように、基板部2のビア3の内壁に第1の金属部20が形成されるのである。
[5]−(3):第2の金属部形成工程S4
次に、図18中の第2の金属部形成工程S4に関して説明する。
次に、図18中の第2の金属部形成工程S4に関して説明する。
第2の金属部形成工程S4においては、前述の基板部2のビア3に形成されている第1の金属部20の内側に、電解めっき法によって、第2の金属部21を形成する。
図21は、本発明の実施の形態2の第2の金属部形成工程における基板部の断面図を示すものであり、図21(a)は、第2の金属部形成前の基板部の断面図、図14(b)は、第2の金属部形成後の基板部の断面図を示すものである。
図21は、本発明の実施の形態2の第2の金属部形成工程における基板部の断面図を示すものであり、図21(a)は、第2の金属部形成前の基板部の断面図、図14(b)は、第2の金属部形成後の基板部の断面図を示すものである。
図21(a)に示すように、前述の実施の形態1と同様、基板部2内部の導電部6は、直流電源15の陰極に接続されている。更に、直流電源15の陽極は、電解めっき装置(図示なし)内部の平行平板16に接続されている。本実施形態では、この平行平板16を陽極、第1の金属部20を陰極として、電解めっき法によって、第2の金属部21が形成するのである。
また、本実施形態においては、前述のように、第2の金属部21を形成する電解めっき法に、非パルス形状の直流電流による電解めっき法を用いた。より具体的には、非パルス形状の直流電流として、0.1〜3A/dm2の定電流が流れるように制御を行い、電解めっきを行って、第2の金属層21を形成した。
また、基板部2の表裏面のビア3以外の部分にレジスト17が塗布されており、この金属部形成工程において、基板部2の不必要な部分(本実施形態においてはビア3以外)に金属膜(めっき膜)が付着しないようしてある。このレジスト17は、この金属部4を電気めっき法によって形成した後、除去されるものである。
また、本実施形態においても、前述の実施の形態1と同様、図21(a)中の矢印に示すように、電解めっき装置(図示なし)内部のめっき浴槽内部にあるめっき液の液流は、基板部2の表裏面に向かって流れるようにしてある。
次に、本実施形態における第2の金属部21の成長過程に関して説明する。
また、図22は、本発明の実施の形態2における金属部形成工程における第2の金属部の成長過程を説明するためのビアの拡大断面図であり、図22(a)は第1ステップの拡大断面図、図22(b)は第2ステップの拡大断面図、図22(c)は第3ステップの拡大断面図、図22(d)は第4ステップ(最終)の拡大断面図を示すものである。
まず、図22(a)に示すように、第1の金属部20の一端側を陰極として、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍から第2の金属部21は成長を開始する。その理由に関して説明する。第1の金属部20は純金属であるため、理想的には電気抵抗はゼロのはずであるが、現実的には、電気抵抗はゼロではない。よって、電解めっき時に、直流電源15から導電部6を経由して、第1の金属部20に電位を与えた場合、導電部6の電位は、導電部6と第1の金属部20とが電気的に接続されている点(すなわち、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍)から、基板部2の表面方向に向かって、電位差を生じているのである。よって、前述のように、第2の金属部21はビア3の厚さ方向に対する中央部近傍から成長を開始するのである。すなわち、図22(a)、図22(b)、図22(c)の順に、ビア3内部を第2の金属部21が横方向、すなわち、ビア3の外径から内径に向かって成長するのである。
次に、図22(c)から図22(d)の順に、ビア3内部を、基板部2の厚さ方向(表裏面方向)に、第2の金属部21が徐々に成長する。
すなわち、まず、第2の金属部21は、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍を充填する。その後、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍から基板部2の表面方向に向かって、徐々に充填するのである。
すなわち、まず、第2の金属部21は、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍を充填する。その後、ビア3の厚さ方向に対する中央部近傍から基板部2の表面方向に向かって、徐々に充填するのである。
以上のように、金属部形成工程S4によって、図22(d)に示すように、基板部2のビア3内部に第2の金属部21を形成することができるのである。この第2の金属部形成工程S4後の基板部2は、図17に示すように、本実施形態における多層基板18と同等なものとなるのである。
以上にて説明したように、本実施形態における多層基板18の製造方法は、S1:基板部準備工程、S3:第1の金属部形成工程、S4:第2の金属部形成工程、という3つの工程を実施することによって、図17に示すような多層基板18を製造することができるのである。
[6]実施の形態2における効果
本実施形態においては、金属部19が、ビア3の内壁に形成された第1の金属部20と、その第1の金属部20の内側に形成された第2の金属部21から形成されているため、実施の形態1と同様に、ビア3の内部を、第2の金属部21によって、最終的に(完全に)充填する際に、(i)まずはじめに、第2の金属部21をビア3の外径から内径に向かって成長させることによって、ビア3内部におけるビア3の厚さ方向の中央部近傍を第2の金属部21によって充填し、(ii)次に、基板部2の厚さ方向の両端に向かって、ビア3の内側を、徐々に充填させることができる(言い換えると、ビア3の基板部2の内部側から基板部2の表裏面方向に向かって、第2の金属部21の内側を、徐々に充填させることができる)ので、ビア3内部の第2の金属部21内部に空隙が生成されることを防止することができる。その結果として、多層基板18を用いた電子回路モジュールを製造する際に発生するボイドを防止し、多層基板18を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができるのである。
本実施形態においては、金属部19が、ビア3の内壁に形成された第1の金属部20と、その第1の金属部20の内側に形成された第2の金属部21から形成されているため、実施の形態1と同様に、ビア3の内部を、第2の金属部21によって、最終的に(完全に)充填する際に、(i)まずはじめに、第2の金属部21をビア3の外径から内径に向かって成長させることによって、ビア3内部におけるビア3の厚さ方向の中央部近傍を第2の金属部21によって充填し、(ii)次に、基板部2の厚さ方向の両端に向かって、ビア3の内側を、徐々に充填させることができる(言い換えると、ビア3の基板部2の内部側から基板部2の表裏面方向に向かって、第2の金属部21の内側を、徐々に充填させることができる)ので、ビア3内部の第2の金属部21内部に空隙が生成されることを防止することができる。その結果として、多層基板18を用いた電子回路モジュールを製造する際に発生するボイドを防止し、多層基板18を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生する事を、より容易に低減することができるのである。
(実施の形態3)
[7]実施の形態3における多層基板の構成と効果
図23は、本発明の実施の形態3の多層基板の断面図を示すものである。図23に示すように、本実施形態における多層基板22と前述の実施の形態1の多層基板1と異なるのは、導電部23は、第1の配線部24、導電性ペーストが充填された内部ビア25、第2の配線部26から形成されている点である。本実施形態においては、第1の配線部24が、ビア3の厚さ方向の中央部に配置されている。更に、第1の金属部20は、第1の配線部24と、導電性ペーストが充填された内部ビア25と、第2の配線部26に よって、基板部2の外部とを電気的に接続することが可能であるので、実施の形態2と同等の効果を奏でることができる。
[7]実施の形態3における多層基板の構成と効果
図23は、本発明の実施の形態3の多層基板の断面図を示すものである。図23に示すように、本実施形態における多層基板22と前述の実施の形態1の多層基板1と異なるのは、導電部23は、第1の配線部24、導電性ペーストが充填された内部ビア25、第2の配線部26から形成されている点である。本実施形態においては、第1の配線部24が、ビア3の厚さ方向の中央部に配置されている。更に、第1の金属部20は、第1の配線部24と、導電性ペーストが充填された内部ビア25と、第2の配線部26に よって、基板部2の外部とを電気的に接続することが可能であるので、実施の形態2と同等の効果を奏でることができる。
更に、本実施形態においては、第1の配線部24と、導電性ペーストが充填された内部ビア25と、第2の配線部26によって、導電部23が多層構造で構成しているため、基板部2内部の立体的な遊休スペースを、より増やすことができるため、多層基板の高密度化を図ることができるのである。
(実施の形態4)
[8]実施の形態4における多層基板の構成と効果
図24は、本発明の実施の形態4の多層基板の断面図を示すものである。図24に示すように、本実施形態における多層基板27と前述の実施の形態2の多層基板1と異なるのは、導電部28は、第1の配線部29、導電性ペーストが充填された内部ビア30、基板部2の表面に形成された外部電極31から形成されている点である。本実施形態においては、第1の配線部29が、ビア3の厚さ方向の中央部に配置されている。更に、第1の金属部20は、第1の配線部29、導電性ペーストが充填された内部ビア30、基板部2の表面に形成された外部電極31によって、基板部2の外部と電気的に接続することが可能であるので、実施の形態3と同等の効果を奏でることができる。
[8]実施の形態4における多層基板の構成と効果
図24は、本発明の実施の形態4の多層基板の断面図を示すものである。図24に示すように、本実施形態における多層基板27と前述の実施の形態2の多層基板1と異なるのは、導電部28は、第1の配線部29、導電性ペーストが充填された内部ビア30、基板部2の表面に形成された外部電極31から形成されている点である。本実施形態においては、第1の配線部29が、ビア3の厚さ方向の中央部に配置されている。更に、第1の金属部20は、第1の配線部29、導電性ペーストが充填された内部ビア30、基板部2の表面に形成された外部電極31によって、基板部2の外部と電気的に接続することが可能であるので、実施の形態3と同等の効果を奏でることができる。
本発明にかかるセラミック基板は、多層基板を用いた電子回路モジュールの接続不良が発生するのを低減することができるので、特に、最近普及の進んでいる照明用LED(Light Emitting Diode)電球を制御するための電子回路モジュールや、携帯電話内部に用いられる電子回路モジュールとして用いられることが大いに期待されるものとなる。
1、18、22、27 多層基板
2 基板部
3 ビア
4、19 金属部
6、23、28 導電部
8A、8B グリーンシート
9 拘束層
10 グリーンシート積層体
11 ステンレス板
12、13、14 台座
15 直流電源
16 平行平板
17 レジスト
20 第1の金属部
21 第2の金属部
24、29 第1の配線部
25、30 内部ビア
26、第2の配線部
31 外部電極
2 基板部
3 ビア
4、19 金属部
6、23、28 導電部
8A、8B グリーンシート
9 拘束層
10 グリーンシート積層体
11 ステンレス板
12、13、14 台座
15 直流電源
16 平行平板
17 レジスト
20 第1の金属部
21 第2の金属部
24、29 第1の配線部
25、30 内部ビア
26、第2の配線部
31 外部電極
Claims (19)
- 複数の絶縁層が積層された基板部と
前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、
前記ビアの内部を充填した金属部と、
を備えた多層基板において、
前記基板部内部における前記ビアの厚さ方向の中央部に配置され、かつ、前記金属部と 前記基板部の外部とを電気的に接続するように配置された導電部、
を有することを特徴とする多層基板。 - 前記金属部は、前記ビアの内壁に形成された第1の金属部と、前記第1の金属部の内側に形成された第2の金属部から構成されることを特徴とする請求項1に記載の多層基板。
- 前記第1の金属部は、無電解めっき法によって形成されること、
を特徴とする請求項2に記載の多層基板。 - 前記第2の金属部は、電解めっき法によって形成されること、
を特徴とする請求項2に記載の多層基板。 - 前記第1の金属部を電極として、前記第2の金属部が形成されること、
を特徴とする請求項2に記載の多層基板。 - 前記基板部は、アルミナ成分とガラス成分を有するセラミックを焼成して形成されること、
を特徴とする請求項1乃至5に記載の多層基板。 - 前記第2の金属部は、直流電流を用いた電解めっき法によって形成されること、
を特徴とする請求項4に記載の多層基板。 - 前記直流電流は、非パルス形状の直流電流であること、
を特徴とする請求項7に記載の多層基板。 - 前記金属部は、電解めっき法によって形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の多層基板。 - 前記金属部は、直流電流を用いた電解めっき法によって形成されること、
を特徴とする請求項9に記載の多層基板。 - 前記直流電流は、非パルス形状の直流電流であること、
を特徴とする請求項10に記載の多層基板。 - 複数の絶縁層が積層された基板部と
前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、
前記ビアの内部を充填した金属部と、
から構成された多層基板の製造方法において、
前記金属部を、前記金属部におけるビアの厚さ方向に対する中央部近傍に成長させ、その後、前記ビアの厚さ方向の両端に向かって、前記金属部の内側を成長させる金属部形成工程と、
を含む多層基板の製造方法。 - 前記金属部形成工程は電解めっき法を用いること、
を特徴とする多層基板の製造方法。 - 前記金属部形成工程は、直流電流を用いた電解めっき法を用いること、
を特徴とする請求項13に記載の多層基板の製造方法。 - 前記直流電流は、非パルス形状の直流電流であること、
を特徴とする請求項14に記載の多層基板の製造方法。 - 複数の絶縁層が積層された基板部と
前記基板部の厚さ方向に貫通するビアと、
前記ビアの内部を充填した金属部と、
前記金属部は、前記ビアの内壁に形成された第1の金属部と、前記第1の金属部の内側に形成された第2の金属部から構成された多層基板の製造方法において、
前記ビアの内壁に第1の金属部を形成する第1の金属部形成工程と、
前記第1の金属部形成工程後、前記第2の金属部は、前記金属部におけるビアの厚さ方向に対する中央部近傍に成長させ、その後、前記ビアの厚さ方向の両端に向かって、前記金属部の内側を成長させる第2の金属部形成工程と、
を含む多層基板の製造方法。 - 前記第1の金属部形成工程は無電界めっき法を用い、
かつ、前記第2の金属部形成工程は電界めっき法を用いること、
を特徴とする請求項16に記載の多層基板の製造方法。 - 前記第2の金属部形成工程は、直流電流を用いた電界めっき法を用いること、
を特徴とする請求項17に記載の多層基板の製造方法。 - 前記直流電流は、非パルス形状の直流電流であること、
を特徴とする請求項18に記載の多層基板の製造方法。
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