JP2013034806A - 手洗い洗濯用袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】災害避難所や旅行先において汚れた衣類の洗濯は各々が洗面台のボウルや盥に水を溜め、手でもみ洗いし、その後手絞りで脱水していた。しかしながら、従来の手洗いでは、手が洗剤や汚れを含んだ水に触れる、汚れが落ちにくい、衣類の生地が痛む等の問題があった。特に寒冷地での、手洗いによる洗濯は過酷な作業となっていた。
【解決手段】非透水性非通気性で密封可能な袋に気体注入口と液体注入口と液体排出口を設け、空気で膨らませた袋の内部で汚れた衣類と水、洗剤を撹拌し洗浄する。また、被洗濯物を内包した袋本体を膨らませてから回転させることで遠心力により効果的な脱水ができる。
【選択図】図1
【解決手段】非透水性非通気性で密封可能な袋に気体注入口と液体注入口と液体排出口を設け、空気で膨らませた袋の内部で汚れた衣類と水、洗剤を撹拌し洗浄する。また、被洗濯物を内包した袋本体を膨らませてから回転させることで遠心力により効果的な脱水ができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、避難所や旅行先等で、手を濡らさずに汚れた衣類を手洗いするための、手洗い洗濯用袋に関する。
現在、地震や津波、台風、火山噴火などの災害時には、学校の体育館や公民館を避難先として、大勢の被災者が一時的に共同生活をすることが一般的である。
そして、避難先における共同生活では、衛生上の観点からも汚れた衣服の洗濯は重要とされるが、電気が停止していて洗濯機が使用できなかったり、被災者の人数へ対して洗濯機の数が不足することがあり、汚れた衣類の洗濯は各々が洗面台のボウルや盥に水を溜め、手でもみ洗いし、その後手絞りで脱水していた。
しかしながら、従来の手洗いでは、手が洗剤や汚れを含んだ水に触れる、汚れが落ちにくい等の問題があった。特に寒冷地での、手洗いによる洗濯は過酷な作業となっていた。
また、手洗い洗濯における脱水方法として従来は水に浸かった衣類を両手を使い生地を絞り脱水していたが、力加減が難しく生地が伸びてしまったり破れてしまうなどの問題があった。
また袋を用いて手を濡らさずに手軽に洗濯し脱水する方法もある。(特許文献1参照)
しかしながら、以上の方法による洗濯では、下着等の一部の衣類に限られるためTシャツやパンツ等の衣類全般の洗濯には適さない。また、以上の方法による脱水では、被洗濯物から圧し押し出された水が毛細管現象により袋体内部に留まり排出口から全て排出されず脱水された水が再び被洗濯物に吸収されてしまう。
避難所や旅行先において汚れた衣類を、手を濡らさず手軽に手洗いし、脱水できるとともに衣類を構成する生地を痛めることの少ない手洗いを実現することを目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するために空気と水を透過しない生地で構成された袋本体(1)の上端部開口(2)近傍に開閉自在に気密に閉塞部材を設けると共に、密封手段を有する気体注入口(3)と液体排出口(4)と液体注入口(5)を設けたものである。
また、第二の解決手段は水の排水流出を妨げないように被洗濯物(8)の流出阻止部(7)を近傍に有する液体排出口(4)を袋本体(1)下端部近傍に設けたものである。
また、第三の解決手段は、袋本体(1)の下端部近傍に流出阻止部(7)と密封手段を有する液体排出口(4)からなる、溜まり水受け部(16)を設けたものである。
上記第一の解決手段による作用は次の通りである。前記袋本体(1)の上端部開口(2)から被洗濯物(8)と洗剤(15)を加えた後、前記閉塞部材により上端部開口(2)を閉塞し密封させる。次に液体注入口(5)より水を注入し前記密封手段により密封させ、続けて気体注入口(3)より空気を吹き込み袋本体(1)を膨満し前記密封手段により密封する。袋本体(1)に内包された被洗濯物(8)と洗剤(15)と水は、袋本体(1)を上下左右に振ることにより撹拌され、洗浄液を含んだ被洗濯物(8)は膨満した袋本体(1)内を反復移動する際、内壁に強く当たる衝撃により瞬間的に圧縮され、汚れを含む洗浄液を被洗濯物(8)から排出させる。また、袋内部に充填された空気と洗浄液が撹拌され泡立ち、界面活性化作用が促進される。また、袋本体(1)内部には、被洗濯物(8)が引っかかる突起物が無く、洗浄水が潤滑剤となるため、気圧で膨らんだ袋本体(1)内を被洗濯物(8)が上下左右にスムーズに移動する。
また、第二の解決手段による作用は、洗浄後速やかに脱水することができる。すなわち排水時被洗濯物(8)が液体排出口(4)に流入し排出口を閉塞することがなく水だけを効率良く排水するため、袋本体(1)を被洗濯物(8)を入れたまま上端部開口(2)側からぐるぐると巻き上げ、被洗濯物(8)に含まれる水を袋本体(1)下端部近傍に設けた液体排出口(4)より絞り出すようにして脱水できる。
また、第三の解決手段による作用は、前記簡易脱水の後、より効果的な脱水をすることができる。すなわち前記簡易脱水のあとで、再び袋本体(1)の上端部開口(2)を前記閉塞部材により閉塞し密封させる。次に前記気体注入口(3)より空気を吹き込み袋本体(1)を膨満し、袋本体(1)の上端部近傍に設けた持ち手(17)を持ち、袋本体(1)の上端部を内心に下端部を遠心になるように素早く回転させ遠心力により被洗濯物を脱水することができる。脱水された水は溜まり水受け部(16)に溜まり、液体排出口(4)に螺着された蓋(6)を取り外し排出する。
本発明の効果として、汚れた衣類を手を濡らさずに手洗いできるとともに、空気と洗浄液が十分に撹拌されるため、界面活性効果が高く洗剤の使用量を減らすことができる。また、洗剤の使用量を少なくできるため、すすぎに使用する水の使用量を低減することができる。さらに、遠心力による効果的な脱水ができるため、被洗濯物を構成する生地が痛むのを軽減するとともに、被洗濯物の乾燥時間の短縮を図ることができる。
この発明の一実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
本発明の一実施形態の手洗い洗濯用袋(1)は、上端部に開口(2)を有する袋であって、上端部開口(2)の端縁部分に、開口を開閉自在に気密に閉塞部材を設け密封可能な手洗い洗濯用袋において、袋本体(1)の内外に通じる気体注入口(3)と液体注入口(5)と液体排出口(4)が取り付けられるとともに、気体注入口(3)と液体注入口(5)と液体排出口(4)には、袋本体(1)内部の気体と液体を密封するための密封手段を設けている。
また、本発明の一実施形態の手洗い洗濯用袋(1)は、下端部近傍に流出阻止部(7)と液体排出口(4)からなる、溜まり水受け部(16)を設けている。
本実施例では袋本体(1)の材料には、非透水性、非通気性、及び引裂強度を有する、例えば中心にプラスチックフィルム等の非透水性非通気性シートを持ち、その両面を丈夫なクロスでカバーした三層構造としたり、ナイロン等の合成繊維材料や、ゴムシート等の弾性材料等の生地から構成されており、気体と液体を封入しうる袋状に形成されている。なお、生地とは、一般に織物や材料、また本来の性質や状態のことをいうが、本実施形態では、袋本体(1)を構成する布地や織物の他、織りのない樹脂材料も含む趣旨である。その大きさは、縦が50〜80cm、横が20〜50cm程度に作られている。袋本体(1)はこのように作られているので、内部から強い水圧や空気圧を受けても破裂することがない。また、袋本体(1)を構成する材料が非透明性の場合は、内部が透けて見える透明性のある素材で構成された覗き窓(9)を袋本体(1)の任意の場所に設け被洗濯物(8)の洗濯状況を外から確認することができる。さらにまた、不使用時には手洗い洗濯用袋(1)自体を折り畳んだり、あるいはぐるぐると巻き上げる等によりコンパクトにして収納し、携行することができる。
次に、以上のように構成された本手洗い洗濯用袋の洗濯手順について説明する。まず準備として図3に示すように袋本体(1)の上端部開口(2)を広げ、被洗濯物(8)を内部に入れ、適量の石鹸水あるいは粉石鹸等の洗剤(15)を袋本体(1)の中に入れ、ベルト(13)を芯として袋上端を3〜4回巻き込み、バックル(14a)、(14b)で固定することにより上端部開口(2)を閉塞する。なお、この閉塞方法(例えば米国特許第6149305参照)は、一般的に販売されているウォータープルーフバッグに多く採用されているものであり、詳細は省略する。また、ベルト(13)と連結されたバックル(14a)(14b)により形成される輪状部(17)を持ち手として使用することもできる。
なお、この手洗い洗濯用袋の1回当たりの洗濯量は、袋本体(1)の全体量の3分の1程度までとし、多くても1000g程度が望ましい。因みに、気候や性別、年齢等にもよるが、通常の場合、一人当たりの1日で発生する洗濯量は平均約700g前後と見ることができる。
次に、図4に示すように袋本体(1)により形成された液体注入口(5)の蓋(6)を開け水道本体(10)のコックハンドル(11)を回して蛇口(12)より冷水あるいは温水を出し、液体注入口(5)を介して袋本体(1)内に洗濯用水を充填し、蓋(6)を閉め密封する。なお、この水量は被洗濯物(8)が完全に水に浸る程度までとする。また、洗濯用水の充填は、水道本体(10)に限定されるのではなく例えば漏斗を用い、液体注入口(5)を介して盥に貯めた水を加えても良い。さらには、液体注入口(5)を介してではなく上端部開口(2)から被洗濯物(8)を内部に入れる際に加えても構わない。
次に、図5に示すように袋本体(1)により形成された気体注入口(3)を介して袋本体(1)内に空気を吹き込み袋本体(1)を膨満する。袋本体(1)に空気を吹き込むと、袋本体(1)が膨らむにつれてベルト(13)に巻き付けられた上端部が互いに密着し、上端部開口(2)は空気の漏れることがないように閉じる。以上の作業により全ての準備が完了する。
なお、気体注入口(3)は注気口の役割を備えた逆止弁を設けることが望ましい。この逆止弁は、内部に注入した気体が逆流するのを防ぐ手段として、一体に備えられた注気口から、密封袋本体(1)の方向に気体を流通させて、気体密封袋本体(1)内に気体を導入し、その逆方向には気体の流通を阻止する構造を有している。この種のプラスチック製逆止弁は周知であり、(例えば実開平1−164142号公報、特開平7−10159号公報参照)その詳細は省略する。
洗濯をするに当たっては、図6に示すように袋本体(1)を上下左右に振り、洗浄液を含んだ被洗濯物(8)を反復移動させ、膨満した袋本体(1)内壁に被洗濯物(8)が強く当たるようにする。洗浄液を含んだ被洗濯物(8)は袋本体(1)内壁に強く当たる衝撃により瞬間的に圧縮され、汚れを含む洗浄液を被洗濯物(8)から排出させる。また、袋内部に充填された空気と洗浄液が撹拌され泡立ち、界面活性化作用が促進されるため、洗剤の使用量を少なくすることができる。また、このとき、袋本体(1)の内部が透けて見えるので、被洗濯物(8)の汚れの落ち具合を外から確認することができる。
被洗濯物(8)の汚れの落ちたことが確認され、あるいは所定の時間が経過した後、図7に示すように袋本体(1)下端部に設けた液体排出口(4)に螺着された蓋(6)を開け、洗濯に供して汚れた水を液体排出口(4)から外に排出する。その後、被洗濯物(8)を入れたまま袋本体(1)を上端部開口(2)側からぐるぐると巻き上げ、被洗濯物(8)に含まれる水を下端部近傍の液体排出口(4)より絞り出すようにして簡易脱水する。また、このとき、液体排出口(4)近傍に設けた流出阻止部(7)により、被洗濯物(8)が液体排出口(4)に流入し排出口を閉塞することがなく水だけを効率良く排水する。
次に、濯ぎ洗いを行う。再び図4に示すようにコックハンドル(11)を回して、蛇口(12)よりすすぎのための水や温水を液体注入口(5)を介して袋本体(1)の内部に供給し、液体注入口(5)の蓋(6)を螺着させる。その後、図5に示すように気体注入口(3)から空気を注入し袋本体(1)を膨満させ、図6に示すように袋本体(1)を上下左右に振り、水と被洗濯物(8)を撹拌するとともに被洗濯物(8)を反復移動させ、被洗濯物(8)に含まれる洗浄液を洗い出す。なお、濯ぎ洗いは袋本体(1)内部の泡が消えるまで複数回行うことが望ましい。濯ぎ洗いが終了した後、前記の方法により簡易脱水を行う(図7参照)。
次に、より効果的な遠心力による脱水を行う。図5に示すように再び袋本体(1)の上端部開口(2)を閉じ気体注入口(3)を介して袋本体(1)内に空気を吹き込み袋本体(1)を膨満する。次に、図8に示すように袋本体(1)の上端部近傍に設けた持ち手(17)を持ち上端部が内心で下端部が遠心になるように素早く回転させ遠心力により脱水を行う。このとき溜まり水受け部(16)近傍に設けた流出阻止部(7)により被洗濯物(8)が溜まり水受け部(16)内部に流入することがなく水だけが溜まり水受け部(16)に溜まる。必要に応じて数回〜十数回袋本体(1)を前記の方法により回転させた後、液体排出口(4)に螺着された蓋(6)を開け溜まり水を排出する。なお、溜まり水が溜まり水受け部(16)から溢れ被洗濯物(8)が溜まり水に浸る場合は、被洗濯物(8)が溜まり水に浸らなくなるまで複数回遠心力による脱水を行うことが望ましい。なお、濯ぎ洗いの前に遠心力による脱水を行うと余分な洗浄液が排出されるため、濯ぎに使用する水量を軽減することができる。また、濯ぎ洗い後に遠心脱水をすることで被洗濯物(8)から余分な水を排除することができるため、被洗濯物(8)の乾燥時間の短縮を図ることができる。
以上の作業を終了した後、被洗濯物(8)を袋本体(1)より取り出し、適当な場所に移して乾燥させる。同時に、袋本体(1)も表側と裏側を逆転するなどして乾燥させ、乾燥後は再び折り畳み、あるいは巻き上げて収納する。
以上、本発明の内容を一実施例に基づき説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、その構成において、例えば次のような種々の変更が可能である。
まず、袋本体(1)は、その素材を中心にプラスチックフィルム等の非透水性非通気性シートを持ち、その両面を丈夫なクロスでカバーした三層構造とすることが望ましいが、これを、例えば、防水性を有する布材や皮革、あるいはナイロン等の合成繊維材料や、ゴムシート等の弾性材料等の生地とすることも可能である。なお、この大きさは、必要に応じ、種々のサイズに変更できることはいうまでもない。
次に、袋本体(1)の上端部開口(2)を閉塞する部材及びその方式としては、前述したような上端部を折り畳みバックルで固定する方式に限らず、液体と気体を閉塞し密封できるものであれば、他の構造の閉塞手段を備えたものとしても良い。
また、液体注入口(5)、液体排出口(4)、気体注入口(3)の設置場所や形状、あるいはその数量等は、必要に応じて任意に変更し得ることはいうまでもない。
また、液体注入口(5)、液体排出口(4)、気体注入口(3)のそれぞれの密封手段は、洗濯中に液体と気体が漏れ出さないような構造を有するものであれば任意の大きさ、形状、構造で設けることができる。例えば、図2の態様においては、液体注入口(5)、液体排出口(4)は蓋構造を有しているが、これに限定されるものではなく、開口部を栓で留めるもの、紐で縛るもの等の態様も可能である。
また、液体排出口(4)近傍に設けた流出阻止部(7)は、本発明の一実施形態においては液体排出口を十文字に塞ぐ構造となっているが、排水時に被洗濯物(8)が液体排出口(4)に流入し排出口を閉塞するのを阻止する形状であれば、例えば網目状であっても良く、設置場所や形状等は、必要に応じて任意に変更し得る。
また、袋本体(1)を上下左右に振る際や遠心力による脱水時等に必要とされる持ち手(17)の設置場所や形状、あるいはその数量等は、必要に応じて任意に変更し得る。
また、袋本体(1)下端部に設けた溜まり受け部(16)に溜めることができる水量は100〜200ml程度が望ましいが、必要に応じて任意に変更し得る。
1 袋本体; 2 上端部開口; 3 気体注入口; 4 液体排出口; 5 液体注入口; 6 蓋; 7 流出阻止部; 8 被洗濯物; 9 覗き窓; 10 水道本体; 11 コックハンドル; 12 蛇口; 13 ベルト; 14 バックル; 14a,14b; 15 洗剤; 16 溜まり水受け部; 17 持ち手;
Claims (3)
- 非通気性と非透水性のあるシートで形成され、一端に開口を有する袋であって、開口した一辺の端縁部分に、開口を開閉自在に気密に閉塞部材を設け密封可能な手洗い洗濯用袋において、前記袋の内外に通じる気体注入口と液体注入口と液体排出口が取り付けられるとともに、前記気体注入口と前記液体注入口と前記液体排出口に開閉自在に気密に密封するための密封手段を設けたことを特徴とする手洗い洗濯用袋
- 上端部に開口を有する手洗い洗濯用袋であって、前記液体排出口から液体を排出する際に、前記袋に内包された被洗濯物が前記液体排出口へ流出し排出口を閉塞するのを阻止する流出阻止部を近傍に有する前記液体排出口を前記袋の下端部近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の手洗い洗濯用袋。
- 下端部近傍に前記液体排出口と前記流出阻止部を設けた手洗い洗濯用袋であって、前記液体排出口と前記流出阻止部との間に、水を溜めることができる溜まり水受け部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の手洗い洗濯用袋。
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