JP2013032242A - フライアッシュの活性度改善手法、活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント、及び、活性化フライアッシュ及びフライアッシュセメントを用いたコンクリート組成物 - Google Patents

フライアッシュの活性度改善手法、活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント、及び、活性化フライアッシュ及びフライアッシュセメントを用いたコンクリート組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】物理的手法及び化学的手法を組み合わせ、フライアッシュの反応性を高める活性度改善手法を提供することを課題とする。
【解決手段】活性度改善手法1は、フライアッシュを粉砕し、所定の比表面積に調整する粉砕工程S1と、粉砕工程S1によって粉砕されたフライアッシュに、水酸化ナトリウムを添加するナトリウム塩添加工程S2、及び、水酸化カルシウム及び/または硫酸カルシウムを添加するカルシウム塩添加工程S3をそれぞれ有する添加工程S4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フライアッシュの活性度改善手法(以下、単に「活性度改善手法」と称す)、活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント(以下、単に「フライアッシュセメント」と称す)、及び、活性化フライアッシュ及びフライアッシュセメントを用いたコンクリート組成物(以下、単に「コンクリート組成物」と称す)に関するものであり、特にポルトランドセメントの置換材料として使用されるフライアッシュの活性度(反応性)を改善し、常温下でのポゾラン反応を促進してコンクリートの強い圧縮強度を早期に獲得可能な活性化度改善手法、フライアッシュセメント、及びコンクリート組成物に関するものである。
従来から、石炭火力発電所等において、石炭の燃焼時に微細な飛灰(フライアッシュ)が大量に生成されている。当該フライアッシュは、従前は産業廃棄物として埋立処分等がなされていたものの、近年においてコンクリートとの相性が良好であることが知られ、耐久性や施工性に優れた混和材の一種として利用されるケースが増えている。
特に近年の電力需要の増大等によって、石油火力発電所や原子力発電所等にその電力量の大部分を依存していた現在の電力供給体制を補填する目的で、既存の石炭火力発電所の発電量を増加させたり、一時的に休止状態にあった石炭火力発電所を再稼働する動きも多くなっている。その結果、火力発電所等から排出され、回収されるフライアッシュの回収量も増加する傾向にある。
しかしながら、フライアッシュを利用したモルタル等の建築材料の場合、長期的な強度に関しては特に問題はないものの、緩慢な反応性によって既存の建築材料等と比べて十分な強度に達するまで長い養生時間が必要となることがあった。そのため、フライアッシュを用いた建築材料等を使用する場所や用途が制限されることがあり、回収されたフライアッシュを全て利用することができない場合もあった。
上記不具合を解消するため、フライアッシュの反応性(活性度)を高める技術の開発がなされている。例えば、フライアッシュを細かく粉砕することによって、物理的に比表面積を増大させる方法や、硝酸ソーダ等のアルカリ性物質を加える方法、また、硝酸アンモニウムを使用し、化学的に比表面積を増大させる方法が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1によって得られるコンクリート硬化体は、早期の強度確保の目的のために、硝酸ソーダ等の溶液を多量に投入し、かつ混練作業後に加熱処理や成形時の加圧処理等の各種作業を施す必要があり、特別な養生方法や成形方法を併用しなければならず、現場の施工作業や管理作業を複雑なものとすることがあり、実用性の点で劣ることがあった。一方、特許文献2の場合、フライアッシュ表面に対する浸食作用を有するアンモニア系化合物の処理液で処理することにより、化学的な改変を行うものであり、十分な作用効果を奏するものであった。
しかしながら、フライアッシュを粉砕し物理的に改変する手法と、アルカリ性物質の添加の組合わせについては、フライアッシュの反応に対する活性度を総合的に高めようとする化学的な手法の試みはなされているものの、その効果が十分なものではない場合が多かった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、物理的手法及び化学的手法を組み合わせ、フライアッシュの反応性を高める活性度改善手法、フライアッシュセメント、及びコンクリート組成物の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の活性度改善手法は、「フライアッシュを粉砕し、所定の比表面積に調整する粉砕工程と、前記粉砕工程によって粉砕された前記フライアッシュに、ナトリウム塩化合物を添加するナトリウム塩添加工程及びカルシウム塩化合物を添加するカルシウム塩添加工程をそれぞれ有する添加工程とを」主に具備して構成されている。
ここで、フライアッシュとは、石炭火力発電所等の稼動時に排出される飛灰であり、ポルトランドセメントの一部と置換配合されて利用されるものである。フライアッシュは、シリカ成分(二酸化硅素)及びアルミナ成分(酸化アルミニウム)からなるポゾラン成分を多く含んでいる。そのため、当該ポゾラン成分と、水と、石灰等とが混合されると、水酸化カルシウムが常温で反応することによって硬化するポゾラン反応性を具備している。そのため、コンクリート用の混和材としての利用が可能であり、近年益々の需要を有している。なお、上記ポゾラン成分以外には、酸化鉄成分、酸化カルシウム成分、及び酸化マグネシウム成分等を含有している。
一方、粉砕工程とは、石炭火力発電所等から回収された直後のサイズの異なるフライアッシュを粉砕し、一定の比表面積になるように調製するものである。このとき、粉砕工程には、ボールミル等の周知の粉砕装置を利用してフライアッシュの粉砕(微粉化)を図ることが可能となる。これにより、フライアッシュは、物理的な手法によって、単位重量当たりの比表面積を増大させることが可能となる。これにより、フライアッシュの欠点であった反応に対する緩慢性を解消することが可能となる。なお、ボールミル等の粉砕装置による粉砕処理時間を可変的に調整することで、比表面積の値を所定範囲で任意に設定することができる。例えば、5000〜9000平方センチメートル/グラム等に調製可能である。
一方、添加工程とは、上記粉砕工程によって粉砕され、比表面積の増大したフライアッシュに対し、ナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物をそれぞれ添加するものである。なお、添加されるナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液のように液体の状態でフライアッシュに添加されるものであっても、或いは水酸化カルシウムのように固体の状態でフライアッシュに添加されるものであっても構わない。
したがって、本発明の活性度改善手法は、粉砕工程によって物理的に微粉化されたフライアッシュに対し、二種類のアルカリ性物質(ナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物)をそれぞれ添加することでフライアッシュの反応性を改善することが可能となる。これにより、フライアッシュを混和材の一部として使用した場合、反応性が良好となり、早期に十分な圧縮強度を獲得することが可能となる。なお、ナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物は、粉砕されたフライアッシュに対して同一タイミングで添加されるものであっても、或いは、一方を添加して十分に撹拌混合した後、改めて他方を添加し撹拌混合するものであっても構わない。これにより、物理的手法及び二種類のアルカリ性物質を使用した化学的手法によって、フライアッシュの反応性の改善が可能となる。
さらに、本発明の活性度改善手法は、上記構成に加え、「前記ナトリウム塩化合物は、水酸化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムの少なくとも一方が用いられ、前記カルシウム塩化合物は、水酸化カルシウムまたは硫酸カルシウムの少なくとも一方が用いられる」ものであっても構わない。
したがって、本発明の活性度改善手法によれば、水酸化ナトリウムまたは硫酸ナトリウム、及び、水酸化カルシウムまたは硫酸カルシウムがそれぞれフライアッシュに添加される。これらのアルカリ性物質は、比較的安価でかつ、入手も容易であるため、フライアッシュの活性度を改善する場合のコストに対する影響はそれほど大きくない。また、添加量も極めて微量であるため、土壌環境に対する影響も小さくすることができる。一例を示すと、水酸化ナトリウムの場合、0.1mol濃度の水溶液を使用することが例示され、さらに、水酸化カルシウムは練混ぜ水に対し、0.05〜0.20wt%が添加され、硫酸ナトリウムはフライアッシュに対し16〜28wt%の添加が想定されている。
さらに、本発明の活性度改善手法は、上記構成に加え、「前記ナトリウム塩添加工程は、粉砕された前記フライアッシュに前記水酸化ナトリウムを添加し、撹拌混合するナトリウム塩撹拌混合工程をさらに具備し、前記カルシウム塩添加工程は、前記水酸化ナトリウムが撹拌混合された前記フライアッシュに対し、所定比率の前記水酸化カルシウム及び前記硫酸カルシウムを添加し、撹拌混合するカルシウム塩撹拌混合工程を」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の活性度改善手法によれば、粉砕されたフライアッシュに対し、最初に水酸化ナトリウムの添加及び撹拌混合がなされ、その後、水酸化カルシウム及び硫酸カルシウムを所定比率で混合したカルシウム混合液の添加及び撹拌混合が行われる。これにより、水酸化ナトリウム及びカルシウム塩化合物が段階的に添加される。
一方、本発明のフライアッシュセメントは、「上記記載のフライアッシュの活性度改善手法を利用して改善された」ものから主に構成されている。
したがって、本発明のフライアッシュセメントによれば、上述した活性度改善手法によって粉砕による物理的改善及びナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物によって反応性を活性化させた活性化フライアッシュで一部を置換したセメント(フライアッシュセメント)が形成され、建築材料として用いられる。
一方、本発明のコンクリート組成物は、「上記記載の活性化フライアッシュ、及び、上記記載のフライアッシュセメントを用いた」ものから主に構成されている。
したがって、本発明のコンクリート組成物によれば、上述した活性化フライアッシュ及びフライアッシュセメントを組合わせ、砂や砂利等と混合することにより、建築材料としてのコンクリート組成物が生成される。
本発明の効果として、フライアッシュを物理的に改変し、さらにナトリウム塩化合物及びカルシウム塩化合物を添加することで、フライアッシュの緩慢な反応性を活性化させることができ、コンクリート等の建築材料として使用する場合の十分な強度を早期に獲得することができる。
本実施形態の活性度改善手法の流れを示すフローチャートである。 フライアッシュの化学組成を示す成分表である。 微粉砕及び水酸化ナトリウムがモルタルの圧縮強さに及ぼす影響を示すグラフである。 (a)実験要因1を示す表、及び(b)フライアッシュの種類によるモルタルの圧縮強さに及ぼす影響を示すグラフである。 養生水として水酸化カルシウムを使用した(a)実験要因2を示す表、及び(b)フライアッシュの種類によるモルタルの圧縮強さに及ぼす影響を示すグラフである。 (a)実験要因3を示す表、及び(b)水酸化ナトリウムと水酸化カルシウムが活性度に及ぼす影響を示すグラフである。 (a)実験要因4を示す表、及び(b)水酸化ナトリウムと硫酸カルシウム二水和物が活性度に及ぼす影響を示すグラフである。 実験要因5を示す表である。 水酸化ナトリウムと水酸化カルシウム・硫酸カルシウム二水和物が活性度に及ぼす影響を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態である活性度改善手法1、及び当該手法に基づいて改善された活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント及びコンクリート組成物について、図1乃至図9に基づいて説明する。
本実施形態の活性度改善手法1は、図1等に主に示すように、石炭火力発電所等から大量に回収されたフライアッシュの反応性を改善するものであり、フライアッシュを遊星型ボールミルを用いて物理的に粉砕し、粉砕時間を調整することによって予め規定した比表面積となるようにする粉砕工程S1と、粉砕工程S1によって粉砕されたフライアッシュに対し、水酸化ナトリウム等のナトリウム化合物を添加するナトリウム塩添加工程S2及び水酸化カルシウム等のカルシウム塩化合物を添加するカルシウム塩添加工程S3をそれぞれ有する添加工程S4とを主に具備して構成されている。これにより、物理的及び化学的作用の結果、比表面積が増大し、緩慢な反応性の改善された活性度の高い活性化フライアッシュが生成される(図1におけるステップS5参照)。
ここで、本実施形態の活性度改善手法1は、ナトリウム塩化合物として所定濃度(0.1mol)に調製された水酸化ナトリウム水溶液を主に使用し、カルシウム塩化合物として、水酸化カルシウム及び硫酸カルシウム・二水和物をそれぞれ単独または併用して使用するものについて例示する。なお、ナトリウム塩添加工程S2及びカルシウム塩添加工程S3の順序は特に限定されるものでなく、さらに添加の手法もフライアッシュ2に添加し、混合するものや、フライアッシュを骨材の一部としてモルタルまたはセメントを生成し、所定の型に流し込んだ後に供給される養生水の一部に添加するものであっても構わない。
本実施形態の活性度改善手法1で使用されるフライアッシュは、図2に示すように、シリカ成分及びアルミナ成分からなるポゾラン成分が全体の80%以上を占め、酸化鉄成分、酸化カルシウム成分、及び酸化マグネシウム成分等がその他を占めて構成されている。さらに、フライアッシュの比表面積は、粉砕処理前の状態で3500平方センチメートル/グラムの値を一般的に示している。なお、図2において、FAは、JIS A6201に規定されたJIS II種のフライアッシュについて示している。
また、フライアッシュを使用した実験用試料(供試体)の作製及び実験方法は、JIS A6201 附属書2の「フライアッシュのモルタルによるフロー値比及び活性度指数の試験方法」に準じて行っている。すなわち、試験用モルタル(供試体)として、セメント、フライアッシュ、標準砂、及び水をJIS R5201に規定する練混ぜ機を使用し、規定された条件の下で機械練りを行う。その後、圧縮強度試験のための供試体を作製する。このとき、作製される供試体は、正方形の角柱体を呈し、断面形状が正方形であり、一辺の長さが40mmに設定され、さらに角柱体の長さが160mmになるように成形型に型詰めされて構成される。その結果、供試体の外観サイズは、(40mm×40mm×160mm)になっている。なお、供試体への型詰めは、上記練混ぜの終了直後に行われ、テーブルバイブレータを利用して120秒間振動を与える。このとき、試験用モルタルは2層で形成され、振動開始から15秒間に成型用型の1/2の高さまでさじで試験用モルタルを詰めた後、次の15秒間は詰作業を休止する。その後、残りの試験用モルタルを次の15秒間で全体の高さになるまで詰めた後、75秒間振動を継続する。その後、振動終了後に成型用型から外し、残りの試験用モルタルを利用して約5mm程度の盛上げをした後、湿気箱の中に投入する。さらに、モルタル充填後のブリーディングが収まった後、成型用型の上から盛上がったモルタルを削り取り、上面の平滑処理を施す。その後、成型後20時間から24時間以内に、供試体に印を付け脱型を行い、水槽内に投入し完全に水中(養生水中)に浸す。これにより、圧縮強さを測定するための供試体が作製される。
一方、圧縮強さ(圧縮強度)の試験は、JIS R5201の10.1(4)に規定する機械を使用し、所定の材齢の供試体をそれぞれ使用する。このとき、供試体を成型した時の両側面を加圧面とし、加重用加圧板を用いて供試体中央部に、所定の割合で徐々に載架することで最大荷重を算出する。なお、上記試験方法は、一般的なものであり、実験内容に応じて適宜変更する場合もある。
次に、フライアッシュを粉砕した場合の活性度の改善効果及びナトリウム塩化合物を添加した場合の活性度の改善効果について、それぞれ主に図3に基づいて説明する。なお、図3において、グラフ中の記号は、粉砕なし(無処理)のフライアッシュ(●:微粉砕なし)、粉砕処理により7000平方センチメートル/グラムの試料(△:7000)、△に0.1mol濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し撹拌混合した試料(■:7000−NH)、及び比較例として通常のポルトランドセメントの試料(フライアッシュの使用なし、○:FAなし)をそれぞれ示している。そして、上述した実験方法及び供試体の作製方法によって作成された、上記各試料を含む試験モルタルを供試体として実験している。圧縮強さを測定する材齢は、成型後3日目、7日目、及び28日目の供試体に対してそれぞれ測定している。
図3に示されるように、無粉砕のフライアッシュ(●)に対し、粉砕処理を行った試料(△)は、いずれの材齢においても圧縮強さが向上していることが確認される。但し、その圧縮強さの向上率はそれほど大きなものではない。これに対し、粉砕処理後に水酸化ナトリウム水溶液を添加した供試体の試料(■)は、フライアッシュを使用しない通常のポルトランドセメントの試料(○)と同程度の圧縮強さを示し、かつ材齢による圧縮強さの伸びもほぼ同等のものであることが示された。そのため、フライアッシュの反応性の向上が認められ、早期に十分な圧縮強さを得ることが確認される。すなわち、粉砕による物理的改変と水酸化ナトリウムによる化学的改質を組合わせることによって、フライアッシュの反応性が向上することが示された。
上記結果を踏まえ、フライアッシュのガラス相量の相違、水酸化ナトリウムの添加有無、及び養生水の違い(上水道水または水酸化カルシウムの水溶液)を用いた場合の圧縮強さの活性度の改善効果について図4及び図5に基づいて説明する。ここで、図4(a)及び図5(a)はそれぞれの実験要因1及び実験要因2を示している。なお、フライアッシュのガラス相量は、粉末X線回折法により、結晶鉱物を定量化することで、結晶鉱物以外をガラス相として算出している。さらに、図4及び図5において示される試料A乃至試料Dは、それぞれ前述のJIS A6201に基づいて供試体として作製されたものであり、使用する水酸化ナトリウムの水溶液は同様に0.1mol濃度に調製されたものを使用し、供試体を作製する際に粉砕したフライアッシュとともに添加され撹拌混合されている。さらに、図5において、水酸化カルシウムの水溶液は供試体を成型後の養生水として上水道水の代替として使用されている。また、図4(b)及び図5(b)は、材齢28日目の供試体の圧縮強さを示している。
これによると、図4(b)に示すように、前述の実験結果(図3参照)と異なり、水酸化ナトリウムの水溶液を添加した試料は、いずれもフライアッシュの反応性に影響を及ぼすことがほとんどなく、その反応性(活性度)に大きな変化が確認された。しかしながら、フライアッシュの種類、すなわち、ガラス相量の違いによる反応性への影響はほとんどなかった。一方、水酸化ナトリウムの水溶液を添加し、供試体を作成した後に、養生水として上水道の代わりに水酸化カルシウムの水溶液を用いた場合、水酸化ナトリウムの水溶液を単独で用いるものに比べて、圧縮強さが向上していることが確認された。すなわち、水酸化ナトリウムの水溶液及び水酸化カルシウムの水溶液の組合わせにより、フライアッシュの反応性に改善が見られることが示された。
次に、ナトリウム化合物とカルシウム化合物との組合わせによるフライアッシュの活性度に及ぼす影響、特に水酸化カルシウムの添加量との関係性について、主に図6に基づいて説明する。なお、図6(a)は上記実験のための実験要因3を示している。また、水酸化カルシウムは、フライアッシュに固体の状態で添加し、撹拌混合することで供給している。すなわち、前述の養生水として供給するものではない。これによると、水酸化ナトリウムを添加しない場合、すなわち、水酸化カルシウムを単独で添加した場合は、いずれもフライアッシュの活性度指数は減少する傾向が見られ、水酸化カルシウムの添加量が多くなる程、活性度指数の減少率も大きくなっている。一方、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムを組合わせて添加した場合、いずれも活性度指数の上昇が確認された。しかしながら、水酸化カルシウムの添加量が過剰な場合(0.15%以上)では活性度指数が低下する傾向が見られた。すなわち、過剰なカルシウム化合物の添加は、却って活性度を低下させる要因となっていた。
一方、水酸化ナトリウムと硫酸カルシウム・二水和物との組合わせによるフライアッシュの活性度に及ぼす影響、特に硫酸カルシウム・二水和物の添加量との関係性について、主に図7に基づいて説明する。なお、図7(a)は上記実験のための実験要因4を示している。その他の実験手法は、先に述べた水酸化カルシウムの添加量との関係性の実験と同様であるため、詳細は省略する。これによると、硫酸カルシウム・二水和物の単独添加、及び水酸化ナトリウムとの組合わせによる添加のいずれにおいても僅かに活性度の増大は認められるものの、前述した水酸化カルシウムと比べると改善の著しい効果は確認されなかった。そのため、水酸化ナトリウム及び硫酸カルシウム・二水和物の組合わせによっては、フライアッシュの改善効果はそれほど期待することができなかった。
次に、ナトリウム化合物(水酸化ナトリウム)1種、及びカルシウム化合物(水酸化カルシウム及び硫酸カルシウム・二水和物)2種の3種類のアルカリ性物質をフライアッシュに添加し、2種類のカルシウム化合物の添加量に対するフライアッシュの活性度に及ぼす影響について、主に図8及び図9に基づいて説明する。なお、図8は上記実験のための実験要因5を示している。
これによると、0.15%以上の水酸化カルシウムを添加する場合、前述した実験結果と同様に、フライアッシュの活性度が著しく低下することが確認される。また、硫酸カルシウム・二水和物の添加量が20%を超えた場合には、0.10%以上の水酸化カルシウムを添加した組合わせでも活性度の低下が認められた。そのため、過剰な水酸化カルシウム及び硫酸カルシウム・二水和物の添加が、フライアッシュの活性度を低下されることがさらに確認された。一方、水酸化カルシウムの添加量及び硫酸カルシウム・二水和物の添加量のいずれか一方が低い場合には、活性度は高くなる傾向が示された。これにより、2種類のカルシウム化合物をナトリウム化合物と組合わせて添加した場合、フライアッシュの反応性に一定の効果を有することが示された。
以上、示した各種実験により、本実施形態の活性度改善手法1によって、フライアッシュの反応度を改善することが示された。特に、フライアッシュを粉砕し、物理的手法によって改変する点と、ナトリウム化合物及びカルシウム化合物を組合わせて添加することにより化学的手法によって改質する点とを併用することで、さらなる反応度の改善(活性度の向上)が図られる。なお、活性度改善手法1によって活性化された活性化フライアッシュを用いて、上記各種実験に用いるための試料(供試体)を作製したが、これらの供試体の一部が本発明のフライアッシュセメント及びコンクリート組成物に相当する。
そして、フライアッシュセメント及びコンクリート組成物を使用状況に応じて適宜設定することで、早期に十分な強度を確保することができる建築材料として提供することができる。これにより、通常のポルトランドセメントと同等性能を有する建築材料としての使用が可能となる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、ナトリウム化合物として主に水酸化ナトリウムの水溶液を使用したものを示したがこれに限定されるものではなく、フライアッシュに対する化学的作用を奏するアルカリ性物質であれば特に限定されるものではない。例えば、硫酸ナトリウム等を使用することができる。なお、実験要因3乃至実験要因5等において、それぞれカルシウム化合物を養生水として使用する場合と、ナトリウム化合物とともに添加し撹拌混合する場合の二例を示したが、これらはいずれであっても構わない。
さらに、本実施形態の活性度改善手法1において、主に7000平方センチメートル/グラムの比表面積に調製されたフライアッシュについて、アルカリ性物質を添加するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、9000平方センチメートル/グラムの比表面積に調製したものであっても構わない。しかしながら、比表面積は粉砕時間に比例するため、物理的手法による改変の実効が示される程度にすることが改変処理に要する時間の短縮化を図ることができるため好適と考えられる。さらに、フライアッシュを粉砕するものとして、遊星型ボールミールを用いるものを示したが、これに限定されるものではなく、粉砕操作において圧縮力、剪断力、衝撃力、及び摩砕力が生じるものであれば構わない。
1 活性度改善手法(フライアッシュの活性度改善手法)
2 フライアッシュ
S1 粉砕工程
S2 ナトリウム塩添加工程(添加工程)
S3 カルシウム塩添加工程(添加工程)
S4 添加工程
特開平11−322399号公報 特開2008−297148号公報

Claims (5)

  1. フライアッシュを粉砕し、所定の比表面積に調整する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって粉砕された前記フライアッシュに、ナトリウム塩化合物を添加するナトリウム塩添加工程及びカルシウム塩化合物を添加するカルシウム塩添加工程をそれぞれ有する添加工程と
    を具備することを特徴とするフライアッシュの活性度改善手法。
  2. 前記ナトリウム塩化合物は、
    水酸化ナトリウム及び硫酸ナトリウムの少なくとも一方が用いられ、
    前記カルシウム塩化合物は、
    水酸化カルシウム及び硫酸カルシウムの少なくとも一方が用いられることを特徴とする請求項1に記載のフライアッシュの活性度改善手法。
  3. 前記ナトリウム塩添加工程は、
    粉砕された前記フライアッシュに前記水酸化ナトリウムを添加し、撹拌混合するナトリウム塩撹拌混合工程をさらに具備し、
    前記カルシウム塩添加工程は、
    前記水酸化ナトリウムが撹拌混合された前記フライアッシュに対し、所定比率の前記水酸化カルシウム及び前記硫酸カルシウムを添加し、撹拌混合するカルシウム塩撹拌混合工程をさらに具備して構成されることを特徴とする請求項2に記載のフライアッシュの活性度改善手法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のフライアッシュの活性度改善手法を利用して改善された活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のフライアッシュの活性度改善手法を利用して改善された活性化フライアッシュ、及び、請求項4に記載のフライアッシュセメントを用いたコンクリート組成物。
JP2011168710A 2011-08-01 2011-08-01 フライアッシュの活性度改善手法、活性化フライアッシュを用いたフライアッシュセメント、及び、活性化フライアッシュ及びフライアッシュセメントを用いたコンクリート組成物 Pending JP2013032242A (ja)

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