JP2013026581A - 素子及び太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】素子を、シリコンを含む基板8と、前記基板8上に配置され、リン含有銅合金粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極11,13と、前記電極11,13上に電気的に接続されたタブ線とを有し、前記電極と前記タブ線との剥離接着強さが0.2N/mm〜2.0N/mmとなるように構成する。
【選択図】図1
Description
<1> シリコンを含む基板と、前記基板上に配置され、リン含有銅合金粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、前記電極上に電気的に接続されたタブ線とを有し、前記電極と前記タブ線との剥離接着強さが0.2N/mm〜2.0N/mmである素子。
本発明の素子は、シリコンを含む基板と、前記基板上に配置され、リン含有銅合金粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、前記電極上に電気的に接続されたタブ線とを有し、前記電極と前記タブ線との剥離接着強さが0.2N/mm〜2.0N/mmである。
電極が前記電極用ペースト組成物の焼成物であり、電極とタブ線の剥離接着強さが所定の範囲であることで抵抗率の低い電極とタブ線とが低い接触抵抗で接続される。
前記基板はシリコン(ケイ素)を含むものであれば特に制限されない。中でもp型又はn型の不純物を含むシリコン基板であることが好ましく、pn接合を有し、太陽電池に用いるシリコン基板であることがより好ましく、pn接合を有し電極が形成される面に反射防止膜が設けられている太陽電池用であることがさらに好ましい。
前記電極用ペースト組成物は、リン含有銅合金粒子と、ガラス粒子の少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種と、樹脂の少なくとも1種とを含む。かかる構成であることにより、焼成時における銅の酸化が抑制され、抵抗率の低い電極が形成可能である。
前記電極用ペースト組成物は、リン含有銅合金粒子の少なくとも1種を含む。
前記リン含有銅合金に含まれるリン含有率は特に制限されない。耐酸化性と低抵抗率の観点から、リン含有率が6質量%以上8質量%以下であることが好ましく、6.3質量%以上7.8質量%以下であることがより好ましく、6.5質量%以上7.5質量%以下であることがさらに好ましい。リン含有銅合金に含まれるリン含有率が8質量%以下であることで、より低い抵抗率を達成可能であり、また、リン含有銅合金の生産性に優れる。また6質量%以上であることで、より優れた耐酸化性を達成できる。
さらにリン含有銅合金に含まれるリン含有率が6質量%以上であることで、電極を形成した場合にタブ線との接着性が向上し、電極とタブ線の剥離接着強さを所望の範囲とすることができる。これは例えば、電極表面の酸化被膜の形成を抑えることができるためと考えることができる。
また前記リン含有銅合金粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば、前記リン含有銅合金粒子中に3質量%以下とすることができ、耐酸化性と低抵抗率の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
具体的には例えば、リン含有銅合金を溶解し、これをノズル噴霧によって粉末化した後、得られた粉末を乾燥、分級することで、所望のリン含有銅合金粒子を製造することができる。また、分級条件を適宜選択することで所望の粒子径を有するリン含有銅合金粒子を製造することができる。
前記電極用ペースト組成物は、ガラス粒子の少なくとも1種を含む。電極用ペースト組成物がガラス粒子を含むことにより、焼成時に電極部と基板との密着性が向上する。また。電極形成温度において、いわゆるファイアースルーによって反射防止膜である窒化ケイ素膜が取り除かれ、電極とシリコン基板とのオーミックコンタクトが形成される。
ガラス粒子としては、耐酸化性と電極の低抵抗率の観点から、ガラス軟化点が600℃以下であって、結晶化開始温度が600℃を超えるガラスを含むガラス粒子であることが好ましい。尚、前記ガラス軟化点は、熱機械分析装置(TMA)を用いて通常の方法によって測定され、また前記結晶化開始温度は、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて通常の方法によって測定される。
また本発明においては、環境に対する影響を考慮すると、鉛を実質的に含まない鉛フリーガラスを用いることが好ましい。鉛フリーガラスとしては、例えば、特開2006−313744号公報の段落番号0024〜0025に記載の鉛フリーガラスや、特開2009−188281号公報等に記載の鉛フリーガラスを挙げることができ、これらの鉛フリーガラスから適宜選択して本発明に適用することもまた好ましい。
前記電極用ペースト組成物は、溶剤の少なくとも1種と樹脂の少なくとも1種とを含む。これにより本発明の電極用ペースト組成物の液物性(例えば、粘度、表面張力、焼成後の電極のアスペクト比)を、シリコン基板に付与する際の付与方法に応じて必要とされる液物性に調整することができる。
前記溶剤は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤と樹脂の総含有率が前記範囲内であることにより、電極用ペースト組成物をシリコン基板に付与する際の付与適性が良好になり、所望の形状を有する電極をより容易に形成することができる。
前記電極用ペースト組成物は、錫含有粒子の少なくとも1種を含むことが好ましい。リン含有銅合金粒子に加えて、錫含有粒子を含むことにより、後述する焼成工程において、抵抗率の低い電極を形成できる。
これは例えば以下のように考えることができる。リン含有銅合金粒子と錫含有粒子とが、焼成工程で互いに反応して、Cu−Sn合金相とSn−P−Oガラス相からなる電極を形成する。ここで前記Cu−Sn合金相は、電極内で緻密なバルク体を形成し、これが導電層として機能することで抵抗率の低い電極を形成できると考えられる。
尚、ここでいう緻密なバルク体とは、塊状のCu−Sn合金相が互いに密に接触し、三次元的に連続している構造を形成していることを意味する。
これは例えば以下のように考えることができる。リン含有銅合金粒子と錫含有粒子とが、焼成工程で互いに反応して、Cu−Sn合金相とSn−P−Oガラス相からなる電極を形成する。上記Cu−Sn合金相が緻密なバルク体であるために、このSn−P−Oガラス相は、Cu−Sn合金相とシリコン基板との間に形成される。これによりCu−Sn合金相のシリコン基板に対する密着性が向上すると考えることができる。またSn−P−Oガラス相が、銅とシリコンとの相互拡散を防止するためのバリア層として機能することで、焼成して形成される電極とシリコン基板との良好なオーミックコンタクトが達成できると考えることができる。すなわち銅を含む電極とシリコンを直に接触して加熱したときに形成される反応相(Cu3Si)の形成を抑制し、半導体性能(例えば、pn接合特性)を劣化することなくシリコン基板との密着性を保ちながら、良好なオーミックコンタクトを発現することができると考えられる。
錫粒子における錫の純度は特に制限されない。例えば錫粒子の純度は、95質量%以上とすることができ、97質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることが好ましい。
これらの錫含有粒子は1種単独で使用してもよく、又2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
また前記錫含有粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば前記錫含有粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及びリン含有銅合金粒子との反応性の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また前記錫含有粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、又は板状であることが好ましい。
錫含有粒子の含有率を5質量%以上とすることで、リン含有銅合金粒子との反応をより均一に生じさせることができる。また錫含有粒子を70質量%以下とすることで、充分な体積のCu−Sn合金相を形成することができ、電極の体積抵抗率がより低下する。
前記電極用ペースト組成物は、銀粒子を更に含むことが好ましい。銀粒子を含むことで耐酸化性がより向上し、電極としての抵抗率がより低下する。また、前記リン含有銅合金粒子と前記錫含有粒子との反応によって生成したSn−P−O系ガラス相の中にAg粒子が析出することで、電極層の中のCu−Sn合金相とシリコン基板間のオーミックコンタクト性がより向上する。さらに太陽電池モジュールとした場合のはんだ接続性が向上するという効果も得られる。
また前記銀粒子に含まれる他の原子の含有率は、例えば銀粒子中に3質量%以下とすることができ、融点及び電極の低抵抗率化の観点から、1質量%以下であることが好ましい。
また前記銀粒子の形状としては特に制限はなく、略球状、扁平状、ブロック状、板状、及び鱗片状等のいずれであってもよいが、耐酸化性と低抵抗率の観点から、略球状、扁平状、又は板状であることが好ましい。
前記電極用ペースト組成物は、フラックスの少なくとも1種をさらに含むことができる。フラックスを含むことで耐酸化性がより向上し、形成される電極の抵抗率がより低下する。さらに電極材とシリコン基板の密着性が向上するという効果も得られる。
中でも、電極材焼成時の耐熱性(フラックスが焼成の低温時に揮発しない特性)及びリン含有銅合金粒子の耐酸化性補完の観点から、ホウ酸カリウム及びホウフッ化カリウムが特に好ましいフラックスとして挙げられる。
これらのフラックスは、それぞれ1種単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
さらに前記電極用ペースト組成物は、上述した成分に加え、必要に応じて、当該技術分野で通常用いられるその他の成分をさらに含むことができる。その他の成分としては、例えば、可塑剤、分散剤、界面活性剤、無機結合剤、金属酸化物、セラミック、有機金属化合物等を挙げることができる。
前記電極用ペースト組成物を用いて電極を製造する方法としては、前記電極用ペースト組成物を、シリコン基板上の電極を形成する領域に付与し、乾燥後に、焼成することで所望の領域に電極を形成する方法を挙げることができる。前記電極用ペースト組成物を用いることで、酸素の存在下(例えば、大気中)で焼成処理を行っても、抵抗率の低い電極を形成することができる。
具体的には例えば、前記電極用ペースト組成物を用いて太陽電池用電極を形成する場合、電極用ペースト組成物はシリコン基板上に所望の形状となるように付与され、乾燥後に、焼成されることで、抵抗率の低い太陽電池用電極を所望の形状に形成することができる。また前記電極用ペースト組成物を用いることで、酸素の存在下(例えば、大気中)で焼成処理を行っても、抵抗率の低い電極を形成することができる。
一般に、熱処理温度(焼成温度)としては800℃〜900℃であるが、本発明の電極用ペースト組成物を用いる場合には、より低温での熱処理条件を適用することができ、例えば、600℃〜850℃の熱処理温度で良好な特性を有する電極を形成することができる。
また熱処理時間は、熱処理温度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1秒〜20秒とすることができる。
代表的な太陽電池素子の一例を示す断面図、受光面及び裏面の概要を、それぞれ図1、図2及び図3に示す。
通常、太陽電池素子の半導体基板8には、単結晶又は多結晶Siなどが使用される。この半導体基板8には、ホウ素などが含有され、p型半導体を構成している。受光面側は、太陽光の反射を抑制するために、エッチングにより凹凸(テクスチャー、図示せず)が形成されている。その受光面側にはリンなどがドーピングされ、n型半導体の拡散層9がサブミクロンオーダーの厚みで設けられているとともに、p型バルク部分との境界にpn接合部が形成されている。さらに受光面側には、拡散層9上に窒化シリコンなどの反射防止層10が蒸着法などによって膜厚100nm前後で設けられている。
受光面電極11と出力取出し電極13は、前記電極用ペースト組成物をスクリーン印刷等にて所望のパターンに塗布した後、乾燥後に、大気中600℃〜850℃程度で焼成されて形成される。前記電極用ペースト組成物を用いることで、比較的低温で焼成しても、抵抗率及び接触抵抗率に優れる電極を形成することができる。
前記電極用ペースト組成物を用いて受光面電極11が形成されることで、導電性金属として銅を含みながら、銅の酸化が抑制され、低抵抗率の受光面電極11が、良好な生産性で形成される。
図4(a)の斜視図に示すようにp型半導体のシリコン基板からなるセルウェハ1には、レーザドリル又はエッチング等によって、受光面側及び裏面側の両面を貫通したスルーホールが形成されている。また受光面側には光入射効率を向上させるテクスチャー(図示せず)が形成されている。さらに受光面側にはn型化拡散処理によるn型半導体層3と、n型半導体層3上に反射防止膜(図示せず)が形成されている。これらは従来のシリコン型太陽電池素子と同一の工程により製造される。
ここで、充填用と印刷用に用いるペーストでは、粘度を始めとして、それぞれのプロセスに最適な組成のペーストを使用するのが望ましいが、同じ組成のペーストで充填、印刷を一括で行ってもよい。
本発明の素子は、上記のようにしてシリコン基板上に形成された前記電極用ペースト組成物の焼成物である電極上に、電気的に接続されたタブ線を有する。
タブ線としては当業界で通常用いられるものから適宜選択することができる。例えば、銅線などの導電材の周りをはんだで被覆した構造を持つものを好適に用いることができる。タブ線の断面形状は特に制限されず、長方形、もしくは楕円形のものが使用できる。
なお、タブ線の剥離接着強さは、JIS−K−6854に準拠して測定を行うことで得られる。
なお、タブ線の加熱方法は通常用いられる方法から適宜選択することができる。具体的には、はんだごてをタブ線に押し当てる方法、及び熱圧着機などにより自動的に行う方法等を挙げることができる。
またタブ線加熱時の圧着圧力としては、例えば0.1〜1.2MPaとすることができ、0.3〜1.0MPaであることが好ましい。
タブ線と電極とをCFを介して積層し、加熱加圧処理することでCFに含まれる金属粒子が凝集してタブ線と電極とを電気的に接続される。また同時に熱硬化性樹脂が硬化することで所望の剥離接着強さを達成することができる。
またこの場合の加熱加圧処理の条件は、CFの構成に応じて適宜選択される。例えば加熱温度150℃〜220℃、圧力0.6MPa〜3.0MPaとすることができ、加熱温度160℃〜200℃、圧力0.8MPa〜2.6MPaであることが好ましい。
本発明の太陽電池は、前記太陽電池用の素子と、前記素子を封止する封止材とを少なくとも備え、必要に応じてその他の構成要素を備えて構成される。
前記太陽電池は、前記太陽電池用の素子と、前記素子の受光面側に配置されるガラス及び光透過性プラスチックなどの表面保護材と、前記素子の受光面とは反対側の面に配置される裏面保護材と、前記表面保護材と裏面保護材の間に配置された封止材とを備えて構成されることが好ましい。
前記表面保護材、裏面保護材、及び封止材は、太陽電池製造用途で使用されているものであれば特に制限なく使用できる。
(a)電極用ペースト組成物の調製
7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を調製し、これを溶解して水アトマイズ法により粉末化した後、乾燥、分級した。分級した粉末をブレンドして、脱酸素・脱水分処理し、7質量%のリンを含むリン含有銅合金粒子を作製した。尚、リン含有銅合金粒子の粒子径(D50%)は1.5μmであった。
得られたガラスG1を用いて、粒子径(D50%)が1.7μmであるガラス粒子G1を得た。
受光面にn型半導体層、テクスチャー及び反射防止膜(窒化珪素膜)が形成された膜厚190μmのp型半導体基板を用意し、125mm×125mmの大きさに切り出した。その受光面にスクリーン印刷法を用い、上記で得られた電極用ペースト組成物1を図2に示すような電極パターンとなるように印刷した。電極のパターンは150μm幅のフィンガーラインと1.5mm幅の取出し電極で構成され、焼成後の電極の厚さが20μmとなるよう、印刷条件(スクリーン版のメッシュ、印刷速度、印圧)を適宜調整した。これを150℃に加熱したオーブンの中に15分間入れ、溶剤を蒸散により取り除いた。
続いてトンネル炉(ノリタケ社製、1列搬送W/Bトンネル炉)を用いて大気雰囲気下、焼成最高温度850℃で保持時間10秒間の加熱処理(焼成)を行って、所望の電極が形成された太陽電池素子1を作製した。
その後、ピール試験機を用いてタブ線の90°ピール試験をJIS−K−6854に準拠して実施したところ、タブ線の剥離接着強さは1.2N/mmであった。なお、ピール試験機にはEZ−S(島津製作所製)を用いた。
実施例1において、電極用ペースト組成物の組成を以下のように変更した。すなわちリン含有銅合金粒子(リン含有量;7質量%、D50%は1.5μm)を56.1部、錫粒子(Sn;粒子径(D50%)は10.0μm;純度99.9%)を29.0部、ガラス粒子G1を1.7部、及び3質量%のエチルセルロース(EC、重量平均分子量190000)を含むテルピネオール(異性混合体)溶液13.2部を混ぜ合わせ、メノウ乳鉢の中で20分間かき混ぜ、電極用ペースト組成物2を調製した。
このときタブ線の剥離接着強さは1.4N/mmであった。
実施例1において、電極用ペースト組成物の組成を以下のように変更した。すなわちリン含有銅合金粒子(リン含有量;7質量%、D50%は1.5μm)を45.6部、錫粒子(Sn;粒子径(D50%)は10.0μm;純度99.9%)を35.5部、銀粒子(Ag;粒子径(D50%)3μm;純度99.5%)を4.0部、ガラスG1粒子を1.7部、及び3質量%のエチルセルロース(EC、重量平均分子量190000)を含むテルピネオール(異性混合体)溶液13.2部を混ぜ合わせ、メノウ乳鉢の中で20分間かき混ぜ、電極用ペースト組成物3を調製した。
このときタブ線の剥離接着強さは1.5N/mmであった。
実施例1において、リン含有銅合金粒子のリン含有率、粒子径(D50%)及び含有量、錫含有粒子の種類及び含有量、銀粒子の含有量、ガラス粒子の種類及び含有量、3%のエチルセルロース(EC)を含むテルピネオール溶液の含有量を表1に示したように変更したこと以外は、実施例1と同様にして電極用ペースト組成物4〜10を調製した。
尚、ガラス粒子G2は酸化バナジウム(V2O5)45部、酸化リン(P2O5)24.2部、酸化バリウム(BaO)20.8部、酸化アンチモン(Sb2O3)5部、酸化タングステン(WO3)5部からなり、粒子径(D50%)が1.7μmであった。またこのガラスの軟化点は492℃であり、結晶化温度は600℃を超えていた。
このときタブ線のピール試験を実施したところ、表1に示す剥離接着強さが得られた。
実施例1における電極用ペースト組成物の調製において、リン含有銅合金粒子を用いずに、銀粒子のみを用いて表1に示した組成となるように各成分を変更したこと以外は、実施例1と同様にして電極用ペースト組成物C1を調製した。
リン含有銅合金粒子を含まない電極用ペースト組成物C1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池素子C1を作製した。また受光面及び裏面の取出し電極に、実施例1と同様にしてタブ線を取り付け、タブ線のピール試験を実施したところ、1.7N/mmの剥離接着強さが得られた。
実施例1において、リンを含有しない純銅(リン含有率が0%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして電極用ペースト組成物C2を調製した。
電極用ペースト組成物C5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池素子C2を作製した。また受光面及び裏面の取出し電極に、実施例1と同様にしてタブ線を取り付け、タブ線のピール試験を実施したところ、0.1N/mmの剥離接着強さが得られた。
作製した太陽電池素子の評価は、擬似太陽光として(株)ワコム電創製WXS−155S−10、電流−電圧(I-V)評価測定器としてI−V CURVE TRACER MP−160(EKO INSTRUMENT社製)の測定装置を組み合わせて行った。太陽電池としての発電性能を示すEff(変換効率)、FF(フィルファクター)、Voc(開放電圧)及びJsc(短絡電流)は、それぞれJIS−C−8912、JIS−C−8913及びJIS−C−8914に準拠して測定を行なうことで得られたものである。得られた各測定値を、比較例1の測定値を100.0とした相対値に換算して表2に示した。
また太陽電池素子1及び太陽電池素子7の受光面電極について、CuKα線を用いてX線回折法で回折X線を測定した結果、回折角度(2θ、CuKα線)の少なくとも43.4°、50.6°、74.2°に、銅の特徴的な回折ピークを示した。このように受光面電極から銅が検出された理由として、以下の原理が挙げられる。
上記で得られた電極用ペースト組成物1を用いて、図4に示したような構造を有する太陽電池素子11を作製した。なお、加熱処理は850℃、10秒間で行った。得られた太陽電池素子について上記と同様にしてタブ線を接続した。タブ線のピール試験を実施したところ、1.2N/mmの剥離接着強さが得られた。
また、発電性能について評価したところ、上記と同様に良好な特性を示すことが分かった。
2 集電用グリッド電極
3 p型半導体層
4 スルーホール電極
5 高濃度ドープ層(p+型拡散層)
6 裏面電極
7 裏面電極
8 p型シリコン基板
9 n+型拡散層
10 反射防止膜
11 受光面集電用電極及び出力取出し電極
12 裏面集電用電極
13 裏面出力取出し電極
14 p+型拡散層
Claims (11)
- シリコンを含む基板と、
前記基板上に配置され、リン含有銅合金粒子、ガラス粒子、溶剤及び樹脂を含む電極用ペースト組成物の焼成物である電極と、
前記電極上に電気的に接続されたタブ線と、を有し、
前記電極と前記タブ線との剥離接着強さが0.2N/mm〜2.0N/mmである素子。 - 前記リン含有銅合金粒子のリン含有率が、6質量%以上8質量%以下である請求項1に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、錫含有粒子をさらに含む請求項1又は請求項2に記載の素子。
- 前記錫含有粒子は、錫粒子及び錫含有率が1質量%以上である錫合金粒子から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の素子。
- 前記ガラス粒子は、ガラス軟化点が600℃以下であり、結晶化開始温度が600℃
を超える請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の素子。 - 前記電極用ペースト組成物は、前記リン含有銅合金粒子と前記錫含有粒子の総含有率を100質量%としたときの前記錫含有粒子の含有率が、5質量%以上70質量%以下である請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、銀粒子を更に含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、前記リン含有銅合金粒子、前記錫含有粒子及び前記銀粒子の総含有率を100質量%としたときの前記銀粒子の含有率が0.1質量%以上10質量%以下である請求項7に記載の素子。
- 前記電極用ペースト組成物は、前記リン含有銅合金粒子、錫含有粒子及び銀粒子の総含有率が70質量%以上94質量%以下であり、前記ガラス粒子の含有率が0.1質量%以上10質量%以下であり、前記溶剤及び樹脂の総含有率が3質量%以上29.9質量%以下である請求項7又は請求項8に記載の素子。
- 前記シリコンを含む基板はpn接合を有し、太陽電池に用いる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の素子。
- 請求項10に記載の太陽電池に用いる素子と、前記素子を封止する封止材とを備える太陽電池。
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