JP2013024723A - 噛み合い起振力の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤの噛み合い時に生じる噛み合い起振力を正確に評価する。
【解決手段】駆動ギヤ21と、駆動ギヤ21と噛み合うことで回転する従動ギヤ22と、従動ギヤ22と噛み合う固定ギヤ24とを有するギヤユニット20において生じる噛み合い起振力Fを測定するに際し、固定ギヤ24の側に、固定ギヤ24に作用した荷重を測定可能な荷重測定手段12を配設し、駆動ギヤ21と従動ギヤ22との噛み合い回転により噛み合い起振力Fが生じた際に、従動ギヤ22を介して固定ギヤ24に作用する荷重f’を荷重測定手段12で測定する。そして、予め取得しておいた噛み合い起振力Fと荷重f’との関係を用いて、荷重測定手段12で測定した荷重f’から噛み合い起振力Fを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ギヤユニットにおいて生じる噛み合い起振力の測定方法に関する。
近年、自動車における車室内の静粛性の更なる向上を図るべく、動力伝達系に用いられる各種ギヤユニットのギヤノイズに対する低減要求が厳しくなっている。ギヤノイズの低減化対策を講じるためには、ギヤノイズが発生する原因の解明及び評価をこれまで以上に正確かつ詳細に行う必要がある。
ギヤノイズの評価手法に関連する技術としては、例えば下記特許文献1に示すギヤの噛み合わせ検査方法がある。これは、振動センサによって、駆動ギヤと従動ギヤとを噛み合わせて回転させることにより発生する振動を検出し、検出結果に対してFFT等の演算処理をさらに施すことでギヤの良否判定を行うものである。
ところで、ギヤは、歯が一定の位置で断続的に噛み合うことで動力伝達等の役割を果たすものであるが、噛み合いを生じるギヤの歯面位置は、実際には、ギヤの寸法誤差や組付け誤差あるいはギヤ自身の弾性変形のために、本来あるべき位置とは異なる位置に存在することが少なくない。その結果、ギヤ間で等速運動が伝達されず、被駆動ギヤ(従動ギヤ)は駆動ギヤに対して何かしらの回転位相の進み又は遅れを生じる。この回転位相の進み又は遅れ(噛み合い伝達誤差とも呼ばれる。)が、ギヤユニットにおいてギヤを噛み合わせて回転駆動した際に生じる振動の原因とされている。従って、ギヤノイズを正確に評価するのであれば、振動量ではなく、その発生原因となるギヤの噛み合いにより生じる起振力(噛み合い力ともいう。)を正確に評価することが重要と考えられる。
下記特許文献1に記載の検査方法は、あくまでもギヤの噛み合い時に発生する振動を検出するものであるから、その発生原因となる噛み合い起振力を適切に評価しているとは言い難い。また、この方法では、噛み合い挙動に起因する振動以外の振動も同時に検出することになるため、検出結果の信頼性、正確性に欠ける問題もある。
ここで、下記非特許文献1〜4には、ギヤの噛み合い起振力に関する理論式が提案されている。これは、互いに噛み合うギヤ対において、相対ねじり振動を噛み合い作用線上の直線運動に置き換えることで導出された振動方程式であり、この振動方程式を解くことで、ばね剛性変化による起振力と、歯面誤差による起振力の総和としての噛み合い起振力を導出することが理論上可能となる。
特開平9−61300号公報
久保愛三、梅澤清彦、「誤差をもつ円筒歯車の荷重伝達特性に関する研究(第1報、基礎的考察)」、日本機械学会論文集(第3部)、1997年、43巻、371号、p.2771−2783 小川侑一、松村茂樹、北條春夫、佐藤太一、梅澤清彦、「歯すじ方向誤差を考慮した平歯車の回転方向振動挙動の解析」、日本機械学会論文集(C編)、1999年、65巻、634号、p.2486−2493 梅澤清彦、佐藤太一、石川二郎、「平歯車の回転方向振動のシミュレーション」、日本機械学会論文集(C編)、1983年、49巻、411号、p.794−802 松村茂樹、梅澤清彦、北條春夫、「誤差を考慮したはすば歯車の軽負荷における回転方向振動解析(第3報、歯すじ方向誤差と振動性能曲線)」、日本機械学会論文集(C編)、1996年、62巻、603号、p.4315−4323
このように、上記非特許文献1〜4に記載の理論式を用いれば、噛み合い起振力をコンピュータ等を用いて計算により求めることもできるが、この方法で求めた値はあくまで理論値であり、環境因子やその他の因子を考慮に入れて算出したものではない。また、上述の因子もその時々で変動する不確定な要素であるから、仮にこれらの因子を考慮に入れて理論値を求めたとしても、不確定な要素を加味して算出した値となり信頼性に欠ける。
上述した理由から、噛み合い起振力を正確に評価するには、当該起振力を直接測定することが最も望ましいと考えられる。しかしながら、この種の起振力は、噛み合い回転を生じるギヤ対の間で生じることから、上記起振力を直接測定することは非常に困難である。例えば振動ピックアップやレーザドップラを用いることで回転方向の振動成分を測定することができ、またエンコーダを用いることで回転方向の変位量を測定することもできるが、これらは何れもギヤの噛み合い挙動を間接的に評価しているに過ぎない。
以上の事情に鑑み、本明細書では、ギヤの噛み合い時に生じる噛み合い起振力を正確に評価することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る噛み合い起振力の測定方法により達成される。すなわち、この測定方法は、駆動ギヤと、駆動ギヤと噛み合うことで回転する従動ギヤと、従動ギヤと噛み合う固定ギヤとを有するギヤユニットにおいて生じる噛み合い起振力を測定する方法であって、固定ギヤの側に、固定ギヤに作用した荷重を測定する荷重測定手段が配設され、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合い回転により噛み合い起振力が生じた際に、従動ギヤを介して固定ギヤに作用する荷重を荷重測定手段で測定する荷重測定工程と、予め取得しておいた噛み合い起振力と荷重との関係を用いて、荷重測定工程で測定した荷重から噛み合い起振力を算出する噛み合い起振力算出工程とを具備する点をもって特徴付けられる。
本発明者らは、ギヤの噛み合い回転により生じる噛み合い起振力を精度良く測定することが可能な新たな測定方法を確立するに至った。すなわち、本発明者らは、例えば遊星ギヤユニットに代表されるように、接地側の固定ギヤが存在するギヤユニットにおいては、噛み合い起振力の発生と同時にこの起振力の反力ともいうべき力が従動ギヤを介して減衰等することなく固定ギヤに伝達される点に着目し、この固定ギヤの側に荷重測定手段を配設すると共に、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合い時に従動ギヤを介して固定ギヤに作用する荷重を測定することで、噛み合い起振力のように可動部分に生じる荷重であっても安定して高精度に測定できることを知得するに至った。
本発明は上記の知見に基づいて成されたものであり、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合い回転により噛み合い起振力が生じた際に、従動ギヤを介して固定ギヤに作用する荷重を固定ギヤの側に設けた荷重測定手段で測定し、予め取得しておいた噛み合い起振力と荷重との関係を用いて、測定した荷重から噛み合い起振力を算出することを特徴とする。このように噛み合い起振力の発生に伴い固定ギヤに作用する荷重を測定対象とすることで、実際に発生した噛み合い起振力の大きさを正確に反映した測定結果を得ることができる。また、他の物理的事象(変位、加速度など)を測定し、間接的に噛み合い起振力を評価する場合と比べて、信頼性の高い測定結果を得ることが可能となる。加えて、本発明では、上記荷重を、固定ギヤの側に設けた荷重測定手段で直接的に測定するようにしたので、減衰等による測定誤差の発生を回避して高精度な測定を安定的に行うことができる。
また、本発明に係る噛み合い起振力の測定方法は、従動ギヤの噛み合い挙動を直進回転運動にモデル化して、噛み合い起振力を荷重の関数として規定する荷重関数規定工程をさらに具備するものであってもよく、この場合、噛み合い起振力算出工程において、荷重関数規定工程で規定した関数を用いて、荷重測定工程で測定した荷重から噛み合い起振力を算出するものであってもよい。
ここで、上記運動モデルの一例を図面を参照して説明する。図4(b)は、噛み合い起振力の測定用運動モデルであって、図4(a)に示す遊星ギヤユニットにおける従動ギヤ22の噛み合い挙動を単純な直進回転運動モデルに置き換えたものである。ここで、従動ギヤ22の軸に作用する負荷をN、従動ギヤ22の質量をM、ピッチ円半径をr、駆動ギヤ21との噛み合い力、すなわち噛み合い起振力をF、噛み合い起振力Fが発生するのに伴い従動ギヤ22が固定ギヤ24(ここでは内歯ギヤ)から受ける抵抗力をfとした場合の運動方程式は、下記数式1及び数式2で表される。また、この種のギヤの直進回転運動の場合、数式3に示す関係が一般的に成立する。
Figure 2013024723
Figure 2013024723
Figure 2013024723
ここで、数式3を数式2に代入すると、下記数式4が得られ、この数式4を数式1に代入すると、下記数式5が得られる。
Figure 2013024723
Figure 2013024723
ここで、駆動ギヤ21の回転数を一定(各速度一定)とした場合、加速度は零となるため、数式5から数式6が導かれる。また、加速度が零の場合、数式2から数式7が導かれる。
Figure 2013024723
Figure 2013024723
よって、これら数式6と数式7から、噛み合い起振力Fを、従動ギヤが固定ギヤから受ける抵抗力fの関数(ここではF=f)で規定することができる。ここで、上記抵抗力fの反力が、固定ギヤ24に作用する力(荷重)であるとみなすことができるので、噛み合い起振力Fは、結果的に、噛み合い起振力Fの発生に伴い固定ギヤ24に作用する荷重f’(後述する図1を参照)の関数で規定することができる。
このように従動ギヤの噛み合い挙動を単純な運動モデルに置き換えて、噛み合い起振力を固定ギヤに作用する荷重の関数として規定することで、噛み合い起振力と上記荷重との関係を明確化及び単純化することができる。従って、上述のように測定した荷重を、簡便かつ信頼性の高い方法で噛み合い起振力に変換することができ、これにより噛み合い起振力をより精度良く測定することが可能となる。
また、本発明に係る起振力測定方法は、駆動ギヤと従動ギヤには、駆動ギヤと従動ギヤの回転方向振動成分を測定する振動量測定手段がそれぞれ設けられ、振動量測定手段で測定された回転方向振動成分と、噛み合い起振力算出工程で得た噛み合い起振力とに基づき、駆動ギヤ、従動ギヤ、固定ギヤ相互間の各噛み合い起振力を評価するものであってもよい。
噛み合い起振力算出工程で得た噛み合い起振力の値は全てのギヤの噛み合いにより生じる噛み合い起振力の総和であるから、上述のように、各ギヤの回転方向振動成分の測定結果に基づいて、噛み合い起振力の算出値から各ギヤの噛み合い起振力を抽出、識別することにより、各々のギヤの噛み合い起振力を含めた個別の噛み合い挙動を適切に評価することが可能となる。
以上のように、本発明に係る噛み合い起振力の測定方法によれば、ギヤの噛み合い時に生じる噛み合い起振力を正確に評価することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る噛み合い起振力の測定装置の正面図である。 本発明に係る測定方法で得た噛み合い起振力の時間変動を示すグラフの一例である。 本発明に係る測定方法で得た噛み合い起振力の時間変動を示すグラフの他の例である。 噛み合い起振力を、固定ギヤに作用する荷重の関数として規定する過程の具体例を示すもので、(a)は測定対象となるギヤユニット、(b)は(a)に示すギヤユニットにおける従動ギヤの噛み合い挙動を直進回転運動に置き換えた場合の運動モデルを示す要部拡大正面図である。 本発明に係る測定方法で噛み合い起振力を測定可能なギヤユニットの他の例を示す正面図である。
以下、本発明に係る噛み合い起振力の測定方法の一実施形態を図面に基づき説明する。この実施形態では、遊星ギヤユニットのサンギヤを駆動ギヤ、ピニオンギヤを従動ギヤ、内歯ギヤを固定ギヤとした場合に、駆動ギヤと従動ギヤとの噛み合いにより生じる噛み合い起振力を測定する場合を例にとって以下説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る噛み合い起振力の測定装置10の正面図を示している。この測定装置10は、測定対象となるギヤユニット20を組み込んでなるもので、後述する固定ギヤ24を接地側に固定するための接地側部材11に取付けられた荷重測定手段12と、この荷重測定手段12で測定した荷重f’から噛み合い起振力Fを算出するまでの一連の演算処理を行う演算装置13とを具備する。また、この実施形態で測定対象となるギヤユニット20は、いわゆるプラネタリ型の遊星ギヤユニットと呼ばれるもので、駆動ギヤ21と、駆動ギヤ21と噛み合い回転(自転ないし公転)する1又は2以上の従動ギヤ22と、従動ギヤ22を自転自在に支持し、かつ公転を案内するためのキャリヤ23と、従動ギヤ22と噛み合い、キャリヤ23と共に従動ギヤ22の公転を案内する固定ギヤ24とを有する。この図示例では、3個の従動ギヤ22が駆動ギヤ21及び固定ギヤ24と噛み合い回転可能に構成されている。
荷重測定手段12は、図1に示すように、固定ギヤ24を接地側に固定するための接地側部材11に取り付けられ、あるいは固定ギヤ24に直接取り付けられる。荷重測定手段12としては種々のものが使用可能であり、例えばギヤの噛み合いに係る動荷重のように、高い振動レベル(例えば102〜104Hzオーダー)での検出に適した荷重測定手段(動荷重測定手段)が好適に使用される。ここで、好適な動荷重測定手段の一例として、圧電式ロードセル(特に水晶圧電式)を挙げることができる。なお、荷重測定手段12が、1軸方向の荷重を測定可能なタイプである場合、その荷重測定方向が環状をなす固定ギヤ24の周速方向に沿った向きとなるように荷重測定手段12を接地側部材11に取り付けるのがよい。なお、ここでいう「動荷重」とは、物体に働く力の大きさや向きが時間と共に変わる荷重のことをいい、衝撃荷重など、極めて短時間の間にその大きさが急激に変動する荷重を含む。
演算装置13は、荷重測定手段12と電気的に接続され、荷重測定手段12で測定した荷重f’の値から噛み合い起振力Fを算出するまでの一連の演算処理を行うものである。すなわち、この演算装置13には、予め取得しておいた噛み合い起振力Fと、噛み合い起振力Fの発生に伴い固定ギヤ24に作用する荷重f’との関係が記憶されており、この関係を用いて荷重測定手段12で測定した荷重f’から噛み合い起振力Fを算出するプログラムを実行できるようになっている。ここで、記憶すべき噛み合い起振力Fとその発生時に固定ギヤ24に作用する荷重f’との関係として、例えば図4(b)に示す運動モデルを用いて噛み合い起振力Fを荷重f’の関数として規定する場合、演算装置13は、この関数を規定するためのプログラムを具備し、噛み合い時の駆動条件(回転数、キャリヤ23への負荷トルクなど)に応じて荷重f’の関数を規定できるようになっている。例えば駆動ギヤ21の回転数一定の場合、噛み合い起振力Fの大きさは、既述の通り、固定ギヤ24に作用する荷重f’の大きさに等しいものとして取り扱うことができる。これは、上述のように、実際の駆動条件下においては、非常に短い周期で噛み合い挙動が断続的に生じるために、このスパンにおいては加速度は実質的に零(回転数一定)とみなせることによる。
また、この実施形態では、駆動ギヤ21と各従動ギヤ22に、回転方向の振動成分を測定可能な振動量測定手段14が設けられている。振動量測定手段14で測定された各ギヤ21,22の回転方向振動成分は演算装置13に送られ、測定した荷重f’より算出した噛み合い起振力Fと照らし合わせることで、正確には、時間軸を一致させて、各ギヤ21,22の回転方向振動成分の時間変動成分と噛み合い起振力Fの時間変動成分とを重ね合わせることで、算出した噛み合い起振力Fの時間変動成分から、各ギヤ間(駆動ギヤ21と第1の従動ギヤ22、駆動ギヤ21と第2の従動ギヤ22、従動ギヤ22と固定ギヤ24など)の噛み合い起振力成分を個別に見出せるようになっている。なお、振動量測定手段14としては種々のもの(例えば、変位、速度、加速度の何れかを検出対象とするものや、測定対象と接触して使用するもの又は非接触で使用するもの)が使用でき、実使用条件下での測定優位性を考慮した場合、例えば加速度ピックアップが好適に使用される。
以下、上記構成の噛み合い起振力の測定装置10を用いたギヤユニット20の噛み合い起振力Fを測定する方法の一例を説明する。
まず、噛み合い起振力Fの測定に先立って、噛み合い起振力Fと、当該起振力Fの発生に伴い固定ギヤ24に作用する荷重f’との関係を取得しておく。具体的には、図4(b)に例示の運動モデル及び上述の数式1〜7を用いて、従動ギヤ22に作用する噛み合い起振力Fを荷重f’の関数として規定し(荷重関数規定工程)、規定した荷重f’の関数を演算装置13に記憶しておく。
然る後、駆動ギヤ21の軸に連結されたモータ(図示は省略する)を駆動させて、駆動ギヤ21を回転させる。これにより、従動ギヤ22が駆動ギヤ21と1歯又は2歯で噛み合いを生じ、回転(自転、公転)を開始する。このとき、駆動ギヤ21と従動ギヤ22との間に噛み合い起振力Fが発生する。この力(噛み合い起振力F)は、従動ギヤ22を介して、従動ギヤ22と噛み合いを生じる固定ギヤ24に伝達されるので、固定ギヤ24の側に設けた荷重測定手段12により上記起振力Fの発生に伴い固定ギヤ24に作用する荷重f’を測定する(荷重測定工程)。
そして、予め演算装置13に記憶させておいた荷重f’の関数を用いて、荷重測定手段12で測定した荷重f’から噛み合い起振力Fを算出するプログラムを実行し、噛み合い起振力Fを算出する(噛み合い起振力算出工程)。
また、噛み合い起振力F(荷重f’)の測定と同時に、駆動ギヤ21と従動ギヤ22の回転方向の振動成分(ここでは回転方向に沿った向きの加速度成分)を振動量測定手段14で測定する(振動量測定工程)。測定した各ギヤ21,22の振動成分(加速度成分)は演算装置13に送られ、上述のようにして算出した噛み合い起振力Fの時間変動成分と照らし合わせることで、各ギヤ間の噛み合い起振力成分が個別に抽出される。
図2は、図1に示すギヤユニット20において本発明に係る測定方法を実施し、その結果得られた噛み合い起振力Fの時間変動成分の一例を示すグラフである。このグラフより、単位噛み合い周期1/fz[s](fz:噛み合い周波数[Hz])の中に、従動ギヤ22の全ての噛み合いに対応する噛み合い起振力成分(1)〜(6)が含まれているのが見て取れる。すなわち、この場合、測定対象となるギヤユニット20は、1個の駆動ギヤ21と、3個の従動ギヤ22と、1個の固定ギヤ24とを有するものであるから、各従動ギヤ22につき駆動ギヤ21との噛み合い及び固定ギヤ24との噛み合いが存在し、これが従動ギヤ22の個数(3個)分だけ存在するので、合計6成分となることが分かる。よって、この結果と、振動量測定手段14で測定した各ギヤ21,22の回転方向振動成分(の時間変動成分)とを時間軸を一致させた状態で重ね合わせることで、例えば(1)〜(6)の噛み合い起振力成分のうち何れが駆動ギヤ21と一の従動ギヤ22との噛み合い起振力成分であるかを判別することができる。また各噛み合い起振力成分ごとに抽出し、その大きさを評価することで、個別にギヤノイズレベルの評価を行うことができる。
このように、本発明では、駆動ギヤ21と従動ギヤ22との間の噛み合い起振力Fの発生に伴い固定ギヤ24に作用する荷重f’を測定対象とすることで、実際に発生した噛み合い起振力Fの大きさを正確に反映した測定結果を得ることができる。また、他の物理的事象(変位、加速度など)を測定し、間接的に噛み合い起振力を評価する場合と比べて、信頼性の高い測定結果を得ることが可能となる。加えて、本発明では、上記荷重f’を、固定ギヤ24の側に設けた荷重測定手段12で直接的に測定するようにしたので、減衰等による測定誤差の発生を回避して高精度な測定を安定的に行うことができる。
また、圧電式ロードセルなど高振動レベルに対応可能な荷重測定手段(動荷重測定手段)12を使用して噛み合い起振力Fを測定することで、実使用条件に準じた状態下における噛み合い起振力Fを測定することができるので、ギヤユニット20を例えば減速機や動力分割機構等のユニットアッシーに組み込む前の段階で、すなわちギヤユニット20単体の状態でユニット騒音レベルと相関の高い測定結果を得ることができる。従って、最終的な騒音レベルの推定精度を向上させることができる。これにより、ギヤユニット20の設計スピードが向上すると共に、噛み合い起振力Fを含むギヤユニット20の噛み合い挙動状態を適切に評価できるようになるので、設計レベルの向上にもつながる。
また、この実施形態のように、ギヤユニット20が3軸噛み合い構造(サンギヤとピニオン、ピニオンとリングギヤ)をなす遊星ギヤユニットの場合、本発明に係る測定方法は特に有効である。すなわち、ギヤノイズに係る不具合の存在が認められた場合、ギヤ組替え試験を行わないとどのギヤがギヤノイズの直接の原因であるかを特定することは困難であった。これに対して、本発明のように、回転方向振動成分の測定と、噛み合い起振力Fの測定結果とを同期させて比較することで、言い換えると、時間軸を一致させて、振動成分の変動が著しい部分と、これに対応する噛み合い起振力成分を照らし合わせることで、例えば噛み合い起振力成分が極めて大きい値を示すギヤを、ギヤノイズの発生源として容易に特定することができる。従って、ギヤノイズに問題が生じた場合の原因解明、及びその後の設計変更に要する時間を大幅に短縮することができる。
なお、上記実施形態では、図4(b)に示す従動ギヤ22の運動モデルを用いて、噛み合い起振力Fを示す荷重f’の関数を規定するに際し、入力側(駆動ギヤ21)の回転数が一定として荷重f’の関数を規定したが、もちろん、これ以外の駆動条件下における噛み合い起振力Fの荷重f’による関数化も可能である。例えば所定の加速度で回転数を増加させる場合など、駆動条件によっては、加速度を所定の値として数式2及び数式5に代入し、代入後の式を解くことで、噛み合い起振力Fと荷重f’との関係(荷重f’の関数)を求めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、プラネタリ型で従動ギヤを3個有する遊星ギヤユニットを測定対象とした場合を説明したが、もちろんこれ以外のタイプの遊星ギヤユニットにも本発明を適用することは可能である。例えば従動ギヤ22は3個に限らず、1個又は2個、あるいは4個以上のタイプについても本発明を適用することが可能である。同様に、プラネタリ型以外の型(例えば図1に示す駆動ギヤ21と固定ギヤ24を入れ替えたタイプなど)の遊星ギヤユニットについても本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、駆動ギヤ21と従動ギヤ22、及び固定ギヤ24を有するギヤユニット20として遊星ギヤユニットを例示したが、これ以外のタイプのギヤユニット20についても本発明を適用することが可能である。図5はその一例を示すもので、同図に示すギヤユニット20は、固定ギヤ24として平板状の部材表面に歯切りを施してなるラックを有するものであってもよい。この場合、従動ギヤ22と固定ギヤ24とは、いわゆるラック・ピニオン機構を成し、ピニオンギヤとしての従動ギヤ22に駆動ギヤ21を噛み合わせることで、固定ギヤ24(ラック)と噛み合いながらその平行な歯面上を従動ギヤ22が直進回転運動するようになっている。よって、この場合も、固定ギヤ24としてのラック(の長手方向に沿った向き)に上述の荷重測定手段12を取り付けて、噛み合い起振力Fの発生に伴い、従動ギヤ22を介して固定ギヤ24に作用する荷重f’を測定することで、噛み合い起振力Fを精度良く測定することが可能となる。
本発明に係る噛み合い起振力の測定方法の有用性を確認するため、下記の測定試験を行った。すなわち、図1に示す構造の噛み合い起振力測定装置を用いて、従動ギヤを2個有するプラネタリ型の遊星ギヤユニットにおける噛み合い起振力Fを測定した。
ここで、測定対象として使用したギヤユニットは、駆動ギヤ、従動ギヤ、固定ギヤ何れもS45Cを素材とし、モジュールを1、駆動ギヤの歯数を12、従動ギヤの歯数を24、固定ギヤの歯数を60とした。歯幅は何れも10mmとした。また、動荷重測定手段には、水晶圧電式ロードセルを使用した。そして、入力回転数を1200rpm、キャリヤへの負荷を0.4Nmとして、噛み合い起振力の発生に伴い固定ギヤに作用する荷重を測定した。
測定結果を図3に示す。同図に示すように、噛み合い周期1/fz(≒5[ms])に対応する噛み合い起振力成分が確認できると共に、従動ギヤと固定ギヤとの噛み合い周期4×1/fz(≒20[ms])に対応する噛み合い起振力成分が確認できる。また、これら噛み合い起振力成分の大小も確認することができる。従って、上述のように、各ギヤの回転方向振動成分の測定を噛み合い起振力の測定と同時に行い、各々の結果(時間変動成分)を照らし合わせることで、複数(この場合は4つ)ある噛み合い起振力成分のうち何れが駆動ギヤと従動ギヤ(さらにはどの従動ギヤ)との噛み合い起振力成分であるかを判別し、個別に評価することができる。
10 噛み合い起振力の測定装置
11 接地側部材
12 動荷重測定手段
13 演算装置
14 振動量測定手段
20 ギヤユニット
21 駆動ギヤ
22 従動ギヤ
23 キャリヤ
24 固定ギヤ
F 噛み合い起振力
f 噛み合い起振力の発生に伴い従動ギヤが固定ギヤから受ける抵抗力
f’ 噛み合い起振力の発生に伴い固定ギヤに作用する荷重

Claims (3)

  1. 駆動ギヤと、該駆動ギヤと噛み合うことで回転する従動ギヤと、該従動ギヤと噛み合う固定ギヤとを有するギヤユニットにおいて生じる噛み合い起振力を測定する方法であって、
    前記固定ギヤの側に、前記固定ギヤに作用した荷重を測定可能な荷重測定手段が配設され、
    前記駆動ギヤと前記従動ギヤとの噛み合い回転により前記噛み合い起振力が生じた際に、前記従動ギヤを介して前記固定ギヤに作用する前記荷重を前記荷重測定手段で測定する荷重測定工程と、
    予め取得しておいた前記噛み合い起振力と前記荷重との関係を用いて、前記荷重測定工程で測定した前記荷重から前記噛み合い起振力を算出する噛み合い起振力算出工程とを具備する噛み合い起振力の測定方法。
  2. 前記従動ギヤの噛み合い挙動を直進回転運動にモデル化して、前記噛み合い起振力を前記荷重の関数として規定する荷重関数規定工程をさらに具備し、
    前記噛み合い起振力算出工程において、前記荷重関数規定工程で規定した関数を用いて、前記荷重測定工程で測定した前記荷重から前記噛み合い起振力を算出する請求項1に記載の噛み合い起振力の測定方法。
  3. 前記駆動ギヤと前記従動ギヤには、前記駆動ギヤと前記従動ギヤの回転方向振動成分を測定する振動量測定手段がそれぞれ設けられ、
    前記振動量測定手段で測定された前記回転方向振動成分と、前記噛み合い起振力算出工程で得た前記噛み合い起振力とに基づき、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、前記固定ギヤ相互間の各噛み合い起振力を評価する請求項1又は2に記載の噛み合い起振力の測定方法。
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