JP2013020297A - 集積回路装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】USBホストコントローラを有する集積回路装置において消費電力を削減する。
【解決手段】集積回路装置は、USBを介してUSBデバイスとの間で通信を行うUSBホストコントローラと、通常動作状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間の通信が可能になるようにするための処理を行い、スタンバイ状態において動作を停止する第1プロセッサと、前記スタンバイ状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記通常動作状態に移行するための処理を行い、前記通常動作状態において動作を停止する第2プロセッサとを有する。前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、前記USBホストコントローラに対する制御が、前記第1プロセッサによる制御と前記第2プロセッサによる制御との間で切り替えられる。
【選択図】図1

Description

本開示は、USB(universal serial bus)インタフェースを有する集積回路装置、及びその制御方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータだけではなく、テレビ等のデジタル家電においても、USBインタフェースの搭載が一般的になってきている。USBは、記憶装置やデジタルカメラに保存されているデータの読み書きをするためだけではなく、テレビ電話システムにおいてカメラやマイクを接続するためや、無線LAN(local area network)モジュール等の外部デバイスを接続して外部機器との間のインタフェースを拡張するため等に、使用されるようになってきている。
このように、デジタル家電は、他の機器と連携して動作するようになってきている。消費電力を低減するために、機器の一部の回路への電源供給やクロック供給を停止することにより、機器をスタンバイ状態にすることが行われる。しかし、他の機器と連携して動作する機器は、スタンバイ状態であっても、他の機器からのアクセスに応じて適切な動作を行わなければならないことがある。
例えば、特許文献1には、無線LANを介して外部からアクセスを受けることによって、スタンバイ状態から復帰するシステムが記載されている。このシステムは、主機能を実現するためのメインシステムと、外部との通信を行うためのサブシステムを有する。サブシステムは、メインシステムとは独立したCPUやシステムメモリを持ち、メインシステムとは独立して動作できる。また、サブシステムは、USBホスト機能を持ち、USBデバイスであるUSB無線LANモジュールを接続して無線LAN通信を行うことができる。
スタンバイ状態の時には、例えば、メインシステムへの電源供給が停止され、サブシステムのみが動作する。このため、スタンバイ状態における消費電力を削減することができる。サブシステムは、メインシステムとは独立して動作することができるので、スタンバイ状態の時も通常動作状態の時と同様にUSBの制御を行い、無線LAN通信を行うことができる。そして、無線LAN通信を経由して、システムをウェイクアップさせるための信号を受信した場合には、サブシステムのCPUからメインシステムへウェイクアップ信号を送ることで、メインシステムをウェイクアップさせる。
特開2010−086068号公報
しかし、特許文献1のシステムによると、サブシステムがUSBに関する全ての制御を行う必要がある。このため、サブシステムの回路規模、消費電力や製造コストも比較的大きい。また、通常動作状態の時には、メインシステムだけではなくサブシステムをも動作させる必要があるので、通常動作状態の時の消費電力が増大してしまう。
本発明は、USBホストコントローラを有する集積回路装置において消費電力を削減することを目的とする。
本開示による集積回路装置は、USB(universal serial bus)を介してUSBデバイスとの間で通信を行うUSBホストコントローラと、通常動作状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間の通信が可能になるようにするための処理を行い、スタンバイ状態において動作を停止する第1プロセッサと、前記スタンバイ状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記通常動作状態に移行するための処理を行い、前記通常動作状態において動作を停止する第2プロセッサとを有する。前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、前記USBホストコントローラに対する制御が、前記第1プロセッサによる制御と前記第2プロセッサによる制御との間で切り替えられる。
これによると、USBホストコントローラとUSBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、USBホストコントローラに対する制御が切り替えられる。このため、スタンバイ状態において動作する第2プロセッサは、通常動作状態に移行する際に、USBホストコントローラとUSBデバイスとの間を通信可能な状態にするための処理を行う必要がない。
本開示による集積回路装置の制御方法は、USBを介してUSBデバイスとの間で通信を行うステップと、通常動作状態において、第1プロセッサが、USBホストコントローラを制御して、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間の通信が可能になるようにするための処理を行い、第2プロセッサが動作を停止するステップと、スタンバイ状態において、前記第2プロセッサが、前記USBホストコントローラを制御して、前記通常動作状態に移行するための処理を行い、前記第1プロセッサが動作を停止するステップと、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第1プロセッサによる制御と前記第2プロセッサによる制御との間で切り替える切り替えステップとを有する。
本開示によれば、USBホストコントローラとUSBデバイスとの間で通信可能な状態が維持される。このため、スタンバイ状態においても、USBホストコントローラはUSBデバイスからのデータを受信可能であり、スタンバイ状態においてUSBホストコントローラを制御するプロセッサは、USBホストコントローラとUSBデバイスとの間を通信可能な状態にするための処理を行う必要がなく、回路規模を抑え、消費電力を抑えることができる。このプロセッサは、通常動作状態においては動作を停止するので、USBホストコントローラを有する集積回路装置において、通常動作状態の時の消費電力の増大を抑えることもできる。
本発明の実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図である。 通常動作状態からスタンバイ状態へ移行する場合の、図1の集積回路装置における処理例を示すフローチャートである。 qTDと呼ばれるデータ構造についての説明図である。 スタンバイ状態から通常動作状態へ移行する場合の、図1の集積回路装置における処理例を示すフローチャートである。 再接続に関する図1の集積回路装置における処理例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において同じ参照番号で示された構成要素は、同一の又は類似の構成要素である。
図1は、本発明の実施形態に係る集積回路装置の構成を示すブロック図である。図1の集積回路装置100は、メインブロック10を有し、メインブロック10は、第1プロセッサとしてのCPU12と、ROM(read-only memory)14と、システムメモリ16と、周辺ブロック18と、内部バス52とを有する。更に集積回路装置100は、第2プロセッサとしてのスタンバイマイコン32と、USBホストコントローラ40と、USB54とを有する。CPU12、ROM14、システムメモリ16、周辺ブロック18、スタンバイマイコン32、及びUSBホストコントローラ40は、内部バス52を介して接続されている。
USB無線LANモジュール(以下では無線LANモジュールと称する)62は、USBデバイスであって、無線LAN通信機能を有し、USB54を介してUSBホストコントローラ40と通信を行う。無線LANモジュール62は、無線LANアクセスポイント82との間で無線によりデータ転送を行う。無線LANとは、IEEE802.11a/b/g/n等の規格に従って無線通信によってデータを送受信するLANである。
ROM14は、省電力制御ソフトウェア15A、無線LANドライバ15B、及びUSBドライバ15Cを格納している。システムメモリ16は、例えばRAM(random access memory)である。CPU12は、ROM14、システムメモリ16、及びその他の周辺ブロック18を用いて動作する。スタンバイマイコン32は、スタンバイマイコン制御ソフトウェア33を格納している。スタンバイマイコン32は、他の回路ブロックを用いることなく動作する。
USBホストコントローラ40は、内蔵メモリ42を有する。内蔵メモリ42は、受信データ格納領域44を有する。内蔵メモリ42は、転送制御情報及び受信データ比較情報を格納する。CPU12は、省電力制御ソフトウェア15A、無線LANドライバ15B、及びUSBドライバ15Cを用いて、USBホストコントローラ40を制御する。スタンバイマイコン32は、スタンバイマイコン制御ソフトウェア33を用いて、USBホストコントローラ40を制御する。
集積回路装置100は、通常動作状態とスタンバイ状態とを有する。通常動作状態は、CPU12やその周辺モジュールを有するメインブロック10とUSBホストコントローラ40とが動作し、スタンバイマイコン32が停止している状態である。通常動作状態では、USBホストコントローラ40は、CPU12によって制御される。この状態では、ROM14に格納された無線LANドライバ15BやUSBドライバ15C等の制御ソフトウェアや、システムメモリ16等の周辺モジュールも、CPU12の制御下でUSB54の転送制御に用いられる。無線LANモジュール62も、同様にCPU12により制御される。無線LANモジュール62は、無線LANアクセスポイント82との接続に必要な情報(SSID(service set identifier)、暗号方式情報、暗号化キー等)を用いることにより、無線LANアクセスポイント82と通信可能な状態になっている。
スタンバイ状態は、スタンバイマイコン32とUSBホストコントローラ40とが動作し、メインブロック10が停止している状態である。スタンバイ状態では、USBホストコントローラ40は、スタンバイマイコン32によって制御される。スタンバイ状態と同様の状態を表す言葉として、「休止状態」、「待機状態」、「スリープモード」、「スタンバイモード」等がある。スタンバイマイコン32は、スタンバイ状態において、USBホストコントローラ40を制御して、通常動作状態に移行するための処理を行う。しかし、その他の機能は限られており、スタンバイマイコン32の回路規模及び消費電力は、CPU12より小さい。
集積回路装置100は、USBホストコントローラ40とUSBデバイスである無線LANモジュール62との間で通信可能な状態を維持したまま、すなわち、USBの通信リンクを維持したまま、USBホストコントローラ40に対する制御を、CPU12による制御とスタンバイマイコン32による制御との間で切り替える。以下では、より具体的にその説明を行う。
まず、CPU12は、通常動作状態において、USBホストコントローラ40を制御して、USBホストコントローラ40と無線LANモジュール62との間の通信が可能になるようにするための処理を行う。その後、図2の処理により、集積回路装置100は、通常動作状態からスタンバイ状態に移行する。このとき、CPU12は、USBホストコントローラ40に対する制御を、スタンバイマイコン32による制御に切り替える。
図2は、通常動作状態からスタンバイ状態へ移行する場合の、図1の集積回路装置100における処理例を示すフローチャートである。集積回路装置100は、通常動作状態にあるとする。図2のS12では、CPU12は、省電力制御ソフトウェア15Aを実行して、USBホストコントローラ40に対して出力したUSB転送要求を、全て完了又は中断させ、実行中のUSB転送要求がない状態にする。このとき、無線LANモジュール62側から見ると、USBホストコントローラ40からの転送要求が一時的に来なくなっているが、USBホストコントローラ40と無線LANモジュール62との間では通信可能な状態を維持したままである(言い換えると、USBの接続状態は確立されたままである)。
図3は、qTD(queue element transfer descriptor)と呼ばれるデータ構造についての説明図である。qTDには、図3のように、制御情報と、アドレス情報としてのバッファポインタとが設定されている。制御情報は、例えば図3の0BH−08Hで示されたデータであって、USBデバイスに対してどのような転送を行うかを示す。バッファポインタは、転送されたデータが格納されるバッファとして用いられる受信データ格納領域44を示す。
USB転送を開始する場合には、qTDのStatusフィールドD12内のActiveビットD14が1にセットされる。転送が完了した場合には、USBホストコントローラ40から割込みが発生するとともに、ActiveビットD14がUSBホストコントローラ40により0にクリアされる。qTDに設定されたバッファポインタが示す領域には、USB転送により取得されたデータが格納される。
スタンバイ状態においては、無線LANアクセスポイント82から無線LANモジュール62に対して通信要求が発生したことが検出できるように、無線LANモジュール62の状態を定期的に取得する必要がある。このため、図2のS14では、CPU12は、無線LANドライバ15Bを用いて、無線LANモジュール62の状態を取得するためのUSB転送リクエストを、USBホストコントローラ40の内蔵メモリ42に格納する。ただし、この時点では、qTDのActiveビットD14を1にセットせず、転送自体は実行しない。このようなスタンバイ状態において必要なS14の転送の設定は、まず、CPU12によって、省電力制御ソフトウェア15Aから無線LANドライバ15Bに対して要求することにより開始される。
S16では、CPU12は、受信データ比較情報を、USBホストコントローラ40の内蔵メモリ42に格納する。受信データ比較情報は、USB転送リクエストが発行された際に、USBホストコントローラ40が無線LANモジュール62から受信したデータが、無線LANアクセスポイント82から無線LANモジュール62に対するデータか否かを判断するための情報である。
S18では、CPU12は、qTDのバッファポインタ、ActiveビットD14のアドレス、及び受信データ比較情報のアドレスを、転送制御情報としてUSBホストコントローラ40の内蔵メモリ42に格納する。転送制御情報には、スタンバイマイコン32からもアクセスできる。
S20では、CPU12は、USBホストコントローラ40によるCPU12への割込みIR1を禁止し、スタンバイマイコン32を起動する。S22では、CPU12は、USBホストコントローラ40に対する制御をスタンバイマイコン32による制御に切り替える。具体的には、CPU12は、スタンバイマイコン32にスタンバイマイコン制御ソフトウェア33の実行を開始させ、かつ、CPU12による省電力制御ソフトウェア15Aの実行を終了する。
S24では、スタンバイマイコン32は、CPU12を含むメインブロック10の動作を停止させ、これにより、集積回路装置100をスタンバイ状態に移行させる。具体的には、スタンバイマイコン32は、メインブロック10内の要素に対する電源制御部(図示せず)による電源供給又はクロック制御部(図示せず)によるクロック供給を停止することにより、メインブロック10の動作を停止させる。また、スタンバイマイコン32は、USBホストコントローラ40によるスタンバイマイコン32への割込みIR2を有効にし、スタンバイマイコン32によってUSBホストコントローラ40からの割込みIR2を検出できるようにする。S24の終了後、集積回路装置100は、スタンバイマイコン32とUSBホストコントローラ40とが動作し、CPU12やその周辺モジュールを有するメインブロック10が停止しているスタンバイ状態となる。
なお、スタンバイ状態においては、メインブロック10以外のブロック(スタンバイマイコン32及びUSBホストコントローラ40を除く)の動作を停止させてもよいし、メインブロック10内のCPU12以外の一部の要素の動作を停止させなくてもよい。
図4は、スタンバイ状態から通常動作状態へ移行する場合の、図1の集積回路装置100における処理例を示すフローチャートである。スタンバイ状態において、スタンバイマイコン32は、スタンバイ状態への移行前にUSBホストコントローラ40の内蔵メモリ42に格納された転送制御情報を参照することにより、USBホストコントローラ40の制御が可能である。
S32では、スタンバイマイコン32は、USB転送を再開する。具体的には、スタンバイマイコン32は、スタンバイマイコン制御ソフトウェア33を用いて、qTDのActiveビットD14を1にセットし、USBホストコントローラ40は、無線LANモジュール62に転送要求を行う。このとき、USBデバイスである無線LANモジュール62から見ると、USBホストコントローラ40からの転送が再開されただけである。USBホストコントローラ40と無線LANモジュール62との間ではスタンバイ状態になる前から通信リンクが維持されている(通信可能な状態が維持されている)。
S34では、無線LANモジュール62は、無線LANアクセスポイント82から無線によりデータを受信する。無線LANモジュール62は、無線により受信されたデータを、USB54を経由してUSBホストコントローラ40に転送する。USBホストコントローラ40は、USB54を経由して転送された何らかのデータを受信すると、スタンバイマイコン32に割込みIR2を行う。また、USBホストコントローラ40は、受信したデータを受信データ格納領域44に格納する。受信データが格納された領域は、qTDのバッファポインタが示す。
S36では、スタンバイマイコン32は割込み処理を実行する。この割込み処理では、スタンバイマイコン32は、qTDに設定されたバッファポインタが示す受信データ格納領域44の内容を読み出し、読み出された情報を、あらかじめ無線LANドライバ15Bにより内蔵メモリ42に格納された受信データ比較情報の一部、又は全部と比較する。比較結果に従って、スタンバイマイコン32は、無線LANアクセスポイント82から送信されたデータが無線LANモジュール62に対するデータであるか否かを判定する。スタンバイマイコン32は、無線LANアクセスポイント82から無線LANモジュール62へのデータをウェイクアップ信号と見なす。そのようなデータは、特定のデータ構造を持ったデータには限らない。受信されたデータが無線LANモジュール62に対するデータ(ウェイクアップ信号)である場合(言い換えると、スタンバイマイコン32が、無線LANモジュール62に対する通信要求を検出した場合)には、S40に進み、その他の場合にはS38に進む。
S38では、スタンバイマイコン32は、受信データ格納領域44を0等にクリアし、再度、qTDのActiveビットD14を1に設定する。USBホストコントローラ40は、無線LANモジュール62に再び転送要求を行う。その後、S34に戻る。スタンバイ状態におけるS32,S34,S36,及びS38の処理により、スタンバイマイコン32は、USBホストコントローラ40を制御して、無線LANモジュール62からのデータを受信する。無線LANアクセスポイント82から無線LANモジュール62に対するデータが受信できるまで、無線LANモジュール62に対してのUSB転送要求が繰り返し発行される。
スタンバイマイコン32は、S40及びS42の処理により、スタンバイ状態から通常動作状態への移行時に、USBホストコントローラ40に対する制御を、CPU12による制御に切り替える(ウェイクアップ処理)。S40では、スタンバイマイコン32は、受信したデータを内蔵メモリ42の受信データ格納領域44に格納する。S42では、スタンバイマイコン32は、USBホストコントローラ40からスタンバイマイコン32への割込みIR2を禁止し、CPU12の動作を再開させる。このとき、スタンバイマイコン32は、メインブロック10内の要素に対する電源供給及びクロック供給を再開させる。CPU12の起動後、CPU12は、省電力制御ソフトウェア15Aを実行し、スタンバイマイコン32を停止させ、USBホストコントローラ40からCPU12への割込みIR1を有効にする。
S44では、CPU12は、省電力制御ソフトウェア15Aによって無線LANドライバ15Bを起動する。CPU12は、USBホストコントローラ40の受信データ格納領域44に格納されたデータを、無線LANドライバ15Bによって受け取り、無線LANモジュール62に対する転送を開始させる。
CPU12は、無線LANドライバ15Bによって受信データ格納領域44のデータを取得するので、無線LANアクセスポイント82から送信されたデータを受け取ることができる。これにより、ウェイクアップ後の無線LAN通信開始の際に認証処理を経由せず、無線LANアクセスポイント82と無線LANモジュール62との間の接続状態を保ったまま、データ転送の再開が可能になる。
図4のS40,S42,及びS44により、ウェイクアップ処理が行われ、集積回路装置100は通常動作状態に復帰する。ウェイクアップ処理後、USBデバイスである無線LANモジュール62から見ると、USBホストコントローラ40からの転送要求が継続されており、USBの通信リンクはウェイクアップ前から確立されたままである。
以上のように、図1の集積回路装置100は、図2及び図4の処理により、USBホストコントローラ40とUSBデバイスである無線LANモジュール62との間でUSBの通信リンクを維持したまま(通信可能な状態を維持したまま)、USBホストコントローラ40に対する制御が、CPU12による制御とスタンバイマイコン32による制御との間で切り替えられる。集積回路装置100は、メインブロック10を停止させて消費電力を低下させるスタンバイ状態においても、USBの通信リンクを維持する。
このため、外部のUSBデバイスからデータが転送されるウェイクアップ時にUSBホストコントローラ40とUSBデバイスとの間で通信リンクを再び確立する必要がない。USBホストコントローラ40とUSBデバイスとの間を通信可能な状態にするための制御を行う必要がないので、スタンバイマイコン32の回路規模を抑え、その消費電力を抑えることができる。
また、必要な時にUSBホストコントローラ40とUSBデバイスとの間でデータ転送を行うことができる。USBデバイスとして無線LANモジュール62を用いる場合には、USBの通信リンクが維持されているので、ウェイクアップ後に無線LAN通信の認証処理を行う必要がなく、必要な時にはすぐに無線LAN通信を開始することができる。このため、無線LANを経由してデータを受信する機器に集積回路装置100を用いると、その機器を必要な時だけ即時に起動して使用することができるので、その機器の電力の消費を抑えることができる。例えば、来客時に使用されるインターフォン・カメラシステムの映像を無線LANを経由して転送する場合に、その映像を受けたスタンバイ状態のテレビが起動してその映像を表示したり、その映像を受けたスタンバイ状態の録画機器が起動してその映像を記録すること等が可能になる。
なお、無線LANモジュール62は一例であり、他の機能を有するモジュールをUSBデバイスとして用いてもよい。例えば、有線LANによる通信機能を有するモジュールをUSBデバイスとして用いてもよい。
スタンバイマイコン32は、無線LANモジュール62からのデータを受信する機能以外の機能の少なくとも一部を停止するように、USBホストコントローラ40を制御してもよい。これにより、消費電力を更に抑えることができる。
無線LANモジュール62と無線LANアクセスポイント82との間は無線で接続されているので、伝搬環境の変化により、両者の間の通信が切断されることがある。この無線接続を再接続するために、以上の処理の他に、集積回路装置100は以下の(1)〜(3)の処理を更に行ってもよい。図5は、再接続に関する図1の集積回路装置100における処理例を示すフローチャートである。
(1)USBホストコントローラ40の内蔵メモリ42へのデータの格納
スタンバイ状態において、スタンバイマイコン32は、無線LANアクセスポイント82から無線LANモジュール62に対するデータ(通信要求)が発生したことを検出する図4の処理に加え、無線LANモジュール62の状態を定期的に取得する処理を行う必要がある。無線LANアクセスポイントとの間の通信が切断されたこと、及びその後無線LANアクセスポイント82を検出できたことを、スタンバイマイコン32がスタンバイマイコン制御ソフトウェア33を用いて検出できるようにするためである。
そのために、S52において、CPU12は、無線LANアクセスポイント検出のための情報をUSBホストコントローラ40の内蔵メモリ42に格納する。具体的には、スタンバイ状態に移行する前に、例えば図2のS14において、CPU12は、無線LANドライバ15Bを用いて、無線LANモジュール62の状態取得のためのUSB転送リクエストを、内蔵メモリ42に格納する。このUSB転送リクエストは、既にS14に関して説明したUSB転送リクエストに加えて格納される。
また、例えば図2のS16において、CPU12は、無線LANモジュール62から受信したデータが、無線LANアクセスポイント82からこの無線LANモジュール62に対するデータであるか否かを判断するための受信データ比較情報を、内蔵メモリ42に格納する。この受信データ比較情報は、既にS16に関して説明した受信データ比較情報に加えて格納される。
(2)無線LANモジュール62と無線LANアクセスポイント82との間の無線接続の切断検出処理、及び再接続検出処理
図4のS34,S36,及びS38と同様の手順で、スタンバイマイコン32は、無線LANアクセスポイント82からの送信データを受信し、無線接続の切断及び再接続を検出する。ただし、S36では、スタンバイマイコン32は、同じSSID又はMAC(media access control)アドレスを一定期間受信できない場合には、無線LANアクセスポイント82との間の接続が切断され、通信が不可能になったと判定し、S38に進む。また、切断と判定した後に、切断前と同じSSID又はMACアドレスを受信した場合には、スタンバイマイコン32は、切断前と同じ無線LANアクセスポイント82を再検出したと判断し、以下の処理を行う。SSID及びMACアドレスは、マネージメント・フレーム信号に含まれる。
(3)無線LANモジュール62と無線LANアクセスポイント82との間の再接続処理
切断前と同じ無線LANアクセスポイント82が再検出したと判断された場合には、S54の処理が行われる。S54では、スタンバイマイコン32は、通常動作状態への移行処理であるウェイクアップ処理を行う。S54の処理は、図4のS40及びS42とほぼ同様の処理である。
S56の処理は、図4のS44とほぼ同様の処理である。S56では、CPU12は、USBホストコントローラ40の内蔵メモリ42の情報を取得し、ウェイクアップの要因が、無線接続が切断された後の再接続の検出であることを、省電力制御ソフトウェア15Aに通知する。
S58では、CPU12は、省電力制御ソフトウェア15A及び無線LANドライバ15Bを使用して、無線LANモジュール62と無線LANアクセスポイント82との間における無線LAN通信のための認証を再び行い、無線LANモジュール62と無線LANアクセスポイント82との間の接続を再構築する。S60では、CPU12及びスタンバイマイコン32は、スタンバイ処理を行って、集積回路装置100を再びをスタンバイ状態にする。S60の処理は、図2の全体とほぼ同様の処理である。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。例えば各機能ブロックは、IC(集積回路)の一部として半導体基板上に形成され得る。ここでICは、LSI(large-scale integrated circuit)、ASIC(application-specific integrated circuit)、ゲートアレイ、FPGA(field programmable gate array)等を含む。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ及びプロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組合せで実現され得る。
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
以上説明したように、本開示によれば、消費電力を抑えながら、必要な時にUSBデバイスとの間でデータ転送を行うことができるので、本発明は、集積回路装置等について有用である。
12 CPU(第1プロセッサ)
14 ROM
16 システムメモリ
18 周辺ブロック
32 スタンバイマイコン(第2プロセッサ)
40 USBホストコントローラ
52 内部バス
54 USB
62 USB無線LANモジュール
82 無線LANアクセスポイント
100 集積回路装置

Claims (16)

  1. USB(universal serial bus)を介してUSBデバイスとの間で通信を行うUSBホストコントローラと、
    通常動作状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間の通信が可能になるようにするための処理を行い、スタンバイ状態において動作を停止する第1プロセッサと、
    前記スタンバイ状態において、前記USBホストコントローラを制御して、前記通常動作状態に移行するための処理を行い、前記通常動作状態において動作を停止する第2プロセッサとを備え、
    前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、前記USBホストコントローラに対する制御が、前記第1プロセッサによる制御と前記第2プロセッサによる制御との間で切り替えられる
    集積回路装置。
  2. 請求項1に記載の集積回路装置において、
    前記第1プロセッサは、前記通常動作状態から前記スタンバイ状態への移行時に、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第2プロセッサによる制御に切り替える
    集積回路装置。
  3. 請求項2に記載の集積回路装置において、
    前記USBデバイスは、無線LAN(local area network)通信機能を有する無線LANモジュールである
    集積回路装置。
  4. 請求項3に記載の集積回路装置において、
    前記USBデバイスは、無線によりデータを受信し、
    前記第2プロセッサは、前記無線により受信されたデータが前記USBデバイスに対するデータである場合には、前記通常動作状態への移行処理を行う
    集積回路装置。
  5. 請求項4に記載の集積回路装置において、
    前記第2プロセッサは、前記USBデバイスからのデータを受信する機能以外の機能の少なくとも一部を停止するように、前記USBホストコントローラを制御する
    集積回路装置。
  6. 請求項4に記載の集積回路装置において、
    前記第2プロセッサは、前記USBデバイスに無線によりデータを送信する無線LANアクセスポイントと前記USBデバイスとの間の接続が切断された後、前記無線LANアクセスポイントを再検出した場合には、前記通常動作状態への移行処理を行い、
    前記第1プロセッサは、無線LAN通信のための認証を行って、前記USBデバイスと前記無線LANアクセスポイントとの間の接続を再構築し、前記スタンバイ状態への移行処理を行う
    集積回路装置。
  7. 請求項2に記載の集積回路装置において、
    前記第2プロセッサは、前記スタンバイ状態から前記通常動作状態への移行時に、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第1プロセッサによる制御に切り替える
    集積回路装置。
  8. 請求項1に記載の集積回路装置において、
    前記第2プロセッサは、前記スタンバイ状態から前記通常動作状態への移行時に、前記第1プロセッサの動作を再開させる
    集積回路装置。
  9. USBを介してUSBデバイスとの間で通信を行うステップと、
    通常動作状態において、第1プロセッサが、USBホストコントローラを制御して、前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間の通信が可能になるようにするための処理を行い、第2プロセッサが動作を停止するステップと、
    スタンバイ状態において、前記第2プロセッサが、前記USBホストコントローラを制御して、前記通常動作状態に移行するための処理を行い、前記第1プロセッサが動作を停止するステップと、
    前記USBホストコントローラと前記USBデバイスとの間で通信可能な状態を維持したまま、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第1プロセッサによる制御と前記第2プロセッサによる制御との間で切り替えるステップとを備える
    集積回路装置の制御方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、
    前記USBホストコントローラに対する制御を切り替えるステップは、前記通常動作状態から前記スタンバイ状態への移行時に、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第2プロセッサによる制御に切り替える
    集積回路装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、
    前記USBデバイスは、無線LAN通信機能を有する無線LANモジュールである
    集積回路装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、
    前記USBデバイスが無線によりデータを受信するステップを更に有し、
    前記USBホストコントローラに対する制御を切り替えるステップは、前記無線により受信されたデータが前記USBデバイスに対するデータである場合には、前記通常動作状態への移行処理を行う
    集積回路装置の制御方法。
  13. 請求項12に記載の方法において、
    前記USBデバイスからのデータを受信する機能以外の機能の少なくとも一部を停止するように、前記USBホストコントローラを制御するステップを更に有する
    集積回路装置の制御方法。
  14. 請求項12に記載の方法において、
    前記USBデバイスに無線によりデータを送信する無線LANアクセスポイントと前記USBデバイスとの間の接続が切断された後、前記無線LANアクセスポイントが再検出された場合に、前記通常動作状態への移行処理及び無線LAN通信のための認証を行って、前記USBデバイスと前記無線LANアクセスポイントとの間の接続を再構築し、前記スタンバイ状態への移行処理を行うステップを更に有する
    集積回路装置の制御方法。
  15. 請求項10に記載の方法において、
    前記USBホストコントローラに対する制御を切り替えるステップは、前記スタンバイ状態から前記通常動作状態への移行時に、前記USBホストコントローラに対する制御を、前記第1プロセッサによる制御に切り替える
    集積回路装置の制御方法。
  16. 請求項9に記載の方法において、
    前記USBホストコントローラに対する制御を切り替えるステップは、前記スタンバイ状態から前記通常動作状態への移行時に、前記第1プロセッサの動作を再開させる
    集積回路装置の制御方法。
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