JP2013019615A - 通気乾燥装置 - Google Patents

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昭道 八太
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Abstract

【課題】原料ホッパーから原料を取り出すスクリュー輸送機をそのまま延長して原料の輸送に用い、底部から高温の気体を均一に貫流させることにより、操作が簡単で建設費の安い乾燥装置を提供する。
【解決手段】一端には乾燥しようとする原料が投入される原料投入口が、他端には前記原料が乾燥された乾燥物を取り出す乾燥物取出口が形成された筐体と、螺旋曲面状の板状部材である羽根を備え、前記筐体の内側において、前記筐体の一端から他端に向かい、前記筐体の一端と他端との中間位置まで延在するスクリューと、前記筐体の内部でスクリューを軸線の周りに回転させるスクリュー回転手段と、前記筐体の底部において原料に乾燥ガスを接触させる乾燥ガス均一分散送入手段と、を備える通気乾燥装置。
【選択図】図1

Description

本発明は乾燥装置、特に底部にスクリュー軸を設け、湿潤原料を移動すると同時に底部から温度の高い気体を送入して該原料を乾燥する通気乾燥装置に関する。
水分を含む固体であって形状と寸法のそろった原料を乾燥するための乾燥装置としては、底部に複数個のスクリューを設置して原料を輸送し、温度の高い空気あるいは燃焼ガスを貫流させる通気乾燥装置が公知である(特許文献1、2)。
剪定枝、刈草などのバイオマス、あるいは固形廃棄物のように形状、寸法、および密度の不揃いな含水原料(不均一原料)は、原料が相互に絡み合った状態になっているため、上記のような複数個のスクリューを有するスクリュー輸送機構上に送り込むと、スクリューの回転に伴ってスクリュー面に押されて移動するが、その上層の不均一原料がそれに引きずられて移動する。このとき、スクリュー面に沿った領域に存在する不均一原料と、スクリュー面上層に存在する不均一原料の状態を比べると、スクリュー面に沿った領域にはスクリュー面とスクリュー軸とがあるため、スクリュー原料が実質的に存在し得る空間はスクリュー面上層より小さくなり、不均一原料の棚つり減少の発生度合いが相対的に大きくなる。すなわち、スクリュー面に沿った領域における不均一原料の嵩密度は、スクリュー面上層の不均一原料の嵩密度より小さく、通気抵抗が小さくなる。例えば、不均一原料の長さがスクリューピッチより長いとき、該原料は、隣り合うスクリュー面の上端に乗る形で移動し、隣り合うスクリュー面の間への原料の落下が阻止されるから、スクリュー面に沿った領域の原料に起因する通気抵抗はゼロになる。これは極端な場合であるが、一般に不均一な原料が相対的に狭い空間に存在するとき、その通気抵抗は相対的に小さいといえる。
公知の技術においては、固定容器の側面あるいはスクリューの軸間に設置された通気口から温度の高い空気あるいは燃焼ガスを送入し、スクリューによって搬送される原料層の中を貫流させることによってこれを加熱乾燥するものである。しかし、上記のような空間ができる場合には、温度の高い空気あるいは燃焼ガスは流動抵抗の少ない該空間部を流れ、スクリュー上の原料の積層中を貫流することなく、吹き抜けることになる。すなわち、加熱、乾燥の効率が激減する。
乾燥した原料は、スクリューによって出口に運ばれ、重力の作用で落下排出されるが、このとき、乾燥に用いた空気や燃焼ガスを、上方に吸引することによって原料層中を通過させ、乾燥効率を高めることが考えられるが、乾燥原料の排出口から外気を吸引することになるから、原料層中を通過させる効率は著しく低下する。
ガスは、原料相中を貫流して抜き出す必要があるが、この場合、送入した高温の空気や燃焼ガスは、原料を乾燥することなく系外に排出されてしまう。水平方向に移動する原料中を乾燥ガスがクロスフローで貫通する装置が必要である。
また、乾燥用ガスとして空気あるいは燃焼ガスを用いることも問題がある。
湿原料がバイオマスや固形廃棄物の場合、発火する可能性があるので送入すべき空気あるいは燃焼ガスの温度をあまり高くすることができず、したがって加熱、乾燥の効率を高くすることができない。
更に、臭気成分を含有する固形廃棄物を乾燥する場合、空気あるいは燃焼ガスを直接に送入する上記の公知技術においては、排ガス中に悪臭が残り、環境汚染の原因となる。したがって大規模な脱臭設備が必要となる。
原料の乾燥に用いられる熱エネルギーの大部分は、水分の蒸発潜熱であるが、上記の公知技術では、発生した水蒸気は加熱用気体と一緒に大気中に放出されるので、この大きな熱エネルギーを回収することはできない。
湿原料の乾燥用熱源として高温の過熱水蒸気を用いれば、乾燥によって蒸発した水分は低温(100℃以上)の過熱水蒸気となって装置外に排出されるから、これは、公知の蒸発缶を用いれば清浄な加熱用低圧水蒸気に転化し、その保有する大きな凝縮潜熱を有効に利用することができるようになる。
特開2003−117370号公報 特開2003−287371号公報
上記の現状にかんがみ、本発明においては、原料ホッパーで使用されるスクリュー輸送機を原料ホッパーに隣接する箱状容器内にそのまま延長して該容器に原料を移動させるとともに、底部から高温の過熱水蒸気を均一に貫流させることにより、効率がよく、操作が簡単で建設費の安い乾燥装置を提供することを目的とする。
バイオマスや固形廃棄物のように空隙が多くて通気しやすい湿潤不均一原料をホッパーに投入して貯留し、その底部に実質的に水平なスクリュー輸送機を設置して、原料をホッパー側面の開口部から、箱状容器からなる通気乾燥領域に送り出す。該スクリュー輸送機は、開口部から外側に延長され、開口部に連結する通気乾燥領域の底部において原料を移動させ、該領域の他端から装置外に排出する。
該スクリュー輸送機の先端部で原料の落下、排出に近い領域においては、スパイラル板のない中心軸だけとし、必要によっては軸に撹拌棒を設置する。
高温度の加熱用気体、例えば過熱水蒸気は、ホッパー底部および通気乾燥領域底部に設置された気体分散板を通して送入される。送入する過熱水蒸気の量は、ホッパー部においては内部に充填されている粒片状原料でその全量が凝結し、通気乾燥領域においては、原料相中を還流するように制御する。送入した過熱水蒸気は、ホッパー部においては原料を100℃まで昇温し、通気乾燥部においては、原料層の上面を貫き抜けて排出し、その過程で原料を乾燥する。
上記スクリュー輸送機は、複数個の平行設置が好ましく、これにより、通気乾燥領域における原料の移動が通気乾燥に適する状態になる。すなわち、通気乾燥領域内の原料層は、その一部がスクリュー輸送機によって装置排出口へ向かって移動し、その移動に引きずられるようにしてスクリュー輸送機上部の部分も出口方向に向かって移動し、原料全体が実質的に同じ速度で装置排出口へ送られる。
スパイラル面と乾燥容器の断面形状の違いから、スクリュー下部にはスクリュー軸方向に繋がった空間ができるが、一方、スクリュー搬送機の先端部にはスクリューのスパイラル板がないから、スクリューで水平方向に送られてきた原料は、スクリュー搬送機の先端部においてそれ以上移動することなく、スクリュー軸の周りに落下する。その結果、スクリュー軸周辺は原料で充填されるから、上記空間は原料で遮断される。そのため、気体分散板を通して送入された気体の吹き抜けは防止される。
原料が剪定枝、刈草の混合物のように形状、寸法、密度が大きく異なる物質の場合、剪定枝のように大きなものの大部分は絡み合ってスクリュー上部を層を成して輸送されるので、スクリュー軸に沿って空間ができ、ガスの通路となってしまう。したがって、スパイラル板のない軸の効果は大きい。
本発明の通気乾燥装置により、バイオマス、固形廃棄物のような粒片状の湿潤不均一原料を、加熱気体の漏出、大気からの空気流入を完全に阻止しながら乾燥できる。したがって臭気を発生する原料を過熱水蒸気によって乾燥し、臭気の漏出を完全に遮断するとともに、発生水蒸気の再利用が可能となる。即ち、環境保全、エネルギー回収のため、運転が容易で建設費の小さい通気乾燥装置が提供される。
図1は、実施形態1に係る通気乾燥装置を示す縦断面図である。 図2の[A]は、図1に示す通気乾燥装置のI−I’断面を示す横断面図であり、図2の[B]は、上記通気乾燥装置のII−II’断面を示す断面図であり、図2の[C]はIII−III’の断面図である。 図3は、実施形態1に係る通気乾燥装置の他の例についてホッパー近傍の横断面を示す横断面図である。 図4は、スクリューを4列有する通気乾燥装置の構造を示す横断面図である。
1.実施形態1
以下、本発明の通気乾燥装置の一例について図1〜図4を用いて説明する。
図1に示す通気乾燥装置において、原料は、原料ホッパー1の上方に供給され、ホッパー内原料層2を形成する。原料ホッパー1の下方側壁には開口3が設けられ、開口3によって、通気乾燥領域4が原料ホッパー1と連通される。
原料ホッパー1内部の原料は、スクリュー輸送機5の作用によって通気乾燥領域に送られる。原料ホッパー1の底部には、分散板6が設置され、通気乾燥領域4には分散板7が設置される。加熱用気体は、夫々送入管8、および9を通じてホッパー内原料層2および通気乾燥領域内原料層10に送入され、貫流される。
スクリュー輸送機5は、好ましくは複数並列であり、通気乾燥領域4内の原料層の高さは、レベル調節板11によって調節される。スクリュー輸送機5は、公知であり、原料ホッパー1からの送出が均一になるものであればよい。
図1において、原料ホッパー1の底部から送入されてホッパー内原料層2を貫流する加熱気体は、ホッパー内原料層2の上面から装置外へ排出される。原料が臭気成分を含み、加熱用気体として過熱水蒸気を用いる場合、過熱用水蒸気は、その全量が凝縮し、ホッパー外へ排出しないようにする。また、通気乾燥領域4の底部から送入される加熱気体は、通気乾燥領域内原料層10を貫流後、排出口12を経て装置外に排出される。
図1において、スクリュー輸送機5の先端部は、スパイラル板のない中心軸だけとされているので、スクリュー軸周りの空間には原料10が充填される。その嵩密度はスパイラル板部の嵩密度より大きい。したがってスクリュー先端部における加熱気体の吹き抜けは防止される。
乾燥終了後の原料は、スクリュー輸送機5の他端から自然落下し、排出口13を経て装置外へ排出される。
図1、図2[A]、図2[B]、及び図2[C]に示すように、原料ホッパー1および通気乾燥領域4の横断面は矩形であるが、必ずしもこれに限定されず、図3に示すように上広がりの台形状とされていてもよい。
また、実施形態1は、図2[A]、図2[B]、及び図2[C]に示すようにスクリュー輸送機5が2個設けられているが、3個以上、例えば図4に示すように4個併列されていてもよい。
加熱用気体は、空気、燃焼ガス、過熱水蒸気のどれでもよく、また原料ホッパー1下部と通気乾燥領域4とに別々の気体を送入してもよい。また、必要がなければ原料ホッパー1底部からの加熱気体の送入を停止することもできる。
図1〜図4に示す分散板6、7は、公知であるが、本装置に対しては金網で裏打ちされた多孔板を適用するのが好ましい。
図2[C]に示すスクリュー輸送機5の先端部は、スパイラル板のない軸だけであるが、必要によってはこの軸に単数あるいは複数の攪拌棒を設置することができる。該撹拌棒の形状、寸法は任意である。
1 原料ホッパー
2 ホッパー内原料層
3 開口
4 通気乾燥領域
5 スクリュー輸送機
6 分散板
7 分散板
8 送入管
9 送入管
10 通気乾燥領域内原料層
11 レベル調節板
12 排出口

Claims (3)

  1. 一端には乾燥しようとする原料が投入される原料投入口が、他端には前記原料が乾燥された乾燥物を取り出す乾燥物取出口が形成された筐体と、
    螺旋曲面状の板状部材である羽根を備え、前記筐体の内側において、前記筐体の一端から他端に向かい、前記筐体の一端と他端との中間位置まで延在するスクリューと、
    前記筐体の内部でスクリューを軸線の周りに回転させるスクリュー回転手段と、
    前記筐体の底部において原料に乾燥ガスを接触させる乾燥ガス均一分散送入手段と、
    を備える通気乾燥装置。
  2. 前記スクリューにおける羽根の捩れ方向が互いに逆方向である対のスクリューを含む複数のスクリューを備える請求項1に記載の通気乾燥装置。
  3. 乾燥ガスが過熱水蒸気である請求項1または2に記載の通気乾燥装置。
JP2011154103A 2011-07-12 2011-07-12 通気乾燥装置 Withdrawn JP2013019615A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017512971A (ja) * 2014-03-31 2017-05-25 パイロテック インコーポレイテッド 一体化された排気ガス処理部を有するチップ乾燥機

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