JP2013019563A - 冷却システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フリークーリングで冷却水を冷却する冷却塔1と、冷却塔1に備わってインバータ駆動される冷却ファン6と、冷却塔1で冷却された冷却水と負荷装置3で昇温した冷水が熱交換する熱交換器2と、を含んでなり、さらに、外気の湿球温度ごと、および負荷装置3の負荷ごとに、冷却ファン6のバイアス周波数を設定するシミュレータと、湿球温度の実測値および負荷の実測値を演算する演算制御部72を有して構成され、シミュレータが設定するバイアス周波数のうち、湿球温度の実測値および負荷の実測値に対応するバイアス周波数を冷却ファン6の駆動周波数として出力する制御装置71と、を備える冷却システム100とする。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1には、冷却塔のファン動力の消費電力とポンプ動力の消費電力の合計を計算するシミュレータを有して、冷却塔のファン動力とポンプ動力のための消費電力を削減可能に冷却塔のファン及びポンプを制御する冷却システムが開示されている。
また、例えば特許文献2には、熱源機の冷房負荷を考慮して、冷却塔のファンの周波数制御を適正化する冷却システム(冷却塔)が開示されている。
このようなフリークーリングを利用した冷却システムでは、システム側の冷媒の、熱交換器出口における出口温度が目標温度になるように冷却塔のファンの周波数が制御される。
特に特許文献2に記載されるように、負荷におけるシステム側の冷媒(冷却水)の入口温度(熱交換器における冷却水の出口温度とほぼ等しい)と目標温度の偏差に比例する制御量で冷却塔のファンの周波数を制御することによって、当該入口温度と目標冷水温度の偏差を解消できる。
本実施形態に係る冷却システム100は、主に冷却塔1、冷却水ポンプ4、熱交換器2が、冷却水往管61および冷却水復管62で連結されて第1の冷水(以下、冷却水と称する)が循環する冷却水系統と、熱交換器2、冷水ポンプ5、負荷装置3が冷水往管63および冷水復管64で連結されて第2の冷水(以下、冷水と称する)が循環する冷水系統と、を含んで構成される。
冷却塔1にはインバータ51で駆動する冷却ファン6が備わり、冷却水復管62から流入する冷却水は、冷却ファン6によって冷却塔1に送風される外気で冷却されて、冷却水往管61に流出し、再度、冷却水ポンプ4によって熱交換器2に流入する。
このように冷却水は冷却水系統を循環し、熱交換器2で冷水系統を循環する冷水を冷却する。
熱交換器2に流入した冷水は、冷却水系統を流通する冷却水と熱交換して冷却されて冷水往管63に流出し、再度、冷水ポンプ5によって負荷装置3に流入する。
このように、冷水は冷水系統を循環して負荷装置3の冷媒を冷却する。
冷水系統の冷水往管63には、流通する冷水の水温を計測するための熱交換器出口温度センサ34と、流通する冷水の流量を計測する冷水流量計35と、が熱交換器2の出口側に配設される。また、熱交換器2に流入する冷水の水温を計測するための熱交換器入口温度センサ36が熱交換器2の入口側の冷水復管64に配設される。
さらに、冷却システム100には、外気温度を計測する外気温度計37と、外気の湿度を計測する外気湿度計38が備わっている。
また、制御装置71は、熱交換器2における冷水の出口温度(以下、熱交換器出口冷水温度と称する)が所定の制御目標値となるように、冷却水ポンプ4、冷水ポンプ5および冷却ファン6の回転速度を制御する。
ファン制御信号は所定の駆動周波数を有する交流信号であって冷却ファン6に備わるインバータ51に入力され、インバータ51でファン制御信号に同期する駆動電流に変換されて冷却ファン6を駆動する。
冷却水量制御信号は所定の駆動周波数を有する交流信号であって冷却水ポンプ4に備わるインバータ52に入力され、インバータ52で冷却水量制御信号に同期する駆動電流に変換されて冷却水ポンプ4を駆動する。
また、冷水量制御信号は所定の駆動周波数を有する交流信号であって冷水ポンプ5に備わるインバータ53に入力され、インバータ53で冷水量制御信号に同期する駆動電流に変換されて冷水ポンプ5を駆動する。
このように、冷却ファン6、冷却水ポンプ4、および冷水ポンプ5は、それぞれインバータ51,52,53によって、それぞれ異なった駆動周波数でインバータ駆動される。
流量取得部82には冷却水流量計32と冷水流量計35の各出力信号が入力され、流量取得部82はこれらの出力信号に基づいて冷却水系統における冷却水の流量と、冷水系統における冷水の流量を取得する。
また、水温取得部83には、冷却塔出口温度センサ31、冷却塔入口温度センサ33、熱交換器出口温度センサ34、および熱交換器入口温度センサ36の各出力信号が入力され、水温取得部83はこれらの出力信号に基づいて、冷却塔1(図1参照)における冷却水の入口温度、冷却塔1における冷却水の出口温度、熱交換器2(図1参照)における冷水の入口温度、および熱交換器2における冷水の出口温度(熱交換器出口冷水温度)を取得する。
負荷算出部86は、流量取得部82が取得する冷水の流量と、水温取得部83が取得する熱交換器出口冷水温度および熱交換器2における冷水の入口温度と、に基づいて負荷装置3(図1参照)における負荷を算出する。負荷算出部86は、熱交換器出口温度センサ34の実測値、熱交換器入口温度センサ36の実測値、および冷水流量計35の実測値に基づいて負荷装置3の負荷を算出することから、本実施形態においては、負荷算出部86が算出する負荷装置3の負荷を実測値とする。
比例制御部97は、目標温度設定部84で設定される目標冷水温度と、水温取得部83で取得される熱交換器出口冷水温度と、の偏差をゼロにするように、冷却ファン6(図1参照)を制御するための制御信号を生成する。
そして、周波数換算部98は、比例制御部97が生成した制御信号を冷却ファン周波数に換算する。
そして、冷却ファン6(図1参照)の回転速度の変動や、外気の湿球温度や負荷装置3における負荷の変化などに応じて、熱交換器出口冷水温度と目標冷水温度に偏差が生じると、比例制御部97での比例制御に加えて積分制御を併用して偏差をゼロにするように構成される(いわゆる、PI動作)。
本実施形態においては、熱交換器出口冷水温度と目標冷水温度の偏差をゼロに維持するための冷却ファン周波数を、以下、バイアス周波数と称する。
しかしながら積分制御は、オフセットの積分値が所定の値になったときに始めてオフセットを解消する動作が開始されるため応答が遅く、負荷が連続的に変化するときなどは、その負荷の変化に応じて変化するバイアス周波数のオフセットを速やかに解消できない。
本実施形態に係る周波数データテーブル74は、図4に示すように、負荷装置3の負荷と、外気の湿球温度と、当該負荷および湿球温度のときの冷却ファン周波数と、の関係を示すマップ形式のデータテーブルであることが好ましい。
さらに、周波数データテーブル74に登録される冷却ファン周波数は、対応する湿球温度と負荷のときに、熱交換器出口冷水温度を目標冷水温度に維持するように冷却ファン6(図1参照)を駆動するためのバイアス周波数であることが好ましい。
つまり、本実施形態に係る周波数データテーブル74は、外気の湿球温度ごと、および負荷装置3(図1参照)の負荷ごとに、冷却ファン6のバイアス周波数を設定するためのデータテーブルであることが好ましい。
具体的に、周波数算出部96は、湿球温度算出部85(図2参照)が算出する外気の湿球温度と、負荷算出部86(図2参照)が算出する負荷装置3(図1参照)の負荷と、に対応するバイアス周波数を周波数データテーブル74から選択する。
周波数データ生成部87(図2参照)は周波数算出部96が選択したバイアス周波数を制御量として出力し、出力部73(図2参照)がこの制御量を制御信号として冷却ファン6(図1参照)を駆動する。この構成によって、冷却ファン6は設定されたバイアス周波数で駆動する。
したがって、湿球温度および負荷の少なくとも一方が変化したとき、制御装置71(出力部73)は、変化後の湿球温度と変化後の負荷に対応するバイアス周波数を冷却ファン周波数(駆動周波数)として速やかに出力することができ、冷却ファン周波数のオフセットが速やかに解消される。
比例制御部97による、偏差を解消するための比例制御(P動作)は公知の技術を利用することができ、詳細な説明は省略する。
シミュレータは、冷却システム100を理論的にモデル化したものであれば実機でなくてもよく、例えば、演算装置である制御装置71(図1参照)および制御装置71が実行するプログラムで構成されるものであってもよい。
このように制御装置71をシミュレータとすることで、シミュレータを備える冷却システム100とすることができる。
この操作を、湿球温度および負荷を適宜変更して実行することによって、湿球温度ごと、および負荷ごとにバイアス周波数が設定されるマップ形式のデータテーブルである周波数データテーブル74が作成される。
図5を参照して、シミュレータ(制御装置71)が周波数データテーブル74を作成する手順の一例を説明する(適宜図1〜図4参照)。
そして、任意の冷却ファン周波数を設定する(ステップS4)。
例えば、湿球温度が最低温度Temp1から最高温度Temp2まで、ΔTempの間隔で変化するときのバイアス周波数を設定する場合、シミュレータは最初に湿球温度を最低温度Temp1に設定する。
また、負荷装置3の負荷が最低負荷Work1から最高負荷Work2までΔWorkの間隔で変化するときのバイアス周波数を設定する場合、シミュレータは最初に負荷を最低負荷Work1に設定する。
また、最初のステップで冷却ファン周波数は適宜設定される。
Qct=G・(h2−h1) ・・・(1)
Qct=Cp・L・(T2in−T2out) ・・・(2)
Qct=Ka・V・Δh ・・・(3)
Δh=((hw1−h2)−(hw2−h1))/
ln((hw1−h2)/(hw2−h1)) ・・・(4)
但し、
T2in:冷却塔入口冷却水温度
T2out:冷却塔出口冷却水温度
V:充填層体積
L:冷却水流量
G:空気風量
Ka:エンタルピ基準総括熱伝達係数
h1:大気の冷却塔入口湿度に対する大気の比エンタルピ
h2:大気の冷却塔出口湿度に対する大気の比エンタルピ
hw1:冷却塔入口冷却水温度に対する大気の比エンタルピ
hw2:冷却塔出口冷却水温度に対する大気の比エンタルピ
Qct:冷却塔交換熱量
Δh:対数平均エンタルピ差
Cp:水の比熱
シミュレータは式(1)〜(4)を利用して、冷却塔出口冷却水温度(T2out)を算出する。なお、空気風量Qは設定される冷却ファン周波数に基づいてシミュレータが算出する値となる。
シミュレータは、下式(5)で示される負荷装置3のバランス式に基づいて、負荷出口冷水温度を算出する。
T1out=T1in+Q/(Cp・Gchw) ・・・(5)
但し、
T1out:負荷出口冷水温度
T1in:負荷入口冷水温度
Q:負荷
Gchw:冷水流量
Cp:水の比熱
シミュレータは式(5)を利用して、負荷出口冷水温度(T1out)を算出する。
Qhex=Cp・Gcw・(Tcwout−Tcwin) ・・・(6)
Qhex=Cp.Gchw・(Tchwin−Tchwout) ・・・(7)
Qhex=K・A・ΔT ・・・(8)
ΔT=(Tchwin−Tcwout)/
ln((Tchwin−Tcwout)/
(Tchwout−Tcwin)) ・・・(9)
但し、
Qhex:熱交換器交換熱量
Tcwin:熱交換器入口冷却水温度
Tcwout:熱交換器出口冷却水温度
Tchwin:熱交換器入口冷水温度
Tchwout:熱交換器出口冷水温度
Gcw:熱交換器冷却水流量
Gchw:熱交換器冷水流量
K:総括熱伝達係数
A:伝熱面積
ΔT:対数平均温度差
Cp:水の比熱
シミュレータは式(6)〜(9)を利用して、熱交換器出口冷却水温度(Tcwout)および熱交換器出口冷水温度(Tchwout)を算出する。
この構成によって、設定されている外気の湿球温度と負荷装置3の負荷に対応するバイアス周波数が設定される。
そして、負荷装置3の負荷として設定されている値が、バイアス周波数を設定する負荷の上限に達していない場合、つまり、負荷装置3の負荷が最高負荷Work2に設定されていない場合(ステップS10→No)、シミュレータは現在設定されている負荷に負荷の増加分ΔWorkを加算して、設定する負荷を更新し(ステップS11)、手順をステップS4に戻す。
ステップS11での負荷の更新によって、負荷装置3の負荷を実際に更新することなく、負荷がデータ上で仮想的に変化することになる。
一方、湿球温度が最高温度Temp2に設定されているとき(ステップS12→Yes)、シミュレータは全ての負荷と湿球温度に対応するバイアス周波数が設定されたと判定して、周波数データテーブル74を設定する手順を終了する。
ステップS13での湿球温度の更新によって、実際の湿球温度にかかわらず、湿球温度がデータ上で仮想的に変化することになる。
具体的にシミュレータは、算出した熱交換器出口冷水温度が目標冷水温度より低いとき、冷却ファン周波数が低くなるように再設定し、算出した熱交換器出口冷水温度が目標冷水温度より高いとき、冷却ファン周波数が高くなるように再設定する。
また、図5には、冷却塔出口冷却水温度を算出するステップS5が、負荷出口冷水温度を算出するステップS6より先のステップとして記載されているが、ステップS5,6については手順が前後してもよいし、並行して同時に実行されてもよい。
なお、図4に示す周波数データテーブル74の一例は、負荷装置3の負荷が最低負荷10kWから10kW間隔で増え、外気の湿球温度が最低温度10℃から1℃間隔で上昇するときのバイアス周波数が設定されている。
例えば、図4に示す周波数データテーブル74は、外気の湿球温度と負荷装置3(図1参照)の負荷に応じてバイアス周波数が設定されているが、外気の湿球温度と冷却塔1の負荷率に応じたバイアス周波数が設定される構成であってもよい。
この場合、制御装置71(図1参照)は、冷却塔1(図1参照)の最大冷却時の負荷を100%とした負荷率と、湿球温度に基づいてバイアス周波数を設定できる。
そして、制御装置71(図1参照)は、湿球温度と負荷に基づいて周波数データテーブル74から選択される周波数で冷却水ポンプ4または冷水ポンプ5を駆動するように構成される。
2 熱交換器
3 負荷装置
6 冷却ファン
71 制御装置(シミュレータ)
74 周波数データテーブル(データテーブル)
85 湿球温度算出部
86 負荷算出部
Claims (5)
- フリークーリングで第1の冷水を冷却する冷却塔と、
インバータ駆動されて前記冷却塔に外気を送風する冷却ファンと、
前記冷却塔で冷却された前記第1の冷水と負荷装置で昇温した第2の冷水が熱交換して前記第2の冷水を冷却する熱交換器と、を含んで構成される冷却システムであって、
外気の湿球温度ごと、および前記負荷装置の負荷ごとに、前記冷却ファンのバイアス周波数を設定するシミュレータと、
前記湿球温度の実測値を算出する湿球温度算出部および前記負荷の実測値を算出する負荷算出部を有して構成され、前記シミュレータが設定する前記バイアス周波数のうち、前記湿球温度の実測値および前記負荷の実測値に対応する前記バイアス周波数を前記冷却ファンの駆動周波数として出力する制御装置と、
を備えることを特徴とする冷却システム。 - 前記制御装置は、
前記湿球温度の実測値および前記負荷の実測値の少なくとも一方が変化したときに、変化後の前記湿球温度および変化後の前記負荷に対応する前記バイアス周波数を前記駆動周波数として出力し、
前記熱交換器における前記第2の冷水の出口温度と、予め設定される目標温度と、に偏差が生じたときには、前記偏差を解消するように前記駆動周波数を調節することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。 - 前記制御装置は、前記偏差に基づく比例制御によって前記駆動周波数を調節することを特徴とする請求項2に記載の冷却システム。
- 前記シミュレータは、
前記湿球温度ごと、および前記負荷ごとに前記バイアス周波数が設定されるデータテーブルを作成し、
前記制御装置は、前記湿球温度の実測値および前記負荷の実測値に対応して前記データテーブルから選択される前記バイアス周波数を前記駆動周波数として設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷却システム。 - 前記シミュレータは、
前記湿球温度および前記負荷をパラメータとして仮想的に変化させて、前記湿球温度ごと、および前記負荷ごとに前記バイアス周波数を設定して、前記データテーブルを作成することを特徴とする請求項4に記載の冷却システム。
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