JP2013019299A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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陽平 細川
Taro Furukoshi
太郎 古越
Hirotaka Watanabe
寛隆 渡邉
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Abstract

【課題】ウォータジャケット、エンジン外部のヒータ用循環路、第1、第2バイパス通路、大流量弁、小流量弁を有するエンジン冷却装置において、大流量弁を開弁させることによりヒータコアに冷却液が流通するときに流動音の発生を抑制または防止可能とする。
【解決手段】ウォータジャケット2、エンジン1外部のヒータ用循環路3、第1、第2バイパス通路21,22、大流量弁23、小流量弁24を有するエンジン冷却装置において、大流量弁23の開閉応答性が、小流量弁24の開閉応答性よりも遅く設定されている。これにより、大流量弁23を開弁開始させると、大流量弁23の開度が比較的緩やかに漸増するようになるので、ウォータジャケット2からヒータ用循環路3へ流入する冷却液の流量が徐々に増えるようになる。そのため、ヒータコア12に冷却液が流通するときに流動音が発生しにくくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのウォータジャケットから冷却液を取り出してラジエータで冷却してから前記ウォータジャケットに戻す形態、エンジンのウォータジャケットから冷却液を取り出してラジエータをバイパスしてヒータ用循環路に流入させてから前記ウォータジャケットに戻す形態、ヒータコアから大気放出される熱を車両室内に供給する形態を実行可能とする構成のエンジン冷却装置に関する。
例えば特許文献1には、エンジンのウォータジャケットにヒータ用循環路(冷却水通路)を接続し、このヒータ用循環路に排気熱回収器、ヒータコアならびにウォータポンプを設置し、前記ヒータ用循環路にエンジンを迂回させる迂回通路を設け、さらにラジエータを設置したラジエータ通路を設けるようにした構成が記載されている。
また、エンジンのウォータジャケットの排出側とヒータ用循環路と迂回通路との合流部には三方弁が設置されている。この三方弁は、ウォータジャケットの冷却液流通を停止させて迂回通路とヒータ用循環路との間で冷却液を循環させるCold時冷却水ルートを確保する他、迂回通路の冷却液流通を停止させてウォータジャケットとヒータ用循環路との間で冷却液を循環させるHot時冷却水ルートを確保する。
さらに、ラジエータ通路とヒータ用循環路との接続部位には、サーモスタットが設置されている。このサーモスタットは、ヒータ用循環路を流通する冷却液の温度が高温になったときに開弁してウォータジャケットからラジエータ通路を経てヒータ用循環路へ冷却液を流通させる状態にする一方、ヒータ用循環路を流通する冷却液の温度が低温のときに閉弁してウォータジャケットからラジエータ通路を経てヒータ用循環路へ冷却液が流通することを停止させる状態にする。
この特許文献1の動作としては、エンジンの冷間始動時には三方弁で前記Cold時冷却水ルートを確保する。これにより、エンジンのウォータジャケットの冷却液流通が停止されるので、エンジンの暖機が促進されることになる。
そして、エンジンが暖機完了すると、サーモスタットが開弁するとともに、三方弁で前記Hot時冷却水ルートを確保する。これにより、ウォータジャケットからラジエータ通路へ冷却液が流通して冷却されるようになるとともに、この冷却液がヒータ用循環路からウォータジャケットへ還流されるようになるので、エンジンのオーバーヒートが防止される。
ところで、この特許文献1の場合には、エンジンの暖機中でも車両室内の暖房(ヒータ使用)を行えるようにしている。つまり、運転者により暖房が要求されると、迂回通路とヒータ用循環路との間で冷却液を循環させることにより排気熱回収器で回収した熱で冷却液を昇温させて、ヒータコアにヒータブロアで風を吹きつけることによりヒータコアから大気放出される熱風を車両室内に供給させる。
さらに、特許文献1の段落0073−0078に記載されているように、例えばエンジン暖機完了に伴いCold時冷却水ルートからHot時冷却水ルートに切り替える際に、暖房中でなければ即座にHot時冷却水ルート切り替えるが、暖房中であればヒータコアに流入する冷却液温度の急変を抑制するために、三方弁を所定時間だけ中間温度モードにした後でHot時冷却水ルートに切り替える。なお、前記中間温度モードとは、前記三方弁でウォータジャケットから排出される冷却液と迂回通路から流入される冷却液とを混合させる状態のことである。
特開2009−150266号公報
上記特許文献1は、Cold時冷却水ルートからHot時冷却水ルートに切り替える際に、暖房中であれば、ヒータコア内の冷却液温度の急変を抑制するために、三方弁を所定時間だけ中間温度モードにした後でHot時冷却水ルートに切り替えるようにしている。
しかしながら、上記特許文献1では、暖房中でなければ即座にHot時冷却水ルートに切り替えるようにしているため、エンジンのウォータジャケットからヒータ用循環路に冷却液が急激に大量に流入するようになる。そのために、ヒータ用循環路に設置されているヒータコアに急激に大量の冷却液が流通するようになるので、比較的大きな流動音が発生する可能性が高くなる。通常、要求の冷却水ルートを可及的速やかに成立させるために、三方弁の切り替え速度が可及的に速くなるように設定されるので、前記のように冷却液の流量が急激に変化するのである。
このような事情に鑑み、本発明は、ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ヒータ用循環路に流入させるための第1、第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路に設置される大流量弁と、前記第2バイパス通路に設置される小流量弁とを備えるエンジン冷却装置において、前記大流量弁を開弁させることによりヒータコアに冷却液が流通するときに流動音の発生を抑制または防止可能とすることを目的としている。
本発明に係るエンジン冷却装置は、ヒータコアおよびウォータポンプが途中に設置されるヒータ用循環路と、エンジンのウォータジャケットの冷却液をラジエータを通してから前記ヒータ用循環路に流入させるためのラジエータ通路と、前記ヒータ用循環路から前記ウォータジャケットに冷却液を流入させるための還流路と、前記ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ヒータ用循環路に流入させるための第1、第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路に設置される大流量弁と、前記第2バイパス通路に設置される小流量弁とを備え、前記大流量弁の開閉応答性が、前記小流量弁の開閉応答性よりも遅く設定されている、ことを特徴としている。
この構成では、大流量弁を開弁開始させると、当該大流量弁の開度が開弁開始から比較的緩やかに漸増するようになるので、前記ウォータジャケットから前記第1バイパス通路を経て前記ヒータ用循環路に流入する冷却液の流量が開弁開始から徐々に増えるようになる。そのため、前記ヒータコアを流通する冷却液の流量が時間経過に伴い徐々に増えるようになるので、前記ヒータコアに冷却液が流通するときに流動音の発生が抑制または防止されるようになる。
好ましくは、前記ラジエータ通路において前記ラジエータよりも下流側には、サーモスタットが設置され、このサーモスタットは、前記ヒータ用循環路の冷却液温度がエンジン暖機完了温度以上のときに開弁して前記ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータ通路を経て前記ヒータ用循環路に流入させる状態にする。
この構成では、前記ヒータ用循環路の冷却液温度が前記エンジン暖機完了温度(サーモスタットの開弁温度)以上になると、前記サーモスタットが自動的に開弁することになる。これにより、前記ウォータジャケットの冷却液が前記ラジエータおよび前記ラジエータ通路を経て前記ヒータ用循環路に流入されるようになる。
なお、前記サーモスタットとは、自動車関連業界において温度感知型自動作動弁のことを意味している。このようなサーモスタットを用いる場合には、エンジン水温センサや制御系が不要となり、設備コストの無駄な上昇を抑制することが可能になる。
本発明は、ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ヒータ用循環路に流入させるための第1、第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路に設置される大流量弁と、前記第2バイパス通路に設置される小流量弁とを備えるエンジン冷却装置において、前記大流量弁を開弁させることによってヒータコアに冷却液が流通するときに流動音の発生を抑制または防止することが可能になる。
本発明に係るエンジン冷却装置の一実施形態の概略構成を示す図である。 図1のエンジン冷却装置の制御系の概略構成を説明するための図である。 図1においてエンジンの暖機完了後における冷却液流通経路を説明するための図である。 図1においてエンジンの暖機途中段階で小流量弁を開弁したときの冷却液流通経路を説明するための図である。 図1においてエンジンの暖機途中段階で大流量弁を開弁したときの冷却液流通経路を説明するための図である。 図5のように大流量弁を開弁開始してからのウォータジャケットの冷却液流量およびヒータ用循環路の冷却液流量の時間経過に伴う変化を示すグラフである。 本発明に係るエンジン冷却装置の他の例で、E/G_ECUにおいて大流量弁の開弁要求に応答する制御を説明するためのフローチャートである。 図7のフローチャートに対応した動作説明に用いるグラフである。(a)は大流量弁の上流側領域の冷却液圧力と下流側領域の冷却液圧力との差の時間経過に伴う変化を示すグラフである。(b)はヒータコアへの冷却液流量の時間経過に伴う変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6に本発明の一実施形態を示している。図中、1はエンジンである。このエンジン1の内部にはウォータジャケット2が設けられている。
エンジン1の吸気通路には、エンジン1の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ6が設けられている。このスロットルバルブ6の開度を変更するためのスロットルモータ7の動作は、下記するエンジン用のエレクトロニックコントロールユニット(以下、E/G_ECUとする)100によって制御される。
このウォータジャケット2はシリンダブロックとシリンダヘッドとにそれぞれ設けられていて、それぞれの複数箇所が互いに連通されている。このウォータジャケット2の冷却液排出口2aはシリンダヘッド側に、また、ウォータジャケット2の冷却液流入口2bはシリンダブロック側にそれぞれ設置されている。
エンジン1の外部には閉ループ状のヒータ用循環路3が設けられている。このヒータ用循環路3はエンジン1のウォータジャケット2にラジエータ通路4と還流路5とを介して接続されており、必要に応じてウォータジャケット2とヒータ用循環路3とで冷却液を循環させることが可能になっている。これらウォータジャケット2、ヒータ用循環路3、ラジエータ通路4、還流路5を流通する冷却液は、例えばエチレングリコールの水溶液などの不凍液とされる。
ヒータ用循環路3の途中には、ウォータポンプ11、ヒータコア12などが設置されている。
ウォータポンプ11は、ヒータ用循環路3において還流路5寄りの位置に設置されている。このウォータポンプ11は、ヒータ用循環路3においてラジエータ通路4との接続部から還流路5との接続部に至るまでの上流側領域3aに設置されている。このウォータポンプ11は、電動式とされていて、その動作はE/G_ECU100により制御される。
ヒータコア12は、ヒータ用循環路3を流通する冷却液と大気との間で熱交換するための熱交換器である。このヒータコア12は、ヒータ用循環路3において還流路5との接続部からラジエータ通路4との接続部に至るまでの下流側領域3bに設置されている。このヒータコア12から大気放出される熱は、ヒータブロア13を作動させることによって車両室内に供給されることによって車両室内が暖房される。ヒータブロア13の動作は、下記するエアコンディショナ用のエレクトロニックコントロールユニット(以下、A/C_ECUとする)200により制御される。
ラジエータ通路4は、ウォータジャケット2の排出口2aとヒータ用循環路3の下流側領域3bにおいてヒータコア12よりも冷却液流通方向下流側とに接続されている。このラジエータ通路4の途中にはラジエータ15が設置されている。ラジエータ15は、ラジエータ通路4を流通する冷却液と大気との間で熱交換するための熱交換器である。このラジエータ通路4は、エンジン1のウォータジャケット2の冷却液をラジエータ15に通してからヒータ用循環路3の下流側領域3bにおいてヒータコア12よりも冷却液流通方向下流側に流入させるための流路である。
還流路5は、ウォータジャケット2の流入口2bとヒータ用循環路3においてウォータポンプ11の冷却液流通方向下流側とに接続されている。この還流路5は、ヒータ用循環路3からウォータジャケット2の流入口2bに冷却液を流入させるための流路である。
さらに、ラジエータ通路4においてラジエータ15よりも下流側には、サーモスタット16が設置されている。このサーモスタット16は、公知の構成であるので詳細に図示していないが、ヒータ用循環路3を流通する冷却液温度がエンジン暖機完了温度(例えば約88℃)Th未満のとき、サーモワックスが凝固収縮してワックス圧が低くなるので、弁体が自動的に閉側になってラジエータ通路4からヒータ用循環路3への冷却液流通を少なくするが、ヒータ用循環路3を流通する冷却液温度が前記エンジン暖機完了温度Th以上になると、サーモワックスが溶融膨張されてワックス圧が高くなるので、前記弁体が自動的に全開になってラジエータ通路4からヒータ用循環路3への冷却液流通を許容する。
詳しくは、このサーモスタット16は、ヒータ用循環路3を流通する前記エンジン暖機完了温度Thより低い所定温度(例えば約82℃)未満になると全閉状態になり、当該所定温度を超えてから開き始め、前記エンジン暖機完了温度Thになると全開状態になる。このサーモスタット16が全閉のときでも、ヒータ用循環路3のヒータコア12からウォータポンプ11へ冷却液が常に流通するようになっている。
さらに、ラジエータ通路4においてラジエータ15よりも冷却液流通方向上流側と、ヒータ用循環路3の下流側領域3bとには、第1、第2バイパス通路21,22が並列に接続されている。詳しくは、第1、第2バイパス通路21,22の冷却液流通方向上流側は、それぞれラジエータ通路4においてラジエータ15とエンジン1のウォータジャケット2の排出口2aとの間の位置に接続されている。また、第1、第2バイパス通路21,22の冷却液流通方向下流側は、それぞれヒータ用循環路3の下流側領域3bにおいてヒータコア12より冷却液流通方向上流側に接続されている。
第1、第2バイパス通路21,22は、エンジン1のウォータジャケット2の冷却液をラジエータ15をバイパスしてヒータ用循環路3の下流側領域3bにおいてヒータコア12よりも冷却液流通方向上流側に流入させるための流路である。
第1バイパス通路21の途中には、大流量弁23が設置されており、また、第2バイパス通路22の途中には、小流量弁24が設置されている。これら大流量弁23および小流量弁24は、この実施形態において常閉型の電磁弁とされており、E/G_ECU100により開閉動作される。具体的に、E/G_ECU100で大流量弁23または小流量弁24のソレノイドに通電すると開弁され、また、当該ソレノイドに対する通電を停止すると閉弁されるようになっている。
E/G_ECU100は、例えばエンジン1の各種動作を制御するためのエンジン用のコントロールコンピュータと呼ばれる。このE/G_ECU100は、詳細に図示していないが、共にCPU(中央処理装置)、ROM(プログラムメモリ)、RAM(データメモリ)、ならびにバックアップRAM(不揮発性メモリ)などを備える公知の構成とされる。
ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン1の停止時にその保存すべきデータなどを記憶する不揮発性のメモリである。
E/G_ECU100は、エンジン1の温度調節をするために、エンジン水温センサ31およびヒータ水温センサ32の各検出出力の入力に基づいて、電動式のウォータポンプ11、大流量弁23、小流量弁24などの動作を制御する。エンジン水温センサ31は、エンジン1のウォータジャケット2の排出口2a付近に設置されており、当該設置場所の冷却液温度(以下、単にウォータジャケット2の冷却液温度thw1とする)を検出する。また、ヒータ水温センサ32は、ヒータ用循環路3においてヒータコア12よりも冷却液流通方向上流側に設置されており、当該設置場所の冷却液温度(以下、単にヒータ用循環路3の冷却液温度thw2とする)を検出する。
A/C_ECU200は、例えば車両室内の空調動作を制御するためのエアーコンディショナ用のコントロールコンピュータと呼ばれる。このA/C_ECU200は、詳細に図示していないが、E/G_ECU100と同様、CPU(中央処理装置)、ROM(プログラムメモリ)、RAM(データメモリ)、ならびにバックアップRAM(不揮発性メモリ)などを備える公知の構成とされる。
このA/C_ECU200には、車両室内に設置されるヒータスイッチ41および切替スイッチ42の各出力信号が入力される。ヒータスイッチ41は、暖房を実行または停止させるために運転者によりオン・オフ操作されるものである。また、切替スイッチ42は、暖房能力の大(強)、小(弱)を切り替えるために運転者により押動操作されるものである。
そして、A/C_ECU200は、運転者によるヒータスイッチ41のオン操作によって暖房の実行が要求されたときに、ヒータブロア13を作動させるための信号をE/G_ECU100に入力することにより、E/G_ECU100によりヒータブロア13を作動させるようにする。ヒータブロア13が作動されると、ヒータコア12から大気放出される熱が車両室内に供給されるようになる。また、A/C_ECU200は、運転者による切替スイッチ42の押動操作によって暖房能力の切り替え処理の実行が要求されたときに、ヒータブロア13の作動能力を制御するための信号をE/G_ECU100に入力することにより、E/G_ECU100によりヒータブロア13の作動能力を要求に対応させるようにする。
ここで、エンジン1の冷間始動時の基本的な動作について説明する。
エンジン1が冷間始動された場合、つまりエンジン1の始動時においてサーモスタット16の近傍の冷却液温度がエンジン暖機完了温度Th未満である場合には、サーモスタット16が閉じているので、エンジン1のウォータジャケット2の冷却液流通が停止する状態になる。これにより、エンジン1の燃焼室の熱によってエンジン1およびウォータジャケット2の冷却液が比較的早期に昇温することになる。
そうして、ヒータ用循環路3においてサーモスタット16近傍の冷却液温度がエンジン暖機完了温度Th以上になると、サーモスタット16が全開になるので、図3の矢印で示すように、エンジン1のウォータジャケット2の冷却液がラジエータ通路4およびラジエータ15を通ることで冷却されてからヒータ用循環路3に流入される。そして、ヒータ用循環路3を循環する冷却液の一部が還流路5を経てエンジン1のウォータジャケット2に戻される。このようにしてウォータジャケット2の冷却液温度thw1およびヒータ用循環路3の冷却液温度thw2が所定温度範囲に保たれるようになる。
ところで、エンジン1の暖機中において、大流量弁23または小流量弁24を開弁するとともに、電動式のウォータポンプ11を適宜の能力で作動させることにより、図4または図5の矢印で示すように、第1バイパス通路21または第2バイパス通路22を経てウォータジャケット2とヒータ用循環路3との間で冷却液を循環させる処理の実行が要求されることがある。
この実施形態では、大流量弁23の開閉応答性が小流量弁24の開閉応答性よりも遅く設定されている。つまり、大流量弁23の開弁速度ならびに閉弁速度が小流量弁24の開弁速度ならびに閉弁速度よりも遅く設定されている。
具体的に、大流量弁23は、開弁開始させてから全開になるまでの間、ソレノイドにより発生する弁体の吸引力(磁力)が比較的緩やかに漸増する仕様に設計されるとともに、閉弁開始から全閉(閉弁終了)になるまでの間、ソレノイドにより発生する弁体の吸引力(磁力)を比較的緩やかに漸減する仕様に設計される。大流量弁23の開弁速度ならびに閉弁速度は、適宜の実験またはシミュレーションにより把握した固定値に設定される。
これにより、大流量弁23は、開弁開始から全開(開弁終了)になるまでに要する時間、ならびに閉弁開始から全閉(閉弁終了)になるまでに要する時間が小流量弁24の場合に比べて長く設定されている。
このような大流量弁23を備える場合、大流量弁23を開弁開始させると、当該大流量弁23の開度が比較的緩やかに漸増するようになるので、ウォータジャケット2から第1バイパス通路21を経てヒータ用循環路3に流入される冷却液の流量が開弁開始から徐々に増えるようになる。
そのため、図6に示すように、ウォータジャケット2を流通する冷却液の流量およびヒータ用循環路3を流通する冷却液の流量が時間経過に伴い従来例に比べて比較的緩やかに漸増するようになるので、結果的にヒータコア12に冷却液が流通するときに流動音の発生を抑制または防止することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)上記実施形態では、大流量弁23の開閉応答性を小流量弁24の開閉応答性よりも遅く設定するために、大流量弁23の仕様そのものを設計するようにした例を挙げているが、本発明はこれに限定されず、例えば大流量弁23を開閉応答性を制御系(E/G_ECU100)により適宜に設定することが可能である。
具体的に、大流量弁23を上記実施形態で説明したように常閉型の電磁弁とする場合には、制御系(E/G_ECU100)によりソレノイドに対する通電時間または通電電流を適宜に設定することにより大流量弁23の開閉応答性(開弁速度および閉弁速度)を小流量弁24の開閉応答性(開弁速度および閉弁速度)よりも遅く設定することが可能である。
(2)図7および図8を参照して、本発明の他の例を説明する。この例では、大流量弁23を開弁させてウォータジャケット2から第1バイパス通路21を経てヒータ用循環路3に冷却液を流入させる処理の実行が要求されたときに、まず、小流量弁24を開弁させてから大流量弁23を開弁させるようにする。
具体的に、図7のフローチャートを参照して、E/G_ECU100が前記大流量弁23の開弁処理が要求されたときの制御形態を説明する。
E/G_ECU100は、エンジン1の始動後において一定周期(数msec〜数十msec)毎に、図7のフローチャートをスタートする。まず、ステップS11では、エンジン1の運転中に、大流量弁23の開弁要求が有るか否かを判定する。
ここで、大流量弁23の開弁要求が無い場合には、前記ステップS11で否定判定して、このフローチャートを終了する。一方、大流量弁23の開弁要求が有る場合には、前記ステップS11で肯定判定して、続くステップS12に移行する。
このステップS12では、小流量弁24を開弁するとともに、ウォータポンプ11を適宜の能力で作動する。これにより、ウォータジャケット2から第2バイパス通路22を経てヒータ用循環路3に冷却液が比較的少量ずつ流入するようになる。そのため、大流量弁23の冷却液流通方向の上流側領域での冷却液圧力と下流側領域での冷却液圧力との差が低減し始めることになる。
この後、ステップS13において、小流量弁24を開弁してから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、小流量弁24の開弁によってウォータジャケット2からヒータ用循環路3へ冷却液が流動することに伴って前記上流側領域での冷却液圧力と下流側領域での冷却液圧力との差が十分に低減するまでに要する時間を実験あるいはシミュレーションで把握することにより適宜に設定される。
ここで、前記所定時間が経過するまでは、前記ステップS13を繰り返すことにより経過するのを待つ。そして、前記所定時間が経過すると、前記ステップS13で肯定判定して、続くステップS14において、大流量弁23を開弁する。
つまり、前記ステップS12で小流量弁24を開弁してから所定時間が経過することによって大流量弁23の冷却液流通方向の上流側領域での冷却液圧力と下流側領域での冷却液圧力との差が低減することになる。これにより、前記ステップS14で大流量弁23を開弁したときにウォータジャケット2から第1バイパス通路21を経てヒータ用循環路3に比較的大量の冷却液が流入するようになるものの、この冷却液の流動速度が比較的緩やかになって急激に速くならないので、ヒータコア12に冷却液が流通するときに流動音が従来例に比べて発生しにくくなるのである。
この後、ステップS15において、大流量弁23を開弁してから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、大流量弁23の開弁によってウォータジャケット2からヒータ用循環路3への冷却液の流動速度が安定するまでに要する時間を実験あるいはシミュレーションで把握することにより適宜に設定される。
ここで、前記所定時間が経過するまでは、前記ステップS15を繰り返すことにより経過するのを待つ。そして、前記所定時間が経過すると、前記ステップS15で肯定判定して、続くステップS16において、小流量弁24を閉弁してから、このフローチャートを終了する。なお、前記ステップS16は省略して、このフローチャートを省略するようにしてもよい。
以上説明したように、この例では、図8の(a),(b)に示すように、大流量弁23の開弁が要求されたときに、まず小流量弁24を開弁させることによりウォータジャケット2から第2バイパス通路22を経てヒータ用循環路3に比較的少量の冷却液を流入させるようにして大流量弁23の冷却液流通方向の上流側領域での冷却液圧力と下流側領域での冷却液圧力との差を徐々に低減させるようにしておき、この圧力差をある程度低減させてから大流量弁23を開弁させることによってウォータジャケット2から第1バイパス通路21を経てヒータ用循環路3に冷却液を流入させるようにしている。
このように、ヒータコア12に流通する冷却液の流量を段階的に増やすようにしているので、ヒータコア12に冷却液が流通するときに流動音の発生を抑制または防止することが可能になる。
(3)上記実施形態に示すヒータ用循環路3に、図示していないが排気熱回収器を設置することが可能である。この排気熱回収器は、エンジン1から排出される排気ガスとヒータ用循環路3を流通する冷却液との間で熱交換するための熱交換器である。この排気熱回収器は、例えばヒータ用循環路3の下流側領域3bにおいてヒータコア12よりも冷却液流通方向上流側(還流路5側)に設置することができる。
この構成では、ウォータジャケット2に冷却液を流通させずにヒータ用循環路3のみに冷却液を循環させる状態にすると、排気熱回収器で回収される熱によりヒータ用循環路3内の冷却液が昇温することになり、ヒータ用循環路3の暖機が行えるようになる。そのため、例えばエンジン1の冷間始動時において運転者により暖房が要求されたときに、速やかに暖房を実行することが可能になる。
本発明は、エンジンのウォータジャケットとエンジン外部のヒータ用循環路とを有するエンジン冷却装置に好適に利用することが可能である。
1 エンジン
2 ウォータジャケット
2a ウォータジャケットの排出口
2b ウォータジャケットの流入口
3 ヒータ用循環路
3a ヒータ用循環路の上流側領域
3b ヒータ用循環路の下流側領域
4 ラジエータ通路
5 還流路
11 ウォータポンプ
12 ヒータコア
13 ヒータブロア
15 ラジエータ
16 サーモスタット
21 第1バイパス通路
22 第2バイパス通路
23 大流量弁
24 小流量弁
31 エンジン水温センサ
32 ヒータ水温センサ
41 ヒータスイッチ
42 切替スイッチ
100 E/G_ECU
200 A/C_ECU

Claims (2)

  1. ヒータコアおよびウォータポンプが途中に設置されるヒータ用循環路と、エンジンのウォータジャケットの冷却液をラジエータを通してから前記ヒータ用循環路に流入させるためのラジエータ通路と、前記ヒータ用循環路から前記ウォータジャケットに冷却液を流入させるための還流路と、前記ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータをバイパスして前記ヒータ用循環路に流入させるための第1、第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路に設置される大流量弁と、前記第2バイパス通路に設置される小流量弁とを備え、
    前記大流量弁の開閉応答性が、前記小流量弁の開閉応答性よりも遅く設定されている、ことを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン冷却装置において、
    前記ラジエータ通路において前記ラジエータよりも下流側には、サーモスタットが設置され、
    このサーモスタットは、前記ヒータ用循環路の冷却液温度がエンジン暖機完了温度以上のときに開弁して前記ウォータジャケットの冷却液を前記ラジエータ通路を経て前記ヒータ用循環路に流入させる状態にする、ことを特徴とするエンジン冷却装置。
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