JP2013018534A - 液体用紙容器の製造方法およびこれに用いる製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】殺菌ムラがなく、残留ガスの問題がない殺菌方法による液体用紙容器の製造方法およびこれに用いる製造装置を提供することにある。
【解決手段】(1)該積層体からブランクを形成する工程と、(2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する工程と、(3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する工程と、(4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する工程と、(5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する工程と(6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する工程と、が順次なされてなる密封された液体用紙容器の製造方法であって、前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えたことを特徴とする液体用紙容器の製造方法である。
【選択図】図6

Description

本発明は、ミネラルウォーター、コーヒー、ジュースなどの飲料やスープなどの液体食品を無菌充填する液体用紙容器の製造方法に関するものである。特に放射線殺菌を用いた製造方法およびこれに用いる製造装置である。
液体食品を無菌充填する方法は、無菌環境下で充填することにより、低温充填が可能であり、その結果、内容物の味、香りなどの変化を最低限に抑えながら、長期保存を可能にするという利点を有している。
無菌充填方法の基本的な考え方は、無菌処理にされた液体用紙容器を用いて、無菌の環境下で、無菌処理された液体食品を充填包装することである。
無菌の環境は、充填包装機内部を加熱、殺菌剤などで殺菌処理し、更にクリーンエアを導入し、外気と遮断することにより充足されるものである。
無菌充填方法は、殺菌処理したスリーブを、無菌の環境下にある無菌充填包装機内に導入し、底部が成型され紙容器の内面を過酸化水素により殺菌し、その後殺菌処理された液体食品を該紙容器に無菌充填する方法が広く使用されている。
底部が成型された紙容器を殺菌処理する方法として、過酸化水素を用いた殺菌が多く使用されている。過酸化水素の他に、ガス殺菌であるエチレンオキサイドガス(EOG)殺菌、光殺菌である紫外線(UV)殺菌などがあるが、EOG殺菌では、殺菌、脱気などに時間を要し、また紫外線(UV)殺菌も殺菌時間を要する問題がある。
過酸化水素を用いて殺菌する方法は、残留ガスの問題がある。また底部を成型した底部の角部、口栓を装着したフランジ付近などに過酸化水素が触れ難く殺菌し難い問題がある。過酸化水素を加熱蒸気したミストを使用することから殺菌力が高く、かつ必要な面にのみ必要な量だけ吹き付ければ良いので、乾燥工程も低温化を可能とし、また耐熱性などに劣る包装用材料でも使用することができる。しかし特に吸湿性を有する包装材料や、耐酸性に劣る包装材料の場合、殺菌処理および乾燥後に、包装材料の劣化やその表面に過酸化水素が残留するという問題点がある。
過酸化水素による殺菌において、使用する包装材料の性能低下を防ぐために、過酸化水素の吸着、浸透を防ぐ提案がある(特許文献1)。
この提案は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに無機酸化物を蒸着し、ガスバリア性を向上させた蒸着フィルムを積層したものである。しかしこの提案は本発明の趣旨と異なる。
光殺菌の中で、殺菌時間を短くしたパルス光殺菌による無菌充填方法の提案がある(特許文献2)。これはポリエチレンテレフタレート樹脂からなる透明プラスチックボトルをパルス光殺菌し、液体食品を充填する無菌充填方法である。しかし、この提案は本発明の趣旨と異なる。
放射線殺菌であるガンマ―線殺菌、電子線殺菌は、放射線自体が強いために、使用する包装材料の変色、また臭気を発生させるなどの問題がある。包装材料の選定および殺菌条
件を十分に行う必要がある。
以上から、殺菌ムラがなく、残留ガスの問題がない殺菌方法による液体用紙容器の製造方法が望まれている。
特開2005―231042号公報 特開2003―72719号公報
本発明は、背景技術の問題に鑑みて、殺菌ムラがなく、残留ガスの問題がない殺菌方法による液体用紙容器の製造方法およびこれに用いる製造装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明の請求項1に係る発明は、板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造方法において、
(1)該積層体からブランクを形成する工程と、
(2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する工程と、
(3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する工程と、
(4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する工程と、
(5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する工程と
(6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する工程と、
が順次なされてなる密封された液体用紙容器の製造方法であって、
前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えたことを特徴とする液体用紙容器の製造方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記放射線殺菌工程が、電子線照射による殺菌であることを特徴とする請求項1記載の液体用紙容器の製造方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記ポリエチレン層(内面)に、フェノール系酸化防止剤を含有しないことを特徴とする請求項1または2記載の液体用紙容器の製造方法である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記電子線照射が、酸素含有率5%(体積比)以下の環境下で行われることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の液体用紙容器の製造方法である。
本発明の請求項5に係る発明は、板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造装置において、
(1)該積層体からブランクを形成する手段と、
(2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する手段と、
(3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する手段と、
(4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する手段と、
(5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する手段と、
(6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する手段と、
を順次備えた液体用紙容器の製造装置であって、
前記(1)ブランクを形成する手段と、前記(6)液体食品を充填する手段との間のいずれかの手段による処理の後に、放射線による殺菌を行う放射線殺菌手段を備えたことを特徴とする液体用紙容器の製造装置である。
本発明は、無菌充填可能な液体用紙容器の製造方法およびこれに用いる製造装置である。特にブランクを形成する工程と、液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に電子線殺菌工程を備えたものである。従来の過酸化水素殺菌とは違い残留ガスの心配がなく、また殺菌ムラがない殺菌方法である。また電子線殺菌によるシーラント層からの臭気を抑えることで、安定した殺菌ができる液体用紙容器の製造方法である。
本発明の請求項1によれば、板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造方法において、
(1)該積層体からブランクを形成する工程と、
(2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する工程と、
(3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する工程と、
(4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する工程と、
(5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する工程と
(6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する工程と、
が順次なされてなる密封された液体用紙容器の製造方法であって、
前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えたことを特徴とする。本発明は、前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えることで殺菌された液体用紙容器ことができる。放射線殺菌では、残留ガスの心配がなく、また殺菌ムラがない殺菌ができる。また殺菌される容器の形状は、折り畳まれたスリーブでも、また口栓を装着した液体用紙容器でも可能である。
また四角筒状スリーブを形成する工程の後に、口栓付き紙容器を形成する工程、その後底部を成型して口栓付き液体用紙容器を形成する工程、その後殺菌処理された液体食品を無菌充填する工程を踏み液体用紙容器を製造する方法もある。即ち口栓付き紙容器を形成する工程と底部を成型し紙容器を形成する工程とが入れ替わった製造方法である。紙容器の殺菌としては、前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えればよい。できれば口栓付き紙容器を殺菌する方が好ましい。
本発明の請求項2によれば、前記放射線殺菌工程が、電子線照射による殺菌であることを特徴とする。電子線殺菌は、過酸化水素殺菌のような残留ガスの心配がない。制御因子も照射時間により決定される線量のみで、過酸化水素殺菌に比べて少ない。殺菌する容器の形状を選ばないで、常温で殺菌できる。
特に電子線量は、5〜60kGyの範囲が好ましい。5kGy以下では、殺菌効果が低下し、目的の殺菌ができない。また60kGy以上では、殺菌効果は目的を達成するが、
積層体を構成している材料、特にポリエチレンなどのオレフィン系フィルムの変色、臭気などを発生させる場合がある。
本発明の請求項3によれば、前記ポリエチレン層(内面)に、フェノール系酸化防止剤を含有しないことを特徴とする。ポリエチレンの樹脂の中には、酸化劣化を防ぐためのラジカル補足剤としてフェノール系酸化防止剤が含有される場合がある。このフェノール系酸化防止剤は、電子線照射で変色させたり、臭気の起因となり除く方が好ましい。特に内面に使用するポリエチレンフィルムの中にフェノール系酸化防止剤が含有しないことが好ましい。また内容物に臭気が移る場合がある。また別タイプのリン酸系酸化防止剤を使用することは可能であるが、酸化防止剤を使用しないで行うこともできる。
本発明の請求項4によれば、前記電子線照射が、酸素含有率5%(体積比)以下の環境下で行われることを特徴とする。特に高分子材料は、基本的に酸素の存在下では酸化劣化を起こし易く、紫外線、熱などのエネルギーがきっかけとなる場合が多い。特に放射線である電子線照射による殺菌では、その環境下では出来るだけ酸素含有率が少ない方が積層体に与える酸化劣化を少なくすることができる。よって酸素含有率5%(体積比)以下の環境下で行うことが好ましい。この場合は、密閉式の装置が必要になり、設備価格に費用が要する。
本発明の請求項5によれば、板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造装置において、
(1)該積層体からブランクを形成する手段と、
(2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する手段と、
(3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する手段と、
(4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する手段と、
(5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する手段と
(6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する手段と、
を順次備えた液体用紙容器の製造装置であって、
前記(1)ブランクを形成する手段と、前記(6)液体食品を充填する手段との間のいずれかの手段による処理の後に、放射線による殺菌を行う放射線殺菌手段を備えたことを特徴とする。液体用紙容器を殺菌する手段として、残留ガス、殺菌ムラがなく、常温殺菌が可能で、紙容器の形態を問わない電子線殺菌する手段を備えたものである。
液体用紙容器を形成するためのブランクの一例を示す説明図である。 図1のブランクから折り畳んで形成したスリーブの一例を示す説明図である。 図2のスリーブを四角筒状の紙容器にした一例を示す説明図である。 図3の四角筒状の紙容器の底部を成型した状態の紙容器の一例を示す説明図である。 図4の紙容器に口栓を装着した口栓付き紙容器の一例を示す説明図である。 図5の口栓付き紙容器を電子線殺菌している状態の一例を示す説明図である。 図2のスリーブを電子線殺菌している状態の一例を示す説明図である。 図6の口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填している一例を示す説明図である。 本発明の無菌充填方法で作成した液体用紙容器(ゲーブルトップ型)の一例を示す説明図である。 本発明の液体用紙容器の製造工程のフローの一例を示す説明図である。 本発明の積層体の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、ゲーブルトップ型液体用紙容器を一例として説明する。
図1は、液体用紙容器を形成するためのブランクの一例を示す説明図である。図1は紙容器の外面を表すブランクである。ブランク1は、背シール110と左側パネル120、表パネル130、右側パネル140、裏パネル150からなり、各パネルには、それぞれ側壁部C、該側壁部の上部には頂部B、下部には底部Dが形成されている。左側パネル120、右側パネル140の頂部には折り曲げ線を介して折り込みできるようになっている。また頂部Bの上部にトップシール部Aがそれぞれ形成されている。また頂部には口栓を装着するための孔Fが形成されている。
図2は、図1のブランクから折り畳んで形成したスリーブの一例を示す説明図である。ブランク1の背シールパネル110の外面を裏パネル150の内面と接着し、スリーブ2を形成したものである。この状態では、折り畳まれた状態を示している。通常はこの状態でエチレンオキサイドガス殺菌され保管される。
図3は、図2のスリーブを四角筒状の紙容器にした一例を示す説明図である。折り畳まれた状態のスリーブ2を無菌環境下に設置された無菌充填機に供給される。無菌充填機で、折り畳まれた状態のスリーブ2を起こし、四角筒状の紙容器3にする。底部D、頂部Bが開口された状態になっている。
図4は、図3の四角筒状の紙容器3の底部Dを成型した状態の紙容器の一例を示す説明図である。図3の四角筒状の紙容器3の底部Dを成型して立体的にした紙容器である。(図4−1)は、寝かせた状態の斜視図である。(図4−2)は、正立させた状態の斜視図である。
図5は、図4の紙容器に口栓5を装着した口栓付き紙容器6の一例を示す説明図である。孔Fに口栓5を装着する。口栓付きの紙容器6になる。
図6は、図5の口栓付き紙容器6を電子線殺菌している状態の一例を示す説明図である。電子線10は、電子加速器を線源としている。ベルトコンベアで殺菌室11の中へ搬入され、電子線照射口12より電子線10が照射され、決められた線量まで口栓付き紙容器6が均一に照射される。その後ベルトコンベア搬出される。通常口栓付き紙容器6を形成するための製造時間と電子線照射時間を調整しながら、口栓付き紙容器を所定の数量に纏めてから電子線照射にて殺菌する。電子線10は、透過力が強いために容器全体の内部まで浸透し殺菌するために纏めた状態で殺菌することができる。またEOG殺菌、過酸化水素殺菌のような殺菌ムラのない殺菌ができる。過酸化水素殺菌のように残留ガスの問題もない。常温化での殺菌ができる。また電子線殺菌の他に、ガンマー線による殺菌も可能である。
図7は、図2のスリーブを電子線殺菌している状態の一例を示す説明図である。所定の枚数に集結されたスリーブ2をベルトコンベアで殺菌室11に搬入され、電子線照射口12より電子線10が照射される。決められた線量までスリーブが均一に照射される。その後ベルトコンベアにて搬出される。このようにスリーブ2の形態でも殺菌が可能である。
図8は、図6の口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填している一例を示す説明図である。殺菌処理された口栓付き紙容器6に殺菌処理された液体食品7を無菌充填している一例である。液体食品タンク8の充填ノズル9から液体食品7を一定量充填す
る。
図9は、本発明の無菌充填方法で作成した液体用紙容器(ゲーブルトップ型)の一例を示す説明図である。液体食品を無菌充填後に、トップシール部Aがシールされ、液体用紙容器(ゲーブルトップ型紙容器)100が形成される。一例としてゲーブルトップ型の液体用紙容器を示したが、トップシール部をフラットトップ型にしてもよく、どちらの液体用紙容器でもよい。
図10は、本発明の液体用紙容器の製造工程フロー200の一例を示す説明図である。本工程フロー200は、口栓付き紙容器を形成した後で、電子線殺菌するフローであるが、特に限定されず、図に示す点線状の枠210内に示す工程のいずれかの工程の後に殺菌工程を備えることで液体用紙容器を製造できる。
図11は、本発明の積層体の一例を示す断面図である。本発明のブランクを形成する積層体20の一例を示す断面図である。ポリエチレン層(外面)21/基材層22/接着層24/ガスバリア層23/接着層24/ポリエチレン層(内面)25が順次積層された積層板からなっている。絵柄印刷などを使用する場合は、ポリエチレン層(外面)21に印刷層Gを設ければよい。ガスバリア層23を積層することは、内容物の液体の保存性を向上させるためである。
更に詳しく実施するための形態を説明する。
ブランク1を構成する積層体20は、基材層22として、通常坪量が200〜500g/m、密度0.6〜1.1g/cmの板紙が使用できる。ミルク原紙などの板紙が使用できる。基材層22の表面に、ポリエチレン層(外面)21として15〜30μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせる、ポリエチレンフィルムは、押出し機にて押出しラミネートすることで可能である。
基材層22の裏面に、接着層24としてのポリエチレンを介して、ガスバリア層23を積層する。ガスバリア層は、無機酸化物を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムを使用できる。接着層24のポリエチレンと無機酸化物の蒸着面を相対するように貼り合わせる。次に該ポリエチレンテレフタレートフィルム面に、接着層24としてのポリエチレンを介してポリエチレン層(内面)25であるポリエチレンフィルムを貼り合わせる。ポリエチレン層(内面)のフィルムは、30〜100μmの厚さのものを使用することができる。接着層24としてのポリエチレン、ポリエチレン層(内面)25も押出し機でフィルム化すればよい。
接着層24に使用するポリエチレンは、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用できる。その他エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体(EAA)、アイオノマー、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂も使用できる。これらの樹脂を押し出し機でフィルム化すればよい。
ポリエチレン層(内面)25は、HDPE、LDPE、MDPE、LLDPE樹脂からなるフィルムが使用できる。単層もしくは多層でもよい。好ましくLLDPEが好ましい。またフィルム中にフェノール系酸化防止剤を含有しないことが好ましい。電子線殺菌による臭気の発生を低減することができる。
液体食品の保存性を向上させるために、ガスバリア層23を積層する。ガスバリア層2
3としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウム箔を貼り合わせたもの、無機酸化物の蒸着したものが使用できる。無機酸化物としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが使用できる。
構成として、例えば、ポリエチレン層(外面)/基材層/接着層/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリエチレン層(内面)、ポリエチレン層(外面)/基材層/接着層/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリエチレン層(内面)、ポリエチレン層(外面)/基材層/接着層/酸化マグネシウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリエチレン層(内面)、などを挙げることができる。
積層体を形成するオレフィン系フィルムに、フェノール系酸化防止剤を含有しないことが好ましい。リン酸系酸化防止剤を用いることは可能であるが、酸化防止剤を添加しないフィルムでも構わない。
この積層体20を、ロール状またはシート状にする。その後容器形状に合わせ、折り曲げ線、外形抜きなどを一般的な公知の方法で加工し、ブランク1を形成する。
次に背シール110の表面と裏パネル150の裏面とを接着し、折り畳まれたスリーブ2を形成し、複数枚重ねたスリーブを殺菌された梱包材料に梱包する。この状態でエチレンオキサイドガス殺菌などを行い殺菌する。
梱包されたスリーブ2を開封し、無菌環境下にある無菌充填包装機に供給し、スリーブを起こし四角筒状スリーブ3にする。この状態では、底部、頂部とも開口されている。
次いで底部を成型して閉塞して、紙容器4を形成する。次いで該紙容器4に口栓5を装着し、口栓付き紙容器6が形成される。殺菌工程の一例として、該口栓付き紙容器6を殺菌するために電子線照射殺菌を行う。電子線量としては、5〜60kGyで行うことが好ましい。この場合電子線照射10が通常の大気環境下で可能であるが、酸素含有率5%(体積比)以下の環境下で行うとポリエチレン(内面))からの臭気の発生を更に低減できる。
殺菌された口栓付き紙容器に、殺菌処理された液体食品7を無菌充填し、トップシール部Aを熱シールして、無菌充填された液体用紙容器100が形成される。切り妻屋根型に成型することにより、ゲーベルトップ型紙容器ができる。
積層体の表面層には、絵柄や文字を表現することができる。印刷方式としては、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷など通常の方式を用いることができる。表面層にはコロナ処理などして印刷インキとの密着性を向上させるとよい。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
坪量350g/mの板紙の表面に、ポリエチレンを20μm押出しラミネートした。ポリエチレン層(外面)を形成した。
次にガスバリア層である酸化珪素30nmを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム12μmと、無添加のポリエチレン60μmを、ポリエチレンを20μmにてサンドポリして貼り合わせた。無添加のポリエチレン60μmは、フェノール系酸化防止剤が含まれていないものである。予め押出し法により作成したものを使用した。
次に板紙の裏面と前記酸化珪素蒸着面をエチレン−メタクリル酸共重合体(EMMA)30μmにてサンドポリして貼り合わせ積層体を得た。
次に作成した積層体を、罫線、抜き加工を行い、1L用、70角(縦方向の折れ線の間隔)のゲーブルトップ型紙容器を形成するためのブランクを作成して、スリーブ、口栓付き紙容器を形成した。
この口栓付き紙容器を殺菌するために、電子線照射を大気環境下の殺菌室で、電子線の線量が最大線量25kGy、最低線量15kGyの条件で行った。
この殺菌された口栓付き紙容器にコーヒーと蒸留水を別々に無菌充填し、トップシールしてそれぞれの液体用容器を作成した。
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用し、かつ電子線の照射を酸素含有率4%(体積比)の環境下の殺菌室で行った以外は、実施例1の如く行い液体用紙容器を作成した。
<比較例1>
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用した以外は、実施例1の如く行い液体用容器を作成した。
<比較例2>
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用し、電子線照射を大気の環境下の殺菌室で、電子線の線量が最低線量5kGyで行った以外は、実施例1の如く行い液体用紙容器を得た。
<比較例3>
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用し、電子線照射を大気の環境下の殺菌室で、電子線の線量が最大線量60kGyで行った以外は、実施例1の如く行い液体用紙容器を得た。
<比較例4>
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用し、電子線照射を大気の環境下の殺菌室で、電子線の線量が最大線量63kGyで行った以外は、実施例1の如く行い液体用紙容器を得た。
<比較例5>
無添加ポリエチレン60μmの替わりに、フェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用し、電子線の照射に替わりに、過酸化水素水により殺菌を行った以外は、実施例1の如く行い液体用紙容器を作成した。過酸化水素は、35%過酸化水素水を加熱気化させ、そのミストを吹き付け、次いで加熱エアにて乾燥した。
実施例、比較例で作成した液体用紙容器のサンプルの臭いの評価を行った。殺菌してない紙容器に充填したサンプルと殺菌後の液体用紙容器に充填したサンプルの臭いについての官能評価を3点識別法にて行った。パネラー10名。サンプルの内容物:コーヒー、蒸留水。○:有意差なし、×有意差あり。
残留過酸化水素量の確認は、酸素電極法にて測定した。○:なし、×:あり。
Figure 2013018534
実施例、比較例ともに無菌保障レベルは、10−6SALで良好であった。実施例1のポリエチレン(内面)に無添加のポリエチレンを使用することで、内容物のコーヒー、蒸留水ともに臭いの有意差がなかった。またフェノール系酸化防止剤が含有されたポリエチレン60μmを使用しても、線量が5〜60kGy以下の範囲であればコーヒーでは有意差がないが、蒸留水では有意差があった。また線量が63kGyでは、コーヒー、蒸留水ともに有意差があった。また電子線照射を酸素含有率4%(体積比)の環境下で行ったものは、有意差がない結果になった。また過酸化水素による殺菌では、残留過酸化水素が確認された。
1 ブランク
2 スリーブ
3 四角筒状の紙容器
4 紙容器
5 口栓
6 口栓付き紙容器
7 液体食品
8 液体食品タンク
9 充填ノズル
10 電子線
11 殺菌室
12 電子線照射口
20 積層体
21 ポリエチレン層(外面)
22 基材層
23 ガスバリア層
24 接着層
25 ポリエチレン層(内面)
100 液体用紙容器(ゲーブルトップ型)
110 背シール
120 左側パネル
130 表パネル
140 右側パネル
150 裏パネル
200 液体用紙容器の製造工程フロー
210 点線状の枠
A トップシール部
B 頂部
C 側壁部
D 底部
E 罫線
F 孔
G 印刷層

Claims (5)

  1. 板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造方法において、
    (1)該積層体からブランクを形成する工程と、
    (2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する工程と、
    (3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する工程と、
    (4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する工程と、
    (5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する工程と
    (6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する工程と、
    が順次なされてなる密封された液体用紙容器の製造方法であって、
    前記(1)ブランクを形成する工程と、前記(6)液体食品を無菌充填する工程との間のいずれかの工程の後に放射線殺菌工程を備えたことを特徴とする液体用紙容器の製造方法。
  2. 前記放射線殺菌工程が、電子線照射による殺菌であることを特徴とする請求項1記載の液体用紙容器の製造方法。
  3. 前記ポリエチレン層(内面)に、フェノール系酸化防止剤を含有しないことを特徴とする請求項1または2記載の液体用紙容器の製造方法。
  4. 前記電子線照射が、酸素含有率5%(体積比)以下の環境下で行われることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の液体用紙容器の製造方法。
  5. 板紙を基材層とし、少なくとも、ポリエチレン層(外面)/基材層/ガスバリア層/ポリエチレン層(内面)が順次積層された積層体から、液体用紙容器を製造する製造装置において、
    (1)該積層体からブランクを形成する手段と、
    (2)該ブランクから背シールを接着し折り畳まれたスリーブを形成する手段と、
    (3)該スリーブを起こし、頂部、底部が開口された四角筒状スリーブを形成する手段と、
    (4)該四角筒状スリーブの底部を成型して紙容器を形成する手段と、
    (5)該紙容器に口栓を装着し口栓付き紙容器を形成する手段と
    (6)該口栓付き紙容器に殺菌処理された液体食品を無菌充填する手段と、
    を順次備えた液体用紙容器の製造装置であって、
    前記(1)ブランクを形成する手段と、前記(6)液体食品を充填する手段との間のいずれかの手段による処理の後に、放射線による殺菌を行う放射線殺菌手段を備えたことを特徴とする液体用紙容器の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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