JP2013015325A - Dna二本鎖切断損傷の解析装置及び解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DNA解析装置(1)は、DNA二本鎖切断箇所に集積する第1の蛍光タンパク質を観察対象の細胞に導入して時系列で撮影された画像を取得する画像取り込み手段(25)と、取得した画像を解析する画像解析手段(15)とを備える。画像解析手段(15)は、時系列で撮影された画像の各々について、各画像に含まれる細胞核の画像の領域を検出し、検出した領域に含まれる、第1の蛍光タンパク質の発光による発光スポットの数をカウントし、さらに、検出した領域に含まれる、第1の蛍光タンパク質の発光による発光領域の面積を求め、時系列で求めた発光スポットのカウント値及び発光領域の面積のデータを解析データとして生成する。
【選択図】図7
Description
DNA二本鎖切断箇所に集積する第1の蛍光タンパク質を観察対象の細胞に導入して時系列で画像を撮影し、
時系列で撮影された複数の画像の各々について、
各画像に含まれる細胞核の画像の領域を検出し、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントし、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光領域の面積を求め、
時系列で求めた前記発光スポットのカウント値及び前記発光領域の面積のデータを解析データとして生成する。
図1を参照し、本実施形態におけるDNA2本鎖切断損傷を検出する方法の基本原理について説明する。
図7に、本実施形態のDNA損傷解析装置の構成の一例を示す。DNA損傷解析装置1は例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置で構成される。DNA損傷解析装置1は、顕微鏡31により撮影されて記録された画像情報を入力し、画像解析することによりDNAの損傷状態を定量的に解析する。
以上のように構成されるDNA損傷解析装置1によるDNAの損傷状態の解析処理について説明する。
前述の2種の蛍光タンパク質をバイオセンサーとして導入して、顕微鏡31により細胞の画像を生きたまま撮影する。画像撮影中、所定のタイミングで、検査したい薬物を投与する。薬物の投与前から投与後所定時間が経過するまで、細胞の画像を、時間経過を追って撮影し、記録する。なお、以下の説明では、顕微鏡31により、所定の時間間隔毎に、緑色の蛍光を示すGFP−53BP1タンパク質による発光状態を撮影した画像(静止画)と、赤色の蛍光を示すDsRed−PCNAタンパク質による発光状態を撮影した画像(静止画)とが撮影され、記録媒体35に記録されるとする。また、顕微鏡31により、1つのスライス面での画像のみが撮影、記録されるとする。すなわち、顕微鏡31により、緑色の蛍光画像及び赤色の蛍光画像それぞれについて一連の複数枚の静止画が時系列で撮影され、記録媒体35に記録される。なお、本実施形態では、細胞の静止画を撮影したが、動画を撮影し、動画を構成するフレーム画像毎に解析処理を行っても良い。
顕微鏡31により撮影され、記録された2種の蛍光画像は、インタフェース25を介してDNA損傷解析装置1に入力され、時間経過とともに細胞核で変化する緑色ならびに赤色のスポットが定量解析される。以下、DNA損傷解析装置1による画像解析の詳細を説明する。なお、記録媒体35には、顕微鏡31により撮影された、緑色の蛍光画像及び赤色の蛍光画像それぞれについての一連の複数の静止画が時系列で予め記録されており、DNA損傷解析装置1は記録媒体35から画像を読み出しながら以下の処理を実行する。
図10、図11を参照して、上記の、細胞核の特定処理(ステップS12)、並びに、発光スポット数のカウント及び発光領域の面積の算出処理(ステップS13)の詳細を説明する。これらの処理(ステップS12、S13)は特に制御部11の画像解析部15により実行される。
以上のようにして、DNA損傷解析装置1によるDNAの損傷状態の解析処理が実行されることで、細胞核毎に、発光スポットの数及び発光領域の面積のデータを時系列で求めることができる。このようにして求められたデータは、解析データとしてデータ格納部21に格納される。
以上のように、本実施形態のDNA損傷解析装置1によれば、細胞核において発生したDNA損傷の程度を定量的に測定することができる。具体的には、DNA損傷部位に集積する蛍光タンパク質をバイオセンサーとして用いて、細胞核においてDNA損傷が生じた箇所を検出する。具体的には、細胞核を撮影した画像を解析して、蛍光発光による発光スポットの数及び発光領域の面積を求めることで、DNAの損傷の程度を定量的に測定する。また、DNA損傷部位に集積する蛍光タンパク質に加えて、細胞周期のS期を標識する蛍光タンパク質をもバイオセンサーとして用いることで、細胞周期のS期を検出する。このような定量的な測定を時系列で行うことにより、DNAの損傷及び損傷の修復の時間的な変化を定量的に測定することが可能となり、生きた細胞におけるDNA損傷の時間的な変化の定量的な観察が可能となる。このようなDNA損傷解析技術を利用することで、がん細胞で起こるDNA損傷を生きたまま鋭敏に観察・評価でき、迅速に新規の抗がん剤のスクリーニングが可能となり、また放射線照射の有効性を評価でき、新規抗がん剤や放射線治療の増感補助薬の開発の迅速化を図ることができる。
11 制御部
17 表示部
19 操作部
21 データ格納部
25 インタフェース
31 顕微鏡
33 観察対象
35 記録媒体
Claims (7)
- DNA二本鎖切断損傷を定量的に解析する装置であって、
DNA二本鎖切断箇所に集積する第1の蛍光タンパク質を観察対象の細胞に導入して時系列で撮影された画像を取得する画像取り込み手段と、
取得した画像を解析する画像解析手段とを備え、
前記画像解析手段は、時系列で撮影された画像の各々について、
各画像に含まれる細胞核の画像の領域を検出し、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントし、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光領域の面積を求め、
時系列で求めた前記発光スポットのカウント値及び前記発光領域の面積のデータを解析データとして生成する、
解析装置。 - 前記画像は、前記第1の蛍光タンパク質に加えて、細胞周期のS期にある細胞を標識する第2の蛍光タンパク質をさらに観察対象の細胞に導入して撮影された画像であり、
前記画像解析手段は、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットのカウント及び発光領域の面積の算出に加えて、さらに、前記第2の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントする、
請求項1記載の解析装置。 - 前記第1の蛍光タンパク質と前記第2の蛍光タンパク質とは異なる色の蛍光発光を示す、請求項2記載の解析装置。
- DNA二本鎖切断損傷を定量的に解析するためのプログラムであって、
コンピュータを、
DNA二本鎖切断箇所に集積する第1の蛍光タンパク質を観察対象の細胞に導入して時系列で撮影された画像を取得する画像取り込み手段と、
取得した画像を解析する画像解析手段と
して実行させ、
前記画像解析手段は、時系列で撮影された画像の各々について、
各画像に含まれる細胞核の画像の領域を検出し、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントし、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光領域の面積を求め、
時系列で求めた前記発光スポットのカウント値及び前記発光領域の面積のデータを解析データとして生成する、
プログラム。 - 前記画像は、前記第1の蛍光タンパク質に加えて、細胞周期のS期にある細胞を標識する第2の蛍光タンパク質をさらに観察対象の細胞に導入して撮影された画像であり、
前記画像解析手段は、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットのカウント及び発光領域の面積の算出に加えて、さらに、前記第2の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントする、
請求項4記載のプログラム。 - DNA二本鎖切断損傷を定量的に解析する方法であって、
DNA二本鎖切断箇所に集積する第1の蛍光タンパク質を観察対象の細胞に導入して時系列で画像を撮影し、
時系列で撮影された複数の画像の各々について、
各画像に含まれる細胞核の画像の領域を検出し、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントし、
前記検出した領域に含まれる、前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光領域の面積を求め、
時系列で求めた前記発光スポットのカウント値及び前記発光領域の面積のデータを解析データとして生成する、
解析方法。 - 前記第1の蛍光タンパク質に加えて、細胞周期のS期にある細胞を標識する第2の蛍光タンパク質をさらに前記観察対象の細胞に導入して画像を撮影し、
前記第1の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットのカウント及び発光領域の面積の算出に加えて、さらに、前記第2の蛍光タンパク質の蛍光発光による発光スポットの数をカウントする、
請求項6記載の解析方法。
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