JP2013014864A - 上衣 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電機構を備えているとともに作業性を確保することができる上衣を提供する。
【解決手段】導電糸を含む布地で構成され、袖部5を構成する部位19と一体で形成された後身頃7と、導電糸を含む布地で構成された前身頃9とを有する上衣1である。
【選択図】図1
【解決手段】導電糸を含む布地で構成され、袖部5を構成する部位19と一体で形成された後身頃7と、導電糸を含む布地で構成された前身頃9とを有する上衣1である。
【選択図】図1
Description
本発明は上衣に係り、特に、静電機能(静電気の発生を抑制する機能)を備えており準クリーンルーム等で使用されるものに関する。
従来、運動しやすい上衣として様々なものが知られている(たとえば、特許文献1〜特許文献5参照)。
また、人体に蓄積した静電気が原因でコンピュータ等の電気機器が故障してしまう問題があり、近年、コンピュータや精密機器を運送する業者や準クリーンルームで作業する者に対しても、静電機能を備えた衣服(上衣等の作業着)の着用が求められている。上記静電機能を有する衣服は、IEC規格に適合した衣服(電気抵抗の値が1012Ω未満の衣服)であり、日本では、さらに厳しい条件(電気抵抗の値が109Ω未満;グランダブル規定)を課せられる場合がある。
ところで、上衣等の作業着では、静電機能だけでなく作業性を確保(上衣の着用者が腕を動かしやすい等、着用者の運動機能を確保)する必要がある。
しかしながら、従来の上衣のように、着用者の運動性だけをもとめたのでは、電気抵抗の値が大きくなり、静電機能は損なわれてしまうという問題がある。
すなわち、着用者の作業性を確保することだけを目指して、導電糸を含む布地を裁断すると、裁断された布の形状が煩雑化する。さらに、これらの煩雑化した形状の布同士を縫合(縫製)すると、この縫合をした箇所(縫製ラインのところ)で導電糸同士の接続がされにくくなって、上衣の電気抵抗が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、静電機構を備えているとともに作業性を確保することができる上衣を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、導電糸を含む布地で構成され、袖部を構成する部位と一体で形成された後身頃と、導電糸を含む布地で構成された前身頃とを有する上衣である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の上衣において、上記後身頃は、左側の後身頃と右側の後身頃とで構成されている上衣である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の上衣において、前記前身頃と前記後身頃とをお互いに縫合している縫い目であって脇から下方に延びている縫い目が、後側もしくは前側にずれている上衣である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の上衣において、前記前身頃と前記後身頃とをお互いに縫合している縫い目であって脇から上方に延びている縫い目が、前側を通っている上衣である。
本発明によれば、静電機構を備えているとともに作業性を確保することができる上衣を提供することができるという効果を奏する。
上衣1は、たとえば、作業着として使用されるジャンバーであり、準クリーンルーム内で作業する者が使用し、電気抵抗の値が109Ω未満になっており静電機能を備えている。
また、上衣1は、図1〜図3で示すように、着用者の胴体を覆う胴体部3と着用者の腕を覆う袖部(腕部)5とを備えており、主として、後見頃(7A,7B)と前身頃9(9A,9B)とを縫製して生成されている。なお、胴体部3は、着用者の肩部と胸部と腹部とを覆う部位であり、袖部5は、着用者の上肢(手の平と指を除く上腕と前腕)を覆う部位である。
左側の前身頃9Aと右側の前身頃9Bとは、線ファスナ11によってお互いが接合されもしくは離れるようになっている。また、前身頃9には、胸ポケット13と脇ポケット15と襟部17が設けられている。
上衣1を構成している布地は、導電糸を含んでいる。導電糸はピッチが5mm程度の格子状になって織り込まれている。
後身頃7は、上述したように、導電糸を含む布地で構成されており、袖部を構成する部位19と一体で構成されている。すなわち、後身頃7は、後身頃本体部21と袖部構成部19とが一体で裁断されて形成されている。
前身頃9も、上述したように、導電糸を含む布地で構成されている。また、前身頃9は、左側の前身頃9Aと右側の前身頃9Bとに分離されている。
このようにして構成された上衣1では、主な縫製ラインが、袖部5(袖部構成部19)の下側に形成され(袖部下側縫製ライン23が形成され)、前身頃9と後身頃本体部21との縫合部分に形成されている(前後身頃縫製ライン25が形成されている)。
後身頃7は、左側の後身頃7Aと右側の後身頃7Bとに分離されている。そして、すでに理解されるように、左側の後身頃7Aは、左側の後身頃本体部21と左側の袖部構成部19とで構成されており、右側の後身頃7Bも、右側の後身頃本体部21と右側の袖部構成部19とで構成されている。なお、左側の後身頃7Aと右側の後身頃7Bとが分離されておらず、一体で裁断されていてもよい。
また、後身頃7が左側の後身頃7Aと右側の後身頃7Bとに分かれていることで、後中央縫製ライン27が左側の後身頃7Aと右側の後身頃7Bとの縫合部に形成されている。
上衣1では、前後身頃縫製ライン25のうちの下側の縫い目25Aが、後側にずれている。すなわち、下側の縫い目25Aは、着用者の前頭面(着用者の体の左右を結び前後に分ける面;着用者の前後方向に対して直交し着用者の体の中心を通る面)よりも後側にずれている。なお、前後身頃縫製ライン25は、前身頃9と後身頃7とをお互いに縫合している縫い目であり、下側の縫い目25Aは、脇(着用者の胸の両側面で腕の付け根の下のところ)から下方に延びている縫い目である。
また、上衣1では、前後身頃縫製ライン25のうちの上側の縫い目25Bが、着用者の脇の部分よりも上方に延びて着用者の大鎖骨上窩まで達している(着用者の前側にあって着用者の大胸筋と三角筋との境界のところを通っている)。
ここで、上衣1についてさらに詳しく説明する。
縫製する前の各身頃7,9は、図4〜図7で示す形状に裁断されている。なお、図4〜図7で示す各身頃7,9では、縫い代等は省略してある。
各身頃7,9の外周(縁)は、「V」字状の切れ込み等、縫製によって上衣1を立体的に形成するための湾状(湾口に引いた直線を直径とする半円の面積よりも湾入部の面積が広い形状)の凹部が形成されていない滑らかな形状(直線状の部位と円弧状の部位と適宜組み合わせた形状)になっている。
ここで、左側の後身頃7Aの形状についてさらに詳しく説明する。左側の後身頃7Aは、図4で示すように、袖部構成部19と後身頃本体部21とで概ね「L」字状に形成されている。なお、図4で示すショルダーラインSLは、左側の後身頃7Aで上衣1を生成した場合、最も上部に位置するようになっている。
左側の後身頃7Aの外周は、中央ライン29と下部ライン31と脇下側ライン33と第1の袖部ライン35と袖口ライン37と第2の袖部ライン39と脇上側ライン41と襟ぐりライン43とを備えた閉曲線状に形成されている。
中央ライン29は、直線状に形成されており、左側の後身頃7Aで上衣1を生成した場合、中央ライン29は、左右方向の中央で裾から襟まで下から上に向かって直線状に延びるようになっている。
下部ライン31は、中央ライン29と直交しており、中央ライン29の下端から左に向かって直線状に所定の長さだけ延びている。なお、左側の後身頃7Aで上衣1を生成した場合、下部ライン31の左端は、着用者の前頭面よりも後方に位置している。
脇下側ライン33は、下部ライン31の左端から上側に向かって延びている。脇下側ライン33は、下方では、中央ライン29とほぼ平行に延びているが、上方では、中央ライン29から離れる側に曲がっている。また、上方になるほど、中央ライン29から離れる度合いが大きくなっている。さらに、脇下側ライン33は、左側の後身頃7Aで上衣1を生成した場合、着用者の前頭面よりも後方に位置している。
第1の袖部ライン35は、脇下側ライン33の上端(左端)から左側および上側に向かって延びている。第1の袖部ライン35は、脇下側ライン33につながっている右端では、左側に向かう値と上側に向かう値との比(接線の傾き)が、脇下側ライン33の上端におけるものと等しくなっているが、左に向かうにしたがって、左側に向かう値が上側に向かう値よりも大きくなっている(図4では接線の傾きが水平に近づいている)。
袖口ライン37は、第1の袖部ライン35の左端から、中央ライン29と平行に向かって延びている。
第2の袖部ライン39は、袖口ライン37の端部から、ショルダーライン(着用者の肩の上で左右方向に延びる仮想ライン)SLを中心にして第1の袖部ライン35とほぼ対称に延びている。
脇上側ライン41は、1/4の円弧状に形成されており、第2の袖部ライン39の右端部からショルダーラインSL(上側)および右側に向かって伸びている。なお、脇上側ライン41は、第2の袖部ライン39に接続している箇所で、ほぼショルダーラインSLにのみ向かって延びているが、第2の袖部ライン39から離れるにしたがって、右側に向かう割合が次第に大きくなり、右端では、ショルダーラインSLとほぼ平行になっている。これにより、脇上側ライン41の部分では、左側の後身頃7Aの外周が1/4円弧状で凹状になっている。
襟ぐりライン43は、円弧状に形成されており、脇上側ライン41の右端と中央ライン29の上端とをつないでいる。襟ぐりライン43の部分では、左側の後身頃7Aの外周が凹状になっている。
右側の後身頃7Bは、左側の後身頃7Aと同形状に形成されている。なお、布地に表裏の区別が存在する場合には、右側の後身頃7Bは、左側の後身頃7Aに対して鏡面対称の形状になっている。
左側の前身頃9Aは、1つの角が約90°であり、他の角が鈍角であり、前記90°の角を形成する2辺以外の3つの辺が凸状もしくは凸状な円弧状である五角形状に形成されている。
詳しく説明すると、左側の前身頃9Aの外周は、中央ライン45と下部ライン47と脇下側ライン49と脇上側ライン51と襟ぐりライン53とを備えた閉曲線状に形成されている。
中央ライン45は、直線状に形成されており、左側の後身頃7Aで上衣1を生成した場合、中央ライン29は、左右方向の中央部で裾から襟まで下から上に向かって直線状に延びるようになっている。
下部ライン47は、中央ライン45と直交しており、中央ライン45の下端から左(図6では右になっている)に向かって直線状に所定の長さだけ延びている。なお、左側の前身頃9Aで上衣1を生成した場合、下部ライン47の左端部は、着用者の前頭面よりも後方に位置している。
脇下側ライン49は、下部ライン47の左端から右側(図6では左側になっている)および上側に向かって延びている。脇下側ライン49は、下部ライン47につながっている下端では、ほぼ上側に向かって延びているが、上に向かうにしたがって、右側に向かう値が上側に向かう値よりも大きくなっている(図6では接線の傾きが水平に近づいている)。これにより、脇下側ライン49の部分では、左側の前身頃9Aの外周が凸な円弧状になっている。
脇上側ライン51は、脇下側ライン49の上端(右端)から右側(図6では左側になっている)および上側に向かって延びている。脇上側ライン51は、上に向かうにしたがって、右側に向かう値が上側に向かう値よりも大きくなっている(図6では接線の傾きが水平に近づいている)。これにより、脇下側ライン49の部分では、左側の前身頃9Aの外周が凸な円弧状になっている。また、脇下側ライン49と脇上側ライン51との接続部とこの近傍の部位とによって、左側の前身頃9Aの外周が凹状になっている。
襟ぐりライン53は、円弧状に形成されており、脇上側ライン51の右端(上端)と中央ライン45の上端とをつないでいる。襟ぐりライン53の部分では、左側の後身頃7Aの外周が凹状になっている。
右側の前身頃9Bは、左側の前身頃9Aと同形状に形成されている。なお、布地に表裏の区別が存在する場合には、右側の前身頃9Bは、左側の前身頃9Aに対して鏡面対称の形状になっている。
各身頃7,9を適宜縫い合わせて上衣1を生成する場合、左側の後身頃7Aの中央ライン29と右側の後身頃7Bの中央ライン29とが縫合されて、後中央縫製ライン27が形成されるようになっている。
また、各身頃7,9を適宜縫い合わせて上衣1を生成する場合、後身頃7の脇下側ライン33と前身頃9の脇下側ライン49とが縫合されて、前後身頃縫製ライン25のうちの下側の縫い目25Aが形成されるようになっている。
また、各身頃7,9を適宜縫い合わせて上衣1を生成する場合、後身頃7の第1の袖部ライン35と第2の袖部ライン39とが縫合されて、袖部下側縫製ライン23が形成されるようになっている。
また、各身頃7,9を適宜縫い合わせて上衣1を生成する場合、後身頃7の脇上側ライン41と前身頃9の脇上側ライン51とが縫合されて、前後身頃縫製ライン25のうちの上側の縫い目25Bが形成されるようになっている。
なお、袖部下側縫製ライン23と下側の縫い目25Aと上側の縫い目25Bとは脇の部分(点P1)から3本にわかれて延伸している(図3参照)。
ここで、図9を参照して、後中央縫製ライン27について詳しく説明する。後中央縫製ライン27は、左右の後身頃7A,7Bを中央布55と3本の縫製糸(第1〜第3の縫製糸)57,59,61とによって構成されている。なお、中央布55と3本の縫製糸57,59,61とは、図9の紙面に直交する方向に長く延びている。
後中央縫製ライン27は端部処理63を施した左右の後身頃7A,7B同士を第1の縫製糸57で縫い合わせ、続いて、幅方向の両端部を折り返した中央布55を「U」字状にして、左右の後身頃7A,7Bの端部を覆い、第2の縫製糸59で、中央布55と左右の後身頃7A,7Bとを縫い合わせ、続いて、右側の後身頃7Bを折り返して、第3の縫製糸61で、中央布55と右側の後身頃7Bとを縫い合わせることで生成されている。
これにより、左右の後身頃7A,7B同士の接触面積が大きくなるとともに、左右の後身頃7A,7B同士の接触圧を大きくすることができ、左右の後身頃7A,7B間における電気抵抗の値を小さくすることができる。
他の縫製ラインも後中央縫製ライン27と同様に構成されているが、他の縫製ラインが後中央縫製ライン27と異なった構成であってもよい。
次に、胸ポケット13について詳しく説明する。
胸ポケット13は、袋状のポケット部65と開口部(ポケット口)69を覆っているフラップ67とを備えて構成されている。
袋状のポケット部65は、前側ポケット部構成布71と後側ポケット部構成布73とを備えて構成されている。ポケット口69は、下部外側ポケット口構成布75と下部内側ポケット口構成布77と上部内側ポケット口構成布79と上部ポケット口構成布81とを備えて構成されている。フラップ67は、上部前側フラップ構成布83と上部内側フラップ構成布85と下部前側フラップ構成布87と下部内側フラップ構成布89と後側フラップ構成布91とを備えて構成されている。
また、袋状のポケット部65とポケット口69とフラップ67とは、各構成布71,73,75,77,79,81,83,85,87,89、91を、縫製糸93のそれぞれで適宜縫い合わせることで形成されている。なお、各構成布71〜91と各縫製糸93とは、図10の紙面に直交する方向に、ポケット口69の幅程度の長さで延びている。
ここで、従来の上衣(図11参照)と本発明の実施形態に係る上衣1との試験結果(電気抵抗の測定結果)について説明する。
電気抵抗値は、パーツ間(身頃間)の導通性を観るため、縫製ラインを挟んで行なった。すなわち、図1で示す上衣1では、点G1と点G2との間における電気抵抗を測定し、図11で示す従来の上衣でも、上衣1と同様にして点G1と点G2との間における電気抵抗を測定した。
また、前処理として、各上衣を5回洗濯し、この洗濯後に、温度20℃で湿度40%の環境に24時間保管した。そして、温度20℃で湿度40%の環境下で、電気抵抗を測定した。
電気抵抗を測定した機器として、測定器Iと測定器IIを使用した。測定器Iは、テラオームメータ(ミドリ安全製)であり、測定器IIは、抵抗計Model152(トレック製)である。
試験結果を図12に示す。図12で示す結果から、本発明の実施形態に係る上衣1のほうが従来のものよりも電気抵抗の値が小さくなっていることがわかる。
上衣1によれば、後身頃7が、後身頃本体部21と袖部構成部19とで一体で形成されているので、上衣1における袖部5と胴体部3との境界に縫製ラインが生成されていない。これにより、着用者が肩関節を動かしやく、着用者の作業性を確保することができる。
つまり、着用者の肩のところにおける縫製ラインが無くなっているので、着用者の腕の前方への挙動運動性が良くなっている。
また、後身頃7が後身頃本体部21と袖部構成部19とを一体化して構成されていることで、前後の袖部と後身頃7が一体の生地から構成されており、従来の上衣と比べて袖付け部の縫製ラインがなくなっているので、電気抵抗が大きくなることが防止され静電機能が確保されている。
すなわち、上衣1では、縫い目が少なくなっているので、縫い目間にて発生する接触部の電気抵抗値が既存パターン(従来の上衣)に比べ小さくなり、結果的に袖−袖間(図1の点G1と点G2との間)等の電気抵抗値が低く抑えられている。
さらに、縫製ラインが少なくなっているので、構成が簡素化され縫製が容易になっているとともに、肩部分の縫製ラインが存在しないので下着に対する引っ掛かりが無くなって滑りが良くなり、着用者が運動しやすくなる。
また、縫製当初の状態では、縫製箇所で生地同士が強く重なって(圧力をもってお互いに接合して)良好な接触をしているので、縫目部分(縫製箇所)の電気的連続性は良好である。一方、上衣の着用、洗濯を重ねることにより、縫製箇所で生地同士が離れる傾向になり(生地同士の接触圧力が弱まり)、上衣の各パーツの電気的連続性が低下する。そして、電気抵抗の値が縫製箇所で増加してしまう。しかし、上衣1では、縫製箇所での電気抵抗の値が増加しても、縫い目を少なくしてあるので、縫製箇所での電気抵抗値の増加の影響を抑えることができ、電気的耐久性が向上している(電気抵抗の増加を抑えることができる)。
また、上衣1によれば、後身頃7が、左側の後身頃7Aと右側の後身頃7Bとに分割されているので、図8で示すうように、材料取りにおける無駄の発生を少なくすることができる。
また、上衣1によれば、下側の縫い目25Aが、図3で示すように後側にずれているので、着用者が腕を上げる場合、下側の縫い目25Aによる抵抗が小さくなり、腕を上げやすくなっている。
すなわち、下側の縫い目(下側の縫製ライン)25Aが、着用者の前頭面からずれていないと、着用者が腕を上げる場合、下側の縫い目25Aが邪魔して(下側の縫製ライン25Aで腕が下方に引っ張られて)腕を上げ難くなるが、下側の縫い目25Aが、後側にずれていることで、着用者が腕を上げるときに下側の縫い目25Aがほとんど抵抗にならず、着用者が腕を上げやすくなる。
また、上衣1によれば、上側の縫い目(上側の縫製ライン)25Bが、図1で示すように、前側を通っているので、着用者の前面側(胸側)には、後身頃7と前身頃9との縫製ラインが存在しているが、着用者の肩のところには、縫製ラインが形成されていない。これにより、着用者が腕を前方へ動かしやすくなっており、前方への挙動運動性が良くなっている。
ところで、下側の縫製ライン25Aは図3等で示すように、後側に凸になるように曲がって後側にずれているが、下側の縫製ライン25Aが、図3に破線L1で示すように前側に凸になるように前側にずれていてもよい。また、図3等で示す下側の縫製ライン25Aの下端は、着用者の前頭面よりも後方に位置しているが、前方に位置していてもよい。さらに、下側の縫製ラインが、前後方向で蛇行等していて、着用者の前頭面からずれていてもよい。
なお、図1や図2で示す上衣1ではショルダーラインSLが水平方向に延伸しているが、ショルダーラインSLが、斜めに傾斜していてもよい。すなわち、左右のショルダーラインSLが、襟部17のところで上方に位置し、袖口に向かうにしたがってしだいに下方に位置するようになっていてもよい。
1 上衣
7 後身頃
9 前身頃
25A、25B 縫い目
7 後身頃
9 前身頃
25A、25B 縫い目
Claims (4)
- 導電糸を含む布地で構成され、袖部を構成する部位と一体で形成された後身頃と、
導電糸を含む布地で構成された前身頃と、
を有することを特徴とする上衣。 - 請求項1に記載の上衣において、
上記後身頃は、左側の後身頃と右側の後身頃とで構成されていることを特徴とする上衣。 - 請求項1または請求項2に記載の上衣において、
前記前身頃と前記後身頃とをお互いに縫合している縫い目であって脇から下方に延びている縫い目が、後側もしくは前側にずれていることを特徴とする上衣。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の上衣において、
前記前身頃と前記後身頃とをお互いに縫合している縫い目であって脇から上方に延びている縫い目が、前側を通っていることを特徴とする上衣。
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