JP2013014639A - 樹脂混和物およびその硬化物 - Google Patents

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Hidenori Tanaka
秀典 田中
Shigeki Ono
重樹 大野
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Abstract

【課題】機械物性に優れた樹脂混和物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および、一般式(1):−Z−C(=O)−C(R)=CH(1)(式中、Rは水素原子、または、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは2価の有機基である。)で表される置換基を分子内に平均1個以上有する数平均分子量が3,000以上のポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する樹脂混和物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂混和物に関する。
加熱することにより流動性を発現する熱可塑性樹脂は、非常に多くのものが開発され、産業のあらゆる分野で利用されている。熱可塑性樹脂の例を挙げると、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF―PET)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリァイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)等がある。更に近年では、熱可塑性エラストマーも数多くの製品が製造されている。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。
これら熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は使用用途によっては、機械物性が不十分な場合がある。そこで、単一の樹脂では達しえない性能を付与するなど性能の向上を図るために、樹脂製造時(重合時)他のモノマーで変性する方法が通常行われている。上記例示で相当するもののみならず、これまでに各種樹脂が生み出されてきている。変性方法としてはグラフト化技術がある。その一つとして、一旦重合した熱可塑性樹脂に対し、ラジカル開始剤等で活性化し、そこに新たなモノマーを添加することにより、そのモノマーが重合したブロックが枝状に樹脂に結合したものが得られる。しかし、この方法では、添加したモノマーが残存したり、それだけが重合したポリマーが生成したりする問題がある。そのため、本来グラフトにより期待されるべき上記性能を十分付与することが難しい。
また、上記グラフト化技術の他に、Milkovichらによって示された重合性の基を有する重合体であるマクロモノマーを用いた、樹脂の変性技術が開発されている(例えば、特許文献1、2。)。具体的には、上記グラフト化技術と同様に、一旦重合した樹脂を活性化し、そこにマクロモノマーを反応させることにより、グラフト化させたものが得られる。当該方法は残存モノマーも減少させることができる利点がある。しかし、この方法でも、マクロモノマーのみが重合したものや未反応のマクロモノマーが残存することが課題である。
上記マクロモノマーを使用したグラフト化技術では異なり、主体となる樹脂の重合系(重合中)に、マクロモノマーを共重合させることによりグラフトポリマーを得る方法が開発されている(例えば、特許文献3、4、5を参照。)。当該方法では、マクロモノマーのみが重合したものや未反応のマクロモノマーが残存するといった課題が解決される利点がある。当該方法に使用できる既に様々なマクロモノマーが合成され、それを共重合したグラフトポリマーが多数合成されている。しかし、これの方法は重合を伴うことから、専用の反応装置、得られたポリマーの脱水、脱溶剤、精製用の装置が必要なことから、コストアップに繋がるという工業的な規模での実施には経済的は課題がある。
また、樹脂の性能を向上させる方法としては、異種ポリマーによるアロイ技術があるが、ポリマーアロイ技術は異種ポリマーを効率良く分散させる必要があり、特定の配合物処方、混練技術が必要である。
特開昭49−30462号公報 US3786116 特開昭61−200111号公報 特開昭60−238301号公報 特開昭62−64814号公報
上記のように、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の機械物性を改善するために、モノマーやマクロモノマーを用いたグラフト化が行われている。しかし、依然として、より良い性能を発現するための変性技術及びそれにより製造された樹脂の開発が求められている。
また、非反応性の樹脂、反応性オリゴマーのブレンドによる樹脂改質も検討されているが、上述の課題を解決するに至ってない。
そこで、本願発明は、より簡便かつ容易に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂により良い性能を発現させうる樹脂混和物およびその硬化物を提供することを目的とする。
上述の現状に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、重合性の炭素−炭素二重結合を有する置換基を分子内に平均1個以上有するポリオキシアルキレン系重合体と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを混練してなる混和物を硬化させると、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の物性に、予想以上に良好な性能を付与・改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(I)
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および、一般式(1):
−Z−C(=O)−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、または、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは2価の有機基である。)で表される置換基を分子内に平均1個以上有する数平均分子量が3,000以上のポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する樹脂混和物。
(II)
一般式(1)のZが酸素原子である(I)に記載の樹脂混和物。
(III)
一般式(1)のZが一般式(2):
−NH−C(=O)−O−R−O− (2)
(式中、Rは2価の炭化水素基である。)で表される基である(I)に記載の樹脂混和物。
(IV)
一般式(1)のZが一般式(3):
−O−C(=O)−NH−R−O− (3)
(式中、Rは前記と同じ。)で表される基である(I)に記載の樹脂混和物。
(V)
一般式(1)で表される置換基が水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)と一般式(4):
O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
(式中、R、Rは前記と同じ。)で表されるイソシアネート系化合物(C)をジブチル錫(メルカプト酸エステル)(D)の存在下で反応させることにより得られる(IV)に記載の樹脂混和物。
(VI)
が水素原子である(I)から(V)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(VII)
がエチレン基である(III)から(VI)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(VIII)
ポリオキシアルキレン系重合体(A)がポリオキシプロピレン系重合体である(I)から(VII)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(IX)
熱可塑性樹脂が、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、二トリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタンジエン・スチレンゴム、ノルボルネンゴム、多硫化ゴム、天然ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である(I)から(VIII)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(X)
熱可塑性樹脂が、エポキシ基、水酸基、酸基およびハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも一種の反応性官能基を有する(I)から(IX)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(XI)
熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である(I)から(X)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(XII)
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とポリオキシアルキレン系重合体(A)との配合割合が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の総量100重量%に対してポリオキシアルキレン系重合体(A)が0.1重量%以上90重量%以下である(I)から(XI)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(XIII)
開始剤を含有する、(I)から(XII)のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
(XIV)
開始剤が、熱重合開始剤、光重合開始剤、および、レドックス開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である、(I)から(XIII)いずれか1項に記載の樹脂混和物。
(XV)
(I)から(XIV)のいずれか1項に記載の樹脂混和物を硬化させて得られる硬化物。
(XVI)
活性エネルギー線により硬化させて得られる(XV)に記載の硬化物。
(XVII)
活性エネルギー線がUVおよび/または電子線である(XVI)に記載の硬化物。
本発明の混和物によれば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の機械物性を改善した樹脂を得ることができ、それらは、発泡体、繊維、成形体、フィルム被覆材に加工し、利用することができる。熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂単独で得られる加工品では、柔軟性を付与する目的で可塑剤を併用した場合、可塑剤成分が高温、常温経時でブリードアウトするという課題があるが、本発明の樹脂混和物では全く発生しない。また、可塑剤を使用せずに機械物性を改善する方法として、反応性のオリゴマーを添加、硬化させる方法が試みられているが反応性オリゴマーとして例えばウレタンアクリレートを添加した場合には、加工品の耐熱性が低下するとか、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートの場合であれば、伸びが極端に低下する等の問題点は指摘されていたが、この様な問題点はなく、機械物性をより向上させることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
<熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF―PET)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリァイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、シリコーンゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、(メタ)アクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(MBS)、フッ素樹脂(PF)、ウレタン樹脂(PU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエステル樹脂、ポリエーテール樹脂等が使用できる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂には反応性の官能基を含まれていてもよい。
官能基としては特に限定はないが、エポキシ基、水酸基、酸基、ハロゲン基等が挙げられる。官能基別で、同樹脂に架橋剤を添加することで機械物性を向上させることができる。
官能基別の架橋剤としては、特に限定はないが、エポキシ基の場合、加熱硬化系では安息香酸アンモニウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛/ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛の組合せ、イソシアヌル酸/四級アンモニウム塩基の組合せ、酸無水物、熱潜在性のアミン系架橋剤、常温硬化の場合にはポリアミン、ポリアミド化合物、ポリアミドアミン化合物、ポリチオール化合物、無機酸、無機塩基等が挙げられる。
水酸基の場合、イソシアナート、酸水物化合物等が挙げられる。
酸基特のカルボン酸の場合は、ヘキサメチレンジアミンカーバメート/ジ−o−トリグアニジンの組合せ、多官能性エポキシ化合物、ポリアミン化合物(カルボン酸無水物の場合)、多価水酸基化合物(カルボン酸無水物の場合)等が挙げられる。
ハロゲン基の場合は、カルボン酸ナトリウム塩/カルボン酸カリウム塩/硫黄の汲み合せが挙げられる。
<ポリオキシアルキレン系重合体(A)>
本発明の樹脂混和物は、一般式(1):
−Z−C(=O)−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、または、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは2価の有機基である。)で表される置換基(以下、(メタ)アクリロイル系置換基と記載する場合もある。)を分子内に平均1個以上有する数平均分子量が3,000以上のポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する。
重合体(A)の(メタ)アクリロイル系置換基の数は、特に限定されないが、重合体(A)同士が架橋するという点から、1分子あたり平均1個未満であると硬化性が低くなる傾向があるため、平均1個以上が好ましい。ただし、1分子あたり平均1個以上の(メタ)アクリロイル系置換基を有する重合体(A)が含まれれば、硬化物の硬度、柔軟性を調整するために、1分子あたり平均1個未満の(メタ)アクリロイル系置換基を有するポリオキシアルキレン系重合体が含まれても良い。また、(メタ)アクリロイル基は分子の側鎖、および/または、末端のいずれに存在していてもかまわないが、ゴム弾性の点から、分子の末端に存在することが好ましい。
一般式(1)中のRは水素原子、または、炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。Rとしては、特に限定されず、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基があげられる。これらの中では、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の反応性の高さから、メチル基、または水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(1)中のZは特に限定されず、例えば、酸素原子;硫黄原子;−NH−、−NCH−などのアミノ基などがあげられる。これらの中では、導入の容易さから、酸素原子、−NH−基、下記の一般式(2)、一般式(3)で表される基が好ましく、酸素原子、一般式(2)、一般式(3)で表される基がより好ましい。
−NH−C(=O)−O−R−O− (2)
(式中、Rは2価の炭化水素基である。)
−O−C(=O)−NH−R−O− (3)
(式中、Rは前記と同じ。)
一般式(2)、(3)中のRは、2価の炭化水素基であれば特に限定されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基などのアルキレン基;シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基;フェニレン基、ベンジレン基などのアリーレン基;などがあげられる。これらの中では、導入の容易さから、エチレン基、ヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体に、一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル系置換基を導入する方法としては、例えば、(イ)水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)と、この水酸基に対して反応性を示す官能基および不飽和基を有する化合物(G1)を反応させる方法、(ロ)ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基を他の官能基に置換し、この置換基に対して反応性を示す官能基および不飽和基を有する化合物(G2)を反応させる方法などがあげられる。
(イ)の方法で、ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基と反応させる化合物(G1)としては、例えば、塩化(メタ)アクリル酸、臭化(メタ)アクリル酸などの不飽和酸ハロゲン化合物類;(メタ)アクリル酸などのカルボン酸化合物類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのエステル化合物類などがあげられる。これらの中でも、重合体(a)の水酸基との反応性から、不飽和酸ハロゲン化合物類の中では、塩化(メタ)アクリル酸が好ましく、カルボン酸化合物類の中では、(メタ)アクリル酸が好ましく、エステル化合物類の中では、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルが好ましい。
重合体(a)の水酸基と反応させる化合物(G1)の使用量としては、水酸基に対し、0.1モル当量から10モル当量が好ましく、0.5モル当量から5モル当量がより好ましい。使用量が0.1モル当量よりも少ない場合は、反応性が低下する場合があり、10モル当量よりも多い場合は、経済的に不利になることがある。
重合体(a)と化合物(G1)の反応において、種々の添加剤(H)を使用することができる。
重合体(a)の水酸基と不飽和酸ハロゲン化合物類を反応させる場合、生成する酸を捕捉する目的で、アミン化合物などを添加剤(H1)として使用することができる。アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、2−アミノピリジン、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノピリジン)、2−ヒドロキシピリジン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、2−ピペリジンメタノール、2−(2−ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、アジリジンなどの含窒素複素環式化合物、および、その他のアミン類として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N'−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミンなどのアミン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類などがあげられる。これらの中では、反応性の観点から第三級アミン類が好ましく、反応後の除去のし易さ、および、入手性の観点からトリエチルアミンが好ましい。
アミン化合物などの添加剤(H1)の使用量としては、水酸基に対し、0.1モル当量から10モル当量が好ましく、0.5モル当量から5モル当量が好ましい。使用量が0.1モル当量よりも少ない場合は、十分に酸を捕捉できない場合があり、10モル当量よりも多い場合は、除去が困難になる場合がある。
重合体(a)の水酸基とカルボン酸化合物類を反応させる場合、プロトン酸およびルイス酸、アミン化合物とスルホン酸類の塩、リン化合物とスルホン酸類の塩などを添加剤(H2)として併用すると反応性が高くなる場合がある。このような添加剤(H2)としては、例えば、塩酸、臭酸、ヨウ酸、リン酸などの無機酸類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、クロトン酸、イソクロトン酸、10−ウンデセン酸などのモノエン不飽和脂肪酸類;リノエライジン酸、リノール酸、10,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテトラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸などのポリエン不飽和脂肪酸類;2−メチル酪酸、イソ酪酸、2−エチル酪酸、ピバル酸、2,2−ジメチル酪酸、2−エチル−2−メチル酪酸、2,2−ジエチル酪酸、2−フェニル酪酸、イソ吉草酸、2,2−ジメチル吉草酸、2−エチル−2−メチル吉草酸、2,2−ジエチル吉草酸、2−エチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジエチルヘキサン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−エチル−2,5−ジメチルヘキサン酸、バーサチック酸、ネオデカン酸、ツベルクロステアリン酸などの枝分れ脂肪酸類;プロピオール酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸などの三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルプス酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸などの脂環式カルボン酸類;アセト酢酸、エトキシ酢酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グルコン酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸などの含酸素脂肪酸類;クロロ酢酸、2−クロロアクリル酸、クロロ安息香酸などのモノカルボン酸のハロゲン置換体;アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、グルタル酸、シュウ酸、マロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、エチルメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルこはく酸、2,2−ジエチルこはく酸、2,2−ジメチルグルタル酸などの鎖状ジカルボン酸;1,2,2−トリメチル−1,3−シクロペンタンジカルボン酸、オキシ二酢酸などの飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アセチレンジカルボン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、3−メチルイソクエン酸、4,4−ジメチルアコニット酸などの鎖状トリカルボン酸;安息香酸、9−アントラセンカルボン酸、アトロラクチン酸、アニス酸、イソプロピル安息香酸、サリチル酸、トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、カルボキシフェニル酢酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;アラニン、ロイシン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンなどのアミノ酸;トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類;ジメシチルアミンとペンタフルオロベンゼンスルホン酸との塩、ジフェニルアミンとトリフルオロメタンスルホン酸との塩、トリフェニルホスフィンとトリフルオロメタンスルホン酸との塩などがあげられる。
添加剤(H2)は使用しても、しなくても良いが、使用する場合は、水酸基に対し、0.001モル当量から10モル当量を使用することが好ましく、0.01モル当量から1モル当量がより好ましい。使用量が0.001モル当量よりも少ない場合は、十分な効果が得られない場合があり、10モル当量よりも多い場合は、除去が困難になる場合がある。
(ロ)の方法において、水酸基以外の置換基を有するポリオキシアルキレン系重合体としては、アルコキシド基を有する重合体、ハロゲン原子を有する重合体、アミノ基を有する重合体などがあげられる。
アルコキシド基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、重合体(a)と金属アルコキシドを反応させる方法などがあげられる。使用される金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、カルシウムジエトキシドなどがあげられる。
さらに、アルコキシド基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)とグリニャール試薬(I)を反応させる方法があげられる。グリニャール試薬(I)としては、特に制限されないが、例えば、p−キシレン−マグネシウムブロミド、p−キシレン−マグネシウムクロライド、アリルマグネシウムブロミド、アリルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムヨージド、トリメチルシリルメチルマグネシウムクロリド、ビニルマグネシウムブロミド;ベンジルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムクロリドなどのベンジルマグネシウムハライド;m−トリルマグネシウムブロミド、o−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムブロミドなどのトリルマグネシウムハライド;ブチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、ヘプチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、イソブチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、n−オクチルマグネシウムブロミド、ペンタデシルマグネシウムブロミド、ペンチルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムクロリドなどのアルキルマグネシウムハライド;シクロヘキシルマグネシウムブロミド、シクロペンチルマグネシウムブロミド、シクロプロピルマグネシウムブロミドなどのシクロアルキルマグネシウムハライド;などがあげられる。これらのなかでは、入手性の点からベンジルマグネシウムハライド、トリルマグネシウムハライド、アルキルマグネシウムハライド、シクロアルキルマグネシウムハライドが好ましく、具体的には、反応によって生じる副生成物の点から、ベンジルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムクロリド等のベンジルマグネシウムハライド、m−トリルマグネシウムブロミド、o−トリルマグネシウムブロミド、p−トリルマグネシウムブロミド等のトリルマグネシウムハライド、ヘプチルマグネシウムブロミド、ヘキシルマグネシウムブロミド、n−オクチルマグネシウムブロミド等のアルキルマグネシウムハライド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド等のシクロアルキルマグネシウムハライドが好ましい。これらのグリニャール試薬は、通常、ジエチルエーテル溶液、テトラヒドロフラン溶液などの溶液として市販されているものが多く、溶液状態のまま使用することが好ましい。
グリニャール試薬(I)の使用量としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基に対し、0.1〜5当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好ましく、当量であることがさらに好ましい。使用量がこれよりも多い場合は化合物(G2)との反応に影響を及ぼす可能性があり、少ない場合は化合物(G2)との反応性が低下する懸念がある。
重合体(a)とグリニャール試薬(I)との反応において、グリニャール試薬(I)に含まれる溶媒以外に、反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、グリニャール試薬(I)と反応しない非プロトン性溶媒が好ましく、具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒を挙げることができる。また、グリニャール試薬(I)は水分と反応し易いため、脱水溶媒を使用することが好ましい。
重合体(a)とグリニャール試薬(I)との反応は、グリニャール試薬(I)が水分と反応し易いため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。また、反応温度としては、−80℃から100℃が好ましく、0℃から30℃がより好ましい。
アルコキシド基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応させる化合物(G2)としては、上記の(イ)法で示した不飽和酸ハロゲン化合物類、カルボン酸化合物類などを使用することができる。なかでも、得られる重合体(A)の反応性の点から、塩化アクリル酸が好ましい。
ハロゲン原子を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、重合体(a)と四塩化炭素、もしくは、四臭化炭素をトリフェニルホスフィンの存在下で反応させる方法、重合体(a)を五塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフニルと反応させ、水酸基を塩素原子に置換する方法などがあげられる。
ハロゲン原子を有する重合体と反応させる不飽和基を有する化合物(G2)としては、上記の(イ)法で示したカルボン酸化合物類の塩、例えば、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウムなどを使用することができる。
アミノ基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法としては、重合体(a)とアミノ酸を反応させる方法、重合体(a)の水酸基をハロゲン原子に置換し、ヘキサメチレンテトラミンと反応させる方法、水酸基をハロゲン原子に置換させた重合体に、フタルイミドと水酸化カリウム、もしくは、カリウムフタルイミドを反応させてフタルイミド基を有する重合体とした後、ヒドラジン、もしくは、水酸化カリウムと反応させることによってアミノ基を有する重合体を得る方法などがあげられる。
アミノ基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応させる化合物(G2)としては、上記の(イ)法で示した化合物(G1)と同様のものを使用することができる。また、化合物(G2)との反応において、上記の添加剤(G)を使用しても良いし、しなくても良い。
一般式(2)の構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)の合成方法としては、水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)とジイソシアネート化合物(J)を反応させた後、イソシアネート基と反応する置換基を有する(メタ)アクリル系モノマー(K)と反応させる方法などがあげられる。
ジイソシアネート化合物(J)としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランス−シクロヘキサンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族および脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、o−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類などがあげられる。
ジイソシアネート化合物(J)の使用量としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基に対し、0.1モル当量から10モル当量が好ましく、0.5モル当量から5モル当量がより好ましい。使用量が0.1モル当量よりも少ない場合は、反応性が低下する場合があり、10モル当量よりも多い場合は、(メタ)アクリル系モノマー(K)との反応に悪影響を与える可能性がある。
イソシアネート基と反応する置換基を有する(メタ)アクリル系モノマー(K)としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルなどがあげられる。なかでも、入手性や取扱い易さの点から、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルが好ましい。
(メタ)アクリル系モノマー(K)の使用量としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基に対し、0.1モル当量から10モル当量が好ましく、0.5モル当量から5モル当量がより好ましい。使用量が0.1モル当量よりも少ない場合は、反応性が低下する場合があり、10モル当量よりも多い場合は、経済的に不利になる懸念がある。
ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基とジイソシアネート化合物(J)およびイソシアネート基と反応する置換基を有する(メタ)アクリロイルモノマー(K)を反応させる場合は、チタン化合物、錫化合物、ジルコニウム化合物などを添加剤(H3)として併用することにより、反応性が高くなる場合がある。チタン化合物としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセテート)などをあげることができ、錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などを挙げることがき、ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などをあげることができる。
添加剤(H3)は使用しても、しなくても良いが、使用する場合は、重合体(a)に対し、1ppmから1000ppmを使用することが好ましく、5ppmから500ppmがより好ましい。使用量が1ppmよりも少ない場合は、十分な効果が得られない場合があり、1000ppmよりも多い場合は、重合体(A)を硬化させてなる硬化物に影響を与える場合がある。
一般式(3)の構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)の合成方法としては、水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)とイソシアネート系化合物(C)を反応させる方法があげられる。
イソシアネート系化合物(C)としては、特に制限されないが、一般式(4):
O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
(式中、R、Rは前記と同じ。)
で表わされる下記の化合物をあげることができる。
Figure 2013014639
これらのなかでは、反応性や入手性の観点から、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシイソシアネートが好ましく、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。
イソシアネート系化合物(C)の使用量としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)の水酸基に対し、0.1〜5当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好ましく、当量であることがさらに好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利であり、少ない場合は、得られるポリオキシアルキレン系重合体(A)の硬化性が低下する傾向がある。
ポリオキシアルキレン系重合体(a)とイソシアネート系化合物(C)を反応させる際に、ジブチル錫(メルカプト酸エステル)(D)を使用する。ジブチル錫(メルカプト酸エステル)(D)としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫(メルカプト酸メチル)、ジブチル錫(メルカプト酸エチル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−プロピル)、ジブチル錫(メルカプト酸イソプロピル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−ブチル)、ジブチル錫(メルカプト酸イソブチル)、ジブチル錫(メルカプト酸sec−ブチル)、ジブチル錫(メルカプト酸tert−ブチル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−ペンチル)、ジブチル錫(メルカプト酸ネオペンチル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−ヘキシル)、ジブチル錫(メルカプト酸シクロヘキシル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−ヘプチル)、ジブチル錫(メルカプト酸n−オクチル)、ジブチル錫(メルカプト酸2−エチルヘキシル)、ジブチル錫(メルカプト酸ノニル)、ジブチル錫(メルカプト酸デシル)、ジブチル錫(メルカプト酸ドデシル)、ジブチル錫(メルカプト酸フェニル)、ジブチル錫(メルカプト酸トルイル)、ジブチル錫(メルカプト酸ベンジル)などがあげられる。より具体的には、日東化成(株)製のネオスタンU−360、ネオスタンU−350などをあげることができる。
ジブチル錫(メルカプト酸エステル)(D)の使用量としては、ポリオキシアルキレン系重合体(a)に対して、10ppm〜500ppmが好ましく、25ppm〜100ppmがより好ましく、40〜60ppmがさらに好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、副生成物が生じる可能性があり、これよりも少ない場合は、反応性が低くなる可能性がある。
ポリオキシアルキレン系重合体(a)とイソシアネート化合物(C)を反応させる際に、溶剤を使用しても良いし、使用しなくても良い。溶剤を使用する場合は、重合体(a)が溶解する溶剤が好ましい。溶剤としては、特に制限されないが、例えば、トルエン、ヘキサンなどがあげられる。溶剤の使用量としては、攪拌のし易さなどの観点から、適宜、決定することができる。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖骨格としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体などを使用することができるが、ポリオキシプロピレン系重合体であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に一般式(5):
−R−O− (5)
(式中、Rは炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である。)で表される繰り返し単位を有する重合体であり、一般式(5)中に記載のRは、炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好まく、2から4の直鎖状、もしくは、分岐状アルキレン基がより好ましい。一般式(5)に記載の繰り返し単位としては、特に限定はなく、例えば、
Figure 2013014639
などがあげられる。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなっても良いし、2種類以上の繰り返し単位からなっても良い。特に、プロピレンオキシド重合体を主成分とする重合体から成るものが、非晶質であることや比較的低粘度であることから好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、特に限定されず、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号などの各公報に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号公報に示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11060722号公報に示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法などがあげられる。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)は直鎖状、または分岐を有しても良く、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において3,000から100,000が好ましく、より好ましくは3,000から50,000であり、特に好ましくは3,000から30,000である。数平均分子量が3,000未満では、硬化物の伸縮性の点で不都合な傾向があり、100,000を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、2.00未満が好ましく、1.60以下がより好ましく、1.40以下が特に好ましい。分子量分布が大きくなると、粘度が高くなり、それゆえ作業性が悪くなる傾向がある。
なお、水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)の主鎖骨格、合成法についてはポリオキシアルキレン系重合体(A)と同様のことが言える。
<開始剤>
開始剤としては特に限定はないが、熱重合開始剤、光重合開始剤、レッドクス開始剤等が挙げられる。なお、熱重合開始剤、光重合開始剤、レッドクス開始剤はそれを単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として使用してもよいが、混合物として使用する場合には、各開始剤の使用量は、後述のそれぞれの範囲内にあることが好ましい。熱重合開始剤としては、特に制限はないが、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
公知のものを使用することができる。例えば、特開2006−2654884公報段落[0104]〜[0106]記載のものが挙げられる。熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤及び過酸化物開始剤からなる群から選ばれる。更に好ましいものは、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド並びにこれらの混合物である。熱重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開始剤として熱重合開始剤を使用する場合、熱重合開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の重合体(A)100重量部に対して好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
レドックス(酸化還元)系開始剤は、幅広い温度領域で使用できる。特に、下記開始剤種は常温で使用できることが有利である。適切なレドックス系開始剤としては、限定されるわけではないが、例えば特開2006−2654884公報段落[0109]記載のものが挙げられる。
レドックス開始剤系では有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、有機化酸化物と遷移金属が好ましく、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとコバルトナフテートの組み合わせがさらに好ましい。
レドックス系開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開始剤としてレドックス系開始剤を使用する場合、レドックス系開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の重合体(A)100重量部に対して好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
活性エネルギー線より硬化させる場合には、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル開始剤と光アニオン開始剤とが挙げられる。光ラジカル開始剤としては、例えば、特開2006−265488公報段落[0097]記載のものが挙げられる。さらに、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル開始剤が挙げられる。
光ラジカル開始剤としては、本発明の樹脂混和物の硬化性と貯蔵安定性のバランスの点で、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドがより好ましい。
光アニオン開始剤としては、例えば、1,10−ジアミノデカン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、カルバメート類及びその誘導体、コバルト−アミン錯体類、アミノオキシイミノ類、アンモニウムボレート類等が挙げられる。
近赤外光重合開始剤としては、近赤外光吸収性陽イオン染料等を使用しても構わない。近赤外光吸収性陽イオン染料としては、650〜1500nmの領域の光エネルギーで励起する、例えば特開平3−111402号公報、特開平5−194619号公報等に開示されている近赤外光吸収性陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体等を用いるのが好ましく、ホウ素系増感剤を併用することがさらに好ましい。これらの光重合開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
なお、前記光重合開始剤を使用する場合、必要により、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、パラターシャリーブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。
開始剤として光重合開始剤を使用する場合、その添加量は特に制限はないが、硬化性と貯蔵安定性の点から、重合体(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。
<樹脂混和物>
本発明の樹脂混和物は、物性を調整するために、各種の添加剤、例えば、重合性のモノマー及び/またはオリゴマー硬化調整剤、金属石鹸、充填材、微小中空粒子、可塑剤、接着性付与剤、溶剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、物性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、光硬化性樹脂等を、必要に応じて適宜配合してもよい。これらの各種添加剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
<重合性のモノマー及び/またはオリゴマー>
本発明の樹脂混和物には、本発明の効果を損なわない範囲でモノマー及び/またはオリゴマーを添加することができる。ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
前記ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
前記アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基等の(メタ)アクリロイル系基、スチレン基、アクリロニトリル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル系基を有するものが好ましい。
前記モノマーの具体例としては、特開2006−265488公報段落[0123]〜[0131]記載のものが挙げられる。
前記オリゴマーとしては、特開2006−265488公報段落[0132]記載のものが挙げられる。
上記のうち、(メタ)アクリロイル系基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが好ましい。また、(メタ)アクリロイル系基を有するモノマー及び/又はオリゴマーの数平均分子量は、5000以下であることが好ましい。さらに、表面硬化性の向上や、作業性向上のための粘度低減のために、モノマーを用いる場合には、分子量が1000以下であることが、相溶性が良好であるという理由からさらに好ましい。
重合性のモノマー及び/又はオリゴマーの使用量としては、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の観点から、重合体(A)100重量部に対して、1〜200部が好ましく、5〜100部がより好ましい。
<金属石鹸>
本発明の樹脂混和物には、金型離型性を高めるために必要に応じて金属石鹸をさらに含有させることができる。
金属石鹸としては、特に制限はないが、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性あるいは低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を一分子中に合わせて持っているものであれば、公知のものを任意に使用できる。
長鎖脂肪酸としては、例えば炭素数1〜18の飽和脂肪酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、入手性の点から炭素数1〜18の飽和脂肪酸が好ましく、離型性の効果の点から炭素数6〜18の飽和脂肪酸が特に好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウム)、亜鉛、鉛、コバルト、アルミニウム、マンガン、ストロンチウム等が挙げられる。
具体的に例示すれば、特開2005−232419公報段落[0155]記載の金属石鹸が挙げられる。
これらの金属石鹸の中では、入手性、安全性の点からステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の点から、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものが最も好ましい。
この金属石鹸の添加量としては特に制限はないが、重合体(A)100重量部に対して0.025〜5重量部の範囲で使用することが好ましく、0.05〜4重量部使用するのがより好ましい。配合量が5重量部より多いと硬化物の物性が低下する傾向があり、0.025重量部より少ないと金型離型性が得られにくい傾向がある。
<充填材>
充填材としては、特に限定されないが特開2005−232419公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。
これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主に結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー及び活性亜鉛華等から選ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が50m/g以上、通常50〜400m/g、好ましくは100〜300m/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛及びシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強度、破断伸びの改善効果が充分でないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸びの改善効果はより大きくなる。
更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の樹脂混和物の作業性を改善し、該樹脂混和物の貯蔵安定性効果がより向上すると考えられる。
前記の表面処理剤としては、公知のものを使用でき、例えば、特開2005−232419公報段落[0161]記載の表面処理剤が挙げられる。
この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1〜20重量%の範囲で処理するのが好ましく、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業性の改善効果が充分でないことがあり、20重量%を越えると、該樹脂混和物の貯蔵安定性が低下することがある。
特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破断伸び等の改善効果を特に期待する場合には、膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。
一方、重質炭酸カルシウムを配合物の増量、コストダウン等を目的として添加することがある特開2005−232419公報段落[0163]記載のものを使用することができる。
上記充填材は、目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。充填材を用いる場合の添加量は、重合体(A)100重量部に対して、充填材を5〜1000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると該樹脂混和物の作業性が低下することがある。
<微小中空粒子>
物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用して添加することができる。
このような微小中空粒子(以下において、「バルーン」と称することがある。)には、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体(無機系バルーンや有機系バルーン)が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm以下である微小中空体を用いることが好ましく、更には0.5g/cm以下である微小中空体を用いることが好ましい。
前記無機系バルーン及び有機系バルーンとしては、特開2005−232419公報段落[0168]〜[0170]に記載されているバルーンを使用することができる。
上記バルーンは単独で使用しても良く、2種類以上混合して用いても良い。さらに、これらバルーンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸リグニン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール等で、分散性及び配合物の作業性を改良するために処理したものも使用することができる。これらのバルーンは、配合物を硬化させた場合の物性のうち、柔軟性及び伸び・強度を損なうことなく、軽量化させコストダウンするために使用される。
バルーンの添加量は、特に限定されないが、重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは0.1〜30重量部の範囲で使用できる。この量が0.1重量部未満では軽量化の効果が小さく、50重量部より多いとこの配合物を硬化させた場合の機械特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。また、バルーンの比重が0.1以上の場合は、その添加量は好ましくは3〜50重量部、更に好ましくは5〜30重量部である。
<酸化防止剤>
本発明の樹脂混和物には、各種酸化防止剤を必要に応じて用いてもよい。これらの酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
<可塑剤>
本発明の樹脂混和物には、必要に応じて可塑剤を配合することができる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、耐熱性試験時における揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、添加することにより、該樹脂混和物の粘度及び該樹脂混和物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15000と記載したが、好ましくは800〜10000であり、より好ましくは1000〜8000である。分子量が低すぎると熱にさらされたり液体に接した場合に可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことがある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
これらの高分子可塑剤のうちで、重合体(A)と相溶するものが好ましい。中でも相溶性及び耐候性、耐熱老化性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、USP5010166)にて作製されるため、本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。
なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、重合体(A)100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。1重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
上記可塑剤以外に、本発明においては、次に述べる反応性希釈剤を用いても構わない。
反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
反応性希釈剤の具体例としては、1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1−ジアセトキシ−2−プロペン、1−ウンデセン酸メチル、8−アセトキシ−1,6−オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性希釈剤の添加量は、重合体(A)100重量部に対し、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜70重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。
<光安定剤>
本発明の樹脂混和物には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
特に限定はされないが、光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、例えば、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物の具体的には2006−274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組合せはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー製)などを使用しても良い。
光安定剤の使用量は、熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂と重合体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<接着性付与剤>
本発明の樹脂混和物を成形ゴムとして単独で使用する場合には、特に接着付与剤を添加する必要はないが、異種基材との二色成形等に使用する場合に配合できる接着性付与剤としては、樹脂混和物に接着性を付与するものであれば特に限定されないが、架橋性シリル基含有化合物が好ましく、更にはシランカップリング剤が好ましい。
これらを具体的に例示すると、特開2005−232419公報段落[0184]記載の接着性付与剤が挙げられる。
また、ヒドロシリル化反応を阻害しない範囲において、分子中にエポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、カルバメート基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ハロゲン基、(メタ)アクリル基等の、炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤を用いることができる。
これらを具体的に例示すると、特開2005−232419公報段落[0185]記載の炭素原子及び水素原子以外の原子を有する有機基と、架橋性シリル基を併せ持つシランカップリング剤が挙げられる。
これらの中でも、硬化性及び接着性の点から、分子中にエポキシ基あるいは(メタ)アクリル基を有するアルコキシシラン類がより好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤以外の接着性付与剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、接着性を更に向上させるために、架橋性シリル基縮合触媒を上記接着性付与剤とともに併用することができる。架橋性シリル基縮合触媒としては、例えば、特開2005−232419公報段落[0187]記載されているものが挙げられる。
上記接着性付与剤は、重合体(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部配合するのが好ましい。0.01重量部未満では接着性の改善効果が小さく、20重量部を越えると硬化物物性が低下し易い傾向がある。好ましくは0.1〜10重量部であり、更に好ましくは0.5〜5重量部である。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
<溶剤>
本発明の樹脂混和物には、必要に応じて溶剤を配合することができる。
配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
<その他の添加剤>
本発明の樹脂混和物には、樹脂混和物又はその硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号の各明細書などに記載されている。
<硬化物の作製方法>
本発明の樹脂混和物は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
本発明による樹脂混和物は、比較的高温でも貯蔵安定性に優れることから、当該樹脂混和物をより低い粘度で扱うことが可能となり、ロール成形、押出し成形、液状射出成形等に好適である。
また、重合体(A)配合比率によっては、常温でも流動性を持たすことが可能であり、常温での光硬化、レドックス硬化が可能である。
<硬化物>
本発明の硬化物は、上記樹脂混和物を硬化させて得られるものである。当該樹脂混和物を硬化させる方法としては、特に限定されない。
開始剤として熱重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、使用する熱重合開始剤、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂成分、重合体(A)、添加される他の化合物等の種類により異なるが、通常50℃〜250℃が好ましく、70℃〜200℃がより好ましい。
光重合開始剤を用いる場合、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられる。光重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
レドックス系開始剤を用いる場合、その硬化温度は、−50℃〜250℃が好ましく、0℃〜180℃がより好ましい。
<成形方法>
本発明の樹脂混和物を成形体として用いる場合の成形方法としては、特に限定されず、一般に使用されている各種の成形方法を用いることができる。例えば、注型成形、圧縮成形、トランフファー成形、射出成形、押し出し成形、回転成形、中空成形、熱成形等が挙げられる。特に自動化、連続化が可能で、生産性に優れるという観点から、ロール成形、カレンダー成形、押出し成形、液状射出成形、射出成形によるものが好ましい。
<用途>
本発明の樹脂混和物は、特に限定はされないが、自動車用材料、電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材等の電気絶縁材料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティング材、フィルム、ガスケット、オイルシール、Oリング、パッキン、ホース・チューブ類、ロール、ダイヤフラム、注型材料、各種成形材料等の様々な用途に利用可能である。
更に、本発明の樹脂混和物から得られたゴム弾性を示す成形体は、ガスケット、パッキン類を中心にシール材用途にも適用できる。
例えば自動車分野では、ボディ部品として、気密保持のためのシール材、ガラスの振動防止材、車体部位の防振材、特にウインドシールガスケット、ドアガラス用ガスケットに使用することができる。シャーシ部品として、防振、防音用のエンジン及びサスペンジョンゴム、特にエンジンマウントラバーに使用することができる。エンジン部品としては、トランスミッションオイルクーラーホース、エンジンオイルクーラーホース、エアダクトホース、ターボインタークーラーホース、ホットエアーホース、ラジエターホース、パワーステアリングホース、燃料ホース、ドレインホース等の冷却用、燃料供給用、吸気及び排気用等のホース類、エンジンカムカバーやオイルパンのガスケット、オイルポンプ用ガスケット、パワーステアリングベーンポンプ用ガスケット、インテークマニホールド用ガスケット、スロットルボディ用ガスケット、コンプレッサー用ガスケット、タイミングベルトカバー用ガスケット、クランクシャフトシールガスケット、カムシャフトシールガスケット、トランスミッションシールガスケット、等のガスケット類、各種Oリング、オイルシール、パワーステアリングシールベルトカバーシール、シールワッシャ−、オイルレシーバ、プラグチューブシール、スクイーズパッキン、リップシールパッキン、ボアプラグ、インジェクションパイプシール、ブレーキドラムシール、ワイヤーハーネス等のコネクタシール、オイルレベルゲージ、ブリーザ、バルブ、ダイアフラム等各種ゴム部品、燃料噴射装置、燃料加熱装置、エアダンパ、圧力検出装置、熱交換器用樹脂タンクのオイルクーラー、可変圧縮比エンジン、シリンダ装置、圧縮天然ガス用レギュレータ、圧力容器、筒内直噴式内燃機関の燃料供給システムもしくは高圧ポンプ用のOリング、イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドIC用のボッティング材、等速ジョイントブーツ材及びラック&ピニオンブーツ材、エンジンコントロール基板用のコーティング材、モール、ヘッドランプレンズ、サンルーフシールもしくはミラー用の接着剤に使用することができる。また、排ガス清浄装置部品、ブレーキ部品にも使用できる。
電気分野では、コーティング、ポッティング、パッキン、Oリング、ベルト等に使用できる。具体的には、高電圧用厚膜抵抗器、ハイブリッドICの回路素子、HIC、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、モジュール、印刷回路、セラミック基板、ダイオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤーのバッファー材、半導電体素子、または光通信用オプティカルファイバー等のコーティング材、トランス高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池またはテレビ用フライバックトランス等のポッティング材、重電部品、弱電部品、太陽電池の裏面封止、電気・電子機器の回路や基板等のシーリング材、照明器具用の飾り類、防水パッキン類、防振ゴム類、防虫パッキン類、クリーナ用の防振・吸音と空気シール材、電気温水器用の防滴カバー、ヒータ部パッキン、電極部パッキン、安全弁ダイアフラム、酒かん器用のホース類、防水パッキン、電磁弁、スチームオーブンレンジ及びジャー炊飯器用の防水パッキン、給水タンクパッキン、吸水バルブ、水受けパッキン、接続ホース、ベルト、保温ヒータ部パッキン、蒸気吹き出し口シール等、燃焼機器用のオイルパッキン、Oリング、ドレインパッキン、加圧チューブ、送風チューブ、送・吸気パッキン、防振ゴム、給油口パッキン、油量計パッキン、送油管、ダイアフラム弁、送気管等、音響機器用のスピーカーガスケット、スピーカーエッジ、ターンテーブルシート、ベルト、プーリー等のゴム部品が挙げられる。また、ブラウン管ウェッジ、ネック、電気絶縁部品、半導電部品または導電部品等の接着剤、電線被覆の補修材、電線ジョイント部品の絶縁シール材、OA機器用ロール、インク用ワイパ、振動吸収剤、ゲル等にも使用できる。
建築分野では、構造用ガスケット(ジッパーガスケット)、空気膜構造屋根材、防水材、定形シーリング材、防振材、防音材、セッティングブロック、摺動材等に使用できる。
スポーツ分野では、スポーツ床として全天候型舗装材、体育館床等、スポーツシューズとして靴底材、中底材等、球技用ボールとしてゴルフボール等に使用できる。
防振ゴム分野では、自動車用防振ゴム、鉄道車両用防振ゴム、航空機用防振ゴム、防舷材等に使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
(合成例1)
分子量約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、末端が水酸基である数平均分子量28,500(送液システム:東ソー製HLC−8120GPC、カラム:東ソー製TSK−GEL Hタイプ、溶媒としてTHFを用いて測定したポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンオキシド(a−1)を得た。
水酸基を有するポリプロピレンオキシド(a−1)100重量部に対し、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ0.02重量部、ジブチル錫ビス(メルカプト酸エステル)(D−1)(日東化成(株)製ネオスタンU−360)50ppm、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(C−1)(昭和電工(株)製カレンズAOI)1.3重量部を加え、90℃で1時間攪拌した。H−NMR(Bruker製AvanceIII 400MHz NMRシステム)による測定により、ポリプロピレンオキシド(a−1)の水酸基に由来するピークが消失するとともに、カルバメート基が結合した炭素上のプロトンに由来するピーク(4.91ppm(多重線))が現れ、(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するポリオキシアルキレン系重合体(A−1)が得られたことを確認した。
H−NMRスペクトルにおいて、主鎖中のメチル基に由来するピークの積分値とアクリロイル基に由来するピークの積分値の比から算出した(メタ)アクリロイル系置換基の導入率は90%であった。これによりポリオキシアルキレン系重合体(A−1)は1分子あたり平均して、1.8個の(メタ)アクリロイル系置換基を含有することがわかった。また、GPCにより求めた分子量は28,500であった。
(実施例1)
合成例1で得られたポリオキシアルキレン系重合体(A−1)3重量部、NipolAR31(エポキシ基含有耐熱タイプアクリルゴム、日本ゼオン製)97重量部、酸化防止剤としてノクラックWhite(N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業製)を2重量部、滑剤としてグレッグG−8205(エステル系ワックス、大日本インキ化学工業製)1重量部、ステアリン酸1重量部をラボプラストミル(LABO PLASTOMILL MODEL 30C150、東洋精機製作所製)を用い、チャンバー内の樹脂温度(チャンバー温度)が80℃から混練を開始し、ローター回転数20rpmで1.5分→50rpmで1.5分→65rpmで1.5分それぞれ混練し、剪断発熱により樹脂温度が約95℃に達した時点で混練を停止し、樹脂温度85℃以下までチャンバー内で冷却した。そこへ、開始剤として、パーブチルI(t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、日本油脂製)0.03重量部、NipolAR31の架橋剤として安息香酸アンモニウム1.46重量部を加え、チャンバー温度を80℃、ローター回転数20rpmで1.5分→45rpmで1.5分→60rpmで1.5分間それぞれ混練して、開始剤、架橋剤を樹脂成分に分散させた。さらに、真空ポンプを用いて、5分間脱揮して樹脂内の気泡を除去して樹脂混和物を得た(チャンバー温度80℃、ローターの回転条件;40rpm)。得られた樹脂混和物を金型(100mm×140mm、厚さ2mm)に流し込み、温度170℃でプレス加硫を30分間行い、厚さ約2mmのゴム状硬化物シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、ポリオキシアルキレン系重合体(A−1)およびパーブチルIを加えず、NipolAR31を100部、安息香酸アンモニウムを1.5部した以外は、実施例1と同様の方法樹脂混和を作製し、ゴム状硬化物シートを得た。
実施例1と比較例1で得られたゴム状硬化物シートの比較から以下のことが明らかであった。ポリオキシアルキレン系重合体(A)を熱可塑性樹脂に添加、硬化させた場合に予想以上の高伸び、低ジュラス化が見られ、柔軟性の付与効果が顕著となった。

Claims (17)

  1. 熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および、一般式(1):
    −Z−C(=O)−C(R)=CH (1)
    (式中、Rは水素原子、または、炭素数1〜20の炭化水素基、Zは2価の有機基である。)で表される置換基を分子内に平均1個以上有する数平均分子量が3,000以上のポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する樹脂混和物。
  2. 一般式(1)のZが酸素原子である請求項1に記載の樹脂混和物。
  3. 一般式(1)のZが一般式(2):
    −NH−C(=O)−O−R−O− (2)
    (式中、Rは2価の炭化水素基である。)で表される基である請求項1に記載の樹脂混和物。
  4. 一般式(1)のZが一般式(3):
    −O−C(=O)−NH−R−O− (3)
    (式中、Rは前記と同じ。)で表される基である請求項1に記載の樹脂混和物。
  5. 一般式(1)で表される置換基が水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(a)と一般式(4):
    O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
    (式中、R、Rは前記と同じ。)で表されるイソシアネート系化合物(C)をジブチル錫(メルカプト酸エステル)(D)の存在下で反応させることにより得られる請求項4に記載の樹脂混和物。
  6. が水素原子である請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  7. がエチレン基である請求項3から6のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  8. ポリオキシアルキレン系重合体(A)がポリオキシプロピレン系重合体である請求項1から7のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  9. 熱可塑性樹脂が、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、二トリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタンジエン・スチレンゴム、ノルボルネンゴム、多硫化ゴム、天然ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から8のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  10. 熱可塑性樹脂が、エポキシ基、水酸基、酸基およびハロゲン基からなる群から選ばれる少なくとも一種の反応性官能基を有する請求項1から9のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  11. 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から10のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  12. 熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とポリオキシアルキレン系重合体(A)との配合割合が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、および、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の総量100重量%に対してポリオキシアルキレン系重合体(A)が0.1重量%以上90重量%以下である請求項1から11のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  13. 開始剤を含有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の樹脂混和物。
  14. 開始剤が、熱重合開始剤、光重合開始剤、および、レドックス開始剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1から13いずれか1項に記載の樹脂混和物。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の樹脂混和物を硬化させて得られる硬化物。
  16. 活性エネルギー線により硬化させて得られる請求項15に記載の硬化物。
  17. 活性エネルギー線がUVおよび/または電子線である請求項16に記載の硬化物。
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