JP2013011521A - 余寿命評価方法および余寿命評価装置 - Google Patents

余寿命評価方法および余寿命評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高クロム鋼で形成された溶接部に発生する微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる余寿命評価方法等を提供する。
【解決手段】高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を評価する余寿命評価方法であって、超音波が照射された溶接部に生じた微小欠陥から反射される反射信号を解析して解析信号を取得する解析信号取得工程S2aと、取得した解析信号から、解析信号と微小欠陥の個数密度との相関関係を示す第1相関データに基づいて、微小欠陥の推定個数密度を導出する微小欠陥個数密度推定工程S2bと、推定した推定個数密度から、微小欠陥の個数密度と溶接部の余寿命との相関関係を示す第2相関データに基づいて、溶接部の推定余寿命を導出する余寿命推定工程S3とを備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば、火力発電設備の配管等、高温・高圧条件下(クリープ条件下)で使用される機器の高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を評価する余寿命評価方法および余寿命評価装置に関するものである。
従来、低クロム鋼(低合金鋼)で形成された溶接部のクリープ寿命を非破壊的に評価する場合、例えば、火力発電設備においては、溶接部の表面におけるクリープボイドの生成量(個数密度)から溶接部の余寿命を評価する方法を用いることがある。この場合、最大損傷部は溶接部の外表面でなく板厚内部であるが、この方法では、溶接部を構成する材料が低合金鋼であり、溶接部表面の損傷と内部との損傷の関係がある程度把握されていることから、溶接部の外表面におけるクリープボイドの生成量(個数密度)から、溶接部の余寿命を推定することが可能となっている。
また、他の余寿命評価方法として、バースト超音波を固体接合面に照射し、固体接合面から反射された反射波波形を解析して得られた高調波成分に基づいて、クリープボイドやその集合体などの内部の微小欠陥を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−305109号公報
ここで、溶接部を構成する材料が高クロム鋼である場合、材料特性が低クロム鋼とは異なるため、溶接部表面の損傷量から内部損傷量を推定することが困難である。また、溶接部の外表面に損傷が現れにくいため、溶接部の外表面におけるクリープボイドの生成量(個数密度)から溶接部の余寿命を推定することが困難となる。ここで、高クロム鋼とは、約9〜12%のクロムを含むフェライト系の合金鋼である。
このため、特許文献1のように、高クロム鋼で形成された溶接部(固体接合面)に超音波を照射し、反射波波形を解析することで得られる高調波成分に基づいて、内部の微小欠陥を検出することが考えられる。しかしながら、特許文献1では、高調波成分の振幅比から内部の微小欠陥(損傷状態)を検出するため、内部の微小欠陥とクリープボイドとの相関を考慮できず、溶接部の余寿命の評価精度を向上させることが困難であった。
そこで、本発明は、高クロム鋼で形成された溶接部に発生するクリープボイド等からなる微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる余寿命評価方法および余寿命評価装置を提供することを課題とする。
本発明の余寿命評価方法は、高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を評価する余寿命評価方法であって、超音波が照射された溶接部に生じた微小欠陥から反射される反射信号を解析して解析信号を取得する解析信号取得工程と、取得した解析信号から、解析信号と微小欠陥の個数密度との相関関係を示す第1相関データに基づいて、微小欠陥の推定個数密度を導出する微小欠陥個数密度推定工程と、推定個数密度から、微小欠陥の個数密度と溶接部の余寿命との相関関係を示す第2相関データに基づいて、溶接部の推定余寿命を導出する余寿命推定工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、取得した解析信号から、第1相関データに基づいて、微小欠陥の推定個数密度を導出することができる。また、微小欠陥の個数密度から、第2相関データに基づいて、溶接部の余寿命を導出することができる。これにより、溶接部に発生する微小欠陥を考慮することができるため、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる。
この場合、第1相関データは、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波の振幅と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第1グラフを有していることが好ましい。
この構成によれば、n次高調波の振幅から、第1グラフに基づいて、微小欠陥の個数密度を推定することができる。なお、第1グラフでは、溶接部の使用期間の初期において、微小欠陥の個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。
この場合、第1相関データは、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波およびn次高調波よりも高次のm次高調波の振幅の比率と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第2グラフを有していることが好ましい。
この構成によれば、n次高調波およびm次高調波の振幅の比率から、第2グラフに基づいて、微小欠陥の個数密度を推定することができる。なお、第2グラフでは、溶接部の使用期間の後期において、微小欠陥の個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。
この場合、第1相関データは、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第3グラフを有していることが好ましい。
この構成によれば、n次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅から、第3グラフに基づいて、微小欠陥の個数密度を推定することができる。なお、第3グラフでは、溶接部の使用期間の初期において、微小欠陥の個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。また、n次高調波の振幅を好適に取得できない場合であっても、n次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅から、微小欠陥の個数密度を精度良く推定することができる。
この場合、第1相関データは、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波の振幅と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第1グラフと、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波およびn次高調波よりも高次のm次高調波の振幅の比率と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第2グラフと、解析信号から得られる基本周波数のn次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅と、微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第3グラフと、を有し、微小欠陥個数密度推定工程では、溶接部の使用状況または解析信号の取得状況に応じて、第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフを使い分けることが好ましい。
この構成によれば、微小欠陥個数密度推定工程において、最適なグラフを選択することで、溶接部の余寿命を精度良く推定することができる。
この場合、微小欠陥個数密度推定工程では、溶接部が使用期間の初期である場合、第1グラフまたは第3グラフを用い、溶接部が使用期間の後期である場合、第2グラフを用いることが好ましい。
この構成によれば、溶接部が使用期間の初期である場合、第1グラフまたは第3グラフを用いることができるため、微小欠陥の推定個数密度を、感度良く導出することができる。また、溶接部が使用期間の後期である場合、第2グラフを用いることができるため、微小欠陥の推定個数密度を、感度良く導出することができる。これにより、使用期間の全期間に亘って、溶接部における微小欠陥の推定個数密度を好適に導出できるため、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる。
この場合、微小欠陥個数密度推定工程では、n次高調波の振幅が減衰しない場合、第1グラフを用いる一方で、n次高調波の振幅が減衰する場合、第3グラフを用いることが好ましい。
この構成によれば、解析信号の取得状況の悪化により、n次高調波の振幅が減衰した場合であっても、第3グラフを用いることができるため、n次高調波の振幅の影響を受けることなく、微小欠陥の個数密度を精度良く推定することができる。
この場合、溶接部に照射される超音波は、バースト波であることが好ましい。
この構成によれば、溶接部から反射される反射信号を好適に取得することができる。
本発明の余寿命評価装置は、高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、溶接部の余寿命を評価する余寿命評価装置であって、超音波が照射された溶接部に生じた微小欠陥から反射される反射信号を解析して解析信号を生成する信号解析部と、生成された解析信号から、解析信号と微小欠陥の個数密度との相関関係を示す第1相関データに基づいて、微小欠陥の推定個数密度を導出する微小欠陥個数密度導出部と、推定した推定個数密度から、微小欠陥の個数密度と溶接部の余寿命との相関関係を示す第2相関データに基づいて、溶接部の推定余寿命を導出する余寿命導出部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、生成された解析信号から、第1相関データに基づいて、微小欠陥の推定個数密度を導出することができる。また、微小欠陥の個数密度から、第2相関データに基づいて、溶接部の余寿命を導出することができる。これにより、溶接部に発生する微小欠陥を考慮することができるため、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる。
本発明の余寿命評価方法および余寿命評価装置によれば、溶接部に発生する微小欠陥を考慮して、溶接部の余寿命を精度良く評価することができる。
図1は、本実施例に係る余寿命評価装置を模式的に表した概略構成図である。 図2は、反射波の波形である受信信号を表したグラフである。 図3は、解析信号を表したグラフである。 図4は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第1グラフである。 図5は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第2グラフである。 図6は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第3グラフである。 図7は、クリープボイドの個数密度と余寿命との相関関係を示した余寿命グラフである。 図8は、溶接部の余寿命を評価するフローチャートである。
以下、添付した図面を参照して、本発明の余寿命評価方法および余寿命評価装置について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
本実施例に係る余寿命評価方法および余寿命評価装置は、例えば、火力発電プラントに用いられた高温流体が流れる配管の余寿命を評価するものである。ここで、配管の寿命は、配管に形成された溶接部によって寿命が支配され、特に、溶接部における溶接熱影響部によって配管の寿命が支配されている。この溶接部には、クリープ現象による負荷が与え続けられることで、クリープ損傷が生ずる。ここで、クリープ現象とは、持続的に作用する応力、溶接部に加わる温度、および時間の経過を因子として、変形が増大する現象である。先ず、図1を参照して、寿命の評価対象となる溶接部について説明する。
図1は、本実施例に係る余寿命評価装置を模式的に表した概略構成図である。溶接部10は、配管の母材15に形成された開先部に対し、溶加材16を用いて肉盛溶接することで形成されている。このとき、母材15と溶融した溶加材(溶金)16との間には、溶接熱影響部(HAZ部)17が形成される。なお、母材15および溶加材16を構成する金属材料としては、9クロム鋼等の高クロム鋼が用いられる。なお、配管に形成される溶接部10としては、例えば、配管の周方向に形成された円周溶接部、または配管の軸方向に形成された長手溶接部がある。
この溶接部10において、クリープ現象の影響を最も受け易いのは、HAZ部17である。ここで、HAZ部17に応力が与えられると、HAZ部17では、クリープ現象により、微小欠陥の一種であるクリープボイドが、時間の経過に伴って発生する。このクリープボイドは、HAZ部17に与えられる応力を支持できないため、クリープボイドの発生が多くなるにつれて、HAZ部17の余寿命は短くなる。
次に、上記した溶接部10の余寿命を評価する余寿命評価装置20について説明する。余寿命評価装置20は、溶接部10近傍に設けた超音波探触子21と、超音波探触子21に接続された超音波探傷器22と、超音波探傷器22に接続された解析装置23と、を備えている。
超音波探触子21は、超音波を発信(照射)可能に構成されると共に、クリープボイド等によって反射された超音波(反射波)を受信可能に構成されている。超音波探触子21は、溶接部10のHAZ部17へ向けて、超音波を送信可能に設置される。超音波探傷器22は、超音波探触子21から照射する超音波の照射信号を生成すると共に、超音波探触子21を介して入力された反射波の反射信号を取得している。また、超音波探触子21から照射される超音波は、バースト波である。
解析装置23は、反射信号取得部25と、信号解析部26と、ボイド個数密度導出部(微小欠陥個数密度導出部)27と、余寿命導出部28とを備えている。反射信号取得部25は、超音波探傷器22から出力された反射信号を取得している。図2は、反射波の波形である受信信号を表したグラフである。図2に示すように、反射信号のグラフは、その縦軸が反射波の振幅(エコーの高さ)となっており、その横軸が時間となっている。このグラフに示すように、HAZ部17に発生したクリープボイドによって反射される反射信号は小さいものとなっている。この反射信号は、反射信号取得部25から信号解析部26へ出力される。
信号解析部26は、取得した反射信号をフーリエ変換解析(FFT解析)して解析信号を生成している。図3は、解析信号を表したグラフである。図3に示すように、解析信号のグラフは、その縦軸が振幅となっており、その横軸が周波数となっている。このグラフに示すように、解析信号には、基本周波数fと、n次高周波fとが現れている。この解析信号は、ボイド個数密度導出部27へ出力される。
ボイド個数密度導出部27は、取得した解析信号から、第1相関データに基づいて、クリープボイドの推定個数密度を導出している。第1相関データは、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示したものであり、第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフから構成されている。以下、図4ないし図6を参照して、第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフについて説明する。なお、第1相関データは、予め実験等により求められたものである。
図4は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第1グラフである。図4に示す第1グラフは、その縦軸が、クリープボイドの個数密度となっており、その横軸が、n次高周波fの振幅となっている。この第1グラフは、n次高周波fの振幅が大きくなるにつれて、クリープボイドの個数密度の変化量が大きくなるグラフとなっている。つまり、n次高周波fの振幅が小さいときは、クリープボイドの個数密度の変化量が小さいため、クリープボイドの個数密度を感度良く導出することが可能となる。
図5は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第2グラフである。図5に示す第2グラフは、その縦軸が、クリープボイドの個数密度となっており、その横軸が、n次高調波fとn次高調波fよりも高次のm次高調波fとの振幅の比率f/fとなっている。この第2グラフは、比率f/fが大きくなるにつれて、クリープボイドの個数密度の変化量が小さくなるグラフとなっている。つまり、比率f/fが大きいときは、クリープボイドの個数密度の変化量が小さいため、クリープボイドの個数密度を感度良く導出することが可能となる。
図6は、解析信号とクリープボイドの個数密度との相関関係を示した第3グラフである。図6に示す第3グラフは、その縦軸が、クリープボイドの個数密度となっており、その横軸が、n次高調波fを挟んで前後にある所定の周波数f,fの間の幅Wとなっている(図3参照)。ここで、周波数fは、n次高調波fを基準として、周波数が低くなるにつれて小さくなる振幅が、n次高調波fの振幅に対して1/2となるときの周波数である。また、周波数fは、n次高調波fを基準として、周波数が高くなるにつれて小さくなる振幅が、n次高調波fの振幅に対して1/2となるときの周波数である。なお、図3では、fとして、fが適用されたときを表わしている。この第3グラフは、周波数fと周波数fとの間の幅Wが大きくなるにつれて、クリープボイドの個数密度の変化量が大きくなるグラフとなっている。つまり、幅Wが小さいときは、クリープボイドの個数密度の変化量が小さいため、クリープボイドの個数密度を感度良く導出することが可能となる。
ここで、ボイド個数密度導出部27は、溶接部10の使用状況または解析信号の取得状況に応じて、第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフを使い分けている。具体的に、ボイド個数密度導出部27は、溶接部10が使用期間の初期である場合、換言すれば、クリープボイドの個数密度が少ないと推定される場合、第1グラフまたは第3グラフを用いて、クリープボイドの個数密度を導出する。一方で、ボイド個数密度導出部27は、溶接部10が使用期間の後期である場合、換言すれば、クリープボイドの個数密度が多いと推定される場合、第2グラフを用いて、クリープボイドの個数密度を導出する。
また、ボイド個数密度導出部27は、溶接部10が使用期間の初期である場合において、n次高調波fの振幅が、ノイズ等によって減衰しない場合、第1グラフを用いる一方で、n次高調波fの振幅が、ノイズ等によって減衰する場合、第3グラフを用いている。
余寿命導出部28は、推定したクリープボイドの推定個数密度から、第2相関データに基づいて、溶接部10の余寿命を導出している。第2相関データは、クリープボイドの個数密度と溶接部10の余寿命との相関関係を示したものである。第2相関データは、図7に示す余寿命グラフから構成されている。
図7は、クリープボイドの個数密度と余寿命との相関関係を示した余寿命グラフである。図7に示す余寿命グラフは、その縦軸が、クリープボイドの個数密度となっており、その横軸が、寿命消費率となっている。寿命消費率とは、溶接部10が破断するまでの時間trに対する、溶接部10の使用時間tの割合であり、t/trで表される。この余寿命グラフに示すように、寿命消費率t/trは、クリープボイドの個数密度が大きくなるにつれて「100%」に近づき、溶接部10の余寿命が短くなっていく。なお、余寿命グラフは、予め実験等により求められたものである。
次に、図8を参照して、余寿命評価装置20を用いて、溶接部10の余寿命を評価する余寿命評価方法について説明する。図8は、溶接部の余寿命を評価するフローチャートである。溶接部10の余寿命評価方法は、溶接部10の内部に対し非破壊検査を行う内部非破壊検査工程S1と、内部非破壊検査工程S1により得られた検査結果を解析して溶接部10の内部におけるクリープ損傷度を評価する解析工程S2と、解析工程S2により評価したクリープ損傷度から溶接部10の寿命消費率を導出する余寿命導出工程(余寿命推定工程)S3と、を備えている。
内部非破壊検査工程S1では、超音波探傷器22から超音波探触子21を介して、溶接部10の内部にあるHAZ部17へ向けて超音波を照射する。照射された超音波は、その一部がクリープボイド等に照射されることにより、クリープボイド等から反射される反射波となる。そして、内部非破壊検査工程S1では、超音波探触子21を介して超音波探傷器22により、反射波を反射信号として受信する。
解析工程S2では、受信した反射信号を解析装置23で解析することで、溶接部10の内部におけるクリープボイドの個数密度を推定する。具体的に、解析工程S2では、受信した反射信号を反射信号取得部25により取得し、取得した反射信号を信号解析部26によりFFT解析して解析信号を生成する解析信号取得工程S2aを行っている。また、解析工程S2では、ボイド個数密度導出部27により、生成した解析信号から、第1相関データに基づいて、クリープボイドの推定個数密度を導出するボイド個数密度推定工程(微小欠陥個数密度推定工程)S2bを行っている。なお、上記したように、解析工程では、溶接部10の使用状況または解析信号の取得状況に応じて、第1相関データである第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフをそれぞれ使い分けている。
余寿命導出工程S3では、余寿命導出部28により、導出したクリープボイド推定個数密度から、第2相関データに基づいて、溶接部10の寿命消費率t/trを導出している。そして、寿命消費率t/trが導出されると、導出された寿命消費率t/trに応じて、溶接部10に対策が施される。
以上のように、本実施例の構成によれば、取得した解析信号から、第1相関データに基づいて、溶接部10におけるクリープボイドの推定個数密度を導出することができる。また、クリープボイドの個数密度から、第2相関データに基づいて、溶接部10の余寿命を導出することができる。これにより、溶接部10に発生するクリープボイドを考慮することができるため、溶接部10の余寿命を精度良く評価することができる。
また、本実施例の構成によれば、n次高調波fの振幅から、第1グラフに基づいて、クリープボイドの個数密度を推定することができる。このとき、第1グラフは、溶接部10のクリープボイドの発生が少ない場合において、クリープボイドの個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。このため、クリープボイドの発生が少ない使用期間の初期において、第1グラフを使用することで、溶接部10のクリープボイドの推定個数密度を感度良く導出することが可能となる。
また、本実施例の構成によれば、n次高調波fおよびm次高調波fの振幅の比率から、第2グラフに基づいて、クリープボイドの個数密度を推定することができる。このとき、第2グラフは、溶接部10のクリープボイドの発生が多い場合において、クリープボイドの個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。このため、クリープボイドの発生が多い使用期間の後期において、第2グラフを使用することで、溶接部10のクリープボイドの推定個数密度を感度良く導出することが可能となる。
また、本実施例の構成によれば、n次高調波fを挟んで前後にある周波数f,fの間の幅Wから、第3グラフに基づいて、クリープボイドの個数密度を推定することができる。このとき、第3グラフは、溶接部10のクリープボイドの発生が少ない場合において、クリープボイドの個数密度の増加に対する感度が良いものとなっている。このため、クリープボイドの発生が少ない使用期間の初期において、第3グラフを使用することで、溶接部10のクリープボイドの推定個数密度を感度良く導出することが可能となる。なお、本実施例において、周波数f,fは、その振幅が、n次高調波fの振幅に対して1/2となるときの周波数としたが、これに限らない。すなわち、周波数f,fは、n次高調波fを挟む前後の周波数となればよく、例えば、n次高調波fの周波数よりも、所定の周波数分だけ離れた周波数としてもよい。
また、本実施例の構成によれば、ボイド個数密度推定工程S2bにおいて、第1グラフ、第2グラフおよび第3グラフの中から、最適なグラフを選択することができるため、溶接部10の使用状況または解析信号の取得状況に応じて、溶接部10の余寿命を精度良く推定することができる。
また、本実施例の構成によれば、溶接部10が使用期間の初期である場合、第1グラフまたは第3グラフを用い、溶接部10が使用期間の後期である場合、第2グラフを用いることができるため、クリープボイドの推定個数密度を、使用期間の全期間に亘って、感度良く導出することができる。
また、本実施例の構成によれば、解析信号の取得状況の悪化により、n次高調波fの振幅が減衰した場合であっても、第3グラフを用いることで、n次高調波の振幅の影響を受け難くなるため、クリープボイドの個数密度を精度良く推定することができる。
また、本実施例の構成によれば、溶接部10に照射される超音波は、バースト波であるため、溶接部10に形成されたクリープボイドから反射波を好適に発生させることができ、溶接部10から反射される反射信号を好適に取得することができる。
なお、本実施例では、内部非破壊検査工程S1から得られる検査結果を解析して溶接部10の内部におけるクリープ損傷度を評価し、内部におけるクリープ損傷度から溶接部10の寿命消費率t/trを導出したが、これに限らず、表面におけるクリープ損傷度、配管の扁平度または溶接部10周りの化学成分の分析結果等のパラメータをさらに考慮して、寿命消費率t/trを導出してもよい。例えば、別途、溶接部10の表面に対し非破壊検査を行う表面非破壊検査工程を行い、解析工程S2では、表面非破壊検査工程により得られた検査結果を解析して溶接部10の表面におけるクリープ損傷度を評価し、余寿命導出工程S3では、溶接部10の内部および表面におけるクリープ損傷度から溶接部10の寿命消費率t/trを導出してもよい。
10 溶接部
15 母材
16 溶加材
17 HAZ部
20 余寿命評価装置
21 超音波探触子
22 超音波探傷器
23 解析装置
25 反射信号取得部
26 信号解析部
27 ボイド個数密度導出部
28 余寿命導出部

Claims (9)

  1. 高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、前記溶接部の余寿命を評価する余寿命評価方法であって、
    超音波が照射された前記溶接部に生じた微小欠陥から反射される反射信号を解析して解析信号を取得する解析信号取得工程と、
    取得した前記解析信号から、前記解析信号と前記微小欠陥の個数密度との相関関係を示す第1相関データに基づいて、前記微小欠陥の推定個数密度を導出する微小欠陥個数密度推定工程と、
    前記推定個数密度から、前記微小欠陥の個数密度と前記溶接部の余寿命との相関関係を示す第2相関データに基づいて、前記溶接部の推定余寿命を導出する余寿命推定工程と、を備えたことを特徴とする余寿命評価方法。
  2. 前記第1相関データは、前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波の振幅と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第1グラフを有していることを特徴とする請求項1に記載の余寿命評価方法。
  3. 前記第1相関データは、前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波および前記n次高調波よりも高次のm次高調波の振幅の比率と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第2グラフを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の余寿命評価方法。
  4. 前記第1相関データは、前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第3グラフを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の余寿命評価方法。
  5. 前記第1相関データは、
    前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波の振幅と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第1グラフと、
    前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波および前記n次高調波よりも高次のm次高調波の振幅の比率と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第2グラフと、
    前記解析信号から得られる基本周波数のn次高調波を挟んで前後にある周波数の間の幅と、前記微小欠陥の個数密度との相関関係に基づいて生成された第3グラフと、を有し、
    前記微小欠陥個数密度推定工程では、前記溶接部の使用状況または前記解析信号の取得状況に応じて、前記第1グラフ、前記第2グラフおよび前記第3グラフを使い分けることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の余寿命評価方法。
  6. 前記微小欠陥個数密度推定工程では、前記溶接部が使用期間の初期である場合、前記第1グラフまたは前記第3グラフを用い、前記溶接部が使用期間の後期である場合、前記第2グラフを用いることを特徴とする請求項5に記載の余寿命評価方法。
  7. 前記微小欠陥個数密度推定工程では、前記n次高調波の振幅が減衰しない場合、前記第1グラフを用いる一方で、前記n次高調波の振幅が減衰する場合、前記第3グラフを用いることを特徴とする請求項5または6に記載の余寿命評価方法。
  8. 前記溶接部に照射される超音波は、バースト波であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の余寿命評価方法。
  9. 高クロム鋼で形成された溶接部に生じる微小欠陥に基づいて、前記溶接部の余寿命を評価する余寿命評価装置であって、
    超音波が照射された前記溶接部に生じた微小欠陥から反射される反射信号を解析して解析信号を生成する信号解析部と、
    生成された前記解析信号から、前記解析信号と前記微小欠陥の個数密度との相関関係を示す第1相関データに基づいて、前記微小欠陥の推定個数密度を導出する微小欠陥個数密度導出部と、
    推定した前記推定個数密度から、前記微小欠陥の個数密度と前記溶接部の余寿命との相関関係を示す第2相関データに基づいて、前記溶接部の推定余寿命を導出する余寿命導出部と、を備えたことを特徴とする余寿命評価装置。
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