JP2013010202A - 成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強化繊維と熱可塑性樹脂を用いて、軽量性と高い剛性を有した成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂と平均繊維長5mm超100mm以下の強化繊維とを含む成形用前駆体材料を、線膨張率が異なる中子と母型からなる金型を用いて、当該材料を中子に配するようにしてプレスし加熱した後、母型を冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む成形体の製造方法に関し、特に、中空構造を有する成形体を量産性に適した方法で得ることができる、繊維強化複合材料からなる成形体の製造方法である。
炭素繊維を強化繊維として用いた複合材料は、その高い比強度、比剛性を利用して、軽量化が求められている自動車用途への適用が期待されている。特にマトリックス樹脂が熱可塑性の場合は生産性とリサイクル性の観点から有望である。
この複合材料を構造材として使用する場合、中空体構造にして軽量化効果と剛性を確保することが必至となってくる。特にマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合は内圧成形法、フィラメントワインディング成形法などが知られている。このうち内圧成形法は金型のキャビティ内に中空状の成形材料を配置し、この中空の内側から膨張性を有するバッグ等に空気や液体を流し込むことで内圧を加えて金型に密着させた状態にて加熱硬化をさせる方法であるが、内表面の精度・表面性を確保することが困難であった。(特許文献1)
一方フィラメントワインディング法では強化繊維が連続繊維の範囲でしか使用ができず本発明のような実質的に二次元ランダムに配向した材料での成形には適用することが現実的にはできなかった。(特許文献2)
また、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いた技術もある。当該樹脂を付着させた連続強化繊維を熱可塑性樹脂製のテープ等と積層し、これを中子の外周面に巻き付けた状態で成形金型のキャビティ内に配置後、当該樹脂の溶融温度以上の温度で加熱加圧し成形する方法である(特許文献3)。しかしながら、かかる方法では、樹脂粉末を、懸濁させた状態で連続繊維を付着しているため、工程が煩雑である。また、成形金型で成形途中に、シリコンチューブからなる中子内に空気を供給して加圧させることが必要であり、やはり工程が複雑である。また、不連続繊維を用いて中空成形体を得ることは困難であった。
特開2003−334835号公報 特開2010−214676号公報 特開平8−174701号公報
本発明は、実質的に二次元ランダムに配向した強化繊維複合材料の成形体では得ることが困難であった、中空構造を有するような成形体を、煩雑な工程を要することなく、プレス成形によって得ることができるものであり、熱可塑性樹脂を用いて軽量性と高い剛性を有した成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため誠意検討した結果、金型、すなわち中子と母型の材質の組み合わせと成形時の金型の冷却方法に着目し、中子と母型の線膨張率の関係、及び母型から冷却することが重要であるという知見を見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1] 熱可塑性樹脂と平均繊維長5mm超100mm以下の強化繊維とを含む成形用前駆体材料を、線膨張率が異なる中子と母型からなる金型を用いて、下記工程を順に行う、成形体の製造方法。
1)前記成形用前駆体材料を中子の周りへ配した後、母型内に配置し、
2)該成形用前駆体材料をプレスし、
3)該プレスと同時または該プレスの後に、該中子と該母型を、前記熱可塑性樹脂の融点超あるいはガラス転移温度超に昇温して、前記熱可塑性樹脂を前記強化繊維に含浸させるとともに賦形させ、
4)該プレスした状態で、該母型を前記熱可塑性樹脂が固化する温度以下まで冷却し、ついで、
5)前記金型内から該中子を取り出し脱芯する
[2] 中子の材質の線膨張係数が金型の母型材質の線膨張係数に比べ1.3〜3.0倍である材質を使用することを特徴とする上記[1]の製造方法。
[3] 中子に加熱機構を備え、かつ母型に加熱機構と冷却機構を備えた金型を使用することを特徴とする上記[1]、[2]の製造方法。
[4] 前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の存在比が、強化繊維100容量部に対して、熱可塑性樹脂50〜1000容量部であることを特徴とする上記[1]〜[3]の製造方法。
[5] 前記中子が1つ、もしくは2つ以上のパーツから組み合わされることを特徴とする上記[1]〜[3]の製造方法。
[6] 上記[1]の製造方法によって製造された、中空構造を有する成形体。
[7] 前記成形体が偏肉の厚みを有し、厚みが薄い箇所を1としたとき、厚い箇所の厚みが1.0〜10.0であることを特徴とする上記[6]の成形体。
本発明は、熱可塑性樹脂を用い、実質的に二次元ランダムに配向した強化繊維複合材料の、特に中空構造を有する成形体の製造方法であり、金型中子の材質の線膨張係数が好ましくは母型の材質に比べ1.3〜3.0倍である金型を使用し、以下のア〜ウの工程により成形体を得ることができる。
ア.成形用前駆体材料(以下、前駆体ということがある)を中子の周りへ配置し、母型へセットし、プレスをしながら金型温度を所望の温度まで加熱する。
イ.金型が所望の温度へ到達後、母型から冷却させ、樹脂の固化温度以下まで冷却する。
ウ.成形体から中子の脱芯を行い、成形体を得る。
本発明の成形体の製造方法により、実質的に二次元ランダムに配向し、例えば中空構造を有する強化繊維複合材料からなる成形体を、中子内部を機械的に加圧することなく、少ない工程で、1回のプレス成形で製造することができ、含浸性が良好であり、かつ軽量性と高い剛性を有する成形体を得ることができる。加えて、また本発明の製造方法によれば、厚みが均一でない成形体を得ることも出来る。さらに、金属の金型と熱可塑性樹脂を用いているので、精度や表面性の高い成形体を提供することでき、かつリサイクルも可能であり実用上意義が大きい。
本発明における金型の構造概略の一例 成形体の形状に対する中子の構造の一例 実施例1の中空成形体平面図 実施例2の中空成形体平面図 実施例3の最大抜き角−60°の成形品平面図
[金型構造]
本発明で用いられる金型は中子と母型から構成されており、中子の線膨張率が母型のそれと比較して1.3〜3.0倍の範囲であるのがよい。この範囲とすると、中子と熱膨張が母型のそれに比べて大きいので、金型の昇温に伴い、金型内に供給した成形用前駆体材料にかかる内圧が適当であり、表面性が良好な成形体が得られる。線膨張率が1.3倍未満であると、十分な内圧をかけることができなくなり、含浸が不十分となり、寸法精度を得ることができなくなる。線膨張率が3.0倍より大きくなると内圧が高くなりすぎて、繊維配向が乱れてしまう。本発明の効果、特に二次元ランダムに配向した成形体を得るためには線膨張係数は1.5〜2.5倍の範囲内にあることが好ましく、特に中子にアルミニウム、母型に鋼を使用する組み合わせや、中子に銅、母型に鋼を使用することが好ましい組み合わせである。
本発明で用いられる母型とは、例えば図1に示すような上型、下型からなり、それぞれに加熱機構と冷却機構を有していることを特徴とするものである。加熱機構は特に制限は無いが、例えば電気で加熱する棒ヒーターやプレートヒーター、流体で加熱するオイルなどを使用することが好ましい。冷却機構は特に制限は無いが、例えば流体であるオイル、水などを使用することができるが、熱交換の効率の良さから水を使用することが好ましい。
本発明で用いられる中子とは例えば図1に示すような形状であり、中子内に加熱機構を有していることを特徴とするものである。加熱機構は特に制限は無いが、例えば電気で加熱する棒ヒーターやプレートヒーター、流体で加熱するオイルなどを使用することが好ましい。なお、中子には、冷却機構を有していてもいなくてもよい。本発明によれば、母型を冷却すること、すなわち母型から冷却することにより、当該母型からの熱伝導で中子が冷却されるため内圧を加えた状態で成形体を冷却することが出来、表面性が良好な成形体を得ることが出来る。したがって、中子には特別の冷却機構を有しなくともよい。
本発明で使用する中子は1つ、もしくは2つ以上のパーツから組み合わされる金型を使用することができる。成形体の形状が図2(A)に示すような単純な筒形状である場合、中子は1つのパーツで脱芯することができるが、図2(B)に示すような凹凸のある筒形状である場合、脱芯することができなくなるため、中子は2つ以上のパーツで成形することが必要となる。
本発明で使用する中子は3辺以上の辺から構成されていれば良く、実質的に3角形以上の多角形の形状を用いることができる。
[成形用前駆体材料(前駆体)]
本発明においては、前駆体を構成する強化繊維としては、例えばガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維を使用することが出来るが、好ましくは比強度、比剛性が高い炭素繊維であり、賦形がし易い不連続繊維を使用することが出来る。強化繊維が炭素繊維の場合、平均繊維径は好ましくは3〜12μmであり、より好ましくは5〜7μmである。
また、前記炭素繊維を使用した前駆体を得るためには、繊維束が1000本〜5万本までの炭素繊維を平均繊維長5mm〜100mmの長さにカットした短繊維状のものを使用することができるが、コストの面から炭素繊維は2万本以上のものを使用することが好ましく、成形取り扱いや意匠性の面から平均繊維長10mm〜30mmの長さにカットした短繊維を使用することが好ましい。ここで言う平均繊維長とは、前駆体中に含まれる強化繊維を無作為に取り出し、それらの繊維長の平均値で表されるものである。
上記強化繊維には、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、添加剤の付着処理などの表面処理が施されていてもよい。また、かかる強化繊維は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記強化繊維は、前駆体において実質的に2次元ランダムに配向していることが得られる成形体の剛性の点で望ましい。ここで、「実質的に2次元ランダムに配向している」とは、前駆体の面内において、全体的にみて、強化繊維が特定の方向に配向していないことを意味する。定量的には、熱可塑性樹脂が強化繊維に含浸し得られた成形板の任意の方向、及びこれと直交する方向についてそれぞれ引張り試験を行って引張弾性率を測定し、その値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)を算出しEδが1.3を超えないものである。
前駆体を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートあるいはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ乳酸、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン)系共重合体(ABS樹脂)、ポリ(アクリロニトリル−スチレン)系共重合体(AS樹脂)あるいはハイインパクトポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂等を好ましく挙げることができる。含浸させる熱可塑性樹脂の形態は特に制限が無く、例えば、フィルム、不織布、パウダー、繊維状のものが使用できるが、前駆体の取り扱い性を安定させるためにはパウダーを使用することが好ましい。
前駆体を構成する上記熱可塑性樹脂と上記強化繊維との量比に特に限定はないが、強化繊維100容量部に対し、熱可塑性樹脂50〜1000容量部であることが好ましく、さらには熱可塑性樹脂100〜500容量部であることが好ましい。
本発明において用いる前駆体は、熱可塑性樹脂が強化繊維に実質的に含浸していない、未含浸状態のマット、シート形状のものである。ここで言う未含浸状態とは、前駆体が中子の周りに配することができる状態であり、ある程度のしなやかさを有している。熱可塑性樹脂が強化繊維に実質的に含浸された状態では、中子に配するときの温度(例えば室温)では柔軟性に乏しいため、中子の周囲を配することが困難である。熱可塑性樹脂がパウダーまたは繊維状の場合は、該樹脂が強化繊維を完全に覆っている状態ではなく、強化繊維の周りに均一または不均一に分散している状態であるが、柔軟性を有する状態であれば、該パウダーまたは繊維状の樹脂の一部が該強化繊維に接触、融着、あるいは該強化繊維の一部を覆っていてもよい。熱可塑性樹脂がフィルムや不織布形状の場合も、強化繊維を完全に樹脂が覆っている状態ではなく、例えば、強化繊維からなるマットの片側または両側の最外層に配置されていてもよい。
なお、上記前駆体を得る方法としては、例えば、後述する実施例1にあるような、準備した強化繊維に、熱可塑性樹脂からなる短繊維あるいはパウダーを加えて均一的に混合し、ついで、XY方向に移動可能なテーブル上に、テーブル下部よりブロアにて吸引を行いながら散布してマット状の前駆体を得ることができる。また、実質的に強化繊維のみからなるマット、シート等を先に作成に、かかるマット等の少なくとも片側に、熱可塑性樹脂からなるフィルム、不織布等の構造体を配置して、必要に応じて加圧、圧縮し、マット状の前駆体を得ることもできる。
本発明における前駆体は、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とを含んでなるが、本発明の目的を損なわない範囲内で、必要に応じて、耐候安定剤、離型剤、樹脂着色剤を含んでいてもよい。
[製造工程]
工程1:
母型に対して好ましくは1.3〜3.0倍の線膨張率を有する中子の外周に前記前駆体を沿わせるように配置し、ついで母型の中へセットする。この時の中子と母型の温度は熱可塑性樹脂の溶融温度以下であれば良いが、好ましくは60℃よりも低くなっていることが好ましい。中子と母型の温度が高すぎると中子の膨張により母型へセットが出来なくなることがある。母型にセットする際の中子、前駆体、及び母型の温度としては、例えば室温から50℃の範囲とすればよい。かかる温度は、中子、前駆体、及び母型とも同じでもよいし、上記温度範囲内であればそれぞれ異なっていてもよい。
工程2、3:
次に、金型にセットした上記前駆体をプレスする。このとき、該プレスによる圧力が前駆体にかかり始めると同時か、または該プレスし該前駆体にある程度の圧力がかかり始めてから、中子と母型の金型温度を昇温させる。金型の加熱方法としては、例えば電気ヒーター、水蒸気、加熱油等を使用することが出来、それらの組み合わせも使用することができる。本発明の金型は中子と母型が分離しているため、配線の取り回しがし易い電気ヒーターを使用することが好ましい。プレス圧力としては、中子の内圧に耐えうる圧力であれば良いが、金型温度は熱可塑性樹脂の種類により適宜選択され、結晶性樹脂の場合は融点以上であるが融点+20℃〜+70℃の範囲内にあることが好ましく、非晶性樹脂ではガラス転移温度以上であるがガラス転移温度+30度〜+130℃以内の範囲内にあることが好ましい。金型温度が低いと、溶融した熱可塑性樹脂の前記強化繊維への含浸が不十分なために成形体の強度が十分に発現できなくなり、高すぎると繊維強化複合材料中の溶融した熱可塑性樹脂が流動してしまい寸法精度を得ることが困難になる場合がある。このようにして、前記前駆体は加熱、加圧されることによって金型の形状に沿い、賦形されて金型の形状に成形される。
工程4:
金型温度が所望の温度へ到達したら、かかる温度で、または温度以下で数分以内、例えば1分間〜3分間保持するのがよい。保持後、前記プレスをした状態で、加熱金型温度を母型から冷却させる。母型から冷却することで、成形体に内圧をかけ続けたまま冷却することができる。母型と中子の両金型の冷却温度は用いる熱可塑性樹脂の固化温度以下であるが、より好ましくは、母型と中子の線膨張率差で脱型がしやすくなる60℃以下まで、母型及び中子を冷却することが好ましい。
工程5:
前記金型を冷却後、中子と成形体を母型から脱型し、中子を脱芯することで成形体を得ることができる。
[成形体]
本発明の製造方法によれば、強化繊維が熱可塑性樹脂中に実質的に2次元ランダムに配向しており、軽くて剛性の高い中空の成形体を容易に製造することができる。また厚みが均一でない成形体を得ることも出来る。厚みの比率が薄い箇所1に対して厚い箇所が好ましくは1.0〜10.0である。特に均一な製品を得るためには加熱、冷却を均一に行う必要があるため、薄い箇所の厚み1に対して厚い箇所の厚みが1.0〜5.0の間にあることが好ましい。また、成形体の厚みは母型と中子のクリアランスで制御される。
本発明で得られる成形体は、強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる一体成形物であり、例えば、自動車用構造部品、特にピラーや衝撃吸収部材に用いることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
なお、引張試験は、インストロン社製の万能試験装置を用い、JIS K−7164に準じた条件で測定した。
[実施例1]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、引張強度4000MPa)を使用した。炭素繊維をロータリーカッターにて平均繊維長10mmの長さにカットし、テーパー管内に導入した。次に、管内で圧縮空気を吹き付けて繊維束を部分的に開繊しつつ、同時に、テーパー管内にて2mmにドライカットした熱可塑性樹脂であるPA66(ポリアミド)繊維(旭化成せんい製 T5ナイロン 1400dTex、融点260℃)を炭素繊維の供給量を100容量部に対して、熱可塑性樹脂の供給量を270容量部の割合で混合し、テーパー管出口の下部に設置したXY方向に移動可能なテーブル上に、テーブル下部よりブロワにて吸引を行いながら散布した。炭素繊維とPA66繊維が混合され、炭素繊維が二次元ランダムに配置された厚み10mm程度のマットに熱可塑性樹脂が未含浸状態であるマット状の前駆体を得た。ここで、該前駆体を含浸させ引張試験を行った結果Eδは1.02であった。
上記前駆体を断面形状が六角形である中子(材質はアルミニウム)の周囲に巻きつけ母型(材質は炭素鋼S55C)へセットし、プレスをした。この時の中子の温度は50℃であった。プレスと同時に電気ヒーターにて金型を加熱し、母型と中子の金型温度が290℃に到達し、1分保持した後、ヒーターをOFFにして母型へ冷却水を流し中子を含む金型を60℃まで冷却した。冷却後、母型から中子を取り出し脱芯することで図3に示す形状の中空成形体を得た。この中空成形体は、外観上表面性が良好であった。
[実施例2]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、引張強度4000MPa)を使用した。炭素繊維をロータリーカッターにて平均繊維長10mmの長さにカットし、テーパー管内に導入した。次に、管内で圧縮空気を吹き付けて繊維束を部分的に開繊しつつ、同時に、テーパー管内にて2mmにドライカットした熱可塑性樹脂であるPA66(ポリアミド)繊維(旭化成せんい製 T5ナイロン 1400dTex、融点260℃)を炭素繊維の供給量を100容量部に対して、熱可塑性樹脂の供給量を270容量部の割合で混合し、テーパー管出口の下部に設置したXY方向に移動可能なテーブル上に、テーブル下部よりブロワにて吸引を行いながら散布した。炭素繊維とPA66繊維が混合され、炭素繊維が二次元ランダムに配置された厚み10mm程度のマットに熱可塑性樹脂が未含浸状態である前駆体を得た。前駆体を含浸させ引張試験を行った結果Eδは1.03であった。
上記前駆体を2つのパーツに分けることのできる中子(材質はアルミニウム)の周囲に巻きつけ母型(材質は炭素鋼S55C)へセットし、プレスをした。この時の中子の温度は50℃であった。プレスと同時に電気ヒーターにて金型を加熱し、母型と中子の金型温度が290℃に到達し、1分保持した後、ヒーターをOFFにして母型へ冷却水を流し中子を含む金型を60℃まで冷却した。冷却後、母型から中子を取り出し中子を2つのパーツに分けることで脱芯することができ、図4に示す形状の中空成形品体を得た。この中空成形体は外観上表面性が良好であった。
[実施例3]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、引張強度4000MPa)を使用した。炭素繊維をロータリーカッターにて平均繊維長10mmの長さにカットし、テーパー管内に導入した、次に管内で圧縮空気を吹き付けて繊維束を部分的に開繊しつつ、同時に、テーパー管内にて2mmにドライカットした熱可塑性樹脂であるPA66(ポリアミド)繊維(旭化成せんい製 T5ナイロン 1400dTex、融点260℃)を炭素繊維の供給量を100容量部に対して、熱可塑性樹脂の供給量を270容量部の割合で混合し、テーパー管出口の下部に設置したXY方向に移動可能なテーブル上に、テーブル下部よりブロワにて吸引を行いながら散布した。炭素繊維とPA66繊維が混合され、炭素繊維が二次元ランダムに配置された厚み10mm程度の繊維に熱可塑性樹脂が未含浸状態である前駆体を得た。前駆体を含浸させ引張試験を行った結果Eδは1.02であった
上記前駆体を断面形状が6角形である中子(材質はアルミニウム)の6辺の内、1辺を除いた周囲に配置し母型(材質は炭素鋼S55C)へセットし、プレスをした。この時の中子の温度は50℃であった。プレスと同時に電気ヒーターにて金型を加熱し、母型と中子の金型温度が290℃に到達し、1分保持した後、ヒーターをOFFにして母型へ冷却水を流し中子を含む金型を60℃まで冷却する。冷却後、母型から中子を取り出し脱芯することで図5に示す形状の成形体を得た。この成形体は外観上表面性が良好であった。
1 母型
2 中子
3 上型
4 下型
5 前駆体
6 中子の分割部

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂と平均繊維長5mm超100mm以下の強化繊維とを含む成形用前駆体材料を、線膨張率が異なる中子と母型からなる金型を用いて、下記工程を順に行う、成形体の製造方法。
    1)前記成形用前駆体材料を中子の周りへ配した後、母型内に配置し、
    2)該成形用前駆体材料をプレスし、
    3)該プレスと同時または該プレスの後に、該中子と該母型を、前記熱可塑性樹脂の融点超あるいはガラス転移温度超に昇温して、前記熱可塑性樹脂を前記強化繊維に含浸させるとともに賦形させ、
    4)該プレスした状態で、該母型を前記熱可塑性樹脂が固化する温度以下まで冷却し、ついで、
    5)前記金型内から該中子を取り出し脱芯する
  2. 中子の材質の線膨張係数が金型の母型材質の線膨張係数に比べ1.3〜3.0倍である材質を使用することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 中子に加熱機構を備え、かつ母型に加熱機構と冷却機構を備えた金型を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記強化繊維と前記熱可塑性樹脂の存在比が、強化繊維100容量部に対して、熱可塑性樹脂50〜1000容量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記中子が1つ、もしくは2つ以上のパーツから組み合わされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1に記載の製造方法によって製造された、中空構造を有する成形体。
  7. 前記成形体が偏肉の厚みを有し、厚みが薄い箇所を1としたとき、厚い箇所の厚みが1.0〜10.0であることを特徴とする請求項6に記載の成形体。
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