JP2013008575A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】小型、安価な構成で、燃料電池から適切に液体燃料を排出できるようにし、燃料電池内に残留する液体燃料を起因とするクロスリークや触媒の劣化を防止する。
【解決手段】イグニッションスイッチのオフによる所定の発電停止条件の成立時に、燃料電池51の液体燃料導入口側に入口遮断弁56と、排出側に出口遮断弁58と、気液分離器59のと排ガス処理機62との間にパージ弁61を配置し、所定の発電停止条件に基づき、パージ弁61を閉状態に制御した上で発電を行い、気液分離器59内が所定の圧力になることを条件として発電を停止するとともに循環ポンプ55を停止し、一定量の液体燃料を排出し、出口遮断弁58を閉状態に制御した上でパージ弁60を開放状態に制御し、燃料電池51と循環タンク54との間に生じた差圧により燃料電池51内の残存液体燃料を排出するようにし、専用の燃料排出ポンプを削除し、コスト抑制を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】イグニッションスイッチのオフによる所定の発電停止条件の成立時に、燃料電池51の液体燃料導入口側に入口遮断弁56と、排出側に出口遮断弁58と、気液分離器59のと排ガス処理機62との間にパージ弁61を配置し、所定の発電停止条件に基づき、パージ弁61を閉状態に制御した上で発電を行い、気液分離器59内が所定の圧力になることを条件として発電を停止するとともに循環ポンプ55を停止し、一定量の液体燃料を排出し、出口遮断弁58を閉状態に制御した上でパージ弁60を開放状態に制御し、燃料電池51と循環タンク54との間に生じた差圧により燃料電池51内の残存液体燃料を排出するようにし、専用の燃料排出ポンプを削除し、コスト抑制を図る。
【選択図】 図1
Description
この発明は、燃料電池に液体燃料および空気を供給して発電する燃料電池システムに関する。
従来、液体や気体の燃料で発電する種々の燃料電池(FC)が提供されている。これらの燃料電池は、例えば車両(燃料電池車等)の駆動源やコージェネレーションの電池電源等に用いられる。
燃料電池に供給される液体燃料としては、例えば、メタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン(水加ヒドラジン、無水ヒドラジンなどを含む)などが挙げられる。これらの液体燃料形燃料電池は、水素ガスを生成するための改質器を必要としないのでシステムの小型化や軽量化を達成しやすい。
このような液体燃料が供給される燃料電池システムでは、一般的に、液体燃料が供給される燃料電池と、燃料電池に液体燃料を供給する燃料供給ポンプと、燃料電池に空気を供給するためのエアコンプレッサで構成され、燃料電池のアノードに液体燃料が供給されるとともに、燃料電池のカソードに空気が供給されることによって発電がなされる。
しかし、このようなシステムでは、液体燃料が空気とともに燃料電池に供給されるため、 燃料電池の燃料セル内で酸素と液体燃料が結合して酸化する反応、つまり副反応が生じるという問題がある。
また、アノード側の化学反応により発生するガスが液体燃料中に気泡として滞留すると、アノード電極における液体燃料との接触面が気泡に覆われて、燃料電池の出力が低下するおそれもある。
さらに、液体燃料が供給される燃料電池において、発電終了後に燃料電池内に液体燃料が残存していると、クロスリークや触媒との副作用が生じ、触媒が劣化したり、不必要な燃料消費や燃料漏出が生じるおそれもある。
そこで、上記気泡の問題を解決するために、液体燃料に含まれる気体を分離するための気液分離器を備える燃料電池システムが提案されている。この種のシステムは、概ね、燃料電池と、燃料タンクと、燃料タンクと燃料電池間に設けられた燃料供給管と、燃料タンクから燃料電池に液体燃料を供給するためのポンプと、燃料電池から排出される液体燃料から発電により生じた気体を分離する気液分離器と、燃料電池と気液分離器との間に設けられた燃料排出管と、気液分離器で分離された気体を排出するガス排出弁およびガス排出管から構成される。このような構成により、液体燃料内に含まれる気泡を効果的に排出することができる(特許文献1の段落0012、0048、図1)。
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、発電終了または停止時には燃料電池内に液体燃料が残存したままであり、アノードに供給された液体燃料が電解質を介してカソードに移動し発電効率の低下や燃料のロスなどを引き起こすといういわゆるクロスリークの発生を防止することができない。
また、アノードの触媒が液体燃料に曝されると、触媒が溶解・再析出する等の触媒劣化の問題が生じるため、この問題の原因となる残存燃料の排出には、従来、排出ポンプが用いられるが、排出ポンプは非常に高額かつ大型であるため、燃料電池車等の燃料電池システムに適用するには好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、特別な部品を追加することなく、発電停止時に、燃料電池から適切に液体燃料を排出できるようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の燃料電池システムでは、液体燃料および空気の供給により発電する燃料電池と、前記燃料電池から排出される液体燃料とこれに含まれる気体とを分離する気液分離部と、前記燃料電池よりも下方に配置され、前記気液分離部において分離した液体燃料を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留される前記液体燃料を前記燃料電池に循環させる循環手段と、前記貯留部から前記燃料電池への経路を開閉する第1開閉手段と、所定の発電停止条件の成立に基づいて前記第1開閉手段を開状態に制御して前記循環手段の循環を停止する燃料パージ制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池から前記気液分離部への経路を開閉する第2開閉手段と、前記気液分離部内の圧力を開放する圧力開放手段とをさらに備え、
前記燃料パージ制御手段は、前記所定の発電停止条件の成立に基づいて前記第1開閉手段を開状態に、かつ、前記循環手段を液体燃料の循環状態に制御するとともに、前記圧力開放手段を開放を禁止状態に制御し、前記気液分離部の圧力が所定値に達することを条件に、前記第1開閉手段を開状態に制御して前記循環手段の循環を停止し、前記第2開閉手段を閉状態に制御して前記圧力開放手段を開放状態に制御することを特徴とする(請求項2)。
前記燃料パージ制御手段は、前記所定の発電停止条件の成立に基づいて前記第1開閉手段を開状態に、かつ、前記循環手段を液体燃料の循環状態に制御するとともに、前記圧力開放手段を開放を禁止状態に制御し、前記気液分離部の圧力が所定値に達することを条件に、前記第1開閉手段を開状態に制御して前記循環手段の循環を停止し、前記第2開閉手段を閉状態に制御して前記圧力開放手段を開放状態に制御することを特徴とする(請求項2)。
請求項1にかかる発明によれば、液体燃料と貯留する貯留部と燃料電池が循環経路を介して連通し、この貯留部が燃料電池よりも下方に配置されているため、所定の発電停止条件が成立した発電停止時または終了時に、循環ポンプを停止することにより、燃料電池内の液体燃料は自重により燃料電池下方の貯留部に排出される。
そのため、発電停止または終了後には燃料電池内に残存する液体燃料が存在せず、残存燃料に起因したクロスリークや触媒の劣化を最低限に抑えることができ、しかも燃料パージのために高価な燃料排出ポンプ等の特別な部品を追加する必要がなくコストを抑制でき、小型かつ安価なシステムを構成することが可能である。
また、請求項2にかかる発明によれば、液体燃料の貯留部から燃料電池への経路を開閉する第1開閉手段と燃料電池から気液分離部への経路を開閉する第2開閉手段を設け、液体燃料の循環状態において、第1開閉手段を開状態および圧力開放手段を開放禁止状態に制御したまま発電を行って気液分離部内の圧力を上昇させ、第1開閉手段を開状態の制御を保ったまま循環手段の循環が停止される。このとき、燃料電池内の液体燃料が自重により燃料電池下方の貯留部に排出され、排出が進むことにより燃料電池内の液体燃料が減少して液圧が低下するため、自重で排出される液体燃料の排出速度は遅くなる。そこで、気液分離部の圧力が所定値に達することを条件に、第2開閉手段を閉状態に制御し、圧力開放手段を開放状態に制御することにより、燃料電池内の圧力は圧力開放前の圧力を維持する一方、貯留部内の圧力は大気圧に開放されるため、燃料電池内と貯留部内に差圧が生じ、この差圧が燃料電池内に残存する液体燃料の排出圧力として作用し、燃料電池から貯留部への液体燃料の排出速度を自重による排出時よりも速くすることが可能である。
したがって、燃料パージ時間の短縮を図ることができ、発電停止時等に燃料電池から短時間でより確実に液体燃料を排出することができるため、残存液体燃料に起因するクロスリークや触媒の劣化を防止でき、燃料電池の長寿命化を図ることが可能である。
本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。なお、図1は燃料電池車に適用した燃料電池システムの一実施形態の概略構成説明図である。
(構成)
図1に示すように、燃料電池車の駆動源として燃料電池51は、水加ヒドラジン(液体燃料)を使用し、アニオン膜(アルカリ性電解質膜)を電解質とするアルカリ型燃料電池(AFC)である。燃料電池51は電極触媒に貴金属である高価な白金に代えて安価な金属(コバルト、ニッケル系)を使用することができ、セパレーターなどの構成部品に安価な材料が使用でき、二酸化炭素(CO2)を排出しない等の特徴があるが、燃料電池51へ液体燃料の供給を適切に制御して燃料電池51の燃料濃度を適切に制御しないとクロスリークや副反応の増大、発電性能低下等が生じる。
図1に示すように、燃料電池車の駆動源として燃料電池51は、水加ヒドラジン(液体燃料)を使用し、アニオン膜(アルカリ性電解質膜)を電解質とするアルカリ型燃料電池(AFC)である。燃料電池51は電極触媒に貴金属である高価な白金に代えて安価な金属(コバルト、ニッケル系)を使用することができ、セパレーターなどの構成部品に安価な材料が使用でき、二酸化炭素(CO2)を排出しない等の特徴があるが、燃料電池51へ液体燃料の供給を適切に制御して燃料電池51の燃料濃度を適切に制御しないとクロスリークや副反応の増大、発電性能低下等が生じる。
燃料電池51は、燃料極(負極)、固体高分子のアニオン膜(電解質)、空気極(正極)を貼り合わせた構造の複数のセルのスタックで形成され、燃料極のマニホールド(図示せず)に連通した燃料の導入口51aおよび排出口51b、空気極のマニホールド(図示せず)に連通した空気の導入口51cおよび排出口51d、冷却水の導入口51eおよび排出口51f、電気を取り出す負極(図示せず)および正極(図示せず)を備える。
図1において、燃料タンク52の水加ヒドラジンの液体燃料は、燃料供給ポンプ53により、燃料電池51よりも下方に配置された循環タンク54、循環ポンプ55、入口遮断弁56(本発明の第1開閉手段)を通って燃料電池51の燃料の導入口51aに供給される。ここで、循環ポンプ55は循環タンク54と燃料電池51との間の高さ位置に配置されている。また、エアコンプレッサ57により加圧されて加湿手段により加湿された加湿空気は、燃料電池51の空気の導入口51cに供給される。なお、循環ポンプ55、循環タンク54およびこれらをつなぐ経路により、本発明の循環手段が構成される。
そして、燃料電池51において、アニオン膜を通しての液体燃料である水加ヒドラジンと加湿空気の反応により、水酸化物イオン(水酸化イオン)と電子が分解し、水酸化物イオンはアニオン膜を通って燃料極側に移動し、電子は負極から図外の昇圧回路等を通って正極に至る導線内を通って空気極側に移動する。
燃料電池51の燃料極側では、上記した水酸化物イオンに基づいて水が生成されるほか、窒素ガス等の気体が生成される。これらの液体および気体は循環ポンプ55の動作によって燃料電池51の燃料の排出口51bから出口遮断弁58(本発明の第2開閉手段)を介して気液分離器59に戻され、気液分離器59により水加ヒドラジンと窒素ガス等の気体とが気液分離される。なお、気液分離器59内の圧力が、圧力センサ60により検出される。
そして、気液分離器59の気液分離により形成された循環側の水加ヒドラジンは循環タンク54に戻され、燃料タンク52からの水加ヒドラジンとともに循環ポンプ55と入口遮断弁56を介して燃料電池51の燃料の導入口51aに循環供給され、気液分離器59により分離された気体(窒素ガス)は気体開放路およびパージ弁61を通って排ガス処理機62に送られ、排ガス処理機62により大気中に排出しても安全な状態に処理されて大気中に排出される。
また、燃料電池51の空気極側では、アニオン膜を通った加湿空気が空気抜き(リリーフ)のために燃料電池51の空気の排出口51dから圧力調整バルブ63を通って排ガス処理機62に送られる。
さらに、燃料電池51は、ラジエータ65の冷却水が燃料電池51の冷却水の導入口51eから燃料電池51、燃料電池51の冷却水の排出口51fを介してラジエータ65に戻って循環することで冷却され、上記した反応に基づく燃料電池51の温度上昇が防止されるようになっている。なお、66はラジエータ65からの冷却水の排出バルブである。
また、発電が必要のない条件下(例えば、停車時やエンジンオフ時)では、発電を停止するが、このような状態において、燃料電池51内に液体燃料が残存していると上記したようなクロスリークや触媒の劣化が生じるため、残存液体燃料を排出する必要がある。そこで、イグニッションスイッチオフなど所定の発電停止条件の成立に基づいて入口遮断弁56を制御ECUにより開状態に制御し、かつ、循環ポンプ55を制御して液体燃料を燃料電池51に循環させるとともに、気液分離器59の圧力開放用のパージ弁61を制御ECUにより開放禁止状態に制御し、気液分離器59内の圧力が所定値に達することを条件に、制御ECUにより入口遮断弁56を開状態に制御するとともに、循環ポンプ55を停止して液体燃料の循環を停止し、制御ECUにより出口遮断弁58を閉状態に制御してパージ弁61を開放状態に制御することで、燃料電池51内に残存する液体燃料を排出する。
(動作)
次に、本発明における燃料パージ制御手段として機能する上記した制御ECUの制御動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
次に、本発明における燃料パージ制御手段として機能する上記した制御ECUの制御動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
図2に示すように、例えば、燃料電池車において、通常運転時には通常発電制御がなされる(ステップS1)。つまり、制御ECUにより入口遮断弁56を開状態に制御し、燃料タンク52から供給された液体燃料を循環タンク54に貯留し、制御ECUにより循環ポンプ55を制御して入口遮断弁56を介して燃料の導入口51aから燃料電池51の燃料極側に供給する。このとき、制御ECUにより出口遮断弁58を開状態に制御し、未反応の液体燃料と発電により生成した気体(窒素ガス等)を燃料の排出口51bから出口遮断弁58を介して気液分離部59に排出し、気液分離部59において排出された液体燃料とこれに含まれる気体を分離し、分離した気体を気体開放路を経て、制御ECUにより開状態に制御したパージ弁61を介して排ガス処理機62に排出し、分離された液体燃料を循環タンク54に貯留する。また、上記したようにエアーコンプレッサ57から空気を燃料電池51の空気極側に供給し、未反応の空気を排ガス処理機62に排出する。
次に、制御ECUにより、例えばイグニッションスイッチのオフにより所定の発電停止条件が成立したことに伴い、燃料パージ要求が有るかどうかの判定を行い(ステップS2)、この判定結果がYESであれば、制御ECUによりパージ弁61を閉状態に制御し(ステップS3)、燃料パージ用発電制御を行う(ステップS4)。これにより気液分離部59において分離された気体が排ガス処理機62に排出されなくなり、徐々に気液分離器59内の圧力が高まる。一方、ステップS2の判定結果がNOであれば、ステップS1に戻って通常発電制御を維持する。
次に、制御ECUにより、圧力センサ60により検出される気液分離器59内の圧力が閾値以上になったかどうかの判定を行い(ステップS5)、この判定がYESであれば、発電を停止するとともに(ステップS6)、燃料循環ポンプ55を停止する(ステップS7)。これにより燃料電池51内に残留する液体燃料は、燃料の導入口51aから入口遮断弁56を介して、燃料電池51よりも下方に位置する循環タンク54に自重によって排出される。一方、ステップS5の判定結果がNOであれば、ステップS4に戻って燃料パージ用発電制御を維持する。なお、気液分離器59内の圧力の閾値としては、後述する残存液体燃料を排出するために、ある程度高い値が求められ、例えば、180kPaが挙げられる(大気圧=102.3kPa)。
ところで、燃料電池51内に残存する液体燃料の排出速度は、燃料電池内の液体燃料の量で決定される。すなわち、残存液体燃料が多い場合、十分な液圧が確保されるため液体燃料が貯留タンク54に排出される速度は速いが、排出が進み残存液体燃料が少なくなった場合は、液圧が低下し排出速度が遅くなる。そこで、以下に説明するように、残存液体燃料の排出速度を速める制御を行う。
すなわち、ステップS7の処理の後、制御ECUにより、液体燃料の排出量(パージ量)が閾値以上で有るかどうかの判定を行い(ステップS8)、この判定結果がYESであれば、制御ECUにより出口遮断弁58を閉状態に制御し(ステップS9)、パージ弁61を開放状態に制御する(ステップS10)。これにより気液分離器59と連通している燃料電池51内の圧力は、高まった気液分離器59内の圧力と同じままに維持され、気液分離器59と連通する循環タンク54の圧力はパージ弁61の開放により大気圧になることから差圧が生じ、この生じた差圧により所定量排出された液体燃料の残りの残存液体燃料が排出される。このような制御により、液圧が低下して一旦遅くなった残りの残留燃料の排出速度を速くすることができる。
また、燃料電池51内の圧力は、燃料電池51内に残存する残留燃料を押し出しきれる程度の高さが必要であるため、ここでいう閾値は、例えば、燃料電池51の容量×大気圧(=101.3kPa)/気液分離器圧(=180kPa)の量が挙げられる。なお、ステップS8における液体燃料の排出量(パージ量)の閾値については、燃料電池51内に残存する液体燃料の量が排出時間により予測可能であるため、排出に要した時間から、予め予測した残存液体燃料の量を導出したり、循環タンク54に液量センサを配置しこの液量センサによる検出値を使用することも可能である。
また、排出量が閾値以下であって、ステップS8の判定結果がNOであれば、閾値以上になって判定結果がYESになるまでステップS8の制御が繰り返され、その間上記した残存液体燃料の自重による排出制御を維持することになる。
次に、制御ECUにより燃料パージが完了しているかどうかを判定し(ステップS11)、この判定結果がYESであれば、燃料パージ制御を終了し、NOであれば引き続き上記した差圧を利用した燃料排出を行う。
したがって、上記した実施形態によれば、発電停止条件の成立時に、燃料電池51から自重により残存液体燃料が排出されていくと、燃料電池51内の液体燃料の液圧が低下し排出が遅くなった残存液体燃料の排出速度を速めることができ、これにより、燃料パージ時間の短縮が図れるのみならず、残存液体燃料に起因するクロスリークや触媒の劣化が防止され燃料電池の寿命を延ばすことが可能である。また、残存液体燃料の排出にあたり、高価かつ大型の排出ポンプを使用しないため安価で小型なシステムを構成することができる。
上記した実施形態において、上記した循環手段は、燃料電池51、気液分離器59、循環タンク54を連通する循環経路と循環ポンプ55から構成されていることから、燃料パージの際に循環ポンプ55にも液体燃料を貯留することができ、その分循環タンク54の容積を小さくでき、燃料電池システム全体を小型化・軽量化することが可能である。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、発電停止時等に燃料電池51内に残留した液体燃料を排出するという目的を達成する手段は、上記した実施形態に限られず、上記した燃料電池システムから出口遮断弁58とパージ弁61を除いた構成としてもよい。このように構成すれば、残留燃料は自重により循環タンク54に排出されるためクロスリークや触媒劣化の問題を解決することができる。
また、上記した残存液体燃料排出の終了後は、入口遮断弁56を閉状態に制御してもよく、こうすることで、排出した燃料電池51内の液体燃料を循環タンク54に閉じ込め、液体燃料の燃料電池51への逆流を防止することができる。
また、上記した実施形態では、液体燃料を水加ヒドラジンとした例について説明したが、本発明はその他の液体燃料を供給して発電する燃料電池に適用することができるのは言うまでもない。
51… 燃料電池
55… 循環ポンプ
59… 気液分離器
54… 循環タンク
56… 入口遮断弁
58… 出口遮断弁
61… パージ弁
55… 循環ポンプ
59… 気液分離器
54… 循環タンク
56… 入口遮断弁
58… 出口遮断弁
61… パージ弁
Claims (2)
- 液体燃料および空気の供給により発電する燃料電池と、
前記燃料電池から排出される液体燃料とこれに含まれる気体とを分離する気液分離部と、
前記燃料電池よりも下方に配置され、前記気液分離部において分離した液体燃料を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留される前記液体燃料を前記燃料電池に循環させる循環手段と、
前記貯留部から前記燃料電池への経路を開閉する第1開閉手段と、
所定の発電停止条件の成立に基づいて前記第1開閉手段を開状態に制御して前記循環手段の循環を停止する燃料パージ制御手段とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池から前記気液分離部への経路を開閉する第2開閉手段と、
前記気液分離部内の圧力を開放する圧力開放手段とをさらに備え、
前記燃料パージ制御手段は、
前記所定の発電停止条件の成立に基づいて前記第1開閉手段を開状態に、かつ、前記循環手段を液体燃料の循環状態に制御するとともに、前記圧力開放手段を開放禁止状態に制御し、前記気液分離部の圧力が所定値に達することを条件に、前記第1開閉手段を開状態に制御して前記循環手段の循環を停止し、前記第2開閉手段を閉状態に制御して前記圧力開放手段を開放状態に制御することを特徴とする燃料電池システム。
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JP2011140781A JP2013008575A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 燃料電池システム |
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JP2011140781A Withdrawn JP2013008575A (ja) | 2011-06-24 | 2011-06-24 | 燃料電池システム |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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