JP2013007892A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像性、感度、及び経時安定性に優れ、かつ良好な形状のパターン形成を可能とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する繰り返し単位(A)を備えた樹脂(P)を含有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス並びに高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びにその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。更には、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線、X線及びEUV光等を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
化学増幅レジスト組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用し、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、透明性の高い脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されている。脂環炭化水素構造としては、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、高透明かつ高ドライエッチング耐性を示すノルボルナン骨格やアダマンタン骨格が用いられている。しかし脂環式構造は一般に極性が低く、樹脂中の脱保護反応性は、ポリ(ヒドロキシスチレン)中と比べて大幅に低下する。そのため画像形成には高酸性度の酸およびそれをクエンチする塩基が必要であり、例えば、特許文献1では、特定のフッ化有機スルホン酸が用いられている。また、特許文献3には、活性光線又は放射線の放射により高酸性のイミドを発生させるイミドアニオンからなる光酸発生剤を含有する組成物が記載されている。特許文献4では、特定の有機スルホン酸が用いられている。さらに、特許文献5では、塩基として、プロトンアクセプター基と酸を発生する基をともに有する低分子化合物を組成物中に含有することで、高感度、LWR良化を達成している。加えて、レジスト性能を更に向上させるべく、種々の構成が検討されている(例えば、特許文献6乃至8参照)。
特開2002−131897号公報 特開平9−73173号公報 特表平11−501909号公報 特開平6−242606号公報 特開2006−330098号公報 特開2010−100830号公報 特許第3577743号公報 特開2011−039315号公報
本発明の目的は、解像性、感度、及び経時安定性に優れ、かつ良好な形状のパターン形成を可能とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、例えば、下記の通りである。
〔1〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する繰り返し単位(A)を備えた樹脂(P)を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔2〕前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基が、スルホン酸、イミド酸またはメチド酸を発生する基であり、かつ前記プロトンアクセプター基が非共有電子対を有するN原子を含む基である〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記繰り返し単位(A)が下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位である〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
Figure 2013007892
式中、
は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基または有機基を表す。
は2価のプロトンアクセプター基を表し、Pは1価のプロトンアクセプター基を表す。
は活性光線または放射線の照射により酸を発生する1価の基を表し、Zは活性光線または放射線の照射により酸を発生する2価の基を表す。
、X、X、及びXは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
〔4〕前記繰り返し単位(A)が一般式(2)で表される繰り返し単位であり、かつ前記Zで表される基が活性光線または放射線の照射によりイミド酸を発生する基である〔3〕に記載の組成物。
〔5〕X、X、X、及びXの少なくとも1つは、フッ素原子を含むアルキレン基を有する〔3〕又は〔4〕に記載の組成物。
〔6〕前記繰り返し単位(A)が前記一般式(1)で表される繰り返し単位であり、且つXがアリーレン基または−CO−基を含む〔3〕に記載の組成物。
〔7〕前記繰り返し単位(A)が前記一般式(2)で表される繰り返し単位であり、且つXがアリーレン基または−CO−基を含む〔3〕に記載の組成物。
〔8〕前記Zにより表される基及び前記Zにより表される基は、各々独立に、下記一般式(Z−A)、(Z−B)又は(Z−C)により表される部分構造を含んでいる〔3〕に記載の組成物。
Figure 2013007892
式中、
、Q及びQは、各々独立に、−SO−又は−CO−を含んだ連結基を表す。
は、オニウムカチオンを表す。
〔9〕Q、Q及びQは、各々独立に、−SO−を含んだ連結基である〔8〕に記載の組成物。
〔10〕Q、Q及びQは、各々独立に、下式により表される部分構造を含んだ連結基である〔9〕に記載の組成物。
Figure 2013007892
式中、
Rf及びRfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
〔11〕前記Rが、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、又はアルコキシアルキル基である〔3〕〜〔10〕の何れかに記載の組成物。
〔12〕前記Rが水素原子又はメチル基である〔11〕に記載の組成物。
〔13〕前記Xがスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンである〔8〕〜〔10〕の何れかに記載の組成物。
〔14〕前記樹脂(P)が、下記一般式(B1)及び(B2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方をさらに含んでいる〔1〕〜〔13〕の何れかに記載の組成物。
Figure 2013007892
一般式(B1)中、
nは1〜5の整数を表し、mは、m+n=5なる関係を満足する0〜4の整数を表す。
は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
は、酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には、複数の前記Aは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
一般式(B2)中、
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
〔15〕前記樹脂(P)が、下記一般式(C1)及び(C2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方をさらに含んでいる〔1〕〜〔14〕の何れかに記載の組成物。
Figure 2013007892
mは0〜4の整数を表す。
は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
〔16〕樹脂(P)のほかに、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂をさらに含有する〔1〕〜〔15〕の何れかに記載の組成物。
〔17〕酸発生剤をさらに含有する〔1〕〜〔16〕の何れかに記載の組成物。
〔18〕〔1〕〜〔17〕の何れかに記載の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性樹脂膜。
〔19〕〔18〕に記載の膜を露光することと、露光後の前記膜を現像することとを含むパターン形成方法。
〔20〕〔19〕に記載の方法を含んだ半導体デバイスの製造方法。
〔21〕〔20〕に記載の方法により製造された半導体デバイス。
〔22〕前記繰り返し単位(A)が一般式(1)で表される繰り返し単位であり、かつX及びXの少なくとも一方が−SO−基を含む〔3〕〜〔10〕の何れかに記載の組成物。
〔23〕前記繰り返し単位(A)が一般式(2)で表される繰り返し単位であり、かつX及びXの少なくとも一方が−SO−基を含む〔3〕〜〔10〕の何れかに記載の組成物。
〔24〕塩基性化合物をさらに含有する〔1〕〜〔17〕、〔22〕又は〔23〕に記載の組成物。
〔25〕KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、X線又はEUV光により露光される〔1〕〜〔17〕、又は、〔22〕〜〔24〕に記載の組成物。
本発明によると、解像性、感度、及び経時安定性に優れ、かつ良好な形状のパターン形成を可能とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性樹脂膜及びパターン形成方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、ここでは、置換又は無置換を明示していない基及び原子団には、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
また、ここで「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線などの軟X線、X線又は電子線(EB)を意味している。「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。「露光」とは、水銀灯、遠紫外線、X線及びEUV光等による光照射のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、以下に説明する樹脂(P1)を含有している。
<樹脂(P1)>
樹脂(P1)は、活性光線または放射線の照射により分解する酸を発生する基およびプロトンアクセプター基を有する繰り返し単位(A)を含有する。活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基は、スルホン酸、イミド酸またはメチド酸を発生する基であることが好ましい。また、プロトンアクセプター基は、非共有電子対を有するN原子を含む基であることが好ましい。
〔繰り返し単位(A)〕
樹脂(P1)は、繰り返し単位(A)として、下記一般式(1)及び(2)で表される繰り返し単位のいずれかから選択される少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
Figure 2013007892
式中、
は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基または有機基を表す。
は2価のプロトンアクセプター基を表し、Pは1価のプロトンアクセプター基を表す。
は活性光線または放射線の照射により酸を発生する1価の基を表し、Zは活性光線または放射線の照射により酸を発生する2価の基を表す。
、X、X、及びXは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
により表される有機基は、アルキル基であることが好ましく、無置換アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、又はアルコキシアルキル基であることがより好ましい。Rは、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、無置換アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、又はアルコキシアルキル基であることがより好ましく、水素原子又はアルキル基であることが更に好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
及びPの各々は、プロトンアクセプター基を表す。プロトンアクセプター性基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは孤立電子対を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役の寄与が少ない孤立電子対をもった窒素原子を有する官能基を挙げることができる。これらのうち、π共役の寄与が少ない孤立電子対をもった窒素原子を有する官能基が特に好ましい。π共役の寄与が少ない孤立電子対を有する窒素原子としては、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子を挙げることができる。
Figure 2013007892
このような窒素原子を有する構造としては、好ましくは三級アミン、二級アミン、一級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン、アニリン構造などを挙げることができ、三級アミン構造、イミダゾール構造が特に好ましい。
、X、X、及びXは、各々独立に、単結合、2価の芳香環基、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、−O−、−SO−、−CO−、−NR−(Rはアルキル基を表す)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が好ましく、−SO−を含むものが特に好ましい。これらの基は、水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ化アルキル基、ニトロ基、又はシアノ基から選択される置換基で置換されていてもよい。
連結基としての2価の芳香環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜14の置換基を有していても良いアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
アルキレン基としては、直鎖状であっても分岐状であっても良く、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のアルキレン基が好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6個のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4個のアルキレン基が特に好ましい。
シクロアルキレン基としては、単環型あるいは多環型のいずれであっても良く、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ノルボルナニレン基、アダマンチレン基、ジアマンタニレン基等の炭素数3〜17の2価の脂肪族炭化水素環基が好ましい例として挙げられる。
アルケニレン基としては、上記アルキレン基の任意の位置に、二重結合を有する基が挙げられる。
−NR−において、Rにより表わされるアルキル基としては、置換基を有していてもよい直鎖状又は分岐状アルキル基であり、水素原子、メチル基、エチル基が特に好ましい。
一般式(1)においては、X及びXの少なくとも一方が−SO−を有することが好ましく、特にXが−SO−を有することが好ましい。また、Xは、アリーレン基または−CO−を有することが好ましい。また、X及びXの少なくとも一方がF原子を含むアルキル基またはF原子を含むアルキレン基を有することが好ましく、XがF原子を含むアルキル基またはF原子を含むアルキレン基を有することがより好ましい。
一般式(2)においてはX及びXの少なくとも一方が−SO−を有することが好ましい。また、Xはアリーレンまたは−CO−を有することが好ましい。また、X及びXの少なくとも一方がF原子を含むアルキル基またはF原子を含むアルキレン基を有することが好ましく、X及びXがともにF原子を含むアルキル基またはF原子を含むアルキレン基を有することがより好ましい。
及びZの各々は、活性光線または放射線の照射により酸を発生する基を表す。Z及びZの各々は、好ましくはイミド酸、メチド酸又はスルホン酸のスルホニウム塩又はヨードニウム塩を表し、より好ましくはイミド酸又はスルホン酸のスルホニウム塩を表す。
及びZは、各々独立に、下記一般式(Z−A)、(Z−B)又は(Z−C)により表される部分構造を含んでいることが好ましい。
Figure 2013007892
式中、
、Q及びQは、各々独立に、−SO−又は−CO−を含んだ連結基を表す。Xは、オニウムカチオンを表す。
、Q及びQは、各々独立に、−SO−を含んだ連結基であることが好ましく、下式により表される部分構造を含んだ連結基であることがより好ましい。
Figure 2013007892
式中、
Rf及びRfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
このアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基などが挙げられる。
で表されるオニウムカチオンは、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンであることが好ましい。これらは、それぞれ、下記一般式(ZA−1)又は(ZA−2)により表されることが好ましい。
Figure 2013007892
一般式(ZA−1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造(縮合環を含む)を形成してもよく、環内に式中の硫黄原子以外に更に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、
アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)等を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、一般式(ZA−1)で表わされる基の好ましい基として以下に説明する(ZA−1−1)、(ZA−1−2)、(ZA−1−3)で表される基における対応する基を挙げることができる。特に好ましくは、(ZA−1−1)又は(ZA−1−3)で表される基である。
まず、(ZA−1−1)基について説明する。
(ZA−1−1)基は、上記一般式(ZA−1)におけるR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムをカチオンとする基である。
201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基でもよい。
例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としては、フェニル基又はナフチル基が好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の構造が挙げられる。
アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12の1価の脂肪族炭化水素環基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基は、アリール基のp−位に置換していることが好ましい。
(ZA−1−1)で表わされるより好ましい基としては、トリアリールスルホニウム、又は、下記一般式(ZA−1−1A)若しくは(ZA−1−1B)で表される構造が挙げられる。
Figure 2013007892
一般式(ZA−1−1A)中、
1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。
Zaは、単結合または2価の連結基である。
なお、ここで「アルコール性水酸基」とは、鎖状又は環状アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表す。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1a〜R13aは、−W−Yで表される。ただし、Yは、水酸基で置換された鎖状又は環状アルキル基であり、Wは、単結合または2価の連結基である。
Yの鎖状又は環状アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。Yは、特に好ましくは−CHCHOH構造を含有する。
Wとして好ましくは単結合、もしくは、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基であり、更に好ましくは単結合、もしくは、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は好ましくは2〜10個であり、更に好ましくは2〜6個であり、特に好ましくは2〜4個である。
1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有してもよい。R1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数としては1個から6個であり、好ましくは1個から3個であり、更に好ましくは1個である。
一般式(ZI−1A)で表される化合物に含まれるアルコール性水酸基の数は、R1a〜R13aすべてあわせて好ましくは1個から10個であり、より好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、特に好ましくは水素原子又はアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
また、R1a〜R13aのうちの隣接する2つが、共同して環を形成することもできる。この環は、例えば、芳香族又は非芳香族の炭化水素環又は複素環であり、これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、及びフェナジン環が挙げられる。
一般式(ZA−1−1A)中、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含み、好ましくは、R9a〜R13aのうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含む。
Zaは、単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基等であり、これらの基は置換基を有してもよい。これらの置換基としては上のR1a〜R13aに示した置換基と同様である。Zaとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基など電子求引性を持たない置換基であり、更に好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
次に、一般式(ZA−1−1B)について説明する。
一般式(ZA−1−1B)において、R15は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪
族炭化水素環基、又はナフチル基を表す。2個のR15は互いに結合して環を形成してもよい。Xは−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、−O−のいずれかを示す。ここで、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、又はアリール基を示す。R23は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアシル基を示す。Rは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。Rの置換基としては、例えば、一般式(ZA−1−1B)の好ましい態様として以下に説明する一般式(ZI−1)〜(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
nは0〜3の整数を示す。nは0〜11の整数を示す。
15、R21〜R23におけるアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基に1価の脂肪族炭化水素環基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
15、R21〜R23における1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。
15、R21〜R23におけるアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基である。
これらの各基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、などが挙げられる。アリール基、1価の脂肪族炭化水素環基などにおける環状構造、及びアミノアシル基については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を有していてもよい。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環としては、式(ZA−1−1B)に示された−S+と共に形成する環構造であり、硫黄原子を1個含む5員環、又はそれを含む縮環が好ましい。縮環の場合、硫黄原子を1個と炭素原子を18個以下含むものが好ましく、より好ましくは下記一般式(IV−1)〜(IV−3)で表される環構造である。
Figure 2013007892
式中、*は結合手を表す。Rは任意の置換基を表し、例えばR15、R21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。nは0〜4の整数を表す。nは0〜3の整数を示す。
一般式(ZA−1−1B)で表される化合物のうち、好ましいカチオン構造としては、以下のカチオン構造(ZI−1)〜(ZI−3)が挙げられる。
カチオン構造(ZI−1)とは、以下の一般式(ZI−1)で表される構造である。
Figure 2013007892
一般式(ZI−1)中、R13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。R14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、水酸基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
15は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
一般式(ZI−1)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等がより好ましい。
13、R14及びR15の1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環でも多環でもよく、炭素数3〜12のものが好ましく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロヘプチル(ノルボルニル)、アダマンチル等があげられ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルがより好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がカルボニル基に置換したものが挙げられ、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等がより好ましい。
13及びR14の単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンタンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンタンチルメトキシ基、アダマンタンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がスルホニル基に置換したものが挙げられ、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等がより好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
前記R13、R14及びR15の各基は、更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(単環でも多環でもよく、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数5〜8のもの)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個のR15が結合して形成される2価の基が、一般式(ZI−1)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、該環はアリール基または脂肪族炭化水素環基と縮環していてもよい。この2価の基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
一般式(ZI−1)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する場合の2価の基等が好ましい。
13のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、R14のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基は、上記のように置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
以下に、一般式(ZI−1)で表されるカチオン構造の好ましい具体例を示す。
Figure 2013007892
カチオン構造(ZI−2)とは、以下の一般式(ZI−2)で表される構造である。
Figure 2013007892
一般式(ZI−2)中、
I−2は、酸素原子、硫黄原子、又は−NRa1−基を表し、Ra1は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアシル基を表す。
a2及びRa3は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又はナフチル基を表す。Ra2及びRa3は、互いに結合して環を形成してもよい。
a4は、複数個ある場合には各々独立に、1価の基を表す。
mは、0〜3の整数を表す。
a1〜Ra3のアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
a1〜Ra3の1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数3〜20の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。
a1〜Ra3のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
a1のアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
a1としてはアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。
a2及びRa3が互いに結合して形成してもよい環構造としては、一般式(ZI−2)中の硫黄原子と共に5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(例えばテトラヒドロチオフェン環)を形成する基が好ましく、酸素原子を含んでいてもよく、具体的には一般式(ZI−1)中のR15同士が連結して形成しても良い環と同様のものが挙げられる。
a4の1価の基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができる。
a2とRa3とは互いに連結して5〜6員環を構成していることがより好ましい。Ra1〜Ra4における各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更なる置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(ZI−2)で表されるカチオンの好ましい具体例を示す。
Figure 2013007892
カチオン構造(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される構造である。
Figure 2013007892
一般式(ZI−3)中、R41〜R43は、それぞれ独立して、アルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基又はヒドロキシアルキル基である。R41〜R43としてのアルキル基、アルコキシ基は、式(ZI−1)におけるR13〜R15と同様のものが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基
等が挙げられる。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n3は0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
41〜R43における各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更な
る置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良
い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(ZI−3)で表されるカチオンの好ましい具体例を示す。
Figure 2013007892
一般式(ZI−1)〜(ZI−3)で表されるカチオン構造のうち、好ましい構造は(ZI−1)及び(ZI−2)であり、更に好ましくは(ZI−1)が挙げられる。
次に、(ZA−1−2)について説明する。
(ZA−1−2)は、一般式(ZA−1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す基である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソ脂肪族炭化水素環基である。
201〜R203のアルキル基及び脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。脂肪族炭化水素環基として、より好ましくは、2−オキソ脂肪族炭化水素環基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、好ましくは、上記の脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、(ZA−1−3)について説明する。
(ZA−1−3)とは、以下の一般式で表される基であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する基である。
Figure 2013007892
一般式(ZA−1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、フェニルチオ基、又はハロゲン原子を表す。R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ、互いに結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
また、R1c〜R7cとしての1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型あるいは多環型
のいずれであってもよく、例えば炭素数3〜8個の1価の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及び脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cにおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
Rx及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基である。
また、Rx及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のRx及びRy(例えば、メチレン基、エチレンキ基、プロピレン基等)が一般式(ZA−1−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒド
ロチオフェン環)が挙げられる。
次に、一般式(ZA−2)について説明する。
一般式(ZA−2)において、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。R204及びR205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204及びR205におけるアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の1価の脂肪族炭化水素環基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
一般式(I)〜(III)におけるZ〜Zにより表わされるオニウム塩のカチオンの具体例を以下に示す。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
繰り返し単位(A)を以下に例示するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
下記表1に、繰り返し単位(A)の具体例を、カチオン構造(上記例示の(Z−1)〜(Z−58))とアニオン構造(先に例示の(I−1)〜(I−51))の組み合わせとして示す。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
樹脂(P1)に占める繰り返し単位(A)の含有率は、全繰り返し単位を基準として、1〜100モル%とすることが好ましく、1〜50モル%とすることがより好ましく、5〜15モル%とすることが特に好ましい。
〔繰り返し単位(B)〕
樹脂(P1)は、上記繰り返し単位(A)に加えて、酸分解性を有する繰り返し単位(B)を更に含んでいることが好ましい。このような繰り返し単位(B)としては、下記一般式(B1)により表される繰り返し単位及び下記一般式(B2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方が特に好ましい。
Figure 2013007892
一般式(B1)中、
nは1〜5の整数を表し、mは、m+n=5なる関係を満足する0〜4の整数を表す。
は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
は、酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には、複数の前記Aは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
一般式(B2)中、
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
一般式(B1)において、
mは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
nは、1〜5の整数であり、好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
は、水素原子又は置換基を表す。この置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、分岐状アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、および、ピロリドン残基等のヘテロ環残基があげられる。
は、酸の作用により脱離する基を表す。すなわち一般式(B1)により表される繰り返し単位は、酸分解性基を含んだ繰り返し単位である。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、t−ブチル基及びt−アミル基等の3級アルキル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、並びに、式−C(R)(R)−O−Rにより表されるアセタール基が挙げられる。
以下、式−C(R)(R)−O−Rにより表されるアセタール基について説明する。式中、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は
アラルキル基を表す。Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を表す。
なお、RとRとは、互いに結合して、5員又は6員環を形成していてもよい。
アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。
直鎖アルキル基としては、炭素数が1〜30のものが好ましく、炭素数が1〜20のものがより好ましい。このような直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デカニル基が挙げられる。
分岐鎖アルキル基としては、炭素数が3〜30のものが好ましく、炭素数が3〜20のものがより好ましい。このような分岐鎖アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基及びt−デカノイル基が挙げられる。
これらアルキル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、水酸基;フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;アミド基;スルホンアミド基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基等のアシル基;アセトキシ基及びブチリルオキシ基等のアシロキシ基、並びにカルボキシ基が挙げられる。
アルキル基としては、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシルエチル基、フェニルメチル基又はフェニルエチル基が特に好ましい。
シクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。後者の場合、シクロアルキル基は、有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は、橋かけ構造を有していてもよい。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
単環型のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のものが好ましい。このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。
多環型のシクロアルキル基としては、例えば、ビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を有する基が挙げられる。多環型のシクロアルキル基としては、炭素数が6〜20のものが好ましい。このようなシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、_−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。
、R及びRにおけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基及びフェネチル基等の炭素数が7〜15のものが挙げられる。
これらアラルキル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、好ましくは、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基及びアラルキルチオ基が挙げられる。置換基を有するアラルキル基としては、例えば、アルコキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基及びフェニルチオフェネチル基が挙げられる。なお、これらアラルキル基が有し得る置換基の炭素数は、好ましくは12以下である。
とRとが互いに結合して形成し得る5員又は6員環としては、例えば、テトラヒドロピラン環及びテトラヒドロフラン環が挙げられる。これらのうち、テトラヒドロピラン環が特に好ましい。
は、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。これにより、本発明の
効果が一層顕著になる。
以下に、一般式(B1)により表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限
定されるものではない。
Figure 2013007892
次に、一般式(B2)により表される繰り返し単位について説明する。
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアラルキル基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロアルキル基、アミノアルキル基、アルコキシアルキル基を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロアルキル基、アミノアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子、アルキル基を表す。
は、上述したように、酸の作用により脱離する基を表す。即ち、(B2)により表
される繰り返し単位は、酸分解性基として、「−COOA」により表される基を備えて
いる。Aの具体例としては、例えば、先に一般式(B1)におけるAについて説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(B2)により表される繰り返し単位に対応したモノマーの具体例を挙
げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
以下に、一般式(B2)により表される繰り返し単位の構造の具体例を挙げるが、これ
らに限定されるものではない。
Figure 2013007892
一般式(B2)により表される繰り返し単位は、t−ブチルメタクリレート又はエチル
シクロペンチルメタクリレートの繰り返し単位であることが好ましい。
樹脂(P1)が繰り返し単位(B)を含んでいる場合、その含有率は、全繰り返し単位を基準として、5〜95%とすることが好ましく、10〜60モル%とすることがより好ましく、15〜50モル%とすることが特に好ましい。
樹脂(P1)が一般式(B1)により表される繰り返し単位を含んでいる場合、その含有率は、全繰り返し単位を基準として、20〜90モル%とすることが好ましく、30〜85モル%とすることがより好ましく、35〜50モル%とすることが特に好ましい。
樹脂(P1)が一般式(B2)により表される繰り返し単位を含んでいる場合、その含有率は、全繰り返し単位を基準として、1〜90モル%とすることが好ましく、5〜75モル%とすることがより好ましく、10〜50モル%とすることが特に好ましい。
〔繰り返し単位(C)〕
樹脂(P1)は、アルカリ可溶性を有する繰り返し単位(C)を更に含んでいることが好ましい。このような繰り返し単位(C)としては、例えば、下記式(C1)により表される繰り返し単位又は下記式(C2)により表される繰り返し単位が挙げられる。式(C1)により表される繰り返し単位を含んでいることがより好ましく、ヒドロキシスチレン構造を備えた繰り返し単位〔式(C1)においてm=0としたもの〕を含んでいることが特に好ましい。
Figure 2013007892
式中、
mは0〜4の整数を表す。
は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
及びXの好ましい例としては、例えば、先に一般式(B1)及び(B2)を参照しながら説明したものが挙げられる。
樹脂(P1)に占める繰り返し単位(C)の含有率は、全繰り返し単位を基準として、0〜99%とすることが好ましく、5〜80モル%とすることがより好ましく、5〜50モル%とすることが特に好ましい。
〔繰り返し単位(D)〕
樹脂(P1)は、上記繰り返し単位(A)乃至(C)以外の繰り返し単位を更に備えていてもよい。
例えば、樹脂(P1)は、下記一般式(D1)により表される繰り返し単位を更に含んでいても良い。このような構成を採用すると、例えば、膜質を更に向上させること及び未露光部の膜減りを更に抑制することが可能となる。
Figure 2013007892
一般式(D1)中、Rは、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のペルフルオロ基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基又はアシル基を表す。qは、0〜4の整数を表す。Wは、酸の作用により分解しない基(以下、酸安定基ともいう)を表す。
Wの酸安定基としては、好ましくはアシル基、アルキルアミド基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基であり、より好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基又はアリールオキシ基である。
Wのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基等の炭素数が1〜4のものが好ましい。
Wのシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基及びアダマンチル基等の炭素数が3〜10のものが好ましい。
Wのアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基及びブテニル基等の炭素数が2〜4のものが好ましい。
Wのアリール基としては、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基及びアントリル基等の炭素数が6〜14のものが好ましい。
Wのアシル基、アルキルアミド基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシ基におけるアルキル基としては、上記Wのアルキル基で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
Wのシクロアルキルオキシ基におけるシクロアルキル基としては、上記Wのシクロアルキル基で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
Wのアリールオキシ基、アリールアミドメチル基及びアリールアミド基としては、上記Wのアリール基で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
Wは、一般式(D1)に示したように、スチレン骨格中のベンゼン環に含まれる任意の水素原子を置換し得る。Wの置換位置は特に制限されないが、好ましくはメタ位又はパラ位であり、特に好ましくはパラ位である。
以下に、一般式(D1)により表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限
定するものではない。
Figure 2013007892
一般式(D1)により表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位を基準として、0〜99モル%とすることが好ましく、0〜30モル%とすることがより好ましく、0〜10モル%とすることが特に好ましい。
上記樹脂(P1)は、酸の作用により分解しない(メタ)アクリル酸誘導体からなる繰り返し単位を更に含んでいてもよい。以下にその具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2013007892
酸の作用により分解しない(メタ)アクリル酸誘導体からなる繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位を基準として、0〜99モル%とすることが好ましく、0〜30モル%とすることがより好ましく、0〜10モル%とすることが特に好ましい。
また、上記樹脂(P1)は、更に、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位を有していてもよい。アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基としては、ラクトン構造、フェニルエステル構造などが挙げられる。このような繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2013007892
一般式(AII)中、
Rbは、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rbとして、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂肪族炭化水素環構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖又は分岐アルキレン基、単環又は多環の脂肪族炭化水素環基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表す。好ましくはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。
ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。Vとしては下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基がより好ましい。また、樹脂は、ラクトン構造が主鎖に直接結合した繰り返し単位を含有していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)である。
Figure 2013007892
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7の1価の脂肪族炭化水素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
以下に、このような繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、Rxは、H,CH,CHOH,又はCFを表す。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位を基準として、0〜99モル%とすることが好ましく、0〜70モル%とすることがより好ましく、0〜40モル%とすることが特に好ましい。
樹脂(P1)は、上述した繰り返し単位以外の繰り返し単位であって、極性基を有する繰り返し単位を更に有していてもよい。極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシル基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換されたアルコール性水酸基(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基:−C(CFOH)などを挙げることができる。樹脂(P1)がこのような繰り返し単位を有することにより、これにより基板密着性、現像液親和性を向上させることができる。上述した繰り返し単位以外の極性基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位であることが好ましく、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることがより好ましく、酸分解性基を有さないことが更に好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2013007892
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2013007892
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、R1cは、水素原子、メチル基、トリフ
ロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同
義である。
極性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されな
い。
Figure 2013007892
樹脂(P1)は、極性基を有する繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、その含有率は、樹脂(P1)中の全繰り返し単位に対し、1〜60モル%が好ましく、より好ましくは5〜50モル%である。
樹脂(P1)は、極性基を持たない環状炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を更に有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(VII)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2013007892
一般式(VII)中、Rは少なくとも一つの環状炭化水素構造を有し、極性基(水酸
基やシアノ基など)を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状炭化水素構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの環状炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子(臭素、塩素、フッ素原子)、アルキル基(メチル、エチル、ブチル、t−ブチル基)が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換された水酸基、水素原子が置換されたアミノ基を挙げることができる。
上記水素原子を置換する置換基としては、たとえばアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基を持たない環状炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
樹脂(P1)は、極性基を持たない環状炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、その含有率は、樹脂(P1)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜20モル%である。
本発明の樹脂(P1)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙
げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。その他、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及びマレオニトリルも挙げられる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
以下に、そのような他の重合性モノマー由来の繰り返し単位の好ましい具体例を挙げる
が、これらに限定されるものではない。
Figure 2013007892
上記樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜200000の範囲内にあることが好ましく、1000〜100000の範囲内にあることがより好ましく、1000〜40000の範囲内にあることが特に好ましい。この重量平均分子量を過度に大きくすると、樹脂のアルカリに対する溶解速度及び組成物の感度が低下する場合がある。ここで「重量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算値を意味している。
上記樹脂の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがより好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。
このような範囲の分散度を有する樹脂の合成方法としては、例えば、アゾ系重合開始剤を用いてラジカル重合を行うことにより、分散度1.2〜2.0の樹脂を合成することができる。また、例えばリビングラジカル重合法を用いることにより、分散度1.0〜1.5の樹脂を合成することができる。
樹脂(P1)の含有率は、組成物の全固形分を基準として、通常1〜99質量%であり、好ましくは1〜50質量%であり、特に好ましくは1〜15質量%である。
以下に、繰り返し単位(A)を備えた樹脂(P1)の具体例を示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
本発明に係る組成物では、酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する繰り返し単位を樹脂へと導入することで、低分子の化合物を用いた場合には達成できなかった高解像性、高感度、良好なパターン形状を達成した。重合体へ導入したことによる拡散防止が主な要因と推測される。
さらには、イオン性の低分子化合物を用いた際には凝集の問題があったが、重合体へ導入したことで、凝集体の生成を防止した結果、均一分布による経時安定性付与(パーティクル生成防止)も達成した。
<その他の成分>
本発明に係る組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂、疎水性樹脂、光酸発生剤、塩基性化合物、界面活性剤、溶剤、染料、光塩基発生剤、酸化防止剤及び溶剤等を更に含んでいてもよい。以下、これら成分について説明する。
(酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂)
本発明に係る組成物は、繰り返し単位(A)を備えた樹脂(P1)の他に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(P2)を更に含んでいてもよい。
樹脂(P2)は、上記一般式(B1)により表される繰り返し単位及び上記一般式(B2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方を更に含んでいることが好ましい。ここで、一般式(B2)により表される繰り返し単位は、上記繰り返し単位(A)以外の繰り返し単位である。
本発明の組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、又は、EUV光等の波長50nm以下の高エネルギー光線を照射する場合には、樹脂(P2)は、ヒドロキシスチレン構造を備えた繰り返し単位を更に含んでいることが好ましい。この場合、樹脂(P2)は、ヒドロキシスチレン構造を備えた繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン構造を備えた繰り返し単位と、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性の繰り返し単位とを含んでいることが特に好ましい。
酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン構造を備えた繰り返し単位としては、例えば、t‐ブトキシカルボニルオキシスチレン及び1‐アルコキシエトキシスチレンが挙げられる。(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルとしては、例えば、2‐アルキル‐2‐アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1‐アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明に係る組成物がArF露光用である場合、ArF光に対する透明性の観点から、樹脂(P2)は、芳香族基を有していないことが好ましい。この場合、樹脂(P2)は、単環式又は多環式の脂環炭化水素構造を有していることが好ましい。
また、本発明に係る組成物が後述する疎水性樹脂を含んでいる場合、樹脂(P2)は、この疎水性樹脂との相溶性の観点から、フッ素原子及びケイ素原子を含んでいないことが好ましい。
樹脂(P2)は、全ての繰り返し単位が(メタ)アクリレート系繰り返し単位であることが好ましい。この場合、樹脂(P2)は、全ての繰り返し単位がメタクリレート系繰り返し単位であってもよく、全ての繰り返し単位がアクリレート系繰り返し単位であってもよく、全ての繰り返し単位がメタクリレート系繰り返し単位及びアクリレート系繰り返し単位の何れかである構成を有していてもよい。樹脂(P2)がアクリレート系繰り返し単位を含んでいる場合、アクリレート系繰り返し単位の合計量は、全繰り返し単位を基準として、50モル%以下であることが好ましい。
より好ましくは、樹脂(P2)は、20〜50モル%の酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位と、20〜50モル%のラクトン基を備えた(メタ)アクリレート系繰り返し単位と、5〜30モル%の水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位と、0〜20モル%のその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位とを含んだ共重合ポリマーである。
樹脂(P2)は、常法に従って合成することができる。例えば、樹脂(P2)は、ラジカル重合法によって合成することができる。
一般的な合成方法としては、例えば、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させた後、これを加熱することにより重合を行う一括重合法、並びに、加熱した溶剤にモノマー種と開始剤の溶液とを1〜10時間かけて滴下することにより重合を行う滴下重合法が挙げられる。これらのうち、滴下重合法が特に好ましい。
樹脂(P2)は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、単量体及びオリゴマー成分の残存量が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることが更に好ましい。これにより、液中異物の量を減少させ、感度等の経時変化を低減することが可能となる。
樹脂(P2)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000であり、更に好ましくは3,000〜15,000であり、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を1,000〜200,000の範囲内とすることにより、耐熱性、ドライエッチング耐性及び現像性の劣化、並びに粘度の上昇による製膜性の低下を抑制することが可能となる。なお、上記の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算値を表す。
樹脂(P2)の分散度は、通常は1〜3であり、好ましくは1〜2.6であり、より好ましくは1〜2であり、特に好ましくは1.4〜2.0である。分子量分布が小さいほど、優れた解像度、パターン形状及びラフネス特性を達成することが可能となる。
以下に樹脂(P2)の具体例を示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
樹脂(P2)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が樹脂(P2)を含んでいる場合、その含有率は、組成物の全固形分を基準として、通常0〜99質量%であり、好ましくは30〜95質量%であり、特に好ましくは50〜90質量%である。
(疎水性樹脂)
本発明に係る組成物は、疎水性樹脂を更に含んでいてもよい。特に、投影レンズと試料との間に高屈折率の液体を満たす方法、即ち液浸露光法を行う際には疎水性樹脂を含んでいることが好ましい。疎水性樹脂を更に含有させることにより、この組成物を用いて形成した膜の表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸液として水を使用した場合の液浸液に対する膜の後退接触角を向上させることが可能となる。これにより、膜の液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂は、典型的には、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含んでいる。これらフッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013007892
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、−C(CFOHが好ましい。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。X2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 2013007892

疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を含有してもよい。珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、または環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2013007892
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下、一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 2013007892
更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
(x)アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013007892
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を有する基、酸無水物基、酸イミド基などが挙げられ、好ましくはラクトン構造を有する基である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の具体例としては、(B)成分の樹脂で挙げたラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものを挙げることができる。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、(B)成分の樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2013007892
一般式(III)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基、またはフッ素で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
c3の2価の連結基は、エステル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(CII−AB)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2013007892
式(CII-AB)中、
c11'及びRc12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
以下に一般式(III)、(CII−AB)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2013007892
疎水性樹脂(HR)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂(HR)の組成物中の含有率は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
疎水性樹脂(HR)は、樹脂(P2)同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(HR)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明のポジ型レジスト組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。また、下記表2に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物からなる膜に対しては、活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じてさらに疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面にするものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
後退接触角とは、液滴-基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物による膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。さらに、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
(光酸発生剤)
本発明に係る組成物は、光酸発生剤を更に含んでいてもよい。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
これらの例としては、スルホニウム塩及びヨードニウム塩等のオニウム塩、並びに、ビス(アルキルスルホニルジアゾメタン)等のジアゾジスルホン化合物が挙げられる。
光酸発生剤の好ましい例としては、下記一般式(ZI)、(ZII)又は(ZIII)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013007892
上記一般式(ZI)及び(ZII)中、R201’、R202’、R203’、R204’及びR205’は、各々独立に、有機基を表す。R201’、R202’、R203’、R204’及びR205’の具体例は、それぞれ、先に活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位におけるR201、R202、R203、R204及びR205の説明において挙げたものと同様である。
は、非求核性アニオンを表す。Xとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 及びSbF が挙げられる。Xは、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2013007892
式AN1〜AN3中、Rc〜Rcは、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が単結合又は連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−SO−及び−SON(Rd)−が挙げられる。ここで、Rdは水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環構造を形成してもよい。
Rc〜Rcの有機基は、1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフロロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフロロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc〜Rcは、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環構造を形成していてもよい。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
以下、一般式(ZIII)について説明する。
一般式(ZIII)中、R206〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R206〜R207としてのアリール基の好ましい例としては、先に活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを発生する(ZI−1)基におけるR201〜R203について列挙したのと同様の基が挙げられる。R206〜R207としてのアルキル基及びシクロアルキル基の好ましい例としては、先に活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを発生する(ZI−2)基におけるR201〜R203について列挙した直鎖、分岐又はシクロアルキル基が挙げられる。
206〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R206〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、一般式(ZIII)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
光酸発生剤の他の好ましい例として、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013007892
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar及びArは、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。こうすると、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子求引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子求引性基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基が有していても良い置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、及び、ニトロ基が挙げられる。
好ましいR209としては、置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子求引性基が挙げられる。この電子求引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフロロアルキル基が挙げられる。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
Ar、Ar、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI−1)におけるR201、R202及びR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI−2)におけるR201、R202及びR203としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エチニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましい。
光酸発生剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013007892
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Figure 2013007892
Figure 2013007892
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Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
また、本発明に係る組成物は、光酸発生剤として、活性光線又は放射線の照射によりカ
ルボン酸を発生する化合物を更に含んでいてもよい。このような化合物としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。
Figure 2013007892
Figure 2013007892
Figure 2013007892
これら光酸発生剤の分子量は、例えば100〜1500の範囲内にあり、典型的には200〜1000の範囲内にある。
なお、光酸発生剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。後者の場合、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
本発明に係る組成物が光酸発生剤を更に含んでいる場合、その含量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
(塩基性化合物)
本発明に係る組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物は、好ましくは、フェノールと比較して塩基性がより強い化合物である。また、この塩基性化合物は、有機塩基性化合物であることが好ましく、含窒素塩基性化合物であることが更に好ましい。
使用可能な含窒素塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(5)に分類される化合物を用いることができる。
(1)下記一般式(BS−1)により表される化合物
Figure 2013007892
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は、特に限定されないが、通常6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(BS−1)により表される化合物では、Rのうち少なくとも2つが有機基であることが好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、及び2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンが挙げられる。
また、一般式(BS−1)により表される好ましい塩基性化合物として、少なくとも1つのRがヒドロキシ基で置換されたアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、例えば、トリエタノールアミン及びN,N−ジヒドロキシエチルアニリンが挙げられる。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CHCHO−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が
挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エンが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
この化合物は、より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有している。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が特に好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、及び、US2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、例えば、フェノキシ基を有する1級又は2級アミンとハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得られる。また、フェノキシ基を有するアミン化合物は、1級又は2級アミンと、末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することによって得ることもできる。
(4)アンモニウム塩
塩基性化合物として、アンモニウム塩も適宜用いることができる。
アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、ハライド、スルホネート、ボレート及びフォスフェートが挙げられる。これらのうち、ハライド及びスルホネートが特に好ましい。
ハライドとしては、クロライド、ブロマイド及びアイオダイドが特に好ましい。
スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキルスルホネート及びアリールスルホネートが挙げられる。
アルキルスルホネートに含まれるアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基及びアリール基が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的には、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート及びノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。
アリールスルホネートに含まれるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基及び炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル及びシクロヘキシル基が好ましい。他の置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基及びアシロキシ基が挙げられる。
このアンモニウム塩は、ヒドロキシド又はカルボキシレートであってもよい。この場合、このアンモニウム塩は、炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−(n−ブチル)アンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドであることが特に好ましい。
好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン及びアミノアルキルモルフォリンが挙げられる。これらは、置換基を更に有していてもよい。好ましい置換基としては、例えば、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基及びシアノ基が挙げられる。
特に好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン及びN−(2−アミノエチル)モルフォリンが挙げられる。
(5)プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)
本発明においては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する繰り返し単位を備えた樹脂(P1)のほかにも、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する、ポリマーではない化合物を併用してもよい。そのような化合物の例としては、特開2010−134285号公報の段落以下に記載の化合物が挙げられる。
その他、本発明に係る組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、及び特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物等が挙げられる。
塩基性化合物として、感光性の塩基性化合物を用いてもよい。感光性の塩基性化合物としては、例えば、特表2003−524799号公報、及び、J.Photopolym.Sci&Tech. Vol.8,P.543−553(1995)等に記載の化合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、通常は100〜1500であり、好ましくは150〜1300であり、より好ましくは200〜1000である。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が塩基性化合物を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2〜4.0質量%であることが特に好ましい。
塩基性化合物の光酸発生剤に対するモル比は、好ましくは0.01〜10とし、より好ましくは0.05〜5とし、更に好ましくは0.1〜3とする。このモル比を過度に大きくすると、感度及び/又は解像度が低下する場合がある。このモル比を過度に小さくすると、露光と加熱(ポストベーク)との間において、パターンの細りを生ずる可能性がある。より好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜3である。
(界面活性剤)
本発明に係る組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176及びメガファックR08、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、並びに、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341が挙げられる。
フッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
その他、公知の界面活性剤を適宜使用することができる。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その使用量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%とし、より好ましくは0.001〜1質量%とする。
(染料)
本発明に係る組成物は、染料を更に含んでいてもよい。
好適な染料としては、例えば、油性染料及び塩基性染料が挙げられる。具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS及びオイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、並びに、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)及びメチレンブルー(CI52015)が挙げられる。
(光塩基発生剤)
本発明に係る組成物は、光塩基発生剤を更に含んでいてもよい。光塩基発生剤を含有させると、更に良好なパターンを形成することが可能となる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、及び欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられる。好ましい光塩基発生剤としては、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド及び1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメートが挙げられる。
(酸化防止剤)
本発明に係る組成物は、酸化防止剤を更に含んでいてもよい。酸化防止剤を含有させると、酸素の存在下における有機材料の酸化を抑制することが可能となる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機酸誘導体からなる酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミン−アルデヒド縮合物からなる酸化防止剤、及びアミン−ケトン縮合物からなる酸化防止剤が挙げられる。これら酸化防止剤のうち、フェノール系酸化防止剤及び有機酸誘導体からなる酸化防止剤を使用することが特に好ましい。こうすると、組成物の性能を低下させることなしに、酸化防止剤としての機能を発現させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、置換フェノール類、又は、ビス、トリス若しくはポリフェノール類を使用することができる。
置換フェノール類としては、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)2,4−ビス・オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル・フェニル)プロピオネート、オクチル化フェノール、アラルキル置換フェノール類、アルキル化−p−クレゾール、及びヒンダードフェノールが挙げられる。
ビス、トリス若しくはポリフェノール類としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、メチレンビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル・フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−アルファメチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン架橋した多価アルキルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、及びテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。
酸化防止剤としては、好ましくは、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2、2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、及びクエン酸イソプロピルが挙げられる。これらのうち、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノンがより好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又は4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノールが更に好ましい。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その添加量は、好ましくは1ppm以上とし、より好ましくは5ppm以上とし、さらに好ましくは10ppm以上とし、、さらにより好ましくは50ppm以上とし、特に好ましくは100ppm以上とし、最も好ましくは100〜1000ppmとする。
(溶剤)
本発明に係る組成物は、溶剤を更に含んでいてもよい。
この溶剤としては、典型的には、有機溶剤を使用する。この有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有していてもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキルが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル及び乳酸ブチルが挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル及び3−メトキシプロピオン酸エチルが挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン及びα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが挙げられる。
環を含有していてもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン及び3−メチルシクロヘプタノンが挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネートが挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、及び酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びピルビン酸プロピルが挙げられる。
溶剤としては、常温常圧下における沸点が130℃以上であるものを用いることが好ましい。具体的には、例えば、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、PGMEA、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル及びプロピレンカーボネートが挙げられる。
これら溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。後者の場合、水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用することが好ましい。
水酸基を含んだ溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、PGME、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び乳酸エチル等が挙げられる。これらのうち、PGME及び乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含んでいない溶剤としては、例えば、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン及び酢酸ブチルが挙げられる。これらのうち、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート及び2−ヘプタノンが特に好ましい。
水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用する場合、これらの質量比は、好ましくは1/99〜99/1とし、より好ましくは10/90〜90/10とし、更に好ましくは20/80〜60/40とする。
なお、水酸基を含んでいない溶剤を50質量%以上含んだ混合溶剤を用いると、特に優れた塗布均一性を達成し得る。また、溶剤は、PGMEAと他の1種以上の溶剤との混合溶剤であることが特に好ましい。
<パターン形成方法>
本発明に係る組成物は、典型的には、以下のようにして用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、基板等の支持体上に塗布されて、膜を形成する。
この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
この組成物は、例えば、精密集積回路素子の製造等に使用される基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン及びクロム蒸着された石英基板など)上に、スピナー及びコーター等を用いて塗布される。その後、これを乾燥させて、感活性光線性又は感放射線性の膜(以下、感光性膜ともいう)を形成する。なお、公知の反射防止膜を予め塗設することもできる。
次いで、上記の感光性膜に活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。ベークを行うことにより、更に良好なパターンを得ることが可能となる。
活性光線又は放射線としては、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、及び電子線が挙げられる。これら活性光線又は放射線としては、例えば250nm以下、特には220nm以下の波長を有したものがより好ましい。このような活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、及び電子線が挙げられる。好ましい活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマーレーザー、電子線、X線及びEUV光が挙げられる。
現像工程では、通常アルカリ現像液を用いる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、又は、ピロール及びピヘリジン等の環状アミン類を含んだアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、適当量のアルコール類及び/又は界面活性剤を添加してもよい。
アルカリ現像液の濃度は、通常は0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常は10.0〜15.0である。
なお、本発明に係る組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスの詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」を参照されたい。
以下、本発明の態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<樹脂(P1)>
以下のようにして、先に挙げたモノマーを合成した。
〔合成例1:モノマー(M−1)〕
モノマー(M−1)を、下記のスキームに従って合成した。
Figure 2013007892
100.00gの化合物(1)を、400gの酢酸エチルに溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、47.60gのナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を30分かけて滴下した。その後、これを室温で5時間に亘って撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて、有機層を蒸留水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、化合物(2)(54%酢酸エチル溶液)131.70gを得た。
18.52gの化合物(2)(54%酢酸エチル溶液)に、56.00gの酢酸エチルを加えた。これに、31.58gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを加え、0℃に冷却した。12.63gのトリエチルアミンを25.00gの酢酸エチルに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、液温を0℃に維持したまま4時間に亘って撹拌した。酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、32.90gの化合物(3)を得た。
35.00gの化合物(3)をTHF700mLに溶解させ、これにトリエチルアミン700mLを加えた。50℃で2時間攪拌後、ダンシルアミド80.1gを加え、更に80℃で4時間攪拌した。酢酸エチル1600mLを加え、有機層を希塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水2回で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して、褐色オイルの化合物(4)195gを得た。この褐色オイル195gをメタノール800mLに溶解し、トリフェニルスルホニウムブロミド99.9gを加え室温で1時間攪拌した。クロロホルム1600mLを加え、有機層を水で洗浄後、溶媒を濃縮し、化合物(5)265gを得た。
〔合成例2:モノマー(M−2)〕
モノマー(M−2)を、下記のスキームに従って合成した。
Figure 2013007892
1.99gの水素化ナトリウムにTHF500gを加え、0℃に冷却した。これに、18.52gの化合物(2)(54%THF溶液)を加え、液温を室温に戻し、1時間攪拌した。これに、16.20gのN−(3−クロロプロピル)ピペラジンを加え、4時間攪拌した。水500g、酢酸エチル500gを加え、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、20.44gの化合物(6)を得た。
20.44gの化合物(6)(54%酢酸エチル溶液)に、56.00gの酢酸エチルを加えた。これに、31.58gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを加え、0℃に冷却した。12.63gのトリエチルアミンを25.00gの酢酸エチルに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、液温を0℃に維持したまま4時間に亘って撹拌した。酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、45.02gの化合物(7)を得た。
45.02gの化合物(7)を315gのメタノールに溶解させ、0℃に冷却し、245gの1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、46.69gの化合物(8)を得た。化合物(8)46.69gをメタノール800mLに溶解し、トリフェニルスルホニウムブロミド99.9gを加え室温で1時間攪拌した。クロロホルム1600mLを加え、有機層を水で洗浄後、溶媒を濃縮し、化合物(9)265gを得た。
〔合成例3:モノマー(M−3)〕
モノマー(M−3)を、下記のスキームに従って合成した。
Figure 2013007892
14.42gの2−(1−ピペラジニル)−1−エタノール化合物に、140gのTHF、16.70gのトリエチルアミンを加え0℃に冷却した。これに、28.81gの二炭酸ターシャリーブチルを30分かけて滴下し、滴下後室温にした。50gの水と500gの酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、25.33gの化合物(11)を得た。
25.33gの化合物(11)に、140gのTHF、15.15gのトリエチルアミン、1.22gのDMAPを加え、0℃に冷却した。これに、メタクリル酸クロライドを30分かけて滴下し、滴下後、室温にした。50gの水と500gの酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、32.82gの化合物(12)を得た。
32.82gの化合物(12)に150gのMeOH、62.71gのトリフルオロ酢酸を加え室温で時間攪拌した。50gの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と500gの酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、19.82gの化合物(13)を得た。
31.61gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを180gの酢酸エチルに溶解させ0℃にした。これに19.82gの化合物(13)と15.18gのトリエチルアミンと130gの酢酸エチルの混合物を30分間かけて滴下した。0℃のまま1時間攪拌後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、49.44gの化合物(14)を得た。
49.44gの化合物(14)を315gのメタノールに溶解させ、0℃に冷却し、245gの1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、51.43gの化合物(15)を得た。化合物(15)51.43gをメタノール800mLに溶解し、トリフェニルスルホニウムブロミド34.33gを加え室温で1時間攪拌した。クロロホルム1600mLを加え、有機層を水で洗浄後、溶媒を濃縮し、化合物(16)75.48gを得た。
<樹脂(P−1−28)の合成>
7.72gのp−ヒドロキシスチレン(2)(70.0%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液、固形分として5.41gのp−ヒドロキシスチレン)と、3.77gの(M−3)と、1.15gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、8gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に1gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に2時間かけて滴下した。反応溶液を4時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液に40gのアセトンを加えて希釈し、400gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させて、これを濾取した。得られた沈殿を40gのアセトンに溶解し、再度400gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させろ取した。得られた固体を50gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いてかけ洗いを行なった後、減圧乾燥に供して、6.70gの樹脂(P−1−28)を得た。
この樹脂(P−1−28)について、GPC(東ソー株式会社製;HLC−8120;Tsk gel Multipore HXL−M)を用いて重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を測定した。なお、このGPC測定では、溶媒として、NMP/リン酸/LiBrを用いた。
樹脂(P−1−1)〜(P−1−27)及び(P−1−29)の各々を、上記合成例で述べたのと同様にして合成した。また、これら樹脂について、上記合成例と同様にして重量平均分子量および分散度を求めた。
下記表3に、各樹脂の組成比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を示す。
Figure 2013007892
以下の比較化合物PB−1〜PB−3を準備した。
Figure 2013007892
<光酸発生剤>
光酸発生剤としては、先に挙げたB−1〜B−120の何れかを用いた。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、下記N−1〜N−9の何れかを用いた。なお、N−7は、上述した化合物(PA)に該当する。
Figure 2013007892
〔合成例:化合物(N−7)〕
特開2006−330098号公報の[0354]に基づいて、化合物(N−7)を合成した。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、下記W−1〜W−4の何れかを用いた。
W−1:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−2:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製;フッ素系)
W−4:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
<溶剤>
溶剤としては、下記S−1〜S−4の何れかを適宜混合して用いた。
S−1:PGMEA(b.p.=146℃)
S−2:PGME(b.p.=120℃)
S−3:乳酸メチル(b.p.=145℃)
S−4:シクロヘキサノン(b.p.=157℃)
<レジスト評価(EUV)>
この評価では、酸によりアルカリ現像性が増大する樹脂(P2)として、以下のものを用いた。
Figure 2013007892
下記表4に、各樹脂の組成比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を示す。
Figure 2013007892
下記表5に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させて、固形分濃度が1.5質量%の溶液を調製した。この溶液をポアサイズ0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを用いてろ過して、ポジ型レジスト溶液を得た。
表5中に示した「質量%」の数値は、組成物の全固形分を基準とした値である。なお、界面活性剤の使用量は、全固形分濃度に対して0.01質量%である。
ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に、スピンコータを用いて、上記のポジ型レジスト溶液を塗布した。これを、120℃で90秒間に亘ってホットプレート上で加熱乾燥させ、平均膜厚が50nmのレジスト膜を得た。
〔感度、パターン形状〕
このレジスト膜に対し、EUV露光装置を用いてEUV光を照射した。照射後直ぐに、130℃で90秒間に亘ってホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を形成した。
(感度)
まず、得られたラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、100nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを求め、この値を「感度(mJ/cm)」とした。
(パターン形状)
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その形状を、「矩形」、「若干テーパー」又は「テーパー」の3段階で評価した。
(解像力評価)
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースとが分離解像する最小線幅)を解像力とした。
(パーティクル数)
調製したレジスト溶液を4℃で1週間放置した後、リオン社製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒経0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。
これらの評価結果を、下記表5に示す。
Figure 2013007892
表5に示すように、実施例の組成物は、比較例の組成物と比較して、感度、パターン形状、解像性及びパーティクル数の全てにおいて優れていた。
<レジスト評価(EB)>
この評価では、酸によりアルカリ現像性が増大する樹脂(P2)として、先に挙げた樹脂(P−2−1)〜(P−2−3)及び(P−2−6)〜(P−2−9)から選択される少なくとも1つの樹脂を用いた。
下記表6に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させて、固形分濃度が3.0質量%の溶液を調製した。この溶液をポアサイズ0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを用いてろ過して、ポジ型レジスト溶液を得た。
表6中に示した「質量%」の数値は、組成物の全固形分を基準とした値である。なお、界面活性剤の使用量は、全固形分濃度に対して0.01質量%である。
ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に、スピンコータを用いて、上記のポジ型レジスト溶液を塗布した。これを、110℃で90秒間に亘ってホットプレート上で加熱乾燥させ、平均膜厚が100nmのレジスト膜を得た。
〔感度、パターン形状、パターン解像性〕
このレジスト膜に対し、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750;加速電圧50keV)を用いて電子線照射を行った。照射後直ぐに、130℃で90秒間に亘ってホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)又は孤立ラインパターン(ライン:スペース=1:>100)を形成した。
(感度)
まず、得られたラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、100nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを求め、この値を「感度(μC/cm)」とした。
(パターン形状)
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その形状を、「矩形」又は「テーパー」の2段階で評価した。
(パターンの解像性;解像力)
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=1:>100)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)を求めた。そして、この値を「解像力(nm)」とした。
(パーティクル数)
調製したレジスト溶液を4℃で1週間放置した後、リオン社製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒経0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。
これらの評価結果を、下記表6に示す。
Figure 2013007892
表6に示すように、実施例の組成物は、比較例の組成物と比較して、感度、パターン形状、解像性及びパーティクル数の全てにおいて優れていた。
<レジスト評価(ArF)>
この評価では、酸によりアルカリ現像性が増大する樹脂(P2)として、以下のものを用いた。
Figure 2013007892
下記表7に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させて、固形分濃度が3.6質量%の溶液を調製した。この溶液をポアサイズ0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを用いてろ過して、ポジ型レジスト溶液を得た。
表7中に示した「質量%」の数値は、組成物の全固形分を基準とした値である。なお、界面活性剤の使用量は、全固形分濃度に対して0.01質量%である。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に、調製した感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を塗布し、130℃で60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。得られたウエハーに対してArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75)を用い、75nm(1:1ラインアンドスペースパターン)の6%ハーフトーンマスクを通して露光した。
その後、90℃で60秒間加熱した後、ついでテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像した。純水でリンスした後、スピン乾燥
してパターンを得た。
(感度)
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を
用いて観察した。75nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射
エネルギーを感度とした。
(パターン形状)
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その形状を、「矩形」又は「テーパー」の2段階で評価した。
(パーティクル数)
調製したレジスト溶液を4℃で1週間放置した後、リオン社製パーティクルカウンターにてその溶液中に存在する粒経0.2μm以上のパーティクル数をカウントした。
これらの評価結果を、下記表7に示す。
Figure 2013007892
表7に示すように、実施例の組成物は、比較例の組成物と比較して、感度、パターン形状及びパーティクル数の全てにおいて優れていた。
以上の通り、本発明に係るパターン形成方法を用いると、良好なレジストパターンを形成することが可能となる。それゆえ、この方法を用いると、良好な性能を示す半導体デバイスを製造することが可能となる。

Claims (21)

  1. 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基およびプロトンアクセプター基をともに有する繰り返し単位(A)を備えた樹脂(P)を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  2. 前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基が、スルホン酸、イミド酸またはメチド酸を発生する基であり、かつ前記プロトンアクセプター基が非共有電子対を有するN原子を含む基である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記繰り返し単位(A)が下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位である請求項1又は2に記載の組成物。
    Figure 2013007892
    式中、
    は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基または有機基を表す。
    は2価のプロトンアクセプター基を表し、Pは1価のプロトンアクセプター基を表す。
    は活性光線または放射線の照射により酸を発生する1価の基を表し、Zは活性光線または放射線の照射により酸を発生する2価の基を表す。
    、X、X、及びXは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
  4. 前記繰り返し単位(A)が一般式(2)で表される繰り返し単位であり、かつ前記Zで表される基が活性光線または放射線の照射によりイミド酸を発生する基である請求項3に記載の組成物。
  5. 、X、X、及びXの少なくとも1つは、フッ素原子を含むアルキレン基を有する請求項3又は4に記載の組成物。
  6. 前記繰り返し単位(A)が前記一般式(1)で表される繰り返し単位であり、且つXがアリーレン基または−CO−基を含む請求項3に記載の組成物。
  7. 前記繰り返し単位(A)が前記一般式(2)で表される繰り返し単位であり、且つXがアリーレン基または−CO−基を含む請求項3に記載の組成物。
  8. 前記Zにより表される基及び前記Zにより表される基は、各々独立に、下記一般式(Z−A)、(Z−B)又は(Z−C)により表される部分構造を含んでいる請求項3に記載の組成物。
    Figure 2013007892
    式中、
    、Q及びQは、各々独立に、−SO−又は−CO−を含んだ連結基を表す。
    は、オニウムカチオンを表す。
  9. 、Q及びQは、各々独立に、−SO−を含んだ連結基である請求項8に記載の組成物。
  10. 、Q及びQは、各々独立に、下式により表される部分構造を含んだ連結基である請求項9に記載の組成物。
    Figure 2013007892
    式中、
    Rf及びRfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
  11. 前記Rが、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、又はアルコキシアルキル基である請求項3乃至10の何れか1項に記載の組成物。
  12. 前記Rが水素原子又はメチル基である請求項11に記載の組成物。
  13. 前記Xがスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンである請求項8乃至10の何れか1項に記載の組成物。
  14. 前記樹脂(P)が、下記一般式(B1)及び(B2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方をさらに含んでいる請求項1乃至13の何れか1項に記載の組成物。
    Figure 2013007892
    一般式(B1)中、
    nは1〜5の整数を表し、mは、m+n=5なる関係を満足する0〜4の整数を表す。
    は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
    は、酸の作用により脱離する基を表し、n≧2の場合には、複数の前記Aは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
    一般式(B2)中、
    Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアラルキル基を表す。
    は、酸の作用により脱離する基を表す。
  15. 前記樹脂(P)が、下記一般式(C1)及び(C2)により表される繰り返し単位の少なくとも一方をさらに含んでいる請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物。
    Figure 2013007892
    mは0〜4の整数を表す。
    は、水素原子又は置換基を表し、m≧2の場合には、複数の前記Sは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
    Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
  16. 樹脂(P)のほかに、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂をさらに含有する請求項1乃至15の何れか1項に記載の組成物。
  17. 酸発生剤をさらに含有する請求項1乃至16の何れか1項に記載の組成物。
  18. 請求項1乃至17の何れか1項に記載の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性樹脂膜。
  19. 請求項18に記載の膜を露光することと、
    露光後の前記膜を現像することと
    を含むパターン形成方法。
  20. 請求項19に記載の方法を含んだ半導体デバイスの製造方法。
  21. 請求項20に記載の方法により製造された半導体デバイス。
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