JP2013006228A - 超砥粒工具およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超砥粒の脱落を抑制することが可能な超砥粒工具を提供する。
【解決手段】超砥粒ホイール1は、超砥粒層20を有し、超砥粒20は、複数の超砥粒21と、複数の超砥粒21を互いに結合させる結合材22とを有し、超砥粒層20は溶射により形成されて、超砥粒層20の気孔率は3体積%以下である。
【選択図】図1
【解決手段】超砥粒ホイール1は、超砥粒層20を有し、超砥粒20は、複数の超砥粒21と、複数の超砥粒21を互いに結合させる結合材22とを有し、超砥粒層20は溶射により形成されて、超砥粒層20の気孔率は3体積%以下である。
【選択図】図1
Description
この発明は、超砥粒工具およびその製造方法に関し、より特定的には、溶射により形成される超砥粒層を有する超砥粒工具に関するものである。
従来、溶射による超砥粒工具の製造方法では以下の事項が知られている。
結合材と超砥粒を台金に溶射して超砥粒層を形成する方法で、結合材としては、金属または熱可塑性樹脂を用い、超砥粒には、銅、ニッケル、ニッケル−コバルトのいずれかが被覆される。そして、これらの溶射材を、炎溶射、プラズマ溶射する方法が知られている。これらはたとえば特許文献1(特開昭58−202780号公報)に開示されている。
結合材と超砥粒を台金に溶射して超砥粒層を形成する方法で、結合材としては、金属または熱可塑性樹脂を用い、超砥粒には、銅、ニッケル、ニッケル−コバルトのいずれかが被覆される。そして、これらの溶射材を、炎溶射、プラズマ溶射する方法が知られている。これらはたとえば特許文献1(特開昭58−202780号公報)に開示されている。
また、溶射法によりレジンボンドホイールを製造する方法が、たとえば特許文献2(特開平2−284869号公報)で開示されている。
また、溶射法によりビトリファイドボンドを製造する方法が特許文献3(特開平5−329778号公報)に開示されている。
また、溶射金属被膜の強度については、以下のことが知られている。
溶射金属被膜は、全体的荷重や線状の荷重においては良好な耐負荷性能を示すが、点状の荷重には弱い。つまり、溶射金属被膜は局所的な荷重になればなるほど弱い。
溶射金属被膜は、全体的荷重や線状の荷重においては良好な耐負荷性能を示すが、点状の荷重には弱い。つまり、溶射金属被膜は局所的な荷重になればなるほど弱い。
ところで、超砥粒工具は、台金の外周面に超砥粒を結合材で固着した超砥粒層を有する。研削加工時においては、超砥粒が結合材から突出しているので、超砥粒付近の結合材には局所的な荷重がかかると考えられており、このことは、たとえば非特許文献1(平石正廣著、「溶接技術」、産報出版、2003年5月p.107)に開示されている。
平石正廣著、「溶接技術」、産報出版、2003年5月p.107
しかしながら、気孔の多い溶射金属を超砥粒層のマトリックスとした場合は、使用に際して超砥粒を介して局所的な荷重が溶射金属被膜に伝わり、超砥粒層にクラックが発生し、遂には超砥粒の脱落を起こすという問題があった。
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、高精度で、超砥粒の脱落が起こらない長寿命の超砥粒工具を提供することを目的とする。
この発明に従った超砥粒工具は、超砥粒層を有する超砥粒工具であって、超砥粒層は、複数の超砥粒と、複数の超砥粒を互いに結合させる結合材とを有し、超砥粒層は溶射により形成されて、超砥粒層の気孔率は3体積%以下である。
好ましくは、結合材は、金属または合金である。
好ましくは、溶射は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法を含む。
好ましくは、溶射は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法を含む。
好ましくは、溶射において、平均粒径が1μm以上300μm以下の金属または合金の少なくとも一つからなる粒子と、超砥粒との混合物が溶射材として用いられる。
好ましくは、溶射において、金属または合金で被覆された平均粒径が2nm以上300μm以下の超砥粒が溶射材として用いられる。
好ましくは、超砥粒工具は、超砥粒ホイールである。
この発明に従った超砥粒工具の製造方法は、上記のいずれかの超砥粒工具の製造方法であって、超砥粒層は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法により形成される。
この発明に従った超砥粒工具の製造方法は、上記のいずれかの超砥粒工具の製造方法であって、超砥粒層は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法により形成される。
この発明では、気孔率が極めて低いため、超砥粒の保持力に優れた超砥粒層を有する超砥粒工具を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態において同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、その説明については繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った超砥粒層を有する超砥粒ホイールの断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った超砥粒ホイール1は、円板形状の台金10と、その台金表面に設けられた超砥粒層20とを有する。超砥粒工具としての超砥粒ホイール1は、内周面11と外周面12とを有し、超砥粒層20は、台金10の外周面12に設けられており、超砥粒21と、超砥粒21を固定する結合材22とを有する。
図1は、この発明の実施の形態1に従った超砥粒層を有する超砥粒ホイールの断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った超砥粒ホイール1は、円板形状の台金10と、その台金表面に設けられた超砥粒層20とを有する。超砥粒工具としての超砥粒ホイール1は、内周面11と外周面12とを有し、超砥粒層20は、台金10の外周面12に設けられており、超砥粒21と、超砥粒21を固定する結合材22とを有する。
図1で示す例では、外周面12の表面に1層のみの超砥粒21が配列されている構成が示されている。
図2は、図1中のIIで囲んだ超砥粒層の一部分であって、ドレッシング前の部分を拡大して示す断面図である。図2を参照して、製造工程においては、溶射により超砥粒層20を形成するため、溶射直後は、超砥粒21の全面が結合材22で覆われている。そのため、超砥粒21の表面が露出していない。
図3は、ドレッシング後で結合材から露出した超砥粒を有する超砥粒層を示す断面図である。図3で示すように、ドレッシングを行ない、超砥粒21表面を覆う結合材22を除去することで、超砥粒21が露出する。これにより、超砥粒ホイール1の切れ味を向上させることができる。
図4は、この発明の実施の形態1に従った超砥粒ホイールの製造方法を説明するための図である。図4を参照して、まず台金10を準備する。台金10は、鋼、超硬合金、アルミニウム合金、チタン合金およびセラミックスなどにより構成される。台金10は、図4では厚みが一定の円盤形状であるが、これに限られるものではなく、厚みが一定ではない、すなわち或る部分では厚みが大きく、他の部分では厚みが小さい台金10を用いてもよい。
そして外周面12に溶射により超砥粒層を形成する。このときの溶射は、超砥粒21と結合材22とを外周面12に吹き付ける。
超砥粒としてダイヤモンドまたは立方晶窒化硼素が挙げられる。また結合材として、銅、ニッケル、アルミニウムおよび錫またはこれらの任意の組合せの金属を用いることができる。
溶射方法としては高温スプレー法または低温スプレー法を採用することができる。高温スプレー法の場合には、プラズマ流中に超砥粒を供給し、これをジェット墳流として外周面12に照射する。低温スプレー法(粉末コールドスプレー法)の場合には、加熱し軟化した金属粉末と、超砥粒との混合物を高速でスプレーし、超砥粒層20を形成する。この方法では、温度が低く、金属および超砥粒の酸化が少ないというメリットがある。しかしながら、融点が高い金属に関しては軟化しにくいので溶射が困難であるという問題もある。
すなわち、実施の形態に従った超砥粒工具としての超砥粒ホイール1は、超砥粒層20を有する超砥粒工具であって、超砥粒層20は、複数の超砥粒21と、複数の超砥粒21を互いに結合させる結合材22とを有し、超砥粒層20は溶射により形成されて、超砥粒層20での気孔率は3体積%以下、好ましくは、2体積%以下である。
なお、この気孔率は、超砥粒層20に含まれる気孔の体積比率を示し、気孔率の測定に関しては、まず、製品から体積250mm3の超砥粒層20のサンプルを切り出し、超砥粒層20の密度を測定する。
サンプルを超砥粒21と結合材22とに分離できる場合には、各々を分離後に各々の体積比を測定する。その体積比、既知の超砥粒21の理論密度から、サンプル中の結合材22の密度を計算する。超砥粒層20の気孔率は、以下の式で計算する。
気孔率=1−(サンプル中の結合材の密度)/(結合材の理論密度)
サンプルを超砥粒21と結合材22とに分離できない場合には、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いてサンプルの表面を撮影し、超砥粒21と結合材22の面積比をこれらの体積比とみなす。その体積比、既知の超砥粒21の理論密度から、サンプル中の結合材22の密度を計算する。超砥粒層20の気孔率は、以下の式で計算する。
サンプルを超砥粒21と結合材22とに分離できない場合には、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いてサンプルの表面を撮影し、超砥粒21と結合材22の面積比をこれらの体積比とみなす。その体積比、既知の超砥粒21の理論密度から、サンプル中の結合材22の密度を計算する。超砥粒層20の気孔率は、以下の式で計算する。
気孔率=1−(サンプル中の結合材の密度)/(結合材の理論密度)
結合材22は、金属単体であってもよく、または合金であってもよい。
結合材22は、金属単体であってもよく、または合金であってもよい。
また溶射は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法またはコールドスプレー溶射法を含む。
またその溶射において、平均粒径が1μm以上300μm以下の金属または合金の少なくとも1つからなる粒子と、超砥粒との混合物が溶射材として用いられる。その平均粒径の測定においては、超砥粒層20の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影し、超砥粒21が50個含まれる写真において、各々の超砥粒21の長径を超砥粒21の直径とみなして、その50個の直径の算術平均を平均粒径とする。
また別の局面では、溶射において、金属または合金で被覆された平均粒径が2nm以上300μm以下の超砥粒が溶射材として用いられる。
(実施の形態2)
図5は、この発明の実施の形態2に従った超砥粒層を有する超砥粒ホイールの断面図である。図6は、図5中のVIで囲んだ、超砥粒層の内部を拡大して示す断面図である。図5および図6を参照して、実施の形態2では、超砥粒層20内の超砥粒21が1層ではなく、多層設けられている点で、実施の形態1に従った超砥粒層20と異なる。厚み方向に複数個の超砥粒21が配列されることで、超砥粒層20の厚みを増すことができる。
図5は、この発明の実施の形態2に従った超砥粒層を有する超砥粒ホイールの断面図である。図6は、図5中のVIで囲んだ、超砥粒層の内部を拡大して示す断面図である。図5および図6を参照して、実施の形態2では、超砥粒層20内の超砥粒21が1層ではなく、多層設けられている点で、実施の形態1に従った超砥粒層20と異なる。厚み方向に複数個の超砥粒21が配列されることで、超砥粒層20の厚みを増すことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 超砥粒ホイール、10 台金、11 内周面、12 外周面、20 超砥粒層、21 超砥粒、22 結合材。
Claims (7)
- 超砥粒層を有する超砥粒工具であって、
前記超砥粒層は、複数の超砥粒と、複数の前記超砥粒を互いに結合させる結合材とを有し、
前記超砥粒層は溶射により形成されて、前記超砥粒層の気孔率は3体積%以下である、超砥粒工具。 - 前記結合材は、金属または合金である、請求項1に記載の超砥粒工具。
- 前記溶射は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法を含む、請求項1または2に記載の超砥粒工具。
- 前記溶射において、平均粒径が1μm以上300μm以下の前記金属または合金の少なくとも一つからなる粒子と、前記超砥粒との混合物が溶射材として用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の超砥粒工具。
- 前記溶射において、前記金属または合金で被覆された平均粒径が2nm以上300μm以下の前記超砥粒が溶射材として用いられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒工具は、超砥粒ホイールである、請求項1から5のいずれか1項に記載の超砥粒工具。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の超砥粒工具の製造方法であって、前記超砥粒層は、HVAF(High Velocity Air-Fuel)溶射法、またはコールドスプレー溶射法により形成される、超砥粒工具の製造方法。
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JP2011139283A JP2013006228A (ja) | 2011-06-23 | 2011-06-23 | 超砥粒工具およびその製造方法 |
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CN113927495A (zh) * | 2021-10-20 | 2022-01-14 | 山东大学 | 一种自锐性金属结合剂金刚石磨料层制备工艺 |
-
2011
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