JP2013002893A - 位置算出方法及び位置算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衛星測位用ユニット及び慣性測位用ユニットの計測結果を併用した新たな位置算出手法の提案。
【解決手段】衛星測位用ユニット3の第1の計測結果と慣性測位用ユニット5の第2の計測結果とを用いて、カップリング処理部7がカップリング処理を行う。そして、信号捕捉支援情報演算部9が、カップリング処理の結果を用いて、カップリング処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数(信号捕捉支援情報)を推定する。そして、衛星測位用ユニット3が、信号捕捉支援情報演算部9により推定されたドップラー周波数を用いて不使用の衛星信号を捕捉する。
【選択図】図1

Description

本発明は、衛星測位用ユニット及び慣性測位用ユニットの計測結果を併用した位置算出方法等に関する。
いわゆるシームレス測位やモーションセンシング、姿勢制御など様々な分野において、慣性センサーの活用が注目されている。慣性センサーとしては、加速度センサーやジャイロセンサー、圧力センサー、地磁気センサーなどが広く知られている。慣性センサーの検出結果を利用して慣性航法演算を行う慣性航法システム(以下、「INS(Inertial Navigation System)」と称する。)も考案されている。
INSでは、慣性センサーの検出結果に含まれ得る種々の誤差成分に起因して位置算出の正確性が低下するという問題があり、位置算出の正確性を向上させるための様々な技術が考案されている。例えば、特許文献1には、INS計測結果とGPS(Global Positioning System)計測結果とを併用して位置算出を行う技術が開示されている。
米国特許出願公開第2010/0019963号明細書
GPS計測結果は、GPS衛星信号の受信信号強度、受信環境、GPS衛星の天空配置、マルチパスといった種々の要因により、計測結果の精度が低下する状況が頻繁に生じ得る。そのため、INS計測結果とGPS計測結果とを単純に結び付けて位置算出を行うことが必ずしも位置算出の精度改善に繋がるとは限らなかった。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、衛星測位用ユニット及び慣性測位用ユニットの計測結果を併用した新たな位置算出手法を提案することにある。
以上の課題を解決するための第1の形態は、衛星測位用ユニットの第1の計測結果と慣性測位用ユニットの第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行うことと、前記位置算出処理の結果を用いて、前記位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することと、前記衛星測位用ユニットが前記ドップラー周波数を用いて前記不使用の衛星信号を捕捉することと、を含む位置算出方法である。
また、他の形態として、衛星測位用ユニットの第1の計測結果と慣性測位用ユニットの第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行う位置算出部と、前記位置算出処理の結果を用いて、前記位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する推定部と、を備え、前記衛星測位用ユニットが前記ドップラー周波数を用いて前記不使用の衛星信号を捕捉する、位置算出装置を構成することとしてもよい。
この第1の形態等によれば、衛星測位用ユニットの第1の計測結果と慣性測位用ユニットの第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行う。位置算出装置の位置、速度、移動方向等の情報と、衛星の位置、速度、移動方向等の情報とがあれば、衛星から発信されている衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することができる。そこで、位置算出処理の結果を用いて、位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。そして、推定したドップラー周波数を用いて、衛星測位用ユニットが不使用の衛星信号を捕捉する。
これにより、位置算出処理において不使用の衛星信号を次回の測位で使用する場合に、推定したドップラー周波数を当該衛星信号の捕捉に利用することができる。その結果、位置算出処理において不使用の衛星信号を衛星測位用ユニットが捕捉する確度を高めるとともに、捕捉時間の短縮を図ることができる。このようにして捕捉した衛星信号を利用することで、衛星測位用ユニットによる計測の精度を高め、最終的に位置算出処理によって高い正確性で位置を算出することが可能となる。
また、第2の形態として、第1の形態の位置算出方法において、前記衛星測位用ユニットは、可視衛星のうちの所与の条件を満たす衛星から受信した衛星信号を使用して計測を行うユニットであり、前記推定することは、可視衛星のうちの前記所与の条件を満たさなかった衛星からの信号を受信する場合のドップラー周波数を推定することである、位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第2の形態によれば、衛星測位用ユニットは、可視衛星のうちの所与の条件を満たす衛星から受信した衛星信号を使用して計測を行い、可視衛星のうちの所与の条件を満たさなかった衛星からの信号を受信する場合のドップラー周波数を推定する。これにより、計測に使用しなかった衛星についてドップラー周波数を推定し、当該ドップラー周波数を当該衛星からの衛星信号の捕捉に役立てることができる。
また、第3の形態として、第1の形態の位置算出方法において、前記位置算出処理は、前記第1の計測結果と前記第2の計測結果とを用いて位置算出を行う第1の方式と、前記第2の計測結果を用いて位置算出を行う第2の方式とを切り替えて位置を算出する処理であり、前記推定することは、前記第2の方式で位置算出が行われた場合に、前記位置算出処理の結果を用いて前記衛星測位用ユニットが衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することである、位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第3の形態によれば、位置算出処理では、第1の計測結果と第2の計測結果とを用いて位置算出を行う第1の方式と、第2の計測結果を用いて位置算出を行う第2の方式とを切り替えて位置を算出する。そして、第2の方式で位置算出が行われた場合に、位置算出処理の結果を用いて衛星測位用ユニットが衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。これにより、第2の計測結果を用いた位置算出が行われた場合に、衛星測位用ユニットは、推定されたドップラー周波数を衛星信号の捕捉に利用することができる。この場合、衛星測位用ユニット自身の計測結果が最終的に衛星測位用ユニット自身の衛星信号捕捉に係るドップラー周波数に作用してしまうといった、いわゆる閉ループ(情報(データ)の循環)を防止することができる。
また、第4の形態として、第3の形態の位置算出方法において、前記位置算出処理において前記第1の方式を採用する頻度を変化させること、を更に含む位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第4の形態によれば、位置算出処理において第1の方式を採用する頻度を変化させることで、位置算出処理の汎用性を高めることができる。
また、第5の形態として、第3の形態の位置算出方法において、前記位置算出処理は、(1)位置算出開始からの経過時間、(2)移動を開始してからの経過時間、(3)最後に前記第1の方式を適用してからの経過時間、のうちの何れかの経過時間に基づいて前記切り替えを行う、位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第5の形態によれば、位置算出処理において、複数種類の経過時間に基づいて第1の方式と第2の方式とを切り替えることができる。
また、第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態の位置算出方法において、前記位置算出処理は、前記衛星測位用ユニットによって計測されるメジャメント情報を前記第1の計測結果として用いて位置を算出する処理である、位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第6の形態によれば、位置算出処理では、衛星測位用ユニットによって計測されるメジャメント情報を第1の計測結果として用いて位置を算出する。これにより、衛星測位用ユニットがメジャメント情報を計測しさえすれば、位置算出処理によって位置を算出することが可能となる。
また、第7の形態として、第1〜第6の何れかの形態の位置算出方法において、前記位置算出処理は、前記第2の計測結果を入力とし、前記第1の計測結果を観測量とするカルマンフィルター処理である、位置算出方法を構成することとしてもよい。
この第7の形態によれば、位置算出処理として、第2の計測結果を入力とし、第1の計測結果を観測量とするカルマンフィルター処理を実行することで、位置を簡易且つ適切に求めることができる。
位置算出装置の主要構成図。 第1の位置算出装置の構成図。 カップリング処理の入出力データの説明図。 ナビゲーションシステムのシステム構成図。 カーナビゲーション装置の機能構成図。 第1のナビゲーション処理の流れを示すフローチャート。 第1のカップリング処理の流れを示すフローチャート。 第2の位置算出装置の構成図。 第2実施形態におけるカーナビゲーション装置の記憶部のデータ構成図。 第2のナビゲーション処理の流れを示すフローチャート。 第2のカップリング処理の流れを示すフローチャート。 第1の採用頻度設定テーブルのテーブル構成図。 第2の採用頻度設定テーブルのテーブル構成図。
図1は、各実施形態に共通する位置算出装置1の主要構成図である。位置算出装置1は、移動体に備えられて、該移動体の位置を算出する装置である。位置算出を行うシステム(位置算出システム)とも言える。移動体は、自動車やオートバイ、自転車、船、電車といった物の他、人間自体であってもよい。人間が位置算出装置1を携帯し、人間自身が位置算出装置1を備えることとしてもよい。
本明細書で参照する図面では、ユニット(モジュール)を二重線で図示し、ユニットの計測結果を利用して演算処理を行う処理ブロックを一重線で図示することで、両者を区別する。
位置算出装置1には、ユニット(モジュール)として、衛星測位用ユニット3と、慣性測位用ユニット5とが含まれる。また、位置算出装置1は、主要な処理ブロックとして、カップリング処理部7と、信号捕捉支援情報演算部9とを有する。
なお、位置算出装置1の構成に関して、ユニット及び処理ブロックの全てを位置算出装置1の構成要素としてもよい。また、位置算出装置1の構成要素にユニットを含めず、処理ブロックのみを位置算出装置1の構成要素としてもよい。後述する第1の位置算出装置1A及び第2の位置算出装置1Bについても同様である。
衛星測位用ユニット3は、衛星測位システムを利用して測位を行うために用いられるユニットである。衛星測位用ユニット3は、測位用衛星から発信されている衛星信号を受信するためのアンテナや、アンテナで受信された信号を処理するRF(Radio Frequency)回路、ベースバンド処理回路等を有して構成されるユニットである。衛星測位用ユニット3としては、例えばGPS(Global Positioning System)ユニットを適用可能である。
慣性測位用ユニット5は、慣性航法を利用して自律的な測位を行うために用いられるユニットである。慣性測位用ユニット5は、加速度センサーやジャイロセンサーといった慣性センサーや、慣性センサーをパッケージ化した慣性計測ユニット(IMU(Inertial Measurement Unit))、IMU及び演算処理部をパッケージ化した慣性航法システム(INS(Inertial Navigation System))等を適用可能なユニットである。
カップリング処理部7は、衛星測位用ユニット3の第1の計測結果と慣性測位用ユニット5の第2の計測結果とを用いた位置算出処理として、第1及び第2の計測結果を結び付けるカップリング処理を行って、少なくとも移動体の位置を算出する。カップリング処理部7は、衛星測位用ユニット3の第1の計測結果と慣性測位用ユニット5の第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行う位置算出部に相当する。
信号捕捉支援情報演算部9は、衛星測位用ユニット3による衛星信号の捕捉を支援するための情報(以下、「信号捕捉支援情報」と称す。)を演算する。そして、その演算結果を衛星測位用ユニット3に出力(フィードバック)する。信号捕捉支援情報は種々の情報とすることができるが、本実施形態では、ドップラー周波数を信号捕捉支援情報とする場合を一例として説明する。
1.第1実施形態
1−1.原理
図2は、図1の位置算出装置1を適用した第1実施形態における第1の位置算出装置1Aの構成図である。第1の位置算出装置1Aは、GPSユニット3Aと、INSユニット5Aと、カップリング処理部7と、信号捕捉支援情報演算部9とを有する。
第1の位置算出装置1Aは、衛星測位用ユニット3としてGPSユニット3Aを適用し、慣性測位用ユニット5としてINSユニット5Aを適用した装置である。また、カップリング処理部7がカルマンフィルター処理部7Aを有し、信号捕捉支援情報演算部9がドップラー周波数推定部9Aを有して構成される。
GPSユニット3Aは、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を受信して、コード位相やドップラー周波数、擬似距離、擬似距離変化率といったGPSメジャメント情報を計測して出力可能に構成されている。また、GPSユニット3Aは、GPSメジャメント情報を用いたGPS演算を行って、移動体の位置や速度(速度ベクトル)を演算して出力可能に構成されている。
第1実施形態において、GPSユニット3Aは、可視衛星のうちの所与の条件を満たすGPS衛星から受信したGPS衛星信号を使用して計測を行う。所与の条件は、例えば、(A)GPS衛星信号を受信した信号の信号品質、(B)GPS衛星の天空配置、といった要素に基づき定められる条件である。
信号品質は、GPS衛星信号を受信した信号の品質であり、例えばIQ相関値を用いて演算される相関パワー値やSN比(Signal to Noise ratio)、交差偏波比XPR(Cross Polarization Power Ratio)といった値で表される。天空配置は、天空におけるGPS衛星の配置であり、仰角やDOP(Dilution Of Precision)値といった値で表される。
GPSユニット3Aは、例えば、可視衛星の中から、受信信号の信号品質が良好であり、天空配置が良好である順に、予め定められた測位使用衛星数(例えば、2次元測位では3個、3次元測位では4個)のGPS衛星を選定する。そして、選定したGPS衛星を測位使用衛星とし、当該測位使用衛星に係るGPSメジャメント情報を用いてGPS演算(測位演算)を行う。
GPSユニット3Aは、捕捉周波数調整部3Bを機能部として有する。捕捉周波数調整部3Bは、ドップラー周波数推定部9Aにより推定されたドップラー周波数を用いて、GPS衛星信号を捕捉するための捕捉周波数を調整する。具体的には、GPS衛星信号の搬送波周波数(1.57542[GHz])にドップラー周波数を加算することで、捕捉周波数を算出・調整する。そして、GPSユニット3Aは、捕捉周波数調整部3Bが調整した捕捉周波数を用いてGPS衛星信号を捕捉する。
また、GPSユニット3Aは、捕捉したGPS衛星信号を追尾(トラッキング)する。GPS衛星信号の追尾は、ループフィルターとして知られる追尾ループを用いて行う。ループフィルターは、例えば、PLL(Phase Lock Loop)回路やFLL(Frequency Lock Loop)回路、インコヒーレント積算回路といった回路を組み合わせて構成される。ドップラー周波数推定部9Aにより推定されたドップラー周波数を、ループフィルターの出力と併用して、受信したキャリア信号からキャリアを除去するための発振器(VCO(Voltage Controlled Oscillator)やNCO(Numerical Controlled Oscillator))の発振周波数を調整する。
INSユニット5Aは、慣性センサーやIMUによって検出された加速度(加速度ベクトル)や角速度等のINSメジャメント情報を出力可能に構成されている。また、INSユニット5Aは、INSメジャメント情報を用いた慣性航法演算を行って、移動体の位置や速度(速度ベクトル)、姿勢角等を演算して出力可能に構成されている。
カルマンフィルター処理部7Aは、カルマンフィルター処理を実行して、GPS計測結果とINS計測結果とをカップリング(結び付け)する。具体的には、カルマンフィルターの理論に基づき、予測演算(時刻更新)と補正演算(観測更新)とを行って、移動体の状態“X”を推定する。
移動体の状態“X”には、少なくとも移動体の位置が含まれる。予測演算では、例えば、INSユニット5Aから入力したINS計測結果を入力“U”として、1つ前の時刻(前回時刻)における状態補正値“X+”から、現在の時刻(今回時刻)における状態“X”を予測する演算を行って、状態予測値“X−”を算出する。そして、その算出結果を予測移動体情報として出力する。
補正演算では、例えば、GPSユニット3Aから入力したGPS計測結果を第1の観測量“Z1”として用いて、予測演算で求めた状態予測値“X−”を補正する演算を行って、状態補正値“X+”を求める。そして、当該状態補正値“X+”をカップリング移動体情報として出力する。
また、カルマンフィルター処理部7Aは、GPS計測結果とは別に、移動体の運動モデルに基づく制約条件を第2の観測量“Z2”として適用可能に構成されている。本実施形態では、移動体の停止時に適用可能な制約条件である「停止時制約条件(第1の制約条件)」と、移動体の移動時に適用可能な制約条件である「移動時制約条件(第2の制約条件)」との2種類の制約条件を例示する。
停止時制約条件は、移動体の停止時に適用可能な制約条件である。移動体が停止しているのであれば、理想的には移動体の速度はゼロである。従って、移動体が停止していると判定した場合は「移動体の各軸の速度成分=0(速度ベクトル=ゼロベクトル)」を観測量として与えることができる。
移動時制約条件は、移動体の移動時に適用可能な制約条件である。例えば、移動体として四輪自動車を想定した場合、通常は、四輪自動車はジャンプや横滑りすることはないと仮定することができる。従って、移動体が移動していると判定した場合は「移動体の縦横方向の速度成分=0」を観測量として与えることができる。四輪自動車以外の移動体についても、当該移動体の移動方向や速度の大きさに関する制限に基づいて、移動時制約条件を適宜設定可能である。
ドップラー周波数推定部9Aは、所与の衛星軌道情報と、カルマンフィルター処理部7Aの演算結果であるカップリング移動体情報とを用いて、信号捕捉支援情報であるドップラー周波数を推定する。
第1実施形態において、ドップラー周波数推定部9Aは、GPSユニット3Aが測位に使用した衛星(以下、「測位使用衛星」と称す。)に関する情報(以下、「測位使用衛星情報」と称す。)を取得する。そして、ドップラー周波数推定部9Aは、当該測位使用衛星情報に基づき、GPSユニット3Aが測位に使用しなかった衛星(以下、「測位不使用衛星」と称す。)について、当該測位不使用衛星からGPS衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。そして、その結果をGPSユニット3Aに出力する。
測位不使用衛星の衛星信号は測位に使用されないため、カルマンフィルター処理(位置算出処理)に作用しない。従って、測位不使用衛星の衛星信号は位置算出処理において不使用の衛星信号となる。ドップラー周波数推定部9Aは、この不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定して、GPSユニット3Aにフィードバックする。ドップラー周波数推定部9Aは、位置算出処理の結果を用いて、位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する推定部に相当する。
衛星軌道情報は、全てのGPS衛星の概略の衛星軌道情報を記憶したアルマナックや、各GPS衛星それぞれについて詳細な衛星軌道情報を記憶したエフェメリスといった情報である。この衛星軌道情報は、例えば、GPSユニット3Aから取得したり、サーバーアシストによってアシスト情報として取得することが可能である。
ドップラー周波数の推定は、次のように行う。カップリング移動体情報に含まれる移動体の位置、速度及び移動方向と、衛星軌道情報から求まるGPS衛星の位置、速度及び移動方向とを用いて、移動体から当該GPS衛星に向かう視線方向の相対速度(視線相対速度)を算出する。そして、算出した視線相対速度を周波数に換算することでドップラー周波数を推定する。
不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することにしたのは、情報処理のクローズドループ化を防止することを目的としたためである。仮に、GPS計測結果を採用してカップリング処理を行い、そのカップリング結果を用いてドップラー周波数を推定してGPSユニット3Aにフィードバックする構成を採用した場合、閉じたループ内で情報(データ)が循環する。これは、カップリング処理(位置算出処理)の結果として得られる位置(算出位置)が、実際の位置(真位置)に対して時間的に遅れる「位置遅れ」の大きな要因となる。しかし、GPSユニット3Aが測位に使用しなかった衛星についてのみドップラー周波数を推定し、GPSユニット3Aにフィードバックする構成とすれば、情報処理のクローズドループ化を防止することができる。その結果、上記の位置遅れの発生を防止することができる。
図3は、カルマンフィルター処理(カップリング処理)の入出力データの説明図である。入力“U”と、第1の観測量“Z1”と、状態“X”との対応関係を表したテーブルを図示している。カップリングには種々の方式が存在する。その中でも、ルーズカップリング(疎結合)と呼ばれる方式と、タイトカップリング(密結合)と呼ばれる方式とが一般的に用いられる。
ルーズカップリング方式は、GPSとINSとの結び付きが比較的弱いカップリング方式である。この方式では、例えば、入力“U”をINS演算結果(位置、速度、姿勢角等)とし、第1の観測量“Z1”をGPS演算結果(位置、速度等)としてカップリング処理を実行する。そして、移動体情報(位置、速度、姿勢角等)を状態“X”として推定する。
タイトカップリング方式は、GPSとINSとの結び付きが比較的強いカップリング方式である。この方式では、例えば、入力“U”をINS演算結果(位置、速度、姿勢角等)とし、第1の観測量“Z1”をGPSメジャメント情報(コード位相、ドップラー周波数、擬似距離、擬似距離変化率等)としてカップリング処理を実行する。そして、移動体情報(位置、速度、姿勢角等)を状態“X”として推定する。
また、タイトカップリング方式として、入力“U”をINSメジャメント情報(加速度、角速度等)とし、第1の観測量“Z1”をGPSメジャメント情報(コード位相、ドップラー周波数、擬似距離、擬似距離変化率等)とし、状態“X”を移動体情報(位置、速度、姿勢角等)とする手法も存在する。
本実施形態の位置算出方法は、上記の何れのカップリング方式に対しても実質的に同一に適用可能である。つまり、GPS計測結果(第1の計測結果)として、GPSメジャメント情報を適用してもよいし、GPS演算結果を適用してもよい。また、INS計測結果(第2の計測結果)として、INSメジャメント情報を適用してもよいし、INS演算結果を適用してもよい。
GPS計測結果(第1の計測結果)及びINS計測結果(第2の計測結果)として用いる情報は、適用するシステムに応じて適宜設定可能である。この場合、カルマンフィルター処理の予測演算及び補正演算で用いる演算式やパラメーター値を、適用するシステムに応じて適宜変更すればよい。なお、具体的な演算式やパラメーター値については、公知の手法に基づいて定義することが可能であるため、本明細書では説明を省略する。
1−2.実施例
次に、上記の第1の位置算出装置1Aを適用した電子機器の実施例を説明する。ここでは、第1の位置算出装置1Aを具備するカーナビゲーション装置の実施例を説明する。但し、本発明を適用可能な実施例が以下説明する実施例に限定されるわけではないことは勿論である。
1−2−1.システム構成
図4は、ナビゲーションシステム1000のシステム構成の説明図である。ナビゲーションシステム1000は、移動体の一種である四輪自動車(以下、単に「自動車」と称す。)に、第1の位置算出装置1Aを具備した電子機器の一種であるカーナビゲーション装置100が設定・構成されたシステムである。
カーナビゲーション装置100は、自動車に設置され、自動車の運転者に対するナビゲーションを行う電子機器である。カーナビゲーション装置100は、GPSユニット3Aと、INSユニット5Aとを備える。
本実施例において、GPSユニット3Aは、GPSメジャメント情報を計測して出力する。また、INSユニット5Aは、INSメジャメント情報を、機体座標系(Body Frame)として知られるBフレームで計測して出力する。Bフレームは、例えば、移動体の前方を正とする前後方向をR軸(ロール軸)、右方を正とする左右方向をP軸(ピッチ軸)、鉛直下方を正とする上下方向をY軸(ヨー軸)とする三次元直交座標系である。
カーナビゲーション装置100は、GPSユニット3Aから取得したGPSメジャメント情報を用いてGPS演算処理を行い、且つ、INSユニット5Aから取得したINSメジャメント情報を用いてINS演算処理を行う。そして、これらの演算結果を併用したカップリング処理を実行して自動車の位置を算出する。そして、算出した位置をプロットしたナビゲーション画面を生成してディスプレイに表示させることで、運転者に対するナビゲーションを実現する。
自動車の位置は、自動車の移動空間を定める絶対的な座標系であるNフレームにおいて演算する。Nフレームは、例えば、北東下座標系として知られるNED(North East Down)座標系や、東北上座標系として知られるENU(East North Up)座標系、地球中心地球固定座標系として知られるECEF(Earth Centered Earth Fixed)座標系として定義される。なお、BフレームからNフレームへの座標変換は、自動車の姿勢(姿勢角)に基づき定められる公知の座標変換行列を用いて実現可能である。
1−2−2.機能構成
図5は、カーナビゲーション装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置100は、GPSユニット3Aと、INSユニット5Aと、処理部10と、操作部20と、表示部30と、通信部40と、記憶部50とを備えて構成される。
処理部10は、記憶部50に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってカーナビゲーション装置100の各部を統括的に制御する制御装置であり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを有して構成される。処理部10は、記憶部50に記憶された第1のナビゲーションプログラム501に従ってナビゲーション処理を行い、自動車の現在位置を指し示した地図を表示部30に表示させる処理を行う。
操作部20は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、押下されたキーやボタンの信号を処理部10に出力する。この操作部20の操作により、目的地の設定等の各種指示入力がなされる。
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、処理部10から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部30には、ナビゲーション画面や時刻情報等が表示される。
通信部40は、処理部10の制御に従って、装置内部で利用される情報をインターネット等の通信ネットワークを介して外部とやりとりするための通信装置である。この通信には、例えば公知の無線通信技術を適用可能である。
記憶部50は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置を有して構成される。記憶部50は、カーナビゲーション装置100のシステムプログラムや、ナビゲーション機能等の各種機能を実現するための各種プログラム、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
記憶部50には、プログラムとして、処理部10により読み出され、第1のナビゲーション処理(図6参照)として実行される第1のナビゲーションプログラム501が記憶されている。第1のナビゲーションプログラム501は、第1のカップリング処理(図7参照)として実行される第1のカップリングプログラム501Aをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部50には、データとして、衛星軌道情報503と、GPSメジャメント情報505と、INSメジャメント情報507と、GPS演算結果509と、INS演算結果511と、カップリング結果513と、ドップラー周波数515とが記憶される。
衛星軌道情報503は、アルマナックやエフェメリス等の情報であり、GPSユニット3AがGPS衛星信号をデコードすることで取得可能な他、通信部40を介して所定のアシストサーバーからアシスト情報として取得する。
GPS演算結果509には、測位使用衛星情報509Aが対応付けて記憶される。測位使用衛星情報509Aは、処理部10がGPS演算処理に使用した衛星に関する情報であり、例えば測位使用衛星の衛星番号が記憶される。
1−2−3.処理の流れ
図6は、処理部10が、記憶部50に記憶された第1のナビゲーションプログラム501に従って実行する第1のナビゲーション処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部10は、GPSユニット3A及びINSユニット5Aから、GPSメジャメント情報505及びINSメジャメント情報507の取得を開始し、記憶部50に記憶させる(ステップA1)。
次いで、処理部10は、移動状況判定処理を行う(ステップA3)。具体的には、例えばINSユニット5AからINSメジャメント情報507として取得した自動車の加速度(加速度ベクトル)や角速度に基づいて、自動車が停止している状態であるか、移動している状態であるかを判定する。
その後、処理部10は、測位使用衛星決定処理を行う(ステップA5)。具体的には、原理部分で説明したように、(A)GPS衛星信号を受信した信号の信号品質、(B)GPS衛星の天空配置といった要素に基づいて、予め定められた測位使用衛星数のGPS衛星を選定して測位使用衛星に決定する。
次いで、処理部10は、GPS演算処理を行う(ステップA7)。具体的には、GPSユニット3Aから取得したGPSメジャメント情報505のうち、ステップA5で決定した測位使用衛星に係るメジャメント情報を用いて、公知の測位演算を行う。そして、その演算結果と測位使用衛星情報509Aとを含めて、GPS演算結果509として記憶部50に記憶させる。
また、処理部10は、INS演算処理を行う(ステップA9)。具体的には、INSユニット5Aから取得したINSメジャメント情報507を用いて、公知の慣性航法演算を行う。そして、その演算結果をINS演算結果511として記憶部50に記憶させる。
次いで、処理部10は、記憶部50に記憶されている第1のカップリングプログラム501Aに従って第1のカップリング処理を行う(ステップA11)。
図7は、第1のカップリング処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、処理部10は、記憶部50に記憶されている最新のGPS演算結果509を、第1の観測量“Z1”に設定する(ステップB1)。
また、処理部10は、自動車の運動モデルに基づく制約条件を第2の観測量“Z2”として設定する(ステップB3)。具体的には、ステップA3の移動状況判定処理において、自動車が停止していると判定した場合は、停止時制約条件に基づいて、例えば「自動車の速度=0」を第2の観測量“Z2”に設定する。また、自動車が移動していると判定した場合は、移動時制約条件に基づいて、例えば「自動車の縦横方向の速度=0」を第2の観測量“Z2”に設定する。
次いで、処理部10は、ステップB1及びB3で設定した第1及び第2の観測量“Z1,Z2”を用いて、カルマンフィルター処理を実行する(ステップB5)。具体的には、例えば、ステップA9のINS演算処理で求めたINS演算結果511に含まれる誤差を、推定対象とする状態“X”とする。そして、第1及び第2の観測量“Z1,Z2”を適用して、状態“X”の推定値を求める。この場合におけるカルマンフィルター処理は、INS演算結果に含まれる誤差を推定する誤差推定型のカルマンフィルター処理となる。推定した誤差を用いてINS演算結果511を補正し、その結果をカップリング結果513として記憶部50に記憶させる。そして、処理部10は、第1のカップリング処理を終了する。
図6の第1のナビゲーション処理に戻り、第1のカップリング処理の後、処理部10は、記憶部50のカップリング結果513を出力する(ステップA13)。例えば、カップリング結果513に含まれる自動車の位置に対してマップマッチング処理を行い、その結果で表示部30のナビゲーション画面を更新する。
その後、処理部10は、測位不使用衛星について、ドップラー周波数推定処理を行う(ステップA15)。具体的には、記憶部50のGPS演算結果509に含まれる測位使用衛星情報509Aを参照して、測位に使用しなかったGPS衛星(測位不使用衛星)を判定する。そして、記憶部50の衛星軌道情報503とカップリング結果513とを用いて、測位不使用衛星に係るドップラー周波数を演算する。
次いで、処理部10は、推定したドップラー周波数をGPSユニット3Aに出力する(ステップA17)。そして、処理部10は、処理を終了するか否かを判定する(ステップA19)。例えば、操作部20を介してユーザーによりナビゲーションの終了指示操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。
まだ処理を終了しないと判定した場合は(ステップA19;No)、処理部10は、ステップA3に戻る。また、処理を終了すると判定した場合は(ステップA19;Yes)、第1のナビゲーション処理を終了する。
1−3.作用効果
第1実施形態では、GPSユニット3Aの第1の計測結果とINSユニット5Aの第2の計測結果とを用いてカップリング処理を行う。位置算出装置の位置、速度、移動方向等の情報と、GPS衛星の位置、速度、移動方向等の情報とがあれば、当該GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することができる。そこで、位置算出処理であるカップリング処理の結果を用いて、GPSユニット3Aが測位に使用しなかった測位不使用衛星の衛星信号、つまり位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。そして、GPSユニット3Aが、前回の測位で不使用だったが今回の測位で使用する衛星については、推定されたドップラー周波数を用いてGPS衛星信号を捕捉する。
これにより、不使用のGPS衛星信号をGPSユニット3Aが捕捉する確度を高めるとともに、捕捉時間の短縮を図ることができる。また、GPSユニット3A自身の計測結果を用いたカップリング処理の結果を利用して、GPSユニット3A自身がGPS衛星信号の捕捉に用いるドップラー周波数を推定するといった、閉ループ(情報(データ)の循環)を防止することができる。その結果、位置遅れ等の現象の発生を防止し、時間的な矛盾のない正確な位置を算出することが可能となる。
2.第2実施形態
2−1.原理
図8は、第2実施形態における第2の位置算出装置1Bの構成図である。
第2の位置算出装置1Bは、第1の位置算出装置1Aと同様に、衛星測位用ユニット3としてGPSユニット3Aを適用し、慣性測位用ユニット5としてINSユニット5Aを適用した装置である。また、カップリング処理部7はカルマンフィルター処理部7Aを有し、信号捕捉支援情報演算部9はドップラー周波数推定部9Aを有する。それに加えて、第2の位置算出装置1Bは切替部8を有する。
切替部8は、カルマンフィルター処理部7Aから取得したカップリング採用有無に基づいて、カップリング処理部7と信号捕捉支援情報演算部9とを接続するスイッチの切替処理を行う。カップリング採用有無は、GPS計測結果のカルマンフィルター処理への採用/不採用の別を示す情報である。
第2実施形態では、GPS計測結果とINS計測結果とを用いてカルマンフィルター処理を行う方式(以下、「第1の方式」と称す。)と、GPS計測結果を採用せずに、INS計測結果を用いてカルマンフィルター処理を行う方式(以下、「第2の方式」と称す。)との2種類の方式を切り替えて位置を算出する。
具体的には、カップリング処理部7は、(1)位置算出開始からの経過時間、(2)移動を開始してからの経過時間、(3)最後に第1の方式を適用してからの経過時間、のうちの何れかの経過時間に基づいて、上記の第1及び第2の方式の切り替えを行う。また、カップリング処理部7は、(4)GPS計測結果とINS計測結果との乖離の程度に基づいて、上記の第1及び第2の方式の切り替えを行う。
なお、上記の第1及び第2の方式の切り替えに係る複数の条件は、それぞれ単体で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本実施例では、複数の条件を組み合わせて用いる場合を一例として説明する。
第2の位置算出装置1Bでは、第2の方式でカップリング処理を行った場合にのみ、そのカップリング処理の結果を用いて、GPSユニット3AがGPS衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。
具体的には、カップリング採用有無が「有」である場合は、切替部8がスイッチを「OFF」とすることで、ドップラー周波数推定部9Aによるドップラー周波数の推定を抑止する。それに対し、カップリング採用有無が「無」である場合は、切替部8がスイッチを「ON」とすることで、ドップラー周波数推定部9Aによるドップラー周波数の推定を可能にする。
上記の構成にも、第1実施形態と同様に、情報処理のクローズドループ化を防止する狙いがある。つまり、GPS計測結果を用いずにカップリングを行った場合にのみドップラー周波数を演算して、GPSユニット3Aにフィードバックする。かかる構成により、閉じたループ内で情報(データ)が循環することが防止される。その結果、測位を繰り返す度に、算出される位置が実際の位置から遅れていくという位置遅れの現象が発生することを防止できる。
2−2.実施例
次に、第2の位置算出装置1Bを具備する電子機器の実施例を説明する。ここでは、第1実施形態と同様に、カーナビゲーション装置100の実施例を説明する。なお、ナビゲーションシステム1000のシステム構成及びカーナビゲーション装置100の機能構成については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
2−2−1.構成
図9は、本実施例において、カーナビゲーション装置100の記憶部52に格納されたデータの一例を示す図である。なお、図5の記憶部50に格納されたデータと同一のデータについては、同一の符号を付して説明を省略する。
記憶部52には、プログラムとして、処理部10により読み出され、第2のナビゲーション処理(図10参照)として実行される第2のナビゲーションプログラム521が記憶されている。第2のナビゲーションプログラム521は、第2のカップリング処理(図11参照)として実行される第2のカップリングプログラム521Aをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部52には、データとして、衛星軌道情報503と、GPSメジャメント情報505と、INSメジャメント情報507と、GPS演算結果509と、INS演算結果511と、カップリング結果513と、ドップラー周波数515と、位置算出開始時刻523と、最新移動開始時刻525と、最新GPS採用時刻527とが記憶される。
位置算出開始時刻523は、位置算出を開始した時刻であり、例えばカーナビゲーション装置100を起動した時刻が記憶される。最新移動開始時刻525は、自動車が移動を開始した最新の時刻である。また、最新GPS採用時刻527は、GPS演算結果509を採用してカップリング処理を行った最新の時刻である。これらの時刻は、上述した第1及び第2の方式を切り替えるための条件判定に使用される。
2−2−2.処理の流れ
図10は、処理部10が、記憶部52に記憶された第2のナビゲーションプログラム521に従って実行する第2のナビゲーション処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6の第1のナビゲーション処理と同一のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
最初に、処理部10は、現在時刻を位置算出開始時刻523として記憶部52に記憶させる(ステップC1)。そして、処理部10は、GPSユニット3A及びINSユニット5Aから、GPSメジャメント情報505及びINSメジャメント情報507の取得を開始し、記憶部52に記憶させる(ステップA1)。
次いで、処理部10は、移動状況判定処理を行う(ステップA3)。その結果、自動車が停止状態から移動を開始したと判定した場合は(ステップC3;Yes)、処理部10は、現在時刻で記憶部52の最新移動開始時刻525を更新する(ステップC5)。また、移動を開始しなかったと判定した場合は(ステップC3;No)、処理部10は、ステップA7へと移行する。
次いで、処理部10は、GPS演算処理を行う(ステップA7)。また、処理部10は、INS演算処理を行う(ステップA9)。そして、処理部10は、記憶部52に記憶されている第2のカップリングプログラム521Aに従って第2のカップリング処理を実行する(ステップC11)。
図11は、第2のカップリング処理の流れを示すフローチャートである。
処理部10は、記憶部52に記憶された位置算出開始時刻523と現在時刻とに基づいて、位置算出開始後経過時間が第1の超過条件を満たすか否かを判定する(ステップD1)。位置算出開始後経過時間は、位置算出開始時刻523から現在時刻までの経過時間である。第1の超過条件は、例えば、予め定められた第1の閾値時間(例えば60秒)を超過すること(或いは第1の閾値時間以上)として定められる。つまり、位置算出開始からの経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する。
ステップD1の条件は、(1)位置算出開始からの経過時間、に基づき定められた条件である。位置算出を開始した後、カルマンフィルター処理が定常的な状態となるまでの間は、GPS演算結果を常に採用してカルマンフィルター処理を行う。一定時間が経過してカルマンフィルター処理が定常状態となった後は、GPS演算結果をカルマンフィルター処理に採用する頻度を低下させる。
ステップD1において第1の超過条件を満たすと判定した場合は(ステップD1;Yes)、処理部10は、記憶部52に記憶された最新移動開始時刻525と現在時刻とに基づいて、移動開始後経過時間が第2の超過条件を満たすか否かを判定する(ステップD3)。移動開始後経過時間は、最新移動開始時刻525から現在時刻までの経過時間である。第2の超過条件は、例えば、予め定められた第2の閾値時間(例えば30秒)を超過すること(或いは第2の閾値時間以上)として定められる。つまり、自動車が移動を開始してからの経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する。
ステップD3の条件は、(2)移動を開始してからの経過時間、に基づき定められた条件である。移動体が停止している場合は、停止時制約条件を適用することで、カルマンフィルター処理により算出される移動体の位置の誤差を低減させることができる。誤差が低減された状態で移動を開始すると、暫くの間は位置算出精度が高い状態が維持される。しかし、慣性航法演算では、移動体の加速度(加速度ベクトル)を積分して速度(速度ベクトル)を算出し、速度(速度ベクトル)を積分して距離及び移動方向を算出し、算出した距離を前回位置に継ぎ足すように加算することで移動体の位置を算出する。つまり、多重の積分演算を行って累積的に位置を求めるために、時間経過に伴って位置誤差が累積する特徴がある。そこで、移動体が移動を開始してから暫くの間はGPS演算結果を採用せずにカルマンフィルター処理を実行し、ある程度時間が経過したならば、GPS演算結果を採用してカルマンフィルター処理を実行する。
ステップD3において第2の超過条件を満たさないと判定した場合は(ステップD3;No)、処理部10は、記憶部52に記憶された最新GPS採用時刻527と現在時刻とに基づいて、GPS採用後経過時間が第3の超過条件を満たすか否かを判定する(ステップD5)。GPS採用後経過時間は、最新GPS採用時刻527からの現在時刻までの経過時間である。第3の超過条件は、例えば、予め定められた第3の閾値時間(例えば30秒)を超過すること(或いは第3の閾値時間以上)として定められる。つまり、最後にGPS演算結果を採用してカルマンフィルター処理を実行してからの経過時間が所定時間に達しているか否かを判定する。
ステップD5の条件は、(3)最後に第1の方式を適用してからの経過時間、に基づき定められた条件である。GPS演算結果を採用してカルマンフィルター処理を実行すると、一時的に位置算出精度が改善される。しかし、再びGPS演算結果を採用せずにカルマンフィルター処理の実行を開始すると、位置算出精度は徐々に低下していく傾向がある。そこで、GPS演算結果を最後に採用してカルマンフィルター処理を実行してから一定時間が経過した場合は、GPS演算結果を採用してカルマンフィルター処理を実行する。
ステップD5において第3の超過条件を満たさないと判定した場合は(ステップD5;No)、処理部10は、GPS/INS演算結果が所定の乖離条件を満たすか否かを判定する(ステップD7)。乖離条件は、GPS演算結果509とINS演算結果511との乖離が一定の大きさに達していることである。例えば、GPS演算結果509に含まれる位置とINS演算結果511に含まれる位置との差を算出する。また、GPS演算結果509に含まれる速度とINS演算結果511に含まれる速度との差を算出する。そして、位置の差及び速度の差それぞれに対する閾値判定を行い、その判定結果に基づいて、GPS演算結果509とINS演算結果511とが一定以上乖離しているか否かを判定する。
ステップD7の条件は、(4)GPS計測結果とINS計測結果との乖離の程度、に基づき定められた条件である。例えば、INSユニット5Aに不具合が生じた場合や、自動車が横滑りといった想定範囲外の動作をした場合は、GPS計測結果とINS計測結果とが大きく乖離する傾向がある。そこで、GPS計測結果とINS計測結果との乖離の程度を判定し、乖離が大きい場合は、GPS計測結果を採用してカルマンフィルター処理を実行する。
ステップD1において第1の超過条件を満たさないと判定した場合(ステップD1;No)、ステップD3において第2の超過条件を満たすと判定した場合(ステップD3;Yes)、ステップD5において第3の超過条件を満たすと判定した場合(ステップD5;Yes)、又は、ステップD7において乖離条件を満たすと判定した場合は(ステップD7;Yes)、処理部10は、ステップD9へと移行する。つまり、GPS演算結果509をカルマンフィルター処理に採用するために、GPS演算結果509を第1の観測量“Z1”に設定する(ステップD9)。また、処理部10は、ステップA3で判定した自動車の移動状況に基づいて、運動モデルに基づく制約条件を第2の観測量“Z2”に設定する(ステップD11)。
一方、ステップD7において乖離条件を満たさないと判定した場合は(ステップD7;No)、処理部10は、GPS演算結果509をカルマンフィルター処理に採用しないこととし、運動モデルに基づく制約条件のみを観測量“Z”に設定する(ステップD13)。
ステップD11又はD13の後、処理部10は、ステップD9及びD11で設定した第1及び第2の観測量“Z1,Z2”、又は、ステップD13で設定した観測量“Z”を用いて、カルマンフィルター処理を実行する(ステップD15)。そして、処理部10は、カルマンフィルター処理の結果をカップリング結果513として記憶部52に記憶させた後、第2のカップリング処理を終了する。
図10の第2のナビゲーション処理に戻り、第2のカップリング処理を行った後、処理部10は、記憶部52に記憶された最新のカップリング結果513を出力する(ステップC13)。
次いで、処理部10は、直近のカップリング処理におけるGPS演算結果509のカップリング採用有無を判定する(ステップC15)。カップリング採用有無が「有」である場合は(ステップC15;有)、処理部10は、現在時刻で記憶部52の最新GPS採用時刻527を更新する(ステップC17)。
また、カップリング採用有無が「無」である場合は(ステップC15;無)、処理部10は、ドップラー周波数推定処理を行う(ステップC19)。具体的には、カップリング結果513として得られた自動車の位置、速度及び移動方向と、衛星軌道情報503から求めた各GPS衛星の位置、速度及び移動方向とを用いて、各GPS衛星についてドップラー周波数を推定する。そして、処理部10は、推定したドップラー周波数をGPSユニット3Aに出力する(ステップC21)。
次いで、処理部10は、処理を終了するか否かを判定する(ステップC23)。まだ処理を終了しないと判定した場合は(ステップC23;No)、処理部10は、ステップA3に戻る。また、処理を終了すると判定した場合は(ステップC23;Yes)、第2のナビゲーション処理を終了する。
2−3.作用効果
第2実施形態によれば、GPS計測結果とINS計測結果とを用いてカップリングを行う第1の方式と、INS計測結果を用いてカップリングを行う第2の方式とを切り替えて位置を算出する。そして、第2の方式で位置算出が行われた場合に、カップリング処理の結果を用いてGPSユニット3AがGPS衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する。
これにより、GPSユニット3Aは、GPS計測結果を用いた位置算出処理が行われなかった場合に限り、位置算出処理の結果を用いて推定されたドップラー周波数を用いて、GPS衛星信号を捕捉することが可能となる。この場合、GPSユニット3A自身のGPS計測結果を用いて位置算出処理を行った結果を利用して、GPSユニット3A自身がGPS衛星信号の捕捉に用いるドップラー周波数を推定するという矛盾を解消することができる。すなわち、情報処理の流れが閉ループとなることが防止され、その結果、位置算出精度の低下が防止される。
3.変形例
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明するが、上記の実施例と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、上記の実施例とは異なる部分を中心に説明する。
3−1.ユニット
上記の実施形態では、衛星測位用ユニット3として、GPSを適用したGPSユニット3Aを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の他の衛星測位システムを適用したユニットとしてもよいことは勿論である。
また、上記の実施形態では、慣性測位用ユニット5として、INSユニット5Aを適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、慣性測位用ユニット5として、INSメジャメント情報(加速度や角速度)を計測する慣性センサーや慣性計測ユニット(IMU)を適用することも可能である。この場合は、慣性測位用ユニット5により計測されたINSメジャメント情報を用いて、位置算出装置1の処理部がINS演算処理を行うように構成すればよい。
3−2.カップリング処理
上記の実施形態では、カップリング処理としてカルマンフィルター処理を例に挙げて説明したが、カップリング処理はこれに限られない。例えば、GPS計測結果とINS計測結果との平均演算を行う平均処理をカップリング処理に含めてもよい。平均演算としては、単純な算術平均や幾何平均を適用してもよいし、加重平均を適用してもよい。
加重平均を適用する場合において、GPS計測結果をINS計測結果よりも重視したい場合は、GPS計測結果の重みをINS計測結果の重みよりも大きく設定して演算すればよい。逆に、INS計測結果をGPS計測結果よりも重視したいのであれば、GPS計測結果の重みをINS計測結果の重みよりも小さく設定して演算すればよい。
3−3.第1の方式の採用頻度
カップリング処理において第1の計測結果と前記第2の計測結果とを用いて位置算出を行う第1の方式の頻度を、次のように変えることとしてもよい。例えば、図11の第2のカップリング処理で例示した各種の経過時間や、GPS/INS計測結果の乖離の程度に基づいて、第1の方式の採用頻度を段階的に変えることとしてもよい。
図12は、位置算出開始後経過時間に基づき第1の方式の採用頻度を定めた第1の採用頻度設定テーブルのテーブル構成を示す図である。第1の採用頻度設定テーブルには、位置算出開始後経過時間と、第1の方式の採用頻度とが対応付けて記憶されている。位置算出開始後経過時間が長くなるにつれて、カップリング処理の動作は安定する傾向がある。そこで、位置算出開始後経過時間が長くなるほど、GPS計測結果のINS計測結果に対する影響度合を低くするために、より低い頻度を採用頻度として設定すると好適である。
例えば、図12のテーブルでは、経過時間“t”が第1の閾値時間“θt1”以下の場合は、採用頻度として「毎回」が定められており、経過時間“t”が第1の閾値時間“θt1”超、第2の閾値時間“θt2”以下の場合は、採用頻度として「5回に1回」が定められている。また、経過時間“t”が第2の閾値時間“θt2”超、第3の閾値時間“θt3”以下の場合は、採用頻度として「10回に1回」が定められており、経過時間“t”が第3の閾値時間“θt3”超の場合は、採用頻度として「採用しない」が定められている。処理部10は、このテーブルに従って、第1の方式の採用頻度を設定する。
なお、第1の閾値時間“θt1”〜第3の閾値時間“θt3”には、適宜適切な値を選択・設定しておくことができる。例えば、位置算出を開始してから「1分」が経過した後は、GPS計測結果を切り離してGPSに依存せずにカップリング処理を行うように、「θt1=20秒、θt2=40秒、θt3=60秒」といった値を設定しておくことができる。
図13は、移動開始後経過時間又はGPS採用後経過時間に基づき第1の方式の採用頻度を定めた第2の採用頻度設定テーブルのテーブル構成を示す図である。第2の採用頻度設定テーブルには、移動開始後経過時間又はGPS採用後経過時間と、第1の方式の採用頻度とが対応付けて記憶されている。移動開始後経過時間が長くなるほど、また、GPS採用後経過時間が長くなるほど、カップリング処理の演算精度は低くなる傾向がある。そこで、これらの経過時間が長くなるほど、GPS計測結果のINS計測結果に対する影響度合を高くするために、より高い頻度を採用頻度として設定すると好適である。
例えば、図13のテーブルでは、経過時間“t”が第1の閾値時間“φt1”以下の場合は、採用頻度として「採用しない」が定められており、経過時間“t”が第1の閾値時間“φt1”超、第2の閾値時間“φt2”以下の場合は、採用頻度として「20回に1回」が定められている。また、経過時間“t”が第2の閾値時間“φt2”超、第3の閾値時間“φt3”以下の場合は、採用頻度として「10回に1回」が定められており、経過時間“t”が第3の閾値時間“φt3”超の場合は、採用頻度として「毎回」が定められている。処理部10は、このテーブルに従って、第1の方式の採用頻度を設定する。
この場合も、第1の閾値時間“φt1”〜第3の閾値時間“φt3”には、適宜適切な値を選択・設定しておくことができる。例えば、自動車が頻繁に移動/停止を繰り返すことを想定して、「φt1=1分、φt2=2分、φt3=3分」といった値を設定しておくことができる。
なお、図示は省略するが、GPS/INS計測結果の乖離の程度に基づいて第1の方式の採用頻度を設定することも可能である。この場合は、例えば、GPS/INS計測結果の乖離の程度が大きいほど、GPS計測結果のINS計測結果に対する影響度合を高くするために、より高い頻度を採用頻度として設定すると好適である。
3−4.処理主体
上記の実施例では、電子機器の処理部10が、GPSユニット3Aから取得したGPSメジャメント情報505を用いてGPS演算処理を行うこととして説明した。また、処理部10が、INSユニット5Aから取得したINSメジャメント情報507を用いてINS演算処理を行うこととして説明した。つまり、GPS演算処理、INS演算処理及びカップリング処理の実行主体が、全て電子機器の処理部10であるものとして説明した。この構成を次のようにしてもよい。
GPSユニット3Aは、GPSメジャメント情報505を用いたGPS演算処理を行ってGPS演算結果509を求めて、処理部10に出力する。また、INSユニット5Aは、INSメジャメント情報507を用いたINS演算処理を行ってINS演算結果511を求めて、処理部10に出力する。
そして、処理部10は、各ユニットから取得したGPS演算結果509とINS演算結果511とのカップリング処理を実行する。つまり、この場合は、GPS演算処理及びINS演算処理の実行主体が、それぞれGPSユニット3A及びINSユニット5Aとなり、カップリング処理(位置算出処理)の実行主体が、電子機器の処理部10となる。
3−5.電子機器
上記の実施例では、四輪自動車に搭載するナビゲーション装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な電子機器はこれに限られるわけではない。例えば、二輪自動車に搭載するナビゲーション装置に適用してもよいし、携帯型ナビゲーション装置に適用することとしてもよい。
また、ナビゲーション以外の用途の電子機器についても本発明を同様に適用可能であることは勿論である。例えば、携帯型電話機やパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)といった他の電子機器についても本発明を同様に適用して、当該電子機器の位置算出を実現することが可能である。
1,1A,1B 位置算出装置、 3A GPSユニット、 5A INSユニット、 7 カップリング処理部、 7A カルマンフィルター処理部、 8 切替部、 9 信号捕捉支援情報演算部、 9A ドップラー周波数推定部、 10 処理部、 20 操作部、 30 表示部、 40 通信部、 50 記憶部、 100 カーナビゲーション装置、 1000 ナビゲーションシステム

Claims (8)

  1. 衛星測位用ユニットの第1の計測結果と慣性測位用ユニットの第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行うことと、
    前記位置算出処理の結果を用いて、前記位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することと、
    前記衛星測位用ユニットが前記ドップラー周波数を用いて前記不使用の衛星信号を捕捉することと、
    を含む位置算出方法。
  2. 前記衛星測位用ユニットは、可視衛星のうちの所与の条件を満たす衛星から受信した衛星信号を使用して計測を行うユニットであり、
    前記推定することは、可視衛星のうちの前記所与の条件を満たさなかった衛星からの信号を受信する場合のドップラー周波数を推定することである、
    請求項1に記載の位置算出方法。
  3. 前記位置算出処理は、前記第1の計測結果と前記第2の計測結果とを用いて位置算出を行う第1の方式と、前記第2の計測結果を用いて位置算出を行う第2の方式とを切り替えて位置を算出する処理であり、
    前記推定することは、前記第2の方式で位置算出が行われた場合に、前記位置算出処理の結果を用いて前記衛星測位用ユニットが衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定することである、
    請求項1に記載の位置算出方法。
  4. 前記位置算出処理において前記第1の方式を採用する頻度を変化させること、
    を更に含む請求項3に記載の位置算出方法。
  5. 前記位置算出処理は、(1)位置算出開始からの経過時間、(2)移動を開始してからの経過時間、(3)最後に前記第1の方式を適用してからの経過時間、のうちの何れかの経過時間に基づいて前記切り替えを行う、
    請求項3に記載の位置算出方法。
  6. 前記位置算出処理は、前記衛星測位用ユニットによって計測されるメジャメント情報を前記第1の計測結果として用いて位置を算出する処理である、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の位置算出方法。
  7. 前記位置算出処理は、前記第2の計測結果を入力とし、前記第1の計測結果を観測量とするカルマンフィルター処理である、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の位置算出方法。
  8. 衛星測位用ユニットの第1の計測結果と慣性測位用ユニットの第2の計測結果とを用いて位置算出処理を行う位置算出部と、
    前記位置算出処理の結果を用いて、前記位置算出処理において不使用の衛星信号を捕捉する場合のドップラー周波数を推定する推定部と、
    を備え、
    前記衛星測位用ユニットが前記ドップラー周波数を用いて前記不使用の衛星信号を捕捉する、
    位置算出装置。
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