JP2012529959A - 移動する定常波 - Google Patents
移動する定常波 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012529959A JP2012529959A JP2012515600A JP2012515600A JP2012529959A JP 2012529959 A JP2012529959 A JP 2012529959A JP 2012515600 A JP2012515600 A JP 2012515600A JP 2012515600 A JP2012515600 A JP 2012515600A JP 2012529959 A JP2012529959 A JP 2012529959A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tissue
- usw
- tissue region
- pattern
- transducer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61N—ELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
- A61N7/00—Ultrasound therapy
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61N—ELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
- A61N7/00—Ultrasound therapy
- A61N7/02—Localised ultrasound hyperthermia
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
- A61B8/00—Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
- A61B8/42—Details of probe positioning or probe attachment to the patient
- A61B8/4272—Details of probe positioning or probe attachment to the patient involving the acoustic interface between the transducer and the tissue
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61N—ELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
- A61N7/00—Ultrasound therapy
- A61N2007/0004—Applications of ultrasound therapy
- A61N2007/0008—Destruction of fat cells
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61N—ELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
- A61N7/00—Ultrasound therapy
- A61N2007/0073—Ultrasound therapy using multiple frequencies
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61N—ELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
- A61N7/00—Ultrasound therapy
- A61N2007/0078—Ultrasound therapy with multiple treatment transducers
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Radiology & Medical Imaging (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Surgery (AREA)
- Surgical Instruments (AREA)
Abstract
組織領域を超音波で処置する方法であって、第1の定常超音波(USW)パターンを該領域内において第1の周波数で生成し、同時に、第1のUSWパターンと空間的に重畳する第2のUSWパターンを、該領域内において第1の周波数とは異なる第2の周波数で生成することを含む方法。
Description
〔関連出願件に関する記述〕
本願は、米国特許仮出願第61/187,407号明細書(出願日2010年6月16日)に基づいて優先権の特典を主張し、該特許仮出願は全て参照されてここに引用されるものとする。
本願は、米国特許仮出願第61/187,407号明細書(出願日2010年6月16日)に基づいて優先権の特典を主張し、該特許仮出願は全て参照されてここに引用されるものとする。
〔背景技術〕
音響エネルギーを組織領域に送達してカプリングし、患者の組織に対して診断および/または治療および/または美容上の処置を実施する、さまざまな方法が知られている。このような処置の例としては、血液分析としての非観血的アッセイ、フォノフォレシスによる薬物送達、砕石、組織の切除、脂肪組織を美容上除去するための脂肪細胞の溶解などが挙げられる。
音響エネルギーを組織領域に送達してカプリングし、患者の組織に対して診断および/または治療および/または美容上の処置を実施する、さまざまな方法が知られている。このような処置の例としては、血液分析としての非観血的アッセイ、フォノフォレシスによる薬物送達、砕石、組織の切除、脂肪組織を美容上除去するための脂肪細胞の溶解などが挙げられる。
音波を治療および/または美容上で応用する多くの事例(上述の砕石、組織の切除、および、溶解など)において、組織領域内の組織を破壊し除去するために、十分な音響エネルギーが該領域に送達されなければならない。一般に、音響エネルギーは、比較的高密度の超音波の少なくとも1つのビームを該領域に集束させることによって送達される。高強度焦点式超音波法(high intensity, focused ultrasound、“HIFU”という略称で呼ばれることが多い)を用いて、組織の局所加熱および/または組織を破壊し死滅させるキャビテーションを含めたさまざまな熱的作用および機械的作用を、組織に対して発生させることがある。約42℃を超える温度まで昇温され維持された組織は急速に死滅し、キャビテーションによって生成されるメカニカルストレスが該組織の細胞膜を割裂させる。
しかしながら、比較的大きな体積の組織を、HIFUを用いて効率よく処置することは困難であることが多い。例えば、HIFUビームは比較的小さな体積の組織に集束させることが多く、焦点体積(focal volume)における組織を破壊するために、該焦点体積において比較的長い滞留時間が必要とされることがある。通常、HIFUビームの焦点体積は、扁長楕円体内にほぼ納まる。超音波組織処置において一般に使用される約200kHzに等しい超音波の周波数の場合、楕円体は、ビームの伝播方向に延びる約15mmの長軸を有し、伝播方向に垂直な、直径が約7.5mmの最大断面を有する。約1MHの周波数の場合には、長軸は約3mmであって、該断面の直径は約1.5mmである。一般に、焦点体積は約1波長に等しい側径、および、約2波長〜3波長の長さを有する。(焦点体積の境界面は、音波強度が約6dB減衰する領域にあると仮定する。)したがって、HIFUで広い組織領域を処置して例えば脂肪組織を溶解させようとすると、えてして、実施に比較的長い時間が必要な、比較的退屈な作業になる。このような理由で、HIFUビームの有用な焦点体積を拡大しビームを電子工学的および/または機械的に走査して、比較的大きな組織体積を処置するために、さまざまな手法が提案および/または使用されてきた。
しかしながら、所望の処置対象である大きな組織体積全体にわたって空間的に比較的均一であって、しかも、対象ではない組織に悪影響を与えない、効果的な音響エネルギーを送達できるようにHIFUビームを制御しようとすると、問題が起こり得る。大きな焦点体積を持つHIFUビームの構成が、治療および/または美容上のビームの使用を制限する“ホットスポット”を示すことが多い。また、所望の領域においてほぼ集束できるように人体内部へ伝播させた超音波は、一般に焦点領域を通り抜けて伝播し、超音波を照射しようとしているわけではない器官および/または人体の特定部位に入射する。
例えば脂肪組織は一般に皮膚の皮下層に存在し、皮膚表面の約数ミリメートルから数センチメートル下の領域に位置している。組織の切除、および、脂肪組織を美容上除去するための脂肪細胞の溶解を実施するための処置において、皮膚の下の脂肪組織に集束する超音波は脂肪組織を越えて伝播し、皮下層の下に存在する内部器官および人体の特定部位に衝突してこれを傷つける可能性がある。超音波を使用して腹部の脂肪を処置するのであれば、超音波は例えば肝臓に入射することがあり得る。超音波を使用して臀部のセルライトを処置するのであれば、超音波は皮膚の下の骨組織に入射し、これに反射されることがあり得る。反射した超音波は、セルライトを処置するために人体内部へ伝播させた超音波と干渉し、皮膚表面では皮膚を傷つけかねない強度を有する定常音波を発生させる可能性がある。
F. L. Lizzi et alは、“Asymmetric Focussed Arrays for Ultrasonic Tumor Therapy”というタイトルの論文において、「分割型矩形電極を有する球状のキャップ変換器(cap transducer)」を使用して、楕円形の断面を有する病変部を生成するために使用可能なHIFUビームを供給することについて記載している。対になった矩形電極を段階的に励起することによって、変換器の焦点面以外の平面上においてビームの音波強度が高い望ましくない軸領域が、抑制された。広い組織領域を処置するために、ビームは、楕円形の病変部の長軸に対してほぼ垂直な方向に走査するように構成されている。
米国特許出願公開第2005/0154314号明細書(J. U. Quistgaard、発明の名称:“Component Ultrasound Transducer”)には、該出願に係る発明の目的が「高強度超音波エネルギーを2つ以上の焦点ゾーン同時に伝達することができる変換器を提供すること」、および、「2つ以上の異なる周波数を単一の焦点ゾーンまたは一群の焦点ゾーンに集束させることができる変換器を提供すること」であると開示されている。
米国特許第6,506,171号明細書(S. Vitek and N Brenner)には、「中心軸を中心にして設置され、ある角位置を有する複数の変換器部材を備えた」焦点式超音波システムが記載されている。「軸上の第1の焦点ゾーンおよび軸から外れた第2の焦点ゾーンが形成される」ように、さまざまなセクター部材が段階的に励起される。出願に添付の図面は、軸から外れた第2の焦点ゾーンが、各焦点領域に集束した音響エネルギーがほぼ同じ空間エネルギー分布を有する複数の焦点領域により特徴付けられることを示している。
米国特許出願公開第2009/0099485号明細書(Sarvazyan et al)には、「任意の体部位から多量の脂肪組織を除去する」ために、定常超音波(“USW”: ultrasonic standing wave)の強度の拡張パターンを、比較的大きな組織体積において生成することが記載されている。USWを使用することによって、定常波パターンの波腹における音響場の強度を、従来のHIFU場に比べて大きく増加させることが可能になる。
上記拡大した組織体積は、一対の超音波変換器の間で超音波で処置する対象となる比較的大きな組織体積を挟んで固定することによって提供される。これらの変換器は、固定された組織で重畳し重なってUSWの波節・波腹パターンを形成するように、互いに向かって逆方向に上記固定された組織の共鳴周波数で放射するように制御される。組織の処置を均質に行うために、処置は主にUSWパターンの波腹領域で行われるので、組織は異なる共鳴周波数のUSWパターンで順に処置される。共鳴周波数を切り替えることによって、定常波の波節パターンが移動する。本発明の一部の実施形態では、組織は一対の機械式クランプの間に挟持される。本発明の一部の実施形態では、処置対象の組織は、挟持される替わりに、真空を用いてカップ形容器内へ引き込まれる。
〔発明の概要〕
本発明の一部の実施形態の態様は、比較的大きな組織領域を定常超音波(USW)で処置するための改善された方法および装置の提供に関する。随意的に、該方法および装置は、組織に対して脂肪分解、治療、および/または美容上の処置を実施するために使用される。
本発明の一部の実施形態の態様は、比較的大きな組織領域を定常超音波(USW)で処置するための改善された方法および装置の提供に関する。随意的に、該方法および装置は、組織に対して脂肪分解、治療、および/または美容上の処置を実施するために使用される。
本発明の一部の実施形態の態様は、少なくとも2つの異なる周波数のUSWパターンを超音波で処置する組織内において重ねることによって、該組織に対するUSWパターンの作用を空間的に均質化する方法の提供に関する。定常波パターンを重畳することによって、上記2つのUSWパターンの周波数の差のほぼ半分に等しい比較的低周波数で、組織内において位置が周期的にシフトする比較的高い密度の空間分布を示す超音波の波節および波腹のパターンが、組織内において生成される。上記波節および波腹の密度および周期的な空間内の動きによって、組織に対する超音波の作用が均質化される。
本発明者は、超音波処置を空間的に均質化するために上記USWパターンを組織に順に適用することは、比較的非効率的なことがあると判断した。組織の変化(例えば熱傷またはキャビテーションが原因となって生じる細胞の破壊)は、第1のUSWパターンによって第1の周波数で組織の圧力波腹の領域において局所的に発生し、第2の周波数の第2のUSWパターンが自身を確立して組織内において所望の変化を発生させる効率に干渉する可能性がある。本発明の一実施形態にしたがって少なくとも2つの異なる周波数のUSWパターンを同時に適用することによって、所望の変化が組織全体にわたってほぼ断熱的に空間的に均質化されて発生する。この結果、上記少なくとも2つのUSWパターンのすべてが、組織内において比較的効率よく確立され、組織に対して比較的均質化された処置を実施する際に効果的である。
本発明の一部の実施形態の態様は、超音波エネルギーを供給して組織領域を処置するために使用する音響変換器に、該組織領域をカプリングする方法の提供に関する。
本発明の一実施形態では、上記方法は、組織群を真空を用いて容器内へ引き込み、引き込まれた組織を機械的に変形させて、組織と、上記容器の壁の中の、または壁に取り付けられた超音波変換器との間の接触面積を増加させることを含む。接触面積を増加させることによって、組織に対する超音波変換器の音響的カプリングが改善される。
本発明者は、組織を超音波で処置するために組織を真空容器内へ引き込む従来の方法では、引き込まれた組織が容器内で取る形状の結果として、組織の比較的大きな表面積が、容器の壁の中の、または壁に取り付けられた超音波変換器に、接触しないと判断した。この形状を変形することによって、引き込まれた組織のより大きな表面が血管壁に押し付けられる。本発明の一実施形態では、組織の変形は、組織が真空によって引き込まれる容器内へ進入する“形状調整器”を組織に押し付けることを含む。
本発明の一部の実施形態の態様によれば、組織を機械的に変形させることは、組織を周期的に変形させることを含む。この周期的な変形によって、組織が、超音波を組織内へ送信する超音波変換器によって生成される超音波強度のパターンに対して相対的に変位する。周期的な変位によって、組織内における超音波の所望の作用の空間的な均質化が向上する。本発明の一部の実施形態では、この周期的な変位は、上記組織の機械的共鳴の近傍周波数、または、これにほぼ等しい周波数で提供される。共鳴周波数では、組織内における超音波場に対して相対的な質点の動きが最大化される傾向があり、したがって、処置の均質化が最大化される傾向がある。
本発明の一部の実施形態の態様は、組織領域を超音波およびRF電場で同時に処置する方法の提供に関する。本発明の一実施形態では、音響変換器が位置合わせされて、時間とともに変化するRF電圧によって励起され、組織領域内において超音波パターンを生成し、その結果、同じRF電圧が、組織内において超音波パターンにほぼ重畳し時間とともに変化するRF場を生成する。このRF場パターンは、組織領域の抵抗が比較的高い部分を優先的に加熱する。この結果、本発明の一実施形態に係る、組織領域内におけるRF場および超音波場の構成は、組織領域に対する相乗的な処置を提供することができる。本発明の一実施形態にしたがって重ね合わされた超音波場およびRF場は、いずれかの場を単独で用いる場合と比較すると、組織領域に対する治療法の提供において相乗的効果を奏し、処置対象である組織に対する比較的高い選択性を示す傾向がある。
例えば、超音波場は、組織領域の一部においてキャビテーションによって細胞を溶解させるように構成されると、キャビテーションを形成した部分の抵抗は、キャビテーションを形成していない周囲の組織に比べて相対的に増加する。この結果、RF場は、組織内のイオンを変位および振動させることによって、キャビテーションを形成した部分を優先的に加熱し、超音波場の破壊作用を増幅する。こうすることによって、超音波は、溶解させる部分にRF電場の効果を集束および局在化する傾向を有し、処置対象である組織と処置対象ではない組織とをより良好に区別する。なお、もう1つの例としては、USW場およびRF場は、どちらも組織領域内において重畳し同じ周波数で励起されるので、USW場およびRF場は領域の加熱時に相乗的に動作し、領域内において、特にUSW場の圧力波腹において、比較的大量の熱を生成する。
本発明の一部の実施形態の態様は、変換器によって生成される高密度のUSW場のために起こり得る熱傷による損傷に抗って、組織領域の皮膚をより良好に保護する、超音波変換器を、組織領域に対向配置する方法の提供に関する。
音響変換器が組織領域内に生成するUSW場は、通常、変換器と組織との境界面において圧力波腹を有する。波腹におけるUSW場の圧力の振幅は増加し、比較的非常に大きな、皮膚を傷つけるほどの、程度になる。本発明の一実施形態では、保護層(以下の記載では“保護バッファ”とも称される)が形成されて、変換器が生成するUSWで処置する対象である組織に、音響変換器をカプリングする。この結果、USWの圧力の振幅は、超音波が該領域に入射する場所に位置する組織の皮膚の表面方向では比較的小さくなる。
本発明の一実施形態によれば、上記保護バッファは、変換器が生成する超音波の波長の約1/4に等しい厚さを有する。インピーダンスマッチングに使用される従来の音響カプラー(このカプラーは通常組織のインピーダンスと変換器のインピーダンスとの積の平方根にほぼ等しいインピーダンスを有する)、超音波変換器、および、組織領域とは異なり、本発明の一実施形態によれば、保護バッファは組織領域のインピーダンスにほぼ等しいインピーダンスを有する。上記バッファは、こうすることによって、USW場の圧力が比較的低い領域(随意的に圧力波腹)を皮膚表面に配置し、皮膚表面を熱傷によって傷つけるUSWの傾向を抑制する。
本発明の一実施形態では、上記保護バッファは、生物学的組織の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有する導電性物質から形成される。音響変換器を励起するために使用する電極が、RF場を処置対象である組織内において生成するために使用される、本発明の一実施形態に係る構成の場合、導電率が、RF場および関連するRF電流を組織内において確立する際の一助となる。さまざまな物質(例えば導電性を有するエポキシ、樹脂、または、シリコーンなど)が、組織の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有し、バッファとして使用可能である。
したがって、本発明の一実施形態にしたがって、組織領域を超音波で処置する方法であって、第1の定常超音波(USW)パターンを該領域内において第1の周波数で生成する工程と、同時に、該領域内において第1のUSWパターンと空間的に重畳する第2のUSWパターンを、該領域内において第1の周波数とは異なる第2の周波数で生成する工程とを含む、方法が提供される。
随意的に、上記第1のUSWパターンおよび第2のUSWパターンを生成する工程は、該組織領域内においてUSWパターンのうちの一方が存在するところでは、それがほぼどこであっても該USWパターンがもう一方のパターンに重畳するように、該パターンを生成する工程を含む。
上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、上記第1のUSWパターンおよび第2のUSWパターンを生成する工程は、随意的に、上記組織領域を挟んで互いに対向する2つの超音波変換器を第1の周波数および第2の周波数で同時に励起する工程を含む。随意的に、上記第1の周波数および第2の周波数は、上記組織領域内における音速および上記変換器間の距離によって決まる共鳴周波数である。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、上記方法は、上記変換器が上記第1の共鳴周波数および第2の共鳴周波数にほぼ等しい共鳴周波数を有するように、変換器を位置合わせする工程を含む。
本発明の一実施形態では、上記方法は、超音波が上記組織領域に入射する場所に位置する皮膚に沿った方向のUSWの圧力の振幅が比較的小さくなるように、ある変換器と皮膚との間に物質層を挟持する工程を含む。
本発明の一実施形態によれば、組織領域を超音波で処置する方法であって、定常超音波(USW)を該組織領域内に生成するために、超音波が皮膚を通って伝送されるよう超音波変換器を励起する工程と、超音波が該組織領域に入射する場所に位置する皮膚に沿った方向での該USWの圧力の振幅が、比較的小さくなるように、該変換器と皮膚との間に物質層を挟持する工程とを含む、方法がさらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記層は上記組織領域の音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスを有する。
本発明の一実施形態では、上記層の厚さは、上記組織領域内において変換器が送信する超音波の波長の1/4にほぼ等しい。
本発明の一実施形態では、上記変換器は、変換器を励起してUSWパターンを生成するための電極を備え、該変換器の同じ電極に電流を流して上記USWパターンを生成し、同時に、USWパターンに重なる電場を上記領域内において生成する。
本発明の一実施形態によれば、患者の組織領域を処置する方法であって、電極を有する少なくとも2つの超音波変換器を患者の皮膚にカプリングする工程と、超音波パターンが該組織領域内において生成するよう、変換器を励起するために該変換器の電極に電流を流す工程と、を含み、上記電流を流している電極の電圧が、同時に、超音波パターンに重なる電場を上記領域内において生成する、方法がさらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記電場はRF場である。
本発明の一実施形態では、上記方法は、上記超音波変換器を容器内に取り付ける工程と、上記組織領域を真空を用いて容器内へ引き込む工程と、この引き込まれた組織領域を変形させて該領域の変換器へのカプリングを改善する工程と、を含む。
本発明の一実施形態によれば、皮膚領域の下に位置する組織領域を超音波変換器にカプリングする方法であって、超音波変換器を備えた容器を準備する工程と、該組織領域を真空を用いて容器内へ引き込む工程と、該変換器に対向する皮膚の面積を増加させるために該引き込まれた組織領域を変形させる工程と、を含む方法がさらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、変形させる工程は、上記領域に機械的な力を印加する工程を含む。随意的に、力を印加する工程は、上記組織領域に力を機械的に印加する工程を含む。
本発明の一実施形態では、上記方法は上記組織領域を周期的に変形させる工程を含む。随意的に、周期的変形は上記組織領域の共鳴周波数で変形させる工程を含む。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、周期的変形は、上記組織領域の緩和時間によって決まる周波数で変形させる工程を含む。
本発明の一実施形態によれば、皮膚の下に位置する組織領域を超音波で処置するための装置であって、該皮膚にカプリングされる少なくとも1つの変換器と、該少なくとも1つの変換器を励起して第1の定常超音波(USW)パターンを該組織領域内において第1の周波数で生成し、同時に、第1のUSWパターンと空間的に重畳する第2のUSWパターンを、該領域内において第1の周波数とは異なる第2の周波数で生成するように構成された電源と、を備えている装置がさらに提供される。随意的に、上記第1のパターンおよび第2のパターンは互いにほぼ完全に重畳する。
上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記少なくとも1つの超音波変換器は、上記組織領域を挟んで互いに対向する2つの超音波変換器を備えている。随意的に、上記第1の周波数および第2の周波数は、上記組織領域内における音速および上記変換器間の距離によって決まる共鳴周波数である。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記変換器は上記第1の共鳴周波数および第2の共鳴周波数にほぼ等しい共鳴周波数を有する。
本発明の一実施形態では、上記装置は、上記USWの、皮膚に沿った方向の圧力の振幅が比較的小さくなるように、上記少なくとも1つの変換器のうちの一方の変換器とUSWを位置合わせする皮膚との間に挟持される物質層を備えている。
本発明の一実施形態によれば、皮膚の下に位置する組織領域を超音波で処置するための装置であって、定常超音波(USW)を該組織領域内において生成するために、超音波を皮膚を通るように送信する超音波変換器と、皮膚に沿った方向の該USWの圧力の振幅が比較的小さくなるように、該変換器とUSWを位置合わせする皮膚との間に挟持される物質層と、を備えている装置が、さらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記層は上記組織領域の音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスを有する。
本発明の一実施形態では、上記層の厚さは、上記組織領域内において変換器が送信する超音波の波長の1/4にほぼ等しい。
本発明の一実施形態では、上記変換器は、変換器を励起してUSWパターンを生成するための電極を備え、
該変換器の電極に電流を流して上記USWパターンを生成するための電源を備え、
上記電流を流している電極は、同時に、USWパターンに重なる電場を上記領域内において生成する。
該変換器の電極に電流を流して上記USWパターンを生成するための電源を備え、
上記電流を流している電極は、同時に、USWパターンに重なる電場を上記領域内において生成する。
本発明の一実施形態によれば、皮膚の下に位置する組織領域を超音波で処置するための装置であって、自身を励起して超音波を該組織領域内において生成するための電極を有する、少なくとも2つの超音波変換器と、該電極に電流を流して変換器を励起し、超音波パターンを該組織領域内において生成する電源と、を備え、上記電流を流している電極は、同時に、USWパターンに重なる電場を上記領域内において生成する、装置がさらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記電場はRF場である。
本発明の一実施形態では、上記装置は、上記少なくとも1つの超音波変換器を備えた容器と、上記組織領域をこの容器内へ引き込むために、該容器内に真空を生成する真空ポンプと、上記容器内へ突出し、引き込まれた組織領域を変形させて、該領域の上記少なくとも1つの変換器へのカプリングを改善する部材と、を備えている。
本発明の一実施形態によると、皮膚の下に位置する組織領域を超音波で処置するための装置であって、少なくとも1つの超音波変換器を備えた容器と、上記組織領域をこの容器内へ引き込むために、該容器内に真空を生成する真空ポンプと、上記容器内へ突出し、引き込まれた組織領域を変形させて、該領域の上記少なくとも1つの変換器へのカプリングを改善する部材と、を備えている装置が、さらに提供される。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記部材は、上記組織領域において時間とともに変化する変形が発生するように制御可能である。随意的に、上記時間とともに変化する変形は、上記組織領域の共鳴周波数で発生する周期的な変形を含む。上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、随意的に、上記時間とともに変化する変形は、上記組織領域の緩和時間によって決まる周波数で発生する周期的な変形を含む。
〔図面の簡単な説明〕
次に、本発明の実施形態の非制限的な例について、添付の図面(本段落に続いて列挙する)を参照しながら説明する。複数の図面に図示された同一の構造物、部材、または、部分には、一般に、図示されているすべての図面において同じ参照番号を付す。図面に図示されたコンポーネントおよび特徴の寸法は、記載上の便宜および明確さに合わせて選択され、必ずしも正しい縮尺で図示されているわけではない。
次に、本発明の実施形態の非制限的な例について、添付の図面(本段落に続いて列挙する)を参照しながら説明する。複数の図面に図示された同一の構造物、部材、または、部分には、一般に、図示されているすべての図面において同じ参照番号を付す。図面に図示されたコンポーネントおよび特徴の寸法は、記載上の便宜および明確さに合わせて選択され、必ずしも正しい縮尺で図示されているわけではない。
図1は、先行技術に係る、超音波で処置するために組織領域を位置合わせするための真空容器を備えた超音波装置の斜視断面図を概略的に示している。
図2は、本発明の一実施形態に係る、超音波で処置するために皮膚を保持し位置合わせするための真空容器を備え、組織領域を変形させるための形状調整器を有する、組織領域を処置するための超音波処置装置(UTA: ultrasound treatment apparatus)を概略的に示している。
図3は、本発明の一実施形態に係る、上記装置で処置する対象である組織領域内において定常超音波(USW)を生成するための超音波変換器の構成を備えた、図2に図示したUTAと同様のUTAを概略的に示している。
〔詳細な説明〕
図1は、先行技術に係る、患者を超音波で治療し、かつ、随意的に、患者の組織領域の皮下脂肪組織を溶解させて除去するための超音波装置20の斜視断面図を概略的に示している。図1には、装置20が患者の組織領域40を処置しているところを図示する。
図1は、先行技術に係る、患者を超音波で治療し、かつ、随意的に、患者の組織領域の皮下脂肪組織を溶解させて除去するための超音波装置20の斜視断面図を概略的に示している。図1には、装置20が患者の組織領域40を処置しているところを図示する。
装置20は、排出孔24を有し、超音波変換器30のアレイおよびこの変換器を駆動する適切な電源(図示せず)を備えて構成された真空容器22を備えている。一例として、真空容器22は、容器22の底部の周縁部23にそって配置されて互いに対向する2つの超音波変換器30を備えた、細長いカップ形状の容器である。随意的に、変換器30はほぼ平面状かつ並列になっている。変換器30は一般に、変換器30と皮膚40との間の音響的な不整合を抑制するために、変換器30が生成する超音波の波長の約1/4に等しい厚さの物質でできている整合層32、つまり音響カプラー32で被覆されている。通常、整合層32のインピーダンスは、変換器30のインピーダンスと皮膚組織領域40のインピーダンスとの積の平方根にほぼ等しい。
動作時には、空気が真空容器から排出孔24を介して吸い出され、表皮41、真皮42、および脂肪組織44を有する皮下層43を含む患者の表面組織の組織領域40を引き込み、脂肪組織44を超音波で処置できるように該領域を超音波変換器30間に位置合わせする。組織領域40を引き込んで患者の体から離間させることによって、皮下層43は、脂肪組織44の比較的大部分が、領域40が容器に引き込まれる前の患者の体の皮膚の通常の位置にほぼ平行な層内において変換器30間にくるように、配置される。したがって、脂肪組織44を処置するための超音波を体に入射せず患者の内部器官に悪影響を及ぼさない方向に送信するように、変換器30を制御することが可能である。
ただし、皮膚および組織領域40の下に位置する領域は通常の弾性を有するので、容器22内へ引き込まれた組織領域40は音響カプラー32と連続して密接に接触せず、変換器30と容器内へ引き込まれた皮膚との間の音響的接触は一般には不完全である。この結果、該変換器が生成する超音波を用いた脂肪組織44の処置効率は、あまり高くない。図1は、組織領域40が容器22内へ引き込まれた際にどのように形状を変化させるのかを示す、ガウス型表面(Gaussian surface)を連想させる形状、および、表皮41と整合層32との間の不完全な接触を概略的に示している。
図2は、本発明の一実施形態に係る、超音波処置装置50(UTA)の斜視断面図を概略的に示している。UTA50は、超音波で処置する対象である組織領域40を引き込み保持するための真空容器52、および、超音波を生成するための超音波変換器30のアレイを備えている。
本発明の一実施形態では、変換器30は、保護バッファ層132を介して組織領域40に対向している。保護バッファ132は、変換器30が生成する超音波の波長の約1/4に等しい厚さを有し、組織40の音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスを有する。保護バッファの動作については後述する。随意的に、真空容器52は、先行技術に係る装置20が備える真空容器22の形状と同様の形状を有する。また、超音波変換器30は、先行技術に係る装置について図示した超音波変換器と同様に構成および設置される。
ただし、UTA50は、デバイス、つまり、真空容器52内へ引き込まれた組織の形状を変形させて、引き込まれた組織をバッファ132にほぼ連続して密接に接触させる“形状調整器”を備えている。本発明の一実施形態では、該形状調整器は、開口部53を通って真空容器52内へ突出する幹部62を有する“プランジャー”60を備え、プランジャーヘッド64に取り付けられている。随意的に、幹部62は、気門67を有して構成された管66を備えている。なお、この気門67を介して、空気が容器52から吸い出されて、皮膚を容器内へ引き込むための減圧状態を形成する。該管は開口部53内において封止されて、管と開口部の壁との間を通って空気が漏出すること抑制する。この結果、皮膚を引き込むための適切な減圧状態が容器52内に形成される。矢印68は、容器52から吸い出された空気の流れを概略的に表わしている。随意的に、プランジャーヘッド64は、扁円形の“カボチャ型”部材である。本発明の一部の実施形態では、プランジャー60の位置は固定され、組織40が容器52内へ引き込まれた際に、プランジャーヘッド64が引き込まれた組織を図2に示すように側方に広がってバッファ132と連続して密接に接触するように変形させることができるように配置されている。
本発明の一部の実施形態では、プランジャー60は、“上”および“下”に移動して、プランジャーヘッド64が容器52内へ進入する深さを調節できるように構成されている。随意的に、プランジャーヘッド64は、開口部53内において幹部62をその長さ方向に移動させることによって、上下に移動する。上記幹部と開口部との間からの空気の漏出を適切に抑制した状態で維持するための、開口部53内における幹部62の封止は、当該技術分野において公知であるさまざまな方法および素材のうちのいずれを用いて提供されてもかまわない。例えば、幹部62は、Oリングおよび/または真空グリースの構成を用いて、空気が漏れないように封止されてもかまわない。
なお、本発明の一部の実施形態に係る形状調整器はプランジャー60に限定されるものではなく、本発明の一実施形態に係る形状調整器がプランジャー60とは異なっていてもかまわない。例えば、プランジャー型の形状調整器が円柱形状または環形状のプランジャーヘッドを有していてもかまわない。あるいは、プランジャーヘッドが複数のコンポーネント部材(例えば、真空容器52内へ引き込まれた皮膚に押し付けられる並列シリンダーのアレイ)を備えていてもかまわない。
本発明の一部の実施形態では、プランジャーヘッド64は弾性を有する膜から形成され、プランジャーヘッドの変位は、プランジャーヘッドに気体または液体を充填してプランジャーヘッドを膨張させることによって、または、気体または液体を排出してプランジャーヘッドを収縮させることによって達成される。
本発明の一部の実施形態では、プランジャーヘッド64は、組織領域40に超音波を照射する間繰り返し移動させられて、プランジャーヘッドが組織領域に印加する力を変化させ、こうすることによって、変換器30が送信する超音波に対する質点の相対的な位置を上記領域内において変化させる。本発明の一部の実施形態では、該領域内において質点の位置を変化させるために、真空容器52を適切な周波数で摂動させて、質点の位置を繰り返し変化させる。組織領域40内において質点が空間的にシフトすることによって、組織領域内において超音波の作用を均質化する一助となる。随意的に、プランジャーヘッド64の反復的な動きは、組織領域40の機械的緩和時間および/または共鳴周波数にほぼ等しい周波数で実施される。皮膚組織の機械的共鳴周波数および緩和時間の周波数は、約300Hz〜約10kHzの範囲にある。組織領域40を共鳴周波数で機械的に振動させることによって、組織領域内における質点の動きは比較的大きくなり、例えば組織の加熱などの動きが奏する効果が増幅される傾向がある。組織領域40を緩和時間の周波数で機械的に振動させることによって、組織領域内におけるキャビテーション効果が増幅される。
本発明の一部の実施形態によれば、UTAは、異なる周波数の少なくとも2つの定常超音波(USW)パターンを組織領域内において同時に重ねるように構成された超音波変換器を備えている。図3は、本発明の一実施形態にしたがって、少なくとも2つのUSWパターンを、UTAで処置する対象である組織領域内において重ねるように構成されたUTA70を概略的に示している。
UTA70は、随意的に、本発明の一実施形態にしたがって、組織領域40を引き込んで、超音波変換器130と、組織領域の変換器へのより良好な音響的カプリングを提供するための形状調整器60との間で位置合わせするための、真空容器52を備えている。変換器130は、随意的に、バッファ132を介して組織領域40に対向している。随意的に、真空容器、形状調整器、および、変換器は、図2に図示したUTA50が備える真空容器、形状調整器、および、変換器と同様である。本発明の一実施形態によれば、UTA70は、変換器130を励起し、変換器の間に位置する領域40において重畳する少なくとも2つのUSWパターンを同時に生成するように制御可能な電源72を備えている。電源72は、電極131にカプリングされ、また、後述するように例えば交流2つの周波数fnおよびfn+2で供給している状態が概略的に図示されている。なお、該電極131には、変換器130を励起するために電源から電流が流されている。図面中では電源72が一方の群の電極131に周波数fnを供給し、もう一方の群の電極に周波数fn+2を供給しているように見えるが、一般には、適宜振幅変調された交流電圧を電極に印加することによって、両方の周波数が両方の群の電極に同時に供給される。本発明の一部の実施形態では、交流電圧がパルスの形態で供給される。
本発明の一実施形態によれば、電源72は、2つの定常波パターンを、随意的に、比較的近い共鳴周波数で生成するように、変換器130を制御する。本発明者は、少なくとも2つの定常波パターンを組織領域内において比較的近い共鳴周波数で重ね合わせることによって、該組織内において位置が周期的にシフトする比較的高い密度の波節および波腹パターンが、上記2つのUSWパターンの周波数の差のほぼ半分に等しい比較的低い周波数で生成されると判断した。上記波節および波腹の周期的な空間内の動きによって、組織に対する超音波の作用が均質化される。共鳴周波数での動作によって、組織内において比較的高密度のUSWパターンを形成することが可能になる。なお、皮膚を保護するためにパターンが共鳴周波数ではない周波数で生成される、超音波の定常波パターンを用いる先行技術の方法、とは異なり、本発明の一実施形態に係るバッファ132の使用は、USWパターンを共鳴周波数で皮膚に対して安全に生成することを可能にする。
本発明の一部の実施形態では、組織内におけるUSWパターンの作用を強化するために、上記2つのUSWパターンの周波数の差が、組織成分の緩和時間または共鳴周波数に応じて決定される。例えば、上記周波数は、随意的に、組織の緩和時間によって特徴付けられる、上記USWのうちの一方によって組織内において形成される微小気泡の個数の減少率が、もう一方のUSWパターンの作用によって遅くなるように決定される。本発明の一実施形態に係る両方のUSWパターンによる二重効果によって、組織内におけるキャビテーションが促進される。
ある任意の離間距離を有する2つの境界面の間に定常波パターンを確立するためには、定常波を確立する進行波の波長が、この任意の距離が進行波の半波長の整数倍nでなければならないという制約を満足することが、要求される。変換器130間の距離をDとし、定常波を組織領域40内において生成するために変換器が生成する進行超音波の波長をλnとすると、上記制約は、D=nλn/2と表わされる。組織内における音速をcとすれば、上記制約は、進行波の周波数fnを用いて、fn=nc/2Dと書くことができる。
各変換器30は、入射する音波に対してほぼ剛体反射体として動作する。この結果、変換器30に入射する音波の反射の変位ベクトル(慣習的には“s”ベクトルまたは波と呼ぶ)が、変換器面において、同面における波の入射の変位ベクトルと180°位相がずれており、また、反射波の圧力ベクトルは入射波圧力ベクトルと同位相である。したがって、組織領域40内の変換器130が生成する定常波パターンの場合には、パターンは各変換器30において圧力波腹を有し、変換器から約1/4λに等しい距離離れた位置において圧力波節を有する。本発明の一実施形態によれば、保護バッファ132は、変換器30における圧力波腹を組織領域40の皮膚41から変位させ、“λ/4圧力波節”を皮膚表面に配置するように動作する。こうすることによって、保護バッファは、一般にはUSWパターンにおいて発生する大きな圧力による損傷から、皮膚を保護する。なお、奇数番目の周波数fnの場合には、f1について波節を皮膚表面に配置するように保護バッファを構成すれば、保護バッファはその他のすべての奇数番目の周波数についても波節を皮膚表面に配置する。説明の便宜上、音波の位相または大きさに関する記載は、特に明記しないかぎり、波の圧力ベクトルに言及しているのであって、波の変位ベクトルに言及しているのではない。
変換器30において変位ベクトルの位相が逆転するので、変換器30間に定常音波を確立し維持するためには、本発明の一実施形態によれば、式D=nλn/2中のnが奇数である場合、両変換器130は電源72によって同相で駆動され、nが偶数である場合、両変換器は180°位相がずれて駆動される。また、本発明の一実施形態によれば、2つの定常波パターンを異なる周波数で確立するためには、一方の周波数がfn=nc/2Dであれば、もう一方の周波数はfn+2=(n+m2)c/2Dである(mは整数であり、随意的にm=1である)。
本発明の一部の実施形態では、変換器130の自然共鳴周波数が、上記変換器および組織領域40を備えたシステムの共鳴周波数にほぼ一致するように調整されている。例えば、変換器130は、一般に奇数次の高調波(例えば変換器の第1次、第3次、第5次などの調和振動周波数)で励起されて超音波を生成する。通常第1次および第3次高調波が励起される。本発明の一実施形態では、変換器は、組織領域の共鳴周波数および変換器間の間隙Dにほぼ一致するように構成される。
図3では、変換器130および電源72は、周波数fn=nc/2Dおよびfn+1=(n+2)c/2Dについて組織40内において定常波を生成するように構成されていることが、示されている。一例として、図面中では、fn=f8、および、fn+1=f10である。変換器130が周波数f8およびf10で生成する定常波が、波の圧力を表わす実線80および破線82によってそれぞれ概略的に表わされている。定常波80および82の圧力波腹の位置は、白丸84および黒丸86によってそれぞれ概略的に示されている。なお、変換器130にもっとも近い圧力波節は、ほぼ皮膚41の表面に配置されており、こうすることによって、皮膚を“圧力熱傷”から保護している。
随意的に、定常波80および82を生成するために、電源72は、上記変換器130のうちの第1の変換器を励起して超音波を周波数fnで送信させ、上記変換器30のうちの第2の変換器を励起して超音波を周波数fn+2で送信させる。第2の変換器および第1の変換器130からそれぞれ送信された超音波の反射波は、送信波と重なって定常波80および82を生成する。本発明の一部の実施形態では、各変換器30が励起されて、もう一方の変換器130に向かって超音波を、fnおよびfn+2の両方の周波数で送信する。逆方向に伝播する送信波は、重なって定常波80および82を生成する。
重ねられた定常波80および82は、次式によって表わされる、圧力波節および圧力波腹のシフトする“USW”パターンを形成する。
(1) A(x,t)=2Acos(kox)cos(Δkx/2)cos(Δωt/2)cos(ωot)+2Asin(kox)sin(Δkx/2)sin(Δωt/2)sin(ωot)
上記の式において、A(x,t)は、変換器130間の座標xおよび時刻tにおける超音波の振幅である。また、ko=(π/λn+π/λn+1)、Δk=|(π/λn−π/λn+1)|、ωo=(πfn+πfn+1)、Δω=|(πfn−πfn+1)|である。組織領域40および変換器130が共鳴状態にある場合の振幅A(x,t)の増大は、式(1)によって表わされていない。変換器130を励起することによって生成される、組織領域40内においてUSWパターンに蓄積される音響エネルギーの増加によって、A(x,t)は4QAにほぼ等しい最大値を有すると考えられる。ただし、Qは、組織および変換器30内における音響エネルギーの散逸速度によって特徴付けられる振幅増大係数である。脂肪組織および超音波処置装置UTAの場合、本発明の一実施形態にしたがって、UTA70と同様に、係数Qは10〜20の比較的大きな値を取る。
(1) A(x,t)=2Acos(kox)cos(Δkx/2)cos(Δωt/2)cos(ωot)+2Asin(kox)sin(Δkx/2)sin(Δωt/2)sin(ωot)
上記の式において、A(x,t)は、変換器130間の座標xおよび時刻tにおける超音波の振幅である。また、ko=(π/λn+π/λn+1)、Δk=|(π/λn−π/λn+1)|、ωo=(πfn+πfn+1)、Δω=|(πfn−πfn+1)|である。組織領域40および変換器130が共鳴状態にある場合の振幅A(x,t)の増大は、式(1)によって表わされていない。変換器130を励起することによって生成される、組織領域40内においてUSWパターンに蓄積される音響エネルギーの増加によって、A(x,t)は4QAにほぼ等しい最大値を有すると考えられる。ただし、Qは、組織および変換器30内における音響エネルギーの散逸速度によって特徴付けられる振幅増大係数である。脂肪組織および超音波処置装置UTAの場合、本発明の一実施形態にしたがって、UTA70と同様に、係数Qは10〜20の比較的大きな値を取る。
式(1)および図3から、重ねられた定常波80および82は、波節および波腹を交互に有する比較的高い密度の定常超音波のパターンを、変換器130間の組織領域40内において生成することがわかる。隣接する波腹における超音波の振幅A(x,t)は、ほぼゼロと、空間“エンベロープ”関数cos(Δkx)およびsin(Δkx)の値によって決まる最大値との間で、周波数Δω/2および位相が90°ずれた状態で、調和を保ちながらゆっくりと周期的に変化する。したがって、重畳した定常波パターン80および82は重なって、組織内において比較的低い周波数(つまりΔωであり、上記2つのUSWパターンの周波数の差にほぼ等しい)で位置が周期的にシフトする超音波の波節および波腹パターンを生成する。波節および波腹の周期的な空間内の動きによって、組織に対する超音波の作用が均質化される。
数値例として、変換器130間の距離Dを30mm、n=8、および、n+1=10とする。脂肪組織内における音速は約1,500m/sである。このとき、fn=200kHz、λn=約7、5mm、fn+1=250kHz、および、λn=6mmである。定常波80および82の波腹および波節は、約25kHzの周波数(Δω/2(式1を参照))で調和を保ちながら周期的に変化する。また、空間エンベロープ関数は、空間周波数(Δk/2、約π/60mm−1に等しい)、および、約19mmに等しい空間周期を有する。なお、図3の数値および詳細は概略的なものであって、理想的な構成について示されている。また、実施の際には、与えられた値および図示された音響パターンが、示されている値およびパターンとは異なることもあり得る。
本発明の一部の実施形態では、図3の場合について図示された一例として、周波数fnおよびfn+2のnは偶数である。本発明の一実施形態によれば、このような周波数の場合、変換器130は、位相が180°ずれて駆動される。この結果、組織領域40を挟んで互いに対向する変換器電極131は逆極性を有し、変換器130を励起するために使用される交流電力と同じ周波数で組織領域内において交流電場を生成する。本発明の一実施形態では、電源72および変換器130は、変換器130を駆動するために使用される電圧の周波数および振幅が組織領域内において所望のRF場を提供するように構成される。上述のように、同じ電極を使用して、変換器130を励起しRF場を生成しているので、RF場は、変換器130が生成する超音波パターンに組織内においてほぼ重なる。したがって、RF場および音響場による組織領域40の相乗的な処置が促進される。
例えば、RF場のパターンは、組織領域40の抵抗が比較的高い部分を優先的に加熱する。変換器130が生成する超音波場が、組織領域40の皮下層43内における脂肪組織44をキャビテーションによって溶解させるように構成されれば、キャビテーションを形成した部分の抵抗は、キャビテーションを形成していない周囲の組織に比べて相対的に増加する。この結果、RF場は、キャビテーションを形成した脂肪組織領域44を優先的に加熱し、脂肪組織に対する超音波場の破壊作用を増幅し、該作用を脂肪組織に局在化する傾向を有する。こうすることによって、超音波は、溶解させる部分にRF電場の効果を集束および局在化する傾向を有し、UTA70が提供する治療法をさらに際立たせる。
なお、組織領域40を挟んで互いに対向する電極131および組織領域は、電極間で生成される電圧に対して、主に容量性の複素電気インピーダンスを形成する。本発明の一実施形態によれば、複素インピーダンスの変化は、電極間に印加される電圧を用いてモニターされる。この複素インピーダンスの変化は、随意的に、UTA70が生成する場で組織領域を処置することによって生じる組織領域40の変化をモニターおよび制御するために使用される。また、本発明の一実施形態にしたがってUSWを複数の周波数で同時に使用して組織領域を処置することは、比較的、自己制限的になる。USWは、組織領域内において相当な加熱を実施および/またはキャビテーションを生成すると、“自己消滅”する傾向を有する。上記加熱および/またはキャビテーションによって、USWを生成するために使用される進行音波を大きく弱音化する程度にまで、組織領域内における音波減衰が激しくなる。上記加熱および/またはキャビテーションによって、さらに組織領域内において音速が変化し、次に、音速の変化によって、組織系および変換器が共鳴しなくなり、また、領域内におけるUSWの振幅が大幅に減少する。
USW場およびRF場を組織に適用することについて、一例として、並列かつ平面状の音響変換器および該変換器の電極を備えたUTAを用いて記載してきたが、本発明は、並列かつ平面状の変換器を備えた構成に限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態に係るUTAは円柱形状を備えてもよく、随意的に、電力の救急を受けて重畳するUSWを組織領域内において生成する単一の円柱状変換器を備えても構わない。ただし、このような構成の場合には、波の周波数が周波数fn(nは奇数)に限定される。nが具数である周波数を生成する場合には、単一の変換器ではなく、複数の独立して駆動される変換器が使用されてもよい。
本願の明細書および請求項において、“備える”、“含む”、および、“有する”という各動詞およびその活用形が使用される場合、該動詞の目的語が、必ずしも、動詞の対象となる部材、コンポーネント、要素、または、部分の網羅的なリストになってはいないことが、示唆される。
本発明について本発明の実施形態を参照しながら記載してきたが、これらの実施形態は例示にすぎず本発明の技術的範囲を限定する意図はない。記載した実施形態は異なる特徴を備えているが、これらの特徴はすべてが本発明のどの実施形態においても要求されるわけではない。本発明の一部の実施形態は一部の特徴だけ、または、特徴の可能な組み合わせだけを使用する。当業者であれば、記載した実施形態において言及した特徴の組み合わせとは異なる特徴の組み合わせを備えた、記載した発明の実施形態の変形例および本発明の実施形態に想達する。本発明の技術的範囲は以下の請求項によってのみ限定される。
〔関連出願件に関する記述〕 本願は、米国特許仮出願第61/187,407号明細書(出願日2009年6月16日)に基づいて優先権の特典を主張し、該特許仮出願は全て参照されてここに引用されるものとする。
Claims (22)
- 皮膚の下に位置する組織領域を、皮膚表面を介して該組織に入射する超音波で処置するための装置であって、
該組織は組織音響インピーダンスにより特徴付けられるものであり、
a)少なくとも1つの超音波変換器と、
b)上記少なくとも1つの超音波変換器を同時に励起して、第1の定常超音波(USW)の波節および波腹パターンを第1の周波数f1で生成し、かつ、該組織領域内において上記第1のUSWパターンと完全に空間的に重畳する第2のUSWの波節および波腹パターンを、f1とは異なる第2の周波数f2で生成するように構成された電源と、
c)上記少なくとも1つの超音波変換器と皮膚との間に挟持され、上記少なくとも1つの超音波変換器によって生成された超音波の波長の1/4に等しい厚さと、上記組織音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスとを有し、皮膚の表面方向に沿ってUSWの圧力波節を位置合わせするのに用いられ、その結果、皮膚の表面の損傷を低減する、保護バッファ層と、
を備えている装置。 - 上記少なくとも1つの超音波変換器が、ほぼ円柱状であって直径がDである単一の超音波変換器を備えている、請求項1に記載の装置。
- 上記少なくとも1つの超音波変換器は、上記組織領域を挟んで互いに対向し間隙Dによって離間した2つの超音波変換器を備え、当該2つの超音波変換器は、上記第1のUSWパターンを上記第1の周波数f1で生成するための第1の超音波変換器と、上記第2のパターンを上記第2の周波数f2で生成するための第2の超音波変換器と、である請求項1に記載の装置。
- f1およびf2が、上記組織領域内における音速、および変換器の内部間隙つまり直径D、によって決まる共鳴周波数である請求項1に記載の装置。
- さらに、
d)上記少なくとも1つの超音波変換器を備えた容器と、
e)上記組織領域を上記容器内へ引き込むために、該容器内を真空にする真空ポンプと、
f)引き込まれた上記組織領域を変形させて該組織領域を少なくとも1つの超音波変換器にカプリングする形状調整部材と、を備えている請求項2に記載の装置。 - 上記形状調整部材は、上記組織領域内における上記生成されたUSWパターンに対する質点の相対的な位置を変化させるように構成されている、上記容器内へ突出する突出部材を備えている請求項5に記載の装置。
- さらに、
d)上記2つの超音波変換器を備えた容器と、
e)上記組織領域を上記容器内へ引き込むために、該容器内を真空にする真空ポンプと、
f)引き込まれた上記組織領域を変形させて該組織領域の各超音波変換器へのカプリングを改善する形状調整部材と、を備えている請求項2に記載の装置。 - 上記形状調整部材は、上記組織領域内における上記生成されたUSWパターンに対する質点の相対的な位置を変化させるように構成されている、上記容器内へ突出する突出部材を備えている請求項7に記載の装置。
- 上記保護バッファ層が導電性を有し、
各超音波変換器が上記電源によって電流を流される電極を備え、
上記電源が、上記USWパターンの生成と同時に、該USWパターンに重なる電場を上記組織領域内において生成するようにさらに動作する、請求項8に記載の装置。 - 上記電場が高周波場である、請求項9に記載の装置。
- 皮膚の下に位置する組織領域を、皮膚表面を介して該組織に入射する超音波で処置する方法であって、
該組織は組織音響インピーダンスにより特徴付けられるものであり、
a)上記組織領域内において、第1の定常超音波(USW)の圧力波節および圧力波腹を有するパターンを第1の周波数f1で生成し、同時に、該組織領域内において、上記第1のUSWパターンと完全に空間的に重畳する第2のUSWの圧力波節および圧力波腹を有するパターンをf1とは異なる第2の周波数f2で生成するステップと、
b)上記少なくとも1つの超音波変換器によって生成された超音波の波長の1/4に等しい厚さと、該組織音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスとを有する保護バッファ層を用いて、皮膚の表面方向にUSWの圧力波節を位置合わせし、その結果、皮膚表面の損傷を低減するステップと、を含む方法。 - 上記同時の生成ステップは、ほぼ円柱状であって直径がDである単一の超音波変換器を用いて、上記第1および第2のUSWパターンを、それぞれ、第1および第2の周波数で生成することを含む、請求項11に記載の方法。
- 上記同時の生成ステップは、上記組織領域を挟んで互いに対向し間隙Dによって離間した2つの超音波変換器を用いることを含み、上記2つの超音波変換器は、第1のUSWパターンを上記第1の周波数で生成するための第1の超音波変換器と、上記第2のパターンを上記第2の周波数生成するための第2の超音波変換器と、である請求項11に記載の方法。
- f1およびf2が、上記組織領域内における音速、および変換器の内部間隙つまり直径D、によって決まる共鳴周波数である、請求項11に記載の方法。
- さらに、
d)上記ほぼ円柱状の単一の超音波変換器を備えた容器を準備するステップと、
e)上記容器に真空を印加することによって、上記組織領域を該容器内へ引き込むステップと、
f)引き込まれた上記組織領域を変形させて、該組織領域を超音波変換器にカプリングするステップと、含む請求項12に記載の方法。 - 上記変形が、上記組織領域内における上記生成されたUSWパターンに対する質点の相対的な位置を変化させるように構成された、上記容器内へ突出する突出部材を備えた形状調整部材を用いて実施される、請求項15に記載の方法。
- さらに、
d)上記2つの超音波変換器を備えた容器を準備するステップと、
e)上記容器に真空を印加することによって、上記組織領域を該容器内へ引き込むステップと、
f)引き込まれた上記組織領域を変形させて、該組織領域を2つの超音波変換器にカプリングするステップと、を含む請求項13に記載の方法。 - 上記変形が、上記組織領域内における上記生成されたUSWパターンに対する質点の相対的な位置を変化させるように構成された、上記容器内へ突出する突出部材を備えた形状調整部材を用いて実施される、請求項17に記載の方法。
- 上記保護バッファ層が導電性を有し、
上記2つの超音波変換器が上記電源によって電流を流される電極を備え、
上記電源が、上記USWパターンの生成と同時に、該USWパターンに重なる電場を上記組織領域内において生成するようにさらに動作する、請求項17に記載の方法。 - 上記電場が高周波場である、請求項19に記載の方法。
- 皮膚の下に位置する組織領域を、皮膚表面を介して該組織に入射する超音波で処置する方法であって、
該組織が組織音響インピーダンスを有することを特徴とし、
a)少なくとも1つの超音波変換器を準備するステップと、
b)上記少なくとも1つの超音波変換器を励起し、該組織領域内において、第1の定常超音波(USW)の圧力波節および圧力波腹を有するパターンを第1の周波数f1で生成し、同時に、該組織領域内においてこの第1のUSWパターンと完全に空間的に重畳する第2のUSWの圧力波節および圧力波腹を有するパターンをf1とは異なる第2の周波数f2で生成するステップと、を含み、
f1およびf2が、上記組織領域内における音速、および変換器の内部間隙つまり直径D、によって決まる共鳴周波数であり、
これら2つの共鳴周波数が、空間的に重畳する上記USWパターンを周波数f1とf2との差にほぼ等しい周波数で組織領域にわたって周期的にシフトさせるように選択され、
こうすることによって、これらの周期的にシフトするUSWパターンが均質な組織処置を提供する、方法。 - c)上記少なくとも1つの超音波変換器によって生成された超音波の波長の1/4に等しい厚さと、該組織音響インピーダンスにほぼ等しい音響インピーダンスとを有する保護バッファ層を用いて、皮膚の表面方向にUSWの圧力波節を位置合わせし、その結果、皮膚表面の損傷を低減するステップを、さらに含む請求項21に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US18740709P | 2009-06-16 | 2009-06-16 | |
US61/187,407 | 2009-06-16 | ||
PCT/IB2010/052624 WO2010146515A2 (en) | 2009-06-16 | 2010-06-12 | Moving standing waves |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012529959A true JP2012529959A (ja) | 2012-11-29 |
Family
ID=43037195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012515600A Pending JP2012529959A (ja) | 2009-06-16 | 2010-06-12 | 移動する定常波 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120123304A1 (ja) |
EP (1) | EP2442869A2 (ja) |
JP (1) | JP2012529959A (ja) |
KR (1) | KR20120036871A (ja) |
CN (1) | CN102481459A (ja) |
IL (1) | IL216950A0 (ja) |
WO (1) | WO2010146515A2 (ja) |
Families Citing this family (31)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8535228B2 (en) | 2004-10-06 | 2013-09-17 | Guided Therapy Systems, Llc | Method and system for noninvasive face lifts and deep tissue tightening |
US10864385B2 (en) | 2004-09-24 | 2020-12-15 | Guided Therapy Systems, Llc | Rejuvenating skin by heating tissue for cosmetic treatment of the face and body |
US8444562B2 (en) | 2004-10-06 | 2013-05-21 | Guided Therapy Systems, Llc | System and method for treating muscle, tendon, ligament and cartilage tissue |
US11883688B2 (en) | 2004-10-06 | 2024-01-30 | Guided Therapy Systems, Llc | Energy based fat reduction |
US8133180B2 (en) | 2004-10-06 | 2012-03-13 | Guided Therapy Systems, L.L.C. | Method and system for treating cellulite |
US20060111744A1 (en) | 2004-10-13 | 2006-05-25 | Guided Therapy Systems, L.L.C. | Method and system for treatment of sweat glands |
ES2747361T3 (es) | 2004-10-06 | 2020-03-10 | Guided Therapy Systems Llc | Procedimiento para la mejora cosmética no invasiva de la celulitis |
US8690778B2 (en) | 2004-10-06 | 2014-04-08 | Guided Therapy Systems, Llc | Energy-based tissue tightening |
US11235179B2 (en) | 2004-10-06 | 2022-02-01 | Guided Therapy Systems, Llc | Energy based skin gland treatment |
US9827449B2 (en) | 2004-10-06 | 2017-11-28 | Guided Therapy Systems, L.L.C. | Systems for treating skin laxity |
KR20110091828A (ko) | 2004-10-06 | 2011-08-12 | 가이디드 테라피 시스템스, 엘.엘.씨. | 미용 초음파 치료 시스템 |
US9694212B2 (en) | 2004-10-06 | 2017-07-04 | Guided Therapy Systems, Llc | Method and system for ultrasound treatment of skin |
US11207548B2 (en) | 2004-10-07 | 2021-12-28 | Guided Therapy Systems, L.L.C. | Ultrasound probe for treating skin laxity |
US11724133B2 (en) | 2004-10-07 | 2023-08-15 | Guided Therapy Systems, Llc | Ultrasound probe for treatment of skin |
KR20110020293A (ko) | 2008-06-06 | 2011-03-02 | 얼테라, 인크 | 코스메틱 치료 및 이미징 시스템 및 방법 |
EP2382010A4 (en) | 2008-12-24 | 2014-05-14 | Guided Therapy Systems Llc | METHOD AND SYSTEMS FOR FAT REDUCTION AND / OR TREATMENT OF CELLULITE |
US8668647B2 (en) * | 2010-10-15 | 2014-03-11 | The University Of British Columbia | Bandpass sampling for elastography |
KR101905237B1 (ko) | 2012-01-11 | 2018-10-05 | 시네론 메디컬 리미티드 | 큰 면적의 신체를 성형하는 애플리케이터 |
US9510802B2 (en) | 2012-09-21 | 2016-12-06 | Guided Therapy Systems, Llc | Reflective ultrasound technology for dermatological treatments |
CN113648551A (zh) | 2013-03-08 | 2021-11-16 | 奥赛拉公司 | 用于多焦点超声治疗的装置和方法 |
US9555267B2 (en) * | 2014-02-17 | 2017-01-31 | Moshe Ein-Gal | Direct contact shockwave transducer |
EP3131630B1 (en) | 2014-04-18 | 2023-11-29 | Ulthera, Inc. | Band transducer ultrasound therapy |
WO2016143921A1 (ko) * | 2015-03-11 | 2016-09-15 | 알피니언메디칼시스템 주식회사 | 고강도 집속 초음파 치료헤드 |
FI3405294T3 (fi) | 2016-01-18 | 2023-03-23 | Ulthera Inc | Pienikokoinen ultraäänilaite, jossa on renkaan muotoinen ultraääniryhmä, joka on yhdistetty sähköisesti reunalle taipuisaan piirilevyyn |
DK3981466T3 (da) | 2016-08-16 | 2023-10-09 | Ulthera Inc | Systemer og fremgangsmåder til kosmetisk ultralydsbehandling af hud |
US10959674B2 (en) | 2017-10-23 | 2021-03-30 | Datafeel Inc. | Communication devices, methods, and systems |
WO2019164836A1 (en) | 2018-02-20 | 2019-08-29 | Ulthera, Inc. | Systems and methods for combined cosmetic treatment of cellulite with ultrasound |
WO2020036351A1 (ko) * | 2018-08-13 | 2020-02-20 | (주) 내츄럴웰테크 | 파동 중첩형 생체자극용 미세전류 생성방법 |
EP4236800A1 (en) | 2020-10-30 | 2023-09-06 | DataFeel Inc. | Wearable data communication apparatus, kits, methods, and systems |
KR102456720B1 (ko) * | 2021-04-30 | 2022-10-19 | 조대희 | 초음파 발생장치 |
CN113243988B (zh) * | 2021-06-24 | 2022-11-18 | 北京东方略生物医药科技股份有限公司 | 微波消融装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5664570A (en) * | 1996-02-20 | 1997-09-09 | Svc | Apparatus for applying high-intensity ultrasonic waves to a target volume within a human or animal body |
US6506171B1 (en) | 2000-07-27 | 2003-01-14 | Insightec-Txsonics, Ltd | System and methods for controlling distribution of acoustic energy around a focal point using a focused ultrasound system |
US6607498B2 (en) * | 2001-01-03 | 2003-08-19 | Uitra Shape, Inc. | Method and apparatus for non-invasive body contouring by lysing adipose tissue |
EP1699360A4 (en) | 2003-12-30 | 2009-05-06 | Liposonix Inc | COMPOUND ULTRASONIC TRANSDUCER |
US20090099485A1 (en) | 2007-10-16 | 2009-04-16 | Sarvazyan Armen P | Ultrasound standing wave method and apparatus for tissue treatment |
-
2010
- 2010-06-12 CN CN2010800357841A patent/CN102481459A/zh active Pending
- 2010-06-12 EP EP10757829A patent/EP2442869A2/en not_active Withdrawn
- 2010-06-12 US US13/377,561 patent/US20120123304A1/en not_active Abandoned
- 2010-06-12 KR KR1020117030382A patent/KR20120036871A/ko not_active Application Discontinuation
- 2010-06-12 JP JP2012515600A patent/JP2012529959A/ja active Pending
- 2010-06-12 WO PCT/IB2010/052624 patent/WO2010146515A2/en active Application Filing
-
2011
- 2011-12-13 IL IL216950A patent/IL216950A0/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
IL216950A0 (en) | 2012-02-29 |
KR20120036871A (ko) | 2012-04-18 |
CN102481459A (zh) | 2012-05-30 |
EP2442869A2 (en) | 2012-04-25 |
WO2010146515A3 (en) | 2011-05-05 |
US20120123304A1 (en) | 2012-05-17 |
WO2010146515A2 (en) | 2010-12-23 |
WO2010146515A4 (en) | 2011-06-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012529959A (ja) | 移動する定常波 | |
KR102346814B1 (ko) | 소노트로드 | |
US9314650B2 (en) | Method and apparatus for treatment of adipose tissue | |
US20090171255A1 (en) | Apparatus and method for ultrasound treatment | |
JP5485967B2 (ja) | 複合超音波処置の方法とシステム | |
US8162858B2 (en) | Ultrasonic medical treatment device with variable focal zone | |
US20110178541A1 (en) | Virtual ultrasonic scissors | |
EP3099379B1 (en) | Therapeutic ultrasound apparatus | |
US20090270891A1 (en) | Balanced ultrasonic curved blade | |
JPH07184907A (ja) | 超音波治療装置 | |
JP5541946B2 (ja) | 超音波治療装置 | |
Firouzi et al. | Efficient transcranial ultrasound delivery via excitation of lamb waves: Concept and preliminary results | |
US20130245444A1 (en) | Synchronously pumped ultrasonic waves and shear wave generation by same | |
KR101259381B1 (ko) | 고강도 집속 초음파용 어플리케이터 | |
US20140012300A1 (en) | Ultrasonic Wave Generator and Method of Lipolysis | |
Rybyanets | New dynamical focusing method for HIFU therapeutic applications | |
US20200330114A1 (en) | Therapeutic ultrasonic device and the use thereof | |
Adams et al. | A miniature HIFU excitation scheme to eliminate switching-induced grating lobes and nullify hard tissue attenuation | |
TWI651109B (zh) | 治療型超音波裝置及其用途 | |
Morrison et al. | High intensity ultrasound transducer used in gene transfection | |
JP6084100B2 (ja) | 超音波処置装置 | |
Kwon et al. | Phase-Inverted Multifrequency HIFU Transducer for Lesion Expansion: A Simulation Study | |
Sung et al. | A Transducer with Inversion Layer Technique for Expanded Lesion Size in HIFU Surgery |