JP2012529894A - 細胞を単離する方法 - Google Patents
細胞を単離する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012529894A JP2012529894A JP2012515373A JP2012515373A JP2012529894A JP 2012529894 A JP2012529894 A JP 2012529894A JP 2012515373 A JP2012515373 A JP 2012515373A JP 2012515373 A JP2012515373 A JP 2012515373A JP 2012529894 A JP2012529894 A JP 2012529894A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- sample
- mgcl
- extraction solution
- atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/02—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
- C12Q1/24—Methods of sampling, or inoculating or spreading a sample; Methods of physically isolating an intact microorganisms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/20—Bacteria; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N5/00—Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
- C12N5/0018—Culture media for cell or tissue culture
- C12N5/0025—Culture media for plant cell or plant tissue culture
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Pathology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Virology (AREA)
- Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
- Botany (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
Description
細胞の同定もしくは特徴づけのための、または単にさらなるプロセシングのための複合試料(complex samples)からの細胞の単離は、ますます重要になっており、それは、特に、試料、例えば食物試料または血液、組織もしくは糞便のような臨床的試料のような試料における病原体の同定である。しかし、試料中に含まれる細胞を明確に同定するため、また任意に定量するためには、それらの単離のための方法を提供しなければならない。
細胞状汚染物、例えば細菌を複合マトリックスから、少なくとも塩化マグネシウム(MgCl2)および/またはイオン性液体を含む緩衝液を用いて、容易に、かつ極めて有効に単離することができることが見出された。さらに、この方法によって、極めて穏やかであるが有効な抽出条件のために、生存細胞の単離が可能になる。
a)複合試料を提供すること、
b)前記試料を、少なくともMgCl2および/またはイオン性液体を含む抽出溶液と共にインキュベートすること、
c)前記細胞をステップb)の混合物から、好ましくは遠心分離、アフィニティー結合および/または濾過によって単離すること
を含む、前記方法に関する。
・少なくともMgCl2および/またはイオン性液体を含む抽出溶液ならびに
・少なくとも1種の生分解(biodegrading)酵素
を含む、前記キットに関する。
驚くべきことに、複合試料を、少なくともMgCl2および/またはイオン性液体を含む抽出溶液と共にインキュベートする結果、試料の分解(dissolution)が、前記試料中に含まれる細胞壁を含むか、またはそれに囲まれる細胞に影響せずにもたらされることが判明した。したがって、本発明の方法を、そのような細胞の単離のために好適に用いることができる。
驚くべきことに、本発明の方法で単離された細胞は、生存可能であり(単離された合計の未変化の細胞の少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%)、好適な培養培地上で培養することができることが見出された。
本発明の方法で単離するべき細胞は、細菌細胞、好ましくはグラム陽性またはグラム陰性の細菌細胞、真菌の細胞、古細菌細胞、藻類細胞または植物細胞である。特に好ましい細胞は、リステリア菌種(Listeria spp.)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、P. paratuberculosis、サルモネラ菌種(Salmonella spp.)、カンピロバクター・ジェジュニ(C. jejuni)およびPenicillum roquefortiiからなる群から選択される。
本発明は特に、一般的に微生物細胞、好ましくは食物および病原体微生物、特にヒトに関連するもの、例えばヒト食物または病原体中に臨床的関連を伴って潜在的に存在するものの単離を可能にする。したがって、本発明の方法によって、細菌細胞、真菌の細胞、古細菌細胞、藻類細胞および植物細胞を、高度に複合試料(例えば食物)から単離することが可能になる。
特に好ましい試料は、複合マトリックス(即ちタンパク質、脂質、炭水化物などをとりわけ含む)および/または高い粘度を有する試料である。
好ましい態様において、抽出溶液は、MgCl2またはイオン性液体のいずれかを含む。
試料を、典型的には10分〜6時間、好ましくは20分〜1時間の時間にわたり抽出溶液と共にインキュベートする。
典型的に、これらの材料は、デンプンおよび/または繊維を含む。
細胞の試料中の量を、当該分野において知られている任意の方法によって、特に微生物学的方法(例えば希釈系列)、細胞計数、FACS分析、リアルタイムPCRなどによって決定することができる。
本発明の他の好ましい態様において、細胞のDNAまたはRNAを単離する。
細胞の浸透圧に対する耐性を増大させるために、単離するべき細胞を(潜在的に)含む試料を、前記細胞において浸透保護応答を誘発することが可能である少なくとも1種の化合物と共にインキュベートしてもよい。
本発明の1つの態様において、試料を、少なくとも1種のバイオポリマー分解酵素と共にさらにインキュベートする。
本発明において用いるイオン性液体または液体塩は、有機カチオンおよび一般的には無機のアニオンからなるイオン性種である。それらは、いかなる中性分子をも含まず、通常373Kより低い融点を有する。
[NR4]+ (1)
によって記載することができ、ここで
Rは、各々の場合において、互いに独立して以下のものを示す、
H、ここですべての置換基Rは、同時にはHではない、
OR’、NR’2、ただし、式(1)中の置換基Rは、最大で1つのOR’、NR’2である、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
[PR2 4]+ (2)
によって記載することができ、ここで
Rは、各々の場合において、互いに独立して以下のものを示す、
H、OR’またはNR’2を示し、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
[(R3R4N)−C(=OR5)(NR6R7)]+ (3)
によって記載することができ、チオウロニウムカチオンを、式(4)
[(R3R4N)−C(=SR5)(NR6R7)]+ (4)
によって記載することができ、ここで
R3〜R7は、各々、互いに独立して以下のものを示す、
水素、ここで水素は、R5については除外される、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
[C(NR8R9)(NR10R11)(NR12R13)]+ (5)
によって記載することができ、ここで
R8〜R13は、各々、互いに独立して以下のものを示す、
水素、−CN、NR’2、−OR’
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
R1’〜R4’は、各々、互いに独立して
水素、−CN、−OR’、−NR’2、−P(O)R’2、−P(O)(OR’)2、−P(O)(NR’2)2、−C(O)R’、−C(O)OR’、
1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個のC原子を有し、1〜6個のC原子を有するアルキル基によって置換されていてもよい、飽和の、部分的に、または完全に不飽和のシクロアルキル、
飽和の、部分的に、または完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C6アルキルまたはアリール−C1〜C6アルキル
を示し、
ここで、1つまたは2つ以上の置換基R1’〜R4’は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Cl、または−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2によって部分的に、または完全に置換されていてもよいが、ここでR1’およびR4’は、同時にはハロゲンによって完全には置換され得ず、またここで、置換基R1’〜R4’において、ヘテロ原子に結合していない1個または2個の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−から選択された原子および/または原子団によって置き換えられていてもよく、ここでR’=H、フッ素化されていない、部分的にフッ素化された、またはパーフルオロ化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換の、または置換されたフェニルであり、X=ハロゲンである。
本発明において、式(1)〜(5)で表される化合物の好適な置換基RおよびR2〜R13は、水素以外には、好ましくは以下のものである:C1〜C20、特にC1〜C14アルキル基、およびC1〜C6アルキル基によって置換されていてもよい飽和の、または不飽和の、即ちまた芳香族のC3〜C7シクロアルキル基、特にフェニル。
置換基RおよびR2は、特に好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはテトラデシルである。
−OCH3、−OCH(CH3)2、−CH2OCH3、−CH2−CH2−O−CH3、−C2H4OCH(CH3)2、−C2H4SC2H5、−C2H4SCH(CH3)2、−S(O)CH3、−SO2CH3、−SO2C6H5、−SO2C3H7、−SO2CH(CH3)2、−SO2CH2CF3、−CH2SO2CH3、−O−C4H8−O−C4H9、−CF3、−C2F5、−C3F7、−C4F9、−C(CF3)3、−CF2SO2CF3、−C2F4N(C2F5)C2F5、−CHF2、−CH2CF3、−C2F2H3、−C3FH6、−CH2C3F7、−C(CFH2)3、−CH2C(O)OH、−CH2C6H5、−C(O)C6H5またはP(O)(C2H5)2。
また、本発明において、イミダゾリウム塩が、1個または2個以上のイミダゾリウム環の炭素原子にてさらに、またはもっぱら置換されているのが、可能であるかまたは好ましい。
・MgCl2および/またはイオン性液体
を典型的には水または水性緩衝液中に含む、前記抽出溶液に関する。
・本発明の抽出溶液および
・少なくとも1種のバイオポリマー分解酵素(上記を参照)
を含む、前記キットに関する。
以下の例は、本発明の実際の適用を表す。
1.菌株および培養条件
リステリア菌EGDe(1/2a、内部数2964)を、グラム陽性細菌についてのモデル生物として、およびリアルタイムPCRについてのDNA定量基準として用いる。Salmonella enterica血清型Typhimurium(NCTC 12023)を、グラム陰性細菌についてのモデル生物として、およびリアルタイムPCRについてのDNA定量基準として用いる。細菌を、MicroBank(登録商標)技術(Pro-Lab Diagnostics, Richmont Hill, Canada)を用いて−80℃にて維持し、Institute of Milk Hygiene, Milk Technology and Food Science, University of Veterinary Medicine, Vienna, Austriaにおける菌種コレクションの一部である。すべての菌種を、0.6%(w/v)酵母エキス(TSB-Y; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)を有するトリプトン大豆ブロス中で、それぞれの最適生育温度(リステリア菌を37℃、およびネズミチフス菌(S. Typhimurium)を42℃、)にてオーバーナイトで生育させる。
生存能力染色を、1μlの構成成分Aおよび1μlのLive/Dead(登録商標)BacLight(登録商標)Bacterial Viability Kit (Molecular Probes, Willow Creek, OR, USA)の構成成分Bを濾過滅菌されたリンゲル液(Merck, Darmstadt, Germany)中の細菌培養物の適切な希釈1mlに加えることにより行う。試料を、暗中で15分間(min)インキュベートし、400μlを、0.22μmの孔サイズを有する13mmの黒色ポリカーボネートフィルター(Millipore, Billerica, MA, USA)上に、5mlのシリンジおよびSwinnexフィルターホルダー(Millipore)を用いて濾過する。
食物の人為的な汚染のために、1ミリリットルのオーバーナイトの培養物を、1ミリリットルの新鮮な培地に移し、それぞれの最適生育温度にて3時間インキュベートする。その後、PBS(リン酸緩衝食塩水)中の適切な希釈100μlを、試料に加える。プレート計数方法および0.6%(w/v)の酵母エキス(TSA-Y; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)を補充したトリプトン大豆の寒天プレートを、用いたすべての菌種の定量のために用いる。寒天プレートを、それぞれの最適生育温度にて24時間インキュベートする。すべての試料マトリックスを、その地域のスーパーマーケットから購入する。人為的な汚染のために用いたすべての試料を、以下に記載するように、マトリックス溶解プロトコルおよびそれぞれのリアルタイムPCRアッセイを用いて、リステリア菌およびネズミチフス菌陰性であると試験する。すべての植菌実験を、2組で(in duplicate)行う。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート([emim]SCN;Merck KGaA, Darmstadt, Germany)の5%(v/v)水溶液を、アイスクリームおよび卵について用いる。[emim]SCNの7.5%(v/v)水溶液を、超高温熱処理(UHT)牛乳について用いる。他に示さない場合には、マトリックス溶解を、以下のように行う:12.5gの液体または6.25gの固体の食料を、10mlの溶解緩衝液と混合し、各々2回、Stomacher 400 (Seward, London, UK)実験室ブレンダー中で、各々3分間ホモジナイズする。ホモジネートを、50mlのポリプロピレンチューブ(Corning, NY, USA)に移す。溶解緩衝液を加えて、容積を45mlとする。
溶解緩衝液(=抽出溶液)は、0.5〜3MのMgCl2、1×Tris緩衝液、pH5〜7を含む。
マトリックス溶解に続く残留する細菌ペレットからのDNA単離を、NucleoSpin(登録商標)tissue kit(Machery-Nagel, Dueren, Germany)およびグラム陽性細菌についての支持プロトコルを用いて行う。プロトコルの最終ステップを修正し、したがって、2回の50μlの2回蒸留水を用いて、DNAをカラムから溶出させる。
残留する細菌ペレットからの、マトリックス溶解に続く生存細胞の定量を、プレート計数方法(PCM)を用いて、0.6%(w/v)酵母エキス(TSA-Y; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)を補充した非選択性トリプトン大豆の両方の寒天プレートで行う。選択性キシロースリジンデオキシコール酸塩培地(XLD; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)を、ネズミチフス菌のために用い、Oxoid Chromogenic Listeria Agar (OCLA; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)を、リステリア菌のために用いる。
リステリア菌の1ミリリットルのオーバーナイトの培養物のゲノムDNAを、NucleoSpin(登録商標)tissue kit(Macherey - Nagel)およびグラム陽性細菌についての支持プロトコルを用いることにより、抽出する。DNA濃度を、Hoefer DyNA Quant200装置(Pharmacia Biotech, San Francisco, CA, USA)および8452A Diode Array Spectrophotometer (Hewlett Packard, Palo Alto, CA, USA)を用いて、蛍光的測定によって分析的に決定する。prfA遺伝子のコピー数を、リステリア菌のゲノムの分子量を基準として、1ngのDNAがゲノム全体の3.1×105のコピーと等しいこと、およびprfA遺伝子が単一コピー遺伝子であることを推測することにより、決定する。Salmonella標的のコピー数を、1ngのDNAあたりのネズミチフス菌ゲノム全体の1.9×105のコピーを推測することにより、同様に決定した。
prfA遺伝子の274bp断片を標的とすることによるリステリア菌のリアルタイムPCR検出を、以前に公表された様式(P. Rossmanith et al., Research in Microbiology, 157 (2006) 763-771))に従って行う。ネズミチフス菌を、SureFood(登録商標)kit(R-Biofarm, Darmstadt, Germany)を用いて、取扱説明書に従って検出する。リアルタイムPCRを、Mx3000pリアルタイムPCRサーモサイクラー(thermocycler)(Stratagene, La Jolla, CA, USA)中で行う。25μlの容積は、5μlのDNA鋳型を含む。リアルタイムPCR結果を、細菌細胞等価物(BCE)として表す。すべてのリアルタイムPCR反応を、複製において行う。
1.マトリックス溶解に続くアイスクリームおよび卵からのネズミチフス菌のリアルタイムPCR
6.25gの試料あたり6.67×105CFU(標準偏差(SD):±2.54×105)にて開始したネズミチフス菌の4段階10進法希釈系列(a 4-step decimal dilution series)を含む、人為的に汚染されたアイスクリームおよび卵に、マトリックス溶解の後に、DNA単離およびリアルタイムPCRを施す。リアルタイムPCRによってアイスクリームから得られた試料あたりのBCEの平均数は、6.67×105CFUで植菌した細胞について、卵から3.31×106(SD:±4.00×105)および5.02×105(SD:±2.87×105)、6.67×104CFUで植菌した細胞について、卵から3.34×105(SD:±4.57×104)および9.23×105(SD±6.26×104)、6.67×103CFUで植菌した細胞について、卵から2.68×104(SD:±4.73×103)および1.30×104(SD:±2.73×103)および6.67×102CFUで植菌した細胞について、卵から2.74×103(SD:±1.46×103)および8.11×102(SD:±4.82×102)である(表1)。
12.5mlの試料あたり1.14×106CFU(SD:±2.28×105)にて開始したリステリア菌の4段階10進法希釈系列を含む、人為的に汚染したUHT牛乳に、マトリックス溶解の後に、DNA単離およびリアルタイムPCRを施す。リアルタイムPCRによってUHT牛乳から得られた試料あたりのBCEの平均数は、1.14×106CFUで植菌した細胞について1.70×106(SD:±1.90×105)、1.14×105CFUで植菌した細胞について1.49×105(SD:±2.22×104)、1.14×104CFUで植菌した細胞について1.60×104(SD:±3.27×103)および1.14×103CFUで植菌した細胞について1.97×103(SD:±7.09×102)である(表1)。
リステリア菌またはネズミチフス菌のいずれかの4段階10進法希釈系列を含む人為的に汚染した食料に、マトリックス溶解後にプレート計数の定量を施す。12.5mlの試料からのリステリア菌の平均回収は、TSA−Y寒天プレートに関して、対照試料と比較して108%である。ネズミチフス菌は、6.25gの試料から、卵から平均60%で、TSA−Y寒天プレートで回収される。
6.85×108CFU/ml(相対的標準偏差(RSD):18.5%)を有するネズミチフス菌の4段階10進法希釈系列を含む、6.25gの人為的に汚染した卵について、マトリックス溶解後にTSA−YおよびXLD寒天プレートでのプレート計数の定量を施す。PCMによって卵から得られた試料あたりのCFUの平均数は、TSA−Y寒天プレートで4.14×108(RSD:37.4%)およびXLD寒天プレートで2.33×108(RSD:12.5%)である。ネズミチフス菌の卵からの回収率は、選択的寒天培地に関して34%および非選択的寒天培地に関して60%である(表3)。
リステリア菌およびネズミチフス菌の生存能力に対する様々なMgCl2濃度の影響を調べる。標的の生物を、3種の異なる濃度のMgCl2(1M、2Mおよび3M)と共に、3種の異なる温度(35℃、38℃および45℃)にて30分間インキュベートし、処理後のTSA−Y寒天プレートでのCFUを、対照試料と比較する。
ネズミチフス菌の4段階10進法希釈系列を含む人為的に汚染した食料に、マトリックス溶解後にプレート計数の定量を施す。0.5MのMgCl2を用いたマトリックス溶解プロトコルを、キシロースリジンデオキシコール酸塩培地で試験して、アイスクリームからのネズミチフス菌の効率的な直接的定量を例証する。ネズミチフス菌を、6.5gのアイスクリームから、平均38%で回収する。
Claims (12)
- 細胞を複合試料から単離する方法であって、以下のステップ:
a)複合試料を提供すること、
b)前記試料を、少なくともMgCl2および/またはイオン性液体を含む抽出溶液と共にインキュベートすること、
c)前記細胞をステップb)の混合物から単離すること
を含む、前記方法。 - ステップc)において単離した細胞の少なくとも30%が生存細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 複合試料が食物または臨床的試料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 抽出溶液がMgCl2を0.5〜3Mの濃度において含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞が細菌細胞であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 抽出溶液が界面活性剤を含まないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 試料に、定められた量の対照細胞をステップb)の前に添加することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 試料を、細胞に対する浸透圧保護特性を示す化合物と共にプレインキュベートすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 試料を、少なくとも1種のバイオポリマー分解酵素と共にさらにインキュベートすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- さらなるステップd)において、細胞を、細胞計数、PCR方法によって、レクチンを用いることによって、または前記細胞の表面構造に対する、抗体、抗菌ペプチド(AMP)、アプタマーもしくはウイルス結合ドメインを伴う方法によって分析することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞を複合試料から単離するためのキットであって、
・少なくともMgCl2および/またはイオン性液体を含む抽出溶液ならびに
・少なくとも1種の生分解酵素
を含む、前記キット。 - 生分解酵素が、プロテアーゼ、セルラーゼおよびアミラーゼからなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載のキット。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP09007959.1 | 2009-06-18 | ||
EP09007959 | 2009-06-18 | ||
PCT/EP2010/003295 WO2010145754A1 (en) | 2009-06-18 | 2010-05-31 | Method for isolating cells |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012529894A true JP2012529894A (ja) | 2012-11-29 |
JP2012529894A5 JP2012529894A5 (ja) | 2015-05-28 |
Family
ID=42313799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012515373A Pending JP2012529894A (ja) | 2009-06-18 | 2010-05-31 | 細胞を単離する方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US20120122110A1 (ja) |
EP (2) | EP2853587B1 (ja) |
JP (1) | JP2012529894A (ja) |
CN (1) | CN102459567B (ja) |
ES (2) | ES2656098T3 (ja) |
PL (1) | PL2443226T3 (ja) |
WO (1) | WO2010145754A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103492550A (zh) | 2011-04-27 | 2014-01-01 | 默克专利股份公司 | 用于裂解细胞的方法 |
GB201617713D0 (en) | 2016-10-19 | 2016-11-30 | Q-Linea Ab | Method for recovering microbial cells |
CN108949631A (zh) * | 2018-07-30 | 2018-12-07 | 骆奇 | 一种核孔膜在肠道内容物分离中的应用 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04228097A (ja) * | 1990-07-02 | 1992-08-18 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | ミルク試料からの細胞分離および濃縮方法とそのキット |
US5346994A (en) * | 1992-01-28 | 1994-09-13 | Piotr Chomczynski | Shelf-stable product and process for isolating RNA, DNA and proteins |
CN1226421C (zh) * | 2003-10-21 | 2005-11-09 | 南京农业大学 | 松材线虫检测试剂盒及其检测方法 |
AT501194A1 (de) * | 2004-12-30 | 2006-07-15 | Thomas Dr Schlederer | Verfahren zur isolierung von zellen und viren |
EP1882738A4 (en) * | 2005-05-20 | 2009-02-25 | Arkray Inc | METHOD FOR OBTAINING MICROORGANISMS AND NUCLEIC ACIDS USING FINE PARTICLES AND FOR THE METHOD OF USING THE KIT |
US9328326B2 (en) * | 2006-08-10 | 2016-05-03 | Merck Patent Gmbh | Method for isolating cells |
-
2010
- 2010-05-31 EP EP14003562.7A patent/EP2853587B1/en active Active
- 2010-05-31 PL PL10723931T patent/PL2443226T3/pl unknown
- 2010-05-31 WO PCT/EP2010/003295 patent/WO2010145754A1/en active Application Filing
- 2010-05-31 ES ES14003562.7T patent/ES2656098T3/es active Active
- 2010-05-31 US US13/378,690 patent/US20120122110A1/en not_active Abandoned
- 2010-05-31 JP JP2012515373A patent/JP2012529894A/ja active Pending
- 2010-05-31 CN CN201080027681.0A patent/CN102459567B/zh active Active
- 2010-05-31 EP EP10723931.1A patent/EP2443226B1/en active Active
- 2010-05-31 ES ES10723931.1T patent/ES2529215T3/es active Active
-
2013
- 2013-10-21 US US14/058,772 patent/US20140045189A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN102459567B (zh) | 2016-03-09 |
EP2443226B1 (en) | 2014-11-19 |
WO2010145754A1 (en) | 2010-12-23 |
ES2656098T3 (es) | 2018-02-23 |
CN102459567A (zh) | 2012-05-16 |
US20140045189A1 (en) | 2014-02-13 |
EP2443226A1 (en) | 2012-04-25 |
EP2853587B1 (en) | 2017-10-11 |
US20120122110A1 (en) | 2012-05-17 |
EP2853587A1 (en) | 2015-04-01 |
ES2529215T3 (es) | 2015-02-18 |
PL2443226T3 (pl) | 2015-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9328326B2 (en) | Method for isolating cells | |
Hazeleger et al. | Temperature-dependent membrane fatty acid and cell physiology changes in coccoid forms of Campylobacter jejuni | |
Jensen et al. | Nisin damages the septal membrane and triggers DNA condensation in methicillin-resistant Staphylococcus aureus | |
García-Cano et al. | Antibacterial activity produced by Enterococcus spp. isolated from an artisanal Mexican dairy product, Cotija cheese | |
EP1917353B1 (de) | Verfahren und mittel zur anreicherung, entfernung und zum nachweis von listerien | |
Shabala et al. | Responses of Listeria monocytogenes to acid stress and glucose availability monitored by measurements of intracellular pH and viable counts | |
Mehmeti et al. | Comparison of three methods for determination of protein concentration in lactic acid bacteria for proteomics studies | |
CN109890976A (zh) | 回收微生物细胞的方法 | |
ES2656947T3 (es) | Método para lisar células | |
JP2012529894A (ja) | 細胞を単離する方法 | |
Li et al. | Two novel antimicrobial peptides against vegetative cells, spores and biofilm of Bacillus cereus | |
CA2420354C (en) | Method to selectively inhibit bacterial growth using an aminoalkyl phosphonic selective agent | |
JP5827948B2 (ja) | ウイルスを単離する方法 | |
Abdel-Hamid et al. | Distinctive antagonistic role of new Enterococcus faecium ER-3M strain and its bacteriocin effect against Staphylococcus aureus Pneumonia | |
CN105104712B (zh) | 一种微生物饲料添加剂及其制备方法 | |
Tan et al. | Optimal protein extraction methods from diverse sample types for protein profiling by using Two-Dimensional Electrophoresis (2DE) | |
Naveed et al. | Expression of BSN314 lysozyme genes in Escherichia coli BL21: a study to demonstrate microbicidal and disintegarting potential of the cloned lysozyme | |
SETYATI et al. | Enzyme-producing symbiotic bacteria in gastropods and bivalves molluscs: Candidates for bioindustry materials | |
Zalewska et al. | Isolation of Bacteriocin-producing spp. Strains from Human Skin Wounds, Soft Tissue Infections and Bovine Mastitis | |
Vasu et al. | Prevalence of Listeria species in meat processing environments | |
JPH10500573A (ja) | 複合マトリックスからの汚染微生物の迅速な分離および同定方法 | |
CN114990098B (zh) | 一种裂解酶、编码基因、组合物、抑菌剂制备方法及应用 | |
Kwasiborski et al. | Biocontrol proteomics: development of an in situ interaction model and a protein extraction method for a proteomic study of the inhibiting mechanisms of Pichia anomala against Botrytis cinerea | |
Tanca et al. | Check Chapter 11 updates for | |
Dev et al. | EFFECT OF CYSTEINE AND DIFFERENT BUFFER MEDIA ON MEMBRANE PROTEIN EXTRACTION FROM LACTIC ACID BACTERIA. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130530 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140930 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141222 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150331 |
|
A524 | Written submission of copy of amendment under section 19 (pct) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524 Effective date: 20150331 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150831 |