JP2012529665A - 偏光制御装置 - Google Patents

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Abstract

光信号の偏光状態を制御するフィードフォワード制御装置において、入力偏光状態を有する光入力信号を受信する光入力と、出力偏光状態を有する光出力信号を送信する光出力と、光入力および光出力に接続された偏光制御装置と、入力偏光状態および出力偏光状態から当該フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数を決定する伝達関数決定器とを備え、偏光制御装置が、当該フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数に応じて通過光の偏光状態を補正するように構成されたことを特徴とするフィードフォワード制御装置を提供する。

Description

本発明は、光学システムを伝播する光の偏光状態の制御に関し、特に、決定論的フィードフォワード偏光制御装置に関する。
光学システムにおいては、光ファイバ中の光の偏光状態を制御または安定化できることが一般的に必要である。このような用途の一例としては、局部発振器レーザーが入射信号光と混合されるコヒーレントな光通信システムの分野が挙げられる。混合の結果として得られる情報を伝送する差分信号は、局部発振器レーザーおよび信号レーザーの偏光が受信器で一致する場合に最大となる。これら2つのレーザーが著しく不一致の場合は、信号が完全に消失してしまう可能性もある。
従来、光ファイバ中を伝播する光の偏光状態を制御するには、各素子に作用するための印加された力に応じて特定の方法で偏光状態を変換する多数の偏光能動素子を含む偏光制御装置を用いている。たとえば、ニオブ酸リチウムを用いた制御装置は多段構成となっており、その複屈折性は、電界の印加により影響を受ける場合がある。また、別の既知の方式では、圧電素子から生成された外圧に対する高複屈折ファイバの感度を利用している。
これらほとんどの方式に共通するのは、正確かつ決定論的な偏光変換を得るのが困難なことである。たとえば、ニオブ酸リチウムには温度によるバイアスドリフトという問題がある一方、高複屈折ファイバは温度および圧力の両者に対する感度が非常に高い。これらの変数を補償したとしても、偏光制御装置自体には、システムの他のコンポーネントと統合するためのファイバテール(fibre tails)が含まれることになり、これらテール自体が、デバイスに出入りする光の偏光状態に未知かつ可変の影響を及ぼすことになる。
これらの理由により、従来の偏光制御は、フィードバック技術に依存しており、所望の出力状態に対応する何らかのパラメータを制御ループ内で用いて、所望の送信出力状態となるように偏光制御装置を繰り返し調整している。強力なフィードバックパラメータを使用するデバイスの一例としては、偏光子が挙げられる。偏光子の出力は、偏光制御装置の制御素子を反復的かつ継続的に調整することによって最大化(または最小化)される。この技術には、偏光の入力状態の変化に対してシステムが迅速に応答できないという不都合がある。ファイバテールの偏光伝達関数は未知であるため、偏光の入力状態が変化するたびに制御素子を繰り返し調整して、偏光制御装置内における素子の最適構成を見直す必要がある。これでは、迅速さに欠ける。
上記した種類の従来の偏光制御装置の入力における偏光状態は、任意にかつ急速に変化する可能性があることが知られている。従来の偏光制御では迅速さに欠けるため、このような急速に変化する状況には十分適応できない。
本発明の第1の態様によれば、光信号の偏光状態を制御するフィードフォワード制御装置において、フィードフォワード制御装置は、入力偏光状態を有する光入力信号を受信する光入力と、出力偏光状態を有する光出力信号を送信する光出力と、光入力および光出力に接続された偏光制御装置と、入力偏光状態および出力偏光状態から当該フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数を決定する伝達関数決定器とを備え、上記偏光制御装置が、当該フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数に応じて通過光の偏光状態を補正するように構成される。
本発明によれば、高速反復プロセスを用いることなく、フィードフォワード制御装置を通過する光の偏光状態を補正することができる。
本発明によれば、たとえばファイバテールのように、それ自体の偏光伝達関数が未知の光ファイバ等のコンポーネントをフィードフォワード制御装置が含む場合であっても、フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数を決定することができる。
上記伝達関数決定器が、光入力信号をサンプリングしてその偏光状態を表す1以上の複数の信号を提供する入力サンプリング器と、上記光出力信号をサンプリングしてその偏光状態を表す1以上の信号を提供する出力サンプリング器とを備え、当該フィードフォワード制御装置が、入力サンプリング器および出力サンプリング器に接続され、受信した信号を処理して1以上の制御信号を生成するように構成された信号プロセッサをさらに備え、偏光制御装置が、信号プロセッサから受信した1以上の制御信号に応じて通過光の偏光状態を補正するように構成されていてもよい。
上記偏光制御装置が、通過光の偏光状態を補正して、上記光出力信号の所与の偏光状態を維持するように構成されていてもよい。このように、特定の出力偏光状態が送信されると、フィードフォワード制御装置は、偏光挙動の微小な変化に動的に反応可能となり、元の偏光状態を維持する。
上記入力サンプリング器および出力サンプリング器のうちの少なくとも一方が、上記光信号をサンプリングする光結合器と、光結合器に接続され、上記光信号の偏光状態を表す1以上の信号を提供するように構成された偏光計とを備えていてもよい。また、光結合器がタップ結合器を備えていてもよい。
上記偏光計が、上記光信号の1以上の偏光成分を分解する分解器と、分解した1以上の偏光成分の大きさを測定する1以上のフォトダイオードとを備えていてもよい。また、このような分解手段が、波長板および偏光素子のうちの少なくとも一方の組み合わせを含んでいてもよい。一部の実施形態においては、この分解器が上記光信号の少なくとも3つの偏光成分を分解するように構成されていてもよい、そして、これら偏光成分が上記光信号のストークス・ベクトルを規定するようにしてもよい。
上記偏光制御装置が、1以上の光学素子を備えていてもよく、たとえば、電気的に制御可能な遅延特性を有する複数の波長板を備えていてもよい。一実施形態においては、偏光制御装置が、速軸の方向が0°、+45°、0°、−45°である4つの波長板を備えていてもよい。ただし、他の構成も可能である。
通常は、上記信号プロセッサがデジタル信号プロセッサであり、この場合、フィードフォワード制御装置は、上記光入力のサンプリング手段から受信したアナログ信号をデジタル信号プロセッサ用のデジタル信号に変換する第1アナログ・デジタル変換器と、上記光出力のサンプリング手段から受信したアナログ信号をデジタル信号プロセッサ用のデジタル信号に変換する第2アナログ・デジタル変換器と、デジタル信号プロセッサからのデジタル信号を上記偏光制御装置駆動用のアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器とをさらに備える。
再偏光動作モードで使用する場合、上記フィードフォワード制御装置は、上記光出力に接続され、所定の偏光状態の光を透過させる偏光コンポーネントと、偏光コンポーネントを透過した光の量および偏光コンポーネントを透過しなかった光の量の少なくとも一方を監視し、その監視信号を生成する監視装置とをさらに備え、監視装置が上記信号プロセッサに接続され、当該信号プロセッサがさらに、受信した監視信号を処理して上記偏光制御装置の1以上の制御信号を生成するように構成され、これにより当該偏光制御装置が、偏光コンポーネントを透過した光の量が最大化され、偏光コンポーネントを透過しなかった光の量が最小化されるように、通過光の偏光状態を補正するように構成されていてもよい。
本発明の一実施形態においては、上記偏光コンポーネントが偏光ビームスプリッタを備え、上記監視装置が当該偏光ビームスプリッタを透過しなかった光の量を監視するフォトダイオードを備える。このように、当該システムは、偏光挙動の変化を補正可能であるとともに、最終的な光出力ビームが既定の偏光状態を有し、元の光エネルギーの大部分を可能な限り含むようにすることができる。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に記載のフィードフォワード制御装置と、上記入力サンプリング器および偏光制御装置に接続され、上記光入力信号を伝送する第1光ファイバと、偏光制御装置および上記出力サンプリング器に接続され、上記光出力信号を伝送する第2光ファイバとを備えたフィードフォワード制御光ファイバシステムが提供される。
通常は、上記第1光ファイバおよび第2光ファイバが、それぞれのファイバテールによって上記偏光制御装置に光学的に接続されている。本発明は、未知で定量化が困難な偏光特性を有するファイバテールによって接続された光ファイバベースのシステムに特に適用可能である。フィードフォワード制御装置は、光入力の絶対的な偏光状態を把握していなくても、このような素子を補償することができる。
上記光ファイバシステムは、異なる偏光状態の2つ以上の光信号を多重化する偏光多重光ファイバ通信システム等の光通信システム全体の一部であってもよい。この場合、フィードフォワード制御装置の信号プロセッサは、上記偏光制御装置の1以上の制御信号を生成するように構成され、これにより当該偏光制御装置が、上記2つ以上の光信号の偏光状態がそれぞれの元の方向を維持するとともに元のデータ信号が回復可能となるように、通過光の偏光状態を補正するように構成されている。
上記光ファイバシステムは、偏光モード分散(PMD:Polarisation Mode Dispersion)補償器の一部を構成していてもよい。
本発明の第3の態様によれば、光信号の偏光状態を制御する方法において、光学システムの入力で光入力信号を受信するステップと、光入力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップと、光学システムを介して光入力信号を送信するステップと、光学システムからの光出力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップと、上記入力および出力の偏光状態を表す信号を処理して、光学システムの特有の偏光伝達関数を演算するステップと、この特有の偏光伝達関数に応じて通過光の偏光状態を補正するステップとを含む方法が提供される。
上記方法は、上記光学システムの一部を構成する偏光制御装置を駆動する1以上の制御信号を生成するステップと、この1以上の制御信号に応答して、偏光制御装置を通過する光の偏光状態を補正するステップとをさらに含んでいてもよい。
また、上記ステップを継続的に実行して、上記光出力信号の偏光状態を維持するように上記偏光制御装置を駆動してもよい。
上記光入力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップが、当該光入力信号を1以上の異なる偏光成分に分解するステップと、当該成分の相対強度を測定するステップとを含んでいてもよい。また、上記光入力信号が少なくとも3つの異なる偏光成分に分解されるようにしてもよい。そして、これら偏光成分が上記光信号のストークス・ベクトルを規定するようにしてもよい。
一部の実施形態においては、上記偏光制御装置の駆動が、複屈折光学コンポーネントの光学的遅延の調整を含んでいてもよい。
再偏光用途に使用する場合、上記方法は、上記光出力信号の偏光成分の大きさを表す信号を生成するステップと、信号を処理するステップと、上記偏光制御装置を駆動する1以上の制御信号を生成して、通過光の偏光状態を補正し、光出力信号の偏光成分の大きさを最大または最小にするステップとをさらに含んでいてもよい。
一部の用途の場合、上記偏光制御装置を駆動して、上記出力光の偏光状態を所定の角度だけ回転させてもよい。これは特に、光学システムの別の部分における既知の偏光回転を補償する必要がある場合に有用である。
従来の偏光追跡方法は、偏光制御装置を繰り返し調整して所望の出力偏光状態を得るフィードバック技術の使用により妨害され、収束速度および応答速度が低下してしまう。本発明は、フィードフォワード技術を用いて、所望の出力状態を生成する偏光制御装置の所要の構成を演算することによってこの問題に対処しているため、一段階で解決に向かう。
本発明において、偏光制御装置は、所望の出力偏光状態を実現するのに必要な反復ステップ数が大幅に低減されるように制御してもよい。その原理の本質はフィードフォワード技術であって、偏光制御装置の所要の構成は、システムの制御装置前段のある点における相対的な偏光状態およびシステムの制御装置後段のある点における相対的な偏光状態を把握することによって、実時間で演算される。この技術では、絶対的な偏光状態を把握する必要はない。これは、光ファイバが存在し、制御装置の出力における実際の偏光状態が隠れてしまっているシステムでは、把握することができないためである。
本発明においては、システムのファイバテール等のコンポーネントの未知の伝達関数を学習して、これらテールによる偏光回転を自動的に補償する知的アルゴリズムを採用している。時間とともに、アルゴリズムがシステムをより正確に把握するようになるにつれて、制御装置前段の偏光分析器が監視する任意の入力偏光の変化を1段階で補償できるようになるため、出力での偏光状態の変化は最小限に抑えられる。
上記アルゴリズムの主要なステップは、以下のようにまとめられる。
1)適当なデバイスを用いて、多数の入出力偏光状態測定結果対を蓄積する。偏光状態は、システムにおける自然な偏光ドリフトまたは意図的な偏光スクランブリングおよび偏光制御装置自体の様々な設定によって収集可能である。
2)収集した偏光状態測定結果対および当該各測定結果対に関する偏光制御装置の既知の伝達行列を用いて、システムの未知のコンポーネントの挙動を特徴付ける回転伝達行列を演算する。このステップは、ネルダー−ミード法等の様々な数値法または解析法を任意数だけ用いて実行可能である。
3)ステップ(2)で演算した伝達行列に基づいて、出力の偏光を所望の状態に復元するのに必要な偏光制御装置の伝達行列を演算する。そして、偏光制御装置の素子を設定して、この所要の伝達行列を実現する。
フィードフォワード制御装置は、たとえば偏光制御装置のディザリングにより偏光ビームスプリッタで伝送を最大化または最小化することによって、所望の出力状態を決定する低速ループを実行する。
すなわち、上記アルゴリズムは、システムにおける補償可能な未知の回転行列を決定する「学習」アルゴリズムである。また、このアルゴリズムは、時間とともにドリフトしている場合に、システムコンポーネント(たとえば、光ファイバ等)を特徴付ける回転行列の任意の変化を追跡可能である点で適応的である。
一例として、ファイバがファイバテールによって偏光制御装置に接続された光ファイバベースのシステムの場合、上記アルゴリズムは、以下の部分で構成される。
1)ランダムな入力状態変動から偏光制御装置の入力および出力ファイバテールのファイバ伝達関数を見出す学習要素。
2)システムの制御装置前段および後段のある点において測定した偏光状態および上記(1)で学習したファイバ伝達関数に基づいて、偏光制御装置の所要の構成を演算するフィードフォワード要素。
3)偏光制御装置に微小なディザーを適用することによって、(1)で学習した伝達関数を継続的に補正する追跡要素。
上述の通り、学習プロセスは、偏光制御装置の前段にスクランブラを採用して多数の偏光状態を意図的に探索することにより高速化可能である。
当業者には当然のことながら、本発明は、未知の偏光特性を有するコンポーネントを具備したシステムにおける光信号の偏光状態を制御するための強力な技術を提供する。さらに、偏光の変化を同時かつ動的に補償可能である。また、上記学習アルゴリズムは、広範な偏光制御装置とともに採用可能である。本発明の用途は広く、光ファイバ通信システムにおいて特に有用である。
本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御システムを示す図。 ポワンカレ球上で偏光状態ベクトルと変換行列との相互関係を示す図。 図1の偏光制御システムを採用したフィードフォワード偏光安定器を示す図。 図3の偏光制御システムを採用した再偏光子を示す図。 本発明の一実施形態に係る偏光制御システムを採用した偏光多重光ファイバ通信システムを示す図。 本発明の一実施形態に係る偏光制御システムを採用した偏光モード分散(PMD)補償器を示す図。 本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御システムの数値シミュレーションの結果を示すグラフ。 本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御システムの数値シミュレーションの結果を示すグラフ。 本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御システムの数値シミュレーションの結果を示すグラフ。 本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御システムの数値シミュレーションの結果を示すグラフ。
添付の図面を参照して、本発明の実施例を以下に詳細に説明する。
図1は、「再偏光」動作モードに関連する本発明の一実施形態を示している。この図は、偏光制御装置デバイス11を中心とした本発明に係るフィードフォワード偏光制御装置10の主要な要素を示している。また、図1には、システムの様々な点における光信号の偏光状態12を示している。標準的な教科書「光学(Optics)」(イー ヘクト(E Hecht)著、アディソン・ウェスリー(Addison Wesley)、2002年)には、光の偏光状態の数学的表現方法が記載されている。特に、偏光状態は3要素ストークス・ベクトル(S)により、偏光変換は3×3ミュラー行列(R)により、それぞれ以下のように表現可能である。
偏光状態Sinの入力光は、たとえば入力ファイバテール(不図示)等の光学コンポーネントを通過する際に偏光変換を受けた後、偏光制御装置(PC:Polarisation Controller)に到達する。この場合、3つの波長板で構成されるPCは、入力側の偏光状態SPCinを出力側の状態SPCoutに変換する。この変換は、ミュラー行列RPCによって表される。出力偏光状態は、たとえば出力ファイバテール(不図示)等の光学コンポーネントを通過する際にさらに変換を受けた後、偏光状態Sで偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarisation Beam Splitter)13に到達する。望ましいシステム状態は、PBSが水平偏光を受け入れ垂直偏光を除外する場合に、PBSの伝送ポートを介した最大伝送すなわちS=[1 0 0]となるように、偏光制御装置11が構成されることである。
従来のフィードバック制御装置の場合は、偏光制御装置11の素子のディザリングにより、PBS13の伝送ポートを介した伝送を最大化、すなわちPBSの迂回ポートを介した伝送を最小化することによって所望の目的を達成している。本発明では、図1に示すように、この制御装置にPCの前後段に2つの偏光計14、15を追加して、フィードフォワードの機構を提供する。偏光計14,15は、デジタル信号プロセッサ16に信号を供給し、デジタル信号プロセッサ16は処理して、偏光制御装置11の素子に適当な制御信号を供給する。
第1の偏光計14は偏光状態を測定するが、この偏光状態は、偏光制御装置11に到達する実際の偏光状態を表すが、必ずしも同じではない。この測定された状態SP1は、偏光計14と偏光制御装置11との間の任意の光学コンポーネント(たとえば、光ファイバ、ピッグテール等)の偏光挙動を表すミュラー伝達行列Rによって、SPCinと関連付けられている。第2の偏光計15は、偏光制御装置11の出力光の偏光状態を表す偏光状態を測定する。この偏光状態は、偏光制御装置11と第2偏光計15との間の任意の光学コンポーネント(たとえば、光ファイバ、ピッグテール等)の偏光挙動を特徴付けるミュラー伝達行列Rによって、SPCoutと関連付けられている。ミュラー行列の代数学では、以下のような表現が可能である。
P2=RPCP1 (2)
システムのコンポーネント(たとえば、光ファイバ等)が偏光により損失を生じないものと仮定すると、アールエム マレー(R.M.Murray)、ゼット リー(Z.Li)、エスエス サストリー(S.S Sastry)著「ロボット操作のための数学入門(A Mathematical Introduction to Robotic Manipulation)」(シーアールシー・プレス(CRC Press)、1994年)に記載があるように、RおよびRは単なる回転行列となるため、ロドリゲスの回転行列理論を用いて表すことができる。この理論では、回転の主軸および回転角自体に関して各回転行列が表現される。回転行列Rに関するロドリゲスの回転公式は、以下のように表現可能である。
ここで、Iは恒等行列、δは回転角、rはベクトル積演算子を表す交代行列であり、ベクトルr=(x,y,z)を回転軸として以下のように表される。
この軸は単位ベクトルであるため、球面座標系で以下のように表すことができて都合が良い。
x=cosφsinθ
y=sinφsinθ (5)
z=cosθ
以上から、回転行列は、3つのパラメータR(δ,θ,φ)によって完全に表すことができる。偏光状態ベクトルと上記変換行列(図1にも示す)との相互関係は、図2に示すように、ポワンカレ球上で示すことができて都合が良い。
偏光制御装置の伝達行列RPCについても、偏光子内の波長板の伝達関数のミュラー行列乗算によってパラメータを計算できる単なる回転行列であるため、既知の遅延特性または方向あるいはその両方となるように波長板を設定可能な上記した種類の偏光制御装置に関して演算可能である。
たとえば、2つの1/4波長板(QWP1、QWP2)および1つの1/2波長板(HWP)がQWP1:HWP:QWP2の順番に配置され、2つの1/4波長板の速軸の方向がπ/2だけ離れている特定種類の偏光制御装置について考える。QWP(x)が速軸角度xの1/4波長板を表し、HWP(y)が速軸角度yの1/2波長板を表す場合、遅延器の組み合わせQWP(α/2):HWP(β/2):QWP(α/2+π/2)によって、偏光変換器が構成される。これは常に、エム マーティネリ(M.Martinelli)、アールエー チップマン(R.A.Chipman)著「固定軸で調整可能な線形波長板を用いる無限偏光制御アルゴリズム(Endless Polarisation Control Algorithm Using Adjustable Linear Retarders With Fixed Axes」(光波技術ジャーナル(Journal of Lightwave Technology)、第21巻、第9号、2003年9月、2089−2096ページ)に記載があるように、デカルト座標の経度αおよび緯度(β−α)におけるポワンカレ球上の固有偏光を有する1/2波長遅延器である。この偏光変換器の回転行列についても、ロドリゲスの公式を用いて記述することができる。この場合の回転角はπ(1/2波長遅延器)であり、回転軸はデカルト座標の緯度および経度である。
数式(2)を再び参照して、未知のものが6つ存在することが分かる。すなわち、3つの未知のパラメータR(δ,θ,φ)および3つの未知のパラメータR(δ,θ,φ)である。SP1、SP2,およびRPCの独立した測定結果を十分に累積することにより、数式(2)を解いてRおよびRを求めることができる。通常、独立した測定結果は、入力偏光状態の自然なドリフトおよび偏光制御装置の設定の変更によって累積されることになる。そして、解は、連立方程式を解くのに適した一般的な数値法のうちの1つを適用することによって求められる。特に、ジェイシー ラガリアス(J.C.Lagarias)、ジェイエー リーズ(J.A.Reeds)、エムエイチ ライト(M.H.Wright)、ピーイー ライト(P.E.Wright)著「低次元におけるネルダー−ミードのシンプレックス法の収束特性(Convergence properties of the Nelder−Mead simplex method in low dimensions)」(SIAM Optim、第9巻、第1号、112−147ページ、1998年)に記載の動的シンプレックス(Dynamic Simplex)法等の補正ネルダー−ミードアルゴリズムであれば、測定ノイズへの耐性に優れ、新しい測定データの存在下で解を動的に導出できるため、この目的に適している。
数式(2)を解いてRおよびRを求めると、偏光制御装置11を設定し、適当な制御信号を生成して偏光制御装置11を駆動することにより、所与の測定偏光状態SP1から任意の所望の偏光状態SP2を求めることができる。所望のSP2を与える所要のRPCは、以下の関係から求められる。
このようなフィードフォワード機構により、SP2の所望の値への高速な偏光安定化が1回の反復のみで実現される。
フィードフォワード偏光制御装置10には、PBS13を介した最大伝送すなわちS=[1 0 0]を得るのに必要なSP2の値の決定に使用可能という重要な特徴がある。ここで、PBSの出力光のパワーをその迂回ポートを介して測定するのにパワー監視装置17を用いてもよいし、偏光制御装置11の素子を継続的に少しずつ調整することによってPBS13を介した伝送を最適化するのに従来のディザーループ(デジタル信号プロセッサ16経由)を採用してもよい。伝送が最適化されると、SP2の値は、フィードフォワード偏光制御装置が生成すべき基準偏光状態となる。ディザーループは、バックグラウンドで継続的かつ独立して動作させることにより、ファイバ伝達行列の如何なる低速変化をも補償するようにしてもよい。また、SP2、R、およびRの最適値がフィードフォワード制御アルゴリズムで常に利用できるようにしてもよい。
図3は、本発明に係るフィードフォワード偏光安定化システム300を示している。この図は、図1に示したシステムの主要なコンポーネント、すなわち入力および出力偏光計304、305、偏光制御装置301、およびデジタル信号プロセッサ306の構成および動作を示している。また、偏光制御装置301の入出力に設けられ、その時点の光信号のサンプルを取り出すタップ結合器302、303も示している。2つの各偏光計304、305は通常、4つのフォトダイオード検出器308を備えており、各検出器308の前段には波長板および偏光子のうちの少なくとも一方の組み合わせ素子307も併設されていて、入力偏光状態の特定成分を分解する。
4つの各フォトダイオード308からの出力信号は、増幅および処理されて、入力光の偏光状態を表す4つのストークス・パラメータ{S0,S1,S2,S3}を与える。実際、この4つの成分によるストークス・ベクトルの表現においては、S0が光学ビームのパワーを表すことから、S1、S2、およびS3によってビームの偏光状態が表される。ビームの偏光が完全な場合は、S0=S1+S2+S3となる。ただし一般的に、ビームの偏光は部分的に解消されているため、S0>S1+S2+S3となる。完全な整合を得る場合、S1、S2、およびS3は変化するがS0は変化しないため、成分S0はほとんど重要ではない。
偏光制御装置301は、入力光に偏光変換を適用するが、これはポワンカレ球上での回転に相当する。変換すなわち回転軸および大きさは、偏光制御装置301内に配置された波長板309に適用する制御によって決まる。図示の通り、通常の制御装置は、軸方向が0°、+45°、0°、−45°である4つの可変遅延波長板309で構成されている。このような制御装置は、決定論的な変換行列を有する。
ただし、当然のことながら、偏光制御装置は、決定論的な伝達行列を有する任意の所望の構成であってもよい。
デジタル信号プロセッサ306は、偏光制御装置301に出入りする光の偏光状態に関する情報を受信して、必要な演算の後、偏光制御装置301の素子に適当な制御信号を供給する。一般的に、偏光計フォトダイオード308から受信する信号は本質的にアナログであるため、デジタル信号プロセッサ306とのインターフェースには、必要に応じてアナログ・デジタル変換器(ADC:Analog−to−Digital Converter)310が採用されている。同様に、偏光制御装置301に供給されてその素子を制御するための制御信号は本質的にアナログである必要があるため、デジタル信号プロセッサ306とのインターフェースには、必要に応じてデジタル・アナログ変換器(DAC:Digital−to−Analog Converter)311が採用されている。
図4は、本発明を再偏光動作モードに適用して偏光状態を復元する場合を示している。図4に示す再偏光システム400は、偏光ビームスプリッタ412を図1に示した通りに出力段上に追加した点を除いて、図3に示したシステムと同じである。偏光ビームスプリッタは、入力光をその水平偏光成分および垂直偏光成分に分割して、2つのポートまたはアームから出力する。たとえば、垂直成分の送信が必要な場合、所望の垂直出力が最大であれば水平アームの出力は最小となる。フォトダイオード413が使用されて、水平アームの出力を監視し、デジタル信号プロセッサ406へ信号を供給する。デジタル信号プロセッサ406は、偏光制御装置401の素子に適当な制御信号を送信することによって水平アームの出力の値を最小化するように動作する。
図5は、光信号の偏光多重化を採用した光ファイバ通信システムを示している。偏光多重化は、同じ光ファイバに沿って直交偏光(HおよびV)の2つのデータ信号を送信することにより、光ファイバリンクの容量を2倍にすることができる。ただし、ファイバの複屈折によって偏光状態が回転するため、2つのデータ信号を回復するには受信端で再調整を行う必要がある。この再調整に本発明のフィードフォワード偏光制御装置を使用可能である。また、ファイバの振動等の環境要因に起因して発生する任意の高速な偏光の変化を追跡する際にも使用可能である。
図5は、光ファイバ通信システムのアップリンク501およびダウンリンク502の両者を示している。各リンクは、偏光状態が異なる2つの入力信号を多重化する偏光ビーム結合器503、光伝送ファイバ504、増幅器505、フィードフォワード偏光制御装置506、および偏光状態が異なる2つの入力信号を分離する偏光ビームスプリッタ507を備えている。フィードフォワード偏光制御装置506は、2つの多重化信号の偏光状態の方向が偏光分離器507に対して正しくなるようにする一方、その他任意の高速な偏光の変化を追跡する際にも使用可能である。
図6は、本発明を偏光モード分散(PMD)補償器600に適用した場合を示している。
PMD補償器600は、図1に示したフィードフォワード偏光制御装置10に類似する、本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御装置610を備えている。制御装置10の構成要素に相当する制御装置610の構成要素には、対応する符号を付して理解を容易にしている。
また、PMD補償器600は、微分群遅延(DGD:Differential Group Delay)素子630に接続された標準偏光制御装置620を備えている。偏光制御装置620が用いられ、システムの1次DGDが補償されるようにDGD素子630を調整する。DGD素子630は、遅延量を調整可能にして、補償の品質をさらに向上させてもよい。そして、DGD素子630は、フィードフォワード偏光制御装置610に接続される。フィードフォワード偏光制御装置610が用いられ、2次DGDの一部も補償されるように制御装置610の出力偏光を調整する。
PMD補償器600は、数千キロメートルにも及ぶ長い伝送線に設けられる場合があるため、PMD補償器600に到達する偏光状態は、時間とともに急速に変化する可能性が高い。このことは、偏光制御装置620に到達する偏光状態が適正に調整されて最大伝送となるようにするには、高速偏光制御法が好都合であることを意味する。これは、上記に詳述したように、フィードフォワード偏光制御装置610を使用することによって実現可能である。
フィードフォワード偏光制御装置610のさらなる利点として、制御装置610の第1偏光計14が用いられて、偏光制御装置620およびDGD素子630用のフィードバックエラー信号を生成可能である。たとえば、第1偏光計14を用いて、DGDの重要な尺度である偏光度を測定してもよく、これにより、1次DGDの補償手段を提供している。
図7〜図10には、本発明の一実施形態に係るフィードフォワード偏光制御装置の数値シミュレーションの結果を示している。
図7および図8は、シミュレーション中のストークス・パラメータS1、S2、S3の変化を示している。
ミュラー行列表現を用いて、偏光制御装置ならびに入力および出力ファイバテールをモデル化した。そして、シミュレーションの各ステップにおいて、入力ファイバテールにランダムな入力偏光状態(SOP:State of Polarisation)を反映した。SOPは、入力ファイバテール、偏光制御装置、および出力ファイバテールを伝播して、出力SOPとなった。入力SOP、出力SOP、および入出力ファイバテールの回転行列の現在の推定値に基づき、上記数式(6)を用いることにより偏光制御装置を設定して、[1 0 0]という出力SOPを達成しようとした。また、シミュレーション中は、数式(2)を解くため、推定出力SOPと実際に発生した出力SOPとの差異が最小となるようにネルダー−ミード法を用いることによって、入出力ファイバテールの行列を補正した。その結果、シミュレーションの過程において、これら回転行列の推定値が精緻化され、50ステップ前後で正しい設定に収束した。図8は、シミュレーションの過程における出力SOPの変化を示している。最初は、ファイバテールの回転行列が未知であるため、出力SOPは制御されていない。収束後は、入力SOPが依然としてランダムに変動している(図7参照)にも関わらず、出力SOPが適度に安定を維持する十分な精度でファイバの回転行列が決定されている。重要なのは、アルゴリズムが収束すると、数式(6)を適用することにより1回の反復で所要の出力SOPが得られることである。図9および図10は、入出力ファイバテールそれぞれの回転行列パラメータについて、およそ50ステップ後の定常値への収束を示している。
当業者には当然のことながら、本発明のフィードフォワード偏光制御装置は、様々な方法で実装可能であるとともに、光信号の偏光状態の監視および制御が必要な用途および動作モードの範囲において採用可能である。

Claims (27)

  1. 光信号の偏光状態を制御するフィードフォワード制御装置において、
    入力偏光状態を有する光入力信号を受信する光入力と、
    出力偏光状態を有する光出力信号を送信する光出力と、
    前記光入力および前記光出力に接続された偏光制御装置と、
    前記入力偏光状態および出力偏光状態から当該フィードフォワード制御装置の特有の偏光伝達関数を決定する伝達関数決定器と、を備え
    前記偏光制御装置が、当該フィードフォワード制御装置の前記特有の偏光伝達関数に応じて通過光の偏光状態を補正するように構成される、フィードフォワード制御装置。
  2. 前記伝達関数決定器が、前記光入力信号をサンプリングして前記光入力信号の偏光状態を表す1以上の信号を提供する入力サンプリング器と、
    前記光出力信号をサンプリングして前記光出力信号の偏光状態を表す1以上の信号を提供する出力サンプリング器と、を備え
    当該フィードフォワード制御装置が、前記入力サンプリング器および前記出力サンプリング器に接続され、受信した前記信号を処理して1以上の制御信号を生成するように構成された信号プロセッサをさらに備え、
    前記偏光制御装置が、前記信号プロセッサから受信した1以上の制御信号に応じて通過光の偏光状態を補正するように構成される、請求項1に記載のフィードフォワード制御装置。
  3. 前記偏光制御装置が、通過光の偏光状態を補正して、前記光出力信号の偏光状態を維持するように構成される、請求項1または2に記載のフィードフォワード制御装置。
  4. 前記入力サンプリング器および出力サンプリング器のうちの少なくとも一方が、
    前記光信号をサンプリングする光結合器と、
    前記光結合器に接続され、前記光信号の偏光状態を表す1以上の信号を提供するように構成された偏光計と、
    を備える、請求項2または3に記載のフィードフォワード制御装置。
  5. 前記光結合器がタップ結合器を備える、請求項4に記載のフィードフォワード制御装置。
  6. 前記偏光計が、
    前記光信号の1以上の偏光成分を分解する分解器と、
    分解した前記1以上の偏光成分の大きさを測定する1以上のフォトダイオードと、
    を備える、請求項4または5に記載のフィードフォワード制御装置。
  7. 前記分解器が、波長板および偏光素子のうちの少なくとも一方の組み合わせを含む、請求項6に記載のフィードフォワード制御装置。
  8. 前記分解器が、前記光信号の少なくとも3つの偏光成分を分解するように構成される、請求項6または7に記載のフィードフォワード制御装置。
  9. 前記偏光成分が、前記光信号のストークス・ベクトルを規定する、請求項8に記載のフィードフォワード制御装置。
  10. 前記偏光制御装置が、電気的に制御可能な遅延特性を有する複数の波長板を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィードフォワード制御装置。
  11. 前記偏光制御装置が、速軸の方向が0°、+45°、0°、−45°である4つの波長板を備える、請求項10に記載のフィードフォワード制御装置。
  12. 前記信号プロセッサがデジタル信号プロセッサであり、
    当該フィードフォワード制御装置が、
    前記光入力のサンプリング手段および前記デジタル信号プロセッサに接続された第1アナログ・デジタル変換器と、
    前記光出力のサンプリング手段および前記デジタル信号プロセッサに接続された第2アナログ・デジタル変換器と、
    前記デジタル信号プロセッサおよび前記偏光制御装置に接続されたデジタル・アナログ変換器と、
    をさらに備える、請求項2〜11のいずれか1項に記載のフィードフォワード制御装置。
  13. 前記光出力に接続され、所定の偏光状態の光を透過させる偏光コンポーネントと、
    前記偏光コンポーネントを透過した光の量および前記偏光コンポーネントを透過しなかった光の量の少なくとも一方を監視し、その監視信号を生成する監視装置と、をさらに備え、
    前記監視装置が前記信号プロセッサに接続され、当該信号プロセッサがさらに、受信した前記監視信号を処理して前記偏光制御装置の1以上の制御信号を生成するように構成されて、当該偏光制御装置が、通過光の偏光状態を補正するように構成されて、前記偏光コンポーネントを透過した光の量が最大化され、前記偏光コンポーネントを透過しなかった光の量が最小化される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のフィードフォワード制御装置。
  14. 前記偏光コンポーネントが偏光ビームスプリッタを備え、前記監視装置が当該偏光ビームスプリッタを透過しなかった光の量を監視するフォトダイオードを備える、請求項13に記載のフィードフォワード制御装置。
  15. フィードフォワード制御の光ファイバシステムであって、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載のフィードフォワード制御装置と、
    前記入力のサンプリング器および前記偏光制御装置に接続され、前記光入力信号を伝送する第1光ファイバと、
    前記偏光制御装置および前記出力のサンプリング器に接続され、前記光出力信号を伝送する第2光ファイバと、
    を備える、フィードフォワード制御の光ファイバシステム。
  16. 前記第1光ファイバおよび第2光ファイバが、それぞれのファイバテールによって前記偏光制御装置に光学的に接続される、請求項15に記載のフィードフォワード制御システム。
  17. 当該光ファイバシステムが、異なる偏光状態の2つ以上の光信号を多重化するように構成された偏光多重光ファイバ通信システムの一部であり、
    前記フィードフォワード制御装置の信号プロセッサが、前記偏光制御装置の1以上の制御信号を生成するように構成されて、
    当該偏光制御装置が、通過光の偏光状態を補正するように構成されて、前記2つ以上の光信号の偏光状態がそれぞれの方向を維持する、請求項2〜14のいずれか1項に従属する場合の請求項15または16に記載のフィードフォワード制御システム。
  18. 光信号の偏光状態を制御する方法において、
    光学システムの入力で光入力信号を受信するステップと、
    前記光入力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップと、
    前記光学システムを介して前記光入力信号を送信するステップと、
    前記光学システムからの光出力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップと、
    前記入力および出力の偏光状態を表す信号を処理して、前記光学システムの特有の偏光伝達関数を決定するステップと、
    前記特有の偏光伝達関数に応じて通過光の偏光状態を補正するステップと、
    を備える、方法。
  19. 前記光学システムの一部を構成する偏光制御装置を駆動する1以上の制御信号を生成するステップと、
    前記1以上の制御信号に応答して、前記偏光制御装置を通過する光の偏光状態を補正するステップと、
    をさらに備える、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ステップを継続的に実行して、前記偏光制御装置を駆動し、前記光出力信号の偏光状態を維持する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記光入力信号の偏光状態を表す1以上の信号を生成するステップが、
    当該光入力信号を1以上の異なる偏光成分に分解するステップと、当該成分の相対強度を測定するステップと、を含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記光入力信号が少なくとも3つの異なる偏光成分に分解される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記偏光成分が前記光信号のストークス・ベクトルを規定する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記偏光制御装置の駆動が、複屈折光学コンポーネントの光学的遅延の調整を含む、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記光出力信号の偏光成分の大きさを表す信号を生成するステップと、
    前記信号を処理するステップと、
    前記偏光制御装置を駆動する1以上の制御信号を生成して、通過光の偏光状態を補正し、前記光出力信号の偏光成分の大きさが最大または最小にするステップと、
    をさらに含む、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記偏光制御装置を駆動して、出力光の偏光状態を所定の角度だけ回転させる、請求項19〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記光学システムの特有の偏光伝達関数を決定するステップが、
    入力および出力の偏光状態測定結果の複数対を蓄積するステップと、
    蓄積した前記入出力偏光状態測定結果対および当該各測定結果対に関する前記偏光制御装置の既知の伝達行列を用いて、前記システムの未知のコンポーネントの挙動を特徴付ける伝達行列を演算するステップと、
    演算した前記伝達行列に基づいて、前記出力の偏光を所望の状態に復元するのに必要な前記光学システムの特有の偏光伝達関数を演算するステップと、
    を含む、請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法。
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