JP2012527181A - 無線中継器のための安定性指標 - Google Patents
無線中継器のための安定性指標 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012527181A JP2012527181A JP2012510946A JP2012510946A JP2012527181A JP 2012527181 A JP2012527181 A JP 2012527181A JP 2012510946 A JP2012510946 A JP 2012510946A JP 2012510946 A JP2012510946 A JP 2012510946A JP 2012527181 A JP2012527181 A JP 2012527181A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- repeater
- gain
- gain control
- signal
- metric
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B7/00—Radio transmission systems, i.e. using radiation field
- H04B7/14—Relay systems
- H04B7/15—Active relay systems
- H04B7/155—Ground-based stations
- H04B7/15564—Relay station antennae loop interference reduction
- H04B7/15578—Relay station antennae loop interference reduction by gain adjustment
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B7/00—Radio transmission systems, i.e. using radiation field
- H04B7/14—Relay systems
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B17/00—Monitoring; Testing
- H04B17/40—Monitoring; Testing of relay systems
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Radio Relay Systems (AREA)
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
Abstract
無線中継器内での帰還ループの安定性をモニタリングするための方法は、所定の期間の間周期的に中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することであって、利得制御メトリックは、中継器の帰還ループのループ利得を示すことと、中継器の帰還ループの安定性を決定するために利得制御メトリックの大きさをモニタリングすること、とを含む。動作の際には、利得制御メトリックの大きい大きさは、中継器の帰還ループ内での不安定性を示す。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願一連番号第61/177,209号(出願日:2009年5月11日)の利益を主張するものであり、該出願は、その全体が引用によってここに組み入れられている。
本出願は、米国仮特許出願一連番号第61/177,209号(出願日:2009年5月11日)の利益を主張するものであり、該出願は、その全体が引用によってここに組み入れられている。
本開示は、概して、無線通信システムにおける中継器に関するものである。
無線通信システム及び技法は、通信方法の重要な一部となっている。しかしながら、カバレッジを提供することは、無線サービスプロバイダにとって重大な難題になる可能性がある。カバレッジを拡大する一方法は、中継器を配備することである。
概して、中継器は、信号を受信し、その信号を増幅し、増幅された信号を送信するデバイスである。図1は、携帯電話システムの状況における中継器110の基本図を示す。中継器110は、基地局125、等のネットワークインフラストラクチャへのネットワークインタフェース例としてのドナーアンテナ(donor antenna)115を含む。中継器110は、モバイルデバイス130へのモバイルインタフェースとしてのサーバアンテナ(server antenna)120(“カバレッジアンテナ”とも呼ばれる)も含む。動作の際には、ドナーアンテナ115は、基地局125と通信し、サーバアンテナ120は、モバイルデバイス130と通信する。
中継器110内において、基地局125からの信号は、順方向リンク回路135を用いて増幅され、他方、モバイルデバイス130からの信号は、逆方向リンク回路140を用いて増幅される。順方向リンク回路135及び逆方向リンク回路140に関して数多くの構成を用いることができる。
数多くのタイプの中継器が存在する。幾つかの中継器では、ネットワークインタフェース及びモバイルインタフェースの両方が無線であり、その他では、有線ネットワークインタフェースが用いられる。幾つかの中継器は、第1の搬送波周波数を有する信号を受信し、第2の異なる搬送波周波数を有する増幅された信号を送信し、その他は、同じ搬送波周波数を用いる信号を受信及び送信する。“同じ周波数”の中継器に関して、1つの特定の難題は、送信された信号の一部が漏洩して受信回路に戻り、増幅されて再送信される可能性があることに起因して発生する帰還(feedback)を管理することである。
既存の中継器は、幾つかの技法を用いて帰還を管理する。例えば、中継器は、2本のアンテナ間の物理的分離を提供するように構成され、フィルタが用いられ、又はその他の技法を採用することができる。
ここにおいて開示されるシステム、装置、及び方法は、拡張された中継器能力を可能にする。一実施形態においては、無線中継器内での帰還ループの安定性をモニタリングするための方法は、中継器の受信アンテナで入力信号を受信することであって、入力信号は、中継されるべき遠隔信号(remote signal)及び受信アンテナと送信アンテナとの間の帰還チャネルの結果生じる帰還信号の合計であり、帰還チャネルは、送信アンテナと受信アンテナとの間で帰還ループを形成することと、送信アンテナで出力信号を送信することであって、出力信号は、増幅された入力信号であることと、所定の期間の間周期的に中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することであって、利得制御メトリックは、中継器の帰還ループのループ利得を示すことと、中継器の帰還ループの安定性を決定するために利得制御メトリックの大きさをモニタリングすることと、を含む。動作の際には、利得制御メトリックの大きい大きさは、中継器の帰還ループ内での不安定性を示す。
他の実施形態においては、入力信号を受信するための受信アンテナ及び増幅された入力信号である出力信号を送信するための送信アンテナを有する無線中継器が説明される。入力信号は、中継されるべき遠隔信号及び受信アンテナと送信アンテナとの間の帰還チャネルの結果生じる帰還信号の合計であり、帰還チャネルは、送信アンテナと受信アンテナとの間で帰還ループを形成する。中継器は、中継器の利得を制御するように構成された利得制御ブロックを含む。利得制御ブロックは、所定の期間の間周期的に中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定するように構成された利得メトリック計算器(gain metric calculator)を含む。利得制御メトリックは、中継器のループ利得を示す。利得制御メトリックは、中継器の帰還ループの安定性を決定するためにモニタリングされる。動作の際には、利得制御メトリックの大きい大きさは、中継器の帰還ループ内での不安定性を示す。
開示された方法及び装置の性質、目的、及び利点は、以下の詳細な発明を実施するための形態を添付図と関係させて検討した後に当業者にとってより明確になるであろう。
先行技術の中継器、例えば上述されるそれら、は、携帯電話又は類似のネットワークにとって重要な利点を提供することができる。しかしながら、既存の中継器構成は、幾つかの用途にとっては適切でないことがある。例えば、既存の中継器構成は、中継器のアンテナ間で希望される分離を確保するのがより難しいことがある屋内でのカバレッジ用途(例えば、住宅又は企業環境のための信号の中継)には適さないことがある。さらに、幾つかの伝統的な中継器実装では、目標は、安定した帰還ループを維持しつつ合理的に可能な限り高い利得(1よりも小さいループ利得)を達成することである。しかしながら、中継器利得を増大させることは、増大された信号が漏洩してドナーアンテナ内に戻ることに起因して分離をより困難にする。概して、ループの安定性の要求は、カバレッジアンテナから漏洩してドナーアンテナ内に戻る信号が遠隔信号(中継されるべき信号)よりもはるかに小さいことを要求する。中継器の出力部での最大の達成可能な信号対干渉/雑音比(SINR)は、中継器への入力部における遠隔信号のSINRと同じである。高利得及び向上された分離は、現代の中継器、特に屋内用途のためのそれら、に関して求められる2つの要求を成す。
ここにおけるシステム及び技法は、中継器のドナーアンテナ(例えば順方向リンク送信の例のための“受信アンテナ”)とカバレッジアンテナ(例えば、順方向リンク送信のための“送信アンテナ”)との間で向上された分離を有する無線中継器を提供する。さらに、幾つかの実施形態においては、ここにおけるシステム及び技法は、分離を有意に向上させるために干渉除去(cancellation)又はエコー除去を採用する独自の中継器設計を提供する。幾つかの実施形態においては、干渉除去又はエコー除去は、チャネルの正確な推定のためにここにおいて提供される向上されたチャネル推定技法を用いて実現される。有効なエコー除去は、漏洩チャネルの非常に正確なチャネル推定を要求する。概して、チャネル推定がより正確であるほど、除去がより高くなり、従って有効な分離がより高くなる。ここにおいては、“干渉除去”又は“エコー除去”は、中継器アンテナ間での漏洩信号の量を低減させるか又は除去する技法を意味する。すなわち、“干渉除去”は、推定された漏洩信号の除去を意味し、それは、実際の漏洩信号の部分的な又は完全な除去を提供する。
本発明の他の態様により、ここにおけるシステム及び技法は、中継器システムの安定性を向上させるための利得制御技法を採用する独自の無線中継器設計を提供する。幾つかの実施形態においては、中継器システムの安定性を測定するためのメトリックが提供される。中継器の利得は、安定性の指標としてのメトリックの値に基づいて制御される。例えば、大きい信号ダイナミックス(dynamics)の場合は、メトリック、例えばループ利得、は劣化し、利得は、中継器システムを安定した状態に維持するために低減される。利得制御方法及びシステムは、干渉除去を採用する中継器又は干渉除去を採用しない中継器に対して有利に適用することができる。
最後に、本発明のさらに他の態様により、ここにおけるシステム及び技法は、多中継器環境での無線中継器の性能を向上させることを提供する。幾つかの実施形態においては、中継器間通信を容易にするシステム及び技法が提供される。その他の実施形態においては、近隣の中継器から拡散された干渉を抑止し及び遅延を短縮するためのシステム及び技法が提供される。
図2は、本開示の実施形態による中継器210に関する動作環境200の概略図を示す。図2の例は、順方向リンク送信を例示し、すなわち、基地局225からの遠隔信号140は、モバイルデバイス230を対象とする。中継器、例えば中継器210、は、基地局225とモバイルデバイス230との間の経路227に沿った中継されない信号がモバイルデバイス230で受信される有効な音声及び/又はデータ通信のための十分な信号を提供しない場合に環境200において用いることができる。利得G及び遅延Δを有する中継器210は、ドナーアンテナ215で基地局225から受信された信号をサーバアンテナ220を用いてモバイルデバイス230に中継するように構成される。中継器210は、基地局225から受信された信号を増幅してドナーアンテナ215及びサーバアンテナ220を通じてモバイルデバイス230に送信するための順方向リンク回路を含む。中継器210は、モバイルデバイス230からの信号を増幅して基地局225に返送するための逆方向リンク回路も含むことができる。中継器210において、遠隔信号s(t)は、入力信号として受信され、遠隔信号s(t)は、中継された又は増幅された信号y(t)として中継され、ここで、
である。理想的には、利得Gは大きく、中継器の固有の遅延Δは小さく、入力SINRが中継器210の出力部で維持され(これは、データトラフィックのサポートにとって特に重要である可能性がある)、希望される搬送波のみが増幅されることである。
実際上は、中継器210の利得は、ドナーアンテナ215とサーバアンテナ220との間の分離によって制限される。利得が大きすぎる場合は、中継器は、信号漏洩に起因して不安定になる可能性がある。信号漏洩は、図2の帰還経路222によって示されるように、一方のアンテナ(図2ではサーバアンテナ220)から送信された信号の一部分が他方のアンテナ(図2ではドナーアンテナ215)によって受信される現象を意味する。換言すると、信号漏洩は、送信された信号が受信アンテナと送信アンテナとの間のアンテナ分離によって完全にブロックされない結果である。干渉除去又はその他の技法が用いられない場合は、中継器は、漏洩信号とも呼ばれるこの帰還信号をそれの正常な動作の一環として増幅し、増幅された帰還信号は、サーバアンテナ220によって再送信されることになる。信号漏洩及び高い中継器利得に起因する増幅された帰還信号の繰り返された送信は、中継器の不安定に至る可能性がある。さらに、中継器210内での信号処理は、固有の無視できない遅延Δを有する。中継器の出力SINRは、RFの非直線性及びその他の信号処理に依存する。従って、上記の理想的な中継器動作特性は、しばしば達成されない。最後に、実際上は、希望される搬送波は、中継器が配備される動作環境又は市場(market)に依存して変動する可能性がある。希望される搬送波のみを増幅する中継器を提供するのは常に可能なわけではない。
本開示の実施形態においては、屋内カバレッジ(例えば、企業、住宅、又は同様の用途)に適する中継器が提供される。中継器は、中規模の住宅内でのカバレッジにとって十分な利得の例である約70dB以上のアクティブ利得を有する。さらに、中継器は、安定性のために1よりも小さいループ利得(ループ利得は、送信アンテナと受信アンテナとの間の帰還ループの利得と呼ばれる)及び安定性のための十分な余裕(margin)量及び低い出力ノイズフロアを有する。幾つかの実施形態においては、中継器は、80dBよりも大きい全体的分離を有する。幾つかの実施形態においては、中継器は、高レベルのアクティブな分離を達成させるために干渉/エコー除去を採用し、それは、利用可能な中継器の要求よりもかなりの難題である。
本開示の幾つかの技法は、要求されるレベルのエコー除去を可能にするためにチャネル推定を利用する。帰還チャネル(アンテナ間のチャネル)を十分な精度まで推定することによって、エコー除去後の残留誤差は、安定性のための希望されるループ利得余裕を実現させる上で遠隔信号よりも十分に低くすることが可能である。
本発明の中継器を配備することができる通信システムは、赤外線、無線、及び/又はマイクロ波技術に基づく様々な無線通信ネットワークを含む。該ネットワークは、例えば、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)と、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)と、等を含むことができる。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、等であることができる。CDMAネットワークは、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)、例えばCDMA2000、広帯域CDMA(W−CDMA)、等を実装することができる。CDMA2000は、IS−95規格と、IS−2000規格と、IS−856規格と、を含む。TDMAネットワークは、グローバル移動体通信システム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))、デジタルアドバンストモバイルフォンシステム(Digital Advanced Mobile Phone System)(D−AMPS)、又は何らかのその他のRATを実装することができる。GSM及びW−CDMAは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称の組織からの文書において記述されている。CDMA2000は、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称の組織からの文書において記述されている。3GPP及び3GPP2文書は、公に入手可能である。WLANは、IEEE802.1Ixネットワークであることができ、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15x、又は何らかのその他のタイプのネットワークであることができる。ここにおいて説明されるシステム及び技法は、WWAN、WLAN及び/又はWPANのあらゆる組み合わせに関して用いることもできる。
利得制御技法
本発明の実施形態により、中継器にとっての最適な利得値を確定するための利得制御技法が説明される。ここにおいて説明される利得制御技法は、エコー除去を実装する中継器又はエコー除去を実装しない中継器に適用される。中継器の動作を安定した状態に維持するためには、中継器のループ利得の制御が極めて重要である。中継器のループ利得は、チャネル内の信号レベルの突然の変化に起因して突然変化することがある。大きな信号ダイナミックスが存在する状態で中継器システムを安定させるための方法が希望される。
本発明の実施形態により、中継器にとっての最適な利得値を確定するための利得制御技法が説明される。ここにおいて説明される利得制御技法は、エコー除去を実装する中継器又はエコー除去を実装しない中継器に適用される。中継器の動作を安定した状態に維持するためには、中継器のループ利得の制御が極めて重要である。中継器のループ利得は、チャネル内の信号レベルの突然の変化に起因して突然変化することがある。大きな信号ダイナミックスが存在する状態で中継器システムを安定させるための方法が希望される。
一実施形態においては、中継器の安定性の指標として利得制御メトリックが設定される。利得制御メトリックは、モニタリングされ、メトリックが劣化したときに、中継器の安定性を維持するために中継器の利得が低減される。動作の際には、利得制御メトリックは、連続的にモニタリングされ、中継器の利得は、システムの安定性及び要求された出力SINRを同時に維持しつつ可能な限り高い利得を出力するように上方及び下方調整される。
1.SINR及びデータレートを最適化する中継器利得制御
伝統的な中継器実装では、目標は、帰還ループが確実に安定した状態を維持するようにしつつ可能な限り高い利得を達成させることである(1よりも小さいループ利得)。高い利得レベルは、最大の可能なカバレッジエリアを提供する。ループの安定性要求は、カバレッジアンテナから漏洩してドナーアンテナ内に戻る信号が遠隔信号(中継されるべき信号)よりも典型的に大幅に低いことを要求する。中継器の出力部での最大の達成可能なSINRは、中継器の入力部での遠隔信号のSINRと同じである。
伝統的な中継器実装では、目標は、帰還ループが確実に安定した状態を維持するようにしつつ可能な限り高い利得を達成させることである(1よりも小さいループ利得)。高い利得レベルは、最大の可能なカバレッジエリアを提供する。ループの安定性要求は、カバレッジアンテナから漏洩してドナーアンテナ内に戻る信号が遠隔信号(中継されるべき信号)よりも典型的に大幅に低いことを要求する。中継器の出力部での最大の達成可能なSINRは、中継器の入力部での遠隔信号のSINRと同じである。
中継器利得は、干渉除去技法の使用を通じて有意に増大させることができる。これらの技法を用いることで、カバレッジアンテナから漏洩してドナーアンテナ内に戻る信号は、干渉として処理されてベースバンド(baseband)技法を通じて除去され、それにより、より高い中継器利得を用いるのを可能にする。より高い中継器利得は、中継器のカバレッジエリアを拡大させるため非常に望ましい。幾つかの場合においては、利得が高いときには、カバレッジアンテナからドナーアンテナ内に漏洩した信号は、遠隔信号よりも有意に大きくなる可能性がある。しかしながら、受信機における、例えば量子化に起因する、RF歪みは、受信された信号に依存する。帰還信号が遠隔信号よりも有意に大きい場合は、大きい帰還信号は、遠隔信号にノイズフロアを導入する。換言すると、大きい帰還信号は、干渉除去が理想的に機能した場合でも、すなわち、帰還信号全体が除去された場合でも、カバレッジアンテナ出力部において達成可能なSINRに対してフロア(floor)を導入する。このように、(中継器が配備されるRF状態に依存して)遠隔信号のSINRが非常に大きい場合でも、中継器の出力部のSINRは、中継器入力部で導入された誤差フロアによって制限される。
図3は、中継器入力部でのノイズフロアに対する帰還信号の影響を例示する。この例示では、中継器利得は80dBである。遠隔信号が−70dBであると仮定すると、出力信号は10dBである。送信アンテナと受信アンテナとの間のアンテナ分離が40dBであるとさらに仮定すると、送信アンテナから受信アンテナへの帰還信号は、−30dBになる。RF歪み/量子化フロアが帰還信号よりも50dB低いときには、ノイズフロアは、10dBのみのSINRフロアを導入する−80dBになる。すなわち、ノイズフロアは、遠隔信号よりもわずかに10dB低い。低いSINRは、中継器が無線データの使用をサポートするときに問題である。大きい中継器利得は、カバレッジエリアは大きくなるが達成可能なSINRの上限がこの中継器を通じて達成可能な最大のデータレートの上限を意味することを意味する。この中継器を通じて通信するデバイスの使用上の要求(例えば、高データレート)に依存して、データレートに対する制限は許容できないことがある。
本発明の一態様により、無線中継器内の中継器利得を制御する方法は、出力信号対干渉/雑音比(SINR)及びデータレートに関する要求に基づいて中継器利得を調整する。一実施形態においては、入力SINRは、出力SINRの指標として及びノイズフロアの尺度として用いられ、中継器利得は、希望される雑音耐性及び希望されるデータレートの関数として上方調整(増大)又は下方調整(低減)される。換言すると、中継器の利得及びSINRは、希望されるカバレッジエリア対データレートを最適化するために互いに犠牲にされる。例えば、より多い雑音又はより低いSINRに耐えることができるときには、より低いSINRに起因するより低いデータレートを犠牲にしてより大きいカバレッジエリアを実現させるためにより高い中継器利得設定が用いられる。他方、より少ない雑音又はより高いSINRが望まれるときには、カバレッジエリアを小さくするがデータレートを増大させるより低い中継器利得設定が用いられる。
図4は、本発明の一態様による利得制御方法を実装する中継器に関する中継器入力部でのノイズフロアに対する帰還信号の影響を例示する。図4に示される実施形態においては、中継器の利得は、70dBに低減される。中継器のカバレッジエリアが低減された利得に起因して小さくされる一方で、達成可能なSINRは20dBに増大され、それにより、より高いデータレートを用いるのを可能にする。
より具体的には、中継器の全体的利得を低減させることは、帰還信号の電力を低減させる。これは、RF歪み及び量子化の影響に起因するノイズフロアを低下させ、それによってより高い達成可能なSINRを可能にする。より高いSINRに起因してより高いデータレートを用いることができる。達成可能なSINRは、遠隔信号のSINRのみによって制限される。図4に示される実施形態においては、SINRの10dBの増大は、図3に示される実施形態と比較して10dBの利得低減で実現される。しかしながら、中継器利得を低減させることは、カバレッジエリアも小さくする。中継器の使用法に依存して、カバレッジエリアが小さくなることは、エンドユーザにとって許容可能であることができる。本発明の利得制御方法は、エンドユーザが中継器カバレッジエリアと(最大データレートに対応する)達成可能な出力SINRを比較考量するのを可能にする。本発明の利得制御方法は、エンドユーザがより高いデータレートを要求するアプリケーションを使用するときにカバレッジエリアを進んで犠牲にすることになると思われる場合に無線データトラフィックにとって特に有用である。
本発明の利得制御方法は、今度は図5A及び5Bを参照して詳細に説明される。図5Aは、本発明の一実施形態による無線中継器のための利得制御方法を例示するフローチャートである。図5Bは、本発明の一実施形態による中継器のブロック図である。図5A及び5Bを参照し、中継器350は、ドナーアンテナ315で入力信号を受信する(ステップ302)。中継器350は、サーバアンテナ320で出力信号を送信もする(ステップ304)。中継器350は、帰還信号の除去を実装するためのエコー除去装置352を含む。中継器350は、可変利得Gを提供する利得段356で入力信号を増幅する。可変利得Gは、利得制御ブロック354によって設定される。動作の際には、本発明の利得制御方法は、中継器の入力SINR(ステップ305)及び出力SINR(ステップ306)を決定する。一実施形態においては、入力SINRは、出力SINR及び中継器によって付加されたノイズフロアの指標として用いられる。次に、中継器利得は、希望されるカバレッジエリア及び達成可能なデータレートを得るために上方又は下方調整される(ステップ308)。中継器利得は、カバレッジエリアを小さくするがデータレートを増大させるために低減される(ステップ310)。利得を低減させることによって、達成可能なSINRが増大される。中継器利得は、カバレッジエリアを拡大させるがデータレートを低減させるために増大される(ステップ312)。利得を増大させることによって、達成可能なSINRが低減される。このようにして、中継器利得及び中継器のカバレッジエリアは、中継器の入力部又は出力部でのSINRを最適化し及び中継器によって用いられるデータレートを最適化するために互いに犠牲にされる。
図5Cは、本発明の他の実施形態による中継器のブロック図である。図5Cは、ドナーアンテナ及びサーバアンテナ315、320で通信を提供する移動局モデム(MSM)と可変の中継器動作を実施するためのプロセッサ364とデータを格納するためのメモリ366とを含む中継器360の機能ブロック図を例示する。本実施形態においては、中継器のMSM(移動局モデム)は、入力SINRの推定値を与えるために用いられる。その他の実施形態においては、中継器の入力又は出力SINRを推定するためのその他の方法を用いることができる。
2.多メトリック利得制御
本発明の実施形態により、中継器は、複数のメトリックをシステムの安定性の指標として採用する利得制御ブロックを含み、複数のメトリックは、中継器の利得を制御する際の使用のためにモニタリングされる。利得制御ブロックは、中継器利得が複数のメトリックに基づいて制御される利得制御方法を実装する。図6は、本発明の一実施形態による利得制御ブロックを組み入れた中継器のブロック図である。本実施形態においては、利得制御ブロックは、エコー除去中継器に実装される。その他の実施形態においては、利得制御ブロックは、後述されるように複数のメトリックに基づいて利得制御を提供するためにエコー除去を有さない中継器に実装することができる。
本発明の実施形態により、中継器は、複数のメトリックをシステムの安定性の指標として採用する利得制御ブロックを含み、複数のメトリックは、中継器の利得を制御する際の使用のためにモニタリングされる。利得制御ブロックは、中継器利得が複数のメトリックに基づいて制御される利得制御方法を実装する。図6は、本発明の一実施形態による利得制御ブロックを組み入れた中継器のブロック図である。本実施形態においては、利得制御ブロックは、エコー除去中継器に実装される。その他の実施形態においては、利得制御ブロックは、後述されるように複数のメトリックに基づいて利得制御を提供するためにエコー除去を有さない中継器に実装することができる。
図6を参照し、エコー除去中継器410は、ドナーアンテナ(入力ノード440として表される)で中継されるべき遠隔信号x[k]を受信し、サーバアンテナ(出力ノード470として表される)で送信される出力信号y[k]を生成する。サーバアンテナからドナーアンテナへ戻る信号漏洩は、出力信号y[k]の一部を中継器によって受信される前に漏洩させて戻させ、遠隔信号に付加させる。信号漏洩は、出力ノード470と入力ノード440との間の信号経路454として表される帰還チャネルh[k]として表される。従って、中継器410は、実際には、遠隔信号x[k]及び帰還信号w[k]の合計である受信信号q[k]をノード443で入力信号として受信する。帰還チャネルh[k]は、ドナーアンテナとサーバアンテナとの間で中継器410内における帰還ループを形成する。図6の加算器442は、受信信号q[k]の信号成分を例示することのみを目的とする象徴的なものであり、中継器410の動作環境における実際の信号加算器を表すものではない。
中継器410は、エコー除去中継器であり、受信信号(“入力信号”)内の希望されない帰還信号成分を除去するために帰還信号w[k]を推定するために動作する。その目的のために、中継器410は、加算器444及びチャネル推定ブロック450によって形成されたエコー除去装置を含む。受信信号q[k]は、受信信号q[k]から帰還信号推定値
を減じるために動作する加算器444に結合される。帰還信号推定値w^[k]が正確である限りにおいて、希望されない帰還信号は、受信信号から除去されてエコー除去が実現される。本実施形態においては、除去後の信号p[k]は、除去後の信号にGの利得を提供する可変利得段458に結合される。利得段458は、サーバアンテナでの送信のために出力ノード470で出力信号y[k]を生成する。図6は、本発明の利得制御方法の動作に該当する要素のみを例示する。中継器410は、図6には示されていないが完全な中継器の動作を実現させることが当業において知られているその他の要素を含むことができる。
に基づいて生成され、帰還チャネル推定値は、チャネル推定ブロック450によって生成される。本実施形態においては、チャネル推定ブロック450は、受信信号q[k]を入力信号として取得し(take)、エコーが除去された信号p[k]をチャネル推定のためのパイロット信号又は基準信号として用いて帰還チャネル推定値h^[k]を生成する。次に、エコー除去装置は、帰還チャネル推定値h^[k]に基づいて帰還信号推定値w^[k]を計算する。より具体的には、帰還信号推定値w^[k]は、帰還チャネル推定値h^[k]にパイロット信号p[k]を畳み込むことによって得られる(すなわち、
)。帰還信号推定値w^[k]は、加算器444でのエコー除去のために用いられる。より具体的には、帰還信号推定値w^[k]が受信信号q[k]から減じられてエコーが除去された信号p[k]が生成される。図6は、中継器にエコー除去を実装するための一方法を例示することに注目するのが不可欠である。図6は、例示であり、限定することは意図されていない。本発明のエコー除去無線中継器は、エコー除去のためのその他の方法を実装することができる。中継器で用いられる正確なエコー除去方法は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。
中継器410は、利得段458によって提供された可変利得値Gを調整するための利得制御ブロック447を組み入れる。利得制御ブロック447は、中継器の帰還ループ内のどこからでも取得することが可能な利得制御入力信号を受信する。より具体的には、利得制御入力信号は、エコー除去中継器内でのエコー除去前に又はエコー除去後に取得することができる。本実施形態においては、利得制御入力信号は、受信信号q[k]として取得されるが、これは、例示のみを目的とする。実際上は、利得制御入力信号が取得される正確な場所は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。その他の実施形態においては、中継器は、エコー除去を実装せず、利得制御ブロック447は、中継器の帰還ループ内のあらゆる場所における信号であることができる利得制御入力信号を受信する。繰り返しになるが、利得制御入力信号が取得される正確な場所は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。従って、後続する説明では、用語“利得制御入力信号”は、中継器の利得制御ブロックに提供された入力信号を意味し、中継器の帰還ループ内のいずれの地点でも取得される信号であることができ、エコー除去前、エコー除去後、又はエコー除去を実装していない中継器内の帰還ループ内のあらゆる地点を含む。
利得制御ブロック447は、利得制御入力信号を受信して一組の利得制御メトリックを計算及び生成するための利得メトリック計算器460を含む。一実施形態においては、2つの利得制御メトリックが用いられる。利得制御ブロック447は、利得メトリック計算器460から利得制御メトリックを受信する利得制御アルゴリズムブロック462をさらに含む。利得制御アルゴリズムブロック462は、中継器410内の利得段458の可変利得Gの制御を提供する。
第1の利得制御メトリックの導出が図6を参照して説明される。最初に、中継器帰還制御ループからの時間iにおける長さNの複素信号セグメントがインターセプトされるか又は受信され、利得制御入力信号として用いられる。
本実施形態においては、複素信号ri[n]は、エコー除去前であるノード443で取得される。その他の実施形態においては、複素信号ri[n]は、帰還制御ループ内のその他の場所で、例えばエコー除去後に、取得することができる。本説明では、中継器帰還制御ループ(“制御ループ”とも呼ばれる)は、送信アンテナから受信アンテナへの帰還チャネルの結果として送信アンテナと受信アンテナとの間で中継器内において固有に形成される帰還ループを意味する。帰還ループの利得(“ループ利得”)は、ループの安定性を維持するために測定及び制御される。
上において与えられたループ利得メトリックgi(τ)は、基本的には、システムの安定性の指標であるループ利得である。上において与えられたループ利得メトリックgi(τ)は、各チャネルタップτに関するループ利得を計算し、以後は“タップごとの利得制御メトリック”と呼ばれる。タップごとの利得制御メトリックgi(τ)は、全チャネルタップに関して合計されたときに、以下の式のような形で可変利得段458の利得Giを調整するために用いることができる。
すなわち、タップごとの利得制御メトリックgi(τ)は、すべての希望されるチャネルタップに関して測定及び合計され、合計された値は、1よりも小さい値δとほぼ同じであるように維持される中継器のための利得制御メトリックgiである。典型的には、δは、出力SINRに関する要求によって決定される。一実施形態においては、δは、要求される出力SINRにより−10dB乃至−20dBになるように選択される。さらに、典型的な中継器の動作に関しては、総ループ利得は、安定性のために1未満でなければならない(0dB)。一実施形態においては、δは、要求される出力SINRが20dBの範囲内にあるときに−20dBであるように選択される。上記の方程式において、利得制御メトリックgiは、全チャネルタップにおけるタップごとの利得制御メトリックgi(τ)の線形結合(linear combination)として計算され、各々のタップごとの利得制御メトリックgi(τ)にそれ自体の係数α(τ)が乗じられ、それは、タップごとの利得制御メトリックの項の直線和(straight summation)に関しては1、その他の形の線形結合に関してはその他の値であることができる。その他の実施形態においては、利得制御メトリックgiは、すべての希望されるチャネルタップに関するタップごとの利得制御メトリックgi(τ)の非線形結合として計算することができる。
一実施形態においては、上記の利得制御メトリックgiは、エコー除去及び利得制御が存在しない状態で及び白色入力信号を用いてシミュレーションされる。30MHzのサンプリングレートが用いられ及びNdelay=30×5の探索ウィンドウの遅延が用いられる。探索ウィンドウの長さは、Ntap=64である。積分長は、N=30×10サンプルである。利得制御メトリックは、−20dBよりも高いループ利得に関する実際のループ利得を正確に推定することができる。しかしながら、推定雑音ベースライン(noise baseline)は、利得制御メトリックが−20dBより低いループ利得レベルを推定するのを妨げる。目標ループ利得レベルが−20dBである場合は、より低い雑音ベースラインを有するメトリックが望まれる。より低い雑音ベースラインは、積分長Nを大きくすることによって得ることができる。一実施形態においては、積分長Nは、30×200サンプルまで大きくされる。利得制御メトリックがN=30×200サンプルの積分長を用いるときには、大きくされた積分長は、利得制御メトリックが−30dB超において正確にループ利得を推定するのを可能にする。
本発明の利得制御方法の一実施形態においては、長い積分長を有する単一の利得制御メトリックが用いられる。長い積分長は、応答時間を長くし、従って、長い積分長を有する利得制御メトリックは、ここでは“低速メトリック”(slow metric)と呼ばれる。例えば、一実施形態においては、N=30×200サンプルの積分長を有する利得制御メトリック(“低速メトリック”)は、−20dBのループ利得目標を有する利得制御のために用いられる。図7は、対象となるループ利得領域全体をモニタリングするための単一の低速利得制御メトリックの使用を例示する。しかしながら、低速メトリックは、長い積分長を使用し、従って長い応答時間を有する。一例においては、N=30×200サンプルの積分長は、200μsecの応答時間を要求する。従って、低速メトリックは、低速調整にとって有利である一方で、低速メトリックは、低速すぎて、中継器を安定した領域から外れさせることがある突然の擾乱に応答できないことがある。
本発明の利得制御方法のその他の実施形態により、利得制御方法は、中継器利得を制御するためにループの安定性をモニタリングするための複数の利得制御メトリックを用いる。一実施形態においては、利得制御方法は、対象となるループ利得領域全体をモニタリングするために“低速メトリック”と組み合わせて“高速メトリック”(fast metric)を用いる。上述されるように、“低速メトリック”は、長い積分長、従って低速の応答時間、を有する利得制御メトリックを意味する。しかしながら、低速メトリックは、多数のサンプルを使用し、このため低速であるが非常に正確である。他方、“高速メトリック”は、短い積分長、従って高速の応答時間、を有する利得制御メトリックを意味する。しかしながら、高速メトリックは、少ない数のサンプルを使用し、従って、高速メトリックは、高速であるが低速メトリックよりも正確度が低い。一実施形態においては、高速の応答時間を有する高速メトリックは、中継器の帰還制御ループが不安定に近づく0dB付近における臨界ループ利得領域をモニタリングするために用いられる。この臨界領域では、ループの安定性を確保するために中継器利得を素早く調整するのを可能にするために高速応答が望まれる。他方、低速応答時間を有する低速メトリックは、より正確なループ利得測定が望まれる正常な安定したループ利得領域をモニタリングするために用いられる。この説明では、積分長は、コヒーレント積分時間と非コヒーレント積分時間の和であると定義される。
図8は、本発明の一実施形態による対象となるループ利得領域全体をモニタリングするための低速及び高速の利得制御メトリックの使用を例示する。図8を参照し、−10dB以上の臨界ループ利得領域でのループ利得をモニタリングするために積分長N=30×10サンプル及び10μsecの応答時間を有する高速メトリックが用いられる。−10dB以上のループ利得領域は、ループの不安定が結果的に生じる可能性がある0dBに近づくループ利得(又は1以上のループ利得)を表す。高速メトリックは、中継器のために高速利得制御応答を保証する。高速メトリックと併用して、−10dB超の正常な安定したループ利得領域内の及び−20dBの目標ループ利得周辺のループ利得をモニタリングするために積分長N=3×200サンプル及び200μsecの応答時間を有する低速メトリックが用いられる。ループ利得が不安定領域から十分に離れているときには、希望される利得値に合わせた中継器利得の微調整を可能にするために正確なループ利得測定が望まれる。低速メトリックは、中継器利得を正確に制御するのを可能にするためにより正確なループ利得測定を提供する。対象となるループ利得領域全体をモニタリング及び測定するために2つのメトリックを用いることによって、−30dBから−10dBまでの正確な利得制御が実現され、−10dB超の高速利得制御が実現される。
図9は、本発明の一実施形態による中継器の利得制御ブロック内の利得メトリック計算器のブロック図である。図9を参照し、利得メトリック計算器560は、利得制御入力信号を入力として取得し、高速メトリック及び低速メトリックを出力として生成する。高速メトリック及び低速メトリックは、図6に示されるように、中継器の可変利得を制御するための制御信号を生成するために利得制御ブロック内の利得制御アルゴリズムブロックによって用いられる。利得メトリック計算器560は、次のように構築される。受信信号q[n]が、利得メトリック計算のための利得制御入力信号として用いられる。ブロック570において、受信信号q[n]が、チャネルタップτにおいて帰還信号を検出するチャネルタップτにおける正規化された相関(複素)値ηi(τ)を計算するために用いられる。正規化された相関(複素)値ηi(τ)は、以下として与えられる。
次に、ブロック572において、正規化された相関値ηi(τ)が二乗され、全チャネルタップに関して合計されて推定された利得制御メトリック値giが生成される。より具体的には、複素正規化相関値ηi(τ)を二乗することは、チャネルタップτにおける出力信号エネルギーに関する帰還エネルギーを与え、他方、すべての対応するチャネルタップでの二乗されたηi(τ)を合計することは、帰還ループのループ利得の推定値である総相対帰還エネルギーを与える。推定された利得制御メトリックgiは、以下として与えられる。
利得制御メトリックgiを計算後は、高速メトリック及び低速メトリックを平行して生成するために2つの無限インパルス応答(IIR)フィルタ574、576が平行して用いられる。その他の実施形態においては、その他のタイプのフィルタ、例えばFIR、を用いることもできる。IIRフィルタ574は、高速メトリックを生成するために用いられてDfastの遅延値を使用し、他方、IIRフィルタ576は、低速メトリックを生成するために用いられてDslowの遅延値を使用し、ここで、Dslowは、Dfastよりもはるかに大きい。遅延値は、フィルタ帯域幅によって決定される。IIRフィルタ574の出力は、Dfastに等しいサンプリング時間Tsampleを有するスイッチ575によってサンプリングされる。IIRフィルタ576の出力は、Dslowに等しいサンプリング時間Tsampleを有するスイッチ577によってサンプリングされる。非コヒーレント積分時間は、遅延値Dfast又はDslowによって決定される。
図9において、エコー除去前の受信信号q[n]は、利得メトリック計算のための利得制御入力信号として用いられる。その他の実施形態においては、帰還ループからの、例えばエコー除去後の、その他の信号を、利得メトリック計算のための利得制御入力信号として用いることができる。
本実施形態においては、利得メトリック計算器560は、メトリック計算においてあらゆる希望されないバイアスを除去するためのバイアス推定器590を含む。バイアス推定器590の詳細な動作が以下においてさらに詳細に説明される。概して、バイアス推定器590は、正規化された相関値(複素)ηi(τ)を入力として取得し、IIRフィルタからの高速及び低速メトリック出力から減じられるバイアス値を生成する。より具体的には、IIRフィルタ574のサンプリングされた出力は、加算器580に結合され、IIRフィルタ576のサンプリングされた出力は、加算器582に結合される。加算器580及び582において、推定されたバイアス値がサンプリングされた出力から減じられて高速メトリック及び低速メトリックがそれぞれ生成される。
このようにして構築された状態で、利得メトリック計算器560は、利得制御アルゴリズムによる使用のために2つの利得制御メトリックを提供する。利得制御アルゴリズムは、ループ利得値に基づいて希望されるメトリックを選択する。ループ利得が不安定領域の周辺又は非常に近くに存在する場合は(例えば、−5dB周辺)、高速利得制御応答を得るために高速メトリックが用いられる。ループ利得が正常な安定した領域内(例えば、−20dB周辺)に存在する場合は、より正確な利得制御を得るために低速メトリックが用いられる。
上記の説明では、低速メトリック及び高速メトリックは、大きい数及び小さい数のサンプルをそれぞれ用いて実現される。本発明の利得制御方法の他の実施形態により、高速メトリック及び低速メトリックは、非コヒーレントフィルタリングを用いずに異なるコヒーレント積分時間を用いて実現される。高速メトリックに関しては、より短いコヒーレント積分時間が用いられる。低速メトリックに関しては、より長いコヒーレント積分時間が用いられる。図10は、本発明の一実施形態によるより短い及びより長いコヒーレント積分時間を用いた高速メトリック及び低速メトリックの相関値Riの計算を例示する。より具体的には、相関値R1[τ]は、より長いコヒーレント積分時間が用いられる低速メトリックに対応し、他方、相関値R2[τ]は、より短いコヒーレント積分時間が用いられる高速メトリックに対応する。図11は、本発明の一実施形態によるより短い及びより長いコヒーレント積分時間を用いた高速メトリック及び低速メトリックの正規化値Siの計算を例示する。より具体的には、正規化値S1は、より長いコヒーレント積分時間が用いられる低速メトリックに対応し、他方、正規化値S2は、より短いコヒーレント積分時間が用いられる高速メトリックに対応する。図12は、本発明の一実施形態による図10及び図11の相関値Ri及び正規化値Sを用いた高速メトリックg2及び低速メトリックgiの計算を例示する。
3.中継器安定性指標
中継器は、無条件で安定した状態が維持されるべきである。従って、中継器の安定性を示すメトリックが望ましい。本発明の実施形態により、中継器安定性モニタリング方法及び装置は、中継器帰還ループからの信号の一定の期間をインターセプトすることによって動作し、ある時間に関するループ内でのその信号成分の“増大”をモニタリングする。帰還ループ内の信号成分が次第に弱化する場合に中継器システムは安定している。上述されるように、中継器帰還ループ(又は“制御ループ”)は、送信アンテナと受信アンテナとの間で中継器内において固有に形成される帰還ループを意味する。帰還ループの利得(“ループ利得”)は、ループの安定性を維持するために測定及び制御される。
中継器は、無条件で安定した状態が維持されるべきである。従って、中継器の安定性を示すメトリックが望ましい。本発明の実施形態により、中継器安定性モニタリング方法及び装置は、中継器帰還ループからの信号の一定の期間をインターセプトすることによって動作し、ある時間に関するループ内でのその信号成分の“増大”をモニタリングする。帰還ループ内の信号成分が次第に弱化する場合に中継器システムは安定している。上述されるように、中継器帰還ループ(又は“制御ループ”)は、送信アンテナと受信アンテナとの間で中継器内において固有に形成される帰還ループを意味する。帰還ループの利得(“ループ利得”)は、ループの安定性を維持するために測定及び制御される。
図13は、本発明の一実施形態による中継器安定性モニタリング及び利得制御方法を例示したエコー除去を採用する中継器のブロック図である。図14は、本発明の一実施形態による中継器安定性モニタリング及び利得制御方法を組み入れた中継器の数学モードを例示する。図13を参照し、エコー除去中継器610は、ドナーアンテナ(入力ノード640として表される)で中継される遠隔信号x[k]を受信し、サーバアンテナ(出力ノード670として表される)で送信される出力信号y[k]を生成する。サーバアンテナからドナーアンテナへ戻る信号漏洩は、出力信号y[k]の一部を中継器によって受信される前に漏洩させて戻させ、遠隔信号に付加させる。信号漏洩は、出力ノード670と入力ノード640との間の信号経路654として表される帰還チャネルh[k]として表される。従って、中継器610は、実際には、遠隔信号x[k]と帰還信号w[k]の合計である受信信号q[k]をノード643での入力信号として受信する。帰還チャネルh[k]は、ドナーアンテナとサーバアンテナとの間で中継器610内において帰還ループを形成する。図13の加算器642は、受信信号q[k]の信号成分を例示することのみを目的とする象徴的なものであり、中継器610の動作環境における実際の信号加算器を表すものではない。
中継器610は、エコー除去中継器であり、受信信号(“入力信号”)内の希望されない帰還信号成分を除去するために帰還信号w[k]を推定するために動作する。その目的のために、中継器610は、加算器644とチャネル推定ブロック650とを含むエコー除去装置680を含む(図14)。受信信号q[k]は、受信信号q[k]から帰還信号推定値w^[k]を減じるために動作する加算器644に結合される。帰還信号推定値w^[k]が正確である限りにおいて、希望されない帰還信号が受信信号から除去されてエコー除去が実現される。本実施形態においては、除去後の信号p[k](ノード645)は、除去後の信号にGの利得を提供する可変利得段658に結合される。利得段658は、サーバアンテナでの送信のために出力ノード670で出力信号y[k]を生成する。図13は、本発明の利得制御方法の動作に該当する要素のみを例示する。中継器610は、図13には示されていないが完全な中継器の動作を実現させることが当業において知られているその他の要素を含むことができる。
帰還信号推定値w^[k]は、帰還チャネル推定値h^[k]に基づいて生成され、帰還チャネル推定値は、チャネル推定ブロック650によって生成される。本実施形態においては、チャネル推定ブロック650は、受信信号q[k]を入力信号として取得し、エコーが除去された信号p[k]をチャネル推定のためのパイロット信号又は基準信号として用いて帰還チャネル推定値h^[k]を生成する。次に、エコー除去装置は、帰還チャネル推定値h^[k]に基づいて帰還信号推定値w^[k]を計算する。より具体的には、帰還信号推定値w^[k]は、帰還チャネル推定値h^[k]にパイロット信号p[k]を畳み込むことによって得られる(すなわち、
)。帰還信号推定値w^[k]は、加算器644でエコー除去のために用いられる。より具体的には、帰還信号推定値w^[k]が受信信号q[k]から減じられてエコーが除去された信号p[k]が生成される。図13は、エコー除去を実装するための一方法を例示する。図13は、例示であることのみが意図され、限定することは意図されていない。その他の実施形態においては、エコー除去を実装するためのその他の方法を用いることができる。
中継器610は、利得段658によって提供された可変利得値Gを調整するための利得制御ブロック647を組み入れる。利得制御ブロック647は、利得制御メトリックを計算及びモニタリングするための利得メトリック計算器660を含む。利得制御ブロック647は、利得メトリック計算器660から利得制御メトリックを受信する利得制御アルゴリズムブロック662をさらに含む。利得制御アルゴリズムブロック662は、中継器610内の利得段658の可変利得Gの制御を提供する。利得制御ブロック647は、中継器の帰還ループ内のどこからでも取得することが可能な利得制御入力信号を受信する。より具体的には、利得制御入力信号は、エコー除去中継器内でのエコー除去前に又はエコー除去後に取得することができる。本実施形態においては、利得制御入力信号は、除去後の信号p[k]として取得されるが、これは、例示のみを目的とする。実際上は、利得制御入力信号が取得される正確な場所は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。その他の実施形態においては、中継器は、エコー除去を実装せず、利得制御ブロック647は、中継器の帰還ループ内のあらゆる場所における信号であることができる利得制御入力信号を受信する。繰り返しになるが、利得制御入力信号が取得される正確な場所は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。
今度は、利得制御メトリックの導出が図13及び図14を参照して説明される。最初に、本実施形態においては、(ノード645における)中継器帰還制御ループからのiにおける長さNの複素信号セグメントがインターセプトされるか又は受信され、利得制御入力信号として用いられる。
その他の実施形態においては、複素信号セグメントは、その他の場所、例えばエコー除去装置680よりも前のノード643で、取得することができる。
上記のメトリックは、基本的には、システムの安定性の指標であるループ利得である。上において与えられたループ利得メトリックgi(τ)は、各チャネルタップτに関するループ利得を計算し、以後は“タップごとの利得制御メトリック”と呼ばれる。タップごとの利得制御メトリックgi(τ)は、全チャネルタップに関して合計されたときに、以下のような形で可変利得段658の利得Giを調整するために用いることができる。
すなわち、タップごとの利得制御メトリックgi(τ)は、一定の期間の間測定及び合計され、合計された値は、1よりも小さい値δとほぼ同じであるように維持される利得制御メトリックgiである。典型的には、δは、出力SINRに関する要求によって決定される。一実施形態においては、δは、要求される出力SINRにより−10dB乃至−20dBになるように選択される。一実施形態においては、利得制御メトリックgiは、全チャネルタップに関するタップごとの利得制御メトリックgi(τ)の線形結合として計算され、各々のタップごとの専用利得制御メトリックgi(τ)にそれ自体の係数α(τ)が乗じられ、それは、タップごとの利得制御メトリックの項の直線和に関しては1、その他の形の線形結合に関してはその他の値であることができる。その他の実施形態においては、利得制御メトリックgiは、すべての希望されるチャネルタップに関するタップごとの利得制御メトリックgi(τ)の非線形結合として計算することができる。
一実施形態においては、上記の利得制御メトリックgiは、白色入力信号を用いてシミュレーションされる。20MHzのサンプリングレートが用いられ及びNdelay=100の探索ウィンドウの遅延が用いられる。探索ウィンドウの長さは、Ntap=64である。積分長は、N=6400サンプルである。利得制御メトリックgiは、ループ利得レベルを正確に示す。雑音ベースラインは、相関期間の6400サンプルに関しては−30dBよりも小さい。
動作の際には、中継器のループ利得は、エコー除去装置680によって除去されなかった残留帰還信号を測定することによって推定される。非エコー除去中継器の場合は、アンテナ分離から取り残された帰還信号の量は、ループ利得の推定として測定される。除去される帰還信号が多いほど、システムはより安定する。
換言すると、利得制御メトリックは、送信された信号と受信された信号との間の相関関係の尺度である。大きい相関関係は、大きい漏洩量及びより低い安定性を示す。利得制御アルゴリズムは、利得制御メトリックに応答して利得を低減させる。小さい相関関係は、小さい帰還信号及び向上された安定性を示す。利得制御アルゴリズムは、利得制御メトリックに応答して利得を増大させる。このようにして、中継器の安定性が確保される。
4.利得制御メトリックの計算
図13及び14を参照して上述される利得制御メトリックgiは、中継器等の帰還システムの安定性を正確にモニタリングすることが可能である。中継器安定性モニタリング方法及び装置は、エコー除去を有する又はエコー除去を有さない中継器での使用のために好適化することができる。図15は、エコー除去を有さず及び本発明の一実施形態による利得制御方法を実装する中継器のブロック図である。図15を参照し、中継器710は、ドナーアンテナ(入力ノード740として表される)で中継される遠隔信号x[k]を受信し、サーバアンテナ(出力ノード770として表される)で送信される出力信号y[k]を生成する。サーバアンテナからドナーアンテナに戻る信号漏洩は、出力信号y[k]の一部を中継器によって受信される前に漏洩させて戻させ、遠隔信号に付加させる。信号漏洩は、出力ノード770と入力ノード740との間の信号経路754として表される帰還チャネルh[k]として表される。従って、中継器710は、実際には、遠隔信号x[k]及び帰還信号w[k]の合計である受信信号p[k]をノード743で入力信号として受信する。帰還チャネルh[k]は、ドナーアンテナとサーバアンテナとの間で中継器710内において帰還ループを形成する。図15の加算器742は、受信信号p[k]の信号成分を例示することのみを目的とする象徴的なものであり、中継器710の動作環境における実際の信号加算器を表すものではない。受信信号p[k]は、Gの利得を提供する可変利得段758に結合される。利得段758は、サーバアンテナでの送信のために出力ノード770で出力信号y[k]を生成する。図15は、本発明の利得制御方法の動作に該当する要素のみを例示する。中継器710は、図15には示されていないが完全な中継器の動作を実現させることが当業において知られているその他の要素を含むことができる。
図13及び14を参照して上述される利得制御メトリックgiは、中継器等の帰還システムの安定性を正確にモニタリングすることが可能である。中継器安定性モニタリング方法及び装置は、エコー除去を有する又はエコー除去を有さない中継器での使用のために好適化することができる。図15は、エコー除去を有さず及び本発明の一実施形態による利得制御方法を実装する中継器のブロック図である。図15を参照し、中継器710は、ドナーアンテナ(入力ノード740として表される)で中継される遠隔信号x[k]を受信し、サーバアンテナ(出力ノード770として表される)で送信される出力信号y[k]を生成する。サーバアンテナからドナーアンテナに戻る信号漏洩は、出力信号y[k]の一部を中継器によって受信される前に漏洩させて戻させ、遠隔信号に付加させる。信号漏洩は、出力ノード770と入力ノード740との間の信号経路754として表される帰還チャネルh[k]として表される。従って、中継器710は、実際には、遠隔信号x[k]及び帰還信号w[k]の合計である受信信号p[k]をノード743で入力信号として受信する。帰還チャネルh[k]は、ドナーアンテナとサーバアンテナとの間で中継器710内において帰還ループを形成する。図15の加算器742は、受信信号p[k]の信号成分を例示することのみを目的とする象徴的なものであり、中継器710の動作環境における実際の信号加算器を表すものではない。受信信号p[k]は、Gの利得を提供する可変利得段758に結合される。利得段758は、サーバアンテナでの送信のために出力ノード770で出力信号y[k]を生成する。図15は、本発明の利得制御方法の動作に該当する要素のみを例示する。中継器710は、図15には示されていないが完全な中継器の動作を実現させることが当業において知られているその他の要素を含むことができる。
中継器710は、利得段758によって提供された可変利得値Gを調整するための利得制御ブロック747を組み入れる。利得制御ブロック747は、利得制御メトリックを計算及びモニタリングするための利得メトリック計算器760を含む。利得制御ブロック747は、利得メトリック計算器760から利得制御メトリックを受信する利得制御アルゴリズムブロック762をさらに含む。利得制御アルゴリズムブロック762は、利得メトリック計算器760によって生成された少なくとも利得制御メトリックを含む1つ以上の関数に基づいて中継器710内の利得段758の可変利得Gの制御を提供する。利得制御ブロック747は、中継器の帰還ループ内のどこからでも取得することが可能な利得制御入力信号を受信する。利得制御入力信号が取得される正確な場所は、本発明の実践にとっては極めて重要なわけではない。
上述されるように、本発明の異なる実施形態においては、中継器は、安定性を維持しつつ中継器のための最適な利得値を確定するための利得制御技法を実装する。その目的のために、中継器は、1つ以上の利得制御メトリックを測定及びモニタリングするように構成された利得制御ブロックを含む。利得制御ブロックは、利得制御メトリックに少なくとも部分的に基づいて中継器の利得を制御するようにも構成される。幾つかの実施形態においては、中継器は、エコー除去中継器(図13)であり、利得制御ブロック647は、中継器の帰還ループ内のどこからでも取得することができる利得制御入力信号を受信する。より具体的には、利得制御入力信号は、エコー除去前又はエコー除去後に取得することができる。その他の実施形態においては、中継器は、エコー除去を実装せず(図15)、利得制御ブロック747は、中継器の帰還ループ内のあらゆる場所における信号であることができる利得制御入力信号を受信する。以下の説明では、用語“利得制御入力信号”は、中継器の利得制御ブロックに提供された入力信号を意味し、中継器の帰還ループ内のあらゆる地点で取得された信号であることができ、エコー除去前、エコー除去後、又はエコー除去を有さないことを含む。
ここで、τは、例えばマルチパスの影響に起因する、時間領域内での帰還信号の拡散と関連付けられた時間領域のチャネルタップである。相関項及び正規化項は、Nの積分長に関して、すなわちNのサンプルに関して、各々計算される。さらに、相関項は、利得制御入力信号及び利得制御入力信号の遅延されたバージョンの相関関係を表し、他方、正規化項は、遅延されない利得制御入力信号の電力を表す。
しかしながら、利得制御メトリックの計算は、計算集約的である。例えば、相関項Riを計算するためには、相関値を見つけるために多数の乗算が要求される。より具体的には、Nの積分長に関しては、相関項を更新する必要があるごとにN回の複素乗算を行わなければならず、さらに、正規化項を更新する必要があるごとに他のN回の複素乗算を行わなければならない。大きい積分長Nの場合は、計算の複雑さは、実際上は膨大になる可能性がある。
本発明の実施形態により、利得制御メトリック計算方法は、上述される利得制御メトリックの効率的な実装を可能にする。本発明の利得制御メトリック計算方法の特定の利点は、計算の複雑さが積分長Nと無関係であること、すなわち、計算の複雑さが積分長に比例して大きくならないことである。
最初に、相関項Riの計算の際には、各時間tにおいて、ほとんどの乗算は、1つ以外は前の時間サンプルにおいて既に計算されているそれらと同じである。本実施形態においては、以前のNのサンプルに関して計算された各ラグτにおける相関値R[τ]を保持するためにレジスタが用いられる。以前の時間サンプルからの全乗算項は、計算及び合計されてレジスタに格納される。新しい時間サンプルが導入されたときには、(N+1)番目の前サンプルは、古いサンプルすなわち旧サンプルになる。相関値R[τ]は、旧サンプルの乗算項を廃棄して新サンプルの乗算項を格納された相関値に加えることによって計算される。その結果、各時間サンプルでは2回のみの乗算が行われ、すなわち、新サンプルに関して1回及び旧サンプルに関して1回である。新サンプルに基づく積は格納された合計に加えられ及び旧サンプルに基づく積は格納された合計から減じられ、更新された相関値R[τ]が生成される。
上記の方程式から観察できるように、従来の計算で要求されるN回の乗算の代わりに新サンプルごとに1つのラグごとに2回のみの複素乗算が要求される。図16は、本発明の一実施形態によるラグτにおける相関項R[τ]のための更新演算を例示する。図16に示されるように、以前のNのサンプルに関して計算された各ラグτにおける相関値R[τ]を保持するために複素レジスタであるレジスタ780が用いられる。各々の新サンプルに関して、更新された相関項R[τ]を得るために新サンプルごとに1つのラグごとに2回のみの複素乗算が行われる。旧サンプルに関する項を計算するために1回の複素乗算(乗算器772)が行われ、新サンプルに関する項を計算するために1回の複素乗算(乗算器774)が行われる。新サンプルに基づく積は格納された合計に加えられ及び旧サンプルに基づく積は格納された合計から減じられ(加算器776)、更新された相関値R[τ]が生成される。
図17は、本発明の一実施形態によるラグτにおける正規化項Sに関する更新演算を例示する。図17に示されるように、各ラグτにおける正規化値S[τ]を保持するためにレジスタ790が用いられる。以前の時間サンプルからの全乗算項は、計算及び合計されてレジスタ790に格納される。新しい時間サンプルが導入されたときには、正規化値Sは、(N+1)番目の前サンプルである旧サンプルの乗算項を廃棄し(乗算器782)及び新サンプルの乗算項をレジスタ790内の格納された正規化値に加える(乗算器784)ことによって計算される。その結果、各時間サンプルでは2回のみの乗算が行われ、すなわち、新サンプルに関して1回及び旧サンプルに関して1回である。加算器786において新サンプルに基づく積は格納された合計に加えられ及び旧サンプルに基づく積は格納された合計から減じられ、更新された正規化値Sが生成される。
の計算、及び対応する利得調整は、通常はサンプルレートよりもはるかに低速で行われる。
5.利得調整ステッピング(stepping)制御
図13は、利得制御メトリックをモニタリング及び計算するための利得制御メトリック計算器を用いた中継器を例示する。利得制御メトリックは、利得制御メトリックに少なくとも部分的に基づいて中継器の出力利得を制御する利得制御アルゴリズムを駆動する。本発明の実施形態により、可変利得段の利得調整ステップサイズ(step size)は、利得制御メトリックによって測定された場合の中継器の少なくともループ利得の関数である。幾つかの実施形態においては、可変利得段の利得調整ステップサイズは、中継器のループ利得及び可変利得の関数である。より具体的には、一実施形態においては、中継器のループ利得は、異なる動作ゾーンに分割され、利得調整ステップサイズは、ゾーンに依存する。最後に、他の実施形態においては、利得調整ステップサイズは、中継器の動作のブートアップ状態と定常状態とを含む利得制御状態の関数である。
図13は、利得制御メトリックをモニタリング及び計算するための利得制御メトリック計算器を用いた中継器を例示する。利得制御メトリックは、利得制御メトリックに少なくとも部分的に基づいて中継器の出力利得を制御する利得制御アルゴリズムを駆動する。本発明の実施形態により、可変利得段の利得調整ステップサイズ(step size)は、利得制御メトリックによって測定された場合の中継器の少なくともループ利得の関数である。幾つかの実施形態においては、可変利得段の利得調整ステップサイズは、中継器のループ利得及び可変利得の関数である。より具体的には、一実施形態においては、中継器のループ利得は、異なる動作ゾーンに分割され、利得調整ステップサイズは、ゾーンに依存する。最後に、他の実施形態においては、利得調整ステップサイズは、中継器の動作のブートアップ状態と定常状態とを含む利得制御状態の関数である。
図18は、本発明の一実施形態による利得調整制御ゾーンを例示する概略図である。図18を参照し、定常状態での動作においては、ループ利得は、クールゾーン(cool zone)(−20dB乃至−25dB)内にあり、利得値は、定常状態での動作に起因して大幅には変動しない。従って、小さい利得調整ステップサイズを提供するために小さい傾きを有する利得調整制御曲線802が用いられる。ブートアップ状態においては、ループ利得が安定した動作を示す目標ゾーン(−15dB乃至−20dB)内又はクールゾーン内にある場合は、利得増大率は、全体的な中継器出力利得の減少関数である(Δ+dB/dB)。すなわち、利得調整ステップサイズは、中継器利得の減少関数である。中継器出力利得が高いほど、利得調整ステップサイズが小さくなり又は小さい利得調整傾きが用いられる。この理由は、中継器出力利得が高いほど、中継器は不安定により近くなるためである。従って、利得が高いときには、利得を増大させるためのより小さい利得調整ステップサイズが用いられる。曲線804は、利得調整制御曲線群が常在するエリアを結合する。中継器出力利得が増大するのに従い、より小さい傾きを有する利得調整曲線が用いられる。
ホットゾーン(hot zone)(−10dB乃至−15dB)又は警戒ゾーン(alert zone)(−5dB乃至−10dB)では、中継器の利得は、利得調整制御曲線806のうちの選択された1つに従って低減する。警戒ゾーン又はホットゾーン内の利得調整制御曲線806(曲線1乃至4)は、利得値がホットゾーン又は警戒ゾーン内にあるときに中継器利得を低減させるために用いることができる異なる利得調整ステッピング制御を例示する。より具体的には、利得低減率は、全体的な中継器出力利得の増加関数として設定される(Δ+dB/dB)。すなわち、中継器出力利得が大きいほど、不安定により近く、従って、ホット又は警戒利得調整制御ゾーン内で利得を急速に低減させるために急な利得調整傾きが用いられる。例えば、低い中継器利得レベルでは、区分的線形傾きを有する曲線1が用いられ、ここで、ループ利得がホットゾーン内にあるときには利得は調整されないが、ループ利得が警戒ゾーンまで増大したときには、曲線1の傾きに従って中継器利得が低減される。一実施形態においては、曲線1は、−1dB/dBの傾きを有する。曲線2によって示されるように非線形ステッピング制御を用いることができる。中継器出力利得が大きいときには、利得を急速に低減させるために曲線4によって示されるように利得調整ステップサイズに関する急な傾きが用いられる。
最後に、ループゾーンがガードゾーン(guard zone)(0dB乃至−5dB)内にある場合は、ループ利得が不安定に近づいているため中継器利得は非常に急速に低減される(利得調整制御曲線808)。従って、本実施形態においては、利得調整制御曲線808は、急な線形傾きを有する。その他の実施形態においては、利得調整制御曲線808は、希望される利得調整ステッピング制御を提供するために線形又は非線形の傾き及び該当する傾き値を有することができる。
一実施形態においては、中継器が利得調整制御ゾーンのうちのいずれにおいて動作中であるかを決定するために中継器の利得をモニタリングするために上述される多メトリック利得制御方法が用いられる。より具体的には、一実施形態においては、図18に示されるように、向上された精度のために−5dBよりも低いループ利得をモニタリングするために低速利得制御メトリックが用いられ、高速利得制御応答のために−5dBよりも高いループ利得をモニタリングするために高速利得制御メトリックが用いられる。その他の実施形態においては、低速及び高速利得制御メトリックは、その他の利得調整制御ゾーン、例えば−15dB、に対して適用することができる。
図19は、本発明の一実施形態による多メトリック利得制御を実装する図6の中継器に適用される利得調整ステッピング制御方法を例示するフローチャートである。図19を参照し、利得調整ステッピング制御方法810は、高速カウンタを0に設定し(ステップ812)及び低速カウンタも0に設定する(ステップ814)ことによって開始する。次に、方法810は、新サンプルを待つ(ステップ816)。サンプルバッファが更新され(ステップ818)、低速及び高速利得制御メトリックも新サンプルに基づいて更新される(ステップ820)。次に、高速及び低速カウンタが増分される(ステップ822)。高速カウンタが高速遅延値と等しくない場合は(ステップ824)、方法810は、ステップ816に戻って他の新サンプルを待つ。高速カウンタが高速遅延と等しい場合は(ステップ824)、高速利得制御メトリックは積分を終了している。高速利得制御メトリックはガードゾーン内のループ利得をモニタリングするために用いられるため、方法810は、ループ利得が0乃至−5dBのガードゾーン内にあるかどうかを決定するために進む(ステップ826)。
ループ利得がガードゾーン内にある場合は、方法810は、曲線808を用いて中継器の利得を低減させて(ステップ828)ステップ812に戻り、そこで、高速カウンタがリセットされる。ループ利得がガードゾーン内にない場合は(ステップ826)、方法810は、低速カウンタが低速遅延と等しいかどうかを決定することによって低速利得制御メトリックが積分を終了しているかどうかを決定するために移動する(ステップ830)。低速カウンタが低速遅延と等しくない場合は、方法810は、他の新サンプルを受け取るためにステップ816に戻る。低速カウンタが低速遅延と等しい場合は、低速利得制御メトリックは積分を完了しており、方法810は、ループ利得が動作中であるゾーンを決定する(ステップ834)。すなわち、方法810は、ループ利得がクールゾーン、目標ゾーン、ホットゾーン又は警戒ゾーンで動作中であるかどうかを決定する。次に、中継器利得が、動作中のゾーン及び現在の中継器出力利得専用関数に基づいて調整される(ステップ836)。方法810は、ステップ814に戻り、そこで、低速カウンタがリセットされ、方法が続行する。
このようにして、利得調整ステッピング制御方法810は、低速及び高速利得制御メトリックを更新し、ループ利得がガードゾーン内にあるかどうかを決定するために高速メトリックを使用し、ループ利得がガードゾーン内にある場合は利得を低減させる。利得制御方法は、ループ利得がその他のゾーン(クール、目標、ホット、及び警戒)内にあるかどうかを決定するために低速メトリックをさらに使用し、ゾーン及び現在の出力利得専用関数に従って利得調整を更新する。このようにして、微調整利得制御が実現される。
6.利得制御メトリックバイアスの除去
利得制御は、中継器の安全なブートアップ及び安定した動作のために不可欠である。利得制御メトリックは、利得制御アルゴリズムが中継器利得の調整のために用いる量である。例えば、図13は、利得制御メトリックをモニタリング及び計算するための利得制御メトリック計算器及び利得制御メトリックに応答して中継器利得を制御するための利得制御アルゴリズムを用いる中継器を例示する。しかしながら、利得制御メトリック推定値は、推定雑音に起因して大きいバイアスを有する。バイアスの存在は、利得制御アルゴリズムが中継器の安定性を正確に推定するのを妨げる。
利得制御は、中継器の安全なブートアップ及び安定した動作のために不可欠である。利得制御メトリックは、利得制御アルゴリズムが中継器利得の調整のために用いる量である。例えば、図13は、利得制御メトリックをモニタリング及び計算するための利得制御メトリック計算器及び利得制御メトリックに応答して中継器利得を制御するための利得制御アルゴリズムを用いる中継器を例示する。しかしながら、利得制御メトリック推定値は、推定雑音に起因して大きいバイアスを有する。バイアスの存在は、利得制御アルゴリズムが中継器の安定性を正確に推定するのを妨げる。
特に、分散は、実数を得るために複素数ηを二乗することに起因して生じる。利得制御メトリックは、利得制御メトリック推定雑音が増大するのに従ってバイアスが大きくなる。より具体的には、上述されるように、利得制御メトリックは、送信された信号と受信された信号との間の相関関係の尺度である。大きい相関関係は、大量の漏洩及びより低い安定性を示す。利得制御アルゴリズムは、利得制御メトリックに応答して利得を低減させる。小さい相関関係は、小さい帰還信号及び向上された安定性を示す。利得制御アルゴリズムは、利得制御メトリックに応答して利得を増大させる。しかしながら、相関関係が存在しないときでも、すなわち、受信された信号内に検出された帰還信号が存在しないときでも、複素変数ηを二乗することは、実数の何らかの値を依然として与える。その結果として利得制御メトリックのバイアスが生じる。
本発明の、図9に例示された一実施形態により、利得制御メトリック内のバイアスを推定するために利得メトリック計算器内にバイアス推定器590が組み入れられる。利得制御メトリックの分散は、次のように値δとして経時で各遅延ラグτにおいて推定される。
図20は、本発明の一実施形態による遅延ラグに関する及び経時でのメトリック分散の計算を例示する。分散は、各遅延ラグに関して及び各時間サンプルにおいて計算され、従って、分散は、遅延ラグ全体における分散を推定するために加えられる。
利得メトリック計算器が複数の利得制御メトリックを使用するときには、バイアスδは、各々の利得制御メトリックから減じられる。
7.利得制御メトリックプルーニング(pruning)
同じ周波数の中継器の動作中に、大きな信号ダイナミックスが存在する状態で中継器内での安定性を維持するのが望ましい。中継器内での安定性を維持するためにデジタル利得制御を用いることができる。しかしながら、どのような利得制御アルゴリズムも、ループ利得によって表される安定性余裕を測定することができる必要があり、このため、それは、安定性を維持するために該当する利得を決定することができる。遠隔信号において大規模な電力の振れが存在する場合は、ループ利得を測定する典型的な手段は、不正確さの影響を受けやすく、利得制御は希望されるように機能しないことがある。
同じ周波数の中継器の動作中に、大きな信号ダイナミックスが存在する状態で中継器内での安定性を維持するのが望ましい。中継器内での安定性を維持するためにデジタル利得制御を用いることができる。しかしながら、どのような利得制御アルゴリズムも、ループ利得によって表される安定性余裕を測定することができる必要があり、このため、それは、安定性を維持するために該当する利得を決定することができる。遠隔信号において大規模な電力の振れが存在する場合は、ループ利得を測定する典型的な手段は、不正確さの影響を受けやすく、利得制御は希望されるように機能しないことがある。
本発明の一実施形態により、遠隔信号の大規模な信号ダイナミックスが存在する状態でロバスト(robust)である利得制御アルゴリズムが説明される。より具体的には、利得制御アルゴリズムは、遠隔信号の信号ダイナミックスの大きな変化と関連する利得制御メトリック、又は利得制御メトリックの少なくとも一部を廃棄するための利得制御メトリックプルーニングを実装する。このようにして、全体的な利得制御メトリック値は、受信信号の電力レベルの突然の変化に起因して壊れることがなく、安定性を達成させるためにロバストな利得制御が実現される。
一実施形態においては、中継器内の、ループ利得によって表される安定性余裕は、送信された信号と帰還信号の相関関係を計算することによって決定される。この量は、ループ利得のバイアスのない推定値を得るために送信された信号の電力によって正規化される。ループ利得推定又は利得制御メトリックのための方程式が上記されており、ここで繰り返される。利得制御メトリックは、分子内の相関項Riを分母内の正規化項Siによって割って得られた値の平方値であるのが特徴であり、以下として与えられる。
しかしながら、遠隔信号内の電力が突然大量に増大した場合は、相関出力は、突然の増大(jump)を有することになり、そして、中継器を通じての遅延によって決定されるのちの時点で、送信された信号がエネルギーの増大を有することになる。この遅延に起因して、短時間の間、送信されたエネルギーによって正規化された相関エネルギーが極端に高くなり、実際には存在しない大きな正規化された相関関係を示す。その結果、従来の利得制御アルゴリズムは、遠隔信号電力の大きな増大が存在する状態で中継器利得を異常に低く維持する。換言すると、利得制御メトリック測定は、遠隔信号の信号電力の大きな振れが存在する状態で壊れ、利得制御アルゴリズムが適切に機能することができない。典型的な利得制御メトリックは相関項を含むため、その他の形の利得制御メトリックに関して利得メトリック測定の同じ崩壊が観察されるであろう。
図21は、本発明の一実施形態による利得制御アルゴリズムに実装された利得制御メトリックプリーニング方法を例示するフローチャートである。本発明の利得制御メトリックプルーニング方法は、エコー除去中継器、例えば図13に示される中継器、に実装することができ、又は、該方法は、エコー除去を有さない中継器、例えば図15に示される中継器、に実装することができる。利得制御メトリックプリーニング方法は、図13及び15の中継器の利得メトリック計算器660、760に実装することができる。
図21を参照し、利得制御アルゴリズムに実装された利得制御メトリックプルーニング方法900は、遠隔信号の電力信号の大きい増大が検出された後の短い継続時間に関する利得制御メトリック測定の少なくとも一部分を無視するように動作する。方法900は、遠隔信号を含む着信した受信信号を中継器において受信することによって開始する(ステップ902)。上述されるように、受信信号は、遠隔信号及び帰還信号の合計である。中継器の帰還ループ内の信号は、利得制御入力信号として用いられ、ここで、利得制御メトリックを計算するために利得制御入力信号のサンプルが用いられる。利得制御入力信号は、エコー除去前又はエコー除去後を含む中継器帰還ループ内のいずれの地点からも、又はエコー除去を有さない中継器帰還ループ内のいずれの地点からも取得することができる。従って、利得制御入力信号において大きい電力の振れが存在するかどうかを決定するために該信号の電力レベルの振れが検出される(ステップ904)。利得制御入力信号の電力レベルの振れは、利得制御入力信号から直接検出することができ、又は、それは、利得制御入力信号に対応する電力レベル応答を有するその他の信号の測定を通じて間接的に検出することができる。一実施形態においては、電力の振れは、受信信号内での電力の振れを測定することによって検出される。その他の実施形態においては、利得制御入力信号の振れは、FIR(有限インパルス応答)又はIIR(無限インパルス応答)フィルタを用いて検出される。利得制御入力信号で大きい電力の振れが検出されないときには(ステップ906)、方法900は、ステップ902に戻って着信する受信信号を受信するのを継続する。しかしながら、大きい電力の振れ、例えば9dB以上の電力の振れ、が検出されたときには(ステップ906)、利得制御メトリック測定、又は各利得制御メトリック測定の少なくとも一部分が、Tの期間に関して廃棄される(ステップ908)。一実施形態においては、利得制御メトリック測定の相関測定Riが、Tの期間に関して廃棄される。利得制御メトリック測定の一部分が廃棄される継続時間Tは、十分に短く(10μsのオーダー)、従って、正常な中継器の動作において起こりうる不安定性を検出する能力は妨げられない。次に、方法900は、ステップ902に戻って着信する受信信号を受信するのを継続する。
図22は、本発明の代替実施形態による利得制御アルゴリズムに実装された利得制御メトリックプルーニング方法を例示するフローチャートである。図22の方法950は、図21の方法900と類似しており、説明を簡略化するために同様の要素には同様の参照数字が与えられている。図22を参照し、利得制御メトリックプルーニング方法950では、利得制御メトリックプルーニング方法は、遠隔信号電力の大きい増大が検出された後の短い継続時間Tに関して利得制御メトリック計算のために用いられる利得制御入力信号のサンプルを廃棄するために動作する(ステップ958)。このようにして、遠隔信号電力の振れと関連付けられた利得制御入力信号のサンプルは、それらのサンプルが利得制御メトリック測定を崩壊させる前に廃棄される。
利得制御メトリックプルーニングを用いる利点は、オン周波数(on−frequency)中継器のための利得制御アルゴリズムが、遠隔信号の大規模な信号ダイナミックスが存在する状態でロバストに動作できることである。安定性を確保するための利得制御アルゴリズムを実装するのが極めて重要である。利得制御メトリックプルーニングが実装されない場合は、利得制御は、信号電力の大きい振れが存在する状態で利得が増大(ramp up)するのを可能にせず、中継器は、該状況下で完全に機能不良になるおそれがある。しかしながら、本発明の利得制御メトリックプルーニング方法が実装されているときには、利得制御アルゴリズムは、中継器が遠隔信号の変化し続ける状態に有効に応答するのを可能にするように遠隔信号の信号電力の大きい振れが存在する状態で中継器の利得を制御することができる。
当業者は、情報及び信号は様々な異なる技術及び技法のうちのいずれかを用いて表すことができることを理解するであろう。例えば、データ、情報、信号、ビット、シンボル、チップ、命令、及びコマンドは、上記の説明全体を通じて参照されることがある。これらは、電圧、電流、電磁波、磁場、磁粒子、光学場、光学粒子、又はそれらのあらゆる組合せによって表すことができる。
1つ以上の典型的な実施形態において、説明される機能及びプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらのあらゆる組み合わせにおいて実装することができる。ソフトウェアにおいて実装される場合は、これらの機能は、コンピュータによって読み取り可能な媒体に1つ以上の命令又は符号として格納すること又は1つ以上の命令又は符号として送信することができる。コンピュータによって読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と、1つの場所から他へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む通信媒体と、の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能なあらゆる利用可能な媒体であることができる。一例として、及び制限することなしに、該コンピュータによって読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM又はその他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置、又は命令又はデータ構造の形態で希望されるプログラムコードを搬送又は格納するために用いることができ及びコンピュータによってアクセス可能なあらゆるその他の媒体、を備えることができる。ここにおいて用いられるときのディスク(disk及びdisc)は、コンパクトディスク(CD)(disc)と、レーザディスク(disc)と、光ディスク(disc)と、デジタルバーサタイルディスク(DVD)(disc)と、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)と、ブルーレイディスク(disc)と、を含み、ここで、diskは通常は磁気的にデータを複製し、discは、レーザを用いて光学的にデータを複製する。上記の組合せも、コンピュータによって読み取り可能な媒体の適用範囲に含められるべきである。ここにおいて用いられる用語“制御論理”は、(プロセッサを用いて実行するために機械によって読み取り可能な媒体上に格納された命令によって機能が実装される)ソフトウェア、(回路(例えば、論理ゲート)を用いて機能が実装され、その回路は、特定の入力のための特定の出力を提供するように構成される)ハードウェア、及び、(再プログラミング可能な回路を用いて機能が実装される)ファームウェアに対して適用され、及び、ソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアのうちの1つ以上の組み合わせに対しても適用される。
ファームウェア及び/又はソフトウェアへの実装に関しては、方法は、ここにおいて説明される機能を果たすモジュール(例えば、手順、関数、等)を用いて実装することができる。ここにおいて説明される方法を実装する際には命令を有形に具現化するあらゆる機械によって読み取り可能な媒体を用いることができる。例えば、ソフトウェアコードは、メモリ、例えば移動局又は中継器のメモリ、に格納し、プロセッサ、例えばモデムのマイクロプロセッサ、によって実行することができる。メモリは、プロセッサ内に又はプロセッサの外部に実装することができる。ここにおいて用いられる場合において、用語“メモリ”は、あらゆるタイプの長期の、短期の、揮発性の、非揮発性の、又はその他のメモリを意味し、メモリのどのような特定のタイプにも又はメモリのどのような数にも、及びメモリが格納されている媒体のどのようなタイプにも、限定されるべきでない。
さらに、コンピュータ命令/符号は、送信機から受信機へ物理的送信媒体を通じて信号を介して送信することができる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、デジタル加入者ライン(DSL)、又は無線技術、例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波、の物理的構成要素、を用いてウェブサイト、サーバ、又はその他の遠隔ソースから送信される場合。上記の組み合わせも物理的送信媒体の範囲内に含まれるべきである。
さらに、開示された実装に関する前説明は、当業者が本発明を製造又は使用することを可能にするために提供される。これらの実装に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明確になるであろう、及びここにおいて定められる一般原理は、本発明の精神又は適用範囲を逸脱せずにその他の実装に対しても適用することができる。以上のように、本発明は、ここにおいて示される特徴に限定されることが意図されるものではなく、ここにおいて開示される原理及び新規の特徴に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められるべきである。
Claims (15)
- 無線中継器内での帰還ループの安定性をモニタリングするための方法であって、
前記中継器の受信アンテナで入力信号を受信することであって、前記入力信号は、中継されるべき遠隔信号及び前記受信アンテナと送信アンテナとの間の帰還チャネルの結果生じる帰還信号の合計であり、前記帰還チャネルは、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間で帰還ループを形成することと、
前記送信アンテナで出力信号を送信することであって、前記出力信号は、増幅された入力信号であることと、
所定の期間の間周期的に前記中継器の前記帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することであって、前記利得制御メトリックは、前記中継器の前記帰還ループのループ利得を示すことと、
前記中継器の前記帰還ループの前記安定性を決定するために前記利得制御メトリックの前記大きさをモニタリングすることであって、前記利得制御メトリックの大きい大きさは、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示すことと、を含む、方法。 - 前記入力信号からの帰還信号推定値を除去することをさらに備え、
所定の期間の間周期的に前記中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することは、所定の期間の間に除去されなかった残留帰還信号を周期的に測定することを備え、前記残留帰還信号は、前記中継器の前記ループ利得を示し、大きい残留帰還信号は、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す請求項1に記載の方法。 - 所定の期間の間周期的に前記中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することは、前記入力信号内の前記帰還信号を前記中継器の前記帰還ループ内のいずれの地点でも測定することを備え、前記帰還信号は、前記送信された信号が前記受信アンテナと送信アンテナとの間のアンテナ分離によって完全にブロックされない結果であり、大きい帰還信号は、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す請求項1に記載の方法。
- 所定の期間の間周期的に前記中継器の帰還ループ内で利得制御メトリックを測定することは、
利得制御入力信号に基づいて前記利得制御メトリックを計算することであって、前記利得制御入力信号は、前記中継器の前記帰還ループ内のいずれの地点からも取得され、前記利得制御メトリックは、前記利得制御入力信号と前記利得制御入力信号の遅延されたバージョンとの間の相関関係を示すことと、
所定の期間の間周期的に前記利得制御入力信号に基づいて前記利得制御メトリックを測定することと、を備え、大きい相関関係は、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す請求項1に記載の方法。 - 前記利得制御メトリックの前記大きさに基づいて前記中継器の利得を制御することをさらに備える請求項1に記載の方法。
- 前記中継器の前記ループ利得が1未満であるように前記中継器の前記利得を制御することをさらに備える請求項5に記載の方法。
- 前記中継器の前記ループ利得が予め決定された値よりも小さいか又は予め決定された範囲内であるように前記中継器の前記利得を制御することをさらに備える請求項5に記載の方法。
- 入力信号を受信するための受信アンテナ及び出力信号を送信するための送信アンテナを有する無線中継器であって、前記入力信号は、中継されるべき遠隔信号及び前記受信アンテナと前記送信アンテナとの間の帰還チャネルの結果生じる帰還信号の合計であり、前記帰還チャネルは、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間で帰還ループを形成し、前記出力信号は、増幅された入力信号であり、
前記中継器の利得を制御するように構成された利得制御ブロックを備え、前記利得制御ブロックは、所定の期間の間周期的に前記中継器の前記帰還ループ内で利得制御メトリックを測定するように構成された利得メトリック計算器を備え、前記利得制御メトリックは、前記中継器のループ利得を示し、前記利得制御メトリックは、前記中継器の前記帰還ループの前記安定性を決定するためにモニタリングされ、前記利得制御メトリックの大きい大きさは、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す、無線中継器。 - 前記入力信号からの帰還信号推定値を除去するように構成されたエコー除去装置をさらに備え、
前記利得メトリック計算器は、所定の期間の間に除去されなかった前記入力信号内の残留帰還信号を周期的に測定するように構成され、前記残留帰還信号は、前記中継器の前記ループ利得を示し、大きい残留帰還信号は、前記中継器の前記帰還ループの不安定性を示す請求項8に記載の無線中継器。 - 前記利得メトリック計算器は、前記中継器の前記帰還ループ内のいずれの地点でも所定の期間の間前記入力信号内の前記帰還信号を周期的に測定するように構成され、前記帰還信号は、前記送信された信号が前記受信アンテナと送信アンテナとの間のアンテナ分離によって完全にブロックされない結果であり、大きい帰還信号は、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す請求項8に記載の無線中継器。
- 前記利得メトリック計算器は、利得制御入力信号に基づいて前記利得制御メトリックを計算するように構成され、前記利得制御入力信号は、前記中継器の前記帰還ループ内のいずれの地点からも取得され、前記利得制御メトリックは、前記利得制御入力信号と前記利得制御入力信号の遅延されたバージョンとの間の相関関係を示し、前記利得メトリック計算器は、所定の期間の間周期的に前記利得制御入力信号に基づいて前記利得制御メトリックを測定するようにさらに構成され、大きい相関関係は、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す請求項8に記載の無線中継器。
- 前記利得制御ブロックは、前記利得制御メトリックを受信し及び前記利得制御メトリックの前記大きさに少なくとも基づいて前記中継器の前記利得を制御するように構成された利得制御アルゴリズムブロックをさらに備える請求項8に記載の無線中継器。
- 前記利得制御アルゴリズムブロックは、前記中継器の前記ループ利得が1より小さいように前記中継器の前記利得を制御するように構成される請求項12に記載の無線中継器。
- 前記利得制御アルゴリズムブロックは、前記中継器の前記ループ利得が予め決定された値よりも小さいか又は予め決定された範囲内であるように前記中継器の前記利得を制御するように構成される請求項12に記載の無線中継器。
- 入力信号を受信するための受信アンテナ及び出力信号を送信するための送信アンテナを有する無線中継器であって、前記入力信号は、中継されるべき遠隔信号及び前記受信アンテナと前記送信アンテナとの間の帰還チャネルの結果生じる帰還信号の合計であり、前記帰還チャネルは、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間で帰還ループを形成し、前記出力信号は、増幅された入力信号であり、
前記中継器の利得を制御するための手段を備え、前記手段は、所定の期間の間周期的に前記中継器の前記帰還ループ内で利得制御メトリックを測定するための手段を備え、前記利得制御メトリックは、前記中継器のループ利得を示し、前記利得制御メトリックは、前記中継器の前記帰還ループの前記安定性を決定するためにモニタリングされ、前記利得制御メトリックの大きい大きさは、前記中継器の前記帰還ループ内での不安定性を示す、無線中継器。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US17720909P | 2009-05-11 | 2009-05-11 | |
US61/177,209 | 2009-05-11 | ||
US12/722,730 US8463176B2 (en) | 2009-05-11 | 2010-03-12 | Stability indicator for a wireless repeater |
US12/722,730 | 2010-03-12 | ||
PCT/US2010/034410 WO2010132470A2 (en) | 2009-05-11 | 2010-05-11 | Stability indicator for a wireless repeater |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012527181A true JP2012527181A (ja) | 2012-11-01 |
Family
ID=42668829
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012510943A Expired - Fee Related JP5490878B2 (ja) | 2009-05-11 | 2010-05-11 | ワイヤレスリピータにおける利得制御メトリックプルーニング |
JP2012510946A Pending JP2012527181A (ja) | 2009-05-11 | 2010-05-11 | 無線中継器のための安定性指標 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012510943A Expired - Fee Related JP5490878B2 (ja) | 2009-05-11 | 2010-05-11 | ワイヤレスリピータにおける利得制御メトリックプルーニング |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (6) | US8265546B2 (ja) |
EP (2) | EP2430776A2 (ja) |
JP (2) | JP5490878B2 (ja) |
KR (5) | KR101364434B1 (ja) |
CN (4) | CN102422565B (ja) |
BR (1) | BRPI1014795A2 (ja) |
TW (6) | TW201130252A (ja) |
WO (6) | WO2010132171A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012527180A (ja) * | 2009-05-11 | 2012-11-01 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | ワイヤレスリピータにおける利得制御メトリックプルーニング |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9917359B2 (en) | 2008-03-05 | 2018-03-13 | Ethertronics, Inc. | Repeater with multimode antenna |
US8542623B2 (en) * | 2010-01-13 | 2013-09-24 | Qualcomm Incorporated | Use of RF reference in a digital baseband interference cancellation repeater |
US8548375B2 (en) * | 2010-03-12 | 2013-10-01 | Qualcomm Incorporated | Gain control metric computation in a wireless repeater |
US8743713B2 (en) * | 2010-05-13 | 2014-06-03 | Zboost, Llc | Bi-directional repeater with a quality of service (QOS) indicator |
US8553610B2 (en) | 2011-05-12 | 2013-10-08 | Qualcomm Incorporated | Interference cancellation repeater incorporating a non-linear element |
US20130078907A1 (en) * | 2011-09-23 | 2013-03-28 | Qualcomm Incorporated | Per carrier gain control in a multi-carrier repeater |
US20130077556A1 (en) * | 2011-09-23 | 2013-03-28 | Qualcomm Incorporated | Setting gains in an interference cancellation repeater based on path loss |
US8937874B2 (en) | 2011-09-23 | 2015-01-20 | Qualcomm Incorporated | Adjusting repeater gains based upon received downlink power level |
US8644265B2 (en) * | 2011-09-30 | 2014-02-04 | Xiao-an Wang | Wideband analog channel information feedback |
US8774708B2 (en) | 2011-11-10 | 2014-07-08 | Qualcomm Incorporated | Estimation of repeater loop delay for repeater gain control |
CA2814303A1 (en) | 2013-04-26 | 2014-10-26 | Cellphone-Mate, Inc. | Apparatus and methods for radio frequency signal boosters |
US20150092825A1 (en) * | 2013-09-27 | 2015-04-02 | Qualcomm Incorporated | Self-test using internal feedback for transmit signal quality estimation |
US9979460B2 (en) * | 2014-02-18 | 2018-05-22 | Nextivity, Inc. | System for maximizing gain in a repeater |
KR101791633B1 (ko) | 2014-03-29 | 2017-10-30 | 주식회사 쏠리드 | 간섭 제거 중계 장치 |
EP3130087B1 (en) * | 2014-04-11 | 2020-04-01 | CommScope Technologies LLC | Frequency-division duplexing in a time-division duplexing mode for a telecommunications system |
US11329684B2 (en) * | 2016-06-17 | 2022-05-10 | Cellphone-Mate, Inc. | Radio frequency signal boosters for vehicles |
US9813141B1 (en) | 2016-07-29 | 2017-11-07 | Sprint Communications Company L.P. | Dynamic control of automatic gain control (AGC) in a repeater system |
CN110663238B (zh) | 2017-06-09 | 2020-12-15 | 华为技术有限公司 | 发射器通信设备和视频数据发送方法 |
US10673518B2 (en) * | 2017-06-27 | 2020-06-02 | Wilson Electronics, Llc | Crossover isolation reduction in a signal booster |
US10623036B2 (en) | 2017-08-11 | 2020-04-14 | Cellphone-Mate, Inc. | Radio frequency signal boosters for vehicles |
US10879995B2 (en) | 2018-04-10 | 2020-12-29 | Wilson Electronics, Llc | Feedback cancellation on multiband booster |
CN112751602B (zh) * | 2020-12-18 | 2021-08-17 | 广州东峰通信科技有限公司 | 数字型一拖四微功率直放站 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001244865A (ja) * | 2000-03-01 | 2001-09-07 | Ntt Docomo Inc | 無線中継増幅装置 |
JP2004186829A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 中継装置 |
JP2006222789A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 回り込みキャンセル装置及び回り込みキャンセル方法 |
JP2007074735A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Alogics Co Ltd | 微細発振の検出方法及び装置、その装置を備えたワイブロ中継器 |
JP2009100458A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-05-07 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線中継増幅装置 |
Family Cites Families (61)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5115514A (en) * | 1987-08-03 | 1992-05-19 | Orion Industries, Inc. | Measuring and controlling signal feedback between the transmit and receive antennas of a communications booster |
GB9522204D0 (en) * | 1995-10-30 | 1996-01-03 | British Broadcasting Corp | Method and apparatus for reduction of unwanted feedback |
GB9522198D0 (en) | 1995-10-30 | 1996-01-03 | British Broadcasting Corp | Ofdm active deflectors |
US5930293A (en) * | 1997-03-10 | 1999-07-27 | Lucent Technologies Inc. | Method and apparatus for achieving antenna receive diversity with wireless repeaters |
US20070010198A1 (en) * | 1999-12-07 | 2007-01-11 | Mckay David L Sr | Method and apparatus for utilizing selective signal polarization and interference cancellation for wireless communication |
AU2001234463A1 (en) * | 2000-01-14 | 2001-07-24 | Andrew Corporation | Repeaters for wireless communication systems |
ES2160087B1 (es) * | 2000-02-18 | 2003-03-01 | Mier Comunicaciones S A | Procedimiento para la repeticion de señales en insofrecuencia y repetidor de señales en isofrecuencia. |
CA2323881A1 (en) * | 2000-10-18 | 2002-04-18 | Dps Wireless Inc. | Adaptive personal repeater |
US6819936B2 (en) * | 2000-11-21 | 2004-11-16 | Qualcomm Incorporation | Automatic gain setting in a cellular communications system |
KR100459412B1 (ko) | 2000-12-28 | 2004-12-03 | 엘지전자 주식회사 | 디지털 신호 전송장치를 이용한 cdma 광 중계기 수신장치 |
EP1391060A2 (en) | 2001-05-29 | 2004-02-25 | Spotwave Wireless Inc. | Intelligent gain control in an on-frequency repeater |
US6876859B2 (en) | 2001-07-18 | 2005-04-05 | Trueposition, Inc. | Method for estimating TDOA and FDOA in a wireless location system |
KR100434336B1 (ko) * | 2002-02-21 | 2004-06-04 | 이노에이스(주) | 이동통신 시스템의 간섭신호 제거 기술을 이용한 광대역무선중계장치 |
JP2004048197A (ja) | 2002-07-09 | 2004-02-12 | Kddi Corp | 無線中継装置 |
US7386305B2 (en) * | 2002-09-20 | 2008-06-10 | Qualcomm Incorporated | System and method for selectively forming and rotating a transmission beam |
US7424270B2 (en) * | 2002-09-25 | 2008-09-09 | Qualcomm Incorporated | Feedback decoding techniques in a wireless communications system |
US7035321B2 (en) * | 2002-11-20 | 2006-04-25 | Spotwave Wireless Canada, Inc. | Monitoring stability of an on-frequency repeater |
US20040166802A1 (en) * | 2003-02-26 | 2004-08-26 | Ems Technologies, Inc. | Cellular signal enhancer |
US20050176368A1 (en) | 2003-03-07 | 2005-08-11 | Spotwave Wireless Inc. | Distributed adaptive repeater system |
US20080210852A1 (en) | 2003-03-21 | 2008-09-04 | Browning Thomas E | Fiber optic security system for sensing the intrusion of secured locations |
WO2005002109A2 (en) * | 2003-06-30 | 2005-01-06 | Dekolink Wireless Ltd. | Method for automatic control of rf output level of a repeater |
JP2007532038A (ja) * | 2003-09-03 | 2007-11-08 | モヘビ、ベフザド | 近距離用携帯電話中継装置 |
US7406295B1 (en) * | 2003-09-10 | 2008-07-29 | Sprint Spectrum L.P. | Method for dynamically directing a wireless repeater |
US7480486B1 (en) * | 2003-09-10 | 2009-01-20 | Sprint Spectrum L.P. | Wireless repeater and method for managing air interface communications |
JP4526898B2 (ja) * | 2003-09-16 | 2010-08-18 | パナソニック株式会社 | 中継装置、端末装置、および中継方法 |
BRPI0506816A (pt) * | 2004-01-12 | 2007-05-29 | Behzad Barjasteh Mohebbi | repetidor que media o tráfego entre um transceptor de rede e um transceptor de usuário em um sistema de comunicação sem fio |
US7195555B2 (en) * | 2004-02-05 | 2007-03-27 | Collins & Aikman Products Co. | Air duct outlets having return air passageways that facilitate oscillating air flow |
US8045638B2 (en) * | 2004-03-05 | 2011-10-25 | Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) | Method and apparatus for impairment correlation estimation in a wireless communication receiver |
JP4459738B2 (ja) * | 2004-07-05 | 2010-04-28 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ | 中継装置、通信装置および指向性制御方法 |
US7623826B2 (en) * | 2004-07-22 | 2009-11-24 | Frank Pergal | Wireless repeater with arbitrary programmable selectivity |
US7596352B2 (en) * | 2004-08-23 | 2009-09-29 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Apparatus and method for channel estimation and echo cancellation in a wireless repeater |
EP1859545A2 (en) | 2005-03-11 | 2007-11-28 | Andrew Corporation | Dual polarization wireless repeater including antenna elements with balanced and quasi-balanced feeds |
EP1734666A1 (en) | 2005-06-17 | 2006-12-20 | Fujitsu Limited | Resource management in multi-hop communication system |
EP1748578B1 (en) | 2005-07-25 | 2009-02-11 | Harris Broadcast Systems Europe | Method and device for repeating isofrequency signals |
US8385388B2 (en) * | 2005-12-06 | 2013-02-26 | Qualcomm Incorporated | Method and system for signal reconstruction from spatially and temporally correlated received samples |
WO2007073092A1 (en) * | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Sk Telecom Co., Ltd. | Radio repeater for mobile communication system and repeating method using the same |
CN101371462B (zh) | 2006-01-27 | 2013-09-25 | 高通股份有限公司 | 中继器开环增益测量 |
EP1982440B1 (en) * | 2006-01-27 | 2013-05-08 | QUALCOMM Incorporated | Repeater open loop gain measurement |
EP1992084A4 (en) * | 2006-03-07 | 2012-03-28 | Airpoint Co Ltd | ADAPTIVE FORWARD-ERROR CORRECTION DEVICE AND METHOD THEREFOR, AND TDD RADIO AMPLIFICATION DEVICE THEREWITH |
US20080261519A1 (en) * | 2006-03-16 | 2008-10-23 | Cellynx, Inc. | Dual cancellation loop wireless repeater |
US7715785B2 (en) * | 2006-04-21 | 2010-05-11 | Powerwave Technologies, Inc. | System and method for estimation and compensation of radiated feedback coupling in a high gain repeater |
KR100758206B1 (ko) * | 2006-09-14 | 2007-09-12 | 주식회사 쏠리테크 | 반향성분 제거 시스템 및 반향성분 제거방법 |
US8150309B2 (en) * | 2006-11-15 | 2012-04-03 | Powerwave Technologies, Inc. | Stability recovery for an on-frequency RF repeater with adaptive echo cancellation |
GB0624218D0 (en) | 2006-12-04 | 2007-01-10 | Vodafone Plc | Base station repeater |
GB2444537B (en) | 2006-12-06 | 2010-12-22 | British Broadcasting Corp | Improved on-channel repeater |
EP2119028B1 (en) * | 2007-01-24 | 2019-02-27 | Intel Corporation | Adaptive echo cancellation for an on-frequency rf repeater using a weighted power spectrum |
RU2451412C2 (ru) | 2007-03-02 | 2012-05-20 | Квэлкомм Инкорпорейтед | Технологии автоматической регулировки усиления и фильтрации для использования в канальном повторителе |
US9002260B2 (en) * | 2007-05-22 | 2015-04-07 | Telstra Corporation Limited | Repeater system for extended cell coverage |
US8073387B2 (en) * | 2007-05-22 | 2011-12-06 | Powerwave Technologies, Inc. | On frequency repeater with AGC stability determination |
JP4939653B2 (ja) | 2007-08-03 | 2012-05-30 | ケーティー コーポレーション | フィードフォワード/フィードバック信号探索とフィードバック除去ウィンドウ分割を用いる干渉除去中継器および方法 |
JP2009194484A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Toshiba Corp | データ伝送装置 |
US8953503B2 (en) * | 2008-05-16 | 2015-02-10 | Redline Communications Inc. | Isolation measurement and self oscillation prevention in TDD-OFDM repeater for wireless broadband distribution to shadowed areas |
US8175028B2 (en) * | 2008-05-16 | 2012-05-08 | Redline Communications Inc. | Isolation measurement and self-oscillation prevention in TDD-OFDM repeater for wireless broadband distribution to shadowed areas |
JP5149111B2 (ja) | 2008-09-09 | 2013-02-20 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ | 無線中継装置及び無線中継方法 |
US8212720B2 (en) * | 2008-09-24 | 2012-07-03 | Texas Instruments Incorporated | Detecting lack of movement to aid GNSS receivers |
US20100105316A1 (en) * | 2008-10-23 | 2010-04-29 | Newtel Technology Inc. | Multiple-input multiple-output relay system and method |
US8611227B2 (en) | 2009-05-11 | 2013-12-17 | Qualcomm Incorporated | Channel estimate pruning in presence of large signal dynamics in an interference cancellation repeater |
US8265546B2 (en) | 2009-05-11 | 2012-09-11 | Qualcomm Incorporated | Gain adjustment stepping control in a wireless repeater |
US8737911B2 (en) * | 2009-05-11 | 2014-05-27 | Qualcomm Incorporated | Dual-stage echo cancellation in a wireless repeater using an inserted pilot |
US8660165B2 (en) | 2009-06-11 | 2014-02-25 | Andrew Llc | System and method for detecting spread spectrum signals in a wireless environment |
US8548375B2 (en) * | 2010-03-12 | 2013-10-01 | Qualcomm Incorporated | Gain control metric computation in a wireless repeater |
-
2010
- 2010-03-12 US US12/722,749 patent/US8265546B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-03-12 US US12/722,730 patent/US8463176B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-03-12 US US12/722,760 patent/US8886115B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-03-12 US US12/722,714 patent/US8874027B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-03-12 US US12/722,722 patent/US8452230B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-03-12 US US12/722,733 patent/US8867987B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2010-04-16 WO PCT/US2010/031468 patent/WO2010132171A1/en active Application Filing
- 2010-04-20 TW TW099112397A patent/TW201130252A/zh unknown
- 2010-05-11 KR KR1020117029634A patent/KR101364434B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2010-05-11 TW TW099115012A patent/TW201136222A/zh unknown
- 2010-05-11 CN CN201080021476.3A patent/CN102422565B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2010-05-11 JP JP2012510943A patent/JP5490878B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2010-05-11 BR BRPI1014795A patent/BRPI1014795A2/pt not_active Application Discontinuation
- 2010-05-11 KR KR1020117029447A patent/KR20120020163A/ko not_active Application Discontinuation
- 2010-05-11 KR KR1020117029748A patent/KR101527793B1/ko active IP Right Grant
- 2010-05-11 TW TW099115023A patent/TW201132033A/zh unknown
- 2010-05-11 WO PCT/US2010/034408 patent/WO2010132468A2/en active Application Filing
- 2010-05-11 KR KR1020137034007A patent/KR20140018391A/ko not_active Application Discontinuation
- 2010-05-11 EP EP10719199A patent/EP2430776A2/en not_active Withdrawn
- 2010-05-11 WO PCT/US2010/034410 patent/WO2010132470A2/en active Application Filing
- 2010-05-11 CN CN2010800274088A patent/CN102461005A/zh active Pending
- 2010-05-11 TW TW099115022A patent/TW201134128A/zh unknown
- 2010-05-11 CN CN201080021477.8A patent/CN102422566B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2010-05-11 TW TW099115024A patent/TW201132034A/zh unknown
- 2010-05-11 TW TW099115033A patent/TW201130256A/zh unknown
- 2010-05-11 WO PCT/US2010/034405 patent/WO2010132465A2/en active Application Filing
- 2010-05-11 WO PCT/US2010/034403 patent/WO2010132463A2/en active Application Filing
- 2010-05-11 CN CN2010800212113A patent/CN102422563A/zh active Pending
- 2010-05-11 JP JP2012510946A patent/JP2012527181A/ja active Pending
- 2010-05-11 EP EP10719198A patent/EP2430775A2/en not_active Withdrawn
- 2010-05-11 KR KR1020117029747A patent/KR101407020B1/ko active IP Right Grant
- 2010-05-11 WO PCT/US2010/034413 patent/WO2010132473A2/en active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001244865A (ja) * | 2000-03-01 | 2001-09-07 | Ntt Docomo Inc | 無線中継増幅装置 |
JP2004186829A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 中継装置 |
JP2006222789A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 回り込みキャンセル装置及び回り込みキャンセル方法 |
JP2007074735A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Alogics Co Ltd | 微細発振の検出方法及び装置、その装置を備えたワイブロ中継器 |
JP2009100458A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-05-07 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 無線中継増幅装置 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012527180A (ja) * | 2009-05-11 | 2012-11-01 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | ワイヤレスリピータにおける利得制御メトリックプルーニング |
US8867987B2 (en) | 2009-05-11 | 2014-10-21 | Qualcomm Incorporated | Gain control metric computation in a wireless repeater |
US8874027B2 (en) | 2009-05-11 | 2014-10-28 | Qualcomm Incorporated | Gain control optimizing SINR and data rate for wireless repeater |
US8886115B2 (en) | 2009-05-11 | 2014-11-11 | Qualcomm Incorporated | Gain control metric pruning in a wireless repeater |
Also Published As
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012527181A (ja) | 無線中継器のための安定性指標 | |
JP5519003B2 (ja) | 干渉キャンセル・リピータにおける大信号変動の存在下のチャネル推定枝刈り | |
JP4546241B2 (ja) | パワー制御中継器における順方向リンク利得制御のための方法および装置 | |
JP5628299B2 (ja) | 無線リピータのための周波数領域チャネル推定におけるici/isi誤差の除去 | |
JP2009500885A (ja) | 通信システムにおける速度検出方法、受信機、ネットワーク要素、及びプロセッサ | |
KR20070034084A (ko) | 신호 대 간섭비 추정 기법 | |
US8548375B2 (en) | Gain control metric computation in a wireless repeater | |
Agrawal et al. | A REVIEW ON CHANNEL ESTIMATION ALGORITHM FOR MULTI INPUT MULTI OUTPUT SYSTEM |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130709 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131203 |