JP2012525823A - A型及びb型インフルエンザウイルス複製阻害ペプチド - Google Patents

A型及びb型インフルエンザウイルス複製阻害ペプチド Download PDF

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Abstract

A型及びB型の両インフルエンザウイルスのPA及びPB1の間のタンパク質−タンパク質相互作用を競合的に阻害する合成又は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチド並びにA型及びB型の両インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス活性を持つペプチドを同定するためのインビトロの結合スクリーニングが開示される。周知のパンデミックA型インフルエンザウイルス(1918年の”スペイン風邪”インフルエンザ又はH5N1など)に加えて、A型及びB型の両ウイルスはヒト感染例及び医療費の圧倒的大部分の原因である例年繰り返し発生する流行の大きな一因となっている。驚くべきことに、新規のウイルス複製阻害は、A型及びB型の両インフルエンザウイルスにおけるヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPA及びPB1サブユニットの間のタンパク質−タンパク質相互作用を阻害することが可能であることが見出された。3つのウイルスポリメラーゼサブユニットPB1、PB2及びPAの正確な会合がウイルスのRNA合成及び感染力に必要とされることから、ウイルスポリメラーゼサブユニットの相互作用ドメインは新たな抗ウイルス剤の有効な標的であることが判明した。
【選択図】図1b

Description

本発明はA型及びB型インフルエンザウイルスの複製を阻害するインフルエンザウイルス複製阻害ペプチド、インフルエンザウイルスの複製を阻害するインフルエンザウイルス複製阻害剤、インフルエンザポリメラーゼサブユニットの相互作用阻害剤を決定する方法及びインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドを含むインフルエンザ治療剤に関する。
インフルエンザウイルスは毎年の流行及び繰り返し発生するパンデミックの原因であるマイナス鎖RNAウイルスであり、多数のヒト感染例及び重度の経済的負担を結果として生じる。周知のパンデミックA型インフルエンザウイルス(1918年の”スペイン風邪”インフルエンザ又はH5N1など)に加えて、A型及びB型の両ウイルスはヒト感染例及び医療費の圧倒的大部分の原因である例年繰り返し発生する流行の大きな一因となっている。WHOは循環するA型インフルエンザ(FluA)及びB型インフルエンザ(FluB)株に対する年1回のワクチン接種を推奨している。しかしながら、現在のワクチンは流行性インフルエンザに対して不完全な防御を与える。今日までに、ノイラミニダーゼ阻害剤のオセルタミビル(タミフル)及びザナミビル(リレンザ)のみが両ウイルス型に対する抗ウイルス治療として利用可能である。一方で医学界の中には、両薬剤に対して耐性であるインフルエンザ株の出現が急速に増大していることについて不安の高まりがある。より古いアダマンタン薬はFluBに対して効果がなく、オセルタミビルに耐性であるインフルエンザウイルスの世界的拡大はこの種の薬剤の限界を実証している。米国における近年の疫学的調査は、試験されたH1N1分離株の98.5%がオセルタミビル耐性であることを見出した。従って新たな、改良された及び代替の両ウイルス型に対する抗ウイルス剤が緊急に必要とされている。
本発明の目的は、新たな、改良された及び/又は代替の抗インフルエンザウイルス剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、最新技術から知られている抗インフルエンザウイルス剤の欠点の少なくとも1つを除去又は軽減することである。
本発明のなおさらなる目的は、インフルエンザポリメラーゼサブユニットの相互作用阻害剤を決定するための、新たな、改良された及び代替の方法を提供することである。
驚くべきことに、本発明による新規のウイルス複製阻害ペプチドは、A型及びB型の両インフルエンザウイルスにおけるヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPA及びPB1サブユニットの間のタンパク質−タンパク質相互作用を阻害することが可能であることが見出された。3つのウイルスポリメラーゼサブユニットPB1、PB2及びPAの正確な会合がウイルスのRNA合成及び感染力に必要とされることから、ウイルスポリメラーゼサブユニットの相互作用ドメインは新たな抗ウイルス剤の有効な標的であることが判明した。完全な三量体の複合体についての構造データは存在しない。PB1のN末端との複合体におけるトランケートされたFluA PAの結晶構造に基づき、PB1における決定的なPA相互作用ドメインはアミノ酸(aa5〜11)により形成される310−ヘリックスからなることが本発明者らにより確立された。ドメインは高度に保存されていて、A型及びB型インフルエンザウイルスの両方においてウイルス型特異的である(図1a)。
本発明による新規ペプチドはA型及びB型の両ウイルスからのアミノ酸配列を含有しており、A型及びB型インフルエンザ両方のPAサブユニットに結合する。前記新規ペプチドの中で、A型及びB型の両ウイルスからのアミノ酸配列を含有するキメラペプチドは両方のPAサブユニットに結合するだけでなく、A型及びB型のインフルエンザの両方についてウイルスポリメラーゼ活性及び細胞培養中のウイルスの広がりを減少させることが同定された。
本発明の1つの態様において、本発明は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドを提供するが、このインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドはヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPA及びPB1サブユニットのタンパク質−タンパク質相互作用ドメインを効果的に妨げることが示されており、妨害によってウイルス複製阻害を引き起こす。
本発明のさらなる態様によると、ヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPB1サブユニットのPA結合ドメインに由来する変異ペプチドを同定するためのELISAに基づくスクリーニング方法が提供され、この変異ペプチドはA型及びB型の両インフルエンザウイルスのPAサブユニットに結合することができる。
本発明は、A型及びB型インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性がある低分子のリード化合物を同定するために、新たなELISAに基づくスクリーニングアッセイと共に本発明のペプチドを用いることを実行可能にする。かかる低分子は両ウイルス型に対して有効であることから、ノイラミニダーゼ阻害剤の魅力的な代替物を代表するものであり、インフルエンザウイルスに対する切実に必要とされている、ほぼ普遍的な医薬品及びタンパク質−タンパク質相互作用ドメイン標的のためにインフルエンザで周知の薬剤耐性株がおそらくより出現しにくい医薬品に向けた主要なステップを構成する。
本発明によるペプチドはMDVNPTLLFLKである野生型PB11−11Aによるポリペプチドと少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%又は90%同一なアミノ酸配列を含む。1つ又は複数のアミノ酸残基が置換され、欠失され又は追加されていても良く、このタンパク質はA型及びB型の両インフルエンザウイルスのPA及びPB1サブユニットの間のタンパク質−タンパク質相互作用に対する阻害活性をまだ有している。一方、既知の野生型PB11−11Aは明示的に放棄される。
本発明のペプチドは、A型及びB型の両インフルエンザウイルスのヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPA及びPB1サブユニットの間のタンパク質−タンパク質相互作用を競合的に阻害する合成又は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドである。インフルエンザウイルス複製阻害ペプチドは配列X10を含むアミノ酸配列を含み、XはPであり、XはT、Y、F、W、H、C、I、L、V、A又はMであり、XはL又はFであり、XはL、I、F又はMであり、XはF、Y、W、H、L、R又はSであり、X10はL、I又はYである。
本発明の好ましい実施形態によると、本発明のペプチドのアミノ酸配列は、MDVNPTLLFLKVPAQである野生型PB11−15Aによるポリペプチドと少なくとも66%、好ましくは少なくとも73%、より好ましくは少なくとも79%、86%又は93%同一である。野生型それ自体は再び放棄される。
本出願において全てのアミノ酸はIUPACの1文字コードにより好ましくは示されることに留意されたい。3文字コードが用いられる場合はいつでも、3文字コードはまたIUPACに従う。文字Xはある一定の位置におけるワイルドカード/可変の又は他のアミノ酸を示すのに用いられる。
本発明のさらなる態様によると、インフルエンザウイルス複製阻害剤は、細胞透過性ペプチド、好ましくはHIV−Tatの細胞透過性ドメインに融合された前記の上述のペプチドのうち少なくとも1つを活性成分として含み、A型インフルエンザ及びB型インフルエンザ株の複製を阻害する。さらなる実施形態によると、前述のペプチドはウイルス感染可能な細胞内への取り込みを確実にする任意のアダプタータンパク質と関連して、及び/又はペプチドを適合性の担体と共に含むガレヌス製剤として提供される。
本発明によるインフルエンザ予防/治療剤は、前述のペプチドのうち任意の1つのペプチドを少なくとも1つ、及び/又は前述の阻害剤のうち任意の1つのインフルエンザウイルス複製阻害剤を少なくとも1つ、有効成分として含む。本発明のインフルエンザ予防/治療剤はA型及びB型両方のインフルエンザウイルスの感染に対して有効である。
上記のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、本発明によるペプチドを分泌することができるように細胞内に導入されている。
請求項1〜7のいずれか一項に記載のインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドを含むインフルエンザ治療剤が開発されている。
本発明によるDNA又はポリヌクレオチドは前述のペプチドの任意の1つをコードし、DNA、RNA、ゲノムDNA又はPNAから構成される。
本発明による発現ベクターは前述のDNAを包含する。さらに本発明による細胞は前述の発現ベクターを導入されて、前述のペプチドの任意の1つを分泌する。
前述のペプチドはリポソーム中に含有されても良い。前記リポソーム中のペプチドは好ましい実施形態によるとアルキル化されている。
上述のような医療用途のほか、本発明によるインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドはまた抗ウイルス薬を同定するためのツールとして用いられ得る。PB11−25T6Yのような新規ペプチド及び新規ペプチドのFluA及びFluBの両方の増殖を阻害する能力の同定は、ポリメラーゼサブユニットPA及びPB1の相互作用がPA−PB1相互作用を特異的に遮断してFluA及びFluB株のいくつかの増殖を阻害し、広域スペクトルの抗インフルエンザ薬として働く低分子又は他の化合物での抗ウイルス薬開発の新規標的であることを確証する。
加えて、本発明はA型及びB型インフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活性がある低分子のリード化合物を同定するための、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)に基づくスクリーニングアッセイを提供する。両ウイルス型に対して有効であることから、かかる化合物はノイラミニダーゼ阻害剤の魅力的な代替物を代表する。それ故、本発明はインフルエンザウイルスに対して切実に必要とされている、ほぼ普遍的な医薬及びタンパク質−タンパク質相互作用ドメイン標的のためにインフルエンザで周知の薬剤耐性株がおそらくより出現しにくい医薬に向けた主要なステップを表す。蛍光偏光(FP)アッセイもまた提供される。
ELISAはPB1のPAへの結合特性をより良好に分析するために確立された。ELISAは、図1bに示されるように、FluA PA及びFluB PAのそれぞれPB11−25A及びPB11−25Bへの型特異的な結合を確認した。個々のaaの効果をさらに性質決定するため、PB11−25A由来ペプチドを用いる競合的ELISA実験を実施した(表2)。310−ヘリックスを構成するaaを欠失するペプチドは結合について競合せず、PA/PB1結合部位の構造と一致している。その上、310−ヘリックスドメイン内に単一のAla又はAsp置換を含有するペプチドは、T6Aを除いて、FluA PAに結合する能力を失った(表3)。結合能力の喪失はアロステリック効果又は水素結合の接触の欠如のためであり得る。
PB1の決定的なPA相互作用ドメインはアミノ酸(aa)X〜X11により形成される310−ヘリックスからなることが見出された。このドメインは高度に保存されており、A型及びB型インフルエンザウイルスの両方において型特異的である(図1a)。
加えてFluB PB1は、これら25aaがFluA PB1配列と交換された場合、FluA PAに結合することができた(図2)。
FluA及びFluB由来ペプチド(15mer)のPA−PB11−25A相互作用についてのIC50値を決定し、FluA/FluBキメラのセットについても同様に決定した(表1)。野生型PB11−15AはFluA PAの同族のペプチドへの結合を効率的に阻害したがFluB PAの結合は阻害せず、一方でPB11−15BはFluB PAの結合を遮断したがFluA PAの結合は遮断しなかった。いくつかのキメラペプチドはFluA PAに結合する能力を失った(表1)。驚くべきことに、ペプチドPB11−15T6Y,L7FはPB11−15Bより小さいアフィニティーを持つにも関わらず、FluA PAへの結合のみならずFluB PAへの結合をも競合した。6位Tyrの単独導入(PB11−15T6Y)はFluBにおいて高度に保存されており、野生型ペプチドよりはなお良好な結合であったものの二重変異体と比較してFluA PAの結合を減少させるに至ったのに対し、FluB PAへの結合はPB11−15T6YについてPB11−15T6Y,L7Fと比較して増加した。
L7Fの置換は阻害活性の実質的な喪失を生じさせ(表1)、PB11−15T6Y,L7Fの好都合な結合特性がT6Yに起因し得ることを指し示している。構造分析はFluB由来の6位TyrがFluA PAの未利用の疎水性ポケット内に適合して、PB11−15T6Y及びFluA PAの間の結合を強化することを示唆する(図1c)。この疎水性相互作用はPhe及びTrpが6位に導入されたFluAでは増大された一方でFluB PAへの結合は悪化しており、FluB PA及びPB1の間の相互作用が少し異なる様式であることを指し示している。
増加した疎水性相互作用、同様に水置換のエントロピー効果の両者はPB1−T6YのPAへの結合が強化されたことを説明することができる。
好都合な二重結合特性はより大きいペプチドのPB11−25T6Yにおいて保持され、PB11−25T6YはまたいくつかのFluA及びFluB株のPAサブユニットにも結合しており(図1b及び図3)、広範囲のインフルエンザウイルスサブタイプについてのアフィニティーを実証している。ポリメラーゼ再構成アッセイはPB11−25T6Yの二重結合特性がウイルス型に依存しないポリメラーゼ活性阻害に変換されたことを明らかにした。GFPに融合されたPB11−25T6YがFluA及びFluBの両方のウイルスのポリメラーゼ活性を妨げた一方で、PB11−25A−GFP及びPB11−25B−GFPはそれらの同族サブタイプの活性を阻害するのみであった(図1d)。これらの配列を含有するタンパク質での共免疫沈降実験を用いて、一致した知見が観察された(図4)。
治療活性のある分子、すなわち本発明による合成又は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドの輸送を改善するため、細胞透過性ペプチドを用いた。前記細胞透過性ペプチドは例えばタンパク質形質導入ドメイン(PTD)又はTatタンパク質としても知られるレンチウイルスからのトランス活性化タンパク質である。HIV−Tatの細胞透過性ドメインに融合されたPB11−25T6Y(PB11−25T6Y−Tat、表4)はFluA及びFluBの両方の増殖を阻害したが、関係のないウイルスの増殖は阻害しなかったことが示されている(図1e)。生化学的特質決定から予想されるように、PB11−25T6Y−TatはA/WSN/33(H1N1)及び高度病原性H5N1株のA/Thailand/1(Kan−1)/2004の増殖阻害において野生型PB11−25A−Tatと比較して2倍の上昇に至った。
本発明によるインフルエンザ予防/治療剤はA型及びB型インフルエンザに対して広く有効である。好都合には、本発明の製剤は需要に応じて非常に短い時間で合成的に調製し得る。例えばアジアの国々における鳥インフルエンザ又は最も最近の事例であるメキシコにおけるブタインフルエンザなどの局所的又は地域的な発生により引き起こされる迫り来るパンデミックの場合、広く機能するインフルエンザ予防/治療剤への需要は明らかである。
本発明の他の態様及び特徴は、付随する図と一緒に本発明の特定の実施形態についての以下の記載を検討することで当業者にとって明らかになるであろう。
本発明の目的、特性及び利点、さらに本発明のアイディアも同様に、本明細書で与えられた記載から当業者にとって明らかであろう。本明細書で下に記述された本発明の実施形態及び特定の例は本発明の好ましい例として捉えられることが理解されるものである。本明細書の記載は図示及び説明の目的のみであって、本発明を本明細書の実施形態又は例に限定する意図ではない。さらに様々な変更及び改変が本明細書で与えられた記載に基づいて本明細書で開示された本発明の趣旨及び範囲内でなされ得ることは当業者にとって明らかである。
PB11−25T6Yの結合及び阻害活性を示す。上段パネルはFluA及びFluB PB1のN末端25aaについてのコンセンサス配列のアライメントを示す図である。中段及び下段パネルはPB1完全長配列に由来する利用可能な全てのFluA及びFluB配列のN末端25aaのアライメントを示す図である。 PB11−25T6Yの結合及び阻害活性を示す。細胞抽出液からのHAタグ付加PAサブユニットの、FluA PB1及びFluB PB1の異なるドメインに相当する固定化ペプチドへの結合を示す図である。上段パネル:用いられたPA含有細胞抽出液のウエスタンブロット。 PB11−25T6Yの結合及び阻害活性を示す。FluA PAに結合したFluA PB11−15及びFluA PB11−15T6Yの構造を示す図である。 PB11−25T6Yの結合及び阻害活性を示す。FluA及びFluBのポリメラーゼ再構成アッセイにおけるPB11−25由来GFP融合タンパク質のポリメラーゼ阻害活性を示す図である。 PB11−25T6Yの結合及び阻害活性を示す。PB11−25A−Tat、PB11−25T6Y−Tat、PX−Tat(対照ペプチド)をFluA、FluB及びVSV(水疱性口内炎ウイルス)と共に用いたプラーク減少アッセイを示す図である。 PAのPB1とのウイルス型特異的な相互作用を示す。図2bによる試験に用いられたPB1キメラを示す図である。 PAのPB1とのウイルス型特異的な相互作用を示す。指示されたPB1タンパク質及びC末端にヘキサヒスチジンタグが付加されたFluAのPA(FluA PAHis)をコードする発現プラスミドでのトランスフェクションの結果を示す図である。 FluA/BペプチドキメラのPB11−25T6Yの二重結合特性をPB11−25A及びPB11−25Bと比較して示す図である。 図4bによる試験において用いられたGFP−PB1融合タンパク質を示す図である。 PB11−25由来GFP融合タンパク質並びにFluA及びFluBのHAタグ付加PAの形成に基づくイムノブロットを示す図である。
本発明の実施形態は例としてのみ、上述の図及び同封の表を参照して、以下に記述される。
材料と方法
ウイルス株
感染実験について、Ghanemら(2007)によるA/WSN/33(H1N1)、Chockephaibulkitら(2005)によるA/Thailand/1(Kan−1)/2004、Norton(1987)によるB/Yamagat/73及びSchwemmle(1995)において記述されたVSV(血清型インディアナ)が用いられた。
プラスミド構築
プラスミドpCA−Flag−GFP、pCA−PB11−25A−GFP、pCA−PB1−HA、FluAミニレプリコンプラスミド及びFluBミニレプリコンの発現プラスミドはGhanem(2007)、Mayer(2007)及びPleschka(1996)に記述されている。FluBミニゲノム発現プラスミドのpPolI−lucRT_Bは、Pleschka(1996)に従って、B/Yamagata/73のセグメント8の非翻訳領域が隣接したホタルルシフェラーゼORF(逆向き)をSapI消化プラスミドpPolI−SapI−Ribの中にクローニングすることにより得た。pCA−PB11−25B−GFPの構築のため、PB1(B/Yamagata/73)の最初の25コドンを含有するリンカーをpCA−Flag−GFPプラスミドのEcoRI/NotI部位の中にクローニングし、Flagをコードする配列をPB11−25Bと置き換えた。部位特異的変異誘発をpCA−PB11−25A−GFPで行い、プラスミドpCA−PB11−25T6Y−GFPを作った。PB1(B/Yamagata/73)及びPA(A/SC35M、A/Thailand/1(KAN−1)/04、A/Vietnam/1203/04、B/Yamagata/73、B/Lee/40)のORFは、NotI部位(FluA株)又はEcoRI部位(FluB株)を開始コドンの上流に含有するセンスプライマー並びに削除された停止コドンの後にXmaI部位、HAタグをコードする配列及びXhoI部位を持つアンチセンスプライマーでPCR増幅させた。PCR産物はEcoRI/XhoI又はNotI/XhoIのいずれかで消化した改変pCAGGsvector(Schneider、2003)中にクローニングし、ポリメラーゼサブユニットのC末端タグ付加バージョンをコードするpCA−PB1−HA又はpCA−PA−HAプラスミドを得た。pCA−PAA/SC35M−Hisプラスミドを得るため、pCA−PAA/SC35M−HAをXmaI/XhoIで消化し、HAをコードする配列を6×Hisリンカーにより置き換えた。A/Bキメラ発現プラスミドは、SC35M及びB/Yamagata/73のpCAPB1−HAプラスミドを用いたアセンブリPCR並びに生じるPCR産物のEcoRI/EcoRVで消化したpCA−PB1B/yamagata/73−HAへのクローニングにより得た。
インフルエンザウイルスポリメラーゼ活性の再構成
HEK293T細胞はFluA又はFluB由来のPB1、PB2、PA及びNP発現プラスミドのいずれか、ウイルスのポリメラーゼ活性をモニターするためのレポータータンパク質であるホタルルシフェラーゼをコードするA型インフルエンザ又はB型インフルエンザウイルス様RNAを転写するポリメラーゼI(PolI)駆動プラスミドを含有するプラスミド混合物並びに指示されたGFP融合タンパク質をコードする発現プラスミドで一過性にトランスフェクトした。両ミニゲノムRNAにはそれぞれFluA及びFluBのセグメント8の非翻訳領域配列が隣接していた。トランスフェクション混合物はまたウミシイタケルシフェラーゼを恒常的に発現するプラスミドを含有し、トランスフェクション効率における変動を規格化するのに役立った。レポーター活性はトランスフェクションから24時間後に決定し、Dual−Glu(登録商標) Lufierase Assay System(Promega)を用いて規格化した。Flag−GFPを含有するトランスフェクション反応で観察された活性を100%に設定した。
ペプチド合成
ペプチドの固相合成はPioneer自動ペプチド合成装置(Applied Biosystems、Foster City、USA)でFmoc化学を利用してTBTU/ジイソプロピルエチルアミン活性化を伴って行った。側鎖の保護は以下のようであった:Asp、Glu、Ser、Thr及びTyrはt−Bu、Asn、Gln及びHisはTrt、ArgはPbf、Lys及びTrpはBoc。カップリング時間は1時間であった。二重カップリングは、プログラムPeptide Companion(CoshiSoft/PeptiSearch、Tucson、USA)に従って困難なカップリングが予測された場合に行った。全てのペプチドはRapp S RAM樹脂(Rapp Polymere、Tubingen、Germany)上での合成によりカルボキシルアミドとして生成された。ビオチンはFmoc−Lys(ビオチン)−OH(NovaBiochem/Merck、Nottingham、UK)及びTBTU/ジイソプロピルエチルアミン活性化を18時間、その後Fmoc−β−Ala−OHカップリングを1時間行うことで指示されたペプチドのC末端に組み入れられた。ペプチドを樹脂から切断し、3%トリイソブチルシラン及び2%の水を含有するTFA(10ml/g樹脂)での処理を3時間行うことで脱保護した。t−ブチルメチルエーテルによる沈殿の後、生じた未精製のペプチドは調製用HPLC(RP−18)により0.1% TFAを含有する水/アセトニトリル勾配で精製し、分析用HPLC及びMALDI−MSにより特性決定した。いくつかのペプチドをpeptides&elephants(Nuthetal、Germany)により合成し、続いて上記のように精製し、特性決定した。
免疫沈降実験
HEK293T細胞を6ウェルプレートの中でMetafectene(Biontex、Martinsried、Germany)を用いて指示されたプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後に細胞を溶解バッファー(20mM Tris pH7.5、100mM NaCl、0.5mM EDTA、0.5% NP−40、1%プロテアーゼ阻害剤Mix G、(Serva、Heidelberg、Germany)、1mM DTT)と共に氷上で15分間インキュベートした。4℃で13.000rpmによる遠心分離後、上清をアガロースビーズ(Sigma)に連結された抗HA特異的抗体と共に4℃で1時間インキュベートした。1mlの洗浄バッファー(プロテアーゼ阻害剤混合物を含まない溶解バッファー)で3回洗浄後、結合した物質は変性条件下で溶出させ、SDSPAGEゲル上で分離し、PVDF膜に転写した。ウイルスポリメラーゼサブユニット及びGFPの融合タンパク質を、HAに対する抗体(Covance、Berkeley、California)又はHisタグに対する抗体(Qiagen)若しくはGFPタグに対する抗体(Santa Cruz Biotechnology)により検出した。
プラーク減少アッセイ
実験はSchmidke(2001)により記述された方法を改変して行った。コンフルエントなMDCK細胞を100PFUのA/WSN/33、B/Yamagata/73、A/KAN−1又はVSV/Indianaにより、BSAを含有するPBS中で室温で感染させた。接種液除去後、細胞を、1%のOxoidagar及び指示された濃度のペプチドを含有する培地(20mM Hepes、0.01% DEAE Dextran、0.001% NaHCOを含むDMEM)で重層した。それぞれ37℃で5%のCO2と共に24時間(VSV)、48時間(A/WSN/33、A/KAN−1)、又は33℃で5%のCOと共に72時間(B/Yamagata/73)インキュベーションした後、細胞をホルムアルデヒドで固定し、クリスタルバイオレットで染色した。プラークをカウントし、水対照の平均プラーク数を100%に設定した。
ELISA
マイクロウェルプレート(Pierce)を飽和濃度のペプチドと共に室温でインキュベートし、洗浄し、続いてHAタグ付加PAと共に室温でインキュベートした。PA−HAを得るため、Meyerら(2007)により詳細に記述されたように、293t細胞を94mmデイッシュに播種し、各プラスミドでトランスフェクトし、トランスフェクションから24時間後に溶解バッファーで処理した。マイクロウェルプレートの洗浄後、ウェルをHA特異的一次抗体(Covance)と共にインキュベートした後、3回の洗浄及びペルオキシダーゼが連結された二次抗体(Jackson Immuno Research、Newmarket、UK)を伴うさらに30分間のインキュベーションを行った。最後の洗浄ステップの後、ABTS−基質(Sigma、既製溶液を添加し、405nmにおいて光学密度を決定した。
競合ELISAは、HAタグ付加PAサブユニットを含有する細胞抽出液の添加前に競合ペプチドが結合ペプチドを含むプレートのウェルに添加された点以外は上記のように行った。
蛍光偏光(FP)アッセイ
試験サンプルには蛍光標識を包含するタンパク質又はタンパク質サブユニットの既知の結合ペアが包含されており、本発明の好ましい実施形態に従って蛍光偏光により分析し得る。ここで我々は、最初の25個のN末端アミノ酸により代表されるA型インフルエンザウイルスポリメラーゼサブユニットPB1とサブユニットPAとの相互作用を用いる。次いで、試験サンプルを候補の阻害化合物と接触させ、蛍光偏光を決定する。タンパク質又はタンパク質サブユニットの結合の解離又はさもなければ干渉若しくは妨害を引き起こす化合物の能力を蛍光偏光(FP)によりモニターする。FP測定は、結合した蛍光標識されたタンパク質、ペプチド、サブユニット又はその断片と結合していないそれらとの間の区別を可能にする。蛍光標識した第一の断片のFPは溶液中で素早く回転し、それ故ランダム化された光選択分布を持ち、観察されるFPは小さいという結果となる。第一のサブユニットの蛍光標識した第一の断片が典型的にはより大きくよりゆっくり回転する分子である第二のサブユニットの断片と相互作用すると、蛍光標識した第一の断片の回転は遅くなり、蛍光偏光は増加する。よって、試験化合物によるサブユニット相互作用の破壊は蛍光偏光の減少をもたらし、蛍光偏光の減少はタンパク質相互作用の阻害を示している。試験化合物存在下でのFP測定は試験化合物非存在下でのFP測定と比較され得る。比較はオペレーターにより手動で又はコンピューターにより自動で、特に384ウェルプレートを用いるハイスループットアッセイにおいてなされ得る。
タンパク質精製のため、A型インフルエンザウイルスポリメラーゼサブユニットPAはC末端に付着した6×Hisリンカー又はヘマグルチニンエピトープ(HA)と共に適当な発現ベクター中にクローニングされた。ヒト293T細胞はプラスミドでトランスフェクトされた。細胞溶解液はトランスフェクションから24時間後に溶解バッファー(20mM TrisHCl pH7.5、100mM NaCl、0.5mM EDTA、0.5% NP−40、1mM DTT及び1% Protase阻害剤混合物)を用いて調製した。溶解液からの精製のため、PAサブユニットをNi又は抗HAアガロースに結合し、プロテアーゼ混合物を含まない溶解バッファーで洗浄した。20mM TrisHCl pH 7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、1mM DTT、5%グリセロール中に溶解されたHAペプチドでの溶出後、PAタンパク質は必要な場合はVivaspin20 50Kカラムを用いて濃縮し、−80℃でさらなる使用時まで冷凍した。解凍後、溶出バッファーを低蛍光グレード試薬に交換し、全てのHAペプチドを同時に10−DG Bio−Gelカラムを用いて除去した。
A型インフルエンザウイルスポリメラーゼサブユニットPB1の最初の25個のN末端アミノ酸に相当する蛍光標識したペプチドを、3nM濃度で、20mM TrisHCl pH 7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、1mM DTT、5%グリセロール及び100mg/mlウシγグロブリン中に溶解された10マイクロMのHA−PAに添加した。混合物を黒色の384ウェルプレートに1ウェルあたりの総液量が20マイクロリットルになるように分配し、氷上で維持した。DMSO中に溶解しれた試験化合物を、終濃度が25マイクロMになるように添加した。室温で10分間のインキュベーション後、プレートはInfinite F200リーダー(Tecan)を用いて読み取った。試験化合物を含有するウェルのFP値を、試験化合物を含まないウェル、DMSOを含まないウェル及びペプチドのみを含むウェルと比較した。
配列アライメント:アライメントはEdgar(2004)の中で記述されたように公開インフルエンザウイルスデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/FLU/FLU.html)から提供された完全長配列を用いて、MUSCLEで実施した。
モデル化:変異ペプチドのPA(C)−PB1(N)結晶構造(Heら、2008)への手動ドッキング、続いてAccelrys Discovery Studioでの最小化が実施した。
図表の詳細な説明
表1aは競合的ELISAにより決定されたFluA/FluB由来ペプチドの阻害濃度を示す。競合ペプチド(0.048〜3000nM)をFluA又はFluBいずれかからのHAタグ付加PAを含有する細胞抽出液と混合した。表1は12個の競合的ペプチドを示している。一番目のペプチドPB11−15AはFluAの野生型で、二番目の列はFluBの野生型を示す。行3〜8のペプチドについて、文字はFluB特異的なアミノ酸を示す。行9〜12はさらに、6位のアミノ酸がFluA特異的でもFluB特異的でもない競合的ペプチドを示している。S.D.は括弧内に表示する。アスタリスクは用いた50%阻害に達しないペプチドの最高濃度を表示する。表に示していないが低いペプチド濃度で50%阻害に効果的に達したさらなる競合的ペプチドはPB11−15T6I、PB11−15T6L及びPB11−15T6Vである。少し低い阻害活性を持つペプチドは同様に表1a中に示されていないPB11−15T6A及びPB11−15T6Mである。
Figure 2012525823
高い阻害活性を持つさらなるペプチドについての包括的及び質的概要は表1bに提供される。表の中で野生型A型変異体のX位〜X10位におけるアミノ酸配列を示す。
Figure 2012525823
表1cに野生型A型変異体のアミノ酸残基X〜X10におけるアミノ酸配列を示す。前記ペプチドは表1a及び1bによる上述のペプチドよりも低い活性を呈する。
Figure 2012525823
上で表された情報及び結果に基づくと、当業者には、本発明による合成又は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドがアミノ酸配列X10を含み、XがPであり、XがT、Y、F、W、H、C、I、L、V、A又はMであり、XがL又はFであり、XがL、I、F又はMであり、XがF、Y、W、H、L、R又はSであり、X10がL、I又はYであることは明確である。前記アミノ酸配列はMDVNPTLLFLKである野生型PB11−11Aによるポリペプチドと少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%又は90%同一であること明らかである。
前述のペプチド群の中で、アミノ酸配列X10を含み、XがT、Y、F、W、H、C、I、L又はVであり、XがL又はFであり、XがL又はIであり、XがF、Y又はWであり、X10がLであるペプチドが好ましい。特定の実施形態により一層好ましいのはアミノ酸配列Xを含み、XがT、Y、F、W、H、C、I、L又はVであり、XがL又はFであるペプチドである。
本発明によるペプチドは好ましい実施形態による少なくとも11残基のX1−11を含み、好ましくはタンパク質はアミノ酸配列MDVNPXLFLKVPAQを含み、XがT、Y、F、W、H、C、A、I、L、V又はMの群から選択され、XがL又はFの群から選択される。好ましいペプチドはMDVNPYFLFLKVPAQ、MDVNPYLLFLKVPAQ、MDVNPWLLFLKVPAQ又はMDVNPFLLFLKVPAQの群から選ばれるアミノ酸配列を含む。
本発明のさらに好ましい実施形態によると、ペプチドは野生型PB11−15Aによるが野生型配列MDVNPTLLFLKVPAQでない、少なくとも15残基のX1−15を含む。
表2は競合的ELISAにより決定されたFluA由来PB1ペプチドの50%阻害濃度(IC50)を示す。ペプチドPB11−25Aをマイクロウェルプレート上に固定化し、濃度を上昇させた競合ペプチド及びHAタグ付加されたFluAのPAを含有する細胞抽出液と共にインキュベートした。結合したPAを上記のようにHA特異的抗体により検出した。S.D.は括弧内に示す。アスタリスクは検出可能な阻害作用を持たないで用いられたペプチドの最高濃度を表示する。灰色のボックスは310−ヘリックス部分のアミノ酸を強調しており、310−ヘリックスはPB1のコアPA結合領域を含む。PA残基と水素結合を形成することが知られているアミノ酸は太字で表す。PB1のPA結合ドメインを含む25merペプチドのN末端及びC末端における体系的なトランケーションは、ELISAアッセイの結果に基づいて、i)25merペプチドは結合したペプチド−PA相互作用を阻害する能力を失うことなく、最初の14個又は13個のN末端アミノ酸が残るまでC末端においてトランケートされ得ることを示した。最初の12個又は11個のアミノ酸に至るまでのC末端におけるトランケーションは、なお相当な活性を示すペプチドを生じさせた。体系的なトランケーションはii)N末端のトランケーションはペプチドの阻害活性を大きく損わずには不可能であることをさらに示した。
Figure 2012525823
表3はELISAにより決定したFluA由来競合ペプチドの阻害濃度(IC50)を示す。ペプチドPB11−25Aを再びマイクロウェルプレート上に固定化し、濃度を上昇させた競合ペプチド及びHAタグ付加されたFluAのPAを含有する細胞抽出液と共にインキュベートした。HA特異的抗体が結合したPAを検出した。S.D.は括弧内に示す。アスタリスクは検出可能な阻害作用を持たない用いられたペプチドの最高濃度を表示する。
Figure 2012525823
図1に基づいて、本発明によるペプチドの結合及び阻害活性を、好ましいタンパク質であるPB11−25T6Yに焦点を置いて以下の記載部分に示す。図1aは上段パネルにおいてFluA及びFluB PB1のN末端25aaについてのコンセンサス配列のアライメントを示し、点模様のボックスはPB1のコアPA結合ドメインを含む310−ヘリックスを表示し、FluA特異的及びFluB特異的aaは太字で印刷されている。中段及び下段パネルはNCBIインフルエンザウイルスデータベースにより提供されたPB1完全長配列由来の、利用可能な全てのFluA及びFluB配列のN末端25aaのアライメントを示す。細胞抽出液からのHAタグ付加PAサブユニットの、FluA PB1(PB11−25A)、FluB PB1(PB11−25B)又はFluA PB1 T6Y(PB11−25T6Y)ドメインに相当する固定化ペプチドへの結合はELISAにより決定し、図1bに示す。同族ペプチド及び溶解液を用いたシグナルを1に規格化した。PAサブユニットの対照ペプチドへの結合は観察されなかった。上段パネル:用いられたPA含有細胞抽出液のウエスタンブロット。分子量はキロダルトンで示される。
図1cはFluA PAに結合したFluA PB11−15の構造についての図解情報をいくつか提供する。T6は水分子との水素結合を形成する。分子モデル化は変異体のT6Y中の芳香族側鎖が疎水性ポケット内に適合して水分子を置き換えることを示唆する。
FluA及びFluBポリメラーゼ再構成アッセイにおけるPB11−25由来GFP融合タンパク質のポリメラーゼ阻害活性を図1dに示す。全ウイルスプラスミド及びFlag−GFPを含有する実験における活性を100%に設定した。
図1eはPB11−25A−Tat、PB11−25T6Y−Tat、PX−Tat(対照ペプチド)をFluA、FluB及びVSV(水疱性口内炎ウイルス)と共に用いたプラーク減少アッセイを示す。HO対照がアッセイを標準化するために100%として用いられた。PB11−25B−Tatは不溶性のために試験され得なかったことに注意されたい。エラーバーはS.D.を表現する。
PAのPB1とのウイルス型特異的な相互作用を図2に図示する。図2aは図2bによる試験に用いられたA/SC35M及びB/Yamagata/73由来のPB1キメラを示す。全てのPB1タンパク質はC末端のHAタグと共に発現されたことに注意されたい。図2bは指示されたPB1タンパク質及びC末端にヘキサヒスチジンタグが付加されたFluAのPA(FluAPAHis)をコードする発現プラスミドでトランスフェクトされたヒト293T細胞を示す。細胞溶解液はトランスフェクションから24時間後に調製され、抗HA(aHA)アガロースを用いる免疫沈降(IP)に供した。沈降した物質はSDS−PAGEにより分離され、ウエスタンブロットによりHis又はHAタグ付加ポリメラーゼサブユニットのいずれかの存在について適切な抗体を用いて分析した。タンパク質発現量は同量の細胞溶解液を分析することにより調節した。分子量はキロダルトンで示す。ヘリックスドメインを含む25merペプチドのPB11−25AはFluAのポリメラーゼ活性及び複製を阻害する一方、FluBポリメラーゼの活性は影響されない。
図3ではFluA/BペプチドキメラであるPB11−25T6Yの二重結合特性を図示する。下段パネルはマイクロウェルプレート上に固定化され、指示されたFluA又はFluB株からのPA−HAを含有する、濃度を上昇させた細胞抽出液と共にインキュベートしたペプチドPB11−25A、PB11−25B又はPB11−25T6Yを示す。結合したPA−HAはHA特異的抗体及びペルオキシダーゼ標識二次抗体により検出した。結合効率は基質の変換を405nmで測定することにより定量した。S.D.はエラーバーにより表示する。実験は3連で繰り返された。上段パネルは対応する量の細胞溶解液のウエスタンブロットによる分析を示し、分析によりタンパク質発現量を調節した。分子量はキロダルトンで示す。
図4aは図4bによる試験において用いられたGFP−PB1融合タンパク質を示す。PB11−25由来GFP融合タンパク質とHAタグ付加されたFluA及びFluBのPAとの複合体形成を図4bに示す。指示されたタンパク質をヒト293T細胞中で発現させ、GFP融合タンパク質の結合を抗HAアガロースを用いたPAの免疫沈降(IP)及びその後に続くイムノブロット(IB)により分析した。沈降した物質は指示された抗体を用いたウエスタンブロットによりHAタグ付加PA又はGFPのいずれかの存在について分析した。分子量はキロダルトンで示す。
上述の本発明の実施形態は例のみを意図されている。代替、改変及び変化は特定の実施形態について当業者によって本発明の範囲から逸脱することなくされ得るものであり、本発明の範囲は本明細書に付属する特許請求の範囲によってのみ定義される。全ての参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。
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Claims (17)

  1. A型及びB型の両インフルエンザウイルスのヘテロ三量体ウイルスRNAポリメラーゼ複合体のPA及びPB1サブユニットの間のタンパク質−タンパク質相互作用を競合的に阻害する合成又は単離されたインフルエンザウイルス複製阻害ペプチドであって、配列X10を含むアミノ酸配列を含み、XはPであり、XはT、Y、F、W、H、C、I、L、V、A又はMであり、XはL又はFであり、XはL、I、F又はMであり、XはF、Y、W、H、L、R又はSであり、X10はL、I又はYであり、前記アミノ酸配列がMDVNPTLLFLKである野生型PB11−11Aによるポリペプチドと少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%又は90%同一であり、前記野生型PB11−11Aは除外される、インフルエンザウイルス複製阻害ペプチド。
  2. MDVNPTLLFLKVPAQである野生型PB11−15Aによるポリペプチドと少なくとも66%、好ましくは少なくとも73%、より好ましくは少なくとも79%、86%又は93%同一なアミノ酸配列を含み、前記野生型PB11−15Aは除外される、請求項1に記載のペプチド。
  3. アミノ酸配列X10を含み、XがT、Y、F、W、H、C、I、L又はVであり、XがL又はFであり、XがL又はIであり、XがF、Y又はWであり、X10がLである、請求項1又は2に記載のペプチド。
  4. アミノ酸配列Xを含み、XがT、Y、F、W、H、C、I、L又はVであり、XがL又はFである、請求項3に記載のペプチド。
  5. 前記アミノ酸配列が15残基のX1−15を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペプチド。
  6. アミノ酸配列MDVNPXLFLKVPAQを含み、XがT、Y、F、W、H、C、A、I、L、V又はMの群より選択され、XがL又はFの群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペプチド。
  7. MDVNPYFLFLKVPAQ、MDVNPYLLFLKVPAQ、MDVNPWLLFLKVPAQ又はMDVNPFLLFLKVPAQの群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項6に記載のペプチド。
  8. 細胞透過性ペプチド、好ましくはHIV−Tatの細胞透過性ドメインに融合した請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドを有効成分として含むインフルエンザウイルス複製阻害剤。
  9. A型インフルエンザ株及びB型インフルエンザ株の複製を阻害する、請求項8に記載のインフルエンザウイルス複製阻害剤。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドを有効成分として含むインフルエンザ予防/治療剤。
  11. A型インフルエンザ株及びB型インフルエンザ株に対して有効である、請求項10に記載のインフルエンザ予防/治療剤。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  13. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチド及び適合性の担体を含むガレヌス製剤。
  14. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドを含む医薬。
  15. インフルエンザの治療に用いるための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチド。
  16. インフルエンザを治療する医薬の製造のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドの使用。
  17. 好ましくは競合的阻害剤としての、前記野生型を包含する請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドの使用を含む、インフルエンザポリメラーゼサブユニットの相互作用の阻害剤をELISA又は蛍光偏光アッセイに基づいて決定する方法。
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