JP2012525257A - 使い捨て分離器/濃縮器デバイスおよびその使用方法 - Google Patents

使い捨て分離器/濃縮器デバイスおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、液体試料および流体試料から粒子を分離し濃縮するための方法、デバイスおよびシステムに関する。ある態様において、分離/濃縮は、連続的な遠心分離工程によって達成される。特に、本発明の一局面は、第1のバルブ(111)によって連結された第1のチャンバ(101)と第2のチャンバ(103)とを少なくとも含み、第1のバルブの操作によって、第1のチャンバから第2のチャンバへの物質移送が制御される分離/濃縮デバイスに関する。ある態様において、バルブ操作は、手動、半手動、または自動で行うことが可能である。本発明の別の局面は、シングルチャンバまたはマルチチャンバの分離/濃縮器デバイス、ならびに使用のための方法およびシステムに関する。本発明の別の局面は、半手動アクチュエーションデバイス、ならびに特注の遠心分離機に備えられた自動慣性アクチュエーションデバイスおよび機械式アクチュエーションデバイス等の、バルブ操作のためのデバイスに関する。

Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、ともに2009年5月1日に出願された米国特許仮出願第61/174,664号および61/174,698号について米国特許法119条(e)に基づく恩典を主張する。上記仮出願の全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
水または食品供給の細菌感染または細菌汚染を分析するための現在の標準は、細菌培養物の比較的純粋な試料を必要とする。このような培養物を得るためには、オフサイトの専門の実験室において特別な培地で、試料中の細菌を一晩増殖させなくてはならない。その後、生化学的試験によって、培養物中に存在する細菌を特定する。この手順は、非常に手間がかかり、熟練した検査技師を必要とし、人的エラーの要素をもたらす。また、細胞培養は、本質的に時間がかかり、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)等の増殖の遅い細菌を培養するためには、数日、場合によっては数週間もの時間を必要とする。
上記プロセスのスピードを向上させ、かかる手間を減少させる代替方法および/または装置が開発されている。
本発明は、粒子(例えば、細菌または混入物質)を液体試料または流体試料から濃縮し分離する、粒子または細胞の分離および濃縮デバイスに関する。分離/濃縮は、連続的な遠心分離工程によって達成される。このような分離器/濃縮器デバイスは、流体試料(例えば、水)または生体液試料(例えば、血液)からの細菌または粒子の迅速な抽出および濃縮を容易にし、続いて処理または分析することが可能な濃縮された試料を提供する。また、本明細書において開示される分離器/濃縮器デバイスは、下流の診断アッセイにおける分析のための濃縮された試料を作製するのにも有用である。というのも、分離器/濃縮器デバイスが濃縮された試料を作製することによって、往々にして流体試料(例えば、血液または他の生体液)から微粒子(例えば、細菌)が精製および単離されるためである(例えば、PCRやbioMEMSデバイス等)。
一態様において、本発明は、粒子の分離が複数の遠心分離工程で生じ得、各遠心分離工程において、使い捨てデバイス中のあるチャンバから別のチャンバへ試料を受け渡し可能な、本明細書において「分離器/濃縮器」デバイスと称される使い捨てデバイスである。あるチャンバから別のチャンバへの試料の流れは、チャンバ間に位置するバルブによって制御可能であり、本明細書において開示されるように、該バルブは、例えば手動または自動で様々な異なる機構によって操作される。
本発明の一局面は、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮する、使い捨てデバイス等のデバイスに関する。ある態様において、デバイスは、(a)流体試料を投入するための流入口を有し、流体をバルブに排出するための流出口を底部に有する少なくとも第1のチャンバと;流体をバルブから受け入れるための流入口を有し、アウトプットを底部に有する少なくとも第2のチャンバと;(b)第1のチャンバのアウトプットと第2のチャンバのインプットとを連結している第1のチャネルと;(c)第1のチャネル内に収容され、収集リザーバを含み、第1のチャンバから第2のチャンバへの物質の流れを制御する第1のバルブとを含む。ある態様において、バルブは、収集リザーバを含む定量バルブである。別の態様において、デバイスは、任意の数のさらなるチャンバ(例えば、各々が垂直方向に並んで配置され、バルブを収容しているチャネルによって隣接するチャンバに連結される、第3のチャンバまたはさらなるチャンバ)を含み得る。ある態様において、第2のチャンバは、第2のバルブを含む第2のチャネルへ連結される流出口を含み、本明細書において開示されるマルチチャンバ分離器/濃縮器デバイスにおいて、1つ以上のさらなるチャンバに連結可能である。
別の態様において、第2のチャンバは、収集チャンバとして機能し、濃縮された試料を収集する(例えば、2チャンバデバイスにおいて、第2のチャンバは収集チャンバとなり得る)。このような態様において、第2のチャンバは、任意の収集チャンバ(例えば、0.2mlチューブ、0.5mlチューブ、1.5mlチューブ、または2.0mlチューブ等の任意のチューブ、あるいは濃縮された試料を収集する任意の形状構成)であってもよく、例えば、収集チャンバはスライドガラス(例えば、試料を第1のチャネルの流出口から収集する窪みを備えた顕微鏡用スライドガラス)であってもよい。ある態様において、収集チャンバとして機能する第2のチャンバまたは最も下側に位置するチャンバ(例えば、第3、第4、第5チャンバ等)は、試料の収集後、分離器/濃縮器デバイスから取り外し可能である。
ある態様において、第1のチャンバと第2のチャンバとを含む分離器/濃縮器デバイス(例えば、図1A参照)は、物質を第1のチャンバから第2のチャンバへ移送するための以下のような概略的な操作モードを有し、3つのバルブ操作および連続的な遠心分離サイクル(本明細書において、「3バルブ操作方法」と称する)を必要とする。
工程1:バルブを位置3へ動かす第1のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバが第1のチャンバの流出口に対して閉鎖され、物質が第1のチャンバから第2のチャンバへ流れることを防止するようにバルブが配置される。
工程2:分離しようとする流体試料を第1のチャンバの流入口へ加え、第1の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置3にあることにより、物質が第1のチャンバの流出口からバルブ収集リザーバへ流れることが阻まれ、第1の遠心分離サイクル中、物質が第1のチャンバの底部に集まることになる。
工程3:バルブを位置1へ動かす第2のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、開放されて第1のチャンバの流出口にあわせて配置される。第2の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置1にあることにより、第2の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバに収集されることになる。
工程4:バルブを位置2へ動かす第3のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、開放されて第2のチャンバの流入口にあわせて配置される。第3の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置2にあることにより、第3の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバから第2のチャンバへ移送されることになる。
2つより多いチャンバ(例えば、3つのチャンバ)、または3つより多いチャンバを含む態様において、3つのバルブ操作および遠心分離サイクル工程1〜工程4を繰り返す(工程2で流体試料を第1のチャンバへ追加することを省略するということを除く)ことによって、微粒子物質が、それぞれ後続するチャンバへ移送される。
別の態様において、より効率的な操作モードを用いて、例えば、以下の工程を含む2つのバルブ操作および後続する遠心分離サイクル(本明細書において、「2バルブ操作方法」と称する)により、物質を第1のチャンバから第2のチャンバへ移送可能である。
工程1:バルブを位置1へ動かす第1のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、第1のチャンバの流出口にあわせて配置される。
工程2:分離しようとする流体試料を第1のチャンバの流入口へ加え、第1の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置1にあることにより、第1の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバに収集されることになる。
工程3:バルブを位置2へ動かす第2のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、第2のチャンバの流入口にあわせて配置される。第2の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置2にあることにより、第2の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバから第2のチャンバへ移送されることになる。
2つより多いチャンバ(例えば、3つのチャンバ)、または3つより多いチャンバを含む態様において、2バルブ操作方法のバルブ操作および遠心分離サイクル工程1〜工程3(流体試料を第1のチャンバへ追加することを省略するということを除く)を繰り返すことによって、微粒子物質が、それぞれ後続するチャンバへ移送される。この際、ある回転後かつ次の回転前に、2つのチャンバ間に位置するバルブが位置1から位置2へ操作され、微粒子を上側のチャンバから下側のチャンバへ移送する。
分離器/濃縮器デバイスが複数(例えば、3つ、4つ、または5つ以上)のチャンバを含み、チャンバ間にバルブをそれぞれ備える態様において、チャンバから次のチャンバへの物質の流れは、同一のバルブ操作法を用いて制御可能である(例えば、すべてのバルブが3バルブ操作法を用いて操作されてもよく、すべてのバルブがより効率的な2バルブ操作法を用いて操作されてもよく、あるいは、ある態様において、デバイス中のいくつかのバルブが3バルブ操作法を用いて操作され、同一デバイスの別のいくつかのバルブがより効率的な2バルブ操作法を用いて操作される)。
本発明の別の局面は、分離したい流体試料を第1の(例えば、最も上側の)チャンバに配置し、分離器/濃縮器デバイスに遠心分離を行わせる、流体試料中の粒子を分離する方法に関する。遠心分離サイクル中、バルブが位置1にある態様において、微粒子物質は、増加した重力によってペレット化/沈殿し、第1の(例えば、最も上側の)チャンバの底部に沈降する。遠心分離サイクル中、バルブが位置2にある態様において、微粒子物質は、増加した重力によってバルブの収集リザーバの外へ排出され、第2または下流のチャンバのインプットに入る。
チャンバ
ある態様において、バルブは、上側のチャンバから下側のチャンバへ移送される粒子の体積を調節する収集リザーバを備えて構成されてもよい。例えば、ある態様において、バルブが、例えば、手動、半手動、または自動で操作されて、収集リザーバが上側のチャンバの流出口(例えば、位置1)にあわせて配置されるように位置決めされる場合、バルブ収集リザーバは、遠心分離サイクル中、所定の微粒子物質または所定ではない微粒子物質を収集する。バルブが、例えば、手動、半手動、または自動で操作されて、バルブ収集リザーバが第2の(または下側の)チャンバの流入口(例えば、位置2)にあわせて配置されるように位置決めされる場合、バルブ収集リザーバ中の沈殿粒子は、遠心分離サイクル中、第2のチャンバへ入れられる。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは、少なくとも2つのチャンバ、または少なくとも3つのチャンバを含み得る。分離器/濃縮器が3つのチャンバを有する態様において、本明細書において開示される2または3バルブ操作法の任意の組み合わせを用いて、第1のチャンバから第2のチャンバへ、さらに第2のチャンバから第3のチャンバへ、粒子が移送されてもよい。
本明細書において示す態様において、各チャンバは、微粒子物質(例えば、物質のペレット)を収集するように構成されてもよい。例えば、下側のチャンバに連結されたチャネルに繋がる最も上側のチャンバの底部にある流出口へ沈殿粒子を導くように、チャンバを漏斗状に構成してもよい。
本態様において、第1のチャンバは、分離したい流体の体積を収容できるように設計される。体積は、10ナノリットルから10Lの範囲とすることが可能である。ある態様において、第1のチャンバは、100mlから1Lの間の体積、または約100mlから約1Lの間の任意の整数の体積を収容できるように設計される。一態様において、体積は、少なくとも約1mlから約10mlまで、少なくとも約10mlから約100mlまで、約100mlから約500mlまで、約500mlから約1Lまで、または約10ナノリットルから100マイクロリットルまでの範囲とすることが可能である。別の態様において、体積は、10マイクロリットルから20ミリリットルまでの範囲、またはその間の任意の整数であることが可能である。ある態様において、体積は、約10mlまたは約100mlとすることが可能である。不溶性粒子を含む任意の流体(例えば、血液細胞または細菌を含む全血、微生物を含む池/川の水、および尿)が使用可能である。
本明細書に記載の本態様において、第1の(例えば、最も上側の)チャンバは、流体を投入し易くするため、頂部に広い開口部(例えば、インプット)を含むように設計されてもよく、チャネルに連結された流出口に繋がるチャンバの底部(図7および図8を参照)に漏斗を含む。チャネルは、後続する下側の(例えば、第2または最も下側の)チャンバの流入口に連結されている。
チャンバおよびチャネルの大きさおよび形状を調整することによって、分離したい流体の種類、収集しようとする粒子の種類、体積、および大きさ、ならびに望ましい収集体積に適合させることができる。
一態様において、最も下側に位置する(例えば、第2、第3、または最も下側の)チャンバは、第1の(例えば、最も上側または比較的上側の)チャンバより小さい。一態様において、最も下側のチャンバは、ペレット粒子を収集するために、洗浄液または懸濁液を含み得る。ある態様において、各チャンバは、収集流体試料(例えば、第2の流体試料または第3の流体試料、例えば、緩衝剤または水)で充填されていてもよい。
ある態様において、最も下側に位置するチャンバ(例えば、2チャンバデバイスにおける第2のチャンバまたは3チャンバデバイスにおける第3のチャンバ等)は、収集チャンバとして機能することが可能であり、濃縮された試料を収集する。典型的に、このような収集チャンバは、試料を受け入れるためのインプットを有するが、試料を流出させるためのアウトプットを有さない。ある態様において、収集チャンバは、任意の収集チャンバ(例えば、任意の収集チューブ(例えば、0.2mlチューブ、0.5mlチューブ、1.5mlチューブ、または2.0mlチューブ)、あるいは任意の形状構成の収集チャンバ)として構成され、濃縮された試料を収集し得る。例えば、収集チャンバは、スライドガラス(例えば、試料を第1のチャネルの流出口から収集する窪みを備えた顕微鏡用スライドガラス)であってもよい。ある態様において、収集チャンバである第2のチャンバまたは最も下側に位置するチャンバ(例えば、マルチチャンバデバイスの第3、第4、第5チャンバ等)は、試料の収集後、分離器/濃縮器デバイスから取り外し可能である。ある態様において、収集チャンバは、デバイスから切り離されており、分離器/濃縮器デバイスに連結可能である。例えば、デバイスが第1のチャンバと第1のバルブとのみを含む態様において、収集チャンバを1チャンバ・1バルブデバイスの下部に連結して、収集チャンバが試料を第1のチャンバのアウトプットから受け入れることができるようにし、収集チャンバへの流体の移送を第1のバルブの操作で制御するようにデバイスを構成してもよい。
バルブ
ある態様において、バルブは、収集リザーバを含むように構成される。ある態様において、バルブが位置1にある時、バルブ収集リザーバは、上側のチャンバの流入口に対して開放位置にあり、上側のチャンバ中の流体試料から微粒子物質(例えば、ペレット化した物質)を受け入れ可能である(図1Aを参照)。バルブを位置2へ動かすバルブ操作により、バルブ収集リザーバは、第2の(例えば、下側の)チャンバの流入口に対して開放位置となり、微粒子物質を下側のチャンバに入れることが可能である。
ある態様において、バルブをある位置から別の位置へ(例えば、位置3から位置1へ、および位置1から位置2へ)動かすバルブ操作は、例えば、チャネルに沿って直線動作でバルブをスライドさせることにより行われてもよい(例えば、図1A参照)。このような態様において、例えば図1Aおよび図5に示すように、バルブは、バルブ内の溝として構成される収集リザーバを含み得る。
別の態様において、バルブをある位置から別の位置へ動かすバルブ操作は、回動機構によって行われてもよい(例えば、図1B参照)。このような態様において、バルブは、バルブ内の空隙部(例えば、窪み)として構成される収集リザーバを含み得、バルブがチャネル内で回動して、例えば、位置1から位置2へ動かされるようにしてもよい(例えば、収集リザーバは、回動によって、上側のチャンバの流出口に合わせられて開放された状態から、下側のチャンバの流入口に合わせられて開放された状態へ動かされる)。バルブ収集リザーバがバルブ内の空隙部(例えば、窪み)であるこのような態様において、位置2にあるバルブは、同時に、位置3にあるバルブとしても機能する(例えば、バルブが位置3にある状態は、バルブが上側のチャンバの流出口に対して閉鎖された状態である)。バルブ操作が回動機構を利用する態様において、典型的に、上側のチャンバのアウトプットおよび下側のチャンバのインプットは、同一の垂直面上に配置されている(図1B参照)。
ある態様において、バルブ操作は、引き動作または押し動作等の直線動作で行われてもよい。別の態様において、バルブ操作は、ノブを廻す動作のような回動動作で行われてもよい。バルブ操作は、本明細書において開示される任意の手動、半手動、または自動アクチュエータによって行われてもよい。
ある態様において、バルブ操作は、例えば、本明細書において開示されるカムスリーブアクチュエーションデバイスを用いて手動でまたは半手動で行われてもよい。別の態様において、バルブ操作は、例えば、本明細書において開示される慣性アクチュエーションデバイスを用いて自動で行われてもよい。バルブは、遠心分離の減速中に作動される。別の態様において、バルブは、特別に適合された遠心分離機内に位置する外部アームを用いて自動で作動され、遠心分離機が完全に停止した後にバルブが作動される。
一態様において、バルブは、アクチュエーションデバイス(例えば、半手動カムスリーブアクチュエーションデバイスまたは自動操作デバイス)の助力なしに、人の手によって動かされる。一態様において、バルブは、器具(例えば、チャネル内のそれぞれのバルブにアクセスするためのロッド)の助力を用いてまたはその助力なしに、人の手によって手動で操作される。そのような一態様において、バルブは、遠心分離が停止した後に、人の手によって手動で操作される。
一態様において、バルブは、例えば、本明細書において開示されるカムスリーブデバイスを用いて半手動で操作される。別の態様において、バルブは、カムスリーブデバイスを用いて操作されてもよく、この場合、カムスリーブデバイスは、使い捨て分離器/濃縮器デバイスに機能的に連結され、カムスリーブデバイスの手動回動機構を用いてバルブを操作する。一態様において、バルブは、遠心分離が停止した後に人の手によって動かされる、機能的に連結されたカムスリーブアクチュエーションデバイスによって操作されてもよい。
一態様において、バルブは、例えば、機能的に連結されたアクチュエーションデバイス(例えば、本明細書において開示される慣性アクチュエーションデバイス)によって自動で操作されてもよい。一態様において、アクチュエーションデバイスは、バルブを操作するためのピストンを用いる。一態様において、バルブは、遠心分離の減速中に、慣性アクチュエーションデバイスを用いて操作される。減速中に、慣性アクチュエーションデバイスがバルブに対してピストンを押すことにより、チャネル内のバルブを操作する。したがって、ある態様において、バルブは、例えば、遠心分離中や遠心分離サイクルの減速段階中に自動で動く。例えば、2つのバルブを有する3チャンバデバイスにおいて、バルブが連続的に動かされてもよく、第1の遠心分離の減速中に上側のバルブが操作され、後続する第2の遠心分離の減速中に下側のバルブが操作される。ある態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、市販の遠心分離機に用いられるロータまたはバケットに連結されてもよく、別の態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、特注の遠心分離機に連結されてもよい。
一態様において、バルブは、特注の遠心分離機の一部であるアクチュエーションデバイスによって自動で操作される(例えば、図28を参照)。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、バルブを作動させるための任意の機構であってもよく、該機構の例として、モーター、ソレノイド、ポンプ、機械式ポンプ、レバー、および、本明細書において開示される、使い捨て分離器/濃縮器デバイス内のバルブを操作する外部アームを有する空気シリンダアクチュエーションデバイスを非限定的に含む。そのような一態様において、少なくとも1つの分離器/濃縮器デバイスを、遠心分離機搭載アクチュエーションデバイス(例えば、機械式アクチュエーションデバイスの外部アーム)が各遠心分離サイクルの間またはその後に使い捨て分離器/濃縮器デバイス内のバルブに係合可能となるように、特注の遠心分離機内のロータに設置する。このような態様において、バルブは、遠心分離機搭載機構を用いて自動で操作される。ある態様において、例えば、分離器/濃縮器デバイスが、遠心分離サイクル後に完全停止し、1つ以上のバルブを操作するための機械式アクチュエーションデバイスの外部アームに係合する遠心分離機内の位置に位置決めされる場合、バルブが自動で動く。例えば、2つのバルブを有する3チャンバデバイスにおいて、バルブが連続的に動かされてもよく、第1の遠心分離サイクルの完了後に上側のバルブが操作され、後続する遠心分離サイクル後に下側のバルブが操作されてもよい。
一態様において、バルブは、収集リザーバを含み、バルブ上側のチャンバから定められた体積をバルブ下側のチャンバへ移送するように、2つのチャンバを連結するチャネル内を動くように操作される。移送される体積は、バルブ収集リザーバの体積により決定されるが、収集しようとする粒子の種類、体積、数、および大きさ、ならびに望ましい収集体積に依存する任意の量であることができる。例えば、バルブ収集リザーバの体積、ひいてはチャンバ間で移送される体積は、少なくとも約10ナノリットルから約10ミリリットルの範囲とすることが可能である。チャンバ間で移送される体積は、定量バルブ(例えば、定量溝状収集リザーバまたは定量空隙部収集リザーバを備えたバルブ)が用いられる場合、所定であってもよく、収集リザーバによって、少なくとも10nl以上(例えば、約5μl、約10μl、約100μl、約1ml、約2ml、2mlから10mlの間、または10nlから10mlの間の任意の整数)の移送が可能となる。ある態様において、体積量は概ね、収集された試料を上側のチャンバから受け入れ(例えば、バルブが位置1にある時)、次いで、収集された試料体積(収集リザーバ中)を下側のチャンバへ分配する(例えば、バルブが位置2にある時)、バルブ内に備えられた収集リザーバの体積により決定される。
本発明によるシステムは、(a)流体試料の注入のための流入口開口とチャネルに連結された流出口とを有する第1のチャンバと;チャネルに連結された流入口を有する第2のチャンバと;(b)チャンバ同士を連結するチャネル内のバルブと;(b)遠心分離機とを含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮するシステムを提供する。分離システムの別の態様は、本明細書に記載の分離/濃縮器デバイスと、バルブを操作するバルブアクチュエーションデバイス(例えば、カムスリーブアクチュエーションデバイス等の半手動アクチュエータ、または慣性アクチュエータデバイス等の自動アクチュエータ)とを含む。ある態様において、システムは、遠心分離機をさらに含む。一態様において、バルブ操作デバイスは、自動バルブ操作デバイス(例えば、慣性アクチュエータデバイス)である。
また、(a)マルチチャンバ分離デバイスの第1のチャンバに流体試料を入れる工程;(b)第1のチャンバ中の流体試料を遠心分離することにより、微粒子を流体試料から分離して第1のチャンバに堆積させる工程;(c)第1のチャンバ中に堆積した微粒子の少なくとも一部が第2のチャンバへ流れ込むようにバルブを操作する工程;および(d)第2のチャンバ中に堆積した微粒子を遠心分離することにより、微粒子を流体試料からさらに分離して第2のチャンバに堆積させる工程を含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮する方法が、本明細書において具現化される。
別の態様において、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮する方法であって、(a)第1のチャンバと第2のチャンバとの間で物質が流入することを防止可能なバルブを含むチャネルによって第2のチャンバに連結された第1のチャンバを有するデバイスを提供する工程;(b)微粒子を含む流体試料を第1のチャンバに導入する工程;(c)デバイスを所定の時間遠心分離することにより、微粒子を流体試料から分離して第1のチャンバの流出口付近に堆積させる工程;(d)分離した微粒子が第1のチャンバから第2のチャンバへ移動することが可能となるようにバルブを操作する工程;および(e)デバイスを所定の時間遠心分離することにより、微粒子を流体試料をからさらに分離して第2のチャンバの流出口の付近に堆積させる工程を含む方法が、本明細書において具現化される。
本明細書において開示される分離器/濃縮器デバイスを用いて粒子を分離するための別の方法は、(a)微粒子を含む流体試料を使い捨て分離器/濃縮器デバイスの第1のチャンバへ導入する工程であって、第1のチャンバが、試料を受け入れるための流入口を有し、チャネルを介して第2のチャンバに連結され、チャネルがバルブを含む、工程;および遠心分離機内の分離システムで遠心分離を行うことにより、所定の体積を第1のチャンバから第2のチャンバへ移す工程であって、バルブが、例えば、手動操作により(例えば、人の手によって)、半手動操作により(例えば、本明細書において開示されるカムアクチュエーションスリーブデバイスを用いて)、あるいは自動操作により(例えば、減速中に慣性アクチュエーションデバイスを用いて、またはバルブに係合する、特注の遠心分離機における遠心分離機搭載機構の一部である外部アームを用いて)操作されてもよい、工程;(b)遠心分離機内で分離システムを減速させ、完全に停止させる工程;ならびに(c)分離システムの第2のチャンバから微粒子を収集する工程を含む。
バルブ操作のためのデバイス(例えば、遠心分離に用いられてもよいバルブ操作デバイス、半手動カムスリーブアクチュエーションデバイス、または自動慣性アクチュエーションデバイス)が、本明細書において具現化される。
自動式アクチュエーションデバイスが、本明細書において具現化される。その一例としての、遠心分離の加速中に作動準備し(arm)、遠心分離の加速中に作動する慣性アクチュエーションデバイスは、揺動アーム201を収容している覆い209と、捩りバネ202と、非可動式シャフト203と、揺動アーム201上のラッチ204と、覆い209に搭載された可動式アクチュエータ206とを含み、揺動アーム201は、捩りバネ202に回動式に連結され、覆い209に搭載された非可動式シャフト203にも回動式に連結され、揺動アームは、遠心分離の加速および減速中に変動する遠心力を受けて、シャフト周りに枢動可能に揺動し、シャフト203からの揺動アーム201の回動枢動により、遠心分離の加速中に捩りバネ202が圧縮され、遠心分離の減速中に捩りバネ202からの圧縮エネルギーを解放することにより、揺動アーム201が回動し、ラッチ204は伸縮自在であり、遠心分離の加速中に収縮し、最高の遠心分離速度が得られている間または得られた時に伸長し、可動式アクチュエータ206は、揺動アーム201と並置され、減速中に揺動アームのラッチ204と接触し、ラッチ204は、最高の遠心分離速度後の減速中に伸長状態であり、可動式アクチュエータ206は、減速中に伸長ラッチ204と接触することによって、揺動アーム201の反動揺動/回動により動かされる。
慣性アクチュエータデバイスに存在する可動式アクチュエータ206は、引き動作または押し動作等の直線動作でバルブを動かしてもよい。あるいは、慣性アクチュエータデバイスの可動式アクチュエータ206は、回動動作で動かされてもよい。可動式アクチュエータ106は、バルブアクチュエータ(例えば、ピストンバルブアクチュエータ)であってもよい。バルブアクチュエータは、圧縮バネまたは捩りバネを含む。
自動式アクチュエーションデバイスの一態様では、ピストンバルブアクチュエータが、ヘッド205と、軽量圧縮バネ207と、ピストン208とを含み、ヘッド205はピストン208に連結され、軽量圧縮バネ207はピストン208を格納し、ヘッド205は揺動アーム201と並置される。
自動式慣性アクチュエータデバイスの別の態様では、上側の揺動アーム201と、下側の揺動アーム212と、上側の可動式アクチュエータ206と、下側の可動式アクチュエータ213とを含み、各揺動アームは伸縮自在ラッチ204を有し、1つの揺動アームおよびラッチが1つの可動式アクチュエータと接触し、揺動アームと対応する可動式アクチュエータとが上下の位置関係となるように垂直方向に並んで配置される。
2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する自動式慣性アクチュエータデバイスの一態様は、可動式ラッチストップ211を含み、ラッチストップ211は下側の可動式アクチュエータ213と接触する。
2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する自動式慣性アクチュエータデバイスの一態様は、ラッチストップ解放部210を含み、ラッチストップ解放部210は、一端で上側の可動式アクチュエータ206と接触し、他端でラッチストップ211と接触し、上側の可動式アクチュエータ206の作動によって、ラッチストップ211を下側の可動式アクチュエータ213から係合解除する。
図1A〜図1Eは、使い捨て分離器/濃縮器デバイスの透視図を示す。図1Aは、溝状収集リザーバを含むバルブを用いて、上側のチャンバから下側のチャンバへ物質を移送する直線動作による位置1、位置2、および位置3からのバルブ操作の一態様を示す。図1Bは、バルブ内に空隙部収集リザーバを含むバルブを用いて、上側のチャンバから下側のチャンバへ物質を移送する回動機構による位置1、位置2、および位置3からのバルブ操作の一態様を示す。図1Cは、回動可能な溝状収集リザーバを含むバルブを用いて、上側のチャンバから下側のチャンバへ物質を移送する回動式バルブと直線動作との組み合わせによる位置1、位置2、および位置3からのバルブ操作の一態様を示す。図1Dは、2つのチャンバ、すなわち上側のチャンバ101および下側のチャンバ103と、1つのバルブ111とをチャネル113内に含む、遠心分離前に流体試料から微粒子を分離、濃縮、および収集する分離器/濃縮器デバイスの一態様の透視図である。図1Eは、減速中または遠心分離サイクル後にバルブ111が図示された方向にチャネル113内を動き終わっている、遠心分離後における図1Dの分離器/濃縮器デバイスの透視図である。 図2A〜図2Cは、3つのチャンバ、すなわち第1のチャンバ101、第2のチャンバ103、および第3のチャンバ105と、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の第1のバルブ111と、第2のバルブと第3のバルブとの間の第2のバルブ112と含む、流体試料から微粒子を分離、濃縮、および収集する分離器/濃縮器デバイスの別の態様の使用を示す。 3つのチャンバ101、103、および105を含む図2に示す分離器/濃縮器デバイスの一態様を示す2つの斜視図である。 図4A〜図4Eは、使い捨て分離器/濃縮器デバイスの一態様の斜視図および透視図を示す。図4Aは、分離器/濃縮器の別のプロトタイプの図である。図4Aは、図26にも示される、バルブを操作するカムスリーブアクチュエータデバイス400である半手動バルブアクチュエータを備えた分離器/濃縮器を示す。図4Bは、図4Aの断面図を示す。図4Cは、位置1における第1のバルブ111および第2のバルブ112を示す。図4Dは、第1のチャンバ101からバルブ収集リザーバに収集された流体を第2のチャンバ103へ移送可能な、位置2における第1のバルブ111を示す。図4Eは、第2のチャンバ103からバルブ収集リザーバに収集された流体を第3のチャンバ105へ移送可能な、位置2における第2のバルブ112を示す。 固定体積を最も上側のチャンバから移送するように設計された定量バルブの一態様の斜視図である。所定の固定体積を上側のチャンバから下側のチャンバへ分配する定量溝またはチャンバが示されている。 図6A〜図6Bは、最も上側のチャンバと中央のチャンバとを連結するバルブを示すバルブシステムの一態様の切抜図である。図6Aは、第1の遠心分離サイクルまたは第2の遠心分離サイクル中に試料を上側のチャンバから収集する初期位置にある定量バルブを示す。図6Bは、後続または第2の遠心分離サイクル中に試料を下側のチャンバへ受け渡し可能な最終位置にある定量バルブを示す。具現化された定量バルブを、図5に単独で示す。本態様において、チャンバ間の距離は0.400インチである。 図7A〜図7Bは、分離器/濃縮器デバイスの一態様の構造を示す。図7Aは、分離器/濃縮器デバイスの切抜図を示す。図7Bは、分離器/濃縮器デバイスの3次元立体外観図を示す。本態様の構造では、3つの段階的に小型化されたチャンバと2つのバルブシステムとが組み込まれている。 図7の構造から切り出された3つの部分を示す模式図である。これらの部分は、鋳造(例えば、金型鋳造または機械鋳造)されていてもよく、図に示す締め具孔を通じて締め具で結合させられてもよい。 図9A〜図9Bは、分離器/濃縮器デバイスの一態様の模式図である。図9Aは、分離器/濃縮器デバイスの一態様の正面透明図を示す。図9Bは、分離器/濃縮器デバイスの一態様の頂角からの3次元透明斜視図を示す。ここで、具現化された分離器/濃縮器デバイスの斜視図およびプロトタイプの図を図3に示す。 図10A〜図10Eは、図1に示す分離器/濃縮器デバイス内のバルブを動かす慣性アクチュエーションデバイスの一態様、および可動式アクチュエータに連結された該デバイスの様々な動作の模式図を示す。アクチュエーションデバイスは、揺動アーム201の回動動作を含む。図10Aは、捩りバネ202に連結された揺動アーム201と、回動軸203の周りを回動する揺動アーム201に備えられた伸縮自在ラッチ204を含む、アクチュエーションデバイスの一態様の斜視図である。図10Bは、アームが表記方向に反動する際に、ラッチ204が可動式アクチュエータ206に接触して押す、図10Aに示すアクチュエーションデバイスの斜視図である。図10Cは、回動動作を行う可動式アクチュエータを含む、図10Aに示すアクチュエーションデバイスの一態様の斜視図である。図10Dは、直線状の引き動作を行う可動式アクチュエータを含む、図10Aに示すアクチュエーションデバイスの一態様の斜視図である。図10Eは、直線状の押し動作を行う可動式アクチュエータを含む、図10Aに示すアクチュエーションデバイスの一態様の斜視図である。 図11A〜図11Fは、可動式アクチュエータが直線状の押し動作を行う、図10Eに示す態様の使用を示す。図11Aは、遠心分離の開始前にアクチュエータデバイスが休止状態にある、図10Eの透視図である。図11Bおよび図11Cは、アクチュエータデバイスのラッチ204が収縮している、遠心分離の加速中の図10Eの透視図である。図11Dは、ラッチ204が伸長している、遠心分離の最高速度における図10Eの透視図である。図11Eおよび図11Fは、ラッチ204がピストン208に係止して伸長させる(押す)、遠心分離の減速中の図10Eの透視図である。 図12A〜図12Bは、慣性アクチュエータの一態様の透視図である。図12Aは、揺動アームを示す。捩りバネ(図示せず)は、アームおよび固定壁の頂部に連結される。図12Aは、高重力が、あるレベル(例えば、3000G)に到達すると、揺動アームがバルブから離れるように揺動する、遠心分離サイクルの加速中の揺動アームの位置を示す。図12Bは、重力が、ある低重力レベル(例えば、約1500G未満)に到達すると、揺動アームが分離器/濃縮器デバイス内のバルブに近づくように揺動する、遠心分離サイクルの減速中の揺動アームの位置を示す。図12および図12Bに示す態様において、慣性アクチュエータデバイスは、ピストンでバルブを作動させるように設計される。バルブを押すのに用いられるアクチュエータのピストンを、図12Bに示す。 ピストンバルブアクチュエータ317を含む慣性アクチュエーションデバイスに機能的に連結されて複合型自動分離ユニット318を形成するように構成された、図2の分離器/濃縮器デバイス319の透視図の線画である。 図14A〜図14Cは、図13に示す分離器/濃縮器ユニット319と連結された自動式アクチュエーションデバイス317とを含む、複合型自動分離ユニット318の一態様の斜視図、透視図、およびプロトタイプの写真を示す。図14Aは、分離器/濃縮器デバイス内のバルブがアクチュエーションデバイスのピストンバルブアクチュエータ317(例えば、自動慣性アクチュエーションデバイス317)によって作動可能に構成された分離器/濃縮器デバイス319の3次元透明斜視図を示す。図14Bは、分離器/濃縮器デバイス内のバルブがアクチュエーションデバイスのピストンバルブアクチュエータ317(例えば、自動慣性アクチュエーションデバイス317)によって作動可能に構成された、図14Aに示す分離器/濃縮器デバイス319の2次元上面図を示す。図14Cは、分離器/濃縮器デバイス内のバルブが自動アクチュエーションデバイス(例えば、自動慣性アクチュエーションデバイス317)の可動式アクチュエータ206(図示せず)によって作動可能に構成された、分離器/濃縮器デバイス319の一態様の写真を示す。 図13および図14に示すバルブ作動に用いられる、2つの揺動アーム201および212と2つの可動式アクチュエータ206および213とを含む、自動式アクチュエーションデバイスの一態様の斜視図である。 図16A〜図16Eは、図15の態様の使用を示す。図16Aおよび図16Bは、図15の透視図であり、ラッチストップが、第1の遠心分離中に第2のラッチの伸長を防止する様子を示す。図16Cは、図15の透視図および斜視図であり、ラッチストップ解放部210が、第1の遠心分離の減速中にラッチストップ211を後方にずらす様子を示す。図16Dは、図15の透視図であり、第2の遠心分離の最高速度の間の第2のラッチ伸長を示す。図16Eは、図15の透視図であり、第2のラッチが、第2の遠心分離の減速中に下側の第2のピストンに係止して伸長させる様子を示す。 図17A〜図17Dは、2つの連続した遠心分離サイクル中に、図15Aに示す2つの自動慣性アクチュエータデバイスの連結された態様を用いた、図13に示す複合型自動分離デバイス319の二重機械式バルブの連続的な作動を示す。図17Aは、図13の透視図であり、第1の遠心分離加速中の作動ユニットおよび分離ユニットを示す。図17Bは、図13の透視図であり、第1の減速中の第1のバルブ作動を示す。図17Cは、図13の透視図であり、第2の遠心分離の加速中の様子を示す。図17Dは、図13の透視図であり、第2の減速中の第2のバルブ作動および最終的なバルブ位置を示す。 図18A〜図18Bは、加速および減速中の角度の関数としての捩りバネ定数のグラフを示す。図18Aは、加速中の捩りバネ定数対角度を示し、図18Bは、減速中の捩りバネ定数対角度を示す。 1バルブプロトタイプからの計量された体積の再現性を示すヒストグラムである。5μLバルブで60回のトライアルにより計量された体積を、ヒストグラム形式で示す。平均の最終体積は、13.04μLであった。 遠心分離時間の関数としての水中1E3 cfu/mLに相当する細菌コロニー数を示すヒストグラムである。予測される回収率はおよそ10,000コロニーであるため、本態様における全回収率は1%を下回るが、より大きな回収率を得るために、当業者によって最適化されてもよい。エラーバーは1標準偏差を示す。 Pluronic塗布および非塗布デバイスに対する細菌回収百分率を示すヒストグラムである。エラーバーは1標準偏差を示す。 血清試料および血液と溶解液との混合物(割合1:1)の試料からの、1E2 cfu/mLおよび1E3 cfu/mL大腸菌(E.coli)の濃縮物の細菌収率を示すヒストグラムである。エラーバーは1標準偏差を示す。 計量された体積の再現性のヒストグラムである。2バルブプロトタイプで10回のトライアルにより計量された体積を、ヒストグラム形式で示す。平均アウトプット体積は、9.8μLであり、バルブが位置1から位置2へ操作される場合、あるチャンバから別のチャンバへ移送される物質体積は、信頼性の高い一定の体積であることを示している。 1E2 cfu/mLが混入した血清試料および同様の血液と溶解液との混合物の試料からの、2バルブプロトタイプおよび5μLバルブプロトタイプからの計量された体積の再現性を示すヒストグラムである。エラーバーは1標準偏差を示す。 およそ1E9 cfu/mLの大腸菌を混入させた水試料からの、対照大腸菌試料(トップトレース)に対して得られたSERSスペクトル、および初期プロトタイプ(ボトムトレース)のアウトプットから得られたSERSスペクトルである。2つのスペクトルの形状は非常に相似している。 カムスリーブアクチュエータデバイス400であるバルブアクチュエータの一態様の3次元斜視図である。図26は、分離器/濃縮器デバイスの2つのバルブを作動させるカムスリーブアクチュエータデバイスを示す。カムスリーブアクチュエータデバイス400は、分離器/濃縮器デバイスの第1のバルブを操作するように構成された上側の第1のカム401(カム1)と、分離器/濃縮器デバイスの第2のバルブを操作するように構成された第2のカム410(カム2)とを有する。また、バルブの操作およびカムスリーブのチャネル周りの回動を制御する、第1のカム401と同一平面におけるストップタブ402、403、および405を示す。 図27A〜図27Bは、図26の態様において示すカムスリーブデバイスによる、第1の位置から第2の位置への分離器/濃縮器デバイスの第1および第2のバルブ111の操作を示す模式図である。図27Aは、分離器/濃縮器デバイスの第1のチャネルおよび第2のチャネル内の第1および第2のバルブ111の位置を示す。第1の遠心分離中、カムスリーブアクチュエータデバイスの向きによって、第1のバルブおよび第2のバルブが位置1にあるようにする。第1の遠心分離サイクル後、カムスリーブアクチュエータデバイス400が反時計回りに回動して、第1のカム401が、第1のバルブ111を図27Bに示す位置2へ動かす。図27Bは、第1のカム401が第1のバルブ111に連結して作動し、該バルブを位置1から位置2へ動かした様子を示す。第1のカムは、バルブを、第1のチャネルの軸に沿って第1のカム401から離れるように動かす一方、下側のバルブは作動していない(下側のバルブは位置1に留まっている)。カムスリーブアクチュエータデバイスは、バルブ111がストップタブ405に接触しているため、時計回りに回動することができず、反時計回りにのみ回動可能である。さらに、カムスリーブアクチュエータデバイスは、第1のバルブ111がストップタブ402に接触してカムスリーブアクチュエータの反時計回りのさらなる回動を防止するまで、反時計回りに一定距離のみ回動可能である。この構成において、第2の遠心分離サイクルを行なう。第2の遠心分離サイクル後、カムスリーブアクチュエータデバイス400が時計回りに回動して、下側の(例えば、第2の)バルブを図27Bに示す位置1から図27Cに示す位置2へ動かす。図27Cは、第2のカム410が第2のバルブ111に連結して作動させ、該バルブを第2のチャネルに沿って第2のカム410から離れるようにスライドさせた様子を示す。第1のバルブは動いていない。カムスリーブアクチュエータデバイスは、第1のバルブ111がストップタブ402に接触しているため、反時計回りに回動することができず、時計回りにのみ回動可能である。さらに、カムスリーブアクチュエータデバイスは、第1のバルブ111がストップタブ403に接触してカムスリーブアクチュエータの時計回りのさらなる回動を防止するまで、時計回りに一定距離のみ回動可能である。この構成(例えば、第1のバルブおよび第2のバルブが両方とも位置2にある)において、第3の遠心分離サイクルを行なう。 特注の遠心分離機内の自動アクチュエータを用いたバルブの作動の一態様を示す。分離器/濃縮器319を、特注の遠心分離機内のロータ500のバスケットまたはホルダ502に設置し、自動アクチュエータ501を、特注の遠心分離機の底部に連結する。自動アクチュエータ501は、機能的に連結されて分離器/濃縮器のバルブを作動させるように構成された外部アーム(図示せず)を含む。各遠心分離サイクル後、遠心分離機は、分離器/濃縮器319を保持しているバスケットを、分離/濃縮プロセス中に自動アクチュエータの外部アームが適切なバルブを作動させることができる位置で停止させるようにプログラムされている。ある態様において、特注の遠心分離機は、1つまたはそれ以上の自動アクチュエータ501を含み得る。 図28に示す特注の遠心分離機における自動アクチュエータ501の一態様の3次元斜視図を示す。分離器/濃縮器デバイス内のバルブに機能的に連結されるように構成された2つの外部アームを操作する機械的手段として、2つの空気シリンダを有する自動アクチュエータが、本態様において具現化される。ここに示される本態様において、第1のバルブに機能的に連結される外部アームは、第1のバルブを作動させる位置にある。 図29に示す自動アクチュエータ501の一態様の2次元上面図を示す。
発明の詳細な説明
本明細書において具現化される発明は、粒子の分離、特に、粒子(例えば、細菌または混入物質)を流体試料から濃縮し分離するデバイスに関する。試料中の粒子の分離/濃縮は、使い捨て分離器/濃縮器デバイス等の分離器/濃縮器デバイスを用いて、連続的な遠心分離工程によって達成される。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは、流体試料からの粒子(例えば、血液または他の生体試料等の生体試料からの細菌または粒子)の抽出および濃縮に有用である。濃縮された粒子または分離された粒子は、後続する分析(例えば、下流の臨床診断および検出)に使用可能である(例えば、PCRやbioMEMSデバイス等)。
一態様において、本発明は、粒子の分離が複数の遠心分離工程で生じ、連続的な遠心分離工程において、使い捨てデバイス中のあるチャンバから別のチャンバへ試料が受け渡しされる、本明細書において「分離器/濃縮器」デバイスと称される使い捨て粒子濃縮デバイスである。チャンバは、バルブを含むチャネルを介して連結され、あるチャンバから別のチャンバへの試料の流れは、チャンバ同士を連結するチャネル内に位置するバルブによって制御される。本明細書において開示されるように、該バルブは、例えば手動、半手動、半自動、または自動で、任意の様々な異なる方法によって操作されてもよい。
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイス等の分離器/濃縮器デバイスは、(a)流体試料を投入するための上側の流入口を有し、流体をバルブに排出するための下側の流出口を第1のチャンバの底部に有する少なくとも第1のチャンバと;流体をバルブから受け入れるための上側の流入口を有し、下側のアウトプットをチャンバの底部に有する少なくとも第2のチャンバと;(b)第1のチャンバのアウトプットと第2のチャンバのインプットとを連結している第1のチャネルと;(c)第1のチャネル内に収容され、収集リザーバを含み、第1のチャンバから第2のチャンバへの物質の流れを制御する第1のバルブとを含む。ある態様において、バルブは、収集リザーバを含む定量バルブである。別の態様において、デバイスは、任意の数のさらなるチャンバ(例えば、各々が垂直方向に並んで配置され、バルブを収容しているチャネルによって隣接するチャンバに連結される第3のチャンバまたはさらなるチャンバ)を含み得る。
ある態様において、図1Aに示すように、バルブは、例えば、手動、半手動、または自動により、3つの異なる位置のうちの1つへ操作されてもよい。例えば、バルブが第1の位置(例えば、位置1)へ操作される場合、バルブの収集リザーバは、第1のチャネルから試料を収集する。バルブが第2の位置(例えば、位置2)へ操作されると、バルブの収集リザーバは、任意の収集した試料を第1のチャネルから第2のチャンバに入れる。任意のある態様において、バルブは、第1の位置へ操作される前に第3の位置(例えば、位置3)へ操作されてもよく、この場合、バルブ収集リザーバが第1のチャンバに対して閉鎖されて、収集リザーバにおける試料収集が防止され、試料が遠心分離される際に、微粒子は、バルブが位置2へ操作されるとすぐにバルブ収集リザーバに入るように第1のチャンバのアウトプットに集まる。
したがって、ある態様において、物質を第1のチャンバから第2のチャンバへ移送する方法は、分離器/濃縮器デバイスにおいてバルブを操作する、以下の工程を含む3バルブ操作法を必要とする。
工程1:バルブを位置3へ動かす第1のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバが第1のチャンバの流出口に対して閉鎖され、物質が第1のチャンバから第2のチャンバへ流れることを防止するようにバルブが配置される。
工程2:分離しようとする流体試料を第1のチャンバの流入口へ加え、第1の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置3にあることにより、物質が第1のチャンバの流出口からバルブ収集リザーバへ流れることが阻まれ、第1の遠心分離サイクル中、物質が第1のチャンバの底部に集まることになる。
工程3:バルブを位置1へ動かす第2のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、開放されて第1のチャンバの流出口にあわせて配置される。第2の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置1にあることにより、第2の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバに収集されることになる。
工程4:バルブを位置2へ動かす第3のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、開放されて第2のチャンバの流入口にあわせて配置される。第3の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置2にあることにより、第3の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバから第2のチャンバへ移送されることになる。
ある態様において、物質を第1のチャンバから第2のチャンバへ移送する方法は、分離器/濃縮器デバイスにおいてバルブを操作する、より効率的な以下の工程を含む2バルブ操作法を包含する。
工程1:分離しようとする流体試料を第1のチャンバの流入口へ加える。
工程2:バルブを位置1へ動かす第1のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、第1のチャンバの流出口にあわせて配置される。第1の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置1にあることにより、第1の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバに収集されることになる。
工程3:バルブを位置2へ動かす第2のバルブ操作を行う。該位置において、バルブの収集リザーバは、第2のチャンバの流入口にあわせて配置される。第2の遠心分離サイクルを行う。バルブが位置2にあることにより、第2の遠心分離サイクル中、物質がバルブの収集リザーバから第2のチャンバへ移送されることになる。位置1から位置2へのこのバルブ操作のプロセスは、上側のチャンバと下側のチャンバを隔てて、上側のチャンバから下側のチャンバへ試料が移送されるようにする、任意の数のバルブについて、繰り返されてもよい。
ある態様において、バルブは、引き動作(例えば、図1A参照)または押し動作等のチャネルに沿った直線動作で、位置1から位置2へ動くよう操作されてもよい。ある態様において、バルブは、チャネルと連結され、かつバルブの回動によってバルブを直線方向に位置1から位置2へ動かすようにバルブ操作が可能である螺旋状のネジ型機構により構成されてもよい。別の態様において、バルブは、位置1から位置2へバルブを回動させる回動動作で操作されてもよい(例えば、図1B参照)。
バルブは、本明細書において開示される任意の手動、半手動、または自動アクチュエータによって操作されてもよい。
ある態様において、バルブは、当業者に公知の任意の手段を用いて、バルブを押し込むまたは引き出すように手動で(例えば、人の手によって)操作されてもよい。一態様において、バルブは、機能的に連結されたアクチュエーションデバイスの助力なしに、人の手によって操作される。一態様において、バルブは、チャネル内のそれぞれのバルブにアクセスするためのロッドの助力なしに、人の手によって操作される。そのような一態様において、バルブは、遠心分離が停止した後に、人の手によって手動で操作されてもよい。
別の態様において、バルブは、半手動で(例えば、本明細書において開示されるカムスリーブアクチュエータデバイスを用いて)操作されてもよい。このような態様において、バルブは、使い捨て分離器/濃縮器に連結されてバルブを操作するバルブカムスリーブデバイスを用いて操作されてもよく、この場合、バルブは、適した(例えば、チャネルおよびバルブの軸と交わる)カムスリーブデバイスの手動回動によって操作される。別の態様において、別の半手動アクチュエーションデバイス(例えば、当業者に一般に公知のリップスティックアクチュエーションデバイスを用いて、バルブを操作可能にするスリーブ)を用いて、バルブを操作してもよい。ある態様において、バルブは、遠心分離が停止した後に、カムスリーブアクチュエーションデバイスまたは別の半手動アクチュエーションデバイスを用いて手動で操作されてもよい。このバルブ操作は、連結されたバルブ操作デバイス(例えば、本明細書において開示されるカムスリーブアクチュエータデバイス)の手動操作を必要とするため、本明細書において、このバルブ操作を「半手動」バルブ操作と称する。
別の態様において、バルブは、例えば、本明細書において開示される慣性アクチュエーションデバイスを用いて自動で操作されてもよく、この場合、バルブ操作は、遠心分離の減速中に行われる。減速中に、慣性アクチュエーションデバイスがバルブに対してピストンを押すことにより、チャネル内のバルブを操作する。ある態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、市販の遠心分離機に用いられるロータまたはバケットに連結されてもよく、別の態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、特注の遠心分離機に適合されてもよい。
別の態様において、バルブは、特別に適合された、すなわち特注の遠心分離機内に位置する機械式外部アームを用いて、自動で操作され、この場合、バルブ操作は、遠心分離機が完全に停止した後に行われる(例えば、図28を参照)。ある態様において、特注の遠心分離機内のバルブを操作する外部アームは、バルブを操作するための任意の機構であってもよく、該機構の例として、モーター、ソレノイド、ポンプ、機械式ポンプ、レバー、および、本明細書において開示される、遠心分離サイクルが完全停止すると、外部アームが、遠心分離機内の少なくとも1つの使い捨て分離器/濃縮器デバイスの少なくとも1つのバルブに接触して操作する空気シリンダアクチュエーションデバイスを非限定的に含む。そのような一態様において、少なくとも1つの分離器/濃縮器デバイスを、バルブを操作する外部アーム(例えば、遠心分離機搭載アクチュエーションデバイスの一部として)が各遠心分離サイクル後に分離器/濃縮器デバイスに係合してバルブ操作が可能となるように、特注の遠心分離機内に設置する。このような態様において、バルブ操作は、外部アームを動かしてバルブに接触させる機構を用いて自動で行われる。ある態様において、バルブ操作は、例えば、遠心分離後(例えば、分離器/濃縮器デバイスが、遠心分離サイクル後に完全停止し、機械で操作されるアクチュエーションデバイスの外部アームがバルブに係合して操作可能となるような遠心分離機内の位置に位置決めされた時)に自動で行われる。例えば、2つのバルブを含む3チャンバデバイスにおいて、バルブは連続的に動かされ、例えば、遠心分離サイクルの完了後に第1のバルブが位置1から位置2へ動かされ、後続する遠心分離後に第2のバルブが位置1から位置2へ動かされる。
なお、本発明は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコル、および試薬等に限定されず、それ自体が変更され得る。本明細書に用いられる用語は、特定の態様を説明する目的のためのみのものであり、本発明の範囲を制限しようとするものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められる。
用語の定義
特に明記されない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
本明細書に用いられるところの用語「流体試料」は、水、池水、および停滞水等の任意の水溶液(例えば、インキュベータ等の臨床用装置または研究用装置に投入されたもの)、尿、全血、血清、脳脊髄液等の体液、および培養培地中の液体細胞培養物または細胞懸濁液を意味する。
本明細書に用いられるところの用語「微粒子」は、固形物の粒子や、液体に懸濁している不溶物を意味する。例えば、血液に懸濁している血液細胞または細菌を意味する。池水の場合、微粒子は、細菌および他の微生物、塵、ならびに腐敗した植物を含む。微粒子物質(PM)または細粒とも称される微粒子は、液体に懸濁している固形物の小さな分割物である。ある態様において、微粒子は、任意の形状(例えば、球状(例えば、球菌)または桿状(例えば、桿菌))および大きさまたは形態を有する細菌である。細菌細胞は、典型的に真核細胞の大きさの約10分の1であり、典型的には長さが約0.5〜約5.0マイクロメートルである。ある態様において、微粒子は、通常の細菌細胞よりかなり小さい細菌である超微小細菌であり、直径が約0.3〜約0.2マイクロメートルである(例えば、直径が0.3μm未満である、海水に見られる球菌)。ある態様において、微粒子は、直径が0.1μmの生存生物である、「石灰化ナノ粒子」とも称されるナノバクテリアである。ある態様において、微粒子は、細胞壁を有さない細菌株である、L相菌、L相変異体または細胞壁欠失型(CWD)細菌としても公知のL型菌である。L型は、枯草菌(Bacillus subtilis)または大腸菌等の通常は細胞壁を有する数多くの細菌種から実験室で生成可能である。
別の態様において、微粒子は、例えば、ウイルス、菌類、藻類(例えば、単細胞藻類)、および細菌等の任意の病原体であってもよい。ウイルス微粒子は、典型的な長さの範囲が20〜300ナノメートルにある任意のウイルスであってもよい。病原性ウイルスの例として、アデノウイルス(Adenoviridae)、ピコルナウイルス(Picornaviridae)、ヘルペスウイルス(Herpesviridae)、ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)、フラビウイルス(Flaviviridae)、レトロウイルス(Retroviridae)、オルソミクソウイルス(Orthomyxoviridae)、パラミキソウイルス(Paramyxoviridae)、パポバウイルス(Papovaviridae)、ポリオーマウイルス(Polyomavirus)、ラブドウイルス(Rhabdoviridae)、およびトガウイルス(Togaviridae)の科からのウイルスを非限定的に含む。いくつかの重要な病原性ウイルスは、天然痘、インフルエンザ、流行性耳下腺炎、麻疹、水痘、エボラ出血熱、および風疹を起こす。細菌微粒子は、典型的な範囲が1〜5マイクロメートルである任意の細菌であってもよい。病原性細菌の例として、ヒト型結核菌、連鎖球菌(Streptococcus)および緑膿菌(Pseudomonas)、赤痢菌(Shigella)、カンピロバクター菌(Campylobacter)、ならびにサルモネラ菌(Salmonella)等の病原性細菌を非限定的に含む。また、病原性細菌は、破傷風、腸チフス、ジフテリア、梅毒、および癩病等の感染を起こす。菌類微粒子は、典型的な長さの範囲が1〜40マイクロメートルにある任意の細菌であってもよい。病原性菌類は、通常、腐生菌である真核生物界に属する微生物であるが、人間、動物、および植物に疾患を引き起こす場合がある。菌類は、農作物および他の植物の疾患の最も一般的な原因である。菌類は、皮膚感染症、爪感染症、または酵母菌感染症の原因因子として、免疫適格個体群における一般的な問題である。
あるチャンバから別のチャンバへの物質の移送に関して本明細書に用いられるところの用語「物質」は、粒子および不溶物(例えば、細胞小器官、細胞膜等)と少量の流体試料との混合物または組み合わせを意味する。次のチャンバへ移送される物質の粒径は、遠心分離サイクルの長さおよび速度に依存する。例えば、遠心分離サイクルによっては、該物質は、粒子(例えば、細菌細胞)と少量の流体上澄みとの混合物を含み得る。言い換えると、「物質」は、流体試料からの微粒子と少量の上澄みとの組み合わせであり、上澄みは、好ましくは、物質総体積に対するv/wが、1%未満、2%未満、約5%未満、約10%未満、約20%未満、約30%未満、約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、または約90%未満である。ある態様において、該物質は、物質総体積に対する量(w/v)が、少なくとも約1%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の微粒子を含む。ある態様において、微粒子量は、物質総体積に対して約1から約100%の間の任意の整数である。ある態様において、微粒子は、物質体積の90〜99%を占める。
本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスに関して本明細書に用いられるところの用語「バルブ」は、デバイス内のチャンバ同士を連結するチャネルを封止および遮断し、該チャネル内を動くバルブを意味する。チャネル内のバルブが動くことにより、バルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへの物質の流れが制御される。
分離器/濃縮器デバイス内のチャンバに関して本明細書に用いられるところの用語「物理的に隔てられた」は、チャンバが相互に直接隣接せず連結されていないことを意味する。
バルブアクチュエータおよび分離器/濃縮器デバイスに関して本明細書に用いられるところの用語「機能的に連結された」は、バルブアクチュエータが分離デバイスに物理的に連結され、バルブアクチュエータが分離器/濃縮器デバイス内のバルブにアクセスして作動させるように、分離デバイスに適合していることを意味する。
本明細書に用いられるところの用語「特注の」遠心分離機は、本明細書において開示される使い捨てデバイスにおいて用いられるように特別に適合された特別仕様の遠心分離機を意味し、特注の遠心分離機は、分離器/濃縮器デバイスにおいて回転サイクル間でバルブを操作する自動アクチュエーションデバイスを含む。
本明細書に用いられるところの用語「アクチュエーションデバイス」は、本明細書に記載のバルブを動かすデバイスを意味する。
慣性アクチュエータデバイスに関して本明細書に用いられるところの用語「アーム」は、遠心分離中に発生した力を利用して遠心分離の減速に作用する揺動部を意味する。揺動アームは、遠心分離の加速中(例えば、速度上昇中)に、分離器/濃縮器デバイスのバルブから離れるように反対方向に回動/揺動(図11参照)する。言い換えると、遠心分離中の遠心力によって、揺動アームは、回転力の中心から反対方向に動く。
遠心分離機に関して本明細書に用いられるところの用語「遠心分離サイクル」は、固定された所定の重力設定に到達するまで遠心分離の加速を行い、遠心力設定を所定の固定された時間維持し、次いで、固定された時間の終了時に遠心分離の減速を行い、最終的に停止させることを意味する。
実施例以外で、または特に明記される場合、本明細書に用いられる材料の数量を表すすべての数字および反応条件は、用語「約」が用いられるすべての例に変更されるものと理解される。百分率と結びつけて用いられた場合の用語「約」は、±5%を意味する。
原文における英語の単数形「a」、「an」、および「the」は、特に明記されない限り、複数形への言及をも含む。同様に、用語「または」は、特に明記されない限り、「および」をも含むことが意図される。本明細書の記載と同様または同等な方法および物質が、本開示の実施または試験に使用可能である。適切な方法および物質を以下に示す。用語「含む(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語exempli gratiaに由来し、本明細書において非限定的な例を示すのに用いられる。したがって、略語「例えば(e.g.)」は、用語「例えば(for example)」と同義である。
本明細書に用いられるところの用語「含む(comprising)」は、提示されている定義された構成要素に加えて他の構成要素も存在し得ることを意味する。「含む」の使用は、限定ではなく包括を意味する。
分離器/濃縮器デバイス ― 一般原理
本発明の態様は、遠心分離を用いて流体試料から微粒子を分離し濃縮する分離器/濃縮器デバイス、分離システム、および方法である。
本発明の一局面は、少なくとも2つのチャンバ(例えば、第1のチャンバおよび第2のチャンバ)を含み、チャンバ間の流体の流れがバルブによって制御される、使い捨て分離器/濃縮器デバイス等の分離器/濃縮器デバイスに関する。バルブ操作は、任意の手段(例えば、本明細書において開示されるように、手動操作、半手動操作、または自動操作により)で行われてもよい。バルブが分離器/濃縮器デバイスのチャネル内で第1の位置から第2の位置へ操作される場合、バルブによって、特定の体積の流体試料があるチャンバから別のチャンバへ受け渡しされる。あるチャンバから次のチャンバへ移送される流体の体積は、対象となる任意の固形微粒子物質のペレットからの微粒子物質等の微粒子物質(例えば、血液細胞、細菌細胞、および血小板等の細胞ペレット、ならびに池水沈殿物等の水混入物質)を含み得る。図1A〜図1C、図2、および図4は、濃縮された微粒子物質を収集するためにバルブを動かす連続的な工程を示す。
図1D、図1E、および図2を参照して、一態様において、本発明は、(a)垂直方向に並んで配置される少なくとも2つのチャンバ、すなわち第1のチャンバ101および下側の第2のチャンバ103を含み、第1のチャンバ101は試料の注入のための流入口開口を有し、第1のチャンバ101と第2のチャンバ103とは第1のチャネル113によって連結され、第1のチャネル113は、第1のチャンバ101から第2のチャンバ103への流体試料の移送を制御するバルブ111を含み、バルブ111は、第1のチャネル内に収容され、いかなる物質も第1のチャンバから第2のチャンバへ流入することを防止する密封部を形成する、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮する分離器/濃縮器デバイスである。第1のバルブ111が位置1から位置2へ動くことによって、第1のチャネル101から第2のチャネル103へ流体が移送される。ある態様において、バルブ111は、所定の体積の微粒子および流体を第1のチャンバから第2のチャンバへ分配するように設計される定量バルブである。図1A〜図1Eは、2つのチャンバを有する分離器/濃縮器デバイスの一態様を示す。
一態様において、例えば、図2A〜図2Bに示すように分離器/濃縮器デバイスは、第3のチャンバをさらに含む。ある態様において、第3のチャンバは第2のチャンバ103よりも下側に位置し、第2のチャンバ103の流出口と第3のチャンバ105の流入口とは第2のチャネル115によって連結され、第2のチャネルは、第2のチャンバ103から第3のチャンバ105への流体試料の移送を制御する第2のバルブ112を含み、第2のバルブ112は、第2のチャネル内に収容され、いかなる物質も第2のチャンバから第3のチャンバへ流入することを防止する密封部を形成する。第2のバルブ112が位置1から位置2へ動くことによって、第2のチャンバ103から第3のチャンバ105へ流体が移送される。ある態様において、第2のバルブ112は、所定の体積の微粒子および流体を第2のチャンバから第3のチャンバへ分配するように設計される定量バルブである。ある態様において、本明細書に記載するように、第1のチャンバは、流体試料を添加する前に緩衝剤を含み得、例えば、第1のチャンバ中の緩衝剤は、細菌細胞はそのままにしながら血液細胞等の細胞を選択的に溶解させる細胞溶解緩衝液である。ある態様において細胞溶解緩衝液は低含有率のTween 20である。ある態様において、第2のチャンバまたは第3のチャンバは、受入液(例えば、洗浄液または濯ぎ液)を含む。
例えば、分離デバイスが3つのチャンバを含む態様において、中央のチャンバは、該中央のチャンバに入れられた微粒子物質の「洗浄」または「濯ぎ」に用いられてもよい。一態様において、第2のチャンバは、当技術分野において公知の水、食塩水、または緩衝剤等の洗浄溶液をさらに含む。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは、任意の数のチャンバ(例えば、チャンバ間に位置する少なくとも1つのバルブを介して流体連通されるように構成されてもよい少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、あるいは少なくとも6かそれより多いチャンバ)を含み得る。ある態様において、第2、第3、第4、第5等のチャンバは、任意の順番でいずこにも位置する。ある態様において、第2、第3、第4のおよび第5等のチャンバが、すべて一緒に位置する。このような態様において、上側のチャンバの流出口はバルブを含むチャネルによって下側のチャンバの流入口に連結され、位置1から位置2へのバルブ操作によって、上側に位置するチャンバから下側のチャンバへの流体の移送が制御される。
単なる例として、4つのチャンバを含む分離器/濃縮器デバイスでは、第1のチャンバと第2のチャンバとが第1のチャネルおよび第1のバルブによって連結され、第2のチャンバと第3のチャンバとが第2のチャネルおよび第2のバルブによって連結され、第3のチャンバと第4のチャンバとが第3のチャネルおよび第3のバルブによって連結され、位置1から位置2への第1のバルブのバルブ操作によって、第1のチャンバから第2のチャンバへの流体の移送が制御され、位置1から位置2への第2のバルブのバルブ操作によって、第2のチャンバから第3のチャンバへの流体の移送が制御され、位置1から位置2への第3のバルブのバルブ操作によって、第3のチャンバから第4のチャンバへの流体の移送が制御される。
ある態様において、最も下側に位置するチャンバは、濃縮され収集された試料にアクセスするためにデバイスから取り外すことが可能な収集チャンバとして機能する。例えば、分離器/濃縮器が2つのチャンバを含む態様において、第2のチャンバ103が収集チャンバとして機能する。分離器/濃縮器が3つまたは4つのチャンバを含む別の態様において、それぞれ第3のチャンバ105または第4のチャンバが収集チャンバとして機能する。ある態様において、収集チャンバとして機能する最も下側に位置するチャンバ(例えば、第2のチャンバ、第3のチャンバ、または第4のチャンバ(または任意の他の最も下側に位置するチャンバ))は、スライドガラスである。図4Cは、第3のチャンバ105がスライドガラス収集チャンバとして機能し、スライドガラス収集チャンバを取り外して顕微鏡で直接分析することが可能な一態様を示す。ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは第1のチャンバと第1のバルブとのみを含み、第1のチャンバから流体を受け入れる収集チャンバ(例えば、第2のチャンバ)を連結するように構成されてもよい。
ある態様において、最も下側に位置するチャンバ(例えば、2チャンバデバイスにおける第2のチャンバまたは3チャンバデバイスにおける第3のチャンバ等)は、収集チャンバとして機能することが可能であり、濃縮された試料を収集する。典型的に、このような収集チャンバは、試料を受け入れるためのインプットを有するが、試料を流出させるためのアウトプットを有さない。ある態様において、収集チャンバは、任意の収集チャンバ(例えば、任意の収集チューブ(例えば、0.2mlチューブ、0.5mlチューブ、1.5mlチューブ、または2.0mlチューブ)、あるいは任意の形状構成の収集チャンバ)として構成され、濃縮された試料を収集し得る。例えば、収集チャンバは、スライドガラス(例えば、試料を第1のチャネルの流出口から収集する窪みを備えた顕微鏡用スライドガラス)であってもよい。ある態様において、収集チャンバである第2のチャンバまたは最も下側に位置するチャンバ(例えば、マルチチャンバデバイスの第3、第4、第5チャンバ等)は、試料の収集後、分離器/濃縮器デバイスから取り外し可能である。ある態様において、収集チャンバは、デバイスから切り離されており、分離器/濃縮器デバイスに連結可能である。例えば、デバイスが第1のチャンバと第1のバルブとのみを含む態様において、収集チャンバを1チャンバ・1バルブデバイスの下部に連結して、収集チャンバが試料を第1のチャンバのアウトプットから受け入れることができるようにし、収集チャンバへの流体の移送を第1のバルブの操作で制御するようにデバイスを構成してもよい。
ある態様において、チャンバは上下の位置関係となるように垂直方向に並んで配置されてもよい。ある態様において、最も上側の(例えば、上側の)チャンバの流出口と下側のチャンバの流入口とが直接垂直方向に並んで位置する(例えば、チャネルに位置してチャンバ間を隔てているバルブが、収集リザーバとして窪みまたは空隙部を含む態様(例えば、図1B参照))。別の態様において、最も上側のチャンバの流出口と下側のチャンバの流入口とが、チャネルに沿って僅かに離れるように、垂直方向に並んで位置する(例えば、チャネルに位置してチャンバ間を隔てているバルブが、収集リザーバとして定量溝を含む態様(例えば、図1A、図1D、図1E、および図2))。
使い捨て分離器/濃縮器デバイス
図4は、遠心分離機(例えば、スイングバケット型遠心分離機)で使用される、単回使用のための使い捨て分離器/濃縮器デバイスの一態様を示す。ある態様において、図4に示す使い捨て分離器/濃縮器デバイスを用いて、生体試料(例えば、100mLの全血試料)からおよそ10分間で細菌を単離することが可能である。ある態様において、図4Aに示す使い捨てデバイスは、少なくとも1つの定量バルブを含み、試料から微粒子を、使い捨てデバイスの底部より直接抽出する収集チャンバ(例えば、第3のチャンバ)を有する。
ある態様において、使い捨てデバイスは、血液から細菌を分離する方法において有用である。例えば、図4に示すデバイスを用いる該方法は、細胞溶解緩衝液を含む第1のチャンバに血液を添加する工程(例えば、細胞溶解緩衝液は、任意の細菌細胞はそのままにしながらは血液細胞を選択的に溶解させる)、および第1のバルブが位置3にある状態でデバイスを遠心分離して、細菌のペレットを生成する工程とを含む。本態様において、血液溶解の化学作用は、濃度、血液に対する細胞溶解緩衝液の体積割合、およびかかる時間を変更することによって、最適化された。ペレット化した細菌の一部を収集するために、第1のバルブを位置1へ操作し、デバイスを遠心分離する。位置2への第1のバルブ111の次のバルブ操作により、上澄みの一部を第1のチャンバから第2のチャンバへ移送し、ここで試料が希釈される。このプロセスは繰り返され、例えば、デバイスが回転している場合、バルブ操作(位置3から位置1へのバルブ2の操作)、回転、バルブ操作(位置1から位置2へのバルブ2の操作)を行い、上澄みの一部を第2のチャンバから第3のチャンバへ移送する。
ある態様において、バルブは定量バルブである。図4Aは、使い捨て分離器/濃縮器デバイスの外観の一態様を示し、図4Bおよび図4Cは、第1の遠心分離サイクル中の使い捨て分離器/濃縮器デバイスの一態様の断面を示す。ある態様において、第1のチャンバ101の試料リザーバは、少なくとも約100mLの流体試料(例えば、血液試料)および少なくとも約10〜95mLの緩衝剤(例えば、最も上側のチャンバ中の細胞溶解緩衝液)を収容可能である。ある態様において、第1のチャンバ101は、着脱可能なカバーで封止されている。第1のチャンバの土台部で、試料リザーバは、定量バルブ(例えば、10μL定量バルブ)内の収集リザーバへ向かう下向きの漏斗形状を有している。血液が溶解され、定量バルブで血液中の任意の細菌がペレット化されると、バルブが操作され(例えば、手動、半手動、または自動で)、定量バルブ中の試料のうち10μLが第2のチャンバ(例えば、希釈チャンバ)へ移送される。図4Dは、第1のバルブ(上側のバルブ)111を位置2へ操作した後の使い捨て分離器/濃縮器の一態様を示す。第2のチャンバ103(例えば、希釈リザーバ)は、試料を1:100で希釈し、それにより、移送されてきた細胞溶解緩衝液をおよそ99%で希釈するために、希釈液(例えば、900μLの水または他の希釈緩衝剤)を含み得る。
第2のチャンバ103(例えば、希釈リザーバ)へ移送された任意の細菌は、第2の遠心分離により再ペレット化されて第2の定量バルブへ入る。図4Eは、使い捨ての3チャンバ分離器/濃縮器の第1のバルブおよび第2のバルブが、第2のバルブの操作後に位置2にある一態様を示す。ある態様において、第2の(または下側の)バルブを位置2へ操作すると、5μLの試料が第2のチャンバから、ユーザによって濃縮された試料が取り出し可能となる第3のチャンバ105(例えば、収集チャンバまたは移送リザーバ)へ移送される。
第1のチャンバ101は、分離したい流体の体積を収容できるように設計される。ある態様において、第1のチャンバは、約10ナノリットルから約1リットルの範囲の体積を保持可能である。一態様において、体積は、10ナノリットルから100マイクロリットルの範囲とすることが可能である。別の態様において、体積は、10マイクロリットルから100ミリリットルの範囲とすることが可能である。ある態様において、第1のチャンバは、分離したい流体の体積を収容できるように設計される。体積は、10ナノリットルから10Lの範囲とすることが可能である。ある態様において、第1のチャンバは、100mlから1Lの間の体積、または約100mlから1Lの間の任意の整数の体積を収容できるように設計される。一態様において、体積は、少なくとも約1mlから約10mlまで、少なくとも約10mlから約100mlまで、約100mlから約500mlまで、約500mlから約1Lまで、または約10ナノリットルから100マイクロリットルまでの範囲とすることが可能である。別の態様において、体積は、10マイクロリットルから20ミリリットルまでの範囲、またはその間の任意の整数であることが可能である。ある態様において、体積は、約10mlまたは約100mlとすることが可能である。不溶性粒子を含む任意の流体(例えば、血液細胞または細菌を含む全血、微生物を含む水(例えば、池水、川水、沈殿水)、尿、気管支肺胞洗浄の液、および脳脊髄液等)が使用可能である。
本明細書に記載の本態様において、第1のチャンバ101は、流体を投入し易くするために頂部の流入口が広く、チャンバの底部にある流出口へ向かう漏斗形状を有するように設計される(図7〜図9参照)。該流出口は第1のチャネルに連結され、第1のチャネルは第2のチャンバの流入口に連結される。チャンバおよびチャネルの大きさおよび形状は、分離したい流体の種類、収集しようとする粒子の種類、体積、および大きさ、ならびに望ましい収集体積に適合するように変更することができる。一態様において、最も下側のチャンバ(例えば、3チャンバデバイスにおける第3のチャンバ105)は、第1のチャンバ101より小さい。一態様において、最も下側のチャンバ(例えば、3チャンバデバイスにおける第3のチャンバ105)は、ペレット粒子を収集するために、洗浄液または懸濁液を含み得る。
本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスの一態様において、流体試料は血液試料である。別の態様において、流体試料は、任意の生体試料、例えば、水、または尿、吸引液、脳脊髄液(CSF)、血漿、精液等の体液であってもよい。別の態様において、流体は、水試料(例えば、池水、飲料水、または他の水試料)等の試料であり、例えば、流体試料に存在する不純物および混入物質を調べるのに使用可能である。
ある態様において、本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスは、第1の溶液および/または第2の溶液をチャンバのいずれかに含む。例えば、細胞溶解緩衝液または界面活性剤溶液を第1のチャンバに含む。ある態様において、流体試料が血液試料である場合、細菌細胞を溶解させずに血液細胞を溶解させるのに細胞溶解緩衝液を使用可能である。一態様において、細胞溶解緩衝液は、0.005% Tween 20溶液である。一態様において、細胞溶解緩衝液は、0.8% Na2CO3/0.05% TRITON X-100溶液である。一態様において、最も上側のチャンバにおける細胞溶解緩衝液と血液試料との割合は、1:1である。別の態様において、細胞溶解緩衝液と流体試料との割合は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、または1:20である。ある態様において、Tween 20の濃度は0.005%である。
一態様において、微粒子物質が分離デバイスの壁に付着することを防止するため、分離器/濃縮器デバイスのチャンバに、0.5g/L Pluronic または1% BSA、または任意の他のコーティング剤が塗布される。分離デバイスの壁に用いられる物質、ならびに分離したい流体および微粒子物質によっては、壁への塗布は必要がある場合もない場合もある。当業者であれば、本明細書に記載の簡単な試験手順において必要か否かを判断できるであろう。
一態様において、分離器/濃縮器デバイスの第1のチャンバ101は細胞溶解緩衝液を含む。一態様において、細胞溶解緩衝液は、血液細胞あるいは他の細胞または微生物を溶解させる。
一態様において、分離器/濃縮器デバイスの第2のチャンバ103は、ある体積の希釈液(例えば、微粒子物質を濯ぐための水または洗浄溶液)を含む。例えば、デバイスが3つのチャンバを含む場合、第2のチャンバは少なくとも約1000マイクロリットルまたは1000μL未満の体積を含み得る。
一態様において、デバイスが3つのチャンバを含む場合、分離器/濃縮器デバイスの第1のチャンバ101は細胞溶解緩衝液を含み、分離デバイスの第2のチャンバ103はある体積の緩衝剤(例えば、水)を含む。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリラート、ポリヒドロキシエチルメタクリラート、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、アセタール共重合体、PEEK、PEVA、アクリル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリエーテルイミド、ポリビニリデンフルオリド等のポリマー物質、ならびにその共重合体および組み合わせを非限定的に含む任意の適切な物質で構成されてもよい。他の好適な物質は、ポリシロキサン、フッ化ポリシロキサン、エチレン-プロピレンゴム、フルオロエラストマー、およびその組み合わせを含む。他の好適な物質は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリパラジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、およびその共重合体を含む。
一態様において、分離器/濃縮器デバイスは、例えば、射出成形または当技術分野において公知の他の方法によって、一体型のデバイスとして構成される。別の態様において、分離デバイスは、複数のモジュールユニットからなる分離デバイスのように、いくつかの部分または部材から構成される。例えば、各モジュールユニットは、流入口と流出口とを備えるチャンバを含み得、流出口は、バルブを収容可能なチャネルに連結され、チャンバは、別のチャンバの流入口に連結される流出口を有し、別のチャンバは次のモジュールユニットにおける次のチャンバである。このような態様において、例えば、本明細書に記載の3チャンバデバイスにおける3つのモジュールユニットのように、任意の数のモジュールユニットが相互に取り付けられてもよい。ある態様において、該ユニットは当技術分野において公知の様々な方法によって、相互に組み付けられてもよい(図3、図7〜図9、および実施例参照)。
射出成形は、一体型の使い捨て分離デバイスを作製する可能な方法の1つである。別の方法として、分離デバイスを部材毎に作製し、それらを図3〜図9に示すように組み付ける方法がある。ある態様において、3チャンバ分離デバイスは、任意の固定方法で(例えば、図9Bに示すように、デバイスの各角で複数のボルトまたは留め金を用いて)相互に締めつけ固着できる3つの機械加工可能な部材から製造されてもよい。ある態様において、3チャンバデバイスのための機械加工可能な部材は、以下のように構成され得る。図8に示すように、(i)第1の最も上側の機械加工可能な部材115は、第1のチャンバ101と、第1のチャネル113と、第2のチャンバ103の第1の部分とを含み、(ii)中央の機械加工可能な部材116は、第2のチャンバ103の残りの部分と、第2のチャネルと、第3のチャンバ105の第1の部分とを含み得、(iii)最も下側の機械加工可能な部材117は、第3のチャンバ105の残りの部分を含む。しかしながら、使い捨てデバイスを作製するあらゆる手段が包含される。3つの部分の模式図を、下記で説明する図7および図8に示す。ある態様において、3つの部分は、相互に組み付けられて固定封止部を形成するように構成されてもよく、第1の製造された部分115の底部は、第2の製造された部分116の頂部にしっかりと連結されるように構成され、第2の製造された部分116の底部は、最も下側の製造された部分117の頂部にしっかりと連結されるように構成される。ある態様において、図4Bに示すように、製造された部材は、ジグソーパズルのように相互に嵌合可能またはスライド可能である。ある態様において、製造された部材115、116、および117は、接着剤、封止剤、または粘着剤で固定される。別の態様において、製造された部材115、116、および117は、鞘状材(例えば、デバイス全体を囲むプラスチック)を用いて結合されてもよい。
ある態様において、製造された部材115、116、および117は、締め具118(例えば、図9Bに示すボルト)を用いてしっかりと結合され、各製造された部分は、締め具の余地を有するように構成されている。製造された部材115、116、および117を相互に固定するのにボルト等の締め具が用いられる態様において、最も下側の製造された部材117はボルトカウンタボア貫通穴を有し、中央の部材116はボルト貫通穴を備えて構成され、最も上側の部材115はボルトねじ山部分を有するように構成される。ある態様において、最も上側の製造された部材115は、偶発的に流体試料がこぼれることを防止するために、最も上側のチャンバ101に蓋を含むように構成される。図3および図9は、最終的に組み付けられた3つの部分からなるデバイスである分離デバイスを示す。
一態様において、分離器/濃縮器デバイスは単回使用のためのデバイスである。すなわち、デバイスは一度のみ使用され、その後破棄される。別の態様において、分離デバイスは複数回使用のためのデバイスであり、第1の流体試料を分離するのに最初に用いられた後、デバイスは、洗浄、清浄化され(態様によっては、さらに滅菌され)、第2の流体試料および後続する流体試料を分離するのに再び用いられる。
分離器/濃縮器デバイスの操作
分離器/濃縮器デバイスは、遠心分離において用いられるように設計される。例えば、2チャンバデバイスを用いた流体の分離/濃縮の場合、遠心分離サイクルの開始前に、第1のバルブ111は、第1のチャンバ101から第2のチャンバ103へのいかなる漏れも密封し遮断するように、チャネル113内で位置3または位置1に位置決めされる。第1のバルブ111が第1の位置にある時、流体の流れが、最も上側のチャンバ111から収集リザーバ(例えば、図6Aに示す第1のバルブ111の定量溝)へ生じる。密封部は、バルブ上のゴム製「O」リングによって実現されてもよい。遠心分離の間、第1の(例えば、最も上側の)チャンバ101中の微粒子物質は、漏斗型の第1のチャンバの底部にある流出口(図1A)に沈殿し、収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)に入る。第1の遠心分離サイクルの終了時に、第1のチャンバの底部および第1のバルブ111の収集リザーバ(例えば、定量溝)に微粒子物質が沈殿すると、第1のバルブ111がチャネル112内の第2の位置(位置2)へ操作されて、図1Bおよび図6Bに示すように、第1のバルブ111のバルブ収集リザーバから(例えば、定量溝から)第2のチャンバ103の流入口へ物質の流れが生じる。第2の遠心分離サイクルによって、第1のバルブのバルブ収集リザーバから(例えば、定量溝から)第2のチャンバ103へ、さらにはこの第2のチャンバの底部にある流出口へ、微粒子物質が移動する。
3チャンバ分離器/濃縮器デバイスの本態様において、図2および図4に示すように、2つのバルブ、すなわち第1のバルブ111および第2のバルブ112ならびにそれぞれの第1のチャネル113および第2のチャネル114が存在し、第1のバルブ111は、第1のチャンバ101と第2のチャンバ103とを連結している第1のチャネル113内にあり、第2のバルブ112は、第2のチャンバ103と第3のチャンバ105とを連結している第2のチャネル114内にある。
いずれの遠心分離サイクルの開始前にも、第1のバルブ111および第2のバルブ112は、バルブおよびそれぞれのチャネルに関して、バルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへのいかなる漏れも密封し遮断するように、それぞれのチャネル113および114内で位置1または位置3に位置決めされる。ある態様において、バルブ収集リザーバが第1のチャンバ101の流入口にあわせて配置されるように、第1のバルブ111が位置決めされ、第1のチャンバ101からバルブ収集リザーバ(例えば、バルブの定量溝)への妨げのない物質の流路が提供される。第1の遠心分離後、バルブ収集リザーバが第2のチャンバ103の流入口にあわせて配置されるように、第1のバルブ111が位置2へ動くよう操作されて、バルブ収集リザーバ(例えば、バルブの定量溝)から第2のチャンバ103への妨げのない物質の流れが提供される。第2の遠心分離サイクルが開始され、微粒子物質は、バルブ収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)から第2のチャンバ103へ、さらにはこの第2のチャンバの底部にある流出口へ沈殿し、第2のバルブ112が第1の位置にあるために、第2のバルブ112のバルブ収集リザーバへ沈殿する。第2の遠心分離サイクル後、バルブ収集リザーバが第3のチャンバ105の流入口にあわせて配置されるように、第2のバルブ112が第2の位置へ(例えば、位置2)へ動くよう操作されて、第2のバルブ112内のバルブ収集リザーバから第3のチャンバ105への妨げのない流路が提供され、最終的な収集が行われる(図2および図4)。
本明細書において開示される、使い捨て分離器/濃縮器デバイス等の分離器/濃縮器デバイスは、バルブを操作する作動機構と組合せられてもよい。例示的なアクチュエーションデバイスが本明細書において開示され、半手動アクチュエーションデバイス(例えば、カムスリーブアクチュエーションデバイス)および自動アクチュエーションデバイス(例えば、慣性アクチュエーションデバイス)を含む。しかしながら、これらのようなアクチュエーションデバイスは、使い捨て分離器/濃縮器デバイスのバルブを作動させるように構成可能なアクチュエーションデバイスのみには決して限定されない。典型的に、アクチュエーションデバイスは、正しい順番でバルブを操作するための機構を提供し、それにより、誤った順番のバルブ操作による使い捨て分離器/濃縮器の正しくない操作を防止する。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスの遠心分離は、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる。一態様において、遠心分離は、標準的な市販の遠心分離機で行われる。別の態様において、遠心分離は、臨床用の遠心分離機で行われる。臨床用の遠心分離機は、当技術分野において周知であり、血液、他の体液、および環境試料の分析のために用いられる。
以下は、図3、図4、図9、図13、および図14に示す、分離器/濃縮器デバイスが3チャンバ・2バルブ分離器/濃縮器デバイスである態様の概略的な操作手順である。
A.使用の前後にすべての表面を完全に清浄化する。清浄化は、当業者に一般に公知の任意の方法で行われてもよく、その例として、製造業者による清浄化、またはスチーム、オートクレーブ、および放射線滅菌等の任意の滅菌清浄化システムを含む。ある態様において、組み付け工程1〜11が、製造業者によって行われてもよい。
B.組み付け:
1.第3のチャンバ105(最終の収集チャンバ)を収容する最も下側の部分117のチャンバ周囲の溝にOリングを設置する(図8および図9を参照)。
2.必要であれば、第3のチャンバ105を水で充填する。
3.中央の部分116のアウトプットが第3のチャンバ105の頂部にあわせて配置されるように、中央の部分116を最も下側の部分117にあわせて載置する。
4.中央の部分116のチャンバ周囲の溝にOリングを設置する。
5.必要であれば、中央のチャンバ103を水で充填する。必要とされる体積がチャンバから溢れるほどである場合、これは、組み付け後に行ってもよい。
6.必要であれば、中央のチャンバ103のOリングにフィルタを設置する。
7.最も上側の部分115のアウトプットが第2のチャンバ103の頂部にあわせて配置されるように、最も上側の部分115を中央の部分116にあわせて載置する。
8.最も上側の部分115と、中央の部分116と、最も下側の部分117とをしっかりと連結する。4つの1〜3/4" 1/4"〜20ネジを挿入する。均一に締める。締め不足があると、遠心分離サイクル中にねじ山を破壊してしまうので、締め不足のないようにする。場合によっては、2つのネジの使用が適切であり得る。
9.バルブ111および112の各々に3つのOリングを設置する。いずれにも捩れがないことを確実にする。
10.バルブ111および112の溝のある先端をまず最も上側のチャンバのアウトプット孔に最も近い辺に注意深く挿入する。露出した先端がプロトタイプの外面と同一平面上にくるまで挿入を行う。
11.必要であれば、角度をなした横穴を介して第2のチャンバ102を充填する。
12.第1のチャンバ101を試料で充填する。
13.第1のチャンバ101を蓋で覆う。蓋は、テープで固定されてもよい。
14.反対のバケットが1/2グラム以内で釣り合いの取れていることを確実にする。
分解
1.分離器/濃縮器を遠心分離機から取り外し、注意深く垂直を保つ。ぐらつかない平坦な表面上に載置する。
2.第2のチャンバ103の水位がOリングよりも上である場合、1"の針を備えたシリンジを、角度をなした横穴を介して用いて、水位を下げる。
3.すべてのネジを抜くことによって、製造された部材115、116、および117を取り外す。
4.第1のチャンバ101および第2のチャンバ103内の液体を適切に廃棄する。
5.プラスチック製のピンセットまたは他のプラスチック製の器具を用いて、Oリングをバルブから取り外す。
清浄化
1.生体に関係する試験後は毎回、すべてのOリングを廃棄する。
2.すべての表面を内側も外側も清浄化する。
a.血液を用いた場合、10%漂白剤を用いた後、水で濯ぐ。
b.細菌を用いた場合は必ず、すべての部材に70%エタノールを用いる。
3.ペーパータオルと圧縮空気とで完全に乾燥させる。
使い捨て分離器/濃縮器デバイスの使用
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、生体試料(例えば、血液、または尿やCSFといった液体生理学的試料等の他の生体試料)からの細菌などの粒子を迅速かつ効率的に(約10分間)抽出し、分析のために濃縮するのに用いることが可能な使い捨ての医療デバイスとして有用である。また、使い捨ての閉システムであるため、試料が汚染される危険および/または潜在的に危険な病原体や細菌に操作者を曝す危険が軽減される。また、本プロセスは、濃縮しようとする生体試料以外のいかなる緩衝剤または試料をも加える技術者を必要としないため、人的エラーが減少し、最低限の訓練を受けたユーザによるプロセス操作が可能となる。さらに、このような使い捨て分離器/濃縮器デバイスを分離システムにおいて用いることによって、試料を濃縮する手間のかかるプロセスの合理化が可能となり、扱いにくいピペット操作の必要がなくなる。分離器/濃縮器デバイスには、液体封止部を維持して正確な量の液体を移送するバルブが組み込まれ、迅速な操作、および、人の手によって手動または半手動で、あるいは本明細書において開示されるアクチュエーションデバイスを用いて自動での安全な作動が可能になる。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスは、残りのペレット化していない試料または上澄みに影響することなしに、試料の底部からペレット化された物質を直接抽出する。
一態様において、分離器/濃縮器デバイスは単回使用のためのデバイスである。すなわち、デバイスは一度のみ使用され、その後破棄される。別の態様において、分離デバイスは複数回使用のためのデバイスであり、第1の流体試料を分離するのに最初に用いられた後、デバイスは、洗浄、清浄化され、次いで、第2の/異なる流体試料に対して再使用される。
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、後続する下流の診断に用いるための試料(例えば、後続する分析(例えば、PCRやbioMEMSデバイス等)において使用可能である、血液または他の流体からの細菌)の濃縮に有用であり、濃縮された試料は、試料中の微粒子の濃縮が有益である方法において使用可能である。
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、異なる大きさの粒子(例えば、体液(例えば、血小板、および赤血球や血漿等の他の血液成分)から特定の細胞種(例えば、好中球、幹細胞、または粒子))を分離するための粒子分離または細胞分離に有用である。ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、体液中の粒子(例えば、血小板中に豊富に含まれ、好中球中に欠乏している組成物)の濃縮に有用である。
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、任意の種類の溶液からの混入物質および析出物を濃縮し抽出するように適合可能である。ある態様において例えば、第1のチャンバ101は、最も上側のチャンバに投入された流体試料中の溶解したい細胞の種類によっては、様々な細胞溶解緩衝液を最初から含んでいてもよい。ある態様において、第2のチャンバ103は、様々な緩衝剤を最初から含んでいてもよい(例えば、洗浄溶液を用いて、第1の(最も上側の)チャンバ101から得られるペレット化試料を洗浄することが可能である)。さらに、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは分離器/濃縮器デバイスの最も上側のチャンバに投入する前に、濃縮しようとする流体試料からより大きな固形物を除去するフィルタを含み得る。そのようなフィルタは、細胞は通過させるが、より大きな細胞凝集物または繊維状の組織は通過させない、当該技術分野で公知のメッシュフィルタであってもよい。
ある態様において、使い捨て分離器/濃縮器デバイスは、全体が使い捨てである。別の態様において、分離器/濃縮器デバイスは使い捨ての部分と再利用可能な部分とを有する。例えば、ある態様において、分離器/濃縮器デバイスのチャンバおよび筐体は使い捨てであり、定量バルブ等のバルブは再利用可能である。再利用可能な定量バルブは、当業者に公知の任意の手段によって、異なる分離器/濃縮器デバイスでの使用毎に滅菌されてもよい。さらに、再利用可能な種類の分離器/濃縮器デバイス(分離器/濃縮器デバイスのチャンバおよび筐体ならびに定量バルブ等のバルブ)が本明細書に包含される。
分離器/濃縮器デバイス内のバルブ
本明細書において開示されるように分離器/濃縮器デバイス内のあるチャンバから別のチャンバへの試料の流れは、チャンバ間に位置し、該チャンバ同士を連結するチャネル内に位置するバルブによって制御される。本明細書において開示されるように、該バルブは、例えば手動、半手動、半自動、または自動で任意の様々な異なる方法によって操作されてもよい。
バルブは、引き動作または押し動作等の直線動作で操作されてもよい。例えば、ある態様において、バルブは、引き動作(例えば、図1A参照)または押し動作等のチャネルに沿った直線動作で、位置1から位置2へ動くように操作されてもよい。あるいは、バルブは、ネジ様の回動動作により直線動作で操作されてもよい。例えば、バルブは、チャネルと連結され、かつバルブの回動によってバルブを直線方向に位置1から位置2へ動かすようにバルブ操作が可能である螺旋状のネジ型機構により構成されてもよい。別の態様において、バルブは、位置1から位置2へバルブを回動させる回動動作により操作されてもよい(例えば、図1B参照)。バルブは、本明細書において開示される任意の手動、半手動、または自動アクチュエータによって操作されてもよい。分離器/濃縮器が少なくとも2つのバルブを有する態様において、バルブは異なる機構によって操作されるように構成されてもよい。例えば、第1のバルブ111が、チャネル113に沿って位置1から位置2へ直線方向に該バルブを動かすことにより操作されてもよく(図1Aを参照)、第2のバルブ112が、位置1から位置2へ回動を行う回動動作によって操作されてもよい(図1B参照)。このような態様において、典型的に、第2のチャンバ103の流入口は第1のチャンバ101の流出口からずれており(offset)、第3のチャンバ105の流入口は第2のチャンバ103の流出口に実質的にあわせて配置されるように位置決めされる。
バルブは、本明細書において開示される任意の手動、半手動、または自動アクチュエータによって操作されてもよい。分離器/濃縮器が少なくとも2つのバルブを有する態様において、それぞれのバルブのバルブ操作は、例えば、異なる操作機構によって行われてもよい。例えば、第1のバルブ111が手動で操作されてもよく、第2のバルブ112が自動で操作されてもよい。したがって、本明細書において開示されるように分離器/濃縮器デバイスの複数バルブを操作するのに、異なる方法の任意の組み合わせを用いることができる。典型的に、ある態様において、分離器/濃縮器デバイスにおけるすべてのバルブが同一の方法(例えば、手動、半手動、または自動の操作方法)で操作される。
ある態様において、バルブは、当業者に公知の任意の手段によって、バルブを押し込むまたは引き出すように手動で(例えば、人の手によって)操作されてもよい。一態様において、バルブは、機能的に連結されたアクチュエーションデバイスの助力なしに、人の手によって操作される。一態様において、バルブは、チャネル内のそれぞれのバルブにアクセスするためのロッドの助力を用いてまたはその助力なしに、人の手によって操作される。そのような一態様において、バルブは、遠心分離が停止した後に、人の手によって手動で操作されてもよい。
一態様において、分離器/濃縮器デバイス内のバルブは、特定の体積の流体があるチャンバ(例えば、バルブ上側のチャンバ)から別のチャンバ(例えば、バルブ下側のチャンバ)へ移送されるように操作される。移送される特定の体積は、バルブ収集リザーバの体積により決定されるが、収集しようとする粒子の種類、体積、数、および大きさ、ならびに望ましい収集体積に依存する任意の量であってもよい。例えば、バルブ収集リザーバの体積は、10ナノリットルから10ミリリットルの範囲とすることが可能である。ある態様において、バルブ収集リザーバの体積、ひいてはチャンバ間で移送される体積は、少なくとも約10ナノリットルから約10ミリリットルの範囲とすることが可能である。チャンバ間で移送される体積は、定量バルブ(例えば、定量溝状収集リザーバまたは定量空隙部収集リザーバを備えたバルブ)が用いられる場合、所定であってもよく、収集リザーバにより、少なくとも10nl、またはそれ以上(例えば、約5μl、約10μl、約100μl、約1ml、約2ml、2mlから10mlの間、または10nlから10mlの間の任意の整数)の移送が可能となる。
ある態様において、バルブは定量バルブである。本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスの一態様において、バルブは定量バルブである。バルブは、例えば、ある体積の試料を上側のチャンバの流出口から収集する特定の体積の収集リザーバを有するように構成され、次いで、収集リザーバ中に収集された特定の所定体積を受け入れチャンバ(例えば、第2のチャンバ)の流入口へ分配するように操作される。ある態様において、バルブ収集リザーバは、あるチャンバの流出口から10μlを収集し、別のチャンバの流入口へ10μlを分配する。そのような収集リザーバを有する定量バルブは、あるチャンバ(例えば、バルブ上側のチャンバ)の流出口から所定の体積の沈殿した微粒子物質を第2のチャンバ(例えば、バルブ下側のチャンバ)の流入口へ通す。定量バルブは収集リザーバ(例えば、空隙部(図1B参照)または溝(図1Aまたは図5を参照))を含むバルブであって、該収集リザーバは、所定の体積の試料をあるチャンバから次のチャンバへ受け渡しする。ある態様において、バルブ収集リザーバは、任意の望ましい体積(例えば、10nlから100μlの間または100μlから1mlの間等の任意の体積)を有する。ある態様において、バルブ収集リザーバ(例えば、溝)は、少なくとも約5μlを移送するようにする。または、ある態様において、溝は、次のチャネルへ移送しようとする流体の体積のうち、少なくとも約5μl、少なくとも約6μl、少なくとも約7μl、少なくとも約8μl、少なくとも約9μl、少なくとも約10μl、少なくとも約15μl、少なくとも約20μl、少なくとも約30μl、少なくとも約40μl、少なくとも約50μl、少なくとも約100μl、または100μlより多い体積を移送する。
分離器/濃縮器が少なくとも2つのバルブを有する態様において、異なるバルブの収集リザーバは体積が異なっていてもよい。例えば、3つのチャンバを含む分離器/濃縮器において、第1のバルブ111は、収集リザーバの体積が約10nlから10mlの間(例えば、約1000μl)であってもよく、第2のバルブ112は、収集リザーバの体積が約10nlから10mlの間(例えば、約10μl)であってもよい。ある態様において、バルブ収集リザーバは、体積が任意の量(10nlから10mlの間等の任意の体積)である。別の態様において、バルブ収集リザーバは、体積が5μlから10mLの範囲にある。一態様において、定量バルブのバルブ収集リザーバを図5に示す。当業者であれば、望ましい所定の体積を第2または後続するチャンバの流入口へ分配する任意の望ましい形状のバルブ収集リザーバを有するバルブを構成可能であろう。
図5および図6は、バルブ収集リザーバとして溝を含む定量バルブの一態様、および分離器/濃縮器デバイスのチャネル内で位置1から位置2へ動くための構造を示す。定量バルブは、加速中および目標とする重力での上側のチャンバから下側のチャンバへのいかなる漏れも密封し遮断するように設計され位置決めされてもよい。密封部は、ゴム製「O」リング等のバルブの「O」リングによって実現されてもよい。
定量バルブは、任意の物質(例えば、プラスチック、合成、または他のデバイスの使い捨ての物質)で形成されてもよい。ある態様において、定量バルブは使い捨ての可動式デバイスである。ある態様において、定量バルブは、方法および使い捨て分離器/濃縮器デバイスでの使用毎に当業者に公知の任意の手段を用いて滅菌されてもよい再利用可能な可動式デバイスである。ある態様において、バルブは、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリラート、ポリヒドロキシエチルメタクリラート、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、アセタール共重合体、PEEK、PEVA、アクリル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリエーテルイミド、ポリビニリデンフルオリド等のポリマー物質、ならびにその共重合体および組み合わせを非限定的に含む当業者に公知の任意の適切な物質で構成されてもよい。他の好適な物質は、ポリシロキサン、フッ化ポリシロキサン、エチレン-プロピレンゴム、フルオロエラストマー、およびその組み合わせを含む。他の好適な物質は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリパラジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、およびその共重合体を含む。
手動バルブ作動
ある態様において、バルブ操作は、各遠心分離サイクル後に、分離器/濃縮器デバイスに物理的かつ機能的に連結されたいかなる追加の装置の助力もなしに、手動で行われる。このような態様において、バルブは、人の手によって動かされる。
ある態様において、ロッドを用いて、チャネル内に到達してデバイスのチャネル内のバルブを押すことが可能である。ある態様において、押圧は、人の手によって手動で行われる。ロッドは、バルブを動かすために非物理的に連結された装置を表す。ある態様において、ロッドを用いて、分離器/濃縮器デバイスのチャネル内のバルブを手動で引くことが可能であり、例えば、この場合、バルブにトグル係止部があり、該バルブはロッドのトグル係止部に連結されるため、ロッドを用いてバルブを引くことが可能である。ある態様において、ロッドは使い捨てである。ある態様において、ロッドおよびバルブは再利用可能である。
2チャンバ分離器/濃縮器デバイスの一態様において、第1のバルブ111は、遠心分離機が完全停止する第1の遠心分離サイクルの終了後に、押し込まれる。3チャンバ分離器/濃縮器デバイスの一態様において、2つのバルブ111および112は、2つの連続した遠心分離サイクルのそれぞれの後に連続的に操作される。第1のサイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、第1のバルブ111は手動で操作される。第2の遠心分離サイクルが次いで行われ、第2のサイクルの終了時に、第2のバルブ112が押される。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイス内のバルブは、各遠心分離サイクル後に手動で操作されてもよい。ある態様において、バルブ操作は、デバイスに連結された装置の助力なしに、手動で行われる。
以下に、2つのチャンバを有する分離器/濃縮器デバイス(図1)の各遠心分離サイクル後の手動バルブ操作の例示的な工程を示す。バルブの手動操作には、デバイスに物理的に連結された装置(例えば、アクチュエーションデバイス)を用いなくともよい。
工程1:いずれの遠心分離サイクルの開始前にも、第1のバルブ111は、第1のチャンバ101から第2のチャンバ103へのいかなる漏れも密封し遮断するように、チャネル113内で位置1または位置3に位置決めされる。バルブが位置1にある時、バルブ収集リザーバは第1のチャンバ101の流出口にあわせて配置され、第1のチャンバ101から収集リザーバ(例えば、第1のバルブの定量溝)への妨げのない物質の流路を提供する。
工程2:第1のチャンバ101に分離および/または濃縮しようとする流体試料を投入する。遠心分離中に液がこぼれることを避けるため、このチャンバの頂部に蓋をする。
工程3:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に載置する。3000rcfで5分間の第1の遠心分離サイクルを開始し、第1のチャンバ101の微粒子物質を、第1のチャンバの底部にある流出口へ、さらには収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)へ沈殿させる。
工程4:第1の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、バルブ収集リザーバが第2のチャンバ103の流入口にあわせて配置されるように、第1のバルブ111をチャネル内の第2の位置へ手動で操作し、図1Bおよび図6Bに示すようにバルブの定量溝から第2のチャンバ103への妨げのない物質の流れを提供する。チャネル内のバルブに到達するようロッドを用いることが可能である。
工程5:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に再び載置する。3000rcfで5分間の第2の遠心分離サイクルを開始し、微粒子物質を、収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)から第2のチャンバ103の流入口へ、さらにはこのチャンバの底部へ移動させて収集する。
工程6:第2の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、第2のチャンバにアクセスして、沈殿/濃縮された試料を収集する。
以下に、3つのチャンバを有する分離器/濃縮器デバイスを各遠心分離サイクルに対して手動バルブ作動で操作する例示的な工程を示す。ある態様において、バルブは、デバイスに連結された装置の助力なしに動かされる。
3チャンバ分離器/濃縮器デバイスの本態様において、図2および図4に示すように、2つのバルブ111および112ならびにそれぞれのチャネル113および114が存在し、第1のバルブ111は、第1のチャンバ101と第2のチャンバ103とを連結している第1のチャネル113内にあり、第2のバルブ112は、第2のチャンバ103と第3のチャンバ105とを連結している第2のチャネル114内にある。
工程1:いずれの遠心分離サイクルの開始前にも、バルブ111および112の両方が、バルブおよびそれぞれのチャネルに関して、バルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへのいかなる漏れも密封し遮断するように、チャネル内で位置決めされる。同時に、各バルブは、バルブ上側のチャンバからバルブの定量溝への妨げのない流路が提供されるように、第1の位置(位置1)に位置決めされてもよい。
工程2:最も上側のチャンバ101に分離および/または濃縮しようとする流体試料を投入する。遠心分離中に液がこぼれることを避けるため、このチャンバの頂部に蓋をする。
工程3:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に載置する。3000rcfで5分間の第1の遠心分離サイクルを開始し、第1のチャンバ101の微粒子物質を、第1のチャンバの底部にある流出口へ、さらには収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)へ沈殿させる。
工程4:第1の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)が第2のチャンバ103の流入口にあわせて配置されるように、第1のバルブ111を第2の位置(位置2)へ押すことによって手動で操作し、図2Bおよび図4Dに示すように収集リザーバ(例えば、第1のバルブの定量溝)から第2のチャンバ103への妨げのない流路を提供する。チャネル内のバルブに到達するようロッドを用いることが可能である。
工程5:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に再び載置する。3000rcfで5分間の第2の遠心分離サイクルを開始し、微粒子物質を収集リザーバ(例えば、第1のバルブ111の定量溝)から第2のチャンバ103の流入口へ移動させる。第2のバルブ112が位置1にある時は、微粒子物質を収集リザーバ(例えば、第2のバルブ112の定量溝)へ移動させる。
工程6:第2の遠心分離サイクル後、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、収集リザーバ(例えば、第2のバルブ112の定量溝)が第3のチャンバ153の流入口にあわせて配置されるように、第2のバルブ112を第2の位置(例えば、位置2)へ押すことによって手動で操作し、図2Bおよび図4Dに示すように収集リザーバ(例えば、第2のバルブの定量溝)から第3のチャンバ105への妨げのない流路を提供する。チャネル内のバルブに到達するようロッドを用いることが可能である。
工程7:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に再び載置する。3000rcfで5分間の第3の遠心分離サイクルを開始し、微粒子物質を、収集リザーバ(例えば、第2のバルブ112の定量溝)から第3のチャンバ105の流入口へ、さらにはこのチャンバの底部へ移動させて収集する。
工程8:第3の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、第3のチャンバ105にアクセスして、沈殿/濃縮された試料を収集する。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイス内のバルブは、各遠心分離サイクル後に、デバイスに連結された装置の助力を用いて手動で操作される。例えば、アクチュエーションデバイスにより連続的な順番でバルブを操作してもよく、この場合、アクチュエーションデバイスは、本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスに物理的かつ機能的に連結されていてもよい。ある態様において、バルブを操作するアクチュエーションデバイスは、手動(すなわち、人の手)で作動され、バルブ操作デバイスは、カムスリーブアクチュエーションデバイスである。
半手動バルブ作動
別の態様において、バルブ操作は、各遠心分離サイクル後に、アクチュエーションデバイスの助力を用いて手動で行われてもよい。このようなバルブ作動は、本明細書において「半手動の作動」と称される。というのも、該バルブ作動には、分離器/濃縮器デバイス内のバルブを作動させるアクチュエーションデバイスを手動で動かすユーザが必要であるからである。ある態様において、アクチュエーションデバイスを用いたバルブ操作は、手動操作(すなわち、人の手)を必要とする。これらのようなアクチュエーションデバイスは、分離器/濃縮器デバイスに機能的に連結されるように構成されてもよい。
別の態様において、分離器/濃縮器デバイスにおいてバルブを操作するのに、任意の半手動アクチュエーションデバイス(例えば、バルブ操作を可能にするスリーブ、または当業者に一般に公知のリップスティックアクチュエーションデバイス)を用いることができる一態様において、バルブ操作は、機能的に連結されたカムスリーブアクチュエーションデバイスを用いて行われる。あるいは、他の半手動アクチュエーションデバイスが、遠心分離が停止した後に、人の手によって手動で作動される。ある態様において、バルブ操作は、半手動アクチュエーションデバイスで行われてもよく、この場合、半手動アクチュエーションデバイスは、渦巻き状または螺旋状の溝を備えたロッドを含み、補完的に対応する渦巻き状または螺旋状の窪みを備えたチャネル内に嵌合するように構成され、チャンバ内のロッドを手動で捩ることにより、分離器/濃縮器デバイス内のバルブが動かされ操作される。
ある態様において、バルブ操作は、例えば、本明細書において開示されるカムスリーブアクチュエーションデバイス400を用いて半手動で作動されてもよい。このようなカムスリーブデバイスの一態様を、図26に示す。ある態様において、バルブは、カムスリーブデバイス400を用いて作動されてもよく、この場合、カムスリーブデバイス400は、使い捨て分離器/濃縮器に機能的に連結されて、カムスリーブアクチュエーションデバイスの手動の回動または捩り動作により、バルブを作動させる。
ある態様において、カムスリーブアクチュエータデバイス400は、バルブを開始位置から0.1インチ内方へ押す内部カムを用いて、定量バルブを作動させるバルブ部の周りのリングを回動させる。カムスリーブアクチュエータデバイス400は、駆動カム401および410と過剰な回動の止め具として機能する誘導タブ402、403、および405との組み合わせを有する。これにより、ユーザはカムリングを許容された方向にのみ回動することができ、誤ったバルブを作動させるいかなる可能性をもまず排除できる。
図26を参照して、分離器/濃縮器デバイスの第1のバルブ111および第2のバルブ112を作動させるのに最適なカムスリーブアクチュエータデバイス400であるバルブアクチュエータの一態様を示す。カムスリーブアクチュエータデバイス400は、分離器/濃縮器デバイス内の第1のバルブ111を作動させるように構成された第1のカム401(カム1)と、分離器/濃縮器デバイス内の第2のバルブ112を作動させるように構成された第2のカム410(カム2)とを有する。また、カムスリーブアクチュエータデバイス400は、ストップタブ402、403、および405を含み、該ストップタブ402、403、および405は、上側のカム401と同一の平面上に位置するように構成され、分離器/濃縮器デバイス内のバルブを作動させるカムスリーブアクチュエーションデバイスの回動の方向および距離を制御する。
3チャンバ分離器/濃縮器デバイスの本態様において、図4に示すように、カムスリーブアクチュエータデバイス400は、それぞれのチャネル内の第1のバルブ111および第2のバルブ112を動かすように構成され、第1のバルブ111は、第1のチャンバ101と第2のチャンバ103とを連結している第1のチャネル113内にあり、第2のバルブ112は、第2のチャンバ103と第3のチャンバ105とを連結している第2のチャネル114内にある。
カムスリーブアクチュエータデバイス400は、分離器/濃縮器デバイスを囲んでもよく、態様によっては、デバイスに物理的に連結されてはいないが、カムスリーブアクチュエーションデバイスが人の手によって適切な方向に回動されると少なくとも1つのバルブを操作するように構成される。
ある態様において、カムスリーブアクチュエータデバイス400は、2つのチャンバ分離器/濃縮器デバイス内の2つのバルブ111および112を連続的に動かすように構成される。例えば、カムスリーブアクチュエータデバイスは、カム(例えば、第1のカム401および第2のカム410)が分離器/濃縮器デバイスのチャネル113および114の第1のバルブ111および第2のバルブ112と並ぶように、スリーブアクチュエータデバイスの第2のチャンバ103および第3のチャンバ105を囲む。例えば、第1のカム401は、第1のチャンバ101と第2のチャンバ103とを連結している第1のチャネル113内の第1のバルブ111にあわせて配置され、接触および操作を行うことが可能であり、第2のカム410は、第2のチャンバ103と第3のチャンバ105とを連結している第2のチャネル114内の第2のバルブ112にあわせて配置される。
以下に、各遠心分離サイクル後に図26に示すカムスリーブアクチュエータデバイス400を回動させることによる、2つのチャンバを有する分離器/濃縮器デバイス(図1)のバルブ操作の例示的な工程を示す。
工程1:図27に示すように、カムスリーブアクチュエータデバイス400は、第1のバルブ111が第1の遠心分離サイクルのために第1の位置にある(例えば、収集リザーバが、定量バルブ内の凝集物を収集する第1のチャンバの流出口にあわせて配置される)ような向きに、分離器/濃縮器デバイスの一部の周りに位置決めする。
工程2:第1のチャンバ101に分離および/または濃縮しようとする流体試料を投入する。遠心分離中に液がこぼれることを避けるため、このチャンバの頂部に蓋をする。
工程3:分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に載置する。3000rcfで5分間の第1の遠心分離サイクルを開始し、第1のチャンバ101の微粒子物質を、第1のチャンバの底部にある流出口へ、さらには第1のバルブ111のバルブ収集リザーバへ沈殿させる。
工程4:第1の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、カムスリーブアクチュエーションデバイス400を備えた分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機から取り外し、第1のカム401が、チャネル内で、第1のバルブ111に接触してそれを位置1から第2の位置(位置2)へ押し、バルブ収集リザーバが第2のチャンバ103の流入口にあわせて配置されるように、カムスリーブアクチュエーションデバイス400を反時計回りに手動で回動させ、図2Bおよび図4Dに示すように第1のバルブ111のバルブ収集リザーバから第2のチャンバ103の流入口への妨げのない妨げのない流路を提供する。
例えば、第2のカム401は、第1のバルブ111に連結して、該バルブをチャネル113に沿って第1のカム401から離れるようにスライドさせるよう作動する。この際、第2のバルブ112は、カムスリーブアクチュエータデバイスによって操作されていない。この構成において、第2の遠心分離サイクルを行なう。カムスリーブアクチュエータデバイスは、バルブ111がストップタブ405に接触しているため、時計回りに回動することができず、反時計回りにのみ回動可能である。さらに、カムスリーブアクチュエータデバイスは、バルブ111がストップタブ402に接触してカムスリーブアクチュエータの反時計回りのさらなる回動を防止するまで、反時計回りに一定距離のみ回動可能である。
工程5:カムスリーブアクチュエーションデバイス400が連結された分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に再び載置する。3000rcfで5分間の第2の遠心分離サイクルを開始し、微粒子物質を、第1のバルブ111のバルブ収集リザーバから第2のチャンバ103へ、さらには第2のバルブの定量溝へ移動させる。
工程6:第2の遠心分離サイクル後、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスおよび連結されたカムスリーブアクチュエーションデバイス400を遠心分離機から取り外し、チャネル114内で、第2のバルブ112を第2の位置(位置2)へ押し、バルブ収集リザーバが第3のチャンバの流入口にあわせて配置されるように、カムスリーブアクチュエーションデバイス400を時計回りに手動で回動させ、図2Cおよび図4Eに示すように第2のバルブ112の収集リザーバから第3のチャンバ105への妨げのない流路を提供し、最終的な収集を行う。
図27Cは、第2のカム410が第2のバルブ112に連結されて、該バルブをチャネルに沿って第2のカム410から離れるようにスライドさせるよう操作された様子を示す。第1のバルブは、このカム運動によって操作されていない。カムスリーブアクチュエータデバイスは、第1のバルブ111がストップタブ402に接触しているため、反時計回りに回動することができず、時計回りにのみ回動可能である。さらに、カムスリーブアクチュエータデバイスは、第1のバルブ111がストップタブ403に接触してカムスリーブアクチュエータの時計回りのさらなる回動を防止するまで、時計回りに一定距離のみ回動可能である。
工程7:カムスリーブアクチュエーションデバイス400が連結された分離器/濃縮器デバイスを遠心分離機に再び載置する。3000rcfで5分間の第3の遠心分離サイクルを開始し、微粒子物質を、第2のバルブ112の収集リザーバから第3のチャンバ105の流入口へ、さらにはこのチャンバの底部へ移動させて収集する。
工程8:第3の遠心分離サイクルの終了時に、遠心分離機が停止した後で、分離器/濃縮器デバイスおよびカムスリーブアクチュエーションデバイスを遠心分離機から取り外し、第3のチャンバ105にアクセスして、沈殿/濃縮された試料を収集する。
別の態様において、例えば、バルブを動かすリップスティック捩り機構のような機能を有する、バルブを囲むスリーブとして機能するデバイスを用いた、分離器/濃縮器デバイス内のバルブの半手動の作動のための別のデバイスが包含される。別の態様において、半手動アクチュエーションデバイスは、分離方法における適切な時点に連続的な順番でバルブを作動させるボタンまたはレバーを含む、バルブ周りのスリーブを含み得る。
自動バルブ作動
別の態様において、分離器/濃縮器デバイスにおけるバルブ操作は、自動で(例えば、自動アクチュエータデバイスを用いて)行われてもよい。ある態様において、自動アクチュエータデバイスは、使い捨てデバイスに機能的に連結されるように構成されてもよく、したがって、分離器/濃縮器デバイスとともに遠心分離され、遠心分離サイクルの減速段階中にバルブを操作するように構成される。このような適した自動アクチュエータデバイスは、本明細書において開示される慣性アクチュエーションデバイスである。
別の態様において、分離器/濃縮器デバイスにおけるバルブ操作は、特注の遠心分離機内に位置する自動アクチュエータデバイスを用いて行われてもよい。ある態様において、バルブ操作は、遠心分離機が完全に停止した後にバルブが作動される、特別に適合された遠心分離機内に位置する外部アームを用いて、自動で行われる。
自動作動 ― 慣性アクチュエーションデバイス
一態様において、バルブは、例えば、機能的に連結されたアクチュエーションデバイス(例えば、本明細書において開示される慣性アクチュエーションデバイス)によって自動で操作される。一態様において、アクチュエーションデバイスは、ピストンで操作を行う。一態様において、バルブは、遠心分離の減速中に、慣性アクチュエーションデバイスを用いて操作される。減速中に、慣性アクチュエーションデバイスが、分離デバイス内のバルブに対してピストンを押すことにより、チャネル内のバルブを操作する。ある態様において、バルブは、例えば、遠心分離中(例えば、遠心分離の減速中)に自動で操作される。例えば、2つのバルブを有する3チャンバデバイスにおいて、バルブは、連続的に操作される。第1の遠心分離の減速中に第1のバルブ111が動かされ、後続する第2の遠心分離の減速中に第2のバルブ112が動かされる。ある態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、特注の遠心分離機において用いてもよい。
ある態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、例えば、遠心分離サイクルの減速段階中に自動でバルブを操作する。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、遠心分離サイクルの減速段階中にバルブを押すピストンを含む。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、分離器/濃縮器デバイスに物理的かつ機能的に連結されて、複合型アクチュエータ/分離器デバイスを形成する。このような複合型デバイスの態様を、図13、図14、および図17に示す。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、特注の遠心分離機の一部であり、該特注の遠心分離機は、遠心分離中に分離器/濃縮器デバイスが特注の遠心分離機内のアクチュエーションデバイスと接触するように分離器/濃縮器を収容するよう、特別に適合されている。
ある態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、遠心分離ロータの一部となるように構成されてもよく、例えば、遠心分離サイクル中に分離器/濃縮器デバイスを保持するロータ内部に位置するように構成されてもよい。別の態様において、慣性アクチュエーションデバイスは、分離器/濃縮器デバイスを保持するバケットの一部となるように構成されてもよい。例えば、慣性アクチュエーションデバイスを収容するロータまたはバケットを構成するこのような態様によって、通常の市販の遠心分離機を、分離器/濃縮器デバイス内の可動式デバイスの自動作動を可能とするように適合してもよく、該遠心分離機は、慣性アクチュエーションデバイスを収容する特別に適合されたロータまたはバケットとともに用いられる。
本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスの一態様において、バルブ操作は、遠心分離の減速中に自動で行われる。第1の遠心分離サイクル中に、目標とする重力に達するように加速が行われている場合、微粒子は、上側のチャンバの底部に沈殿する。バルブは、加速中および目標とする重力におけるこのチャンバからのいかなる漏れも密封し遮断するように設計され位置決めされる。密封部は、ゴム製「O」リング等のバルブの「O」リングによって実現されてもよい。目標とする重力が、定められた時間維持された後、減速を開始する。減速中に、バルブ操作が行われ、ある体積の沈殿した微粒子が、定量溝からバルブ下側のチャンバに入れられる。
本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスの一態様において、バルブ操作は、機能的に連結された慣性アクチュエーションデバイスによって行われる。一態様において、分離器/濃縮器デバイスおよび機能的に連結された慣性アクチュエーションデバイスは、遠心分離機とともに用いられる複合型分離ユニットを形成する(図13、図14、および図17参照)。
本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスの一態様において、バルブ操作は、ピストンで操作を行うアクチュエーションデバイスを用いて行われる。ピストンは、減速中に分離デバイス内のバルブを押す。
3チャンバ分離器/濃縮器デバイスには、3つのチャンバ(第1のチャンバ101、第2のチャンバ103、および第3のチャンバ105)、2つのバルブ(第1のバルブ111および第2のバルブ112)、ならびに2つのチャネル(第1のチャネル113および第2のチャネル114)が存在する。自動アクチュエーションデバイスが機能的に連結された3チャンバデバイスの一態様において、第1の遠心分離サイクルの減速中に第1のバルブ111が操作され、後続する第2の遠心分離サイクルの減速中に第2のバルブ112が動かされる。
自動アクチュエーションデバイスが機能的に連結された3つのチャンバを有する分離器/濃縮器デバイスの一態様において、バルブは、2つの連続した遠心分離の減速中に、連続的に動かされる。
ある態様において、分離器/濃縮器デバイスのバルブ操作は、例えば、遠心分離サイクルの減速段階中に、バルブの自動操作のためのアクチュエーションデバイスの助力を用いて行われる。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、分離器/濃縮器デバイスに物理的かつ機能的に連結される。ある態様において、アクチュエーションデバイスは、特注の遠心分離機の一部であり、該特注の遠心分離機は、遠心分離中に特注の遠心分離機内のアクチュエーションデバイスと接触するように分離器/濃縮器を収容するよう、特別に適合されている。
自動式アクチュエーションデバイスの態様を、図15に示す。このような自動式アクチュエーションデバイスは、分離器/濃縮器デバイスに機能的に連結されて、遠心分離サイクルの減速段階中に分離器/濃縮器デバイス内のバルブを操作するように設計される。一態様において、自動式アクチュエーションデバイスは、遠心分離の加速中に作動準備し、遠心分離の加速中に作動する。自動式アクチュエーションデバイスは、揺動アーム201を収容している覆い209と、捩りバネ202と、非可動式シャフト203と、揺動アーム201上のラッチ204と、覆い209に搭載された可動式アクチュエータ206とを含み、揺動アーム201は、捩りバネ202に回動式に連結され、覆い209に搭載された非可動式シャフト203にも回動式に連結され、揺動アームは、遠心分離の加速および減速中に変動する遠心力を受けて、シャフト周りに枢動可能に揺動することができ、シャフト203からの揺動アーム201の回動枢動により、遠心分離の加速中に捩りバネ202が圧縮され、遠心分離の減速中に捩りバネ202からの圧縮エネルギーを解放することにより、揺動アーム201が回動し、ラッチ204は伸縮自在であり、遠心分離の加速中に収縮し、最高の遠心分離速度が得られている間または得られた時に伸長し、可動式アクチュエータ206は、揺動アーム201と並置され、減速中に揺動アームのラッチ204と接触し、ラッチ204は、最高の遠心分離速度後の減速中に伸長状態であり、可動式アクチュエータ206は、減速中にラッチ204と接触することによって、アーム201の反動揺動により動かされる。
図10Aおよび図10Bは、遠心分離運転中の、揺動アーム201、捩りバネ202、ラッチ204、非可動式シャフト203、可動式アクチュエータ206、および揺動アーム201の回動軸の向き、位置、および配置を示す。図10Bにおいて、伸長ラッチ204が後方への反動揺動中に可動式アクチュエータ206に係止すると、可動式アクチュエータ206も後方へ動くことが可能となる。
ある態様において、自動式アクチュエーションデバイスの揺動アームは、任意の実体物であってよく、加速中に非可動式シャフト周りに枢動し、連結された捩りバネを圧縮することができ、かつ減速中に反動可能な、様々な形状であってよい。
自動式アクチュエーションデバイスの一態様において、可動式アクチュエータ206は直線動作で動かされる。直線動作は、引き動作または押し動作であってもよい。図10Dおよび図10Eは、直線動作を行う可動式アクチュエータを示す態様である。図10Dの可動式アクチュエータは、引き動作を行う。凹部214が、任意で可動部215に連結されてもよい。揺動アーム201が減速中に反動すると、連結された可動部215を引いて揺動アーム201に近づけるように、アクチュエータを動かす。図10Eの可動式アクチュエータは、押し動作を行う。揺動アーム201が減速中に反動すると、揺動アーム201から離れるように、可動式アクチュエータを押す。
自動式アクチュエーションデバイスの別の態様において、可動式アクチュエータ206は回動動作で動かされる。回動動作を行う可動式アクチュエータの態様を、図10Cに示す。揺動アーム201が減速中に反動すると、可動式アクチュエータを揺動アーム201周りに回動させる。
自動式アクチュエーションデバイスの一態様において、可動式アクチュエータはバルブアクチュエータであり、バルブアクチュエータは、バルブを開放、閉鎖、または動かす機能を有する。
一態様において、バルブアクチュエータはピストンバルブアクチュエータである。すなわち、ピストンを用いて作動プロセスを行う。ピストンバルブアクチュエータを有する自動式アクチュエーションデバイスの態様を、図15、図10E、図11A〜11F、図12、および図16A〜図16Eに示す。自動式アクチュエーションデバイスはピストンバルブアクチュエータを含み、ピストンバルブアクチュエータは、ヘッド205と、軽量圧縮バネ207と、ピストン208とを含み、ヘッド205はピストン208に連結され、軽量圧縮バネ207はピストン208を格納し、ヘッド205は揺動アーム201と並置される。
一態様において、自動式アクチュエーションデバイスの可動式アクチュエータ206は、圧縮バネまたは捩りバネ207を含む。圧縮バネを有するピストンバルブアクチュエータを有する自動式アクチュエーションデバイスの態様を、図15、図10E、および図11Aに示す。揺動アーム201が反動を完了し、伸長ラッチ204が可動式アクチュエータ206に係止していない場合、圧縮バネまたは捩りバネは、単一の作動が完了した後に可動式アクチュエータを開始位置に戻すように機能する。
ピストンアクチュエーションデバイスは、揺動アーム201を収容している覆い209と、捩りバネ202と、非可動式シャフト203と、伸縮自在揺動アーム201上のラッチ204と、覆い209に搭載された可動式アクチュエータ206とを含み、可動式アクチュエータは、ヘッド205と、圧縮バネ207と、ピストン208とを含み、揺動アーム201は、捩りバネ202に回動式に連結され、覆い209に搭載された非可動式シャフト203にも回動式に連結され、揺動アームは、遠心分離の加速中および減速中に、変動する遠心力を受けて、シャフト周りに枢動可能に揺動可能であり、シャフト203からの揺動アーム201の回動枢動により、遠心分離の加速中に捩りバネ202が圧縮され、遠心分離の減速中に捩りバネ202からの圧縮エネルギーを解放することにより、揺動アーム201が回動し、ラッチ204は伸縮自在であり、ラッチは、遠心分離の加速中に収縮し、最高の遠心分離速度が得られている間伸長し、ヘッド205は、揺動アーム201と並置され、減速中に揺動アームのラッチ204と接触し、ラッチ204は、最高の遠心分離速度後の減速中に伸長状態であり、ヘッド205はピストン208に連結され、軽量圧縮バネ207はピストン208を格納し、ヘッド205は揺動アーム201と並置され、ヘッド205は、減速中にラッチ204と接触することによって、アーム201の反動揺動により動かされる。ピストンバルブアクチュエータの態様および操作向きを分離デバイスとともに、図13および図15に示す。
自動式アクチュエーションデバイスの別の態様では、上側の揺動アーム201と、下側の揺動アーム212と、上側の可動式アクチュエータ206と、下側の可動式アクチュエータ213とを含み、各揺動アームは伸縮自在ラッチ204を有し、1つの揺動アームおよびラッチが1つの可動式アクチュエータと接触し、揺動アームと対応する可動式アクチュエータとが上下の位置関係となるように垂直方向に並んで配置される。本質的に、自動式アクチュエーションデバイスは、1つの揺動アームおよび1つの対応する可動式アクチュエータの代わりに、2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する。このようなデバイスは、両方の可動式アクチュエータが減速中に同時に作動する単一の遠心分離運転中に、2つの可動性の部材または物体を作動させることができる。あるいは、可動式アクチュエータは、2つの連続した遠心分離運転中に、連続的に作動可能である。図15および図16A〜図16Eは、2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータ206および213を備えた自動式アクチュエーションデバイスの態様である。
2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する自動式アクチュエーションデバイスの一態様は、可動式ラッチストップ211を含み、ラッチストップ211は図15および図16に示すように下側の可動式アクチュエータ213と接触する。
2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する自動式アクチュエーションデバイスの一態様は、図15および図16に示すように、ラッチストップ解放部210を含み、ラッチストップ解放部210は、一端で上側の可動式アクチュエータ206と接触し、他端でラッチストップ211と接触し、上側の可動式アクチュエータ206の作動によって、ラッチストップ211を下側の可動式アクチュエータ213から係合解除する。
図11A〜図11Fおよび図12は、単一の揺動アーム201、およびヘッド205を含み圧縮バネ207がピストン208を格納するピストンバルブアクチュエータである1つの可動式アクチュエータ206を有する自動式アクチュエーションデバイスの例示的な作用を示す。単一の遠心分離運転中、ヘッド205は揺動アーム201と並置される。デバイスが休止しているか、または例えば、約1Gの重力を受けている場合(図11A)、加速中にヘッド205を動かすことなく、揺動アーム201がヘッド205にすぐ隣接して自由に揺動可能となるようにラッチ204が収縮し、図11B〜図11Cに示すように遠心分離によって生じた力が揺動アーム201を正方向回動させる。この回動により、連結された捩りバネ202が圧縮される。遠心分離によって生じた力からのエネルギーは、捩りバネに保存される。ラッチ204が伸長する最高速度および重力3000Gに遠心分離機が到達すると、揺動アーム201はヘッド205を超えて回動する(図11D)。遠心分離の減速中、圧縮された捩りバネに保存されたエネルギーが解放されて、図11E〜図11Fに示すように揺動アーム201を逆方向に元の位置へ回動させる。揺動アーム201が逆回動すると、伸長ラッチ204が可動式ピストンバルブアクチュエータ206のヘッド205に係止し、ピストン208を押す。ピストンがこのように動くと、軽量圧縮バネ207を圧縮させる。ピストン208が動きの終わりに到達するとすぐに、ラッチ204は、可動式ピストンバルブアクチュエータ206のヘッド205から係合解除され、軽量圧縮バネ207は、可動式ピストンバルブアクチュエータ206を開始位置へ戻す。
図16A〜図16Eは、2つの揺動アーム201および212、2つの可動式アクチュエータ206および213、可動式ラッチストップ211、ならびにラッチストップ解放部210を有する自動式アクチュエーションデバイスの例示的な運転を示す。可動式アクチュエータはピストンバルブアクチュエータであり、それぞれがピストン208に連結されたヘッド205を含み、圧縮バネ207はピストン208を格納し、ヘッド205は揺動アーム201または212と並置され、ラッチストップ211は下側の可動式アクチュエータ213と接触し、ラッチストップ解放部210は、ストップ解放部210の一端にあるヘッド205で上側の可動式アクチュエータ206と接触し、他端でラッチストップ211と接触し、2つの連続した遠心分離運転中に、上側の可動式アクチュエータ206の作動によって、ラッチストップ211を下側の可動式アクチュエータ213から係合解除する。可動式アクチュエータ206および213は、これら2つの連続した遠心分離運転中に、連続的に作動される。
自動式アクチュエーションデバイスが休止しているか、または海抜ゼロメートルの重力を受けている場合、両方の揺動アーム201および212のラッチ204が収縮位置となる。可動式ラッチストップ211は、下側の可動式アクチュエータ213のヘッド205に直接隣接して配置される。第1の遠心分離サイクル中、遠心分離機が最高速度および重力3000Gに到達すると、両方の揺動アーム201および212はそれぞれのヘッドを超えて回動する。上側の揺動アーム201のラッチが伸長する。下側の揺動アーム212のラッチは、可動式ラッチストップ211によって妨げられているため、伸長しない(図16A)。第1の遠心分離の減速中に(図16B)、本明細書に記載され図11E〜図11Fに示されるように、上側の揺動アーム201は上側の可動式ピストンアクチュエータ206を作動させる。上側の可動式ピストンアクチュエータ206が動作を完了すると、ラッチストップ解放部210が枢動して、下側の可動式ピストンアクチュエータ213から離れて戻るようにラッチストップ211を動かし、後続する遠心分離サイクル中に第2のラッチが係合自在となるようにする(図16C〜図16E)。ラッチストップ211は、自動式二重アクチュエーションデバイスに用いるために、手動でリセットされる。
図11および図16に示される態様において、可動式ピストンアクチュエータは、開始位置から0.4インチ内方へ作動される。およそ5ポンドの力が必要である。高い遠心力(3000G)が得られる。各バルブは、27g偏心分銅または揺動アームで10in-lb捩りバネによって作動される。最高速度において、27g揺動アームは、事実上180lbの重さとなり、バネを「作動準備」させる。別の態様において、遠心力は、用いられる特定の捩りバネおよび必要とされる作動力に対して調整されてもよい。当業者であれば、用いられる特定の捩りバネおよび必要とされる作動力に対して、本明細書において示す本態様を容易に適合できよう。
ある態様において、アクチュエーションデバイスは、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリラート、ポリヒドロキシエチルメタクリラート、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、アセタール共重合体、PEEK、PEVA、アクリル、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリエーテルイミド、ポリビニリデンフルオリド等のポリマー物質、ならびにその共重合体および組み合わせを非限定的に含む任意の適切な物質で構成されてもよい。他の好適な物質は、ポリシロキサン、フッ化ポリシロキサン、エチレン-プロピレンゴム、フルオロエラストマー、およびその組み合わせを含む。他の好適な物質は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリパラジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、およびその共重合体を含む。
一態様において、2つの揺動アームおよび2つの対応する可動式アクチュエータを有する自動式アクチュエーションデバイスは、本明細書に記載の分離器/濃縮器デバイスに機能的に連結される。例示的な態様を、図13および図15に示す。複合型自動式分離デバイス318は、分離器/濃縮器ユニット319および自動作動ユニット317を含む。図13に示すように、分離器/濃縮器ユニット319は、3つのチャンバ(第1のチャンバ101、第2のチャンバ103、および第3のチャンバ105)を含み、第1のチャンバは、最も上側のチャンバへの試料の注入のための流入口開口を有し、3つのチャンバはすべて、バルブ111および112(第1のバルブ111および第2のバルブ112)で封止されたチャネルによって連結される。分離器/濃縮器ユニット319と自動アクチュエーションユニット317とは物理的かつ機能的に連結されて、複合型自動式分離デバイス318(図13および図14)を形成する。バルブ111および112の位置を位置決めして、可動式ピストンバルブアクチュエータ206および213に係合されそれらにより操作されるようにしてもよい。
一態様において、複合型自動式分離デバイス318は、標準固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で遠心分離されてもよい。
図2、図4、図16A〜図16F、および図17A〜図17Dは、複合型自動式分離デバイス318の例示的な作用を示す。自動アクチュエーションデバイスの上側の揺動アーム201は、複合型自動式分離デバイス318の第1の遠心分離中に作動準備し、減速中に上側のバルブを作動させる。自動アクチュエーションデバイスの下側の揺動アーム212は、デバイス318の第2の遠心分離中に作動準備し、減速中に上側のバルブを作動させる。
自動作動 ― 自動アクチュエーションデバイスを備えた特注の遠心分離機
一態様において、バルブは、特注の遠心分離機の一部であるアクチュエーションデバイスによって自動で操作される(例えば、図28を参照)。ある態様において、遠心分離自動アクチュエーションデバイス501は、バルブを作動させるための任意の機構であってよく、該機構の例として、モーター、ソレノイド、ポンプ、機械式ポンプ、レバー、および、本明細書において開示される、分離器/濃縮器デバイス内の各バルブを操作する外部アームを有する空気シリンダアクチュエーションデバイスを非限定的に含む。そのような一態様において、少なくとも1つの分離器/濃縮器デバイスを、遠心分離機搭載アクチュエーションデバイス501(例えば、機械式アクチュエーションデバイスの外部アーム)が各遠心分離サイクル後に使い捨て分離器/濃縮器デバイスに機能的に連結可能となるように、特注の遠心分離機に設置する。このような態様において、バルブは、遠心分離機搭載アクチュエーションデバイスを用いて自動で操作される。
ある態様において、例えば、分離器/濃縮器デバイスが、遠心分離サイクル後に完全停止し、1つ以上のバルブを操作するための機械式アクチュエーションデバイスの外部アームに係合する遠心分離機内の位置に位置決めされる場合、バルブが自動で動く。例えば、2つのバルブを有する3チャンバデバイスにおいて、バルブ111および112は連続的に動かされる。第1の遠心分離の完了後に第1のバルブ111が操作され、後続する第2の遠心分離後に第2のバルブ112が操作される。
以下に、分離器/濃縮器デバイス内のバルブの自動操作のための、特注の遠心分離機内のバルブ操作の一態様における例示的な工程を示す。
工程1:分離器/濃縮器デバイスを、遠心分離ロータ503に取り付けられている揺動バスケット502に挿入する。すべての外部アーム(例えば、第1の外部アーム504および第2の外部アーム505)を、揺動している使い捨てデバイスの妨げにならないように後ろに倒す(recline)。
工程2:遠心分離ロータを、4000rpmまで回転させる。ロータが回転すると、向心力のために、使い捨てデバイスおよびバケットを、ほぼ水平にまで揺動させる。回転(3〜10分間)中、使い捨てデバイス中の血液が層別化され、いかなる細菌も、分離器/濃縮器デバイスの第1のチャンバ101の底部へ、さらには第1のバルブ111の収集リザーバへ、ペレット化する。
工程3:ロータが制御下で停止すると、分離器/濃縮器デバイスは、分離器/濃縮器デバイス内のバルブ操作のために外部アーム504および505のうちの1つに係合される位置に、バックストップ506に隣接する遠心分離機内で位置決めされる。
工程4:第1の外部アーム504を、分離器/濃縮器に接触するように機械で操作し、バックストップへと戻すように押す。第1の外部アーム504は、第1のバルブ111を位置1から位置2へ動かすように作動する突起507を有するように構成される。第1の外部アーム504によるバルブ操作は、外部アームの端部の突起が第1のバルブ111を位置1から位置2へ0.1インチ動かすように外部アーム504を単に機械で動かすことにより行われ、それによって、バルブ収集リザーバが第1のチャンバ102のアウトプットから第2のチャンバ103のインプットへ動かされる(図29参照)。
工程5:バックストップ506に隣接する遠心分離機内の次の分離器/濃縮器デバイスを、分離器/濃縮器デバイス内のバルブ操作のために外部アーム504および505のうちの1つに係合される位置に位置決めするために、ロータ503を定められた量だけ動かす。
工程6:工程4および工程5を、ロータ503上に据え付けられた遠心分離機の各分離器/濃縮器デバイスに対して繰り返す。
工程7:遠心分離機内のすべての分離器/濃縮器デバイスにおける第1のバルブ111の操作が完了した後、第1の外部アーム504を、第2の遠心分離サイクル中に妨げにならないように機械で動かす(図30参照)。
工程8:遠心分離ロータを、4000rpmまで再び回転させる。第2の遠心分離サイクル(1〜3分間)中、第1のバルブ111の操作によって移送されるどのような物質も第2のチャンバ103を通過し、いかなる微粒子(例えば、細菌)も、第2のチャンバ103の底部へ、さらには、第2のバルブが位置1にある時(例えば、バルブ収集リザーバが第2のチャンバ103の流出口にあわせて配置される時)は第2のバルブ112へ、ペレット化する。
工程9:第2の遠心分離サイクル後、ロータが制御下で停止すると、分離器/濃縮器デバイスは、分離器/濃縮器デバイス内のバルブ操作のために外部アーム504および505のうちの1つに係合される位置に、バックストップ506に隣接する遠心分離機内で位置決めされる。
工程10:第2の外部アーム505を、分離器/濃縮器に接触するように機械で操作し、バックストップへと戻すように押す。第2の外部アーム505は、第2のバルブ112を位置1から位置2へ動かすように作動する突起508を有するように構成される。第2の外部アーム505によるバルブ操作は、外部アームの端部の突起が第2のバルブ112を位置1から位置2へ0.1インチ動かすように第2の外部アーム505を単に機械で動かすことにより行われ、それによって、バルブ収集リザーバが第2のチャンバ103のアウトプットから第3のチャンバ105のインプットへ動かされる。
工程11:バックストップ506に隣接する遠心分離機内の次の分離器/濃縮器デバイスを、分離器/濃縮器デバイス内のバルブ操作のために外部アーム504および505のうちの1つに係合される位置に位置決めするために、ロータ503を定められた量だけ動かす。
工程12:工程10および工程11を、ロータ503に据え付けられた遠心分離機の各分離器/濃縮器デバイスに対して繰り返す。第2のバルブ112の操作がすべての使い捨てデバイスに対して完了した後、第2の外部アーム505を、第3の遠心分離回転サイクルの妨げにならないように遠心分離機内で位置決めする(図30参照)。
工程13:遠心分離ロータを、2000〜3000rpmまで回転させる。短時間の最終的な回転中、第2のバルブ中のどのような物質も試料スライドガラス上に沈降する。最終的な第3の遠心分離サイクル(1〜3分間)中、第2のバルブ112の操作によって移送されるどのような物質も第3のチャンバ105を通過し、いかなる微粒子(例えば、細菌)も第3のチャンバ105の底部へ、さらには第3のチャンバ105の収集流出口へ、ペレット化する。
工程14:ロータを停止させ、分離器/濃縮器デバイスがすぐに取り外すことができる状態とする。濃縮された試料を、後続する分析のために分離器/濃縮器デバイスから収集してもよい。
ある態様において、遠心分離機に制御された自動アクチュエーションデバイスの外部アーム504および505は、任意の機構によって動かされてもよく、該機構の例として、モーター、ソレノイド、ポンプ、機械式ポンプ、レバー、および本明細書において開示される空気シリンダアクチュエーションデバイスを非限定的に含む。本明細書において示される態様において、第1の外部アーム504および第2の外部アーム505は、それぞれ第1の空気ポンプ509および第2の空気ポンプ510によって制御される。
ある態様において、遠心分離機は、外部アームおよび上記工程1〜工程14の遠心分離サイクルを、ユーザを必要とせずに操作するようにプログラムされている。ある態様において、自動アクチュエーションデバイス501を含む特注の遠心分離機は、コンピュータに連結される。ある態様において、自動アクチュエーションデバイス501を含む特注の遠心分離機は、ユーザインタフェース、デジタルディスプレイ、およびコンピュータに連結される。ある態様において、流体試料を分離し濃縮するシステムは、自動アクチュエーションデバイス501を含む特注の遠心分離機、該特注の遠心分離機に連結されたユーザインタフェース、およびコンピュータを含む。
ある態様において、遠心分離で制御された自動アクチュエーションデバイスは、分離/濃縮デバイス内のバルブと同じ数の外部アームを含み得る。例えば、分離器/濃縮器デバイスが3つのチャンバおよび2つのバルブを含む場合、遠心分離自動アクチュエーションデバイス501は、2つの外部アーム(例えば、図29に開示されるように第1のバルブおよび第2のバルブに接触して操作するように構成された第1の外部アームおよび第2の外部アーム)を含み得る。ある態様において、遠心分離自動アクチュエーションデバイス501は、突起507を有するように構成された1つの外部アーム504を含み、該突起507は、外部アームのシャフトに沿って、定められた異なる高さ動かされてもよく、外部アームのシャフトの各定められた高さに位置決めされた突起507は、連続的な第1の遠心分離サイクルおよび第2の遠心分離サイクルの後に第1のバルブ111または第2のバルブ112の操作を可能にする。例えば、外部アームは、第1のバルブ111を位置1から位置2へ操作するために、第1の高さに位置する突起507を有していてもよく、次いで、突起は、第2のバルブ112を位置1から位置2へ操作するために、第2の高さへ動かされてもよい。外部アーム上の突起507は、例えば、3つ、4つ、5つ、または6つ以上のチャンバをそれぞれ含む分離器/濃縮器デバイスにおいて、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブ、第4のバルブ、第5のバルブ、またはそれよりも多いバルブを操作する任意の数の異なる高さへ動かされてもよい。
本明細書に記載の方法の一態様において、遠心力は100G〜5000Gの範囲にある。本明細書に記載の方法の一態様において、分離システムは30秒〜30分間の範囲の時間、遠心分離される。別の態様において、遠心分離時間は、2分間、5分間、または10分間である。
本明細書に記載の方法のある態様において、遠心分離の時間および速度は、500Gで2分間、500Gで10分間、3300Gで2分間、および3300Gで10分間である。
本明細書に記載の分離デバイスを用いて、およそ10分間生細菌を濃縮し血液試料から単離することが可能である。次いで、濃縮された試料は、ラマン分光分析または当業者に一般に公知の他の診断技術(例えば、PCR、顕微鏡検査、生化学的試験、等)を用いて同定可能である。
本明細書に記載の分離デバイスは、3つのチャンバおよび2つのバルブを有する使い捨て分離デバイスとして構成し作製してもよい。ある態様において、第1のチャンバ(例えば、試料チャンバ)は、10mLの血液試料および約90mlの血液細胞溶解緩衝液を収容するのに十分な少なくとも約10〜100mLの容積を有する。そのような一態様において、第1のバルブが位置1にある時、第1のチャンバが第1の定量バルブへ向かう下向きの漏斗形状を有している。血液が溶解され、第1の定量バルブで血液中の任意の細菌が凝集するとすぐに、第1のバルブが位置1から位置2へ操作され、5μLの物質が第1のチャンバから、希釈緩衝剤または他の緩衝剤(例えば、洗浄緩衝剤)を含む第2のチャンバへ移送される。ある態様において、第2のチャンバは、移送されてきた任意の細胞溶解緩衝液を95%希釈する約100μLの水を含む。第1のチャンバから第2のチャンバへ移送された細菌は、第2の遠心分離により第2の定量バルブへ再ペレット化される。第2のバルブを位置1から位置2へ操作すると、5μLの物質が、濃縮された試料が取り出し可能となる第3のチャンバ(例えば、収集チャンバ)へ移送される。ある態様において、第3のチャンバは、収集され濃縮された試料を収容できる窪みを備えて構成された顕微鏡用スライドガラスであり、スライドガラス(例えば、第3のチャンバ全体)は、濃縮器/分離器デバイスから取り外し可能であり、スライドガラスは、器具(例えば、濃縮された試料を分析する顕微鏡)で使用可能である。
別の態様において、第1のチャンバは、約10mlの血液試料およびl〜5mlの血液細胞溶解緩衝液を収容するのに十分な約10〜15mlの体積を有していてもよい。
ある態様において、本発明は、以下の英字を付した項のいずれかによって定義され得る。
[A] a.垂直方向に並んで配置された上側のチャンバおよび下側のチャンバであるところの2つのチャンバであって、上側のチャンバが上側のチャンバへの第1の流体試料の注入のための流入口開口を有し、上側のチャンバと下側のチャンバとは、物理的に分離されているものの、バルブで封止されているチャネルによって連結されている2つのチャンバと;
b.2つの物理的に隔てられたチャンバを連結するチャネルと;
c.チャネル内に収容され、いかなる材料も上側のチャンバから下側のチャンバへ直接流入することを防止する密封部を形成するバルブと
を含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって迅速に分離し濃縮するデバイス。
[B] 上側のチャンバと下側のチャンバとの間の第3のチャンバであって、3つのチャンバすべてが、物理的に分離されているものの、上側のバルブおよび下側のバルブであるところのバルブで封止されたチャネルによって連結される第3のチャンバをさらに含む、[A]のデバイス。
[C] チャネル内でバルブを動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す、[A]または[B]のデバイス。
[D] バルブが、遠心分離の減速中または遠心分離機が停止した後で動かされる、[C]のデバイス。
[E] バルブが連続的に動かされる、[B]のデバイス。
[F] 上側のバルブが、第1の遠心分離の減速中に動かされ、下側のバルブが、後続する第2の遠心分離の減速中に動かされる、[E]のデバイス。
[G] バルブが、機能的に連結されたアクチュエーションデバイスによって動かされる、[A]〜[F]のいずれか一項のデバイス。
[H] アクチュエーションデバイスが、ピストンで操作を行う、[G]のデバイス。
[I] バルブが定量バルブである、[A]〜[H]のいずれか一項のデバイス。
[J] 流体試料が、10ナノリットルから1リットルまでの範囲にある体積を有する、[A]〜[I]のいずれか一項のデバイス。
[K] 流体試料が、10ミリリットルから100マイクロリットルまでの範囲にある体積を有する、[A]〜[I]のいずれか一項のデバイス。
[L] 流体試料が血液試料である、[A]〜[K]のいずれか一項のデバイス。
[M] 遠心分離が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる、[A]〜[L]のいずれか一項のデバイス。
[N] チャンバのいずれかが、第2の流体試料または第3の流体試料を含む、[A]〜[M]のいずれか一項のデバイス。
[O] 最も上側のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、[A]〜[N]のいずれか一項のデバイス。
[P] 細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、[O]のデバイス。
[Q] バルブが、デバイスに機能的に連結されたアクチュエーションデバイスの助力なしに、手動で動かされる、[A]または[B]のデバイス。
[R] 連結されたアクチュエーションデバイスが、手動で作動される、[G]のデバイス。
[S] 連結されたアクチュエーションデバイスが、遠心分離の減速中に自動で作動される、[G]のデバイス。
[T] バルブが、デバイスがともに用いられる遠心分離機の一部であるアクチュエーションデバイスによって動かされる、[A]または[B]のデバイス。
[U] a.垂直方向に並んで配置された上側のチャンバおよび下側のチャンバであるところの2つのチャンバであって、上側のチャンバが上側のチャンバへの試料の注入のための流入口開口を有し、上側のチャンバと下側のチャンバとは、物理的に分離されているものの、バルブで封止されているチャネルによって連結されている2つのチャンバを含む、デバイスと;
b.遠心分離機と
を含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって迅速に分離し濃縮するシステム。
[V] デバイスがさらに、
上側のチャンバと下側のチャンバとの間の第3のチャンバであって、3つのチャンバすべてが、物理的に分離されているものの、上側のバルブおよび下側のバルブであるところのバルブで封止されたチャネルによって連結される第3のチャンバ
を含む、[U]のシステム。
[W] デバイスがさらに、
遠心分離の減速中にバルブを動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す、デバイスに機能的に連結されたアクチュエーションデバイス
を含む、[U]または[V]のシステム。
[X] アクチュエーションデバイスが、ピストンで操作を行う、[U]または[V]のシステム。
[Y] アクチュエーションデバイスが、手動または自動で操作される、[X]のシステム。
[Z] バルブが定量バルブである、[U]〜[Y]のいずれか一項のシステム。
[AA] チャネル内でバルブを動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す、[U]〜[Z]のいずれか一項のシステム。
[BB] バルブが、遠心分離の減速中または遠心分離機が停止した後で動かされる、[U]〜[AA]のいずれか一項のシステム。
[CC] 連続的に動かされる2つのバルブを含む、[U]〜[AA]のいずれか一項のシステム。
[DD] 上側のバルブが、第1の遠心分離の減速中に動かされ、下側のバルブが、後続する第2の遠心分離の減速中に動かされる、[CC]のシステム。
[EE] 遠心分離機が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機である、[U]〜[DD]のいずれか一項のシステム。
[FF] 流体試料から微粒子を遠心分離によって迅速に分離し濃縮する方法であって、
a.微粒子を含む流体試料を分離システムのデバイスの上側のチャンバに導入する工程であって、該分離システムがデバイスを含み、該デバイスが、垂直方向に並んで配置された上側のチャンバおよび下側のチャンバであるところの2つのチャンバであって、上側のチャンバが上側のチャンバへの試料の注入のための流入口開口を有し、上側のチャンバと下側のチャンバとは、物理的に分離されているものの、バルブで封止されているチャネルによって連結されている2つのチャンバを含む、工程;遠心分離機内の分離システムで遠心分離を行う工程;および、バルブを、遠心分離の減速中または遠心分離機が停止した後で動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す工程;
b.遠心分離機内で分離システムを減速させ、完全に停止させる工程;ならびに
c.分離システムの最も下側のチャンバから微粒子を収集する工程
を含む方法。
[GG] 流体試料から微粒子を遠心分離によって迅速に分離し濃縮する方法であって、
a.微粒子を含む流体試料を分離システムのデバイスの上側のチャンバに導入する工程であって、該分離システムがデバイスを含み、該デバイスが、垂直方向に並んで配置された3つのチャンバ、すなわち最も上側のチャンバ、中央のチャンバ、および最も下側のチャンバであって、最も上側のチャンバが該最も上側のチャンバへの試料の注入のための流入口開口を有し、3つのチャンバすべてが、物理的に分離されているものの、上側のバルブおよび下側のバルブであるところのバルブで封止されたチャネルによって連結されている3つのチャンバを含む、工程;および、バルブを、遠心分離の減速中または遠心分離機が停止した後で動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す工程;
b.遠心分離機内の分離システムで遠心分離を行う工程;
c.遠心分離機内で分離システムを減速させ、完全に停止させる工程;
d.遠心分離機内の分離システムで2度目の遠心分離を行う工程;
e.遠心分離機内で分離システムを減速させ、完全に停止させる工程;ならびに;
f.分離システムの最も下側のチャンバから微粒子を収集する工程
を含む方法。
[HH] デバイスが、
バルブを動かすことによって、ある体積をバルブ上側のチャンバからバルブ下側のチャンバへ通す、デバイスに機能的に連結されたアクチュエーションデバイス
を含む、[FF]または[GG]の方法。
[II] アクチュエーションデバイスが、ピストンで操作を行う、[HH]の方法。
[JJ] アクチュエーションデバイスが、手動または自動で作動される、[II]の方法。
[KK] アクチュエーションデバイスが、遠心分離機の減速中に自動で作動される、[II]の方法。
[LL] アクチュエーションデバイスが、遠心分離機の停止後に手動で作動される、[II]の方法。
[MM] バルブが、遠心分離機の停止後に、デバイスに機能的に連結されたアクチュエーションデバイスの助力なしに手動で動かされる、[FF]または[GG]の方法。
[NN] バルブが定量バルブである、[FF]〜[MM]のいずれか一項の方法。
[OO] 最も上側のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、[FF]〜[NN]のいずれか一項の方法。
[PP] 細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、[OO]の方法。
[QQ] 遠心力が100G〜5000Gの範囲にある、[FF]〜[PP]のいずれか一項の方法。
[RR] 分離システムが30秒〜30分間の範囲の時間遠心分離される、[FF]〜[QQ]のいずれか一項の方法。
[SS] 流体試料が血液試料である、[FF]〜[RR]のいずれか一項の方法。
[TT] a.覆い(209)、筐体と、
b.揺動アーム(201))と、
c.捩りバネ(202))と、
d.非可動式シャフト(203))と、
e.揺動アーム(201)上の伸縮自在ラッチ(204)と、
f.覆い(209)に搭載された可動式アクチュエータ(206)と
を含み、
揺動アーム(201)が、捩りバネ(202)に回動式に連結され、覆い(209)に搭載された非可動式シャフト(203)にも回動式に連結され、
揺動アームが、遠心分離の加速および減速中に変動する遠心力を受けて、シャフト周りに枢動可能に揺動可能であり、
シャフト(203)からの揺動アーム(201)の回動枢動により、遠心分離の加速中に捩りバネ(202)が圧縮され、
遠心分離の減速中に捩りバネ(202)からの圧縮エネルギーを解放することにより、揺動アーム(201)が回動し、
ラッチ(204)が伸縮自在であり、遠心分離の加速中に収縮し、最高の遠心分離速度が得られている間伸長し、
可動式アクチュエータ(206)が、揺動アーム(201)と並置され、減速中に揺動アームのラッチ(204)と接触し、ラッチ(204)が、最高の遠心分離速度後の減速中に伸長状態であり、
可動式アクチュエータ(206)が、減速中にラッチ(204)と接触することによって、アーム(201)の反動揺動により動かされ、
遠心分離の加速中に作動準備し、遠心分離の加速中に作動する、自動式アクチュエーションデバイス。
[UU] 可動式アクチュエータが直線動作で動かされる、[TT]の自動式アクチュエーションデバイス。
[VV] 可動式アクチュエータが回動動作で動かされる、[TT]の自動式アクチュエーションデバイス。
[WW] 直線動作が引き動作または押し動作である、[UU]の自動式アクチュエーションデバイス。
[XX] 可動式アクチュエータがバルブアクチュエータである、[TT]の自動式アクチュエーションデバイス。
[YY] バルブアクチュエータがピストンバルブアクチュエータである、[XX]の自動式アクチュエーションデバイス。
[ZZ] バルブアクチュエータが、圧縮バネまたは捩りバネを含む、[TT]〜[YY]のいずれか一項の自動式アクチュエーションデバイス。
[AAA] ピストンバルブアクチュエータが、ヘッド(205)と、軽量圧縮バネ(207)と、ピストン(208)とを含み、ヘッド(205)がピストン(208)に連結され、軽量圧縮バネ(207)がピストン(208)を格納し、ヘッド(205)が揺動アーム(201)と並置される、[TT]の自動式アクチュエーションデバイス。
[BBB] 上側の揺動アーム(201)と、下側の揺動アーム(212)と、上側のバルブアクチュエータ(206)と、下側のバルブアクチュエータ(213)とを含み、各揺動アームが伸縮自在ラッチ(204)を有し、1つの揺動アームおよびラッチが1つのバルブアクチュエータと接触し、揺動アームと対応するバルブアクチュエータとは上下の位置関係となるように垂直方向に並んで配置される、[TT]〜[AAA]のいずれか一項の自動式アクチュエーションデバイス。
[CCC] 可動式ラッチストップ(211)をさらに含み、ラッチストップ(211)が下側のバルブアクチュエータ(213)と接触する、[BBB]の自動式アクチュエーションデバイス。
[DDD] ラッチストップ解放部(210)をさらに含み、ラッチストップ解放部(210)は、一端で上側のバルブアクチュエータ(206)と接触し、他端でラッチストップ(211)と接触し、上側のバルブアクチュエータ(206)の作動によって、ラッチストップ(211)を下側のバルブアクチュエータ(213)から係合解除する、[CCC]の自動式アクチュエーションデバイス。
[EEE] a.覆い(209)、筐体と、
b.揺動アーム(201)と、
c.捩りバネ(202)と、
d.非可動式シャフト(203)と、
e.揺動アーム(201)上の伸縮自在ラッチ(204)と、
f.覆い(209)に搭載された可動式アクチュエータ(206)と
を含み、
該アクチュエータが、ヘッド(205)と、圧縮バネ(207)と、ピストン(208)とを含み、
揺動アーム(201)が、捩りバネ(202)に回動式に連結され、覆い(209)に搭載された非可動式シャフト(203)にも回動式に連結され、
揺動アームが、遠心分離の加速および減速中に変動する遠心力を受けて、シャフト周りに枢動可能に揺動可能であり、
シャフト(203)からの揺動アーム(201)の回動枢動により、遠心分離の加速中に捩りバネ(202)が圧縮され、
遠心分離の減速中に捩りバネ(202)からの圧縮エネルギーを解放することにより、揺動アーム(201)が回動し、
ラッチ(204)が伸縮自在であり、ラッチが、遠心分離の加速中に収縮し、最高の遠心分離速度が得られている間伸長し、
ヘッド(205)が、揺動アーム(201)と並置され、減速中に揺動アームのラッチ(204)と接触し、ラッチ(204)が、最高の遠心分離速度後の減速中に伸長状態であり、
軽量圧縮バネ(207)はピストン(208)を格納し、
ヘッド(205)が揺動アーム(201)と並置され、ヘッド(205)が、減速中にラッチ(204)と接触することによって、アーム(201)の反動揺動により動かされる、ピストンアクチュエーションデバイス。
[FFF] 上側の揺動アーム(201)と、下側の揺動アーム(212)と、上側のバルブアクチュエータ(206)と、下側のバルブアクチュエータ(213)とを含み、各揺動アームが伸縮自在ラッチ(204)を有し、1つの揺動アームおよびラッチが1つのバルブアクチュエータと接触し、揺動アームと対応するバルブアクチュエータとは上下の位置関係となるように垂直方向に並んで配置される、[EEE]の自動式アクチュエーションデバイス。
[GGG] 可動式ラッチストップ(211)をさらに含み、ラッチストップ(211)が下側のバルブアクチュエータ(213)と接触する、[FFF]の自動式アクチュエーションデバイス。
[HHH] ラッチストップ解放部(210)をさらに含み、ラッチストップ解放部(10)が、一端で上側のバルブアクチュエータヘッド(205)と接触し、他端でラッチストップ(211)と接触し、上側のバルブアクチュエータ(206)の作動によって、ラッチストップ(211)を下側のバルブアクチュエータ(213))から係合解除する、[GGG]の自動式アクチュエーションデバイス。
別の態様において、本発明は、以下の数字を付した項のいずれかによって定義されてもよい。
[1]
デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと;
上側の流入口を有する第2のチャンバと;
前記第1のチャンバの前記下側の流出口を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと;
前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
を備える、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離するためのデバイス。
[2]
前記第1のバルブが、第1のバルブチャンバを含み、かつ第1の位置と第2の位置との間で動くように操作可能であり、
前記第1の位置では、前記第1のバルブチャンバが前記第1のチャンバに開放され、前記第1のチャンバの前記下側の流出口から放出された前記物質を受け入れ可能であり、前記第2の位置では、前記第1のバルブチャンバが前記第2のチャンバの前記上側の流入口に開放され、前記物質を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に入れることが可能である、[1]のデバイス。
[3]
前記第1のバルブが第3の位置を含み、該第3の位置では、前記第1のチャンバの前記下側の流出口が閉鎖され、物質が遠心力を受けて前記第1のチャンバの前記下側の流出口に堆積する、[1]のデバイス。
[4]
前記第1のバルブが定量バルブである、[1]のデバイス。
[5]
前記第1のバルブが定量溝を含む、[4]のデバイス。
[6]
前記第2のチャンバが、物質を放出するための下側の流出口を有する、[1]のデバイス。
[7]
前記デバイスによって処理される流体試料を受け入れるための上側の流入口を含む第3のチャンバと;
前記第2のチャンバの前記下側の流出口を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に連結している第2のチャネルと;
前記第2のチャネルに沿って配置され、前記第2のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第2のバルブと
をさらに備える、[6]のデバイス。
[8]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、物質を収集するための収集ウェルであり、該収集ウェルが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバの前記流入口から前記流体試料を受け入れる、[1]または[7]のデバイス。
[9]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバがスライドガラスである、[8]のデバイス。
[10]
前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、[9]のデバイス。
[11]
収集ウェルを含む前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバ中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、[8]、[9]、または[10]のいずれか一項のデバイス。
[12]
前記第2のバルブが、第2のバルブチャンバを含み、かつ第1の位置と第2の位置との間で動くように操作可能であり、
前記第2のバルブの前記第1の位置では、前記第2のバルブチャンバが前記第2のチャンバに開放され、前記第2のチャンバの前記下側の流出口から放出された前記物質を受け入れ可能であり、前記第2のバルブの前記第2の位置では、前記第2のバルブチャンバが前記第3のチャンバの前記上側の流入口に開放され、前記物質を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に入れることが可能である、[7]のデバイス。
[13]
前記第2のバルブが第3の位置を含み、該第3の位置では、前記第2のチャンバの前記下側の流出口が閉鎖され、物質が遠心力を受けて前記第2のチャンバの前記下側の流出口に堆積する、[7]のデバイス。
[14]
前記第2のバルブが定量バルブである、[7]のデバイス。
[15]
前記第2のバルブが定量溝を含む、[14]のデバイス。
[16]
前記第1のチャンバが、10ナノリットルから1リットルまでの範囲にある体積を有する、[1]のデバイス。
[17]
前記第1のチャンバが、100マイクロリットルから10ミリリットルまでの範囲にある体積を有する、[1]のデバイス。
[18]
前記第1のバルブに結合されたアクチュエータスリーブをさらに備えるデバイスであって、前記第1のチャネルおよび前記第1のバルブを囲むように構成された該スリーブアクチュエータが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された第1のカムを備える、[1]のデバイス。
[19]
前記アクチュエータスリーブが、該アクチュエーションスリーブの過剰な回動を防止するように構成された少なくとも1つのストップタブをさらに備える、[18]のデバイス。
[20]
前記アクチュエータが、前記第1のカムの反対に位置する第1のストップタブをさらに備える、[18]のデバイス。
[21]
前記アクチュエータスリーブが、前記第1のチャネルの軸と交わる軸の周りを回動する、[18]のデバイス。
[22]
前記第1のバルブおよび前記第2のバルブに結合されたアクチュエータスリーブをさらに備えるデバイスであって、該スリーブアクチュエータが、前記第1のチャネル、前記第1のバルブ、前記第2のチャネル、および前記第2のバルブを囲むように構成され、該スリーブアクチュエータが、第1のカムおよび第2のカムを含み、該第1のカムが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが第1の経路に沿って回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のカムが、前記第2のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが第2の経路に沿って回動する際に前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、[7]のデバイス。
[23]
前記第1のカムおよび前記第2のカムが逆方向に向いており、該第1のカムが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが一方向に回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のカムが、前記第2のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが反対方向に回動する際に前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、[7]のデバイス。
[24]
前記アクチュエータが、該アクチュエーションデバイスの過剰な回動を防止するように構成された少なくとも1つの内部ストップタブをさらに備える、[23]のデバイス。
[25]
前記アクチュエータが、内部で前記第1のカムの反対に位置する第1の内部ストップタブをさらに備える、[24]のデバイス。
[26]
前記アクチュエータスリーブが、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルの軸と交わる軸の周りを回動する、[22]のデバイス。
[27]
前記第1のバルブに結合されたアクチュエータをさらに備えるデバイスであって、該アクチュエータが、前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能なピストンおよび慣性アームを含み、該アームが、前記ピストンに力を加え、それにより、該ピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、[1]のデバイス。
[28]
前記慣性アームを第1の位置に維持するように前記慣性アームに力を加えるバネをさらに備えるデバイスであって、前記遠心力が、前記慣性アームを第2の位置へ動かすように前記慣性アームに力を加え、前記遠心力が取り除かれると、前記慣性アームが前記第1の位置へ戻って前記ピストンに力を加え、それにより、該ピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブに接触させ、前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かす、[27]のデバイス。
[29]
前記第1のバルブおよび前記第2のバルブに結合されたアクチュエータをさらに備えるデバイスであって、該アクチュエータが、第1のピストンと、第2のピストンと、前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能な第1の慣性アームと、前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能な第2の慣性アームとを含み、該第1のアームが、前記第1のピストンに力を加え、それにより、前記第1のピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のアームが、前記第2のピストンに力を加え、それにより、前記第2のピストンを軸方向に変位させて前記第2のバルブに接触させ、前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、[7]のデバイス。
[30]
前記アクチュエータが、前記第1のピストンが軸方向に動き終わるまで、前記第2のピストンが軸方向に動くことを防止するインタロックをさらに含む、[29]のデバイス。
[31]
前記流体試料が生体試料である、[1]〜[30]のいずれか一項のデバイス。
[32]
前記流体試料が血液試料である、[1]〜[31]のいずれか一項のデバイス。
[33]
前記第1のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、[1]〜[32]のいずれか一項のデバイス。
[34]
前記細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、[1]〜[33]のいずれか一項のデバイス。
[35]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバのいずれかが、第2の流体試料または第3の流体試料を含む、[1]〜[34]のいずれか一項のデバイス。
[36]
前記第1のバルブが手動で操作される、[1]〜[18]のいずれか一項のデバイス。
[37]
前記第2のバルブが手動で操作される、[7]〜[18]のいずれか一項のデバイス。
[38]
前記遠心分離が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる、[1]〜[37]のいずれか一項のデバイス。
[39]
前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える少なくとも1つの外部アームを備える機構を備える、[38]のデバイス。
[40]
前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える第1の外部アームを動かす第1の機構と;前記第2のバルブに接触して前記第2のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第2のバルブに力を加える第2の外部アームを動かす第2の機構とをさらに備える、[39]のデバイス。
[41]
前記機構が空気シリンダである、[39]または[40]のデバイス。
[42]
デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと;
前記第1のチャンバの前記下側の流出口を収集チャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと;
前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記収集チャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
を備える、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離するためのデバイス。
[43]
収集チャンバが、前記第1のチャンバの前記流出口から物質を受け入れるために前記デバイスに隣接して位置している、[42]のデバイス。
[44]
前記収集チャンバが、前記物質を収集するための収集ウェルであり、該収集ウェルが、前記収集チャンバの前記上側の流入口から前記流体試料を受け入れる、[42]のデバイス。
[45]
前記収集チャンバがスライドガラスである、[42]のデバイス。
[46]
前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、[45]のデバイス。
[47]
前記収集チャンバが、前記収集チャンバの前記収集ウェル中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、[42]、[43]、[44]、[45]、または[46]のいずれか一項のデバイス。
[48]
マルチチャンバ分離デバイスの第1のチャンバに流体試料を入れる工程;
前記第1のチャンバ中の前記流体試料を遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料から分離して前記第1のチャンバに堆積させる工程;
前記第1のチャンバ中に堆積した前記微粒子の少なくとも一部が第2のチャンバへ流れ込むようにバルブを操作する工程;および
前記第2のチャンバ中に堆積した前記微粒子を遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料からさらに分離して前記第2のチャンバに堆積させる工程
を含む、流体試料から微粒子を分離する方法。
[49]
第1のチャネルによって第2のチャンバに連結された第1のチャンバを備えるデバイスであって、該第1のチャネルが、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で物質が流入することを防止可能な第1のバルブを含む、デバイスを提供する工程;
微粒子を含む流体試料を前記第1のチャンバに導入する工程;
前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料から分離して前記第1のチャンバの流出口付近に堆積させる工程;
前記分離した微粒子が前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ移動することが可能となるように第1のバルブを操作する工程;および
前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料からさらに分離して第2のチャンバの底部またはその付近に堆積させる工程
を含む、流体試料から微粒子を分離する方法。
[50]
前記デバイスの前記第2のチャネルが、下側の流出口を備え、前記デバイスが、第2のチャネルによって前記第2のチャンバの前記流出口に連結された第3のチャンバをさらに備え、前記第2のチャネルが、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間で物質が流入することを防止可能な第2のバルブを含む、方法であって、
前記分離した微粒子が前記第2のチャンバから前記第3のチャンバへ移動することが可能となるように第2のバルブを操作する工程;および
前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料をからさらに分離して第3のチャンバの底部またはその付近に堆積させる工程
をさらに含む、[49]の方法。
[51]
前記流体試料が生体試料である、[48]〜[51]のいずれか一項の方法。
[52]
前記流体試料が血液試料である、[48]〜[51]のいずれか一項の方法。
[53]
前記第1のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、[48]〜[52]のいずれかの方法。
[54]
前記細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、[48]〜[53]のいずれか一項の方法。
[55]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバのいずれかが、第2の流体試料または第3の流体試料を含む、[48]〜[54]のいずれか一項の方法。
[56]
前記第1のバルブが手動で操作される、[48]〜[55]のいずれか一項の方法。
[57]
前記第2のバルブが手動で操作される、[49]〜[55]のいずれか一項の方法。
[58]
前記遠心分離が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる、[49]〜[57]のいずれか一項の方法。
[59]
操作中、前記バルブが第1の位置から第2の位置へ動く、[49]〜[58]のいずれか一項の方法。
[60]
バルブを第1の位置から第2の位置へ動かす前記操作が、該バルブに係合し、かつ該バルブを操作するように適合された作動機構を提供する工程を含む、[49]〜[59]のいずれか一項の方法。
[61]
(i)デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと、
上側の流入口を有する第2のチャンバと、
前記第1のチャンバの前記下側の流出口を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと、
前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
を備えるデバイス;および
(ii)遠心分離機
を含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮するシステム。
[62]
前記第2のチャンバが下側の流出口を備え、かつ
前記デバイスが、
該デバイスによって処理される流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第3のチャンバと;
前記第2のチャンバの前記下側の流出口を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に連結している第2のチャネルと;
前記第2のチャネルに沿って配置され、前記第2のチャンバ中の物質が前記第3のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第2のバルブと
をさらに備える、[61]のシステム。
[63]
前記遠心分離機が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機である、[61]のシステム。
[64]
前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える少なくとも1つの外部アームを備える機構を備える、[63]のシステム。
[65]
前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える第1の外部アームを動かす第1の機構と;前記第2のバルブに接触して前記第2のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第2のバルブに力を加える第2の外部アームを動かす第2の機構とをさらに備える、[63]のシステム。
[66]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、物質を収集するための収集ウェルであって、該収集ウェルが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバの前記流入口から前記流体試料を受け入れる、[61]または[62]のシステム。
[67]
前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバがスライドガラスである、[61]または[62]のシステム。
[68]
前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、[67]のシステム。
[69]
収集ウェルを含む前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバ中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、[61]〜[68]のいずれか一項のシステム。
本発明を、限定と解釈すべきではない以下の実施例によってさらに説明する。本出願にわたって引用されるすべての参照文献の内容および図面は参照により本明細書に組み入れられる。
方法
プロトタイプの分離器/濃縮器デバイスの設計
プロトタイプの設計作業を、Pro/Engineer Wildfire 3.0 modeling softwareを用いてFraunhofer CMIで行った。主要な設計ゴールは、作動時に5μLを移送する定量バルブとした。2つのプロトタイプを設計し構成した。第1のものは、2つのチャンバおよび単一のバルブを有していた。この第1のプロトタイプは、主として定量バルブの再現性を示すのに用いた。第2のバルブは、3つのチャンバを有し、中央のチャンバにおいて単一の洗浄工程の組み込みを可能とするものであった。最終的なプロトタイプに対する主たる設計ゴールは、(1)プロトタイプを3つの機械加工可能な部材に区分けすること、(2)バルブとOリングとを位置合わせすること、および(3)軽量化することであった。最終的な構造を、図13に示す。
静的力の解析によるバルブアクチュエータの設計
第1のプロトタイプおよびスタンドアロンの第2のプロトタイプ(図13の左半分)は、手動のバルブ作動を必要とするものであった。試料調製プロセスを完全に自動化するため、バルブを作動させるのにアクチュエーションデバイスが必要であった。バルブアクチュエータ(図13の右半分および図12)を、遠心分離の性質を利用して設計し、機構を駆動するために付加した重力の変化を用いた。重力が付加されていない場合、アームは最も上側の位置(図示せず)にある。遠心分離の加速段階中、重力が増加し、ボールベアリングが「内方」位置にスライドする状態でアームが下方に傾斜し、アームは、ボルトを動かすことなくスライドして乗り越えることが可能となる。最大付加重力3,000Gで、アームは、最も下側の位置にスライドする(図12A)。この時、ボールベアリング(ラッチ)は、「外方」位置にスライドする。遠心分離機が減速すると、重力が減少し、ボールベアリングがボルトを支持している状態で、アームを持ち上げることが可能となる。その結果、ボルトが、プロトタイプ中で前方に押され、あるチャンバから次のチャンバへバルブを動かす(図12B)。
5μLバルブのアクチュエータの、機械による静的力の解析についての一次方程式を、以下に示す。式に組み込まれた条件は、摩擦係数およびバネ定数に基づいた適切な捩りバネおよびデバイスの材料である。ボルトおよびバルブアクチュエータのアームに用いられる最適な質量の材料は、力式により決定される。これらの式は、バルブの機械システムをモデル化したものであり、必要とするバルブ力を決定することによって、バルブを作動させるのに生成されなくてはならない必要なトルクが決定される。
バルブ作動の2つの重要な局面を考慮し、それぞれの場合の自由体図を示して説明する。2つの重要な局面は、加速動作および減速動作である。対応する静的力の解析の図を、下に示す。重力が増加すると、アームは最も上側の力のかからない位置から低い位置へとスライドする。バネ付きベアリングは、アームが下方にスライドすると圧縮されるように設計されているが、減速段階中は伸長し、バルブを前方に押してバルブを作動させる。バルブ力は、アイフックをバルブ内にネジで取り付けて、バルブを動かすのに必要な力をバネばかりを用いて測定することによって得られた。この力はおよそ5ポンドであり、分析において考慮された。考慮された力は、重力、重量、捩りバネ力、および摩擦である。
変数の定義
Xb=バネボルト変位
=Lsinθ-Lrelaxed(式中、Lrelaxed=0.0005in)
kt=捩りバネ定数
kb=ボルトバネ定数
Fv=バルブ力
G=重力
Lcg=アームの重心への長さ
μ=摩擦係数
θ=垂直軸からアームへの角度
a=220-θ
加速G ― アームの下方への揺動(式1)
Figure 2012525257
減速G ― アームの上方への揺動、バルブ作動(式2)
Figure 2012525257
プロトタイプ試験
1バルブプロトタイプ
分離手順の自動化を試験するため、プロトタイプを設計し構成した。図1に示す元のプロトタイプは、2つのチャンバを隔てる単一のバルブのみを有し、主としてバルブ構造を試験し細菌移送の効力を評価するのに用いた。
定量バルブ移送体積の再現性
図5に示すバルブ構造を、まず5μLを移送するように設計した。図5において、3つの広い溝を、Oリングで埋め、狭い溝を上側のチャンバのアウトプットにあわせて配置している。10mLの試料を、まず上側のチャンバに投入する。遠心分離後、バルブの作動によって、狭い溝を、下側のチャンバの流入口にあわせて配置されるまでスライドさせる。バルブによって移送される液体の体積を測定した60を超える一連のデータを、バルブ作動前後の収集カップの重量を比較することにより収集した。観察された重量が、移送された体積によるものとなるように、各トライアル前に下側のチャンバに対して風袋を差し引いた。水密度1.00g/cm3として、重量の変化を体積に変換した。
細菌回収率:概略的な手順
バルブの再現性が十分に示された後、1バルブプロトタイプを広く用いて、様々な実験条件下での最も下側のチャンバの細菌回収率を調べた。概略的な手順における第1の工程は、デバイス、バルブ、および収集カップの70%エタノールを用いた完全洗浄であった。全血の使用を含むトライアルに際し、プロトタイプを、10%漂白剤をも用いて洗浄した。スクラッチ防止のためにKimwipesおよびQ-tipsを用いた完全乾燥後、3つのOリングを、バルブに再び載置した。次いで、溝が上側のチャンバの流出口開口部から見えるように、バルブを挿入した。分析に供する残りの量に対して風袋を差し引いた後、下側のチャンバを、デバイスの底部にネジで取り付けた。次いで、主たる(最も上側の)チャンバを、試験しようとする10mLの溶液で充填した。次いで、デバイスを、3000rcfで遠心分離した。次いで、デバイス表面と同一平面にくるまでバルブを押すことによって、バルブを作動した。バルブ作動後、第2の遠心分離工程を行った。次いで、収集カップ中に収集した試料の重量を計測し、移送された体積を得た。最終的に、得られたものすべてをLB寒天に載置して、37℃で一晩インキュベートし、翌日にコロニー数を計測した。
各実験を2度または3度行った。各実験の陽性対照として、適切な細菌株を用いた。さらに、細菌を用いたトライアル間に10mLの水での洗浄工程を行い、陰性対照とした。各条件に対する回収百分率を、陽性対照に示されるように、実際の回収率と予測される回収率とを比較することで計算した。
細菌回収率:遠心分離時間
第1の実験は、細菌回収のための遠心分離時間を変化させた効果を明らかにする目的のものであった。10mLの滅菌水を、大腸菌の濃縮物1E3 cfu/mLに入れ(10 mL中、総cfu:1E4)、両方の遠心分離工程(バルブ作動の前および後)について、2分間、5分間、および10分間の遠心分離時間で試験した。
細菌回収率:溶解液を用いた水、血清、および血液中の1E3 cfu/mLの大腸菌
遠心分離の長さが細菌回収百分率にほとんど影響を与えないということが分かった後、異なる溶液からの細菌回収率を調べた。この一連の実験中、大腸菌を入れた溶液を多様にした。細菌回収率の実験は、10mLの滅菌水、5mLの滅菌水と5mLの血液血清、および5mLの全血と5mLの0.8% Na2CO3/0.05% TRITON X-100溶解液を用いて行った。すべてのトライアルで、3,000rcfで5分間の遠心分離を選択した。
血清実験は、側壁への細菌の消失を軽減させる目的で行った。また、血清は、赤血球を除去するための溶解液の使用を必要としないが全血に類似している。
細菌回収率:Pluronic処理
上記実験での回収率が満足の得られないものであったため、遠心分離プロセス中に細菌が側壁に吸着されて消失することを防止する方法の探索が動機付けられた。この問題に対応する解決法として、0.5g/L Pluronic溶液中15分間の超音波処理でプロトタイプを前処理する方法がある。ポリエチレンオキシドの親水性ポリマーであるPluronicは、シリコーンゴムおよび他のプラスチック等の合成物質への細菌の付着を阻害することが報告されている。Pluronicは、側壁に付着した細胞を剥ぎ取るのに必要とする応力を低下させるため、細胞培養培地に関係する生物学的用途で一般的に用いられている。プロトタイプをPluronic中で処理することにより、細菌回収率が向上すると予測される。
Pluronicプロトコルは、10分間の超音波処理、次いで5分間の0.5g/L Pluronic溶液中の液浸を、プロトタイプの洗浄と細菌試料の投入との間に含む。水、水と血清、および血液と溶解液中の1E3 cfu/mLの大腸菌の上記実験を、Pluronic処理を用いて再度行なった。
特に水と血清の条件に関して大幅に向上した回収率の結果に基づいて、第2の一連の実験を、血液と溶解液を用いて行った。溶解液に対する血液の割合は、溶解液の高濃度によってもたらされるショックを軽減することにより、細菌回収率の向上を期待して変更される。試験された血液の溶解液に対する割合は1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、9:1、10:1であった。
すべてのトライアルで、3,000rcfで5分間の遠心分離を用いた。
細菌回収率:1E2 cfu/mLの大腸菌
1E3 cfu/mLの細菌に対する向上した細菌回収率によって、1E2 cfu/mLの大腸菌で開始した場合の細菌回収率の研究が動機付けられた。これらの実験は、より低い濃度からでさえも細菌を効果的に回収できるプロトタイプを確立することを意図するものであった。
水、水と血清、および血液と溶解液(1:1)を用いた実験を、濃度1E2 cfu/mL(10mL中、総cfu:1E3)の大腸菌を用いて再度行なった。前回と同様に、試料は、バルブ作動の前および後の両方で、3,000rcfで5分間遠心分離した。
2バルブプロトタイプ試験
アウトプット体積の再現性
新規のプロトタイプの設計および作製に従い、上記1バルブプロトタイプと同様にアウトプット体積再現性を試験した。本プロトタイプの追加の特徴の1つは、手順中に洗浄工程を組み入れることを可能にする第3のチャンバの存在である。最終的な構造を、参考として図12に示す。最も上側のチャンバに試料を投入した。3,000rcfで5分間の遠心分離に次いで、上側のバルブを作動させ、第2の遠心分離サイクル中に少量を中央のチャンバに移送した。次いで、下側のバルブを作動させ、第3の遠心分離サイクル中に少量を最も下側のチャンバに移送した。最も下側のチャンバに収集された試料の体積を、微量ピペットを用いて5μLずつ引き出すことによって定量化した。この実験は、デバイスによって排出される体積の再現性を明らかにするために、10回を超えるトライアルを繰り返した。
1E2 cfu/mL大腸菌からの細菌回収率
元のプロトタイプに対する細菌回収率の実験と同様に実験を行って、デバイスからの培養可能な細菌の回収率を評価した。1E2 cfu/mLの大腸菌を用いて適度な回収率を示した1バルブプロトタイプを用いた実験に基づき、新規のプロトタイプを用いた実験に対しても同じ濃度を選択した。2バルブプロトタイプの操作は、軽微な相違点がいくつかあるものの、1バルブプロトタイプと非常に類似していた。まず、中央のチャンバを0.5mLの滅菌水で充填して、細菌が中央のチャンバを通って移送されると洗浄工程が行われるようにする。次いで、第2のバルブ作動工程および第3の遠心分離工程が行われ、試料が最も下側のチャンバまで移送される。これらトライアルのそれぞれにおいて、同一のPluronic処理をプロトタイプに適用した。これは、該処理が、1バルブプロトタイプ試験中に細菌回収率を向上させると証明されているためである。
水-血清混合物からの細菌回収率および血液-溶解液の1:1混合物からの細菌回収率を、それぞれ少なくとも3回のトライアルにより測定した。水-血清混合物は、5mLの水と5mLの血清であり、血液-溶解液混合物は、1mLの血液と5mLの0.8% Na2CO3 / 0.05% TRITON X-100溶液である。得られたものすべてをLB上に載置して、37℃で一晩インキュベートし、翌日にコロニー数を計測することによって、回収率を評価した。
SERSによるデバイスアウトプット適合性の実験
最終的な概念実証実験は、プロトタイプからの細菌アウトプットが、SERSを用いて画像化される場合に意味のあるスペクトルを生み出すことを確認するためのものであった。試験された細菌は、培地で増殖させた。実験当日、一晩経過した培地を用いて、6時間の培養を開始する。6時間後、遠心分離を行い、上澄みを別の容器に移し、2mLのMILLIPORE(商標)水に再懸濁することによって、2mLの細菌を抽出し5回洗浄する。洗浄後、細菌試料を、1mLアリコット2つに分割した。1つのアリコットを、基準スペクトルを生成させる対照として用いた。もう1つのアリコットを、9mLの水と混合し、Pluronic処理を行った1バルブプロトタイプで処理した。収集したアウトプットを、1mLの水に再懸濁し、SERSスペクトルを生成するのに用いた。
結果
プロトタイプ設計
プロトタイプ設計の概略的な構成要素を、図7に示す。最も上側のチャンバは、11mLの液体を受け入れるように設計され、この場合、10mLの血液と1mLの溶解液とを混合する。最も高い細菌回収率および血液細胞溶解が得られることが分かっている1:1、2:1、および9:1等の血液と溶解液の様々な割合が使用可能である。ある体積(例えば、1mL)の溶解液を、このチャンバに入れる。次いで、血液をこのチャンバに添加し、混合し、遠心分離する。後述する固定バルブアクチュエータシステムによって作動される第1のバルブを、細菌ペレットを含む少量の血液(およそ15μL)が通過して、中央のチャンバへ向かい、MILLIPORE(商標)濾過水で洗浄される。中央のチャンバは、ある体積(例えば、100μL)の水を最初から含んでいる。この遠心分離プロセスを、最も下側のチャンバで最終体積100μLが得られるまで2度行う。最も下側のチャンバの側部から出ている丸い突起は、最終的な物質をSERSのために抽出可能な、膜で覆われた開口部を収容している。
設計の改良
図13に示す初期構造は例示であり、分離したい流体および単離し濃縮しようとする微粒子物質によっては、必要に応じて他の構成を容易に適用可能である。図13の態様を、2つの方法で改良した。まず、連結バルブの軸に沿って、1つのチャンバのアウトプット軸が次のチャンバのインプット軸からちょうど0.400インチとなるように、チャンバの位置合わせを調整した(図6および図7、最も上側のチャンバと中央のチャンバとを連結するバルブを示す)。これにしたがって、チャンバ間の距離0.400インチが収まるように、バルブ(図5および図6参照)を再設計した。示されたバルブ構造は、5μLを収容できるが、100μLまでの流体を収容するようにバルブ幅(図7の最も上側のチャンバのアウトプット下にその中心が位置する)を調整可能である。他の大きさの体積も、容易に調整可能である。図7を注意深く調べると、チャンバのアウトプットからデバイスの左面までの距離が2つのバルブ間で異なっていることが分かる。両方のバルブを同一のバルブアクチュエーションデバイスに対応可能とするため、バルブの第2のコピーは、中央のチャンバのアウトプットを受け入れるように位置あわせされる場合に左面と同一平面となるように、より長いアームを伴って作製された。
第2の改良を、図6Aに示す。黒い点線は、チャンバへ傾斜して入る元の回転表面を示す。この構造を用いた予備実験では、ペレットがチャンバへ垂直方向に落下せず、傾斜した壁に吸着されていることが示され、細菌消失の可能性が示された。したがって、中央のチャンバおよび最も下側のチャンバの両方は、細菌ペレットが直接チャンバの底部に落下するように、平坦な入り口を有するよう設計された。
機械加工可能な3つの部分からなるプロトタイプへの区分け
射出成形は、一体型の使い捨て分離デバイスを作製する可能な方法の1つである。しかしながら、金型の製造は高価であり、プロトタイプ作製には適切ではない。この問題を避けるために、4つの長ボルトで各角で相互に締めつけ固着される3つの機械加工可能な部材を製造するように、構造を通じて2つの部分(cut)を生成した。これによって、試験用プロトタイプのインハウス作製が可能となった。部分は、チャンバが直接機械加工可能となるように、中央のチャンバおよび最も下側のチャンバを通るよう選択した。3つの部分の模式図を、添付の図8に示す。3つの部分を相互に組み付けるために、締め具の余地を作るよう4つの孔が追加されている。最も下側の部分はカウンタボア貫通穴を含み、中央の部分な貫通穴を含み、最も上側の部分はねじ山を含む(図9)。
スイングバケット挿入の最終的な設計は、以前の設計の主な構成要素を保持している。すなわち、3つのチャンバが、4つのボルトで結合される3つの機械加工可能な部材に切り分けられている。この設計における主な変更は、軽量化に焦点を合わせた点であった。最も上側の区分は、各角から大きな体積を切り取られ、デバイスの軽量化を達成すると同時により短いボルトの使用を可能とする。さらに、より大きい水平の孔を構造に追加し、さらなる軽量化を図った。最終的な修正は、偶発的にこぼれることを防止するために最も上側のチャンバに蓋を追加したことであった。図3および図9は、最終的に組み付けられた3つの部分からなるデバイスを示す。
静的力の解析によるバルブアクチュエータの設計
バルブアクチュエータの静的力の解析のために得られた式(方法の項を参照)を、Microsoft Excelにプロットして、捩りバネ定数の可能な値の範囲を得た。重量、摩擦係数、およびバネ定数の物質値を、上記式に代入した。これらは、必要に応じて、作動プロセスを最適化するために変化させた。捩りバネ定数は、バルブを作動させるのに重要な要素であり、捩りバネ定数対角度を、添付の図18に示す。ProEngineerでの設計作業により、ボールベアリングがボルトをどけて作動を開始させるために、アームが垂直軸から6°以下の角度で傾斜していなければならないことが分かる。次いで、アームは、少なくとも60°に上昇しなければならず、作動を開始させるために、捩れ力がバルブ力と少なくとも等しくならなければならない。
添付の図18Aに示す加速の場合のグラフから、捩りバネ定数ktの最小値0.0318in-lbf/degを得た。この捩りバネ定数の値は、要求されるトルク4.89in-lbfを実現するのに必要である。減速の場合のグラフから、ktの最大値0.0407in-lbf/degを得た(図18B)。これによって、トルク3.97in-lbfが実現される。捩りバネは、バネ定数が0.0318〜0.0407in-lbf/degの範囲となる状態で選択した。
1バルブプロトタイプにおける定量バルブ移送体積の再現性
60回を超えるトライアルが示され、移送体積は一貫して13μL前後であった(図19)。バルブ上の溝は5μLのみに設計されたものであるため、この結果は予想外であった。Oリング溝の追加の空間が、移送された体積に寄与しており、余分の8μLはこの溝によるものであったと判明した(図5参照)。この知見を2バルブプロトタイプ用バルブの構造に適用し、5μLの体積移送を実現するために、バルブに溝をなくし、Oリングの流体移送に依存するようにした。
細菌回収率:遠心分離時間
図20に示すデータは、遠心分離時間が細菌回収率に与える影響を示す。3つのうち5分間の条件が最も高い回収率を示したが、水中の細菌回収率は、全体的に低かった(1%を下回る)。この実験は、5分間の遠心分離は適切であるが、有意な細菌消失を生じさせる他の要素が存在していることを示す。プロトタイプの側面に細菌が消失されているか否かを試験するため、Pluronic処理を用いて後続する実験を行った。
この結果は、遠心分離時間が細菌回収率において有意な要素でないことを示す。したがって、遠心分離時間は、必要であれば、溶解時間等の他の時間制約を許容するために変更されてもよい。しかし、標準的な条件として、すべての後続する実験に対して5分間の遠心分離が選択される。
細菌回収率:水、水と血清、および血液と溶解液を用いたPluronic処理
図21は、0.5g/Lおよび1g/Lの両方のPluronic溶液の超音波処理が非常に類似した結果を生じたことを示す。Pluronic処理を行った水からの回収率は、Pluronicなしの水からの回収率のおよそ10倍高かった。Pluronic処理が血清条件と結び付けられた場合、回収率における有意な向上が観察された。Pluronic処理なしの同様の実験と比較して、水と血清の条件および血液と溶解液の条件の両方で、回収率に10〜20倍の向上が観察された。
これらの結果に基づいて、以下の実験には、0.5g/LのPluronicを用いた処理を選択した。
細菌回収率:1E2 cfu/mLの大腸菌
図22は、1バルブプロトタイプを用いた場合の1E3 cfu/mLから1E2 cfu/mLへの大腸菌濃度の低下の結果を示す。血清条件および血液と溶解液の条件両方の回収百分率は、およそ2倍低下した。両方の条件で回収百分率が同様の結果になると予想されていたため、この結果は驚きであった。それにもかかわらず、1E2 cfu/mLを用いて適度な細菌総回収率が得られ、この実験により、1バルブプロトタイプの容積が、少数の細菌を移送することが示された。
2バルブプロトタイプに対する定量バルブ移送体積の再現性
図23は、2バルブプロトタイプに対するアウトプット体積の分布ヒストグラムである。1バルブプロトタイプに対する再現性実験と同様に、アウトプット体積は、一貫して狭い範囲にあることが分かった。しかしながらもなお、得られた体積は、予想よりも大きかった。溝なしバルブは、平均10μLを移送した。この結果は、バルブによって移送される体積をより正確に制御可能にするためにOリング溝にさらなる改良がくわえられることを示していた。
1E2 cfu/mLの大腸菌からの細菌回収率
1バルブプロトタイプ(元のプロトタイプ)を用いて行った同様の実験と比較した、2バルブプロトタイプを用いた場合の1E2cfu/mLの大腸菌の回収百分率を、図24に示す。示されたデータは、Pluronic処理を行った場合のプロトタイプからの回収率である。元のプロトタイプからの細菌回収率と比較して、2バルブプロトタイプから得られた回収百分率は、血清条件ではおよそ4倍低いが、血液と溶解液の条件ではわずかに上昇した。この向上した回収率は、2バルブプロトタイプの洗浄工程に帰されるものであろう。
SERSによるデバイスアウトプット適合性の実験
図25は、同一の細菌の対照スペクトル(トップトレース)と比較した、1バルブプロトタイプ(ボトムトレース)を用いて処理された細菌のSERSスペクトルを示す。大腸菌についての重要な同定ピークは、およそ300cm-1および725cm-1において確認可能であったが、振幅は非常に低かった。この結果は、処理された細菌が培養可能信号を生成可能であることを示している。

Claims (69)

  1. デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと;
    上側の流入口を有する第2のチャンバと;
    前記第1のチャンバの前記下側の流出口を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと;
    前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
    を備える、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離するためのデバイス。
  2. 前記第1のバルブが、第1のバルブチャンバを含み、かつ第1の位置と第2の位置との間で動くように操作可能であり、
    前記第1の位置では、前記第1のバルブチャンバが前記第1のチャンバに開放され、前記第1のチャンバの前記下側の流出口から放出された前記物質を受け入れ可能であり、前記第2の位置では、前記第1のバルブチャンバが前記第2のチャンバの前記上側の流入口に開放され、前記物質を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に入れることが可能である、請求項1記載のデバイス。
  3. 前記第1のバルブが第3の位置を含み、該第3の位置では、前記第1のチャンバの前記下側の流出口が閉鎖され、物質が遠心力を受けて前記第1のチャンバの前記下側の流出口に堆積する、請求項1記載のデバイス。
  4. 前記第1のバルブが定量バルブである、請求項1記載のデバイス。
  5. 前記第1のバルブが定量溝を含む、請求項4記載のデバイス。
  6. 前記第2のチャンバが、物質を放出するための下側の流出口を有する、請求項1記載のデバイス。
  7. 前記デバイスによって処理される流体試料を受け入れるための上側の流入口を含む第3のチャンバと;
    前記第2のチャンバの前記下側の流出口を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に連結している第2のチャネルと;
    前記第2のチャネルに沿って配置され、前記第2のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第2のバルブと
    をさらに備える、請求項6記載のデバイス。
  8. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、物質を収集するための収集ウェルであり、該収集ウェルが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバの前記流入口から前記流体試料を受け入れる、請求項1または7記載のデバイス。
  9. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバがスライドガラスである、請求項8記載のデバイス。
  10. 前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、請求項9記載のデバイス。
  11. 収集ウェルを含む前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバ中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、請求項8、9、または10のいずれか一項記載のデバイス。
  12. 前記第2のバルブが、第2のバルブチャンバを含み、かつ第1の位置と第2の位置との間で動くように操作可能であり、
    前記第2のバルブの前記第1の位置では、前記第2のバルブチャンバが前記第2のチャンバに開放され、前記第2のチャンバの前記下側の流出口から放出された前記物質を受け入れ可能であり、前記第2のバルブの前記第2の位置では、前記第2のバルブチャンバが前記第3のチャンバの前記上側の流入口に開放され、前記物質を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に入れることが可能である、請求項7記載のデバイス。
  13. 前記第2のバルブが第3の位置を含み、該第3の位置では、前記第2のチャンバの前記下側の流出口が閉鎖され、物質が遠心力を受けて前記第2のチャンバの前記下側の流出口に堆積する、請求項7記載のデバイス。
  14. 前記第2のバルブが定量バルブである、請求項7記載のデバイス。
  15. 前記第2のバルブが定量溝を含む、請求項14記載のデバイス。
  16. 前記第1のチャンバが、10ナノリットルから1リットルまでの範囲にある体積を有する、請求項1記載のデバイス。
  17. 前記第1のチャンバが、100マイクロリットルから10ミリリットルまでの範囲にある体積を有する、請求項1記載のデバイス。
  18. 前記第1のバルブに結合されたアクチュエータスリーブをさらに備えるデバイスであって、前記第1のチャネルおよび前記第1のバルブを囲むように構成された該スリーブアクチュエータが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された第1のカムを備える、請求項1記載のデバイス。
  19. 前記アクチュエータスリーブが、該アクチュエーションスリーブの過剰な回動を防止するように構成された少なくとも1つのストップタブをさらに備える、請求項18記載のデバイス。
  20. 前記アクチュエータが、前記第1のカムの反対に位置する第1のストップタブをさらに備える、請求項18記載のデバイス。
  21. 前記アクチュエータスリーブが、前記第1のチャネルの軸と交わる軸の周りを回動する、請求項18記載のデバイス。
  22. 前記第1のバルブおよび前記第2のバルブに結合されたアクチュエータスリーブをさらに備えるデバイスであって、該スリーブアクチュエータが、前記第1のチャネル、前記第1のバルブ、前記第2のチャネル、および前記第2のバルブを囲むように構成され、該スリーブアクチュエータが、第1のカムおよび第2のカムを含み、該第1のカムが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが第1の経路に沿って回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のカムが、前記第2のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが第2の経路に沿って回動する際に前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、請求項7記載のデバイス。
  23. 前記第1のカムおよび前記第2のカムが逆方向に向いており、該第1のカムが、前記第1のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが一方向に回動する際に前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のカムが、前記第2のバルブに接触し、かつ前記スリーブアクチュエータが反対方向に回動する際に前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、請求項7記載のデバイス。
  24. 前記アクチュエータが、該アクチュエーションデバイスの過剰な回動を防止するように構成された少なくとも1つの内部ストップタブをさらに備える、請求項23記載のデバイス。
  25. 前記アクチュエータが、内部で前記第1のカムの反対に位置する第1の内部ストップタブをさらに備える、請求項124記載のデバイス。
  26. 前記アクチュエータスリーブが、前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルの軸と交わる軸の周りを回動する、請求項22記載のデバイス。
  27. 前記第1のバルブに結合されたアクチュエータをさらに備えるデバイスであって、該アクチュエータが、ピストンと前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能な慣性アームとを含み、該アームが、前記ピストンに力を加え、それにより、該ピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、請求項1記載のデバイス。
  28. 前記慣性アームを第1の位置に維持するように前記慣性アームに力を加えるバネをさらに備えるデバイスであって、前記遠心力が、前記慣性アームを第2の位置へ動かすように前記慣性アームに力を加え、前記遠心力が取り除かれると、前記慣性アームが前記第1の位置へ戻って前記ピストンに力を加え、それにより、該ピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブに接触させ、前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かす、請求項27記載のデバイス。
  29. 前記第1のバルブおよび前記第2のバルブに結合されたアクチュエータをさらに備えるデバイスであって、該アクチュエータが、第1のピストンと、第2のピストンと、前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能な第1の慣性アームと、前記デバイスに加えられた遠心力を受けてシャフトの周りを動くことが可能な第2の慣性アームとを含み、該第1のアームが、前記第1のピストンに力を加え、それにより、前記第1のピストンを軸方向に変位させて前記第1のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合され、該第2のアームが、前記第2のピストンに力を加え、それにより、前記第2のピストンを軸方向に変位させて前記第2のバルブに接触させ、前記第2のバルブを前記第1の位置から前記第2の位置へ動かすように適合された、請求項7記載のデバイス。
  30. 前記アクチュエータが、前記第1のピストンが軸方向に動き終わるまで、前記第2のピストンが軸方向に動くことを防止するインタロックをさらに含む、請求項29記載のデバイス。
  31. 前記流体試料が生体試料である、請求項1〜30のいずれか一項記載のデバイス。
  32. 前記流体試料が血液試料である、請求項1〜31のいずれか一項記載のデバイス。
  33. 前記第1のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、請求項1〜32のいずれか一項記載のデバイス。
  34. 前記細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、請求項1〜33のいずれか一項記載のデバイス。
  35. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバのいずれかが、第2の流体試料または第3の流体試料を含む、請求項1〜34のいずれか一項記載のデバイス。
  36. 前記第1のバルブが手動で操作される、請求項1〜18のいずれか一項記載のデバイス。
  37. 前記第2のバルブが手動で操作される、請求項7〜18のいずれか一項記載のデバイス。
  38. 前記遠心分離が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる、請求項1〜37のいずれか一項記載のデバイス。
  39. 前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える少なくとも1つの外部アームを備える機構を備える、請求項38記載のデバイス。
  40. 前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える第1の外部アームを動かす第1の機構と;前記第2のバルブに接触して前記第2のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第2のバルブに力を加える第2の外部アームを動かす第2の機構とをさらに備える、請求項39記載のデバイス。
  41. 前記機構が空気シリンダである、請求項39または40記載のデバイス。
  42. デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと;
    前記第1のチャンバの前記下側の流出口を収集チャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと;
    前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記収集チャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
    を備える、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離するためのデバイス。
  43. 収集チャンバが、前記第1のチャンバの前記流出口から物質を受け入れるために前記デバイスに隣接して位置している、請求項42記載のデバイス。
  44. 前記収集チャンバが、前記物質を収集するための収集ウェルであり、該収集ウェルが、前記収集チャンバの前記上側の流入口から前記流体試料を受け入れる、請求項42記載のデバイス。
  45. 前記収集チャンバがスライドガラスである、請求項42記載のデバイス。
  46. 前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、請求項45記載のデバイス。
  47. 前記収集チャンバが、前記収集チャンバの前記収集ウェル中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、請求項42、43、44、45、または46のいずれか一項記載のデバイス。
  48. マルチチャンバ分離デバイスの第1のチャンバに流体試料を入れる工程;
    前記第1のチャンバ中の前記流体試料を遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料から分離して前記第1のチャンバに堆積させる工程;
    前記第1のチャンバ中に堆積した前記微粒子の少なくとも一部が第2のチャンバへ流れ込むようにバルブを操作する工程;および
    前記第2のチャンバ中に堆積した前記微粒子を遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料からさらに分離して前記第2のチャンバに堆積させる工程
    を含む、流体試料から微粒子を分離する方法。
  49. 第1のチャネルによって第2のチャンバに連結された第1のチャンバを備えるデバイスであって、該第1のチャネルが、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間で物質が流入することを防止可能な第1のバルブを含む、デバイスを提供する工程;
    微粒子を含む流体試料を前記第1のチャンバに導入する工程;
    前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料から分離して前記第1のチャンバの流出口付近に堆積させる工程;
    前記分離した微粒子が前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ移動することが可能となるように第1のバルブを操作する工程;および
    前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料からさらに分離して第2のチャンバの底部またはその付近に堆積させる工程
    を含む、流体試料から微粒子を分離する方法。
  50. 前記デバイスの前記第2のチャネルが、下側の流出口を備え、前記デバイスが、第2のチャネルによって前記第2のチャンバの前記流出口に連結された第3のチャンバをさらに備え、前記第2のチャネルが、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバとの間で物質が流入することを防止可能な第2のバルブを含む、方法であって、
    前記分離した微粒子が前記第2のチャンバから前記第3のチャンバへ移動することが可能となるように第2のバルブを操作する工程;および
    前記デバイスを所定の時間遠心分離することにより、前記微粒子を前記流体試料をからさらに分離して第3のチャンバの底部またはその付近に堆積させる工程
    をさらに含む、請求項49記載の方法。
  51. 前記流体試料が生体試料である、請求項48〜51のいずれか一項記載の方法。
  52. 前記流体試料が血液試料である、請求項48〜51のいずれか一項記載の方法。
  53. 前記第1のチャンバが細胞溶解緩衝液を含む、請求項48〜52のいずれか一項記載の方法。
  54. 前記細胞溶解緩衝液が血液細胞を溶解させる、請求項48〜53のいずれか一項記載の方法。
  55. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバのいずれかが、第2の流体試料または第3の流体試料を含む、請求項48〜54のいずれか一項記載の方法。
  56. 前記第1のバルブが手動で操作される、請求項48〜55のいずれか一項記載の方法。
  57. 前記第2のバルブが手動で操作される、請求項49〜55のいずれか一項記載の方法。
  58. 前記遠心分離が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機で行われる、請求項49〜57のいずれか一項記載の方法。
  59. 操作中、前記バルブが第1の位置から第2の位置へ動く、請求項49〜58のいずれか一項記載の方法。
  60. バルブを第1の位置から第2の位置へ動かす前記操作が、該バルブに係合し、かつ該バルブを操作するように適合された作動機構を提供する工程を含む、請求項49〜59のいずれか一項記載の方法。
  61. (i)デバイスによって処理される第1の流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第1のチャンバと、
    上側の流入口を有する第2のチャンバと、
    前記第1のチャンバの前記下側の流出口を前記第2のチャンバの前記上側の流入口に連結している第1のチャネルと、
    前記第1のチャネルに沿って配置され、前記第1のチャンバ中の物質が前記第2のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第1のバルブと
    を備えるデバイス;および
    (ii)遠心分離機
    を含む、流体試料から微粒子を遠心分離によって分離し濃縮するシステム。
  62. 前記第2のチャンバが下側の流出口を備え、かつ
    前記デバイスが、
    該デバイスによって処理される流体試料を受け入れるための上側の流入口と物質を放出するための下側の流出口とを含む第3のチャンバと;
    前記第2のチャンバの前記下側の流出口を前記第3のチャンバの前記上側の流入口に連結している第2のチャネルと;
    前記第2のチャネルに沿って配置され、前記第2のチャンバ中の物質が前記第3のチャンバへ流入することを防止する封止を形成する第2のバルブと
    をさらに備える、請求項61記載のシステム。
  63. 前記遠心分離機が、固定角、スイングバケット、または特注の遠心分離機である、請求項61記載のシステム。
  64. 前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える少なくとも1つの外部アームを備える機構を備える、請求項63記載のシステム。
  65. 前記特注の遠心分離機が、前記第1のバルブに接触して前記第1のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第1のバルブに力を加える第1の外部アームを動かす第1の機構と;前記第2のバルブに接触して前記第2のバルブを第1の位置から第2の位置へ動かすように前記第2のバルブに力を加える第2の外部アームを動かす第2の機構とをさらに備える、請求項63記載のシステム。
  66. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、物質を収集するための収集ウェルであって、該収集ウェルが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバの前記流入口から前記流体試料を受け入れる、請求項61または62記載のシステム。
  67. 前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバがスライドガラスである、請求項61または62記載のシステム。
  68. 前記スライドガラスが顕微鏡用スライドガラスである、請求項67記載のシステム。
  69. 収集ウェルを含む前記第2のチャンバまたは前記第3のチャンバが、該第2のチャンバまたは該第3のチャンバ中の前記試料の分析のために前記デバイスから取り外し可能である、請求項61〜68のいずれか一項記載のシステム。
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