JP2012522902A - 織物地及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】織物スノーチェーンに用いられる非常に耐摩耗性の強い織物面構造材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】上部織物層(O)と下部織物層(U)とを有し、縦糸(K)と第1及び第2の横糸を含み、さらにキャリアフィラメント(FF)と第2の横糸としてキャリアフィラメントに絡む巻き絡みフィラメント(UF)を含む織物地素材であって、該キャリアフィラメント(FF)が、該織物面構造材の中で、実質的に縦糸方向に平行な第1の幅部位(I、複数)の上部織物層(O)の表面に現われ、実質的に縦糸方向に平行な第2の幅部位(II、複数)の上部織物層(O)の表面には現われない、ことを特徴とする、織物面構造材。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャリアフィラメントと、そのキャリアフィラメントを絡み包む巻き絡みフィラメントとを含む上部織物層と下部織物層とを有する織物面構造材(Flaechengebilde)に関する。本発明はまた、その製造方法に関する。
ドイツ特許出願102007036855A1(RUD)には、氷結道や雪道を走る自動車をよりよく牽引するための、自動車用スノーチェーンの形態をとる滑り止め装置が開示されている。トレッドベルトは、車輪のトレッドベルトを有しタイヤトレッド(路面と接するタイヤ走行面、Laufflaeche)から遠い側を指向するスノーチェーンの氷側/外側の全幅員に亘って、キャリアフィラメントとしての強固な複数(多数)のモノフィラメント(単繊維)に好ましくは(包み絡みフィラメントを構成する)スチールワイヤを絡ませた構成である。
102007036855A1
上述のスノーチェーンの欠点は、乾いた路面と、部分的な氷雪面とが混在する道を走行するとすぐに磨耗してしまうことである。実際、乾いた路面をほんの短距離でも走行したあとは、キャリアフィラメントは、縦糸部がトレッドからはずれて幅全体に亘り破壊されてしまう。そして巻き絡みフィラメント(好ましくはスチール製)がそれを保持する縦糸に噛みこんでしまい、縦糸が幅全体に亘り緩んではずれてしまい、スノーチェーンとしての正常な機能が失われる。
本発明は、従来技術の欠点を解消するか、少なくとも大きく改善する織物面構造材(ないしウェブ構造材)及びその製造方法を提供することを目的とする。
この目的は、まず第1に、縦糸と第1及び第2の横糸を含み、キャリアフィラメントと第2の横糸としてそれに巻き絡む巻き絡みフィラメントとを含み、キャリアフィラメントが織物面構造材の中の、上部織物層の、実質的に縦糸方向に平行な第1の幅部位(複数)の表面に現われ、実質的に縦糸方向に平行な第2の幅部位(複数)の表面には現われないという、請求項1に記載の特徴を有する、上部織物層と下部織物層とを有する織物面構造材(ないしウェブ構造材、Flaechengebilde)によって達成される。
本発明によって製造された織物面構造材によって、スノーチェーンの寿命を従来技術に比べて長くすることができる。これにより、キャリアフィラメントはかなり遅く、それも第1の幅部位(複数)において緩むことになる。これにより、キャリアフィラメントに作用する長手方向の荷重は軽減され、キャリアフィラメントと編み合わされる(einbindend)縦糸の保護(Schonung)が強化され、これも寿命を増加させることに寄与する。
本発明の1つの有利な視点において、本織物面構造材は、間にトレッド部を挟んで右側の(タイヤの)縁取枠部(コードケーシング、Karkasse)構造部と左側の縁取枠部を含み、これらのコードケーシング構造部が第3の幅部位(複数)を構成し、その中で、上部織物層の表面に現われないようにキャリアフィラメントが織物面構造材に組み込まれ、そしてトレッド部が第1と第2の幅部位(複数)を含む、ことを特徴とする。
この構成の特に有利な点は、この織物面構造材によってそのまま実用的に完全なスノーチェーンを構成できることである。双方の縁端部のコードケーシング構造部はそのままタイヤのコードケーシング構造部を包み込んで固定する手段を兼ねることができ、それにより縁取り部の位置にある、同様に「隠された」キャリアフィラメントがそこに確保され、したがって既に「埋め込まれて(versaeubert)」いる。
本発明の他の有利な視点において、本織物面構造材は、走行面(ないしトレッド、Laufflaeche)が横糸方向に、トレッド部の幅全体に亘って配置され、幅を異にして特別に選択された分布を持つ第1の幅部位(複数)を含むことを特徴とする。これにより、第1の幅部位(複数)を、タイヤの断面構造と形状に合わせて望みのままに選択し、配置できる。これにより、タイヤとスノーチェーンの両方の磨耗と擦り切れを減らすことができる。本発明によるこのようなキャリアフィラメントの配置により、これらは(半径方向)内方、即ちタイヤのプロフィル(Reifenprofil,トレッドの溝)に向かって突き出るように構成され、このような立体構造によって縦糸を織り結ぶキャリアフィラメントは下地(Untergrund)に押圧されないので、特別に保護される。このことは、寿命を大きく伸ばすことに寄与する。
本発明のさらに他の有利な視点において、本織物面構造材は、所定の長さに織られており、このトレッド部は実質的に横糸方向と平行に向いた(縦方向で見ての)「長さ部位」(複数)を構成し、その部分には第2の横糸は組み込まれていない。この特徴により、一つの織機において既に決められた長さのスノーチェーンを生産することが可能となる。このような、決まった長さの織物面構造材片をパネルと呼ぶ。通常この端部は、例えばベルクロ(登録商標)ファスナーのパッチを縫い付けている。このパッチの端が、タイヤを包み込むスノーチェーンの織物面構造材の第2の横糸が組み込まれていない長さ部位に配置されていると、その端はいわば「沈み込んで」いる。
本発明のさらに他の有利な視点において、本織物面構造材は、第2の横糸がSタイプ又はZタイプの巻き絡みフィラメントを含む。このサイズは、織物面構造材又は本発明に基づいて製造されたスノーチェーンのトラッキング特性(トラック追従性ないし滑らないこと)に効果的な利点が得られるほうを選択する。
本発明のさらに他の有利な視点において、本織物面構造材は、Sタイプの巻き絡みフィラメントを有する第2の横糸が、Zタイプの巻き絡みフィラメントと規則的に交互に入れ替わっている。即ち、驚くべきことに、Sタイプの巻き絡みフィラメントを有する第2の横糸が、Zタイプの巻き絡みフィラメントと規則的に交互に入れ替わるという特徴により、本発明に係るスノーチェーンを装着したタイヤのトラッキング特性が特に安定化され、同時にまたタイヤに装着したスノーチェーンの位置の安定化も図ることができることが見出された。なお本願において「フィラメント」とは、単一の長繊維(filament)のみならず、その複数本の束ないし撚ったもの(yarnないしcord)をも含む。
本発明の目的はまた、請求項9に記載の方法により達成される。即ち縦糸と第1及び第2の横糸を含み、さらにキャリアフィラメントとそのキャリアフィラメントを第2の横糸として包み絡むフィラメントとを含む、上部織物層と下部織物層を有する織物面構造材の製造方法であって、キャリアフィラメントが、実質的に縦糸方向と平行な第1の幅部位(複数)Iにおいては上部織物層の表面に現われるように織物面構造材に組み込まれており、かつ実質的に縦糸方向と平行な第2の幅部位(複数)においては上部織物層の表面には現われないようにした織物面構造材の製造方法である。
本発明に係るこの方法により、織物スノーチェーンに用いられる非常に耐摩耗性の強い織物面構造材を、特別の追加的な大がかりないし複雑な条件を加えることなく安価に製造することができる。
1つの有利な視点において、請求項2,3,4,5,6又は7に示す織物面構造材の本発明に係る製造方法は、織物面構造材は、一続きの織物ウェブにおいて何回も交互に並置した配置で織られているため、1回の製造工程で同様に複数の構成を製造することができる。
本発明に係る製造方法の1つの有利な視点において、一続きの織物ウェブで縦糸方向に何回も交互に並置された配置で織られている織物面構造材は、熱機械的、超音波又はレーザ溶断プロセスにより互いに分割(切断分離)される。例えば、キャリアフィラメントのポリマー部分はホットワイヤにより分割(切断)され、巻き絡みフィラメントのスチール部分は機械的分割(切断)装置により分割(切断)される。これにより、比較的簡単な手段で織物面構造材を互いにきれいに分割(切断)でき、端部をさらに仕上げ処理する必要がない。
一つ一つのパネルを長さ方向に切断することは、対応して適合的に織られた各1つあたりの長さに応じて横糸方向に、レーザ溶断で行うことが好ましい。
本発明に係る製造方法の1つの実施形態において、織物面構造材は横糸方向において複数織成帯状部(mehrbahn)から構成され、かつ縦糸方向において第2の横糸(FF)が巻き込まれて(eingebunden)いない長さ部位の所定の長さの繰り返しとして編成部寸法適合して織られている。
本発明に係る製造方法の他の実施形態において、所定の長さの繰り返しで織られた織物面構造材は、横糸方向に機械的、熱的、又はレーザ分割装置により個々のパネルに切断される。
本発明の他の特徴及び利点は複数の従属請求項に記載のとおりである。
本発明をより深く理解し、どのように実施することができるかを説明するために、図面を参照して実施例を簡単に説明する。
本発明の1つの実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 本発明の他の実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 図1に示す織物面構造材の断面模式図である。 図1aに示す織物面構造材の断面模式図である。図2と同様であるが、縦糸と横糸を明示したものである。 従来技術の織物面構造材の断面模式図である。 図1aに示す織物面構造材の断面模式図である。図2aと同様であるが、他の変形例を示すものである。 本発明のさらに他の実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 本発明のさらに他の実施例に係る織物面構造材の断面模式図である。 完全に織られた織物GBの平面模式図である。
図1は、本発明の1つの実施例に係る織物面構造材TFの部分平面模式図である。これは非常に単純化した模式図を示しており、例えば幅部位IとIIが交互に現われる上部織物層Oを示し、二重矢印Sは横糸方向を、二重矢印Kは縦糸方向を示す。
図2は、図1に示す本発明の織物地素材(ないし複層面構造材、Flaeaechengebilde)の断面模式図である。このシートの底部端は上部織物層Oを示し、下部織物層Uはその反対側である。幅部位(複数)Iの路面STの方向には、キャリアフィラメントFFが上部織物層Oの中に入り込んでいるが、幅部位(複数)IIでは、上部織物層Oの中に入り込んでいない。キャリアフィラメントFFに巻き絡んでいる巻き絡みフィラメントUFは、路面STにかみ合っている。幅部位(複数)IIでは、キャリアフィラメントFFは織物面構造材TFの中に「沈み込んで」おり、路面STと接触されることがないので、この部分は磨耗や擦り切れが生じない。
図1aは、本発明の他の実施例に係る織物面構造材TFの一例の部分的平面模式図であり、これは狭い幅部位(複数)IIとずっと広い幅部位(複数)Iとが選択された場合である。
図2aは、図1aの内部構造を図示したものであり、縦糸を分かりやすいように太いドットで表し、キャリアフィラメントFFを1例として1回だけ巻き付けたものである。幅部位(複数)IIでは、キャリアフィラメントFFは下部織物層Uの中を通過し、幅部位Iでは、キャリアフィラメントFFは実質的に上部織物層Oの中を通過し、これにより上部織物層Oの2本又は3本の縦糸の上を越えて通過する一方、下部織物層Uでは1本の縦糸しか巻いていかない。
図2bは、従来技術の織物面構造材の断面模式図である。スノーチェーンとして用いた場合のトレッド部(走行面)LFに相当する第1のタイプの織りを含む第1の幅部位Iも、第1のタイプの織りよりも密な織りである第2の幅部位IIも、第3の幅部位IIIとともに、キャリアフィラメントFFは実質的に上部織物層Oに配されており、路面STに露出して接触する。これは第3の幅部位III、即ちコードケーシング構造部BR,BLについては、他の2つの部位I、IIと同じ程度にはあてはまらない。しかしこれは従来技術の主な欠点、即ちこのような設計構造が衝撃にさらされる結果、摩耗や擦り切れに対して耐性が弱いという欠点の対する解決を示す。
図2cは、図1aに示す織物面構造材の断面模式図であり、図2aと同様であるが、(特に図2bの従来技術と比較した)他の変形例を示すもので、大きな利点を有するものであることがわかる。幅部位IIでは、キャリアフィラメントFFは上部織物層Oから離れて下部織物層U、つまり路面STから離れる側、の中を通過するため、磨耗、擦り切れから最適に保護される。さて、従来技術と比較すると、織物面構造材の中の、磨耗や擦り切れにさらされる範囲にあるキャリアフィラメントFFの位置が実質的に入れ替えられている。また、幅部位IIでは、幅部位Iよりずっと密な織り込み(Einbindung)が形成されている。好ましくは、カバーファクターはWALZ(Prof. Walz)密度で幅部位Iが約100%、幅部位IIが約130%、幅部位IIIが約110%であり、キャリアフィラメントFFは下部織物層Uの幅部位Iで約66%、下部織物層Uのみ通過する幅部位IIで約130%まで、幅部位IIIで約78%までカバーされている。本発明に係るスノーチェーンでは、この有利な実施形態により、トータルカバー率10%未満の幅部位IIは、キャリアフィラメントFFに対してWALZ密度で90%より高いカバーファクターが得られ、130%もの値も得られる。
図2cに示す実施例において、本発明に係るスノーチェーンのコードケーシング構造部BR,BLで示す2層幅部位IIIは、下層織物層UのキャリアフィラメントFFのカバーファクター密度(Gewebedichte)が、幅部位Iの下部織物層Uのそれよりも高い。同時に、2/1のカバー糸配列は、残りの幅部位I、IIのカバー糸配列である3/1よりもかなり短い。このようなカバーファクターと糸配列のいずれもコードケーシング構造部、即ち幅部位IIIのキャリアフィラメントの安定的固定(Verankerung)を特に高めている。コードケーシング構造部つまり幅部位IIIの上部織物層Oは、キャリアフィラメントFFと編み絡まれることなくカバーの耐磨耗性と耐擦り切れ性を高める作用を有する。
さて図3には、本発明のさらに他の実施例に係る、所定の長さLになるように織られた織物面構造材の部分平面模式図である。図から明らかなように、コードケーシング構造部BR,BL、つまり第3の幅部位IIIでは、キャリアフィラメントFFは上部織物層Oの表面に現われないように織物面構造材に組み込まれている。コードケーシング構造部BRとBLとの間には、織物面構造材TFのトレッド部(ないし走行面部、Laufflaeche)LFが配置されている。長さ部位FFBには、キャリアフィラメントFFが織り込まれていない例示の長さ部位LBとは異なり、キャリアフィラメントFFが織り込まれている。このようなキャリアフィラメントFFが織り込まれていない部分は、この織物地がスノーチェーンとして用いられた場合に、雪が一杯スノーチェーンに入ってしまう(Schneepakete)ことを防ぐ効果がある。
図4は、上述のように、幅部位Iに配置されたキャリアフィラメントFFは、巻き絡みフィラメントUFが絡んで上部織物層Oの表面を路面に向かって突き出している一方、幅部位IIにおいてはキャリアフィラメントFFは織物地の底に「沈み込んで」いる。模式的にRで示すタイヤ部分は、下部織物層Uに接する突出プロフィル(Profilstollen)RPを持つトレッド部を有する。タイヤの突出プロフィルRPの間にある隙間(凹部)Hは、織物面構造材TFの幅部位IIに対応する位置に来るように配置される。スノーチェーンに適用した場合、この構成は巻き絡みフィラメントUFが絡んだキャリアフィラメントFFを幅部位Iの中で路面のみに圧接するという利点を有する。スノーチェーンの幅部位IIは、路面に圧接させられることがないので、磨耗や擦り切れは少ない。
路面STは、いろいろな状況、例えば乾いた路面、氷結した路面、雪道のような状況を想定していることはもちろんである。
図5は、織物機(図示せず)で全体を織られた織物GBの一部分を示したものである。ここでは、例として、図1〜4で示したような織物面構造材TFと同じような4つのパネルTF1からTF4で構成されている。そしてTF1〜TF4はそれぞれ幅部位I、IIと境界部分にBL,BRが配置され、この本発明に係る織物GBは点線SLに沿ってこの境界部分で切断される。ここでスペースaは必要により広くも狭くも選択できる。
幅部位I、II、IIIは、合わせてWALZ密度によるカバーファクターDGとして90%を超えるDGを持つ。トレッド部LFは、もっとも大きな摩擦力を持つ幅部位Iと、それに平行して延在する幅部位IIとから構成される。
幅部位Iの下部織物層Uでは、キャリアフィラメントFFは60%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
好ましくは全(トレッド部)表面の30%未満を占める幅部位IIでは、キャリアフィラメントFFは90%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
幅部位IIIないしコードケーシング構造部は上部織物層Oと下部織物層Uとを含む。下部織物層UではキャリアフィラメントFFは70%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
本発明のような構成、即ち一方でキャリアフィラメントFFを幅部位IIの底部で交織させ、他方で幅部位IIでのWALZ密度によるカバーファクターDGを単層カバー構造によって幅部位IとIIIの下部織物層Uのそれよりも実質的に高くする構成で、キャリアフィラメントFFを幅部位IIでさらに繋ぎ止めることにより、緩みの発生を抑制することができ、本発明に係る織物面構造材で製造したスノーチェーンの寿命を延ばすことができる。このような構成により、キャリアフィラメントが縦糸方向に実質的に平行に延在する幅部位Iの上部織物層Oの表面に現われ、縦糸方向に実質的に平行に延在する幅部位IIの上部織物層Oの表面には現われないように、キャリアフィラメントが織物面構造材に組み込まれる。
本発明は、キャリアフィラメントと、そのキャリアフィラメントを絡み包む巻き絡みフィラメントとを含む上部織物層と下部織物層とを有する織物面構造材(Flaechengebilde)に関する。本発明はまた、その製造方法に関する。
ドイツ特許出願102007036855A1(RUD)には、氷結道や雪道を走る自動車をよりよく牽引するための、自動車用スノーチェーンの形態をとる滑り止め装置が開示されている。トレッドベルトは、車輪のトレッドベルトを有しタイヤトレッド(路面と接するタイヤ走行面、Laufflaeche)から遠い側を指向するスノーチェーンの氷側/外側の全幅員に亘って、キャリアフィラメントとしての強固な複数(多数)のモノフィラメント(単繊維)に好ましくは(包み絡みフィラメントを構成する)スチールワイヤを絡ませた構成である。
DE102007036855A1
上述のスノーチェーンの欠点は、乾いた路面と、部分的な氷雪面とが混在する道を走行するとすぐに磨耗してしまうことである。実際、乾いた路面をほんの短距離でも走行したあとは、キャリアフィラメントは、縦糸部がトレッドからはずれて幅全体に亘り破壊されてしまう。そして巻き絡みフィラメント(好ましくはスチール製)がそれを保持する縦糸に噛みこんでしまい、縦糸が幅全体に亘り緩んではずれてしまい、スノーチェーンとしての正常な機能が失われる。本発明は、従来技術の欠点を解消するか、少なくとも大きく改善する織物面構造材(ないしウェブ構造材)及びその製造方法を提供することを目的とする。
この目的は、まず第1の視点として、縦糸と第1及び第2の横糸を含み、第2の横糸としてキャリアフィラメントとそれに巻き絡む巻き絡みフィラメントとを含み、キャリアフィラメントが織物面構造材の中の、上部織物層の、実質的に縦糸方向に平行な第1の幅部位(複数)の表面に現われ、実質的に縦糸方向に平行な第2の幅部位(複数)の表面には現われないという、請求項1に記載の特徴を有する、上部織物層と下部織物層とを有する織物面構造材(ないしウェブ構造材、Flaechengebilde)によって達成される。
本発明によって製造された織物面構造材によって、スノーチェーンの寿命を従来技術に比べて長くすることができる。これにより、キャリアフィラメントはかなり遅く、それも第1の幅部位(複数)において緩むことになる。これにより、キャリアフィラメントに作用する長手方向の荷重は軽減され、キャリアフィラメントと編み合わされる(einbindend)縦糸の保護(Schonung)が強化され、これも寿命を増加させることに寄与する。
本発明において下記の形態が可能である。尚、本願の特許請求の範囲に付記されている図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、本発明を後続段落で説明する実施例に限定するものではないことを付言する。
(形態1)上記第1の視点のとおり。
(形態2)トレッド部を挟んで右側コードケーシング構造部(縁取枠部)と左側コードケーシング構造部(縁取枠部)を含み、該コードケーシング構造部は第3の幅部位(複数)を構成し、該第3の幅部位では前記キャリアフィラメントは前記上部織物層の表面に現われないように織物面構造材の中に組み込まれ、該トレッド部は前記第1及び第2の幅部位を含んで構成されることが好ましい。
(形態3)前記トレッド部は、横糸方向に均等に分布された第1の幅部位、いわゆる境界部分、を含むことが好ましい。
(形態4)前記トレッド部は、横糸方向に、トレッド部の幅全体に亘って配置され、幅の異なる特別に選択された分布を持つ第1の幅部位を含むことが好ましい。
(形態5)所定の長さに織られ、前記トレッド部は横糸方向に実質的に平行な向きの長さ部位を形成し、該長さ部位では第2の横糸が組み込まれていないことが好ましい。
(形態6)前記第2の横糸は、Sタイプ又はZタイプの巻き絡みを持つ巻き絡みフィラメントを含むことが好ましい。
(形態7)Sタイプの巻き絡みフィラメントを持つ第2の横糸が、Zタイプの巻き絡みフィラメントを持つ第2の横糸と規則的に交互に入れ替わって配置されていることが好ましい。
(形態8)上記形態に記載の織物面構造材を用いて製造された織物スノーチェーン。
(形態9)下記第2の視点のとおり。
(形態10)上記形態2〜7に記載の織物面構造材の製造方法であって、織物面構造材は、1つの織物帯材の中で複数の構造材が並置して織られていることが好ましい。
(形態11)1つの織物帯材の中で複数の構造材が並置して織られている前記織物面構造材は、縦糸方法において、熱機械的、超音波、又はレーザウェルディングプロセスにより互いに分割されることが好ましい。
(形態12)織物面構造材は、横糸方向において複数の織成帯状部から構成され、かつ縦糸方向において第2の横糸が巻き込まれていない長さ部位について所定長さの繰り返しとして寸法適合して織られていることが好ましい。
(形態13)前記所定の長さの繰り返しとして織られた織物面構造材は、横糸方向において、機械的、熱的、又はレーザ分割装置により個々のパネルに切断されることが好ましい。
本発明の1つの有利な形態において、本織物面構造材は、間にトレッド部を挟んで右側の(タイヤの)縁取枠部(コードケーシング、Karkasse)構造部と左側の縁取枠部を含み、これらのコードケーシング構造部が第3の幅部位(複数)を構成し、その中で、上部織物層の表面に現われないようにキャリアフィラメントが織物面構造材に組み込まれ、そしてトレッド部が第1と第2の幅部位(複数)を含む、ことを特徴とする。
この構成の特に有利な点は、この織物面構造材によってそのまま実用的に完全なスノーチェーンを構成できることである。双方の縁端部のコードケーシング構造部はそのままタイヤのコードケーシング構造部を包み込んで固定する手段を兼ねることができ、それにより縁取り部の位置にある、同様に「隠された」キャリアフィラメントがそこに確保され、したがって既に「埋め込まれて(versaeubert)」いる。
本発明の他の有利な形態において、本織物面構造材は、走行面(ないしトレッド、Laufflaeche)が横糸方向に、トレッド部の幅全体に亘って配置され、幅を異にして特別に選択された分布を持つ第1の幅部位(複数)を含むことを特徴とする。これにより、第1の幅部位(複数)を、タイヤの断面構造と形状に合わせて望みのままに選択し、配置できる。これにより、タイヤとスノーチェーンの両方の磨耗と擦り切れを減らすことができる。本発明によるこのようなキャリアフィラメントの配置により、これらは(半径方向)内方、即ちタイヤのプロフィル(Reifenprofil,トレッドの溝)に向かって突き出るように構成され、このような立体構造によって縦糸を織り結ぶキャリアフィラメントは下地(Untergrund)に押圧されないので、特別に保護される。このことは、寿命を大きく伸ばすことに寄与する。
本発明のさらに他の有利な形態において、本織物面構造材は、所定の長さに織られており、このトレッド部は実質的に横糸方向と平行に向いた(縦方向で見ての)「長さ部位」(複数)を構成し、その部分には第2の横糸は組み込まれていない。この特徴により、一つの織機において既に決められた長さのスノーチェーンを生産することが可能となる。このような、決まった長さの織物面構造材片をパネルと呼ぶ。通常この端部は、例えばベルクロ(登録商標)ファスナーのパッチを縫い付けている。このパッチの端が、タイヤを包み込むスノーチェーンの織物面構造材の第2の横糸が組み込まれていない長さ部位に配置されていると、その端はいわば「沈み込んで」いる。
本発明のさらに他の有利な形態において、本織物面構造材は、第2の横糸がSタイプ又はZタイプの巻き絡みフィラメントを含む。このサイズは、織物面構造材又は本発明に基づいて製造されたスノーチェーンのトラッキング特性(トラック追従性ないし滑らないこと)に効果的な利点が得られるほうを選択する。
本発明のさらに他の有利な形態において、本織物面構造材は、Sタイプの巻き絡みフィラメントを有する第2の横糸が、Zタイプの巻き絡みフィラメントと規則的に交互に入れ替わっている。即ち、驚くべきことに、Sタイプの巻き絡みフィラメントを有する第2の横糸が、Zタイプの巻き絡みフィラメントと規則的に交互に入れ替わるという特徴により、本発明に係るスノーチェーンを装着したタイヤのトラッキング特性が特に安定化され、同時にまたタイヤに装着したスノーチェーンの位置の安定化も図ることができることが見出された。なお本願において「フィラメント」とは、単一の長繊維(filament)のみならず、その複数本の束ないし撚ったもの(yarnないしcord)をも含む。
本発明の目的はまた、本発明の第2の視点として、請求項9に記載の方法により達成される。即ち縦糸と第1及び第2の横糸を含み、第2の横糸としてキャリアフィラメントとそのキャリアフィラメント包み絡むフィラメントとを含む、上部織物層と下部織物層を有する織物面構造材の製造方法であって、キャリアフィラメントが、実質的に縦糸方向と平行な第1の幅部位(複数)おいては上部織物層の表面に現われるように織物面構造材に組み込まれており、かつ実質的に縦糸方向と平行な第2の幅部位(複数)においては上部織物層の表面には現われないようにした織物面構造材の製造方法である。
本発明に係るこの方法により、織物スノーチェーンに用いられる非常に耐摩耗性の強い織物面構造材を、特別の追加的な大がかりないし複雑な条件を加えることなく安価に製造することができる。
1つの有利な形態において、請求項2,3,4,5,6又は7に示す織物面構造材の本発明に係る製造方法は、織物面構造材は、一続きの織物ウェブにおいて何回も交互に並置した配置で織られているため、1回の製造工程で同様に複数の構成を製造することができる。
本発明に係る製造方法の1つの有利な形態において、一続きの織物ウェブにおいて何回も交互に並置た配置で織られている織物面構造材は、縦糸方向において、熱機械的、超音波又はレーザ溶断プロセスにより互いに分割(切断分離)される。例えば、キャリアフィラメントのポリマー部分はホットワイヤにより分割(切断)され、巻き絡みフィラメントのスチール部分は機械的分割(切断)装置により分割(切断)される。これにより、比較的簡単な手段で織物面構造材を互いにきれいに分割(切断)でき、端部をさらに仕上げ処理する必要がない。
一つ一つのパネルを長さ方向に切断することは、対応して適合的に織られた各1つあたりの長さに応じて横糸方向においてレーザ溶断で行うことが好ましい。
本発明に係る製造方法の1つの実施形態において、織物面構造材は横糸方向において複数織成帯状部(mehrbahn)から構成され、かつ縦糸方向において第2の横糸(FF)が巻き込まれて(eingebunden)いない長さ部位について所定の長さの繰り返しとして編成部寸法適合して織られている。
本発明に係る製造方法の他の実施形態において、所定の長さの繰り返しで織られた織物面構造材は、横糸方向に機械的、熱的、又はレーザ分割装置により個々のパネルに切断される。
本発明の他の特徴及び利点は複数の従属請求項に記載のとおりである。
本発明をより深く理解し、どのように実施することができるかを説明するために、図面を参照して実施例を簡単に説明する。
本発明の1つの実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 本発明の他の実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 図1に示す織物面構造材の断面模式図である。 図1aに示す織物面構造材の断面模式図である。図2と同様であるが、縦糸と横糸を明示したものである。 従来技術の織物面構造材の断面模式図である。 図1aに示す織物面構造材の断面模式図である。図2aと同様であるが、他の変形例を示すものである。 本発明のさらに他の実施例に係る織物面構造材の平面模式図である。 本発明のさらに他の実施例に係る織物面構造材の断面模式図である。 完全に織られた織物GBの平面模式図である。
図1は、本発明の1つの実施例に係る織物面構造材TFの部分平面模式図である。これは非常に単純化した模式図を示しており、例えば幅部位IとIIが交互に現われる上部織物層Oを示し、二重矢印Sは横糸方向を、二重矢印Kは縦糸方向を示す。
図2は、図1に示す本発明の織物地素材(ないし複層面構造材、Flaeaechengebilde)の断面模式図である。このシートの底部端は上部織物層Oを示し、下部織物層Uはその反対側である。幅部位(複数)Iの路面STの方向には、キャリアフィラメントFFが上部織物層Oの中に入り込んでいるが、幅部位(複数)IIでは、上部織物層Oの中に入り込んでいない。キャリアフィラメントFFに巻き絡んでいる巻き絡みフィラメントUFは、路面STにかみ合っている。幅部位(複数)IIでは、キャリアフィラメントFFは織物面構造材TFの中に「沈み込んで」おり、路面STと接触されることがないので、この部分は磨耗や擦り切れが生じない。
図1aは、本発明の他の実施例に係る織物面構造材TFの一例の部分的平面模式図であり、これは狭い幅部位(複数)IIとずっと広い幅部位(複数)Iとが選択された場合である。
図2aは、図1aの内部構造を図示したものであり、縦糸を分かりやすいように太いドットで表し、キャリアフィラメントFFを1例として1回だけ巻き付けたものである。幅部位(複数)IIでは、キャリアフィラメントFFは下部織物層Uの中を通過し、幅部位Iでは、キャリアフィラメントFFは実質的に上部織物層Oの中を通過し、これにより上部織物層Oの2本又は3本の縦糸の上を越えて通過する一方、下部織物層Uでは1本の縦糸しか巻いていかない。
図2bは、従来技術の織物面構造材の断面模式図である。スノーチェーンとして用いた場合のトレッド部(走行面)LFに相当する第1のタイプの織りを含む第1の幅部位Iも、第1のタイプの織りよりも密な織りである第2の幅部位IIも、第3の幅部位IIIとともに、キャリアフィラメントFFは実質的に上部織物層Oに配されており、路面STに露出して接触する。これは第3の幅部位III、即ちコードケーシング構造部BR,BLについては、他の2つの部位I、IIと同じ程度にはあてはまらない。しかしこれは従来技術の主な欠点、即ちこのような設計構造が衝撃にさらされる結果、摩耗や擦り切れに対して耐性が弱いという欠点の対する解決を示す。
図2cは、図1aに示す織物面構造材の断面模式図であり、図2aと同様であるが、(特に図2bの従来技術と比較した)他の変形例を示すもので、大きな利点を有するものであることがわかる。幅部位IIでは、キャリアフィラメントFFは上部織物層Oから離れて下部織物層U、つまり路面STから離れる側、の中を通過するため、磨耗、擦り切れから最適に保護される。さて、従来技術と比較すると、織物面構造材の中の、磨耗や擦り切れにさらされる範囲にあるキャリアフィラメントFFの位置が実質的に入れ替えられている。また、幅部位IIでは、幅部位Iよりずっと密な織り込み(Einbindung)が形成されている。好ましくは、カバーファクターはWALZ(Prof. Walz)密度で幅部位Iが約100%、幅部位IIが約130%、幅部位IIIが約110%であり、キャリアフィラメントFFは下部織物層Uの幅部位Iで約66%、下部織物層Uのみ通過する幅部位IIで約130%まで、幅部位IIIで約78%までカバーされている。本発明に係るスノーチェーンでは、この有利な実施形態により、トータルカバー率10%未満の幅部位IIは、キャリアフィラメントFFに対してWALZ密度で90%より高いカバーファクターが得られ、130%もの値も得られる。
図2cに示す実施例において、本発明に係るスノーチェーンのコードケーシング構造部BR,BLで示す2層幅部位IIIは、下層織物層UのキャリアフィラメントFFのカバーファクター密度(Gewebedichte)が、幅部位Iの下部織物層Uのそれよりも高い。同時に、2/1のカバー糸配列は、残りの幅部位I、IIのカバー糸配列である3/1よりもかなり短い。このようなカバーファクターと糸配列のいずれもコードケーシング構造部、即ち幅部位IIIのキャリアフィラメントの安定的固定(Verankerung)を特に高めている。コードケーシング構造部つまり幅部位IIIの上部織物層Oは、キャリアフィラメントFFと編み絡まれることなくカバーの耐磨耗性と耐擦り切れ性を高める作用を有する。
さて図3には、本発明のさらに他の実施例に係る、所定の長さLになるように織られた織物面構造材の部分平面模式図である。図から明らかなように、コードケーシング構造部BR,BL、つまり第3の幅部位IIIでは、キャリアフィラメントFFは上部織物層Oの表面に現われないように織物面構造材に組み込まれている。コードケーシング構造部BRとBLとの間には、織物面構造材TFのトレッド部(ないし走行面部、Laufflaeche)LFが配置されている。長さ部位FFBには、キャリアフィラメントFFが織り込まれていない例示の長さ部位LBとは異なり、キャリアフィラメントFFが織り込まれている。このようなキャリアフィラメントFFが織り込まれていない部分は、この織物地がスノーチェーンとして用いられた場合に、雪が一杯スノーチェーンに入ってしまう(Schneepakete)ことを防ぐ効果がある。
図4は、上述のように、幅部位Iに配置されたキャリアフィラメントFFは、巻き絡みフィラメントUFが絡んで上部織物層Oの表面を路面に向かって突き出している一方、幅部位IIにおいてはキャリアフィラメントFFは織物地の底に「沈み込んで」いる。模式的にRで示すタイヤ部分は、下部織物層Uに接する突出プロフィル(Profilstollen)RPを持つトレッド部を有する。タイヤの突出プロフィルRPの間にある隙間(凹部)Hは、織物面構造材TFの幅部位IIに対応する位置に来るように配置される。スノーチェーンに適用した場合、この構成は巻き絡みフィラメントUFが絡んだキャリアフィラメントFFを幅部位Iの中で路面のみに圧接するという利点を有する。スノーチェーンの幅部位IIは、路面に圧接させられることがないので、磨耗や擦り切れは少ない。
路面STは、いろいろな状況、例えば乾いた路面、氷結した路面、雪道のような状況を想定していることはもちろんである。
図5は、織物機(図示せず)で全体を織られた織物GBの一部分を示したものである。ここでは、例として、図1〜4で示したような織物面構造材TFと同じような4つのパネルTF1からTF4で構成されている。そしてTF1〜TF4はそれぞれ幅部位I、IIと境界部分にBL,BRが配置され、この本発明に係る織物GBは点線SLに沿ってこの境界部分で切断される。ここでスペースaは必要により広くも狭くも選択できる。
幅部位I、II、IIIは、合わせてWALZ密度によるカバーファクターDGとして90%を超えるDGを持つ。トレッド部LFは、もっとも大きな摩擦力を持つ幅部位Iと、それに平行して延在する幅部位IIとから構成される。
幅部位Iの下部織物層Uでは、キャリアフィラメントFFは60%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
好ましくは全(トレッド部)表面の30%未満を占める幅部位IIでは、キャリアフィラメントFFは90%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
幅部位IIIないしコードケーシング構造部は上部織物層Oと下部織物層Uとを含む。下部織物層UではキャリアフィラメントFFは70%を超えるWALZ密度によるカバーファクターDGで織られている。
本発明のような構成、即ち一方でキャリアフィラメントFFを幅部位IIの底部で交織させ、他方で幅部位IIでのWALZ密度によるカバーファクターDGを単層カバー構造によって幅部位IとIIIの下部織物層Uのそれよりも実質的に高くする構成で、キャリアフィラメントFFを幅部位IIでさらに繋ぎ止めることにより、緩みの発生を抑制することができ、本発明に係る織物面構造材で製造したスノーチェーンの寿命を延ばすことができる。このような構成により、キャリアフィラメントが縦糸方向に実質的に平行に延在する幅部位Iの上部織物層Oの表面に現われ、縦糸方向に実質的に平行に延在する幅部位IIの上部織物層Oの表面には現われないように、キャリアフィラメントが織物面構造材に組み込まれる。
S 横糸方向
K 縦糸方向/縦糸
TF 織物面構造材
O 上部織物層
U 下部織物層
I,II,III 幅部位
ST 路面
FF キャリアフィラメント
UF 巻き絡みフィラメント
LF トレッド面(走行面)
BR,BL コードケーシング構造部
FFB 長さ部位(キャリアフィラメントが織り込まれている)
LB 長さ部位(キャリアフィラメントが織り込まれていない)
R タイヤ
RP 突出プロフィル
H 隙間(凹部)
TF1〜TF4 パネル
GB 織物
SL 切断線
a パネル間のスペース

Claims (13)

  1. 上部織物層(O)と下部織物層(U)とを有し、縦糸(K)と第1及び第2の横糸を含み、さらにキャリアフィラメント(FF)と第2の横糸としてキャリアフィラメントに巻き包む巻き絡みフィラメント(UF)を含む織物面構造材であって、
    該キャリアフィラメント(FF)が、該織物面構造材の中で、実質的に縦糸方向に平行な第1の幅部位(I、複数)の上部織物層(O)の表面に現われ、実質的に縦糸方向に平行な第2の幅部位(II、複数)の上部織物層(O)の表面には現われない、
    ことを特徴とする、織物面構造材。
  2. トレッド部(LF)を挟んで右側コードケーシング構造部(縁取枠部)と左側コードケーシング構造部(縁取枠部)(BR,BL)を含み、該コードケーシング構造部(BR,BL)は第3の幅部位(III、複数)を構成し、該第3の幅部位では前記キャリアフィラメント(FF)は前記上部織物層(O)の表面に現われないように織物面構造材の中に組み込まれ、該トレッド部(LF)は前記第1及び第2の幅部位(I、II)を含んで構成される、請求項1に記載の織物面構造材。
  3. 前記トレッド部(LF)は、横糸中に均等に分布された第1の幅部位(I)、いわゆる境界部分(I)、を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の織物面構造材。
  4. 前記トレッド部(LF)は、横糸方向に、トレッド部の幅全体に亘って配置され、幅の異なる特別に選択された分布を持つ第1の幅部位(I)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の織物面構造材。
  5. 所定の長さ(L)に織られ、前記トレッド部(LF)は横糸方向に実質的に平行な向きの長さ部位(LB)を形成し、該長さ部位では第2の横糸(FF)が組み込まれていないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の織物面構造材。
  6. 前記第2の横糸(FF)は、Sタイプ又はZタイプの巻き絡みを持つ巻き絡みフィラメント(UF)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の織物面構造材。
  7. Sタイプの巻き絡みフィラメント(UF)を持つ第2の横糸(FF)が、Zタイプの巻き絡みフィラメント(UF)を持つ第2の横糸(FF)と規則的に交互に入れ替わって配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の織物面構造材。
  8. 請求項1〜7のいずれか一に記載の織物面構造材を用いて製造された織物スノーチェーン。
  9. 上部織物層(O)と下部織物層(U)とを有し、縦糸(K)と第1及び第2の横糸(FF)を含み、さらにキャリアフィラメント(FF)と第2の横糸(FF)としてキャリアフィラメント(FF)を巻き包む巻き絡みフィラメント(UF)を含む織物面構造材の製造方法であって、
    キャリアフィラメント(FF)が、織物面構造材において、実質的に縦糸方向に平行な第1の幅部位(I、複数)の上部織物層(O)の表面に現われ、実質的に縦糸方向に平行な第2の幅部位(II、複数)の上部織物層(O)の表面には現われない、
    ことを特徴とする、製造方法。
  10. 請求項2〜7のいずれか一に記載の織物面構造材の製造方法であって、織物面構造材は複数の構成が並置して織られていることを特徴とする、製造方法。
  11. 縦糸方向に織物帯材の中で複数の構造が並置されて織られている前記織物面構造材は、熱機械的、超音波、又はレーザウェルディングプロセスにより互いに分割されることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
  12. 織物面構造材は、横糸方向において複数の織成帯状部から構成され、かつ縦糸方向において第2の横糸(FF)が巻き込まれていない長さ部位の所定長さの繰り返しとして寸法適合して織られていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 前記所定の長さの繰り返しとして織られた織物面構造材は、横糸方向に機械的、熱的、又はレーザ分割装置により個々のパネルに切断されることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
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