JP2012521010A - 緩衝するために十分な能力を有する膜システム - Google Patents

緩衝するために十分な能力を有する膜システム Download PDF

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Abstract

酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む分析物検出膜を備えた分析物測定用電気化学的センサー。酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む水溶液に電気化学的センサーを接触させるステップと、電気化学的センサーを1つ以上の濃度の分析物に接触させるステップであって、この1つ以上の濃度の分析物が、この分析物の臨床濃度範囲にある、ステップとを含む、センサー検査方法。

Description

本開示は、全体として、被験体における分析物を測定するための電気化学装置に関する。より詳細には、本開示は、迅速かつ正確な分析物レベルを示す緩衝剤を含む分析物の測定装置に関する。
現在は、迅速かつ正確な分析物検出の必要性に加えて、「追加設定無し」で実施できる、または他の方法で使用前の検査および/または有効性確認をほとんどまたは全く必要としないセンサー技術の要望が存在する。使用前の検査をほとんどまたは全く必要としない電気化学的センサーを提供する試みが、例えば、ソフトウエアもしくはアルゴリズムを使用した有効性確認プロトコルを使用する、またはセンサー周囲に既知の分析物濃度を有する水レザバーまたは環境を含めるなどの多数の方法で取り組まれている。特定の場合、例えば、集中治療室(ICU)環境または連続的なグルコースの監視(CGM)の適用例では、使用の直前にセンサーを有効性確認する、または他の方法で検査する必要性をなくす、または排除することが望ましいであろう。したがって、市販されている現在の電流測定センサーは、特定の適用例、例えば、被験体における分析物レベルのICUでの監視などに必要な「追加設定無し」では実施できないであろう。
特定の医療用途では、ICUまたは他の緊急事態の患者は、生命維持に必要な流体または医薬品を静脈内投与できるようにカテーテルなどの侵襲性器具がしばしば取り付けられることがある。患者の静脈内に投与される流体の薬用量を決定する医師は、血液検査でしか決定できない症状を可能な限り速く知る必要があろう。その情報がどの程度迅速に必要かは、事態の重大さによって異なるであろう。場合によっては、生理学的パラメーターを決定できる速度が、生と死を分ける可能性もある。そのような状況では、使用の直前にセンサーを事前検査する、または他の方法で有効性確認しなければならないという要求は、血液サンプルを採取して分析のために検査室に送る慣行と全く同様に、到底許容されるものではなく、および/または患者に悪影響をもたらすであろう。
血液化学を測定して目的の生理学的パラメーターを確認するよりタイムリーな方法は、最終的には完成するであろう。したがって、静脈内の電流測定による検出を提供するという満たされていない要求が存在し、この検出では、患者の血流に存在する分析物の濃度を、in vitroで事前検査され、および/または有効性が確認された、実際の分析物濃度に比例した迅速かつ正確な電流を生成する電気化学的分析物センサーを含むセンサーを循環系内に配置することによって決定することができる。
さらに、電気化学装置の事前検査により、その性能が実際の最終的な使用に適していないと分かることがあり、結果として、潜在的に使用可能なセンサー構造が誤って廃棄される可能性がある。電気化学的分析物センサーをin vitroでいつ検査するかは一般に知られており、検査溶液は、センサーの実際の最終的な使用環境のpHに近づけるために緩衝される。典型的には、緩衝液は、PBSであり、そのpHは、検査する被験体に見られる生理液(例えば、血液、間質液、尿など)のpHに調整する。また、出力信号が所定の(比較的一定の)分析物濃度範囲で一定期間に亘ってドリフトし得ることがセンサーの開発および/または電気化学的分析物センサーの品質保証(QC)検査でも一般に観察される。このようなドリフトが観察されると、典型的には、センサー構造およびその構成要素のいずれかが最適ではない、ならびに/または他の理由で十分でなく、このセンサー、および場合によってはこのセンサーと一緒に製造された全てのセンサーの再設計またはQC不合格となり得る示唆と見なされる。
したがって、通常であれば実際の最終的な使用に適した性能を示し、および/または多層分析物検出膜内の酵素の微小環境を十分に緩衝する電気化学的分析物センサーの検査方法が望ましい。
要約
第1の実施形態では、電気活性表面を有する少なくとも1つの電極と、少なくとも一部が電気活性表面を覆う分析物検出膜と、を備え、この膜が、任意選択の障害層と、酵素層と、任意選択の親水性ポリマー層と、分析物検出膜に結合された少なくとも1つの緩衝剤と、を含む、電気化学的分析物センサーを提供する。任意選択の親水性ポリマー層は、(i)電気活性表面と障害層との間、および/または(ii)障害層と酵素層との間に配置されている。緩衝剤は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つの塩を含む。
第1の実施形態の一態様では、緩衝剤は、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの組み合わせを含む。
第1の実施形態の別の態様では、緩衝剤は、高分子電解質を含み、高分子電解質のアニオンは、酢酸アニオン、重炭酸アニオン、炭酸アニオン、またはこれらのアニオンの組み合わせである。
第1の実施形態の別の態様では、緩衝剤は、in vivoで検査されるときに、分析物の薬理学的濃度範囲に対して、分析物検出膜の電気化学的に生成される酸性の副産物を中和するのに十分な量存在する。
第1の実施形態の別の態様では、センサーは、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む少なくとも1つの塩を含み、この少なくとも1つの塩は、(i)電気活性表面と障害層との間に乾燥層として堆積される、(ii)障害層と酵素層との間に乾燥層として堆積される、(iii)(a)電極表面と障害層との間、および/または(b)障害層と酵素層との間に配置された親水性ポリマー層に結合される、(iv)酵素層に結合される、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせである。分析物検出膜は、流れ制限層をさらに含み、この流れ制限層は、膜を封入して、使用中の分析物検出膜からの緩衝剤の拡散を防止し、および/または低減する。
第2の実施形態では、電気化学的分析物センサーを提供する。このセンサーは、電気活性表面を有する少なくとも1つの作用電極と、分析物検出膜と、任意選択の障害層と、酵素層と、少なくとも1つの塩と、流れ制限層とを備えている。分析物検出層は、(i)電気活性表面と任意選択の障害層との間、および/または(ii)任意選択の障害層と酵素層との間に配置された任意選択の親水性層を含むことができ、この親水性層は、少なくとも1つの親水性ポリマーを含み、酵素を排除する。任意選択の障害層は、セルロース誘導体を含む。少なくとも1つの塩は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む。少なくとも1つの塩は、(i)電気活性表面と障害層との間に乾燥層として堆積される、(ii)任意選択の障害層と酵素層との間に乾燥層として堆積される、(iii)(a)電極表面と任意選択の障害層との間、および/または(b)任意選択の障害層と酵素層との間に配置された親水性ポリマー層に結合される、(iv)酵素層に結合される、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせである。流れ制限層が、酵素層、障害層、任意選択の親水性層、および少なくとも1つの電極を覆っている。
第3の実施形態では、電気化学的分析物センサーの検査方法を提供する。この方法は、電気化学的センサーを用意するステップと、電気化学的センサーを緩衝剤の水溶液に接触させるステップであって、この緩衝剤が、400mg/dL以上のグルコース濃度で信号ドリフトを1時間以上に亘って10%以下にする、ステップと、電気化学的センサーを、分析物の臨床濃度範囲における1つ以上の濃度の分析物に接触させるステップと、電気化学的分析物センサーを検査するステップと、を含む。
第3の実施形態の一態様では、緩衝剤は、(i)in vitroでの分析物の臨床濃度範囲に対して、電気化学的分析物センサーの電気化学的に生成される酸性の副産物を中和し、および/または(ii)in vitroで検査されるときに、少なくとも2時間に亘って分析物の臨床濃度範囲の上限で本質的に一定の出力電流を供給するのに十分な量存在する。
第3の実施形態の別の態様では、緩衝剤は、炭酸イオン、重炭酸イオン、または炭酸イオンと重炭酸イオンとの混合物を含む。
第3の実施形態の別の態様では、緩衝剤は、400mg/dL以上のグルコース濃度で信号ドリフトを2時間以上に亘って10%以下にする。
第3の実施形態の別の態様では、400mg/dL以上のグルコース濃度で信号ドリフトが8時間以上に亘って10%以下に維持される。
本発明は、グルコース検査溶液およびグルコース較正溶液にも適用可能である。具体的には、これらの溶液は、グルコースセンサーの酵素の微小環境周囲のグルコン酸などの酵素副産物の酸性蓄積物を緩衝する十分な能力を有するように調製される。したがって、本発明の開示の溶液に浸漬されたグルコースセンサーは、(1)溶液浸漬時間に応じて安定であり、および(2)グルコース濃度に応じて線形である出力信号を供給することができる。
図1は、本発明の一実施形態による流れ制限膜で被覆された作用電極を有するフレックス回路(flex circuit)の形態の電流測定センサーを示している。 図2は、本発明の一実施形態による流れ制限膜が設けられる前のセンサーの作用電極部分の側断面図である。 図3は、本発明の一実施形態による流れ制限膜が設けられた後の図2に示されているセンサーの作用電極部分の側断面図である。 図4は、本発明の一実施形態によるセンサーアセンブリを備えたマルチルーメンカテーテルの側面図である。 図5は、本発明の一実施形態による図4のマルチルーメンカテーテルの遠位端部の詳細図である。 図6Aおよび図6Bはそれぞれ、1×PBSおよび10×PBSコントロール緩衝系を用いた一群の試験センサーの電流出力−時間のグラフである。 図7は、本明細書に開示され記載されている100mM 重炭酸塩の緩衝系を用いた一群の試験センサーの電流出力−時間のグラフである。 図8は、図7に示されている個々のセンサーの電流出力−時間データに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図9は、図7に示されている個々のセンサーの電流出力−時間データに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図10は、図7に示されている個々のセンサーの電流出力−時間データに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図11は、PBSコントロール緩衝系を用いた一群の試験センサーの電流出力−時間のグラフである。 図12は、本明細書に開示され記載されている緩衝系を用いた高い分析物濃度に維持された一群の試験センサーの電流出力−時間のグラフである。 図13は、図12に示されている個々のセンサーのそれぞれに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および関連する計算した回帰線である。 図14は、図12に示されている個々のセンサーのそれぞれに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および関連する計算した回帰線である。 図15は、図12に示されている個々のセンサーのそれぞれに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および関連する計算した回帰線である。 図16は、図12に示されている個々のセンサーのそれぞれに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および関連する計算した回帰線である。 図17は、図12に示されている個々のセンサーのそれぞれに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および関連する計算した回帰線である。 図18は、10×PBSコントロール緩衝系を用いた図6Bに示されているデータに基づいた個々の制御センサーに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図19は、10×PBSコントロール緩衝系を用いた図6Bに示されているデータに基づいた個々の制御センサーに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図20は、10×PBSコントロール緩衝系を用いた図6Bに示されているデータに基づいた個々の制御センサーに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。 図21は、10×PBSコントロール緩衝系を用いた図6Bに示されているデータに基づいた個々の制御センサーに一致する電流出力−グルコース濃度の較正曲線および計算した回帰線である。
詳細な説明
全体として、環境と迅速に化学的、電気的、および物理的に平衡となるようにし、結果として高速かつ正確な分析物レベルを示す電気化学的分析物センサーおよびin vitro検査方法を開示する。より詳細には、本開示は、迅速かつ正確な分析物レベルを示す緩衝剤を含む分析物の測定装置、および/またはこの装置を事前検査して有効性確認するin vitro検査方法に関する。このようなセンサーおよびin vitro検査方法は、特に、ICUでの監視などのより厳しい検出の適用例で使用される。出願者は、驚くべきことに、電気化学的センサーの分析物検出膜構造に結合される、またはこのセンサーの検査液に含められる特定の種類の緩衝剤が、分析物の濃度に一致するセンサーの信号出力を実質的に維持することを観察した。この信号出力は、実質的に特定の緩衝剤がなくても、比較的緩衝された溶液または比較センサー構造よりも維持される。加えて、出願者は、驚くべきことに、特定の緩衝剤、例えば、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、およびこれらの混合物を含む緩衝剤の使用が、電気化学的センサーの商業化に必要な開発時間、有効性確認、およびQC関連検査を実質的に排除または低減することを観察した。
どの特定の理論にも拘泥するものではないが、出願者は、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩から選択される緩衝剤が、分析物検出膜の微小環境内の局所pHの変動を減少または排除するとほぼ考えている。例えば、分析物検出膜の微小環境内の局所pHの変動は、グルコースとグルコースオキシダーゼとの反応から生じるグルコン酸によってもたらされる。したがって、本明細書に開示される緩衝剤は、分析物検出膜の微小環境内の酵素の感受性を維持し、これが、比較的一定の分析物の濃度、特に比較的高い分析物の濃度、とりわけ長時間に亘って維持される比較的高い分析物の濃度の期間中に改善された、または他で安定な信号出力をもたらす。一定の分析物濃度の状態は、センサーの開発の最中、センサーの有効性確認またはQC関連検査の最中、またはセンサーのin vivoでの使用中に存在する、またはもたらされ得る。
以下の説明および例は、開示される本発明の一部の例示的な実施形態を詳細に例示する。当業者であれば、本発明の範囲に包含され得る本発明の様々な変更形態および改良形態が存在し得ることを理解できよう。したがって、特定の例示的な実施形態の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。
定義
本発明の様々な態様を理解しやすくするために、以下の通り定義する。
本明細書で使用される場合、用語「分析物」は、分析することができる生体液(例えば、血液)中の目的の物質または化学成分を指すが、これに限定されるものではない。分析物は、生体液中に天然に存在することができ、分析物は、体内に導入することができ、あるいは分析物は、目的の物質の代謝産物、または目的の物質の酵素的に生成された化学反応物もしくは化学産物とすることができる。好ましくは、分析物は、少なくとも1つの酵素と反応でき、および電流測定または電圧測定で検出可能な電気化学反応生成物を定量的に生成する化学物質を含む。
本明細書で使用される場合、用語「分析物測定装置」、「センサー」、および「センサーアセンブリ」は、少なくとも1つの分析物の検出を可能にする分析物監視装置の領域を指すが、これに限定されるものではない。例えば、センサーは、非導電部分、少なくとも1つの作用電極、基準電極、および対電極(任意選択)を含むことができ、非導電部分の1つの位置における電気化学的に反応性の表面、非導電部分の別の位置における電子接続部、および電気化学的に反応性の表面上の1つ以上の層を形成している。
本明細書で使用される場合、用語「ブレークイン」は、センサー配置後に、センサーからの電気出力がセンサーと溶液の接触後に実質的に一定の値を達成するまでの時間を指すが、これに限定されるものではない。ブレークインは、異なる電圧設定値を適用すること、高い電圧設定値で開始してから電圧設定値を下げること、および/または一定の電流密度で負の電流で作用電極を前処理することによってセンサーの電子機器を設定することを含む。ブレークインは、膜、層、酵素、および電子機器などのセンサーの構成要素の1つ以上の化学的/電気的平衡を含み、センサー出力の較正の前に起こり得る。例えば、センサーに対する電位入力後の即時ブレークインは、センサーからの実質的に一定の電流出力であり得る。例として、溶液と接触後のグルコース電気化学的センサーの即時ブレークインは、配置から約30分以内の±5mg/dLの較正グルコース濃度を表す電流出力であり得る。用語「ブレークイン」は、十分に文書化されており、電気化学的グルコースセンサーの分野の技術者には理解されているが、ブレークインは、基準グルコースデータ(例えば、SMBG計から)が測定グルコースセンサーデータの範囲内の±5mg/dLであるとき、グルコースセンサーで例示することができる。
本明細書で使用される場合、用語「緩衝剤」は、一般に緩衝液の主成分である物質または主成分となる物質を指す。例えば、「緩衝剤」は、分析物を含む水溶液に接触すると、水溶液のpHを変更し、および/または維持し、水溶液のpHが、緩衝剤に接触する前のpHと同じまたは異なるようにすることができる。特定の一例では、緩衝剤は、分析物を含むまたは分析物が添加される水性媒体に接触したときに、分析物検出膜に結合する緩衝液の活性剤を生成する。好ましい態様では、緩衝剤は、分析物を含むまたは分析物が添加される水性媒体に接触したときに、検出膜を含むグルコースオキシダーゼに結合する緩衝液の活性剤を生成する。別の特定の例では、緩衝剤は、分析物に応答する電気化学的センサーの検査に使用される分析物を含む水溶性媒体に結合する緩衝液の活性剤を生成する。好ましい態様では、緩衝剤は、電気化学的グルコースセンサーの検査に使用されるグルコースを含む水溶性媒体に結合する緩衝液の活性剤を生成する。より好ましい態様では、緩衝剤は、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、もしくはこれらの混合物の少なくとも1つを含む、または約10×リン酸緩衝生理食塩水(10×PBS)を含む、または酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオンの1つと組み合わせられたリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。さらに好ましい態様では、緩衝剤は、分析物検出膜の酵素の(微小)環境内で酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つを含む。好ましい態様では、緩衝剤は、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ、アルカリ土、またはポリカチオンの水溶性塩であり、この塩は、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つを含む。
本明細書で使用される場合、句「〜する能力がある」は、説明した構造に関連した機能の説明を指すときは、説明された構造が説明された機能を実際に果たすことができる全ての条件を含む。例えば、句「〜する能力がある」は、通常の動作条件、実験条件、または実験室条件、ならびに通常の動作中には起こる可能性が低い、または起こり得ない条件の下で機能を果たすことを含む。
本明細書で使用される場合、用語「酢酸酪酸セルロース」は、セルロースを無水酢酸および無水酪酸と接触させることによって得られる化合物を指すが、これに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、用語「含む」およびその文法的等価物は、「備える」、「有する」、または「〜によって特徴付けられる」と同義であり、説明をしていないさらなる要素または方法のステップを含むまたは制限せず、かつ排除しない。
本明細書で使用される場合、句「連続的な分析物の検出」および「継続的な分析物の検出」(および文法的等価物「連続的に」および「継続的に」)は、連続的に、継続的に、および/または断続的に(しかし定期的に)行われる分析物の濃度の監視の期間を指すが、これに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、句「連続的なグルコースの検出」は、連続的に、継続的に、および/または断続的に(しかし定期的に)行われるグルコース濃度の監視の期間を指すが、これに限定されるものではない。この期間は、例えば、数分の1秒〜例えば、1分、2分、または5分以上の時間間隔とすることができる。
本明細書で使用される場合、用語「覆う」およびその文法的等価物は、通常の辞書の定義を指すが、これに限定されるものではなく、1つ以上の介在層を含む。例えば、電気活性表面の少なくとも一部を「覆っている」層は、この層と電気活性表面との間の1つ以上の介在層を含む。
本明細書で使用される場合、用語「架橋」および「架橋結合」は、共有結合またはイオン結合を形成することによる連結(例えば、ポリマーおよび/またはタンパク質の近接鎖)を指すが、これに限定されるものではない。架橋結合は、既知の技術、例えば、熱反応、化学反応、または電離放射(例えば、電子ビーム照射、UV照射、X線照射、またはγ線照射)によって達成することができる。例えば、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒドと親水性ポリマー酵素組成物との反応は、酵素および/または親水性ポリマーの1つ以上の化学架橋結合となる。
本明細書で使用される場合、句「電気活性表面」は、電気化学反応が起こる電極の表面を指すが、これに限定されるものではない。例えば、所定の電位で、Hが、作用電極の電気活性表面と反応して、2つの陽子(2H+)、2つの電子(2e)、および1つの酸素分子(O)を生成し、これらの電子が検出可能な電子電流を生成する。電気活性表面は、その少なくとも一部にアミノアルキルシランなどの化学結合または共有結合接着促進剤を備えることができる。
本明細書で使用される場合、句「酵素層」は、目的の分析物の決定に利用される反応物および/または共反応物が通過することができる1つ以上のドメインを含む透過性または半透過性膜を指すが、これに限定されるものではない。一例として、酵素層は、グルコースオキシダーゼ酵素および親水性ポリマーを含み、この酵素が、グルコースおよび酸素との電気化学反応を触媒して、グルコース濃度の測定を可能にする。酵素層は、少なくとも1つのタンパク質、または天然もしくは合成材料をさらに含み得る。好ましい態様では、酵素層は、宿主の不用意な感染の可能性を回避するために、ヒトに対する既知または疑われる病理学的作用、ウイルス作用、または免疫学的作用を有する動物起源のタンパク質、例えば、あらゆるウシタンパク質、特に牛海綿状脳症(BSE)に関連したウシタンパク質を意図的に排除する。別の態様では、酵素層は、既知の毒性を考慮して、酸化還元メディエータ、特に、遷移金属が結合した酸化還元メディエータを意図的に排除する。酸化還元メディエータの排除は、少なくとも一因として、使用中の宿主への毒性金属の放出の可能性によるものである。
本明細書で使用される場合、用語「流れ制限膜」は、酸素および他の分析物の下側の酵素層への流れを制御する半透過性膜を指す。例として、グルコースセンサーの場合、流れ制限膜は、速度制限しないで過剰に酸素を供与するのが好ましい。結果として、グルコース測定の線形性の上限が、流れ制限膜を使用しないで達成される値よりも大幅に高い値まで拡大される。
本明細書で使用される場合、用語「インターフェラント(interferant)」、「妨害物質(interferent)」、および「妨害種(interfering species)」は、通常なら目的の分析物のセンサーでの測定を妨害して分析物の測定を正確に表さない信号を生成する作用および/または化学種を指すが、これに限定されるものではない。例えば、電気化学的センサーでは、妨害種は、測定すべき分析物の酸化電位と実質的に重複する酸化電位を有する化合物とすることができる。
本明細書で使用される場合、用語「高分子電解質」は、懸垂イオン性基を有する高分子量物質を指す。高分子電解質の分子量は、少なくとも約1000〜約1,000,000ダルトンの範囲とすることができる。一態様では、高分子電解質は、末端イオン性基および本質的に懸垂型でないイオン性基を有するポリマー、例えば、ナフィオンを含まない。
本明細書で使用される場合、用語「被験体」は、哺乳動物、特にヒトおよび家畜動物を指すが、これに限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、句「ビニルエステル単量体単位」は、エステル官能性を有する不飽和単量体の重合から形成される物質の化合物および組成物を指す。例えば、ポリエチレン酢酸ビニルポリマーおよびそのコポリマーは、ビニルエステル単量体単位を含む化合物である。
センサーシステムおよびセンサーアセンブリ
本明細書に開示される本発明の態様は、目的の分析物の濃度またはその分析物の濃度もしくは存在を示唆する物質の濃度を測定する分析物センサーシステムの使用に関する。センサーシステムは、連続装置であり、例えば、皮下装置、経真皮(例えば、経皮)装置、または血管内装置の一部として使用することができる。分析物センサーは、分析物検出のために酵素法、化学法、電気化学法、またはこのような方法の組み合わせを使用することができる。出力信号は、典型的には、装置を使用することができる患者または医師などの使用者に目的の分析物の有効値を提供するために使用される生信号である。したがって、適切な平滑化法、較正法、および評価法を、この生信号に適用することができる。
一般に、センサーは、複数の層によって取り囲まれた作用電極の露出された電気活性表面の少なくとも一部を備えている。好ましくは、障害層が、露出された電極表面を生物学的環境から保護し、および/または妨害物質を制限もしくは遮断するために、センサーの電気活性表面(作用電極および任意選択の基準電極)の少なくとも一部の上に接触するように堆積される。酵素層が、障害層の少なくとも一部の上に接触するように堆積される。一態様では、障害層および酵素層が、センサーの信号出力の迅速な応答および安定性を可能にし、ならびに/または放浪種、例えば、塩および電解質層もしくはドメインで電極の電気活性表面を前処理する必要性をなくし、これにより、製造が容易になり、開示されるセンサーのロットごとのばらつきが減少する。
以下に詳細に開示される例示的な一実施形態は、グルコース・センサー・アセンブリを備えたカテーテルなどの医療装置を利用する。一態様では、分析物センサーアセンブリを備えた医療装置が、被験体の血管系に挿入するために提供される。分析物センサーアセンブリを備えた医療装置は、これに関連して、センサーに関連した電子ユニット、およびセンサーのデータを受信し、ならびに/または処理するための受信機を備えることができる。連続グルコースセンサーの2、3の例示的な実施形態を本明細書に例示し、開示することができるが、開示された実施形態は、目的の分析物の濃度の実質的に継続的または実質的に連続的な測定をすることができ、および分析物の濃度を表す迅速かつ正確な出力信号を提供することができるあらゆる装置に適用できることを理解されたい。
電極および電気活性表面
本明細書に開示されるセンサーまたはセンサーアセンブリの電極および/または電気活性表面は、導電材料、例えば、プラチナ、プラチナイリジウム、パラジウム、黒鉛、金、炭素、導電ポリマー、合金、またはインクなどを含む。電極は、様々な製造技術(バルク金属法、または金属の基板への蒸着など)によって形成することができ、導電性インクおよび/または触媒インクを用いたスクリーン印刷技術によって電極を形成すると有利であろう。導電性インクは、プラチナおよび/またはパラジウムなどの貴金属で触媒することができる。
一態様では、センサーまたはセンサーアセンブリの電極および/または電気活性表面は、フレックス回路などの可撓性基板上に形成される。一態様では、フレックス回路は、センサーの一部あり、基板、導電トレース、および電極を含む。導電トレースおよび電極は、例えば、スクリーン印刷技術またはインク堆積技術を用いて基板にマスキングして像を形成することができる。導電トレースおよび電極、ならびに電極の電気活性表面は、導電材料、例えば、プラチナ、プラチナイリジウム、パラジウム、黒鉛、金、炭素、導電ポリマー、合金、またはインクなどから形成することができる。
一態様では、対電極が、作用電極で測定される化学種によって生成される電流の平衡を保つために設けられている。グルコースオキシダーゼをベースとしたグルコースセンサーの場合、作用電極で測定される化学種はHである。グルコースオキシダーゼは、反応式:グルコース+O→グルコン酸塩+Hにしたがって酸素とグルコースの過酸化水素とグルコン酸塩への変換を触媒する。作用電極によるHの酸化は、対電極に存在する全ての酸素または他の還元可能な化学種の還元によって平衡が保たれる。グルコースオキシダーゼの反応によって生成されるHは、作用電極の表面で反応し、2つの陽子(2H)、2つの電子(2e)、および1つの酸素分子(O)を生成する。
一態様では、追加の電極、例えば、3電極系(作用電極、基準電極、および対電極)および/または1つ以上の追加の作用電極をセンサーまたはセンサーアセンブリ内に含めることができ、この追加の作用電極は、基準減算電極(baseline subtracting electrode)として構成される、または追加の分析物を測定するように構成される。2つの作用電極は、互いに近接し、および基準電極に近接して配置することができる。例えば、第1の作用電極を、グルコースおよび基準値を含む第1の信号を測定するように構成し、酵素が配置されていない第1の作用電極に実質的に類似した追加の作用電極を、基準値のみからなる基準値信号を測定するように構成して、多電極系を構成することができる。この方法では、追加の電極によって生成される基準値信号を第1の作用電極の信号から減算して、基準値の変動および/または電気化学的に活性な妨害化学種を実質的に含まないグルコースのみの信号を生成することができる。
一態様では、センサーは、2〜4個の電極を含む。これらの電極には、例えば、対電極(CE)、作用電極(WE1)、基準電極(RE)、および任意選択の第2の作用電極(WE2)が含まれ得る。一態様では、センサーは、少なくともCEおよびWE1を有する。一態様では、追加のWE2を使用して、センサー測定の精度をさらに向上させることができる。一態様では、追加の第2の対電極(CE2)を使用することができ、これによりセンサー測定の精度をさらに向上させることができる。
一切の後続層が設けられる前に、電極の表面を処理することができる。表面処理には、例えば、電極表面の少なくとも一部の化学処理、プラズマ処理、またはレーザー処理が含まれ得る。例として、電極を、1つ以上の接着促進剤に化学的にまたは共有結合的に接触させることができる。接着促進剤には、例えば、アミノアルキルアルコキシルシランおよびエポキシアルキルアルコキシルシランなどが含まれ得る。例えば、1つ以上の電極を、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含む溶液に化学的にまたは共有結合的に接触させることができる。
一部の代替の実施形態では、作用(および/または他の)電極の露出された表面積を、電極自体の断面積を変更することによって増加させることができる。作用電極の表面積を増加させることは、分析物の濃度に応答する信号を増加させるのに有利であり得、この信号の増加が、例えば、S/N比の改善に役立ち得る。作用電極の断面は、あらゆる規則的な構造、不規則な構造、円形構造、または非円形構造によって画定することができる。
緩衝剤
一態様では、緩衝剤は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、およびこれらの混合物の少なくとも1つを含む。別の態様では、緩衝剤は、少なくとも0.030重量モル濃度のNaHPOおよび少なくとも0.006重量モル濃度のKHPOのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の水溶液、または酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のあらゆる組み合わせを含む。水性媒体中に存在すると、緩衝剤は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、およびこれらの混合物を提供することができる。好ましい態様では、緩衝剤は、分析物検出膜に関連した緩衝液の活性剤、または電気化学的グルコースセンサーの検査に使用されるグルコースを含む水性媒体を生成する。緩衝剤は、in vivoまたはin vitroで使用されるときに分析物の臨床濃度範囲に対して、電気化学的分析物センサーの電気化学的に生成される酸性の副産物を中和するのに十分な量存在する。より好ましい態様では、緩衝剤は、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、3×以上のPBS、またはこれらの混合物の少なくとも1つを含む。さらに好ましい態様では、緩衝剤は、分析物検出膜の酵素の(微小)環境内に酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、10×PBS、またはこれらの混合物の少なくとも1つを含む。好ましい態様では、緩衝剤は、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ、アルカリ土、またはポリカチオンの塩であり、この塩は、酢酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つを含む。より好ましい態様では、緩衝剤は、酢酸、炭酸、もしくは重炭酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、もしくはポリカチオン塩、またはこれらの混合物を含む。
一態様では、緩衝剤は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む高分子電解質である。高分子電解質は、懸垂イオン性基を有する高分子量物質である。電解質として、高分子電解質は、電荷中和能力および電荷移動能力などの安定したセンサー機能に必要な有利なイオン特性を有する。高分子電解質は、サイズが大きいため、例えば、酢酸イオン、炭酸イオン、または重炭酸イオンなどの電解質(放浪)種の分析物検出膜を介した拡散を実質的に低減または防止する。したがって、酢酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、およびこれらの混合物を含む高分子電解質は、電気的中性を実質的に維持する一方で、分析物検出膜に対して非放浪緩衝系(non−fugitive buffering system)を提供すると考えられる。一般に、高分子電解質は、多数のイオン性基を有するため、高電荷であり得る。一態様では、高分子電解質は、複数のイオン性基から構成することができる。さらなる態様では、高分子電解質は、好ましくは、末端イオン性基を含まない、例えば、ナフィオンをベースとした高分子電解質である。好ましい高分子電解質は、カチオン高分子電解質塩、または酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、もしくはこれらの混合物を含むポリカチオン(正電荷を有する反復結合を含むポリマー)である。
本発明の好ましい態様は、酢酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、およびこれらの混合物を含む薬学的に許容され得るポリカチオンを含む高分子電解質を利用する。薬学的に許容され得る塩は、ヒトへの使用に安全かつ効果的である塩である。ポリカチオンまたはポリカチオン前駆体の例には、例えば、直鎖または分岐ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリアルキレンポリアミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパン−スルホン酸)、(3−アクリルアミドプロピル)トリスメチルアンモニウム、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリアクリロニトリル、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリヒスチジン、ポリアルギニン、ポリトリプトファン、ポリ−2,4−ジアミノ酪酸、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリヒスチジン、ポリアルギニン、ポリトリプトファン、ポリ−2,4−ジアミノ酪酸、ポリ−2,3−ジアミノプロピオン酸、プロタミン、ならびにリジン、ヒスチジン、アルギニン、トリプトファン、オルニチン、2,4−ジアミノ酪酸、および2,3−ジアミノプロピオン酸からなる群から選択されるアミノ酸残基をポリペプチド鎖に少なくとも1種類以上有するポリペプチドが含まれ、ジメチルアミン−エピクロロヒドリン縮合生成物、ポリアミン型化合物には、ポリアルキレンポリアミンおよびグアニジン誘導体、ポリアミドポリアミン、およびこれらの混合物の縮合生成物が含まれる。高分子科学の分野の技術者であれば、非常に多様な潜在的なポリカチオンおよびこれらの組み合わせ、ならびに酢酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、およびこれらの混合物の結合対イオンを理解でき、上記リストが決して全てを網羅するものではなく、1つ以上のポリカチオンの可能な組み合わせを含め、他の可能な組み合わせが含まれると見なされることを理解できよう。酢酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、またはこれらの混合物を含むポリカチオン塩は、当技術分野で一般に知られている方法を用いて、ポリカチオンの遊離酸と酢酸塩、炭酸塩、もしくは重炭酸塩の共役塩基との直接反応によって、またはポリカチオンの他のアニオンとのイオン交換法によって用意することができる。
一態様では、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む緩衝剤は、他のあらゆる緩衝剤よりも高いモル濃度で存在する。例えば、緩衝剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファーの主成分よりもモル(または重量モル)過剰で存在し、1×PBS緩衝液は、典型的には、137mMの濃度のNaCl、10mMの濃度のリン酸塩、2.7mMの濃度のKCl、およびpH 7.4を有し、リン酸塩が、緩衝液の主成分である。好ましい態様では、緩衝剤の濃度は、10mM〜200mM、より好ましくは20mM〜約150mM、最も好ましくは25mM〜60mMである。多量の緩衝剤を使用することができる。他の態様では、緩衝剤は、非PBS緩衝剤の量が少なくとも20mMであれば、PBSと共に使用される。例えば、約20mMの濃度で炭酸イオンを含む緩衝剤は、pHが約7.4で、1×PBS、さらには10×PBS緩衝液と比較して、長期に亘って高レベルの分析物において優れた信号出力性能を提供することが見出されている。別の態様では、緩衝剤が、センサーの検査用の水溶液中に存在し、この水溶液は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、少なくとも0.030重量モル濃度のNaHPOおよび0.006重量モル濃度のKHPOのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のあらゆる組み合わせを含む。例えば、水溶液は、20mM 重炭酸塩および1×PBSを含む、または少なくとも0.030重量モル濃度のNaHPOおよび0.006重量モル濃度のKHPOがPBSのみを含むことができる。
好ましい一態様では、緩衝剤は、(i)電気活性表面と障害層との間に乾燥層として堆積される、(ii)障害層と酵素層との間に乾燥層として堆積される、(iii)(a)電気活性表面と障害層との間、および/または(b)障害層と酵素層との間に配置された任意選択の親水性ポリマー層に結合される、(iv)酵素層に結合される、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせである。
任意選択の親水性層
一態様では、電気化学的センサーの分析物検出膜は、任意選択で親水性層を含む。親水性層は、電極/電気活性表面の上に配置することができ、および/または電極/電気活性表面に直接接触させることができる。同様に、親水性層は、障害層および/または酵素層などの分析物検出膜の別の層の上/下に配置することができる。親水性層は、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、ポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、懸垂イオン性基を有するポリマー、およびこれらのコポリマーまたは配合物から選択することができる。好ましくは、親水性層は、ポリ−N−ビニルピロリドンまたは高分子電解質を含む。親水性層は、緩衝剤を含み得る。
任意選択の障害層(interference Layer)
一態様では、電気化学的センサーの分析物検出膜は、妨害物質と作用電極との接触を防止または低減する障害層を任意選択で含む。妨害物質は、直接または電子移動剤を介して電子センサーの電気化学的に反応性の表面で還元または酸化されて、擬陽性分析物信号(例えば、非分析物関連信号)を生成し得る分子または他の化学種とすることができる。この擬陽性信号は、通常は、被験体の分析物濃度を実際の分析物濃度よりも高く見えるようにする。例えば、低血糖状態では、被験体が妨害物質(例えば、アセトアミノフェン)を摂取すると、人工的に高いグルコース信号が、正常血糖である、場合によっては高血糖であると被験体または医療スタッフに信じ込ませ得る。結果として、被験体または医療スタッフは、不適切または誤った処置の決定を行う可能性がある。
障害層として使用するのに適したあらゆる材料を、本明細書に開示されるセンサーおよび方法にしたがって使用することができる。一態様では、1つ以上の妨害種が障害層を通過するのを実質的に制限または防止する障害層が、センサーまたはセンサーアセンブリに設けられる。適切な障害材料には、例えば、セルロースおよびその誘導体、シリコーン含有および/または炭酸塩含有ポリウレタンエラストマーなどのポリウレタン、ナフィオン、ポリアニオン樹脂、ポリカーボネート、およびポリスルホン(polysufone)などが含まれる。
グルコースセンサー用の妨害種には、例えば、アセトアミノフェン、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドーパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L−ドーパ、メチルドーパ、サリチル酸塩、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリド、尿素、および尿酸が含まれる。障害層は、標的分析物種よりも1つ以上の妨害種を透過しにくくすることができる。障害層は、例えば、1つ以上の妨害種の透過は制限するが、標的分析物種の透過を可能にする特定のサイズの開口を有するように孔を開けることができる。一態様では、障害層は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む緩衝剤を含む。別の態様では、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む緩衝剤の乾燥層が、(i)障害層と電極表面と間、および/または(ii)障害層の上に配置される。一実施形態では、障害層は、1つ以上のセルロース誘導体から形成される。セルロース誘導体には、酢酸セルロース、酪酸セルロース、フタル酸セルロース、プロピオン酸セルロース、およびトリメリット酸セルロースなどが含まれる。一態様では、混合エステルセルロース誘導体は、例えば、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、ならびにこれらのコポリマーおよびターポリマーを、これらの架橋変異体を含む他のセルロースまたは非セルロースモノマーと共に使用することができる。セルロース誘導体と同様の特性を有するポリマー多糖(polymeric polysaccharide)などの他のポリマーを、障害材料として単独で、または上記のセルロースと組み合わせて使用することができる。
セルロースの他のエステルを、例えば、酢酸酪酸セルロースと配合された酢酸セルロースなどのように、混合エステルセルロース誘導体と配合することができる。上記された異なるセルロース誘導体の個々の層は、障害層を構成することができる。
一態様では、障害層は、酢酸酪酸セルロースから形成される。酢酸酪酸セルロースは、アセチル基とブチル基の両方およびヒドロキシル基を有するセルロースポリマーである。約35%以下のアセチル基、約10%〜約25%ノブチリル基、および残余を構成するヒドロキシル基を含む酢酸酪酸セルロースを使用することができる。約25%〜約34%のアセチル基および約15%〜約20%のブチリル基を含む酢酸酪酸セルロースも使用することができるが、他の量のアセチル基およびブチリル基も使用することができる。好ましい酢酸酪酸セルロースは、約28%〜約30%のアセチル基および約16%〜約18%のブチリル基を含む。
分子量が約10,000ダルトン〜約75,000ダルトンの酢酸酪酸セルロースが好ましく、好ましくは約15,000、20,000、または25,000ダルトン〜約50,000、55,000、60,000、65,000、または70,000ダルトン、より好ましくは約65,000ダルトンが使用される。しかしながら、特定の実施形態では、これよりも高いまたは低い分子量を使用しても良いし、または分子量が異なる2つ以上の酢酸酪酸セルロースの配合物を使用しても良い。
酢酸酪酸セルロースの複数の層を組み合わせて障害層を形成することができ、一部の実施形態では、例えば、2つ以上の層を利用することができる。1つの溶液に溶解した様々な分子量の酢酸酪酸セルロースの混合物を利用すること、または様々な分子量、様々な濃度、および/または様々な化学的性質(例えば、官能基のwt%)を有する様々な溶液から酢酸酪酸セルロースの複数の層を堆積させることが望ましいであろう。注型溶液または分散液中の追加の物質、例えば、注型補助剤、脱泡剤、界面活性剤、機能化剤、架橋剤、他のポリマー物質、および得られる層の親水性/疎水性を変更できる物質などを使用することができる。
障害材料をセンサーの電気活性表面(複数可)に直接スプレーする、注型する、被覆する、または浸して障害層を形成することができる。障害材料のディスペンスは、あらゆる既知の薄膜技術を用いて行うことができる。注型溶液の連続的な適用、硬化、および/または乾燥によって2層または3層以上の障害材料を形成することができる。
注型溶液中の固形物の濃度を調整して、1つの層の電極に十分な量の固形物または膜を堆積させて(例えば、1回の浸漬またはスプレー)、センサーで測定される測定化学種(例えば、H)の電位と通常なら重複する酸化または還元電位でインターフェラントを遮断するのに十分な層を形成することができる。例えば、注型溶液の固形物の百分率を調整して、1つの層だけで、センサーによって測定されるインターフェラントの等価グルコース信号を実質的に防止または低減する機能的な障害層を形成するのに十分な量を堆積させることができる。障害材料の十分な量は、インターフェラントの等価グルコース信号を実質的に防止する、または約30、20、または10mg/dl未満に低減する量とすることができる。例として、障害層は、障害層がないセンサーのアセトアミノフェンによって通常であれば生成され得る約30mg/dlの等価グルコース信号応答を実質的に遮断するように構成されるのが好ましい。アセトアミノフェンによって生成されるこのような等価グルコース信号応答は、治療量のアセトアミノフェンを含む。任意の順序で形成されるあらゆる数の被覆また層が、本明細書に開示される実施形態の障害層の形成に適し得る。
一態様では、障害層は、センサーの電気活性表面、または電極の表面に直接接触した材料もしくは層に直接堆積される。好ましくは、障害層は、実質的に介在材料が存在しないセンサーの電気活性表面、または電極の表面に直接接触した層に直接堆積される。驚くべきことに、センサーの電気活性表面に直接堆積された障害層を含む構造が、電気活性表面と障害層との間の介在層の必要性を実質的に排除すると共に、分析物を表す迅速かつ正確な信号を供給することを見出した。
障害層は、約0.05ミクロン以下〜約20ミクロン以上、より好ましくは約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、または3.5ミクロン〜約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または19.5ミクロン、さらに好ましくは約1、1.5、2ミクロン〜約2.5または3ミクロンの厚さが得られるように設けることができる。厚めの膜も、特定の実施形態では望ましいこともあろうが、薄めの膜は、過酸化水素の酵素膜から電極への拡散速度に与える影響が少ないため、薄めの膜が通常は好ましいであろう。
酵素層
本明細書に開示されるセンサーまたはセンサーアセンブリは酵素層を含む。酵素層は、親水性ポリマーを含み得る。一態様では、酵素層は、障害層の少なくとも一部に直接堆積された酵素を含む。一態様では、酵素層は、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む緩衝剤を含む。
一態様では、酵素層は、酵素と、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、ポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール、懸垂イオン性基を有するポリマー、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーから選択される親水性ポリマーとを含む。好ましくは、酵素層は、ポリ−N−ビニルピロリドンを含む。酵素層は、架橋剤および他のタンパク質などの追加の成分を実質的に含まなくても良い。最も好ましくは、酵素層は、グルコースオキシダーゼ、ポリ−N−ビニルピロリドン、および酵素を固定するのに十分な量の架橋剤を含む。
酵素層の親水性ポリマーの分子量は、放浪種がセンサーの環境を離れるのを防止または実質的に阻止する、より好ましくは、放浪種が、センサーが最初に配置されたときに酵素の環境を離れるのを防止または実質的に阻止する分子量である。
酵素は、センサーの酵素層に固定されるのが好ましい。酵素は、親水性ポリマー内に完全にまたは部分的に封入することができ、および架橋または他の方法でそこに固定することができる。酵素は、少なくとも1つのタンパク質および/または天然もしくは合成材料と共に架橋または他の方法で任意選択で固定することができる。
酵素層の親水性ポリマーは、少なくとも1つのタンパク質および/または天然もしくは合成材料をさらに含み得る。例えば、酵素層の親水性ポリマーは、例えば、血清アルブミン、ポリアリルアミン、およびポリアミンなど、ならびにこれらの組み合わせをさらに含み得る。しかしながら、酵素層の親水性ポリマーは、ウシ由来の血清アルブミンを排除することができる。したがって、一態様では、他のタンパク質または天然もしくは合成材料を、酵素層から実質的に排除することができる。例えば、酵素層は、ウシ血清アルブミンを実質的に含まない、または完全に含まない。ウシアルブミンを含まない組成物は、様々な政府の法的要件を満たすのに望ましい組成物であろう。したがって、一態様では、酵素層は、親水性ポリマーと、グルコースオキシダーゼと、酵素を架橋または他の方法で固定するのに十分な量の架橋剤、例えば、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒドとから本質的に形成される。他の態様では、酵素層は、グルコースオキシダーゼと、ポリ−N−ビニルピロリドンと、酵素を架橋または他の方法で固定するのに十分な量の架橋剤とから本質的に形成される。
酵素層の厚さは、約0.05ミクロン以下〜約20ミクロン以上、より好ましくは約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、または3.5ミクロン〜約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または19.5ミクロンとすることができる。好ましくは、酵素層は、スプレーまたは浸漬被覆によって堆積されるが、酵素層を形成する他の方法を使用することもできる。酵素層は、所定の濃度の被覆液、挿入速度、ドウェル時間、引き抜き速度、および/または所望の厚さで1つ以上の層を浸漬被覆および/またはスプレー被覆することによって形成することができる。
任意選択の流れ制限膜
センサーまたはセンサーアセンブリは、上記の後続層の上に配設される膜を任意選択で含むことができ、この膜は、1つ以上の目的の分析物の流動速度を変更する、または変化させる(例えば、「流れ制限膜」)。以下の説明は、グルコースセンサー用の膜に関するが、この膜は、他の分析物用および共反応物質用に変更することができる。一態様では、センサーまたはセンサーアセンブリは、本明細書に記載された膜を含む。
一態様では、膜は、下側の酵素層への酸素およびグルコースの流れを制御し、好ましくは速度制限しないで過剰に酸素を供給する半透過性材料を含む。結果として、グルコース測定の線形性の上限が、流れ制限膜を使用しないで達成される値よりも大幅に高い値まで拡大される。一実施形態では、この膜は、酸素のグルコースに対する透過率比が、約50:1以下〜約400:1以上、好ましくは約200:1である。親水性および疎水性ポリマー領域の両方を備えた膜などの他の流れ制限層を単独または組み合わせて使用して、分析物および任意選択の共分析物の分析物センサーに対する拡散を制御することができる。例えば、適切な膜は、ポリウレタン、熱可塑性ポリカーボネートウレタン、またはポリエーテルウレタン尿素などの疎水性ポリマーマトリックス成分を含み得る。約20%の親水性ポリエチレンオキシドを含むポリウレタンポリマー中にポリエチレンオキシドセグメントを含む疎水性−親水性コポリマーを使用することができる。コポリマーのポリエチレンオキシド部分は、熱力学的に駆動されて、コポリマーの疎水性部分(例えば、ウレタン部分)および疎水性ポリマー成分から分離される。最終配合物を形成するために使用されるコポリマーの20%ポリエチレンオキシドをベースとした軟質セグメント部分が、膜の吸水と後の膜のグルコース透過性に影響を与える。
一態様では、非ポリウレタン型材料、例えば、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサンおよびポリカーボシロキサンなどの無機ポリマー、セルロースおよびタンパク質をベースとした材料などの天然ポリマー、およびこれらの混合物または組み合わせを流れ制限層として使用することができる。
別の態様では、膜を構成する材料は、活性酵素または電気化学電極に到達させるために、適切な化合物の膜の通過を可能にする、例えば、酸素分子の通過を可能にする十分な透過性を有するセンサー装置に使用するのに適したビニルポリマーとすることができる。膜の形成に使用することができる材料の例には、ビニルエステル単量体単位を有するビニルポリマーが含まれる。好ましい実施形態では、流れ制限膜は、ポリエチレン酢酸ビニル(EVAポリマー)を含む。他の態様では、流れ制限膜は、EVAポリマーと配合されたポリ(メチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレート)を含む。EVAポリマーまたはその配合物は、例えば、ジグリシジルエーテルと架橋結合することができる。EVAの薄膜は、非常に弾性であり、例えば、哺乳動物の静脈構造内の蛇行した通路を案内するのに適した弾力性をセンサーに提供することができる。
一態様では、流れ制限膜は、シリコーンなどの縮合ポリマーおよびウレタンポリマーおよび/またはこれらのコポリマーまたは配合物を実質的に排除する。このような排除される縮合ポリマーは、典型的には、残留重金属触媒材料を含み、この触媒材料は、滲出したときに通常なら毒性であり得、および/または完全に排除するのが困難であるため、このようなセンサーへの使用は、安全性および/またはコストの面で望ましくない。
EVAポリマーは、約9wt%酢酸ビニル(EVA−9)から約40wt%酢酸ビニル(EVA−40)の範囲の組成物を有する原料から形成することができる。EVAポリマーは、センサーまたはセンサーアセンブリへのディスペンスのために溶媒に溶解されるのが好ましい。この溶媒は、センサー基板および酵素電極への接着を促進し、ならびに効果的に適用(例えば、スプレー被覆または浸漬被覆)できる溶液を生成するために、EVAポリマーを溶解する能力から選択すべきである。シクロヘキサノン、パラキシレン、およびテトラヒドロフランなどの溶媒は、この目的に適し得る。溶液は、約0.5wt%〜約6.0wt%のEVAポリマーを含み得る。加えて、溶媒は、下側の酵素の問題を防止するために過度に撹拌しなくても蒸発するように十分に揮発性を有すべきであるが、スプレー過程に問題を起こすほどの揮発性を有するべきではない。好ましい実施形態では、流れ制限膜の酢酸ビニル成分は、約20%酢酸ビニルを含む。好ましい実施形態では、流れ制限膜は、層の厚さが約0.05ミクロン以下〜約20ミクロン以上、より好ましくは約0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、1、1.5、2、2.5、3、または3.5ミクロン〜約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または19.5ミクロン、さらに好ましくは約5、5.5、または6ミクロン〜約6.5、7、7.5、または8ミクロンの層が得られるように酵素層に堆積される。流れ制限膜は、スプレー被覆または浸漬被覆によって酵素層に堆積することができる。一態様では、流れ制限膜は、約1wt%〜約5wt%のEVAポリマーおよび約95wt%〜約99wt%の溶媒の溶液を浸漬被覆することによって酵素層に堆積される。
一態様では、酵素層、障害層、および電気活性表面の少なくとも一部を覆っている流れ制限膜を備えた電気化学的分析物センサーが提供される。したがって、このセンサーは、少なくとも1つの電気活性表面と、この電気活性表面の少なくとも一部に接触し、ならびにその少なくとも部分的に覆っているセルロース誘導体を含む障害層を含む障害層と、少なくとも一部が障害層に接触し、ならびにその少なくとも一部を部分的に覆っている、親水性ポリマーを含む酵素層と、酵素層および障害層を覆い、ならびに酵素層、障害層、および電極表面を封入している流れ制限膜と、を含む。酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物の少なくとも1つの塩を含む緩衝剤が、(i)障害層と電極表面との間、および/または(ii)障害層の上に配置され、および/または(iii)酵素層に結合される。追加の層、例えば、親水性ポリマーは、(i)障害層と電極表面との間、および/または(ii)障害層の上に配置することができ、このような親水性ポリマーは、緩衝剤を含み得る。
任意選択の生物活性剤および生物活性層
一部の代替の実施形態では、生物活性剤は、生物活性剤がセンサーに近接した生物学的環境内に拡散するように、任意選択で上記のセンサーシステムに含めることができる。加えてまたは代替として、生物活性剤は、出口部または植え込み部に局所投与することができる。適切な生物活性剤には、センサーまたはセンサーの構成要素のいずれかに応答して被験体の組織を変更する生物活性剤が含まれる。例えば、生物活性剤は、抗炎症薬、抗感染症薬、麻酔薬、炎症薬、成長因子、免疫抑制薬、抗血小板薬、抗凝固薬、抗増殖薬、ACE阻害薬、細胞毒性薬、抗障壁細胞化合物(anti−barrier cell compound)、血管新生誘導化合物、アンチセンス分子、またはこれらの混合物から選択することができる。一部の代替の実施形態では、生物活性剤層を使用することができる。生物活性剤層は、生物活性剤が、センサーに近接した生物学的環境内に拡散するように、任意選択で上記の層のいずれかに含めることができる。加えてまたは代替として、生物活性剤は、出口部または植え込み部に局所投与することができる。適切な生物活性剤には、センサーまたはセンサーの構成要素のいずれかに応答して被験体の組織を変更する生物活性剤が含まれる。例えば、生物活性剤は、抗炎症薬、抗感染症薬、麻酔薬、炎症薬、成長因子、免疫抑制薬、抗血小板薬、抗凝固薬、抗増殖薬、ACE阻害薬、細胞毒性薬、抗障壁細胞化合物、抗血管新生誘導化合物、アンチセンス分子、またはこれらの混合物から選択することができる。生物活性剤層は、分析物センサーに利用して、このセンサーの内部または表面(例えば、カテーテルの内部もしくは表面、またはセンサーの内部もしくは表面)での凝固を防止することができる。センサーの内部または表面に含める、抗凝固薬として機能する適切な生物活性剤には、ビタミンK拮抗薬(例えば、アセノクマロール、クロリンジオン、ジクマロール(Dicumarol)(ジクマロール(Dicoumarol))、ジフェナジオン、ビスクマ酢酸エチル、フェンプロクーモン、フェニンジオン、チオクロマロール、またはワルファリン)、ヘパリン群抗凝固薬(例えば、血小板凝固阻害薬:抗トロンビンIII、ベミパリン、ダルテパリン、ダナパロイド、エノキサパリン、ヘパリン、ナドロパリン、パルナパリン、レビパリン、スロデキシド、チンザパリン)、他の血小板凝固阻害薬(例えば、アブシキシマブ、アセチルサリチル酸(アスピリン)、アロキシプリン、ベラプロスト、ジタゾール、カルバサラートカルシウム、クロリクロメン、クロピドグレル、ジピリダモール、エポプロステノール、エプチフィバチド、インドブフェン、イロプロスト、ピコタミド、チクロピジン、チロフィバン、トレプロスチニル、トリフルサル)、酵素(例えば、アルテプラーゼ、アンクロッド、アニストレプラーゼ、ブリナーゼ、ドロトレコギンアルファ、フィブリノリジン、プロテインC、レテプラーゼ、サルプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ)、および直接トロンビン阻害薬(例えば、アルガトロバン、ビバリルジン、デシルジン、レピルジン、メラガトラン、キシメラガトラン、他の抗血栓薬(例えば、ダビガトラン、デフィブロチド、デルマタン硫酸、フォンダパリナックス、リバロキサン)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。一態様では、生物活性剤層は、ビタミンK拮抗薬、ヘパリン群抗凝固薬、血小板凝集阻害薬、酵素、直接トロンビン阻害薬、ダビガトラン、デフィブロチド、デルマタン硫酸、フォンダパリナックス、およびリバロキサンからなる群から選択される少なくとも1つの活性剤を含む。
生物活性剤は、上記の分析物検出膜に含めることができる。一部の実施形態では、生物活性剤は、分析物検出膜の製造時に含められる。例えば、生物活性剤は、分析物検出膜の製造の前または後で、例えば、生物活性剤を分析物検出膜に被覆する、摂取させる、溶媒注型する、または吸着させることによって一体にすることができる。生物活性剤は、分析物検出膜に含められるのが好ましいが、一部の実施形態では、センサーを含む装置の挿入(例えば、血管内)と同時、前、または後で、生物活性剤を、例えば、経口投与または局所投与、例えば、植え込み部近傍への皮下注射によって投与することができる。特定の態様では、生物活性剤を分析物検出膜に含めることと生物活性剤の局所および/または全身投与の組み合わせが好ましいであろう。
生物活性剤は、装置の検出部に近接した分析物検出膜の一部の内部に含めるもしくは表面に配置する、検出部の上を除く装置の全表面の上に配置する、またはこれらのあらゆる組み合わせとすることができる。生物活性剤をこのように設けることは、血栓形成の様々な機序および/または段階の制御に有用であり得る。しかしながら、生物活性剤を分析物検出膜に含めて、生物活性剤が分析物検出膜を通って宿主の循環系に拡散させることができる。生物活性剤は、例えば、被覆、充填、または溶媒注型によって分析物検出膜の内部または表面に堆積させることができる。生物活性剤は、上記したような技術を用いてポリマーに含めることができ、このポリマーを使用して、分析物検出膜の層、分析物検出膜の被覆、分析物検出膜の一部、および/またはセンサーのあらゆる部分の1つを形成することができる。
担体を生物活性剤に使用することができる。担体には、コラーゲン、粒子マトリックス、再吸収性または非再吸収性マトリックス、放出制御マトリックス、および/またはゲルの1つ以上が含まれ得る。担体には、生物活性剤を含むマイクロカプセルを封入するレザバーも含まれ得る。生物活性剤は、分析物検出膜に架橋結合させる、または、例えば、吸着、吸収、または摂取によって分析物検出膜に吸収させることができる。
生物活性剤は、例えば、センサー挿入の短期の影響(例えば、急性炎症および/または血栓)に関連した因子を助ける、または弱めるために短期放出用を選択することができる。生物活性剤は、長期の影響、例えば、慢性炎症または線維性組織および/もしくはプラーク物質の蓄積に関連した因子を助ける、または弱めるために長期放出用を選択することができる。生物活性剤は、短期放出と長期放出を組み合わせて両方の利点を提供することができる。したがって、生物活性剤は、制御放出、徐放、または長期放出の形態で供給することができ、「制御放出」、「持続放出」、または「徐放」は、連続または不連続放出、線形または非線形放出を含む。これは、所望の効果を与えるために単独で、組み合わせて、または連続して投与されるポリマー組成物、薬物添加、選択した賦形剤もしくは分解促進剤、または他の変性剤の1つ以上の種類を用いて達成することができる。
生物活性剤は、ヒドロゲルに含めて、分析物検出膜の内部または表面に被覆する、または他の方法で堆積させることができる。使用に適した一部のヒドロゲルには、生物活性剤が透過でき、および/または外部刺激に基づいて生物活性剤を放出する、架橋された親水性の3次元ポリマーネットワークが含まれる。
分析物検出膜に含められる生物活性剤の量は、いくつかの外部変数によって決めることができる。例えば、生物活性剤の用量および期間は、分析物検出膜の使用目的、例えば、装置の予定使用期間、患者間の生物活性剤の有効量の差異、生物活性剤の位置および投与、ならびに生物活性剤に関連した放出速度で異なり得る。当業者であれば、少なくとも上記の理由による生物活性剤の添加レベルの変動を理解できよう。
生物活性剤が担体を用いずに分析物検出膜に含められる場合、生物活性剤の分析物検出膜への添加レベルは、生物活性剤の化学的および/または物理的性質によって異なり得る。生物活性剤の添加レベルは、生物学的効果(例えば、血栓の防止)が得られるように十分に高くするのが好ましい。添加レベル(生物活性剤(複数可)、分析物検出膜、および存在する他の物質の重量に基づいた)は、約1ppm以下〜約1,000ppm以上、好ましくは約2、3、4、または5ppm〜約10、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、または900ppmである。特定の実施形態では、添加レベルは、1wt%以下〜約50wt%以上、好ましくは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20wt%〜約25、30、35、40、または45wt%とすることができる。
生物活性剤が担体を用いて分析物検出膜に含められる場合、担体の濃度を、1回以上の生物活性剤の試験添加で添加することによって最適化することができる。担体は、約0.1以下〜約50wt%以上の生物活性剤(複数可)、好ましくは、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9wt%〜約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、または45wt%以上の生物活性剤(複数可)、より好ましくは、約1、2、または3wt%〜約4または5wt%の生物活性剤(複数可)を含み得る。生物活性がなく、および/または生物活性剤と相乗的に働く物質を使用することもできる。
静脈挿入に適した可撓性基板センサーアセンブリ
一態様では、電気化学的分析物センサーアセンブリは、被験体の血管系に静脈挿入するように構成することができる。静脈挿入に適した装置の限定された空間内にセンサーを収容するために、センサーアセンブリは、フレックス回路などの可撓性基板を含み得る。例えば、フレックス回路の可撓性基板は、熱可塑性または熱硬化性などの非導電材料に被覆された薄い導電性電極として構成することができる。導電トレースを、非導電材料上に形成して、薄い導電性電極に電気的に接続することができる。フレックス回路の電極は、上記のようにすることができる。
フレックス回路は、少なくとも1つの基準電極および少なくとも1つの作用電極を含むことができ、この少なくとも1つの作用電極は、電気化学的に検出可能な化学種との相互作用時に検出可能な電気出力を供給できる電気活性表面を有する。フレックス回路は、少なくとも1つの対電極をさらに含むことができる。一態様では、フレックス回路は、2つ以上の作用電極および2つ以上の対電極を含む。一態様では、フレックス回路は、2つ以上の作用電極、少なくとも1つの空電極、および少なくとも1つの対電極を含む。
上記のセンサーアセンブリに適合する医療装置は、中心静脈カテーテル(CVC)、肺動脈カテーテル(PAC)、CVCもしくはPACを介してまたは抹消静脈カテーテルを介して挿入されるプローブ、抹消挿入カテーテル(PICC)、スワンガンツカテーテル、誘導針、または動静脈血取り扱い保護(Venous Arterial blood Management Protection)(VAMP)システムへの取り付け具を含むが、これらに限定されるものではない。あらゆるサイズ/種類の中心静脈カテーテル(CVC)または静脈内装置を、センサーアセンブリに使用することができる、または使用できるように適合させることができる。
上記の説明では、センサーまたはセンサーアセンブリの実施は、カテーテル内に配置されるとして開示されているが、上記した他の装置も考えられ、本発明の態様に含まれる。センサーアセンブリは、カテーテルチューブの外径に一致するようにカテーテルに取り付けるのが好ましい。これは、例えば、チューブの外径を熱変形させてセンサー用の凹部を形成することによって達成することができる。センサーアセンブリは、所定の位置に結合し、曲げ/剥がれに耐性がある接着剤(すなわち、ウレタン、2液エポキシ、アクリルなど)で密閉し、次いでウレタンCVCチューブおよびセンサーの材料に接着することができる。小径電気ワイヤを、はんだ付け、抵抗溶接、または導電性エポキシによってセンサーアセンブリに取り付けることができる。これらのワイヤは、センサーの近位端部からカテーテルルーメンの1つを通ってカテーテルの近位端部に移動することができる。この段階で、ワイヤは、電気コネクタにはんだ付けすることができる。
本明細書に開示されたセンサーアセンブリは、様々な方法でカテーテルに付加することができる。例えば、開口部をカテーテル本体に設けることができ、センサーまたはセンサーアセンブリを開口部のルーメン内に取り付けて、センサーが血液に直接接触するようにすることができる。一態様では、センサーまたはセンサーアセンブリは、カテーテルの全ての注入ポートの近位側に配置することができる。この構成では、センサーは、分析物の血中濃度の代わりの他の検出可能な注入液濃度の測定が防止または最小限にされる。別の態様では、取り付け方法は、カテーテル本体の外部の凹部とし、凹部内にセンサーを固定することができる。これは、あらゆる追加注入液の温度の影響からセンサーを部分的に遮断するという追加の利点を有し得る。凹部の各端部は、(1)センサーの遠位端部を固定するため、および(2)ルーメンによりセンサーワイヤをカテーテルの近位端部のコネクタに運べるようにするために、削られた開口部を有することができる。
好ましくは、カテーテル内のセンサーアセンブリの位置を全ての注入ポートの近位側(上流)にして、静脈注射用の溶液が分析物の測定に影響を与えるのを防止または最小限にする。一態様では、センサーアセンブリは、カテーテルのどの注入ポートよりも約2.0mm以上近位側にすることができる。
別の態様では、センサーアセンブリは、その機能を妨げ得るあらゆる材料をセンサーアセンブリから除去できるようにするために、カテーテルのフラッシュ(すなわち、食塩水)を利用できるように構成することができる。
センサーまたはセンサーアセンブリの滅菌
一般に、センサーまたはセンサーアセンブリ、ならびにセンサーが取り付けられる装置は、例えば、被験体に使用される前に滅菌される。滅菌は、照射(例えば、電子ビームまたはγ線照射)、エチレンオキシドまたはフラッシュUV滅菌、または当技術分野で周知の他の手段を用いて達成することができる。
センサー、センサーアセンブリ、またはセンサーを収容するように構成された装置に使い捨て部分がある場合は、この使い捨て部分を、例えば、電子ビーム、ガンマ線照射、または他の既知の方法で滅菌するのが好ましい。完全に組み立てられた装置または全ての使い捨て構成要素は、密閉性の非通気性容器または子袋の中に梱包することができる。
ここで図面を参照すると、図1は、本明細書に開示されたセンサーの実施形態を含むフレックス回路の形態の電流測定センサー11である。センサーまたはセンサー11は、基板13(例えば、ポリイミドで積層された銅箔などのフレックス基板)上に形成することができる。1つ以上の電極15、17、および19を基板13の表面に取り付ける、または接着しても良いし、または基板の凹部内に配置しても良い。センサー11は、基準電極15、対電極17、および作用電極19を備えて示されている。別の実施形態では、1つ以上の追加の作用電極を基板13に含めることができる。電気ワイヤ210は、酸化または還元反応を持続させるために電極に電力を伝送することができ、および測定されるパラメーターを示す検出回路(不図示)に信号電流を搬送することができる。測定されるパラメーターは、血液化学で生じる、または血液化学に由来し得る全ての目的の分析物とすることができる。一実施形態では、目的の分析物は、グルコースとグルコースオキシダーゼの反応から生成された過酸化水素とすることができるため、血中グルコース濃度に比例した濃度を有する。
図2は、本明細書に開示された実施形態の作用電極19の近傍の基板13の一部の側断面図を示している。作用電極19は、障害層50を用いて少なくとも部分的に被覆することができる。障害層50は、酵素層23を用いて少なくとも部分的に被覆することができ、酵素層23は、センサーが、例えば、血流に見られる特定の反応物に曝露されたときに化学反応するように選択される。例えば、グルコースセンサーの実施形態では、酵素層23は、例えば、II型またはVII型黒色アスペルギルス(EC1.1.3.4)に由来し得るグルコースオキシダーゼを含み得る。電極の一般的な形状は、凹面(不図示)にしても良いし、または基板の凹部に適合する形状の電極のような平面もしくは凸面にしても良い。
図3は、酵素層23、障害層50、および電極19の少なくとも一部を覆っている(封入している)流れ制限膜25をさらに備えたセンサー基板13の作用電極部の側断面図を示している。流れ制限膜25は、酵素と反応する血液成分の血液から酵素層23への拡散を選択的に可能にすることができる。グルコースセンサーの実施形態では、流れ制限膜25は、酵素層23に多量の酸素を通過させするが、グルコースの通過は選択に制限する。加えて、接着性を有する流れ制限膜25は、酵素層23を下層および/または作用電極19に機械的にシールすることができ、ならびに作用電極19をセンサー基板13にシールすることもできる。EVAポリマーから形成された流れ制限膜が、電極の上部で流れ制限装置として機能するだけではなく、酵素/電極境界および電極/基板境界で封止剤(sealant)または封入剤(encapsulant)としても機能し得ることが本明細書に開示されている。ヘパリンなどの生体適合性の抗血栓物質を含む追加の生体適合性層(不図示)を、流れ制限膜25に付加することができる。
ここで図4〜図5を参照して、センサーまたはセンサーアセンブリを備えた中心線カテーテルに適合されたセンサーの態様を例示的な実施形態として説明するが、どの特定の静脈内装置にも限定されるものではない。図4は、マルチルーメンカテーテル内のセンサーアセンブリを示している。カテーテルアセンブリ10は、その最近位端部に複数の注入ポート11a、11b、11c、11dおよび1つ以上の電気コネクタ130を備えることができる。ルーメン15a、15b、15c、または15dは、各注入ポート11a、11b、11c、または11dをそれぞれ接合部190に接続することができる。同様に、導管170は、電気コネクタ130を接合部190に接続することができ、接合部190またはルーメン15a〜15d(図示されている)の1つで終端させることができる。図4に示されている特定の実施形態は、4つのルーメンおよび1つの電気コネクタを有するマルチルーメンカテーテルであるが、1つのルーメンのカテーテル、複数の電気コネクタを有するカテーテルなどを含め、ルーメンとコネクタの他の組み合わせを有する他の実施形態も可能である。別の実施形態では、ルーメンの1つおよび電気コネクタを、プローブまたは他のセンサーを備えた装置のために残すことができ、またはルーメンの1つをその近位端部で開口させて、プローブまたはセンサーを備えた装置の挿入専用にすることもできる。
カテーテルアセンブリ10の遠位端部5は、図5の分解部分5aに詳細に示されている。遠位端部に沿った1つ以上の中間位置で、チューブ21は、その外壁を貫通して形成された1つ以上のポートを画定することができる。これらは、中間ポート25a、25b、および25c、ならびにチューブ21の遠位先端部に形成することができる端部ポート25dを含むことができる。各ポート25a〜25dはそれぞれ、ルーメン15a〜15dの1つに一致させることができる。すなわち、各ルーメンは、注入ポート11a〜11dの1つからチューブポート25a〜25dの1つまで延びた独立した通路を画定することができる。センサーは、1つ以上のポートに配置することによって検出環境に曝露させ、分析すべき媒体に接触させることができる。
中心線カテーテルは、当技術分野で周知であり、典型的には、病院の集中治療室(ICU)/緊急治療室で使用され、カテーテルの1つ以上のルーメンを介して患者に薬剤を送達することができる(異なる薬剤には異なるルーメン)。中心線カテーテルは、典型的には、一端が注入装置(例えば、注入ポンプ、静脈点滴、またはシリンジポート)に接続され、他端が、薬剤を送達するために患者の心臓の近傍の大動脈または大静脈の1つに挿入される。注入装置は、医薬用物質、例えば、限定されるものではないが、生理食塩水、薬物、ビタミン、薬剤、タンパク質、ペプチド、インスリン、または神経伝達物質などを必要に応じて患者に送達する。代替の実施形態では、中心線カテーテルは、あらゆる体内の腔または管、例えば、腹腔内の領域、リンパ腺、皮下、肺、または消化管などに使用することができ、および血液以外の体液の分析物または治療を決定することができる。中心線カテーテルは、ダブル・ルーメン・カテーテルとすることができる。一態様では、分析物センサーは、中心線カテーテルの1つのルーメン内に組み込まれ、使用者の血液および/または体液中の特徴的なレベルを決定するために使用される。しかしながら、さらなる実施形態を用いて、他の作用物質、特性、または組成物、例えば、ホルモン、コレステロール、薬剤、濃度、またはウイルス量(例えば、HIV)などのレベルを決定できることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される態様は、糖尿病/糖尿病の症状の処置に使用されるグルコースセンサーに関連して主に説明することができるが、開示される態様は、限定されるものではないが、血管系の血液ガス、pH、温度、および他の目的の分析物を含む生理学的特徴がICUで監視される様々な患者の処置プログラムに適用することができる。
別の態様では、被験体における分析物の静脈内測定方法を提供する。この方法は、本明細書に開示されたセンサーアセンブリを含むカテーテルを用意するステップと、カテーテルを被験体の血管系に導入するステップとを含む。この方法は、分析物を測定するステップをさらに含む。
実施例
(i)電気活性表面と障害層との間に乾燥層として堆積された、(ii)障害層と酵素層との間に乾燥層として堆積された、(iii)電気活性表面と障害層との間または障害層と酵素層との間に配置された親水性ポリマー層に結合された、(iv)酵素層に結合された、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせで、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む塩を含むセンサーを用意することができる。電気化学的分析物センサーを検査する、有効性確認する、または改善するためのin vitroでの電気化学的分析物センサーの検査方法が、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩を含む水溶液に接触させることによって行われた。
したがって、予想実施例(prophetic example)として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3wt%エタノール溶液で処置して乾燥させて製造された作用電極の電気活性表面(例えば、炭素/PtインクまたはPt;酸素プラズマで清浄)に、少なくとも20mMの酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩(任意選択で、1×PBS:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸塩も含む)を含む水溶液を堆積させ、次いで乾燥させることができる。乾燥した塩層に、シクロヘキサノンに溶解した0.2wt%CAB溶液の障害層を被覆し、60℃で15分間乾燥させることができる。第2の塩層を、上記のようにCAB層の上に堆積させることができる。酢酸緩衝DI水に溶解した2μlの2.5wt%K90 PVPに添加された、GOx 30mgおよびBSA 70mgの酵素層溶液を、CAB層(または任意選択の第2の乾燥塩層)の上に堆積させることができる。酵素溶液のpHは、1M重炭酸ナトリウムで約6に調整することができる。25%グルタルアルデヒド溶液(各溶液1mlに対して10μl)を、任意選択で堆積の前に酵素溶液に添加することができる。次いで、キシレンに溶解した2wt%EVAを含む流れ制限膜を酵素層にスプレーし(1×〜4×)、60℃で15分間乾燥させることができる。
第2の予想実施例は次の通りである。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3wt%エタノール溶液で処置して乾燥させた作用電極の電気活性表面(例えば、炭素/PtインクまたはPt;酸素プラズマで清浄)に、シクロヘキサノンに溶解した0.2wt%CAB溶液の障害層を堆積させ、次いで60℃で15分間乾燥させることができる。CAB層に、少なくとも20mMの酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩(任意選択で、1×PBS:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸塩も含む)を含む水溶液を堆積させ、次いで乾燥させることができる。乾燥した塩層に、緩衝DI水溶液に溶解した2μlの2.5wt%K90 PVPに添加された、GOx 30mgおよびBSA 70mgの溶液により酵素層(任意選択で、少なくとも20mMの酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩を含む)を被覆することができる。酵素被覆溶液のpHは、1M 重炭酸ナトリウムで約6に調整することができる。25%グルタルアルデヒド溶液(各溶液1mlに対して10μl)を、任意選択で堆積の前に酵素液に添加して乾燥した塩層に堆積させることができる。キシレンに溶解した2wt%EVAを含む流れ制限膜を、これらの予想実施例の酵素層にスプレーし(1×〜4×)、60℃で15分間乾燥させることができる。
第3の予想実施例は次の通りである。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3wt%エタノール溶液で処置して乾燥させた作用電極の電気活性表面に、シクロヘキサノンに溶解した0.2wt%CAB溶液の障害層を堆積させ、次いで60℃で15分間乾燥させることができる。少なくとも20mMの酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩(任意選択で、1×PBS:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸塩も含む)を含む酵素層を、緩衝DI水溶液に溶解した2μlの2.5wt%K90 PVPに添加された、GOx 30mgおよびBSA 70mgの溶液により上記の層に堆積させることができる。溶液のpHを、1M 重炭酸ナトリウムで約6に調整することができる。25%グルタルアルデヒド溶液(各溶液1mlに対して10μl)を、任意選択で堆積の前に混合してCAB層に堆積させることができる。同様に、少なくとも100mMの酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩(任意選択で、1×PBS:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸塩も含む)を含む酵素層を、緩衝DI水溶液に溶解した2μlの2.5wt%K90 PVPに添加された、GOx 30mgおよびBSA 70mgの溶液により上記の層に堆積させることができる。溶液のpHを、1M 重炭酸ナトリウムで約6に調整することができる。25wt%グルタルアルデヒド溶液(各溶液1mlに対して10μl)を、任意選択で堆積の前に酵素溶液と混合してCAB層に堆積させることができる。キシレンに溶解した2wt%EVAを含む流れ制限膜を、これらの予想実施例の酵素層にスプレーし(1×〜4×)、60℃で15分間乾燥させることができる。
電気化学的分析物センサーを検査する、有効性確認する、または改善するためのin vitro検査溶液は、蒸留水(dH2O)に溶解した酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を有する塩(例えば、重炭酸ナトリウム、任意選択で、1×PBS:137mM NaCl、2.7mM KCl、10mM リン酸塩も含む)から調製された。検査する、有効性確認する、または改善するために使用される例示的な電気化学的センサーは、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオンを用いずに上記のように形成した構造「電極/CAB/PVP−GO/EVA」またはその乾燥した塩層を有するようにすることができる膜構造を用いて形成した。
図6A〜図6Bを参照すると、1×PBSコントロール緩衝系および10×PBSコントロール緩衝系をそれぞれ用いた一群の試験センサー(UHG−02、03、14、および16)の既知のグルコース濃度に対する電流出力−時間のグラフが示されている。x軸は時間を表し、y軸は電流を表している。センサーは、試験に先立ってAg/AgClに対する約650mVの動作電位に電圧を調整する前に、10分間、約850mVの作用電極電位を用いるポテンショスタットに接続した。センサーを、pH約7.4、37℃のPBS溶液に接触させて、グルコース溶液を徐々に高い濃度にして(1回に+50mg/dL)添加した。グラフの段階的変化は、グルコースの濃度の変化を表している。グラフから分かるように、1×PBS緩衝系におけるセンサーの電流は、高いグルコース濃度では線形性を維持せず(ドリフト)、10×PBS緩衝系における電流は、1×PBS緩衝系よりもわずかに改善されているが、高いグルコース濃度では線形性を一貫しては維持していない(ドリフト)。
対照的に、図7に示されているように、100mM 炭酸ナトリウム/PBS緩衝系を用いた一群の試験センサー(UHD−08、10、11、および12)の既知のグルコース濃度に対する電流出力−時間は、高いグルコース濃度で信号の有意なドリフトがなく線形性を維持し、および長時間に亘って線形性を維持している。x軸は時間を表し、y軸は電流を表している。センサーは、試験に先立ってAg/AgClに対する約650mVの動作電位に電圧を調整する前に、10分間、約850mVの作用電極電位を用いるポテンショスタットに接続した。センサーを、pH約7.4、37℃の重炭酸塩/PBS溶液に接触させ、グルコース溶液を徐々に高い濃度にして(1回に+50mg/dL)添加した。グラフの段階的変化は、グルコースの濃度の変化を表している。一部の個々の試験センサーは、データを取得したが100nAの設定利得(「平坦な線」)を超えているため、矢印で示している。同様の結果が、20mM 炭酸ナトリウム/PBS緩衝系を用いて試験したセンサーでも得られた(データは不図示)。
図8〜図10は、図7に示されているデータに基づいた個々のグルコースセンサーの較正曲線を示すグラフ表示である。これらのグラフでは、回帰線は、点線で示され、センサーから得たデータ点は、幾何学記号で示されている。これらのデータは、炭酸塩/PBS媒体で試験されたセンサーの優れた線形性を示している。
図11は、結果が図6Aに示されている結果と同様である、1×PBSコントロールを用いた追加群の試験センサー(Uhd−04、05、08、09、11、12、13、15、17、および19)の既知のグルコース濃度に対する電流出力−時間のグラフである。これらのグラフでは、x軸は時間を表し、y軸は電流を表している。センサーは、試験に先立ってAg/AgClに対する約650mVの動作電位に電圧を調整する前に、10分間、約850mVの作用電極電位を用いるポテンショスタットに接続した。センサーを、pH約7.4、37℃の1×PBS溶液に接触させた。グラフから分かるように、電流は、一定のグルコース濃度、特に高い濃度で時間と共に低下している。
図12は、図7の一群のセンサー(UHD−08、10、11、および12)の炭酸ナトリウム/PBS緩衝系によってもたらされるドリフト安定性を示している。したがって、37℃の20mM 炭酸ナトリウム/PBS緩衝系を用いた長時間に亘って高いグルコース濃度に接触させられたセンサーの電流出力−時間は、信号の有意なドリフトがなく線形性を維持した。x軸は時間を表し、y軸は電流を表している。センサーは、試験に先立ってAg/AgClに対する約650mVの動作電位に電圧を調整する前に、10分間、約850mVの作用電極電位を用いるポテンショスタットに接続した。図示されているように、高濃度のグルコース(400mg/dL以上)を含む、pH約7.4、37℃の20mM 重炭酸塩/PBS緩衝系に接触させられたセンサーは、8時間を越えて線形性を維持し、信号ドリフトが約10%未満であり、「ドリフト」は、センサーが一定の分析物濃度を有する変化しない環境に連続的に曝露されている間の1つの指定時点ともう1つの指定時点との間のセンサー出力信号における変化率(%)によって計算した。100mM 重炭酸塩/PBS緩衝系で行った実験も同様の結果を示した。
図13〜図17は、20mM 炭酸ナトリウム/PBS緩衝系を用いて低酸素分圧環境(約20mm Torr/pO)下で試験した個々のセンサー(UHD−08、10、11、および12)のグルコースセンサーの時間−電流出力および対応する較正曲線を示すグラフ表示である。これらのグラフでは、回帰線は、点線で示され、センサーから得たデータ点は、幾何学記号で示されている。したがって、データは、重炭酸塩を含む緩衝系が、試験センサーの低酸素分圧性能の決定に有用であることを示している。
図18〜図21は、図6Bに示されているデータに基づいたグルコースセンサー(UHG−02、03、14、および16)の較正曲線を示すグラフ表示である。これらのグラフでは、回帰線は、点線で示され、センサーから得たデータ点は、幾何学記号で示されている。したがって、10×PBS緩衝系は、1×PBS緩衝系によりも優れた性能を示したが、重炭酸塩を含む緩衝系よりもわずかに低かった。
試験センサーの線形性が、特に、重炭酸塩を含む緩衝系を用いた高いグルコース濃度で維持されることが上記のデータ(図7および図13)から分かるであろう。実証されたように、例示的なセンサーは、優れた線形性を有し、8時間を越える期間に亘って線形性を維持した。したがって、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む電気化学的センサー用の緩衝系は、in vitroでの電気化学的分析物センサーの検査、有効性確認、および/またはQC関連プロトコルに有用である。
限定されるものではないが、公開および未公開特許出願、特許、および参考文献を含む本明細書で引用された全ての文献は、参照によりその全容が本明細書に組み入れられ、これにより本明細書の一部を構成する。参照により組み入れられる出版物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する場合は、本明細書は、このような矛盾するどの資料よりも優先され、および/または勝るものとする。
本明細書に使用される成分および反応条件などの量を表す全ての数字は、いずれの場合も語「約」によって変更されると解釈されたい。したがって、反対の記載がなければ、本明細書に記載された数値パラメーターは、得ようとする所望の特性によって異なり得る近似値とすることができる。少なくとも、各数値パラメーターは、有効桁数および通常の丸め方を踏まえて解釈されるべきである。
上記説明は、いくつかの方法および材料を開示している。これらの説明は、方法および材料の変更、ならびに製造方法および機器の修正の影響を受けやすい。このような変更は、本開示またはその実施から当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および趣旨に包含される全ての変更形態および代替形態を含むものとする。

Claims (25)

  1. 電気化学的分析物センサーであって、
    電気活性表面を有する少なくとも1つの電極と、
    分析物検出膜の少なくとも一部が前記電気活性表面を覆う分析物検出膜と、を備え、前記膜が、
    任意選択の障害層と、
    酵素層と、
    (i)前記電気活性表面と前記障害層との間、および/または(ii)前記障害層と前記酵素層との間に配置された任意選択の親水性ポリマー層と、
    前記分析物検出膜に結合された少なくとも1つの緩衝剤と、を含み、
    前記緩衝剤が、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つの塩を含む、センサー。
  2. 前記緩衝剤が、炭酸イオン、重炭酸イオン、または炭酸イオンと重炭酸イオンとの混合物を含む、請求項1に記載のセンサー。
  3. 前記緩衝剤が、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む少なくとも1つの塩であり、前記少なくとも1つの塩が、(i)前記電気活性表面と前記障害層との間に乾燥層として堆積される、(ii)前記障害層と前記酵素層との間に乾燥層として堆積される、(iii)(a)前記電気活性表面と前記障害層との間、および/または(b)前記障害層と前記酵素層との間に配置された前記任意選択の親水性ポリマー層に結合される、(iv)前記酵素層に結合される、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせである、請求項1に記載のセンサー。
  4. 前記緩衝剤がポリカチオンを含む、請求項1に記載のセンサー。
  5. 前記緩衝剤が、400mg/dL以上のグルコースでの信号ドリフトを最大8時間以上の期間に亘って10%以下にする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  6. 前記少なくとも1つの緩衝剤が、分析物の臨床濃度範囲に対して、前記酵素層の電気化学的に生成される少なくとも1つの酸性の副産物を中和するのに十分な量存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  7. 前記酵素層が、酵素と、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、ポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される材料とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  8. 前記任意選択の親水性ポリマーが、ポリ−N−ビニルピロリドンであり、前記任意選択の親水性ポリマーが、酵素を排除する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  9. 流れ制限層をさらに備え、前記流れ制限層が、前記分析物検出膜の封止剤または封入剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  10. 前記流れ制限膜が、ビニルポリマー、ポリシリコーン、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーまたは配合物からなる群から選択される、請求項9に記載のセンサー。
  11. 前記流れ制限膜が、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)である、請求項9に記載のセンサー。
  12. 電気化学的分析物センサーであって、
    電気活性表面を有する少なくとも1つの作用電極と、
    分析物検出膜と、を備え、前記膜が、
    親水性層と、
    任意選択の障害層と、
    酵素層と、
    酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはこれらの混合物を含む少なくとも1つの緩衝剤であって、(i)前記電気活性表面と前記障害層との間に乾燥層として堆積される、(ii)前記障害層と前記酵素層との間に乾燥層として堆積される、(iii)(a)前記電極表面と前記障害層との間、および/または(b)前記障害層と前記酵素層との間に配置された前記任意選択の親水性ポリマー層に結合される、(iv)前記酵素層に結合される、または(v)(i)〜(iv)のいずれかまたは全ての組み合わせである、少なくとも1つの緩衝剤と、
    前記酵素層、前記障害層、前記親水性層、および前記少なくとも1つの電極を覆う流れ制限層と、を備え、
    前記親水性層が、(i)前記電気活性表面と前記任意選択の障害層または酵素層との間、および/または(ii)前記任意選択の障害層と酵素層との間に配置され、前記親水性層が、少なくとも1つの親水性ポリマーを含み、酵素を排除する、センサー。
  13. 前記少なくとも1つの緩衝剤が、分析物の臨床濃度範囲に対して、前記酵素層の電気化学的に生成される少なくとも1つの酸性の副産物を中和するのに十分な量存在する、請求項12に記載のセンサー。
  14. 前記酵素層が、酵素と、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ−N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、ポリ−N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーからなる群から選択される材料とを含む、請求項12または13に記載のセンサー。
  15. 前記親水性ポリマーが、ポリ−N−ビニルピロリドンである、請求項12または13に記載のセンサー。
  16. 前記流れ制限層が、前記分析物検出膜の封止剤または封入剤である、請求項12または13に記載のセンサー。
  17. 前記流れ制限膜が、ビニルポリマー、ポリシリコーン、ポリウレタン、およびこれらのコポリマーまたは配合物からなる群から選択される、請求項12または13に記載のセンサー。
  18. 前記流れ制限膜が、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)である、請求項12または13に記載のセンサー。
  19. 前記センサーが、フレックス回路上に構築され、前記フレックス回路が、少なくとも1つの基準電極、少なくとも1つの作用電極、および少なくとも1つの対電極を含み、前記フレックス回路が、(i)被験体の分析物濃度を静脈測定するカテーテルに構成可能であり、および/または(ii)被験体のグルコース濃度を連続的に測定する連続血液グルコースモニタに構成可能である、請求項12または13に記載のセンサー。
  20. in vitroでの電気化学的分析物センサーの検査方法であって、
    電気化学的センサーを用意するステップと、
    前記電気化学的センサーを、緩衝剤を含む水溶液に接触させるステップであって、前記緩衝剤が、400mg/dL以上のグルコースにおける信号ドリフトを少なくとも1時間の期間に亘って10%以下にする、ステップと、
    前記電気化学的センサーを1つ以上の濃度の分析物に接触させるステップであって、前記1つ以上の濃度の分析物が、前記分析物の臨床濃度範囲にある、ステップと、
    前記電気化学的分析物センサーを検査するステップと、を含む、方法。
  21. 前記緩衝剤が、
    (i)in vitroでの前記分析物の前記臨床濃度範囲に対して、前記電気化学的分析物センサーの電気化学的に生成される酸性の副産物を中和し、および/または
    (ii)in vitroで検査されるときに、前記分析物の前記臨床濃度範囲の上限で本質的に一定の出力電流を少なくとも2時間に亘って供給するのに十分な量存在する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記緩衝剤が、酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、少なくとも0.030重量モル濃度のNaHPOおよび少なくとも0.006重量モル濃度のKHPOのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または酢酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のあらゆる組み合わせを含む、請求項20または21に記載のセンサー。
  23. 前記緩衝剤がポリカチオンを含む、請求項20または21に記載のセンサー。
  24. 前記緩衝剤が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファーをさらに含み、炭酸イオン、重炭酸イオン、または炭酸イオンと重炭酸イオンとの混合物の全モル量が、少なくとも20mMである、請求項20または21に記載のセンサー。
  25. 前記緩衝剤が、400mg/dL以上のグルコースでの信号ドリフトを8時間以上の期間に亘って10%以下にする、請求項20または21に記載のセンサー。
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