JP2012520326A - 組換えタンパク質の再生法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の溶液を、グアニジンの存在下で、H2SO4および/またはMgSO4に由来する硫酸基を含有している再折り畳み緩衝液に添加することを含む、タンパク質の再生の大規模な方法を提供する。本発明は、疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムを使用することにより、再折り畳みを受けたタンパク質を約0.4〜3.0gm/Lの濃度で単離する方法をさらに提供する。

Description

発明の背景
発明の領域
本発明は、原核生物における発現の後の、ジスルフィド結合を含有している組換え真核生物タンパク質の再生のための一般的な方法に関し、より具体的には、それらの大規模な方法における再生されたタンパク質の捕獲のための疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)の使用に関する。
背景情報
例えば、大腸菌(Escherichia coli)のような異種発現系における組換えタンパク質の産生は、しばしば、不活性の不溶性凝集物(いわゆる「屈折体」または「封入体」)を与える。これらの封入体の調製物には、宿主細胞のタンパク質、核酸、内毒素、および低分子量不純物のような宿主細胞の成分が混入している。封入体の形成は、誘導およびタンパク質生合成の間の細胞内の異種タンパク質の極めて高い局所濃度の結果であると考えられている。しかしながら、問題の異種タンパク質の一次アミノ酸配列、特に、酸化的再折り畳みの間に共有結合性のジスルフィド結合を形成するシステイン残基の存在も、非常に重要である。これらの標的タンパク質を、例えば、治療目的のために使用するためには、その前に、封入体を精製し、可溶化しなければならず、続いて、組換えタンパク質を生物学的活性を有するコンフォメーションに変換(再折り畳み)するため、ネイティブの三次元構造を再生しなければならない。
一般的に適用される工程の順序は、第一に、高濃度のカオトロピック変性剤(例えば、塩酸グアニジウムもしくは尿素)の添加、または強酸性薬剤(例えば、グリシン/リン酸混合物)の添加による、封入体の可溶化を含む。同時に、封入体内に存在する分子内および分子間のジスルフィド結合を、化学的に還元するか、または亜硫酸および酸化剤を含むいわゆる亜硫酸分解法によって切断してもよい。第二に、可溶化されたタンパク質の混合物を、いずれも当業者に周知の手法であるクロマトグラフィ法および/または濾過法によってさらに精製することができる。
典型的には、高濃度のカオトロピック剤の存在下で直鎖化されたモノマータンパク質の溶液は、生物学的活性を有する型が形成されるよう、高度に希釈される。これは、(大量の再折り畳み緩衝液への単純な希釈によって)迅速に実施されてもよいし、または大量の再折り畳み緩衝液への極めて緩やかな希釈、または再折り畳み緩衝液に対する透析濾過(diafiltration)もしくは透析によって徐々に実施されてもよい。文献に記載されているその他の技術には、クロマトグラフィ樹脂へ標的タンパク質を吸着させ、続いて、再折り畳みが起こるようカオトロピック剤の濃度を低下させるもの;または低分子量カオトロピック剤からタンパク質鎖を分離するためのサイズ排除クロマトグラフィが含まれる。いずれにせよ、カオトロピック塩の濃度を、標的タンパク質に依存する、ある限度より低く、例えば、通常、0.5M塩酸グアニジウム未満に、減少させなければならない。
再折り畳みの間の主要な副反応は、折り畳み中間体の局所濃度に依存する、誤折り畳み中間体の可溶性凝集物および不溶性凝集物の形成である。文献には、例えば、シャペロンタンパク質、その他の型のタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、ならびに糖および環式糖、アミノ酸、短鎖アルコール(例えば、グリセロール、ペンタノール、ヘキサノール)、酵素基質、合成ポリマー、界面活性剤、およびカオトロピック塩を含むいくつかの型の非タンパク質材料のような、可溶性タンパク質凝集物および不溶性タンパク質凝集物の形成を効果的に抑制する、広範囲の折り畳み助剤が記載されている。
参照により本明細書に組み入れられる米国公開第20050014933号(特許文献1)は、純度を増加させながら再折り畳み収量を増加させるための、折り畳み中間体の可溶化に影響を与えるための高濃度の硫酸由来の硫酸基(SO4 2-)と組み合わせられたトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)を含有している再折り畳み緩衝液の使用を含む、タンパク質の再生のための異なるアプローチを記載している。しかしながら、硫酸をトリス塩基に添加することによるトリス-SO4の調製は、より大きな製造規模では危険である。
従って、従来技術を使用したタンパク質再折り畳みのための戦略を開発する必要が依然としてある。2.0gm/Lもの高いタンパク濃度での商業的に魅力的な高収量のタンパク質再折り畳み過程において適用され得る、一般に使用可能で、化学的に単純で、かつ低コストの凝集抑制剤は、現在の技術水準からは公知でない。
米国公開第20050014933号
本発明は、大腸菌における組換えタンパク質の過剰発現により入手されるような不溶性タンパク質凝集物(いわゆる、封入体)から出発した、例えば、インターロイキン-4(IL-4)およびそのムテインのようなタンパク質の、高いタンパク質濃度での、大規模な再生の方法を提供する。例示的なIL-4ムテインには、SEQ ID NO:1、2、または3に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
従って、一つの態様において、本発明は、タンパク質の大規模な再生の方法を提供する。一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約12〜20gm/Lのタンパク質溶液を、グアニジンの存在下で、トリス塩基/トリスHCl系を含む再折り畳み緩衝液に添加することを含む。もう一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約12〜20gm/Lの溶液を、グアニジンの存在下で、トリス塩基/トリスHCl系中のMgSO4を含む再折り畳み緩衝液に添加することを含む。もう一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約10〜35gm/Lの溶液を、グアニジンの存在下で、トリス塩基/トリスHCl緩衝系中の硫酸基(SO4 2-)を含む再折り畳み緩衝液に、再折り畳み緩衝液中約0.25〜3.0gm/Lの希釈されたタンパク質濃度で添加することを含む。一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0M〜1.0M H2SO4または0.1M〜0.6M MgSO4、0.1M〜1.0Mトリス塩基、0.1M〜1.0MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、0.5mM〜2mMシステイン、および0.25〜3.0gm/Lのタンパク質濃度を含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.2M〜0.6M MgSO4、0.1M〜0.6Mトリス塩基、0.7M〜1.4MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、および0.5mM〜2mMシステインを含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0M〜1.0M H2SO4または0.1M〜0.6M MgSO4、0.1M〜1.0Mトリス塩基、0.1M〜1.0MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、0.5mM〜2mMシステイン、および0.4〜2.0gm/Lのタンパク質濃度を含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.4M MgSO4を含み、0.125Mトリス塩基、0.875MトリスHCl、5mM EDTA、および1mMシステインをさらに含む。さらにもう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.4M H2SO4を含み、0.125MトリスHCl、0.875Mトリス塩基、5mM EDTA、1mMシステイン、および1.5gm/Lのタンパク質濃度をさらに含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.25mM βメルカプトエタノールおよび/または5%〜20%ショ糖をさらに含む。
変性タンパク質は、多様な方法のいずれかで添加され得る。一つの態様において、変性タンパク質の添加は、0〜4時間間隔の1〜3回の希釈のようなパルス希釈を介して行われる。もう一つの態様において、変性タンパク質は、4時間間隔の3回の希釈で添加される。
変性タンパク質は、さらに、再折り畳み緩衝液への添加前に、1〜10透析容量(diavolumes)の透析濾過緩衝液により透析濾過され得、該透析濾過緩衝液は、3M〜7Mグアニジン、25mM〜75mMトリス、および1mM〜7mM EDTA(pH7.0〜9.0)を含み得る。一つの態様において、透析濾過緩衝液は、50mMトリスおよび2mM EDTA(pH9.0)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH9.0)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH7.5)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH9.0)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH7.5)を含む。もう一つの態様において、タンパク質は、1〜5透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される。さらにもう一つの態様において、タンパク質は、5透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される。さらにもう一つの態様において、タンパク質は、3透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される。
再折り畳み過程が完了した後、次いで、タンパク質は、疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)を介して再折り畳み緩衝液から回収され得る。一つの態様において、pHが、HICの前に、約2.1〜5.8に低下させられる。もう一つの態様において、pHが、HICの前に、約3.0に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)または硫酸ナトリウム(Na2SO4)が、再折り畳み物保持容器に0.3〜1.2Mの最終濃度で添加される。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液のpHは、再折り畳み過程の完了後、HICの使用前に、約1.5〜7.0に低下させられる。もう一つの態様において、再折り畳み後の再折り畳み緩衝液のpHは、HICの使用前に約3.0に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸ナトリウム(Na2SO4)が、再折り畳み物保持容器に0.4〜0.8Mの最終濃度で添加され、次いで、再折り畳み緩衝液のpHが、再折り畳み過程の完了後、HICの使用前に、約2.1〜5.8に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸ナトリウム(Na2SO4)が、再折り畳み物保持容器に0.6Mの最終濃度で添加され、次いで、再折り畳み緩衝液のpHが、再折り畳み過程の完了後、HICの使用前に、約3.0に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)が、再折り畳み物保持容器に0.6M〜1.2Mの最終濃度で添加され、次いで、再折り畳み緩衝液のpHが、再折り畳み過程の完了後、HICの使用前に、約2.1〜5.8に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)が、再折り畳み物保持容器に0.6Mの最終濃度で添加され、次いで、再折り畳み緩衝液のpHが、再折り畳み過程の完了後、HICの使用前に、約3.0に低下させられる。
もう一つの局面において、本発明は、タンパク質の大規模な再生の方法を提供する。一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、1〜10透析容量の、グアニジンを含む透析濾過緩衝液により透析濾過すること、透析濾過されたタンパク質を約12〜20gm/Lへ濃縮すること、および濃縮されたタンパク質をパルス希釈を介してトリス塩基/トリスHCl系を含む再折り畳み緩衝液に添加することを含む。もう一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、1〜10透析容量の、グアニジンを含む透析濾過緩衝液により透析濾過すること、透析濾過されたタンパク質を約12〜20gm/Lへ濃縮すること、および濃縮されたタンパク質をパルス希釈を介してトリス塩基/トリスHCl系中のMgSO4を含む再折り畳み緩衝液に添加することを含む。もう一つの態様において、方法は、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、約10〜35gm/Lへ濃縮し、次いで、濃縮された変性タンパク質を、1〜10透析容量の、グアニジンを含む透析濾過緩衝液により透析濾過すること、および濃縮された透析濾過されたタンパク質をパルス希釈を介してH2SO4/トリス塩基/トリスHCl系を含む再折り畳み緩衝液に添加することを含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液はMgSO4を含む。さらにもう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、トリスヘミ硫酸塩(Tris hemisulfate)を含む。
もう一つの局面において、本発明は、再折り畳みを受けたタンパク質を約0.4〜3gm/Lの濃度で単離する方法を提供する。方法は、pH調整されたタンパク質溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムへ負荷すること、およびタンパク質を溶出緩衝液により溶出させることを含む。
もう一つの局面において、本発明は、0.4〜2.0gm/Lの変性タンパク質の初期再折り畳み濃度から、再折り畳みを受けたタンパク質を約0.1〜0.8gm/Lの濃度で単離する方法を提供する。方法は、pH調整された再折り畳みタンパク質溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムへ負荷すること、およびタンパク質を溶出緩衝液により溶出させることを含む。一つの態様において、タンパク質溶液は、HICの前に、約1.5〜7.0のpHに調整される。もう一つの態様において、タンパク質溶液は、HICの前に、約2.1〜5.8のpHに調整される。もう一つの態様において、タンパク質溶液は、HICの前に、3.0のpHに調整される。もう一つの態様において、HIC溶出緩衝液は、0〜0.28M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、HIC溶出緩衝液は、0〜0.35M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.25M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.2〜0.28M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.25M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.15〜0.3M硫酸ナトリウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.25M硫酸ナトリウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は硫酸ナトリウムを含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0〜0.3M硫酸ナトリウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は、0.25M硫酸ナトリウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、溶出緩衝液は10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む。もう一つの態様において、タンパク質溶液は、HICの前に、約2.1〜5.8のpHに調整される。もう一つの態様において、タンパク質溶液は、HICの前に、3.0のpHに調整される。
再折り畳み反応の時間経過を示すグラフである。 Butyl 650MからのIL-4RA溶出のクロマトグラフィプロファイルを示すグラフである。溶出(6CV)は2画分に収集され、主要ピークは最初の3CVにあった。 HICのタンパク質の負荷液および溶出液のSDS-PAGE/銀染色およびウエスタンブロット分析からの結果を示す写真である。
発明の詳細な説明
本発明は、原核生物における異種発現の後の組換えジスルフィド架橋タンパク質の再生および回収のための製造法および分析法に基づく。
本発明の方法を説明する前に、本発明が、記載された特定の組成物、方法、および実験条件に限定されず、従って、組成物、方法、および条件は変動し得ることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲においてのみ限定されるため、本明細書において使用される用語は、特定の態様を記載するためのものに過ぎず、限定的なものではないことも理解されたい。
情況によりそうでないことが必要とされない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むであろう。
他に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、全て、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載されたものに類似しているかまたは等価である任意の方法および材料が、本発明の実施または試行において使用され得るが、好ましい方法および材料が以下に記載される。
本明細書において使用されるセクション標題は、組織化のためのものに過ぎず、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。本願において引用された参照は、全て、参照により明示的に本明細書に組み入れられる。
大腸菌を宿主生物として利用した組換えインターロイキン-4誘導体の発現は、既に詳細に記載されている(Apeler H,Wehlmann H,(1999)Plasmids,their construction and their use in the manufacture of Interleukin-4 and Interleukin-4 muteins,European patent application EP 00100129.6,January 7,1999)。
IL-4のアンタゴニストは文献に報告されている。アンタゴニストとして機能するIL-4の変異体には、IL-4アンタゴニストムテインIL-4/Y124D(Kruse,N.,et al,Conversion of human interleukin-4 into a high affinity antagonist by a single amino acid replacement,Embo J.11:3237-44,1992)および二重ムテインIL-4[R121D/Y124D](Tony,H.,et al.,Design of Human Interleukin-4 Antagonists in Inhibiting Interleukin-4-dependent and Interleukin-13-dependent responses in T-cells and B-cells with high efficiency,Eur.J.Biochem.225:659-664(1994))が含まれる。単一ムテインは、Dヘリックス内の124位のチロシンのアスパラギン酸への置換である。二重ムテインは、Dヘリックス内の121位のアルギニンのアスパラギン酸への置換、および124位のチロシンのアスパラギン酸への置換である。Dヘリックスのこのセクションにおける変動は、IL-4受容体複合体の主要サブユニット(IL4Rαタンパク質)へのIL-4の結合を妨げないが、IL-4/IL4Rαおよび共通γ鎖受容体サブユニットの相互作用、ならびにIL-4/IL4RαおよびIL-13Rα1タンパク質の相互作用の両方の変化と正に相関する。
野生型IL-4のアゴニズムまたはアンタゴニズムを示すIL-4の変異体バリアントは、IL-4の多面的な効果のうちの一つと関連した状態を処置するために有用である。例えば、IL-4のアンタゴニストは、喘息、湿疹、アレルギー、または炎症応答に関連するその他の状態のようなIL-4の産生およびシグナル伝達により悪化する状態の処置において有用であろう。IL-4のアゴニストは、IL-4の存在が疾患の寛解または軽減に関連しているような状態、例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、インスリン依存型糖尿病等のような自己免疫疾患を処置するために有用であり得る。これらの自己免疫疾患は、Tヘルパー細胞集団1型および2型(Th1、Th2)の産生の偏向を特徴とする。ナイーブCD4+T細胞は、刺激の間に存在するサイトカインまたはサイトカインの混合物に依って、Th1サブセットまたはTh2サブセットへと分化する。
本明細書において使用されるように、「野生型IL-4」または「wtIL-4」およびそれらの等価物は、交換可能に使用され、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,017,691号に開示されるようなネイティブヒトIL-4の通常存在する129アミノ酸の配列を有する、ネイティブまたは組換えのヒトインターロイキン-4を意味する。さらに、本明細書に記載された修飾型ヒトIL-4受容体アンタゴニストは、様々な変異、挿入および/または欠失および/または非タンパク質ポリマーへのカップリングを有していてよく、wtIL-4に合わせて番号付けされる。即ち、選ばれた特定のアミノ酸は、wtIL-4に通常存在する同一のアミノ酸である。従って、当業者は、例えば、13位(トレオニン)、121位(アルギニン)、および/または124位(チロシン)に通常存在するアミノ酸が、ムテインにおいてシフトされ得ることを認識するであろう。従って、例えば、38位、102位、および/または104位のアミノ酸のシステイン残基への変化(変異)が、ムテインにおいてシフトされ得る。しかしながら、シフトされるSer(S)、Arg(R)、Tyr(Y)、またはCys(C)の位置は、隣接するアミノ酸の調査、およびwtIL-4においてSer、Arg、Tyr、またはCysに隣接しているものとの相関によって決定され得る。
本明細書において使用されるように、「変異型ヒトIL-4タンパク質」、「修飾型ヒトIL-4受容体アンタゴニスト」、「mhIL-4」、「IL-4ムテイン」、および「IL-4アンタゴニスト」という用語、ならびにそれらの等価物は、交換可能に使用され、本発明の範囲内である。これらのポリペプチドは、成熟ヒトIL-4タンパク質に対して特定のアミノ酸置換がなされたポリペプチドをさす。従って、IL-4ムテインは、その三次構造が4ヘリックスバンドルからなる緻密な球状構造であり、主に疎水性のコアを有する、129アミノ酸残基を有する。大腸菌に基づく発現の結果として、全てのIL-4ムテインが、精製されたタンパク質の一部として残存するN末端メチオニンを有する。
そのようなIL-4ムテインには、二重ムテインR121D/Y124D(「IL-4RA」):
Figure 2012520326
;三重ムテインT13D/R121D/Y124D(「IL-4RA-T13D」):
Figure 2012520326
;および四重ムテインT13D/N38C/R121D/Y124D(「IL-4RA-T13D-N38C」):
Figure 2012520326
が含まれるが、これらに限定されない。
IL-4RA-T13D-N38Cの38位の対がないシステイン残基は、PEG化前に、中性pHで、再生されたモノマータンパク質をより不安定にする。従って、IL-4RA-T13D-N38Cは、3個のジスルフィド結合を形成する7個のシステイン残基を含有している。N38Cシステインは、対がないままであり、20kDa(直鎖型もしくは分岐型)、30kDa(直鎖型)、または40kDa(直鎖型もしくは分岐型)のポリエチレングリコール(PEG)分子に付着するために使用され得る、タンパク質の表面に露出した反応性システインである。第四の置換T13Dは、IL-4RA-T13D-N38Cの効力を増加させ、従って、PEG化の後、IL-4RA-T13D-N38CはIL-4RAと比較して効力が等しい。IL-4RA-T13D-N38Cについての理論上の等電点(pI)は8.51であるが、この分子は、等電点電気泳動(IEF)ゲル上で、9.3を越えるpHの位置に移動すると予想され得る(例えば、各々、参照によりその内容全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,028,176号、第6,313,272号、および第6,130,318号、ならびに米国公開第20090010874号を参照のこと)。
IL-4RA、IL-4RA-T13D、およびIL-4RA-T13D-N38Cは、ヒトIL-4受容体α(IL4Rα)鎖に高い親和性で結合するが、各々は、細胞内経路へシグナルを伝達する能力を有しない。IL-4受容体複合体およびIL-13受容体複合体の両方が、効果的なシグナル伝達のためにIL4Rα鎖の関与を必要とするため、IL-4RA、IL-4RA-T13D、およびIL-4RA-T13D-N38Cは、いずれかのサイトカインのヒトIL4Rα鎖への結合に関連したシグナル伝達を阻止するであろう。IL-4ムテインは、喘息およびアトピー性湿疹の処置のために評価されており、免疫細胞応答のインビトロ系において、IL-4およびIL-13により媒介される応答を効果的に阻害することが示されている。
細胞採集、細胞破壊、封入体の精製、可溶化、およびSH基の化学的修飾のための方法は、当業者に周知の手法である(Creighton T E(ed.)(1989):Protein structure - A Practical Approach.IRL Press,Oxford,New York,Tokyo)。しかしながら、本発明は、pH、温度、ならびに亜硫酸およびテトラチオン酸の濃度が、亜硫酸分解産物の品質に影響を与える重要因子であることを証明する。さらに、可溶化された亜硫酸分解された封入体(IB)の限外濾過/透析濾過(UF/DF)工程の間の透析容量の数も、全体再折り畳み収量に影響を与えることが見出された。
低分子量の化学的薬剤が、再折り畳みの間の凝集物の形成を抑制し得ることは、先行技術から周知である。再折り畳みの間、凝集抑制剤として補助する能力について公知の例示的な薬剤には、L-アルギニン、尿素、塩酸グアニジウム、ポリ(エチレン)グリコール、アセトアミド、および短鎖アルコールが含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、L-アルギニンおよび塩酸グアニジウムを除き、これらの大部分が、インターロイキン-4誘導体およびムテインの場合には失敗した。
従って、本発明は、タンパク質の大規模な再生および回収の方法を提供する。方法は、、変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の溶液を、グアニジンの存在下で、トリス塩基/トリスHCl系中のH2SO4またはMgSO4を含有している再折り畳み緩衝液に添加することを含む。
透析濾過緩衝液中の変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の濃度は、約8gm/l以上、約10gm/l以上、約15gm/l以上、約20gm/l以上、約25gm/l以上、または約30gm/l以上であり得る。本発明の方法を利用すれば、透析濾過におけるグアニジン濃度を低下させても、下記のような高い収量および高い純度で、再折り畳みを受けたタンパク質を回収することができる。必要とされるグアニジン濃度は、約8M未満、約7.5M未満、約7M未満、約6.5M未満、約6M未満、約5.5M未満、約5M未満、約4.5M未満、約4M未満、約4M未満、または約3.5M未満であり得る。
実施例3に提供されるように、可溶化工程は、不溶性タンパク質を、IB内の不適切に折り畳まれ凝集した状態から、可溶性の折り畳まれていないモノマーおよびポリマーのタンパク質の溶液へと放出する。一つの態様において、可溶化は、可溶化/亜硫酸分解容器内の5M〜9Mグアニジン、100〜300mMトリス、1〜7mM EDTA(pH7〜pH10)を含有している溶液へIBスラリーを添加することにより開始され、1〜24時間、混合しながら、4〜25℃の温度で維持される。もう一つの態様において、可溶化は、可溶化/亜硫酸分解容器内の7M〜9Mグアニジン、100〜300mMトリス、1〜7mM EDTA(pH7〜pH9)を含有している溶液へIBスラリーを添加することにより開始される。もう一つの態様において、溶液は、8Mグアニジン、200mMトリス、5mM EDTA(pH9.0)を含有している。もう一つの態様において、溶液は、8Mグアニジン、200mMトリス、5mM EDTA(pH7.5)を含有している。最終可溶化条件は、典型的には、7Mグアニジン、175mMトリス、4.38mM EDTA(pH7.5)であり、1〜24時間、混合しながら、15〜20℃で維持される。さらにもう一つの態様において、溶液は、8Mグアニジン、200mMトリス、5mM EDTA(pH7.5)を含有している。さらにもう一つの態様において、最終可溶化条件は、典型的には、7Mグアニジン、175mMトリス、4.38mM EDTA(pH7.5)であり、1時間、混合しながら、18〜22℃で維持される。
次いで、可溶化されたIBは、亜硫酸分解に供される。亜硫酸分解は、可溶化されたタンパク質溶液の中のタンパク質の存在するジスルフィド結合を還元し、遊離スルフヒドリルを修飾して、スルホシステイン残基を形成させることにより、完全に還元されたモノマータンパク質の均質の溶液を生ずる。可溶化されたタンパク質溶液1L当たり5〜30gm亜硫酸ナトリウムの濃度を達成するために十分な量で、固体の亜硫酸ナトリウムが、可溶化されたタンパク質溶液に添加される。この溶液は、30〜150分間、低速で混合される。次いで、可溶化されたタンパク質1L当たり10〜30gmテトラチオン酸カリウムの濃度を達成するために十分な量で、固体のテトラチオン酸カリウムが、可溶化されたタンパク質/亜硫酸ナトリウム溶液に添加される。この溶液は、30〜150分間、低速で混合される。一つの態様において、溶液は、30〜150分間、低速で混合される。もう一つの態様において、次いで、可溶化されたタンパク質1L当たり10〜30gmテトラチオン酸カリウムの濃度を達成するために十分な量で、固体のテトラチオン酸カリウムが、可溶化されたタンパク質/亜硫酸ナトリウム溶液に添加される。この溶液は、30〜120分間、低速で混合される。亜硫酸分解されたタンパク質溶液は、次いで、デッドエンド型濾過系へと加圧供給され、限外濾過/透析濾過(UF/DF)保持容器に移される。一つの態様において、濾過系は、減少する孔径(例えば、0.8μm〜0.2μm)で連続的に濾過するための複数のフィルターを含む。
次いで、亜硫酸分解されたタンパク質は、透析濾過後の亜硫酸分解されたタンパク質(PDSP)を作製するため、限外濾過/透析濾過(UF/DF)に供される。この工程の目的は、濾過された亜硫酸分解されたタンパク質を濃縮し、次いで、濃縮された亜硫酸分解されたタンパク質溶液を、その後の再折り畳み作業のために必要とされる緩衝液製剤へと透析濾過することである。UF/DF系(スキッド)は、濾過された亜硫酸分解されたタンパク質溶液を濃縮し、透析濾過するために設定される。清潔なUF/DFスキッドは、典型的には、適切な分子量カットオフフィルターを装備しており、溶液により平衡化される。実施例4に記述されるように、10kDa分子量カットオフフィルターを装備したUF/DFスキッドが、透析濾過緩衝液により平衡化される。透析濾過緩衝液は、3M〜7Mグアニジン、25mM〜75mMトリス、および1mM〜7mM EDTA(pH7.0〜9.0)を含む。一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH9.0)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH9.0)を含む。もう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH7.5)を含む。さらにもう一つの態様において、透析濾過緩衝液は、約0.05mM〜約100mMまたはそれ以上の範囲でEDTAのようなキレート剤をさらに含んでいてもよい。濾過された亜硫酸分解されたタンパク質は、およそ2〜3倍濃縮される。濃縮された亜硫酸分解されたタンパク質の最終目標容量は、最終リテンテート容量(Final Retentate Volume)と呼ばれる。
透析容量の数が再折り畳み効率に対して影響を及ぼすことが観察された。透析容量の数の低下は、消費されるグアニジンの量を有意に低下させ、従って、もし再折り畳み効率およびその他の下流の過程に影響がないのであれば、好都合であろうと仮定された。再折り畳み効率を維持するためにはどれだけの透析容量が必要とされるかを試験するため、上記のように、IBを可溶化し、亜硫酸分解し、濾過した。濾過された材料を、およそ20mg/mLのタンパク質濃度へ濃縮し、4Mグアニジン透析濾過緩衝液により透析濾過した。0、1、3、および5透析容量の緩衝液を添加した後、試料を採取した。PDSP(透析濾過後の亜硫酸分解されたタンパク質)中のタンパク質濃度は、16〜17gm/Lの範囲であった。1.5gm/Lの最終タンパク質濃度を有する標準的な再折り畳み緩衝液において、3時間間隔で3回に分けてPDSPを再折り畳み混合物に添加して、再折り畳みを実施した。表1は、24時間の再折り畳みの後の全タンパク質および活性IL-4RAの濃度を示す。再折り畳み効率(%)は、再折り畳み後のC4 RP-HPLCにより測定された活性IL-4RAの濃度を、再折り畳み開始時の全タンパク質(1.5mg/mL)により割ったものである。
(表1)再折り畳み効率に対する透析容量の数の効果
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなブラッドフォードアッセイにより決定された全タンパク質。
b 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
再折り畳みにおける全タンパク質濃度が1gm/Lであり、PDSPが2.5時間間隔で2回に分けて添加されたことを除き、より高度に洗浄されたIBを用いて作成されたPDSPを使用して、この実験を実施した(表2)。
(表2)再折り畳み効率に対する透析容量の数の効果
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなブラッドフォードアッセイにより決定された全タンパク質。
b 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
従って、一つの態様において、タンパク質は、再折り畳み緩衝液への添加前に、1〜10透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される。もう一つの態様において、タンパク質は1〜5透析容量により透析濾過される。さらにもう一つの態様において、タンパク質は3透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される。濃縮された亜硫酸分解されたタンパク質は、最終リテンテート容量のおよそ3〜5倍の容量の4Mグアニジン、50mMトリス、5mM EDTA(pH9.0)に対して透析濾過される。UF/DF保持容器の容量は、再循環の間、最終リテンテート容量の指定された容量範囲内に維持される。濃縮された亜硫酸分解されたタンパク質の透析濾過の完了後、UF/DF系は、4Mグアニジン、50mMトリス、5mM EDTA(pH9.0)で、UF/DF保持容器へとフラッシングされる。
再折り畳み工程の目的は、透析濾過後の亜硫酸分解されたタンパク質(PDSP)溶液(最終希釈リテンテート(Final Diluted Retentate))中の亜硫酸分解された変性タンパク質の再折り畳み(再生)を行うことである。実施例5に示されるように、酸化的再折り畳みが、0〜0.8Mの範囲のSO4濃度で1Mトリス-SO4を含有している再折り畳み緩衝液マトリックスへのPDSPの希釈により実施される。前述のように、トリス-SO4は、典型的には、H2SO4および変動する比率のトリス塩基/トリスHClにより作成される。本発明は、SO4の濃度の変動が再折り畳み効率に対して全体的な影響を及ぼすか否かを決定するため、先行技術モデルを利用した。従って、H2SO4および変動する比率のトリス塩基/トリスHClを、7.5のpHを達成するために組み合わせた。EDTAおよびシステインの濃度は、それぞれ、5mMおよび1mMで一定のままであった。表3は、変動するSO4濃度における再折り畳み効率をリストする。結果は、SO4の至適濃度が0.3〜0.5Mの範囲であることを示す。
(表3)変動するSO4濃度における再折り畳み
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
しかしながら、トリス塩基へ硫酸を添加することによるトリス-SO4の調製は、製造的な規模においては非常に危険である。従って、一つの態様において、トリスヘミ硫酸塩が、その代用物として使用される。しかしながら、トリスヘミ硫酸塩は限られた供給量で製造されており、トリス塩基およびトリスHClより実質的に高価な試薬である。従って、もう一つの態様において、トリス+(NH4)2SO4、Na2SO4、およびMgSO4に由来するSO4 2-のような、別の非限定的な製剤が再折り畳み過程において使用され得る。例えば、トリス塩基(0.125M)およびトリスHCl(0.875M)は、0.4M硫酸塩(例えば、Na2SO4)、5mM EDTA、1mMシステイン(最終pH7.5)に添加され得る。次いで、タンパク質PDSPを4時間間隔で2回0.75g/Lずつ再折り畳み緩衝液に添加し、室温で24時間撹拌することにより、硫酸基(SO4 2-)の代替源の再折り畳み効率を試験した。次いで、再折り畳み後の全タンパク質含量を測定した。結果(表4)は、トリス+MgSO4由来SO4の使用が、タンパク質の再折り畳みにおいてトリスヘミ硫酸塩と同等に効果的であることを示す。
(表4)トリス-SO4のための代替的な製剤
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなブラッドフォードアッセイにより決定された全タンパク質。
b 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、約0.01〜0.8M、約0.05〜0.75M、約0.1〜0.7M、約0.2〜0.7M、約0.3〜0.7M、約0.4〜0.7M、約0.1〜0.6M、約0.2〜0.6M、約0.3〜0.6M、約0.4〜0.6Mの範囲で硫酸イオン源を含む。再折り畳み緩衝液は、約1%以上、約4%以上、約5%以上、約7%以上、約10%以上、約12%以上、約15%以上、または約17%以上の量で、多糖、ショ糖、トレハロースを含む二糖のような非還元糖、またはマンニトールのようなその他の材料をさらに含んでいてもよい。(ショ糖濃度のような)炭水化物濃度の上限は約30%である。いくつかの反応において、所望の結果を達成するための上限は、約20%または約25%であり得る。再折り畳み緩衝液は、任意で、約2mM以上、約5mM以上、約10mM以上、約15mM以上、約20mM以上、約25mM以上、約30mM以上、または約40mM以上の範囲で、βメルカプトエタノールまたは等価物のようなジスルフィド結合還元剤をさらに含んでいてもよい。
従って、もう一つの態様において、本発明の再折り畳み緩衝液は、0.1M〜0.6M MgSO4、0.1M〜0.6Mトリス塩基、0.4M〜0.9MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、および0.5mM〜2mMシステインを含む。一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.2M〜0.6M MgSO4、0.1M〜0.6Mトリス塩基、0.4M〜0.9MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、および0.5mM〜2mMシステインを含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.4M MgSO4、0.125Mトリス塩基、0.875MトリスHCl、5mM EDTA、および1mMシステインを含む。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、0.25mM βメルカプトエタノールをさらに含み;2mMシステインHClがPDSP再折り畳みの開始直前に添加される。
本発明の実施により達成される再折り畳み効率は、約200リットルより大きな再折り畳みリアクタ容量で実施された場合、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約60%以上、または約70%以上であり得る。いくつかの産業的な規模において、再折り畳みは、約500L以上、約1000L以上、約2000L以上、約4000L以上、約5000L以上、約7500L以上、約8500L以上、約10000L以上、または約15000L以上で実施される。
再折り畳みは、約0.4gm/L以上、約0.45gm/L以上、約0.5gm/L以上、約0.6g/ml以上、約0.7gm/L以上、約0.8gm/L以上、約0.9gm/L以上、約1gm/L以上、約1.25gm/L以上、約1.5gm/L、約2gm/L、約2.5gm/L、または約3gm/Lのタンパク質濃度を生ずるために達成され得る。
もう一つの態様において、化学的シャペロンのような賦形剤の再折り畳み緩衝液への添加は、タンパク質の不適切に折り畳まれた中間体の形成を阻害することができ、タンパク質の折り畳み中間体の安定化を促進し、従って、凝集の低下を促進することができる(David,H.P.;Chemical chaperones:a pharmacological strategy for disorder of protein folding and trafficking.Pediatr.Res,52(2002):832-836)。糖およびポリマーは、拡散速度を修飾することにより再折り畳みに影響を及ぼすことができ、タンパク質を安定化することができる(Arakawa,et al.;Stabilization of protein-structure by sugars.Biochemistry,21(1982)6536-6544;およびClark,et al.,Inhibition of aggregation side reactions during in vitro protein folding,amyloid,prions,and other protein aggregates,Academic Press Inc.,Orlando FL,1999,217-236)。二価陽イオンは、いくつかのタンパク質の再折り畳みに影響を与えることが示されており(Singh,et al.,Solubilization and refolding of bacterial inclusion body proteins,J.Biosci.Bioeng.99(2005)303-310)、Mg2+は製剤研究においてタンパク質を安定化する効果を示す。グリシンのようなアミノ酸は、ネイティブ構造の安定性を増強することが示されている(Serrano,et al.Effect of alanine versus glycine in alpha-helices on protein stability.Nature.1992 Apr 2;356(6368):453-5)。
賦形剤を再折り畳み緩衝液に添加する効果をスクリーニングするため、2mLの再折り畳み緩衝液を、24穴細胞培養プレートの各ウェルに添加し、IL-4RA PDSPを、4時間間隔での2回の添加を使用して、1.2gm/Lの最終濃度で添加した。基本の再折り畳み緩衝液は、1.0Mトリス-SO4(pH7.5)、5mM EDTA、および1mMシステインを含有しており、対照として機能した。研究試料は、基本の再折り畳み緩衝液に添加された、10もしくは20%ショ糖、10もしくは20%グリセロール、1もしくは0.5% PEG3350、5もしくは2.5%グリシン、または0.1M MgCl2のいずれかを含有していた。24時間の再折り畳みの後、試料を酸性化し、濾過し、全タンパク質および正確に折り畳まれたIL-4RAについて測定した。結果(示されていない)は、再折り畳み効率が、対照と比べて不変であったか(グリセロール)、低下したか(PEG、グリシン、およびMgCl2)、またはわずかに高かった(ショ糖)ことを示す。対照試料より全タンパク質が高く、再折り畳みを受けたIL-4RAが低かったことから示されるように、MgCl2は誤折り畳み中間体を可溶性に維持するよう機能した。ショ糖の効果をさらに調査するため、100mLの再折り畳み実験を、0〜20%の範囲のショ糖濃度、1.5および2.0gm/Lの最終濃度で再折り畳み物に添加されたPDSPにより実施した。PDSPを3時間間隔で3回に分けて再折り畳み緩衝液に添加し、再折り畳みを計24時間継続した後、再折り畳みを酸性化により止めた。酸性化された濾過された再折り畳み物において、全タンパク質および正確に折り畳まれたIL-4RAを決定した(表5)。
(表5)IL-4RA再折り畳み緩衝液へのショ糖添加
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなブラッドフォードアッセイにより決定された全タンパク質。
b 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
結果は、再折り畳み緩衝液への20%ショ糖の添加が、再折り畳み効率を11.5%増加させ;10%ショ糖が9.6%増加させ;5%ショ糖が6%増加させたことを示す。従って、もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は、約5%〜20%ショ糖をさらに含有する。もう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は10%ショ糖または20%ショ糖を含有する。さらにもう一つの態様において、再折り畳み緩衝液は20%ショ糖を含有する。
再折り畳み緩衝液へのPDSPの送液の非限定的な例には、およそ30分〜24時間の送液時間での、単流送液、滴下送液、パルス送液、および逆希釈が含まれる。従って、一つの態様において、再折り畳み緩衝液へのPDSPの添加は、3000Lの再折り畳み物の場合、およそ30分の送液時間での、単流によるものである。次いで、タンパク質再折り畳みの時間経過を調査した。一つの態様において、PDSPが約0.5〜3.0gm/Lの最終タンパク質濃度で添加され、再折り畳み物の採集の前に約24時間、溶液が撹拌される。もう一つの態様において、PDSPが約0.5〜2.0g/Lの最終濃度で添加され、再折り畳み物の採集の前に約24時間、溶液が撹拌される。
タンパク質が単流で添加される場合の再折り畳みの効率を決定するため、IL-4RA PDSPを、単一パルスで、標準的な再折り畳み緩衝液に添加し、1.25〜6.25時間の間、1時間毎に試料を採取した。正確に折り畳まれたIL-4RAおよびIL-4RA純度を、C4 RP-HPLCにより測定し、結果を図1にプロットした。図1に示されるように、IL-4RA再折り畳みをT=0で開始し、6時間の間、1時間毎にアリコートを採取した。再折り畳みを23時間継続し、C4 RP-HPLCにより、全ての試料をIL-4RA含量(黒四角)および純度(白四角)について測定した。結果は、再折り畳み速度の初期の急速な増加が0〜2時間に存在し、続いてより遅い速度で6時間目に最大値となることを示す。しかしながら、タンパク質純度は、5時間かけてゆっくり増加する。
もう一つの態様において、タンパク質の添加は、パルス希釈を介して行われる。パルス希釈においては、変性タンパク質が、指定された時間間隔で、数回に分けて、再折り畳み緩衝液に添加される。添加の間隔を十分に空けることにより、高濃度の折り畳み中間体の蓄積を回避することができる(Tsumoto,et al.Solubilization of active green fluorescent protein from insoluble particles by guanidine and arginine.Biochem.Biophys.Res.Commun,312(2003a)1383-1386)。正確に折り畳まれた構造が、非折り畳み中間体または誤折り畳み中間体と凝集しないのであれば、より高い再折り畳みの効率が起こり得る。
(表6)タンパク質のパルス送液
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなブラッドフォードアッセイにより決定された全タンパク質。
b 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
c 不溶性凝集物を除去するため、タンパク質の添加間に、再折り畳み溶液を濾過した。
表6に示されるように、パルス希釈送液は、単一パルスでのタンパク質送液より大きな再折り畳み効率を可能にする。1.5g/Lの変性タンパク質濃度を使用して、添加の間隔を4時間まで増加させた場合に、最も大きな再折り畳み効率が示された。添加間の濾過は利益を提供せず、それにより、正確に折り畳まれたIL-4RAが不溶性タンパク質により悪影響を受けないことが証明された。従って、例示的なパルス希釈には、0〜6(例えば、0、1、2、3、4、5、または6)時間間隔での、1〜10(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)回の希釈が含まれるが、これらに限定されない。従って、一つの態様において、タンパク質は、0〜4時間間隔で、1〜3回の希釈で添加される。もう一つの態様において、タンパク質は、4時間間隔で、3回の希釈で添加される。
もう一つの態様において、タンパク質の添加は、逆希釈を介して行われる。逆希釈では、タンパク質濃度および変性剤(即ち、グアニジン)の両方が同時に減少するよう、再折り畳み緩衝液が、折り畳まれていないタンパク質に添加される。混合しながら、再折り畳み緩衝液と、折り畳まれていないタンパク質とが、固定された比率で同時に送液され、それにより一定の変性剤およびタンパク質が維持される。
例えば、再折り畳み緩衝液は、計20分間、5mL/分の速度でPDSPに添加される。混合のため、再折り畳み緩衝液を、10分間、別の再折り畳み容器へ、10:1比でPDSPと混合した。PDSPの単一パルスでの希釈による再折り畳みを、比較として使用した。初期タンパク質濃度は1.5gm/Lであり、全ての条件の下で、再折り畳みを24時間継続した後、採集を行った。
より高い濃度は希釈の初期に凝集の増加をもたらす混合問題を引き起こすため、既知の製造手法は、典型的には、再折り畳みタンクへの添加前に、PDSPの濃度を10gm/Lに調整する。驚くべきことに、本明細書に提示されたデータは、上述の再折り畳み緩衝液に対する変化が、より高い濃度のPDSPを再折り畳みタンクに添加することを可能にすることを証明している。PDSPタンパク質濃度の増加は、グアニジン消費を節約し、再折り畳みタンクへのグアニジンのキャリーオーバーを低下させるであろうと仮定された。
従って、IL-4RA PDSPを15.8g/Lおよび35g/Lへ濃縮し、再折り畳み前に-20℃で保管した。PDSPを室温で解凍し、1gm/Lの最終濃度で、単回添加により、標準的な再折り畳み緩衝液に添加した。35gm/L PDSPをそのまま添加するか、または再折り畳み物への添加前にまず4Mグアニジン緩衝液で3倍希釈した。比較のため、表7は、同一の再折り畳み条件の下で使用された付加的なPDSPをリストする。
(表7)PDSPの濃度の変動
Figure 2012520326
a 実施例1に記載されるようなC4 RP-HPLCにより決定された折り畳まれたIL-4RAの濃度および純度。
b 再折り畳み物への添加前に35g/Lストックから希釈された。
結果は、再折り畳み物の収量または純度の差を観察することなく、PDSPが少なくとも35gm/Lの濃度で保管され得、10〜35gm/Lの範囲の濃度で再折り畳みタンクに送液され得ることを示す。従って、一つの態様において、タンパク質は、10〜35gm/Lの濃度で再折り畳み緩衝液に添加される。もう一つの態様において、タンパク質は、12〜20gm/Lの濃度で再折り畳み緩衝液に添加される。さらにもう一つの態様において、タンパク質は、20gm/Lの濃度で再折り畳み緩衝液に添加される。
再折り畳みインキュベーション期間の後、溶液は、疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムでの捕獲および部分精製のために調製される。疎水性相互作用クロマトグラフィ樹脂は、先に記載されたように、約500リットルより大きな容量の大規模なバッチで使用された場合、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%超の効率で、再折り畳みを受けたタンパク質(任意で、IL-4RAタンパク質)の再折り畳み緩衝液からの回収を提供するため、本発明において使用され得る。方法の実施において使用されるHIC樹脂は、約10mg/mL超、約12mg/mL超、約14mg/mL超、約16mg/mL超、約17mg/mL超、約18mg/mL超、または約20mg/mL超の樹脂の容量(mL)当たりの全タンパク質(mg)の動的結合容量を有する。回収されたタンパク質(任意で、IL-4RAタンパク質)の純度は、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、または約95%超である。方法は、約1.5kg以上、約2kg以上、約4kg以上、約5kg以上、約7kg以上、約10kg以上、または約20kg以上の回収バッチサイズを有する商業的な規模で使用され得る。
従って、一つの態様において、硫酸ナトリウム(Na2SO4)が、硫酸ナトリウムが溶解することを確実にするため、1時間以上かけて、0.4〜0.6Mの最終濃度で、再折り畳み物保持容器に添加され、硫酸ナトリウムが完全に溶解していることが確実になった後、リン酸(85%)の再折り畳み物保持容器への添加により、再折り畳み溶液のpHが約2.1〜5.8に低下させられる。もう一つの態様において、硫酸ナトリウムは0.6Mの最終濃度で添加され、pHは3.0±0.3に低下させられる。再折り畳み物保持容器内の再折り畳み溶液のpHがpH=3±0.3に低下させられ、安定化されたならば、直ちに、pH調整された再折り畳み物がHICカラムへの負荷のため調製される。さらにもう一つの態様において、pHを3±0.3へ低下させるリン酸の添加の後、0.4Mの最終濃度で硫酸ナトリウムが添加される。pH調整された再折り畳み物は、HICカラムの負荷の前に、デプスフィルトレーション作業に直接進まなければならない。
再折り畳みを受けたタンパク質は、クロマトグラフィ法または濾過法のいずれかにより、再折り畳みタンパク質混合物からさらに精製され得る。これらの方法論の多数の局面の適用は、pH調整された再折り畳みマトリックスからの、再折り畳みを受けたタンパク質の商業的な規模での回収および精製において実際的でない。それは、低いタンパク質結合容量、クロマトグラフィのための限外濾過/透析濾過調製の間の沈殿の増加、再折り畳みを受けたタンパク質の低い回収、または極めて面倒で論理的に困難な製造法の必要性のためである。疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)のみが、再折り畳みを受けたタンパク質に結合し、それを濃縮すること、そして高容量過程で、pH調整された再折り畳みマトリックスから、残余の産物関連不純物(折り畳まれていないタンパク質および誤折り畳みタンパク質)、ならびに宿主細胞のタンパク質、内毒素、およびDNA不純物を除去することが見出された。多数のHIC樹脂を中性条件および低pH条件の両方でスクリーニングしたところ、これらの多くは、大規模では有用でない低い結合容量を示す。小容量樹脂には、Macro-Prep t-Butyl HIC(Biorad Laboratories)、Octyl Sepharose 4 Fast Flow、Phenyl Sepharose 6 Fast Flow、Phenyl Sepharose HP、Butyl Sepharose 4 Fast Flow(GE Healthcare)、およびSuper Butyl 5500(Tosoh Biosciences)が含まれる。この高容量HIC法において使用するための例示的な樹脂には、Tosoh Biosciences Toyopearl Hexyl HIC樹脂、Toyopearl Butyl 650M樹脂、Toyopearl Butyl 600M樹脂、およびGE Healthcare Capto Butyl樹脂が含まれるが、これらに限定されない。ある種の態様において、樹脂は、0.46×10cmカラム(Butyl 600M、Butyl 650M)または0.5×15cmカラム(Capto Butyl)に充填され、緩衝液で平衡化され得る。
疎水性電荷誘導クロマトグラフィ(HCIC)樹脂も、中性pHでの使用についてスクリーニングされ、やはり低い結合容量を示すことが見出された。これらの樹脂には、MEP hypercelおよびPPA Hypercel(Pall)が含まれた。
異なる樹脂の動的結合容量を決定するため、Tosoh Butyl 650Mを、Butyl 600M(650より小さな孔径)およびGE HealthcareからのCapto Butyl樹脂と比較した。樹脂を0.46×10cmカラム(Butyl 600M、Butyl 650M)または0.5×15cmカラム(Capto Butyl)のいずれかに充填し、緩衝液で平衡化した(表8)。濾過されたIL-4RA再折り畳み物を、150cm/hrの流速でカラムに負荷し、フロースルー画分を収集した。フロースルー画分の全タンパク質をブラッドフォードによりモニタリングし、IL-4RA含量をC4 RP-HPLCにより測定した。動的結合容量を全タンパク質の10%ブレークスルーで計算した。
(表8)動的結合容量:樹脂スクリーニング
Figure 2012520326
Tosoh Toyopearl Butyl 600Mは、Butyl 650Mより20%高い結合容量、Capto Butylと等しい結合容量を有していた。平衡化緩衝液を、1M Na2SO4、10mMリン酸カリウム(KPi)(pH3)に変えると、結合容量はわずかに変化したが、これは再折り畳み材料の差によるのかもしれない。
次いで、Tosoh Butyl 650MおよびTosoh Butyl 600Mを、動的結合容量の75%の密度を表す、それぞれ11g/Lまたは14g/Lの目標負荷密度での、収量および純度の比較のため、規模拡大した。Butyl 650Mは、GE Heathcare XK 16カラムへ17cmのベッド高まで平衡化緩衝液で充填された。Butyl 600Mは、GE Heathcare XK 16カラムへ14cmのベッド高まで平衡化/洗浄緩衝液(2M (NH4)2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0))で充填された。各クロマトグラフィの実行のため、濾過された再折り畳み物(pH3.0、0.6M Na2SO4)を適用し、カラムを5CV平衡化/洗浄緩衝液により洗浄し、0.25M (NH4)2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0)により、3CV(主要ピーク)、3CV(ピークテール)で溶出させ、10mMリン酸カリウム(pH3.0)によりストリッピングした。各工程について流速は150cm/hrであった。全タンパク質を、ブラッドフォード(再折り畳み、フロースルー、および洗浄)またはUV(溶出およびストリッピング)のいずれかにより測定した。IL-4RAの含量をC4 RP-HPLCにより測定した。主要溶出の純度をC4およびC18により測定した(表9)。図2および3は、Butyl 650M実行の溶出プロファイルおよびSDS-PAGE結果を示す。
(表9)Butyl 650MおよびButyl 600MからのIL-4RA回収の比較
Figure 2012520326
1 IL-4RAを1g/Lで再折り畳みし、pHおよび塩について調整し、濾過した。出発タンパク質濃度は0.43mg/mLであり、IL-4RA濃度は0.344mg/mLであった。
2 最初の3CVに溶出したIL-4RA。
IL-4RAの回収および純度は、Butyl 650MおよびButyl 600Mの実行の各々について高かった。Butyl 600Mは、試験されたロットについて20%高い容量を有していた。
次いで、Capto ButylおよびButyl 600Mを、それぞれ14g/Lまたは12g/Lの目標負荷密度での収量および純度の比較のため、規模拡大のために選んだ。平衡化緩衝液、洗浄緩衝液、および溶出緩衝液における(NH4)2SO4の性能をNa2SO4と比較するため、各樹脂を二つの条件の下で試験した。実行の各々において、濾過された再折り畳み物を150cm/hrの流速で適用し、5カラム容量で洗浄し、3カラム容量(主要部)、付加的な3カラム容量(テール)で溶出させ、10mMリン酸カリウム(pH3.0)によりストリッピングした。(NH4)2SO4でのクロマトグラフィについてのカラム条件は上記の通りであった。Na2SO4については、平衡化緩衝液および洗浄緩衝液が、1M Na2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0)からなり、溶出緩衝液が、0.2M Na2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含有していた。全タンパク質を、ブラッドフォード(再折り畳み、フロースルー、および洗浄)またはUV(溶出およびストリッピング)のいずれかにより測定した。IL-4RAの含量をC4 RP-HPLCにより測定した。主要溶出の純度をC4およびC18により測定した。負荷液の全タンパク質濃度は0.655g/Lであり、IL-4RA濃度は0.54g/Lであった。動的結合容量の75%の目標負荷密度を、各々について選んだ。Capto Butylは、Butyl 600M(14.5cm)より高いベッド高(22.5cm)まで充填された。
(表10)Butyl 600MおよびCapto ButylでのIL-4RA捕獲クロマトグラフィ:(NH4)2SO4条件
Figure 2012520326
1 各樹脂を0.25M (NH4)2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0)により溶出させた。
(表11)Butyl 600MおよびCapto ButylでのIL-4RA捕獲クロマトグラフィ:Na2SO4条件
Figure 2012520326
1 各樹脂を0.2M Na2SO4、10mMリン酸カリウム(pH3.0)により溶出させた。
Butyl 600Mは、(NH4)2SO4条件(86.1%対77.5%)およびNa2SO4条件(91.5%対84.5%)の両方で、最初の3CV溶出へのCapto Butylより高いIL-4RAの回収を有していた。しかしながら、主要溶出画分の純度は、Capto Butyl樹脂の方が高かった。Capto Butylは、圧力に対する有害な効果なしに、(Butyl 600Mと比べて)より高いベッド高まで樹脂が充填され得るという利点も有する。さらに、Capto Butylは、20% ETOHまたは水で充填され得、高い塩の添加によって縮小しない。Butyl 600Mは平衡化緩衝液で充填されたにも関わらず、再折り畳み物が適用された時、カラムが収縮した。
Capto媒体は、ハイフローアガロースマトリックスに基づく。大規模(直径1m、ベッド高20cm)での典型的な流速は600cm/hrであり、1.5バール未満の背圧を有する。対照的に、メタクリレートに基づくビーズであるTosoh Butyl 650Mは、150cm/hrで作動し、1.5バールの背圧を有する。従って、Capto Butylについての作動時間は、はるかに短いであろう。Capto ButylからのIL-4RA回収を、1.24分〜4.35分の範囲の接触時間を表す200〜700cm/hrの範囲の流速を使用して試験した。結果は、IL-4RAの回収および純度が、研究された範囲で、接触時間に依存しなかったことを示す(表12)。
(表12)様々な線流速でのCapto ButylからのIL-4RA回収
Figure 2012520326
実施例6に記述されるように、再折り畳み物保持容器からの、pH調整された再折り畳みタンパク質溶液は、一つまたは複数のデプスフィルタ(例えば、0.4μmまたは0.45μm)に通され、続いて一つまたは複数のポリシング(polishing)フィルター(例えば、0.22μm)に通された後、カラムに負荷される。一つの態様において、フィルターには珪藻土が充填され、1M Na2SO4が負荷緩衝液として使用される。デプスフィルタ系は、流出液が透明になるまで、精製水(WPU)により洗浄される。次いで、pH調整された再折り畳みタンパク質溶液が、9.8LPM以下の初速度で濾過され(最大15.9LPM)、濾過後再折り畳み物保持容器へ移されるよう、再折り畳み物保持容器が加圧される。濾過後再折り畳み物が、濾過後再折り畳み物保持容器内でおよそ800〜1000Lの容量に到達するや否や、Toyopearl Butyl 650M HICカラム(100×21cm、165L)の負荷が開始される(全タンパク質1L当たり約7.5〜9.3gmの目標カラム負荷密度)。一つの態様において、目標カラム負荷密度は、全タンパク質1L当たり約10gmである。デプスフィルタ系およびポリシングフィルターの濾過後のフラッシングを、2M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)により実施する。一つの態様において、カラムは平衡化緩衝液により洗浄され、タンパク質産物は、約0.2〜0.28M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、カラムは平衡化緩衝液により洗浄され、タンパク質産物は、約10〜14% 2M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)/85〜90% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。一つの態様において、タンパク質産物は、10〜14% 2M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)/85〜88% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、タンパク質産物は、0.25M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、タンパク質産物は、12.5% 2M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)/87.5% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、タンパク質産物は、10mMリン酸カリウム(pH3.0)のより低い伝導度段階勾配により溶出させられる。
紫外(UV)モニターが1.0%に到達した時に、HIC溶出液が収集される。UVモニター出力が1.0%まで戻るか、7カラム容量の溶出容量が完了するか、いずれか早い方まで、HIC溶出液収集は継続される。従って、本発明は、再折り畳みを受けたタンパク質を、約0.4〜2.0gm/Lの全タンパク質濃度で、再折り畳みマトリックスから単離する方法も提供する。方法は、pH調整されたタンパク質溶液をHICカラムへ負荷すること、およびタンパク質を溶出緩衝液により溶出させることを含む。一つの態様において、タンパク質産物は、10〜14% 2M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム、pH3.0/85〜88% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、タンパク質産物は、10〜14% 2M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)、および90〜86% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。もう一つの態様において、タンパク質産物は、12.5% 2M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)および87.5% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)の伝導度段階勾配により溶出させられる。
この限外濾過/透析濾過(UF/DF)工程の目的は、オプションの次のクロマトグラフィ工程(セラミックハイドロキシアパタイトクロマトグラフィ)のため、HIC溶出液(12.5% 2M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)/87.5% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)を、適切な結合緩衝液(20mMリン酸カリウム(pH6.1))へ交換することである。UFスキッドはHIC溶出液を濃縮し透析濾過するために設定される。清潔なUF/DFスキッドが、透析濾過緩衝液で平衡化される。一つの態様において、透析濾過緩衝液は、15mM〜25mMリン酸カリウム(pH=6.1±0.3)を含む。もう一つの態様において、平衡化緩衝液は、20mMリン酸カリウム(pH6.1)を含む。Butyl 650Mクロマトグラフィ工程からの溶出液は、およそ0〜6gm/L(例えば、0.5gm/L、1.0gm/L、1.5gm/L、2.0gm/L、2.5gm/L、3.0gm/L、3.5gm/L、4.0gm/L、4.5gm/L、5.0gm/L、5.5gm/L、および6.0gm/L)の単一リテンテートへと濃縮され、リテンテート容量の5倍以上(例えば、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、またはそれ以上)の20mMリン酸カリウム(pH6.1)により透析濾過が実施される。一つの態様において、Butyl 650Mクロマトグラフィ工程からの溶出液は、およそ4.0 g/Lの単一リテンテートへと濃縮され、リテンテート容量の5倍以上の20mMリン酸カリウム(pH6.1)により透析濾過が実施される。次いで、透析濾過された産物は、15〜25Lの透析濾過緩衝液によりUF系からフラッシングされる。一つの態様において、透析濾過された産物は、次いで、20Lの透析濾過緩衝液によりUF系からフラッシングされる。10〜15分の再循環の後、フラッシング容量全体が、UF/DFリテンテート保持容器に移され、5分間以上、混合される。
以下の実施例は、本発明を例示するものであって、制限するためのものではない。
実施例1
分析アッセイ
SDS-PAGE/クーマシーブルー−変性還元ポリアクリルアミドゲル電気泳動、それに続くクーマシー染色または銀染色を、PDSP試料、再折り畳み物試料、および精製された試料の中のタンパク質の含量および純度の決定のために使用した。試料を、5M尿素(PDSP)またはH2O(その他)のいずれか、4×NuPAGE(登録商標)試料緩衝液、および還元剤で希釈し、10分間、70℃に加熱した。試料およびタンパク質標準物を、還元条件下および非還元条件下の両方で、MESランニング緩衝液により、10穴または12穴のNuPAGE(登録商標)4〜12% Bis-Tris Gel(Invitrogen、厚さ1mm)に負荷した。SDS-PAGE分子量標準物(Mark 12、Invitrogen)も負荷した。ゲルを約40分間200ボルトで実行し、次いで、製造業者の指示に従って、GelCode Blue COOMASSIE(登録商標)Stain(Pierce Biotechnology)またはSILVERXPRESS(登録商標)Silver Staining Kit(Invitrogen)のいずれかにより染色した。クーマシー染色されたゲルは、Kodak Digital Image Stations 440CFを使用して画像化され、バンド強度が測定された。バンド強度をタンパク質標準曲線と比較することにより、PDSP中のタンパク質の含量が測定された。銀染色ゲルは、Epson Perfection 1640SUドキュメントスキャナを使用して画像化された。
C4逆相−再折り畳み物試料および精製された試料の中の正確に折り畳まれた分子と不適切に折り畳まれた種との疎水性の差を区別するため、C4 RP-HPLCアッセイを使用した。標準物および試料を、0.1% TFAを含む水への希釈により調製した。1mL/分で、HP1100 HPLC系(Agilent Technologies)上の40℃に加熱されたC4 RP-HPLCカラム(Vydac C4、4.6×50mm、5μm粒径)へ、タンパク質0.5μg、1.25μg、2.5μg、5μg、および7.5μgを注入することにより、タンパク質標準曲線を作成した。HPLC溶媒は、0.1% TFAを含む水(溶媒A)および0.1% TFAを含むアセトニトリル(溶媒B)であった。結合したタンパク質標準物およびタンパク質試料を、アセトニトリル勾配(表13)により溶出させ、タンパク質を210nmでUVモニタリングした。タンパク質標準物保持時間に対応するピーク面積から、試料の濃度を決定した。タンパク質標準物保持時間に対応するピーク面積を全ピーク面積で割ったものを使用して、純度(%)を決定した。
(表13)C4 RP-HPLC勾配プログラム
Figure 2012520326
C18インプロセス(In-Process)−未修飾の産物と、とりわけ、酸化メチオニン、N-ホルミルメチオニン、イソロイシンのβ-Metノルロイシンへの置換、およびロイシンのノルバリンへの置換を含む、産物関連不純物との間の疎水性の差を区別するため、C18 RP-HPLCを使用した。標準物および試料を、0.12% TFAを含む水への希釈により0.6mg/mLの濃度に調製し、50μLを、0.5mL/分で、HP1100 HPLC系(Agilent Technologies)上の40℃に加熱されたAgilent C18 RP-HPLCカラムへ注入した。HPLC溶媒は、0.12% TFAを含む水(溶媒A)および0.1% TFAを含むアセトニトリル(溶媒B)であった。結合したIL-4RA標準物およびIL-4RAカラム溶出液を、アセトニトリル勾配(表14)により溶出させ、タンパク質を210nmでUVモニタリングした。タンパク質標準物保持時間に対応するピーク面積を全ピーク面積で割ったものを使用して、主要ピークの純度(%)を決定した。
(表14)C18インプロセスRP-HPLC勾配プログラム
Figure 2012520326
C3 RP-HPLCアッセイは、再折り畳み物の中の正確に折り畳まれた分子と不適切に折り畳まれた種との疎水性の差を区別することができる。標準物および試料を、0.1% TFAを含む水への希釈により調製した。1mL/分で、HP1100 HPLC系(Agilent Technologies)上の50℃に加熱されたC3 RP-HPLCカラム(Zorbax 300SB-C3、内径4.6×50mm、粒径3.5μm、Agilentカタログ番号:5973-909)へ、AER001 0.5μg、1μg、1.5μg、2.5μg、および5μgを注入することにより、IL-4RA標準曲線を作成した。HPLC溶媒は、0.1% TFAを含む水(溶媒A)および0.1% TFAを含むアセトニトリル(溶媒B)であった。結合したIL-4RA標準物、IL-4RA試料、およびIL-4RA-T13D-N38C試料を、(以下に示されるような)アセトニトリル勾配により溶出させ、タンパク質を210nmでUVモニタリングした。IL-4RA標準物保持時間に対応するピーク面積から、試料の濃度を決定した。IL-4RA標準物保持時間に対応するピーク面積を全ピーク面積で割ったものを使用して、純度(%)を決定した。
(表15)C3 RP-HPLC勾配プログラム
Figure 2012520326
ブラッドフォード−PDSP試料および再折り畳み物試料の中の全タンパク質の濃度を測定するため、クーマシー色素結合アッセイであるブラッドフォードアッセイを使用した。試料またはBSA標準物(2mg/mL、Pierce)(各20μL)を、96穴プレートのA列で、380μL Coomassie Plus(商標)Protein Assay Reagent(Pierce)に添加し、上下に8回ピペッティングすることにより、よく混合した。A列から200μLを除去し、B〜G列の200μL Coomassie Protein Reagentに添加することにより、2倍希釈を実施した。H列は、200μL Coomassie Plus(商標)Protein Assay Reagentを含有しており、ブランクとして使用された。PDSPからの試料を、まず、4Mグアニジン、50mMトリス(pH9.0)、および5mM EDTAで10倍希釈した後、A列に添加した。再折り畳み試料は、調整なしに添加された。全ての試料および標準物を、デュプリケートで実行した。プレートを10分間室温で放置した後、595nmでMolecular Devices SPECTRA max PLUS Microplate分光光度計で読み取った。標準曲線を4パラメーターフィットへとフィッティングし、未知試料の濃度をSOFTmax PROソフトウェアを使用して決定した。
実施例2
出発材料の調製
細胞溶解−小規模で、50mMトリス、2mM EDTA(pH7.5)を含有している破壊緩衝液に細胞を懸濁させ、10,000〜15,000psiで、3回、細胞懸濁物を通すことにより、Micofluidizer(Microfluidic Corp.)を使用して溶解した。実行の間、機械および冷却コイルチャンバーには氷が充填された。
封入体洗浄−封入体(IB)を、6000RPMで、30分間、遠心分離により収集した。封入体ペレットを、50mMトリス、2mM EDTA、および1%トリトンX-100(pH7.5)を含有している10×(湿重量)IB洗浄緩衝液により洗浄した。洗浄の各サイクルについて、ペレットを緩衝液に再懸濁させ、氷上で30〜60分間乃至4℃で一夜、撹拌した後、遠心分離により採集した。計3回の洗浄を実施した。
IBスラリー調製−全IBペレットのグラム量(湿重量)と等価な容量(ミリリットル)のIB洗浄緩衝液に、最終IBを再懸濁させることにより、スラリーを作成した。次いで、撹拌および/または超音波処理により、懸濁物をホモジナイズした。
実施例3
封入体の可溶化および亜硫酸分解
IL-4RA封入体(IB)を、50mMトリス(pH7.5)、5mM EDTA、0.1%トリトンX-100でスラリー(35〜50%)に調製した。アリコートの中のスラリーの割合には変動があるため、スラリーを、まず、6000RPMで、20分間、遠心分離した。液体を注ぎ捨て、IBの重量を決定し、等量の緩衝液(w/v)を添加した後、完全に再懸濁させることにより、50%スラリーを作成した。50%スラリーを、7.5倍容量の8Mグアニジン、0.2Mトリス(pH7.5または9)、および5mM EDTAに溶解させた。亜硫酸ナトリウムを5g/Lの濃度で添加し、室温で、30分間、溶液を撹拌した。テトラチオン酸カリウムを10g/Lで添加し、さらに60分〜3時間、溶液を撹拌した。混合物を濾過し、最長20時間4℃で保管した後、限外濾過/透析濾過(UF/DF)を行った。目標タンパク質濃度は、ブラッドフォードアッセイにより決定されるような10g/Lである。
IBスラリーの7.5倍容量の、8Mグアニジン、20mMトリス、および2mM EDTA(pH7.5)を含有している可溶化緩衝液の添加により、35〜50%スラリーから、IL-4RA-T13D-N38C IBを可溶化した。亜硫酸ナトリウム(5g/L)を可溶化緩衝液に添加した後、IBの50%スラリーを添加した。可溶化緩衝液は、80%トリスHClおよび20%トリス塩基を使用することにより、酸または塩基を添加することなく作成され得る。テトラチオン酸カリウム(10g/L)を混合物に添加し、室温で、60分間、溶液を撹拌した。
実施例4
限外濾過/透析濾過
濾過された可溶化されたタンパク質を、およそ15psiのフィード圧およびおよそ13psiのリテンテート圧により、3個のUFカセット(0.1平方メートル、10kDa)を使用して、およそ20g/Lへ濃縮した。濃縮後、4Mグアニジン、50mMトリス(pH7.5または9.0)、および5mM EDTAを含有している透析濾過緩衝液を、産物濃度を維持するために一定の速度で添加し(IL-4RA);4Mグアニジン、20mMトリス、および1mM EDTA(pH7.5)を含有している透析濾過緩衝液を、産物濃縮を維持するために添加した(IL-4RA-T13D-N38C)。透析濾過後の亜硫酸分解されたタンパク質(PDSP)を、5透析容量後に収集し、次いで、4Mグアニジン、50mMトリス、2mM EDTA(pH7.5または9.0)により10g/Lの最終タンパク質濃度(IL-4RA)へ希釈し、最終希釈リテンテートを作成した。ブラッドフォードによりタンパク質濃度を決定し、PDSPを-20℃で等分して保管した。
実施例5
再折り畳み
pH7.5および9.0で調製されたPDSPからの1リットルのIL-4RA再折り畳み−1Mトリス-SO4、5mM EDTA、および1mMシステイン(pH7.5)を含有している、撹拌された再折り畳み緩衝液へ、3時間間隔で、3等分されたPDSPを希釈することにより、再折り畳みを実施した。添加されたタンパク質の最終濃度は1.5g/Lであった。室温での24時間の連続的な攪拌の後、リン酸の添加により溶液をpH3.0に調整した。硫酸ナトリウム(Na2SO4)を、0.6Mの最終濃度を達成するため、30分かけて添加した。濾過を補助するため珪藻土を5g/Lで添加し、溶液を0.2μm PESフィルター(Corning)で濾過した。全タンパク質をブラッドフォードにより測定し、正確に折り畳まれたタンパク質をC4 RP-HPLCにより測定し、純度をSDS-PAGEにより査定した。
pH7.5および9.0、100mL再折り畳みにおけるIL-4RA PDSPの安定性−pH7.5で上記のように調製されたPDSPを、室温または-20℃で、24時間、インキュベートした。pH7.5 PDSPの別のアリコートをpH9.0に調整し、室温または40℃で、24時間、インキュベートした。1.0gm/Lの全初期変性タンパク質濃度を達成するため、単一のアリコートで100mLの撹拌された再折り畳み緩衝液へとPDSPを希釈することにより、再折り畳みを実施した。24時間の攪拌の後、再折り畳み物をブラッドフォードタンパク質アッセイおよびC4 RP-HPLCにより特徴決定した。
pH7.5で調製されたPDSPからの1L IL-4RA-T13D-N38C再折り畳み−0.875MトリスHCl、0.125Mトリス塩基、0.25M MgSO4-7H2O(pH7.5);0.25mM βメルカプトエタノールを含有している再折り畳み緩衝液で、1gm/Lで、PDSPの再折り畳みを行い;2mMシステインHClをPDSP再折り畳みの開始直前に添加した。再折り畳み反応についての目標時間は、室温で4.5時間であった。得られた産物濃度は、C3 HPLCにより決定されたように、135μg/mlであり、全タンパク質は、BSAを標準物として使用したブラッドフォードタンパク質アッセイにより決定されたように、315μg/mlであった。
表16は、1リットルの再折り畳みの結果を提供する。C3 HPLCが、再折り畳み過程の間、正確に折り畳まれたIL-4RA-T13D-N38Cタンパク質の量をモニタリングするために使用される。
(表16)IL-4RA-T13D-N38C再折り畳み結果
Figure 2012520326
PPI=予めPEG化されたIL-4RA-T13D-N38C
実施例6
捕獲クロマトグラフィ
1Lの再折り畳みからのIL-4RA捕獲−Tosoh Butyl 600Mを、XK16カラム(GE Healthcare)に19cmのベッド高まで充填し(ベッド容量38mL)、2M (NH4)2SO4、10mM KPi(pH3.0)を含有している緩衝液で平衡化した。濾過された再折り畳み物を、150cm/hrの流速を使用して、14g/Lの負荷密度で適用し、5CVの平衡化緩衝液によりカラムを洗浄した。タンパク質を、10mM KPi(pH3.0)を含有している0.25M (NH4)2SO4を含有している溶出緩衝液によりカラムから溶出させ、計3CVを収集した。続いて、樹脂をH2Oによりストリッピングし、1N NaOH、続いてH2Oで濯ぐことにより清浄化し、20% ETOHで保管した。タンパク質をC4-HPLCおよびUVにより測定し、純度をC18-IPおよびSDS-PAGEにより査定した。
100mLの再折り畳みからのIL-4RA捕獲−Tosoh Butyl 600M(3mL充填容量)を、4mL、10mLの空のカラム(BioRad)の各々に添加し、上記のような緩衝液により平衡化した。100mLの濾過された再折り畳み物全体を、ドリップモードで適用し、20mLの緩衝液により樹脂を洗浄した。タンパク質を、12mLの溶出緩衝液によりカラムから溶出させた。タンパク質の純度を、SDS-PAGEにより測定した。
1Lの再折り畳みからのIL-4RA-T13D-N38C捕獲−0.4M NaSO4(pH3.0)により調整された濾過されたIL-4RA-T13D-N38C再折り畳み物を、緩衝液A(1M Na2SO4、20mM Na2PO4(pH4.0))により平衡化されたCapto Butylカラムに負荷した。カラムを緩衝液Aにより濯ぎ、タンパク質を緩衝液B(20mM Na2PO4、pH4.0)により溶出させた。
上記実施例を参照しながら本発明を説明したが、修飾および変動が本発明の本旨および範囲に包含されることが理解されるであろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (59)

  1. 変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約12〜20gm/Lのタンパク質溶液を、グアニジンの存在下で、再折り畳み緩衝液に添加する工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法であって、再折り畳み緩衝液がトリス塩基/トリスHCl系を含む、方法。
  2. 以下の工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法:
    (a)変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、グアニジンを含む1〜10透析容量(diavolume)の透析濾過(diafiltration)緩衝液により透析濾過する工程;
    (b)透析濾過されたタンパク質を約12〜20gm/Lへ濃縮する工程;および
    (c)濃縮されたタンパク質を、パルス希釈を介して、トリス塩基/トリスHCl系を含む再折り畳み緩衝液に添加する工程。
  3. 以下の工程を含む、再折り畳みを受けたタンパク質を約0.4〜3gm/Lの濃度で単離する方法:
    (a)pH調整されたタンパク質溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムへ負荷する工程;および
    (b)溶出緩衝液によりタンパク質を溶出させる工程。
  4. 変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約12〜20gm/Lのタンパク質溶液を、グアニジンの存在下で、再折り畳み緩衝液に添加する工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法であって、再折り畳み緩衝液がトリス塩基/トリスHCl系中のMgSO4を含む、方法。
  5. 再折り畳み緩衝液が、0.2M〜0.6M MgSO4、0.1M〜0.6Mトリス塩基、0.7M〜1.4MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、および0.5mM〜2mMシステインを含む、請求項4記載の方法。
  6. 再折り畳み緩衝液が、0.4M MgSO4を含み、0.125Mトリス塩基、0.875MトリスHCl、5mM EDTA、および1mMシステインをさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 再折り畳み緩衝液が0.1mM〜0.4mM βメルカプトエタノールをさらに含む、請求項5記載の方法。
  8. 再折り畳み緩衝液が5%〜20%ショ糖をさらに含む、請求項4記載の方法。
  9. 再折り畳み緩衝液が10%ショ糖または20%ショ糖を含む、請求項8記載の方法。
  10. 再折り畳み緩衝液が20%ショ糖を含む、請求項9記載の方法。
  11. タンパク質の添加がパルス希釈を介して行われる、請求項4記載の方法。
  12. タンパク質が、0〜4時間間隔の1〜3回の希釈で添加される、請求項11記載の方法。
  13. タンパク質が、4時間間隔の3回の希釈で添加される、請求項12記載の方法。
  14. タンパク質溶液が、再折り畳み緩衝液への添加前に、1〜10透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される、請求項4記載の方法。
  15. タンパク質溶液が、3透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される、請求項14記載の方法。
  16. 透析濾過緩衝液が3M〜7Mグアニジンを含む、請求項14記載の方法。
  17. 透析濾過緩衝液が、25mM〜75mMトリスおよび1mM〜7mM EDTA(pH7.0〜9.0)をさらに含む、請求項16記載の方法。
  18. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH9.0)を含む、請求項17記載の方法。
  19. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH9.0)を含む、請求項17記載の方法。
  20. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH7.5)を含む、請求項17記載の方法。
  21. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH7.5)を含む、請求項17記載の方法。
  22. 疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)を介してタンパク質を回収する工程をさらに含む、請求項4記載の方法。
  23. pHが、HICの前に、約2.1〜5.8に低下させられる、請求項22記載の方法。
  24. pHが約3.0に低下させられる、請求項23記載の方法。
  25. タンパク質溶液が、約20gm/Lのタンパク質を含有している、請求項4記載の方法。
  26. タンパク質がインターロイキンである、請求項4記載の方法。
  27. タンパク質がインターロイキン4(IL-4)である、請求項26記載の方法。
  28. タンパク質がIL-4のムテインである、請求項27記載の方法。
  29. タンパク質が、SEQ ID NO:1、2、または3に示されるアミノ酸配列からなる、請求項28記載の方法。
  30. 以下の工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法:
    (a)変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、グアニジンを含む1〜10透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過する工程;
    (b)透析濾過されたタンパク質を約12〜20gm/Lへ濃縮する工程;および
    (c)濃縮されたタンパク質を、パルス希釈を介して、トリス塩基/トリスHCl系中のMgSO4を含む再折り畳み緩衝液に添加する工程。
  31. 透析濾過緩衝液が、3M〜7Mグアニジン、25mM〜75mMトリス、および1mM〜7mM EDTA(pH7.0〜9.0)を含む、請求項30記載の方法。
  32. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH9.0)を含む、請求項31記載の方法。
  33. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH9.0)を含む、請求項31記載の方法。
  34. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および2mM EDTA(pH7.5)を含む、請求項31記載の方法。
  35. 透析濾過緩衝液が、4Mグアニジン、50mMトリス、および5mM EDTA(pH7.5)を含む、請求項31記載の方法。
  36. 再折り畳み緩衝液が、0.2M〜0.6M MgSO4、0.1M〜0.6Mトリス塩基、0.7M〜1.4MトリスHCl、2mM〜7mM EDTA、および0.5mM〜2mMシステインを含む、請求項31記載の方法。
  37. 再折り畳み緩衝液が、0.4M MgSO4を含み、0.125Mトリス塩基、0.875MトリスHCl、5mM EDTA、および1mMシステインをさらに含む、請求項36記載の方法。
  38. 再折り畳み緩衝液が、0.25mM βメルカプトエタノールをさらに含む、請求項30記載の方法。
  39. タンパク質が3透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過される、請求項30記載の方法。
  40. 再折り畳み緩衝液が5%〜20%ショ糖をさらに含む、請求項30記載の方法。
  41. 再折り畳み緩衝液が20%ショ糖を含む、請求項40記載の方法。
  42. タンパク質が、0〜4時間間隔の1〜3回の希釈で添加される、請求項30記載の方法。
  43. タンパク質が、4時間間隔の3回の希釈で添加される、請求項42記載の方法。
  44. 疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)を介してタンパク質を回収する工程をさらに含む、請求項30記載の方法。
  45. 濃縮されたタンパク質と再折り畳み緩衝液との混合物のpHが、HICの前に、約2.1〜5.8に低下させられる、請求項30記載の方法。
  46. pHが約3.0に低下させられる、請求項45記載の方法。
  47. 溶液が約20gm/Lのタンパク質を含有している、請求項30記載の方法。
  48. タンパク質がインターロイキンである、請求項30記載の方法。
  49. タンパク質がインターロイキン4(IL-4)である、請求項48記載の方法。
  50. タンパク質がIL-4のムテインである、請求項49記載の方法。
  51. タンパク質が、SEQ ID NO:1、2、または3に示されるアミノ酸配列からなる、請求項50記載の方法。
  52. 以下の工程を含む、再折り畳みを受けたタンパク質を約0.4〜2.0gm/Lの濃度で単離する方法:
    (a)pH調整されたタンパク質溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)カラムへ負荷する工程;および
    (b)溶出緩衝液によりタンパク質を溶出させる工程。
  53. 溶出緩衝液が、10〜14% 2M硫酸アンモニウム、8mM〜12mMリン酸カリウム(pH3.0)/85〜88% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む、請求項52記載の方法。
  54. 溶出緩衝液が、12.5% 2M硫酸アンモニウム、10mMリン酸カリウム(pH3.0)/87.5% 10mMリン酸カリウム(pH3.0)を含む、請求項49記載の方法。
  55. タンパク質溶液が、HICの前に、約2.1〜5.8のpHに調整される、請求項52記載の方法。
  56. タンパク質溶液が3.0のpHに調整される、請求項55記載の方法。
  57. タンパク質が、SEQ ID NO:1、2、または3に示されるアミノ酸配列からなる、請求項52記載の方法。
  58. 変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質の約12〜20gm/Lのタンパク質溶液を、グアニジンの存在下で、再折り畳み緩衝液に添加する工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法であって、再折り畳み緩衝液がトリスヘミ硫酸塩(Tris Hemisulfate)を含む、方法。
  59. 以下の工程を含む、タンパク質の大規模な再生の方法:
    (a)変性タンパク質、化学的に修飾されたタンパク質、または還元型タンパク質を、グアニジンを含む1〜10透析容量の透析濾過緩衝液により透析濾過する工程;
    (b)透析濾過されたタンパク質を約12〜20gm/Lへ濃縮する工程;および
    (c)濃縮されたタンパク質を、パルス希釈を介して、トリスヘミ硫酸塩を含む再折り畳み緩衝液に添加する工程。
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