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フィブリノーゲン420及びその活性ドメインの新規用途
本発明は、フィブリノーゲン420及びその活性ドメインの新規用途に関する。
凝固因子Iとしても知られているフィブリノーゲンは、血液凝固プロセスにおいて重要なタンパク質である。フィブリノーゲンの分子量は、340,000ダルトンであり、ジスルフィド結合によって結合されて二量体を形成する2つのサブユニットから構成される。各サブユニットは、それぞれ、A鎖、B鎖、C鎖と呼ばれる3本の絡み合ったポリペプチド鎖からなる。凝固プロセスにおいて、フィブリノーゲンは、トロンビンによって分解されてフィブリンを生成して、不溶性フィブリンポリマーを形成する。次いで、フィブリンポリマー線維及び血小板の組成物が、固体の止血栓を形成する。また、フィブリノーゲンは、ストレスタンパク質でもあり、その血液中の含有量は、約1.5mg/mL〜4mg/mLである。フィブリノーゲンの含有量は、免疫状態に関連し、これは、心血管疾患のリスクも反映している場合がある。
フィブリノーゲン420は、フィブリノーゲンのサブタイプであり、A鎖のC末端が、通常のフィブリノーゲンよりもさらに伸長し球状ドメインを形成する。この球状ドメインの伸長は、アルファECドメインと呼ばれ、B鎖、C鎖の末端における球状ドメインと高い相同性を有する。フィブリノーゲン420の分子量は、420,000ダルトンであり、一般的な組織フィブリノーゲンの分子量(340,000ダルトン)とは異なる。
タンパク質ミスフォールディング病は、組織において特定のタンパク質の立体構造が変化することに起因し、その間にタンパク質が集まってアミロイドーシスを生じさせ、最終的には、アルツハイマー病及びウシ海綿状脳症等の、組織及び器官における病理学的変化を有する分類の疾患を引き起こす。これまで、これら疾患の有効な予防的処置又は治療は存在しなかった。モノクローナル抗体技術、小分子、合成ポリペプチド等の既存の方法は、免疫拒絶反応、汎用性が低い、重篤な副作用、及びインビボにおける半減期が短い等を含む多くの問題点を有している。
身体が刺激を受けたときに、高温、フリーラジカル、有機溶媒(例えば、エタノール)、及び他のダメージから細胞内タンパク質を保護する多数の熱ショックタンパク質又はシャペロンが細胞内に豊富に存在する。しかし、熱ショックタンパク質は、循環系には存在しない。身体が細胞外タンパク質を保護する機構は、明らかになっていない。
本発明の目的は、フィブリノーゲン420及びその活性ドメインの新規用途を提供することにある。
図1は、フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質が、クエン酸合成酵素の熱変性及び凝集を阻害できることを示す。 図2は、アルファECドメインタンパク質が、クエン酸合成酵素の化学変性及び凝集を阻害することを示す。 図3は、フィブリノーゲン420が、クエン酸合成酵素の熱変性及び不活化を阻害することを示す。 図4は、アルファECドメインタンパク質が、クエン酸合成酵素の熱変性及び不活化を阻害することを示す。 図5は、アルファECドメインタンパク質が、変性しているクエン酸合成酵素タンパク質を特異的に認識することを示す。
本発明者らによる研究において、フィブリノーゲン420が、分子シャペロン活性及び広範囲に使用できる非特異的保護効果を有することが示された。フィブリノーゲン420は、ヒトの内因性タンパク質であるので、体内で速やかに分解されず、免疫拒絶を引き起こさない。フィブリノーゲン420は、変性タンパク質の適切なリフォールディングを促進し、並びにタンパク質の立体構造及び機能を安定化させることができる。したがって、タンパク質のリフォールディング、品質管理における変性タンパク質の検出、及びタンパク質の変性防止等の応用において広く用いることができる。記載されるタンパク質は、組換えタンパク質であっても、天然タンパク質であってもよい。
フィブリノーゲン420分子は、アルファECドメインタンパク質を含み、個々のアルファECドメインタンパク質が、インタクトなフィブリノーゲン420と同一又は類似の機能を有する。アルファECドメインタンパク質のアミノ酸配列を配列番号1に示す。フィブリノーゲン420の具体例は、特に、ヒトフィブリノーゲン420である
フィブリノーゲン420又はアルファECドメインは、使用するためのタンパク質試薬に調製することができる。記載されるタンパク質試薬は、少なくともフィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質を含み、前記タンパク質試薬は、他の溶媒及び添加剤を含んでいてもよい。作用する他のタンパク質対フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質の比が25:1〜1:100である場合、特に、1:1である場合、良好な結果が得られると予測される。最良の比は、特定の用途の要件に依存する。
また、本発明は、フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質が、変性タンパク質の凝集を阻害し、その上タンパク質の活性を保護できることを示す。したがって、本発明は、タンパク質の立体構造に関連する疾患を治療するための医薬として用いることができる。
ここで、タンパク質変性病を治療するための医薬は、活性成分としてフィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質を含む。記載されるタンパク質変性病を治療するための医薬は、発熱、タバコ、アルコール、酸素のフリーラジカル、及び他の有害物質によって引き起こされるタンパク質の変性等の様々な理由で生じるタンパク質変性疾患を治療するために用いることができる。
タンパク質ミスフォールディング病を治療するための医薬は、活性成分としてフィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質を含む。
本発明では、フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質は、タンパク質のアンフォールディングプロセスを捕捉することができる。タンパク質の正確なリフォールディングを補助するか、又はタンパク質を折り畳まれた状態に維持することにより、タンパク質の凝集を防ぎ、且つタンパク質の活性及び機能を安定化させることができる。したがって、フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質は、タンパク質の抗変性能を高めることができるので、インビトロにおいてタンパク質安定化剤として用いることができる。
ここで、記載されるタンパク質安定化剤は、活性成分としてフィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質を含む。記載されるタンパク質安定化剤は、凝集し沈殿しやすいタンパク質の凝集を阻害することができる。また、タンパク質安定化剤は、酵素活性を保護することができる。例えば、クエン酸合成酵素、ルシフェラーゼ、インスリン、及び他の酵素活性を安定化させることができる。
実施例1:フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質は、クエン酸合成酵素の変性及び凝集を抑制した
a.フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質の調製
血液又は臍帯血を精製してフィブリノーゲン混合物を得て、さらにフィブリノーゲン420を精製した。詳細は、以下の通りである:
(1)フィブリノーゲン混合物の調製:先ず、プロテアーゼ阻害剤を新鮮血又は臍帯血に添加し、次いで、4℃、2,000rpmで遠心分離し、上清から黄色の血漿を得た。次いで、撹拌しながらグリシン乾燥粉末を前記血漿に添加して、グリシンを完全に溶解させ、グリシンの最終濃度を2.1Mにし、白色の綿状沈殿物が得られた。5,000rpmで15分間遠心分離した後、得られた沈殿物を、血漿の原体積の1/3の体積であるバッファ(0.15MのNaCl、0.01Mのリン酸ナトリウム、pH6.4溶液)に溶解させ、溶解した体積が血漿の原体積の1/10になるまでこの工程を繰り返した。等体積の水を添加して、希釈した。次いで、希釈溶液を2℃〜5℃で6時間静置し、遠心分離後に沈殿物を除去し、等体積の0.3M塩化ナトリウム溶液を上清に添加し、次いで、最終濃度8%エタノール(体積比)になるように95%エタノールを添加し、温度を−3℃に維持しながら、完全に沈殿させ、5,000rpmで遠心分離した後の沈殿物を次のフィブリノーゲン420精製工程の原料として用いた
(2)フィブリノーゲン420の精製:工程(1)で得られたフィブリノーゲン沈殿物を0.3Mの塩化ナトリウム溶液に溶解させ、pH8.6である0.005Mのトリス−リン酸バッファ(リン酸ラジカルに基づいて計算したモル濃度)を用いて透析を行った。クロマトグラフィーカラムとしてMono Q HR 10/10アニオン交換カラム(Pharmacia)を用いた。0.005Mのトリス−リン酸バッファから開始して0.2Mのトリス−リン酸バッファ(pH6.0)に急速に推移させるpH段階溶出を用いてサンプルを溶出させ、次いで、0.2Mのトリス−リン酸バッファ(pH6.0)を維持して、カラム体積の12倍量を溶出させ、最後に、0.5Mのトリス−リン酸バッファ(pH4.2)までの直線勾配を用いてカラム体積の12倍量を溶出させた。フィブリノーゲン420は、直線溶出の最後の工程で得られる。125mMの塩化ナトリウム、25mMのHEPESバッファ(pH7.4)を用いて透析を行った後、タンパク質を保存した
アルファECドメインタンパク質は、以下のように得られた
アルファECドメインタンパク質のリフォールディング及び精製:ヒト肝臓cDNAライブラリをテンプレートとして用いてPCR増幅を行なった。プライマーは、以下の通りである:
5−GGAATTCCATATGGACTGTGATGATGTCCTCC−3’
5−ACCGCTCGAGCTATTGGGTCACAAGGGGCC−3’
NdeI及びXhoIの制限酵素部位がプライマーに組み込まれた。PCR増幅のアニーリング温度は、55℃であった限酵素NdeI及びXhoIで切断した後、αECフラグメントを同じ酵素で二重切断したpET−30a発現ベクター(Novagen Inc.)に連結させた。大腸菌のコンピーテントセルBL21/DE3(Beijing DingGuo Biotechnology Company)を組換え発現ベクターで形質転換した後、組換え細菌を得た。モノクローナル組換え細菌を10mLのLB培地(カナマイシン100μg/mL)に植菌し、一晩培養した。次いで、1LのLB培地(カナマイシン100μg/mL)に移した。菌液の濁度のOD6000.8程度に達するまで、0.5mMのIPTGを添加して4時間誘導し、遠心分離によって細菌を回収した。細菌を破壊した後、封入体タンパク質を回収した。封入体タンパク質を溶解させ、次いで、アニオン交換カラムによって精製した。サンプルローディングバッファは、以下の通りであった:8Mの尿素、20mMのトリス−HCl及びpH8.0、30mMのBME。1MのNaClをローディングバッファに添加して調整したものが溶出バッファである。直線勾配溶出を用いて、段階毎に溶出ピークを回収した。電気泳動によってタンパク質の純度を検出した。純度が80%超である成分を選択して、リフォールディング実験を行った。リフォールディングするとき、8Mの尿素を含有する20mMのトリス−HClバッファ(pH8.0)を用いてタンパク質濃度を0.2mg/mL未満に調整し、次いで、20mMのトリス−HCl、150mMのNaCl、1mMの塩化カルシウム(pH8.0)を用いて透析を行った。少なくとも4時間間隔で透析液を交換し、少なくとも2回リフォールディング溶液を交換し、一晩十分に透析する。最後に、リフォールディングタンパク質を精製するために20mMのトリス−HClローディングバッファを用いて透析を行った。精製にはアニオン交換カラムを用いた。カラムに添加する前に、サンプルを遠心分離するか、孔径0.22ミクロンの膜で濾過した抽出のために直線勾配の塩イオンを用い、段階毎にタンパク質のピークを回収した。オキシドゲル電気泳動によって純度を検出した
b.フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質は、クエン酸合成酵素の熱変性及び凝集を阻害した
クエン酸合成酵素は、TCA回路において重要な酵素であるが、その熱安定性は低い。インビトロにおいて、43℃の温度で変性し、凝集し、沈殿する。クエン酸合成酵素の凝集プロセスは、光散乱の変化により調べることができる。方法は、以下の通りである:
励起光と蛍光の両方を500nmに、スリット幅を2.5nmに調整した蛍光分析機器FL4500(Hitachi,Ltd)で光散乱のプロセスを検出した。クエン酸合成酵素を40mMのHEPESバッファ溶液に溶解させ、最終濃度を0.15μMにする。同時に、実験群1に0.15μMのフィブリノーゲン420を添加し、実験群2に0.15μMのアルファECドメインタンパク質を添加し、対照群1に等体積のHEPESバッファ溶液を添加し、対照群2に等体積の1.2μMのウシ血清アルブミンを添加する。サンプルを43℃の水浴に入れ、光散乱シグナルを検出した。この実験を3回繰り返した
図1に示す光散乱シグナルの検出結果は、200秒間の加熱工程中に、対照群1及び2のクエン酸合成酵素が凝集し始め、光散乱シグナルの強度が高まることを示す。しかし、実験群1及び2のクエン酸合成酵素の凝集は、明らかに少ない。実験群2のクエン酸合成酵素の凝集の阻害効果は、実験群1よりもよかった。更に、0.15μMのアルファECドメインタンパク質は、モルのクエン酸合成酵素の43℃での熱変性及び凝集プロセスを略完全に阻害することができた
図1において、(○)は、対照群1を表し、(△)は、対照群2を表し、(◇)は、実験群1を表し、(□)は、実験群2を表す。
c.フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質は、クエン酸合成酵素の化学変性凝集を阻害した
クエン酸合成酵素は、塩酸グアニジン及び還元剤条件下(6Mの塩酸グアニジン、10mMのDTT、室温で2時間インキュベート)で完全に変性し、それを40mMのHEPESバッファで最終濃度0.15μMに希釈した。同時に、実験群1に0.3μMのアルファECドメインタンパク質を添加し、実験群2に0.6μMのアルファECドメインタンパク質を添加し、対照群1に等体積のHEPESバッファを添加し、対照群2に等体積の1.2μMのウシ血清アルブミンを添加した。次いで、蛍光分析機器FL4500(Hitachi,Ltd)で各サンプルの光散乱シグナルを検出し、この実験を3回繰り返した。励起波長及び発光波長は500nm、スリット幅は2.5nmであった。
図2に示される光散乱シグナルの検出結果は、対照群と比べて、実験群における凝集プロセスが著しく変化することを示す。0.3μMのアルファECは、凝集プロセスを劇的に阻害し、一方、0.6μMのアルファECは、凝集を略完全に阻害する。
図2において、(○)は、対照群1を表し、(●)は、対照群2を表し、(△)は、実験群1を表し、(□)は、0.6μMのアルファECの添加を表す。
実施例2:フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質は、クエン酸合成酵素(CS)の活性を保護した
フィブリノーゲン420及びアルファECドメインタンパク質が、CSの熱変性及び不活化を阻害することを示す、下記の実験の方法が実施された
40mMのHEPESバッファ溶液にクエン酸合成酵素を溶解させ、最終濃度を0.075μMにした。同時に、実験群1に0.075μMのフィブリノーゲン420を添加し、実験群2に0.15μMのフィブリノーゲン420を添加し、実験群3に0.075μMのアルファECドメインタンパク質を添加し、実験群4に0.15μMのアルファECドメインタンパク質を添加し、対照群に等体積のHEPESバッファ溶液を添加した。サンプルを43℃の水浴に入れ、クエン酸合成酵素の活性の変化を検出し始め。加熱前のクエン酸合成酵素の活性を100%と定義した
クエン酸合成酵素の活性を検出する方法は、以下の通りである:
TEバッファ溶液930μL(50mMのトリス、2mMのEDTA、pH8.0)、10mMのオキサロ酢酸10μL、10mMのDTNB10μL、5mMのアセチル−CoA30μL混合し、20μLのクエン酸合成酵素を含有する溶液に速やかに添加し、412nmの波長における紫外線吸収の動的変化を検出した。吸収度の変化の直線性曲線勾配は、酵素活性を表す。
図6及び7に示すクエン酸合成酵素活性の測定結果は、経時的に、対照群のクエン酸合成酵素の活性は速やかに低下するが、全ての実験群では活性の低下速度を有効に減速させ得ることを示す。
図3において、(○)は、対照群を表し、(△)は、実験群1を表し、(□)は、実験群2を表す。図4において、(○)は、対照群を表し、(△)は、実験群3を表し、(□)は、実験群4を表す。
実施例3:アルファECドメインタンパク質は、変性したクエン酸合成酵素を特異的に認識した
クエン酸合成酵素及びアルファECドメインタンパク質を43℃で一緒にインキュベートした43℃で5分間又は10分間加熱した後、クエン酸合成酵素及びアルファECドメインタンパク質の抗体をそれぞれ上清に添加して、免疫共沈降法を実施した。対照群では、クエン酸合成酵素及びアルファECドメインタンパク質を室温で一緒にインキュベートし、クエン酸合成酵素及びアルファECドメインタンパク質の抗体をそれぞれ上清に添加して、免疫共沈降法を実施した
図5に示す結果は、クエン酸合成酵素の抗体を添加した後、変性クエン酸合成酵素は、沈殿することができ、また、アルファECドメインタンパク質も同時に沈殿できることを示す。アルファECドメインタンパク質の抗体を添加した後、アルファECドメインタンパク質及びクエン酸合成酵素の両方が沈殿することができる。上記結果は、加熱後、クエン酸合成酵素及びアルファECドメインタンパク質は複合体を形成することができ、その結果、一方のタンパク質の抗体が他のタンパク質を同時に沈殿させることをできることを示す。対照群では、免疫共沈降は生じない。結果は、アルファECドメインタンパク質は、熱変性したクエン酸合成酵素を特異的に認識し、結合することができることを示した
図5において、上図は、クエン酸合成酵素の免疫共沈降である。電気泳動後にアルファECドメインタンパク質の抗体で検出した。レーン1は、アルファECのポジティブコントロールである。レーン2は、室温で10分間インキュベートした後の免疫共沈降を示す。レーン3及びレーン4は、それぞれ、43℃で5分間及び10分間加熱した後の免疫共沈降を表す。下図は、電気泳動後にクエン酸合成酵素の抗体で検出した、アルファECドメインタンパク質の抗体による免疫共沈降である。レーン1は、クエン酸合成酵素のポジティブコントロールである。レーン2は、室温で10分間インキュベートした後の免疫共沈降を示す。レーン3及び4は、それぞれ、43℃で5分間及び10分間インキュベートした後の免疫共沈降を示す。図において、「CS」は、クエン酸合成酵素を示し、「アルファEC」は、アルファECドメインタンパク質を表す。
産業上の利用可能性
本発明は、フィブリノーゲン420及びその活性ドメインの新規用途を提供する。生物学的又は診断キットにおいて、特にELISA免疫診断キットには、レポーター酵素(例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ又はルシフェラーゼ)を架橋した抗体の安定性は低下し、フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質を添加することによって、製品の有効期及びタンパク質薬剤の安定性が増加し、製品の品質を向上させるという目的を達成する。フィブリノーゲン420又はアルファECドメインタンパク質はアンフォールディングと変性しているタンパク質を同定することに用いることができ、従って、タンパク質製品の検出と品質管理にも用いることができる。

Claims (10)

  1. (i)標的タンパク質の凝集を阻害するため、
    (ii)変性した標的タンパク質のリフォールディングさせるため、
    (iii)標的タンパク質の変性の予防するため、
    (iv)品質管理のために、折りたたまれていないか、変性した標的タンパク質を検出するため、または
    (v)標的タンパク質を安定化するため
    のインビトロの薬剤であって、配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質を含んでなる、薬剤。
  2. 配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質と標的タンパク質とのモル比が、25:1〜1:100である請求項1に記載の薬剤。
  3. タンパク質ミスフォールディング病の予防及び/又は治療に用いるための医薬であって、配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質を含んでなる、医薬
  4. タンパク質ミスフォールディング病が、アルツハイマ病及びウシ海綿状脳症からなる群から選択される、請求項3に記載の医薬。
  5. タンパク質ミスフォールディング病が、発熱、タバコ、アルコールまたは酸素のフリーラジカルにより生じる、請求項3に記載の医薬。
  6. (i)配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質と、
    (ii)凝集または変性しやすい標的タンパク質と
    を含んでなる、組成物。
  7. 標的タンパク質が、クエン酸合成酵素、ルシフェラーゼ又はインスリンである、請求項6に記載の組成物。
  8. (i)配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質と、
    (ii)標的タンパク質と
    を含んでなる生物学的又は診断キット。
  9. 標的タンパク質が、レポーター酵素に連結した抗体である、請求項8に記載のキット。
  10. 配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質と標的タンパク質とを含んでなる複合体の形成が、標的タンパク質の折りたたまれていない状態又は変性状態を示す、請求項8に記載のキット。
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