JP2012518147A - 旗型熱交換器 - Google Patents

Abstract

【課題】 輻射線によりエネルギーを捕えるために構成された熱交換器を提供する。
【解決手段】 少なくとも一つの旗型の要素交換器（１０）を持つ、輻射線によるエネルギーを捕獲するように構成された熱交換装置であって、ａ）入口収集器（５）及び出口収集器（６）；及びｂ）入口収集器（５）及び出口収集器（６）のそれぞれに連結され、かつ入射輻射線を停止するために重ねられた複数の交換器管（１）であって、各管（１）が曲がったピンヘッド部分（４）とそれらの長さの最大部分で垂直方向に重ねられた二つの接合された枝管（２，３）とを持つヘアピンの形であり、ピンヘッド（４）のレベルで管（１）の端部が自由であり、管（１）が前記収集器（５，６）に連結されたそれらの端部で自立しているもの；を含むことを特徴とする熱交換装置。
【選択図】 図６

Description

本発明は、太陽エネルギー発電所中に組み込まれた蒸気発生器のために特に適合された熱交換装置に関する。特に、本発明は、蒸気過熱器と組み合わされた熱交換器に関する。

ＣＯ_２放出の実質的な減少を可能にする再生可能エネルギー源に対する現在の関心事において、太陽熱力学的集中発電所が特に開発された。このタイプの発電所において、太陽輻射線は、冷却剤を加熱するために、それを限定された小さな領域中に集中する一連の鏡により反射される。特に、ボイラーは、この領域内に設置され、高圧かつ高温の蒸気を生成する。この蒸気は次いで、電気を発生するために蒸気タービンに供給されることを意図されている。

次の幾つかのタイプの太陽集中発電所が知られている：タワープラント、円筒放物形センサープラント、及び放物形センサープラントである。

特に、実在するまたは計画されたタワープラントは高い電力（１０〜５００ＭＷ）を得ることを可能にする。それらは、空気または別の冷却剤を１２００℃を越える温度で加熱することを可能にするヘリオスタットと呼ばれる太陽センサーの分野で作られる。

これらの太陽発電所の例は、特にＤＥ１０２４６７２１Ａ，ＤＥ１０２４８０６８Ｂ，ＥＰ−Ａ−１０６６８７，ＥＰ−Ａ−１０６６８８，ＦＲ−Ａ−２４３８８０４，ＷＯ−Ａ−２００８／１２３９０等の文献に見出されることができる。

ボイラーの簡単な説明
太陽集中発電所では、ボイラーは、水を飽和蒸気に変換する蒸発器と、蒸気温度を希望のレベルにもたらす過熱器とを含む。蒸発器は、水／蒸気分離を可能にするバルーンによる自然循環により作動する。全ての熱交換器は、太陽エネルギーを純粋な輻射を通して捕獲する。従って、対流交換はない。

交換器上の入射輻射線の流れ（ｋＷ／ｍ^２で表示）は、希望の合計電力を与えたときに、交換器及びそれらの寸法を計算する際の決定要素である。

最大可能熱流を計算することは、可能な金属温度、及び管を通って冷却剤に向かう計算された熱交換に基づいている。

従って、蒸発器の場合に、二相流体の内部流れの概念は、最大可能熱流（核沸騰からの逸脱（ＤＮＢ）、液体の消滅または干上がりにより特徴付けられた臨界熱流）を制限することに影響を持つ。

膨脹差の効果
遭遇する高い流体圧（例えば１２０バール）を仮定すれば、その圧力を保持できるのは管のみであるので、交換器は必然的に管から作られなければならない。集中した太陽輻射線に露出された正面を持つ管は一方の側で加熱されるが、それらの背面はいかなる熱流も受けない。これは、輻射線に露出された管の正面といかなる輻射線も受けないその背面の間に温度差をもたらす。

蒸発器（従って二相流体を含む）の場合、二相混合物と管の金属との間の管の優れた内部交換係数は、正面及び背面温度を均等化することに貢献する。

他方で、過熱器（従って乾燥蒸気を含む）の場合、蒸気と金属の間の内部交換係数はかなり低く、管の正面と背面の間の温度差は非常に高い値に達することができる。これは、管を曲げさせる「熱スイッチ」効果をもたらす。

もし管が機械的手段によって真直ぐに保たれるなら、それにより妨げられた自然の湾曲は金属中の応力に変わる。管の正面は圧縮され、一方で管の背面は緊張されるであろう。

この現象は、フランジ付構造の場合の可能熱流を実質的に制限する。

文献ＥＰ−Ａ−０１０６６８７は、蒸気発生（蒸発器）管と過熱器管を組み入れたパネルを記載する。この蒸発器管は、入射輻射線に二つの隣接管間の通路を提供するように間隔を置かれている。二つの隣接蒸発器管間とそれらの背後に、過熱器管があり、それは従って入射輻射線の幾らかを受ける。

言い換えれば、熱蒸発器管と過熱器管は、入射太陽流に対して「互い違い」になっており、それが二つの交換器間に熱流を分配させる。過熱器管は支持体と蒸発器管の間に差し込まれており、蒸発器管は連結要素によりこの支持体に取り付けられている。この構成は、蒸発器管のための防振支持体要素を費用的に避けることを可能にする。各蒸発器管は、その長さに渡って幾つかの点で取り付けられる。結果として、もしそれらが長手方向に膨脹できるとしても、過熱器管はまた、上述の応力を伴なうそれらの全長に渡り機械的に真直ぐに保たれる。さらに、過熱器管上の入射流は設計により限定される。

発明の目的
本発明は、従来技術の欠点を持たない解決策を提供することを目的とする。

特に、本発明は、凝縮太陽発電所と組み合わされたボイラーの場合の、乾燥蒸気を含むことを意図された、特に過熱器管の熱交換器を設計することを目的とし、前記熱交換器は、交換器の管内の膨脹差効果に起因する機械的応力を持たないものである。

本発明の主要な特徴的要素
本発明の第一目的は、少なくとも一つの旗型の要素交換器により、輻射線によるエネルギーを捕獲するように構成された熱交換装置に関し、それは：
ａ）入口収集器及び出口収集器；及び
ｂ）入口収集器及び出口収集器のそれぞれに連結され、かつ入射輻射線を停止するために重ねられた複数の交換器管であって、各管がヘアピンの形のものであり、それが曲がったピンヘッド部分とそれらの長さの最大部分で垂直方向に重ねられた二つの接合された枝管とを持ち、ピンヘッドのレベルでの管の端部が自由であり、管が前記収集器に連結されたそれらの端部で自立しているもの；
を含む。

本発明の特別な実施態様によれば、上述の熱交換装置はまた、以下の特徴の一つ以上を組み合わせて含む：
− ピンヘッドは、傾斜面内に設計により設けられかつ圧力損失を制限するために好適に選ばれた曲げ半径を持つループを含む、
− この装置は、所定の交換器の旗が隣接交換器の収集器を隠すように配置された複数の旗型交換器を含む、
− 交換器管が、それらの各々が二つの対向した曲がったピンヘッド部分を持つように配置され、従って収集器がこれらの曲がった部分の両者間に配置され、かつ交換器管が収集器のいずれかの側に片持ち梁りされ、収集器がそれぞれ形成された旗により隠されるように構成されている、
− 中央セラミックカバーが入射輻射線に対して装置の後部に見出される要素を完全に隠すために設けられている、
− 輻射線により捕獲されたエネルギーは太陽エネルギーである、
− 前記装置は蒸気発生器のための過熱器である
− 管は水平に対して１〜５度の収集器に向けての傾斜を形成するように収集器に連結されている。

本発明の第二目的は、上述の熱交換装置を備えたボイラーを含む熱力学的集中を持つ太陽光発電所に関する。

図１は、本発明による交換器管の第一実施態様の平面図を示し、それはピン形状を持ち、入口収集器及び出口収集器のそれぞれに連結されている。

図２は、図１による管の立面図を示す。

図３は、図１による管の透視図を示す。

図４は、図１による管の別の立面図を示す。

図５は、本発明による交換器の第一実施態様の立面図を示す。 図６は、本発明による交換器の第一実施態様の透視図を示す。

図７は、本発明による交換器管の第二実施態様の平面図を示し、入口収集器及び出口収集器のそれぞれに連結されている。

図８は、図７による管の透視図を示す。

図９は、本発明による交換器の第二実施態様の透視図を示す。

図１０Ａ−１０Ｃは、管が収集器に向かってわずかに傾斜している有利な実施態様による交換器の異なる図を表わす。

上述の技術問題に対する提案された解決策は、本発明によれば、旗形状をした交換器の設計である。

第一実施態様によれば、交換器１０の各管１は単純なヘアピンで配置され、その二つの枝管２，３は垂直方向に重ねられている（図１〜４参照）。

ピンヘッドは、そのとき設計により傾斜面内に位置したループ４を含み、その曲げ半径は蒸気側の圧力損失を制限するために好適に選ばれる。

管１の端部は、そのとき各入口５及び出口６収集器にそれぞれ連結、例えば溶接される。

ピンの重なりは、そのとき旗の形状である交換器１０を作り上げる。本発明によれば、隣接する管２，３は太陽集中器の光線を停止する（図５及び６参照）。

管１は、それぞれ自立しており、それら自身の熱膨脹から自由であり、従って「熱スイッチ」効果がない。従来技術とは異なり、管上に熱効果からもたらされる応力はもはや存在しない。

完全な交換器は、収集器上のいかなる輻射線衝突も、従ってそこでのいかなる熱応力も防ぐために所定の旗が別の交換器の収集器を隠すように配置された幾つかの旗型交換器から作られることができる。

本発明の第二実施態様の対象である均等な形態は、収集器５，６を「ループ」の中間に設置することからなり、そのとき管１は収集器５，６のいずれかの側に片持ち梁りされる（図７〜９参照）。この場合、中央の小さな面積は管１により完全に覆われず、セラミックカバーが有利にパネル１０の全体的な隠ぺいを確保するであろう（図示せず）。

本発明により解決された技術問題は、特に過熱器（乾燥蒸気のみを持つ）内で、管が機械的フランジ付けにより真直ぐに保たれているとき、「熱スイッチ」タイプの膨脹差による応力を排除することである。従って、ピンヘッド端部は自由に膨脹できる。

本発明の別の特に有利な実施態様は図１０Ａ〜１０Ｃに表わされる。この構成では、管は、空にされるそれらの容積を改善するように、わずかな傾斜（例えば２度）で収集器に結合されている。設備が停止されるとき、そのとき管は完全に乾燥したままであり、設備の再開は水と蒸気の混合によるウォーターハンマーの危険を伴なわない。

先行文献ＥＰ−Ａ−０１０６６８７は、本発明による旗型交換器、及びその自立しかつヘアピン形状の過熱器管を開示しない。より詳細には、蒸発器管のみならず過熱器管もヘアピン状に曲がっておらず、従ってそれらは自由に膨脹できる端部により自立していない。それらは真直ぐで、互いに平行で、かつ常に共用入口及び出口収集器間で、それらの全長に渡って機械的に真直ぐに保たれる。

Claims (9)

1. 少なくとも一つの旗型の要素交換器（１０）を持つ、輻射線によるエネルギーを捕獲するように構成された熱交換装置であって、
   ａ）入口収集器（５）及び出口収集器（６）；及び
   ｂ）入口収集器（５）及び出口収集器（６）のそれぞれに連結され、かつ入射輻射線を停止するために重ねられた複数の交換器管（１）であって、各管（１）が曲がったピンヘッド部分（４）とそれらの長さの最大部分で垂直方向に重ねられた二つの接合された枝管（２，３）とを持つヘアピンの形であり、ピンヘッド（４）のレベルで管（１）の端部が自由であり、管（１）が前記収集器（５，６）に連結されたそれらの端部で自立しているもの；
   を含むことを特徴とする熱交換装置。
2. ピンヘッド（４）が、傾斜面内に設計により設けられかつ圧力損失を制限するために好適に選ばれている曲げ半径を持つループを含むことを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
3. 装置が、所定の交換器の旗が隣接交換器の収集器（５，６）を隠すように配置されている複数の旗型交換器（１０）を含むことを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
4. 交換器管（１）が、各々が二つの対向した曲がったピンヘッド部分（１１，１２）を持つように配置され、従って収集器（５，６）がこれらの曲がった部分の両者間に配置され、かつ交換器管（１）が収集器（５，６）のいずれかの側に片持ち梁りされ、収集器（５，６）がそれぞれ形成された旗により隠されるように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
5. 中央セラミックカバーが、入射輻射線に対して装置の後部に見出される要素を完全に隠すために設けられることを特徴とする請求項４に記載の熱交換装置。
6. 輻射線により捕獲されたエネルギーが太陽エネルギーであることを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
7. 前記装置が蒸気発生器のための過熱器であることを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
8. 管（１）が、水平に対して１〜５度の収集器（５，６）に向けての傾斜を形成するように収集器（５，６）に連結されていることを特徴とする請求項１に記載の熱交換装置。
9. 請求項１に記載の熱交換装置を備えたボイラーを含む熱力学的集中を持つ太陽光発電所。