JP2012517427A - 5−アザシチジンを用いる、非小細胞肺癌の治療方法 - Google Patents

5−アザシチジンを用いる、非小細胞肺癌の治療方法 Download PDF

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Abstract

本明細書の開示は、非小細胞肺癌を患っている被験者を治療する方法であって、シチジン類似体、例えば、5-アザシチジンを被験者に投与することを含む方法を提供する。また、特定のシチジン類似体に感受性の、特定の非小細胞肺癌の同定及び治療に関する方法が提供される。
【選択図】 図1

Description

(技術分野)
本明細書においては、シチジン類似体、その塩、溶媒和物、水和物、前駆体及び/又は誘導体を用いる、非小細胞肺癌の治療方法が提供される。本明細書で提供する特定の方法は、5-アザシチジンを含む、2種以上の活性薬剤の組合せを用いる、非小細胞肺癌の治療方法を含む。
(背景技術)
癌は、世界的な公衆衛生上の主要な問題であり;米国のみで、2006年に約560,000人が癌で死亡している。例えば、米国死亡データ2006、全米保険医療統計センター(National Center for Health Statistics)、米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)(2009)を参照されたい。医学文献には多くのタイプの癌が開示されている。具体例には、特に血液、骨、皮膚、肺、結腸、乳、前立腺、卵巣、脳、腎臓、膀胱、膵臓及び肝臓が含まれる。一般集団の老化として、及び癌の発生の新しい形態として、癌の発生率は上昇し続けている。癌を患っている患者を治療する有効な治療法を継続する必要がある。
非小細胞肺癌(NSCLC)は、例えば、類表皮又は扁平上皮癌、腺癌及び大細胞癌を含む、組織の異種凝集体である。NSCLCを患っている患者は、疾病の程度及び治療アプローチの両者を反映する3つのグループ:(1)外科的に切除可能な腫瘍を有する患者;(2)局所的又は局部的に進行する肺癌を有する患者;及び(3)診断時に遠隔転移を伴う患者に分けることができる。NSCLCの現在の治療法には、手術、化学療法及び/又は放射線療法が含まれる。しかし、国立癌研究所(National Cancer Institute)により示されるように、NSCLCの現在の治療法は不満足な場合があり、NSCLCを患っている患者を治療するための有効な治療法が必要である。例えば、http://www.cancer.gov で入手可能な、非小細胞肺癌治療(PDQ(登録商標)(Non-Small Cell Lung Cancer Treatment (PDQ(登録商標))、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)、米国国立癌研究所(National Cancer Institute)を参照されたい。
特定の癌の治療について、ヌクレオシド類似体が臨床的に試験された。ヌクレオシド類似体、5-アザシチジン(4-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン;ナショナルサービスセンターの表示、NSC-102816;CAS登録番号320-67-2;アザシチジン;Aza及びAZAとしても知られており;VIDAZA(登録商標)として現在市販されている)、及び2'デオキシ-5-アザシチジン(5-アザ-2'-デオキシシチジン、デシタビン、Dac及びDACとしても知られており;DACOGEN(登録商標)として現在市販されている)は、骨髄異形成症候群(MDS)の治療について、米国食品医薬品局により承認されているDNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)の阻害剤である。アザシチジン及びデシタビンはシチジン類似体であり;これらのシチジン類似体及びそれらの関連する天然ヌクレオシドの構造上の差異は、炭素に代え、シトシン環の5位に窒素が存在することである。アザシチジンは、C8H12N4O5の分子式、244.21グラム/モルの分子量、及び下記に示す構造式として定義することができる。デシタビンは、C8H12N4Oの分子式、228.21グラム/モルの分子量、及び下記に示す構造式として定義することができる。
Figure 2012517427
アザシチジン及びデシタビンは、臨床試験において試験され、例えば、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療において著しい抗腫瘍活性を示した。例えば、Aparicioらの論文(Curr. Opin. Invest. Drugs 3(4): 627-33 (2002))を参照されたい。アザシチジンは、MDSの治療についてNCIが支援する治験を受け、MDSの全てのFABサブタイプの治療について承認された。例えば、Kornblithらの論文(J. Cln. Oncol. 20(10):2441-52 (2002));Silvermanらの論文(J. Clin. Oncol. 20(10): 2429-40 (2002))を参照されたい。アザシチジンは、その細胞障害活性及びDNAメチルトランスフェラーゼの阻害を通し、AMLへの変化を少なくすることによりMDSの自然経過を変化させ得る。第3相試験において、アザシチジンは、高齢の被験者において、生存、並びにAMLへの変化及び死への期間を著しく長くした。例えば、Silvermanらの論文(Blood 106(11): Abstract 2526 (2005))を参照されたい。
本明細書においては、1種以上のシチジン類似体を、NSCLCを患っている被験者に投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。特定の実施態様においては、該方法は、類表皮又は扁平上皮癌、大細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌、カルチノイド腫瘍、唾液腺癌、及び未分類の癌を含むが、これらに限定されない特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理する方法を含む。特定の実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者における不顕性癌、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB及びステージIVを含むがこれらに限定されない、特定の病期のNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。特定の実施態様においては、前記方法は、特定のNSCLC細胞タイプを患っている被験者において、NSCLCを治療又は管理する方法を含む。特定の実施態様においては、前記シチジン類似体は5-アザシチジン(アザシチジン)である。特定の実施態様においては、前記シチジン類似体は5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施態様においては、前記方法は2種以上の活性薬剤を共投与することを含む。特定の実施態様においては、前記方法は、手術、化学療法、免疫療法、ターゲット療法及び放射線療法から選択される療法の1種以上と一緒に、本明細書で提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを治療、予防又は管理する方法を含む。
本明細書において提供される特定の実施態様は、NSCLCを患っている被験者において、A549、H1975、H23、H460及び/又はH1299を含むがこれらに限定されない、特定のNSCLC細胞タイプを治療する方法を提供する。特定の方法は、NSCLCを患っている被験者において、A549、H1975、H23、H460及び/又はH1299を含むがこれらに限定されない、少なくとも1種のNSCLC細胞タイプの存在を特定することを含む。特定の方法は、A549、H1975、H23、H460及び/又はH1299を含むがこれらに限定されない、1種以上のNSCLC細胞タイプを治療するために、NSCLCを患っている被験者に、1種以上のシチジン類似体を投与することを含む。特定の方法は、A549、H1975、H23、H460及び/又はH1299を含むがこれらに限定されない、1種以上のNSCLC細胞タイプを治療するために、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することを含む。本明細書において提供される特定の実施態様は、被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを患っている被験者を治療する方法であって、NSCLCが、A549、H1975、H23、H460及びH1299から選択される細胞タイプを含む方法を提供する。
本明細書における特定の実施態様は、(1)乳頭、明細胞、小細胞及び類基底細胞癌を含むが、これらに限定されない扁平上皮癌;(2) 腺房、乳頭、細気管支肺胞癌(非粘液、粘液、粘液及び非粘液の混合又は不確定の細胞タイプ)、ムチンを有する固形腺癌、混合サブタイプの腺癌、並びに高分化型胎児性腺癌、粘液(膠様)腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、印環細胞腺癌、及び明細胞腺癌を含む他の変形を含むが、これらに限定されない腺癌;(3)大細胞神経内分泌癌、合併大細胞神経内分泌癌、類基底細胞癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌、及びrhabdoid表現型を示す大細胞癌を含むが、これらに限定されない大細胞癌;(4) 腺扁平上皮癌;(5)紡錘及び/又は巨細胞を含む癌、紡錘細胞癌、巨細棒癌、癌肉腫及び肺芽細胞腫を含むが、これらに限定されない多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌;(6)標準的なカルチノイド及び異形カルチノイドを含むが、これらに限定されないカルチノイド腫瘍;(7) 粘膜表皮癌及び腺様嚢胞癌を含むが、これらに限定されない唾液腺の癌;(8)未分類の癌を含むが、これらに限定されない特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理する方法を提供する。本明細書において、特定の実施態様は、NSCLCを患っている被験者において、原発腫瘍、リンパ節、及び/又は遠隔転移におけるNSCLCを治療、予防又は管理する方法を提供する。本明細書における特定の実施態様は、外科的に切除可能なNSCLC、局所又は局部的に進行するNSCLC、及び/又は遠隔転移NSCLCを患っている被験者において、NSCLCを治療する方法を提供する。
本明細書において、特定の実施態様は、例えば、静脈内(IV)、皮下(SC)及び/又は経口経路投与による、シチジン類似体の投与を提供する。本明細書において、特定の実施態様は、治療を必要とする被験者において、相乗治療効果をもたらすための1種以上の追加の活性薬剤とシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)との同時投与を提供する。同時に投与される薬剤は、本明細書に開示するような癌治療薬であってもよい。特定の実施態様においては、同時に投与される薬剤は、例えば経口的に、又は注射により投与することができる。
図1は、A549細胞の生存能力における、AZA及びDACの効果を示す。
図2は、H1975細胞の生存能力における、AZA及びDACの効果を示す。
図3は、H23細胞の生存能力における、AZA及びDACの効果を示す。
図4は、H460細胞の生存能力における、AZA及びDACの効果を示す。
図5は、H1299細胞の生存能力における、AZA及びDACの効果を示す。
図6は、AZA又はDACで72時間処理したA549細胞、並びにAZA又はDACで72時間処理したH1299細胞からのNIM DAPIの結果を示す。
図7は、AZA又はDACで72時間処理したA549細胞からのアネキシンV/7-AADの結果を示す。
図8は、AZA又はDACで30時間処理したH460細胞からのアネキシンV/7-AADの結果を示す。
図9は、AZA又はDACで72時間処理したH1299細胞からのアネキシンV/7-AADの結果を示す。
図10は、特定の濃度においてAZA又はDACで24時間及び48時間処理したA549細胞における、DNMT1枯渇、p21、p53、ヒストンH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARP開裂(アポトーシスのマーカー)を含む、細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図11は、特定の濃度においてAZA又はDACで24時間及び48時間処理したH460細胞における、DNMT1枯渇、p21、p53、ヒストンH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARP開裂(アポトーシスのマーカー)を含む、細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図12は、特定の濃度においてAZA又はDACで48時間処理したH1299細胞における、DNMT1枯渇、ヒストンH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARP開裂(アポトーシスのマーカー)を含む、細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図13は、特定の濃度においてAZA又はDACで48時間処理した後のA549細胞の遺伝子発現プロフィールを示し、AZA−処理細胞において、「DNA損傷刺激/DNA修復に対する応答」バイオグループ内の遺伝子の一般的上方制御を示し;DAC処理は、このグループ内における遺伝子の一般的下方制御を引き起こす。
図14は、特定の濃度においてAZA又はDACで3日間又は6日間処理したA549及びH1299細胞における、DNMT1枯渇、ヒストンH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARP開裂(アポトーシスのマーカー)を含む、細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図15は、特定の濃度においてAZA又はDACで20時間処理したA549、H460及びH1299細胞における、DNMT1枯渇における細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図16は、特定の濃度においてAZA又はDACで48時間処理したA549及びH1299細胞における、LINE-1 DNAメチル化における細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図17は、5μMのAZA又はDACで4時間、8時間及び16時間処理した、A549、H460及びH1299細胞における、DNMT1枯渇における細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
図18は、特定の濃度においてAZA又はDACで72時間処理したA549及びH1299細胞における、LINE-1 DNAメチル化における細胞をベースとするアッセイの結果を示す。
(詳細な説明)
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、当業者に通常に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において言及される全ての出版物及び特許は引用により本明細書に組み込まれる。
(5.1定義)
本明細書及び添付する請求の範囲において用いられる場合、不定冠詞「a」及び「an」、並びに定冠詞「the」は、文脈が明らかに示さない限り、複数並びに単数を含む。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「約」又は「およそ」は、当業者により決定される、特定の値について容認し得る誤差を意味し、部分的には、その値をどのように測定又は決定するかに依存する。特定の実施態様においては、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3又は4個分の標準偏差を意味する。特定の実施態様においては、用語「約」又は「およそ」は、所定の値又は範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、又は0.05%の範囲内を意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、疾患若しくは障害、又は疾患若しくは障害に関連する1以上の症状の根絶若しくは改善を意味する。特定の実施態様において、該用語は、このような疾患又は障害を患っている被験者への1種以上の予防又は治療薬の投与からもたらされる、疾患又は障害の拡大又は悪化の最小化を意味する。ある実施態様においては、該用語は、特定の疾患の症状の診断又は発症後の、1種以上の追加の活性薬剤を伴うか又は伴わない、本明細書において提供される化合物又は剤形の投与を意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、疾患若しくは障害、又は疾患若しくは障害の1以上の症状の発症、再発若しくは拡大を予防することを意味する。特定の実施態様においては、該用語は、特に本明細書において示される疾患又は障害の危険にある被験者に、症状の発症の前に、1種以上の他の追加の活性薬剤と一緒に、又はなしで本明細書において示される化合物又は剤形を用いて治療、又は投与することを意味する。該用語は、特定の疾患の症状を阻害又は減少することを包含する。特定の実施態様においては、疾患の家族歴を有する被験者は、予防計画の選択的候補者である。特定の実施態様においては、症状を再発する病歴を有する被験者も、予防のための潜在的候補者である。これに関し、用語「予防」は、用語「予防的治療」と置き換え可能に用いることができる。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「管理する」、「管理すること」及び「管理」は、疾患若しくは障害、又は疾患若しくは障害の1種以上の症状の進行、拡大若しくは悪化を予防若しくは遅延することを意味する。被験者が予防薬及び/又は治療薬から得る有益な効果は、疾患又は障害の治療をもたらさない場合もある。これに関し、用語「管理すること」は、特定の疾患を患っている被験者を、疾患の再発を予防又は最小にする試みで治療することを包含する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、特定の医薬組成物の投与による特定の疾患の症状の「改善」は、永続的又は一時的、持続的又は一過性のいずれかで、組成物の投与に起因するか又は関連し得る、任意の軽減を意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語、化合物の「予防的有効量」又は「有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理において治療上の利益をもたらすか、該疾患又は障害に関連する1種以上の症状を遅延又は最小にするのに十分な量を意味する。化合物の「治療的有効量」又は「有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理において、単独で、又は1種以上の他の薬剤と併用して治療上の利益をもたらす治療薬の量を意味する。用語「治療的有効量」及び「有効量」は、全般的な治療を改善し、疾患若しくは障害の症状又は原因を低減、遅延若しくは回避し、又は他の治療薬の治療効果を増強する量を包含し得る。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾患又は障害を予防し、又はその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、疾患の予防において、単独で、又は1種以上の他の薬剤と併用して予防上の利益をもたらす、治療薬の量を意味する。用語「予防的有効量」は、全般的な予防を改善し、又は他の予防薬の予防的効果を増強する量を包含し得る。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「被験者」は、本明細書において、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等を含む、哺乳動物等の動物を包含すると定義される。特定の実施態様においては、被験者はヒトである。用語「被験者」及び「患者」は、例えば、ヒトのような哺乳動物被験者と関連し、本明細書においては置き換え可能に用いられる。特定の実施態様においては、NSCLCを患っている被験者は、NSCLCを患っているとして以前に診断された被験者である。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、「腫瘍」は、悪性又は良性のいずれにせよ、全ての腫瘍の細胞成長及び増殖、並びに全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を意味する。本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、「腫瘍性」は、悪性又は良性のいずれにせよ、異常な組織成長をもたらす、無調節又は無秩序の細胞成長の任意の形態を意味する。従って、「腫瘍性細胞」には、無調節又は無秩序の細胞成長を有する悪性又は良性細胞が含まれる。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「癌」及び「癌性」は、一般的に無秩序の細胞成長により特徴づけられる、哺乳動物における生理学的状態を意味し、又は説明される。癌の具体例には、リンパ腫、白血病及び固形腫瘍、例えば肺癌が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「増殖性」障害又は疾患は、危害(すなわち、不快症状又は平均余命の短縮)をもたらす、多細胞生物における細胞の1以上のサブセットの不要な細胞増殖を意味する。本明細書で用いられる場合、例えば、増殖性障害又は疾患としては、腫瘍性障害及び他の増殖性障害が含まれる。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「再発」は、治療後に癌が寛解した被験者が癌細胞の再発を有する状態を意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「難治性」又は「耐性」は、集中治療の後でさえ、患者が身体中に残存する癌細胞を有する状況を意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「薬剤耐性」は、疾患が、薬剤又は薬剤(複数)の治療に対して反応しない状態を意味する。薬剤耐性は本質的であり得(疾患が薬剤又は薬剤(複数)に対して反応しないことを意味する)、又は獲得し得る(疾患が以前に反応した薬剤又は薬剤(複数)に対する反応を停止することを意味する)。特定の実施態様においては、薬剤耐性は本質的である。特定の実施態様においては、薬剤耐性は獲得される。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「抗癌剤」又は「癌治療薬」は、代謝拮抗剤(例えば、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、フルダラビン、シタラビン(シトシンアラビノシド又はAra-Cとしても知られる)、及び高用量のシタラビン)、抗微小管剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン及びビンブラスチン;並びにタキサン、例えばパクリタクセル及びドセタキセル)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、メルファラン、イフォスファミド、カルムスチン、アザシチジン、デシタビン、ブスルファン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イフォスファミド、並びにニトロソウレア、例えばカルムスチン、ロムスチン、ビスクロロエチルニトロソウレア(bischloroethylnitrosurea)及びヒドロキシウレア)、白金剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM-216)及びCI-973)、アントラサイクリン類(例えば、ドキソルビシン及びダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、ブレオマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン、ルビドマイシン又はセルビジンとしても知られる)、及びミトキサントロン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びカンプトテシン)、プリンアンタゴニスト又はピリミジンアンタゴニスト(例えば、6-メルカプトプリン、5-フルオロウラシル、シタラビン、クロファラビン、及びゲムシタビン)、細胞成熟剤(例えば、三酸化ヒ素及びトレチノイン)、DNA修復酵素阻害剤(例えば、ポドフィロトキシン、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、及びテニポシド)、細胞生存を阻止する酵素(例えば、アスパラギナーゼ及びペグアスパルガーゼ)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット)、他の任意の細胞毒性物質(例えば、リン酸エストラムスチン、デキサメタゾン、プレドニムスチン、及びプロカルバジン)、ホルモン類(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、モノクローナル抗体(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン、アレムツズマブ、リツキシマブ、及びイットリウム-90-イブリツモマブチウキセタン)、免疫調整剤(例えば、サリドマイド及びレナリドミド)、Bcr-Ab1キナーゼ阻害剤(例えば、AP23464、AZD0530、CGP76030、PD180970、SKI-606、イマチニブ、BMS354825 (ダサチニブ)、AMN 107(ニロチニブ)、及びVX-680)、ホルモンアゴニスト又はアンタゴニスト、部分アゴニスト又は部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、手術、放射線療法(例えば、ガンマ線、中性子線放射線療法、電子ビーム放射線療法、プロトン療法、近接照射療法、及び全身性放射性同位元素)、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子)、温熱療法及び凍結療法、並びに任意の有害な効果を弱める薬剤(例えば、鎮吐薬)を含むが、これらに限定されない抗増殖剤及び化学療法剤を含むことを意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「同時投与」及び「併用して」は、特に明記しない限り、特定の時間の制約なしで、2種以上の治療薬を、同時に(simultaneously)、同時発生的に(concurrently)、又は連続的に投与することを含む。一実施態様においては、薬剤は、細胞内又は被験者の身体内に同時に存在し、又は生物学的又は治療的効果を同時に発揮する。一実施態様においては、薬剤は、同一の組成物中に、又は単一の剤形中に存在する。他の実施態様においては、治療薬は別個の組成物又は単位剤形中に存在する。特定の実施態様においては、第一の薬剤は、第二の治療薬の投与前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前に)、第二の治療薬と基本的に同時に、又は第二の治療薬の投与後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後に)投与することができる。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「組成物」、「製剤」及び「剤形」は、特定の成分(指摘される場合、特定の量で)、並びに特定の量で特定の成分の組合せから直接又は間接的に由来する任意の生成物を含む製品を包含することが意図される。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理学的に許容し得る担体」、又は「生理学的に許容し得る賦形剤」は、液状又は固形充填材、希釈剤、溶媒、又は封入材料等の、医薬として許容し得る材料、組成物又は媒体を意味する。一実施態様においては、各成分は、医薬製剤の他の成分と適合性があり、合理的な利益/危険比と釣り合った、過剰な毒性、炎症、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題又はやっかいな問題なしで、ヒト及び動物の組織又は器官と接触させて使用するのに適切であるという意味で「医薬として許容し得る」。一実施態様においては、「医薬の」又は「医薬として許容し得る」は、組成物、製剤又は剤形中の任意の希釈剤、賦形剤又は担体が、他の成分と適合性があり、その受容者に対して有害でないことを意味する。例えば、Remingtonの文献、薬学の化学及び実践、第21版(The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition);Lippincott Williams及びWilkinsの文献:(Philadelphia,PA, 2005);薬学的賦形剤のハンドブック、第5版(Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition);Roweらの文献,ファーマシューティカルプレス及び米国薬剤師会(The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association):2005;及び医薬添加物のハンドブック、第3版(Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition;);Ash and Ash編,Gower Publishing Company:2007;医薬品予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation),Gibson編,CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2004を参照されたい。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「水和物」は、本明細書で提供される化合物又はその塩が、非共有結合分子間力により結合する、化学量論的又は非化学量論的量の水を更に含むことを意味する。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、用語「溶媒和物」は、本明細書で提供される化合物に、1種以上の溶媒分子を会合して形成される溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」には水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物等)が含まれる。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、本明細書に開示される化合物は、特定の立体化学を明記しない限り、全ての可能な立体異性体を包含することが意図される。化合物の構造異性体が、低エネルギー障壁によって相互変換することができる場合、化合物は、単一の互変異性体又は互変異性体の混合物として存在することができる。これは、プロトン互変異性、いわゆる化合物中の原子価互変異性の形態をとることができ;例えば、それは芳香族部分を含む。
本明細書で用いられる場合、特に明記しない限り、本明細書において言及されるシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、又はその塩、溶媒和物、水和物、共結晶、複合体、プロドラッグ、前駆体、代謝物、及び/又は誘導体を含むことが意図される。特定の実施態様においては、本明細書において言及されるシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、その塩、溶媒和物、水和物、共結晶又は複合体を包含する。特定の実施態様においては、本明細書において言及されるシチジン類似体は、シチジン類似体の遊離塩基、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物を包含する。
(5.2シチジン類似体)
一実施態様においては、本明細書において提供される方法は、1種以上のシチジン類似体の投与又は同時投与を含む。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザシチジン(アザシチジン)である。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施態様においては、シチジン類似体は、5-アザシチジン(アザシチジン)又は5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施態様においては、シチジン類似体は、例えば:1-β-D-アラビノフラノシルシトシン(シタラビン又はara-C);シュードイソ-シチジン(psi ICR);5-フルオロ-2’-デオキシシチジン(FCdR);2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン(ゲムシタビン);5-アザ-2’-デオキシ-2’,2’-ジフルオロシチジン;5-アザ-2’-デオキシ-2’-フルオロシチジン;l-β-D-リボフラノシル-2(lH)-ピリミジノン(ゼブラリン);2’,3’-ジデオキシ-5-フルオロ-3’-チアシチジン(エムトリバ);2’-シクロシチジン(アンシタビン);1-β-D-アラビノフラノシル-5-アザシトシン(ファザラビン又はara-AC);6-アザシチジン(6-aza-CR);5,6-ジヒドロ-5-アザシチジン(dH-aza-CR);N-ペンチルオキシ-カルボニル-5’-デオキシ-5-フルオロシチジン(カペシタビン);N-オクタデシル-シタラビン;又はエライジン酸シタラビンである。特定の実施態様においては、本明細書において提供されるシチジン類似体は、シチジン又はデオキシシチジンと構造的に関連し、シチジン又はデオキシシチジンの作用を機能的に模倣し、及び/又は拮抗する任意の化合物を含む。
特定の実施態様においては、代表的なシチジン類似体は以下に示す構造を有する:
Figure 2012517427
本明細書において、特定の実施態様は、本明細書において提供されるシチジン類似体の塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、複合体、プロドラッグ、前駆体、代謝物、及び/又は他の誘導体を提供する。例えば、特定の実施態様は、5-アザシチジンの塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、複合体、前駆体、代謝物、及び/又は他の誘導体を提供する。本明細書において、特定の実施態様は、本明細書において提供されるシチジン類似体の塩、共結晶、及び/又は溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。本明細書において、特定の実施態様は、本明細書において提供されるシチジン類似体の塩、及び/又は溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。特定の実施態様は、本明細書において提供されるシチジン類似体の、塩、共結晶、溶媒和物(例えば、水和物)、又は複合体でないシチジン類似体を提供する。例えば、特定の実施態様は、非イオン性、非溶媒和性(例えば、無水)、非複合体性の形態の5-アザシチジンを提供する。本明細書において、特定の実施態様は、本明細書において提供される2種以上のシチジン類似体の混合物を提供する。
本明細書において提供されるシチジン類似体は、本明細書において言及される方法及び手段、又は文献において入手可能な他の方法を用いて調製することができる。例えば、5-アザシチジンを合成するための特定の方法が、例えば、米国特許第7,038,038号及びそこで議論されている文献に開示されており、それぞれは引用により本明細書中に組み込まれる。本明細書において提供される他のシチジン類似体は、例えば当該技術分野において公知の手段を用いて調製することができ、又は市販されているものを購入してもよい。
一実施態様においては、本明細書において提供される方法で用いられる化合物は、遊離塩基、又はその医薬として許容し得る塩又は溶媒和物である。一実施態様においては、遊離塩基、医薬として許容し得る塩又は溶媒物は固体である。他の実施態様においては、遊離塩基、医薬として許容し得る塩又は溶媒和物は、非晶質固体である。更に他の実施態様においては、遊離塩基、又は医薬として許容し得る塩又は溶媒和物は、結晶形態の固体である。例えば、米国特許第6,943,249号、第6,887,855号及び7,078,518号、並びに米国特許出願公開第2005/027675号及び2006/247189号(それぞれは引用により本明細書中に組み込まれる)に開示された方法により調製することができる特定の実施態様は、固形で5-アザシチジンを提供する。他の実施態様においては、固形の5-アザシチジンは、当該技術分野において公知の他の方法を用いて調製することができる。
一実施態様においては、本明細書において提供される方法で用いられる化合物は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、1,2-エタンジスルホン酸塩(エディシレート)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、2-ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、又はウンデカン酸塩を含むが、これらに限定されない、シチジン類似体の医薬として許容し得る塩である。
(5.3医薬組成物)
一実施態様において、1種以上の医薬として許容し得る担体と組合せ、活性成分として、1種以上のシチジン類似体、又はその医薬として許容し得る塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物が本明細書中に提供される。一実施態様においては、医薬組成物は、少なくとも1種の非放出制御賦形剤又は担体を含む。一実施態様においては、医薬組成物は、少なくとも1種の放出制御、並びに少なくとも1種の非放出制御賦形剤又は担体を含む。
特定の実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物中で用いられるシチジン類似体は固形である。適切な固形には、シチジン類似体の遊離塩基を含む固形、及びシチジン類似体の塩を含む固形が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施態様においては、本明細書において提供される固形としては、シチジン類似体及び/又はその塩を含む多形、溶媒和物(水和物を含む)、及び共結晶が挙げられる。特定の実施態様においては、固形は、シチジン類似体、又はその医薬として許容し得る塩又は溶媒和物の結晶形態である。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、経口、非経口及び局所投与のために種々の剤形で製剤化することができる。前記医薬組成物は、遅延型−、延長型−、長期型−、持続型−、パルス型−、制御型−、加速化型(accelerated)−、及び高速型(fast)−、標的−、プログラム−放出、及び胃貯留型剤形−を含む、放出調節製剤として製剤化することもできる。剤形は、従来の方法、及び当業者に公知の方法(例えば、Remingtonの文献、薬学の科学及び実践、第21版(The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition);Lippincott Williams及びWilkinsの文献:(Philadelphia,PA, 2005); 放出調節薬物送達技術(Modified-Release Drug Delivery Technology)、Rathboneら編集、薬物及び薬学(Drugs and the Pharmaceutical Science)、Marcel Dekker,Inc.: New York, NY,2003; Vol. 126を参照されたい)により調製することができる。
一実施態様においては、医薬組成物は、経口投与用剤形として提供される。他の実施態様においては、医薬組成物は、非経口投与用剤形として提供される。更に他の実施態様においては、医薬組成物は局所投与用剤形として提供される。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、単位投与剤形又は複数投与剤形として提供することができる。本明細書で用いられる場合、単位投与剤形は、ヒト及び動物の被験者に投与するのに適した、物理的に分離された単位を意味し、当該技術分野において公知のように、個々に包装されている。各単位投与剤形は、必須の医薬担体又は賦形剤と会合し、所望の治療効果をもたらすのに十分な、所定量の活性成分を含む。単位投与剤形の例には、アンプル、注射、並びに個々に包装された錠剤及びカプセルが含まれる。単位投与剤形は、ごく少量で、又はその倍数を投与することができる。倍数投与剤形は、分離した投与剤形で投与すべき単一の容器に包装された、複数の同一の単位投与剤形である。複数投与剤形の例には、錠剤又はカプセルのバイアル、瓶、又はパイント若しくはガロンのボトルが含まれる。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、1回で、又は時間をあけて複数回、投与することができる。正確な投与量及び治療期間は治療すべき患者の年齢、体重及び病状によって変化し、経験的に公知の試験プロトコールを用い、又はインビボ若しくはインビトロの試験、又は診断データからの外挿法により、決定することができることが理解される。更に任意の特定の個体について、特定の投与計画は個々の要求、投与するヒトの専門家の判断、製剤の投与の監視によって徐々に調整すべきであることが理解される。
(5.3.1経口投与)
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、経口投与のために、固形、半固形、又は液状投与剤形で提供され得る。本明細書で用いられる場合、経口投与には、頬、舌及び舌下投与も含まれる。適切な経口投与剤形には、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、薬用キャンディー、芳香製剤、カシェ剤、ペレット剤、薬物添加チューインガム、顆粒剤、原末、発泡製剤、又は非発泡粉末若しくは顆粒剤、溶液、エマルション、懸濁液、溶液、ウェハ、スプリンクル(sprinkles)、エリキシル剤、及びシロップ剤が含まれるが、これらに限定されない。活性成分に加え、医薬組成物は、結合剤、充填材、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、色素遊走阻止剤、甘味剤及び香味料を含むが、これらに限定されない1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含んでもよい。
一実施態様においては、結合剤又は造粒機は、圧縮後に錠剤が無傷であることを確実にするために、錠剤に粘着性を付与する。適切な結合剤又は造粒機は、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン及びゼラチン化デンプン(例えば、STARCH 1500);ゼラチン;糖類、例えば、ショ糖、グルコース、デキストロース、糖蜜及び乳糖;天然及び合成の増粘剤、例えば、アラビアゴム、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュ・モスの抽出物、パンワーゴム、ガッチゴム、イサゴールの皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビーガム(Veegum)、カラマツのアラボガラクタン、粉末トラガカント、及びグアーガム;セルロース類、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH- 103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.,Marcus Hook, PA);並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。適切な充填材には、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。結合剤又は充填材は、本明細書において提供される医薬組成物中、約50〜約90重量%存在し得る。
一実施態様においては、適切な希釈剤には、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸塩、乳糖、ソルビトール、ショ糖、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン及び粉糖が含まれるが、これらに限定されない。十分な量で存在する場合、特定の希釈剤、例えば、マンニトール、乳糖、ソルビトール、ショ糖及びイノシトールは、ある種の圧縮錠に、かむことにより口内で崩壊することを可能にする特性をもたらし得る。このような圧縮錠は、チュアブル錠として用いることができる。
一実施態様においては、適切な崩壊剤には、寒天;ベントナイト;セルロース類、例えば、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース;木製品;海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム類、例えばグアーガム及びビーガムHV;柑橘類のパルプ;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えば、グリコール酸ナトリウムデンプン;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、アルファ化デンプン;クレイ;アリグン(aligns);及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は製剤のタイプにより変化し、当業者に容易に認識し得る。本明細書において提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%、又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含み得る。
一実施態様においては、適切な滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリセロール類、例えば、ベヘン酸グリセロール及びポリエチレングリコール(PEG)(例えば、PEG400及びPEG6000);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油を含む硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸(laureate)エチル;寒天;デンプン;セキショウシ;シリカ(二酸化ケイ素)又はシリカゲル、例えば、AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)及びCAB-O-SIL(登録商標)(Boston, MAのCabot Co.);及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の滑沢剤を含み得る。
一実施態様においては、適切な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Boston, MAのCabot Co.)、及びアスベストを含まないタルクが含まれる。着色剤は、認可、補償された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ水和物に懸濁した水溶性FC&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物を含み得る。レーキ顔料は、重金属の含水酸化物への水溶性色素の吸着による組合せであり、不溶性形状の色素をもたらす。香味料には、植物、例えば、果物から抽出した天然の香味料、及びペパーミント及びサリチル酸メチルのような、感じの良い味覚をもたらす、化合物の合成配合物が含まれる。甘味料には、ショ糖、乳糖、マンニトール、シロップ、グリセリン、及び合成甘味料、例えばサッカリン及びアスパルテームが含まれる。適切な乳化剤には、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカント、ベントナイト、及び界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、TWEEN(登録商標)20)、ポロキサマー(例えば、PLURONIC(登録商標)F68)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(例えば、TWEEN(登録商標)80)、及びオレイン酸トリエタノールアミンが含まれる。懸濁及び分散剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ビーガム、アラビアゴム、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びラウロイルポリオキシグリセリド(例えば、GELUCIRE(登録商標)44/14)が含まれる。保存剤には、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールが含まれる。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが含まれる。溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが含まれる。エマルション中で用いられる非水液体の例には、鉱油及び綿実油が含まれる。有機酸には、クエン酸及び酒石酸が含まれる。二酸化炭素の原料には、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムが含まれる。
一実施態様においては、適切な錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex, Lenexa, KS)を含む、シクロデキストリン類が含まれるが、これらに限定されない。
多くの担体及び賦形剤は、たとえ同じ製剤中であっても、いくつかの機能を供給し得ることを理解すべきである。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、擦り込み錠剤、チュアブル薬用キャンディー、急速溶解錠剤、多重圧縮錠剤、又は腸溶性、糖衣、若しくはフィルムコーティング錠剤として提供することができる。一実施態様においては、腸溶性錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解又は崩壊し、その結果、胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングには、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ろう状物質、シェラック、アンモニア化シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースが含まれるが、これらに限定されない。糖衣錠は、不快な味又は匂いを覆い、かつ錠剤を酸化から保護するのに効果的な糖衣により包囲された圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠剤は、水溶性物質の薄層又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが含まれるが、これらに限定されない。一実施態様においては、フィルムコーティングは、糖衣と、同じ一般的な特徴を付与する。多重圧縮錠剤は、層状の錠剤、プレスコーティング又は乾燥コーティング錠剤を含む、1以上の圧縮サイクルにより製造された圧縮錠剤である。
一実施態様においては、錠剤剤形は、粉末、結晶又は顆粒形状の活性成分から、単独で、又は結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む、本明細書に開示された1種以上の担体又は賦形剤と組み合わせて調製することができる。香味料及び甘味料は、チュアブル錠及び薬用キャンディーの製造において特に有用である。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから製造することができる、軟又は硬カプセルとして提供し得る。乾燥充填カプセル(DFC)としても知られる硬カプセルは、2つの部分からなり、一方は他方にかぶさり、その結果、活性成分を完全に包み込む。軟カプセル(SEC)は、軟らかい、球形のシェル、例えば、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールを加えることにより可塑化されたゼラチンシェルである。軟質ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含んでもよい。適切な保存剤には、メチル−及びプロピル−パラベン、及びソルビン酸を含む、本明細書に開示されたものである。本明細書において提供される液状、半固形及び固形剤形は、カプセル内に封入され得る。適切な液状及び半固形剤形には、プロピレンカーボネート、植物油又はトリグリセリド内の溶液及び懸濁液が含まれる。このような溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に開示されたようにして調製することができる。カプセルは、活性成分の溶解を修飾又は持続させるために、当業者に公知のようにコーティングしてもよい。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、エマルション、溶液、懸濁液、エリキシル剤及びシロップを含む、液状及び半固形剤形で提供し得る。エマルションは2相系であり、一方の液体は、他方の液体を通した小さい球形形状で分散し、水中油型及び油中水型であり得る。エマルションは、医薬として許容し得る、非水液体又は溶媒、乳化剤及び保存剤を含んでもよい。懸濁液は、医薬として許容し得る懸濁剤及び保存剤を含んでもよい。アルコール水溶液は、医薬として許容し得るアセタール、例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール;及び1個以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒、例えば、プロピレングリコール及びエタノールを含んでもよい。エリキシル剤は透明で、甘味な水性アルコール溶液である。シロップは、糖、例えば、ショ糖の濃縮水溶液であり、保存剤を含んでもよい。液状剤形について、例えば、ポリエチレングルコール中の溶液は、投与のために簡単に測定するために、十分量の医薬として許容し得る液状担体、例えば、水で希釈してもよい。
一実施態様においては、他の有用な液状及び半固形剤形には、本明細書において提供される活性成分、並びに1,2‐ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を意味する)を含む、ジアルキル化モノ−又はポリ−アルキレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。これらの製剤は、更に1種以上の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバメートを含んでもよい。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、液状剤形に再構築するために、非発泡性又は発泡性の顆粒剤及び粉末として提供することができる。非発泡性顆粒剤又は粉末において用いられる、医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、希釈剤、甘味料及び湿潤剤が含まれる。発泡性顆粒剤及び粉末において医薬として許容し得る担体及び賦形剤には、有機酸、及び二酸化炭素源が含まれる。
着色剤及び着香料は、前記剤形の全てにおいて用いることができる。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、即時型、又は遅延型、徐放性、パルス型−、制御型、標的型−、及びプログラム−放出型を含む放出調節製剤として製剤化することもできる。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分、又は所望の作用を補う物質と一緒に同時製剤化してもよい。
一実施態様においては、本明細書において提供される活性成分は、当業者に周知である、制御放出手段、又は送達装置により投与することができる。具体例には、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、及び第5,733,566号(それぞれは引用により本明細書中に組み込まれる。)に開示されているものが含まれるが、これらに限定されない。このような剤形は、種々の割合で、所望の放出プロフィールをもたらすために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマー材料、ゲル、浸透性膜、浸透性システム、他層コーティング、微小粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを用いて、1種以上の活性成分の遅延又は制御放出をもたらすために用いることができる。本明細書に開示されるものを含む、当業者に公知である適切な制御放出製剤は、本明細書において提供される活性成分と用いるために容易に選択することができる。一実施態様においては、制御放出に適した、錠剤、カプセル、ジェルキャップ、及びカプレット等の(これらに限定されない)、経口投与に適した、単一の単位投与剤形が提供される。
一実施態様においては、制御放出型医薬製品は、非制御型同等物により達成されるものを超えて、薬剤治療を改善する。他の実施態様においては、薬物療法における、制御放出型製剤の使用は、最短の時間で病状を治療又は制御するために使用される最小量の薬剤物質によって特徴づけられる。制御放出型製剤の利点は、投与頻度を減少して薬剤の活性を拡張し、患者の服薬率を上げることを含む。更に、制御放出型製剤は、作用の発生時間又は他の特徴、例えば、薬剤の血中濃度に影響を及ぼすために用いることができ、この結果、副作用(例えば有害な)の発生に影響を及ぼす。
他の実施態様においては、制御放出型製剤は、最初は、所望の治療的又は予防的効果を即座にもたらす薬剤(活性成分)量を放出し、かつ長期間にわたって治療的又は予防的効果のレベルを維持するために、他の薬剤量を徐々に、又は持続的に放出するように設計されている。一実施態様においては、身体中の薬剤の一定レベルを維持するために、代謝され、身体から排泄される薬剤量を置換するであろう速度で、薬剤を剤形から放出することができる。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、又は他の生理学的条件又は化合物を含むがこれらに限定されない、種々の条件によって促進され得る。
(5.3.2 非経口投与)
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、輸液、又は移植により非経口的に投与することができる。本明細書で用いられる場合、非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、嚢内、脳内、筋肉内、滑液嚢内、及び皮下投与が含まれる。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、注射前に、溶液又は液体中の懸濁液にとって適切な溶液、懸濁液、エマルション、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、及び固形製剤を含む、非経口投与に適した任意の剤形に調製することができる。このような剤形は、薬学の分野の当業者に公知の従来の方法により調製することができる(例えば、Remingtonの文献、薬学の化学及び実践(The Science and Practice of Pharmacy)、前述)を参照されたい。
一実施態様においては、非経口投与を意図する医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌剤又は微生物の増殖に対する保存剤、安定化剤、溶解性向上剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁及び分散剤、湿潤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤及びキレート剤、凍結保護物質、溶解保護剤、造粒剤、pH調製剤及び不活性ガスが含まれるが、これらに限定されない、1種以上の医薬として許容し得る担体及び賦形剤を含んでもよい。
一実施態様においては、適切な水性媒体には、水、食塩水、生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、無菌水注射液、デキストロース及び乳酸リンゲル注射液が含まれるが、これらに限定されない。非水媒体には、植物起源の固定油、ひまし油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ごま油、大豆油、硬化植物油、硬化大豆油、及びヤシ油の中鎖トリグリセリド、及びヤシの種の油が含まれるが、これらに限定されない。水混和性媒体には、エタノール、1,3-ブタンジオール、液状ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドが含まれるが、これらに限定されない。
一実施態様においては、適切な抗菌剤又は保存剤には、フェノール、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシベンゾエート、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル−及びプロピルパラベン、及びソルビン酸が含まれるが、これらに限定されない。適切な等張剤には、塩化ナトリウム、グリセリン及びデキストロースが含まれるが、これらに限定されない。適切な緩衝剤には、リン酸塩及びクエン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。適切な抗酸化剤には、本明細書に記載されているものがあり、亜硫酸塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。適切な局所麻酔薬には、プロカイン塩酸塩が含まれるが、これらに限定されない。適切な懸濁及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピリドンを含む、本明細書において開示されたものである。適切な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、及びオレイン酸トリエタノールアミンを含む、本明細書に開示されるものが含まれる。適切な金属イオン封鎖剤又はキレート剤には、EDTAが含まれるが、これに限定されない。適切なpH調整剤には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸が含まれるが、これらに限定されない。適切な錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex, Lenexa, KS)を含むシクロデキストリン類が含まれるが、これらに限定されない。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、単一又は複数薬剤投与用に製剤化され得る。単一薬剤製剤は、アンプル、バイアル又はシリンジに梱包される。複数薬剤非経口製剤は、静菌又は静黴濃度で抗菌剤を含んでもよい。全ての非経口製剤は、当該技術分野において公知かつ実施されているように、無菌でなければならない。
一実施態様においては、医薬組成物は、すぐに使える、無菌溶液として提供される。他の実施態様においては、医薬組成物は、使用前に媒体を用いて再構築するために、凍結乾燥粉末及び皮下注射用錠剤を含む、無菌乾燥溶解性製品(sterile dry soluble products)として提供される。更に他の実施態様においては、医薬組成物はすぐに使える無菌懸濁液として提供される。更に他の実施態様においては、医薬組成物は、使用前に媒体を用いて再構築するために、無菌乾燥不溶性製品(sterile dry insoluble products)として提供される。更に他の実施態様においては、医薬組成物はすぐに使える無菌のエマルションとして提供される。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、即時型、遅延型−、徐放型、パルス型−、制御型、標的−、及びプログラム−放出型を含む、放出調節製剤として製剤化することができる。
一実施態様においては、医薬組成物は、体内埋め込み持続性製剤として投与するために、懸濁液、固形、半固形、又はチキソトロピック液として製剤化することができる。一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、体液に不溶性であるが、医薬組成物中の活性成分を拡散することができる、外側の高分子膜に包囲された固形内部マトリックス内に分散される。
一実施態様においては、適切な内部マトリックスには、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル−メタクリレート、可塑化された、又は可塑化されていないポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコンカーボネート共重合体、親水性重合体、例えばアクリル及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、及び架橋し、一部が加水分解した酢酸ポリビニルが含まれる。
一実施態様においては、適切な外側高分子膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、及びエチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマーが含まれる。
5.5.3局所投与
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、座剤、膣座薬、ブジー、湿布又はパップ剤、ペースト剤、粉末、包帯剤、クリーム、硬膏剤、避妊薬、軟膏剤、溶液、エマルション、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、又は浣腸剤の形状で、直腸、尿道、膣、又は膣周囲に投与することができる。これらの剤形は、例えば、Remingtonの文献、薬学の化学及び実践(The Science and Practice of Pharmacy)、前述、に開示されたような、従来の手段を用いて製造することができる。
一実施態様においては、直腸、尿道及び膣座薬は、身体開口部への挿入のために固体であり、常温では固体であるが、身体温度では溶解し、又は軟らかくなり、開口部内に活性成分を放出する。直腸及び膣座薬中で用いられる医薬として許容し得る担体には、本明細書において提供される医薬組成物として製剤化する場合、体温に近い融点を生じる剛化剤等の基剤又は媒体;及び亜硫酸水素塩及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に開示される抗酸化剤が含まれる。適切な媒体には、ココアバター(カカオ脂)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白ろう及び黄ろう、並びに脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリド、ヒドロゲル、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸の適切な混合物;グリセリンゼラチンが含まれるが、これらに限定されない。種々の媒体の組合せを用いてもよい。直腸及び膣座剤は、圧縮法又は整形により調製することができる。直腸及び膣座剤の通常の重量は、約2〜約3gである。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、鼻腔内、又は気道に吸収することにより投与することができる。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、霧状ミストを生成するための電気流体力学を用いたアトマイザー等のアトマイザー、単独又は適切な噴霧剤、例えば、1,1,1,2-テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンを用いたネブライザーによる送達のため、エアロゾル又は溶液の形態で提供することができる。医薬組成物は、単独で、又は不活性担体、例えば、乳糖又はリン脂質と組み合わせた、吹き入れのための乾燥粉末;及び点鼻薬としても提供することができる。鼻腔内使用のため、粉末は、キトサン又はシクロデキストリンを含む生体接着剤を含んでもよい。
一実施態様においては、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザー中で用いられる溶液又は懸濁液は、エタノール、水性エタノール、又は本明細書において提供される活性成分の分散、可溶化又は持続放出のための他の適切な薬剤、溶媒としての噴霧剤;及び/又は界面活性剤、例えば、ソルビタントリオレート、オレイン酸、又はオリゴ乳酸を含ませて製剤化することができる。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物は、吸入による送達に適したサイズ、例えば、約50マイクロメートル以下、又は約10マイクロメートル以下に微粉化することができる。このようなサイズの粒子は、当業者に公知の粉砕法、例えば、スパイラルジェットミル、流動層ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流動法、高圧均質化、又は噴霧乾燥を用いて調製することができる。
一実施態様においては、吸入具又は吸入器において用いられるカプセル、ブリスター及びカートリッジは、本明細書において提供される医薬組成物の粉末混合物;適切な粉末基剤、例えば乳糖又はデンプン;及び性能調製剤、例えば、L-ロイシン、マンニトール又はステアリン酸マグネシウムを含ませて製剤化することができる。乳糖は無水であっても、一水和物の形態であってもよい。他の適切な賦形剤又は担体には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、ショ糖、及びトレハロースが含まれる。吸入/経鼻投与のための、本明細書において提供される医薬組成物は、適切な香味料、例えば、メントール及びレボメントール、又は甘味料、例えば、サッカリン若しくはサッカリンナトリウムを更に含んでもよい。
一実施態様においては、局所投与のための、本明細書において提供される医薬組成物は、即時放出、又は遅延型−、徐放型−、パルス型−、制御型−、標的、及びプログラム放出型を含む放出調節型に製剤化することができる。
(5.3.4キット)
一実施態様においては、本明細書において提供される活性成分は、同時に、又は同じ投与経路で患者に投与されない。他の実施態様においては、適量の活性成分の投与を簡略化することのできるキットが提供される。
一実施態様においては、キットは、本明細書において提供される化合物の剤形を含む。キットは、本明細書に開示される1種以上の第二の活性成分、又はその医薬として活性な変種又は誘導体、並びにそれらの組合せを更に含む。
他の実施態様においては、キットは、活性成分を投与するために用いられる装置を更に含む。このような装置の具体例には、注射器、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入具が含まれる。
一実施態様においては、キットは、移植のための細胞又は血液、並びに1種以上の活性成分を投与するために用いることのできる医薬として許容し得る媒体を更に含む。例えば、活性成分が固体で提供される場合、非経口投与のために再構築しなければならず、キットは、適切な媒体の密封容器を含んでもよく、その中で、活性成分が溶解し、非経口投与に適した、粒子を含まない無菌溶液を形成することができる。医薬として許容し得る媒体の具体例には:注射用水USP;例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸リンゲル注射液に限定されない水性媒体; エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールに限定されない水混和性媒体;並びにコーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルに限定されない非水性媒体が含まれるが、これらに限定されない。
(5.4使用法)
本明細書においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。一実施態様においては、該方法は、1種以上のシチジン類似体を用いてNSCLCを治療することを含む。一実施態様においては、該方法は、1種以上のシチジン類似体を用いてNSCLCを予防することを含む。一実施態様においては、該方法は、1種以上のシチジン類似体を用いてNSCLCを管理することを含む。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザシチジン(アザシチジン)である。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザ-2’-デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施態様においては、前記方法は、2種以上の活性成分を同時投与することを含む。特定の実施態様においては、被験者は哺乳動物である。特定の実施態様においては、被験者はヒトである。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための薬剤の製造における、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)の使用が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための薬剤の製造における、5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、又は水和物の使用が提供される。本明細書において、一実施態様においては、本明細書において開示される、特定のタイプのNSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための薬剤の製造における、1種以上のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)の使用が提供される。本明細書において、一実施態様においては、本明細書において開示される、特定のタイプのNSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための薬剤の製造における、5-アザシチジンの使用が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための1種以上のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)を含む薬剤の製造が提供される。本明細書において、一実施態様においては、本明細書で開示される、特定のタイプのNSCLCの治療、予防、及び/又は管理のための1種以上のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)を含む薬剤の製造が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCの治療、予防、及び/又は管理において用いられる、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)が提供される。本明細書において、一実施態様においては、本明細書で開示される、特定のタイプのNSCLCの治療、予防、及び/又は管理において用いられる、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)が提供される。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザシチジン(アザシチジン)である。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)である。
一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、類表皮又は扁平上皮癌、大細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌、カルチノイド腫瘍、唾液腺癌、及び未分類の癌を含むが、これらに限定されない特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、類表皮又は扁平上皮癌、大細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌、カルチノイド腫瘍、唾液腺癌、及び未分類の癌を含むが、これらに限定されない特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に5-アザ-2'-デオキシシチジンを投与することにより、類表皮又は扁平上皮癌、大細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌、カルチノイド腫瘍、唾液腺癌、及び未分類の癌を含むが、これらに限定されない特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。一実施態様においては、前記方法は、被験者における、特定のタイプのNSCLCの存在を特定する工程を含む。一実施態様においては、前記方法は、特定のタイプのNSCLCを患っている被験者にシチジン類似体を投与する工程を含む。一実施態様においては、前記方法は、特定のタイプのNSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与する工程を含む。一実施態様においては、前記方法は、特定のタイプのNSCLCを患っている被験者に5-アザ-2'-デオキシシチジンを投与する工程を含む。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者における、(1)乳頭、明細胞、小細胞及び類基底細胞癌を含むが、これらに限定されない扁平上皮癌;(2) 腺房、乳頭、細気管支肺胞癌(非粘液、粘液、粘液及び非粘液の混合又は不確定の細胞タイプ)、ムチンを有する固形腺癌、混合サブタイプの腺癌、並びに高分化型胎児性腺癌、粘液(膠様)腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、印環細胞腺癌、及び明細胞腺癌を含む他の変形を含むが、これらに限定されない腺癌;(3)大細胞神経内分泌癌、合併大細胞神経内分泌癌、類基底細胞癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌、及びrhabdoid表現型を示す大細胞癌を含むが、これらに限定されない大細胞癌;(4) 腺扁平上皮癌;(5)紡錘及び/又は巨細胞を含む癌、紡錘細胞癌、巨細棒癌、癌肉腫及び肺芽細胞腫を含むが、これらに限定されない多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌;(6)標準的なカルチノイド及び異形カルチノイドを含むが、これらに限定されないカルチノイド腫瘍;(7) 粘膜表皮癌及び腺様嚢胞癌を含むが、これらに限定されない唾液腺癌;並びに(8)未分類の癌を含む、特定のタイプのNSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、乳頭、明細胞、小細胞及び類基底細胞癌を含むが、これらに限定されない扁平上皮癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、乳頭、明細胞、小細胞及び類基底細胞癌を含むが、これらに限定されない扁平上皮癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、腺房、乳頭、細気管支肺胞癌(非粘液、粘液、粘液及び非粘液の混合又は不確定の細胞タイプ)、ムチンを有する固形腺癌、混合サブタイプの腺癌、並びに高分化型胎児性腺癌、粘液(膠様)腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、印環細胞腺癌、及び明細胞腺癌を含む他の変形を含むが、これらに限定されない腺癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、腺房、乳頭、細気管支肺胞癌(非粘液、粘液、粘液及び非粘液の混合又は不確定の細胞タイプ)、ムチンを有する固形腺癌、混合サブタイプの腺癌、並びに高分化型胎児性腺癌、粘液(膠様)腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、印環細胞腺癌、及び明細胞腺癌を含む他の変形を含むが、これらに限定されない腺癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、大細胞神経内分泌癌、合併大細胞神経内分泌癌、類基底細胞癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌、及びrhabdoid表現型を示す大細胞癌を含むが、これらに限定されない大細胞癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、大細胞神経内分泌癌、合併大細胞神経内分泌癌、類基底細胞癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌、及びrhabdoid表現型を示す大細胞癌を含むが、これらに限定されない大細胞癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、腺扁平上皮癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、腺扁平上皮癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、紡錘及び/又は巨細胞を含む癌、紡錘細胞癌、巨細棒癌、癌肉腫及び肺芽細胞腫を含むが、これらに限定されない多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、紡錘及び/又は巨細胞を含む癌、紡錘細胞癌、巨細棒癌、癌肉腫及び肺芽細胞腫を含むが、これらに限定されない多形、肉腫様又は肉腫成分を含む癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、標準的なカルチノイド及び異形カルチノイドを含むが、これらに限定されないカルチノイド腫瘍である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、標準的なカルチノイド及び異形カルチノイドを含むが、これらに限定されないカルチノイド腫瘍である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、粘膜表皮癌及び腺様嚢胞癌を含むが、これらに限定されない唾液腺癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが、粘膜表皮癌及び腺様嚢胞癌を含むが、これらに限定されない唾液腺癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが未分類癌である方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、NSCLCを治療、予防又は管理する方法であって、前記NSCLCが未分類癌である方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、原発腫瘍、リンパ節、及び/又は遠隔転移におけるNSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、原発腫瘍、リンパ節、及び/又は遠隔転移におけるNSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザ-2'-デオキシシチジンを投与することにより、原発腫瘍、リンパ節、及び/又は遠隔転移におけるNSCLCを治療、予防又は管理する方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、原発腫瘍におけるNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、原発腫瘍におけるNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、リンパ節におけるNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、リンパ節におけるNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、遠隔転移におけるNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、遠隔転移におけるNSCLCを治療する方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、1種以上のシチジン類似体を投与することにより、外科的に切除可能なNSCLC、局所又は局部的に進行するNSCLC、及び/又は遠隔転移NSCLCを患っている被験者において、NSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、5-アザシチジンを投与することにより、外科的に切除可能なNSCLC、局所又は局部的に進行するNSCLC、及び/又は遠隔転移NSCLCを患っている被験者において、NSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、5-アザ-2'-デオキシシチジンを投与することにより、外科的に切除可能なNSCLC、局所又は局部的に進行するNSCLC、及び/又は遠隔転移NSCLCを患っている被験者において、NSCLCを治療する方法が提供される。
本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、外科的に切除可能なNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、外科的に切除可能なNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、局所又は局部的に進行するNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、局所又は局部的に進行するNSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、遠隔転移NSCLCを治療する方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、遠隔転移NSCLCを治療する方法が提供される。
一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に1種以上のシチジン類似体を投与することにより、不顕性癌、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB及びステージIVを含むがこれらに限定されない、特定の病期のNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与することにより、不顕性癌、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB及びステージIVを含むがこれらに限定されない、特定の病期のNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。一実施態様においては、前記方法は、NSCLCを患っている被験者に5-アザ-2'-デオキシシチジンを投与することにより、不顕性癌、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIIA、ステージIIIB及びステージIVを含むがこれらに限定されない、特定の病期のNSCLCを治療、予防又は管理することを含む。NSCLCの病期は、当該技術分野において公知の方法によって、例えば、対癌米国合同委員会(American Joint Committee on Cancer (AJCC))により提供されるガイドラインに従って定義し得る。一実施態様においては、NSCLCの病期は、NSCLCを患っている被験者において、TNM分類に基づき、すなわち、原発腫瘍(例えば、TX、T0、Tis、T1、T2、T3、T4)、局所リンパ節(例えば、NX、N0、N1、N2、N3)、及び/又は遠隔転移(例えば、MX、M0、M1) の状態に基づく分類に基づき、決定され、分類される。例えば、Lung in: 対癌米国合同委員会(American Joint Committee on Cancer):AJCC癌病期マニュアル第6版(AJCC Cancer Staging Manual, 6th ed.),New York, NY, Springer, 2002, 167-81を参照されたい。
本明細書において、一実施態様においては、1種以上のシチジン類似体を用いる、例えば、特定の細胞タイプのNSCLCを含むNSCLCを患っている被験者を治療する方法が提供される。特定の実施態様においては、前記シチジン類似体は5-アザシチジン(アザシチジン)である。特定の実施態様においては、前記シチジン類似体は5-アザ-2'-デオキシシチジン(デシタビン)である。特定の実施態様においては、前記方法は、シチジン類似体及び1種以上の抗癌剤を同時投与することを含む。
本明細書においては、一実施態様において、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又はデシタビン)を投与することにより、特定の細胞タイプ(例えば、特定のNSCLC細胞系由来のもの)のNSCLCを治療する方法が提供される。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法により治療されるNSCLC細胞タイプには、当該技術分野において公知の任意のNSCLC細胞タイプが含まれる。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法により治療されるNSCLC細胞タイプには、例えば、市販されているNSCLC細胞系由来のもの、例えば、ATCC(登録商標)、市販の細胞系リポジトリから得られるものが含まれる。他の細胞タイプは当該技術分野において公知であり、例えば、Wroblewskiらの論文,Lung Cancer 33:181-94 (2001)に開示された細胞系由来のものが含まれる。本明細書において提供される方法において有用な特定の細胞タイプのNSCLC細胞タイプには、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、特定の実施態様は、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することにより、NSCLCを患っている被験者を治療する方法を提供する。本明細書において、一実施態様においては、被験者における、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299を含むが、これらに限定されない、特定のNSCLC細胞タイプの存在を特定する工程を含む方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299を含むが、これらに限定されない、特定のNSCLC細胞タイプを患っている被験者にシチジン類似体を投与する工程を含む方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299を含むが、これらに限定されない、特定の細胞タイプのNSCLCの1種以上を治療するために、NSCLCを患っている被験者に5-アザシチジンを投与する工程を含む方法が提供される。一実施態様においては、シチジン類似体を、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299を含むが、これらに限定されない、特定の細胞タイプのNSCLCの1種以上の細胞と接触させる工程を含む方法が提供される。本明細書において、一実施態様においては、5-アザシチジンを、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299を含むが、これらに限定されない、特定の細胞タイプのNSCLCの1種以上の細胞と接触させる工程を含む方法が提供される。特定の実施態様においては、前記方法は、インビボ、インビトロ、及び/又はエクスビボで実施することができる。特定の実施態様においては、前記方法は、動物、例えば、マウス又はラットにおいて実施することができる。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法は、当該技術分野において公知の方法を用いて、動物(例えば、マウス又はラット)に特定の細胞タイプのNSCLCを移植する工程、次いで、1種以上のシチジン類似体を用いて動物を治療する工程を更に含む。移植工程と治療工程との間の時間は変動してもよく、動物におけるNSCLCの確立及び/又は転移を可能にする。特定の実施態様においては、細胞はA549細胞である。特定の実施態様においては、細胞はH1975細胞である。特定の実施態様においては、細胞はH23細胞である。特定の実施態様においては、細胞はH460細胞である。特定の実施態様においては、細胞はH1299細胞である。
本明細書における特定の実施態様は、DACよりもAZAに対して高い感受性を有するNSCLC細胞を有する被験者に、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することにより、NSCLCを患っている被験者を治療する方法を提供する。ある実施態様においては、細胞はAZAに対して感受性があり、ここで、AZAのEC50は、約1μM〜約10μM、約1μM〜約6μM、又は約1μM〜約3μMである。一実施態様においては、細胞はAZAに対して感受性があり、AZAのEC50は、約0.1μM、約0.3μM、約0.5μM、約0.7μM、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、約10μM、又は約10μMを超える。
一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与し、被験者のNSCLC細胞の細胞周期分布を変化させることを含む。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)をNSCLC細胞と接触させ、NSCLC細胞の細胞周期分布を変化させることを含む。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、特定の細胞周期(例えば、GO、Gl、S、G2、及び/又はM期)において、細胞の蓄積を誘発する。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、sub-G1細胞周期において、細胞の蓄積を誘発する。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、デシタビン)は、G2/M細胞周期において、細胞の蓄積を誘発する。特定の実施態様においては、DNA細胞周期分析は、当該技術分野において公知の方法、例えば、フローサイトメトリー装置、例えば、Beckman Coulter, Fullerton, California, USAにより市販されているものを用い、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)核染色を用いて実施される。
一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与し、被験者のNSCLC細胞のアポトーシスの割合及び/又は程度を変化させることを含む。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)をNSCLC細胞と接触させ、NSCLC細胞のアポトーシスの割合及び/又は程度を変化させることを含む。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、アポトーシスの割合及び/又は程度を上昇させる。特定の実施態様においては、アポトーシスの割合及び/又は程度は、例えばアネキシンV染色を含む、当該技術分野において公知の方法を用いて測定する。本明細書における特定の実施態様は、アネキシンV染色に陽性であるNSCLC細胞を有する被験者に、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することにより、NSCLCを患っている被験者を治療する方法を提供する。特定の実施態様においては、アネキシンV染色陽性は、5-アザシチジンにさらすことにより、細胞がアポトーシスを受けていることを示す。
一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又は5-アザ-2'-デオキシシチジン)で処理した細胞において得られる分子エンドポイント(molecular endpoints)の可能なメカニズムは、以下の工程の1以上を含む。すなわち(1)シチジン類似体が新規に合成されたDNAに組み入れられ、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)と共有的かつ不可逆的に結合し;(2)閉じ込められたDNMTsがプロテアソーム依存的様式で分解し;(3)DNMTのレベルの減少がDNAの低メチル化をもたらし;(4)DNAの過剰メチル化により以前に減少していた遺伝子が再発現する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、過剰メチル化した遺伝子の再発現は、細胞周期制御、細胞分化、及び/又は細胞アポトーシスに関与する。ある実施態様においては、シチジン類似体の組み込みによる、非依存性のDNA損傷シグナル伝達に対するDNMT依存に関する、異論のあるデータがある。例えば、Eggerらの文献,Nature,429:457 (2004)を参照されたい。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、シチジン類似体で処理された細胞内で得られる分子エンドポイントの可能なメカニズムはp95/p21経路を必要とする。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、シチジン類似体で処理された細胞内で得られる分子エンドポイントの可能なメカニズムはDNA損傷を伴う。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法におけるシチジン類似体の1種(例えば、5-アザシチジン)の作用機構は、他のシチジン類似体(例えば、デシタビン)のものとは異なっている。更に、一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法における特定のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の作用機構は、本明細書に開示されるDNA低メチル化以外である。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法における特定のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の作用機構は、DNA損傷、例えば、二重鎖DNA切断に関連している。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、1種のシチジン類似体は、NSCLC細胞生存において、他のシチジン類似体とは異なる効果を有する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、1種のシチジン類似体は、NSCLCにおけるDNA損傷において、他のシチジン類似体とは異なる効果を有する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、1種のシチジン類似体は、NSCLC細胞アポトーシスにおいて、他のシチジン類似体とは異なる効果を有する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、1種のシチジン類似体は、NSCLC細胞周期において、他のシチジン類似体とは異なる効果を有する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、1種のシチジン類似体は、NSCLC細胞における遺伝子発現において、他のシチジン類似体とは異なる効果を有する。一実施態様においては、異なる効果は、NSCLC細胞におけるシチジン類似体の治療に対する応答の遅延、例えば、特定のNSCLC細胞におけるDNA損傷応答における遅延であり得る。一実施態様においては、異なる効果は、NSCLC細胞における特定の細胞性応答の存在又は非存在であり得る。
ある実施態様に置いては、特定の理論に制限されないが、特定のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の活性に関連する薬力学には、例えば、以下の1種以上:DNMTタンパク質枯渇;DNA低メチル化;DNA損傷;細胞生存;細胞アポトーシス;細胞周期制御;及び遺伝子発現プロフィールが含まれる。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている患者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又はデシタビン)の投与は、例えば、NSCLC細胞中でDNMT1タンパク質を枯渇させる。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている患者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞中でDNA低メチル化を誘発する。特定の実施態様においては、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン又はデシタビン)の投与に続くDNMT枯渇は、シチジン類似体のDNA取り込みを示している。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞におけるDNA損傷のマーカーを誘発する。ある実施態様においては、DNA損傷は二重鎖損傷である。ある実施態様においては、DNA損傷は一本鎖損傷である。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞における細胞死のマーカーを誘発する。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞における細胞生存のマーカーを誘発する。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞における細胞アポトーシスのマーカーを誘発する。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞において細胞周期制御のマーカーを誘発する。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法による、NSCLCを患っている被験者へのシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与は、例えば、NSCLC細胞において特異的遺伝子発現のマーカーを誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、前記シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、DNMT1を枯渇させる。一実施態様においては、細胞を、約0.001μM未満、約0.001μM、約0.01μM、約0.03μM、約0.05μM、約0.1μM、約0.3μM、約0.5μM、約1μM、約3μM、約5μM、約10μM、又は約10μMを超える濃度のシチジン類似体で処理した場合、NSCLC細胞中のDNMT1レベルは低下する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、前記シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、DNA低メチル化を誘発する。一実施態様においては、DNA低メチル化は、特定のNSCLC細胞内のLINE-1成分のメチル化状態を試験することにより測定される。一実施態様においては、細胞を、約0.001μM未満、約0.001μM、約0.01μM、約0.03μM、約0.05μM、約0.1μM、約0.3μM、約0.5μM、約1μM、約3μM、約5μM、約10μM、又は約10μMを超える濃度のシチジン類似体で処理した場合にNSCLC細胞中でDNA低メチル化が誘発される。一実施態様においては、約0.3μM〜約1μMの濃度で最大のDNA低メチル化が起こる。他の実施態様においては、約0.1μMの濃度で最大のDNA低メチル化が起こる。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460及び/又はH1299細胞)において、ヒストンγH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)を誘発する。一実施態様においては、ヒストンγH2AX(Ser139)リン酸化は、二重鎖DNA切断のマーカーである。ある実施態様においては、5-アザシチジンは、デシタビンよりも大きく、NSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞においてヒストンγH2AXのリン酸化を誘発する。一実施態様においては、5-アザシチジンは、デシタビンよりも早い時点でNSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞内でヒストンγH2AXリン酸化を誘導する。一実施態様においては、5-アザシチジンは二重鎖DNA切断を誘発する。一実施態様においては、デシタビンは一本鎖DNA切断を誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞)においてPARP開裂(細胞死のマーカー)を誘発する。特定の実施態様においては、5-アザシチジンは、デシタビンよりも大きく、NSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞においてPARP開裂を誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞)において、キャスパーゼ−3の切断(細胞死のマーカー)を誘発する。特定の実施態様においては、5-アザシチジンは、デシタビンよりも大きく、NSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞においてPARP開裂を誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLCを患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞)において、アネキシンV染色(アポトーシスについてのマーカー)について細胞を陽性にする。一実施態様においては、アネキシン染色は初期アポトーシス(例えば、アネキシンV-FITC+及び7-AAD-)についてのマーカーである。一実施態様においては、アネキシン染色は遅発性アポトーシス(例えば、アネキシンV-FITC+及び7-AAD+)についてのマーカーである。特定の実施態様においては、5-アザシチジンは、デシタビンよりも大きく、NSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞においてアネキシンV染色陽性をもたらす。特定の実施態様においては、5-アザシチジンは、NSCLC細胞、例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞において初期−及び/又は遅発性アポトーシスの増大を誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体は細胞死を誘発する(すなわち、細胞周期停止のみでない)。
一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を被験者に投与し、1種以上の被験者のNSCLC細胞細胞タイプにおいて、別のシチジン類似体(例えば、デシタビン)を投与することにより達成することができるよりも、異なる遺伝子発現プロフィールを達成することにより、NSCLCを患っている被験者を治療する方法が提供される。一実施態様においては、遺伝子発現はマイクロアレイ分析により評価される。一実施態様においては、細胞を、約0.001μM、約0.01μM、約0.03μM、約0.05μM、約0.1μM、約0.3μM、約0.5μM、約1μM、約3μM、約5μM、約10μM、又は約10μMを超える濃度でシチジン類似体と処理した場合に、特定の遺伝子発現がNSCLC細胞内で誘発される。一実施態様においては、細胞を、約0.3μM〜約3μMの濃度でシチジン類似体と処理した場合に、特定の遺伝子発現がNSCLC細胞内で誘発される。一実施態様においては、細胞を、約1μM〜約3μMの濃度でシチジン類似体と処理した場合に、特定の遺伝子発現がNSCLC細胞内で誘発される。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、5-アザシチジンは、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞)において、DNA損傷刺激及び/又はDNA修復に対する応答と関連する遺伝子の上方制御を誘発する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、デシタビンは、例えば、NSCLC細胞(例えば、A549、H1975、H23、H460、及び/又はH1299細胞)において、DNA損傷刺激及び/又はDNA修復に対する応答と関連する遺伝子の下方制御を誘発する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、RAS関連ドメインファミリータンパク質(RASSFlA)遺伝子内のDNA低メチル化を誘発する。ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、大腸腺腫様ポリポーシス(APC)遺伝子内のDNA低メチル化を誘発する。ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、fragile histidine triad (FHIT)遺伝子内のDNA低メチル化を誘発する。ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体は、例えば、被験者のNSCLC細胞において、p16INK4A遺伝子内のDNA低メチル化を誘発する。
ある実施態様においては、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、他のシチジン類似体よりも低濃度でDNA損傷及び/又は細胞死を誘発する。ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、同じ濃度(例えば、約0.3μM、約1μM、又は約3μM)で他のシチジン類似体よりも多くの遺伝子の発現を調節する。
ある実施態様においては、特定の理論に制限されないが、本明細書において提供される発明は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、RNAの取り込みにより、更なる効果を有する。一実施態様においては、特定の理論に制限されないが、RNAの取り込みの効果は、(1)多様な種類のRNAの合成及びプロセシングにおける変化、(2)転写阻害、及び/又は(3)タンパク質合成の破壊である。
ある実施態様においては、本明細書において提供される方法は、NSCLC(例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299から選択される細胞タイプを含む)を患っている被験者にシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を投与することを含み、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)他のシチジン類似体(例えば、デシタビン)よりも高い血漿中濃度を達成する。例えば、特定の実施態様においては、75mg/m2のVIDAZA(登録商標)の投与は3μMの血漿中濃度を達成するが、15mg/m2のDACOGEN(登録商標)の投与は0.5μMの血漿中濃度を達成する。
特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法は、外科的に切除可能なNSCLC腫瘍を患っている被験者にシチジン類似体を投与することを含む。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法は、局所的に進行するNSCLCを患っている被験者にシチジン類似体を投与することを含む。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法は、局部的に進行するNSCLCを患っている被験者にシチジン類似体を投与することを含む。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法は、例えば診断時に遠隔転移を有する被験者にシチジン類似体を投与することを含む。
特定の実施態様は、手術と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、化学療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、免疫療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、標的療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、放射線療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、手術、化学療法、免疫療法、標的療法、及び放射線療法から選択される2種以上の療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。特定の実施態様は、手術、化学療法、及び放射線療法から選択される2種以上の療法と共に、本明細書において提供される1種以上の方法を用いて、NSCLCを患っている被験者を治療することを提供する。
特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法の1種で治療される被験者は、シチジン類似体の投与前に抗癌治療で治療されていない。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法の1種で治療される被験者は、シチジン類似体の投与前に、1種以上の抗癌治療で治療されている。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法の1種で治療される被験者は、本明細書に開示されるように、抗癌治療薬で治療されている。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法の1種で治療される被験者は、抗癌治療に対して薬剤耐性を発現する。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法で治療される被験者は再発癌を患っている。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法で治療される被験者は難治性癌を患っている。特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法で治療される被験者は転移性癌を患っている。
一実施態様においては、本明細書において提供される方法は、患者の年齢と関係なく、被験者を治療することを含むが、ある疾患又は障害は、特定の年齢のグループに多く見られる。更に、本明細書においては、問題の疾患又は病状を治療する試みにおいて、手術を受けた被験者を治療する方法が提供される。更に、本明細書においては、問題の疾患又は病状を治療する試みにおいて、手術を受けていない被験者を治療する方法が提供される。癌を患っている患者は、異種の臨床症状及び変動する臨床転帰を有するので、特定の被験者被験者に与えられる治療は、彼/彼女の予後に依存して変化し得る。熟練した臨床医は、過度の実験なしで、癌を患っている個々の被験者を治療するのに効率的に用いることのできる、特定の第二の薬剤、手術のタイプ、非薬剤ベースのタイプの標準的治療を容易に決定することができる。
本明細書において提供される、各実施態様においては、前記方法は、例えば、NSCLCのタイプ、特定の細胞タイプの存在、及び/又は被験者における疾患の病期を決定する、1以上の診断工程を更に含んでもよい。
本明細書において提供される、各実施態様においては、前記方法は、被験者にシチジン類似体を投与した後に、本明細書の他の場所で開示された、1種以上の分子マーカーの変化、腫瘍サイズ及び部位の変化、及び/又は被験者におけるNSCLCの予後を決定するために当業者により用いられる他の基準を決定するための、疾患評価工程を更に含んでもよい。
(5.4.1シチジン類似体の投与)
本明細書における特定の方法は、例えば、静脈注射(IV)、皮下注射(SC)又は経口投与によりシチジン類似体の投与を提供する。本明細書における特定の実施態様は、治療を必要とする被験者に相乗的治療効果を与えるように、1種以上の追加の活性薬剤と一緒に、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を同時投与することを提供する。同時に投与される薬剤は、本明細書に開示されるような、癌治療薬であってもよい。特定の実施態様においては、同時投与される薬剤は、経口的に、又は注射(例えば、IV又はSC)により投与することができる。
本明細書における特定の実施態様は、例えば、IV、SC及び/又は経口投与法を用いて、シチジン類似体を投与することを含む、異常な細胞増殖の疾患を治療する方法を提供する。特定の実施態様においては、治療サイクルは、複数の日数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は14日を超えて)にわたって、場合によっては、続いて治療投与を休止する日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は14日を超えて)を有し、治療を必要とする被験者に複数回投与することを含む。本明細書において提供される方法のための適切な投与量には、例えば、治療的有効量及び予防的有効量が含まれる。例えば、特定の実施態様においては、本明細書において提供される方法において投与されるシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の量は、例えば、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日、約100mg/m2/日〜約500mg/m2/日、又は約120mg/m2/日〜約250mg/m2/日の範囲である。特定の実施態様においては、特定の投与量は、例えば、約120 mg/m2/日、約140mg/m2/日、約150mg/m2/日、約180mg/m2/日、約200mg/m2/日、約220mg/m2/日、約240mg/m2/日、約250mg/m2/日、約260mg/m2/日、約280mg/m2/日、約300mg/m2/日、約320mg/m2/日、約350mg/m2/日、約380mg/m2/日、約400mg/m2/日、約450mg/m2/日、又は約500mg/m2/日である。特定の実施態様においては、特定の投与量は、例えば、約120mg/m2/日以下、約140mg/m2/日以下、約150mg/m2/日以下、約180mg/m2/日以下、約200mg/m2/日以下、約220mg/m2/日以下、約240mg/m2/日以下、約250mg/m2/日以下、約260mg/m2/日以下、約280mg/m2/日以下、約300mg/m2/日以下、約320mg/m2/日以下、約350mg/m2/日以下、約380mg/m2/日以下、約400mg/m2/日以下、約450mg/m2/日以下、約500mg/m2/日以下、約750mg/m2/日以下、又は約1000mg/m2/以下である。
一実施態様においては、本明細書において提供される方法において投与されるシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の量は、例えば、約5 mg/日〜約2,000 mg/日、約10mg/日〜約2,000mg/日、約20mg/日〜約2,000mg/日、約50mg/日〜約1,000mg/日、約100mg/日〜約500mg/日、約150mg/日〜約500mg/日、又は約150mg/日〜約250mg/日の範囲である。特定の実施態様においては、特定の投与量は、例えば、約10mg/日、約20mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約120mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日、約1,000mg/日、約1,200mg/日、又は約1,500mg/日である。特定の実施態様においては、特定の投与量は、例えば、約10mg/日以下、約20mg/日以下、約50mg/日以下、約75mg/日以下、約100mg/日以下、約120mg/日以下、約150mg/日以下、約200mg/日以下、約250mg/日以下、約300mg/日以下、約350mg/日以下、約400mg/日以下、約450mg/日以下、約500mg/日以下、約600mg/日以下、約700mg/日以下、約800mg/日以下、約900mg/日以下、約1,000mg/日以下、約1,200mg/日以下、又は1,500mg/日以下である。
一実施態様においては、本明細書において提供される医薬組成物又は剤形内のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の量は、例えば、約5mg〜約2,000mg、約10mg〜約2,000mg、約20mg〜約2,000mg、約50mg〜約1,000mg、約100mg〜約500mg、約150mg〜約500mg、又は約150mg〜約250mgの範囲であってもよい。特定の実施態様においては、特定の量は、例えば、約10mg、約20mg、約50mg、約75mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1,000mg、約1,200mg、又は約1,500mgである。特定の実施態様においては、特定の量は、例えば、約10mg以下、約20mg以下、約50mg以下、約75mg以下、約100mg以下、約120mg以下、約150mg以下、約200mg以下、約250mg以下、約300mg以下、約350mg以下、約400mg以下、約450mg以下、約500mg以下、約600mg以下、約700mg以下、約800mg以下、約900 mg以下、約1,000mg以下、約1,200mg以下、又は約1,500mg以下である。
一実施態様においては、治療される疾患及び被験者の病状により、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内注射又は輸液、皮下注射又は移植)、吸入、経鼻、経膣、直腸、舌下、又は局所(例えば、経皮又は局部)投与経路により投与することができる。シチジン類似体は、単独で、又は1種以上の活性薬剤と一緒に、各投与経路に適した、医薬として許容し得る賦形剤、担体、アジュバント及び媒体を用いて、適切な投与単位に製剤化することができる。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は経口投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は非経口的に投与される。更に他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は静脈注射により投与される。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、単一薬剤として、例えば、単一の急速静注、又は経口錠剤又は丸薬:又は時間をかけて、例えば、長時間持続静注、又は長時間の分割急速静注射として送達することができる。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、必要であれば、例えば、患者が病勢安定又は軽減を経験するまで、又は患者が疾患の進行若しくは容認できない毒性を経験するまで、繰り返して投与することができる。例えば、固形腫瘍についての不変は、一般的に、測定可能な病変の垂直面直径が、最後の測定から25%異常増大していないことを意味する。例えば、固形腫瘍における応答評価(RECIST)ガイドライン(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST) Guidelines),Journal of the National Cancer Institute 92(3): 205-216 (2000)を参照されたい。疾患の不変又は欠如は、当該技術分野において公知の方法、例えば、患者の症状、健康診断、X-線、CAT、PET、又はMRIスキャン、並びに他の一般的に認められている評価モダリティを用いて画像化される腫瘍の可視化により判定される。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1日1回(QD)、又は1日に複数回に分け、例えば、1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)、投与することができる。一実施態様においては、投与は連続的であってもよく(すなわち、連続する日又は毎日について常に)、断続的、例えば、周期的(すなわち、1日、1週間又は1ヶ月の薬剤を投与しない休止を含む)であってもよい。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、毎日、例えば、投与期間について、毎日1回以上、投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、少なくとも7日間、中断せずに、ある実施態様においては52週間まで毎日投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、断続的に、すなわち、規則的又は不規則的のいずれかの間隔で停止及び開始を繰り返して投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1週間に1〜6日間投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、周期的に(例えば、2〜8週間連続して毎日投与し、次いで1週間以内の投与のない休止期間)投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は隔日に投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、周期的に(例えば、休止期間で中断しながら、特定の期間、毎日又は連続的に投与)投与される。
一実施態様においては、投与頻度は、およそ1日1回からおよそ月1回の範囲である。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おき、週2回、週1回、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回、投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は1日1回投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は1日2回投与される。更に他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は1日3回投与される。更に他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1日4回投与される。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1日から6ヶ月まで、1週間から3ヶ月まで、1週間から4週間まで、1週間から3週間まで、又は1週間から2週間まで1日1回投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1週間、2週間、3週間、又は4週間、1日1回投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1週間、1日1回投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5−シチジン)は、2週間、1日1回投与される。更に他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、3週間、1日1回投与される。更に他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、4週間、1日1回投与される。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約9週間、約12週間、約15週間、約18週間、約21週間、又は約26週間、1日1回投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、断続的に投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日の量で、断続的に投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、連続的に投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約50mg/m2/日〜約1,000mg/m2/日の量で連続的に投与される。
特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、周期的に患者に投与される。サイクリング療法は、ある期間、活性薬剤を投与し、次いで、ある期間休止し、この逐次的投与を繰り返すことを含む。サイクリング療法は、耐性の発生を減少し、副作用を回避又は減少し、及び/又は治療効果を改善することができる。
従って、一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間、単一又は分割剤形で毎日投与し、次いで約1日〜約10週間、投与を休止する。一実施態様においては、本明細書において提供される方法は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間のサイクリング療法を意図する。ある実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約1、3、5、7、9、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29又は30日の休止期間を伴い、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、単一又は分割剤形で毎日投与される。ある実施態様においては、休止期間は1日である。ある実施態様においては、休止期間は3日である。ある実施態様においては、休止期間は7日である。ある実施態様においては、休止期間は14日である。ある実施態様においては、休止期間は、28日である。投与サイクルの頻度、回数及び長さは、増加し、又は減少することができる。
一実施態様においては、本明細書において提供される方法は:i)第一の1日投与量のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を被験者に投与し:ii)場合により、少なくとも1日休止し(シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)が被験者に投与されない場合);iii)第二の投与量のシチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)を被験者に投与し;及びiv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すことを含む。特定の実施態様においては、第一の1日投与量は、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日である。特定の実施態様においては、第二の1日投与量は、約50mg/m2/日〜約2,000mg/m2/日である。特定の実施態様においては、第一の1日投与量は第二の1日投与量より高い。特定の実施態様においては、第二の1日投与量は第一の1日投与量より高い。一実施態様においては、休止期間は、2日、3日、5日、7日、10日、12日、13日、14日、15日、17日、21日又は28日である。一実施態様においては、休止期間は、少なくとも2日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも2日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも3日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも3日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも7日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも7日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも14日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも14日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも21日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも21日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも28日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも3回繰り返される。一実施態様においては、休止期間は少なくとも28日であり、工程ii)〜iii)は少なくとも5回繰り返される。
特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約1〜約52週間、連続的に投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ヶ月間、連続的に投与される。特定の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジンは、約14、約28、約42、約84、又は約112日間、連続的に投与される。治療期間は、治療される被験者の年齢、体重及び病状によって変化し、公知の試験プロトコールを用い、又は治療を提供し、若しくは管理する人の専門的な判断力に従い、経験的に決定することができることが理解される。熟練した臨床医は、特定のタイプの癌を患っている個々の患者を治療するための、効果的な薬物投与量及び治療期間を過度の実験なしで容易に決定することができるであろう。
(5.4.2 治療薬の同時投与)
特定の実施態様においては、NSCLCを治療するための本明細書において提供される方法は、相乗的治療効果を得るために、シチジン類似体、例えば、5-アザシチジンを、1種以上の治療薬、例えば、癌治療薬と同時に投与する。同時投与される治療薬には、例えば、細胞毒性薬、代謝拮抗剤、葉酸拮抗剤、HDAC阻害剤、例えば、MGCDO103(N-(2-アミノフェニル)-4-((4-(ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)メチル)ベンズアミドとして知られる)、DNA挿入剤、 DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、DNA開裂剤、トポイソメラーゼ阻害剤、CDK阻害剤、JAK阻害剤、抗血管新生剤、Bcr-AbI阻害剤、HER2阻害剤、EGFR阻害剤、VEGFR阻害剤、PDGFR阻害剤、HGFR阻害剤、IGFR阻害剤、c-Kit阻害剤、Ras経路阻害剤、PI3K阻害剤、多標的キナーゼ阻害剤、mTOR阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、ソマトスタチン類似体、ERモジュレーター、抗チューブリン剤、ビンカアルカロイド、タキサン、HSP阻害剤、Smoothenedアンタゴニスト、テロメラーゼ阻害剤、COX-2阻害剤、抗転移剤、免疫抑制剤、生物学的薬剤(抗体等)、及びホルモン療法剤が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施態様においては、同時に投与される治療薬は、サリドマイド、レナリドミド、又はポマリドマイドである。同時に投与される薬剤は、例えば、経口的に、又は注射により投与することができる。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)の投与経路は、第二の治療薬の投与経路と無関係である。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は経口投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は静脈注射で投与される。これらの実施態様によれば、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、経口投与又は静脈注射により投与され、第二の治療薬は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮的、舌下、筋肉内、直腸、経頬、鼻腔内、リポソームにより、吸入により、経膣的、眼内、カテーテル又はステントによる局所送達、皮下、イントラアディポーサリー(intraadiposally)により、関節内、髄腔内、又は徐放剤形で投与される。一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)及び第二の治療薬は、同じ投与様式、例えば、経口又は静脈注射により投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1つの投与様式、例えば、静脈注射により投与されるが、第二の薬剤(例えば、抗癌剤)は他の投与様式、例えば経口投与により投与される。他の実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)は、1つの投与様式、例えば経口投与により投与されるが、第二の薬剤(例えば、抗癌剤)は他の投与様式、例えば静脈注射により投与される。
一実施態様においては、本明細書において提供される各方法は、独立して、第二の治療薬を投与する工程を更に含んでもよい。一実施態様においては、第二の治療薬は抗癌剤である。一実施態様においては、抗癌剤は、5-フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、高用量シタラビン、及びフルダラビンを含むが、これらに限定されない代謝拮抗物質である。一実施態様においては、抗癌剤は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)及びタキサン(例えば、パクリタクセル及びドセタキセル)を含むが、これらに限定されない抗微小管剤である。一実施態様においては、抗癌剤は、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、及びニトロソウレア(例えば、ヒドロキシウレア、及びビスクロロエチルニトロソウレア)を含むが、これらに限定されないアルキル化剤である。一実施態様においては、抗癌剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(JM-216)、及びCI-973を含むが、これらに限定されない白金剤である。一実施態様においては、抗癌剤は、ドキソルビシン(doxrubicin)及びダウノルビシンを含むが、これらに限定されないアントラサイクリンである。一実施態様においては、抗癌剤は、マイトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、及びダウノマイシン(ダウノルビシンとしても知られている)を含むが、これらに限定されない抗腫瘍抗生物質である。一実施態様においては、抗癌剤はトポイソメラーゼ阻害剤、例えば、エトポシド及びカンプトテシンである。一実施態様においては、抗癌剤は、アドリアマイシン、ブスルファン、シタラビン、シクロホスファミド、デキサメタゾン、フルダラビン、フルオロウラシル、ヒドロキシウレア、インターフェロン、オブリマーセン、白金誘導体、タキソール、トポテカン、及びビンクリスチンからなる群から選択される。
一実施態様においては、シチジン類似体(例えば、5-アザシチジン)と併用して用いることのできる他の療法又は抗癌剤には、手術、放射線療法(例えば、ガンマ−放射線、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、プロトン療法、近接照射療法、及び全身性放射性同位元素)、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法及び凍結療法、任意の有害な効果を弱める薬剤(例えば、鎮吐薬)、並びにアルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、及びイフォスファミド)、代謝拮抗物質(シタラビン、高用量シタラビン、及びメトトレキセート)、プリンアンタゴニスト及びピリミジンアンタゴニスト(6-メルカプトプリン、5-フルオロウラシル、シタラビン、及びゲムシタビン)、紡錘体阻害剤(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、及びパクリタクセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、及びトポテカン)、抗生物質(ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、及びマイトマイシン)、ニトロソウレア(カルムスチン及びロムスチン)、無機イオン(シスプラチン及びカルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、及びホルモン類(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、及びメゲストロール)、イマチニブ、アドリアマイシン、デキサメタゾン、及びシクロホスファミドを含むが、これらに限定されない、他の承認された化学療法剤が含まれる。追加の利用できる癌療法については、例えば、http://www.nci.nih.gov/を参照されたい;FDAに承認された腫瘍抑制剤(oncology drugs)のリストについては、例えば、http://www.fda.gov/,The Merck Manual,第18版 2006,及びPDR: 医師用卓上参考書(Physician Desk Reference)2010,第64版 2009を参照されたい; それぞれの内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
(5.4.3 生物マーカー)
特定の実施態様においては、病状における本明細書において提供される方法の効果を判定又は予測し、投与計画に関するガイダンスを提供するために、適切な生物マーカーを用いることができる。例えば、本明細書における特定の実施態様は、患者の核酸のメチル化の状態を評価することによって、NSCLCであると診断された患者が、シチジン類似体を含む医薬組成物による治療からの大きな効果を得る可能性が増大しているかどうかを判定するための方法が提供される。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザシチジンである。特定の実施態様においては、核酸はDNA又はRNAである。特定の実施態様においては、大きな利益は全体的な生存利益である。特定の実施態様においては、メチル化状態は、1種以上の遺伝子、例えば、NSCLCと関連する遺伝子において分析される。特定の実施態様は、基準DNAメチル化レベルが、5-アザシチジンで治療したNSCLCを患っている患者における、全体的な生存に影響を与えるかどうかを判定するための方法を含む。特定の実施態様は、遺伝子プロモーターのメチル化レベルが、NSCLCを患っている患者の全体的な生存に影響を与えるかどうかを判定するための方法を提供する。
一実施態様においては、本明細書において、患者における遺伝子発現プロフィールを評価することによって、NSCLCであると診断された患者が、シチジン類似体を含む医薬組成物による治療から大きな利益を得る可能性が増大しているかどうかを判定するための方法が提供される。一実施態様においては、本明細書において、1種以上の細胞周期マーカー、アポトーシスマーカー、及びDNA損傷マーカーを含む分子マーカーを評価することによって、NSCLCであると診断された患者が、シチジン類似体を含む医薬組成物による治療から大きな利益を得る可能性が増大しているかどうかを判定するための方法が提供される。一実施態様においては、本明細書においては、ヒストンH2AXのリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARPの開裂(アポトーシスのマーカー)を評価することによって、NSCLCであると診断された患者が、シチジン類似体を含む医薬組成物による治療から大きな利益を得る可能性が増大しているかどうかを判定するための方法が提供される。特定の実施態様においては、シチジン類似体は5-アザシチジンである。特定の実施態様においては、大きな利益は全体的な生存利益である。
(VI. 実施例)
(6.1 実施例1)
特定の細胞タイプのNSCLCの生存能力におけるアザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を判定するために試験を実施した。以下の6種の細胞系:A549(表1及び図1)、H1975(表2及び図2)、H23(表3及び図3)、H460(表4及び図4)、及びH1299(表5及び図5)を試験した。
特定のNSCLC細胞系(H460、H1299、A549、及びH1975)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection (ATCC; Manassas, VA))から購入した。H23 NSCLC細胞系は、国立がん研究所(National Cancer Institute (NCI; Bethesda, MD))から得た。細胞系は、ATCC及びNCIに推奨される、それぞれの培地内で培養した。AZAは、Celgene(Summit, NJ)のためにAptuit(Greenwich, CT)で製造されたが、DACはSigma- Aldrich(St. Louis, MO)から購入した。全ての実験において、細胞は、薬剤処理の24時間前に播種し、37℃/5%CO2でインキュベートした。細胞生存能力アッセイのため、H460、H1299、A549、H23、及びH1975細胞を、それぞれ、3重に、ウェルあたり200μLの培地を用い、96ウェルプレート内に、ウェルあたり1×1O3、1×1O3、1×1O3、4×1O3、及び4×1O3細胞になるように播種した。培地を薬剤含有培地と置換することにより、24時間毎に新鮮な薬剤を加えた。他の全てのアッセイために、24時間毎に新鮮な薬剤を培地に直接加え、ウェルあたり4mLの培地を用い、6ウェルプレート内に、ウェルあたり0.6〜1.2×105細胞になるように細胞を播種した。
6種全ての細胞系を、ある濃度範囲のAZA又はDACで72時間処理した。細胞生存能力は、CyQuantアッセイ(Life Technologies Corporation; Carlsbad, CA)を用いて評価した。蛍光は、分光光度計(Molecular Devices; Sunnyvale, CA)を用いて測定し、EC50値は、3回の独立した実験からの結果を用い、Prism(登録商標)バージョン5.01(GraphPad Software,Inc.; La Jolla, CA)により計算した。
6個のデータセットは、Prism(登録商標)を用い、生データからのEC50値の推定を表す。3つの独立した実験の標準偏差は、各薬剤濃度で測定した。いくつかの細胞系について、Prism(登録商標)は、DACについてのEC50を計算することができなかった。EC50が得られた、それらの曲線について、SE(標準誤差)が容認され(logEC50のSEは0.5未満であるべきである)、これは標準誤差がそれほど大きくなかったことを意味する。EC50についての95%信頼区間は測定誤差と考えられた。この点について、AZAのEC50についての95%信頼区間は、DACのものよりも厳しかった。AZA曲線はS字状の形状を有していたが、DAC曲線は理想的なものではなかった。AZAプロフィールは、高用量において細胞毒性を示したが、DACプロフィールは、高用量において細胞増殖抑制作用を示した。
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(6.2 実施例2)
種々のNSCLC細胞タイプにおける、2種の異なるアザシチジン類似体、アザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を区別するため、及びこれら2種のシチジン類似体の作用機構を試験するために、細胞周期分布の試験を実施した。これらの試験は、NIM-DAPI分析を用い、AZA又はDACで処理したNSCLC細胞の細胞周期分布を調べた。
細胞周期分布のため、NIM-DAPI試薬(Beckman Coulter, Inc.; Fullerton, CA)で細胞を染色した。初期−及び遅発性アポトーシス細胞集団の測定のため、アネキシンV-FITC及び7-AAD試薬(Beckman Coulter, Inc.)で細胞を染色した。製造業者の使用説明書に従って試料を処理し、Cell Lab Quanta MPLフローサイトメータ(Beckman Coulter,Inc.)により分析した。下記に示す各試験について、細胞を、特定時間、0.3μM、1μM、3μM、又は10μM濃度でAZA又はDACと処理した。コントロールとして、未処理細胞についてのデータも収集した。
1つの実験において、A549細胞をAZA又はDACで72時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。A549細胞においては、AZAはG2/M及びSub-G1期において細胞の蓄積を誘発したが、DACは、G2/M期において細胞の増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、A549細胞をAZA又はDACで48時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。A549細胞においては、AZAはG2/M及びSub-G1期において細胞の蓄積を誘発したが、DACは、G2/M期において細胞の増加を誘発した(48時間の処理)。
他の実験においては、A549細胞をAZA又はDACで72時間処理した。NIM DAPIの結果を図6に示す。A549細胞においては、AZAはG2/M及びSub-G1期において細胞の蓄積を誘発したが、DACは、G2/M期において細胞の増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで72時間処理した。NIM DAPIの結果を図6に示す。H1299細胞においては、AZA及びDACはG2/M及びSub-G1期において細胞の蓄積を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで48時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。H1299細胞においては、DACはG2/M期において細胞の蓄積を誘発した(48時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで72時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。H1299細胞においては、AZA及びDACはSub-G1期において細胞の蓄積を誘発したが、DACは、G2/M期において細胞の増加をももたらした(72時間の処理)。
他の実験においては、H1975細胞をAZA又はDACで72時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。H1975細胞においては、AZA処理は、G0/G1期において細胞の減少、並びにG2/M及びSub-G1期において細胞の蓄積を誘発した。DAC処理は、G2/M及びSub-G1期において、わずかな増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、H460細胞をAZA又はDACで30時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。H460細胞においては、AZA及びDACは、Sub-G1期において細胞の蓄積を誘発した(30時間の処理)。
他の実験においては、H460細胞をAZA又はDACで60時間処理した。NIM DAPIの結果を得た。H460細胞においては、AZA処理は、G0/G1期において細胞の減少を、それと共にSub-G1期において増加を誘発した。DAC処理は、Sub-G1期においてわずかな増加を誘発した(60時間の処理)。
(6.3 実施例3)
種々のNSCLC細胞タイプにおける、2種の異なるアザシチジン類似体、アザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を区別するため、及びこれら2種のシチジン類似体の作用機構を試験するために、アポトーシスの試験を実施した。これらの試験は、アネキシンV-FITC/7-AADを用い、AZA又はDACで処理したNSCLC細胞のアポトーシス効果を調べた。
細胞周期分布のため、NIM-DAPI試薬(Beckman Coulter, Inc.; Fullerton, CA)で細胞を染色した。初期−及び遅発性アポトーシス細胞集団の測定のため、アネキシンV-FITC及び7-AAD試薬(Beckman Coulter, Inc.)で細胞を染色した。製造業者の使用説明書に従って試料を処理し、Cell Lab Quanta MPLフローサイトメータ(Beckman Coulter,Inc.)により分析した。下記に示す各試験について、細胞を、特定時間、0.3μM、1μM、3μM、又は10μM濃度でAZA又はDACで処理した。コントロールとして、未処理細胞についてのデータも収集した。
1つの実験において、H460細胞をAZA又はDACで30時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。H460細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(30時間の処理)。
他の実験においては、H460細胞をAZA又はDACで30時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を図8に示す。H460細胞においては、AZA処理は初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、この細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(30時間の処理)。
他の実験においては、H460細胞をAZA又はDACで48時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。H460細胞においては、AZA処理は初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、この細胞集団において、いくらかの増加を誘発した(48時間の処理)。
他の実験においては、A549細胞をAZA又はDACで72時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を図7に示す。A549細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、A549細胞をAZA又はDACで48時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。A549細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(48時間の処理)。
他の実験においては、A549細胞をAZA又はDACで72時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。A549細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)細胞においてのみ、わずかな増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで72時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。H1299細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(72時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで48時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を得た。H1299細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(48時間の処理)。
他の実験においては、H1299細胞をAZA又はDACで72時間処理した。アネキシンV/7-AADの結果を図9に示す。H1299細胞においては、AZA処理は、初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理は、これらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発した(72時間の処理)。
これらの試験は、以下のことを示した:(1)A549細胞についてのNIM-DAPIの結果は、AZAがG2/M及びSub-Gl期において細胞の蓄積を誘発したが、DACはG2/Mにおいて細胞の増加を誘発したことを示した;(2)H1299細胞についてのNIM-DAPIの結果は、AZA及びDACがSub-Gl期において細胞の蓄積を示したが、DACがG2/M期において細胞の増加をももたらしたことを示唆した;(3)H460細胞についてのNIM-DAPIの結果は、AZA及びDACが、いずれもSub-Gl期において細胞の蓄積を誘発したことを示唆した;(4)アネキシンV-FITC/7-AADの結果は、AZA処理が初期アポトーシス(アネキシンV+7-AAD-)及び遅発性アポトーシス(アネキシンV+7-AAD+)細胞において劇的な増加を誘発したが、DAC処理がこれらの細胞集団において非常にわずかな増加を誘発したことを示唆した。
(6.4 実施例4)
種々のNSCLC細胞タイプにおける、2種の異なるアザシチジン類似体、アザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を試験するため、及びこれら2種のシチジン類似体の作用機構を試験するために、メチル化アッセイを実施した。これらの試験は、LINE-1メチル化アッセイを用い、AZA又はDACで処理したNSCLC細胞のメチル化効果を調べた。
製造業者の使用説明書に従い、DNeasy Blood 及びTissue Kit(Qiagen;Valencia,CA)を用い、細胞からゲノムDNAを精製した。NanoDrop 8000 分光光度計(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を用いてDNAの収量を定量した。LINE-1成分の亜硫酸水素塩変換及びパイロシークエンスのために、DNA(1μg/試料)をEpigenDx(Worcester,MA)に供した。すなわち、Zymo DNA Methylation Kit(Zymo Research;Orange,CA)を用いて、1μgのDNAを亜硫酸水素塩処理し、10μL容量で溶出した。DNA溶出液(1μL)をLINE-1遺伝子座に対するビオチニル化プライマーにより、PCRのために用い、PCR産物を一本鎖DNA鋳型に変換した。製造業者(Biotage;Kungsgatan,Sweden)の使用説明書に従い、パイロシークエンスPSQ96 HSシステム(Biotage AB)によりPCR産物(各10μL)の配列を決定した。各遺伝子座のメチル化状態は、QCpGソフトウェア(Biotage)を用い、T/C SNPとして個々に分析した。LINE-1メチル化の割合を、2重の試料における4個のCpG部位のメチル化の平均割合で表す。
A549細胞タイプの細胞を、AZA又はDACで48時間又は72時間処理した。H1299細胞タイプの細胞を、AZA又はDACで48時間又は72時間処理した。試験は、LINE-1メチル化アッセイで評価されるように、AZA及びDACが、いずれもA549細胞及びH1299細胞内でDNAの低メチル化を誘発したことを示した。低メチル化の程度は、48時間及び72時間の時間ポイントにおいて、AZA及びDACのいずれについても類似していると思われた。
これらの試験は、AZA及びDACが、いずれもA549及びH1299細胞においてDNAの低メチル化を誘発することを示した。
(6.5 実施例5)
種々のNSCLC細胞タイプにおける、2種の異なるアザシチジン類似体、アザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を区別するため、及びこれら2種のシチジン類似体の作用機構を試験するために、DNA損傷及びアポトーシス試験を実施した。これらの試験は、0.3 μM、1μM、3μM、又は10μMの濃度で、24時間、48時間、72時間、又は144時間、AZA又はDACで処理したNSCLC細胞のDNA損傷を、ヒストンH2AX(Ser139)リン酸化のためのアッセイを用いて調べた(図10〜12及び14)。これらの試験は、PARP開裂のためのアッセイを用いてアポトーシスをも調べた。試験を行った細胞は、H460、A549及びH1299細胞を含む。
タンパク質濃度のウェスタン分析のため、細胞をPBSで洗浄し、350mM NaCl及び0.1% SDSを含むRIPAバッファー(Cell Signaling Technology,Inc.;Danvers,MA)で溶解した。Digital Sonic Dismembrator(Thermo Fisher Scientific,Inc.;Waltham,MA)を用い、低振幅(20%)において、細胞溶解物を、5秒間の破砕2回で超音波処理した。タンパク質を、4〜12% Bis-Tris NuPAGEゲル(Life Technologies Corporation)により分離し、ニトロセルロース膜に転写した。Li-Cor Odyssey画像化システム(Li-Cor Biotechnology;Lincoln,NE)を用い、DNMTl、リン酸化-ヒストン-H2AX(Serl39)、総ヒストン-H2AX、開裂したPARP、p21、p53、及びアルファ−チューブリンを測定し、適切な一次及び二次抗体とインキュベーションした。リン酸化ヒストン-H2AX(Serl39)、開裂したPARP、及びp21抗体は、Cell Signaling Technology, Incから得た。p53及び総ヒストン-H2AX(C-20)抗体は、Santa Cruz Biotechnology, Inc. (Santa Cruz, CA)から得た。アルファ−チューブリン及びDNMTl抗体は、それぞれ、EMD Chemicals,Inc.(Gibbstown,NJ)、及びAbcam,Inc.(Cambridge, MA)から得た。ヤギ抗ウサギIRDye680ヤギ抗マウスIRDye 800CW、及びロバ抗ヤギIRDye 800CW二次抗体は、Li-Cor Biotechnologyから得た。
(A549細胞):AZAは、A549細胞内で、ヒストンH2AXリン酸化(DNA損傷のマーカー)及びPARP開裂(アポトーシスのマーカー)を誘発したが、DACは誘発しなかった。AZAは、時間とともに、より強力にこれらのマーカーを誘発したと思われる。DACは、これらのマーカーについてなんら影響を与えなかったが、DNMT1枯渇を引き起こし、p21及びp53の発現を誘発することができたので、DACは不活性ではなかった。結果を図10に示す。
(H460細胞): AZAは、H460細胞内で、ヒストンH2AXリン酸化及びPARP開裂を誘発したが、DACは誘発しなかった。AZAは、1μMを超える濃度でこれらのマーカーに影響を与えた(これらの細胞内でのAZAのEC50は1.237μMであった)。DACは、これらのマーカーについてなんら影響を与えなかったが、DNMT1枯渇を引き起こし、p21及びp53の発現を誘発することができたので(濃度依存的な様式で)、DACは不活性ではなかった。結果を図11に示す。
(H1299細胞): AZAは、処理後3日以内に、H1299細胞内で、ヒストンH2AXリン酸化及びPARP開裂を誘発したが、DACは誘発しなかった。AZAは、3μMを超える濃度でこれらのマーカーに影響を与えた(これらの細胞内でのAZAのEC50は5.1μMであった)。DACは、これらのマーカーについてなんら影響を与えなかったが、これらの細胞内でDNMT1枯渇を引き起こすことができたので、DACは不活性ではなかったと思われる。p53はH1299細胞内に存在しないので、p53については試験をしなかった:それに応じて、p21の調整は観察されなかった。結果を図12に示す。
これらの試験は以下のことを示した:(1)AZAは、72時間の時間ポイント以内に、H460、A549、及びH1299細胞内でヒストンH2AXリン酸化を誘発したが、DACは誘発しなかった(DACは、H1299細胞内で、6日目にヒストンH2AXリン酸化を誘発した);(2)AZAは、H460、A549、及びH1299細胞内でPARP開裂を誘発したが、DACは誘発しなかった:(3)AZAは、DACよりも低濃度で、DNA損傷及び細胞死マーカーを誘発した。
(6.6 実施例6)
種々のNSCLC細胞タイプにおける、2種の異なるアザシチジン類似体、アザシチジン(AZA)及びデシタビン(DAC)の効果を区別するため、及びこれら2種のシチジン類似体の作用機構を試験するために、NSCLC細胞内の遺伝子発現を分析した。これらの試験は、AZA又はDACで処理したNSCLC細胞内における遺伝子発現の影響を調べた。
TRIzol試薬(Life Technologies Corporation)を用いて細胞を溶解し、miRNeasy(Qiagen)を用いて全RNAを分離した。Ambion社のMessageAmp Premier RNA増幅キット(ABI;Foster City, CA)を用い、100ngの全RNAを用い、二重鎖cDNA及びビオチン標識cRNAを合成した。ビオチン標識cRNAを、10μgで断片化し、それぞれのヒトU133A 2.0遺伝子チップ(Affymetrix;Santa Clara,CA)とハイブリダイズさせた。正規化のため、GC-RMAアルゴリズムを用い、GeneSpring 7.3(Agilent;Santa Clara,CA)を用いて全ての分析を実施した。生物学的重複試料からの平均的シグナルは、調節遺伝子を定義する、絶対的な≧1.7のフォールドチェンジを用い、フォールドチェンジ(fold change)(処理対未処理)を決定するために用いられた。NextBioは、調節遺伝子のリストからの調節遺伝子オントロジーバイオグループを識別するために用いられた。上位15個のバイオグループは、NextBio内で計算した、最も低いp-値を有するものである。
A549及びH1299細胞を、ある濃度範囲(0.3〜3μM)のAZA又はDACで48時間処理し、遺伝子発現の影響を、マイクロアレイ分析により評価した。AZA又はDACにより調節される遺伝子の総数、並びに各薬剤により調節される遺伝子の重複を表7に示す。低い薬剤濃度(0.3μM)においては、AZA及びDACは、遺伝子をわずかに調節し、DACは、AZAよりも4〜20倍多く、遺伝子を調節した。高い薬剤濃度(1及び3μM)においては、より多くの遺伝子が調節され、AZAはDACよりも2〜5倍多く、遺伝子を調節した。2種の薬剤間で共通に調節される遺伝子の数は低かった。
調節遺伝子の官能基は、Nextbio(http://www.nextbio.com/)における、遺伝子オントロジー分類を用いて決定された。AZA及びDACは、A549及びH1229細胞内で非常に異なるバイオグループを制御し、各薬剤(3μMの)により制御される、上位15のバイオグループを表8〜9に示す。A549細胞のAZA処理は、「DNA損傷刺激/DNA修復に対する応答」バイオグループ内における、遺伝子の一般的上方制御を引き起こす(図13)。これらの結果は、これらの細胞内における、AZAによるdsDNA損傷マーカー(ヒストン-H2AX(Ser139)リン酸化)の誘発と一致した(実施例5)。これに対し、A549のDAC処理は、このバイオグループ内で、遺伝子の一般的下方制御を引き起こした。まとめると、これらの結果は、AZA及びDACが、細胞内部で異なる分子経路を制御し、他の細胞アッセイにおいて観察される細胞生物学に影響することを示した。
Figure 2012517427
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(6.7 実施例7)
実施例5に示すように、AZAによる48時間の処理は、A549、H460、及びH1299細胞において、二重鎖DNA損傷(ヒストン-H2AXリン酸化)を誘発したが、DACは誘発しなかった(図10〜12)。AZA及びDACで処理したNSCLC細胞系のDNA損傷応答を、より明確にするために、NSCLC細胞系を、AZA又はDACで長時間処理した。
A549及びH1299細胞を、ある濃度範囲のAZA又はDACで6日間処理し、3日及び6日目に、溶解物を収集した。両方の細胞系における3日の時間ポイントにおいて、結果は、24及び48時間の時間ポイントにおける結果と類似しており;AZAは、ヒストン-H2AXリン酸化及びPARP開裂を誘発したが、DACは誘発しなかった(図14)。A549細胞においては、DACによる処理の6日後でさえ、ヒストン-H2AXリン酸化及びPARP開裂の誘発はなかった。H1299細胞においては、DACは、処理の3日後にヒストン-H2AXリン酸化を誘発せず、DACは、処理の6日後にヒストン-H2AXリン酸化を強く誘発した。従って、H1299細胞においては、AZAは早い時間ポイントにおいて二重鎖DNA損傷を誘発したが、DACは遅い時間ポイントにおいて二重鎖DNA損傷を誘発した。DAC処理の6日後に、H1299細胞においてはヒストン-H2AXリン酸化を強く誘発したが、DACは、この時間ポイントにおいては、これらの細胞内でPARP開裂を有意に誘発しなかった。
(6.8 実施例8)
細胞生存能力アッセイにおいて、DACと比較してAZAに対するNSCLC細胞系の異なる感受性が、各薬剤のDNAへの取り込みにおける相違に反映しているかどうかを判定するため、DNMT1タンパク質枯渇及びDNA低メチル化を、薬剤のDNAへの取り込みの間接的測定として評価した。A549、H460、及びH1229 NSCLC細胞系を、ある濃度範囲のAZA又はDACで20時間処理した。DNMT1タンパク質濃度は、AZA及びDACの両者により有意に減少した(図15)。DNMT1濃度の濃度依存的減少は、DACで処理したA549細胞を除いて全てのケースで観察され、最も低濃度(0.05μM)で最大の減少が観察された。A549及びH1299細胞において、DNMT1濃度の減少についてDACはAZAよりも強力であった。H460細胞においては、DNMT1濃度の減少について、AZA及びDACは等しい力を有していた(図15)。減少したDNMT1濃度は、早ければ薬剤処理の4時間後に、これらの細胞系内で検出された(図17)。AZA及びDACは、H23細胞系において、DNMT1の時間及び濃度依存的な枯渇をも引き起こした。
AZA及びDACがDNA低メチル化を引き起こすかどうかを判定するため、ある濃度範囲のAZA及びDACで48時間(図16)又は72時間(図18)処理したA549及びH1299細胞内におけるLINE-1成分のメチル化状態を調べた。AZA及びDACは、いずれもLINE-1メチル化の減少を引き起こした。DACは、AZAよりも3〜10倍強力であった。最大の低メチル化は、0.3〜1μMの濃度のAZA、及び0.1μMの濃度のDACで観察された。試験を行った最も高い薬剤濃度(3μM)においては、おそらく、細胞増殖の阻害の結果としての薬剤の取り込みの減少のため、LINE-1メチル化は影響が少なかった。
これらの結果は、DNAに取り込まれたAZA及びDACがDNMT1枯渇及びDNA低メチル化を誘発することを示唆した。細胞生存能力アッセイにおいてDACにより比較的影響されなかった、DAC処理細胞において、これらのDNAが介在する事象が起こった。従って、細胞生存能力アッセイにおいてDACに対して感受性のないことは、薬剤活性化及びDNA取り込みのないことの結果として考えることはできない。これらの発見は、DNA低メチル化に加え、又はそれ以外の機構が、AZAが介在するNSCLC細胞生存能力の低下にとって重要であることを示した。
(6.9 実施例9)
シチジン類似体、例えば、5-アザシチジンの、NSCLCを患っている患者を治療する能力(例えば、NSCLCを患っている患者における、特定の細胞タイプのNSCLCの成長を停止又は逆転させる能力を含む)を評価するために臨床試験を実施する。特定の臨床試験においては、5-アザシチジンの投与前に、特定の細胞タイプのNSCLC、例えば、A549、H1975、H23、H460、及びH1299についての試験が患者に行われる。このような試験においては、5-アザシチジンの投与から選択的に利益を得ることが知られている細胞タイプを有する患者が登録される。他の臨床試験においては、特定のNSCLC細胞タイプの分析をしていない、NSCLCを患っている患者が登録される。このような試験においては、任意のNSCLC細胞タイプを患っている患者は、5-アザシチジンを用いる治療の候補者である。
特定の臨床試験においては、任意の3つの主なNSCLC群、すなわち、(1)外科的に切除可能な腫瘍を患っている患者;(2)局所又は局部的に進行する肺癌を患っている患者;又は(3)診断時に遠隔転移を伴う患者のいずれか由来の患者を登録してもよい。このような試験においては、患者は、例えば、手術、化学療法、免疫療法、標的療法、及び放射線療法を含む、1種以上の追加のNSCLCのための治療法を現在受けていてもよい。
臨床試験において投与されるアザシチジンの量は、例えば、特に、患者のNSCLCの状態及び進行、患者の年齢及び体重、患者の以前の治療計画、並びに当該技術分野において公知の他の変数を含む、患者の個性に依存する。最初の治療周期についての潜在的な出発投与量は、1日に約75mg/m2を7日間、皮下(SC)注射又は静脈(IV)輸液により投与することができる。周期は、数週間おきに繰り返してもよい。特定の回数の周期の後、薬効が現れず、吐き気及び嘔吐以外の毒性が現れない場合、投与量を100mg/m2に増やしてもよい。少なくとも4〜6回の周期で、患者を治療することができる。完全な、又は部分的反応は、追加の治療周期を必要とするかもしれない。患者が利益を得続ける限りは治療を続けてもよい。
前記明細書に引用及び/又は開示された、全ての出版物及び特許は、引用により本明細書中に組み込まれる。本明細書の開示は、特定の実施態様及び実施例と関連して記載したが、特に明記しない限り、請求項に記載された発明が、このような特定の実施態様及び実施例に過度に限定されるべきではない。

Claims (47)

  1. 5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物を被験者に投与することにより、非小細胞肺癌を患っている被験者を治療する方法。
  2. 前記5-アザシチジン、又はその医薬として許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を経口的に投与する、請求項1記載の方法。
  3. 前記5-アザシチジン、又はその医薬として許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を非経口的に投与する、請求項1記載の方法。
  4. 前記5-アザシチジン、又はその医薬として許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を局所に投与する、請求項1記載の方法。
  5. 前記5-アザシチジンが、約500mg/m以下の1日投与量をもたらすのに十分な量で存在する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物を含む医薬組成物を被験者に投与することにより、非小細胞肺癌を患っている被験者を治療する方法。
  7. 前記医薬組成物を経口的に投与する、請求項6記載の方法。
  8. 前記医薬組成物を非経口的に投与する、請求項6記載の方法。
  9. 前記医薬組成物を局所に投与する、請求項6記載の方法。
  10. 前記医薬組成物が、約500mg/m以下の1日投与量をもたらすのに十分な量の5-アザシチジンを含む、請求項6〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 追加の癌治療薬を被験者に投与することを更に含む、請求項1又は6記載の方法。
  12. 前記被験者がヒトである、請求項1又は6記載の方法。
  13. 前記非小細胞肺癌が、ある種の非小細胞肺癌細胞タイプを含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
  14. 前記細胞タイプがA549である、請求項13記載の方法。
  15. 前記細胞タイプがH1975である、請求項13記載の方法。
  16. 前記細胞タイプがH23である、請求項13記載の方法。
  17. 前記細胞タイプがH460である、請求項13記載の方法。
  18. 前記細胞タイプがH1299である、請求項13記載の方法。
  19. 被験者における非小細胞肺癌の細胞タイプの存在を特定し、5-アザシチジンを被験者に投与することを含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
  20. 前記細胞タイプがA549である、請求項19記載の方法。
  21. 前記細胞タイプがH1975である、請求項19記載の方法。
  22. 前記細胞タイプがH23である、請求項19記載の方法。
  23. 前記細胞タイプがH460である、請求項19記載の方法。
  24. 前記細胞タイプがH1299である、請求項19記載の方法。
  25. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンに対して感受性である細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  26. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがヒストンH2AXのリン酸化を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  27. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがDNAの損傷を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  28. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがPARPの開裂を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  29. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンが細胞死を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  30. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがアネキシンV染色に陽性である細胞を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  31. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがsub-G1期において細胞の蓄積を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  32. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンが差次的遺伝子発現を誘発する細胞タイプを含む、請求項1〜13及び19のいずれか1項記載の方法。
  33. 5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物を含む医薬組成物を含む、非小細胞肺癌治療用キット。
  34. 前記医薬組成物が少なくとも1種の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を更に含む、請求項33記載のキット。
  35. 癌治療薬を含む第二の医薬組成物を更に含む、請求項33記載のキット。
  36. 非小細胞肺癌の治療、予防又は管理のための薬剤の製造における、5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物の使用。
  37. 非小細胞肺癌の治療、予防又は管理のための薬剤の製造における、5-アザシチジン、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは水和物を含む医薬組成物の使用。
  38. 前記非小細胞肺癌が、ある種の非小細胞肺癌細胞タイプを含む、請求項36又は37の使用。
  39. 前記非小細胞肺癌の細胞タイプが、A549、H1975、H23、H460及びH1299から選択される、請求項38記載の使用。
  40. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンに感受性である細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  41. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがヒストン52AXのリン酸化を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  42. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがDNAの損傷を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  43. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがPARPの開裂を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  44. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンが細胞死を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  45. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがアネキシンV染色に陽性である細胞を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  46. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンがsub-G1期において細胞の蓄積を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
  47. 前記非小細胞肺癌が、5-アザシチジンが差次的遺伝子発現を誘発する細胞タイプを含む、請求項36〜39のいずれか1項記載の使用。
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