JP2012516935A - 過酸化物開始剤を注入するための低密度ポリエチレン(ldpe)用管型反応器 - Google Patents

過酸化物開始剤を注入するための低密度ポリエチレン(ldpe)用管型反応器 Download PDF

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Abstract

開始剤をプロセス流体と混合するための開始剤注入ノズルであって、プロセス流体を受ける入口ポート、出口ポート、および開始剤を受けるインジェクター入口を備える本体と、プロセス流体が入口ポートと出口ポートとの間をプロセス流中心軸に沿って通るプロセス流れ流路であって、縮径部分、絞り、および拡径部分をこの順番でさらに備えるプロセス流れ流路と、開始剤がインジェクター入口とインジェクター出口との間をインジェクター中心垂直軸に沿って通る開始剤流れ流路であって、縮径部分でプロセス流れ流路と交わる、開始剤流れ流路と、開始剤流れ流路を少なくとも部分的に含み、開始剤流れ流路のインジェクター出口を形成するインジェクター成形端をさらに備える、スタイラスとを含む、開始剤注入ノズルが開示される。

Description

本発明は、ある流体を別の流体に高温および高圧で注入するのに有用な装置、ならびに少なくとも1つのこうした装置を組み込んだシステムに関する。より詳細には、本発明は、エチレンおよび任意選択で1つまたは複数のコモノマーを含むプロセス流体に有機過酸化物を注入して、フリーラジカル重合したエチレン系ポリマー生成物を形成するのに有用な装置に関する。
管型反応器を使用して、エチレンおよび任意選択で1つまたは複数のコモノマーから、低密度ポリエチレン(LDPE)などの低密度のエチレン系ポリマーを形成する方法が、当技術分野でよく知られている。全体のプロセスは、プロセス流体を収容する管型反応器におけるフリーラジカル重合であり、そのプロセス流体の一部はエチレンから構成されており、そのエチレンが高温発熱反応でエチレン系のポリマーに転化される。反応は、高い作動圧力(約1000バールから4000バール)下で、乱流のプロセス流体の流れの条件において、約160℃から約360℃の最高温度で起きる。反応開始温度、またはポリマーへのモノマー(および任意選択でコモノマー)の転化が開始される(または管型反応器に沿って複数の反応点がある場合には再度開始される)温度は、約120℃から約240℃である。管型反応器の場合の典型的なシングルパス転化値は約20から約40パーセントにある。
管型反応器中の少なくとも1つの反応域に開始剤を注入することによって、反応が開始する(再開する)。開始剤は、プロセス流体と混合され、熱(通常は潜熱、プロセス流体は、典型的には、すでに適切な反応温度である)の存在下で、開始剤はフリーラジカルの分解生成物を形成する。分解生成物は、エチレン(および任意選択のコモノマー)とのフリーラジカル重合反応を始めて、生成したエチレン系ポリマーが形成される。
反応は、反応域に多くの熱を生成する。適切に冷却されないと、プロセス流体(この時、生成するエチレン系ポリマーを含んでおり、熱を吸収および保持する)の断熱的な温度上昇により、最後には好ましくない、場合によっては制御できない反応になる。こうした望ましくない反応には、エチレン分解(炭素、メタン、アセチレン、およびエタンなどの生成物を形成する)、高分子量の重合鎖の形成、ならびに分子量分布を広げるおそれのある化合および架橋による停止が含まれることがある。こうした望ましくない反応の結果は、生成物の質がばらつくことや、統一性の問題から、反応システムの停止、通気、および洗浄にまで及ぶ。
望ましくない反応は、プロセス流体中の開始剤の不適切な分布があるときにも起きる場合がある。通常のプロセス作動条件の下で、開始剤は、プロセス流体に注入された後で、すぐに分解してフリーラジカルの生成物になる。プロセス流体中への開始剤の分散により、多くの場合、プロセス流体の流れの中に高濃度の開始剤が局在化したゾーンが生じる。このように開始剤が局在化したゾーンは、プロセス流体のアンバランスな反応プロフィルを促進する。開始剤が局在化したゾーンの近くでは重合および熱の生成量が多く、それ以外のゾーンでは少ない。
このようにアンバランスな反応プロフィルにより、開始剤の注入位置の近くに高分子量の材料が蓄積するなど、プロセスに関係した問題が生じる場合があり、これは、注入ポートまたはプロセス流体の流れチャネルを詰まらせるおそれがある。注入位置の近くまたは管型反応器の壁に沿って高分子量の材料の蓄積を起こすおそれもあり、その結果、高分子量の材料が時々「はがれる」。上記で言及したように、エチレン分解を起こすおそれもある。非常に高い濃度のフレッシュ開始剤が(温度が上昇している)反応セクションの管型反応器の壁に接触する場合、その開始剤は、分解し、すぐに反応して、局在化した反応の「ホットスポット」を開始し、全面的なシステム全体にわたって分解を伝播させることがある。
様々なノズル構成および他のシステムを変更することによって、プロセス流体の流れに注入する材料の混合を向上させる様々な試みが行われている。英国特許第1,569,518号(Kitaら)には、乱流を作り出すために機械式の制限、すなわちスタティックインラインミキサを用いることが記載されている。米国特許第3,405,115号(Schapertら)には、多孔分散管と同様のものが記載されており、その多孔分散管では、ガスの流れが分配され、一方の流れには触媒が注入され、それらのガスの流れは再度一緒になる。PCT特許公報第WO2005/065818号(Hemら)には、非円形の管型反応器のプロフィルが記載されている。米国特許第6,677,408号(Mahlingら)には、開始剤注入位置の上流に逆回転する2つのガスの流れを生成するのに使用される、インラインブレードを有するドッグボーン状にくびれた部分が記載されている。米国特許第6,951,908号(Groosら)は、開始剤を反応システム中に導入する「スワール要素」を有している。欧州公開出願第0449092号(Koehlerら)には、一般的な注入ノズルが記載されている。
本発明の一実施形態では、開始剤をプロセス流体と混合するための開始剤注入ノズルが、プロセス流体を受ける入口ポート、出口ポートおよび開始剤を受けるインジェクター入口をさらに備える本体と、入口ポートと出口ポートとの間をプロセス流中心軸に沿ってプロセス流体が通るプロセス流れ流路であって、縮径部分、絞りおよび拡径部分をこの順番でさらに備えるプロセス流れ流路と、インジェクター入口とインジェクター出口との間をインジェクター中心垂直軸に沿って開始剤が通る開始剤流れ流路であって、縮径部分でプロセス流れ流路と交っている開始剤流れ流路と、開始剤流れ流路を少なくとも部分的に含み、開始剤流れ流路のインジェクター出口を形成するインジェクター成形端をさらに備えるスタイラスとを含むことができ、インジェクター出口が、プロセス流れ流路の縮径部分中であって、プロセス流中心軸に沿って定める場合に水平オフセット分だけ絞りの上流に配置され、インジェクター出口が、インジェクター中心垂直軸に沿って定める場合に垂直オフセット分だけプロセス流中心軸から離れて配置される。
本発明の他の実施形態では、水平オフセットと垂直オフセットの比は、約1.0から約10である。他の実施形態では、絞りの半径から垂直オフセットを引いたものと絞りの半径の比は、約0.45から約0.90である。他の実施形態では、拡径部分の角度は約23から約48度である。他の実施形態では、拡径部分の角度と縮径部分の角度の比は約1.0から約3.0である。
本発明の他の実施形態では、インジェクター成形端はニードル様形状を備える。他のいくつかの実施形態では、インジェクター成形端は正方形のニードル様形状を備える。他のいくつかの実施形態では、インジェクター成形端は、丸形状またはドーム様形状を備える。他のいくつかの実施形態では、インジェクター成形端が含まれる。他のいくつかの実施形態では、インジェクター成形端はベベル状である。
本発明の一実施形態では、プロセス流体を収容する管状反応システムは、エチレンをプロセス流体中に供給する少なくとも1つのフレッシュ供給源と、少なくとも1つのフレッシュ供給源およびリサイクルコンジットの両方と流体連絡している、プロセス流体を反応条件まで加圧する1次コンプレッサと、1次コンプレッサと流体連絡している、プロセス流体内のエチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーの一部を低密度エチレン系ポリマーおよびエチレン残余部に転化させるための管型反応器と、管型反応器と流体連絡している、低密度のエチレン系ポリマーをエチレン残余部から分離する高圧セパレータと、高圧セパレータと流体連絡しているエチレン残余部を1次コンプレッサに運ぶためのリサイクルコンジットとを含み、この改良形態は、開始剤を収容する開始剤供給源およびプロセス流体と流体連絡している少なくとも1つの開始剤注入ノズルをさらに備える管型反応器を含み、少なくとも1つの開始剤注入ノズルは、プロセス流体を受ける入口ポート、出口ポートおよび開始剤を受けるインジェクター入口をさらに備える本体を含み、少なくとも1つの開始剤注入ノズルはさらに、入口ポートと出口ポートとの間をプロセス流中心軸に沿ってプロセス流体が通るプロセス流れ流路であって、縮径部分、絞りおよび拡径部分をこの順番でさらに備えるプロセス流れ流路を含み、少なくとも1つの開始剤注入ノズルはさらに、インジェクター入口とインジェクター出口との間をインジェクター中心垂直軸に沿って開始剤が通る開始剤流れ流路であって、縮径部分でプロセス流れ流路と交わっている開始剤流れ流路を含み、少なくとも1つの開始剤注入ノズルがさらに、開始剤流れ流路を少なくとも部分的に含むスタイラスであって、開始剤流れ流路のインジェクター出口を形成するインジェクター成形端をさらに備えるスタイラスを含み、インジェクター出口は、プロセス流れ流路の縮径部分中であって、プロセス流中心軸に沿って定める場合に水平オフセット分だけ絞りの上流に配置され、インジェクター中心垂直軸に沿って定めると垂直オフセット分だけプロセス流中心軸から離れて配置される。
前述の発明の概要ならびに以下の詳細な説明は、添付の図と併せて読むとより良く理解されるであろう。しかしながら、本発明は示されるとおりの厳密な配置および手段には限定されないことを理解されるべきである。図面中の構成要素は、必ずしも縮尺が正確ではなく、その代わりに、本発明の原理を明確に例示すことに重点を置いている。さらに、図面中、同様の参照番号は、いくつかの図にわたって対応する部品を指す。
図1(a)から図1(d)は、実施形態の開始剤注入ノズルのレンズ付T字形部分(lens tee portion)100の(a)正面概略図、(b)側面概略図、(c)軸方向断面概略図、および(d)軸方向断面の拡大した部分の概略図である。 図2(a)および図2(b)は、(a)インジェクター部分200または一実施形態の開始剤注入ノズルの部分断面を含む側面概略図、(b)一実施形態の開始剤注入ノズルのレンズ付T字形部分100の軸方向断面に結合されたインジェクター部分200の側面概略図である。図2(c)、図2(d)、図2(e)および図2(f)は、(c)ニードル様の形状、(d)正方形のニードル様の形状、(e)丸いまたはドーム様の形状、および(f)ベベル状を含む、様々なインジェクター成形端221の概略図である。 図3は、少なくとも1つの実施形態の開始剤注入ノズルを備える一実施形態の管型反応システム300の図である。 図4は、0.25MIエチレン系ポリマーの生成において、第1の開始剤注入ノズルに実施例および比較実施例の開始剤注入ノズルを使用する、対応する条件下での類似のシステムに関する、第1の開始剤注入ノズルから第2の開始剤注入ノズルまでの距離に対する温度のグラフである。 図5は、2.3MIエチレン系ポリマーの生成において、第1の開始剤注入ノズルに実施例および比較実施例の開始剤注入ノズルを使用する、対応する条件下での類似のシステムに関する、第1の開始剤注入ノズルから第2の開始剤注入ノズルまでの距離に対するシステム温度のグラフである。
実施形態の開始剤注入ノズルの他の態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
以下の説明は、開示する本発明を当業者が添付の特許請求の範囲内で作製および使用できるように提示されている。説明する概略的な原理は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、以下で詳細に説明するもの以外の実施形態および適用例に適用することができる。本発明は、提示する実施形態に限定されるものではないが、開示する原理および特徴と整合性のある最も広い範囲と一致するものである。
従来技術の参考文献はいずれも、開始剤の混合を最大にするために開始剤注入位置のすぐ下流に乱流の混合ゾーンを設けるノズルの使用を示していない。従来技術の参考文献はいずれも、乱流混合ゾーンに入る際にプロセス流体の流れ中への開始剤の分散を確実に最大にするように、プロセス流体の流れの中心に対する開始剤注入位置の位置決めを最適化していない。
一実施形態の開始剤注入ノズルは、ベンチュリタイプの形状のプロセス流体の流れチャネルを使用して、プロセス流体中での極めて速い開始剤の分散をもたらすのを助ける。さらに、プロセス流体の流れチャネルの縮径部分および拡径部分は、プロセス流体を圧縮し、次いでプロセス流体の拡径によって非常に乱れた伴流を生み出すことで、開始剤の注入領域を通してプロセス流体を速く動かすように設計される。その実施形態の開始剤注入ノズルはいずれも、プロセス流体の流れに抵抗または乱流を生み出す機械式の制限もデバイスも使用しない。プロセス流体の流れの中に機械式の制限があると、抵抗が生じ、その抵抗により高分子量のポリマーの形成が可能になる。高分子量のポリマーは、比較的高濃度の開始剤および高い温度を含む、プロセス流体の低流量の領域において形成する。絞りの上流の縮径部分および絞りの下流の拡径部分は、好ましくは、可能な限り流れの制限を最小にしながら、プロセス流体への開始剤の混合能力を維持するように最適化される。
管の壁とプロセス流体との間など、管型反応器の内側の固体−流体境界面では、表面の摩擦または抵抗によりプロセス流体の速度はプロセス流体の平均速度と比べて比較的低速であると考えられている。抵抗はまた、注入管または注入ポートなど、インラインの物体によって生じることがあり、その結果、流体の流れがアンバランスになる。Vliet, E. van, Derkesen, J.J.およびvan den Akker, H.E.A.,「Turbulent Mixing in a Tubular Reactor: Assessment of an FDF/LES Approach」AICHE JOURNAL、725〜39、Vol.51、No.3(2005年3月)参照。管壁付近またはインラインの物体の後ろでプロセス流体が低速であると、壁または物体の表面の付近に境界層が形成される。こうした境界層では、プロセス流体の流れが層状(非乱流)になり、典型的には粘性底層と称される。粘性底層内では、流体はゆっくり動き、うまく混合されない(非乱流である)ので、モノマーおよび新規に形成されたポリマー鎖が、反応器により長い滞留時間に晒され、これは高いプロセス反応温度および化学開始剤にさらに晒されることを意味する。反応器の滞留時間が長いと、この粘性底層に高分子量の重合鎖を形成する可能性が高くなる。プロセス流体の平均速度が速い場合または乱流の導入によって、管壁またはインラインの物体の付近の境界層がより小さくなりより速く動くかまたは乱流によって妨害されるので、粘性底層への高粘性の高分子量のポリマー鎖の蓄積を最小限に抑えることができる。McCabe, Warren Lら、Unit Operations of Chemical Engineering、56〜58、McGraw−Hill, Inc.(第5版、1993年)参照。
収束されたプロセス流体が拡大することによって生じる乱流は、混合ゾーンの管壁付近における層状の流れの層を抑制する。これは、管型反応器のうちの最も相対濃度の高い開始剤が存在する領域では非常に好ましいことが判明している。実施形態の開始剤注入ノズルによって生み出される乱流は、不適切な混合によって望ましくない化学反応が起きる可能性を大幅に低下させる。
従来技術の開始剤インジェクターでは、開始剤が単純にノズルの壁の孔を通ってプロセス流体中に通じるか、開始剤ノズルがプロセス流体の流れの中に十分遠くまで突出しないか、またはノズル自体が下流のプロセス流体への開始剤の混合に影響を及ぼす過度な抵抗を生み出す場合に、プロセス流体中の開始剤の分布が不均一になる。通常のプロセス条件で開始剤の分布が不均一かつ不正確であると、エチレン転化効率が予想を下回り、結果として生じるポリマーの分子量分布が広くなり、高分子量のポリマーが過度に形成されてシステムに付着物を生じ、さらに、暴走反応および分解によってプロセスが失敗することがある。
実施形態の開始剤注入ノズルは、開始剤をプロセス流体に注入するためにプロセス流に突出するインジェクター成形端を備えるインジェクター管を有する。好ましくは、実施形態の開始剤注入ノズルでは、インジェクター成形端がプロセス流体の流れチャネルの縮径部分において絞りの上流に配置される。やはり好ましくは、インジェクター管は、開始剤が縮径部分の壁と相互作用しないように、インジェクター成形端が縮径部分の壁から十分遠くに離れるように、また、プロセスに注入された開始剤が排出時にプロセス流体の流れの中心に最も近いが、インジェクター管下流の伴流がプロセス流体の流れの方向に重大な影響を与えないように、プロセス流体の流れの中でそれほど遠くないように、プロセス流体の流れチャネルに延びる。インジェクター成形端がプロセス流体の流れの中心に接近しているが、その中心上でもなくそれを越えることもないように、かつインジェクター管がプロセス流体が絞りに近づくにつれてプロセス流体への抵抗の影響を補償するのに十分遠く離れているが、開始剤が乱流の混合ゾーンで反応する前に分解してフリーラジカル重合反応を開始できるように遠く離れていない絞りの上流にあるように、インジェクター管をプロセス流体の流れ中に十分遠くに延ばすことによって、これらの競合する事柄の間でバランスをとることができると判明している。インジェクター管の好ましい位置は、プロセス流体の流れの軸に沿って、縮径部分において正の距離だけベンチュリノズルの絞りから上流にあり、インジェクター成形端がプロセス流体の流れに最も近いが、プロセス流体の流れの中心でもなく、その中心を越えることもない位置である。
実施形態の開始剤注入ノズルによる構造の複合的な影響により、プロセス流体が絞られるにつれて、開始剤はプロセス流体の流れの中心の最も近くに注入される。開始剤を有するプロセス流体が絞りを横切るときに、開始剤は、流れの中心に集中し、注入ノズルの壁から離れている。プロセス流体が拡径部で拡がるにつれて、流れの中心の開始剤の濃度は、乱流の流れの領域内ですべての方向に分配される。
開始剤注入ノズルを使用した、プロセス流体中の開始剤の乱流による混合および速い分散は、従来技術には見られないいくつかのポジティブな利点を有する。高濃度の開始剤の付近で層状のゾーンを最小限に抑えることによって、高分子量のポリマー鎖の形成が制限される。高分子量のポリマー鎖から作られるポリマーの孤立した層の形成を最小限に抑えると、全体の熱伝達効率が改善される。高分子量のポリマー鎖は、プロセスを「プレートアウト(plate out)」し、反応域近くの管型反応器またはプロセスベッセルの内側を被覆する傾向がある。LDPEなどのエチレン系ポリマーは非常に良い断熱材である。高分子量エチレン系ポリマーの内部内張りが管型反応器またはプロセスベッセルに形成されると、熱を除去する能力が低くなる(その結果、断熱的なプロセス温度が高くなる)か、または反応器に亘った温度差(温度差は「デルタT」または「ΔT」としても知られている)を高くする(すなわち、入口冷却温度を低くして、断熱した管型反応器を通る熱流束を高くする)ためにより多くのエネルギーを使用しなければならなくなりエネルギーがさらに非効率になる。
熱伝達能力の向上と併せて、プロセスのシングルパス転化効率を向上させるために、開始剤注入ノズルによってさらなる開始剤を使用することができる。プロセスの安全性を考える場合は、システムに注入される開始剤の量は、最高プロセス温度に基づいて制限される。このように温度に基づいて制限することにより、反応システムによるプロセス流体のシングルパスで転化できるエチレンの全体量が制限される。高分子量のポリマー鎖の生成が最小限に抑えられるときは、ポリマー断熱層の蓄積が制限され、それにより、熱の除去能力が向上する。熱の除去能力が改善されると、同じ最大プロセス温度の制限を用いて、より多量の開始剤を使用して、プロセスを再度開始し、転化効率を向上させることができる。
実施形態の開始剤注入ノズルは、1つの構成要素、または複数の構成要素のアセンブリの形態をとることができる。本発明の特徴および態様を強調するために、2つの構成要素、つまりレンズ付T字形部分100およびインジェクター部分200から作られた一実施形態の開始剤注入ノズルを説明する。本発明の特徴および態様はすべて、開示されている開始剤注入ノズルの単一の構成または複数の構成の実施形態に含めることができ、説明とは異なる構成要素に現れることもあると当業者には理解される。
実施形態の開始剤注入ノズルの様々な特性を説明する際に、使用される用語「上流(upstream)」および「下流(downstream)」は、高圧低密度ポリエチレン生成システム、特に管型反応器システムを通るプロセス流体、流れ、および生成物の流れの全体の方向を表す、場所に関する相対的な用語である。典型的には、文脈から別の意味が明らかでない限り、「上流」はフレッシュモノマー/コモノマーの供給源から始まり、「下流」は完成したポリマーの貯蔵設備によって終わる。言及されない限り、プロセス流体は上流位置から下流位置に流れる。上流および下流は、プロセス流体、流れ、および生成物が上流の通路またはポートを通って入り下流の出口から出る装置中の相対位置を説明するために使用することもある。
図1(a)〜図1(c)に、一実施形態の開始剤注入ノズルのレンズ付T字形部分100の正面図、側面図、および軸方向断面図をそれぞれ示す。レンズ付T字形部分100は、横から見ると上下逆の「T字形」である、ブロック部103およびシャフト部105を有する成形本体101から構成できるが、一般に他の形状および構成を使用してもよい。本体101は、外壁107と、ブロック部103のブロック内壁109と、シャフト部105のシャフト内壁111とを有する。レンズ付T字形部分100の様々な位置における外壁107と内壁109および111との間の本体101の厚さは、一様でなく、本体101の構築物の材料、レンズ付T字形部分100の動作時の使用圧力および使用温度、ならびに内壁109および111による使用を反映する。好ましくは、本体101は、単一部片の金属から作製されている。
図1(c)を使用して見ると、ブロック内壁109は、プロセス流中心軸115に沿って本体101のブロック部103の入口端部117から出口端部119まで、プロセス流れ流路113を形成する。プロセス流体は、プロセス流中心軸115に沿って入口ポート121と出口ポート123との間でプロセス流れ流路113を通る。ブロック内壁109は断面が円形である。
いくつかの実施形態では、ブロック内壁109は入口取り付けリップ125を含み、この入口取り付けリップ125は、実質的に円筒形であり、入口ポート121からブロック部103中へと下流に延びる。入口取り付けリップ125の寸法は、その地点でレンズ付T字形部分100に連結される反応器の管の外径および厚さ、ならびに連結手法(例えば、溶接、フランジ、ねじ連結)に応じて変更することができるが、溶接による連結が好ましい。いくつかの実施形態では、ブロック内壁109はまた、出口取り付けリップ127も含み、その出口取り付けリップ127は、実質的に円筒形であり、出口ポート123からブロック部103中へと上流に延びる。出口取り付けリップ127の寸法は、入口取り付けリップ125と同様の理由で変更することができる。いくつかの実施形態では、入口取り付けリップ125および出口取り付けリップ127の寸法は互いに異なる。
いくつかの実施形態では、ブロック内壁109は入口部分129を含み、その入口部分129は、実質的に円筒形であり、入口取り付けリップ125からブロック部103中へと下流に延びる。いくつかの実施形態では、ブロック内壁109はまた出口部分131を含み、その出口部分131は、実質的に円筒形であり、出口取り付けリップ127からブロック部103中へと上流に延びる。いくつかの実施形態では、入口部分129の直径は、管型反応器の入口部分の内径と実質的に同じであり、境界面においてブロック内壁109に沿って平らな面が設けられる。いくつかの実施形態では、出口部分131の直径は、管型反応器の出口部分の内径と実質的に同じである。
縮径部分133は、入口部分129から軸方向下流に延びる。入口部分129を有する実施形態では、入口部分129および縮径部分133は、プロセス流中心軸115に垂直である第1の円形交差部分135でつながる。縮径部分133は、優先的に切頭円錐台であり、直径は、入口部分129から軸方向下流に延びるにつれて小さくなる。縮径部分133は、プロセス流中心軸115に沿って第1の円形交差部分135から絞り143まで測定する場合、約40ミリメートルから約60ミリメートルの縮径部長さ137を有する。縮径部分133はまた、約15から約40度である縮径部分の角度139も有し、その角度139は、ブロック内壁109のうちの縮径部分133の対向する辺によって形成された角度として測定することができる。
縮径部分133は、プロセス流中心軸115に垂直である絞り143において拡径部分141とつながる。絞り143の直径は、約15から約37ミリメートルまで変更することができる。第1の円形交差部分135の直径と絞り143の比は、約1.4から約2.7、好ましくは約2.0から約2.2である。
拡径部分141は、絞り143から軸方向下流に延びる。拡径部分141もやはり優先的に切頭円錐台であり、直径は、絞り143から出口部分131へと軸方向下流に延びるにつれて大きくなる。出口部分131および拡径部分141は、第2の円形交差部分145においてつながり、その第2の円形交差部分145は、出口部分131を有する実施形態ではプロセス流中心軸115に垂直である。拡径部分141は、プロセス流中心軸115に沿って絞り143から第2の円形交差部分145まで測定する場合、約15ミリメートルから約40ミリメートルである拡径部長さ147を有する。拡径部分141はまた、約23から約48度である拡径部分の角度149も有し、その角度149は、拡径部分141のうちのブロック内壁109の対向する辺によって形成された角度として測定することができる。
すべての実施形態において、プロセス流れ流路113は、開始剤注入ノズルに対して上流位置から下流位置のプロセス流体の流れに基づいて、縮径部分133、絞り143および拡径部分141をこの順序で備える。
いくつかの実施形態では、図1(c)の実施形態に示すように、縮径部分133および拡径部分141は、絞り143の両側に沿って同じではないという点で非対称である。いくつかの実施形態では、図1(c)に示す実施形態にあるように、縮径部長さ137は拡径長さ147と同一ではない。好ましい実施形態では、縮径部長さ137は拡径部長さ147よりも長い。こうした実施形態では、拡径部長さ147に対する縮径部長さ137の比は、約1.3から約3.0、より好ましくは約1.3から約1.8である。いくつかの実施形態では、図1(c)に示す実施形態にあるように、拡径部分の角度149は縮径部分の角度139より大きい。縮径部分の角度139に対する拡径部分の角度149の比は、約0.97から約3.0まで変更することができ、好ましくは1.0を超え約3.0までである。
いくつかの実施形態では、シャフト内壁111は、シャフトの垂直軸153に沿ってシャフト部105中にインジェクターの凹所151を形成する。シャフトの垂直軸153は、プロセス流中心軸115とぶつかり、プロセス流中心軸115に垂直であり、優先的にシャフト部105中の中心にされる。こうしたインジェクターの凹部151領域の一例を図1(c)に示し、図1(d)に拡大して示す。インジェクターの凹部151の寸法および構成は、インジェクター部分200の寸法および連結手法(例えば、溶接、フランジ、ねじ連結)に応じて変更することができる。動作使用圧力および使用温度に適したねじ継ぎ手155を備えるインジェクターの凹部151が好ましい。いくつかの実施形態では、インジェクターの凹部151はまた、外部環境からのプロセス作用をシールするために、シャフト部105とインジェクター部分200との間に、ガスケットを使用できるようにガスケット隙間157も含む。
図1(c)に示す実施形態で見られるように、インジェクターの通路159とプロセス流れ流路113が流体連絡するように、シャフト内壁111は、シャフトの垂直軸153に沿ってシャフト部105のインジェクター凹部151からブロック部103のプロセス流れ流路113までインジェクター通路159を形成する。インジェクター通路159の長さは、インジェクター通路159とインジェクター凹部151との間の連結の下流点から、絞り143に最も近い点でもある、インジェクターの通路159とプロセス流れ流路113との間の連結の下流点まで測定される長さである。シャフト内壁111は、典型的には、断面が円形であるが、必要に応じて、インジェクター部分200の構成に応じて他の形状を使用してよい。
図1(c)の実施形態に示すように、インジェクターの通路159は、縮径部分133においてプロセス流れ流路113とつながる。こうした実施形態では、シャフト垂直軸153は、絞り143の上流のプロセス流中心軸115と垂直にぶつかる。
図2(a)に、インジェクター部分200の部分側面図を示す。図2(b)に、一実施形態の開始剤注入ノズルを形成するようにインジェクター部分200の側面図と結合した、レンズ付T字形部分100の軸方向断面図(図1(c)と同様)を示す。インジェクター部分200は、外面201および内面203を含む。好ましくは、インジェクター部分200は、レンズ付T字形部分100と結合するように成形されている。インジェクター部分200はさらに、コネクタ部205およびスタイラス部207を含むが、一般に他の形状および構成を用いてよい。インジェクター部分200は、好ましくは、単一部片の金属から構成されるが、動作使用圧力および使用温度に適した、当業者に知られた結合技法を一緒に用いて固定した2つ以上の材料から構成されてもよい。
図2(a)に見られるように、インジェクター部分200の内面203は、コネクタ部205のインジェクター入口215からスタイラス部207のインジェクター成形端221におけるインジェクター出口231まで延びるインジェクター中心垂直軸213に沿って、開始剤流れ流路219を形成する。すべての実施形態において、開始剤流れ流路219は、縮径部分133のプロセス流れ流路113とつながる。開始剤流れ流路219は、典型的には、断面が円形であるが、他の形状を用いてよい。
開始剤流れ流路219の断面が円形であるいくつかの実施形態では、開始剤流れ流路219は流れ流路の直径223を有し、その直径223は約2から約3.5ミリメートルでよい。流れ流路の直径223は、プロセスの妨害(例えば、エチレン分解)、開始、または停止活動により、インジェクター成形端221中への(さらに、場合によっては開始剤流れ流路219中への)モノマー(もしくはコモノマー)またはポリマーの局部的な逆流が生じる場合に、開始剤注入ノズルを最初に分解して洗浄する必要なしに、プロセスを再度開始する際に結果として生じる物質を簡単に取り除き追い出すことができるように、十分に幅が広いことが好ましい。流れ流路直径223が小さ過ぎると、プロセスの異常な状態の間に詰まる可能性が高くなり、したがって、開始剤流れ流路219から物質を取り除くかまたは追い出すことができなくなる。
いくつかの実施形態では、コネクタ部205の外面201はインジェクター台座209を含み、そのインジェクター台座209は、レンズ付T字形部分100に対してインジェクター部分200をシールしてプロセスを隔離するのに有用である。いくつかの実施形態では、インジェクター台座209における外面201は、インジェクター中心垂直軸213に対して垂直ではない角度のベベル211を有する。インジェクター台座209の構成および寸法は、レンズ付T字形部分100のインジェクターの凹部151の寸法および連結手法(例えば、溶接、フランジ、ねじ連結)に応じて変更することができる。
コネクタ部205の外面201のうちのインジェクター入口215に最も近い部分は、開始剤供給源取り付け連結部217を含む。開始剤供給源取り付け連結部217の寸法は、開始剤供給源との連結方式(例えば、溶接、フランジ、ねじ連結)に応じて変えることができる。図2(a)に実施形態に示すようなねじ連結が好ましい。
図2に示す実施形態など、2構成要素のアセンブリを用いる実施形態では、インジェクター部分200のスタイラス部207の内面203および外面201はスタイラス225を形成する。スタイラス225は、スタイラス225をシャフト内壁111に自由に挿入できるスタイラスの外径227を有する。スタイラスの外径227は、約6から約10ミリメートルでよい。好ましくは、スタイラスの外径227は、スタイラス225がレンズ付T字形部分100のシャフト内壁111と摩擦結合し、それによってレンズ付T字形部分100の本体101がスタイラス225を機械式に安定化できるようになっている。プロセス流体の流れの速度は、通常のプロセス中、およびエチレン分解などの異常なプロセス中に、スタイラス225の露出部分に非常に大きい力を加える。好ましくは、スタイラス225は比較的不動のままである。
開始剤注入ノズルが単一構成要素から作られているいくつかの実施形態では、シャフト内壁111が直接開始剤流れ流路219として働くことができる。こうした実施形態では、スタイラス225はシャフト内壁111の管様の延長部分の形態をとることができる。こうした場合には、スタイラス225の流れ流路直径223は、シャフト内壁111と同じ直径でよい。他の実施形態では、スタイラス225は、シャフト内壁111に結合または接続した管様のインサートである。こうした実施形態では、スタイラス225の端にあるインジェクター出口231は、やはりインジェクター成形端221によって形成される。
図2に示す実施形態を参照すると、流れ流路の直径223に対するスタイラス外径227の比は、約1.8から約3.5、好ましくは2.8から約3.4でよい。その比は、スタイラス225がその内径に対して比較的厚い管であることを示している。好ましくは、スタイラス225は、スタイラス225を特にスタイラス225のうちのプロセス流体の流れに直接晒される部分を機械式に安定させるための理由と同じ理由で、比較的厚い。すべての実施形態において、スタイラス225は、インジェクターの通路159を超えて突出しており、そのため、インジェクター成形端221およびスタイラス225の一部分はプロセス流れ流路113中に配置される。外径と内径との比が大きいと、プロセス流体の流れに長時間さらされること、ならびにプロセス流体中でそれに沿って運ばれる可能性がある物体およびデブリによる損傷に対して、さらに機械的に補強される。
スタイラス225およびインジェクター成形端211の設計、ならびに開始剤注入ノズルの本体101によって与えられる支持は、システムがエチレン分解を受けることがあり、開始剤注入ノズルが、高くかつ変動する圧力および温度条件にさらされる状況では、特に重要である。プロセスシステムのエチレン分解部分中に、特に分解が開始する領域の付近では、非常に高い内部温度(1000から2000℃)、圧力の急上昇(4000から5000バール)、およびプロセス流体の流れの停滞(コンプレッサがオフラインになることがある)にさらされることがある。安全システムが自動的に始動し(通常、圧力除去デバイスによって)プロセスが位置に応じて「ベント」されるときに、プロセス流体のうちのシステム分解の影響を未だに受けていない部分が、影響を受けた領域を通して引っ張られ、この影響を受けた領域を冷却するように働く。やはり位置に応じて、プロセス流体は、分解の結果、炭素粒子など、固体のデブリ、または分離もしくは精製に達していない生成の様々な段階のポリマーを含むことがある。ベント中に、プロセス流体は、反対方向にまたは通常の流路からのバイパスを通って移動することができる。プロセス流体が逆方向に移動するこのような状況、および圧力除去デバイスの大気圧付近の圧力と通常を超えるシステム圧力との圧力勾配の影響下で、プロセス流体は非常に高い速度で(亜音速で)システムを通って移動することができる。分解は、安全および制御システムならびに人間の介入に応じて数秒から数分継続することがある。
前述の分解シナリオに基づいて、スタイラス225のうちのプロセス流体の流れ中にある部分およびインジェクター成形端221は、下記の一連の極限状態にさらされることがある。まず、スタイラス225のうちのプロセス流体の流れ中にある部分、およびインジェクター成形端221は、1つまたは複数の反応域におけるシステム全体のエチレン分解の開始から、初期圧力波(圧力「スパイク」)によって影響を受ける。次に、開始剤注入ノズル付近のプロセス流体の温度は、特にプロセス流体の流れが休止および停止する場合に、分解温度のレベルまですぐに上昇することがある。最悪のシナリオでは、管型反応器全体が隔離されベントされず、管型反応器全体にわたる流れを止め、管型反応器の中のほとんどのエチレンが停止環境で分解できるような様式で、管型反応器の中でシステム全体の分解が起きることがある。開始剤注入ノズルは、次の連続する事象に応じて数秒から数分継続してこのような温度にさらされることがある。次に、システムの圧力除去デバイスが作動して、システム全体にわたる圧力勾配が生み出される。「ベント」が開始された後で、その時に分解デブリおよび固体のポリマー粒子を含んでいるプロセス流体が、圧力除去デバイスに向かって高速で流れる。ベントの相対的な方向および速度(すなわち、システムが如何に速やかに完全に徐圧されるか)に応じて、スタイラス225のうちのプロセス流体の流れ中の部分およびインジェクター成形端221は、温度が正常な動作値から分解レベルまで変化し(場合によっては両極限に交互に変わり)、固体ポリマー粒子および分解デブリを含み、高速で数分間までの間通過するプロセス流体にさらされることがある。好ましくは、スタイラス225の一部分およびインジェクター成形端221の設計は、大きくは変形または損傷すること(例えば、湾曲するかまたは壊れたスタイラス、粒子が詰まったインジェクター出口)なしに、こうした流れの力および温度変化に耐え得るものである。非常に好ましくは、開始剤注入ノズルの設計は、こうした分解の後に開始剤注入ノズルの取り外しまたはメンテナンスを必要としない。
インジェクター成形端221は様々な形態をとることができるが、インジェクター成形端221の好ましい設計は、抵抗を軽減し、インジェクター出口231を通ってスタイラス225中に至る逆流を防止するのを助けるような設計である。抵抗の軽減および逆流の防止は、スタイラス225の一部分の上、または中における、高分子量のポリマーの形成を妨害する。好ましい設計はまた、流体力学的であることによって、高分子量のポリマーの著しい凝集に影響されず、プロセス流体の流れの中のうち開始剤濃度が最も高い点において(インジェクター成形端221のインジェクター出口231において)流れの乱れが最小限の状態でスタイラス225およびインジェクター成形端221の周りでプロセス流体の流れが滑らかに移動できる。プロセス流体の流れの著しい妨害を防止することによって、この点の高濃度の開始剤は、インジェクター出口231から離れる方に速やかに移動し、スタイラス225またはインジェクター出口231の上およびその周りに高分子量のポリマーが形成するのを中断、開始、および支援することができない。これは、スタイラス225またはインジェクター成形端221が詰まることによる開始剤供給の妨害、過度の高分子量のポリマーが形成することによる最終的な生成物の品質管理の不良、システム中で詰まるとさらにプロセス流体の流れを妨害する可能性がある、高分子量のポリマーの「塊」の形成および剥離に伴うシステムの機械的な問題を含む、いくつかの望ましくない結果を防止する。信頼性のある開始剤供給の流れの場合は、システムの動作がより安定し、エチレン分解のような予期できないシステムの異常をより容易に避けることができる。
図2(a)に示すようないくつかの実施形態では、管またはパイプの端部などのインジェクター成形端221は平坦である。図2(c)に示すようないくつかの実施形態では、インジェクター成形端221は、注入「ニードル」のような角度の付いた平坦な形状でよい。図2(d)に示すようないくつかの実施形態では、インジェクター成形端221は、部分的に角度の付いた平面でよく、成形端の前方部分は図2(c)で検討したニードルのような形状でよく、残余部は、階段または四角形の切り込みなど、非ベベル形状でよい。図2(e)に示すようないくつかの実施形態では、インジェクター成形端221は、「丸く」てよく、またはドーム形状である。図2(f)に示すようないくつかの実施形態では、インジェクター成形端221はベベル状でよい。様々な他の形状のインジェクター成形端221が当業者には想起できる。
本明細書中に説明した構成要素(T字形レンズ部分100およびインジェクター部分200)を用いて互いに結合させると、一実施形態の開始剤注入ノズルが形成される。プロセスの圧力および温度の条件で既知の結合技法を用いて、それらの構成要素を互いに結合することができる。例えば、図2(b)の実施形態に示すように、押さえナット250は、T字形レンズ部分100にねじによって連結し、インジェクター部分200に摩擦を生じるように連結し、インジェクター部分200をレンズ付T字形部分100に張力によって連結するように構成することができる。図2(b)に示す実施形態の場合は、インジェクターの通路159とインジェクターの凹部151との交差部分においてインジェクター台座209を用いて作った直接的な張力による連結は、プロセスを外部環境から封止する。
図2(b)に示す実施形態の開始剤注入ノズルの場合は、インジェクター中心垂直軸213およびシャフトの垂直軸153が互いに重なり、それらは本質的に同一である。
すべての実施形態において、少なくとも部分的に開始剤流れ流路219を含み、開始剤流れ流路219のインジェクター出口231を形成するインジェクター成形端221をさらに備えるスタイラス225は、プロセス流れ流路113中に突出し、そのため、インジェクター出口231がプロセス流れ流路113の縮径部分133に配置される。スタイラス225は、インジェクター中心垂直軸213に沿って定めるとインジェクター出口231が垂直オフセット229だけプロセス流中心軸115から離れて配置されるように、インジェクター中心垂直軸213に沿って十分遠くまで突出する。スタイラス225は、インジェクター中心垂直軸213に沿ってインジェクター出口231から縮径部分133の壁とスタイラス225の交差部分までの距離によって測定した突出距離だけ縮径部分133に突出する。すべての実施形態の開始剤インジェクターノズルにおいて、突出距離は、プロセス流中心軸115から測定すると、インジェクター中心垂直軸213において縮径部分133の半径より短い。
絞り143の半径から垂直オフセット229を引いたものと、絞り143の半径との比は、絞り半径に対して表されれ、実施形態の開始剤インジェクターノズルの設計の間に無次元量の尺度(measure)を提供し、これは、絞り143における、プロセス流体の流れの中へと延びるスタイラス225の潜在的影響を示すことができる。スタイラス225がプロセス流れ流路113を通ってプロセス流中心軸115よりも遠くには延びていないので、上記の比の値は決して0(これはインジェクター出口231がプロセス流中心軸115にあることを示している)でもなく、負(これはスタイラス225がプロセス流中心軸115を越えて延びることを示している)でもない。実施形態の開始剤注入ノズルの場合は、その比は、約0.45から約0.90、好ましくは約0.75から約0.90であり、これは、プロセス流中心軸115に沿って一実施形態の開始剤インジェクターノズルの下流側から見た場合に、インジェクター出口231が絞り143を越えて見えることがほとんどないことを示している。
すべての実施形態において、インジェクター出口231は、プロセス流れ流路113の縮径部分133に、プロセス流中心軸115に沿って定める場合に水平オフセット161だけ絞り143の上流に配置される。水平オフセット161は約6から約15ミリメートルでよい。
図2(b)に見ることができるように、水平オフセット161および垂直オフセットの両方がゼロでないので、インジェクター出口231は、絞り143の上流かつプロセス流中心軸115からわずかにずれて配置される。インジェクター出口231は、インジェクター成形端221を通る開始剤がプロセス流体に流入し、プロセス流体の近くをそれに沿って押し流されるようにして、プロセス流体が絞り143を横切る前の短期間に高濃度の開始剤がプロセス流体の中心(すなわち、プロセス流中心軸115)の最も近くに配置されるようにして、実施形態の開始剤注入ノズルに配置される。水平オフセット161および垂直オフセット229に関する必要な寸法を決定するために使用される因子には、インジェクター出口231および絞り143におけるプロセス流体の速度、インジェクター出口231における開始剤流体の速度、プロセス流体の温度、プロセス流体の温度において有機過酸化物からフリーラジカルを担持する分子に分解する速度、レンズ付T字形部分100およびインジェクター部分200などの開始剤注入ノズルの物理的特性が挙げられるが、それらに限定されない。垂直オフセット229に対する水平オフセット161の比は、約1.0から約10、好ましくは約1.1から約7.0である。
実施形態の開始剤注入ノズルの全体構造によって、従来技術ノズルよりもずっと動作の信頼性が高くなり、清掃および維持がより容易になる。プロセス流体の流れの中に直接延びる部品が1つだけ、つまりスタイラスしかないので、システム自体で通常行われる事項以外に、プロセスの停止または異常の後に実施形態の開始剤注入ノズルを取り外し、修理し、再度組み立てる必要がない。前に検討したように、実施形態の開始剤注入ノズルのスタイラスは、ノズル自体の本体によって部分的に補強されており、好ましくは、異常な状態を含むプロセス流体の流れの力に耐えるように、厚い管である。
エチレン系ポリマー生成の高い動作圧力および最高の反応器温度の過酷さに耐えるのに適した、開始剤注入ノズルを構築する様々な材料を使用することができる。好ましくは、開始剤注入ノズルの部品および構成要素は、組み立てたときに、急なエチレン分解反応のプロセス生成物および分解生成物に耐え、それらを収容することができる。開始剤注入ノズルに使用される材料は、通常の動作温度および圧力だけでなく、エチレン分解中に見られるような急な温度および圧力の変化に耐えることが可能であることが好ましい。構築物の好ましい材料には、クロム鋼合金、チタン、ニッケル、MONEL(商標)、およびINCONEL(商標)(Specialty Metals Corp.、New Hartford、NY)が挙げられるがそれらに限定されない。
一実施形態のシステムは、低密度エチレン系ポリマー生成物を形成するために、エチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーを用いて高圧のフリーラジカル開始型重合プロセスを助けるように、少なくとも1つの実施形態の開始剤注入ノズルを他の構成要素と共に組み込む。一実施形態のシステムは、反応物をポリマー生成物に転化するための複数の物理的手段を使用することができ、その手段は、連続して順次動作する1つまたは複数のオートクレーブおよび管型反応器の組み合わせ、または単一の管型反応器システムなどであるが、それらに限定されない。
一実施形態のシステムにおける本発明の使用を説明するために、一実施形態のシステム(管型反応器プロセス)におけるフリーラジカル開始型低密度エチレン系重合反応の非限定的説明を記載する。生成ポリマーを生成するために、様々なセットアップ(すなわち、連続、平行)で互いに組み合わせて、オートクレーブおよび管など、異なるタイプの反応器の構成要素を使用できることが当業者には理解される。エチレン系ポリマー生成物を形成するときに、管型反応器にエチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーを供給するのに加えて、反応開始剤、触媒、溶媒、および連鎖移動剤など、他の成分がフリーラジカル反応を開始および支援するために反応器に供給される。
高圧低密度のエチレン系ポリマー生成物を形成する管型反応器を部分的に備えるシステムを使用するいくつかの方法が当技術分野でよく知られている。こうしたシステムでは、部分的にエチレンを含むプロセス流体は、高温発熱反応の管型反応器内でフリーラジカル重合されて、エチレン系ポリマー生成物を形成する。この反応は、高い動作圧力(1000バールから4000バール)下で、乱流のプロセス流体の流れの間に起きる(したがって、低密度のエチレン系ポリマーは「高圧」ポリマーとも称される)。管型反応器中の最高温度は、典型的には、約160℃から約360℃であり、反応開始温度は約120℃から約240℃である。典型的には、開始前にプロセス流体を予熱し、開始後にプロセス流体を冷却する。管型反応器プロセスのシングルパスエチレン転化値は約20から約40パーセントである。現在の管型反応器システムは、転化効率をさらに改善するために少なくとも1つのモノマーリサイクルループも備える。
実施形態の開始剤注入ノズルを使用するシステムを説明するために、非限定的な実施形態の管状反応システムを図3に示す。プロセス流体を収容する一実施形態の管状反応システム300は、プロセス流体に、エチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーを供給する少なくとも1つのフレッシュ供給源306と、少なくとも1つのフレッシュ供給源306と流体連絡している、プロセス流体を反応条件まで加圧する1次コンプレッサ304と、1次コンプレッサ304と流体連絡している、プロセス流体内のエチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーの一部分を低密度のエチレン系ポリマーならびにエチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーの残余部に転化するための管型反応器302と、管型反応器302と流体連絡している、エチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーの残余部から低密度のエチレン系ポリマーを分離する高圧セパレータ320と、1次コンプレッサ304および高圧セパレータ320の両方と流体連絡している、エチレンおよび任意選択で少なくとも1つのコモノマーの残余部を高圧セパレータ320から1次コンプレッサ304に運ぶためのリサイクルコンジット322とを備えることができる。しかしながら、典型的には、現在のシステムが、追加のプロセス構成要素を使用して、高圧低密度ポリエチレンのグローバルスケールでの生産に必要な温度、圧力、処理量および効率を達成する。追加のシステム構成要素としては、図3に示すように、低圧システムリサイクルコンジット329、2次コンプレッサまたは「ハイパー」コンプレッサ305、連鎖移動剤供給源307、上流プロセス供給システムコンジット312および下流プロセス供給コンジット314、開始剤コンジット309、管型反応器の出口316、高圧減圧弁317、ジェットポンプ318、ジェットポンプリサイクルコンジット319、低圧セパレータ328、外部リサイクルコンデンサ324、高圧リサイクル精製システム326、ならびに高圧システムパージベント325が挙げられるが、それらに限定されない。高圧低密度ポリエチレン生産に説明した構成要素およびそれらの使用に関するさらなる情報を含む参考文献には、米国仮出願第61/103374号(Karjalaら、2008年10月7日に出願)およびPCT特許公報第WO2007/134671号(Cornelissenら)が挙げられる。
管状反応システム300の様々な構成要素が、それらの間の材料の流れに適したコンジットによって連結されることが当業者には理解される。コンジットは、バルブ、熱交換器、およびセンサ(図示せず)などの補助的装備を含むことができる。
前に説明し図1および図2で部分的に示した実施形態の開始剤注入ノズルを参照すると、プロセス流体は、図3に示すように、管型反応器302の上流部分から移送され、注入ノズル310の一部を形成するレンズ付T字形部分100の本体101を通り、入口端部117から縮径部分133および拡径部分141の両方を通って、出口端部119を通って出て、管型反応器302の下流部分に戻る。プロセス流体が縮径部分133を通るとき、プロセス流体は圧縮され、プロセス流体の速度が上昇する。
プロセス流体が注入ノズルを通る場合、フリーラジカルの開始剤は、プロセス流体に絶えず注入される。開始剤は、従来の既知の手段で開始剤供給源308からインジェクター入口215を介してインジェクター部分200に移送される。開始剤は、開始剤流れ流路219を通りインジェクター成形端221を通って移動し、絞り143の上流の点でプロセス流体中に達する。
プロセス流体は(このとき開始剤と共になっている)絞り143を通って拡径部分141に達するときに、急速に減圧し、その結果、注入ノズルの絞り143から下流に向けて、かつ管型反応器302の中へと延びる、高度に乱流かつ非層状の混合ゾーンが生じる。こうした乱流の混合ゾーン内では、開始剤は、薄い混合環境中のプロセス流体中に急速に分散され、局在化した高濃度の開始剤をいずれもばらばらにし、絞り143を通る前にインジェクター成形端215から出る。開始剤のこうした急速な分散は、非機械式手段を使用し、かつプロセス流体の流れに対するインジェクター100の流体の抵抗の影響を最小限に抑えることによって、開始剤分布点付近に高反応性の有機過酸化物が局在化して蓄積するのを防止することを助ける。前に述べたように、高反応性有機過酸化物の蓄積は、特定の反応条件下で(かつ、特に、前述のフリーラジカル重合反応によって管状反応システム300の温度が急上昇する注入ノズルのさらに下流で)エチレン分解を引き起こし得る。
高度に乱流の非層状の混合ゾーンは、高反応性有機過酸化物の開始剤をプロセスの流れ全体にわたって速やかに分配させる効果を有するだけでなく、開始剤の濃度が高い拡径ゾーンの壁付近の層状の流れ層を低減することによる高分子量のポリマーの生成に影響を及ぼす。絞り143を通った後のプロセス流体の流れが乱流なので、流体の抵抗の影響によって拡径ゾーンの内壁に対して形成する層状の流れ層は著しく乱される。開始剤の濃度が高い領域でより厚くより遅く移動する層状の流れの方式でない場合、高分子量のポリマーの初期形成が妨げられる。これにより、高分子量のポリマーが霞および曇りなどのネガティブな光学的性質を生じることは当技術分野で知られているので、全体の光学的性質がより良好なポリマー生成物が生じる。また、高分子量のポリマーの形成が防止されると、生成したポリマーの断熱層が形成されないので熱伝達能力がより良いプロセスになり、これによりさらに、熱除去効率を向上させ、下流の開始剤の使用が良好になり、最初のパスのエチレン(およびコモノマー)効率が全体によくなる。
管状反応システム300で使用できるフリーラジカル開始剤の非限定的な例には、有機過酸化物(PO)など、酸素系の開始剤が挙げられる。好ましい開始剤は、t−ブチルペルオキシピバレート、ジ−t−ブチル過酸化物、t−ブチルペルオキシアセテート、およびt−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸エチル、ならびにそれらの混合物である。これらの有機過酸化物開始剤は、フレッシュモノマー供給の全量に基づいて、従来の量である0.01から2重量パーセント、好ましくは0.1から1重量パーセント使用される。
いくつかの実施形態では、フリーラジカル開始剤は、有機溶媒で分解される。適切な溶媒は、例えば、オクタンもしくはベンゼンなどの脂肪族炭化水素、またはクロロベンゼン、シクロヘキサンもしくはメタノールなどの不活性溶媒である。有機溶媒の実施例には、n−パラフィン炭化水素溶媒(90〜240℃沸点域)、イソパラフィン炭化水素溶媒(90〜240℃沸点域)、および鉱油系の溶媒が挙げられる。有機開始剤溶液の濃度は、フリーラジカル開始剤および有機溶媒を合わせた全重量に基づいて、約1から約90重量パーセント、好ましくは約5から約50重量パーセントでよい。
図3に示す実施形態など、いくつかの実施形態のシステムでは、複数の実施形態の開始剤注入ノズル310を使用して、管型反応器302でフリーラジカル重合を開始することができる。フリーラジカル高圧低密度ポリエチレン重合システムで転化効率を向上させるための複数の開始注入ノズルが当技術分野で知られている。2つ以上の開始剤注入ノズルが使用されるシステムのいくつかの実施形態では、2つ以上の開始剤注入ノズルは、一例として第1の開始剤供給源および第2の開始剤供給源など、2つ以上の開始剤供給源と流体連絡してよい。2つ以上の開始剤注入ノズルが使用される他のいくつかの実施形態のシステムでは、1つの開始剤注入ノズルが、第1の開始剤供給源と独占的に流体連絡している。こうした構成の例は、米国仮出願第61/103374号に見られる(Karjalaら、2008年10月7日出願)。
少なくとも1つの実施形態の開始剤注入ノズルを使用する実施形態のシステムでは、シングルパスエチレン転化効率の向上は、対応する条件下の類似システムと比べて、0.5%超、好ましくは1.0%超、より好ましくは1.5%超、さらに好ましくは2.0%超、最も好ましくは3.0%超である。
用語「組成物(composition)」とは、材料の均質な混合物、ならびに組成物の一部である材料間の相互作用および反応から形成された反応生成物および分解生成物について述べている。
用語「エチレン系ポリマー」は、(重合可能なモノマーの全量に基づいて)50モルパーセント超の重合エチレンモノマーを含有するポリマーを指し、任意選択で、少なくとも1つのコモノマーを含有することができる。エチレンのホモポリマーはエチレン系のポリマーである。
用語「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。用語インターポリマーには、通常2つの異なるモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられるコポリマー、および3以上の異なるタイプのモノマーから調製されたポリマー(例えば、ターポリマー)が含まれる。
用語「LDPE」は、「高圧エチレンポリマー」または「高分岐ポリエチレン」と称されてもよく、ポリマーが、過酸化物などのフリーラジカル開始剤を使用して13,000psig超の圧力でオートクレーブまたは管型反応器で部分的にまたは完全に重合されることを意味するよう定義される(例えば、米国特許第4,599,392号(McKinneyら)参照)。
用語「ポリマー(重合体)」は、同じタイプのモノマーであれ異なるタイプのモノマーであれ、モノマーを重合することによって調製される化合物を指す。用語ポリマーには、用語「ホモポリマー」および「インターポリマー」が含まれる。
用語「安定状態」および「安定状態条件」は、システムの任意の部分の特性がプロセス中に一定である条件である。Lewis, Richard J., Sr.,Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、Wiley−Interscience(第15版、2007年)参照;Himmelblau、David M.、Basic Principles and Calculations in Chemical Engineering、Prentice Hall(第5版、1989年)参照。
用語「類似」は、いくつかの点で同様または等価であるがその他の点では同様でないことを意味する。使用される場合、「類似」のプロセスおよびシステムは、同じプロセス設備またはシステムを使用して、対応するプロセスの実行を行う。ただし、対応する少なくとも1プロセスの実行における一実施形態のデバイスの使用と、対応する少なくとも他の1プロセスの実行における比較の従来技術のデバイスの使用とについて、比較の特定の順序はないことを除く。これを適用する場合の実例としては、類似するプロセスおよびシステムは、一実施形態または従来技術のいずれかの第1の反応域の開始剤注入ノズルの使用について異なっている。
用語「対応する」は、適合する点において同じであることを意味する。所与のフリーラジカル低密度エチレン系ポリマーのプロセスに関して、「対応する」プロセスの実行は、類似のプロセス設備またはシステムを使用した3以上のプロセスの実行について、安定状態条件における類似の各反応域(例えば、実施例1の第1の反応域ピーク温度および比較実施例1の第1の反応域ピーク温度)各々のピーク温度値の間の差が、5%以内、好ましくは3%以内、より好ましくは1%以内、最も好ましくは1℃以内であることを意味する。
類似のプロセスまたはシステムにおいて対応するプロセスの実行を評価する際に、特定の値に制御および設定されるプロセスの変数(システム圧力、連鎖移動剤に対するエチレンの供給分割率、生成物のメルトインデックス(I)目標値、エチレン供給速度、冷却剤流量、および入口温度など、いわゆる「主」変数)が、別段指定されない限り、対応するプロセス実行間で安定状態の作動中には等価の値に維持されることが当業者には理解される。無制御プロセス変数ならびにプロセス変数を制御および設定するための従属的なプロセス変数(いわゆる「従」変数)が、プロセス条件を変更するため、または制御および設定されるプロセス変数を目標値に維持するために応じて変動できることも理解される。
対応するプロセスの実行を比較するベースは、(特定の時点での個別のデータ読み取り値である「スポットデータ」とは対照的に)1時間の平均データを用いた少なくとも24時間にわたる安定状態条件についてのものである。
メルトインデックス、すなわち「MI」またはIは、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従って測定される。
管状反応システムにおいて、一実施形態の開始剤注入ノズル(実施例)と、従来技術の開始剤注入ノズル(比較実施例)との間で性能を比較する、対応するプロセスの実行を示す。対応するプロセスの実行を使用して、安定状態条件で作動する類似の管状反応システムに基づいて、反応システムのデータおよび計算した性能の評価基準を比較する。
全体的に同じ管状反応システムのセットアップが、対応する実施例および比較実施例の実行の両方に関して使用される。管状反応システムは、第1の反応域開始剤注入ノズルを交換するだけで実施例と比較実施例のプロセスの実行の間で変更され、他に物理的な変更は行われない。実施例のプロセス実行中に、第1の反応域の開始剤インジェクターノズルに実施例の開始剤注入ノズルを使用する。比較実施例のプロセス実行に関しては、比較実施例の開始剤注入ノズルが、第1の反応域開始剤インジェクターノズルに関して使用される。したがって、システムは類似である。
管状反応システムは、全体の構造が図3に示す実施形態のシステムと同様である。実施例および比較実施例に関する管状反応システムは、プロセス流体を含み、エチレンのフレッシュ供給源、1次コンプレッサ、2次コンプレッサまたは「ハイパー」コンプレッサ、開始剤供給源、連鎖移動剤供給源、管型反応器、高圧減圧弁、高圧セパレータ、リサイクルコンジット、低圧セパレータ、低圧システムリサイクルコンジット、システムパージベント、ならびにシステム構成要素を互いに相互連結するすべての必要なコンジットおよび連結部を備える。管型反応器は、管型反応器の長さ、および各開始剤注入ノズルの下流に延びる、対応する反応域に沿う少なくとも2つの開始剤注入ノズルを有する。
管型反応器のうちの第1の開始剤注入ノズルと第2の開始剤注入ノズルとの間の長さは、1540フィート(469.4メートル)である。第1の開始剤注入ノズルの入口端部における管型反応器の内径(動作直径)は2インチ(50.8ミリメートル)である。第1の開始剤注入ノズルから第2の開始剤注入ノズルの出口端部における管型反応器の内径は、1.75インチ(44.5ミリメートル)である。
比較実施例の開始剤注入ノズルは、表1に列挙した物理的特性を有する。比較実施例の開始剤注入ノズルは、プロセス流れチャネルに中に突出する1個のスタイラスの上流にある円筒形の部分と、下流にある縮径する切頭円錐部分との組み合わせのプロセス流れチャネルを有するインサートとして説明することができる。円筒形の部分は直径2.0インチ(50.8ミリメートル)である。縮径部分は、直径がスタイラスで2.0インチ(50.8ミリメートル)であり、直径1.75インチ(44.5ミリメートル)まで縮む。スタイラスは、円筒部分と縮径部分との間の交差点で、側壁からプロセス流中心軸に向かって突出している。スタイラスはインジェクター端を有し、そのインジェクター端は、プロセス流中心軸から垂直オフセットだけ離れて配置される。比較実施例の開始剤注入ノズルは、縮径部分またはスタイラスの後に拡径部分を有さない。比較実施例の開始剤注入ノズルは、絞りもオリフィスプレートも他の流れの絞り機構も有さない。
Figure 2012516935
実施例の開始剤注入ノズルは、表2に列挙した物理的特性を有する。実施例の開始剤注入ノズルは、単一のスタイラスが縮径切頭円錐チャネル部分の側壁からプロセス流中心軸に向かって突出する状態で、共通の円形絞りでつながる縮径切頭円錐部分および拡径切頭円錐部分の両方を有するプロセス流体の流れチャネルを有するインサートとして説明することができる。スタイラスは、水平オフセットだけ注入ノズルの絞りの上流にある。スタイラスは、平坦なインジェクター成形端によって形成された注入出口を有する。インジェクター出口は、プロセス流中心軸から垂直オフセットだけ離れて配置される。
Figure 2012516935
表2に示される値に基づき、絞りの半径に対する、絞りの半径から垂直オフセットを引いたものの比は、0.80であり、垂直オフセットに対する水平オフセットの比は2.54である。
対応するプロセス実行の実施例1および比較実施例1は、0.25MIエチレン系ポリマーを生成するため、第1の開始剤注入ノズルに実施例および比較実施例の開始剤注入ノズルを用いて類似のプロセスシステムにおいて実行される。作動条件およびプロセス条件は表3に示される。
「TPO」は、t−ブチルペルオキシ−2ヘキサン酸エチルを表し、これはりフリーラジカルのエチレン系ポリマー生成物で一般に使用される有機過酸化物の開始剤である。「DTBP」は、ジ−t−ブチル過酸化物を表し、これはフリーラジカルのエチレン系ポリマー生成物で一般に使用される有機過酸化物の開始剤である。使用される開始剤の溶媒は、n−パラフィン炭化水素溶媒であり、溶媒の沸点域は90〜240℃である。
Figure 2012516935
対応するプロセス実行の実施例1および比較実施例1に関する温度プロフィルを図4に示す。図4に見ることができるように、実施例1の場合の第1の反応域ピーク温度から第2の開始剤注入点までの温度低下は、対応条件下で比較実施例1の場合の温度低下よりも著しく急である。開始剤注入点のプロセス流体の流れの温度を反映する、第2の反応域における対応する開始剤注入温度は、ほとんど40℃の著しい差を示す(実施例1の207.7℃に対して比較実施例1の245.7℃)。図4に見られるプロセス温度プロフィルおよび表3の第2の反応域の開始剤注入温度の著しい差は、比較実施例1に対して実施例1のプロセスシステムからの熱除去がより大きいことが原因である。実施例のノズルが、比較実施例のノズルよりも開始剤注入後により良好にプロセス流体を混合するので、第1の開始剤注入ノズルの下流の反応域において、断熱性の高分子量のエチレン系ポリマーの形成が少なくなる。
表3のデータを試験することによってさらに理解できるように、実施例1のプロセス実行からは、比較実施例1のプロセスの実行中よりも多く熱除去する(したがって、プロセスシステム温度は第2の開始剤注入点でより低い)ので、より多くの開始剤を使用して、第2の反応域に関して同じ第2のピーク反応器温度(約300℃)を実現することができる。第2の反応域での反応を再度開始するために実施例1のプロセス実行に使用されるTPOおよびDTBPの量は、比較実施例1のプロセスの実行の類似の点で使用される量(0.54ガロン/時間のTPOおよび0.24ガロン/時間のDTBP)よりも著しく多い(0.65ガロン/時間のTPOおよび0.47ガロン/時間のDTBP)。より多くの有機開始剤を使用できると、シングルパスエチレン転化を全体に向上させることができる。
対応するプロセス実行の実施例2および比較実施例2は、2.3MIエチレン系ポリマーを生成するために、第1の開始注入ノズルに実施例および比較実施例の開始剤注入ノズルを使用する、類似のプロセスシステムで実行される。作動条件およびプロセスの条件は表4に示される。
Figure 2012516935
対応するプロセス実行の実施例2および比較実施例2に関する温度プロフィルを図5に示す。図5に見ることができるように、第1の反応域における実施例1と比較実施例1の温度低下の差は、実施例2と比較実施例2との間に見られる低下と同様である。開始剤注入点のプロセス流体の流れの温度を反映する、第2の反応域における対応する開始剤注入温度は、ほとんど20℃の著しい差を示す(実施例2の177.3℃に対して比較実施例2の196.3℃)。第2の反応域での反応を再度開始するために実施例2のプロセス実行に使用されるTPOおよびDTBPの量は、比較実施例2のプロセスの実行の類似の点で使用される量(0.26ガロン/時間のTPOおよび0.09ガロン/時間のDTBP)よりも著しく多い(0.97ガロン/時間のTPOおよび0.20ガロン/時間のDTBP)。より多くの有機開始剤を使用できると、シングルパスエチレン転化を全体に向上させることができる。
実施例2/比較実施例2の実行に関して、プロセスから熱除去するために使用される水の温度であるジャケット水の温度が、実施例2の実行では比較実施例2の実行に対して著しく低いことが留意される。直感的には、ジャケット水がより低温のプロセスが好ましい(すなわち、より低温の熱除去媒体によって管壁を通るより多くの流束が作られる、より多くのプロセス熱を吸収する、再度開始点におけるプロセス流体の温度がより低い、多量の開始剤を使用できる、エチレン効率が上昇する)と思われるが、ジャケット水の温度が低いと、場合によっては数時間以内に、管型反応器中に付着物を生じることが知られている。実施形態の開始剤注入ノズルの混合が改善されると、実施例2において有意な量の高分子量ポリマーの形成が防止されており、これは長期の作動条件下でのジャケット水の温度について正常に「プレートアウト」されていたと考えられる。
特許、試験手順、および優先権書類を含む前述の他の書類はすべて、これら開示が本発明と矛盾していない範囲まで、かつこうした組み込みが許可されているすべての法域について、参照によりその全体が組み込まれる。
本発明の開示した実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の様々な変更が明らかであり、当業者によって簡単に実行できることが理解されよう。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲を、記載された例および説明に限定するのではなく、むしろ特許請求の範囲は、当業者によって本発明に属する本発明の等価物として扱われるすべての特徴を含む、本発明に帰する特許性のある新規の特徴すべてを含むものと解釈されることが意図される。
数値の下限および数値の上限が列挙されるときは、任意の上限から任意の下限までの範囲が企図される。
値が記載されている文脈に応じて、また別段述べられていない限り、それらの値は、1パーセント、2パーセント、5パーセント、または場合によっては10から20パーセントだけ変更してよい。下限RLおよび上限RUを有する数値範囲を開示しているときはいつでも、その範囲内に含まれる数字が特に開示されている。具体的には、その範囲内の以下の数字(R)が特に開示されている:R=RL+k*(RU−RL)、ここでkは、増分が0.01の0.01から1.00の変数であり、すなわち、kは、0.01、または0.02、または0.03から0.99、または1.00である。さらに、上記で定義された2つの数字Rで定義される任意の数値範囲もまた特に開示される。
本明細書中および特許請求の範囲中で使用される場合、用語「含む(備える)(comprising)」は、包括的であるか、または日限定的であり、列挙していない追加の要素、構成上の要素、または方法のステップを除外するものではない。したがって、このような用語は、単語「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、およびこれらの語の派生語と同義であることが意図されている。
101 本体
109 ブロック内壁
111 シャフト内壁
113 プロセス流れ流路
115 プロセス流中心軸
121 入口ポート
123 出口ポート
125 入口取り付けリップ
127 出口取り付けリップ
129 入口部分
131 出口部分
133 縮径部分
135 第1の円形交差部分
137 縮径部長さ
139 縮径部分の角度
141 拡径部分
143 絞り
145 第2の円形交差部分
147 拡径部長さ
149 拡径部分の角度
151 インジェクターの凹所
153 シャフトの垂直軸
155 ねじ継ぎ手
159 インジェクターの通路
161 水平オフセット
229 垂直オフセット

Claims (9)

  1. 開始剤をプロセス流体と混合するための開始剤注入ノズルであって、
    前記プロセス流体を受ける入口ポート、出口ポート、および開始剤を受けるインジェクター入口を備える本体と、
    前記プロセス流体が前記入口ポートと前記出口ポートとの間をプロセス流中心軸に沿って通るプロセス流れ流路であって、縮径部分、絞り、および拡径部分をこの順番でさらに備える、プロセス流れ流路と、
    前記開始剤が前記インジェクター入口とインジェクター出口との間をインジェクター中心垂直軸に沿って通る開始剤流れ流路であって、前記縮径部分において前記プロセス流れ流路と交わる、開始剤流れ流路と、
    前記開始剤流れ流路を少なくとも部分的に含み、前記開始剤流れ流路の前記インジェクター出口を形成するインジェクター成形端をさらに備える、スタイラスと
    を含み、
    前記インジェクター出口が、前記プロセス流れ流路の縮径部分に、前記プロセス流中心軸に沿って定める場合に水平オフセットだけ前記絞りの上流に配置され、
    前記インジェクター出口が、前記インジェクター中心垂直軸に沿って定める場合に垂直オフセットだけ前記プロセス流中心軸から離れて配置される、
    開始剤注入ノズル。
  2. 前記垂直オフセットに対する前記水平オフセットの比が約1.0から約10である、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  3. 前記絞りの半径に対する、前記絞りの半径から前記垂直オフセットを引いたものの比が、約0.45〜約0.90である、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  4. 前記拡径部分の角度が約23〜約48度である、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  5. 前記縮径部分の角度に対する前記拡径部分の角度の比が約1.0〜約3.0である、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  6. 前記インジェクター成形端がニードル様形状を備える、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  7. 前記インジェクター成形端が正方形のニードル様形状を備える、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  8. 前記インジェクター成形端が丸形状またはドーム様形状を備える、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
  9. 前記インジェクター成形端がベベル状である、請求項1に記載の開始剤注入ノズル。
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