JP2012516728A - 胎児用電極用の使い捨て接続システム - Google Patents

Abstract

胎児用電極用の使い捨てコネクタ（１）が提供されている。コネクタのハウジング（１０）は、真っ直ぐな共通のエッジ部（１２）に沿って一方のシェルが他方のシェルに一体的に接続されている、実質的に剛体である材料からなる２つのシェル（１０ａ、１０ｂ）としてモールド成型される。このようにして、クラムシェル形態を有するハウジングが形成される。また、ハウジングには、胎児用電極のプラグ（２）を受けるためのソケット（１１）がさらに設けられている。このプラグには、胎児用電極からの電気信号を伝えるための２つ以上の電気接触部（２３、２４）が設けられている。

Description

本発明は、胎児用電極用の使い捨て接続システムに関するものであり、たとえば胎児頭皮電極に用いられる使い捨てコネクタ、および使い捨てであることを担保するように構成されたコネクタ組立体に関するものである。さらに使い捨てコネクタを製造する方法も提供される。

お産によっては、胎児心拍数を監視することが必要となる場合もある。米国特許第３８２７４２８号（ＵＳ−Ａ−３８２７４２８）に記載の如き胎児用電極は、胎児頭皮へ取り付けられるようになっており、また、一対のリード線が産道を通って母体の脚部（レグ）に固定されているコネクタへと戻って来るので、これらのコネクタは通常「レグ−プレート」コネクタと呼ばれている。レグ−プレートコネクタからのさらなる電極が母体に取り付けられ、胎児用電極の電気信号の基準電位または参照電位を規定するようになっている。胎児用電極および参照電極からの電気信号は、レグ−プレートコネクタから延びているリード線を通じて胎児用モニターへと伝えられる。

従来のレグ−プレートコネクタの具体例が米国特許第５１９９４３２号、第６３２１１０３号、第６３６３２７２号、第２００５１３７４８６号（ＵＳ−Ａ−５１９９４３２、ＵＳ−Ａ−６３２１１０３、ＵＳ−Ａ−６３６３２７２およびＵＳ−Ａ−２００５１３７４８６）に記載されている。これらの構成では、レグ−プレートコネクタを再使用することができるようになっている。これらのレグ−プレートコネクタには、電極ワイヤーの端部に取り付けられている細長いプラグを受けるためのソケットが設けられている。しかしながら、体液の存在により、たとえば再使用する前にレグ−プレートコネクタが十分に洗浄および殺菌されていない場合のような相互汚染という重要な健康上の問題が存在している。体液の進入を最小限に抑え、強力な消毒用洗剤に侵されないように複数の開発（たとえば、Ｏ−リングシールの設置および特別な材料の使用）が行われてはいるが、これらは、製造工程を複雑なものとし、または、生産コストを上昇させてしまう。

したがって、構成が単純化されかつコストが削減されるという利点を有する１度しか使用しない使い捨てレグ−プレートコネクタの開発へとシフトされている。具体例としては、米国特許第４２０９０２０号、第５０６２４２６号、第５１９７４７２号、第５４０４８７６号（ＵＳ−Ａ−４２０９０２０、ＵＳ−Ａ−５０６２４２６、ＵＳ−Ａ−５１９７４７２およびＵＳ−Ａ−５４０４８７６）が挙げられる。使い捨てレグ−プレートコネクタに関して認識されている１つの利点は、軽量かつ薄型にすることができるということであり、このことにより、着用者の快適さが向上するとともに、胎児ＥＣＧ信号の質が向上することとなる。これらの使い捨てレグ−プレートコネクタをできるだけ薄型にするために、胎児用電極からのワイヤーが、電気的に接触させる目的で裸線としてターミナルに提供されるようになっていた。このような裸線の使用は、レグ−プレートコネクタについてはもはや認められていない。

これらの薄型の使い捨てレグ−プレートコネクタに関する問題は、いくつかの長所があるものの、デバイスを装着させる人（たとえば、助産師）による使用に対して最適化されていないということである。可撓性を有する電極ワイヤーは、小さいが、とくに体液が存在するような状態では接続することが難しい場合がある。胎児用電極のリード線の端部に良質の接続を形成することが最重要であり、そうでなければ信号の品質が低下してしまうこととなる。さらに、コネクタの下に位置する母体参照電極から良質な信号を得ることも重要である。

簡単でかつ低コストのコネクタを製造する方法を提供することも望まれている。

現在の使い捨てのコネクタシステムが再使用を妨げていないという問題がさらにある。

本発明の第１の態様によれば、胎児用電極用のコネクタは、胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットを有しているハウジングと、プラグを差し込んだときにこのプラグから電気信号を受けるために第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、ハウジングの下面に設けられている母体参照電極のための第２のソケットとを備えており、ハウジングがクラムシェル形態を有するモールド成型された本体から形成されており、ハウジングが、使用時に、このハウジングの下面と上面とを提供する実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有しており、一方のシェルが共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って他方のシェルに一体的に結合されている。このように、この一回しか使用しない使い捨てコネクタは、デバイスを装着させる人による使用に対して最適化されている。というのは、ハウジングが、胎児用電極の電気リード線の端部に接続されるプラグのための電気ソケットである第１のソケットを有しているからである。この単一のプラグは、ステレオオーディオシステムのフォノジャックに類似しているので、滑りやすい環境の中でも容易につかんで操作することができる十分な大きさを有しているので、コネクタへの接続を簡単なものとしている。ハウジングのクラムシェル構造は、助産師による取り扱いの容易さを促進し、かつ第１のソケットおよび第２のソケットを収容するための３次元構造を提供している。

プラグは、細長くなっており、助産師がつかむためのハンドル部と、形状に合った方法で、第１のソケット内で受けられるように構成されている接触部とを有している。プラグの接触部にも、コネクタのバネ接触部材と係合する内側に凹んだ接触領域が設けられ、プラグが差し込まれるときに適切な接続が確立されたという確かなフィードバックが助産師に提供されるようになっている。プラグとコネクタとの間の接続部をシールするのを補助するために、第１のソケット入口は円錐形状になっている。生産の点からみて、ハウジングのクラムシェル形態およびプラグを受けるために必要とされる３次元形態を提供することには複数の利点がある。

第１に、ハウジングは、モールド成型された装置の２つの金型の間で開いた状態でモールド成型することができるため、モールド成型された装置の一方の金型がハウジングの両方のシェルの内面を形成し、他方の金型が両方のシェルの外面を形成するようにすることができる。このことは、同一の金型で各シェルの同様の特徴部を形成することができるため有利である。したがって、内面または外面に必要な冷却速度または仕上げの僅かな差についてモールド成型操作を最適化することができる。金型の面は使用時間の経過とともに摩耗する傾向があり、２つの金型の摩耗速度に差がありうるので、ハウジングのクラムシェル形態は、上面と下面と間の表面仕上に差が生じないことを意味する。したがって、必要に応じて、金型をさまざまな時に交換することができる。また、両方のシェルに共通の真っ直ぐなエッジ部に沿っている一体的な接続部によって両方のシェルが既に接続されているので、モールド成型後のブランクまたは本体の機械による取り扱いが容易となる。この共通のエッジ部がヒンジを形成し、このヒンジを中心としてシェルが閉じられるようになっている。既に２つのシェルがヒンジを通じて前もって位置合わせされているので、シェルを閉じた状態に整列させて２つのシェルの外周部における、共通のエッジ部以外の部分を結合させるようにすることも容易となる。

したがって、他の態様によれば、胎児用電極用の使い捨てコネクタを製造する方法は、モールド成型された装置の両側の金型の間に材料を供給することによりコネクタのハウジングをモールド成型するステップと、２つのシェルのエッジ部において、真っ直ぐなエッジ部以外の部分を合わせるようにモールド成型されたハウジングを閉じるステップと、２つのシェルを結合して閉じた状態で２つのシェルを保持するステップとを含んでいる。また、ハウジングの内面プロフィールが一方の金型により提供され、ハウジングの外面プロフィールが他方の金型により提供されるようになっている開いた状態でハウジングをモールド成型することで、モールド成型されたハウジングが、実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有したクラムシェルの形態を有し、これら２つのシェルが、当該２つのシェルをヒンジで結合させる共通の真っ直ぐなエッジに沿って一体的に結合されている。

好ましくは、ハウジングのシェルは、外周がほぼ三角形状、たとえば丸みのある三角形状を有している。この形状は、レグ−プレートコネクタの形成に必要とされる材料の量を最小限に抑えることができる。好ましくは、各シェルは、同一のまたはほぼ同一の長さを有する約９０°で延びている二つのエッジ部を有していることに加えて、これら他の２つの短いエッジ部に対して約４５°で延びている第３の長いエッジ部を有している。換言すれば、各シェルは、その外形がほぼ直角三角形を有していることが好ましく、また、角部に丸みがあることが好ましい。長いエッジ部は、短いエッジ部の長さの約１．４倍であってもよい。好ましくは、長いエッジ部は、ハウジングの２つのシェルを結合するヒンジであることが好ましい。

シェルをこのような形状にすることの利点は、モールド成型時、正方形状（または、長方形状もしくは平行六面体）のブランク材を、ヒンジがブランク材の対角線に沿って延びたようなる状態で用いることができることにある。このことは、製造工程時の浪費を回避し、ブランク材をより取り扱い易いものとする補助をする。

他の実施の形態では、ハウジングの材料は、モールド成型された装置の両側の金型の間に材料を注入することにより提供されるようになっている。

ハウジングのクラムシェル形態に代えて他の形状も可能である。ハウジングは、正方形プロフィールであってもよいし、長方形プロフィールであってもよいし、五角形プロフィールであってもよいし、六角形プロフィールであってもよいし、他の多角形プロフィールであってもよいし、または湾曲したプロフィールであってもよい。これらのさまざまなプロフィールは、ヒンジによりシェルを結合する真っ直ぐなエッジ部を有している。

エッジ部における、真っ直ぐなエッジ部以外の部分はいかなる手段によって結合されるようになっていてもよい。好ましくは、シェルの対向するエッジ部を溶接により結合する。また、エッジ部を接着剤により結合することもできる。他の構成では、機械的に結合することができるようになっていてもよい。たとえば、一方のシェルの雄コネクタ部が他方のシェルの雌コネクタ部と係合してロックされるようになっている。

ハウジングは、安くて、軽量で、容易にモールド成型することができ、かつ電気絶縁体である材料が用いられてもよいが、プラスチックからモールド成型されることが好ましい。

使い捨て用に最適化されているコネクタは、再使用可能なコネクタよりも軽いため、母体にとって非常に快適なものとなっている。また、より単純な設計にすることもでき、製造コストを下げることもできる。このように、このコネクタは使い捨て可能となるよう構成されている。たとえば、胎児用モニターへのケーブル出口およびコネクタプラグのまわりをシールするための固いＯ−リングシールはもはや必要ではなくなる。したがって、コネクタは、このようなＯ−リングシールを欠いていることを特徴としうる。さらに、使い捨てコネクタであるので、洗浄のためにポートおよび他の構成要素を水などで洗浄する必要性、または強力な消毒用洗剤で洗浄可能な材料の提供がもはや必要でなくなる。したがって、コネクタは、滑らかでない表面プロフィールを有していてもよいし、または、消毒液でコネクタを洗い流すためのポートを有していなくともよい。また、胎児用モニターに接続するためにコネクタに設けることができるワイヤーが従来の多重使用コネクタと比較してより柔軟でかつより軽いので、お産時の母親の快適性が改善されることとなる。このような軽量かつ延性のある使い捨てレグ−プレートコネクタの利点は、たとえば母体にとってより快適であること、装着が容易であることなどの人間工学的なものだけではなく、患者間における微生物汚染の危険性が小さいということにもある。

さらに、信号品質の観点からすると、より柔軟なワイヤーを備えた軽量なレグ−プレートコネクタの場合、母体参照電極の相対動きが少ないため、母体−皮膚電極インターフェースでの動きがより少なくなり、胎児ＥＣＧ信号のベースライン干渉が小さくなる。

現在公知となっている利用可能な使い捨てレグ−プレートコネクタまたは再使用可能なコネクタの滑らかな面とは対照的に、本発明にかかるコネクタは、母体参照電極の取付け前に母体の皮膚をこするための摩耗面を有していることが好ましい。母体参照電極は、接着材の付いた母体−皮膚電極の形態を有していることが好ましく、また、母親の脚部の適所にコネクタを保持する機能を有していることが好ましい。皮膚に対する接続インピーダンスを小さくするため、まず乾燥した皮膚の上層を取り除く必要がある。通常、このことは、紙やすりで皮膚電極を取り付ける領域をこすることにより達成される。しかしながら、患者間でのコネクタの洗浄が問題とはならない使い捨てレグ―プレートコネクタの場合には、摩耗面をコネクタに設けることができる。このような摩耗面を組み込むには、従来の使い捨てコネクタは薄すぎかつ柔軟すぎる。コネクタ自体に摩耗面を設けることは、たとえば固定されていない紙やすりと比べ、分娩室の活動的な環境における位置決めがはるかに容易であり、また、コネクタの製造時および梱包工程中に消毒することができるという付加的価値もある。

本発明では、一対の実質的に剛体であるシェルによって提供される３次元形態により、コネクタの摩耗面を母体皮膚に対してこする際、助産師がコネクタを容易につかむことができるようになり、また、圧力を母親の皮膚に対して加えることができるようになる。このことを補助するために具体的にいえば、長い真っ直ぐなエッジ部を備えているコネクタシェルの好ましい三角形状プロフィールにより、コネクタを指と親指との間ではさんで保持して母体の皮膚に対してスクレーパとして用いることが可能となる。長い真っ直ぐなエッジ部に沿って摩耗面を設けるということは、母体−皮膚電極によって必要とされる領域に対応する広い乾燥皮膚領域を助産師が容易にこすることができることを意味している。

さらなる態様によれば、本発明は、母体−皮膚電極の取り付け前に母体皮膚領域をこするための摩耗面を有しているハウジングを備えた胎児用電極のための使い捨てコネクタを提供している。このコネクタは、上述の特徴のうちの一部を有していてもよいし、または全てを有していてもよい。たとえば、コネクタは、胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットと、プラグを差し込んだときにこのプラグから電気信号を受けるために第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、ハウジングの下面に設けられる母体参照電極のための第２のソケットとを備えており、また、ハウジングは、クラムシェル形態を有するモールド成型された本体から形成されており、また、ハウジングは、使用時において、このハウジングの下面と上面とを提供する実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有し、一方のシェルが、共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って他方のシェルに一体的に結合されている。

摩耗面はハウジングと一体化されていてもよい。ハウジングと一体化された摩耗面は、たとえばモールド成型中に、一連の小さな鋭い突出部、たとえば歯またはリッジなどをコネクタの外面に設けることにより実現されうる。１つの実施の形態では、ヒンジ、たとえば長いエッジ部を有しているコネクタのエッジ部は、下面と上面との間で延びる丸い凸状プロフィールを有しており、この凸状のエッジ部に摩耗面が設けられている。鋭さは、プラスチック材料のモールド成型により必然的に制限されることとなり、リッジが鋭くなり過ぎないようになっている。好ましくは、これらのリッジは、直線状であり、ヒンジの軸線に対して平行、またはほぼ平行な方向に沿って延びている。これらの突出部はすべて同一のプロフィールを有していてもよいし、または、領域毎に異なるレベルの摩耗を提供するようになっていてもよい。

他の構成では、コネクタのハウジングの一部に摩耗材が塗布されている。摩耗面は、接着剤で貼り付けられる、一切れの紙やすりからなっていてもよいし、または、好ましくは、さまざまな等級、たとえば粗い等級もしくは滑らかな等級の複数枚の紙やすりからなっていてもよい。あるいは、摩耗面は、保持用マトリックス内に研磨粒子を含んで、選択された領域に塗布されるコーティングであってもよい。

１つの構成では、摩耗面は、２４０〜８００グリット、さらに好ましくは約４００グリット程度の微細のグリットを有している（または、それと同等のものを有している）紙やすりを有している。摩耗面はハウジングの浅い凹部に設けられてもよい。

実施の形態によっては、母体−皮膚電極を、母親の皮膚をこする前に取り除き、電極とコネクタとの組立体が母親の脚部に取り付けられる前にコネクタに再装着することができるように、母体−皮膚電極はコネクタ内の第２のソケットから取り外し可能となっている場合もある。母体−皮膚電極は、ハウジング内の電気接触部材と係合するためにコネクタの第２のソケット内に接続される突出部を有するようになっていてもよい。

ハウジング内では、胎児用電極プラグおよび母体−皮膚電極のための接触部材が設けられている。好ましくは、これらの接触部材は、製造間接費を縮小するために同一の基本幾何学形状から形成される。１つの実施の形態では、接触部材は湾曲したプロフィールを有し、母体−皮膚電極の接触部材がプラグの接触部材よりも円周部分が長くなっている。胎児用電極プラグの各接触部材の場合、円周部分は、プラグと接触するために第１のソケット内へと突出するバネ接触要素を提供するようになっていてもよい。製造をさらに簡略化させるために、接触部材と監視デバイスへと通じる電気ワイヤーとの間をはんだ付けの無い接続、たとえば圧着（ｃｒｉｍｐｉｎｇ）により接続するようにしてもよい。

同一の基本幾何学形状から接触部材を作るという製造上の利点は、クラムシェル形態の如きその他の好ましい特徴からとは関係なく得られる。したがって、さらなる態様によれば、胎児用電極用使い捨てコネクタは、胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットを有しているハウジングと、プラグを差し込んだときに当該プラグから電気信号を受けるための、第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、ハウジングの下面に設けられている母体参照電極のための第２のソケットとを備えており、第２のソケットは、母体参照電極に接続されたときに母体参照電極から電気信号を受けるための接触部を有しており、第１のソケットおよび第２のソケットのための接触部を提供する少なくとも３つの接触部材は、ハウジング内に設けられ、同一の基本幾何学形状から形成されおり、各接触部材は、湾曲したプロフィールを有している。

また、本発明にかかる方法は、一片の金属を湾曲したプロフィールとなるように形成するステップと、このプロフィールとなるように形成された金属を一組の接触部材に切断するステップと、この一組の接触部材をコネクタのハウジング内に配設するステップとを有している。

本発明にかかるコネクタは、使い捨て部品であることを意図したものであり、使用後、廃棄される。多重使用および感染症の感染を防ぐため、コネクタには、たとえばコネクタのハウジング内に設けられるＩＤチップの形態を有するプログラム可能な電子ＩＤデバイスが取り付けられるようになっていてもよい。好ましくは、プログラム可能な電子ＩＤデバイスは、はんだ付け以外の電気接続を用いて、コネクタ内に設けられている接触部のうちの１つに電気的に接続されるようになっている。１つの実施の形態では、胎児用モニターは、接続されると、ＩＤデバイスに日付および時刻を記録する。次いで、胎児用モニターは、限られた時間だけコネクタの使用を承認する。

したがって、他の態様では、本発明は、胎児用電極用の使い捨てコネクタを提供しており、このコネクタは、プログラム可能な電子ＩＤデバイスを有しており、この電子ＩＤデバイスは、たとえばコネクタを使用することができる時間を制限することにより再使用を妨げるように構成されている。

このコネクタは、上述の特徴のうちの一部を有していてもよいしまたは全てを有していてもよい。たとえば、コネクタは、胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットと、プラグを差し込んだときに当該プラグから電気信号を受けるための、第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、ハウジングの下面に設けられている母体参照電極のための第２のソケットとを備えており、ハウジングは、クラムシェル形態を有するモールド成型された本体から形成されており、使用時に、当該ハウジングの下面と上面とを提供する実質邸に剛体である材料からなる２つのシェルを有しており、一方のシェルは、共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って他方のシェルに一体的に結合されている。

コネクタは、胎児用電極用の使い捨て接続システムに用いることを意図したものである。したがって、他の広い態様では、本発明にかかる胎児用電極用の使い捨て接続システムは、胎児用電極からの信号を伝えるための、リード線が延びている胎児用電極と、胎児用電極からのリード線を接続するための手段を有し、さらに母体参照電極を接続するための手段を有し、脚部に取り付けられるように構成されている使い捨てコネクタと、胎児用モニターへ信号を伝えるためにコネクタから延びているリード線とを備えており、胎児用電極からのリード線は、プラグに取り付けられており、コネクタは、このプラグを受けるためのソケットが設けられているハウジングを有している。好ましくは、ハウジングは、当該ハウジングの下面および上面を形成する、連結された２つのほぼ三角形状のシェルを備えており、プラグ用のソケットの開口部は、ハウジングの角部のエッジ面内に設けられており、プラグ用のソケットは、母体参照電極用の第２のソケットから間隔をおいて、ハウジングの１つのエッジ部に沿って延びている。

プログラム可能な電子ＩＤデバイスは、胎児用電極システムを構成するコンポーネントのうちの他の１つ内に設けられるようになっていてもよい。たとえば、プログラム可能な電子ＩＤデバイスは、胎児用電極、胎児用電極へ接続されたプラグ、胎児用電極とプラグとの間に位置する中間のコンポーネント、コネクタ、胎児用モニターまたは胎児用モニターに通じるアダプタの中に差し込まれる、コネクタのリード線上のプラグ、およびコネクタのリード線に沿った位置にある中間のコンポーネントのうちのいずれか１つの内部に設けられてもよい。したがって、本発明にかかる胎児用電極用の使い捨て接続システムは、胎児用電極、胎児用電極リード線、胎児用電極用のプラグ、コネクタ、母体参照電極、コネクタのリード線、およびこれらのリード線に取り付けられるプラグを含む１組のコンポーネントを備えていると考えることができ、これらのコンポーネントのうちの一部は取り除き不能に連結されており、これらのコンポーネントのうちの少なくとも１つには、プログラム可能な電子ＩＤデバイスが取り付けられており、プログラム可能な電子ＩＤデバイスは、上述の一組のコンポーネントを用いることができる時間を制限するかまたは、他の方法で、使い捨てのコンポーネントの再使用を妨げるようになっている。たとえば、コネクタと、このコネクタからの一組の取り除き不能なリード線と、リード線に取り付けられた取り除き不能なプラグとを備えているコネクタ組立体に、プログラム可能な電子ＩＤデバイスが設けられるようになっていてもよい。１つの構成では、電子ＩＤデバイスは、コネクタ内に設けられており、好ましくは、電子ＩＤデバイスは、コネクのタプラグ内に収容されるようになっている。

コネクタのリード線は、共通の保護スリープ内に収容されるようになっていてもよく、このことにより、コネクタプラグに繋がる単一のケーブルが形成されることになる。１つの好ましい構成では、本発明は、たとえば上述の胎児用電極用のコネクタと、コネクタから胎児用モニターへ電気信号を伝えるためのリード線を有している、コネクタから延びているケーブルとを備えており、ケーブルはコネクタプラグで終端しており、コネクタプラグは、コネクタの再使用を妨げるように構成されたプログラム可能な電子ＩＤデバイスを収容するようになっている。

この構成が最も好ましい。というのは、製造工程中にコネクタプラグの中に容易に電子ＩＤデバイスを組み入れることができ、かつ、さらなるリード線の必要性を排除して製造コストを下げることができるからである。このコネクタは、上述の特徴のうちの一部を有していてもよいしまたは全てを有していてもよい。たとえば、コネクタは、胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットと、プラグを差し込んだときに当該プラグから電気信号を受けるための、第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、ハウジングの下面に設けられている母体参照電極のための第２のソケットとを備えており、ハウジングは、クラムシェル形態を有するモールド成型された本体から形成されており、使用時に、当該ハウジングの下面と上面とを提供する実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有しており、一方のシェルは、共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って他方のシェルに一体的に結合されている。

コネクタプラグは、いかなる従来型のプラグであってもよいが、好ましくはＲＪ−４５プラグ（イーサネット（登録商標）データケーブルによく用いられるプラグである）の如き８つの位置に８つの接触部があるプラグである。これらは一般的に入手可能なプラグであり、このことは、プラグを取り付けるためのツールが容易に入手可能であり、使い捨てコネクタ組立体のコストをさらに下げることを意味する。しかしながら、たとえばイーサネット（登録商標）接続を備えたネットワークデバイスなどの複数のタイプのデバイスでこれらのプラグ用のソケットが用いられているため、コネクタプラグが間違った装置に不注意に差し込まれて母親または胎児が電気的ショックを受けうる危険性が存在しているという問題がある。したがって、好ましくは、ＲＪ−４５コネクタプラグは、未変更の標準型ＲＪ−４５ソケットの中へコネクタプラグが差し込まれるのを阻止するためにコネクタプラグの表面から突出する阻止部材を有している。換言すれば、ＲＪ−４５コネクタプラグは、それに対応するように構成された、胎児用モニターまたは胎児用モニターに繋がっているアダプタのＲＪ−４５ソケットにしか差し込むことができないように構成されている。生産コストを削減する利点は、上述のその他の好ましい特徴と関係なく達成されるが、この修正されたＲＪ−４５コネクタプラグは、先に記載された特徴のうちのいずれかまたはすべてと一緒に用いられることがもっとも好ましい。

したがって、本発明のさらなる態様では、本発明に包含されるコネクタ組立体は、ケーブルの一方の端部に取り除き不能に取り付けられる胎児用電極用のコネクタと、ケーブルの他方の端部に取り除き不能に取り付けられるコネクタプラグとを備えており、コネクタプラグは、未変更の標準型ＲＪ−４５ソケットの中へコネクタプラグを差し込むのを阻止するためにコネクタプラグの表面から突出する阻止部材を有するように構成されているＲＪ−４５形式ソケットである。好ましくは、胎児用電極用のコネクタは、モールド成型されたクラムシェル形態および好ましくは摩耗面を備えている先に記載のタイプの使い捨てコネクタである。また、好ましくは、ＲＪ―４５形式コネクタプラグは、コネクタ組立体を他の人に再使用することを防止するプログラム可能な電子ＩＤデバイスを有している。

好ましい実施の形態では、コネクタプラグの表面から突出する阻止部材は、コネクタプラグの穴部から突出して保持されるピンを含んでおり、コネクタプラグ内に保持されるピンの端部には凹部が設けられており、ピンは、コネクタプラグへの電気接続部の圧着（ｃｒｉｍｐ）時、コネクタプラグの電気接触部とピンの凹部との係合によって適所に固定されるようになっている。このことは、電気接触部をケーブル内の個々のリード線に接続する圧着工程中に、コネクタプラグをさらなる阻止部材で変更することができるという利点を提供する。

他の実施の形態では、胎児用電極自体にプログラム可能な電子ＩＤデバイスが設けられている。このような、接地用のコネクタまたはワイヤー以外には１つの追加の接続部品またはワイヤーしか必要としないＩＤデバイスが入手可能である。これらのＩＤデバイスは、胎児用電極のシリンダ形状のハブ内に設けることができるほど十分に小さいものである（４ｍｍ未満）。

特定のタイプのコネクタおよび／または胎児用電極しか受け入れないように胎児用モニターまたは胎児用モニターとコネクタ組立体との間のアダプタを構成することによって、最高品質で安全なコンポーネントしか用いないことを担保することができる。

ここで、例示のみを意図し、本発明の好ましい実施の形態を添付の図面を参照しながら詳細に記載する。

本発明の好ましい実施の形態にかかるレグ−プレートコネクタを示す斜視図である。 開いた状態の図１のコネクタの内部を示す斜視図である。 開いた状態の図１のコネクタの外部を示す斜視図である。 コネクタの２分の１の部分の内部を拡大し、胎児用電極プラグが胎児用モニターに通じるワイヤーとどのように接続しているかを示す斜視図である。 閉じた状態の図２ａおよび図２ｂのコネクタの外部を示す斜視図である。 閉じた状態の図２ａおよび図２ｂのコネクタの外部を示す斜視図である。 さらなる実施の形態を示す斜視図である。 さらなる実施の形態にかかるプラグの先端の断面を示す概略図である。 さらなる実施の形態にかかる胎児用電極プラグの断面を示す概略図である。 取り外し不能なリード線およびプラグを備えた好ましいコネクタを示す斜視図である。 ＩＤデバイスが取り付けられている好ましいコネクタプラグを示す斜視図である。 異なる角度から見た他の好ましいコネクタプラグを示す斜視図である。 異なる角度から見た他の好ましいコネクタプラグを示す斜視図である。 図９ｄの側面図のＡ−Ａ線に沿って切断された好ましいコネクタプラグを示す断面図である。 好ましいコネクタプラグを示す側面図である。

図１は、レグ−プレートコネクタ１の好ましい１つの実施の形態を示す斜視図である。レグ−プレートコネクタ１は、胎児用電極（図示せず）からの電気信号を胎児用モニター（これも図示せず）に伝える。また、レグ−プレートコネクタ１は、胎児用電極からの電気リード線３、４の端部へ取り付けられたプラグ２を受けるための第１のソケット１１が設けられているハウジング１０を備えている。ハウジング１０の端部のうちの第１のソケット１１とは反対側の端部では、３つの電気リード線５、６、７がハウジング１０から出ており、電気信号を胎児用モニターへ伝えるようになっている。

ハウジング１０は、プラスチックからモールド成型された二つのほぼ三角形上の半片またはシェル１０ａ、１０ｂから形成されている。各シェル１０ａ、１０ｂは、角部が丸いほぼ直角三角形の斜辺を形成する長いエッジ部１２と対向し、かつ隣接している辺を提供する２つの短いエッジ部１３、１４とを有している。

また、ハウジング１０の下側シェル１０ｂには、ＥＣＧ信号の参照電位を提供するための母体−皮膚用電極１５が接続されている。母体−皮膚電極１５は、ハウジング１０から引き抜かれるようになっている場合もあれば、この電極を母体の皮膚に固定するための接着剤層を有するようになっていてもよい。母体−皮膚電極１５は、図示されているように円形状であることが好ましい。

図１から明らかなように、母体−皮膚電極１５は、ハウジングの下側シェル１０ｂにおける直角の角部に近い部分の中に差し込まれるようになっており、その一方、ハウジング１０のその他の２つの鋭角をなす角部には、第１のソケット１１が設けられており、さらにそこからは、胎児用モニターへ通じる電気リード線５、６、７が延びている。換言すれば、母体−皮膚電極１５への接続部は、ソケット１１の配線から間隔をおいた位置にある。

胎児用電極のリード線３、４の端部に取り付けられるプラグ２は、助産師が握るためのグリップ部２０を有した細長いデバイスであり、プラグ２の一方の端部から電極リード線３、４が出てくるので、それらをしっかりと掴んで支持するように構成されている可撓性領域２１を有している。グリップ部２０の向こう側には、ハウジング１０の第１のソケット１１内に嵌合するようなサイズに形成された接触部２２が設けられている。接触部２２は、胎児用電極からの電気信号を伝えるための第１の電気接触部２３および第２の電気接触部２４を有している。これらの電気接触部２３、２４は、シリンダ形状であり、絶縁材料からなるシリンダ形状のスペーサ２５によって軸方向に沿って分離されている。シリンダ形状のさらなる絶縁部材がプラグ先端部２６およびプラグ首部２７を形成している。プラグ首部２７は、それに対応する第１のソケット１１の円錐形状の口部をシールするために断面（ｉｎ ｓｅｃｔｉｏｎ）が円錐形状となっている。接触部２２は、第１の電気接触部２３および第２の電気接触部２４と、シリンダ形状のスペーサ２５と、プラグ先端部２６と、プラグ首部２７とを有し、カラー２８によってグリップ部２０から分離されており、このカラー２８は、プラグ２の接触部２２が第１のソケット１１内に完全に挿入されたときにハウジング１０に当接する停止部となっている。

図２ａは、レグ−プレートコネクタ１を形成する２つのシェル１０ａ、１０ｂの内面８を示す斜視図である。ハウジング１０のクラムシェル形態をはっきり理解することができる。各シェル１０ａ、１０ｂは、ほぼ直角三角形状であり、２つの短いエッジ部１３、１４と、両方のシェル１０ａ、１０ｂにとって共通の長いエッジ部１２とを有している。ヒンジ１６は、この長いエッジ部１２に沿ってハウジング１０ａの上側部をハウジング１０ｂの下側部に接合する材料からなる舌部によって形成されている。これらのシェル１０ａ、１０ｂは、このヒンジ１６によって一体的に接続されるようになっている。

図２ａから理解することができるように、２つのシェル１０ａおよび１０ｂには、各シェル１０ａ、１０ｂの外周部１８を形成している包囲エッジ部１７ａおよび１７ｂがそれぞれ設けられている。各シェルの外周部１８にとって共通の直線部１２に沿ってこれらのシェル１０ａ、１０ｂを一体的に結合することによりヒンジにより連結される領域１７ａが形成されている。次の処理ステップ中、シェル１０ａ、１０ｂを閉じ、共通の直線部１２以外の外周部１８において、接触している部分を溶接することにより、一つ以上の連結エッジ領域１７ｂが形成される。エッジ領域１７ｂは、共通の直線部１２以外の外周部１８全体にわたって連続的に結合されているものであってもよいし、または、シェル１０ａ、１０ｂを閉じた状態で保持することができる十分な数の部位でのみ結合されているものであってもよい。

一対のリブ部３０を内面８内にモールド成型して半シリンダ形状の凹部３１ｂの末端部を形成することによって、第１のソケット１１の一方の半片部が提供されている。第１のソケット１１の他方の半片部は、ハウジング１０ａの上側の内面８の中にモールド成型されている一対のリブ部３０によって形成されている半シリンダ形状の凹部３１ａによって提供されている。

これらのリブ部３０間のギャップは、第１の電気接触部材３２がプラグ２の第１の接触部２３を付勢し、第２の電気接触部材３３が第２の接触部２４を付勢するためのアクセスを提供している（図３を参照）。第３の電気接触部材３４は、母体−皮膚電極１５の接触部４０を付勢するために設けられている。第１の電気接触部材３２、第２の電気接触部材３３および第３の電気接触部材３４は、内面８に部材３５をモールド成型により設けることにより適所に保持されるようになっている。

接触部材３２、３３、３４は、同一の基本幾何学形状を有しており、ワイヤー５、６、７の端部をつかんで２つの対の位置決め部材３５間で適所に保持するほぼ真っ直ぐな部分３６と、プラグ２または母体−皮膚電極１５と電気的に接触する円周方向に湾曲する部分３７とを備えている。第１の電気接触部材３２および第２の電気接触部材３３の場合、円周方向に湾曲する部分３７が、プラグ２の第１の接触部２３および第二接触部２４を付勢ためのバネ接触部として働いている。図３から分かるように、第３の電気接触部材３４の円周方向に湾曲する部分３７は、第１の電気接触部材３２および第２の電気接触部材３３の円周方向に湾曲する部分３７と同一の半径となっているが、母体−皮膚電極１５の接触部４０をほぼ取り囲んでしっかりと掴むためにより長くなっている。これらの電気接触部材３２、３３、３４には、ワイヤー５、６、７への半田付けによる接続の必要性を排除するための把持部材が設けられている。

シェル１０ａ、１０ｂを閉じた状態に整列させて保持するための補助をするため、シェル１０ａ、１０ｂのうちの一方から延びてシェル１０ａ、１０ｂのうちの他方のカップ３９と係止するペグ３８が設けられている。これらのペグ３８およびカップ３９は、シェル１０ａ、１０ｂのエッジ領域１７ｂを溶接または接着剤を用いて結合することが必要とならないぐらいの十分な係止力を提供しうる。このことを達成するのにとって必要ならば、さらなるペグ３８およびカップ３９が用いられてもよい。

皮膚に対する低いインピーダンスの接続を得るために、皮膚のドライな上層を取り除いておく必要がある。通常、このことは、母体−皮膚電極１５を設ける領域を紙やすりでこすることにより達成されている。患者との間での洗浄が問題となることがない使い捨てレグ−プレートコネクタ１の場合、ハウジング１０に摩耗面４１を設けることができる。このことが図４ａおよび図４ｂに示されている。図４ａおよび図４ｂは、２つのシェル１０ａ、１０ｂを閉じた状態に結合した組み立て後のコネクタ１を示す斜視図である。

したがって、図４ａおよび図４ｂから理解することができるように、ハウジング１０の長いエッジ部１２は、ヒンジ１６に沿って真っ直ぐとなっているものの、エッジ部を半シリンダ形状に見る方向から見た場合には丸くなっている。この丸くて長いエッジ部１２上には、母体−皮膚電極１５を装着させるまえに母親の脚部をこするための摩耗面４１が設けられている。図４ａおよび図４ｂの実施の形態では、摩耗面４１は、ヒンジ１６の軸線に対して平行となるようにアレイ状に配置されているリッジ部４２によって形成されている。

図５には、摩耗面４１が、下側シェル１０ｂの湾曲した長いエッジ部１２に取り付けられる一片の紙やすり４３によって提供されている他の実施の形態が示されている。紙やすり４３をハウジング１０に設ける補助をするために、紙やすり４３を浅い凹部に配設するようにしてもよい。他の実施の形態（図示せず）では、紙やすり４３を長いエッジ部１２の半シリンダ形状の部分全体に配設するようにしてもよい。

他の実施の形態（図示せず）では、摩耗面４１は、半シリンダ形状の長いエッジ部１２の如きハウジング１０の領域に研磨材コーティングを被膜することにより提供されるようになっていてもよい。研磨材コーティングは、研磨用の粒子または孔を有する樹脂母材（マトリックス）を含んでいてもよい。

テストによれば、摩耗面４１は、２８０〜８００グリット（粗さ）の紙やすりまたは最も好ましくは４００グリットの紙やすり、またはそれに等しいものである必要がある。

母親の皮膚に対してなんの障害もなく摩耗面４１をこすることを可能とするため、母体−皮膚電極１５はハウジング１０から容易に外せるように構成されている。コネクタ１は、ユーザの手で容易につかむことができる形状であるとともに、母体−皮膚電極１５の直径にほぼ相当する長さを有する摩耗面４１を提供している。手の中での心地よさ、およびハウジング１０に対するつかみを向上させるため、ハウジング１０に凹み４４ａが設けられている。

摩耗面４１で母親の皮膚をこする際に親指を挿入させるための円形状の凹み４４ｂが上側シェル１０ａに設けられている。さらに、円形状の凹み４４ｂは、円形状の母体−皮膚電極１５を装着する際に接触部分４０を円形状の凹み４４ｂの中心におよび開口部４５に容易に位置決めすることができるように助産師をガイドする。上側シェル１０ａの内面８には、第３の電気接触部材３４から延びる接触部４０の端部の支えるためのソケット４６が設けられている。

図５に示されているように、ハウジング１０を図２ａおよび図２ｂに記載のようなクラムシェル形態にモールド成型することが生産性の利点の視点から好ましいものの、必要ならば、三角形状および摩耗面４１の利点を生かすため、シェル１０ａおよびシェル１０ｂを別個の部品としてまずモールド成型し、後の製造工程で、それらを結合させるようにすることも可能である。

本発明では、感染症による感染を防ぐため、コネクタは、一度だけしか使用されず、その後は廃棄されることが意図されている。使い捨て用の接続システムが確実に再使用されないようにするにあたって、コネクタ１またはプラグ２もしくは胎児用電極の如き他の部品には、使い捨てであること、および認められた製品にしか部品が使用されないことを担保するためのプログラム可能な電子ＩＤデバイス５０が設けられるようにしてもよい（胎児用電極プラグ２には、図６ａ、図６ｂ、図８に記載のＩＤデバイス５０が設けられている。また、コネクタプラグ６０には、ＩＤデバイス５０が設けられている）。好ましくは、ＩＤデバイス５０は、統合デジタル権利管理集積回路（ＤＲＭＩＣまたはＩＤチップ）であることが好ましい。このような製品は、Ｄａｌｌａｓ／Ｍａｘｉｍ １−ｗｉｒｅ（登録商標）技術のように市販されている。この技術では、接地用のコネクタまたはワイヤーに加えて、さらに１つの接続部品またはワイヤーだけが必要となる。

通常、胎児用モニターは、レグ−プレートコネクタ１、胎児用電極プラグ２、コネクタプラグ６０、胎児用電極または他のコンポーネントに属するＩＤデバイス５０を認識して、最初の接続の日付および時刻の如き詳細情報を含んだタグを付与するようになっている。また、胎児用モニターは、当該コンポーネントが認められたデバイスであることを確かめるためにチェックするようになっていてもよい。たとえば、一組のコンポーネントが、動作するにあたって一致していなければならない個々の製品番号を有するようになっていてもよい。そして、胎児用モニターが、このタグを付与されたコンポーネントをある制限時間の間のみ受け入れるようになっていてもよい。

同一の技術を用いると、バッチ番号、生産または殺菌の日付をＩＤ−デバイス５０に最初に格納することが可能となるので、期限切れの電極を退けることも可能となる。また、ｆＥＣＧ信号品質を最大化させるために、モニターが、安全な電極または最高品質を有する他のコンポーネントしか受け入れないように構成されてもよいし、または意図された用途に一致する電極で記録されたｆＥＣＧ信号に対してのみ高感度分析を実行するように構成されていてもよい。

ＩＤデバイス５０は、小さな直径、たとえば４ｍｍ未満の直径を有しているものが市販されており、これは、胎児頭皮電極のシリンダ形状のハブに設置することができる十分な小ささである。また、ＩＤデバイス５０は胎児用電極プラグ２の先端にも配置することができる。プラグ２の直径は、さらに小さく、胎児用電極を胎児頭皮に装着させるために用いられるドライブチューブ内に嵌合することができる十分な小ささである。このように、頭皮電極を装着させると、ドライブチューブをプラグ２から引き抜くことができる。

レグ−プレートコネクタ１内へのＩＤデバイス５０の接続は明瞭であるので（ＩＤデバイス５０は、コネクタ１のハウジング１０内のいかなる場所にも設けられてもよく、また、接触部材への接続には、はんだ付け以外の接続が用いられることが好ましい）、それに代えて、図６ａおよび図６ｂには、ＩＤデバイス５０が胎児用電極のプラグ２内に設置されている実施の形態の一例が示されている。

図６ａおよび図６ｂに示されているように、ＩＤデバイス５０がプラグの先端２６に一体化されている。プリント基板５２の伝導側５１は、レグ−プレートコネクタ１の１−ワイヤー通信のためのさらなる中央接触部材（図示せず）との接触のための第３のプラグ端子として用いられる。プリント基板５２は、およそ２．５×３．６ｍｍであり、約１．９×２．６ｍｍであるＩＤチップ５３と、信号用接地端末部材５５へ接続させるためのはんだパッド５４と、を保持するようになっている。プラグ端子５１、２４、２３はすべて、国際管理安全基準、たとえば接触防止コネクタに関するＩＥＣ ６０６０１−１に準拠するために、プラグ本体２６、２５、２７のレベルよりも内側に形成されている。全体的には、プラグ２は３．５ｍｍのステレオ用プラグに外観が類似している。

１つの問題は、ＩＤデバイスを備えた胎児用モニターによって通信がなされる場合、ケーブルが故障すると、国際管理安全基準により予測されるよりも電流が大きくなる恐れがあるということである。このことは、ＩＤチップがプラグ先端２６内にまたは胎児用電極に近い他の位置に設けられている場合にのみ重要な問題となる。この問題を克服するためには、胎児用モニターに、モニターのワイヤーの低電流インピーダンスを感知するネットワークを装備し、このようなケーブルの故障をＩＤデバイスと通信する前に特定することが必要である。

図７は、電気リード線５、６、７を備えた取り除き不可能なケーブル６１を有するレグ−プレートコネクタ１の好ましい実施の形態を示す斜視図である。ケーブル６１は、コネクタ１における、胎児用電極プラグソケット１１とは反対側の角部から出て、コネクタ６０で終端している。コネクタ１、ケーブル６１およびコネクタプラグ６０を分解することはできなくなっている。

コネクタプラグ６０は、いかなる形態であってもよいし、また、雄型コネクタまたは雌型コネクタのいずれであってもよいが、最も好ましくは、とくに高価ではないという点にから図示されているような雄型のＲＪ−４５型コネクタであることが好ましい。コネクタプラグ６０はレバー６２を有している。このレバー６２は、胎児用モニターまたは中間コンポーネントに設けられている雌コネクタ６４からプラグ６０を外すために押すと動くようになっている（図８参照）。コネクタプラグ６０において、レバー６２とは反対側には、一連の８つの接触ピン６５が設けられ、雌コネクタ６４の対応する接触部と電気的に接続されるようになっている。これらの接触ピン６５を取り囲んでいる溝６６が図９ａおよび図９ｂに示されている。図９ａおよび図９ｂには、同一のＲＪ−４５ピン構造を有しているコネクタプラグ６０の他の実施の形態が示されている。

図８から理解することができるように、コネクタプラグ６０の内側には、たとえば寸法が７×１８ｘ０．８ｍｍであり、ＩＤチップを有したプリント基板の形態をしているＩＤデバイス５０が設けられている。ＩＤデバイス５０は、コネクタプラグ６０に永久に取り付けられているコネクタ１が１人の患者にのみに使用されることを担保するように動作するようになっている。このことは、たとえば、レグ−プレートコネクタ１、ケーブル６１およびコネクタプラグ６０からなる組立体を指定された時間だけしか使えないようにすることによって達成される。

ＲＪ−４５フォーマットのような共通フォーマットに起因するコストの利点のため、ＲＪ−４５フォーマットを有するコネクタプラグを用いることが好ましいものの、コネクタプラグ６０を他のネットワークデバイスに間違って接続しないことが担保されなければならないという問題が生じる。また、このことが生じる場合、母親または胎児が感電してしまう恐れがあるという問題がある。この問題に対する解決策として、コネクタプラグ６０には、他の装置に装着された標準ＲＪ−４５ソケットに対してコネクタプラグ６０を差し込むことができないよう防止する手段が設けられている。図７および図９ｂに示されているように、この手段は、ドリルにより開けられた穴６３からの延長部としてコネクタプラグ６０の側面から突出するピン６７であってもよい。このことにより、ピン６７を受けるための対応する溝を有していないソケットにコネクタプラグ６０が差し込まれることが阻止されるので、ユーザが正しい胎児用モニターまたは胎児用モニター用の正しいアダプタだけにしかコネクタプラグ６０を差し込むことができないことが担保される。ケーブルの端部にプラグを圧着させる工程中にピン６７をコネクタプラグ６０内に容易に埋め込むことができる。このようにして、安価な標準ＲＪ−４５プラグならびに生産に利用可能なすべての標準工具および有効なツールを用いてユニークで安全なコネクタプラグ６０を生産することができる。多重使用を防止するため、コネクタプラグ６０は、レグ−プレートコネクタ１との間の機械的な鍵手段を備えているとともに、電気的にもロックされるようになっている。

図９ｄは、ピン６７を備えたコネクタプラグ６０を示す側面図である。図９ｃは、Ａ−Ａ線に沿ったコネクタプラグ６０を示す断面図である。図９ｃから理解することができるように、ピン６７の端部６９は、コネクタプラグ６０にドリルで空けられた穴６３の中に保持され、環状の溝部の形態を有している凹部６８を備えている。コネクタプラグ６０をケーブル６１の端部に圧着する工程時、接触ピン６５は、凹部６８の中へ突出してピン６７をコネクタプラグ６０の側面から突出した位置でロックするように圧着される。このことにより、コネクタプラグ６０に対してピン６７による変更を単一の圧着工程中に加えることができるので、簡単な製造工程が実現される。

Claims (18)

1. 胎児用電極用の使い捨てコネクタであって、
   胎児用電極のプラグを受けるための第１のソケットを有しているハウジングと、
   前記プラグを差し込んだときに該プラグから電気信号を受けるための、前記第１のソケット内に配設されている２つ以上の接触部と、
   前記ハウジングの下面に設けられている母体参照電極用の第２のソケットとを備えており、
   前記ハウジングが、クラムシェル形態を有しているモールド成型された本体から形成されており、前記ハウジングが、使用時に、該ハウジングの前記下面と上面とを提供する、実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有しており、一方のシェルが、共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って他方のシェルに一体的に結合されてなる、コネクタ。
2. 前記ハウジングの前記シェルが、ほぼ三角形状の外形である、請求項１３に記載のコネクタ。
3. 各シェルが、１つの長いエッジ部と２つの短いエッジ部とを有しているほぼ直角三角形状の外形である、請求項２に記載のコネクタ。
4. 前記２つのシェルが、前記長いエッジ部に沿ってヒンジにより一体的に結合されるとともに、前記短いエッジ部に沿って溶接されてなる、請求項３に記載のコネクタ。
5. 前記コネクタが、前記母体参照電極を取り付ける前に皮膚をこするための摩耗面を有してなる、請求項１乃至４のうちのいずれか１項に記載のコネクタ。
6. 前記摩耗面が、前記ハウジングと一体になっている一連の突出部を有してなる、請求項５に記載のコネクタ。
7. 前記摩耗面が一片の紙やすりである、請求項５に記載のコネクタ。
8. 前記摩耗面が、前記ハウジングのエッジ部に設けられてなる、請求項５乃至７のうちのいずれか１項に記載のコネクタ。
9. 前記第１のソケットの２つの接続が第１の接触部材および第２の接触部材により提供され、母体参照電極への接続が第３の接触部材により提供されており、前記第１の接触部材、前記第２の接触部材および前記第３の接触部材が同一の基本幾何学形状を共有してなる、請求項１乃至８のうちのいずれか１項に記載のコネクタ。
10. 前記コネクタの再使用を妨げるように構成されたプログラム可能な電子ＩＤデバイスが前記コネクタに取り付けられてなる、請求項１乃至９のうちのいずれか１項に記載のコネクタ。
11. 請求項１乃至９のうちのいずれか１項に記載のコネクタと、
    前記コネクタから胎児用モニターへ電気信号を伝えるためのリード線を有している前記コネクタから延びるケーブルとを備えており、
    前記ケーブルがコネクタプラグで終端しており、該コネクタプラグが、前記コネクタの再使用を妨げるように構成されたプログラム可能な電子ＩＤデバイスを収容するように構成されてなる、コネクタ組立体。
12. 胎児用電極用の使い捨てコネクタを製造する方法であって、
    モールド成型された装置の対向した金型の間に材料を供給することにより前記コネクタのハウジングをモールド成型するステップを含んでおり、前記ハウジングの内面プロフィールが一方の金型により提供され、前記ハウジングの外面プロフィールが他方の金型により提供されるようになっている開いた状態で、前記ハウジングをモールド成型することにより、モールド成型された前記ハウジングが、実質的に剛体である材料からなる２つのシェルを有したクラムシェルの形態を有し、前記２つのシェルが、該２つのシェルをヒンジで結合させる共通の真っ直ぐなエッジ部に沿って一体的に結合されており、
    さらに、前記方法が、
    前記２つのシェルにおいて、前記真っ直ぐなエッジ部以外の部分を合わせるように前記モールド成型された前記ハウジングを閉じるステップと、
    前記２つのシェルを結合し、前記２つのシェルを閉じた状態で保持するステップと、を含む、方法。
13. 前記両側の金型の間で材料を供給するステップが、前記対向した金型の間に正方形状または長方形状のブランク材を供給することを含んでおり、該ブランク材の対角線に沿って前記共通の真っ直ぐなエッジ部が延設された状態で内面プロフィールおよび外面プロフィールを提供するように、前記２つのシェルがモールド成型される、請求項１２に記載の方法。
14. 前記２つのシェルを結合するステップが、一方のシェルのエッジ部における前記共通の真っ直ぐなエッジ部以外の部分を、他方のシェルのエッジ部における前記共通の真っ直ぐなエッジ部以外の部分に溶接するステップを含む、請求項１２または１３に記載の方法。
15. 前記方法が、前記ハウジングに摩耗面を形成するステップを含む、請求項１２乃至１４のうちのいずれか１項に記載の方法。
16. 電気信号を胎児用モニターへ伝えるための電気リード線を有するケーブルを、前記コネクタに供給し、前記コネクタの前記ハウジング内に保持されている一組の接触部材へ取り付けることによって、前記ケーブルの一方の端部を前記コネクタに固定するステップと、
    前記コネクタの再使用を妨げるように構成されているプログラム可能な電子ＩＤデバイスを含むコネクタプラグを前記ケーブルの他方の端部へ取り付けるステップと
    を含む、請求項１２乃至１５のうちのいずれか１項に記載の方法。
17. 添付の図面を参照して請求項１乃至１６に実質的に記載されている胎児用電極用の使い捨てレグ−プレートコネクタ。
18. 添付の図面を参照して請求項１乃至１７に実質的に記載されている胎児用電極用の使い捨てレグ−プレートコネクタを製造する方法。

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