以下に述べる実施形態は、当業者が本発明を実施するために必要な情報を示し、発明を実施する最良のモードを説明する。添付の図面を参照して以下の説明を読むと、当業者であれば発明の概念を理解し、ここには具体的には示されていないこれらの概念の応用を認識するであろう。これらの概念と応用は、開示の範囲に入り、添付するクレームの範囲に入ることが理解されるべきである。
図1は、本発明の一の実施形態にかかる移動体通信ネットワーク10を示している。好ましい実施形態において、移動体通信ネットワーク10はロングタームイボリューション(LTE)移動体通信ネットワークである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、高スペクトル効率を維持しながらカバレッジを拡大するためにパワーブーストが要望されるいかなるセルベースのあるいは移動体通信ネットワークで利用されてもよい。一般的には、移動体通信ネットワーク10は、移動体通信ネットワーク10の対応するセル14−1〜14−7を形成する複数の基地局(BTS)12−1〜12−7を有する。基地局12−1〜12−7及びセル14−1〜14−7は、ここでは一般的には基地局12、セル14と呼んでも良い。セル14のそれぞれは、アルファセクタ(α)、ベータセクタ(β)、ガンマセクタ(γ)を有する。説明の簡易化ため、7つの基地局12−1〜12−7、及び対応するセル14−1〜14−7のみ図示しているが、移動体通信ネットワーク10がいかなる数の基地局12及び対応するセル14を有してもよいことは、当業者にとっては明白である。さらに、この実施形態では、各セル14は3つのセクタを有するが、本発明はこれには限定されない。各セル14が有するセクタの数は、いくつであっても良い。
まずセル14−1を見ると、セル14−1のアルファセクタは、セル周辺領域16−1、セル中間領域18−1、セル中心領域20−1を有する。同様に、セル14−1のベータセクタ及びガンマセクタは、セル周辺領域16−2及び16−3、セル中間領域18−2及び18−3、セル中心領域20−2及び20−3をそれぞれ有する。セル14−1のアルファ、ベータ、ガンマセクタのセル周辺領域16−1、16−2、16−3は、ここでは一般的にセル14−1のセル周辺領域16と呼ぶ。同様に、セル14−1のアルファ、ベータ、ガンマセクタのセル中間領域18−1、18−2、18−3は、ここでは一般的にセル14−1のセル中間領域18と呼び、及びセル14−1のアルファ、ベータ、ガンマセクタのセル中心領域20−1、20−2、20−3は、ここでは一般的にセル14−1のセル中心領域20と呼ぶ。
好ましい実施形態において、セル14−1のセル周辺領域16は、ユーザ装置(UE)と基地局12−1間の通信リンク(即ちアップリンク及び/又はダウンリンク)に対する信号対干渉雑音比(SINR)が最小SINR(SINRMIN)より小さいセル14−1のエリアである。最小SINR(SINRMIN)は、好ましくは基地局12−1とのアップリンク及び/又はダウンリンク接続を維持するのに必要な最小SINR(SINRMIN)である。LTE移動体通信ネットワークにおいて、最小SINR(SINRMIN)は、約−5デシベル(dB)である。セル14−1のセル中心領域20は、UEと基地局12−1間のアップリンク及び/又はダウンリンクに対するSINRが最大SINR(SINRMAX)より大きいセル14−1のエリアである。最大SINR(SINRMAX)は、好ましくはUEに対するスループットが最大となるSINR値である。LTE移動体通信ネットワークに対し、最大SINR(SINRMAX)はシングルインプットシングルアウトプット(SISO)UEの場合約+19dBとなる。LTE移動体通信ネットワークにおいて、SINRが+19dBの時、最大のスループットを提供する変調及び符号化方式が使われ、それは3/4符号化速度において64直交振幅変調(QAM)である。従って+19dBを超えるSINRのスループットの改良により、さらにスループットが向上することはない。セル14−1のセル中間領域18は、UEと基地局12−1間のアップリンク及び/又はダウンリンクに対するSINRが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいセル14−1のエリアである。
セル14−2のアルファ、ベータ、ガンマセクタはセル周辺領域22−1、22−2、22−3、セル中間領域24−1、24−2、24−3、セル中心領域26−1、26−2、26−3を有する。セル周辺領域22−1、22−2、22−3、セル中間領域24−1、24−2、24−3、セル中心領域26−1、26−2、26−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−2のセル周辺領域22、セル14−2のセル中間領域24、セル14−2のセル中心領域26と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域22はUEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−2のエリアである。セル中間領域24は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−2のエリアであり、セル中心領域26は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−2のエリアである。
セル14−3のアルファ、ベータ、ガンマセクタは、セル周辺領域28−1、28−2、28−3、セル中間領域30−1、30−2、30−3、セル中心領域32−1、32−2、32−3を有する。セル周辺領域28−1、28−2、28−3、セル中間領域30−1、30−2、30−3、セル中心領域32−1、32−2、32−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−3のセル周辺領域28、セル14−3のセル中間領域30、セル14−3のセル中心領域32と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域28はUEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−3のエリアである。セル中間領域30は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−3のエリアであり、セル中心領域32は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−3のエリアである。
セル14−4のアルファ、ベータ、ガンマセクタは、セル周辺領域34−1、34−2、34−3、セル中間領域36−1、36−2、36−3、セル中心領域38−1、38−2、38−3を有する。セル周辺領域34−1、34−2、34−3、セル中間領域36−1、36−2、36−3、セル中心領域38−1、38−2、38−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−4のセル周辺領域34、セル14−4のセル中間領域36、セル14−4のセル中心領域38と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域34はUEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−4のエリアである。セル中間領域36は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−4のエリアであり、セル中心領域38はUEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−4のエリアである。
セル14−5のアルファ、ベータ、ガンマセクタは、セル周辺領域40−1、40−2、40−3、セル中間領域42−1、42−2、42−3、セル中心領域44−1、44−2、44−3を有する。セル周辺領域40−1、40−2、40−3、セル中間領域42−1、42−2、42−3、セル中心領域44−1、44−2、44−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−5のセル周辺領域40、セル14−5のセル中間領域42、セル14−5のセル中心領域44と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域40は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−5のエリアである。セル中間領域42は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−5のエリアであり、セル中心領域44は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−5のエリアである。
セル14−6のアルファ、ベータ、ガンマセクタは、セル周辺領域46−1、46−2、46−3、セル中間領域48−1、48−2、48−3、セル中心領域50−1、50−2、50−3を有する。セル周辺領域46−1、46−2、46−3、セル中間領域48−1、48−2、48−3、セル中心領域50−1、50−2、50−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−6のセル周辺領域46、セル14−6のセル中間領域48、セル14−6のセル中心領域50と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域46は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−6のエリアである。セル中間領域48は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−6のエリアであり、セル中心領域50は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−6のエリアである。
セル14−7のアルファ、ベータ、ガンマセクタは、セル周辺領域52−1、52−2、52−3、セル中間領域54−1、54−2、54−3、セル中心領域56−1、56−2、56−3を有する。セル周辺領域52−1、52−2、52−3、セル中間領域54−1、54−2、54−3、セル中心領域56−1、56−2、56−3は、ここでは一般的にそれぞれセル14−7のセル周辺領域52、セル14−7のセル中間領域54、セル14−7のセル中心領域56と呼ぶ。セル14−1について説明したように、セル周辺領域52は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より小さいSINRを有するセル14−7のエリアである。セル中間領域54は、UEsに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいSINRを有するセル14−7のエリアであり、セル中心領域56は、UEに対するアップリンク及び/又はダウンリンクが最大SINR(SINRMAX)より大きいSINRを有するセル14−7のエリアである。
動作時には、基地局12−1〜12−7は、バックホールネットワーク58を介して、それぞれのセルのセクタの個々のセル周辺領域においてUEのための通信リンク(即ち、アップリンク及び/又はダウンリンク)のパワーブーストと、隣接セルの隣接セクタのセル中心領域におけるUEのための通信リンクのパワーバックオフとを調整するために通信し、これにより移動体通信ネットワーク10のカバレッジを拡大する。バックホールネットワーク58はイーサネット又はファイバネットワークのような有線ネットワークであっても良いし、無線ネットワークであっても良く、あるいはこれらの組み合わせであっても良い。より具体的には、1つの実施形態において、例として基地局12−1を用いれば、基地局12−1はセル14−1内にある、この例ではUE60、62、64、66、68を含むUEの通信リンクSINRをモニタする。最小SINR(SINRMIN)より大きく最大SINR(SINRMAX)より小さい通信リンクSINRを有するUE68のようなUEは、セル14−1のセル中間領域18に位置している。この場合、基地局12−1は、これらのUEに対してパワーブースト又はパワーバックオフを行っていない。
最小SINR(SINRMIN)より小さい通信リンクSINRを有するUEは、セル14−1のセル周辺領域16に位置している。この例では、UE60、62、64がセル14−1のセル周辺領域16に位置している。UE60、62、64の通信リンクSINRを基地局12−1とUE60、62、64間の通信リンクを維持できる程度にまで改良するために、基地局12−1は、UE60、62、64のために通信リンクに対するパワーブーストを提供する。各UE60、62、64に対し、パワーブースト量は、最小SINR(SINRMIN)とそのUEの通信リンクSINR間の差に関連している。
最大SINR(SINRMAX)より大きい通信リンクSINRを有するUEは、セル14−1のセル中心領域20内に位置している。この例では、UE66がセル14−1のセル中心領域20内に位置している。UE66は、最大スループットに必要な値を超える通信リンクSINRを有しているので、パワーバックオフと隣接セクタのパワーブーストによりもたらされる干渉の増加の総合効果がUE66の約最大SINR(SINRMAX)の通信リンクSINRになるように、基地局12−1は、UE66のパワーを低減する。
さらに、セル14−1のセル周辺領域16のUEの通信リンクに対して提供されるパワーブーストによりもたらされる追加の干渉の効果を弱め、及びパワーが増大された信号の衝突を避けるために、基地局12−1は、周波数と時間の両方により、パワーブーストと隣接セクタのパワーバックオフとを調整する。好ましい実施形態において例としてUE60を用いれば、基地局12−1は、セル14−1のアルファセクタに位置するUE60への通信リンクに対するパワーブーストと、各隣接セクタの個々のセル中心領域におけるUEへの通信リンクに対するパワーバックオフとを周波数と時間の両方において調整する。従って、この実施形態では、基地局12−1は、UE60への通信リンクに対するパワーブーストと、セル14−2のベータセクタのセル中心領域26−3に位置するUEへの通信リンクに対するパワーバックオフとを調整し、セル14−2のガンマセクタのセル中心領域26−2に位置するUEへの通信リンクに対するパワーバックオフとを調整し、セル14−3のガンマセクタのセル中心領域32−2に位置するUEの通信リンクのパワーバックオフとを調整し、そしてセル14−7のベータセクタのセル中心領域56−3に位置するUEへの通信リンクに対するパワーバックオフとを調整する。さらに、基地局12−1は、UE60のパワーブーストとセル14−1のベータセクタのセル中心領域20−3にあるUEの通信リンクに対するパワーバックオフとを、及びセル14−1のガンマセクタのセル中心領域20−2のUE66のようなUEの通信リンクに対するパワーバックオフとを周波数と時間の両方において調整してもよい。
図2A、2Bは、本発明の一の実施形態にかかるパワーブーストを示している。図2A、2Bを具体的に説明する前に、ダウンリンク及びアップリンクチャネルの説明が必要である。基地局12−1〜12−7により使用されるダウンリンクチャネルは、データが送信される多数のサブキャリア周波数を含む全チャネル帯域を有する。LTEに対し、ダウンリンクチャネルは、特定の実行に応じて1.25メガルツ(MHz)、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの全チャネル帯域を有する直交周波数分割多元接続(OFDMA)チャネルである。全チャネル帯域内でデータは多数のサブキャリア周波数で変調される。セル14−1に位置するUEのダウンリンクを提供するために、ダウンリンクチャネル内リソースブロック(RB)は、必要に従いUEに割り当てられる。1つのRBは、周波数ドメイン内の12の連続サブキャリア周波数及び時間ドメイン内の14の連続シンボルで形成され、これは、周波数ドメイン内180キロヘルツ(KHz)に相当し、時間ドメイン内1ミリセコンド(ms)、あるいは1サブフレームに相当する。同様に、基地局12−1〜12−7により使用されるアップリンクチャネルは、データが送信される多数のサブキャリア周波数を含む全チャネル帯域を有している。LTEに対し、アップリンクチャネルは、特定の実行に応じて1.25メガルツ(MHz)、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzの全チャネル帯域を有するシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)チャネルである。全チャネル帯域内で、データは多数のサブキャリア周波数で変調される。セル14−1に位置するUEのアップリンクを提供するために、アップリンクチャネル内リソースブロック(RB)は、必要に従いUEに割り当てられる。
図2Aは、パワーブーストしない場合のダウンリンク又はアップリンクチャネルの全チャネル帯域における信号電力密度、熱ノイズ密度、及びセル外干渉を示している。図示のように、信号電力密度は全チャネル帯域にわたって広がっている。図2は、本発明の一の実施形態にかかるパワーブーストの後での信号電力密度、熱ノイズ密度、セル外干渉を示している。一例として、基地局12−1とUE60を使うと、UE60のダウンリンクのパワーブーストを行うために、基地局12−1は、ダウンリンクチャネルのサブチャネルとして狭帯域チャネルを設ける。換言すると、狭帯域チャネルは、ダウンリンクチャネルのサブキャリア周波数のサブセットによって形成される。さらに、狭帯域チャネルの帯域は、ダウンリンクチャネルの全帯域の一部である。UE60へのダウンリンクは、UE60のダウンリンクに対する狭帯域チャネルにおいて1以上のRBを割りあてることで設けられる。UE60へのダウンリンクのために狭帯域チャネルを使いながら、信号電力又は送信電力を一定に保つことにより、信号パワー密度は、ダウンリンクチャネルの全帯域全体に広がることなく狭チャネル帯域に集中する。信号電力密度の集中によりUE60のダウンリンクのパワーが増大する。同様に、UE60のアップリンクに対してパワーが増大してもよい。ここで、図2Bは、狭帯域チャネルを多数の連続するあるいは隣接するサブキャリア周波数として示すが、本発明はこれに限定されない。狭帯域チャネルを形成するサブキャリア周波数は、1以上の連続するサブキャリア周波数であっても、1以上の非連続サブキャリア周波数であっても、あるいはそれらの組合せであっても良い。
信号電力密度を集中することによって、サブキャリア周波数毎のSINR又はトーン毎のSINRは、全帯域チャネルのSINRと比べて大幅に増加する。具体的には、チャネル毎のSINR、(SINR
CHANNEL)は以下のように定義される。
ここで、P
FULL_CHANNEL_BWは全チャネル帯域内の合計信号電力であり、Interference
FULL_CHANNEL_BWは全チャネル帯域内の合計干渉であり、Thermal_Noise
FULL_CHANNEL_BWは全チャネル帯域内の熱ノイズパワーである。サブキャリア周波数毎のSINR又はトーン毎のSINR(SINR
TONE)は以下のように定義される。
ここで、P
TONE_BWはトーン帯域内合計信号電力であり、Interference
TONE_BWはトーン帯域内合計干渉であり、Thermal_Noise
TONE_BWはトーン帯域内熱ノイズパワーである。図2Aに示すように、信号電力が全帯域に亘って一様に広がる時、チャネル毎のSINR(SINR
CHANNEL)はトーン毎のSINR(SINR
TONE)と等しい。対照的に、図2Bに示すように、信号電力が狭帯域チャネルに集中する時、トーン毎のSINR、(SINR
TONE)は以下のように定義される。
ここで、パワーブーストは、狭帯域チャネルの信号電力の集中によりもたらされるゲイン[dB]である。一般的に、パワーブーストは、全チャネル帯域と狭帯域チャネルの狭チャネル帯域の比率に関係する。具体的には、パワーブーストは、以下のように定義される。
図3A及び3Bは、本発明の一の実施形態にかかる、ダウンリンクの調整されたパワーブーストとパワーバックオフのスキームを実行する基地局の動作を示すフローチャートである。この説明において、基地局は図1の基地局12−1である。しかしながら、この説明は移動体通信ネットワーク10の他の基地局12−2〜12−7にも同様に適用される。まず、基地局12−1は、UEからダウンリンクSINRを取得する(ステップ100)。一の実施形態では、LTE移動体通信ネットワークに対して基地局12−1はUEへリクエストを発信し、UEがチャネル品質インデックス(CQI)を基地局12−1へ伝えるように指示する。ここで、CQIはUEのダウンリンクSINRを有している。これに応じて、UEは基地局12−1へCQIを伝える。
次いで基地局12−1は、UEのダウンリンクSINRが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいか否かを決定する(ステップ102)。換言すれば、基地局12−1は、UEがセル14−1のセル中間領域18内に位置しているか否か決定する。UEがセル14−1のセル中間領域18内に位置している場合、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するダウンリンクチャネルを使って、全送信パワーレベルで適切な変調及び符号化方式(MCS)を用いて、UEへのダウンリンクをスケジュールする(ステップ104)。より具体的には、LTE移動体通信ネットワークに対して、基地局12−1は、UEのダウンリンクSINRに基づいて、UEの適切なMCSを選択する。さらに、全送信パワーレベルは、基地局12−1の最大送信パワーであっても良いし、基地局12−1の最大送信パワーから所定レベル低減したものであっても良い。基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対する1以上の送信時間のインターバル(TTIs)の間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることにより、UEへのダウンリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対し1以上のRBを割り当てることにより、UEへのダウンリンクをスケジュールする。次いでプロセスはステップ100に戻り、繰り返される。
ステップ102に戻り、もしUEのダウンリンクSINRが最小SINR(SINRMIN)より大きくなく、最大SINR(SINRMAX)より小さければ、(即ちもしUEがセル14−1のセル中間領域18内に位置していなければ)、基地局12−1はダウンリンクSINRが最大SINR(SINRMAX)より大きいか否か決定する(ステップ106)。換言すれば、基地局12−1は、UEがセル14−1のセル中心領域20内にあるか否かを決定する。UEがセル14−1のセル中心領域20内にある場合、この実施形態では、基地局12−1はUEがSISO(直列入力直列出力)デバイスであるか否かを決定する(ステップ108)。ここで、LTE移動体通信ネットワークに対して、ダウンリンクSINRがLTEに対し約+19dBである最大SINR(SINRMAX)を超えて増加する場合でも、多重入出力(MIMO)デバイスは、スループットを改良してもよい。もしUEがSISOデバイスでなければ、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するダウンリンクチャネルを使って、全送信パワーレベルで適切なMCSを用いて、UEへのダウンリンクをスケジュールする(ステップ110)。基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対する1以上のTTIsの間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることによりUEへのダウンリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークにおいて、基地局12−1はUEへのダウンリンクに対し1以上のRBsを割り当てることによりUEへのダウンリンクをスケジュールする。次いでプロセスはステップ100に戻り、繰り返される。
ステップ108に戻り、もしUEがSISOデバイスであれば、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するダウンリンクチャネルを使って、低減された送信パワーレベルで適切なMCSを用いてUEへのダウンリンクをスケジュールし、それによってUEへのダウンリンクに対するパワーを低減する(ステップ112)。より具体的には、基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対する1以上のTTIsの間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることによりUEへのダウンリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対し1以上のRBを割り当てることによりUEへのダウンリンクをスケジュールする。さらに、UEへのダウンリンクに対する割り当てのためのサブキャリア周波数及びTTIの選択において、又はRBの選択において、基地局12−1は、UEが位置するセル14−1内のセクタの隣接セクタにおける、バックホールネットワーク58を介して対応の基地局により伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい(図1)。例えば、もしUEがセル14−1のアルファセクタに位置していれば、基地局12−1は、セル14−1のアルファセクタに隣接するセル14−2のベータ及びガンマセクタ、セル14−3のガンマセクタ、セル14−7のベータセクタから伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーブーストで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーブースト量を含む。これに加え、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーバックオフで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーバックオフ量を含む。これに加え、基地局12−1は、セル14−1内の隣接セクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。
ダウンリンクがスケジュールされると、基地局12−1は他の基地局12−2〜12−7に対し、バックホールネットワーク58を介してUEへのダウンリンクに対する使用のためにスケジュールされたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを通知する(ステップ114)。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、X2メッセージを使用する他の基地局12−2〜12−7に対して通知する。具体的には、基地局12−1は、相対的狭帯域送信パワーインジケータ((RelativeNarrowbandTransmit)(Tx)Power(RNTP)indicator)を介してUEへのダウンリンクに対しスケジュールされ選択されるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループへ低干渉状態を伝達する。この時、プロセスはステップ100に戻り、繰り返される。
ステップ106に戻り、UEのダウンリンクSINRが最大SINR(SINRMAX)より大きくない場合、UEはセル14−1のセル周辺領域16内に位置している。従って、パワーブーストが必要となる。この実施形態では、パワーブーストを実施するために、基地局12−1はまずUEからのダウンリンクチャネルの各サブバンドに対するサブバンドSINRを取得する(ステップ116)。一の実施形態では、LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1はダウンリンクチャネルにおけるサブバンドCQIのリクエストをUEへ送信する。これに応答して、UEはサブバンドSINRを含むサブバンドCQIを基地局12−1へ送信する。
次に、基地局12−1は、伝えられた隣接するセクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、狭帯域チャネルが望ましいパワーブーストを実施するのに十分な狭帯域を有するように、狭帯域チャネルに対しダウンリンクチャネルのサブキャリア周波数のサブセットを特定する(ステップ118)。より具体的には、狭帯域チャネルに対しサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択する時、基地局12−1は、バックホールネットワーク58を介して対応の基地局により伝えられる、UEが位置するセクタの隣接するセクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮する(図1)。従って、例えば、もしUEがセル14−1のアルファセクタに位置していれば、セル14−1のアルファセクタの隣接セクタである、セル14−2のベータ及びガンマセクタ、セル14−3のガンマセクタ、及びセル14−7のベータセクタから伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を基地局12−1は考慮する。パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーブーストで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーブースト量を含む。これに加え、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーバックオフで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーバックオフ量を含む。これに加え、基地局12−1は、セル14−1内の隣接セクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。
隣接するセクタにおけるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、基地局12−1は、UEへのダウンリンクに対するパワーブーストが隣接セクタのパワーバックオフと調整されるように狭帯域チャネルのサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択することができる。具体的には、一の実施形態において、基地局12−1は、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報に応じて、(1)隣接するセクタのそれぞれにおいて現在パワーバックオフに使われており、及び(2)別の隣接するセクタにより現在パワーブーストに使われていない、狭帯域チャネルに対するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数を選択する。次いで、選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数の少なくとも1つのサブセットを用いて、基地局12−1は、望ましいパワーブーストを提供するためにダウンリンクチャネルの全チャネル帯域と比較して十分に低減された狭チャネル帯域を有する狭帯域チャネルを提供する。
好ましい実施形態において、別のセル内の各隣接するセクタにおいて、あるいは同一セル内の各隣接するセクタにおいて、パワーブーストはパワーバックオフと調整される。しかしながら、各隣接するセクタにおけるパワー増体とパワーバックオフとの調整は、2つの状態のいずれかにおいて不可能となり得る。第1の状態は、1以上の隣接するセクタが、パワーバックオフにサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数を現在使用中のセル中心領域にUEを1つも有していない場合である。第2の状態は、1以上の隣接セクタが、別の隣接するセクタ内でパワーバックオフに現在使用中であり、かつパワーブーストに未だ使われていない、サブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを有していない場合である。これらいずれかの状態においては、パワーブーストをパワーバックオフと調整するよりも基地局12−1は、隣接するセクタからのパワーブースト信号との衝突を避けるようにパワーブーストを調整しても良い。具体的には、隣接するセクタに対して伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、基地局12−1は、どのサブキャリア周波数が、あるいはどのRBサブキャリア周波数グループが隣接するセクタにおいて未だパワーブーストのために使用されていないかどうかを決定することができる。次いで基地局12−1は、狭帯域チャネルに対して、他のサブキャリア周波数あるいは他のRBサブキャリア周波数グループを選択することができる。
一の実施形態において、望ましいパワーブーストは、最小SINR(SINRMIN)とUEのダウンリンクSINR間の差である。これは、セル外干渉が熱ノイズよりはるかに少ない(I<<n)、カバレッジが制限される状況、あるいはノイズが制限される状況において特に有益である。カバレッジが制限される状況において、XdBのパワーブーストからもたらされるUEに対するSINRの改良又はゲインはXdBである。他の実施形態において、望ましいパワーブーストは、SINRMINマイナスUEに対するダウンリンクSINRマイナスパワーブーストを調整するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループのパワーバックオフ量である。これは、セル外干渉が熱ノイズよりはるかに大きい(I>>n)、干渉が制限される状況において特に有益である干渉が制限される状況において、YdBのパワーバックオフと調整されるXdBのパワーブーストからもたらされるUEに対するSINRの改良又はゲインは、X+YdBである。
狭帯域チャネルの帯域は、パワーブーストの望ましい量に間接的に関連する。一の実施形態において、狭チャネル帯域は、以下の数式に基づいて決定されてもよい。
従って、
である。
このように、例えば、もし望ましいパワーブーストがサブキャリアにつき4.77dBであれば、狭チャネル帯域は全チャネル帯域の1/3となる。
次に、狭帯域チャネルにおいて、現在低量のあるいは少なくともセル外干渉量を経験しているサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループについて、基地局12−1はUEのダウンリンクをスケジュールする(ステップ120)。より具体的には、ステップ116で取得したサブバンドSINRに基づいて、基地局12−1は、閾値より大きいサブバンドSINRを有するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを特定してもよく、次いでこれらのサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループのM個を選択する。ここで、MはUEへのダウンリンクに対し割り当てられるサブキャリア周波数又はRBの数に対応する。他の実施形態において、基地局12−1は、最も高いサブバンドSINRを有するM個のサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択できる。ここで再び、MはUEへのダウンリンクに対し割り当てられるサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループの数に対応する。次いで、選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループは、1以上のTTIの期間にUEへのダウンリンクに対し割り当てられる。
基地局12−1は、バックホールネットワーク58を介して、UEへのダウンリンクに対する使用のためにスケジュールされるサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを他の基地局12−2〜12−7へ通知する(ステップ122)。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1はX2メッセージを使って他の基地局12−2〜12−7へ通知する。具体的には、基地局12−1はRNTPインジケータを介して、UEへのダウンリンクに対しスケジュールされる選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループの高干渉状態を伝達する。ここでプロセスはステップ100に戻り、繰り返される。
LTEにおいて、最短のRNTP更新周期は200msである。従って、RNTPインジケータは最短でもせいぜい200ms毎に更新され得る。しかしながら、セル14−1〜14−7におけるパワーブースト及びパワーバックオフの状況はこの200ms周期以内で変わる可能性が高いので、基地局12−1は200ms周期内で1以上の追加のパワーブーストに対し、パワーブーストに使用されるサブキャリア周波数を再使用してもよい。例えば、基地局12−1がUEへのダウンリンクに対するパワーブーストに対し、特定のRBサブキャリア周波数グループを割り当てる場合、UEへのダウンリンクは、もし基地局12−1がこれ以上UEへ送信すべきデータが無い場合には必要でなくとも良い。この状況g200msのRNTP更新周期内で発生すれば、基地局12−1は、同等あるいはそれ以下の量の別のパワーブーストに対し、RBサブキャリア周波数グループを再利用してもよい。このようなパワーブーストが必要でなければ、基地局12−1は、次のRNTPの更新が受信されるまで、RBサブキャリア周波数グループをスケジュールしない。同様に、パワーバックオフに使用されるサブキャリア周波数が、200msのRNTP更新周期の間、1以上の同等又はそれ以下の量の追加のパワーバックオフに対して再使用されてもよい。
図4A及び4Bは、本発明の一の実施形態にかかる、アップリンクの調整されたパワーブーストとパワーバックオフのスキームを実行する基地局の動作を示すフローチャートである。この説明において、基地局は図1の基地局12−1である。しかしながら、この説明は移動体通信ネットワーク10の他の基地局12−2〜12−7にも同様に適用される。まず、基地局12−1は、UEからアップリンクSINRを取得する(ステップ200)。一の実施形態において、基地局12−1は、UEのためにアップリンクSINRを測定する。次いで基地局12−1は、UEのアップリンクSINRが最小SINR(SINRMIN)より大きく、最大SINR(SINRMAX)より小さいか否かを決定する(ステップ202)。換言すれば、基地局12−1は、UEがセル14−1のセル中間領域18内に位置しているか否か決定する。UEがセル14−1のセル中間領域18内に位置している場合、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するアップリンクチャネルを使って、全送信パワーレベルで適切な変調及び符号化方式(MCS)を用いて、UEへのアップリンクをスケジュールする(ステップ204)。より具体的には、LTE移動体通信ネットワークに対して、基地局12−1は、UEのアップリンクSINRに基づいて、UEの適切なMCSを選択する。さらに、全送信パワーレベルは、UEの最大送信パワーであっても良いし、UEの最大送信パワーから所定レベル低減したものであっても良い。基地局12−1は、UEへのアップリンクに対する1以上の送信時間間隔(TTIs)の間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることにより、UEへのアップリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、UEへのアップリンクに対し1以上のRBを割り当てることにより、UEへのアップリンクをスケジュールする。次いでプロセスはステップ200に戻り、繰り返される。
ステップ202に戻り、もしUEのアップリンクSINRが最小SINR(SINRMIN)より大きくなく、最大SINR(SINRMAX)より小さければ、(即ちもしUEがセル14−1のセル中間領域18内に位置していなければ)、基地局12−1はアップリンクSINRが最大SINR(SINRMAX)より大きいか否か決定する(ステップ206)。換言すれば、基地局12−1は、UEがセル14−1のセル中心領域20内にあるか否かを決定する。UEがセル14−1のセル中心領域20内にある場合、この実施形態では、基地局12−1はUEがSISOデバイスであるか否かを決定する(ステップ208)。ここで、LTE移動体通信ネットワークに対して、アップリンクSINRがLTEに対し約+19dBである最大SINR(SINRMAX)を超えて増加する場合でも、多重入出力(MIMO)デバイスは、スループットを改良してもよい。もしUEがSISOデバイスでなければ、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するアップリンクチャネルを使って、全送信パワーレベルで適切なMCSを用いて、UEへのアップリンクをスケジュールする(ステップ210)。基地局12−1は、UEへのアップリンクに対する1以上のTTIsの間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることによりUEへのアップリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークにおいて、基地局12−1はUEへのアップリンクに対し1以上のRBsを割り当てることによりUEへのアップリンクをスケジュールする。次いでプロセスはステップ200に戻り、繰り返される。
ステップ208に戻り、もしUEがSISOデバイスであれば、基地局12−1は、全チャネル帯域を有するアップリンクチャネルを使って、低減された送信パワーレベルで適切なMCSを用いてUEへのアップリンクをスケジュールし、それによってUEへのアップリンクに対するパワーを低減する(ステップ212)。より具体的には、基地局12−1は、UEへのアップリンクに対する1以上のTTIsの間に、1以上のサブキャリア周波数を割り当てることによりUEへのアップリンクをスケジュールする。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、UEへのアップリンクに対し1以上のRBを割り当てることによりUEへのアップリンクをスケジュールする。さらに、UEへのアップリンクに対する割り当てのためのサブキャリア周波数及びTTIの選択において、又はRBの選択において、基地局12−1は、UEが位置するセル14−1内のセクタの隣接セクタにおける、バックホールネットワーク58を介して対応の基地局により伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい(図1)。例えば、もしUEがセル14−1のアルファセクタに位置していれば、基地局12−1は、セル14−1のアルファセクタに隣接するセル14−2のベータ及びガンマセクタ、セル14−3のガンマセクタ、セル14−7のベータセクタから伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーブーストで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーブースト量を含む。これに加え、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーバックオフで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーバックオフ量を含む。これに加え、基地局12−1は、セル14−1内の隣接セクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。
アップリンクがスケジュールされると、基地局12−1は他の基地局12−2〜12−7に対し、バックホールネットワーク58を介してUEへのアップリンクに対する使用のためにスケジュールされたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを通知する(ステップ214)。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1は、X2メッセージを使用する他の基地局12−2〜12−7に対して通知する。具体的には、基地局12−1は、LTE高干渉インジケータ(LTEHigh−InterferenceIndicator(HII))あるいはLTE過負荷インジケータ(LTEOverloadIndicator(OI))を介してUEへのアップリンクに対しスケジュールされ選択されるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループへ低干渉状態を伝達する。この時、プロセスはステップ200に戻り、繰り返される。
ステップ206に戻り、UEのアップリンクSINRが最大SINR(SINRMAX)より大きくない場合には、UEはセル14−1のセル周辺領域16内に位置している。従って、パワーブーストが必要となる。この実施形態では、パワーブーストを実施するために、基地局12−1はまずアップリンクにおいて各サブキャリア周波数あるいはRBサブキャリア周波数グループに対するセル外干渉の量を決定する(ステップ216)。一の実施形態では、基地局12−1は、LTEOIを使用するRBサブキャリア周波数グループ毎のセル外干渉を測定する。
次に、基地局12−1は、伝えられた隣接するセクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、狭帯域チャネルが望ましいパワーブーストを実施するのに十分な狭帯域を有するように、狭帯域チャネルに対しアップリンクチャネルのサブキャリア周波数のサブセットを特定する(ステップ218)。より具体的には、狭帯域チャネルに対しサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択する時、基地局12−1は、バックホールネットワーク58を介して対応の基地局により伝えられる、UEが位置するセクタの隣接するセクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮する(図1)。従って、例えば、もしUEがセル14−1のアルファセクタに位置していれば、セル14−1のアルファセクタの隣接セクタである、セル14−2のベータ及びガンマセクタ、セル14−3のガンマセクタ、及びセル14−7のベータセクタから伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を基地局12−1は考慮する。パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーブーストで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーブースト量を含む。これに加え、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報は、好適には、隣接のセクタにおいて基地局12−2、12−3、及び12−7が現在行っているパワーバックオフで用いるサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループを特定する情報や、これらのサブキャリア周波数やRBサブキャリア周波数グループのそれぞれに対するパワーバックオフ量を含む。これに加え、基地局12−1は、セル14−1内の隣接セクタのパワーブーストやパワーバックオフに関する情報を考慮してもよい。
隣接するセクタにおけるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、基地局12−1は、UEからのアップリンクに対するパワーブーストが隣接セクタのパワーバックオフと調整されるように狭帯域チャネルのサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択することができる。具体的には、一の実施形態において、基地局12−1は、パワーブーストやパワーバックオフに関する情報に応じて、(1)隣接するセクタのそれぞれにおいて現在パワーバックオフに使われており、及び(2)別の隣接するセクタにより現在パワーブーストに使われていない、狭帯域チャネルに対するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数を選択する。次いで、選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数の少なくとも1つのサブセットを用いて、基地局12−1は、望ましいパワーブーストを提供するためにダウンリンクチャネルの全チャネル帯域と比較して十分に低減された狭チャネル帯域を有する狭帯域チャネルを提供する。
好ましい実施形態において、別のセル内の各隣接するセクタにおいて、あるいは同一セル内の各隣接するセクタにおいて、パワーブーストはパワーバックオフと調整される。しかしながら、各隣接するセクタにおけるパワー増体とパワーバックオフとの調整は、2つの状態のいずれかにおいて不可能となり得る。第1の状態は、1以上の隣接するセクタが、パワーバックオフにサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数を現在使用中のセル中心領域にUEを1つも有していない場合である。第2の状態は、1以上の隣接セクタが、別の隣接するセクタ内でパワーバックオフに現在使用中であり、かつパワーブーストに未だ使われていない、サブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを有していない場合である。これらいずれかの状態においては、パワーブーストをパワーバックオフと調整するよりも基地局12−1は、隣接するセクタからのパワーブースト信号との衝突を避けるようにパワーブーストを調整しても良い。具体的には、隣接するセクタに対して伝えられるパワーブーストやパワーバックオフに関する情報に基づいて、基地局12−1は、どのサブキャリア周波数が、あるいはどのRBサブキャリア周波数グループが隣接するセクタにおいて未だパワーブーストのために使用されていないかどうかを決定することができる。次いで基地局12−1は、狭帯域チャネルに対して、他のサブキャリア周波数あるいは他のRBサブキャリア周波数グループを選択することができる。
一の実施形態において、望ましいパワーブーストは、最小SINR(SINRMIN)とUEのダウンリンクSINR間の差である。これは、セル外干渉が熱ノイズよりはるかに少ない(I<<n)、カバレッジが制限される状況、あるいはノイズが制限される状況において特に有益である。カバレッジが制限される状況において、XdBのパワーブーストからもたらされるUEに対するSINRの改良又はゲインはXdBである。他の実施形態において、望ましいパワーブーストは、SINRMINマイナスUEに対するダウンリンクSINRマイナスパワーブーストを調整するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループのパワーバックオフ量である。これは、セル外干渉が熱ノイズよりはるかに大きい(I>>n)、干渉が制限される状況において特に有益である干渉が制限される状況において、YdBのパワーバックオフと調整されるXdBのパワーブーストからもたらされるUEに対するSINRの改良又はゲインは、X+YdBである。
狭帯域チャネルの帯域は、パワーブーストの望ましい量に間接的に関連する。一の実施形態において、狭チャネル帯域は、以下の数式に基づいて決定されてもよい。
従って、
である。
このように、例えば、もし望ましいパワーブーストがサブキャリアにつき4.77dBであれば、狭チャネル帯域は全チャネル帯域の1/3となる。
次に、狭帯域チャネルにおいて、現在低量のあるいは少なくともセル外干渉量を経験しているサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループについて、基地局12−1はUEのアップリンクをスケジュールする(ステップ220)。より具体的には、ステップ216で測定したセル外干渉に基づいて、基地局12−1は、閾値より小さいセル外干渉を有するサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを特定してもよく、次いでこれらのサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループのM個を選択する。ここで、MはUEへのアップリンクに対し割り当てられるサブキャリア周波数又はRBの数に対応する。他の実施形態において、基地局12−1は、最も高いサブバンドSINRを有するM個のサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを選択してもよい。ここで再び、MはUEへのダウンリンクに対し割り当てられるサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループの数に対応する。次いで、選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループは、1以上のTTIの期間にUEへのダウンリンクに対し割り当てられる。
基地局12−1は、バックホールネットワーク58を介して、UEへのアップリンクに対する使用のためにスケジュールされるサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループを他の基地局12−2〜12−7へ通知する(ステップ222)。LTE移動体通信ネットワークに対し、基地局12−1はX2メッセージを使って他の基地局12−2〜12−7へ通知する。具体的には、基地局12−1はLTEHIIあるいはLTEOIを介して、UEへのダウンリンクに対しスケジュールされる選択されたサブキャリア周波数又はRBサブキャリア周波数グループの高干渉状態を伝達する。ここでプロセスはステップ200に戻り、繰り返される。
図5は、図1の基地局12−1の実施形態のブロック図である。しかしながら、この説明は、移動体通信ネットワーク10における他の基地局12−2〜12−7に対しても等しく適応される。一般的には、基地局12−1は関連メモリ72を有する制御システム70を備えている。これに加え、この実施形態では、基地局12−1は、セル14−1のアルファ、ベータ、ガンマセクタに対するセクタトランシーバ74−1、74−2、及び74−3(図1)をそれぞれ備えている。パワーブーストを提供する上記の基地局12−1の機能性は、制御システム70の一部を形成するハードウエア、メモリ72に記憶されるソフトウエア、あるいはこれらの組合せの中で実行される。
図6は図1のUE60のブロック図である。この説明は、移動体通信ネットワーク10における他のUEに対しても等しく適応される。一般的には、UE60は関連メモリ78を有する制御システム76を備えている。これに加え、UE60は移動体通信インターフェイス80を備えている。パワーブーストに対する上記UE60の機能性は、移動体通信インターフェィス80のプロトコルスタックの中で実行されるメモリ78に記憶されるソフトウエアの中で実行されてもよく、あるいはこれらの組合せで実行されてもよい。UE60はまた、ユーザインターフェイス82も含んでもよく、これらは、例えば、1以上のユーザ入力デバイス(例えば、マイクロフォン、キーパッド、又は同様なもの)、1以上のスピーカ、ディスプレー、又は同様のものなどのコンポーネントを含んでもよい。
当業者は、本発明の好ましい実施形態に対する改良や修正を認識するであろう。このような改良や修正の全ては、ここに開示する概念の範囲内にあり、以下に記載する請求範囲に含まれると考えられる。