JP2012512256A - 修飾ピラジン誘導体およびその使用 - Google Patents

修飾ピラジン誘導体およびその使用 Download PDF

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Abstract

本明細書では、置換基を含有する複数のポリ(エチレングリコール)を有するピラジン誘導体を含む化合物、調製物および製剤を提供する。本明細書に開示の化合物の多くは、被験体または患者の腎臓系によって排泄され、被験体または患者の腎臓系を可視化するのに有用である。電磁放射線による励起の際に、本明細書に開示の化合物の幾つかは、ルミネッセンスを示し、被験体または患者の体液に存在する場合には外部から検出可能である。本明細書では、被験体または患者の腎臓系を可視化する方法も提供する。

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2008年12月17日に出願された米国仮特許出願第61/138,149号および2008年12月22日に出願された米国仮特許出願第61/139,911号の利益を主張し、これらの各々は、本明細書によってその全体が、本記載と不一致にならない程度まで、参照として援用される。
(背景)
本発明は、ピラジン誘導体および医療手順におけるその使用方法に関する。
予備的な注記として、本開示の全体にわたって角括弧のアラビア数字によって様々な刊行物が参照されている。各参照番号に対応する引用文献を詳細な説明の後に列挙する。
急性腎不全(ARF)は、一般的な内科外科病院に入院している患者における一般的な病気である。ARFを発症する患者の約半数が死亡し、生存者は著しく高い病的状態および長期入院に直面する[1]。腎不全は、しばしば無症候性であり、一般に血液中の腎臓機能マーカーの注意深い追跡を必要とすることから、初期診断は重要であると一般に考えられている。患者の腎臓機能の動的モニタリングは、様々な臨床的、生理的および病理学的状態によってもたらされる急性腎不全の危険性を低減するのに望ましい[2〜6]。危篤状態にある、または非常に損傷を受けている患者の場合には、これらの患者のうちの高い割合の患者が、潜在的には死に至る多臓器不全(MOF)の危険性に直面する傾向があることから、かかる動的モニタリングが特に望ましい[7、8]。MOFは、肺、肝臓および腎臓の逐次的な不全であり、急性肺損傷(ALI)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、代謝亢進症、低血圧症、持続性の炎症性病巣および敗血症症候群の1つまたは複数によって誘発される。MOFに至る低血圧症およびショックの一般的な組織学的特徴には、一般に、組織壊死、うっ血、間質性および細胞性浮腫、出血ならびに微小血栓(microthrombi)が含まれる。これらの変化は一般に、頻度の高い順に、肺、肝臓、腎臓、腸、副腎、脳および膵臓に影響を及ぼす[9]。外傷の初期段階から臨床的なMOFへの遷移は、一般に、特定の度合いの肝臓不全および腎臓不全、ならびに約30%から約50%までの死亡リスクの変化と一致する[10]。
従来、患者の腎臓機能は、患者の尿量および血漿クレアチニンレベルの大まかな測定を使用して決定されている[11〜13]。これらの値は、かかる値が年齢、水分補給状態、腎かん流、筋肉量、食事摂取、ならびに多くの他の臨床的および人体計測的変数によって影響を受けることから、誤った判断を招く場合がある。さらに、サンプリングの数時間後に得た単一の値は、血圧、心拍出量、水分補給状態および他の具体的な臨床的な事象(例えば、出血、菌血症、人工呼吸器の設定等)などの他の生理的事象との相関を示すことが困難なことがある。
従来の腎臓モニタリング手順に関して、患者の糸球体濾過率(GFR)の見積もりは24時間蓄尿手順を介して行うことができ、これは一般に(名称が示唆する通り)、蓄尿のために約24時間を必要とし、分析のためにさらなる数時間およびベッドサイドでの細心の収集技術を必要とする。残念ながら、この従来の手順の望ましくない遅いタイミングおよび大幅な時間によって、患者を有効に治療し、かつ/または腎臓(複数可)を守れる可能性が低減するおそれがある。さらにこの種の手順の欠点として、元々得たデータと同じく反復データを得るのが厄介である傾向がある。
時折、患者の血清クレアチニンの変化は、患者の尿中電解質および浸透圧などの測定値、ならびにそれらに由来する算出値(「腎不全指数」および/または「ナトリウム分画排泄」など)に基づいて調節される。血清クレアチニンのかかる調節は、血清および尿の追加サンプルの同時収集と、その幾らか後にさらなる算出を必要とする傾向があるため望ましくない。薬物投与は、腎臓機能に合わせて調節されることが多く、したがって、その投与の元になる測定値および算出値と同じく不正確になり、同じく遅延し、再評価するのが困難になるおそれがある。最後に、危篤状態の集団における臨床的な決定は、それらの正確さ同様、しばしばそれらのタイミングも重要になる。
親水性のアニオン性物質は一般に、腎臓によって排泄され得ることが公知である[14]。腎クリアランスは一般に、糸球体濾過および尿細管分泌の2つの経路によって生じる。尿細管分泌は、活性な輸送過程として特徴付けることができ、したがってこの経路を介する物質の除去は、一般に、大きさ、電荷および親油性に関して特定の特性を示す。
腎臓を通過する物質のほとんどは、糸球体(腎臓のマルピーギ体における毛細管の絡み合った小群)で濾過される。糸球体濾過によって腎臓から除去され得る外因性物質(以下「GFR物質」と呼ぶ)の例を図1に示しているが、それにはクレアチニン、o−ヨードヒプラン(iodohippuran)および99mTc−DTPAが含まれる[15〜17(非特許文献1〜3)]。尿細管分泌を介して腎クリアランスを受け得る外因性物質の例には、99mTc−MAG3および当技術分野で公知の他の物質が含まれる[15、18、19(非特許文献1、4、5)]。99mTc−MAG3はまた、γシンチグラフィーならびに腎臓血流測定を介して腎臓機能を評価するのに広く使用されている。図1に示した物質のある欠点として、o−ヨードヒプラン、99mTc−DTPAおよび99mTc−MAG3は、それらの検出を可能にする放射性同位体を含む。非放射性類似体(例えば、o−ヨードヒプランの類似体など)または他の非放射性物質が腎臓機能モニタリングに使用されるべき場合でも、かかるモニタリングは、これらの物質を励起するために、一般に望ましくない紫外放射線の使用が必要であった。
. D.L. Nosco and J.A. Beaty−Nosco. Chemistry of technetium radiopharmaceuticals 1: Chemistry behind the development of technetium−99m compounds to determine kidney function. Coordination Chemistry Reviews 1999, 184, 91−123. P.L. Choyke, H.A. Austin, and J.A. Frank. Hydrated clearance of gadolinium−DTPA as a measurement of glomerular filtration rate. Kidney International 1992, 41, 1595−1598. N. Lewis, R. Kerr, and C. Van Buren. Comparative evaluation of urographic contrast media, inulin, and 99mTc−DTPA clearance methods for determination of glomerular filtration rate in clinical transplantation. Transplantation 1989, 48, 790−796. W.N. Tauxe. Tubular Function. In Nuclear Medicine in Clinical Urology and Nephrology, W.N. Tauxe and E.V. Dubovsky, Editors, pp. 77−105, Appleton Century Crofts: East Norwalk, 1985. A.R. Fritzberg et al. Mercaptoacetylglycylglycyglycine. Journal of Nuclear Medicine 1986, 27, 111−120.
本発明は一般に、病状のイメージングおよび診断を含む生物医学的用途のための化合物に関する。提供する化合物は、医療手順における光学的検出に有用な、可視、近赤外および/または任意の他の波長範囲のスペクトルエネルギーを吸収し、放射する。本発明は、スペクトル特性の調節を可能にし、かつ/または生物系に所望の特徴を提供する置換基を有するピラジン化合物を含む化合物および関連する治療法を含む。
実施形態では、腎排泄率および腎臓機能を含む腎臓系の特性を測定するのに有用な化合物および方法が提供される。一態様では、本発明は、腎臓機能の迅速な評価、一実施形態ではリアルタイムの評価に有用な化合物に関する。本発明の化合物は一般に、ピラジン誘導体を特徴とする。本発明のピラジン誘導体は、それらが腎臓を介して身体から除去され、電磁スペクトルの有用な領域において強力な吸収およびルミネッセンス(冷光)を示し、有意なストークスシフトを示すことから、腎臓での利用には望ましい。一実施形態では、例えば本発明の化合物の吸収極大は、中心のピラジン基の置換基の組成を選択することによって、電磁スペクトルの選択されたナノメートル数(例えば、10〜50nm)から赤色領域までシフトする。これらの特性は、分子を所望の吸収波長および放射波長に調整する際、ならびに腎クリアランス特性を改善するための置換基を提供する際の両方において柔軟性をもたらす。一態様では、本発明のピラジン化合物は、クレアチニンまたはイオタラメートまたは他の従来の腎クリアランス評価薬剤に匹敵するか、あるいはそれより良好な腎クリアランス特性を有する。
一態様では、本発明は、式(FX1)のピラジン誘導体を対象とする。
Figure 2012512256
式中、
およびRは、それぞれ独立に、−H、−(CH(CHCHO)、−(CHCHO)、−CH(COOH)CHOHまたは−(CHであり、
各Yは、独立に、−OR、−(CHOH)、−NR、−CONR、−NHCO(CHOH)または−NHCO(CH(CHCHO)であり、
、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、−HまたはC〜Cアルキルであり、
およびRは、独立に、−H、C〜Cアルキル、−(CH(CHOH)または−(CH(CHCHO)であり、
各aおよび各cは、独立に、0から6の範囲から選択される整数であり、
各bは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、
各pおよびqは、独立に、0から120の範囲から選択される整数であり、
mおよびnのそれぞれは、独立に、3から6の範囲から選択される整数である。
本明細書の一態様では、式(FX1)の化合物ならびにそれらの薬学的に許容される塩およびエステルが記載される。幾つかの実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−CH(COOH)CHOHである。他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−(CHCHO)である。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−Hである。他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−(CHである。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−CHである。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−(CH(CHCHO)である。
式(FX1)の化合物にさらに言及すると、一実施形態では、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、−HまたはC〜Cアルキルである。幾つかの実施形態では、RおよびRは、存在する毎に独立に、C〜Cアルキルである(例えば、Rは、存在する毎にCアルキルである)。幾つかの実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−Hである。他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立に、C〜Cアルキルである(例えば、RおよびRのそれぞれは、Cアルキルである)。
整数mは、独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。例えば幾つかの実施形態では、mは、3または4であってよい(例えば幾つかの実施形態では、mは3であってよい)。同様に、整数nは独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。例えば幾つかの実施形態では、nは、3または4であってよい(例えば幾つかの実施形態では、nは3であってよい)。mおよびnが独立に3から6まで変わる利益の1つは、ピラジン誘導体を、所望の波長または波長範囲において吸収するまたはルミネッセンスを示すように「調整」できることである。これに関して、共に3に等しいmおよびnを有するピラジン誘導体は、mおよびnが共に2に等しい一般に類似のピラジン誘導体よりも大きい(例えば、約10〜15nm大きい)それぞれの光波長で吸収するおよび/またはルミネッセンスを示すことができる。類似の事象が、3から4、4から5、および/または5から6への移動で観測され得る。したがって、本明細書に記載のピラジン誘導体は、より小さい光波長よりも良好に組織を透過し得る光波長で吸収および/またはルミネッセンスを示すように設計することができる。
式(FX1)の化合物にさらに言及すると、pおよびqは、存在する毎に独立に、0から120まで(0と120を含む)変わる。幾つかの実施形態では、pおよびqは、存在する毎に独立に、1から120まで(1と120を含む)変わる。例えば、幾つかの実施形態では、pおよびqのそれぞれは、独立に、2から50まで(2と50を含む)変わる。他の実施形態では、pおよびqのそれぞれは、独立に、2から24まで(2と24を含む)変わる。他の実施形態では、pおよびqのそれぞれは、独立に、1から99まで(1と99を含む)変わる。他の実施形態では、pおよびqのそれぞれは、独立に、2から40まで(2と40を含む)変わる。他の実施形態では、pおよびqのそれぞれは、独立に、3から23まで(3と23を含む)変わる。実施形態において、特定の鎖におけるPEG基の数は、1から120まで変わる。他の実施形態では、特定の鎖におけるPEG基の数は、2から50まで変わる。他の実施形態では、特定の鎖におけるPEG基の数は、2から24まで変わる。
式(FX1)のRおよびRの様々な可能性に関して、aおよびcは、存在する毎に独立に、0から6まで(0と6を含む)変わる。例えば幾つかの実施形態では、aおよびcは、存在する毎に3または4であってよい。さらに、bは、存在する毎に独立に、1から120まで(1と120を含む)変わる。例えば幾つかの実施形態では、bは、存在する毎に独立に、2から50まで(2と50を含む)変わり得る。実施形態において、各bは、独立に、1から100の整数である。実施形態において、各bは、独立に、12から24の整数である。実施形態において、各bは、独立に、10から40の整数である。実施形態において、各bは、独立に、2から24の整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX2)〜(FX3)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
一実施形態では、本発明は、式(FX4)〜(FX5)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
一実施形態では、本発明は、式(FX6)〜(FX17)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
Figure 2012512256
Figure 2012512256
一実施形態では、本発明は、式(FX18)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。式(FX18)の化合物の一態様では、各aは2である。式(FX18)の化合物の一態様では、RおよびRは、それぞれ−(CH(CHOH)である。
一実施形態では、本発明は、式(FX19)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。式(FX19)の化合物の一態様では、Yは−NRであり、RおよびRは、それぞれ−(CH(CHOH)であり、各aは、独立に、1または2であり、cは、2、3、4、5または6である。
一実施形態では、本発明は、式(FX20)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。式(FX20)の化合物の特定の一態様では、各aは、独立に、0、2または3であり、各Rは、独立に、C〜Cアルキルである。一実施形態では、本発明は、式
Figure 2012512256
を有する式(FX20−1)を有する化合物を提供し、
式中、各zは、独立に、0から6の範囲から選択される整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX21)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数であり、各aは、独立に、0から6の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX22)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX23)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX24)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の整数であり、各bは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。
一実施形態では、本発明は、式(FX25)を有する化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、dおよびhは、独立に、1から50の範囲から選択される整数である。一実施形態では、dおよびhは、独立に、2から50の範囲から選択される整数である。
本発明の一態様では、pおよびqは、同じ整数である。本発明の一態様では、式中に現れる各bは、同じ整数である。本発明の一態様では、式中に現れる各bは、異なる整数である。本発明の一態様では、式中に現れる各bは、同じかまたは異なる整数である。本発明の一態様では、各アルファベットの変数(即ち、a、b、p、q、d、h、c、m、n等)は、同じかまたは異なる整数である。本発明の一態様では、式中に現れる各cは、同じ整数である。本発明の一態様では、−(CH基中に現れる各aは、同じ整数である。本発明の一態様では、RおよびRは同じである。本発明の一態様では、ピラジン環上で互いにパラである基は同じである。本発明の一態様では、RおよびRは同じである。本発明の一態様では、mおよびnは同じである。本発明の一態様では、本発明の化合物は、1つまたは複数のポリ(エチレングリコール)(PEG)基を有するアミノピラジン化合物である。本発明の一態様では、PEG基は、ピラジン誘導体に親水性を加える。本明細書で使用される場合、PEG基は一般に、式−(CHCHO)−で示され、反復エチレンオキシド基としても公知である。
一実施形態では、本発明の化合物は、2つ以上のヒドロキシル基を含有する1つもしくは複数の分岐鎖または直鎖アルキル基を含む。これらの基は、一実施形態では「ポリヒドロキシル化アルキル」または「ポリヒドロキシアルキル」基と呼ぶことができる。一実施形態では、ポリヒドロキシル化アルキル基は、3〜6個の炭素原子を有する。一実施形態では、ポリヒドロキシル化アルキル基は、1つまたは複数のメチレン基と共に2つ以上の−(CHOH)基を含み、式−(CHR1011(式中、R10およびR11は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキルまたは−OHであり、rは、1から10の整数である)によって示される。一実施形態では、ヒドロキシル基は、互いに隣接していてもよく、あるいは1つまたは複数のメチレン基によって分離していてもよい。一実施形態では、ポリヒドロキシル化アルキル基は、2,3−ジヒドロキシプロピル残基、2,3,4−トリヒドロキシブチル残基または2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル残基などの、2〜12個の炭素原子および2〜5個のヒドロキシル基を有する置換基を指す。
本発明の一態様では、炭素が3〜6個のアルキレン基が存在し、このアルキレン基は、ピラジン核に直接結合しているアミノ基に結合している。
一実施形態では、化合物は、スペクトルのUVA、可視および近IR部分の波長を有する電磁放射線を吸収する。一実施形態では、本発明の化合物は、350〜1300nmの間の電磁放射線を吸収する。一実施形態では、本発明の化合物は、400〜900nmの間の波長を有する電磁放射線を吸収する。一実施形態では、本発明の化合物は、300〜500nmの間の波長を有する電磁放射線を吸収する。一実施形態では、本発明の化合物は、520〜650nmの間のルミネッセンスを示す。本発明の一態様では、化合物がより大きい波長を吸収して放射し、光学的検出方法を強化することが望ましく、このことは、ヘモグロビン、水、および脂質、ならびに生物系に存在する他の物質からの吸収の最小化に由来する、組織透過の強化に起因する。
本発明の一態様では、PEG基を有する本発明の四置換ピラジン誘導体は、一般に親水性である。ピラジン誘導体上のPEG基の数の増加は、身体の循環における終末相半減期を増大させると考えられている。低分子量PEG鎖(<6000Da)は、糸球体によって濾過されるが、腎尿細管によっては吸収されないと考えられている。これらの特徴は、化合物を所望の特徴を有するように調整するのに有用である。
本発明の一態様では、本発明の化合物は、20%以下の血漿結合百分率を有する。本発明の一態様では、本発明の化合物は、15%以下の血漿結合百分率を有する。本発明の一態様では、本発明の化合物は、10%以下の血漿結合百分率を有する。本発明の一態様では、本発明の化合物は、1〜10%の血漿結合百分率を有する。本発明の一態様では、本発明の化合物は、1〜15%の血漿結合百分率を有する。本明細書で使用される場合、「血漿結合百分率」とは、ヒト被験体などの被験体に投与する際に、血漿に結合する化合物の量である。本発明の一実施形態では、本発明の化合物は、ある時間内で患者の尿中にかなり多量に除去される。特定の一実施形態では、本発明の化合物は、投与後10時間以内に、尿中に少なくとも80%除去される。
本発明の一態様では、本発明の化合物は、患者に対する光学的イメージング、生物医学的イメージング、診断、可視化、モニタリング、外科的、生物医学的または治療手順において使用される。本発明の一態様では、本発明は、患者に対して光学的イメージング、生物医学的イメージング、診断、可視化、モニタリング、外科的、生物医学的または治療手順を実施することを対象とする。本発明の一態様では、本発明は、患者に対して生物医学的イメージング手順または診断手順を実施する方法を対象とする。一態様では、該方法は、診断上有効な量の化合物を被験体に投与するステップ(該化合物は、被験体の器官、組織または系ごとに区別されて、被験体の体液から分離される)、および投与した化合物を検出するステップを含む。一態様では、化合物は化学的に検出することができ、体液のサンプルは、化合物を投与した後に分析され、該化合物の濃度が測定される。本発明のこの態様の一実施形態では、化合物は体液中に投与される。
本発明の一態様では、生物医学的イメージング手順または診断手順は、被験体における化合物から放射されるまたはルミネッセンスとして示される電磁放射線を検出するステップを含む。本発明の生物医学的イメージング手順または診断手順の一態様では、被験体に投与した化合物を電磁放射線に曝露することによって、化合物の光学的特性が変化する。本発明の一態様では、電磁放射線への曝露による投与化合物の光学的特性の変化を測定し、またはモニタする。
本発明の一態様では、電磁放射線は非イオン性である。本発明の一態様では、電磁放射線への投与化合物の曝露によって、化合物からルミネッセンス、例えば蛍光が発生する。本発明の一態様では、該手順は、投与化合物からのルミネッセンスを検出するステップを含む。本発明の一態様では、該方法は、化合物からのルミネッセンスに少なくとも部分的に基づいて画像を作製するステップを含む。本発明の一態様では、ルミネッセンスは、被験体の耳、手、頭、前頭部または指の近位で収集される。本発明の一態様では、ルミネッセンスは視覚的に検出される。本発明の一態様では、ルミネッセンスは、カメラ、電荷結合素子またはダイオードアレイを使用して検出される。本発明の一態様では、生物医学的イメージング手順または診断手順は、腎臓により排泄され得る本発明の化合物の有効量を被験体に投与するステップ、投与化合物を有する、被験体の腎臓系の組織を電磁放射線に曝露し、それによって化合物から放射される電磁放射線を発生させるステップ、化合物から放射された電磁放射線を検出し、それによって被験体の腎臓系の少なくとも一部を可視化またはイメージングするステップを含む。本発明の一態様では、該手順は、投与化合物が被験体の腎臓系の組織に実質的に保持されているかどうかを決定するステップを含む。本発明の一態様では、器官、組織または系の生理的機能を評価する生物医学的な手順において使用するための、本明細書に記載の化合物が提供される。本発明の一態様では、本発明の化合物は、被験体の腎臓機能の評価においてインビボで使用される。本発明の一態様では、本発明の化合物は、外科手順において、被験体の泌尿器系の少なくとも一部の検出においてインビボで使用される。本発明の一態様では、泌尿器系の一部は、被験体の尿管、膀胱または尿道を含む。本発明の一態様では、本発明の化合物は、被験体の血流に投与され、被験体の血流にある間に電磁放射線に曝露され、被験体の血流内で検出される。本発明の一態様では、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。本発明の一態様では、本発明の化合物および1つもしくは複数のさらなる治療剤または診断用薬剤が提供される。
本発明はさらに、生物医学的用途(例えば、腎臓機能のモニタリングが挙げられる)のための、式(FX1)〜(FX25)のいずれかの化合物の精製した立体異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)、塩(四級塩を含む)および/またはイオン形態(例えば、プロトン化形態および脱プロトン化形態)ならびにこれらの混合物を含む組成物、ならびに、式(FX1)〜(FX25)の化合物を、例えば、生物医学的手順において使用する関連の方法を含む。当業者によって理解される通り、式(FX1)〜(FX25)のいずれかの化合物の酸性官能基および塩基性官能基は、その分子環境(例えば、pH、イオン強度、組成等)に応じて、例えば合成、製剤化および/または投与の最中にプロトン化または脱プロトン化状態であってもよい。
本発明は、具体的には本明細書に示した化合物、特に式(FX1)〜(FX25)の化合物を含む本発明の化合物の製造方法および使用方法を提供する。本発明のこの態様の方法は、生物医学的用途および生体分析的用途のためのインビボ、インビトロおよびエクスビボの方法を含む。本発明の方法は、光学的イメージング、解剖学的な可視化、内視鏡的な可視化および画像誘導外科手術などの光線診断(photodiagnostic)法および光線治療(phototherapeutic)法を含む。イメージングまたは可視化のためのインビボ、インビトロまたはエクスビボでの使用に合った幾つかの化合物に関して、組織、器官および/または細胞は、腎臓、尿管、または腎臓細胞、あるいは腎臓系の他の部分である。
本明細書の別の態様では、単一のパッケージ内に式(FX1)〜(FX25)を有する1つもしくは複数の化合物(または薬学的に許容されるその塩)および薬学的に許容される担体を含む「キット」が記載される。換言すれば、化合物(または薬学的に許容されるその塩)および薬学的に許容される担体は、一緒にパッケージされる。この態様のキットは、任意選択により、化合物(または薬学的に許容されるその塩)および薬学的に許容される担体を含む組成物を調製および/または利用するための指示書(例えば、紙製挿入物の形態の)を含む。幾つかの実施形態では、化合物(または薬学的に許容されるその塩)は、パッケージ内にそれを入れる前に、薬学的に許容される担体と既に組み合わせられていてもよい(例えば、該担体中に溶解または懸濁させる)。他の実施形態では、化合物(または薬学的に許容されるその塩)を、第一の容器内に配置することができ、薬学的に許容される担体を、第一の容器とは別々の、異なる第二の容器内に配置することができる。かかる実施形態では、第一および第二の容器は、同じパッケージ内に見出すことができる。
ピラジン環上に置換基の組合せを組み込むことは、特に、電磁スペクトルの可視および近赤外線領域(例えば、350nm〜1300nm、任意選択により400nmから900nm)、可視および近赤外線領域の放射(例えば、350nm〜1300nm、任意選択により500nm〜900nm)、大蛍光量子収率(例えば、>0.1)、ならびに光学的検出およびイメージングに有用なストークスシフト(例えば、ストークスシフト>10nm)の大きい吸光係数を有する化合物および光学的薬剤を提供するのに有益である。例えば、ピラジン環に結合している置換基に存在するメチレン基の数に応じて、ストークスシフトは、10nm以上増大し得る。
本明細書において、一実施形態では、イメージング手順などの生物医学的手順のための方法が提供され、該方法は、(i)式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つを有する診断上有効な量の化合物を、被験体に投与するステップ(例えば、静脈内または動脈内注射、経口投与、局所投与、皮下投与等により)、および(ii)投与した化合物を電磁放射線に曝露するステップを含む。一実施形態では、投与ステップは、化合物が被験体の体液と接触するのに十分な条件下で実施され、該化合物は、被験体の器官、組織または系ごとに区別されて、被験体の体液から分離される。
一実施形態では、投与した化合物を電磁放射線に曝露することによって、診断上有効な量のルミネッセンス、例えば化合物の光学的検出、可視化および/またはイメージングを可能にする量のルミネッセンスを発生させる。一実施形態では、本発明の方法はさらに、投与した化合物に、十分な力、フルーエンス、強度および/または線量(標的組織に提供される光子の正味数)を有する電磁放射線に曝露して、化合物の光学的検出、可視化および/またはイメージングを提供するステップを含む。一実施形態では、本発明の方法はさらに、化合物からのルミネッセンスの画像を作製するステップを含む。一実施形態では、本発明の方法はさらに、化合物からのルミネッセンスを可視化するステップを含む。
一実施形態では、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物に曝露される電磁放射線は、電磁スペクトルのX線領域の波長を有していない。一実施形態では、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物に曝露される電磁放射線は、電磁スペクトルの紫外領域の波長を有していない。
本明細書で使用される場合、本発明のピラジン化合物または誘導体は、置換ピラジン基を含む。例えば、本発明は、式Aのピラジン化合物を提供する。
Figure 2012512256
式中、変数Rは、「尾部」または置換基を示し、本明細書でさらに定義され、記載されている。特定の一実施形態では、本発明のピラジン化合物または誘導体は、式Bに示す構造を含む。
Figure 2012512256
式中、変数Rは、本明細書でさらに定義され、記載されている。
別の態様では、本発明は、被験体の体液、器官または組織を可視化する方法を提供する。この態様の方法は、有効量の本明細書に開示の化合物、例えば式(FX1)〜(FX25)を有する化合物のいずれかを被験体に投与するステップ、および被験体の体液、器官または組織中の化合物を検出するステップを含む。実施形態において、化合物は被験体に、静脈内注射もしくは注入、腹腔内注射もしくは注入、または皮下注射もしくは注入によって、経口投与によって、皮膚を介する経皮吸収によって、吸入によって、非経口投与によって、あるいはこれらの任意の組合せによって投与される。特定の一実施形態では、化合物は、被験体の腎臓系によって、例えばある体液(例えば、血液)から別の体液(例えば、尿)に排泄される。
特定の実施形態では、化合物を検出するステップは、体液、器官または組織中の化合物を、例えば350〜1300nm、400〜900nmまたは300〜500nmの範囲から選択される波長を有する電磁放射線に曝露するステップを含む。特定の実施形態について、体液、器官、組織または系中の化合物は、適切な波長の電磁放射線によって励起される際、検出可能なルミネッセンス、例えば350nmから1300nm、500〜900nmまたは520〜650nmの範囲から選択される波長を有するルミネッセンスを示す。実施形態において、化合物は、被験体の体液、器官または組織中で、視覚的に(例えば目によって)、またはカメラ、電荷結合素子もしくはダイオードアレイによって検出される。特定の一実施形態では、化合物は、被験体の耳、手、頭、前頭部または指の近位で検出される。
この態様の別の方法は、有効量の本明細書に開示の化合物、例えば式(FX1)〜(FX25)を有する化合物のいずれかを被験体に投与するステップ、および外科手順の最中に被験体の体液、器官または組織中の化合物を検出するステップを含む。特定の一実施形態では、体液、器官または組織中の化合物は電磁放射線に曝露され、それによってルミネッセンスを発生し、その後それが、例えば視覚的に、またはカメラ、電荷結合素子もしくはダイオードアレイによって検出される。これらおよび他の方法は、例えば体液、器官または組織が投与化合物を含有することを外科医に示し得ることから有用である。
いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、本明細書では、本発明に関係する根底の原則または機構の信条または理解についての議論を示すことができる。任意の説明または仮説の究極的な正確さにかかわらず、本発明の実施形態は有効かつ有用であり得ることが認識される。
図1は、幾つかの従来の腎臓薬剤の構造を示す図である。 図2は、本発明の化合物の調製のための合成スキームを示す図である。 図3は、本発明の化合物の調製のための合成スキームを示す図である。 図4は、本発明の化合物の調製のための合成スキームを示す図である。 図5は、腎臓機能を評価するためのアセンブリのブロック図である。 図6は、本発明のモニタリング装置の模式図である。 図7は、蛍光の非侵襲性インビボ検出のための機器の図である。 図8Aは、腎臓により排泄され得る化合物の送達後の、時間の関数としての非侵襲性インビボ蛍光信号を示すプロット図である。図8Bは、腎臓により排泄され得る化合物の送達後の、時間の関数としての侵襲性のPK(血漿濃度)を示すプロット図である。 図9は、光学的薬物動態および血漿薬物動態の間の線形相関を示す、互いに比べてプロットした図8Aおよび8Bのプロット図である。
図を参照すると、同じ数字は同じ要素を示しており、2つ以上の図に現れる同じ数字は、同じ要素を指す。一般に、本明細書で使用する用語および句は、それらの分野で認識されている意味を有し、それらは、標準のテキスト、ジャーナルとしての参考文献および当業者に公知の状況を参照することによって見出すことができる。以下の定義は、本発明の状況におけるそれらの具体的な使用を明確にするために提供される。
「光学的薬剤」は一般に、生物学的に関連する環境または条件において、一般に350〜1300ナノメートルの範囲の波長の電磁放射線を吸収、放射または散乱する化合物、組成物、調製物および/または製剤を指す。幾つかの実施形態では、本発明の光学的薬剤は、電磁放射線によって励起される場合、蛍光またはリン光経路などのルミネッセンスを介する放射を受ける。これらの経路は、診断用画像、可視化または器官機能モニタリングに有用である。この種類に属する化合物は、一般に、「光学的イメージング薬剤」または「光学的造影剤」と呼ばれる。一実施形態では、光学的薬剤は、本明細書に記載の化合物である。
本発明の光学的薬剤は、蛍光団を含有することができる。用語「蛍光団」は一般に、分子を蛍光性にする分子の成分または部分を指す。蛍光団は、第一の特定の波長の電磁放射線を吸収し、第二の特定の波長でエネルギーを再び放射する分子中の官能基であり得る。放射される電磁放射線の量および波長は、蛍光団および蛍光団の化学的環境の両方によって決まる。
本発明の化合物および組成物は、イメージング剤および検出可能な薬剤を含む光学的薬剤、ならびにその複合体、錯体および誘導体を提供する。本発明の幾つかの光学的薬剤は、検出可能な薬剤を提供し、この検出可能な薬剤は、被験体に投与することができ、その後、様々な光学的技術(例えば、光学的イメージング、可視化ならびに1、2、3点および多点光学的検出が挙げられる)を使用して検出することができる。
光学的薬剤には、それに限定されるものではないが、イメージング剤、検出可能な薬剤、ならびにその複合体、錯体および誘導体が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「診断」、「診断の」および語根の他の派生語は、当技術分野で理解される通りであり、健康または疾患状態の一般的なモニタリング、特徴付けおよび/または同定を含むことをさらに企図するものである。この用語は、予後の概念を包含することを意味する。例えば、急性腎不全の診断は、以前の知見の結果にかかわらず、最初の決定および/または1つもしくは複数のその後の評価を含むことができる。この用語は、特定の状態または結果の予測に関して、必ずしも既定のレベルの確実性を暗示する必要はない。
本明細書で定義の通り、「投与すること」は、光学的薬剤などの本発明の化合物またはその製剤を、例えば診断可能な有効量で患者または被験体に提供することを意味する。本発明は、診断上有効な量の式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つを有する化合物を、診断を必要としている患者に、例えば腎臓系の障害を有すると疑われる患者に投与する生物医学的手順のための方法を含む。投与は、静脈内注射もしくは注入、腹腔内注射もしくは注入、皮下注射もしくは注入、経口投与、皮膚を介する経皮吸収、あるいは吸入を含む、当技術分野で公知の範囲の技術によって行うことができる。
アルキル基には、直鎖、分岐鎖および環式アルキル基が含まれる。アルキル基には、1〜30個の炭素原子を有するアルキル基が含まれる。アルキル基には、1〜3個の炭素原子を有する短鎖アルキル基が含まれる。アルキル基には、4〜10個の炭素原子を有する中程度の鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基には、10個を超える炭素原子を有する長鎖アルキル基、特に10〜30個の炭素原子を有する長鎖アルキル基が含まれる。環式アルキル基には、1つまたは複数の環を有する環式アルキル基が含まれる。環式アルキル基には、3、4、5、6、7、8、9または10員の炭素環を有する環式アルキル基、特に3、4、5、6または7員環を有する環式アルキル基が含まれる。環式アルキル基の炭素環は、アルキル基を担持することもできる。環式アルキル基には、二環式および三環式アルキル基が含まれ得る。アルキル基は、任意選択により置換されている。置換アルキル基には、中でもアリール基で置換されているものが含まれ、そのアリール基は任意選択により同様に置換されていてもよい。具体的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、分岐鎖ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、分岐鎖ヘキシルおよびシクロヘキシル基が含まれ、これらすべては任意選択により置換されている。置換アルキル基には、1つもしくは複数の水素が1つもしくは複数のフッ素原子、塩素原子、臭素原子および/またはヨウ素原子で置き換えられているアルキル基などの、完全ハロゲン化または半ハロゲン化アルキル基が含まれる。置換アルキル基には、1つもしくは複数の水素が1つもしくは複数のフッ素原子で置き換えられているアルキル基などの、完全フッ素化または半フッ素化アルキル基が含まれる。アルコキシ基は、酸素との結合によって修飾されており、式R−Oによって表すことができ、アルキルエーテル基と呼ぶこともできるアルキル基である。アルコキシ基の例には、それに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびヘプトキシが含まれる。アルコキシ基には、その基のアルキ(alky)部分が、アルキル基の説明に関連して本明細書で提供される通り置換されている置換アルコキシ基が含まれる。本明細書で使用される場合、MeO−は、CHO−を指す。
アルケニル基には、直鎖、分岐鎖および環式アルケニル基が含まれる。アルケニル基には、1つ、2つまたはそれを超える数の二重結合を有するアルケニル基、および二重結合の2つ以上が共役した二重結合であるアルケニル基が含まれる。アルケニル基には、2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基が含まれる。アルケニル基には、2〜3個の炭素原子を有する短鎖アルケニル基が含まれる。アルケニル基には、4〜10個の炭素原子を有する中程度の鎖のアルケニル基が含まれる。アルケニル基には、10個を超える炭素原子を有する長鎖アルケニル基、特に10〜20個の炭素原子を有する長鎖アルケニル基が含まれる。環式アルケニル基には、1つまたは複数の環を有する環式アルケニル基が含まれる。環式アルケニル基には、二重結合が、環中に、または環に結合しているアルケニル基中にある、環式アルケニル基が含まれる。環式アルケニル基には、3、4、5、6、7、8、9または10員の炭素環を有する環式アルケニル基、特に3、4、5、6または7員環を有する環式アルケニル基が含まれる。環式アルケニル基の炭素環は、アルキル基を担持することもできる。環式アルケニル基には、二環式および三環式アルキル基が含まれ得る。アルケニル基は、任意選択により置換されている。置換アルケニル基には、中でもアルキル基またはアリール基で置換されているものが含まれ、これらの基は任意選択により同様に置換されていてもよい。具体的なアルケニル基には、エテニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、シクロプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、シクロブタ−1−エニル、シクロブタ−2−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、分岐鎖ペンテニル、シクロペンタ−1−エニル、ヘキセ−1−エニル、分岐鎖ヘキセニル、シクロヘキセニルが含まれ、これらすべては任意選択により置換されている。置換アルケニル基には、1つまたは複数の水素が1つまたは複数のフッ素原子、塩素原子、臭素原子および/またはヨウ素原子で置き換えられているアルケニル基などの、完全ハロゲン化または半ハロゲン化アルケニル基が含まれる。置換アルケニル基には、1つまたは複数の水素が1つまたは複数のフッ素原子で置き換えられているアルケニル基などの、完全フッ素化または半フッ素化アルケニル基が含まれる。
アリール基には、1つまたは複数の5、6または7員の芳香族または複素環式芳香族環を有する基が含まれる。アリール基は、1つもしくは複数の縮合芳香族環を含有することができる。複素環式芳香族環は、環中に1つまたは複数のN、OまたはS原子を含むことができる。複素環式芳香族環には、1、2または3個のNを有するもの、1個または2個のOを有するもの、および1個または2個のSを有するもの、あるいは1個もしくは2個もしくは3個のN、OまたはSの組合せを有するものが含まれ得る。アリール基は、任意選択により置換されている。置換アリール基には、中でもアルキル基またはアルケニル基で置換されているものが含まれ、これらの基は任意選択により同様に置換されていてもよい。具体的なアリール基には、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基およびナフチル基が含まれ、これらすべては任意選択により置換されている。置換アリール基には、1つもしくは複数の水素が1つもしくは複数のフッ素原子、塩素原子、臭素原子および/またはヨウ素原子で置き換えられているアリール基などの、完全ハロゲン化または半ハロゲン化アリール基が含まれる。置換アリール基には、1つもしくは複数の水素が1つもしくは複数のフッ素原子で置き換えられているアリール基などの、完全フッ素化または半フッ素化アリール基が含まれる。アリール基には、それに限定されるものではないが、以下のベンゼン、ナフタレン、ナフトキノン、ジフェニルメタン、フルオレン、アントラセン、アントラキノン、フェナントレン、テトラセン、ナフタセンジオン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、インドール(インドール類)、イソインドール、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、ベンズイミダゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、フェナントリジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、キサンテン、キサントン、フラボン、クマリン、アズレンまたはアントラサイクリンのいずれか1つに相当する、芳香族基を含有する基あるいは複素環式(heterocylic)芳香族基を含有する基が含まれる。本明細書で使用される場合、先に列挙した基に相当する基には、本発明の化合物中の、共有結合による立体配置で提供される先に列挙した芳香族基および複素環式芳香族基の一価、二価および多価基を含む、芳香族基または複素環式芳香族基が明確に含まれる。アリール基は、置換基として提供される1つもしくは複数の電子供与基、電子求引基および/または他の配位子を有する、1つもしくは複数の芳香族環または複素環式芳香族環を任意選択により有する。
アリールアルキル基は、1つまたは複数のアリール基で置換されているアルキル基であり、該アルキル基は、任意選択により追加の置換基を担持し、該アリール基は任意選択により置換されている。具体的なアルキルアリール基は、フェニル置換アルキル基、例えばフェニルメチル基である。あるいはアルキルアリール基は、1つまたは複数のアルキル基で置換されているアリール基と説明され、該アルキル基は、任意選択により追加の置換基を担持し、該アリール基は任意選択により置換されている。具体的なアルキルアリール基は、メチルフェニルなどのアルキル置換フェニル基である。置換アリールアルキル基には、1つもしくは複数の水素が1つもしくは複数のフッ素原子、塩素原子、臭素原子および/またはヨウ素原子で置き換えられている1つもしくは複数のアルキルおよび/またはアリールを有するアリールアルキル基などの、完全ハロゲン化または半ハロゲン化アリールアルキル基が含まれる。
任意のアルキル、アルケニルおよびアリール基の任意選択の置換には、以下の置換基、ハロゲン、−CN、−COOR、−OR、−COR、−OCOOR、−CON(R)、−OCON(R)、−N(R)、−NO、−SR、−SOR、−SON(R)または−SOR基の1つまたは複数による置換が含まれる。アルキル基の任意選択の置換には、1つもしくは複数のアルケニル基、アリール基またはその両方による置換が含まれ、該アルケニル基またはアリール基は、任意選択により置換されている。アルケニル基の任意選択の置換には、1つもしくは複数のアルキル基、アリール基またはその両方による置換が含まれ、該アルキル基またはアリール基は、任意選択により置換されている。アリール基の任意選択の置換には、1つもしくは複数のアルキル基、アルケニル基またはその両方によるアリール環の置換が含まれ、該アルキル基またはアルケニル基は、任意選択により置換されている。
アルキル、アルケニルおよびアリール基の任意選択の置換基には、中でも、
−COOR(式中、Rは、水素またはアルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル基であり、これらすべては任意選択により置換されている)、
−COR(式中、Rは、水素またはアルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル基であり、これらの基のすべては任意選択により置換されている)、
−CON(R)(式中、各Rは、互いのRとは独立に、水素またはアルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル基であり、これらの基のすべては任意選択により置換されており、RおよびRは、1つまたは複数の二重結合を含有し得る環を形成することができる)、
−OCON(R)(式中、各Rは、互いのRとは独立に、水素またはアルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル基であり、これらの基のすべては任意選択により置換されており、RおよびRは、1つまたは複数の二重結合を含有し得る環を形成することができる)、
−N(R)(式中、各Rは、互いのRとは独立に、水素またはアルキル基、アシル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニルまたはアセチル基であり、これらすべては任意選択により置換されており、あるいはRおよびRは、1つまたは複数の二重結合を含有し得る環を形成することができる)、
−SR、−SORまたは−SOR(式中、Rは、アルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル基であり、これらすべては任意選択により置換されており、−SRについては、Rは水素であってよい)、
−OCOOR(式中、Rは、アルキル基またはアリール基である)、
−SON(R)(式中、Rは、水素、アルキル基またはアリール基であり、RおよびRは、環を形成することができる)、
−OR(式中、Rは、H、アルキル、アリールまたはアシルであり、例えばRは、−OCORを生成するアシルであってよく、Rは、水素またはアルキル基またはアリール基であり、より具体的にはRは、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニル基であり、これらの基のすべては任意選択により置換されている)
が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、本明細書で定義のアルキル基に由来する二価の基を指す。アルキレン基は、幾つかの実施形態では、本組成物の結合基および/またはスペーサー基として機能する。本発明の化合物は、置換および非置換C〜C20アルキレン、C〜C10アルキレンおよびC〜Cアルキレン基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキレン」は、本明細書で定義のシクロアルキル基に由来する二価の基を指す。シクロアルキレン基は、幾つかの実施形態では、本組成物の結合基および/またはスペーサー基として機能する。本発明の化合物は、置換および非置換C〜C20シクロアルキレン、C〜C10シクロアルキレンおよびC〜Cシクロアルキレン基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」は、本明細書で定義のアルケニル基に由来する二価の基を指す。アルケニレン基は、幾つかの実施形態では、本組成物の結合基および/またはスペーサー基として機能する。本発明の化合物は、置換および非置換C〜C20アルケニレン、C〜C10アルケニレンおよびC〜Cアルケニレン基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルケニレン」は、本明細書で定義のシクロアルケニル基に由来する二価の基を指す。シクロアルケニレン基は、幾つかの実施形態では、本組成物の結合基および/またはスペーサー基として機能する。本発明の化合物は、置換および非置換C〜C20シクロアルケニレン、C〜C10シクロアルケニレンおよびC〜Cシクロアルケニレン基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」は、本明細書で定義のアルキニル基に由来する二価の基を指す。アルキニレン基は、幾つかの実施形態では、本組成物の結合基および/またはスペーサー基として機能する。本発明の化合物は、置換および非置換C〜C20アルキニレン、C〜C10アルキニレンおよびC〜Cアルキニレン基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」は、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、ヨード(−I)またはアスタト(−At)などのハロゲン基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アゾ」は、少なくとも1つの−N=N−部分を有する基を指す。アゾ基には、−N=N−部分を有する環式および非環式基、例えば、(i)C〜C20アリールの1つもしくは複数の炭素環式または複素環式芳香族環に直接的または間接的に結合している−N=N−部分を有するアリール−アゾ基、(ii)C〜C20アルキル基に直接的または間接的に結合している−N=N−部分を有するアルキル−アゾ基、ならびに(iii)C〜C20アルキル基、およびC〜C20アリールの1つもしくは複数の炭素環式環または複素環式芳香族環に直接的または間接的に結合している−N=N−部分を有するアルキルアリール−アゾ基が含まれる。一実施形態では、例えば本発明の化合物のアゾ基は、環内に−N=N−基を有する環式基を含む。一実施形態では、例えば本発明の化合物のアゾ基は、炭素環式環または複素環式環の炭素−炭素結合が、窒素−窒素二重結合(即ちN=N)で置き換えられている環式基を含む。一実施形態では、例えば本発明のアゾ化合物は、1つもしくは複数の芳香族基および1つもしくは複数の脂環式基を含む縮合環構造を含み、該脂環式基の炭素環式環または複素環式環の炭素−炭素結合は、窒素−窒素二重結合(即ちN=N)で置き換えられている。
用語「複素環式」は、環中に炭素に加えて少なくとも1つの他の種類の原子を含有する環構造を指す。かかる原子の例には、窒素、酸素および硫黄が含まれる。複素環式環の例には、それに限定されるものではないが、ピロリジニル、ピペリジル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、フリル、チエニル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基が含まれる。
炭素環式という用語は、環中に炭素原子のみを含有する環構造を指す。炭素環式環の炭素原子は、広範な他の原子および官能基に結合していてもよい。
脂環式は、芳香族環ではない環を指す。脂環式環は、炭素環式および複素環式環の両方を含む。
アルコキシアルキル:本明細書で使用される場合、用語「アルコキシアルキル」は、式アルキル−O−アルキルの置換基を指す。
ポリアルコキシアルキル:本明細書で使用される場合、用語「ポリアルコキシアルキル」は、式アルキル−(アルコキシ)−アルコキシの置換基を指し、nは、1から10、好ましくは1から4、より好ましくは幾つかの実施形態について1から3の整数である。
本明細書で使用される場合、用語「ルミネッセンス」は、原子または分子の励起された電子状態からの電磁放射線の放射を指す。ルミネッセンスは一般に、中でも光ルミネッセンス、化学ルミネッセンスおよび電気化学ルミネッセンスなどの電磁放射線の放射を指す。蛍光およびリン光を含む光ルミネッセンスでは、励起された電子状態は、電磁放射線の吸収によって作り出される。ルミネッセンスの検出は、ルミネッセンスの1つまたは複数の特性、あるいは関連するルミネッセンス過程の検出を含む。これらの特性には、中でも強度、励起スペクトルおよび/または発光スペクトル、偏光、寿命ならびにエネルギー移動が含まれ得る。これらの特性には、ルミネッセンスの時間独立性(定常状態)および/または時間依存性(時間分解)の特性が含まれ得る。代表的なルミネッセンス技術には、中でも蛍光強度(FLINT)、蛍光偏光(FP)、蛍光共鳴エネルギー遷移(FRET)、蛍光寿命(FLT)、全反射照明蛍光(TIRF)、蛍光相関分光法(FCS)、光漂白後蛍光回復(FRAP)および生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)が含まれる。例えば、光学的薬剤が本発明で使用される場合、非イオン性放射線の波長は、それが光学的薬剤を励起するような波長であることが望ましい。この励起は分子の結合を切断し、したがって適切なラジカルを放出させる。この励起によって、分子は、吸収されたエネルギーの一部を異なる波長で放射することもでき、かかる放射は、先に記載の蛍光定量技術を使用して検出することができる。当業者は、投与される特定の薬剤(複数可)および/または特定の用途(例えば、イメージングされる領域)に少なくとも部分的に基づいて、最適な任意選択の検出技術を容易に決定することができる。
本明細書で使用される場合、用語「制御放出成分」は、それに限定されるものではないが、ポリマー、ポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、リポソーム、ミクロスフェア等またはこれらの任意の組合せを含む、化合物の制御放出を容易にする薬剤を指す。制御放出成分と組み合わせた化合物の生成方法は、当業者に公知である。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、適切な連邦政府または州政府の規制機関によって承認され、あるいは米国薬局方または動物、より具体的にはヒトにおける使用に関する他の一般に認識されている薬局方に列挙されていることを意味し、あるいはそれが投与される被験体に対して、それが投与される状況下で著しく有害なまたは望ましくない作用を付与しないことを意味する。
恒例であり、当技術分野で周知の通り、式(FX1)〜(FX25)の水素原子は、必ずしも明確に示されず、例えば芳香族および脂環式環の炭素原子に結合している水素原子は、式(FX1)〜(FX25)においては必ずしも明確に示されない。本明細書において、例えば式(FX1)〜(FX25)の説明の状況下で提供される構造は、当業者に本発明の方法および組成物の化合物の化学組成を伝えることを企図し、当業者には理解される通り、提供されている構造は、これらの化合物の原子間の具体的な結合角を示していない。
具体的な置換アルキル基には、ハロアルキル基、特にトリハロメチル基、および具体的にはトリフルオロメチル基が含まれる。具体的な置換アリール基には、モノ、ジ、トリ、テトラおよびペンタハロ置換フェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサおよびヘプタハロ置換ナフタレン基;3−または4−ハロ置換フェニル基、3−または4−アルキル置換フェニル基、3−または4−アルコキシ置換フェニル基、3−または4−RCO置換フェニル、5−または6−ハロ置換ナフタレン基が含まれる。より具体的には、置換アリール基には、アセチルフェニル基、特に4−アセチルフェニル基;フルオロフェニル基、特に3−フルオロフェニル基および4−フルオロフェニル基;クロロフェニル基、特に3−クロロフェニル基および4−クロロフェニル基;メチルフェニル基、特に4−メチルフェニル基およびメトキシフェニル基、特に4−メトキシフェニル基が含まれる。
1つまたは複数の置換基を含有する先の基のいずれかに関して、かかる基は、立体的に実際的でない、かつ/または合成上実施可能でない任意の置換または置換パターンを含有しないことを理解されたい。さらに、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から生じるすべての立体化学的な異性体を含む。
薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるアニオンおよび/またはカチオンを含む。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、本開示の化合物の酸付加塩または塩基付加塩を指すことができる。薬学的に許容される塩は、親化合物の活性の少なくとも一部を保持し、それが投与される被験体に対して、それが投与される状況下で著しく有害な作用も望ましくない作用も付与しない任意の塩である。薬学的に許容される塩には、金属錯体、ならびに無機酸および有機酸両方の塩が含まれる。薬学的に許容される塩には、アルミニウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガンおよび錯塩などの金属塩が含まれる。薬学的に許容される塩には、それに限定されるものではないが、酢酸、アスパラギン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アキセチル、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、重硫酸、重酒石酸、酪酸、エデト酸カルシウム、カムシル酸(camsylic)、炭酸、クロロ安息香酸、−シレキセチル(cilexetil)、クエン酸、エデト酸、エデシル酸(edisylic)、エストル酸(estolic)、エシル(esyl)、エシル酸(esylic)、ギ酸、フマル酸、グルセプト酸(gluceptic)、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキサミン酸(hexamic)、ヘキシルレソルシノール酸(resorcjnoic)、ヒドラバミン酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硝酸、メチル硫酸、粘液酸、ムコン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、p−ニトロメタンスルホン酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、フタル酸、ポリガラクツロン酸(polygalactouronic)、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸(sulfanlic)、スルホン酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、テオクル酸(teoclic)、トルエンスルホン酸などの塩が含まれる。薬学的に許容される塩は、それに限定されるものではないがシステインを含むアミノ酸に由来していてもよい。他の薬学的に許容される塩は、例えば、Stahlら、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、Wiley−VCH;Verlag Helvetica Chimica Acta、Zurich、2002年(ISBN 3−906390−26−8)に見出すことができる。薬学的に許容されるカチオンには、中でも、アルカリ金属カチオン(例えば、Li、Na、K)、アルカリ土類金属カチオン(例えば、Ca2+、Mg2+)、非毒性の重金属カチオン、ならびにアンモニウム(NH )および置換アンモニウム(N(R’) 、式中R’は、水素、アルキルまたは置換アルキルであり、即ち、メチル、エチルまたはヒドロキシエチル、具体的には、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウムおよびトリエタノールアンモニウムカチオンを含む)が含まれる。薬学的に許容されるアニオンには、中でもハロゲン化物イオン(例えば、Cl、Br)、硫酸イオン、各種酢酸イオン(例えば、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン)、アスコルビン酸イオン、アスパラギン酸イオン、安息香酸イオン、クエン酸イオンおよび乳酸イオンが含まれる。
本発明の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含有することができる。したがって本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー(diasteromer)、エナンチオマー、互変異性体および1つまたは複数の立体異性体(steroisomer)に富んだ混合物を含むことを企図する。記載し、特許請求する本発明の範囲は、化合物のラセミ体、ならびにその個々のエナンチオマーおよび非ラセミ混合物を包含する。
本発明を説明する前に、記載の特定の方法論、プロトコルおよび試薬は変わり得ることから、本発明は記載のものに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用する用語法は、特定の実施形態のみを記載することを目的とし、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることになる本発明の範囲を制限することを企図しないことも理解されたい。
特定の実施形態では、本発明は、本発明において有用な光学的薬剤を、患者または被験体に投与するステップを包含する。本明細書で等しく使用される「患者」または「被験体」は、動物を指す。特に動物は、哺乳動物、好ましくはヒトを指す。被験体は、(1)本発明の光学的薬剤の投与によって診断できる状態を有しているか、または(2)本発明の光学的薬剤の投与によって診断できる状態になりやすいかのいずれかであり得る。患者は、別の障害の治療のための外科手順に関与していてもよい。
本発明の組成物は、薬学的に許容される製剤または調製物などの、水溶液で提供される本発明の光学的薬剤の1つまたは複数を含む製剤および調製物を含む。任意選択により、本発明の組成物はさらに、1つまたは複数の薬学的に許容される界面活性剤、バッファー、電解質、塩、担体、結合剤、コーティング、保存剤および/または賦形剤を含む。
一実施形態では、本発明は、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物などの、本発明の組成物を含む活性成分を有する医薬製剤を提供する。一実施形態では、本発明は、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物などの、本発明の組成物またはその医薬製剤を合成する方法を提供する。一実施形態では、医薬製剤は、当技術分野で理解され得る通り、1つまたは複数の賦形剤、担体、希釈剤および/または他の成分を含む。好ましくは、その成分は、国民医薬品集(「NF」)、米国薬局方(「USP」;United States Pharmacopeial Convention Inc.、Rockville、Maryland)、またはHandbook of Pharmaceutical Manufacturing Formulations(Sarfaraz K. Niazi、全巻、ISBN:9780849317521、ISBN 10:0849317525;CRC Press、2004年)の標準を満たすものである。例えば、United States Pharmacopeia and National Formulary(USP 30−NF 25)、Rockville、MD:United States Pharmacopeial Convention;2007年;および2008年、ならびに任意の以前の版のそれぞれ;the American Pharmacists Associationおよびthe Pharmaceutical Press(Pharmaceutical Press(2005年)が共同出版したThe Handbook of Pharmaceutical Excipients(ISBN−10:0853696187、ISBN−13:978−0853696186);Merck Index、Merck & Co.、Rahway、N.J.;ならびにGilmanら、(eds)(1996年);GoodmanおよびGilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics、8th Ed.、Pergamon Press参照。実施形態において、本発明の製剤の製剤用基剤は、生理的に許容される賦形剤、即ち少なくとも1つの結合剤、および任意選択により他の生理的に許容される賦形剤を含む。生理的に許容される賦形剤は、製薬技術部門および隣接分野において使用可能であることが公知の賦形剤、特に関連する薬局方(例えば、DAB、Ph.Eur.、BP、NF、USP)に列挙されている賦形剤、ならびにその特性が生理的用途を損なわない他の賦形剤である。
一実施形態では、本発明の組成物の有効量は、「診断上有効な」量である。本明細書で使用される場合、「診断上有効な」という句は、例えば病状または他の病理学的な状態の診断において投与される化合物の量を適格とするものである。この量によって、高用量で見出される有害な副作用を回避すると同時に検出可能にするという目的が達成される。一実施形態では、活性成分または他の成分は、治療上許容される量で含まれる。一実施形態では、活性成分または他の成分は、診断上許容される量で含まれる。
化合物の塩およびエステル形態を含む組成の変化:本発明の化合物および本発明の方法において有用な化合物には、本明細書に記載の化合物および式(複数可)の化合物、ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される塩およびエステルが含まれる。実施形態において、塩には、ヒトまたは獣医学的用途における使用に対して許容される、本明細書の式の酸に由来する任意の塩が含まれる。実施形態において、エステルという用語は、本明細書の名称および構造式の化合物の加水分解可能なエステルを指す。実施形態において、本明細書中の式の化合物の塩およびエステルには、本明細書の式の化合物と同じか、もしくはそれより良好な、治療上、診断上または医薬上(ヒトもしくは獣医学的)の一般的特性を有するものが含まれ得る。一実施形態では、本発明の組成物は、医薬製剤に適した化合物またはその塩もしくはエステルである。
一実施形態では、本発明は、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物などの本発明の組成物の診断上有効な量を、それを必要としている被験体(例えば患者)に投与するステップを含む、病状の診断方法を提供する。一実施形態では、病状は、腎臓機能低下、肝不全、腎不全、ならびに腎臓系の1つまたは複数の器官または局面の不全などの腎臓系の障害を含む、急性腎不全または様々な他の疾患、損傷および障害である。
一実施形態では、本発明は、診断上有効な量の1つまたは複数の本発明の組成物を含む医薬品を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の状態を診断する、またはその診断を援助するための医薬品の製造方法を提供する。一実施形態では、本発明は、医薬品を製造するための、本明細書に記載の1つまたは複数の組成物の使用を提供する。
本発明によれば、身体細胞の生理的機能を評価するためのあるプロトコルは、有効量の式(FX1)によって表される化合物を患者に投与するステップを含む。患者に投与される化合物の適切な用量は、当業者によって容易に決定され、企図される臨床手順に従って、一般に約1ナノモルから約100マイクロモルの範囲で変わり得る。患者への化合物の投与は、それに限定されるものではないが、(1)静脈内注射もしくは注入、腹腔内注射もしくは注入、または皮下注射もしくは注入、(2)経口投与、(3)皮膚を介する経皮吸収、および(4)吸入を含む幾つかの適切な方法のいずれかで行うことができる。
本発明の化合物は、当技術分野で公知の最も薬学的に許容される静脈内用担体中の溶液として投与することができる。当業者に周知の薬学的に許容される担体には、それに限定されるものではないが、0.01〜0.1Mのリン酸緩衝液または0.8%生理食塩水が含まれる。さらに、薬学的に許容される担体は、水性溶液もしくは非水性溶液、懸濁液、エマルジョンまたはこれらの適切な組合せであってよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体の例は、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液である(例えば、生理食塩水および緩衝媒体が挙げられる)。例示的な非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルブドウ糖、ブドウ糖および塩化ナトリウム、乳酸リンゲルまたは固定油が含まれる。例示的な静脈内用ビヒクルには、リンゲルブドウ糖に基づくものなどの液体および栄養補給剤、電解質補給剤等が含まれる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、照合物質(collating agent)、不活性ガスなどの保存剤および他の添加剤が存在していてもよい。
適切な希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または賦形剤も、適切な担体である。かかる担体は、液体または凍結乾燥させたもしくはその他の方法で乾燥させた製剤であり、これには、様々なバッファー成分(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pHおよびイオン強度の希釈剤、表面への吸収を防止するためのアルブミンまたはゼラチンなどの添加剤、洗浄剤(例えば、Tween 20、Tween 80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、Thimerosal、ベンジルアルコール、パラベン)、増量物質または浸透圧調節因子(例えば、ラクトース、マンニトール)、金属イオンとの錯体形成、あるいは、ポリマー化合物(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール(polglycolic)酸、ヒドロゲルなど)の微粒子状の調製物内もしくは上に、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストまたはスフェロプラストの上に材料を組み込みが含まれる。かかる担体は、身体状態、可溶性、安定性、インビボ放出率、および/またはインビボクリアランス率に影響を及ぼすことができる。
前述のプロトコルにさらに言及すると、化合物は、可視および/または近赤外光に曝露することができる。光への化合物のこの曝露は、任意の適切な時間に行うことができるが、好ましくは、化合物が体内(例えば、血流および/または泌尿器系内)に位置する間に行われる。可視および/または近赤外光への化合物のこの曝露により、化合物はルミネッセンスを示して、適切な検出設備によって検出され得るスペクトルエネルギー(例えば、可視光および/または近赤外光)を放射する。化合物からのルミネッセンスは、励起の際に化合物によって吸収される波長範囲よりも大きい波長範囲を示す傾向がある。例えば、ある実施形態の化合物が約700nmの光を吸収する場合、該化合物はルミネッセンスを示して、約745nmの光を放射し得る。
化合物(またはより具体的には、化合物からのルミネッセンス)の検出は、当技術分野で公知の光学的蛍光、吸収または光散乱手順を介して達成され得る。一実施形態では、ルミネッセンスとして示されたスペクトルエネルギーのこの検出は、ルミネッセンスとして示されたスペクトルエネルギーの収集および収集されたスペクトルエネルギーを示す電気信号の発生を特徴とし得る。体内に存在する化合物からのルミネッセンスを検出するために利用される機構(複数可)は、選択された波長(または波長範囲)のみを検出するように設計することができ、かつ/または1つもしくは複数の適切なスペクトルフィルターを備えることができる。化合物を光に曝露し、かつ/または化合物からルミネッセンスとして示された光を検出するために、様々なカテーテル、内視鏡、耳用クリップ、手用バンド、頭用バンド、表面コイル、指用プローブ等を利用することができる[30]。ルミネッセンスのこの検出は、間欠的に1回もしくは複数回実施することができ、または実質的に継続的であってもよい。
本発明の化合物は、容器内にパッケージされた化合物を含むキットの形態で提供することができる。幾つかの実施形態では、化合物を薬学的に許容される担体に溶解し、単一の容器で提供することができる。薬学的に許容される担体は、任意の適切なビヒクル、希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント、賦形剤ならびに/あるいは当技術分野で公知のものおよび/または先に記載のものを含むことができる。幾つかの実施形態では、化合物をある容器に入れることができ(例えば、乾燥または凍結乾燥形態で)、薬学的に許容される担体を別の容器に入れることができるが、これらすべてはキットに一緒にパッケージされる。本発明のキットは、使用のための指示書を提供するパッケージ挿入物を含むこともできる。
患者の腎臓機能は、検出されたルミネッセンスに基づいて決定することができる。これは、検出されたルミネッセンスを示すデータを使用し、身体からの化合物のクリアランスを示す強度/時間プロファイルを作製することによって達成できる。このプロファイルは、生理的または病理学的な状態と相関し得る。例えば、患者のクリアランスプロファイルおよび/またはクリアランス率は、患者の腎臓機能を評価し、患者の生理状態を診断するための公知のクリアランスプロファイルおよび/または率と比較することができる。体液中の化合物の存在を分析する場合、適切なマイクロプロセッサを使用して濃度/時間曲線を作製し、分析して(好ましくはリアルタイムで)、腎臓機能を診断することができる。
生理的機能は、(1)正常な細胞および/または組織ならびに障害を受けた細胞および/または組織が血流から本発明の化合物を除去する方法における差異を比較すること、(2)器官もしくは組織中の本発明の化合物の割合または蓄積を測定すること、ならびに/あるいは(3)それに関連する本発明の化合物を有する器官または組織の断層撮影画像を得ることによって評価することができる。
以下の実施例において本発明をさらに詳説するが、これらの実施例は例として提供されるものであり、いかなる方法でも本発明の範囲を制限することを企図しない。
一般的な実験条件:別段指定されない限り、すべての試薬を供給されたまま使用した。TLC分析は、AnaltechシリカゲルGFプレート(250mm)で実施した。フラッシュクロマトグラフィーは、EMD Chemicals Inc.のシリカゲル60(40〜63mm)またはCombiFlashクロマトグラフィー系のRediSepプレパック済みシリカゲルカラムのいずれかを使用して実施した。RP−LC/MS(ESI、正イオンモード)分析は、ThermoElectron Hypersil Gold C18 3μm(4.6mm×50mm)カラム(勾配:5〜95%B/6分;流速:1ml;移動相A:HO中0.05%TFA;移動相B:CHCN中0.05%TFA)を使用して、PDA検出器を備えたWaters Micromass ZQ系で実施した。分取RP−HPLCは、Liquid HandlerおよびPDA検出器を備えたWaters Dual Pump系を使用して実施した[カラム:Waters XBrdige(商標)Prep C18 OBD(商標)5μm 30×150mmまたはSunfire(商標)Prep C18 5μm OBD(商標)30×150mm;λmax:PDA(200〜600nm);流速:50mL/分;勾配:5〜20から40〜95%B/10〜15分;移動相A:HO中0.1%TFA;移動相B:CHCN中0.1%TFA]。RP−HPLC分析は、UV検出器を備えたAgilent 1200シリーズ系で実施した(カラム:Phenomenex Luna 5μm C18(2)100Å250×4.6mm;流速:1mL/分;移動相A:HO中0.1%TFA;移動相B:CHCN中0.1%TFA)。NMRスペクトルは、Varian Gemini−300またはVNMRS−500分光計のいずれかで記録した。化学シフトを、内部標準のTMS(δ=0)に対する百万分率(δ)で表し、結合定数(J)をHzで報告する。HRMS(ESI)データは、IonMaxエレクトロスプレーイオン化供給源を備えたThermo Scientific LTQ−Orbitrap質量分析計で、分解能≧30KのFTMS(フーリエ変換)モードで得た。
(実施例1)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサオクタトリアコンタン−38−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(1)
Figure 2012512256
ステップ1.3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(2)の合成
Figure 2012512256
m−dPEG(商標)12アミン(5.37g、9.60mmol)の無水DMF(100mL)中無色溶液に、3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(0.793g、4.00mmol)を添加し、赤れんが色の懸濁液を、氷浴温度においてN雰囲気下で撹拌した。次いで、PyBOP(5.00g、9.60mmol)およびDIPEA(5.00mL、28.7mmol)を添加し、幾らか淡褐色がかった黄色懸濁液を、室温にゆっくり温めた。反応物は、約1時間以内にほぼ均一になり、それを終夜N下で撹拌した。DMFのほとんどを高真空下で除去し、褐色がかった黄色シロップを、最初に水を使用してSepadex G−10(130g)を通して濾過し、その後、溶離液としてHO−CHCN(3:1〜3:2、v/v)を使用してC18シリカゲル(YMC、130g)でクロマトグラフィーを行った。黄色画分を含有する生成物を合わせ、濃縮乾固させ、高真空下でさらに乾燥させて、半純粋なビス−アミド2(5.12g、100%)を褐色がかった黄色粘性固体として得た:RP−LC/MS(ESI)m/z1281.9(M+H)(t=3.76分)。
ステップ2.先のビス−アミド2(2.24g、1.75mmol)の無水1,2−ジクロロエタン(DCE、65mL)中オレンジ色溶液に、m−dPEG(商標)12プロピオンアルデヒド(3.00g、5.24mmol)のDCE(5mL)溶液を添加し、反応フラスコを氷浴に浸漬した。次いで氷HOAc(0.30mL、5.20mmol)を添加し、その後ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.11g、5.24mmol)を少量ずつ30分かけて添加した。得られた赤色がかった懸濁液を、室温にゆっくり温め、アルゴン雰囲気下で終夜(約16時間)撹拌した。飽和NaHCO(50mL)を0℃でゆっくり添加することによって反応をクエンチした。二相性混合物を30分間撹拌し、各層を分離し、水相をCHCl(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、50%水性NaCl(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって赤色固体6.89を得、それを分取RP−HPLC(XBridge、20〜45%B/15分)による精製に付した。純粋な画分を真空中で濃縮し、CHCN(3×50mL)と共に残渣を蒸発させ、次いで高真空下で一定の重量になるまで乾燥させて、1(2.57g、61%)を赤色半固体(冷蔵庫での保存の際に固化した)として得た。H NMR(DMSO−d)8.41(t,2,J=5.9),7.30(広幅,2),3.65−3.34[m,192、−(CHCHO)−に対するδ 3.49での広幅ピークを含む],3.23(s,12),1.79−1.74(五重線,4);RP−HPLC(280nm)98%(t=14.73分);RP−LC/MS(ESI)m/z1198.0(M+2H)2+、1207.2(M+H+NH4)2+、1209.2(M+H+Na)2+(t=4.64分)。C10821250Na(M+3Na)3+のHRMS(ESI)m/z算出値820.7969、実測値820.7993;C10821250Na(M+2Na)2+の算出値1219.7008、実測値1219.7040;C10821250Na(M+Na)の算出値2416.4123、実測値2416.4162。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例2)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサオクタトリアコンタン−38−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(3)
Figure 2012512256
ステップ1.3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(4)の合成
Figure 2012512256
3,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(0.316g、1.60mmol)、m−dPEG(商標)24アミン(4.00g、3.68mmol)およびPyBOP(1.92g、3.69mmol)の無水DMF(120mL)中混合物に、EtN(8.00mL、57.4mmol)を添加し、反応混合物を、室温においてアルゴン下で終夜(約20時間)撹拌した。DMFのほとんどを高真空下で除去し、油をCHCl(250mL)に溶解し、0.50MのKHSO−ブライン(1:1、v/v)、飽和NaHCO−ブライン(1:1、v/v)およびブライン(各75mL)で逐次的に洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、真空中で濃縮し、溶離液としてCHCN−HO(3:1、v/v)を使用してC18シリカゲルベッドを通して濾過して、粗ビス−アミド4(5.32g、142%)を褐色がかった黄色固体として得、それを任意のさらなる精製なしに次の反応でそのまま使用した:RP−LC/MS(ESI)m/z780.7(M+3H)3+、1179.1(M+H+NH2+、1182.0(M+H+Na)2+(t=3.88分)。
ステップ2.先のビス−アミド4(粗生成物3.86g、1.16mmol)の無水DCE(45mL)中褐色がかった黄色溶液に、m−dPEG(商標)12プロピオンアルデヒド(2.00g、3.49mmol)のDCE(5mL)溶液を添加し、反応フラスコを氷浴に浸漬した。次いで氷HOAc(0.20mL、3.47mmol)を添加し、その後1時間かけてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.740g、3.49mmol)を少量ずつ添加した。得られた赤色がかった懸濁液を室温にゆっくり温め、アルゴン雰囲気下で終夜(約22時間)撹拌した。飽和NaHCO(50mL)を0℃でゆっくり添加することによって、反応をクエンチした。二相性混合物を30分間撹拌し、各層を分離し、水相をCHCl(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって赤色の粘性油5.93gを得、それをSpectraPor 7透析管(MWCO2,000Da)を使用して水に対して透析して、半純粋な生成物2.47gを得、それを分取RP−HPLC(XBridge、20〜40%B/14分)によってさらなる精製に付した。純粋な画分を真空中で濃縮し、無水EtOH(2×25mL)と共に残渣を蒸発させ、次いで高真空下で一定の重量になるまで乾燥させて、3(1.84g、46%)を赤色半固体(冷蔵庫での保存の際に固化した)として得た。H NMR(DMSO−d)8.41(t,2,J=5.7),7.87(広幅 t,2),3.74−3.39[m,200、−(CHCHO)−に対するδ 3.49での広幅一重線を含む],3.34(s,88),3.23,3.22(2 s,12),1.86−1.72(五重線,4);RP−HPLC(280nm)97%(t=14.69分);RP−LC/MS(ESI)m/z1166.73(M+H+2Na)3+、1737.73(M+H+Na)2+、1209.2(M+H+Na)2+(t=19.13分、Phenomenex)。C15630874Na(M+3Na)3+のHRMS(ESI)m/z算出値1173.0066、実測値1173.0101;C15630874Na(M+2Na)2+の算出値1748.0153、実測値1748.0199;C15630874Na(M+Na)の算出値3473.0415、実測値3473.0421。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例3)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサテトラヘプタコンタン−74−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(5)
Figure 2012512256
DCE(40mL)中、HOAc(0.20mL、2.38mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.508g、2.40mmol)の存在下で、3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド4(粗生成物2.55g、136%収率材料、1.16mmol)とm−dPEG(商標)24プロピオンアルデヒド(2.60g、2.36mmol)の反応を、実施例2の調製に記載の通り、終夜実施した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。この段階で、反応混合物を先に記載の通り、さらなるm−dPEG(商標)24プロピオンアルデヒド(0.400g、0.363mmol)、HOAc(0.021mL、0.363mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.077g、0.363mmol)で処理し、反応を終夜継続させた(まだ不完全)。実施例2に記載の通常の後処理後に、得られた粗生成物(5.70g)を分取RP−HPLC(XBridge、20〜40%B/13分)による精製に付して、5(0.869g、24%)を赤れんが色の固体として得た。H NMR(DMSO−d)8.42(t,2,J=5.8),7.95(広幅,2),3.63−3.42[m,384、(CHCHO)−に対するδ 3.51での広幅なs],3.24(s,12),1.80−1.75(五重線,4);RP−HPLC(280nm)96%(t=13.16分)。C20440498Na(M+4Na)4+のHRMS(ESI)m/z算出値1149.6596、実測値1149.6617。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例4)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサヘキサコサン−26−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(6)
Figure 2012512256
DCE(25mL)中、HOAc(0.070mL、1.21mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.280g、1.32mmol)の存在下で、3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド4(粗生成物1.45g、142%収率材料、0.437mmol)とm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.520g、1.31mmol)の反応を、実施例2の調製に記載の通り、終夜(約18時間)実施した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。この段階で、反応混合物を先に記載の通り、さらなるm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.230g、0.580mmol)、HOAc(0.070mL、1.21mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.120g、0.566mmol)で処理し、反応を終夜継続させた(反応完了)。実施例2に記載の通常の後処理後に、粗生成物(2.03g)を分取RP−HPLC(XBridge、20〜40%B/13分)による精製に付して、赤れんが色の6(0.625g、46%)を得た。H NMR(DMSO−d)8.42(t,2,J=6.0),7.90(広幅,2)3.67−3.40[m,256、−(CHCHO)−に対するδ 3.50での広幅ピークを含む],3.24,3.23(2 s,12),1.80−1.75(五重線,4);RP−HPLC(280nm)99%(t=14.72分);RP−LC/MS(ESI)m/z1033.7(M+3H)3+、1559.3(M+H+NH2+(t=4.08分)。C14027666Na(M+2Na)2+のHRMS(ESI)m/z算出値1571.9105、実測値1571.9145。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例5)
3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(7)
Figure 2012512256
DCE(100mL)中、HOAc(1.00mL、17.3mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.481g、2.27mmol)の存在下で、3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41,44,47,50,53,56,59,62,65,68,71−テトラコサオキサトリヘプタコンタン−73−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド4(精製生成物1.80g、0.77mmol)とm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.500g、2.27mmol)の反応を、実施例2の調製に記載の通り、終夜実施した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。この段階で、反応混合物を先に記載の通り、類似の量の試薬の新しいバッチで処理し、終夜継続させた(まだ不完全)。実施例2に記載の通常の後処理後に、粗生成物を分取RP−HPLCに付して、7(0.620g、29%)を得た。H NMR(CDCl)特性:ポリ(エチレングリコール)部分に対するδ 3.65での広幅なsおよびδ 3.39と3.38での一重線;RP−HPLC(280nm)94%(t=15.36分);RP−LC/MS(ESI)m/z2747.2(M+H)(t=4.83分)。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例6)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサヘキサコサン−26−イルアミノ)−N,N−ビス[(R)−1−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(8)
Figure 2012512256
ステップ1.3,6−ジアミノ−N,N−ビス[(R)−1−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(9)の合成
Figure 2012512256
クライゼンアダプターおよび添加漏斗を備えた1L丸底フラスコに、D−セリンベンジルエステル塩酸塩(24.33g、105mmol)を入れ、それに無水DMFをカニューレで入れた。得られた無色溶液を、氷浴中で冷却し、N雰囲気下で15分間撹拌した。次いで、添加漏斗を介してDIPEA(19.16mL、110mmol)を30分かけて滴下添加し、15分後に冷却浴を除去し、,6−ジアミノピラジン−2,5−ジカルボン酸(9.91g、50.0mmol)を一度に添加した。赤れんが色の懸濁液を15分間撹拌した後、HOBt.HO(17.61g、115mmol)を一度に添加した。さらに15分後、反応フラスコを再び氷浴中で冷却し、EDC.HCl(22.05g、115mmol)を10分かけて分けて添加した。得られた幾らか淡褐色の懸濁液をゆっくり室温に温め、N下で終夜(約14時間)撹拌した。暗色溶液を高真空下(浴温度60℃)で濃縮してシロップ状の残渣を得、それをEtOAcとミリ−QHOに分離した(それぞれ400mL)。各層を分離し、水層をEtOAc(3×200mL)でさらに抽出し、合わせたEtOAc抽出物を、0.50MのKHSO、飽和NaHCO、HOおよびブライン(それぞれ250mL)で逐次的に洗浄した。乾燥した(NaSO)抽出物を濾過し(ワットマン)、真空中で蒸発させるとオレンジ色の泥状のものが残り、それを週末にかけて高真空下で乾燥させて、オレンジ色の固体23.7gを得た。粗生成物を、溶離液としてCHClからCHCl−MeOH(97:3、v/v)を使用して、勾配方式でシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EMD60)を行い(シリカゲルに吸着したサンプルをカラム上に搭載し、4回実施した)、ビス−アミド9(19.6g、71%)をオレンジ色の固体として得た。H NMR(DMSO−d)8.56(d,2,J=8.0Hz),7.40−7.33(m,10),6.76(s,4),5.37(t,2,J=5.5),5.20(歪んだAB対,4),4.66−4.63(dt,2,J=8.0,4.0Hz),3.97−3.93(m,2),3.81−3.77(m,2);13C NMR(DMSO−d)170.57,165.39,146.90,136.33,128.88,128.48,128.11,126.34,66.70,61.59,54.92;RP−LC/MS(ESI)m/z553.3(M+H)(t=4.44分)。C2629(M+H)のHRMS(ESI)m/z算出値575.1861、実測値575.1859。
ステップ2.3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサヘキサコサン−26−イルアミノ)−N,N−ビス[(R)−1−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(10)の合成
Figure 2012512256
磁気撹拌棒およびアルゴン入口を備えた50mL丸底フラスコに、DCE(25mL)中、先のビス−アミド9(0.350g、0.633mmol)、m−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(1.00g、2.52mmol)HOAc(0.190g、3.14mmol)を入れ、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.537g、2.53mmol)を添加し、週末にかけて室温で撹拌した。飽和NaHCO(25mL)を用いて反応物を30分間撹拌し、50mlのCHCl(50mL)で希釈し、有機相を分離し、ブラインで洗浄した。有機物を乾燥させ、真空中で濃縮して、赤色液体1.30gを得、それを分取HPLCに付した。純粋な画分を真空中で濃縮して1/2の体積にし、飽和NaHCOおよびブラインの混合物に注ぎ、CHCl3(2×150mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮し、真空乾燥させて、ビス−ベンジルエステル10(0.390g、47%)を赤色油として得た:C6210124(M+H)のHRMS(ESI)m/z算出値1313.6862、実測値1313.6907。
ステップ3.磁気撹拌棒を備えた250mL丸底フラスコに、MeOH(10mL)および水(10mL)中、先のビス−ベンジルエステル10(0.390g、0.297mmol)およびギ酸アンモニウム(0.112g、1.78mmol)を入れた。これに、水(10mL)中10%Pd/C(0.095g)のスラリーを添加し、反応混合物を60℃で撹拌した。RP−LC/MS分析によって、1時間後に約60%モノ−エステルおよび残りの出発材料が示された。この段階で、追加のギ酸アンモニウム(0.112g、1.78mmol)および10%Pd/C(0.095g)を添加すると、1時間で反応が完了した。触媒をセライト濾過によって除去し、脱イオン水(約100mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製し、生成物を真空中で濃縮し、アセトニトリルを用いて4ドラムバイアルに移し、濃縮し、真空乾燥させて、8(0.300g、76%)を赤色油として得た:C488924(M+H)のHRMS(ESI)m/z算出値1133.5923、実測値1133.5958。
一般的な合成スキームを図3に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例7)
3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ビス[(R)−1−カルボキシ−2−ヒドロキシエチル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(11)
Figure 2012512256
ステップ1.3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ビス[(R)−1−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(12)
Figure 2012512256
磁気撹拌棒およびアルゴン入口を備えた100mL丸底フラスコに、DCE(25mL)中、3,6−ジアミノ−N,N−ビス[(R)−1−(ベンジルオキシ)−3−ヒドロキシ−1−オキソプロパン−2−イル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド9(0.800g、1.45mmol)、m−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(1.00g、4.54mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.962g、4.54mmol)を入れ、HOAc(0.50mL、8.67mmol)を添加し、終夜室温で撹拌した(RP−LC/MS:約50%反応)。反応混合物をさらなるm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.508g、2.31mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2.24mmol)およびHOAc(0.50mL、8.67mmol)で処理し、次いでアルゴン下で終夜撹拌した(まだ不完全)。反応混合物をCHCl(200mL)で希釈し、飽和NaHCO(2×200mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、残渣を分取RP−HPLCに付してビス−ベンジルエステル12(0.501g、36%)を得た。
ステップ2.磁気撹拌棒を備えた50mL丸底フラスコに、ビス−ベンジルエステル12(0.501g、0.521mmol)を入れ、EtOH−HO(20mL;3:1、v/v)に溶解し、10%Pd−C(100mg)を水(1〜2mL)中スラリーとして添加した。反応混合物を、アルゴンに次いでHで完全にパージし、室温においてH雰囲気下で2時間撹拌した。触媒を濾過によって除去し、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を分取RP−HPLCによる精製に付して、11(0.108g、26%)を得た。
一般的な合成スキームを図3に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例8)
3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(13)
Figure 2012512256
ステップ1.3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ビス[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(14)
Figure 2012512256
3,6−ジアミノ−N,N−ビス[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル]ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(0.424g、1.00mmol)の無水DCE(25mL)中黄色懸濁液に、m−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.661g、3.00mmol)を添加し、反応フラスコを氷浴に浸漬した。次いでHOAc(0.17mL、2.95mmol)を添加し、その後ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.628g、2.96mmol)を少量ずつ40分かけて添加した。得られた赤色がかった懸濁液を、室温にゆっくり温め、アルゴン雰囲気下で終夜(約20時間)撹拌した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。反応混合物を、先に記載の通りさらなるm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.165g、0.749mmol)、HOAc(0.040mL、0.694mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.160g、0.755mmol)で処理し、8時間後、飽和NaHCO(50mL)を0℃でゆっくり添加することによってクエンチした。化合物をCHCl(150mL)中に抽出し、有機層を水(50mL)に次いでブライン(50mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。溶媒を除去することによって、ジアセトニド14(1.15g)を赤色がかったガムとして得、それを次の反応でそのまま使用した:RP−LC/MS(ESI)m/z834.4(M+H)(t=4.53分)。
ステップ2.先のジアセトニド(dicetonide)14(1.00mmol)のTHF(25mL)中赤色がかった溶液に、1.0NのHCl(5mL)を添加し、アルゴン雰囲気下で5時間撹拌した。THFのほとんどを反応混合物から除去し、1.0NのNaOHで中和し、真空中で濃縮した。粗生成物(2.40g)を分取RP−HPLC(XBridge、10〜50%B/12分)に付して、ジアステレオマー13(0.554g、74%)を赤色ガムとして得た:UV(λmax)499nm;H NMR(CDCl)8.66,8.56(2 t,2),6.24(広幅 s,6),4.40(t,1.5,J=4.2,5.2),4.23−4.15(m,1.5),3.97−3.90(m,3),3.70−3.50(m,36),3.37,3.36(2 s,6),1.98−1.90(五重線,4);RP−HPLC(254nm)98%(t=17.43分、5〜50%B);RP−LC/MS(ESI)m/z754.5(M+H)(t=3.58分)。C326114(M+H)のHRMS(ESI)m/z算出値753.4240、実測値753.4252。
一般的な合成スキームを図4に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例9)
3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(15)
Figure 2012512256
無水DCE(20mL)中、HOAc(0.13mL、2.27mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.50g、2.36mmol)の存在下で、3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド2(1.00g、0.78mmol)とm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.52g、2.36mmol)の反応を、実施例1の調製に記載の通り、終夜(約18時間)実施した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。この段階で、反応混合物を、先に記載の通りさらなるm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.17g、0.77mmol)、HOAc(0.130mL、2.27mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.17g、0.80mmol)で処理し、反応を終夜継続させた(反応完了)。実施例1に記載の後処理後に、粗生成物(2.22g)を分取RP−HPLC(XBrdige、30〜40%B/25分)による精製に付して、化合物15(0.391g、30%)を赤色油として得た。H NMR(DMSO−d)8.42(t,2,J=6.0),3.40−3.55[m,130、−(CHCHO)−に対するδ 3.50での広幅ピークを含む],3.24,3.22(2 s,12),1.80−1.75(五重線,4);RP−HPLC(280nm)96%(t=15.37分);RP−LC/MS(ESI)m/z846.2(M+2H)2+、1690.9(M+H)(t=4.07分)。C7614934(M+H)のHRMS(ESI)m/z算出値1690.0109、実測値1690.0182;C7614834Na(M+Na)の算出値1711.9989、実測値1711.9929。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例10)
3,6−ビス(2,5,8,11,14,17,20,23−オクタオキサヘキサコサン−26−イルアミノ)−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(16)
Figure 2012512256
無水DCE(20mL)中、HOAc(0.13mL、2.27mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.50g、2.36mmol)の存在下で、3,6−ジアミノ−N,N−ジ(2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35−ドデカオキサヘプタトリアコンタン−37−イル)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド2(1.00g、0.78mmol)とm−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.93g、2.35mmol)の反応を、実施例1の調製に記載の通り、終夜(約18時間)実施した(RP−LC/MS分析によって不完全であると示された)。この段階で、反応混合物を、先に記載の通りさらなるm−dPEGTM8プロピオンアルデヒド(0.31g、0.78mmol)、HOAc(0.13mL、2.27mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.17g、0.80mmol)で処理し、反応を終夜継続させた(反応完了)。実施例1に記載の後処理後に、粗生成物(2.41g)を分取RP−HPLC(XBrdige、30〜40%B/20分)による精製に付して、化合物16(0.237g、15%)を赤色油として得た。H NMR(DMSO−d)8.41(t,2,J=6.0),3.40−3.55(m,162、−(CHCHO)−に対するδ 3.50での広幅ピークを含む],3.230,3.227(2 s,12),1.79−1.74(五重線,4);RP−HPLC(280nm)92%(t=13.96分);RP−LC/MS(ESI)m/z1022.2(M+2H)2+(t=4.09分);C9218242(M+2H)2+のHRMS(ESI)m/z算出値1021.6140、実測値1021.5850;C9218142(M+H)の算出値2042.2206、実測値2042.2082;C9218042Na(M+Na)の算出値2064.2026、実測値2064.30。
一般的な合成スキームを図2に示す。式中、変数「x」は、本明細書でさらに記載し示す通り、様々な反復単位を表す。
(実施例11)
3,6−ビス(2,5,8,11−テトラオキサテトラデカン−14−イルアミノ)ピラジン−2,5−ジカルボキサミド(17)
Figure 2012512256
3,6−ジアミノ−2,5−ピラジンジカルボキサミド(0.196g、1.00mmol)のDCE(10mL)中撹拌懸濁液に、以下の順で、m−dPEG(商標)プロピオンアルデヒド(0.661g、3.00mmol)、氷酢酸(0.180g、3.00mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.633g、3.00mmol)を添加する。添加後、反応混合物を周囲温度で終夜撹拌する。反応混合物を塩化メチレン(10mL)で希釈し、飽和NaHCO(5mL)でクエンチする。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を真空中で蒸発させる。残渣を、20gのC18逆相フラッシュクロマトグラフィーカラムを使用して、メタノール水勾配(0から20%のメタノールで1時間かけて)を用いて精製する。所望の画分をプールし、真空中で蒸発させる。
(実施例12)
腎臓機能を評価するためのプロトコル
インビボ腎臓モニタリングアセンブリ510の一例を図5に示すが、これは、光源512およびデータ処理系514を含んでいる。光源512は一般に、患者の身体の少なくとも一部を装置からの光に曝露するための適切な装置を含むか、またはそれに相互接続されている。光源512に相互接続されていても、その一部であってもよい適切な装置の例には、それに限定されるものではないが、カテーテル、内視鏡、光ファイバー、耳用クリップ、手用バンド、頭用バンド、前頭部センサー、表面コイルおよび指プローブが含まれる。実際、光源の可視および/または近赤外光を放射できる多くの装置のうちのいずれかを、腎臓モニタリングアセンブリ510に使用することができる。
図5をさらに参照すると、腎臓モニタリングアセンブリ510のデータ処理系514は、スペクトルエネルギーを検出し、そのスペクトルエネルギーを示すデータを処理できる任意の適切な系であってよい。例えば、データ処理系514は、1つまたは複数のレンズ(例えば、スペクトルエネルギーを方向付けるおよび/または集中させるため)、1つまたは複数のフィルター(例えば、スペクトルエネルギーの望ましくない波長を除去するため)、光ダイオード(例えば、スペクトルエネルギーを収集し、それを、検出されたスペクトルエネルギーを示す電気信号に変換するため)、増幅器(例えば、光ダイオードからの電気信号を増幅するため)、および処理装置(例えば、光ダイオードからの電気信号を処理するため)を含むことができる。このデータ処理系514は、任意選択により、収集したスペクトルデータを操作し、患者520からの本発明の化合物の腎クリアランスを示す強度/時間プロファイルおよび/または濃度/時間曲線を作製するように構成される。実際、データ処理系514は、患者520の器官または組織中の化合物の割合または蓄積を決定し、ならびに/あるいはそれに関連する化合物を有する器官または組織の断層撮影画像を提供するために、正常な細胞および障害を受けた細胞が血流から本発明の化合物を除去する方法における差異を比較することによって適切な腎臓機能データを得るように構成することができる。
腎臓機能を決定するためのあるプロトコルでは、(例えば、薬学的に許容される組成物の形態で)有効量の本発明の化合物が患者に投与される。患者520の身体の少なくとも一部を、矢印516によって示す通り、光源512からの可視および/または近赤外光に曝露する。例えば、光源512からの光は、患者520の耳に固定されている光ファイバーを介して送達することができる。患者は、患者520への化合物の投与前および/または後に、光源512からの光に曝露され得る。ある場合には、患者520に化合物を投与する前に、患者520の身体から放射される光のバックグラウンドまたはベースライン読取り値を得る(これは光源512からの光に曝露することに起因する)ことが有益となり得る。患者520の体内に存在する化合物が光源512からの光に曝露されると、化合物は放射光を発光し(矢印518によって示す)、それがデータ処理系514によって検出/収集される。最初に、患者520への化合物の投与によって、一般に、患者520における化合物の最初の含量を示す最初のスペクトル信号を得ることができる。次いでスペクトル信号は、時間関数として、化合物が患者520から除去されるにつれて減衰する傾向がある。時間関数としてのスペクトル信号のこの減衰は、患者の腎臓機能を示すものである。例えば、健康な/正常な腎臓機能を示す第一の患者では、スペクトル信号は、時間Tで減衰し、ベースラインに戻り得る。しかし、腎臓機能の欠損を示す第二の患者を示すスペクトル信号はT+4時間で減衰し、ベースラインに戻り得る。したがって患者520は、所望の腎臓機能データを提供するのに適した任意の時間、光源512からの光に曝露され得る。同様に、データ処理系514は、所望の腎臓機能データを提供するのに適した任意の時間、スペクトルエネルギーを収集/検出することができる。
ここで図6を参照すると、インビボモニタリングアセンブリのさらなる一例は、電磁放射線の供給源610、電磁放射線検出器670およびデータ処理系680を含む。電磁放射線源610は一般に、被験体の身体の少なくとも一部を630からの電磁放射線に曝露するための1つまたは複数の適切な装置620を含むか、またはそれに相互接続されている。電磁放射線源610に操作可能に接続されていても、その一部であってもよい適切な装置620の例には、それに限定されるものではないが、カテーテル、内視鏡、光ファイバー、耳用クリップ、手用バンド、頭用バンド、前頭部センサー、表面コイルおよび指プローブが含まれる。実際、可視および/または近赤外光の電磁放射線を放射できる多くの装置のうちのいずれかを、モニタリングアセンブリに使用することができる。
モニタリングアセンブリの電磁放射線検出器670は、被験体690から放射される電磁放射線を収集し、検出することができる任意の適切な系であってよい。電磁放射線検出器670は、例えば、1つまたは複数の光学的収集要素650に操作可能に接続され得る。モニタリングアセンブリの光学的収集要素650は、他の要素の中でも、レンズ、ミラー、フィルターおよび光ファイバーを含むことができる。モニタリングアセンブリを伴う使用に適した電磁放射線検出器670には、それに限定されるものではないが、CCD検出器、CMOS検出器、光ダイオード検出器、光ダイオードアレイ検出器および光電子増倍管検出器が含まれる。
モニタリングアセンブリのデータ処理系680は、電磁放射線検出器670から得られたデータを処理することができる任意の適切な系であってよい。例えば、データ処理系680は、増幅器(例えば、検出器からの電気信号を増幅するため)および処理装置(例えば、検出器からの電気信号を処理するため)を含むことができる。データ処理系680は、好ましくは、収集した電磁放射線データを操作し、被験体690からの式(FX1)〜(FX25)の化合物などの検出可能な薬剤のクリアランスを示す、時間プロファイルの関数としての強度および/または時間曲線の関数としての濃度を得るように構成される。実際、データ処理系680は、被験体690の細胞、器官または組織中の組成物の排泄率または蓄積率を決定し、ならびに/あるいはそれに関連する光学的官能性組成物を有する細胞、器官または組織の断層撮影画像を提供するために、血流または体液中の組成物の量または濃度を比較することによって適切なデータを得るように構成することができる。
モニタリングのためのあるプロトコルでは、式(FX1)の化合物などの組成物の有効量が、被験体に投与される。被験体の身体の少なくとも一部は、電磁放射線源610からの電磁放射線630に曝露される。例えば、電磁放射線源610からの電磁放射線630は、被験体690の耳に固定されている光ファイバー620を介して送達することができる。被験体690は、被験体690への組成物の投与の前、後または最中に、電磁放射線源610からの電磁放射線630に曝露され得る。ある場合には、被験体690に組成物を投与する前に、電磁放射線源610からの電磁放射線630に曝露することにより、被験体690の身体から放射される電磁放射線640のバックグラウンドまたはベースライン読取り値を得ることが有益となり得る。被験体690の体内に存在する光学的官能性組成物が電磁放射線源610からの電磁放射線630に曝露されると、光学的官能性組成物は電磁放射線640を放射し、それが光学的収集要素650によって収集され、電磁放射線検出器670によって検出される。次いで、電磁放射線検出器670からの信号は、データ処理系680によって分析される。
(実施例13)
例示的化合物の光物理的特性および腎クリアランス特性
幾つかの化合物のスペクトル特性および薬物動態特性、光物理的特性、尿百分率、組織クリアランス(光学的)および血漿薬物動態クリアランスを、以下および本明細書に記載の方法に従って測定した。表1は、これらの測定結果を示す。
Figure 2012512256
平均±SEMとして与えられる。括弧内の数は試験動物の数を示す。
角括弧内の数はプロベネシドチャレンジ実験に相当する。
光物理的特性およびタンパク質結合。一般に、腎臓により排泄され得る化合物をPBSバッファーに溶解させ、2mM原液を形成する。UV吸光特性を、Shimadzu製のUV−3101PC UV−Vis−NIR Scanning分光光度計系を使用して、PBS中100μM溶液で決定する。蛍光特性(λex、λemおよびλemにおけるCPS)を、Jobin Yvon Horiba製のFluorolog−3分光蛍光光度計系を使用して、PBS中10μM溶液で決定する。血漿タンパク質結合の百分率を、37℃で1時間インキュベートしたラットの血漿中20μM化合物溶液で決定する。Amicon Centrifree YM−30装置(再生セルロース30,000MWCO)およびHermle製のZ400K Refrigerated Universal Centrifugeを使用して、結合なしの分離物を生成する。タンパク質フリーの濃度を、外部較正標準および蛍光検出の一組を使用してHPLC分析によって決定する。
尿排泄研究。ラットの尿排泄研究を、意識のあるまたは麻酔したSprague−Dawleyラットのいずれかで実施する。試験化合物(PBS中1mL、2mM)を、意識のある拘束ラットに尾静脈注射によって投与し、その後、注射の2、4および6時間後の時点で尿を採集する。代謝ケージを水で洗浄して、各時点における排尿の回収を最大限にする。あるいはラットを、腹腔内注射により100mg/kgのInactinで麻酔し、気管チューブを挿入して適切な呼吸を維持し、試験化合物1mLを外側尾静脈に注射する。すべての実験中、ラットを37℃の加熱パッド上に置く。注射の6時間後に腹部を開き、21ゲージ針および3ccシリンジを使用して尿を膀胱から取り出す。尿中の各化合物の定量化は、外部較正標準および蛍光検出の一組を使用して、HPLC分析を介して実施する。各時点の尿中の化合物の回収百分率を、質量バランスに基づいて算出する。
非侵襲性の光学的薬物動態研究。雄性Sprague−Dawleyラット(330〜380g)を、小げっ歯類ガス麻酔器(RC2、Vetequip、カリフォルニア州プレザントン)によって送達されるInactin(I.P.)または2%イソフルランガス麻酔剤によって麻酔する。温度を36〜38℃の間に維持した加熱ボード上に、動物を置く。耳を通過する試験化合物からの蛍光を記録するために、光ファイバー束の約2mm真下に置いたガラススライドに一方の耳垂を接着する。100秒のベースライン記録後に、2mM溶液1mLをラットの尾静脈に注射し、血漿および組織分布に対応する蛍光信号、ならびにその後の化合物の腎クリアランスを耳でモニタする。化合物の薬物動態パラメータを、WinNonLin薬物動態モデリングソフトウェア(Pharsight、カリフォルニア州マウンテンビュー)およびMicrosoft(ワシントン州レッドモンド)のExcelを使用して分析する。この方法を使用して、腎臓により排泄され得る本発明の化合物を検出し、図8Aによって、腎臓により排泄され得る化合物の送達後の、時間の関数としての非侵襲性インビボ蛍光を示すプロット図を提供する。
光学的モニタリング機器およびプロトコル。蛍光の非侵襲性インビボ検出のための機器の概略図を、図7に示す。公称473nm固体レーザー供給源(100)を使用する(Power TechnologyモデルLDCU12/7314)。レーザー供給源を、シリカ分岐光ファイバー束(120)(Oriel#77565)の一方の脚(110)につなぐ。この分岐束(130)の共通の末端を、ラット耳(140)から約2mmに置く。分岐光ファイバー束の第二の脚(150)を、コリメーティングビームプローブ(160)(Oriel#77644)に取り付ける。ロングパスフィルター(170)(Semrock LP02−488RS−25)および狭帯域干渉フィルター(180)(Semrock FF01−593/40−25)を、光電子増倍管(190)(Hamamatsu光センサーモジュールH7827−011)の正面に置く。
チョッパー(200)(スタンフォード研究系モデルSR540)を、レーザーの後、かつ、分岐ケーブルへの開始箇所の前に置く。光センサーの出力をロックイン増幅器(210)(スタンフォード研究系モデルSR830)に接続する。ロックイン出力をデジタル化し(220)(National Instruments NI−USB−6211)、デジタル化データを、LabVIEW(登録商標)データ収集ソフトウェア(230)を使用してコンピューターによって得る。
侵襲性の薬物動態研究。雄性Sprague−Dawleyラット(330〜380g)をInactin(I.P.)で麻酔する。ラットに、呼吸を容易にするために気管チューブ(PE−190)を、ならびに、血液サンプリングおよび薬物投与のために大腿動脈および静脈カテーテル(20単位/mLヘパリン化生理食塩水を充填したPE−50)を、それぞれ外科的に搭載する。薬剤の2mM溶液1mLを投与した後、0、1、6、12、18、30、45、60、90、120分において血液約200μLをサンプリングし、ヘパリン化管(Microtainer Brand Tube w/リチウムヘパリン、BD365971)に入れる。それぞれ遠心分離にかけた血漿サンプル中の化合物濃度を、外部較正標準および蛍光検出の一組を使用してHPLC分析によって決定する。化合物の得られた薬物動態パラメータを、WinNonLin薬物動態モデリングソフトウェア(Pharsight、カリフォルニア州マウンテンビュー)を使用して分析する。この方法を使用して、腎臓により排泄され得る本発明の化合物を検出し、図8Bによって、腎臓により排泄され得る化合物の送達後の、時間の関数としての侵襲性のPK(血漿濃度)を示すプロット図を提供する。
プロベネシド阻害研究。6匹の雄性Sprague−Dawleyラットを、侵襲性の薬物動態研究で先に記載の通り同じく処理する。これらの6匹のラットに、試験化合物の10分前に70mg/kgのプロベネシド(Sigma−Aldrich;ミズーリ州セントルイス)を投与するが、この投与はNaCl0.2mlを用いて流し入れる。追加の6匹のラットを同じように処理するが、プロベネシドは投与しない。
非侵襲性および侵襲性の濃度相関。侵襲性の血漿薬物動態(PK)実験および非侵襲性の光学的モニタリング実験の時間経過データを使用して、インビボ蛍光と血漿濃度との相関を示す。3回の光学的モニタリングの実施からの平均相対的蛍光単位応答対、各時点についての侵襲性のPK実験からの濃度値をプロットすることによって、腎臓により排泄され得る化合物について良好な相関を実証することができる。図9は、かかる線形相関を示すプロット図を提供する。PKパラメータは、光学的クリアランスデータから決定される。糸球体濾過率(GFR)は、非侵襲性の光学的モニタリングデータの直接的な分析に由来する薬物動態クリアランス値から妥当な精度で推定される。
(実施例14)
外科手術中の化合物の可視化
式(FX1)〜(FX25)のいずれかの化合物は、外科手順において体液、器官または組織を可視化するために使用することができる。式(FX1)〜(FX25)のいずれかの化合物は、例えば被験体に投与することができ、尿および腎臓系などの選択された体液、器官、組織または系で収集することができる。次いで外科領域に、電磁放射線、例えば350ナノメートルから900ナノメートルの範囲にわたって選択される波長の電磁放射線を照射することができる。次いで外科医は、照射電磁放射線に曝露されるべき投与化合物からのルミネッセンスを見ることができよう。例えば、投与化合物を含有する尿などの体液が照射電磁放射線に曝露される場合、外科医はそれから生じるルミネッセンスを見ることになる。
式(FX1)〜(FX25)のいずれかの化合物は、一度被験体に投与されると、例えば投与化合物を含有する体液および器官(例えば、腎臓系の体液および器官など)を同定する外科医の能力により、さらに首尾よい外科的結果をもたらすことができる。これらの体液および器官の同定によって、外科医は、外科手術中の非標的器官および組織にとって望ましくない損傷を回避することができる。しかし、投与化合物を含む器官または組織が損傷を受けている場合、損傷部位におけるまたはその近くの体液中の投与化合物からのルミネッセンスによって、外科医はその損傷を警戒することになる。次いで外科医は治療手段を講じて、それによって被験体への損傷の度合いを低減することができる。
(実施例15)
修飾ピラジン誘導体およびその使用
一実施形態では、以下の化合物および方法を提供する。変数定義は、この実施例のみでの使用を企図することに留意されたい。
Figure 2012512256
第一の態様では、本発明は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩を対象とする。式Iに関して、RおよびRのそれぞれは、独立に、−H、−(CH(CHCHO)、−(CHCHO)、−CH(COOH)CHOHまたはC〜Cポリヒドロキシル化アルキルである。さらに、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、−HまたはC〜Cアルキルである。「m」、「n」および「z」は、存在する毎に独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。さらに、「p」および「q」は、存在する毎に独立に、1から99まで(1と99を含む)変わり、「a」は、存在する毎に独立に、1から100まで(1と100を含む)変わる。
式Iに関して、RおよびRは、独立に、−H、−(CH(CHCHO)、−(CHCHO)、−CH(COOH)CHOHまたはC〜Cポリヒドロキシル化アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−CH(COOH)CHOHである。他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−(CHCHO)である。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、C〜Cポリヒドロキシル化アルキルである(例えば、それぞれが、Cポリヒドロキシル化アルキルであり、またはそれぞれがCポリヒドロキシル化アルキルもしくはCポリヒドロキシル化アルキルである)。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは−Hである。さらに他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−(CH(CHCHO)である。
式Iの化合物にさらに言及すると、R、RおよびRは、独立に、−HまたはC〜Cアルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rは、存在する毎に独立に、C〜Cアルキルであってよい(例えば、Rは、存在する毎にCアルキルである)。幾つかの実施形態では、RおよびRのそれぞれは、−Hである。他の実施形態では、RおよびRのそれぞれは、独立にC〜Cアルキルである(例えば、RおよびRのそれぞれは、Cアルキルである)。「m」は独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。例えば、幾つかの実施形態では、「m」は3または4であってよい(例えば、「m」は、幾つかの実施形態では3であってよい)。同様に、「n」は、独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。例えば、幾つかの実施形態では、「n」は3または4であってよい(例えば、「n」は、幾つかの実施形態では3であってよい)。「m」および「n」が独立に3から6まで変わる利益の1つは、ピラジン誘導体を所望の波長に「調整」できることである。これに関して、共に3に等しい「m」および「n」を有するピラジン誘導体は、「m」および「n」が共に2に等しい一般に類似のピラジン誘導体よりも大きい(例えば、約10〜15nm大きい)それぞれの光波長で吸収するおよび/またはルミネッセンスを示すことができる。類似の事象が、3から4、4から5、および/または5から6への移動で潜在的に観測され得る。したがって、式Iのピラジン誘導体は、より小さい光波長よりも良好に組織を透過し得る光波長で吸収するおよび/またはルミネッセンスを示すように設計することができる。
式Iの化合物にさらに言及すると、「p」および「q」は、存在する毎に独立に、1から99まで(1と99を含む)変わる。例えば、幾つかの実施形態では、「p」および「q」のそれぞれは独立に、2から40まで(2と40を含む)変わる。他の実施形態では、「p」および「q」のそれぞれは独立に、3から23まで(3と23を含む)変わる。
式IのRおよびRの様々な可能性に関して、「z」は、存在する毎に独立に、3から6まで(3と6を含む)変わる。例えば幾つかの実施形態では、「z」は、存在する毎に3または4であってよい。さらに、「a」は、存在する毎に独立に、1から100まで(1と100を含む)変わる。例えば、幾つかの実施形態では、「a」は、存在する毎に独立に、10から40まで(10と40を含む)変わり得る。他の実施形態では、「a」は、存在する毎に独立に、12から24まで(12と24を含む)変わる。
本発明の第二の態様は、薬学的に許容される組成物を対象とし、そのそれぞれは、本明細書に開示の化合物(または薬学的に許容されるその塩)および薬学的に許容される担体を含む。
さらに本発明の第三の態様は、式Iの化合物(または薬学的に許容されるその塩)を使用して、泌尿器系を可視化し、腎臓機能を決定する方法を対象とする。これらの方法では、有効量の化合物が、患者(例えば、ヒトまたは動物被験体などの哺乳動物)の身体に投与される。患者の体内の化合物は、可視および/または近赤外光に曝露される。光への化合物のこの曝露により、化合物は、適切な検出装置によって検出され得るスペクトルエネルギーをルミネッセンスとして示す。例えば、化合物からのルミネッセンスは、侵襲性または非侵襲性の光学的プローブなどの適切な検出設備を使用して検出することができる。検出されたルミネッセンスに基づいて泌尿器系を可視化することができ、かつ/または腎臓機能を決定することができる。例えば、患者の体内に存在する化合物の最初の量は、(例えば、患者の血流内で)検出される化合物からのルミネッセンスの大きさ/強度によって決定することができる。化合物が身体から除去されるにつれて、検出されるルミネッセンスの大きさ/強度は減少する傾向がある。したがって、検出されるルミネッセンスのこの大きさが減少する率は、患者の腎クリアランス率と相関し得る。この検出は、周期的に、または実質的にリアルタイムで実施することができる(腎臓機能の実質的に継続的なモニタリングを提供する)。実際、本発明の方法により、検出されるルミネッセンスの大きさの変化および変化率の一方または両方を検出することによって腎臓機能/クリアランスを決定することができる。
(実施例16)
ピラジン化合物を使用する光学的イメージング
一般に、電磁スペクトルの可視またはNIR領域において吸収、放射または散乱する分子が、光学的測定に有用である。蛍光に関連する高い感受性によって、放射活性またはイオン化放射線の負の作用のない検出が可能になる。本発明のピラジン化合物は、赤色およびNIR領域において強力に吸収する。さらに、これらの系の電子的特性は、ピラジン化合物の環中の置換パターンに対して非常に感受性が高く、これらの特性によって、本明細書に記載の情報を使用して吸収および放射特性を「調整」することができる。
この態様の一実施形態では、本発明は、例えば、ある標的組織またはある種の標的組織を光学的にイメージングまたは可視化するための生物医学的手順において光学的薬剤を使用する方法を提供する。本方法は、腎臓組織のイメージングまたは可視化などの、組織選択的イメージングおよび可視化の方法を含む。この態様の一方法は、診断上有効な量の式(FX1)〜(FX25)のいずれかを有する化合物またはその医薬調製物を被験体に投与するステップを含む。本方法は、例えば腎臓系の局面をイメージングまたは可視化するのに有用である。
この態様の方法では、被験体に投与された化合物は、次いでインビボで電磁放射線に曝露され、次いで化合物が放射または散乱した電磁放射線が検出される。幾つかの実施形態では、蛍光は、任意選択により多光子励起過程を介して、化合物から励起される(例えば電磁放射線曝露により)。イメージングおよび/または可視化に特に有用な一実施形態では、この態様の方法はさらに、(i)被験体に投与された式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つを有する化合物などの化合物を、該化合物からの放射を励起することができる電磁放射線に曝露するステップ、および(ii)該化合物からの放射を測定するステップを含む。幾つかの実施形態では、本発明の方法は、400〜1300nmの範囲にわたって選択される波長を有する光への曝露を介する蛍光励起を使用する。例えば、光干渉断層撮影法(OCT)は、組織微細構造の高分解能の断面イメージングを可能にする、本化合物と適合性のある光学的イメージング技術である。OCT法は、約1280nmの波長を使用する。700ナノメートルから1300ナノメートルの範囲にわたって選択される波長を有する電磁放射線の使用は、器官、組織および/または腫瘍のイメージング、解剖学的な可視化、光学的誘導外科手術および内視鏡的な手順のための生物医学的な適用を含む、本発明のインサイチュにおける光学的イメージング法にとって幾らか有用となり得る。本方法の化合物は、造影剤、光学的プローブおよび/またはトレーサー要素として機能することができる。本発明の方法は、インビボ、インビトロおよびエクスビボイメージングおよび可視化を含む。本発明は、光学的イメージング法および/または可視化誘導外科手術および/または内視鏡的な診断および治療手順を含む、ある範囲の臨床的な手順のための方法を提供する。
体内に存在するピラジン誘導体からのスペクトルエネルギーを検出するのに利用される技術は、選択された波長(または波長範囲)のみを検出するように設計することができ、かつ/または1つもしくは複数の適切なスペクトルフィルターを含むことができる。様々なカテーテル、内視鏡、耳用クリップ、頭用バンド、表面コイル、指プローブ等を利用して、ピラジン誘導体を光に曝露し、かつ/またはそれから放射される光を検出することができる。スペクトルエネルギーのこの検出は、間欠的に1回もしくは複数回実施することができ、または実質的に継続的であってもよい。
好ましくは、本発明の化合物を検出またはイメージングするために、非イオン性のエネルギーが被験体またはサンプルに投与される。本明細書で使用される場合、用語「非イオン性のエネルギー」は一般に、患者の身体の原子または分子から少なくとも1つの電子を完全に除去するのに十分なエネルギーを担持していない電磁放射線を指す。例えば、幾つかの実施形態では、非イオン性のエネルギーは、約350nmから約1200nmの波長にわたるスペクトルエネルギーを含むことができる。幾つかの実施形態では、非イオン性のエネルギーは、単に可視および/または近赤外光を含むことができる。
一実施形態では、本発明の化合物のスペクトル特性は、励起および/または放射にとって望ましい波長範囲に調整することができる。これは、例えば公知の励起供給源を使用する特定のイメージング技術の開発において有用となり得る。
(実施例17)
ピラジン化合物を使用する器官機能のモニタリング法
本発明は、被験体の器官機能をモニタリングするための組成物および方法を提供する。一実施形態では、本発明は、検出可能な薬剤を使用する方法を提供し、該方法は、
(i)例えば検出可能な薬剤を被験体の体液に投与することによって、診断上有効な量の検出可能な薬剤を被験体に投与するステップ(該検出可能な薬剤は、器官または組織ごとに区別されて、体液から分離され、該検出可能な薬剤は、式(FX1)を有する化合物または薬学的に許容されるその塩もしくはエステルを含み、
Figure 2012512256
式中、
およびRは、それぞれ独立に、−H、−(CH(CHCHO)、−CH(COOH)CHOHまたは−(CHであり、
各Yは、独立に、−OR、−(CHOH)、−NR、−CONR、−NHCO(CHOH)または−NHCO(CH(CHCHO)であり、
、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、−HまたはC〜Cアルキルであり、
およびRは、独立に、−H、C〜Cアルキル、−(CH(CHOH)または−(CH(CHCHO)であり、
各aおよび各cは、独立に、0から6の範囲から選択される整数であり、
各bは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、
各pおよびqは、独立に、0から120の範囲から選択される整数であり、
mおよびnのそれぞれは、独立に、3から6の範囲から選択される整数である)、
(ii)検出可能な薬剤からの放射を励起するために、体液中の検出可能な薬剤を電磁放射線に曝露するステップ、
(iii)体液中に存在する検出可能な薬剤からの放射を測定するステップ、および
(iv)放射測定に基づいて、被験体の器官または組織の生理的機能を決定するステップを含む。一実施形態では、例えば器官または組織は、被験体の腎臓、またはその組織もしくは細胞である。一実施形態では、例えば器官または組織は、被験体の肝臓、またはその組織もしくは細胞である。
一実施形態では、器官機能をモニタリングする本発明の方法は、式(FX1)〜(FX25)に関連して記載した具体的な組成物の種類および化合物のいずれかを含む、(FX1)〜(FX25)から選択される式のいずれか1つを有する化合物を患者に投与するステップを含む。当業者には理解される通り、器官機能をモニタリングする本方法は、光学的薬剤を使用する方法を明確に含み、検出可能な薬剤は、式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つに関連して記載した化合物の種類、化合物および変形体を含む、本明細書に記載の化合物の種類、化合物およびこれらのすべての変形体を含む。
一実施形態では、例えば、該方法はさらに、検出可能な薬剤の投与後に、被験体における検出可能な薬剤からの蛍光を複数回励起し、測定するステップを含む。一実施形態では、例えば、時間関数としての蛍光の変化(例えば、蛍光の減少)率を測定し、任意選択により、測定した蛍光の変化率を健康な器官を有する被験体または公知の病状を有する被験体に特徴的な変化率と比較することによって、器官機能の特徴付けに関して、被験体に投与された検出可能な薬剤からの蛍光の一時的プロファイルが決定され、評価される。器官機能は、本方法では、正常なおよび障害を受けた細胞が血流から検出可能な薬剤(この状況ではトレーサーとも呼ばれる)を除去する方法における差異を比較することによって、器官または組織中のこれらのトレーサーのクリアランスまたは蓄積を測定することによって、ならびに/あるいは器官または組織の断層撮影画像を得ることによって評価することができる。血液プールクリアランスは、耳垂または指に見られるものなどの好都合な表面毛細管から非侵襲的に測定することができ、あるいは血管内カテーテルを使用して侵襲的に測定することができる。対象となる細胞内のトレーサーの蓄積も同様に評価することができる。トレーサー化合物のクリアランスは、放射される光子の励起波長およびフィルターを選択することによって決定できる。濃度対時間曲線および/または蛍光強度対時間曲線は、マイクロプロセッサ等によって分析することができる(リアルタイムが好ましいが、必ずしもリアルタイムでなくてもよい)。
本発明の系および方法は、任意選択により、本発明の光学的薬剤を検出するための光学的モニタリングアセンブリまたは装置を含むことができる。インビボ病状の光学的モニタリングアセンブリの一例は、電磁放射線の供給源、電磁放射線検出器およびデータ処理系を含む。電磁放射線源は一般に、患者の身体の少なくとも一部を装置からの電磁放射線に曝露するための1つまたは複数の適切な装置を含むか、またはそれに相互接続されている。電磁放射線源に操作可能に接続されていてもよく、またはその一部であってよい適切な装置の例には、それに限定されるものではないが、カテーテル、内視鏡、光ファイバー、耳用クリップ、手用バンド、頭用バンド、前頭部センサー、表面コイルおよび指プローブが含まれる。実際、可視および/または近赤外線電磁放射線を放射することができる幾つかの装置のいずれも、光学的モニタアセンブリにおいて使用することができる。
光学的モニタリングアセンブリの電磁放射線検出器は、被験体から放射される電磁放射線を収集し、検出し、その強度を測定することができる任意の適切な系であってよい。電磁放射線検出器は、例えば、1つまたは複数の光学的収集要素に操作可能に接続されていてもよい。光学的モニタリングアセンブリの光学的収集要素は、他の要素の中でも、レンズ、ミラー、光学的フィルター(例えば、帯域通過フィルターおよび遮断フィルター)および光ファイバーを含むことができる。病状の光学的モニタリングアセンブリを用いる使用に適した電磁放射線検出器には、それに限定されるものではないが、CCD検出器、CMOS検出器、光ダイオード検出器、光ダイオードアレイ検出器および光電子増倍管検出器が含まれる。
光学的モニタリングアセンブリのデータ処理系は、電磁放射線検出器から得られたデータを処理できる任意の適切な系であってよい。例えば、データ処理系は、増幅器(例えば、検出器からの電気信号を増幅するため)および処理装置(例えば、検出器からの電気信号を処理するため)を含むことができる。データ処理系は、好ましくは、収集した電磁放射線データを操作し、被験体からの本発明の光学的薬剤、複合体、バイオコンジュゲートまたは統合バイオコンジュゲート組成物のクリアランスを示す、時間プロファイル関数としての強度および/または時間曲線関数としての濃度を得るように構成される。実際、データ処理系は、被験体の細胞、器官または組織における組成物の率または蓄積を決定し、ならびに/あるいはそれに関連する光学的薬剤、複合体、バイオコンジュゲートまたは統合バイオコンジュゲート組成物を有する細胞、器官または組織の断層撮影画像を提供するために、血流中の正常なおよび障害を受けた細胞の量の差異を比較することによって病状または健康な状態の適切なデータを得るように構成することができる。
光学的モニタリングのためのあるプロトコルでは、本発明の光学的薬剤、複合体、バイオコンジュゲートまたは統合バイオコンジュゲートを含む、有効量の式(FX1)〜(FX25)を有する組成物が、被験体に投与される。被験体の身体の少なくとも一部は、電磁放射線源からの可視および/または近赤外線電磁放射線に曝露される。例えば、電磁放射線源からの電磁放射線は、被験体の耳に固定されている光ファイバーを介して送達することができる。被験体は、被験体への組成物の投与の前、最中または後に、電磁放射線源からの電磁放射線に曝露され得る。ある場合には、被験体に組成物を投与する前に、電磁放射線源からの電磁放射線に曝露することにより、被験体の身体から放射される電磁放射線のバックグラウンドまたはベースライン読取り値を得ることが有益となり得る。被験体の体内に存在する組成物の光学的薬剤、複合体、バイオコンジュゲートまたは統合バイオコンジュゲートが電磁放射線源からの電磁放射線に曝露されると、光学的薬剤、複合体、バイオコンジュゲートまたは統合バイオコンジュゲートは電磁放射線を放射し、それが光学的収集要素によって収集され、電磁放射線検出器によって検出される。次いで、電磁放射線検出器からの信号は、データ処理系によって分析される。
最初に、被験体への組成物の投与によって、一般に、被験体における光学的薬剤(複数可)、複合体(複数可)、バイオコンジュゲート(複数可)または統合バイオコンジュゲート(複数可)の含量を示す電磁放射線信号を得ることができる。幾つかの実施形態では、電磁放射線信号は、時間関数として、光学的薬剤(複数可)、複合体(複数可)、バイオコンジュゲート(複数可)または統合バイオコンジュゲート(複数可)が被験体から除去されるにつれて減衰する傾向がある。健康な病状を有する被験体では、電磁放射線信号は、光学的薬剤(複数可)、複合体(複数可)、バイオコンジュゲート(複数可)または統合バイオコンジュゲート(複数可)が被験体から除去されるにつれてベースラインレベル近くまで減衰することになる。不健康な病状を有する被験体では、光学的薬剤(複数可)、複合体(複数可)、バイオコンジュゲート(複数可)または統合バイオコンジュゲート(複数可)は、モニタリングの時間スケール中には被験体によって除去されず、または健康な病状のクリアランス率とは異なる率で除去されることになる。結果として、電磁放射線信号は、異なる率で減衰し得る。あるいは、電磁放射線信号は、ベースラインレベルまで減少し得ないが、高いレベルを維持する。この高い電磁放射線信号レベル(または減衰率)とベースラインレベル(または減衰率)の間の差異は、被験体の病状を示し得る。本発明の幾つかの方法は、さらに、器官機能の状況を評価するために、蛍光強度の減衰率を幾つかの異なるタイミングで比較するステップを含む。したがって被験体は、所望の病状モニタリングデータを得るのに適した任意の回数、電磁放射線源からの電磁放射線に曝露され得る。同様に、電磁放射線の収集、検出およびデータ処理系によって、所望の病状モニタリングデータを得るのに適した任意の回数、電磁放射線を収集し、検出することができる。
非侵襲的な技術に加えて、所望の測定を行うために使用することができる改変した肺動脈カテーテルが開発されている。これは、血管内圧力、心拍出量および血流の他の派生測定値のみを測定する現在の肺動脈カテーテルを上回る明らかな改善である。最近の危篤状態の患者は、これらのパラメータを使用して管理されるが、腎臓機能を評価するための間欠的な血液サンプリングおよび試験に頼っている。これらの実験パラメータは、不連続データであり、多くの患者集団において誤った判断を招くことが多い。さらに重要なことには、これらのデータに、患者の評価、治療決定および薬物用量がかなり左右される。
改変した肺動脈カテーテルは、標準の肺動脈カテーテルの先端内に光学的センサーを組み込む。この波長特異的光学的センサーは、設計された光学的に検出可能な化学的実体の、腎臓機能による特定の排泄をモニタすることができる。したがって、色素希釈曲線に実質的に類似の方法により、リアルタイムの腎臓機能を、光学的に検出される化合物の消失によってモニタすることができる。標準の肺動脈カテーテルの適切な改変には、一般に、光ファイバーセンサーを単に波長特異的にすることが含まれる。現在、混合静脈血酸素飽和度を測定するための光ファイバー技術を組み込んだカテーテルが存在する。
この態様の一実施形態では、本発明は、治療を受ける患者の生理的状況または状態をモニタリングする方法を提供する。この方法では、有効量の本発明の光学的薬剤は、哺乳動物(例えば、治療を受ける患者)に投与される。さらに、投与された光学的薬剤は、電磁放射線に曝露される。さらに、光学的薬剤によって伝送、散乱または放射される電磁放射線が検出される。幾つかの実施形態では、哺乳動物に投与された光学的薬剤によって放射された電磁放射線の波長または強度の変化は、任意選択により時間関数として検出かつ/または測定することができる。本発明のこの態様の方法は、哺乳動物の腎臓機能をインサイチュでモニタリングするリアルタイム方法を含み、光学的薬剤は、被験体の腎臓系によって除去される。
被験体の器官または組織の生理的機能のモニタリングに特に有用な一実施形態では、この態様の方法はさらに、(i)検出可能な薬剤からの放射を励起するために、体液中の検出可能な薬剤を電磁放射線に曝露するステップ、(ii)体液中に存在する検出可能な薬剤からの放射を測定するステップ、および(iii)放射測定に基づいて、被験体の器官または組織の生理的機能を決定するステップを含む。本発明は、腎臓によって血流から除去される薬剤の蛍光検出を含む。したがって、インビボ蛍光検出による腎臓機能の評価は、本発明の範囲に包含される。本発明はまた、血液透析の効率をモニタするために使用することができる。幾つかの方法における器官または組織は、被験体の腎臓、またはその組織もしくは細胞であり、本発明は、被験体の腎臓機能をモニタリングするための方法を提供する。
本発明のこの態様の方法はさらに、10分から48時間の範囲などにわたって、時間関数としての光学的薬剤から測定された放射を分析することを含む、様々な任意選択のステップを含むことができる。一実施形態では、例えば、該方法はさらに、被験体に投与された検出可能な薬剤の血液クリアランスパラメータまたはプロファイルを測定するステップを含む。この態様の方法はさらに、被験体に投与された検出可能な薬剤の血液クリアランスパラメータまたはプロファイルを、参照の血液クリアランスパラメータまたはプロファイルと比較するステップを含む。本発明のこの態様に有用な血液クリアランスパラメータには、検出可能な薬剤の瞬間的なクリアランス率および/または平均率が含まれる。この態様の方法はさらに、被験体からの放射またはその機能を、参照被験体の1つまたは複数の放射参照値またはその機能と比較するステップを含む。幾つかの実施形態では、検出可能な薬剤からの放射の測定は、複数の異なるタイミングで、体液中の検出可能な薬剤からの放射を測定することを含む。複数の別個のトレーサーのクリアランスは、放射される電磁放射線の励起波長およびフィルターを選択することによって同時に決定することができる。濃度対時間または蛍光強度対時間曲線は、マイクロプロセッサによってリアルタイムで分析することができる。得られたクリアランス率は、直接の臨床的影響のために算出され、示され得る。非標識の競合する化合物が存在する場合、これらの競合する化合物の濃度について単一の血液サンプルを分析することができ、その結果は、クリアランス経路を介する流束(マイクロモル/分)を算出するために使用される。
本発明の一実施形態によれば、本明細書では時にトレーサーと呼ばれる光学的薬剤の血液プールクリアランスを測定することによって、細胞および/または器官の機能を決定する方法が開示される。細胞および/または器官の機能は、これらの細胞が血流からトレーサーを除去する率によって決定することができる。機能は、対象となる細胞がトレーサーを蓄積し、またはトレーサーを活性な形態もしくは他の形態に変換する率を測定することによって評価することもできる。薬剤は、高性能のクリアランス系である細胞または器官の群を標的にすることができる。薬剤は、式(FX1)〜(FX25)で提供される組成物などのピラジン化合物またはバイオコンジュゲートを含むその誘導体もしくは複合体を含む光学的薬剤であってよい。ピラジン成分を含有する光学的薬剤について、血液プールクリアランスは、耳垂、指、脳または網膜などの非標的部位における組織による吸収または蛍光を測定する光源−光検出器装置を使用して測定することができる。対象となる細胞内のトレーサーの蓄積も同様に評価することができる。かかる蓄積の検出は、身体組織が近赤外線波長で相対的に透明であることから、近赤外線波長で放射する蛍光団を使用することによって容易にすることができる。
本発明は、生物学的機能の迅速なベッドサイド評価のために使用することができる。例えば、腎臓機能のデータは、単回の静脈内注射後60分未満にベッドサイドで得ることができる。一実施形態によれば、患者は、それぞれ異なる光学的薬剤(例えば、蛍光団、色素、発色団)を含有する複数の(例えば3種類の)異なる化合物のボーラス注射を受けることができる。
一実施形態では、該方法は、体液中の検出可能な薬剤を350nmから1300nmの範囲にわたって選択される波長を有する電磁放射線に曝露するステップを含む。任意選択により、励起は、例えば望ましくない細胞または組織損傷を引き起こすことができる電磁放射線への被験体の曝露を最小限に抑えるために、紫外線放射を実質的に含まない(例えば全放射エネルギーの約10%未満)電磁放射線を使用して達成される。光学的薬剤の励起は、レーザー、光ファイバーおよび/または内視鏡的な光学的供給源および方法の使用を含む、当技術分野で公知の広範な技術および光学的供給源によって提供することができる。本発明は、光学的薬剤の多光子励起を使用する方法を含む。一実施形態では、該方法は、350nmから1300nmの範囲にわたって選択される波長を有する検出可能な薬剤からの蛍光を測定するステップを含む。蛍光を含む放射の検出は、目による検出(例えば可視化)および二次元または三次元検出を含む、当技術分野で公知の広範な技術および検出系によって達成することができる。
(実施例18)
医薬製剤
治療有効量
本発明の化合物の毒性および診断効率は、LD50(集団の50%にとって致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療上有効な用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準の薬理手順によって決定することができる。毒性と治療効果の用量比は、LD50/ED50比として表すことができる治療指数である。高い治療指数を示す化合物が好ましい。毒性副作用を示す化合物を使用することもできるが、細胞に対する潜在的な損傷を最小限に抑え、副作用を低減する送達系を設計するよう注意を払うべきである。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトおよび他の哺乳動物に使用するためのある範囲の投与量を製剤化するのに使用できる。かかる化合物の投与量は、好ましくは、ED50を含むある範囲の循環血漿または他の体液濃度以内であり、有効なイメージング結果(即ち、状態または系をイメージングまたは診断する能力)をもたらすものである。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変わり得る。本発明の任意の化合物について、視覚的な有効量は、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。投与量は、細胞培養で決定される通り、IC50(症候の最大半量の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルにおいて製剤化することができる。かかる情報は、ヒトおよび他の哺乳動物における有用な投与量をより正確に決定するために使用することができる。血漿中の化合物レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
本明細書で使用される場合、「体液」は、生体内から生じる液体である。体液は、身体から排出または分泌され得る。血液または血液成分は、体液の具体例である。
本明細書で使用される場合、「近位に」は、近いか、またはその上にあることを意味する。例えば、センサーは、そのセンサーが光の放射を検出できる場合には、光放射供給源の近位に置かれる。本明細書で使用される場合、「腎臓機能」は、腎臓系またはその成分の機能の尺度である。腎臓系は、腎臓、腎臓動脈および泌尿器系を含む。
薬学的に許容される担体と組み合わせて単回剤形を生成することができる化合物の量は、治療を受ける宿主および特定の投与方法に応じて変わることになる。各剤形の個々の用量中に含有される化合物の単位含量は、幾つかの個々の用量の投与によって必須のイメージング有効量を達成し得るため、それ自体有効なイメージング量を構成する必要はないことを当業者は理解されよう。投与量の選択は、利用される剤形、および当業者の決定に従って達成されるべき特定の目的に応じて決まる。
疾患または状態をイメージングするための投与量および投与量の管理体制は、患者の種類、年齢、体重、性別、食事および/または病状、投与経路、使用する特定の化合物の活性、効率、薬物動態および/または毒性プロファイルなどの薬理学的考察、化合物送達系が利用されるかどうか、ならびに/あるいは化合物がプロドラッグまたは薬物の組合せの一部として投与されるかどうかを含む様々な因子に従って選択することができる。したがって、実際に使用される投与量の管理体制は、被験体毎または疾患毎に広範に変わることができ、様々な投与経路を、様々な臨床的な状況で使用することができる。
被験体は、好ましくは動物(例えば、哺乳動物、爬虫類および/または鳥)、より好ましくはヒト、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ブタおよび/またはニワトリ、最も好ましくはヒトである。
一実施形態では、本発明は、イメージング上または診断上有効な量の式(FX1)〜(FX25)のいずれか1つの化合物などの1つまたは複数の本発明の組成物を含む医薬品を提供する。一実施形態では、本発明は、腎不全または腎臓系障害などの、本明細書に記載の状態をイメージングまたは診断するための医薬品の製造方法を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の状態を診断する、またはその診断を援助するための医薬品の製造方法を提供する。一実施形態では、本発明は、医薬品の製造のための、本明細書に記載の1つまたは複数の組成物の使用を提供する。
本発明の化合物は、プロドラッグ形態を有することができる。本発明の化合物のプロドラッグは、組成物および方法を含む実施形態において有用である。インビボで変換して、本発明の化合物の生物学的に、薬学的に、または診断上活性な形態を提供する任意の化合物が、プロドラッグである。プロドラッグの様々な例および形態は、当技術分野で周知である。プロドラッグの例は、中でも、H. Bundgaard編集のDesign of prodrugs(Elsevier、1985年)、K. Widderら編集のMethods in Enzymology、第42巻、309〜396頁(Academic Press、1985年);Krosgaard−LarsenおよびH. Bundgaard編集のA Textbook of Drug Design and Development、第5章、H. Bundgaardの「Design and Application of Prodrugs」、113〜191頁、1991年);H. Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、第8巻、1〜38頁(1992年);H. Bundgaardら、Journal of Pharmaceutical Sciences、第77巻、285頁(1988年);ならびにNogrady(1985年)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、388〜392頁)に見られる。薬学的に許容されるプロドラッグなどのプロドラッグは、良好な医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしにヒトおよび低級動物の組織に接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比に見合い、それらの所期の使用に有効な本発明の化合物のプロドラッグであり得る。本発明のプロドラッグは、例えば、血液中の加水分解によって、または他の細胞、組織、器官もしくは系の過程によって、本明細書に記載の化合物の親化合物にインビボで急速に変換することができる。さらなる議論は、T. HiguchiおよびV. Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、V. 14 of the A.C.S. Symposium Series、ならびにEdward B. Roche、ed.、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987年)に示されている。
本発明は、本明細書に記載の化合物へのインビボ生体内変換によって化学的に合成または形成される薬学的に活性な化合物を企図する。
一実施形態では、本発明の組成物は、単離または精製されている。一実施形態では、単離または精製されている化合物は、当技術分野で理解される通り、少なくとも部分的に単離または精製されていてもよい。一実施形態では、本発明の組成物は、95%の化学的純度を有し、任意選択により幾つかの適用については99%、任意選択により幾つかの適用については99.9%、任意選択により幾つかの適用については99.99%純粋であり、任意選択により幾つかの適用については99.999%純粋である。
一般に、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩は、診断上またはイメージング上有効な量で被験体に投与される。当業者は一般に、適切な投与量を決定することができる。特定の投与計画(送達される化合物の量、投与頻度、および投与が継続的であるかまたは間欠的であるかを含む)に影響を及ぼす因子には、例えば、被験体の種類、年齢、体重、性別、食事および状態;病理学的な状態の種類およびその重症度;ならびに所望の治療効果の性質が含まれる。薬理学的考察には、使用される特定の化合物の化合物活性、効率、薬物動態および毒性プロファイル;投与経路および薬物送達系が利用されるかどうか;ならびに化合物が併用療法の一部として投与されるかどうか(例えば、薬剤が1つまたは複数の他の活性な化合物、他の薬剤、放射線等と併用投与されるかどうか)が含まれる。
経口投与のための組成物は、例えば、1つまたは複数の経口調製物中の単回用量が、被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を少なくとも約20mg含有する、または被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を少なくとも約50、100、150、200、300、400または500mg含有するような方式で調製することができる(ヒトの平均体表面積は、例えば、1.8平方メートルである)。特に、経口投与のための組成物の単回用量は、被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を約20〜約600mg含有することができ、特定の態様では約20〜約400mg、別の態様では約20〜約300mg、さらに別の態様では約20〜約200mg含有することができる。非経口投与のための組成物は、単回用量が、被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を少なくとも約20mg含有する、または被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を少なくとも約40、50、100、150、200、300、400または500mg含有するような方式で調製することができる。特に、1つまたは複数の非経口調製物における単回用量は、被験体の体表面積1平方メートル当たりピラジン化合物を約20〜約500mg含有することができ、特定の態様では約20〜約400mg、別の態様では約20〜約450mg、さらに別の態様では約20〜約350mg含有する。これらの経口および非経口用量の範囲は、一般に好ましい用量範囲を表し、本発明を制限することを企図しないことを認識されたい。実際に使用される投与計画は、非常に広範に変わることができ、したがって一般に好ましい投与計画から逸脱し得る。当業者によって個々の被験体に対してこれらの範囲が調整されることを企図する。
さらに、本発明のピラジン化合物および塩は、容器にパッケージされた、本明細書に記載の方法の実施における使用に適したキットの形態で使用できることを企図する。キットは、ピラジン化合物、ならびに任意選択により、適切な希釈剤、投与に適した装置または装置成分、および本発明の方法に従って使用するための指示書を含有することができる。装置には、シリンジまたは経皮パッチなどの非経口注射装置が含まれ得る。装置成分には、注射装置等における使用のためのカートリッジが含まれ得る。一態様では、キットは、本発明のピラジン化合物または塩を含む第一の剤形と、本発明の方法を実施するのに十分な量の別の活性成分を含む第二の剤形を含む。第一の剤形および第二の剤形は一緒になって、標的とされる状態(複数可)のイメージングまたは診断のための診断上有効な量の化合物を含むことができる。
本発明はまた、部分的に、本発明の診断上有効な量の化合物または塩を含む医薬組成物、ならびにかかる組成物の製造方法を対象とする。かかる組成物は一般に、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(例えば、賦形剤、ビヒクル、補助剤、アジュバント、希釈剤)を含み、他の活性成分を含むこともできる。これらの組成物の製剤化は、当技術分野で公知の様々な方法によって達成することができる。これらの方法の一般的な議論は、例えば、Hoover,John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.、Easton、PA:1975年)に見ることができる。Lachman,L.、eds.、Pharmaceutical Dosage Forms(Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年)も参照のこと。
好ましい組成物は、投与経路に依存して決まる。化合物または薬学的に許容される塩の標的がその経路を介して利用可能な限り、任意の投与経路を使用することができる。適切な投与経路には、例えば、経口、静脈内、非経口、吸入、直腸、経鼻、局所(例えば、経皮および眼内)、膀胱内、髄腔内、経腸、肺、リンパ内、体腔内、膣内、経尿道、皮内、耳、乳房内、頬側、同所、気管内、病巣内、経皮的、内視鏡的、経粘膜、舌下および腸管投与が含まれる。
本発明の化合物と併用できる薬学的に許容される担体は、当業者に周知である。担体は、例えば、使用される特定のピラジン化合物(複数可)または薬学的に許容される塩(複数可);化合物の濃度、安定性および所期の生体利用能;治療を受ける状態;被験体の年齢、大きさおよび全体的な状態;投与経路等を含む幾つかの因子に基づいて選択することができる。担体に関する一般的な議論は、例えば、J.G. Nairn、Remington’s Pharmaceutical Science、1492〜1517頁(A. Gennaro、ed.、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(1985年))に見ることができる。
経口投与のための固体剤形には、例えば、カプセル剤、錠剤、ジェルキャップ、丸剤、糖衣錠、トローチ剤、散剤、顆粒剤およびロゼンジ剤が含まれる。かかる固体剤形では、化合物または薬学的に許容されるその塩は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と組み合わせることができる。化合物および薬学的に許容されるその塩は、それに限定されるものではないが、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、炭酸マグネシウム、微結晶性セルロース、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、炭酸ナトリウム、寒天、マンニトール、ソルビトール、ナトリウムサッカリン、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールを含む担体と混合し、次いで好都合な投与に合わせて錠剤化または被包することができる。かかるカプセル剤または錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の化合物または塩の分散液で提供できる通り、制御放出製剤を含有することができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、その剤形は、クエン酸ナトリウム、または炭酸もしくは重炭酸マグネシウムまたは炭酸もしくは重炭酸カルシウムなどの緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸剤はさらに、例えば崩壊および吸収を遅延するためのコーティング(例えば、腸溶コーティング)を含むことができる。固体経口剤形中のピラジン化合物の濃度は、組成物の総重量に対して約5〜約50重量%、特定の態様では約8〜約40重量%、別の態様では約10〜約30重量%であってよい。
経口投与のための本発明の化合物の液体剤形には、例えば、一般に当技術分野で使用される不活性な希釈剤(例えば水)を含有する、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。かかる組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)および/または賦香剤などのアジュバントを含むことができる。液体剤形中のピラジン化合物の濃度は、組成物1ml当たり約0.01〜約5mg、特定の態様では約0.01〜約1mg、別の態様では約0.01〜約0.5mgであってよい。液体剤形中低濃度の本発明の化合物は、ピラジン化合物が低濃度において可溶性が高い場合に調製することができる。本発明において有用な経口剤形を製造するための技術は、一般に、例えばModern Pharmaceutics、第9章および第10章(Banker & Rhodes、Editors(1979年))に記載されている。Liebermanら、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1981年)も参照。Ansel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms(第2版(1976年))も参照。
本発明の幾つかの態様では、経口投与のための錠剤または散剤は、化合物を溶解して溶液を形成することができる薬学的に許容される溶媒にピラジン化合物を溶解し、次いで溶液を真空下で乾燥させるときに蒸発させることによって調製することができる。担体は、乾燥させる前に溶液に添加することもできる。得られた溶液を真空下で乾燥させて、ガラス状のものを形成することができる。次いでガラス状のものを結合剤と混合して、粉末を形成することができる。この粉末は、充填剤または他の従来の錠剤化用薬剤と混合することができ、次いで処理して錠剤を形成する。あるいは、粉末を液体担体に添加して、溶液、エマルジョン、懸濁液等を形成することもできる。
幾つかの態様では、経口投与のための溶液は、化合物を溶解して溶液を形成することができる薬学的に許容される溶媒にピラジン化合物を溶解することによって調製される。適切な体積の担体を溶液に添加すると同時に撹拌して、経口投与のための薬学的に許容される溶液を形成する。
「非経口投与」には、皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、眼窩内注射、関節内注射、脊髄内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、胸骨内注射および注入が含まれる。非経口投与に適した剤形には、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョンおよび非経口投与することができる任意の他の剤形が含まれる。
注射可能な調製物(例えば、注射可能な滅菌水性または油性懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を使用して当技術分野で公知の通り製剤化することができる。非経口使用に許容されるビヒクルには、水性および非水性両方の薬学的に許容される溶媒が含まれる。適切な薬学的に許容される水性溶媒には、例えば、水、生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液(例えばDW5など)、電解質溶液等が含まれる。
一実施形態では、本ピラジン化合物は、ナノ粒子または微粒子として製剤化される。かかるナノ粒子または微粒子製剤の使用は、ピラジン化合物の送達、局在性、標的特異性、投与等を強化するための幾つかの適用にとって有益となり得る。潜在的に有用なナノ粒子および微粒子には、それに限定されるものではないが、ミセル、リポソーム、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、小胞、管状ミセル、円柱状ミセル、二重層、折りたたまれたシート構造、球状凝集物、膨潤(swollen)ミセル、包接錯体、被包性液滴、マイクロカプセル、ナノカプセル等が含まれる。当業者によって理解される通り、本ピラジン化合物は、ナノ粒子または微粒子の内部、ナノ粒子または微粒子の膜または壁内、あるいはナノ粒子または微粒子の外部(但し、これらの粒子に結合しているか、またはその他の方法で関連している)に位置することができる。ナノ粒子または微粒子で製剤化された薬剤は、先に記載の経路のいずれかによって投与することができる。局所適用される製剤では、ピラジン化合物は、経時的にゆっくり放出される。注射可能な製剤では、リポソーム、ミセル、カプセル等は、血流内を循環し、所望の部位(例えば腎臓系)に送達される。
ナノ粒子および微粒子の調製および搭載は、当技術分野で周知である。一例として、リポソームは、この脂質が低熱転移を有することから、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)または卵ホスファチジルコリン(PC)から調製することができる。リポソームは、当業者に公知の通り標準の手順を使用して製造される(例えば、参照によって本明細書に明確に組み込まれる、Braun−Falcoら(Eds.)、Griesbach Conference、Liposome Dermatics、Springer−Verlag、Berlin(1992年)、69 81頁;91 117頁)。ポリカプロラクトン、ポリ(グリコール)酸、ポリ(乳)酸、ポリ酸無水物または脂質は、ミクロスフェアとして製剤化することができる。一例として、本ピラジン化合物は、ポリビニルアルコール(PVA)と混合することができ、次いでその混合物を乾燥させ、エチレン酢酸ビニルでコーティングし、次いでPVAで再度冷却する。リポソームでは、本ピラジン化合物は、脂質二重層の一方またはその両方の中、二重層の間の水性部分中、または中心もしくは核の中に存在することができる。リポソームは、カチオン性リポソームを形成するための他の分子および脂質を用いて改変することができる。リポソームはまた、これらの表面をより親水性にし、それによって血流内でのこれらの循環時間を延長する脂質を用いて改変することができる。こうして改変したリポソームは、参照によって本明細書に明確に組み込まれる米国特許第6,258,378号およびStealth Liposomes、Lasic and Martin(Eds.)1995年 CRC Press、Londonに記載の通り、「ステルス」リポソームまたは長寿命リポソームと呼ばれている。封入方法には、当業者に公知であり、参照によってその全体が本明細書に明確に組み込まれる米国特許第6,406,713号に開示の通り、洗浄透析(detergent dialysis)、凍結乾燥、フィルム形成、射出が含まれる。任意選択により、本組成物および方法は、PEG−ポリ(ε−カプロラクトン)、PEG−ポリ(アミノ酸)、PEG−ポリラクチドまたはPEG−リン脂質(phospholid)構築物;架橋ポリ(アクリル酸)ポリマー系、リン脂質ベース系ならびに/あるいは以下のポリマーブロック、ポリ(乳酸)ポリマーブロック、ポリ(プロピレングリコール)ポリマーブロック;ポリ(アミノ酸)ポリマーブロック;ポリ(エステル)ポリマーブロック;ならびにポリ(ε−カプロラクトン)ポリマーブロック、ポリ(エチレングリコール)ブロック、ポリ(アクリル酸)ブロック、ポリラクチドブロック、ポリエステルブロック、ポリアミドブロック、ポリ酸無水物ブロック、ポリウレタンブロック、ポリイミンブロック、ポリ尿素ブロック、ポリアセタールブロック、多糖ブロックおよびポリシロキサンブロックの1つまたは複数を含むブロックコポリマー系を含む、薬物送達系のために開発された1つまたは複数のPEGベースの両親媒性ポリマーを伴うミセル送達系を含む。
適切な薬学的に許容される非水性溶媒には、それに限定されるものではないが、以下のもの(ならびにその混合物):アルコール(これらには、例えば、σ−グリセロールホルマール、β−グリセロールホルマール、1,3−ブチレングリコール、2〜約30個の炭素を有する脂肪族または芳香族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、アミレン水和物、ベンジルアルコール、グリセリン(グリセロール)、グリコール、へキシレン、グリコール、テトラヒドロフラニルアルコール、セチルアルコールおよびステアリルアルコール)、脂肪アルコールの脂肪酸エステル(例えば、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール)、ソルビタン、スクロースおよびコレステロールが含まれる);アミド(これらには、例えば、ジメチルアセトアミド(DMA)、安息香酸ベンジルDMA、ジメチルホルムアミド、N−ヒドロキシエチル(hydroxyethy)−O−ラクトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド−アミド、2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピロリジノンおよびポリビニルピロリドンが含まれる);エステル(これらには、例えば、酢酸エステル(例えば、モノアセチン、ジアセチンおよびトリアセチン)が含まれる)、脂肪族および芳香族エステル(例えば、カプリル酸エチル、オクタン酸エチル、オレイン酸アルキル、安息香酸ベンジルまたは酢酸ベンジル)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセリンのエステル(例えば、クエン酸および酒石酸のモノ、ジおよびトリ−グリセリル)、安息香酸エチル、酢酸エチル、炭酸エチル、乳酸エチル、オレイン酸エチル、ソルビタンの脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル、グリセリドエステル(例えば、モノ、ジまたはトリ−グリセリド)、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸(myristrate)イソプロピル)、脂肪酸由来のPEGエステル(例えば、PEG−ヒドロキシオレイン酸エステルおよびPEG−ヒドロキシステアリン酸エステル)、N−メチルピロリジノン、プルロニック60、ポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸ポリエステル(例えば、ポリ(エトキシ化)30〜60ソルビトールポリ(オレエート)2〜4、ポリ(オキシエチレン)15〜20モノオレエート、ポリ(オキシエチレン)15〜20モノ12−ヒドロキシステアレートおよびポリ(オキシエチレン)15〜20モノリシンオレエート)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ならびにポリソルベート20、40、60および80(デラウェア州ウィルミントン、ICI Americas製))、ポリビニルピロリドン、アルキレンオキシ修飾脂肪酸エステル(例えば、クレモフォールEL溶液またはクレモフォールRH40溶液などの、ポリオキシル40水素化ヒマシ油およびポリオキシエチレン化ヒマシ油)、糖類脂肪酸エステル(即ち単糖の縮合生成物(例えば、リボース、リブロース、アラビノース、キシロース、リキソースおよびキシルロースなどのペントース;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースおよびソルボースなどのヘキソース;トリオース;テトロース;ヘプトース;およびオクトース)、二糖(例えば、スクロース、マルトース、ラクトースおよびトレハロース)、オリゴ糖、あるいは1つまたは複数のC〜C22脂肪酸とのその混合物(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などの飽和脂肪酸;ならびにパルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸およびリノール酸などの不飽和脂肪酸)、ならびにステロイドエステル);エーテル(これらは一般に、2〜約30個の炭素を有するアルキル、アリールおよび環式エーテルである)が含まれる。例には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルイソソルビド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)およびグリコフロール(テトラヒドロフルフラニルアルコールポリエチレングリコールエーテル);ケトン(これらは一般に、約3〜約30個の炭素を有するが含まれる。例には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン);炭化水素(これらは一般に、約4〜約30個の炭素を有する脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素である)が含まれる。例には、ベンゼン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジオキソラン、ヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、n−ヘキサン、スルホラン、テトラメチレンスルホン、テトラメチレンスルホキシド、トルエン、ジメチルスルホキシド(DMSO);およびテトラメチレンスルホキシド;油(これらには、鉱油、植物油、動物油、精油または合成起源の油が含まれる)が含まれる。これらには、脂肪族およびワックス系炭化水素、芳香族炭化水素、混合脂肪族および芳香族系炭化水素、ならびに精製パラフィン油などの鉱油;亜麻仁、キリ、ベニバナ、大豆、ヒマシ、綿実、落花生、ナタネ、ココナッツ、ヤシ、オリーブ、トウモロコシ、トウモロコシ胚芽、ゴマ、杏仁およびピーナッツ油などの植物油;モノ、ジおよびトリグリセリドなどのグリセリド;魚、海産物、鯨、タラ肝、ハリバ(haliver)、スクアレン(squaiene)、スクアランおよびサメ肝油などの動物油;オレイン酸油;およびポリオキシエチレン化ヒマシ油);アルキルハロゲン化物、アルケニルハロゲン化物またはアリールハロゲン化物(これらには、1〜30個の炭素および1つまたは複数のハロゲン置換基を有するアルキルハロゲン化物またはアリールハロゲン化物が含まれる。例には、塩化メチレン);モノエタノールアミン;石油ベンジン;トロラミン;ω−3多価不飽和脂肪酸(例えば、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸またはドコサヘキサエン酸);12−ヒドロキシステアリン酸およびポリエチレングリコールのポリグリコールエステル(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン、BASF製のSOLUTOL HS−15);ポリオキシエチレングリセロール;ラウリン酸ナトリウム;オレイン酸ナトリウム;ならびにソルビタンモノオレエートが含まれる。本発明において使用するための他の薬学的に許容される溶媒は、当業者に周知である。かかる溶媒に関する一般的な議論は、例えば、The Chemotherapy Source Book(Williams & Wilkens Publishing)、The Handbook of Pharmaceutical Excipients(American Pharmaceutical Association、Washington、D.C.およびThe Pharmaceutical Society of Great Britain、London、England、1968年)、Modern Pharmaceutics 3d ed(G. Bankerら、eds.、Marcel Dekker,Inc.、New York、New York(1995年))、The Pharmacological Basis of Therapeutics(Goodman & Gilman、McGraw Hill Publishing)、Pharmaceutical Dosage Forms(H. Liebermanら、eds.、Marcel Dekker,Inc.、New York、New York(1980年))、Remington’s Pharmaceutical Sciences、19th ed.(A. Gennaro、ed.、Mack Publishing、Easton、PA(1995年))、The United States Pharmacopeia 24、The National Formulary 19(National Publishing、Philadelphia、PA(2000年));Spiegel,A.J.ら、「Use of Nonaqueous Solvents in Parenteral Products」、J. Pharma. Sciences、第52巻、No.10、917〜927頁(1963年)に見出すことができる。
本発明において有用な溶媒には、それに限定されるものではないが、ピラジン化合物または薬学的に許容されるその塩を安定にすることが公知のものが含まれる。これらには一般に、例えば、ベニバナ油、大豆油およびその混合物などのトリグリセリドに富んだ油;ならびにポリオキシル40水素化ヒマシ油およびポリオキシエチレン化ヒマシ油(例えば、クレモフォールEL溶液またはクレモフォールRH40溶液)などのアルキレンオキシ修飾脂肪酸エステルが含まれる。市販のトリグリセリドには、INTRALIPID乳化大豆油(スウェーデン、ストックホルム、Kabi−Pharmacia Inc.)、NUTRALIPIDエマルジョン(カリフォルニア州アービン、McGaw)、LIPOSYN II 20%エマルジョン(溶液1ml当たりベニバナ油100mg、大豆油100mg、卵リン脂質12mgおよびグリセリン25mgを含有する20%脂肪エマルジョン溶液;イリノイ州シカゴ、Abbott Laboratories)、LIPOSYN III 2%エマルジョン(溶液1ml当たりベニバナ油100mg、大豆油100mg、卵リン脂質12mgおよびグリセリン25mgを含有する2%脂肪エマルジョン溶液;Abbott Laboratories、イリノイ州シカゴ)、約25〜約100%(全脂肪酸含量に対する重量)のレベルでドコサヘキサエノイル基を含有する天然または合成グリセロール誘導体(メリーランド州コロンビア、Martek Biosciences Corp.製のDHASCO;カリフォルニア州ロサンゼルス、Daito Enterprises製のDHA MAGURO;SOYACAL;およびTRAVEMULSION)が含まれる。エタノールは特に、ピラジン化合物または薬学的に許容されるその塩を溶解して溶液、エマルジョン等を形成するのに有用な溶媒である。
製薬業界で一般に公知の様々な目的で、追加の成分が本発明の組成物中に含まれ得る。これらの成分は、例えば投与部位におけるピラジン化合物または塩の保持を強化し、組成物の安定性を保護し、pHを調節し、医薬製剤へのピラジン化合物または塩の処理を容易にする等の特性を付与する傾向がある。かかる成分の具体的には、凍結防止剤;ピラジン化合物または塩表面の沈殿防止剤;活性な湿潤剤または乳化剤(例えば、レシチン、ポリソルベート−80、TWEEN 80、プルロニック60およびポリオキシエチレンステアレート);保存剤(例えば、エチル−p−ヒドロキシベンゾエート);微生物保存剤(microbial preservative)(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、m−クレゾール、クロロブタノール、ソルビン酸、チメロサールおよびパラベン);pH調節剤または緩衝剤(例えば、酸、塩基、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート等);モル浸透圧濃度の調節剤(例えば、グリセリン);増粘剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、グアーガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トリステアリン、セチルワックスエステル、ポリエチレングリコール等);着色剤;色素;流動促進剤(flow aid);不揮発性シリコーン(例えば、シクロメチコン);粘土(例えば、ベントナイト);接着剤;増量剤;香味剤;甘味剤;吸着剤;充填剤(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースなどの糖類、リン酸カルシウム等);希釈剤(例えば、水、生理食塩水、電解質溶液等);結合剤(例えば、ゼラチン;トラガカントガム;メチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ナトリウムカルボキシメチルセルロース;ポリビニルピロリドン;糖類;ポリマー;アカシア;トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン等);崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンおよびカルボキシメチルデンプンなどのデンプン;架橋ポリビニルピロリドン;寒天;アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩;クロスカルメロースナトリウム;クロスポビドン等);滑沢剤(例えば、シリカ;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどのその塩;ポリエチレングリコール等);コーティング薬剤(例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン等を含む濃縮糖液);ならびに抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ブドウ糖、フェノール、チオフェノール等)が含まれる。非経口剤形を製造するための技術および組成物は、一般に当技術分野で公知である。非経口投与のための製剤は、本発明の化合物または塩および経口投与の製剤における使用について列挙した担体または希釈剤の1つまたは複数を有する1つまたは複数の滅菌粉末および/または顆粒から調製することができる。粉末または顆粒は一般に、その粉末または顆粒を溶解することができる適切な体積の溶媒に添加される(一般に溶媒をかき混ぜ(例えば撹拌し)ながら)。本発明に有用な特定の溶媒には、例えば、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウムおよび/または様々なバッファーが含まれる。
非経口投与のためのエマルジョンは、例えば、化合物を溶解して溶液を形成することができる任意の薬学的に許容される溶媒に、本発明の化合物または塩を溶解し、適切な体積の担体を撹拌しながら溶液に添加してエマルジョンを形成することによって調製できる。非経口投与のための溶液は、例えば、化合物を溶解して溶液を形成することができる任意の薬学的に許容される溶媒に、本発明の化合物または塩を溶解し、適切な体積の担体を撹拌しながら溶液に添加して溶液を形成することによって調製できる。
直腸投与のための坐剤は、例えば薬物を、通常温度では固体だが直腸温度では液体となり、したがって直腸で溶融して薬物を放出することになる適切な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。適切な賦形剤には、例えば、カカオバター;合成モノ、ジもしくはトリグリセリド;脂肪酸;および/またはポリエチレングリコールが含まれる。
「局所投与」には、経皮パッチまたはイオン導入装置などの経皮投与の使用が含まれる。
所望に応じて、経口または非経口投与について先に記載のエマルジョンまたは溶液は、IVバッグ、バイアルまたは他の従来の容器に濃縮形態でパッケージし、次いで使用の前に薬学的に許容される液体(例えば、生理食塩水)で希釈して、許容されるピラジン化合物濃縮物を形成することができる。
記載の特定の化合物、方法論、プロトコルおよび試薬が変わり得ることから、本発明はこれらに限定されないことを理解されたい。本明細書で使用する用語法は、特定の実施形態のみを記載することを目的とし、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることになる本発明の範囲を制限することを企図しないことも理解されたい。
本発明の組成物は、薬学的に許容される製剤または調製物などの、水溶液で提供される本化合物の1つまたは複数を含む製剤および調製物を含む。任意選択により、本発明の組成物はさらに、1つまたは複数の薬学的に許容される界面活性剤、バッファー、電解質、塩、担体、結合剤、コーティング、保存剤および/または賦形剤を含む。
製剤および使用
本発明の化合物およびバイオコンジュゲートは、公知の方法によって、それに限定されるものではないが、非経口、経口、局所、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および眼科経路を含む幾つかの経路を使用する被験体への投与に合わせて製剤化することができる。個々の化合物/バイオコンジュゲートは、1つもしくは複数のさらなる本発明の化合物/バイオコンジュゲートと組み合わせて、かつ/または他の生物学的に活性なもしくは生物学的に不活性な薬剤と一緒に投与することができる。かかる生物学的に活性なまたは不活性な薬剤は、化合物(複数可)/バイオコンジュゲート(複数可)に流体連結または機械的連結していてもよく、あるいはイオン性、共有結合性、ファンデルワールス、疎水性、親水性または他の物理的力によって化合物(複数可)/バイオコンジュゲート(複数可)に結合していてもよい。投与は、任意選択により被験体において局所的であってよい。投与は、任意選択により全身的であってもよい。
本発明の化合物およびバイオコンジュゲートは、任意の従来の方法によって、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を使用して製剤化することができる。したがって、化合物/バイオコンジュゲートならびにこれらの薬学的に許容される塩および溶媒和物は、例えば、吸入または吹送法(口または鼻のいずれかを介して)あるいは経口、頬側、非経口または直腸投与による投与に合わせて具体的に製剤化することができる。化合物/バイオコンジュゲートは、荷電、中性および/または他の薬学的に許容される塩の形態をとり得る。薬学的に許容される担体の例には、それに限定されるものではないが、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(A.R. Gennaro、Ed.)、第20版、Williams & Wilkins PA、USA(2000年)に記載のものが含まれる。
本発明の化合物およびバイオコンジュゲートは、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、制御放出または徐放製剤等の形態で製剤化することができる。かかる製剤は、患者への適切な投与に合った形態を提供するために、好ましくは純粋な形態の治療有効量の化合物/バイオコンジュゲートを、適切な量の担体と一緒に含有することになる。製剤は、投与形式に適するべきである。
非経口投与
本発明の化合物およびバイオコンジュゲートは、注射による(例えば、ボーラス注射または持続注入による)非経口投与に合わせて製剤化することができる。注射のための製剤は、アンプル中の単位剤形で、または任意選択の保存剤が添加される多回用量容器で提供することができる。非経口調製物は、ガラス、プラスチック等で製造されたアンプル、使い捨てシリンジまたは多回用量バイアルに封入することができる。製剤は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの製剤化薬剤を含有することができる。
例えば非経口調製物は、非毒性の非経口に許容される希釈剤または溶媒(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)中の注射可能な滅菌溶液または懸濁液であってもよい。使用できる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、滅菌固定油が従来使用されている。この目的では、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を使用することができる。さらに非経口調製物中に、オレイン酸などの脂肪酸を使用することができる。
あるいは、本発明の化合物およびバイオコンジュゲートは、発熱物質を含まない滅菌水などの適切なビヒクルを用いて使用前に構成するための粉末形態で製剤化することができる。例えば、非経口投与に適した化合物/バイオコンジュゲートには、化合物/バイオコンジュゲートを単位体積当たり0.1重量パーセント〜90重量パーセント含有する滅菌等張生理食塩水が含まれ得る。例えば溶液は、化合物/バイオコンジュゲートを約5パーセント〜約20パーセント、より好ましくは約5パーセント〜約17パーセント、より好ましくは約8〜約14パーセント、さらにより好ましくは約10パーセント含有することができる。溶液または散剤調製物は、可溶化剤および注射部位の疼痛を緩和するためのリグノカインなどの局所麻酔剤を含むこともできる。化合物/バイオコンジュゲートの非経口送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
経口投与
経口投与について、本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(例えば、結合剤、充填剤、滑沢剤および崩壊剤などの賦形剤)を用いる従来の手段によって調製される錠剤またはカプセル剤の形態をとるように製剤化することができる。
A.結合剤
結合剤には、それに限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたは他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然および合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Nos.2208、2906、2910)、微結晶性セルロースならびにその混合物が含まれる。微結晶性セルロースの適切な形態には、例えば、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103およびAVICEL−PH−105として販売されている材料(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、米国ペンシルバニア州マーカスフックから利用可能)が含まれる。例示的な適切な結合剤は、FMC CorporationからAVICEL RC−581として販売されている微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。
B.充填剤
充填剤には、それに限定されるものではないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、ラクトース、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプンおよびその混合物が含まれる。
C.滑沢剤
滑沢剤には、それに限定されるものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、電磁放射用鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天およびその混合物が含まれる。追加の滑沢剤には、例えば、サイロイドシリカゲル(米国メリーランド州ボルチモア、W.R.Grace Co.製のAEROSIL 200)、合成シリカの凝固エアロゾル(米国テキサス州プレーノー、Deaussa Co.によって販売)、CAB−O−SIL(米国マサチューセッツ州ボストン、Cabot Co.によって販売されている発熱性の二酸化ケイ素生成物)およびその混合物が含まれる。
D.崩壊剤
崩壊剤には、それに限定されるものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、α化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガムおよびその混合物が含まれる。
錠剤またはカプセル剤は、任意選択により、当技術分野で周知の方法によってコーティングされていてもよい。結合剤および/または充填剤を本発明の化合物/バイオコンジュゲートと併用する場合、これらは一般に、化合物/バイオコンジュゲートの約50〜約99重量パーセントとして製剤化される。一態様では、約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、特に約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を、化合物と併用することができる。滑沢剤は、一般に化合物/バイオコンジュゲートの約1重量パーセント未満の量で、任意選択により添加することができる。固体経口剤形を製造するための技術および薬学的に許容される添加剤は、Marshall、SOLID ORAL DOSAGE FORMS、Modern Pharmaceutics(Banker and Rhodes、Eds.)、7巻:359〜427頁(1979年)に記載されている。他の一般的でない製剤は当技術分野で公知である。
経口投与のための液体調製物は、溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとることができる。あるいは液体調製物は、使用前に水または他の適切なビヒクルで構成するための乾燥生成物として提供することができる。かかる液体調製物は、従来の手段によって、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは留分植物油);および/または保存剤(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を用いて調製することができる。調製物は、必要に応じて緩衝塩、香味剤、着色剤、賦香剤および甘味剤を含有することもできる。経口投与のための調製物は、化合物/バイオコンジュゲートの制御放出を達成するように製剤化することもできる。経口製剤は、好ましくは、化合物/バイオコンジュゲートを10%〜95%含有する。さらに、本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、頬側投与に合わせて、従来の方法で製剤化される錠剤またはロゼンジ剤の形態で製剤化することができる。本発明の化合物/バイオコンジュゲートの経口送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
制御放出投与
制御放出(または徐放)調製物は、化合物/バイオコンジュゲートの活性を延長し、投与頻度を低減するために製剤化され得る。制御放出調製物は、化合物/バイオコンジュゲートの血液レベルなどの作用または他の特徴の開始時間に影響を及ぼし、その結果副作用の発生に影響をもたらすために使用することもできる。
制御放出調製物は、所望の治療効果をもたらす量の化合物/バイオコンジュゲートを最初に放出し、長期間にわたって治療効果レベルを維持する他の量の化合物/バイオコンジュゲートを徐々にかつ持続的に放出するように設計することができる。体内でほぼ一定レベルの化合物/バイオコンジュゲートを維持するために、化合物/バイオコンジュゲートは、代謝されるかつ/または身体から排泄される化合物/バイオコンジュゲートの量を置き換える速度で剤形から放出され得る。化合物/バイオコンジュゲートの制御放出は、様々な誘導因子、例えば、pHの変化、温度変化、酵素、水、および/または他の生理状態もしくは分子によって刺激され得る。
制御放出系は、例えば身体全体に、または特定の器官もしくは腫瘍にインスリンまたは化学療法を送達するのに使用されるのと同じように化合物/バイオコンジュゲートを投与するために使用できる注入ポンプを含むことができる。一般にかかる系を使用して、化合物/バイオコンジュゲートは、選択部位において制御された期間にわたって化合物/バイオコンジュゲートを放出する生分解性、生体適合性のポリマー性移植片と組み合わせて投与される。ポリマー性材料の例には、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレン酢酸ビニルならびにそのコポリマーおよび組合せが含まれる。さらに制御放出系は、治療標的(例えば、器官、組織または細胞群)の近位に置くことができ、したがってわずかの全身投与量だけでよい。
本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、当業者に周知の他の制御放出手段または送達装置によって投与することができる。これらには、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア等または様々な割合で所望の放出プロファイルを提供するための先のいずれかの組合せが含まれる。化合物/バイオコンジュゲートの制御放出送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の方法に含まれる。
吸入投与
本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、吸入によって患者/被験体の肺に直接投与することができる。吸入による投与について、化合物/バイオコンジュゲートは、好都合には幾つかの異なる装置によって肺に送達され得る。例えば、適切な低沸点噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガスを含有するキャニスターを利用する定量噴霧式吸入器(「MDI」)を使用して、化合物/バイオコンジュゲートを肺に直接送達することができる。MDI装置は、3M Corporation、Aventis、Boehringer Ingleheim、Forest Laboratories、Glaxo−Wellcome、Schering PloughおよびVecturaなどの幾つかの供給者から利用可能である。
あるいは、乾燥粉末吸入器(DPI)装置を使用して、化合物/バイオコンジュゲートを肺に投与することができる。DPI装置は一般に、容器内に、次いで患者によって吸入され得る乾燥粉末の粉塵を生成するガスバーストなどの機構を使用する。DPI装置も当技術分野で周知であり、例えば、Fisons、Glaxo−Wellcome、Inhale Therapeutic Systems、ML Laboratories、QdoseおよびVecturaを含む幾つかの販売者から購入することができる。一般的な変形形態は、2つ以上の治療用量の送達を可能にする多回用量DPI(「MDDPI」)系である。MDDPI装置は、AstraZeneca、GlaxoWellcome、IVAX、Schering Plough、SkyePharmaおよびVecturaなどの企業から利用可能である。例えば、吸入器または吹送器中で使用するためのカプセル剤またはゼラチンカートリッジは、化合物/バイオコンジュゲートおよびこれらの系のためのラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末ミックスを入れて製剤化することができる。
化合物/バイオコンジュゲートを肺に送達するために使用できる別の種類の装置は、例えばAradigm Corporationによって供給されている液体スプレー装置である。液体スプレー系は、次いで肺に直接吸入され得る液体化合物/バイオコンジュゲート製剤をエアロゾル化するための極小ノズル孔を使用する。化合物/バイオコンジュゲートを肺に送達するために、例えばネブライザー装置を使用することができる。ネブライザーは、例えば容易に吸入され得る微粒子を形成するための超音波エネルギーを使用することによって、液体化合物/バイオコンジュゲート製剤からエアロゾルを生成する。ネブライザーの例には、Sheffield/Systemic Pulmonary Delivery Ltd.、AventisおよびBatelle Pulmonary Therapeuticsによって供給されている装置が含まれる。
別の例では、電気流体力学的な(「EHD」)エアロゾル装置を使用して、化合物/バイオコンジュゲートを肺に送達することができる。EHDエアロゾル装置は、液体化合物/バイオコンジュゲート溶液または懸濁液をエアロゾル化するために電気的エネルギーを使用する。化合物/バイオコンジュゲート製剤の電気化学的特性は、EHDエアロゾル装置を用いてこの化合物/バイオコンジュゲートを肺に送達する場合に最適化するための重要なパラメータである。かかる最適化は、当業者によって日常的に実施される。化合物/バイオコンジュゲートの肺内送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
ネブライザーおよび液体スプレー装置およびEHDエアロゾル装置との併用に適した液体化合物/バイオコンジュゲート製剤は、一般に、化合物/バイオコンジュゲートと薬学的に許容される担体を含むことになる。例示的な一実施形態では、薬学的に許容される担体は、アルコール、水、ポリエチレングリコールまたはパーフルオロカーボンなどの液体である。任意選択により、化合物/バイオコンジュゲートの溶液または懸濁液のエアロゾル特性を変えるために、別の材料が添加され得る。例えば、この材料は、アルコール、グリコール、ポリグリコールまたは脂肪酸などの液体であってよい。エアロゾル装置における使用に適した液体化合物/バイオコンジュゲート溶液または懸濁液を製剤化する他の方法は、当業者に公知である。
デポー投与
本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、デポー調製物として製剤化することができる。かかる長時間作用性の製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、化合物/バイオコンジュゲートは、許容される油またはイオン交換樹脂中のエマルジョンなどの適切なポリマー性または疎水性材料を用いて、あるいは難溶性塩などの難溶性誘導体として製剤化することができる。化合物/バイオコンジュゲートのデポー送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
局所投与
局所適用について、化合物/バイオコンジュゲートは、有効な投与量が、例えば1.0μMから1.0mMの有効な投与量の範囲の所望の活性に基づいて送達されるように、薬学的に許容される担体と組み合わせることができる。本発明の一態様では、化合物/バイオコンジュゲートの局所製剤は、皮膚に適用することができる。薬学的に許容される担体は、例えばそれに限定されるものではないが、軟膏、クリーム、ゲル、ペースト、泡状物質、エアロゾル、坐剤、パッドまたはゲル状スティックの形態であってよい。
局所製剤は、緩衝食塩水、鉱油、トウモロコシまたはラッカセイ油などの植物油、ワセリン、Miglyol 182、アルコール溶液またはリポソームもしくはリポソームに類似の生成物などの眼科学的に許容される賦形剤中に、治療有効量の化合物/バイオコンジュゲートを含むことができる。かかる化合物/バイオコンジュゲートのこれらの製剤のいずれも、保存剤、抗酸化剤、抗生物質、免疫抑制剤、および化合物/バイオコンジュゲートに有意な有害作用をもたらさない他の生物学的または薬学的に有効な薬剤を含むことができる。化合物/バイオコンジュゲートの局所送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
直腸投与
本発明の化合物/バイオコンジュゲートは、カカオバターなどの従来の坐剤基剤、あるいはトリグリセリド、微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなどの他のグリセリドおよび/または結合剤および/または担体を含む、坐剤または停留浣腸などの直腸製剤として製剤化することができる。直腸製剤は、0.5重量%から10重量%の範囲の化合物/バイオコンジュゲートを含有することができる。化合物/バイオコンジュゲートの直腸送達の他の方法は当業者に公知であり、本発明の範囲に含まれる。
他の投与系
様々な他の送達系は当技術分野で公知であり、本発明の化合物/バイオコンジュゲートを投与するために使用することができる。さらに、これらのおよび他の送達系は、本発明の化合物/バイオコンジュゲートの投与の最適化を促進するために組み合わせ、かつ/または改変することができる。本発明の化合物/バイオコンジュゲートを含む例示的な製剤を以下に記載する(本発明の化合物/バイオコンジュゲートは活性成分として示されているが、プロドラッグおよび化合物の組合せもこの用語に包含されることを意味することを当業者は認識されよう)。
キット
本発明の様々な実施形態は、キットを含む。かかるキットは、本発明の化合物/バイオコンジュゲート、任意選択により化合物/バイオコンジュゲートの薬学的に許容される製剤を調製するための1つまたは複数の成分、および使用(例えば、投与)のための指示書を含むことができる。キットとして供給される場合、化合物/バイオコンジュゲート製剤の異なる成分を、別個の容器にパッケージし、使用直前に混合することができる。かかる別個の成分のパッケージングは、所望に応じて、化合物/バイオコンジュゲートを含有する1つまたは複数の単位剤形を含有することができるパックまたはディスペンサー装置で提供することができる。ブリスターパックなどのパックは、例えば金属またはプラスチック箔を含むことができる。かかる別個の成分のパッケージングはまた、特定の場合には、成分の活性を喪失することなく長期間の保存を可能にし得る。さらに、2つ以上の投与経路が企図され、または2つ以上の投与スケジュールが企図される場合、異なる成分を別個にパッケージして、使用前に混合しなくてもよい。様々な実施形態では、異なる成分は、投与のために1つの組合せとして一緒にパッケージすることができる。
キットは、別個にパッケージした凍結乾燥させた活性な成分に添加される、例えば滅菌水または生理食塩水などの試薬を、別個の容器内に含むことができる。例えば、封止ガラスアンプルは、凍結乾燥させた化合物と、別個のアンプル中の滅菌水、滅菌生理食塩水または滅菌液を含有することができ、そのそれぞれは、窒素などの非反応性中性ガスの下で既にパッケージされている。アンプルは、ガラス、ポリカーボネートなどの有機ポリマー、ポリスチレン、セラミック、金属または試薬を保持するのに一般に使用される任意の他の材料などの任意の適切な材料からなり得る。適切な容器の他の例には、アンプルと類似の物質から製造され得るボトル、およびアルミニウムまたは合金などのホイルで裏打ちした内側からなり得る包装材料が含まれる。他の容器には、試験管、バイアル、フラスコ、ボトル、シリンジ等が含まれる。皮下注射針によって穴を開けることができるストッパーを有するボトルなどの容器は、滅菌入口を有することができる。他の容器は、除去される際に成分の混合を可能にする容易に除去できる膜によって分離されている2つの区画を有することができる。除去できる膜は、ガラス、プラスチック、ゴム等であってよい。
特定の実施形態では、キットに指示材料を供給することができる。指示書は、紙もしくは他の基材上に印刷されていてもよく、かつ/またはフロッピー(登録商標)ディスク、ミニCD−ROM、CD−ROM、DVD−ROM、Zipディスク、ビデオテープ、録音テープなどの電子で読み取りできる媒体として供給することができる。詳細な指示書は、キットに物理的に関連してなくてもよく、その代わり使用者は、キットの製造者もしくは販売者によって特定されるインターネットウェブサイトを見ることができ、または電子メールとして供給され得る。
Figure 2012512256
Figure 2012512256
Figure 2012512256
参照による組込みおよび変形についての陳述
本願を通して引用したすべての参考文献、例えば発行済みまたは認可済み特許または等価物、特許出願公報を含む特許文献、ならびに非特許文献または他の供給材料は、本明細書では、各参考文献が本願の開示に少なくとも部分的に矛盾しない程度にあたかも個々に参照によって組み込まれるように、これらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する参考文献は、その参考文献の部分的に矛盾する部分を除いて、参照によって組み込まれる)。
本明細書で使用した用語および表現は、限定することなく説明するために使用されるものであり、かかる用語および表現の使用は、示し記載した特徴の任意の等価物またはその一部を除外することを企図するものではなく、特許請求する本発明の範囲において様々な改変が可能であることを認識されたい。したがって、好ましい実施形態、例示的実施形態および任意選択の特徴によって本発明を具体的に開示してきたが、当業者は、開示の本明細書の概念の改変および変更を用いることができ、かかる改変および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。本明細書で提供した具体的な実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、本発明は、本説明に示した装置、装置成分、方法ステップの多数の変更形態を使用して実施され得ることが当業者には明らかとなろう。当業者には明らかになる通り、本方法に有用な方法および装置は、多数の任意選択の組成物ならびに処理要素およびステップを含むことができる。
置換基の群が本明細書において開示される場合、その群のメンバーの任意の異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含むその群およびすべての下位群のすべての個々のメンバーが別個に開示されることを理解されたい。Markush群および他の分類が本明細書において使用される場合、その群のすべての個々のメンバーならびにその群の可能なすべての組合せおよび下位の組合せが本開示に個々に含まれることを企図する。例えば式または化学名において化合物の特定の異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマーが特定されずに、その化合物が本明細書において記載される場合、その説明は、記載の化合物の各異性体およびエナンチオマーを個々に、または任意の組合せで含むことを企図する。さらに、別段特定されない限り、本明細書に開示の化合物のすべての同位体変異が、本開示によって包含されることを企図する。例えば、開示の分子の任意の1つまたは複数の水素が、重水素またはトリチウムで置き換えられ得ることを理解されよう。分子の同位体変異は、一般に、該分子のアッセイにおける、ならびに該分子またはその使用に関係する化学的および生物学的研究における標準として有用である。かかる同位体変異の生成方法は、当技術分野で公知である。化合物の具体的な名称は例示的であることが企図され、公知の通り当業者はその化合物を様々に命名することができる。化学的に化合物を表す、例えばPEG基などの特定の置換基を分類する様々な方法があることも理解されたい。
本明細書において開示の分子の多くは、1つまたは複数のイオン化できる基[プロトンが除去され得る(例えば、−COOH)または添加され得る(例えばアミン)基、あるいは四級化され得る(例えばアミン)基]を含有する。かかる分子およびこれらの塩のすべての可能なイオン形態が本明細書の開示において個々に含まれることを企図する。本明細書の化合物の塩に関して、当業者は、多種多様な利用可能な対イオンの中から、所与の適用に合った本発明の塩の調製に適したものを選択することができる。特定の適用において、塩の調製のための所与のアニオンまたはカチオンを選択することによって、その塩の可溶性を増大または低減することができる。
本明細書で使用される場合、また添付の特許請求の範囲において、単数形「1つ、ある(a)」、「1つ、ある(an)」および「上記、この、その(the)」は、その状況によって別段明確に定められない限り、複数への言及を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば「1つの細胞(a cell)」という言及は、複数のかかる細胞および当業者等に公知のそれらの等価物などを含む。同様に、用語「1つ、ある(a)」(または「1つ、ある(an)」)、「1つまたは複数の」および「少なくとも1つの」は、本明細書では交換可能に使用され得る。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」および「有する」も交換可能に使用され得ることに留意されたい。「請求項XXからYYのいずれかに記載の」(XXおよびYYは、請求項番号を指す)という表現は、代替形態の複数の従属請求項を提供することを企図し、幾つかの実施形態では、「請求項XXからYYのいずれか一項に記載の」という表現と交換可能である。
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の技術者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似のまたはそれに等しい任意の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、ここでは好ましい方法および材料を記載する。本明細書では、過去の発明が理由で本発明がかかる開示に先行する権利がないことを承認すると解釈されるべきものは全くない。
幾つかの実施形態では、リポソームまたはミセルは、組成物の担体またはビヒクルとして利用することができる。
別段指定されない限り、本発明を実施するために、本明細書に記載または例示の成分のすべての製剤または組合せを使用することができる。
本組成物、調製物および製剤は、経腸、非経口、局所、エアロゾル、吸入または皮膚投与のための診断用組成物に製剤化することができる。本組成物、調製物および製剤の局所または皮膚送達は、エアロゾル製剤、クリーム、ゲル、溶液等を含むこともできる。本組成物、調製物および製剤は、所望の診断および/または治療効果を達成するのに有効な用量で投与される。かかる用量は、組成物において使用される特定の組成物、調査されるべき器官または組織、臨床手順において使用される設備、達成される治療効率等に応じて広範に変わり得る。これらの組成物、調製物および製剤は、有効量の組成物(複数可)を、企図される投与の種類に適した従来の医薬担体および賦形剤と共に含有する。これらの組成物、調製物および製剤は、任意選択により安定化剤および皮膚浸透強化剤を含むこともできる。
本発明の方法は、本化合物を含有する「有効量」の本診断用組成物、製剤および調製物を、患者の生物学的状態および/または病状を診断、イメージング、モニタまたは評価するために投与するステップを含む。用語「有効量」は、本明細書で使用される場合、それが個体に投与される場合に生物学的状態および/または病状の有効な診断、イメージング、モニタまたは評価となる診断用製剤の量を指す。当技術分野で理解されている通り、所与の組成物または製剤の有効量は、投与方法(例えば、静脈内、経口、局所投与)、使用される任意の担体またはビヒクル、および製剤が投与されるべき具体的な個体(年齢、体重、状態、性別等)に少なくとも部分的に依存して決まることになる。「有効量」を達成するために必要な用量要件は、使用される特定の製剤、投与経路および臨床上の目的によって変わる。活性な化合物の予測される一日当たりの用量は、標準の薬理学的試験手順において得られる結果に基づき、当技術分野で理解されている通りに決定され得る。
任意の適切な投与形態を、本発明の診断用製剤に関連して使用することができる。本発明の診断用製剤は、すべて当業者に周知の剤形を使用して、静脈内、経口剤形、腹腔内、皮下または筋肉内により投与することができる。
本発明の診断用製剤は単独で投与することができるが、選択される投与経路および標準の薬務に基づいて選択される医薬担体と共に投与することもできる。
本発明の診断用製剤および本発明の医薬品は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、バッファー、乳化剤、界面活性剤、電解質または希釈剤をさらに含むことができる。かかる組成物および医薬品は、Remingtons Pharmaceutical Sciences、第17版、ed. Alfonoso R. Gennaro、Mack Publishing Company、Easton、Pa.(1985年)に記載の手順などの、許容される薬理手順に従って調製される。
明細書に与えられる範囲、例えば温度範囲、時間範囲または組成もしくは濃度範囲が与えられる場合は常に、すべての中間範囲および部分範囲、ならびにその範囲に含まれるすべての個々の値が本開示に含まれることを企図する。範囲は、本明細書で使用される場合、その範囲の端点の値として提供される値を具体的に含む。例えば、1〜100という範囲は、1および100の端点の値を具体的に含む。本明細書の説明に含まれる範囲および部分範囲における任意の部分範囲または個々の値は、本明細書の特許請求の範囲からは排除され得ることを理解されよう。
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する」または「を特徴とする」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、列挙されていない追加の要素または方法ステップを排除するものではない。本明細書で使用される場合、「からなる」は、特許請求の範囲の要素で特定されていない任意の要素、ステップまたは成分を排除する。本明細書で使用される場合、「本質的に〜からなる」は、特許請求の範囲の基本的かつ新しい特徴に実質的に影響を及ぼさない材料またはステップを排除するものではない。本明細書においてそれぞれの場合、用語「含む」、「本質的に〜からなる」および「からなる」のいずれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えることができる。本明細書において例示的に記載される本発明は、適切には、本明細書で具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の制限なしに実施することができる。
当業者は、具体的に例示されているもの以外の出発材料、生物学的材料、試薬、合成法、精製方法、分析方法、アッセイ方法および生物学的方法を、本発明の実施において過度の実験方法に頼ることなく使用できることを理解されよう。任意のかかる材料および方法の当技術分野で公知のすべての機能的等価物が、本発明に含まれることを企図する。使用した用語および表現は、限定することなく説明するために使用されるものであり、かかる用語および表現の使用においては、示し記載した特徴またはその部分の任意の等価物を除外することを企図せず、特許請求される本発明の範囲において様々な改変が可能であることを認識されたい。したがって、好ましい実施形態および任意選択の特徴によって本発明を具体的に開示してきたが、当業者は、開示の本明細書の概念の改変および変更を用いることができ、かかる改変および変更は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。

Claims (50)

  1. 式(FX1)の化合物
    Figure 2012512256
    [式中、
    およびRは、それぞれ独立に、−H、−(CH(CHCHO)、−(CHCHO)、−CH(COOH)CHOHまたは−(CHであり、
    各Yは、独立に、−OR、−(CHOH)、−NR、−CONR、−NHCO(CHOH)または−NHCO(CH(CHCHO)であり、
    、R、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、−HまたはC〜Cアルキルであり、
    およびRは、独立に、−H、C〜Cアルキル、−(CH(CHOH)または−(CH(CHCHO)であり、
    各aおよび各cは、独立に、0から6の範囲から選択される整数であり、
    各bは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、
    各pおよびqは、独立に、0から120の範囲から選択される整数であり、
    mおよびnのそれぞれは、独立に、3から6の範囲から選択される整数である]。
  2. 式(FX2)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  3. 式(FX3)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  4. 各Rが、独立にC〜Cアルキルである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. 各bが、独立に2から50の整数である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. 各bが、独立に2から24の整数である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
  7. 式(FX4)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  8. 式(FX5)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  9. およびRがそれぞれ−Hである、請求項1に記載の化合物。
  10. mおよびnが、それぞれ独立に3または4である、請求項1から9のいずれかに記載の化合物。
  11. およびRがそれぞれ−Hである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
  12. およびRが、それぞれ独立にC〜Cアルキルである、請求項1から10のいずれかに記載の化合物。
  13. pおよびqが、それぞれ独立に2から50の範囲の整数である、請求項1から12のいずれかに記載の化合物。
  14. pおよびqが、それぞれ独立に2から24の範囲の整数である、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
  15. 式(FX6)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  16. 式(FX7)、(FX8)、(FX9)、(FX10)、(FX11)、(FX12)、(FX13)、(FX14)、(FX15)、(FX16)または(FX17)
    Figure 2012512256
    Figure 2012512256
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  17. 式(FX18)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物
    [式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
  18. 各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項17に記載の化合物。
  19. 各aが2である、請求項17に記載の化合物。
  20. およびRがそれぞれ−(CH(CHOH)である、請求項17から19のいずれかに記載の化合物。
  21. 式(FX19)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物
    [式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
  22. 各dおよびhが、独立に、2から50の範囲または2から24の範囲から選択される整数である、請求項21に記載の化合物。
  23. が−NRであり、RおよびRがそれぞれ−(CH(CHOH)であり、aが1または2であり、cが2、3、4、5または6である、請求項21に記載の化合物。
  24. 式(FX20)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物
    [式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数である]。
  25. 各aが、独立に0、2または3であり、各bが、独立に2から50であり、RがC〜Cアルキルである、請求項24に記載の化合物。
  26. 式(FX21)
    Figure 2012512256
    の化合物である、請求項1に記載の化合物
    [式中、dおよびhは、独立に、1から120の範囲から選択される整数であり、各aは、独立に、0から6の範囲から選択される整数である]。
  27. 光学的イメージング、生物医学的イメージング、診断、可視化、モニタリング、外科的、生物医学的または治療手順において使用するための、請求項1から26のいずれかに記載の化合物。
  28. 前記手順が、
    診断上有効な量の化合物を被験体に投与するステップ(前記化合物は、該被験体の器官、組織または系ごとに区別されて、該被験体の体液から分離される)、および
    投与した該化合物を検出するステップ
    を含む、請求項27に記載の化合物。
  29. 前記手順が、投与した前記化合物を化学的に検出するステップを含む、請求項27から28のいずれかに記載の化合物。
  30. 前記化合物は、体液中に投与される、請求項28に記載の化合物。
  31. 前記手順が、投与した前記化合物を電磁放射線に曝露するステップをさらに含む、請求項28から30のいずれかに記載の化合物。
  32. 前記手順が、投与した前記化合物を、350ナノメートルから900ナノメートルの範囲にわたって選択される波長を有する電磁放射線に曝露するステップを含む、請求項27から31のいずれかに記載の化合物。
  33. 前記電磁放射線が、400〜600nmの範囲にわたって選択される波長を有する、請求項27から32のいずれかに記載の化合物。
  34. 前記電磁放射線が非イオン性である、請求項27から33のいずれかに記載の化合物。
  35. 投与した前記化合物を電磁放射線に曝露することによって、該化合物からルミネッセンスを発生させる、請求項27から34のいずれかに記載の化合物。
  36. 前記手順が、投与した前記化合物からルミネッセンスを検出するステップを含む、請求項27から35のいずれかに記載の化合物。
  37. 前記化合物からのルミネッセンスに少なくとも部分的に基づいて画像を作製するステップを含む、請求項35または請求項36に記載の化合物。
  38. 前記ルミネッセンスが、前記被験体の耳、手、頭、前頭部または指の近位で収集される、請求項35から37のいずれかに記載の化合物。
  39. 前記ルミネッセンスが視覚的に検出される、請求項35から38のいずれかに記載の化合物。
  40. 前記ルミネッセンスが、カメラ、電荷結合素子またはダイオードアレイを使用して検出される、請求項35から39のいずれかに記載の化合物。
  41. 前記手順が、
    有効量の前記請求項のいずれかに記載の腎臓により排泄され得る化合物を被験体に投与するステップ、
    投与した前記化合物を有する該被験体の腎臓系の組織を電磁放射線に曝露し、それによって該化合物から放射される電磁放射線を発生させるステップ、
    該化合物から放射された該電磁放射線を検出し、それによって該被験体の腎臓系の少なくとも一部を可視化またはイメージングするステップ
    を含む、請求項27に記載の化合物。
  42. 前記手順が、投与した前記化合物が前記被験体の腎臓系の組織に実質的に保持されているかどうかを決定するステップを含む、請求項27から41のいずれかに記載の化合物。
  43. 前記化合物が、10%未満の血漿結合を有する、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
  44. 器官、組織または系の生理的機能を評価する生物医学的手順において使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
  45. 被験体の腎臓機能の評価においてインビボで使用するための、請求項1から43のいずれかに記載の化合物。
  46. 外科手順において、被験体の泌尿器系の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
  47. 前記泌尿器系の少なくとも一部が、前記被験体の尿管、膀胱または尿道を含む、請求項46に記載の化合物。
  48. 外科手順において、被験体の尿管の少なくとも一部の検出においてインビボで使用するための、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
  49. 請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
    薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  50. 請求項1から48のいずれかに記載の化合物、および
    1つまたは複数のさらなる治療剤または診断用薬剤を含む、医薬組成物。
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