JP2012506067A - フォトリフラクティブ組成物の光を熱制御により変調する光学装置 - Google Patents

フォトリフラクティブ組成物の光を熱制御により変調する光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大きな外部バイアス電圧の印加を必要とすることなく、優れたフォトリフラクティブ特性を提供する材料を含む光学装置を提供すること。
【解決手段】フォトリフラクティブ層と少なくとも2つの不活性層とを含み、フォトリフラクティブ層が2つの不活性層の間に挟まれる光学装置が、本明細書に記述される。フォトリフラクティブ層は、レーザービーム照射によりフォトリフラクティブであるフォトリフラクティブ組成物を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物中に照射される回折格子が、外部のバイアス電圧を印加することなくフォトリフラクティブ組成物から読み出すことができるようにフォトリフラクティブ組成物は処方される。さらに、組成物中に書き込まれる回折格子は、熱処理を用いて制御することが可能である。
【選択図】 図1B

Description

関連する出願への相互参照
本出願は、2008年10月20日に出願された、発明の名称が「OPTICAL DEVICES FOR MODULATING LIGHT OF PHOTOREFRACTIVE COMPOSITIONS WITH THERMAL CONTROL」の米国仮特許出願第61/106,835号の優先権を主張するものであり、その内容は、引用によりその全体が本明細書中に援用される。
本発明は、フォトリフラクティブ組成物を含むフォトリフラクティブ層と少なくとも2つの不活性層とを含む光学装置に関する。当該フォトリフラクティブ組成物は、増感剤と、カルバゾール部分、テトラフェニルジアミノビフェニル部分、およびトリフェニルアミン部分からなる群から選択される部分を含む第1繰り返し単位を含むポリマーとを含む。その組成物の実施形態は、ホログラフィックデータ記憶および/または画像記録材料を含む光学用途に使用することができる。
光屈折性(フォトリフラクティブ特性)は、ある材料の屈折率がレーザービーム照射などにより、その材料内の電界を変えることによって変更されうる現象である。その屈折率の変化は、以下のものを典型的に含む:(1)レーザー照射による電荷発生、(2)正電荷および負電荷の分離をもたらす電荷輸送、(3)1種の電荷の捕獲(電荷非局在化)、(4)電荷の非局在化の結果として不平等内部電界(空間電荷電界)の形成、および(5)不平等電界によって誘発された屈折率変化。優れたフォトリフラクティブ特性は、優れた、電荷発生、電荷輸送あるいは光導電性、および電気光学活性を組み合わせた材料に典型的に見られる。フォトリフラクティブ材料は、高密度光データ記憶、ダイナミックホログラフィー、光学画像処理、位相共役鏡、光コンピューター、並列光論理、およびパターン認識などの多くの将来性がある用途を有している。特に、長期にわたる回折格子の挙動は、高密度光データ記憶またはホログラフィック表示アプリケーションのために大いに貢献することができる。
元来、そのフォトリフラクティブ効果は、LiNbOなどの様々な無機電気光学結晶の中に見つけられた。これらの材料では、内部空間電荷電界による屈折率変調の機構は、線形電気光学効果に基づいている。
1990年および1991年に、最初の有機フォトリフラクティブ結晶および高分子フォトリフラクティブ材料が発見され、報告された。そのような材料は、例えば、米国特許第5,064,264号に開示されており、その内容は、引用によりその全体が本明細書に援用される。有機フォトリフラクティブ材料は、元来の無機フォトリフラクティブ結晶に比べて、大きな光学非線形性、低誘電率、低コスト、軽量、構造柔軟性、および装置組み立ての容易性など多くの利点を提供する。その用途に応じて好ましいとされる他の重要な特徴として、十分に長い寿命、光学的品質、および熱安定性が挙げられる。これらの活性有機ポリマーは、先進情報および通信技術のための重要な材料として浮かび上がっている。
近年、有機のフォトリフラクティブ材料、特にポリマーのフォトリフラクティブ材料の特性を改善するために努力が払われている。これらの特性のそれぞれを与える成分の選択および組み合わせを調べる様々な研究が行われている。光導電性能は、カルバゾール基を含む材料を配合することによって提供されうる。フェニルアミン基もまた、その材料の電荷輸送部分として使用することができる。
フォトリフラクティブ組成物は、望ましい個々の特性を提供する分子成分をホストポリマーマトリックスに混合することによって作ることが可能である。しかし、先に調製された組成物は一般に、大きな外部電界を用いて書き込まれ、読み出さなければならない。いろいろなホログラフィックアプリケーション(例えば、データ記憶)については、データを読むために大量の電圧を使うことは、データを失うか、さもなければデータに障害を引き起こす危険性をもたらす。したがって、外部バイアス電圧を印加することなくフォトリフラクティブである組成物を提供するための努力がなされてきた。
米国特許出願公開第2008/0039603号および米国特許第6,653,421号(それらの内容は、引用によりその全体が両方共、本明細書に援用される)は、(メタ)アクリレート系ポリマーおよびコポリマー系材料を開示しており、これらは、それぞれ緑色レーザーおよび赤色レーザーに感受性がある。特開2006−171320号公報および特開2004−258604号公報は、両方とも、PVKおよびカルバゾール型フォトリフラクティブ組成物を作る方法を開示している。
また、いくつかのフォトリフラクティブポリマーは、Pengらの“Synthesis and Characterization of Photorefractive Polymers Containing Transition Metal Complexes as Photosensitizer,”J.Amer.Chem.Soc.,119(20),4622(1997)およびDarracqらの“Stable photorefractive memory effect in sol−gel materials,”Appl.Phys.Lett.,70,292(1997)に先に示された。回折格子を長期保持する材料は、照射された後、数時間も、数日さえもの間、回折格子信号挙動を示す能力を備えている。これらの特性を有する光学装置は、いろいろな用途(例えば、データまたは画像記憶)に有用である。
このように、大きな外部バイアス電圧の印加を必要とすることなく、優れたフォトリフラクティブ特性を提供する材料を含む光学装置に対する必要性が依然として存続する。
本発明の1つの実施形態は、光学装置を提供し、そこでは、大きな外部バイアス電圧を使用することなく、回折格子信号を書き込み、読み出すことができる。回折格子は、数時間から数日にもわたって長期間、ホログラフィック応用のために保持することができる。また、回折格子信号は、熱処理によって制御することができる。本実施形態で記述される有機系材料およびホログラフィック媒体は、約500nm〜約700nmの範囲の波長を有するレーザーに応答して優れた回折効率を示す。連続波レーザーシステムに感受性があるそのような材料が手に入れば、センサーおよび光学フィルタ用途を含む産業上の用途に大いに有益であって、役に立つことができる。
1つの実施形態は、光学装置を提供する。例えば、1つの実施形態では、光学装置は、少なくとも2つの不活性層とフォトリフラクティブ層とを含む。1つの実施形態では、フォトリフラクティブ層は、2つの不活性層の間に挟まれている。1つの実施形態では、フォトリフラクティブ層は、フォトリフラクティブ組成物を含む。このフォトリフラクティブ組成物は、可視光レーザービームの照射によりフォトリフラクティブとなることができる。1つの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、増感剤とポリマーとを含む。1つの実施形態では、ポリマーは、正孔移動型ポリマーであり、カルバゾール部分、テトラフェニルジアミノビフェニル部分、およびトリフェニルアミン部分からなる群から選択される部分を含む第1繰り返し単位を含む。
例えば、ポリマーは、以下の式(Ia)、(Ib)および(Ic)からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む第1繰り返し単位を含むことができる:
(式(Ia)、(Ib)および(Ic)中の各Qは、独立して、アルキレンまたはヘテロアルキレンを表し;式(Ia)、(Ib)および(Ic)中のRa〜Ra、Rb〜Rb27、およびRc〜Rc14は、それぞれ独立して、水素、直鎖状もしくは分岐状の場合により置換されたC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、および場合により置換されたC〜C10アリールからなる群から選択される)。
従来のフォトリフラクティブ組成物(それは大きな外部バイアス電圧の印加によりレーザー照射に反応する)と違って、回折格子は、外部バイアス電圧をほとんどまたは全く使用しないで、本明細書に記述された好ましい組成物へ書き込み、そして、読み出すことができる。さらにまた、好ましい組成物の回折格子挙動は、熱処理を用いて制御することができる。回折格子の挙動を制御することは、回折格子信号の強度を増大または増加させることを含むことができる。回折格子信号を制御することは、また、回折格子信号をオンおよびオフに切り替えることを含むことができる。好ましいフォトリフラクティブ組成物は、また、優れた相安定性を示す。
フォトリフラクティブ組成物中に回折格子を形成させる方法もまた、本明細書に記述される。1つの実施形態では、この方法は、本明細書に記述される光学装置を提供する工程、およびレーザービームを用いて光学装置中のフォトリフラクティブ組成物を照射する工程を含む。1つの実施形態では、レーザービームは、緑色レーザーである。1つの実施形態では、レーザービームは、赤色レーザーである。1つの実施形態では、回折格子は、外部バイアス電圧を印加することなく、フォトリフラクティブ組成物に書き込むことができる。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく読み出すことができる。
光学装置の1つの実施形態の平面図を示す。 光学装置の1つの実施形態の断面図を示す。
1つの実施形態は、少なくとも2つの不活性層と、フォトリフラクティブ組成物を含むフォトリフラクティブ層とを含む光学装置を提供し、ここで、フォトリフラクティブ層は、2つの不活性層の間に挟まれている。追加層も光学装置に存在することができる。図1Aと1Bは、本明細書に記述される光学装置10の平面図と断面図をそれぞれ図示する。図面は、原寸の縮尺で描かれてはいない。図1Bで分かるように、ポリマーと増感剤とを含むフォトリフラクティブ層12は、スペーサー14により離れて保持される2つの不活性層20の間に挟まれている。この実施形態では、フォトリフラクティブ層12とスペーサー14で占められるスペースの量は、通常、図1Aで図示される。装置10は、酸化インジウムスズ(ITO)18で被覆されているガラス基板16をさらに含むことができる。好ましくは、ガラス基板のITO18部分は、不活性層20に隣接している。
本明細書に記述されるフォトリフラクティブ組成物は、増感剤とポリマーを含み、それは、この組成物がレーザービーム照射によりフォトリフラクティブ挙動を示すように処方される。いくつかの実施形態では、組成物は、連続波レーザー照射によりフォトリフラクティブとすることができる。1つの実施形態では、ポリマーは、上記したように、カルバゾール部分(式(Ia)によって表される)、テトラフェニルジアミノビフェニル部分(式(Ib)によって表される)、およびトリフェニルアミン部分(式(Ic)によって表される)からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む繰り返し単位を含む。
式(Ia)、(Ib)、および(Ic)中のアルキル基、ヘテロアルキル基、またはアリール基のそれぞれは、1つ以上の置換基で「場合により置換される」ことができる。置換される場合には、置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリシクリル、アラルキル、ヘテロアラルキル、(ヘテロアリシクリル)アルキル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、エステル、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、保護されたC−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、およびアミノ(モノ−およびジ−置換アミノ基を含む)、ならびにそれらの保護された誘導体から個々に、独立して選択された1つ以上の基である。置換基のいくつかの非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、ペントキシド、およびフェニルが挙げられる。
本明細書中で記述される様々な式(式(Ia)、(Ib)、および(Ic)を含む)中のQにより表されるアルキレン基またはヘテロアルキレン基は、1から約20までの炭素原子を含むことができる。1つの実施形態では、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)中のQは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、およびヘプチレンからなる群から選択され、それらは各々、O、N、またはSなどのヘテロ原子を場合により含んでいてもよい。ヘテロアルキレン基は、1つ以上のヘテロ原子を含むことができる。O、N、S、およびそれらの任意の組み合わせを含めて、いかなるヘテロ原子やヘテロ原子のいかなる組み合わせでも使用することができる。
いくつかの実施形態では、式(Ia)、(Ib)、および(Ic)のうちの少なくとも1つを含む第1繰り返し単位を含むポリマーは、フォトリフラクティブ組成物の電荷輸送成分を形成するように重合または共重合されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、それらの部分の1つだけを単独で含む第1繰り返し単位を含むポリマーは、フォトリフラクティブポリマーを形成するために重合できる。いくつかの実施形態では、例えば、2つ以上の部分は、また、フォトリフラクティブポリマーを形成するためにコポリマー中に存在していてもよい。これらの部分のうちの1つ、2つ、または3つさえをも含むポリマーまたはコポリマーは、好ましくは、電荷輸送能を有する。
式(Ia)、(Ib)、および(Ic)の部分は、それぞれ、ポリマー骨格に結合することができる。ポリウレタン、エポキシポリマー、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリシロキサン、およびポリアクリレートを含むけれども、それらに制限されない多くのポリマー骨格は、適切な側鎖が結合しており、フォトリフラクティブ組成物のポリマーを作るために使用できる。いくつかの実施形態は、アクリレートまたはスチレンに基づく骨格単位を含み、好ましい骨格単位のいくつかは、アクリレート系モノマーから形成され、いくつかは、メタクリレートモノマーから形成される。ポリマー自体に光導電性を含む最初のポリマー材料は、アリゾナ大学で開発されたポリビニルカルバゾール材料であったと考えられている。しかしながら、これらのポリビニルカルバゾールポリマーは、フォトリフラクティブ装置での使用のためにポリマーをフィルムまたは他の形状とするのに典型的に使用される熱処理方法に付された場合、粘着性でねばねばするようになる傾向がある。
本明細書で記述される実施形態において使用される(メタ)アクリレート系およびアクリレート系のポリマーは、優れた熱特性および機械特性を有する。そのようなポリマーは、特にポリマーがラジカル重合で調製されるとき、射出成形または押出しの処理の間に耐久性がある。いくつかの実施形態は、増感剤およびレーザービーム照射で活性化されるフォトリフラクティブポリマーを含む組成物を提供し、ここで、該フォトリフラクティブポリマーは、以下の式からなる群から選択される繰り返し単位を含む。
1つの実施形態では、式(Ia’)、(Ib’)および(Ic’)中の各Qは、独立して、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表す。1つの実施形態では、式(Ia’)、(Ib’)および(Ic’)中のRa〜Ra、Rb〜Rb27、およびRc〜Rc14は、それぞれ独立して、水素、直鎖状または分岐状の場合により置換されたC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、および場合により置換されたC〜C10アリールからなる群から選択される。ヘテロアルキレン基またはヘテロアルキル基中のヘテロ原子は、S、N、またはOから選択される1つ以上のヘテロ原子を有することができる。
いくつかの実施形態では、式(Ia’)、(Ib’)および(Ic’)のうちの少なくとも1つの部分を含む少なくとも1つの繰り返し単位を含むポリマーもまた、電荷輸送能を提供するフォトリフラクティブポリマーを形成するために重合または共重合することができる。いくつかの実施形態では、フェニルアミン誘導体を含むモノマーを共重合して、同様に電荷輸送成分を形成することができる。そのようなモノマーの非限定的な例は、カルバゾリルプロピル(メタ)アクリレートモノマー;4−(N,N−ジフェニルアミノ)−フェニルプロピル(メタ)アクリレート;N―[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル]−N,N’,N’−トリフェニル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;およびN−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−ブトキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンである。これらのモノマーは、それら自身によるポリマーの生成のために、あるいは例えば、2つ以上のモノマーの混合物の重合によるコポリマー−の生成のために使用することができる。
好ましい実施形態では、本明細書で記述されるフォトリフラクティブ組成物は、増感剤の配合により、レーザービーム照射でフォトリフラクティブとすることができる。ポリマーマトリックスへの配合の際、レーザービームに感受性がある任意の成分を増感剤として使うことができる。増感剤は、ポリマーとの混合物として組成物に添加することができ、そして/または、例えば、共有結合または他の結合によりポリマーへ直接的に結合することができる。1つの実施形態では、増感剤は、式(V)、(VI)、または(VII)の構造を有する分子を含む:
(式中、Re〜Re、Rf〜Rf、およびRg〜Rgは、それぞれ独立して、水素、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、C〜C10アリール、およびハロゲンからなる群から選択される)。例えば、共有結合によって直接ポリマーに結合しているときは、そのような結合は、Re〜Re、Rf〜Rf、およびRg〜Rgのいずれかで起こりうる。例えば、増感剤は、共重合されるモノマーに結合することができる。
代替的に、あるいは増感剤をポリマーに結合させることに加えて、増感剤を別個の成分として組成物に添加することもできる。1つの実施形態では、増感剤は、アントラキノン、2−ニトロ−9−フルオレノン、および2,7−ジニトロ−9−フルオレノン、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
1つの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、アントラキノン、2−ニトロ−9−フルオレノンおよび2,7−ジニトロ−9−フルオレノン以外の増感剤をさらに含むことができる。しかし、追加の増感剤の含有は、フォトリフラクティブ組成物がレーザービームへの曝露の際に照射されるのを可能にする必要がある。他の増感剤は、フラーレンおよびその誘導体を含む。「フラーレン」は、中空球、楕円面、チューブ、または平面の形態の炭素分子、およびその誘導体である。球形のフラーレンの1つの例がC60である。フラーレンは、一般に、もっぱら炭素分子からなるけれども、他の原子、例えば、フラーレンに結合した1つ以上の置換基を含むフラーレン誘導体であってもよい。1つの実施形態では、増感剤は、C60、C70、C84から選択されるフラーレンであり、それらの各々は、場合により置換されていてもよい。1つの実施形態では、フラーレンは、可溶性C60誘導体[6,6]−フェニル−C61−ブチル酸−メチルエステル、可溶性C70誘導体[6,6]−フェニル−C71−ブチル酸−メチルエステル、または可溶性C84誘導体[6,6]−フェニル−C85−ブチル酸−メチルエステルから選択される。フラーレンは、また、単一壁または多重壁のカーボンナノチューブの形態でありうる。単一壁または多重壁のカーボンナノチューブは、場合により1つ以上の置換基で置換されることができる。
フォトリフラクティブ組成物中の増感剤の量は、変動しうる。1つの実施形態では、増感剤は、組成物の重量に基づき約0.01%から約30%の範囲の量で組成物中に提供される。1つの実施形態では、増感剤は、組成物の重量に基づき約0.01%から約20%の範囲の量で組成物中に提供される。1つの実施形態では、増感剤は、組成物の重量に基づき約0.1%から約10%の範囲の量で組成物中に提供される。1つの実施形態では、増感剤は、組成物の重量に基づき約1%から約5%の範囲の量で組成物中に提供される。
いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、非線形光学機能性を有する別の成分をさらに含む。増感剤のように、非線形光学機能性を有する部分や発色団は、組成物への添加剤として、あるいは共重合されるモノマーに結合する官能基として、ポリマーマトリックス中に配合されてもよい。部分または発色団は、非線形光学能を提供する当該分野で公知の任意の基でありうる。
1つの実施形態では、他の非線形光学部分は、組成物中に組み入れることができる。いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、1つ以上の非線形光学部分を有するさらなる繰り返し単位を含む。いくつかの実施形態では、非線形光学部分は、共重合して電荷輸送部分を有するポリマーを形成するモノマーに結合している基として存在しうる。いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブポリマーは、以下の式により表される第2繰り返し単位をさらに含む:
(式(IIa)中のQは、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し、前記ヘテロアルキレン基は、S,N、またはOから選択される1つ以上のヘテロ原子を有し;式(IIa)中のRは、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択され;式(IIa)中のGは、π−共役基であり;式(IIa)中のEacptは、電子受容体基である)。いくつかの実施形態では、式(IIa)中のRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルから選択されるアルキル基である。いくつかの実施形態では、式(IIa)中のQは、(CHで表されるアルキレン基であり、ここで、pは約2〜約10の範囲である。いくつかの実施形態では、式(IIa)中のQは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、およびヘプチレンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブポリマーは、以下の式により表される第2繰り返し単位を含む:
(式(IIa’)中のQは、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し、該ヘテロアルキレン基は、SまたはOなどの1つ以上のヘテロ原子を有し;式(IIa’)中のRは、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択され;式(IIa’)中のGは、π−共役基であり;式(IIa’)中のEacptは、電子受容体基である)。いくつかの実施形態では、式(IIa’)中のRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルから選択されるアルキル基である。いくつかの実施形態では、式(IIa’)中のQは、(CHで表されるアルキレン基であり、ここで、pは約2〜約10の範囲である。いくつかの実施形態では、式(IIa’)中のQは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、およびヘプチレンからなる群から選択される。
「π−共役基」という用語は、π−共役結合を含む分子フラグメントを意味する。π−共役結合は、原子軌道の重なりによって2つの原子間に形成されるσ結合およびπ結合(σ結合に対してs+p混成原子軌道;π結合に対してp原子軌道)を有する原子間の共有結合を意味する。いくつかの実施形態では、式(IIa)および(IIa’)中のGは、以下から選択される式により独立して表される:
(式中、式(G−1)および(G−2)中のRd〜Rdは、それぞれ独立して、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、C〜C10アリール、およびハロゲンからなる群から選択され;式(G−1)および(G−2)中のRは、独立して、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。
「電子受容体基」という用語は、π−共役基に結合可能な高い電子親和性を有する原子の基を意味する。典型的な受容体を強度が増加していく順に示すと以下の通りである:C(O)NR<C(O)NHR<C(O)NH<C(O)OR<C(O)OH<C(O)R<C(O)H<CN<S(O)R<NO、ここで、これらの電子受容体における各Rは、独立して、例えば、水素、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキル、またはC〜C10アリールであってよい。米国特許第6,267,913号に示されるように、電子受容体基の例としては、以下のものを含む:
(式中、上記化合物のそれぞれにおけるRは、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から独立して選択される)。化学構造式中、「‡」の記号は、他の化学基に結合する原子を特定しており、「‡」がない場合の構造によって通常意味される水素が1つ欠落していることを示す。
いくつかの実施形態では、式(IIa)および(IIa’)中のEacptは、独立して、酸素であるか、または以下の式からなる群から選択される式により表される部分であってもよい:
(上記式におけるR、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。
非線形光学成分含有コポリマーを調製するために、非線形光学能を備えている側鎖基を有するモノマーを使用することが可能である。そのようなモノマーの非限定的な例は、以下を含む:
(式中、上記モノマー中の各Qは、独立して、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し、該ヘテロアルキレン基は、O、N、またはSなどの1つ以上のヘテロ原子を有し;上記モノマー中の各Rは、独立して、水素またはメチルから選択され;上記モノマー中の各Rは、独立して、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキルから選択される)。いくつかの実施形態では、上記モノマー中のQは、(CHで表されるアルキレン基であってもよく、ここで、pは約2〜約6の範囲である。いくつかの実施形態では、上記モノマー中の各Rは、独立して、メチル、エチル、およびプロピルからなる群から選択されてもよい。)。
いくつかの実施形態では、発色団を含むモノマーは、非線形光学成分含有ポリマーを調製するのに用いることもできる。非線形光学成分として発色団基を含むモノマーの非限定的な例としては、N−エチル,N−4−ジシアノメチリデニルアクリレートおよびN−エチル,N−4−ジシアノメチリデニル−3,4,5,6,10−ペンタヒドロナフチルペンチルアクリレートが挙げられる。
フォトリフラクティブ組成物中の発色団の量は、変動しうる。1つの実施形態では、発色団は、組成物の重量に対して約0.1%〜約70%の範囲の量で組成物に提供される。1つの実施形態では、発色団は、組成物の重量に対して約5%〜約60%の範囲の量で組成物に提供される。1つの実施形態では、発色団は、組成物の重量に対して約10%〜約50%の範囲の量で組成物に提供される。1つの実施形態では、発色団は、組成物の重量に対して約20%〜約40%の範囲の量で組成物に提供される。
本明細書で記述されるポリマーは、いろいろな方法、例えば、対応するモノマーまたはその前駆体の重合によって調製することができる。重合は、本明細書に提供されているガイダンスで知られるように、当業者に公知の方法によって実施されうる。いくつかの実施形態では、AIBN(アゾイソブチルニトリル)などのアゾタイプの開始剤を用いるラジカル重合が実施されうる。ラジカル重合技術は、電荷輸送基、増感剤基、および非線形光学基を含むランダムコポリマーまたはブロックコポリマーを調製することを可能とする。さらに、本明細書に記述される技術に従うことによって、非常に優れた特性(例えば、光導電性と回折効率)を有するそのような材料を調製することが可能である。ラジカル重合法の1つの実施形態では、重合触媒は、全重合性モノマーのモルにつき0.01モル%〜5モル%、または0.1モル%〜1モル%の量で通常使用される。
いくつかの実施形態では、ラジカル重合は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、またはヘリウム)の下で、および/または溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸ブチル、トルエンまたはキシレン)の存在下で実施することができる。重合は、約1Kgf/cm〜約50Kgf/cmまたは約1Kgf/cm〜約5Kgf/cmの範囲の圧力下で実施されうる。いくつかの実施形態では、溶媒中の全重合性モノマーの濃度は、約0.99重量%〜約50重量%、好ましくは約2重量%〜約9.1重量%であってよい。重合は、約50℃〜約100℃の範囲の温度で実施することが可能であり、重合は、望ましい最終的な分子量、重合温度に依存し、重合率を考慮して約1〜約100時間続行することが可能である。
いくつかの実施形態は、コポリマーを調製するために、非線形光学能についての官能基を有する前駆体モノマーの使用を伴う重合方法を提供する。前駆体は、以下の式で表すことが可能である:
(式中、(P1)中のRは、水素またはメチルであり、(P1)中のVは、式(V−1)および(V−2)から選択される基である:
式中、(V1)および(V2)中の各Qは、独立して、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し、該ヘテロアルキレン基は、OおよびSなどの1つ以上のヘテロ原子を有し;(V1)および(V2)中のRd〜Rdは、それぞれ独立して、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択され;(V1)および(V2)中のRは、C〜C10アルキル(分岐状または直鎖状)である)。いくつかの実施形態では、(V1)および(V2)中のQは、独立して、(CHで表されるアルキレン基であってもよく、ここで、pは約2から約6の範囲である。いくつかの実施形態では、(V1)および(V2)中のRは、独立して、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルからなる群から選択される。1つの実施形態では、(V1)および(V2)中のRd〜Rdは、水素である。
いくつかの実施形態では、前駆体モノマーの重合方法は、上記したのと一般的に類似した条件下で実施することができる。前駆体コポリマーが形成された後、それを縮合反応により非線形光学基と非線形光学能を有する対応するコポリマーに変換することができる。いくつかの実施形態では、縮合試薬は、以下の式から選択されうる:
(式中、上記縮合試薬のR、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、C〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。前記アルキル基は、分岐状であってもよく、あるいは直鎖状であってもよい。
いくつかの実施形態では、前駆体ポリマーと縮合試薬の間の縮合反応は、ピリジン誘導体触媒の存在下、室温で約1〜約100時間実施することができる。いくつかの実施形態では、酢酸ブチル、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、またはキシレンなどの溶媒を使用することもできる。いくつかの実施形態では、反応は、触媒なしで30℃以上の溶媒の還流温度で約1時間〜約100時間、実施することができる。
ポリマーマトリックス中で非線形光学特性を有する他の発色団は、米国特許第5,064,264号(引用により本明細書に援用される)に記載されており、また、いくつかの実施形態で使用することが可能である。当該分野で公知のさらなる適切な材料が、また、使用される場合があり、D.S.Chemla & J.Zyss,“Nonlinear Optical Properties of Organic Molecules and Crystals”(Academic Press,1987)などの文献によく記載されている。米国特許第6,090,332号は、熱安定フォトリフラクティブ組成物を形成することができる縮合環ブリッジおよび環ロック型発色団を記述しており、それらもまた有用である。選択された化合物(複数も可)は、しばしば、約1重量%〜約50重量%の濃度で、コポリマー中に混合される。
いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、可塑剤をさらに含む。フタレート誘導体または低分子量の正孔移動化合物(例えば、N−アルキルカルバゾールまたはトリフェニルアミン誘導体またはアセチルカルバゾールまたはトリフェニルアミン誘導体)などの任意の市販可塑剤をポリマーマトリックスに取り込んでもよい。電子受容体基を含むN−アルキルカルバゾールまたはトリフェニルアミン誘導体は、フォトリフラクティブ組成物をより安定化するのを助けることができる適切な可塑剤である。その理由は、その可塑剤は、1つの化合物の中にN−アルキルカルバゾールまたはトリフェニルアミン部分と非線形光学部分とを両方含んでいるからである。
可塑剤の他の非限定的な例としては、エチルカルバゾール;4−(N,N−ジフェニルアミノ)−フェニルプロピルアセテート;4−(N,N−ジフェニルアミノ)−フェニルメチルオキシアセテート;N−(アセトキシプロピルフェニル)−N,N’,N’−トリフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N−(アセトキシプロピルフェニル)−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;およびN−(アセトキシプロピルフェニル)−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−ブトキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンが挙げられる。そのような化合物は、単独で使用してもよく、あるいは2種以上の可塑剤の混合物として使用してもよい。また、未重合モノマーは、低分子量の正孔移動化合物、例えば、4−(N,N−ジフェニルアミノ)−フェニルプロピル(メタ)アクリレート;N−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;N−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル]−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン;およびN−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル]−N’−フェニル−N,N’−ジ(4−ブトキシフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンであり得る。そのようなモノマーは、単独であるいは2種以上のモノマーの混合物として使用することができる。
いくつかの実施形態では、可塑剤は、N−アルキルカルバゾールまたはトリフェニルアミン誘導体から選択されうる:
(式中、Ra、Rb〜Rb、およびRc〜Rcは、それぞれ独立して、水素、分岐状もしくは直鎖状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される;各pは、独立して、0または1である;Eacptは、酸素、または以下の構造からなる群から選択される構造で表される部分などの電子受容体基である:
式(E−3)、(E−4)、(E−5)、および(E−6)中のR、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、直鎖状または分岐状のC〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。
いくつかの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物は、光導電(電荷輸送)能と非線形光学能を提供するコポリマーを含む。フォトリフラクティブ組成物は、また、所望の他の成分(例えば、可塑剤成分)を含んでもよい。いくつかの実施形態は、コポリマーを含むフォトリフラクティブ組成物を提供する。コポリマーは、電荷輸送能を有する第1部分を含む第1繰り返し単位、非線形光学能を有する第2部分を含む第2繰り返し単位、および可塑性を有する第3部分を含む第3繰り返し単位を含むことが可能である。
コポリマーを形成する際に使用される異なるタイプのモノマーの割合は、広範囲にわたって変動しうる。いくつかの実施形態は、電荷輸送能を有する第1繰り返し単位と非線形光学能を有する第2繰り返し単位とを有するフォトリフラクティブ組成物を提供し、第1繰り返し単位の第2繰り返し単位に対する重量比率は、約100:1〜約0.5:1、好ましくは、約10:1〜約1:1である。そのような第1繰り返し単位の第2繰り返し単位に対する重量比率が、約0.5:1より小さいとき、コポリマーの電荷輸送能は非常に弱く、十分なフォトリフラクティブ特性を与えることができなくなる場合がある。しかし、そのような低い比率でも、非線形光学能を有する低分子量成分(例えば、本明細書の他の場所に記載される)を加えることによって十分なフォトリフラクティブ特性を提供することがなお可能である。そのような第1繰り返し単位のそのような第2繰り返し単位に対する重量比率が、約100:1より大きいとき、コポリマー自体の非線形光学能は非常に低く、フォトリフラクティブ特性を提供することができなくなる場合がある。しかし、そのような高い比率の場合でも、上述した電荷輸送能を有する低分子量成分(例えば、本明細書の他の場所に記載される)を加えることによってフォトリフラクティブ特性を増強することができる。
いくつかの実施形態では、コポリマーの分子量とガラス転移温度(Tg)は、望ましい物理特性を提供するために選択される。いくつかの実施形態では、ポリマーが、標準ポリマー加工技術(例えば、溶媒コーティング、射出成形、押し出し加工)によって、様々な種類のフィルム、コーティングおよび成形体に形成しうることは、必須でないけれども有用であって望ましい。
いくつかの実施形態では、ポリマーは、約3,000から500,000の範囲、好ましくは約5,000から100,000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。本明細書で使用される場合、「重量平均分子量」という用語は、当該分野で周知のように、ポリスチレン標準を用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により決定される値を意味する。いくつかの実施形態では、さらなる利益が、可塑剤に対する依存性を減少させることによって提供することが可能である。本質的に適度のTgを有するコポリマーを選択することにより、そして、平均Tgを下げる傾向がある方法を用いることにより、組成物中の可塑剤の量を約30%以下または25%以下に、そして、いくつかの実施形態では、約20%以下に制限することが可能である。いくつかの実施形態では、レーザービームによって活性化されることができるフォトリフラクティブ組成物は、約105μmの厚さと、約30%を超える透過率、より好ましくは約40%〜約90%の透過率を有することが可能である。レーザービームによって照射される場合に、フォトリフラクティブ組成物が105μmの厚さで約30%を超える透過率を有するならば、レーザービームは、組成物を円滑に通過して回折格子画像と信号を形成することができる。
1つの実施形態は、レーザービーム照射によりフォトリフラクティブとなるフォトリフラクティブ組成物を提供し、ここで、フォトリフラクティブ組成物は、上で定義される式(Ia)、(Ib)および(Ic)からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む第1繰り返し単位を含むポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、式(IIa)および発色団から選択される少なくとも1つの部分を含む第2繰り返し単位をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、式(IIa’)の繰り返し単位をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態では、ポリマーは、式(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)から選択される少なくとも1つの部分を含む第3繰り返し単位をさらに含んでもよい。1つの実施形態では、光学装置は、本明細書に記述されるフォトリフラクティブ組成物の任意の1つを含む。
フォトリフラクティブ組成物を含む光学装置は多様であり得る。フォトリフラクティブ組成物を含む光学装置の例としては、高密度光学データ記憶装置、ダイナミックホログラフィー装置、光学画像処理装置、位相共役鏡、光演算装置、光スイッチング装置、並列光論理演算装置およびパターン認識装置が挙げられる。ここに記述される装置のフォトリフラクティブ組成物の熱的に制御可能な挙動と特徴的な回折格子増強効果は、センサーアプリケーションと光学フィルタアプリケーションを非常に増強することができる。
多くの現在利用可能なフォトリフラクティブポリマーは、相安定性に乏しく、数日後にはかすんだようになる場合がある。フォトリフラクティブポリマーを含むフィルム組成物が、かなりのかすみを示す場合には、劣ったフォトリフラクティブ特性が典型的に示される。フィルム組成物のかすみは、通常いくつかのフォトリフラクティブ成分間の非相溶性から生じる。例えば、電荷輸送能成分と非線形光学成分との両方を含むフォトリフラクティブ組成物は、電荷輸送能を有する成分が通常疎水性で無極性であるのに対して、非線形光学能を有する成分は通常親水性で極性であるので、かすみを示す場合がある。その結果、組成物の当然の傾向として相が分離し、したがって、かすみを生じる。
しかし、本明細書に提示される好ましい実施形態は、数カ月経っても優れた相安定性を示し、かすみを与えなかった。組成物が非常に安定で、ほとんどまたは全く相分離を示さないので、そのような組成物は優れたフォトリフラクティブ特性を保持する。理論に束縛されるものではないが、安定性は、増感剤および/または増感剤と種々の発色団との混合物におそらく起因している。さらに、マトリックスポリマー系は、電荷輸送能を有する成分と非線形光学能を有する成分とのコポリマーとすることができる。つまり、電荷輸送能を有する成分と非線形光学能を有する成分は、1つのポリマー鎖中で共存することができ、したがって、重大で有害な相分離を難しくして、起こらないようにしている。
さらに、熱は通常、相分離の割合を増加させるが、本明細書に記述される好ましい組成物は、加熱された後でさえ、優れた相安定性を示す。加速加熱試験で、約40℃、約60℃、約80℃、および約120℃で加熱された試験サンプルは、数日後でも、数週間後でも、そして、時には6カ月後にさえ安定であることが分かる。優れた相安定性は、コポリマーをさらに加工し、いろいろな商品のための光学装置アプリケーションに組み込むことを可能とする。
好ましいフォトリフラクティブ装置については、通常、フォトリフラクティブ層の厚さは、約10μm〜約200μmの範囲にある。好ましくは、厚さの範囲は、約30μm〜約150μmの範囲にある。多くの場合、サンプルの厚さが10μm未満であるならば、回析された信号は、所望のBragg回折領域でなく、Raman−Nathan領域にあり、適切な回折格子挙動を示さない。一方、サンプルの厚さが200μmを超えると、レーザービームに対する組成物透過率は、しばしば著しく減少して回折格子信号がほとんどあるいは全く生じない場合がある。
いくつかの実施形態では、組成物は、約500nm〜約700nmの波長のレーザービームを透過するように構成される。1つの実施形態では、組成物は、532nmの波長のレーザー光を透過する。フォトリフラクティブ層の厚さは、組成物透過率に影響を及ぼすことができる。したがって、フォトリフラクティブ組成物を含むフォトリフラクティブ層の厚さをコントロールすることによって、光変調特性は、所望通りに調整されることができる。透過率が低いとき、レーザービームは、その層を通過せずに回折格子画像と信号とを形成しない場合がある。一方、吸収が0%であれば、レーザエネルギーは全く吸収されず、回折格子信号を発生させることができない。いくつかの実施形態では、透過率の適切な範囲は、約10%〜約99.99%、約30%〜約99.9%、または35約%〜約90%である。線形透過率を測定してフォトリフラクティブ装置の吸収係数を決定した。測定値に関しては、フォトリフラクティブ層は、層面と垂直をなす入射経路で約532nmのレーザービームに照射された。フォトリフラクティブ層を通過する前後のビーム強度をモニターし、サンプルの線形透過率は以下の式:
T=I透過/I入射
によって与えられる。
レーザーの波長は、特に制限されないが、通常、約500nm〜約700nmの範囲にある。レーザー光源として、一般的に、広く利用可能な532nmのレーザーを使用することができる。
本明細書に記述される好ましいフォトリフラクティブ組成物のいろいろな長所のうちの1つは、長い回折格子保持時間である。より長い回折格子保持は、フォトリフラクティブ組成物がホログラフィックデータ記憶や画像記録などの用途のために使用されるのを可能とする。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、1時間以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、4時間以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、1日以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、2日以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、1週間以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、1カ月以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、6カ月以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、1年以上である。1つの実施形態では、回折格子保持時間は、ほとんど永久的、例えば、10年以上である。
さらに、好ましい実施形態では、長い保持時間の回折格子信号は、外部の電界(バイアス電圧として表される)を使うことなく書き込むことができるが、バイアス電圧を場合により使用することもできる。好ましくは、回折格子信号は、外部バイアス電圧なしで読み出すこともできる。外部バイアス電圧をほとんどまたは全く使わないで信号を読み出す、および/または書き込む能力は、本明細書に記述されるフォトリフラクティブ組成物で使われる増感剤のタイプと量の適切な選択によって成し遂げることができる。1つの実施形態では、本明細書に記述されるフォトリフラクティブ組成物は、ゼロバイアス電圧で、数分から数時間の回折格子保持時間を示した。
好ましい実施形態では、光学装置においてフォトリフラクティブ組成物を含むフォトリフラクティブ層は、2つの不活性層の間に挟まれている。フォトリフラクティブ層を2つの不活性層の間に挟むことは、フォトリフラクティブ層に提供される回折格子を熱的に制御するのに好ましい方法であるが、他の方法も同様に使用してもよい。例えば、回折格子は「オン」および「オフ」に切り替えることができて、光学装置での異なる温度で、「オン」または「オフ」のどちらかの位置に維持することができる。
1つの実施形態では、少なくとも2つの不活性層は、それぞれ独立して、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、架橋性ポリイミド、非架橋性ポリイミド、ポリカーボネート、非晶質ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含む。フォトリフラクティブ層が、依然として熱的に制御されることができる限り、他の材料もまた、不活性層の各々に含めることができる。そのような他の材料は、例えば、ゾル−ゲル、ポリ(4−ビニルフェノール)、およびエポキシポリマーに由来する層を含む。
追加的な層を光学装置にさらに提供することができる。1つの実施形態では、光学装置は、酸化インジウムスズ(ITO)被覆ガラスプレートを2層さらに含み、そこでは、フォトリフラクティブ層と2つの不活性層が、ガラスプレートの間に挟まれている。好ましくは、ガラス基板のITO部分は、不活性層に隣接している。
各々の層の厚さは、独立して選択することができる。1つの実施形態では、不活性層の各々の厚さは、約0.01μm〜約100μmの範囲である。1つの実施形態では、不活性層の各々の厚さは、約0.05μm〜約50μmの範囲である。1つの実施形態では、不活性層の各々の厚さは、約0.1μm〜約20μmの範囲である。1つの実施形態では、不活性層の各々の厚さは、約0.1μm〜約10μmの範囲である。1つの実施形態では、不活性層の各々の厚さは、約1μm〜約5μmの範囲である。存在しているときには、ガラス層上のITO材料の厚さは、また、変動することができる。1つの実施形態では、ガラス基板上のITOの厚さは、約0.01μm〜約1μmの範囲である。1つの実施形態では、ガラス基板上のITOの厚さは、約0.05μm〜約0.5μmの範囲である。1つの実施形態では、ガラス基板上のITOの厚さは、約0.1μm〜約0.3μmの範囲である。
1つの実施形態は、本明細書に記述される光学装置を用いてフォトリフラクティブ組成物に回折格子を形成する方法を提供する。1つの実施形態では、外部バイアス電圧をほとんどまたは全く印加しないでフォトリフラクティブ組成物に照射される回折格子を読み出すことができるように、フォトリフラクティブ組成物は処方される。1つの実施形態では、その方法は、フォトリフラクティブ組成物を含む光学装置を提供する工程、およびフォトリフラクティブ組成物をレーザービームで照射する工程を含む。1つの実施形態では、回折格子は、フォトリフラクティブ組成物に書き込まれる。1つの実施形態では、回折格子は、外部バイアス電圧を印加することなく、フォトリフラクティブ組成物に書き込まれる。1つの実施形態では、回折格子信号は、装置から読み出される。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、装置から読み出される。1つの実施形態では、レーザーの波長は、約500nm〜約700nmの範囲である。1つの実施形態では、レーザーの波長は、約532nmである。
回折格子信号は、フォトリフラクティブ組成物の熱処理によって、例えば、温度を変えることによって制御することができる。例えば、回折格子信号の強度は、熱処理によって増強することができる。1つの実施形態では、回折格子信号は、フォトリフラクティブ組成物を加熱することにより「オフ」にし、フォトリフラクティブ組成物を冷却、例えば、室温にすることによって「オン」にすることができる。別の実施形態では、回折格子信号は、フォトリフラクティブ組成物を加熱することにより「オン」にし、フォトリフラクティブ組成物を冷却、例えば、室温にすることによって「オフ」にすることができる。回折格子信号が熱処理によって制御される方法は、回折格子が予熱されたフォトリフラクティブ組成物に書き込まれるのか、あるいは予熱されていないフォトリフラクティブ組成物に書き込まれるかどうかに依存する。
1つの実施形態では、回折格子信号は、熱処理によって増強される。室温、例えば、約16℃〜約24℃の範囲での数分間にわたる、装置におけるフォトリフラクティブ組成物のレーザービーム照射は、最初に比較的弱い回折格子信号を有する組成物を提供する。例えば、回折格子信号は、約0.2μw未満、または約0.1μw未満でさえありうる。この信号は非常に弱いので、当業者は、それは「オフ」の状態であり、有用な回折格子信号を提供するには不十分であると考えるであろう。しかし、熱処理を用いて回折格子信号を増強することができる。フォトリフラクティブ組成物がより高い温度まで加熱されるので、回折格子信号は非常に弱いままの状態であり、実際にはもっと弱くなることがある。フォトリフラクティブ組成物が加熱のピーク温度に保たれるとき、回折格子信号はまた、弱いままかもしれない。しかし、熱が取り除かれて組成物が室温に戻された後は、回折格子信号の改善を観察することができる。このように、1つの実施形態では、組成物が室温に達する時間までには、より強い回折格子信号が発生する。増強された回折格子信号の程度は、オシロスコープなどの既知の方法を使用して、リアルタイムでモニターすることができる。
熱処理が取り除かれた後に回折格子信号の強度が増加する限り、照射後の熱処理のために選択される「より高い」温度は、変動しうる。1つの実施形態では、より高い温度は、約40℃〜約80℃の範囲である。1つの実施形態では、より高い温度は、約50℃〜約70℃の範囲である。1つの実施形態では、より高い温度は、約55℃〜約65℃の範囲である。1つの実施形態では、より高い温度は、約60℃である。好ましくは、フォトリフラクティブ組成物は、冷却する前に、数分間にわたって、より高い温度に保持される。熱処理の持続時間は、変動しうる。1つの実施形態では、熱処理は、約1分〜約20分の範囲である。1つの実施形態では、熱処理は、約2分〜約10分の範囲である。1つの実施形態では、熱処理は、約3分〜約5分の範囲である。
最初の熱処理後の増加した回折格子信号の強度は、熱処理のない回折格子の強度より約2倍強い。1つの実施形態では、回折格子信号の強度は、熱処理のない回折格子の強度より約4倍強い。1つの実施形態では、回折格子信号の強度は、熱処理のない回折格子の強度より約10倍強い。1つの実施形態では、回折格子信号の強度は、熱処理のない回折格子の強度より約20倍強い。室温でのフォトリフラクティブ組成物の回折格子信号は、1回の熱処理の後で非常に改善されるけれども、その信号は熱処理を繰り返すことによってさらに改善することができる。組成物を加熱し、それをより高い温度に戻した後では、回折格子信号は、もう一度、非常に弱いものに戻る。1つの実施形態では、繰り返しの熱処理は、温度の点で初期の熱処理と実質的に類似している。1つの実施形態では、繰り返しの熱処理は、持続時間の点で実質的に初期の熱処理と同様である。
フォトリフラクティブ組成物は、それから、もう一度、室温に戻すことが可能である。室温での回折格子信号は、ある点まで、一般的に各々の熱処理の後で強度が増加する。いくつかの熱処理(例えば、約2回〜約10回の熱処理)の後、最大の回折格子信号を達成することができる。このように、得られる熱処理されたフォトリフラクティブ組成物は、室温で測定されるときは強い回折格子信号を、より高温で測定されるときは弱い回折格子信号を有する。
熱処理を使って回折格子信号を増強した後に、フォトリフラクティブ組成物の回折格子信号は、熱処理の適用および熱処理の除去によりそれぞれ「オフ」と「オン」にすることができる。本明細書に提供されるガイダンスを考慮して、当業者は、光学装置を高温に加熱して回折格子信号を「オフ」にすることができて、そして、光学装置から熱を取り除くことによって回折格子信号を「オン」にすることができる。
1つの実施形態は、光学装置の回折格子信号を変調するための方法を提供する。1つの実施形態では、その方法は、フォトリフラクティブ組成物と2つの不活性層とを含む光学装置を提供する工程を含み、光学装置に対しては、フォトリフラクティブ組成物を第1温度においてレーザービームにより照射することにより、回折格子がその中に書き込まれている。1つの実施形態では、回折格子は、初期熱処理で増強されている。1つの実施形態では、方法は、光学装置の温度を第2温度に増加させる工程を含み、そこでは、第1温度での回折格子信号の強度が、第2温度での回折格子信号の強度より高い。
例えば、回折格子がフォトリフラクティブ組成物に書き込まれるときの第1温度は、ほぼ室温とすることができる。1つの実施形態では、第1温度は、約16℃〜約24℃の範囲である。1つの実施形態では、第1温度は、約18℃〜約22℃の範囲である。1つの実施形態では、第1温度は、約19℃〜約21℃の範囲である。
回折格子が最初にフォトリフラクティブ組成物に書き込まれた後、回折格子信号の強度は、非常に弱いかもしれないが、前に述べたように増強することができる。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第1温度で測定される。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第2温度で測定される。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第1温度および第2温度で測定される。
光学装置を第2温度まで加熱することは、先に述べたように、回折格子信号を「オフ」とするのに効果的でありうる。1つの実施形態では、第2温度は、約40℃〜約80℃の範囲である。1つの実施形態では、第2温度は、約50℃〜約70℃の範囲である。1つの実施形態では、第2温度は、約55℃〜約65℃の範囲である。1つの実施形態では、第2温度は、約60℃の範囲である。
上記したように、第1温度での回折格子信号の強度は、第2温度での回折格子信号の強度より高くてもよい。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約50%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約60%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約70%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約75%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約80%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約90%高い。
光学装置が第2温度まで加熱され、そして、回折格子信号が弱められるか、またはオフとされた後、加熱を取り除くことができる。装置が第1温度に戻るにつれて、回折格子信号はおよそ元の強度に戻るか、あるいは上記したようにより強くなる。1つの実施形態では、該方法は、回折格子信号の強度が実質的に回復するか、あるいは増強されるように、光学装置の温度を減少させる工程をさらに含む。1つの実施形態では、回折格子信号は、光学装置の温度を減少させた後ではオンである。1つの実施形態では、回折格子信号は、およそ最大強度の回折格子信号に戻る。1つの実施形態では、温度は、第1温度とほぼ同じ温度に戻るように減少する。
回折格子信号をオフとするために光学装置を加熱する工程、および装置をオンにするために第1温度へ温度を減少させる工程は、何回も繰り返すことができる。1つの実施形態では、回折格子信号は、第1温度でオンであり、そして、回折格子信号は、第2温度でオフである。
回折格子をフォトリフラクティブ組成物から消去することも可能である。より高次の熱処理、例えば、約80℃または90℃より高い温度への熱処理は、回折格子信号を消去するのに用いることができる。回折格子がフォトリフラクティブ組成物から消去された後に、新しい回折格子をその中に照射しうる。したがって、光学装置は、異なる回折格子を照射するために再利用することができる。
別の実施形態では、加熱により回折格子信号を「オン」とし、冷却により回折格子信号を「オフ」とする逆の効果を達成することができる。そのような逆の実施形態は、予熱された、例えば、室温より上の温度に保持された組成物中に回折格子信号を照射することによって達成することができる。レーザービームで回折格子を書き込む前に、フォトリフラクティブ組成物は予熱される。「予熱」温度は、室温より上の温度である。例えば、予熱温度は、約25℃以上とすることができる。1つの実施形態では、予熱温度は、約30℃以上である。1つの実施形態では、予熱温度は、約35℃以上である。1つの実施形態では、予熱温度は、約40℃以上である。1つの実施形態では、予熱温度は、約45℃以上である。1つの実施形態では、予熱温度は、約50℃以上である。予熱温度でのフォトリフラクティブ組成物のレーザービーム照射により、回折格子信号は、照射の初期段階ですばやく観察される。例えば、1つの実施形態では、回折格子信号は、組成物が約35℃に保たれるとき、照射3分後の最大回折格子信号の半分の強さである。予熱温度で数分を超えて経過した後は、最大信号に達する。
信号の書き込みが完了した後、フォトリフラクティブ組成物から熱が取り除かれ、そして、装置は冷えてその予熱状態から室温に戻る。この実施形態では、装置が室温に達したとき、当業者がそれを「オフ」と考えるであろうくらいに、回折格子信号は非常に弱い。しかし、回折格子信号は、熱処理を光学装置に適用することによって、「オン」に戻すことができる。次いで、熱処理を繰り返し適用することにより、フォトリフラクティブ組成物での回折格子信号を効果的に「オン」にすることができ、次いで、熱処理を繰り返し取り除くことにより、回折格子信号を効果的に「オフ」にすることができる。
レーザービームでの照射前にフォトリフラクティブ組成物を予熱することは、回折格子をオンおよびオフにすることができる温度を制御することを可能とする。1つの実施形態では、フォトリフラクティブ組成物が予熱される温度は、最大の回折格子信号が達成される温度と実質的に類似している。したがって、回折格子信号が約35℃で書き込まれるならば、最大の回折格子信号(例えば、信号が「オン」のとき)に約35℃で到達すると予想される。また、回折格子を書き込む前に組成物を予熱することは、回折格子が消去されるかもしれない温度を低下させる。
1つの実施形態は、光学装置の回折格子信号を変調するための方法を提供し、それは、フォトリフラクティブ組成物を含み、第1温度でフォトリフラクティブ組成物をレーザービームで照射して回折格子が書き込まれている光学装置を提供する工程、および光学装置を第2温度まで冷却する工程を含み、ここで、第1温度での回折格子信号の強度は、第2温度での回折格子信号の強度より高い。
この逆の実施形態における「第1温度」と「第2温度」は、室温での回折格子照射を伴う実施形態の第1温度と第2温度と、必ずしも同一ではない。むしろ、この実施形態では、フォトリフラクティブ組成物の照射が予熱温度(第1温度)で起こるとき、第2温度は第1温度より低い。1つの実施形態では、第1温度は約25℃〜約50℃の範囲である。1つの実施形態では、第1温度は約30℃〜約45℃の範囲である。1つの実施形態では、第1温度は約33℃〜約37℃の範囲である。1つの実施形態では、第1温度は約35℃である。
1つの実施形態では、光学装置の温度を減少させた後のフォトリフラクティブ組成物の第2温度は、ほぼ室温である。1つの実施形態では、第2温度は約16℃〜約24℃の範囲である。1つの実施形態では、第2温度は約18℃〜約22℃の範囲である。1つの実施形態では、第2温度は約19℃〜約21℃の範囲である。
そのような1つの逆の実施形態では、第1温度での回折格子信号の強度は、第2温度での回折格子信号の強度より高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約50%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約60%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約70%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約75%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約80%高い。1つの実施形態では、第1温度での回折格子信号は、第2温度での回折格子信号の強度と比較して、少なくとも約90%高い。
回折格子信号の測定は、外部バイアス電圧を印加することなく行うことができる。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第1温度で測定される。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第2温度で測定される。1つの実施形態では、回折格子信号は、外部バイアス電圧を印加することなく、第1温度および第2温度で測定される。
光学装置が第2温度に冷却され、そして、回折格子信号が弱められ、あるいはオフとされた後は、熱処理を繰り返すことができる。装置が第1温度に戻るにつれて、回折格子信号は、より高温でもとの最大強度に戻る。1つの実施形態では、方法は、回折格子信号の強度が実質的に回復するように、光学装置の温度を増加させる工程をさらに含む。1つの実施形態では、回折格子信号は、光学装置の温度を増加させた後は、オンである。1つの実施形態では、回折格子信号は、最大強度の回折格子信号に戻る。1つの実施形態では、第1温度とほぼ同じ温度に戻るように、温度が増加する。
回折格子信号をオフとするために光学装置の温度を減少させる工程、および装置をオンにするために第1温度へ温度を戻し増加させる工程は、何回も繰り返すことができる。1つの実施形態では、回折格子信号は第1温度でオンであり、そして、回折格子信号は、第2温度でオフである。
熱を加えることが回折格子を「オフ」とし、熱を取り除くことが回折格子を「オン」とする実施形態と同様に、熱処理を適用することによって回折格子を消去することも可能である。しかし、予熱された組成物に書き込まれる回折格子を消去することは、一般的に、室温で書き込まれる回折格子を消去するより低い温度で達成することができる。例えば、予熱された組成物に書き込まれた回折格子を消去することは、約50℃または約55℃、あるいはそれより高い温度で実行することができる。回折格子がフォトリフラクティブ組成物から消去された後、次いで新しい回折格子をその中に照射することが可能である。したがって、光学装置は再利用できる。
加熱(例えば、装置の温度を増加させること)および冷却(例えば、装置の温度を減少させること)の方法は多様であり得る。例えば、加熱は、装置を熱源(例えば、炉またはオーブン)に置くことにより、あるいは加熱装置を光学装置上で適用することにより行うことができる。さらに、冷却は、いろいろな方法で行うことができる。装置は簡単に熱源から取り外すことができ、室温に戻すために周囲環境においておくことが可能であり、または肯定的な冷却メカニズムを使用することができる。当業者は、本明細書の開示に導かれて、こうした用途に一般に使われる加熱および冷却技術を理解するであろう。
回折格子信号をオンおよびオフとする熱制御挙動は、熱的加熱処理を用いる回折格子を増強する能力と共に、本明細書に記述される光学装置の好ましい実施形態が、センサーアプリケーションと光学フィルタアプリケーションに役立つのを可能とする。
好ましいフォトリフラクティブ組成物のさらなる利点は、達成することができる高い回折効率ηである。回折効率は、回析ビーム強度の入射プローブビーム強度に対する比率として定義され、それぞれのビームの強度を測定することで決定される。100%の比率は、最も効率的な装置を提供する。いくつかの実施形態では、回折効率は少なくとも約30%である。いくつかの実施形態では、回折効率は少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、回折効率は少なくとも約50%である。
実施形態は、以下の実施例によりさらに説明されるが、それらは、本発明を例示することを意図するものであり、その範囲または基本的原理を決して限定するものではない。
実施例1
(a)電荷輸送基を含むモノマー
TPDアクリレート型電荷輸送モノマー(N−[アクロイルオキシプロピルフェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン)(TPDアクリレート)をFuji Chemical,Japanから購入した。TPDアクリレート型モノマーは以下の構造を有した。
(b)非線形光学基を含むモノマー
非線形光学前駆体モノマーの5−[N−エチル−N−4−ホルミルフェニル]アミノ−ペンチルアクリレートを以下の合成スキームに従って合成した。
ステップI:酢酸ブロモペンチル(5mL、30mmol)、トルエン(25mL)、トリエチルアミン(4.2mL、30mmol)、およびN−エチルアニリン(4mL、30mmol)をともに室温で加えた。混合物を一晩中120℃で加熱した。冷却した後に、反応混合物をロータリーエバポレーターにかけて残渣を生成した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/アセトン=9/1)により精製した。油状のアミン化合物が得られた(収率:6.0g(80%))。
ステップII:無水DMF(6mL、77.5mmol)を氷浴中で冷却した。次いで、POCl(2.3mL、24.5mmol)を冷却した無水DMFへ滴下して加え、混合物を室温に戻した。上記アミン化合物(5.8g、23.3mmol)をジクロロエタンと共に注射器を使ってゴムセプタムを通して加えた。30分の攪拌後に、この反応混合物を90℃まで加熱し、反応をアルゴン雰囲気下で一晩中進行させた。一晩中反応の後、反応混合物を冷却し、ブラインへ注ぎ、エーテルで抽出した。エーテル層を炭酸カリウム溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを除去した後に、溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製した。アルデヒド化合物が得られた(収率:4.2g(65%))。
ステップIII:上記アルデヒド化合物(3.92g、14.1mmol)をメタノール(20mL)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(400mg)と水(1mL)を室温で加え、溶液を一晩中攪拌した。次に、溶液をブラインへ注ぎ、エーテルで抽出した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを除去した後に、溶媒を除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/アセトン=1/1)により精製した。アルデヒドアルコール化合物が得られた(収率:3.2g(96%))。
ステップIV:上記アルデヒドアルコール(5.8g、24.7mmol)を無水THF(60mL)に溶解した。この溶液に、トリエチルアミン(3.8mL、27.1mmol)を加え、溶液を氷浴で冷却した。塩化アクロリル(2.1mL、26.5mmol)を加え、溶液を20分間0℃に維持した。その後、溶液を室温にまで加温し、室温で1時間攪拌し、その時点ですべてのアルコール化合物が消失したことをTLCが示した。溶液をブラインへ注ぎ、エーテルで抽出した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを除去した後に、溶媒を除去し、残渣のアクリレート化合物をシリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:ヘキサン/アセトン=1/1)により精製した。化合物の収率は、5.38g(76%)であり、化合物の純度は99%(GCによる)であった。
(c)非線形の光学発色団NPPの精製
NPP((s)−(−)−1−(4−ニトロフェニル)−2−ピロリジンメタノール、98%)は、Aldrichから商業的に入手可能であり、再結晶して使用した。
(d)可塑剤
N−エチルヘキシルカルバゾールは、Aldrichから商業的に入手可能であり、そのまま使用した。
(e)増感剤
アントラキノンは、Aldrichから商業的に入手可能であり、そのまま使用した。
実施例2
AlBNラジカル開始重合によるコポリマー(TPDアクリレート/発色団タイプ10:1)の調製
電荷輸送モノマーのN−[(メタ)アクロイルオキシプロピルフェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPDアクリレート)(43.34g)、および非線形光学前駆体モノマーの5−[N−エチル−N−4−ホルミルフェニル]アミノ−ペンチルアクリレート(4.35g)(実施例1に記載のように調製した)を3ツ口フラスコに入れた。トルエン(400mL)を加え、アルゴンガスにより1時間パージした後、アゾイソブチルニトリル(118mg)をその溶液に加えた。それから、アルゴンガスでパージを継続しながら、この溶液を65℃まで加熱した。
18時間の重合の後、ポリマー溶液をトルエンで希釈した。ポリマーを溶液から沈殿させ、メタノールに加え、得られたポリマー沈殿物を回収し、ジエチルエーテルとメタノールで洗浄した。白色のポリマー粉末を回収し、乾燥した。ポリマーの収率は、66%であった。
重量平均分子量と数平均分子量は、ポリスチレン標準を使用してゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定した。結果は、Mn=10,600、Mw=17,100であり、1.61の多分散度を与えた。
実施例3
不活性層修飾ITOガラスの作製
約2.0gのポリマー(非晶質ポリカーボネート)粉末を約20mlのジクロロメタンに溶解した。溶液を周囲条件の下で一晩中撹拌して実質的に完全な溶解を確実にした。それから、この溶液を約0.2μmのPTFEフィルタを通してろ過し、ITOガラス基板上へスピンコーティングした。次いで、フィルムを約80℃で約1分間、予備焼成し、約80℃で一晩中真空焼成した。不活性層の厚さは、初期のスピンコーティング速度とポリマー濃度に依存して、約0.5μm〜約50μmの間で調節可能であった。
光学装置の生産
フォトリフラクティブ組成物試験サンプルを調製した。組成物の成分を以下のような概算量で提供した。
(i)マトリックスポリマー(実施例2に記載): 46.93重量%
(ii)NPP発色団: 25.03重量%
(iii)エチルヘキシルカルバゾール可塑剤: 25.03重量%
(iv)アントラキノン増感剤: 3.01重量%
組成物を調製するために、上にリストした成分を撹拌しながらジクロロメタンに溶解し、ろ過ガラスシリンジを用いて、60℃でガラスプレート上に滴下した。次いで、その複合体を60℃で5分間処理し、次いで5分間真空とした。それから、複合体を150℃で5分間処理し、次いで30秒間真空とした。それから複合体を解体し、小さな塊に切断した。少量のフォトリフラクティブ塊を取り出し、2つの非晶質のポリカーボネート層の間に挟み、これらをそれぞれITO被覆ガラスプレート上にコーティングした。不活性層は105μmのスペーサーで隔てられた。最終的なサンプルは、図1AおよびBに一般的に図示される形態であった。不活性層とITO被覆ガラスプレートの各々の厚さは、それぞれ約10μmと約0.15μmであった。
装置におけるフォトリフラクティブ組成物を20℃(例えば、室温)で10分間のレーザー照射に付した。約0.07μwの非常に弱い回折格子信号を室温でオシロスコープから読み出した。その後、装置を約1分のうちに約60℃まで加熱した。加熱の間、回折格子信号は、室温読み出しと同様の最小の強度で読み出された。
加熱段階を止めた後は、信号の回折格子の読み出し強度は、増加し始めて約2.0μwまで達した。加熱ステップを繰り返し、その間、読み出された回折格子は、最小の強度に再び低下した。加熱を止めると、装置は冷えて室温に戻り、回折格子の強度は、約3.8μwまで増加した。加熱処理を3回繰り返した。回折格子の強度は、加熱の間、再び下がり、そして、冷却後、約5.0μwまで増加した。2回を超える加熱サイクルの後で、回折格子の強度は室温で約6.0μwの最大値に達した。この最大信号は、繰り返し加熱処理の約30分後に達成された。
その後、繰り返しの加熱により、回折格子信号は、かなり低い強度(回折格子オフ)に下がり、次いで、熱を繰り返し取り除くことにより、回折格子の強度は、約6.0μw(回折格子オン)の最大信号に戻った。熱の印加によって回折格子をオフおよびオンとすることを何回も繰り返した。回折格子は、数時間も、そして、数日もの期間、「オン」に維持された。回折格子は、数分の間、例えば、10分を超える間、加熱下に「オフ」に維持された。回折格子は、また、装置を100℃の温度まで加熱することにより消去された。
測定1−回折効率
光学装置のフォトリフラクティブ組成物についての回折効率を4波混合実験により約532nmで測定した。定常状態の4波混合実験は、空気中で約20.5度の角度をなす2つの書き込みビームを使用して実行し、書き込みビームの2等分線はサンプル法線に対して約60度の角度をなしていた。
4波混合実験については、サンプルにおける約0.2W/cmの等しい強度を有する2つのs−偏光書き込みビームを使用した;そのスポット径は、約600μmであった。表面法線に最も近い書き込みビームに対して約1.7mW/cmカウンタープロパゲーションのp−偏光ビームを使用して、回折格子を探索した;そのサンプルのプローブビームのスポット径は、約500μmであった。回析したプローブビームの強度および透過したプローブビームの強度をモニターして、回折効率を測定した。装置のフォトリフラクティブ効果の評価は、電位差の印加なしでコヒーレント光を照射することによって実行した。この回折効率を式1から計算した。
回折効率={回析光強度/(回析光強度+透過光強度)}×100% [式1]
測定2−透過率
透過率の測定のために、フォトリフラクティブ層を、層面と垂直の入射経路を有する約532nmのレーザービームで照射した。4波混合実験における表面法線に最も近いp−偏光プローブビームを使用した。フォトリフラクティブ層を通過する前後のビーム強度をモニターし、そして、サンプルの線形透過率は以下の式:
T=I透過/I入射
によって与えられる。
測定3−応答時間
応答時間は、レーザー書き込みビームへの照射の際にフォトリフラクティブ材料中の回折格子の半分を構築するのに必要な時間である。
比較例1
第1の比較例を不活性層なしで作製した。サンプル装置を非晶質のポリカーボネート不活性層のどちらもなしで作製したことを除いては、実施例3と同様にして光学装置を得た。
比較例2
第2の比較例を増感剤なしで作製した。組成物成分を以下のような概算量で提供したことを除いては、実施例3の場合と同様にして光学装置を得た。
(i)マトリックスポリマー(実施例2に記載): 50重量%
(ii)DCST発色団: 30重量%
(iii)エチルカルバゾール可塑剤: 20重量%
実施例4
回折格子を書き込む前に、サンプル装置を35℃まで予熱したこと以外は、実施例3と同様の方法で光学装置を得た。レーザー照射により、回折格子は、約10分後に最大信号に達した。予熱を止め、装置の温度が約室温(約20℃)まで下がった。室温では回折格子信号は低い強度に下がり、低い強度(回折格子オフ)に留まった。次いで、フォトリフラクティブ組成物を加熱して35℃まで戻し、回折格子信号は高い強度へと増加し始めて、加熱下で高い強度(回折格子のオン)を維持した。その結果、回折格子をオンおよびオフにすることを、加熱および冷却して室温へ戻すことにより繰り返すことができる。一旦、組成物を55℃より高い温度に加熱すると、回折格子は消去された。このように、予熱プロセスは、熱制御回折格子のオン/オフを提供するだけでなく、回折格子がどの温度でオンおよびオフされるかについても制御する。
比較例3
サンプル装置の回折格子信号を回折格子信号を増強するためのいかなる熱処理もなしで測定したこと以外は実施例3と同様にして光学装置を得た。装置を室温に維持して測定した。レーザービーム照射の10分後、非常に弱い回折格子信号だけをモニターすることができた。
下記の表1は、実施例3および4ならびに比較例1〜3について得られたデータを提供する。実施例の各々は類似した透過率を有した。しかし、比較例1(それはいかなる不活性層も有しなかった)および比較例2(それはいかなる増感剤も有しなかった)は、ゼロバイアス電圧で回折効率を提供しなかった。さらに、比較例3で書き込まれた回折格子は熱処理による増強を受けなかったので、比較例3のバイアス電圧も低かった。実施例3および4の回折格子保持時間は、回折格子が長期間、「オン」および「オフ」にされた後に組成物中に存在することができることを示している。
表2は、室温で書き込んだその回折格子を有する光学装置(実施例3)と、予熱温度で書き込んだ回折格子を有する光学装置(実施例4)に対する熱効果を比較する。両方の実施例は、優れた回折効率と良好な応答時間を提供した。加熱/冷却により、回折格子をオンにし、そして回折格子をオフにするための逆の効果もまた観察される。
したがって、熱制御プロセス(異なる温度での書き込み、短時間でのある温度への加熱、および異なる温度での読み出しなど)は、回折格子をオンまたはオフにするかどうかを制御することができるだけでなく、オン/オフのスイッチが作動する温度を制御することもできる。
本明細書に記載されたすべての引用文献と特許は、その全体が本明細書に援用される。以上の記載により本教示の新規な基本的特徴を示し、説明し、指摘してきたが、例示した装置の細部の形態において、同様にその使用において、種々の省略、置換、および変更が、本教示の範囲を逸脱することなく当業者によりなされうることが理解されるであろう。従って、本教示の範囲は、上記考察に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に基づいて規定されるべきである。

Claims (35)

  1. 少なくとも2つの不活性層;および
    フォトリフラクティブ組成物を含み、2つの不活性層の間に挟まれているフォトリフラクティブ層;
    を含む光学装置であって、
    ここで、該フォトリフラクティブ組成物は、レーザービーム照射によりフォトリフラクティブであり;
    ここで、該フォトリフラクティブ組成物は、増感剤とポリマーを含み;
    ここで、該ポリマーは、以下の式(Ia)、(Ib)および(Ic):
    (式(Ia)、(Ib)および(Ic)中の各Qは、独立して、アルキレンまたはヘテロアルキレンを表し;式(Ia)、(Ib)および(Ic)中のRa〜Ra、Rb〜Rb27、およびRc〜Rc14は、それぞれ独立して、水素、直鎖状もしくは分岐状の場合により置換されたC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、および場合により置換されたC〜C10アリールからなる群から選択される)からなる群から選択される少なくとも1つの部分を含む第1繰り返し単位を含み;
    ここで、該フォトリフラクティブ組成物は、該フォトリフラクティブ組成物中に照射される回折格子が、外部バイアス電圧を印加することなく、該フォトリフラクティブ組成物から読み出されることができるように処方され;そして、
    ここで、該組成物の回折格子挙動が、熱処理により制御できる、光学装置。
  2. 前記不活性層の各々が、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、架橋性ポリイミド、非架橋性ポリイミド、ポリカーボネート、非晶質ポリカーボネート、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを独立して含む、請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記不活性層が、前記フォトリフラクティブ材料に直接接触している、請求項1〜2のいずれかに記載の光学装置。
  4. 少なくとも1つの前記不活性層が、非晶質ポリカーボネートを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光学装置。
  5. 前記増感剤が、式(V)、(VI)または(VII)の構造を有する分子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の光学装置:
    (式中、Re〜Re、Rf〜Rf、およびRg〜Rgは、それぞれ独立して、水素、直鎖状もしくは分岐状のC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、C〜C10アリール、およびハロゲンからなる群から選択される)。
  6. 酸化インジウムスズ(ITO)被覆ガラスプレートを2層さらに含み、フォトリフラクティブ層と前記2つの不活性層が該ガラスプレートの間に挟まれている、請求項1〜5のいずれかに記載の光学装置。
  7. 前記ポリマーが、以下の式(IIa)により表される部分を含む第2繰り返し単位をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の光学装置:
    (式(IIa)中のQは、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し;式(IIa)中のRは、水素、直鎖状C〜C10アルキル、分岐状C〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択され;式(IIa)中のGは、π−共役基であり;式(IIa)中のEacptは、電子受容体基である)。
  8. 前記第2繰り返し単位が、以下の式(IIa’)により表される、請求項7に記載の光学装置:
    (式(IIa’)中のQは、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し;式(IIa’)中のRは、水素、直鎖状C〜C10アルキル、分岐状C〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択され;式(IIa’)中のGは、π−共役基であり;式(IIa’)中のEacptは、電子受容体基である)。
  9. 前記式(IIa)および(IIa’)中のGが、以下の式(G−1)および(G−2)からなる群から選択される構造により表される、請求項7〜8のいずれかに記載の光学装置:
    (式(G−1)および(G−2)中のRd〜Rdは、それぞれ独立して、水素、直鎖状C〜C10アルキル、分岐状C〜C10アルキル、C〜C10アリール、およびハロゲンからなる群から選択され;式(G−1)および(G−2)中の各Rは、独立して、水素、直鎖状C〜C10アルキル、分岐状C〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。
  10. 前記式(IIa)および(IIa’)中のEacptが、酸素であるか、または以下の式(E−2)〜(E−6)からなる群から選択される構造により表される、請求項7〜9のいずれかに記載の光学装置:
    (式(E−3)、(E−4)、(E−5)、および(E−6)中のR、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、直鎖状C〜C10アルキル、分岐状C〜C10アルキル、およびC〜C10アリールからなる群から選択される)。
  11. 前記組成物が、発色団をさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の光学装置。
  12. 前記組成物が、可塑剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれかに記載の光学装置。
  13. 前記ポリマーが、以下の式(Ia’)(Ib’)、および(Ic’)からなる群から選択される第1繰り返し単位を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の光学装置:
    (式(Ia’)(Ib’)、および(Ic’)中の各Qは、独立して、アルキレン基またはヘテロアルキレン基を表し;式(Ia’)(Ib’)、および(Ic’)中のRa〜Ra、Rb〜Rb27、およびRc〜Rc14は、それぞれ独立して、水素、直鎖状もしくは分岐状の場合により置換されたC〜C10アルキルまたはヘテロアルキル、および場合により置換されたC〜C10アリールからなる群から選択される)。
  14. 前記組成物が、レーザービームによって照射されるとき、105μmの厚さにおいて約30%よりも高い透過率を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の光学装置。
  15. 前記組成物が、約500nm〜約700nmの範囲の波長を有するレーザービームの照射により、フォトリフラクティブである、請求項1〜14のいずれかに記載の光学装置。
  16. フォトリフラクティブ組成物中に回折格子を形成する方法であって、
    請求項1〜15のいずれかの光学装置を提供する工程;および
    外部バイアス電圧なしで、前記フォトリフラクティブ組成物をレーザービームにより照射して前記回折格子を形成する工程
    を含む、方法。
  17. 前記レーザービームが、約500nm〜約700nmの範囲の波長を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 外部バイアス電圧を印加することなく回折格子信号を読み出す工程をさらに含む、請求項16〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 光学装置の回折格子信号を変調する方法であって、
    請求項1〜15のいずれかに記載の光学装置を提供する工程であって、該光学装置には、前記フォトリフラクティブ組成物を第1温度でレーザービーム照射することにより回折格子がその中に書き込まれている工程;および
    該光学装置の該温度を第2温度に増加させる工程であって、前記第1温度での前記回折格子信号の強度が、前記第2温度での前記回折格子信号の強度より高い工程
    を含む、方法。
  20. 前記回折格子が書き込まれた後に、前記光学装置を熱処理する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記回折格子信号が、外部バイアス電圧を印加することなく、前記第1温度および第2温度で測定される、請求項19〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記第1温度が約室温であり、前記第2温度が約40℃〜約80℃の範囲である、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記第1温度が、約18℃〜約22℃の範囲であり、前記第2温度が、約55℃〜約65℃の範囲である、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
  24. 前記第1温度における前記回折格子信号の強度が、前記第2温度における前記回折格子信号の強度に比べて、少なくとも約70%高い、請求項19〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記回折格子信号が、前記第1温度でオンであり、前記回折格子信号が、前記第2温度でオフである、請求項19〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記回折格子信号の強度が実質的に回復されるように前記光学装置の温度を減少させる工程をさらに含む、請求項19〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記光学装置の温度を減少させた後に、前記回折格子信号がオンである、請求項26に記載の方法。
  28. 光学装置の回折格子信号を変調する方法であって、
    請求項1〜15のいずれかに記載の光学装置を提供する工程であって、該光学装置には、前記フォトリフラクティブ組成物を第1温度でレーザービーム照射することにより、回折格子がその中に書き込まれている工程;および
    該光学装置を第2温度に冷却する工程であって、前記第1温度での前記回折格子信号の強度が、前記第2温度での前記回折格子信号の強度より高い工程
    を含む、方法。
  29. 回折格子信号が、外部バイアス電圧を印加することなく、前記第1温度および第2温度で測定される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1温度が、約30℃〜約45℃の範囲であり、前記第2温度が、約室温である、請求項28〜29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記第1温度が、約33℃〜約37℃の範囲であり、前記第2温度が、約18℃〜約22℃の範囲である、請求項28〜29のいずれかに記載の方法。
  32. 前記第1温度における前記回折格子信号測定の強度が、前記第2温度における前記回折格子測定の強度に比べて、少なくとも約70%高い、請求項28〜31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記回折格子信号が前記第1温度でオンであり、前記第2温度でオフである、請求項28〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記回折格子信号の強度が実質的に回復されるように前記光学装置の温度を増加させる工程をさらに含む、請求項28〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記光学装置の温度を増加させる工程の後、前記回折格子信号がオンである、請求項34に記載の方法。
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