JP2012505787A - 膜によって覆われた、少なくとも1個の開口部を有する物品 - Google Patents
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Abstract
空気流が導かれる、少なくとも1個の開口部を有する物品であって、前記開口部は、目視側が、視覚的な概観を有し及びガス流が通過する、空気透過性又は通気性の膜で覆われ、前記膜は、少なくとも2層の層を含み、該2層の内の1層は、少なくともポリウレタンを含み、及び模様が施されていることを特徴とする物品。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、空気流が導かれる、少なくとも1個の開口部を有する物品であって、前記開口部は、目視側が、視覚的な概観を有し及びガス流が通過する、空気透過性又は通気性の膜で覆われ、前記膜は、少なくとも2層の層を含み、該2層の内の1層は、少なくともポリウレタンを含み、及び模様が施されていることを特徴とする物品を提供する。
本発明は、更に、本発明に従う物品を製造するための方法を提供する。
多くの物品が、空気流が通過する開口部を有している。例は、(特に乗り物及びファンの)空調システム、加熱システムである。開口部は、通常、美学的な外観を有していない。更に、多くの場合、高速の空気流が問題となる空間に吹き込まれ、これを人は不快(「通風」)と感じる。この結果、最も悪い場合には、例えば結膜炎、凝り、特に「肩こり」、又はリウマチ等の病気が発生する。
従来技術の解決手段は、例えば空気流を連続気泡フォーム(発泡材)に通すことで、これらの従来技術では、美学的な問題、及び通風(ドラフト)の問題を十分に解決することができなかった。
本発明の目的は、空気流が通される、少なくとも1個の開口部を有し、心地良い外観と、これと組み合わせて、空気流が人に直接的に伝えられることがなく、従って、不快であると感じない物品を提供することにある。
この目的が、冒頭に定義した物品によって達成されることが見出された。
本発明に従う物品は、所望の如何なる材料、例えばウッド、石、コンクリート、ガラス、金属、プラスチック、特にサーモプラスチック、及び熱硬化性樹脂を含んでも良い。
本発明の一実施の形態では、本発明に従う物品は、乗り物の構成部分を含む。本発明に従う物品は、好ましくは成形部分、例えば船又は飛行機のキャビンインテリアライニングの成形部分、自動車、飛行機、列車、又はウォータービークルのダッシュボードの成形部分又は自動車のセンターコンソール又はサイドレールの成形部分を含む。自動車の例は、トラック、ローリー、バス、コーチ、及び乗用車である。
本発明の他の実施の形態では、本発明に従う物品は、ビルディングの室内部分、特に壁、及び壁のカバリングから選ばれる。
本発明の一実施の形態では、本発明に従う物品は、空調システム、加熱システム、又はファンである。空調システム、加熱システム、又はファンについての同一性は、重要ではない。
少なくとも1個の開口部は、任意、所望の形状とサイズの開口部を含んで良い。適切なものは、円状、長方形、台形、平行四辺形、ひし形、又はスロット−形状の開口部であるが、長円状、又は不規則に形成された開口部も適切である。直径は自由に選択することができる;直径は、好ましくは、1mm〜10cmの範囲である。
空気流は、開口部に、恒久的に、又は好ましくは一時的に通される。空気流は、温度調整されていても良く、及び温度調整されていることが好ましく、そして熱空気と冷空気を含む。
本発明の一実施の形態では、空気流は、水分、又は1種以上の香りを含んでも良い。
本発明の一実施の形態では、空気流は、乾燥空気を含む。
本発明に従う物品中の少なくとも1個の開口部は、目視側(対面側)が、視覚的な概観を有する、空気透過性又は通気性の膜で覆われている。
本発明の一実施の形態では、上述した1個以上の開口部は、上述した膜によって覆われており、上述した目視側から見た場合、開口部が開口部であると分からないようになっている。
ここで、「覆われている」は、膜が1個以上の開口部の上に、部分的に、又は完全に位置しており、これにより上記開口部が、観察者の目視(観察)から、少なくとも部分的に、好ましくは完全に無くなる(見えなくなる)ことを意味する。膜は、好ましくは、付着技術を使用して、(特に、粘着(接着)、ニードリング、又はタッキング、及び最も好ましくは内部粘着によって)本発明に従う物品に結合されても良い。
本発明の一実施の形態では、本発明に従う物品は、空気流が通される2個以上の開口部を含み、そしてこれらの開口部の少なくとも1個、又は好ましくは全ての開口部が、視覚的な概観を有する、空気透過性、又は通気性の膜で覆われている。
本発明の他の実施の形態では、本発明に従う物品は、それぞれが、空気を通すことができる2個以上の開口を含み、そして少なくとも1個(又はそれ以上)の開口部が、目視的な概観を有する、空気透過性、又は通気性の膜で覆われており、しかし少なくとも1個の開口部が覆われていない。
本発明に従う物品の目視側は、本発明に従う物品がその意図された用途に置かれた場合に、観察者が典型的に見る側である。
目視的な外観は、模様を有する表面(patterned surface)、非模様の表面(nonpatterned surface)、着色された表面、又は着色されていない表面に適用されても良い。
特定の一実施の形態では、本発明に従う物品の表面は、更にロゴ、モノグラム、又はスクリプトを含む。
本発明の一実施の形態では、膜は、その目視側に、革状の外観、好ましくは銀面革、又はヌバック革の外観を有する。
本発明の一実施の形態では、膜は、その目視側に、(例えば革、特にヌバック革の)心地良い触覚(pleasant haptic)を有する。
膜は通気性であり、すなわち、空気透過性、及び/又は水蒸気透過性である。このことは、German standard specification DIN53333で測定して、膜の、水蒸気の伝達速度(transmission rate)が、1.5mg/cm2・hを超えることを意味すると理解される。
本発明の一実施の形態では、水蒸気の伝達速度の測定は、IngolstadtのIMAK GmbHからのAPMS/D120R−1typeの空気透過性測定システムを使用して行なわれる。測定の目的のために、基材、例えば仕上られた革が、2個の圧力チャンバーの間にクランプされる。両方のチャンバーが加圧される。1個のチャンバーが減圧された後、システムが所定の圧力範囲で釣り合うのに要した時間が測定される。
本発明に従う物品は、例えば、サンプルの直径が120mmで、圧力差が0.5バールから0.01バールに釣り合うのに要する時間は、60秒未満である。好ましくは、ジャスト10秒であり、及び特に好ましくはジャスト1秒である。
膜は、2層以上の層を含み、これらの層の内の少なくとも1層は、ポリウレタンを含み、そして模様(patterning)を有する。この層は、以降、略して「ポリウレタン層」と称される。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層は、平均厚さが15〜300μmの範囲、好ましくは20〜150μmの範囲、及びより好ましくは25〜80μmの範囲である。
本発明の一実施の形態では、本発明に従う物品の膜は、2種の異なるポリウレタン:ポリウレタン(PU1)及びポリウレタン(PU2)を含み、ポリウレタン(PU1)は、いわゆる柔軟性ポリウレタンであり、そして少なくとも1種の硬質ポリウレタン(PU2)である。以下に硬質及び柔軟性ポリウレタンについて記載する。
膜は、例えば、2層、3層、又は4層の層を含んでも良い。追加的な層は、空気の透過性又は通気性を(空気流がもはや膜を通過できなくなる程に)損なってはならない。
本発明の一実施の形態では、膜は少なくとも1個の支持体材料を層の一つとして含む。1種以上の支持体材料は、空気透過性/通気性であり、及びポリウレタンから成る層は、1個以上の支持体材料を完全に、又は部分的に覆っても良い。膜が2個以上の支持体材料を含む場合、ポリウレタン層は、支持体材料1の所定の部分を覆い、支持体材料2の他の部分を覆うことも考えられる。
本発明の一実施の形態では、1個以上の支持体材料は、独立して、革、スプリット革(床革)、人工革、結合革、セルロース系材料、例えばペーパー、及びテキスタイル、及び連続気泡フォーム(open-cell foamed plastics)から選ばれる。
テキスタイルは、種々の状態のマニフェステイションを有することができる。適切なものは、例えば、フェルト、ニット、詰め綿、ライドスクリム、及びマイクロファイバーファブリック、及び不織布である。
テキスタイルは、ライン、コード、ロープ、ヤーン、又は糸から選ばれても良い。テキスタイルは、天然から由来するもの、例えばコットン、ウール、亜麻、又は合成のもの、例えばポリアミド、ポリエステル、変性ポリエステル、ポリエステルブレンドファブリック、ポリアミドブレンドファブリック、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、及びポリプロピレン、ポリビニルクロリド、及びポリエステルマイクロファイバー、及びガラスファイバーファブリックから選ばれても良い。極めて好ましいものは、ポリエステル、コットン、及びポリオレフィン、例えばポリエチレン、及びポリプロピレンであり、及びコットン−ポリエステル−コットンブレンドファブリック、ポリオフェリン−ポリエステルブレンドファブリック、及びポリオレフィン−コットンブレンドファブリックから選ばれる、選択されたブレンドファブリックである。
テキスタイルは、好ましくは不織布、織布又はニットを含む。
テキスタイルは、未処理であっても、処理されていても良く、例えば漂白又は着色されていても良い。好ましくは、テキスタイルは、一方側だけが被覆されているか、又は被覆がされていない。
テキスタイルは、仕上られていても良い:特にテキスタイルは、イージーケア(手入れし易い)及び/又は難燃性の仕上げを有していても良い。
テキスタイルは、質量が10〜500g/m2の範囲、及び好ましくは50〜300g/m2の範囲であっても良い。
セルロース系材料は、セルロース系材料の種々の種を含んでいても良い。本発明について、セルロースは、ヘミセルロース及びリグノセルロースを含む。
セルロース材料は、好ましくはペーパーボード、カードボード、化学的パルプ、又は特にペーパーを含んでも良い。本発明の目的のためのペーパーは、被覆されていなくても良く、又は好ましくは被覆されていても良く、又は通常の仕上げがされていても良い。より特定的には、ペーパーは、漂白されたペーパーを含んでも良い。ペーパーは、1種以上の顔料、又はチョーク、カオリン、又はTiO2、を含んでも良く、そしてペーパー、ペーパーボード、又はカードボードは、着色されていなくても良く(自然色)、又は着色されていても良い。本発明の目的のために、パーパー、ペーパーボード、及びカードボードは、印刷されていても良く、印刷されていなくても良い。
本発明の一実施の形態では、ペーパーは、クラフトペーパーを含んでも良い。
本発明の一実施の形態では、ペーパーは、ポリアクリレート分散物で仕上られたペーパーを含んでも良い。
ここで、革は、仕上られていても良く、又は好ましくは仕上られていない、なめした動物の皮を含む。なめしは、広い範囲の種々の方法に従って行って良く、該方法は、例えば、クロムタンニン、他の材料のタンニン(なめし)、例えばアルミニウム化合物、又はジルコニウム化合物、ポリマータンニン、例えば(メタ)アクリル酸、及びこれとアルデヒド、特にグルタルアルデヒドの、ホモ−、又はコポリマー、合成タンニン、例えば芳香族スルホン酸とアルデヒド、特にホルムアルデヒドの縮合生成物、又は他のカルボニル−含有化合物、例えば芳香族スルホン酸とウレアの縮合生成物を使用したものである。更に適切な革は、植物タンニンを使用した、及び/又は酵素的になめした革である。上述したタンニンの2種以上の混合物でなめされた革も適切である。
ここで、革は更に、それ自体は公知の1種以上の処理(例えば、疎水化、加脂、再タンニング、及び染色)を受けても良い。
革は、例えば牛、ブタ、ヤギ、羊、魚、蛇、野生動物、又は鳥から得られても良い。
革は、厚さが、0.2〜2mmの範囲であっても良い。革は、好ましくは銀面革を含む。革は、生皮の欠陥を除去することができるが、例えば有刺ワイヤーでの傷、動物間での争い、又は虫さされに起因する生皮の欠陥を含む革も適切である。
本発明の一実施の形態では、革は、床革(スプリットレザー)、又はスプリットを含む。
本発明の一実施の形態では、革は、スエード革、又はスプリットスエードを含む。
本発明の一実施の形態では、支持体は、人工革を含む。ここで、人工革は、本発明の枠内では、人工革の前段階のものも含み、及び最上層、すなわち1層以上の頂部層の無いものも含む。ここで、人工革は、人工物質で被覆された、好ましくはテキスタイルのシート状物質、頂部層を含む、又は含まないものを含み、そして頂部層は、存在する場合には、革状の外観を有する。人工革の例は、織布ファブリックに基づく人工革、不織布ファブリックに基づく人工革、ファイバーに基づく人工革、ホイルに基づく人工革、及びフォームに基づく人工革である。人工革という用語は、2層の頂部層を有する物品(例えば、不織布ファブリックに基づく人工革)を含む。特に好ましい人工革は、例えば、Harro Traeubel,New Materials Permeable to Water Vapor,Springer Verlag 1999に記載されているような、ポリウレタンに基づく通気性人工革である。更に、連続気泡ポリウレタンフォームが(ビートゥンフォームとして又は直接現場フォーミングによって)テキスタイル支持体に施された支持体材料が好ましい。
連続気泡フォーム(open-cell foamed plastics)の例は、ポリウレタン、及びアミノプラストフォーム、特にメルアミンフォームである。本発明において、「連続気泡(open-cell)」は、German standard specification DIN ISO4590で測定して、フォーム内で、全ての薄膜の少なくとも50%が開いており、好ましくは60〜100%、及びより好ましくは65〜99.9%が開いてることを意味する。
本発明の一実施の形態では、膜のポリウレタン層の空気透過性/通気性は、ポリウレタン層の全厚さに亘って延びる孔に、大きく又は実質的に基づいている。
孔は、例えば毛細管として構成することができる。本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層は、平均して、100cm2当たり、少なくとも100個の毛細管、及び好ましくは少なくとも250個の毛細管を有している。
本発明の一実施の形態では、毛細管は、平均径が0.005〜0.05mmの範囲であり、及び好ましくは0.009〜0.03mmの範囲である。
本発明の一実施の形態では、毛細管は、ポリウレタン層に均一に分布している。しかしながら、本発明の好ましい実施の形態では、毛細管は、ポリウレタンに不均一に分布している。
本発明の一実施の形態では、毛細管は、実質的に弓形である。本発明の他の実施の形態では、毛細管は、実質的に直線の進路を有している。
毛細管は、ポリウレタンに、(何ら開口の必要なく)空気と水蒸気の透過性を与える。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン及び支持体材料は、少なくとも1層の(ポリウレタン層と支持体材料を、例えば粘着して、均一に、又は部分的にのみ結合させる)結合層によって、相互に連結されている。結合層は、空気透過性/通気性を損なってはならない。従って、例えば、接着剤(粘着剤)を、パターン(模様)又は非常に薄いフィルムの状態で、ポリウレタン層及び/又は支持体材料の裏面に施し、そして例えばポリウレタン層と支持体材料を相互にプレスすることによって結合層を製造することができる。
結合層は、中断された、すなわち不均一に形成された、層、好ましくは硬化した有機粘着剤を含んでも良い。
本発明の一実施の形態では、結合層は、点状、ストライプ状、又は格子状の、例えばダイヤモンド状、長方形状、正方形状、又はハニカム構造状に施された層を含んでも良い。この場合、ポリウレタン層は、結合層の隔たりで、支持体材料と接触する。
本発明の一実施の形態では、少なくとも1層の結合層は、(例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリレート、又は特にポリウレタン、好ましくはガラス転移温度が0℃未満のポリウレタンに基づく)硬化した有機粘着剤の層を含む。
有機粘着剤(有機接着剤)は、熱的に、化学線によって、又はエイジング(熟成)によって硬化(cure)しても良い。
本発明の他の実施の形態では、少なくとも1層の結合層は、粘着ガーゼを含む。
本発明の一実施の形態では、結合層は、最大厚さが100μm、好ましくは50μm、より好ましくは30μm、最も好ましくは15μmである。
本発明の一実施の形態では、結合層は、マイクロバルーンを含んで良い。ここで、マイクロバルーンは、平均径が5〜20μmの球状粒子であり、そしてポリマー性材料、特にハロゲン化したポリマー、例えばポリビニルクロリド、又はポリビニリデンクロリド、又は(ビニルクロリドとビニリデンクロリドの)コポリマーから成る。マイクロバルーンは、中空であっても良く、又は好ましくはその沸点が室温よりも低い物質、例えばn−ブタン及び特にイソブタンで満たされていても良い。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層は、同一又は異なる組成を有する、少なくとも2層の結合層で支持体材料に結合されていても良い。ある結合層は、顔料を含んでいても良く、他の結合層は、顔料を含んでいなくても良い。
ある変形例では、ある結合層がマイクロバルーンを含んでも良く、そして他の結合層はマイクロバルーンを含んでいなくても良い。
ある特定の実施の形態では、ポリウレタン層は、結合層無しで、支持体材料に結合されている。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層上での模様付けが、コーティング法(被覆法)によって、特にリバースコーティング法によって行われる。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層の模様が、型を使用して製造される。可能な処理は、例えば、ネガティブ−型、例えば所望の模様に対してネガティブな型を使用し、好ましくは水性のポリウレタンの分散物、又は懸濁液をこれに施し、水を好ましくは蒸発によって除去し、そして次に得られたポリウレタンフィルムを支持体層に結合させることによって製造することである。所望の模様を有する膜が得られる。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層の模様は、革又は木材材料の表面の模様に対応する。本発明の一実施の形態では、模様はヌバック革を再現することができる。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層は、ビロード状の外観を有する。
本発明の一実施の形態では、例えば、平均長さが20〜500μm、好ましくは30〜200μm、及びより好ましくは60〜100μmの小さな毛を有する、模様はビロード表面に対応する。小さな毛は、例えば、円形状の径を有していても良い。本発明の特定の実施の形態では、毛は円錐形の形状を有する。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層は、50〜350μm、及び好ましくは100〜250μmの平均間隔で相互に配置された、小さな毛を有する。ポリウレタン層が小さな毛を有する場合、平均厚さについての記載は、小さな毛の無いポリウレタン層についてのものである。
多くの場合、例えばポリウレタン層がビロード状の外観を有する場合、ポリウレタン層は、非常に心地よい触覚をも有する。
本発明は、更に、(本発明の製造物とも称される)本発明に従う物品を製造するための方法を提供する。本発明の一実施の形態では、本発明の製造方法は、以下の工程:
(A)型を使用し、模様を有する多孔性膜を製造する工程、
(B)前記膜を支持体材料に固定する工程、及び
(C)物品内の少なくとも1個の開口部を覆う工程、
を含む。
(A)型を使用し、模様を有する多孔性膜を製造する工程、
(B)前記膜を支持体材料に固定する工程、及び
(C)物品内の少なくとも1個の開口部を覆う工程、
を含む。
本発明の製造方法の一実施の形態では、前記固定工程(b)は、少なくとも1層の結合層を、前記膜、及び/又は前記支持体材料に施すことによって行われる。
本発明の製造方法の一実施の形態は、型を使用してポリウレタン層を形成し、少なくとも1種の有機粘着層を均一に、又は部分的に支持体材料、及び/又はポリウレタン層に施し、そして次に、ポリウレタン層を、点状に、ストライプ状に、又は面状に、支持体材料に施すことによって進められる。
本発明の一実施の形態では、支持体材料に固定された多孔性の膜は、(最初にポリウレタンフィルムを用意し、少なくとも1個の支持体材料、又はポリウレタンフィルム、又は両方を、有機粘着剤で、各場合において一方面を、部分的に、例えば模様の状態に被覆し、そして次に、2面を相互に接触させることにより)コーティング法によって製造される。この後、このように得ることができる系は、追加的に一緒にプレスするか、又は熱的に処理するか、又は加熱の間にプレスされる。
ある特定の実施の形態では、ポリウレタン層が型上に製造され、そして次に、支持体層と直接的に接触される。例えば、ポリウレタン層は、柔軟性フォームで直接的にバックフォームすることができ、又は機械的なフォームを使用してブレード被覆することができる。
ポリウレタンフィルムは、後に、膜のポリウレタンを形成する。ポリウレタンフィルムは、以下のように製造することができる:
水性のポリウレタン分散物を、予熱された型に施し、水を蒸発させ、そして次に得られたポリウレタンフィルムを支持体材料に移す。
水性のポリウレタン分散物を、予熱された型に施し、水を蒸発させ、そして次に得られたポリウレタンフィルムを支持体材料に移す。
水性のポリウレタン分散物は、通常の方法、特に、例えばスプレーガンを使用して、吹き付け(spraying)して型に施すことができる。
型は、例えばレーザー彫刻によって製造された、又はネガティブ型を使用した成形によって製造された、構造化とも称される模様を有しても良い。
本発明の一実施の形態は、エラストマー性層、エラストマー性層(エラストマー性層は、バインダー、及び任意に更なる添加剤、及び補助材料を含む)を支持体上に含んだ層複合体を有する型(mold)を用意することを含む。従って、型の用意は、以下の工程を含む:
1)液体バインダー(該液体バインダーは、任意に、添加剤、及び/又は補助剤材料を含む)を、模様を有する表面(パターン化された表面)、例えば他の型、又はオリジナルの模様に施す工程、
2)熱的硬化、放射的硬化、又はエイジングさせてバインダーを硬化(curing)させる工程、
3)このように得ることができる型を分離し、そして任意にこれを支持体、例えば金属プレート、又は金属シリンダーに施す工程。
1)液体バインダー(該液体バインダーは、任意に、添加剤、及び/又は補助剤材料を含む)を、模様を有する表面(パターン化された表面)、例えば他の型、又はオリジナルの模様に施す工程、
2)熱的硬化、放射的硬化、又はエイジングさせてバインダーを硬化(curing)させる工程、
3)このように得ることができる型を分離し、そして任意にこれを支持体、例えば金属プレート、又は金属シリンダーに施す工程。
本発明の一実施の形態は、模様(パターン)に液体シリコーンを施し、シリコーンを熟成(エイジング)させ、そして硬化させ、剥離することにより進められる。そしてシリコーンフィルムがアルミニウム支持体に付着される。
本発明の好ましい実施の形態は、レーザー彫刻可能層、又は支持体上にレーザー彫刻可能層を含む層複合体を含む型を提供する(レーザー彫刻可能層は、バインダー、及び任意に、更なる添加剤、及び補助材料を含む)。レーザー彫刻可能層は、エラストマー性でもあることが好ましい。
好ましい実施の形態では、型の用意は以下の工程を含む:
1)レーザー彫刻可能層、又はレーザー彫刻可能層を支持体上に含む複合体を用意する工程(レーザー彫刻可能層は、バインダー、及び好ましくは、添加剤及び補助材料をも含む)、
2)レーザー彫刻可能層を、熱化学的、光化学的、又は化学線的にアンプリフィケーション(amplification)する工程、
3)レーザーを使用して、表面−構造化された被覆物の表面構造に対応する表面構造をレーザー彫刻可能層に彫刻する工程。
1)レーザー彫刻可能層、又はレーザー彫刻可能層を支持体上に含む複合体を用意する工程(レーザー彫刻可能層は、バインダー、及び好ましくは、添加剤及び補助材料をも含む)、
2)レーザー彫刻可能層を、熱化学的、光化学的、又は化学線的にアンプリフィケーション(amplification)する工程、
3)レーザーを使用して、表面−構造化された被覆物の表面構造に対応する表面構造をレーザー彫刻可能層に彫刻する工程。
エラストマー性であることが好ましいレーザー彫刻可能層、又はレーザー複合体は、支持体上に存在することが可能であり、そして好ましい。適切な支持体の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、又はポリカーボネートの織布ファブリック(織物)、及び自立性フィルム/シート、好ましくはPET又はPEN自立性フィルム/シートである。
有用な支持体は、同様に、ペーパー、ニット、例えばセルロースを含む。支持体として、上述した材料の円錐状又はシリンダー状のスリーブが使用されても良い。スリーブのために適切なものは、また、ガラスファイバーファブリック、又はガラスファイバーと構造のポリマー性材料を含む複合体材料である。適切な支持体材料は、更に、金属支持体、例えば、アルミニウム、スチール、磁化可能なバネ鋼、又は他の鉄合金の、固体の、又はファブリック−形状の、シート状の、又はシリンダー状の支持体を含む。
本発明の一実施の形態では、支持体を粘着促進層で被覆してレーザー彫刻可能層のより良好な粘着を得ても良い。本発明の他の実施の形態では、粘着促進層は必要とされない。
レーザー彫刻可能層は、少なくとも1種のバインダー(該バインダーは、ポリマーを形成する熱化学的なアンプリフィケーションの過程で反応するプレポリマーであっても良い)を含む。適切なバインダーは、レーザー彫刻可能層、又は型のために望まれる特性(例えば、硬度、弾性、又は柔軟性についての特性)に従い、選択することができる。適切なバインダーは、主として3つのグループに分けることができるが、これらのバインダーに限定するものではない。
第1のグループは、エチレン性不飽和の基を有するバインダーを含む。エチレン性不飽和の基は、光化学的、熱化学的に、電子ビームを使用して、又はこれらの所望の組み合わせを使用して、架橋可能である。更に、充填材を使用して、機械的なアンプリフィケーションも可能である。このようなバインダーは、例えば、1,3−ジエンモノマー、例えばイソプレン、又は1,3−ブタジエンを重合状態で含むものである。エチレン性不飽和基は、ポリマーの鎖形成ブロック(1,4−導入)として機能しても良く、又は側基(side group)としてポリマー鎖に結合されていても良い(1,2−導入)。例として、エチレン性不飽和の基を有する天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)コポリマー、ブチルゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリクロロプレン、ポリノルボルネンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)ゴム、又はポリウレタンエラストマーを記載しても良い。
更なる例は、アルケニル芳香族及び1,3−ジエンの熱可塑性エラストマー性ブロックコポリマーを含む。ブロックコポリマーは、直鎖状ブロックコポリマー、又は他にラジアルブロックコポリマーを含んでも良い。代表例では、これらは、A−B−Aタイプの3−ブロックコポリマーであるが、しかしこれらは、A−Bタイプの2−ブロックポリマーを含んでも良く、又は複数の、交互するエラストマー性、又は熱可塑性のブロック、例えばA−B−A−B−Aである。2種以上の異なるブロックコポリマーの混合物も使用して良い。市販されている3−ブロックコポリマーは、しばしば、所定の割合の2−ブロックコポリマーを含む。ジエン単位は、1,2−又は1,4−結合であっても良い。スチレン−ブタジエンタイプ、及びスチレン−イソプレンタイプのブロックコポリマーを使用することができる。これらは、例えばKraton(登録商標)の名称で市販されている。Styroflex(登録商標)の名称で市販されている、スチレンの末端ブロック、及びランダムスチレン−ブタジエンミドルブロックを有する熱可塑性、エラストマー性のブロックコポリマーを使用することも可能である。
エチレン性不飽和基を有するバインダーの更なる例は、架橋可能な基がグラフト反応によってポリマー性分子に導入された、変性されたバインダーを含む。
第2のグループは、官能基を含むバインダーを含む。官能基は、熱化学的に、電子ビームを使用して、光化学的に、又はこれらの所望の組合せを使用して架橋可能である。更に、充填剤を使用して、機械的なアンプリフィケーションを行なうことも可能である。適切な官能基の例は、−Si(HR1)O−、−Si(HR1R2)O−、−OH、−NH2、−NHR1、−COOH、−COOR1、−COHN2、−O−C(O)NHR1、−SO3H、又は−CO−を含む。バインダーの例は、シリコーンエラストマー、アクリレートゴム、エチレン−アクリレートゴム、エチレン−アクリル酸ゴム、又はエチレン−ビニルアセテートゴム、及び部分的に加水分解された、その誘導体、熱可塑性エラストマー性ポリウレタン、スルホン化ポリウレタン、又は熱可塑性エラストマー性ポリエステルを含む。式中、R1及び、存在する場合には、R2は、異なっているか、又は好ましくは同一であり、そしてそれぞれは有機基、及び特にC1−C6−アルキルから選ばれる。
本発明の一実施の形態は、エチレン性不飽和基と官能基の両方を有するバインダーを使用することを含む。例は、官能基とエチレン性不飽和基を有する、付加架橋シリコーンエラストマー、ブタジエンと(メト)アクリレート、(メト)アクリル酸、又はアクリロニトリルのコポリマー、及びブタジエン、又はイソプレンと、官能基を有するスチレン誘導体のコポリマー、又はブロックコポリマー、例えばブタジエンと4−ヒドロキシスチレンのコポリマーを含む。
バインダーの第3のグループは、エチレン性不飽和基も官能基も含まないものを含む。例えば、ポリオレフィン又はエチレン−プロピレンエラストマー、又はジエン単位の水素化によって得られる生成物、例えばSEBSゴムを記載しても良い。
エチレン性不飽和の基、又は官能基を有しないバインダーを含むポリマー層は、レーザーによって最適の鮮明な構造性を可能にするために、高エネルギー照射、又はこれらの組み合わせを使用して、機械的にアンプリファイする必要がある。
2種以上のバインダーの混合物を使用することも可能であり、この場合、任意の混合物中の2種以上のバインダーは、上述したグループ、又は2グループ又は全3グループからのものであっても良い。可能な組み合わせは、レーザー−構造化操作、及びネガティブ−型操作について、ポリマー層の適性に望ましくない影響を及ぼさない限り、制限されない。例えば、官能基を有していない、少なくとも1種のエラストマー性バインダーと、官能基又はエチレン性不飽和基を有している、少なくとも1種の更なるバインダーの組合せを使用することが有利であっても良い。
本発明の一実施の形態では、エラストマー性層又はレーザー彫刻可能層中の、1種以上のバインダーの割合は、エラストマー性層又はレーザー彫刻可能層の全成分の合計に対して、30質量%〜99質量%の範囲であり、好ましくは40質量%〜95質量%の範囲、及び最も好ましくは、50質量%〜90質量%の範囲である。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン層(C)は、シリコーン型を使用して形成される。ここでシリコーン型は、1分子当たり、少なくとも1個、及び好ましくは少なくとも3個のO−Si(R1R2)−O−基(但し、変数は上記に定義したものである)を有する、少なくとも1種のバインダーを使用して製造される。
任意に、エラストマー性層、又はレーザー彫刻可能層は、反応性の低分子量の、又はオリゴマー性の化合物を含んでも良い。オリゴマー性化合物は、通常、分子量(モル質量)が20000g/mol未満である。反応性の低分子量の、及びオリゴマー性の化合物は、以降、簡単に、モノマーと称される。モノマーは、所望により、光化学的、又は熱化学的架橋、又は高エネルギー放射による架橋の速度(rate)を増すために加えられて良い。第1と第2のグループからのバインダーが使用された場合、加速のためのモノマーの添加は、必ずしも必要なわけではない。第3のグループからのバインダーの場合、通常、モノマーの添加が有利であるが、全ての場合に必ずしも必要なわけではない。
架橋速度とは無関係に、モノマーを、架橋密度を制御するために使用することも可能である。加えられる低分子量化合物の独自性(identity)と量に依存して、広い、又は狭いネットワークが得られる。まず第1に、公知のエチレン性不飽和モノマーが使用可能である。モノマーは、バインダーと実質的に相溶性であるべきであり、そして少なくとも1個の、光化学的又は熱化学的に反応性の基を有しているべきである。これらは、揮発性であるべきではない。好ましくは、適切なモノマーの沸点は、少なくとも150℃である。特に適切なものは、アクリル酸又はメタクリル酸と、単−又は多官能性アルコールのアミド、アミン、アミノアルコール、又はヒドロキシエーテル、及びヒドロキシエステル、スチレン、又は置換されたスチレン、フマル酸又はマレイン酸のエステル、及びアリル化合物である。例は、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メト)アクリレート、1,6−ヘキサンジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジオクチルフマレート、N−ドデシルマレイミド、及びトリアリルイソシアヌレートを含む。
熱化学的なアンプリフィケーションのために適切なモノマーは、特に、反応性の低分子量のシリコーン、例えば環式のシロキサン、Si−H−官能性シロキサン、アルコキシ又はエステル基を含むシロキサン、硫黄含有シロキサン、及びシラン、ジアルコール、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジアミン、例えば、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、アミノアルコール、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジカルボン酸、例えば1,6−ヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、マレイン酸、又はフマル酸を含む。
エチレン性の不飽和基、及び官能基の両方を含むモノマーを使用することも可能である。例として、ω−ヒドロキシアルキル(メト)アクリレート、例えばエチレングリコールモノ(メト)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メト)アクリレート、又は1,6−ヘキサンジオールモノ(メト)アクリレートが記載されて良い。
異なるモノマーの混合物を使用することも(該混合物によって、エラストマー性層の特性に悪影響が及ぼされないならば)、当然可能である。通常、加えられたモノマーの量は、エラストマー性層、又は特定のレーザー彫刻可能な層の全ての成分の量に対して、0質量%〜40質量%の範囲であり、好ましくは1質量%〜20質量%の範囲である。
一実施の形態では、1種以上のモノマーを1種以上の触媒と一緒に使用しても良い。従って、1種以上の酸を加えることによって、又は有機スズによって、型の準備の工程2)を速めるために、シリコーン型を加速することも可能である。適切な有機スズ化合物は:ジ−n−ブチルチンジラウレート、ジ−n−ブチルチンジオクタノエート、ジ−n−ブチルチンジ−2−エチルヘキサノエート、ジ−n−オクチルチンジ−2−エチルヘキサノエート及びジ−n−ブチルビス(1−オキソネオデシルオキシ)スタンナンが可能である。
エタストマー性層、又はレーザー彫刻可能層は、更に添加剤、及び補助剤材料、例えばIR吸収剤、顔料、分散剤、静電防止剤、可塑剤、又は研磨粒子を含んでも良い。このような添加剤及び補助剤材料の量は、エラストマー性層、又は特定のレーザー彫刻可能な層の全ての成分の量に対して、通常、30質量%を超えるべきではない。
エラストマー性層、又はレーザー彫刻可能な層は、複数の個々の層から構成されても良い。これらの個々の層は、同一の材料組成のも、実質的に同一の材料組成のもの、又は異なる材料組成のものであっても良い。レーザー彫刻可能層、又は全ての個々の層を一緒にした厚さは、通常、0.1〜10mmの範囲、及び好ましくは0.5〜3mmの範囲である。この厚さは、レーザー彫刻操作及びネガティブ成形操作の用途関連及び機械関連の処理(加工)に依存して、適切に選択することができる。
エラストマー性層、又はレーザー彫刻可能層は、更に任意に、厚さが300μm以下の頂部層を含むことができる。このような頂部層の組成は、最適な彫刻性及び機械的な安定性について選択可能であり、下部の層の組成は、最適の硬度、又は弾性について選択可能である。
本発明の一実施の形態では、頂部層自体は、レーザー彫刻可能であるか、又は下部の層と一緒にレーザー彫刻操作をする過程で除去可能なものである。頂部層は、少なくとも1種のバインダーを含む。レーザー放射のための吸収剤又は、他にモノマー又は補助剤を含んでも良い。
本発明の一実施の形態では、シリコーン型は、レーザー彫刻を使用して構造化さえたシリコーン型を含む。
本発明に従う方法にとって、熱可塑性のエラストマー性バインダー、又はシリコーンエラストマーを使用することが特に有利である。熱可塑性のエラストマー性バインダーが使用された場合、(例えば、フレキソ印刷要素についてEP−A0084851に記載さえれているように)支持体フィルム/シート及びカバーフィルム/シート又はカバー要素の間に押出しを行い、次にカレンダー処理を行うことによって製造されることが好ましい。比較的厚い層であっても、このようにして単一の操作で製造することができる。複数層要素は、共押出しによって製造することができる。
レーザー彫刻を使用して型を構造化するために、加熱(熱化学的)によって、UV光(光化学的)に曝すことによって、又は高エネルギー放射(化学線的)に曝すことによって、又はこれらの所望の組み合わせによって、レーザー彫刻操作の前に、レーザー彫刻可能層をアンプリファイすることが好ましい。
この後、レーザー彫刻可能層、又は層複合体が、シリンダー状の(一時的な)支持体、例えば、プラスチック、ガラスファイバー−補強プラスチック、金属、又はフォームに、例えば、粘着テープ、減圧、クランピング装置、又は磁力によって取り付けられ、そして上述のように彫刻される。この替わりに、平坦な層、又は層複合体を、上述のように彫刻することも可能である。任意に、レーザー彫刻可能層は、(レーザー彫刻の間、彫刻残留物を除去するために、)回転シリンダー状洗浄器、又は連続洗浄器を使用して、洗浄剤で洗浄される。
型は、ネガティブ型又はポジティブ型として記載したように、製造することができる。
第1の変形例では、型は、ネガティブ(negative)な構造を有しており、(液体プラスチック材料を型の表面に直接的に施し、そして次にポリウレタンを固体化することによって)支持体材料と結合可能な被覆物を得ることができる。
第2の変形例では、型はポジティブ(positive)な構造を有しており、ネガティブな型がレーザー構造化されたポジティブ型からネガティブ成形によって製造される。シート状の支持体に結合可能な被覆物は、(液体プラスチック材料をネガティブ型の表面に施し、そして次にプラスチック材料を固体化することによって)このネガティブ型から得ることができる。
寸法が10〜500μmの範囲の構造要素が型に彫刻されることが好ましい。構造要素は、凸状(elevation)又は凹状であっても良い。好ましくは、構造要素は、単純な幾何学的形状であり、そして例えば、円形、楕円、正方形、ひし形、三角形、及び星形である。構造要素は、規則的な、又は不規則的なスクリーンを形成しても良い。例は、クラシックドットスクリーン、又は確立論的なスクリーン、例えば周期変調(frequency-modulated)されたスクリーンである。
本発明の一実施の形態では、型はレーザーを使用して平均深さが50〜250μmの範囲で、中心から中心までの間隔が50〜250μmの範囲の窪み(well)を型にカットすることによって構造化される。
例えば、型は、型の表面に、直径が10〜500μmの範囲の窪みを有するように彫刻することができる。型の表面の直径は、好ましくは20〜250μmであり、より好ましくは30〜150μmの範囲である。窪みの間隔は、例えば10〜500μmの範囲であり、好ましくは20〜200μmの範囲、及びより好ましくは80μm以下である。
本発明の一実施の形態では、型は、好ましくは、表面微細構造及び表面粗構造を有する。粗構造と微細構造の両方は、レーザー彫刻によって製造することができる。微細構造は、例えば粗さの大きさ(roughness amplitude)が1〜30μmで、粗さ周期(roughness frequency)が0.5〜30μmのミクロ粗さを有することができる。ミクロ粗さの寸法は、好ましくは1〜20μmの範囲、より好ましくは2〜15μmの範囲であり、及びより好ましくは3〜10μmの範囲である。
IRレーザーは、特に、レーザー彫刻のために適切である。しかしながら、レーザーが十分な強度を有していれば、より短い波長を有するレーザーを使用することも可能である。例えば、周波数2倍(532nm)又は周波数3倍(355nm)のNd−YAGレーザーを使用することができ、又他に、エキシマーレーザー(例えば248nm)を使用することができる。レーザー彫刻操作は、例えば、波長が10640nmのCO2レーザーを使用しても良い。波長が600〜2000nmの範囲のレーザーを使用することが特に好ましい。例えば、Nd−YAGレーザー(1064nm)、IRダイオードレーザー又は固体レーザーを使用することができる。彫刻される画像情報は、レイアウトコンピューターシステムからレーザー装置に直接的に伝えられる。レーザーは、連続的にも、又はパルスモードででも操作することができる。
得られた型は、通常、生成物として直接的に使用することができる。所望により、得られた型は、追加的に洗浄することができる。このような洗浄工程は、緩くなっているが、しかしなお完全には分離していない層成分を、表面から除去する。通常、水、水/界面活性剤、アルコール、又は不活性有機洗浄剤(これらは低膨潤性であることが好ましい)での単純な処理で十分である。
更なる工程では、ポリウレタンの水性処方物が型に施される。これは、スプレイング(吹きつけ)によって行われることが好ましい。ポリウレタンの処方物が施される場合、型は、例えば少なくとも80℃の温度、好ましくは少なくとも90℃の温度に加熱されているべきである。ポリウレタンの水性処方物からの水は、蒸発し、そして固体化するポリウレタン層内に毛細管(capillary)を形成する。
ポリウレタン分散物について、「水性」は、ポリウレタン分散物が水を含むが、しかし、分散物に対して5質量%未満、好ましくは有機溶媒の1質量%未満であることを意味すると理解される。揮発性有機溶媒が検知されないことが特に好ましい。揮発性有機溶媒は、標準圧力で、沸点が200℃以下の有機溶媒である。
水性ポリウレタン分散物は、固体含有量を5質量%〜60質量%の範囲に有することができ、好ましくは10質量%〜50質量%の範囲、及びより好ましくは25質量%〜45質量%の範囲に有することができる。
ポリウレタン(PU)は、通常の知識のもので、一般的に市販されており、そして通常、比較的高い分子量(モル質量)のポリヒドロキシ化合物、例えばポリカーボネート、ポリエステル、又はポリエーテル部分の柔軟相と、低分子量の鎖延長剤とジ−又はポリイソシアネートから形成される相から成る。
ポリウレタン(PU)(ポリウレタン類(PUs))を製造する方法は、通常の知識のものである。通常、ポリウレタン(PU)は、
(a)イソシアネート、好ましくはジイソシアネート、及び
(b)イソシアネート反応性化合物、典型的には、分子量(Mw)が、500〜10000g/molの範囲、好ましくは500〜5000g/molの範囲、及びより好ましくは800〜3000g/molの範囲のイソシアネート反応性化合物、及び
(c)分子量が50〜499g/molの範囲の鎖延長剤、
を、任意に、
(d)触媒、
(e)及び/又は通常の添加剤材料、
の存在下に反応させることにより製造される。
(a)イソシアネート、好ましくはジイソシアネート、及び
(b)イソシアネート反応性化合物、典型的には、分子量(Mw)が、500〜10000g/molの範囲、好ましくは500〜5000g/molの範囲、及びより好ましくは800〜3000g/molの範囲のイソシアネート反応性化合物、及び
(c)分子量が50〜499g/molの範囲の鎖延長剤、
を、任意に、
(d)触媒、
(e)及び/又は通常の添加剤材料、
の存在下に反応させることにより製造される。
以下に、好ましいポリウレタン(PU)(ポリウレタン類(PUs))を製造するための出発材料及び方法を、例として説明する。ポリウレタン(PU)の製造に通常使用される成分(a)、(b)、(c)及び任意に(d)及び/又は(e)を、以下に例として記載する。
イソシアネート(a)として、公知の脂肪族、脂環式、アラリファチック、及び/又は芳香族イソシアネート、例えばトリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2−エチルブチレン1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ブチレン1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン(イソホルンジイソシアネート、IPDI)、1,4−及び/又は1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4−及び/又は−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、及び/又は4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2‘−、2,4‘−、及び/又は4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3‘−ジメチルビフェニルジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、及び/又はフェニレンジイソシアネートが使用されても良い。4,4’MDIを使用することが好ましい。また、脂肪族ジイソシアネート、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)も好ましく、及び特に、芳香族ジイソシアネート、例えば2,2‘−、2,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び上述した異性体の混合物が特に好ましい。
イソシアネート反応性化合物(b)として、公知のイソシアネート反応性化合物、例えば、分子量(モル質量)(Mw)が、500〜8000g/molの範囲、好ましくは800〜3000g/molの範囲で、及び(イソシアネートについて)好ましくは平均官能価が1.8〜2.3、好ましくは1.9〜2.2、特に2である、ポリエステルオール(類)、ポリエーテルオール(類)、及び/又はポリカーボネートジオール(類)(これらは通常「ポリオール」という用語に含められる)が使用されても良い。ポリエーテルポリオール、例えば、公知の出発物質(starter substance)及び通常のアルキレンキシド、例えば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、及び/又は1,2−ブチレンオキシドに基づくもの、好ましくはポリオキシテトラメチレン(ポリ−THF)、1,2−プロピレンオキシド、及びエチレンオキシドに基づくポリエーテルオールが使用される。ポリエーテルオールは、ポリエステルオールよりも加水分解の安定性が高いという有利性を有しており、そして(特に柔軟性ポリウレタンのポリウレタン(PU1)を製造するために)成分(b)として使用されることが好ましい。
ポリカーボネートヒオールとして、特に脂肪族ポリカーボネートシオール、例えば1,4−ブタンジオールポリカーボネート及び1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートが記載されても良い。
ポリエステルジオールとして、少なくとも1種の1級ジオール(primary diol)、好ましくは少なくとも1種の脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、又はより好ましくは1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン(異性体混合物として)、又は上述したジオールの少なくとも2種の混合物、及び少なくとも1種の好ましくは少なくとも2種のジカルボン酸、又はこれらの無水物の重縮合によって得られるものが記載されるべきである。好ましいジカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、グルタル酸、コハク酸、及び芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、及び特にイソフタル酸である。
ポリエーテルオールは、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びこれらの混合物を、(高活性の触媒の存在下に)ジオールに、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオールに加えることによって、又はトリオールに、例えばグリセロールに加えることによって製造されることが好ましい。このような高活性触媒は、例えばセシウムヒドロキシド、及びDMC触媒としても公知のジメタルシアニド触媒である。亜鉛ヘキサシアノコバルテートが、しばしば使用されるDMC触媒である。DMC触媒は、反応の後、ポリエーテルオール中に残すことができるが、しかし、例えば沈澱、又はろ過によって除去されることが好ましい。
種々のポリオールの混合物も、1種のみのポリオールの替わりに使用可能である。
分散性を改良するために、イソシアネート反応性の化合物(b)は、カルボン酸基、又はスルホン酸基(b’)を有する1種以上のジオール、又はジアミン、特に、1,1−ジメチルオールブタン酸、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、又は、
有用な鎖延長剤(c)は、分子量が50〜499g/molの範囲であり、そして1分子当たり、少なくとも2個の官能基を有する、公知の脂肪族、アラリファティック、芳香族、及び/又は脂環式化合物を含み、1分子当たり正確に2個の官能基を有する化合物が好ましく、例えば、アルキレン基に2〜10個の炭素原子を有するジアミン、及び/又はアルカンジオール、特に1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び/又は(1分子当たり3〜8個の炭素原子を有する)ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−、オクタ−、ノナ−、及び/又はデカアルキレングリコール、好ましくは対応するオリゴ−、及び/又はポリプロピレングリコール、及び鎖延長剤(c)の混合物である。
化合物(a)〜(c)が、2官能性化合物、すなわち、ジイソシアネート(a)、2官能性ポリオール、好ましくはポリエーテルオール(b)、及び2官能性鎖延長剤、好ましくはジオールを含むことが好ましい。特に、ジイソシアネート(a)のNCO基、及び形成するブロック成分(b)及び(c)のヒドロキシル基の間の反応を速める、有用な触媒(d)は、通常の3級アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N,N’−ジメチルピペラジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)エタノール、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、及び類似する3級アミンであり、及び特に、有機金属化合物、例えばチタンエステル、鉄化合物、例えば鉄(III)アセチルアセトネート、スズ化合物、例えばスズジアセテート、スズジオクトエート、スズジラウレート、又は脂肪族カルボン酸のスズジアルキル塩、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、又はこれらに類似するものである。触媒は、典型的には、化合物(b)100質量部当たり、0.0001〜0.1質量部である。
触媒(d)と同様に、補助剤、及び/又は添加剤(e)も成分(a)〜(c)に加えても良い。例えば、発泡剤、ブロッキング防止剤、表面活性物質、充填剤、例えばナノ粒子に基づく充填剤、特に、CaCO3に基づく充填剤、核形成剤、流動促進剤、染料、及び顔料、抗酸化物質、例えば加水分解、光、熱に対するもの、無機、又は有機充填剤、補強剤、及び可塑剤、金属不活性化剤が記載されても良い。好ましい実施の形態では、成分(e)は、加水分解安定化剤、例えばポリマー性、及び低分子カルボジイミドをも含む。柔軟性ポリウレタンは、好ましくは、トリアゾール、及び/又はトリアゾール誘導体、及び抗酸化物質を、柔軟性ポリウレタンの合計質量に対して、0.1質量%〜5質量%の量で含む。有用な抗酸化物質は、通常、保護されるべきプラスチック材料中の望ましくない酸化性の進行作用を禁じるか、又は防止する物質である。通常、抗酸化物質は、市販されている。抗酸化物質の例は、立体障害フェノール、芳香族アミン、チオシネルギスト、3価のリンの有機リン化合物、及び障害アミン光安定剤である。立体障害フェノールの例は、Plastics Additive Handbook,5th edition,H.Zweifel,ed.,Hanser Publischers,Munich,2001([1])98〜107頁、及び116〜121頁に見出される。芳香族アミンの例は、[1]107〜108頁に見出される。チオシネルギシスの例は、[1]、104〜105頁、及び112〜113頁に見出される。ホスフィット(亜リン酸塩)の例は、[1]、109〜112頁に見出される。障害アミン光安定剤の例は、[1]、123〜136頁に見出される。フェノール性の抗酸化物質を抗酸化物質混合物中に使用することが好ましい。好ましい実施の形態では、抗酸化物質、特にフェノール性抗酸化物質は、モル質量が350g/molを超え、より好ましくは700g/molを超え、及び最大モル質量(Mw)が、10000g/mol以下、好ましくは3000g/mol以下である。これらは更に、好ましくは、融点が180℃以下である。アモルファス又は液体の抗酸化物質を使用することが更に好ましい。2種以上の抗酸化物質も同様に、成分(e)として使用することができる。
規定の成分(a)、(b)及び(c)及び任意に(d)及び(e)に加え、(通常、分子量が31〜3000g/molの)鎖レギュレーター(鎖終了剤)も使用することができる。このような鎖レギュレーターは、イソシアネート−反応性官能基を1個だけ有する化合物で、例えば、単官能性アルコール、単官能性アミン、及び/又は単官能性ポリオールである。このような鎖レギュレーターは、(特に柔軟性ポリウレタンの場合に)流動挙動を特定の値に調節することを可能にする。鎖レギュレーターは、通常、成分(b)を100質量部として、0〜5質量部、及び好ましくは0.1〜1質量部の量で使用され、及び定義に従い、成分(c)に入る。
規定の成分(a)、(b)及び(c)及び任意に(d)及び(e)に加え、2個以上のイソシアネート反応性基を有する架橋剤、例えばヒドラジンハイドレートを、ポリウレタン形成反応の終わり頃に使用することも可能である。
ポリウレタン(PU)の硬度を調節するために、成分(b)及び(c)を、比較的広いモル割合の範囲内で選ぶことができる。有用なものは、成分(b)の、鎖延長剤(c)の合計に対するモル割合が、10:1〜1:10の範囲もの、及び特に、1:1〜1:4の範囲のもので、成分(c)の含有量が増すと、柔軟性ポリウレタンの硬度が増す。ポリウレタン(PU)を製造するための反応は、0.8〜1.4:1の範囲のインデックスで、好ましくは0.9〜1.2:1の範囲のインデックスで、及びより好ましくは1.05〜1.2:1の範囲のインデックスで行うことができる。インデックスは、反応に使用される成分(a)の全てのイソシアネート基の、(成分(b)及び任意に(c)、及び任意に鎖延長剤としての単官能性のイソシアネート−反応性成分、例えばモノアルコールの)イソシアネート反応性基、すなわち活性水素に対する割合によって定義される。
ポリウレタン(PU)は、通常の方法で、通常の手順で製造することができ、例えば、ワンショット法、又はプレポリマー法によって、又はバッチ式で、通常のプレポリマー操作によって製造することができる。これらの方法では、反応物質成分(a)、(b)、(c)及び任意に(d)及び/又は(c)を、次ぎ次ぎに、又は同時に混合することができ、そして反応が直ちに起こる。
ポリウレタン(PU)は、通常の方法で水に分散させることができ、例えばポリウレタン(PU)をアセトンに溶解させるか、又はこれをアセトン中の溶液として製造し、この溶液を水と混合し、そして次にアセトンを(例えば蒸発させて)除去することよって分散させることができる。一変形例では、ポリウレタン(PU)を、N−メチル−ピロリドン又はN−エチルピロリドン中の溶液として製造し、水と混合し、そしてN−メチル−ピロリドン又はN−エチルピロリドンが除去される。
本発明の一実施の形態では、水性分散物は、2種の異なる(ポリウレタンの)ポリウレタン(PU1)及びポリウレタン(PU2)を含み、ここで、ポリウレタン(PU1)はいわゆる柔軟性ポリウレタン(該柔軟性ポリウレタンは、ポリウレタン(PU)について上述したように構成されている)であり、そして少なくとも1種の硬質ポリウレタン(PU2)である。
硬質ポリウレタン(PU2)は、原則として、柔軟性ポリウレタン(PU1)に類似して製造することができるが、しかし、他のイソシアネート反応性化合物(b)、又はイソシアネート反応性化合物(b)の他の混合物(該混合物は、イソシアネート反応性化合物(b2)又は簡単に化合物(b2)とも称される)が使用される。
化合物(b2)の例は、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びネオペンチルグリコールで、互いに混合しても良く、又はポリエチレングリコールと混合しても良い。
本発明の一変形例では、ジイソシアネート(a)及びポリウレタン(PU2)は、それぞれジイソシアネートの混合物であり、例えばHDI及びIPDIの混合物である。ここで、柔軟性ポリウレタン(PU1)の製造のためよりも、硬質ポリウレタン(PU2)の製造のために、IPDIがより高い割合で使用される。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン(PU2)は、ショアA硬度を、60を超え、100以下の範囲で有する。ここで、ショアA硬度は、ドイツ標準規格DIN53505に従い、3s後に測定される。
本発明の一実施の形態では、ポリウレタン(PU)は、平均粒径が、(レーザー光散乱で測定して、)100〜300nmの範囲、及び好ましくは120〜150nmの範囲である。
本発明の一実施の形態では、柔軟性ポリウレタン(PU1)は、平均粒径が、(レーザー光散乱で測定して、)100〜300nmの範囲、及び好ましくは120〜150nmの範囲である。
本発明の一実施の形態では、柔軟性ポリウレタン(PU2)は、平均粒径が、(レーザー光散乱で測定して、)100〜300nmの範囲、及び好ましくは120〜150nmの範囲である。
水性ポリウレタン分散物は、更に、少なくとも1種の硬化剤(curative)を含んでも良く、該硬化剤は、架橋剤とも称される。複数のポリウレタン分子を、例えば熱的な活性化で一緒に架橋させることができる化合物が、硬化剤として有用である。特に好ましいものは、三量体のジイソシアネートに基づく、特に脂肪族ジイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートに基づく架橋剤である。WO2008/113755に記載さえた架橋剤が極めて好ましい。
水性ポリウレタン分散剤は、更なる成分、例えば、
(f)反応性基を有するシリコーン化合物、
を含んでも良く、ここで、反応性基を有するシリコーン化合物は、シリコーン化合物(f)とも称される。
(f)反応性基を有するシリコーン化合物、
を含んでも良く、ここで、反応性基を有するシリコーン化合物は、シリコーン化合物(f)とも称される。
シリコーン化合物(f)について、反応性基の例は、例えば、カルボン酸基、カルボン酸誘導体、例えばメチルカルボキシレート、又はカルボン酸無水物、特にコハク酸無水物基、及びより好ましくはカルボン酸基である。
反応性基の例は、更に、1級及び2級アミノ基、例えば、NH(イソ−C3H7)基、NH(n−C3H7)基、NH(シクロ−C6H11)基、及びNH(n−C4H9)基、特にNH(C2H5)基、及び最も好ましくはNH2基を含む。
好ましいものは、更に、アミノアルキルアミノ基、例えば、−NH−CH2−CH2−NH2基、−NH−CH2−CH2−CH2−NH2基、−NH−CH2−CH2−NH(C2H5)基、−NH−CH2−CH2−CH2−NH(C2H5)基、−NH−CH2−CH2−NH(CH3)基、−NH−CH2−CH2−CH2−NH(CH3)基である。
反応性基(複数個の場合を含む)は、シリコーン化合物に直接的に結合(付着)するか、又は好ましくはスペーサーA2を介して結合する。A2は、アリーレン、無置換又は1〜4個のC1−C4−アルキル基で置換されたもの、アルキレン及びシクロアルキレン、例えば1,4−シクロヘキシレンから選ばれる。好ましいスペーサーA2は、フェニレン、特にパラ−フェニレン、及びトルエン、特にパラ−トルエン、及びC2−C18−アルキレン、例えばエチレン(CH2CH2)、及び−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)8−、−(CH2)10−、−(CH2)12−、−(CH2)14−、−(CH2)16−、及び−(CH2)18−である。
反応性基に加え、シリコーン化合物(f)は、非反応性基、特にジメチル−SiO2基、及び任意に1個以上のSi(CH3)2−OH基、又はSi(CH3)3基を含む。
WO2008/113755に記載されたような、反応性基(f)を有するシリコーン化合物が極めて好ましい。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、更に、アミノ基も、COOH基も有さないポリジ−C1−C4−アルキルシロキサン(g)、好ましくはポリジメチルシロキサン(ここでは、簡単にポリジアルキルシロキサン(g)、又はポリジメチルシロキサン(g)とも称される)を含む。
ポリジアルキルシロキサン(g)中のC1−C4−アルキルは、異なっていても良く、又は好ましくは同一で、そしてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルから選ばれ、これらの内、枝分れしていないC1−C4−アルキルが好ましく、及びメチルが特に好ましい。
WO2008/113755に記載されているように、ポリジアルキルシロキサン(g)が極めて好ましく、そして特にポリジメチルシロキサン(g)である。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、
全体で、20〜30質量%のポリウレタン(PU)、又は全体で、20〜30質量%のポリウレタン(PU1)及び(PU2)、
任意に、1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%の硬化剤、
任意に、1〜10質量%のシリコーン化合物(f)、
0〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%のポリジアルキルシロキサン(g)、
を含む。
全体で、20〜30質量%のポリウレタン(PU)、又は全体で、20〜30質量%のポリウレタン(PU1)及び(PU2)、
任意に、1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%の硬化剤、
任意に、1〜10質量%のシリコーン化合物(f)、
0〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%のポリジアルキルシロキサン(g)、
を含む。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、
10〜30質量%の柔軟性ポリウレタン(PU1)及び
0〜20質量%の硬質ポリウレタン(PU2)、
を含む。
10〜30質量%の柔軟性ポリウレタン(PU1)及び
0〜20質量%の硬質ポリウレタン(PU2)、
を含む。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、固体含有量が全体で、5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、及び最も好ましくは25〜45質量%である。
これらの質量%は、活性又は固体の成分に適用され、そして本発明の水性分散物の合計に基いている。100質量%のなるための、残りのものは、好ましくは、連続相、例えば水、又は1種以上の有機溶媒と水の混合物である。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、顔料、抗光沢剤、光安定剤、静電防止剤、汚れ防止剤、クリーク防止剤、増粘剤、特にポリウレタンに基づく増粘剤、及びマイクロバルーンから選ばれる、少なくとも1種の添加剤(h)を含む。
本発明の一実施の形態では、水性ポリウレタン分散物は、全体で、20質量%以下の添加剤(h)を含む。
水性ポリウレタン分散物は、1種以上の有機溶媒を含んでも良い。適切な有機溶媒は、例えば、アルコール、例えばエタノール、又はイソプロパノール、及び特にグリコール、ジグリコール、トリグリコール、又はテトラグリコール、及び二重に、好ましくは単一にC1−C4−アルキルエーテル化されたグリコール、ジグリコール、トリグリコール又はテトラグリコールである。適切な有機溶媒の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ジメトキシエタン、メチルトリエチレングリコール(「メチルトリグリコール」)及びトリエチレングリコールn−ブチルエーテル(「ブチルトリグリコール」)である。
本発明を、実施例を使用して更に説明する。
実施例
I. 出発材料(starting material)の製造
I.1 水性ポリウレタン分散物 Disp.1の製造
攪拌容器内で、以下のものを混合した:
ジイソシアネートとして、質量割合が13:10のヘキサメチレンジイソシアネート(a1.1)及びイソホロンジイソシアネート(a1.2)、及びジオールとして、モル割合が1:1:2の、イソフタル酸、アジピン酸、及び1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン(異性体混合物)の重縮合によって製造された、分子量Mwが800g/molのポリエステルジオール(b1.1)から製造された、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の、7質量%の水性分散物(粒径:125nm、固体含有量40%)、5質量%の1,4−ブタンジオール(b1.2)及び3質量%のモノメチル化されたポリエチレングリコール(c.1)、及び3質量%のH2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−COOH、質量%は、ポリエステルジオール(b1.1)に基づき、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の軟化点:62℃、軟化は55℃で開始、ショアA硬度54、
イソホロンジイソシアネート(a1.2)、1,4−ブタンジオール、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、ヒドラジン水和物、及び分子量Mwが、4200g/molのポリプロピレングリコールの反応によって得られる、65質量%の水性分散物(粒径:150nm)の、硬質ポリウレタン(PU2.2)、軟化点195℃、ショアA硬度86、
70質量%溶液(プロピレンカーボネート中)の3.5質量%の、架橋剤(V.1)
I. 出発材料(starting material)の製造
I.1 水性ポリウレタン分散物 Disp.1の製造
攪拌容器内で、以下のものを混合した:
ジイソシアネートとして、質量割合が13:10のヘキサメチレンジイソシアネート(a1.1)及びイソホロンジイソシアネート(a1.2)、及びジオールとして、モル割合が1:1:2の、イソフタル酸、アジピン酸、及び1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン(異性体混合物)の重縮合によって製造された、分子量Mwが800g/molのポリエステルジオール(b1.1)から製造された、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の、7質量%の水性分散物(粒径:125nm、固体含有量40%)、5質量%の1,4−ブタンジオール(b1.2)及び3質量%のモノメチル化されたポリエチレングリコール(c.1)、及び3質量%のH2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−COOH、質量%は、ポリエステルジオール(b1.1)に基づき、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の軟化点:62℃、軟化は55℃で開始、ショアA硬度54、
イソホロンジイソシアネート(a1.2)、1,4−ブタンジオール、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、ヒドラジン水和物、及び分子量Mwが、4200g/molのポリプロピレングリコールの反応によって得られる、65質量%の水性分散物(粒径:150nm)の、硬質ポリウレタン(PU2.2)、軟化点195℃、ショアA硬度86、
70質量%溶液(プロピレンカーボネート中)の3.5質量%の、架橋剤(V.1)
65質量%の水性分散物の6質量%のシリコーン化合物(EP−A0738747(f.1)に従う)、
2質量%のカーボンブラック、
ポリウレタンに基づく、0.5質量%の増粘剤、
例えばAkzo NobelからのExpancel(登録商標)として市販されている、イソブテンで満たされた、直径が20μmの、ポリビニリデンクロリドの、1質量%のマイクロバルーン。
2質量%のカーボンブラック、
ポリウレタンに基づく、0.5質量%の増粘剤、
例えばAkzo NobelからのExpancel(登録商標)として市販されている、イソブテンで満たされた、直径が20μmの、ポリビニリデンクロリドの、1質量%のマイクロバルーン。
これにより、固体含有量が35%で、及びDIN EN ISO 2431(May1996のものとして)に従い測定された動粘度が、23℃で25秒の、水性分散物Disp.1を得た。
I.2 水性処方物 Disp.2の製造
攪拌容器内で、以下のものを混合した:
ジイソシアネートとして、質量割合が13:10のヘキサメチレンジイソシアネート(a1.1)及びイソホロンジイソシアネート(a1.2)、及びジオールとして、モル割合が1:1:2の、イソフタル酸、アジピン酸、及び1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン(異性体混合物)の重縮合によって製造された、分子量Mwが800g/molのポリエステルジオール(b1.1)から製造された、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の、7質量%の水性分散物(粒径:125nm、固体含有量40%)、5質量%の1,4−ブタンジオール(b1.2)及び3質量%のモノメチル化されたポリエチレングリコール(c.1)、及び3質量%のH2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−COOH、質量%は、ポリエステルジオール(b1.1)に基づき、軟化点:62℃、軟化は55℃で開始、ショアA硬度54、
イソホロンジイソシアネート(a1.2)、1,4−ブタンジオール、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、ヒドラジン水和物、及び分子量Mwが、4200g/molのポリプロピレングリコール(b1.3)の反応によって得られる、65質量%の水性分散物(粒径:150nm)の、硬質ポリウレタン(α2.2)、軟化点195℃、ショアA硬度90、
70質量%溶液(プロピレンカーボネート中)の3.5質量%の、架橋剤(V.1)
NCO含有量12%、
2質量%のカーボンブラック。
攪拌容器内で、以下のものを混合した:
ジイソシアネートとして、質量割合が13:10のヘキサメチレンジイソシアネート(a1.1)及びイソホロンジイソシアネート(a1.2)、及びジオールとして、モル割合が1:1:2の、イソフタル酸、アジピン酸、及び1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン(異性体混合物)の重縮合によって製造された、分子量Mwが800g/molのポリエステルジオール(b1.1)から製造された、柔軟性ポリウレタン(PU1.1)の、7質量%の水性分散物(粒径:125nm、固体含有量40%)、5質量%の1,4−ブタンジオール(b1.2)及び3質量%のモノメチル化されたポリエチレングリコール(c.1)、及び3質量%のH2N−CH2CH2−NH−CH2CH2−COOH、質量%は、ポリエステルジオール(b1.1)に基づき、軟化点:62℃、軟化は55℃で開始、ショアA硬度54、
イソホロンジイソシアネート(a1.2)、1,4−ブタンジオール、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、ヒドラジン水和物、及び分子量Mwが、4200g/molのポリプロピレングリコール(b1.3)の反応によって得られる、65質量%の水性分散物(粒径:150nm)の、硬質ポリウレタン(α2.2)、軟化点195℃、ショアA硬度90、
70質量%溶液(プロピレンカーボネート中)の3.5質量%の、架橋剤(V.1)
NCO含有量12%、
2質量%のカーボンブラック。
これにより、固体含有量が35%で、及びDIN EN ISO 2431(May1996のものとして)に従い測定された動粘度が、23℃で25秒の、水性分散物Disp.2を得た。
II.型の製造
液体シリコーンを、フルグレインの子牛革の模様を有する表面に注いだ。このシリコーンを、ジ−n−ブチルビス(1−オキソネオデシルオキシ)−スタンナンを、テトラエトキシシラン中25質量%溶液として(酸性硬化剤として)加えることによって硬化させ、平均の厚さが2mmのシリコーンゴム層を得、これは型として作用した。この型を、厚さが1.5mmの厚いアルミニウム支持体に接着(粘着)させた。
液体シリコーンを、フルグレインの子牛革の模様を有する表面に注いだ。このシリコーンを、ジ−n−ブチルビス(1−オキソネオデシルオキシ)−スタンナンを、テトラエトキシシラン中25質量%溶液として(酸性硬化剤として)加えることによって硬化させ、平均の厚さが2mmのシリコーンゴム層を得、これは型として作用した。この型を、厚さが1.5mmの厚いアルミニウム支持体に接着(粘着)させた。
III.水性ポリウレタン分散物の、IIで得られた型への供給
IIからの型を、加熱可能な表面に配置し、そして91℃に加熱した。そしてDisp.1を、スプレーノズルを使用して、88g/m2(ウェット)で、その上に吹きつけた。供給の間、空気を混合しなかった。そして、直径が0.46mmのスプレーノズルを使用して、65バールの圧力で行なった。次に、91℃で、表面が粘着性でなくなるまで固体化した。
IIからの型を、加熱可能な表面に配置し、そして91℃に加熱した。そしてDisp.1を、スプレーノズルを使用して、88g/m2(ウェット)で、その上に吹きつけた。供給の間、空気を混合しなかった。そして、直径が0.46mmのスプレーノズルを使用して、65バールの圧力で行なった。次に、91℃で、表面が粘着性でなくなるまで固体化した。
スプレーノズルを、その下側を通過する表面から20cm上に(表面の搬送方向に移動可能に)配置し、そして表面の搬送方向に対して横方向に移動させた。表面は、スプレーノズルを通過するのに約14秒かかり、そして温度が59℃であった。85℃で、乾した熱風の流に約2分間曝した後、このように製造した(網状の外観を有する)ポリウレタンフィルムは殆ど水を有していなかった。
同様の配置構成で、Disp.2を、この後直ちに、このように被覆された型に、結合層として、50g/m2ウェットで施し、そして次に乾燥させた。
これによりポリウレタンフィルムと結合層で被覆された型を得た。
層厚さが1mmの空気透過性ポリウレタン凝固物(coagulate)を、Disp.2を30g/m2(ウェット)使用し吹き付けを行って、支持体テキスタイルに施した。このように吹きつけられた材料を数分間乾燥させた。
IV. 膜の製造
IV.1 膜M.1の製造
次に、支持体材料を、吹きつけを行った側を、(ポリウレタンフィルムと一緒に型の上に配置されている)まだ暖かい結合層の上に置き、そしてプレス内で4バール及び110℃で15秒間、圧縮(押し付け)した。次に、得られた膜M.1をプレスから取り除き、そして離型した。
IV.1 膜M.1の製造
次に、支持体材料を、吹きつけを行った側を、(ポリウレタンフィルムと一緒に型の上に配置されている)まだ暖かい結合層の上に置き、そしてプレス内で4バール及び110℃で15秒間、圧縮(押し付け)した。次に、得られた膜M.1をプレスから取り除き、そして離型した。
IV.2 膜M.2の製造
種々の機器のためにカットアウト(切り抜き)が存在するが、ベントスロットを有しない、子牛の革しぼ(レザーグレイン)の逆の表面構成、及びダッシュボードの三次元形状を有する、IIからの型に類似したシリコーン型を、実施例IIIと類似した方法で、100℃に加熱し、そしてDisp.2で吹きつけを行った。ポリウレタン層が形成された後、ポリオールと芳香族イソシアネート(これらは、供給の直前に混合した)から成る適切な2成分混合物を使用して逆側に吹きつけを行い、そして柔軟性PUフォームの厚さ1mmの層を、ポリウレタン層の逆側に形成し、膜M2を得た。
種々の機器のためにカットアウト(切り抜き)が存在するが、ベントスロットを有しない、子牛の革しぼ(レザーグレイン)の逆の表面構成、及びダッシュボードの三次元形状を有する、IIからの型に類似したシリコーン型を、実施例IIIと類似した方法で、100℃に加熱し、そしてDisp.2で吹きつけを行った。ポリウレタン層が形成された後、ポリオールと芳香族イソシアネート(これらは、供給の直前に混合した)から成る適切な2成分混合物を使用して逆側に吹きつけを行い、そして柔軟性PUフォームの厚さ1mmの層を、ポリウレタン層の逆側に形成し、膜M2を得た。
V.ダッシュボードへの供給(塗布)
V.1 M.1の供給
IVに従い得られた膜M.1を、自動車のダッシュボードのブランクに均一に付着(接着)させた。心地良い美を得るために、ブランクは、ベントスロットが無く、種々の機器とスイッチのためのカットアウトだけを有するように製造された。この代わり、空気流は、後部通路を通って膜M.1の逆側に導かれ、この結果、強い空気流を感じることなく、乗り物の内部に心地良い環境が形成された。
V.1 M.1の供給
IVに従い得られた膜M.1を、自動車のダッシュボードのブランクに均一に付着(接着)させた。心地良い美を得るために、ブランクは、ベントスロットが無く、種々の機器とスイッチのためのカットアウトだけを有するように製造された。この代わり、空気流は、後部通路を通って膜M.1の逆側に導かれ、この結果、強い空気流を感じることなく、乗り物の内部に心地良い環境が形成された。
V.2 M.2の供給
M.2の逆側に、PUコンパクト材料を厚さ7.5mmで吹きつけ、そして後ろ側からの空気供給用の主たるカットアウトを残した。このようにして得られた層構造物を、自動車内の目的とする箇所に、ダッシュボードとして導入し、そして実施例V.1に記載された空気調整機能を行うことができた。
M.2の逆側に、PUコンパクト材料を厚さ7.5mmで吹きつけ、そして後ろ側からの空気供給用の主たるカットアウトを残した。このようにして得られた層構造物を、自動車内の目的とする箇所に、ダッシュボードとして導入し、そして実施例V.1に記載された空気調整機能を行うことができた。
Claims (12)
- 空気流が導かれる、少なくとも1個の開口部を有する物品であって、
前記開口部は、目視側が、視覚的な概観を有し、及びガス流が通過する、空気透過性又は通気性の膜で覆われ、
前記膜は、少なくとも2層の層を含み、これらの層の内の1層は、少なくとも1種のポリウレタンを含み、及び模様が施されていることを特徴とする物品。 - 乗り物の構成要素を含む、請求項1に記載の物品。
- 1個以上の前記開口部は、目視側から見て、開口部であると認識することができないように、前記膜で覆われていることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の物品。
- 前記膜が、第2の層として、少なくとも1種の支持体材料を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物品。
- 前記支持体材料が、テキスタイル、革、人工革、及び連続気泡フォームから選ばれることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の物品。
- 前記模様が、リバースコーティング法によって製造されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の物品。
- 船、又は飛行機のキャビンインテリアライニング、及び自動車、飛行機、列車又はウォータービークルのダッシュボートから選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の物品。
- ビルディングの室内部分から選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の物品。
- 空調システム、加熱システム、又はファンを含む請求項1〜8の何れか1項に記載の物品。
- 前記膜が、1個以上の前記開口部、及び前記船又は飛行機の前記キャビンインテリアライニング、又は自動車、飛行機、ウォータービークル又はトレインの前記ダッシュボードの少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1〜9に記載の物品。
- (A)型を使用して、模様を有する多孔性膜を製造する工程、
(B)前記膜を支持体材料に固定する固定、及び
(C)物品中の少なくとも1個の開口部を覆う工程、
を含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の物品を製造するための方法。 - 工程(b)での前記固定が、少なくとも1層の結合層を、前記膜及び/又は前記支持体材料に施すことによって行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
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