JP2012505213A - スピカマイシン誘導体を用いて疼痛を治療又は予防する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療及び/又は予防するスピカマイシン誘導体の使用に関する。本発明はさらに、疼痛の治療又は予防に好適なスピカマイシン誘導体の医薬組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、疼痛、例えば神経障害性(neuropathic:神経因性)疼痛を治療及び/又は予防するスピカマイシン誘導体の使用に関する。本発明はさらに、疼痛の治療又は予防に好適なスピカマイシン誘導体の医薬組成物に関する。
神経障害性疼痛は、神経損傷から生じる慢性疼痛であり、侵害刺激だけでなく非侵害刺激に対しても異常な過敏性を示すことを特徴とし、初期に該疼痛を引き起こした組織損傷及び炎症が治癒した後も持続することが多い。世界中で1100万人の患者が神経障害性疼痛に苦しんでいる(非特許文献1)。臨床的には、神経障害性疼痛は管理することが難しく、標準的な鎮痛治療に応答せず、時間と共に悪化することが多い(非特許文献2、非特許文献3)。
スピカマイシンは、細菌であるストレプトミセス・アラノシニクス(Streptomyces alansinicus)879−MTが産生する抗腫瘍抗生物質である(非特許文献4)。この天然化合物は下記の式Iの一般構造を有し、脂肪酸部分のみが変化する。
Figure 2012505213
合成スピカマイシン誘導体及びその抗腫瘍剤としての使用はOtake et al.に対する特許文献1及び特許文献2に記載されている。疼痛を低減及び/又は予防するスピカマイシン又はその誘導体、例えばKRN5500の使用はBorsook et al.に対する特許文献3、特許文献4及び特許文献5に記載されている。KRN5500はラットの神経障害性疼痛モデルで有効であることが実証されている(非特許文献5、非特許文献6)。
本発明は、スピカマイシン誘導体を用いる、疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する改善された組成物及び方法を提供する。
米国特許第5,461,036号 米国特許第5,631,238号 米国特許第5,905,069号 米国特許第7,196,071号 米国特許第7,375,094号
Olsen, WWMR, Inc. Consulting and Marketing Report(2002) Arner et al., Acta Anaesthesiol. Scand. 29:32(1985) Cherny et al., Neurology 44:857(1994) Hayakawa et al. Agric. Biol. Chem. 49:2685(1985) Abdi et al., Anesth. Analg. 91:955(2000) Kobierski et al., Anesth. Analg. 97:174 2003
本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療及び予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、スピカマイシンの或る特定の誘導体を投与することを含む方法を提供する。スピカマイシン誘導体である1つ又は複数の化合物を含む医薬組成物も提供する。
したがって、一態様として、本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、Rは置換又は非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルを表す。)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それらを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIIの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、R’は(1)炭素数1若しくは炭素数2の置換若しくは非置換のアルキル若しくはアルケニル、又は(2)Hを表す)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む方法も提供する。
またさらなる一態様として、本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それらを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IVの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、
各R’’基は独立して、H又は1個〜3個の独立したR若しくはRで置換された炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはシクロアルキル基である場合があり、
各Rは独立して、1個〜3個の独立したRで置換されていてもよいヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、
各Rは独立して、ハロゲン、酸素、硫黄、CF、SR、OR、OC(O)R、NR、NR、COOR、C(O)R又はC(O)NRであり、
各Rは独立して、C〜C10アルキル、ハロ、ハロアルキル、SR、OR、NR、COOR、NO、CN、C(O)R、C(O)NR、OC(O)R、S(O)、S(O)NR、NRC(O)NR、NRC(O)R、NR(COOR)、NRC(O)R、NRS(O)NR、NRS(O)、NRS(O)又はR若しくはRで置換されたC〜C10アルキルであり、
各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、R又はRで置換されたC〜C10アルキルであり、
各Rは独立して、COOR、C(O)NR、S(O)又はS(O)NRであり、
各Rは独立して、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む、方法を提供する。
本発明の一実施形態において、神経障害は、化学療法誘発性神経障害、癌関連神経障害、HIV関連末梢神経障害、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、線維筋痛、慢性疲労症候群による疼痛、多発性硬化症による疼痛、複合性局所疼痛症候群I型、複合性局所疼痛症候群II型、中枢性疼痛症候群、有痛性外傷性単神経障害(painful traumatic mononeuropathy)、術後疼痛症候群、乳房切除後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛、神経根引き抜き損傷(avulsion)、放射線照射後神経障害、反復運動神経損傷(repetitive movement nerve injury)、反復運動過多損傷(repetitive stress injury:反復性ストレス障害)及び受傷後(post injury)神経障害からなる群から選択される。
本発明の別の態様では、式II、式III又は式IVの化合物を、さらなる薬剤、例えば鎮痛化合物、抗炎症化合物、化学療法化合物、制吐化合物又はペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)アゴニスト化合物と同時に投与する。
さらに別の態様として、本発明は、薬学的に許容可能な担体中に、例えばナノエマルジョン又は他のナノ粒子の形態で、式II、式III若しくは式IVの化合物又はその薬学的に許容可能な塩若しくはプロドラッグ若しくはその光学異性体を含む、医薬組成物を提供する。
さらなる一態様において、本発明は、約10重量%〜約15重量%の油相、約5重量%〜約10重量%の界面活性剤及び約50重量%〜約70重量%の水相、例えば約13重量%〜約15重量%の油相、約6重量%〜約8重量%の界面活性剤及び約55重量%〜約65重量%の水相を含有するナノエマルジョン製剤を含む製剤中に、式II、式III若しくは式IVの化合物又はその薬学的に許容可能な塩若しくはプロドラッグ若しくはその光学異性体を含む、医薬組成物を提供する。1つの実施の形態において、ナノエマルジョンは、約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム及び約62重量%の水を含有する。別の実施の形態において、ナノエマルジョンは、約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム、約0.006重量%のEDTA、約17重量%のスクロース及び約62重量%の水を含有する。
本明細書中の図面及び以下に示す説明において、本発明をより詳細に説明する。
本発明は様々な形態で具現化することができ、本明細書中に示す実施形態に限定されると解すべきではない。むしろ、これらの実施形態が提供される結果、本開示が完璧かつ完全なものとなり、本発明の範囲が当業者に十分に伝わるようになる。例えば、一実施形態に関して例示される特徴は他の実施形態に援用することができ、特定の実施形態に対して例示される特徴はその実施形態から削除することができる。さらに、本明細書中で示唆される実施形態に対する多数の変形及び付加は本開示に照らして当業者には明らかであり、これらは本発明から逸脱するものではない。
別途定義しない限り、本明細書中で使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中の本発明の説明において用いる用語法は、特定の実施形態を説明することを目的とするに過ぎず、本発明を限定することを意図しない。
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献の全体が参照により本明細書に援用される。
定義:
本明細書で用いられる場合、「a」、「an」又は「the」は1又は1超を意味し得る。例えば、「a」細胞は単一の細胞又は複数の細胞を意味し得る。
また本明細書で用いられる場合、「及び/又は」は、関連する列挙項目の1つ又は複数の任意かつ全ての考えられる組合せ並びに二者択一で解釈される場合には組合せがないこと(「又は」)を指しかつ包含する。
さらに、測定可能な値、例えば本発明の化合物又は薬剤の量、用量、時間、温度等に言及する場合に本明細書で用いられる「約」という用語は、特定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%又はさらには±0.1%の変動を包含する意味である。
本発明の組成物に適用される「〜から本質的になる」という用語(及び文法上の変形)は、追加の構成成分が組成物を実質的に(materially)改変しない限り、組成物が追加の構成成分を含有し得ることを意味する。組成物に適用される「実質的に改変された」という用語は、組成物の治療有効性が、列記された構成成分からなる組成物の有効性と比較して少なくとも約20%以上上昇又は低下することを指す。
本明細書で用いられる「治療有効量」又は「有効量」という用語は、当該技術分野において既知であるように、障害、疾患又は病気に苦しんでいる被験体に対し、調節効果(例えば有益な効果であり得る)、例えば被験体の病態の改善(例えば1つ又は複数の症状における)、病態の進行の遅延若しくは低減、障害の開始の予防若しくは遅延及び/又は疾患若しくは病気等の臨床的指標の変化をもたらす本発明の組成物の量を指す。例えば、治療有効量又は有効量は、被験体における病態を少なくとも5%、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%改善する組成物、化合物又は薬剤の量を指す場合がある。
「治療する(Treat)」又は「治療すること(treating)」又は「治療(treatment)」とは、当該技術分野において既知であるように、障害、疾患又は病気に苦しんでいる被験体に対し、調節効果(例えば有益な効果であり得る)、例えば被験体の病態の改善(例えば1つ又は複数の症状における)、病態の進行の遅延若しくは低減及び/又は疾患若しくは病気等の臨床的指標の変化をもたらす任意の種類の行為を指す。
「予防する(Prevent)」又は「予防すること(preventing)」又は「予防(prevention)」とは、障害の開始の予防若しくは遅延及び/又は本発明の方法が無い場合に発症する疼痛のレベルと比べて被験体における疼痛のレベルが低下することを指す。予防は完全である(例えば被験体における疼痛が全く無い)場合がある。また予防は部分的である(被験体における疼痛の発生が本発明が無い場合に発生したと考えられるものよりは少ない)可能性もある。
疼痛又は疼痛緩和を判定する方法(例えば患者による疼痛の主観的評価)が当該技術分野において既知であり、標準的な疼痛モデル動物、例えばRandall Selitto疼痛モデルラット又はBennet Xie疼痛モデルラット、実験的に生産された分節脊髄神経損傷モデル又は慢性絞扼性神経損傷モデル(例えばKim et al., Pain 50:355(1992)、Bennett et al., Pain 33:87(1988)及び米国特許出願公開第2004/0038927号を参照されたい)等が利用可能であるが、非特許文献5も参照されたい。神経障害性疼痛モデルはZeltser et al., Pain 89:19(2000)、Seltzer et al., Pain 43:205(1990)及びDecosterd et al., Pain 87:149(2000)にも記載されている。
「神経障害性疼痛」という用語は、当該技術分野において理解されるものであり、中枢神経系及び/又は末梢神経系への損傷又はこれらの神経系における病理学的変化に起因する疼痛を包含する(Woolf, Acta Neurochir 58:125(1993)にてレビューされている)。神経障害性疼痛を有する患者は典型的には、病因とは独立した感覚障害の特徴的なセット、例えば定常的な焼け付くような(scalding or burning)疼痛、感受性の部分的欠如、触覚(tactile:接触性)アロディニア若しくは冷感アロディニア及び/又は繰り返し刺激に対する痛覚過敏を呈する。神経障害性疼痛は多種多様な病態に起因するが、中でも最も一般的なものが三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害及び反射性交感神経性ジストロフィー、例えば灼熱痛、単神経障害及び末梢神経損傷である。一般に、神経障害性疼痛がオピオイド及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)に対して抵抗性がある傾向を示すのに対し、侵害受容性疼痛は通常、これらの治療様式の両方に十分に応答する。オピオイド薬に抵抗性のある何もできなくなるほどの(disabling)疼痛を有する患者にとっては、非外科的な代替方法がほとんど存在しない。
本明細書で用いられる「薬学的に許容可能な」とは、生物学的に又はその他の意味において有害でない材料を意味し、すなわち、該材料は、有害な生物学的効果を実質的に引き起こすことも、又はそれが含有される組成物の他の構成成分のいずれとも有害な形で相互作用することもなく、本発明の組成物と共に個体に投与することができる。該材料は当然のことながら、当業者には既知であるように、活性成分のいかなる分解をも最小化すると共に、被験体におけるいかなる有害な副作用をも最小化するように選択される(例えばRemington's Pharmaceutical Science、 21sted. 2005を参照されたい)。本発明の組成物に対する薬学的に許容可能な担体の例としては、パイロジェンを含まない滅菌水及びパイロジェンを含まない滅菌生理食塩水溶液が挙げられるが、これらに限定されない。
「同時に(concurrently)」とは、複合効果を生じるほどに十分に時間が近接していることを意味する(すなわち、「同時に」とは、同時(simultaneously)であってもよく、又は互いに前後して短期間のうちに起こる2個以上の事象(event)であってもよい)。幾つかの実施形態において、2個以上の化合物を「同時に」投与することは、一方の存在が他方の生物学的効果を改変するほど十分に時間を近接させて2個の化合物を投与することを意味する。2個の化合物は同一の若しくは異なる製剤で又は逐次的に投与することができる。同時投与は、投与前に化合物を混合することによって、又は化合物を2個の異なる製剤で、例えば同一時点ではあるが異なる解剖学的部位で、若しくは異なる投与経路を用いて投与することによって実施することができる。
「アルキル」という用語は、炭素数1〜24、例えば炭素数1〜12の直鎖又は分枝炭化水素鎖を示す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
「アルケニル」という用語は、1つ又は複数の二重結合、例えば1個、2個、3個又は4個の二重結合を含有する炭素数1〜24、例えば炭素数1〜12の直鎖又は分枝炭化水素鎖を示す。
「アルキニル」という用語は、1つ又は複数の三重結合、例えば1個、2個、3個又は4個の三重結合を含有する炭素数1〜24、例えば炭素数1〜12の直鎖又は分枝炭化水素鎖を示す。
「シクロアルキル」という用語は、炭素数3〜24、例えば炭素数3〜12の非芳香族環状炭化水素部分を指す。シクロアルキル基は1つ又は複数の二重結合を含有し得る。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
「置換アルキル」とは、アルキルの原子が例えば炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ケイ素原子若しくはハロゲン原子又は代替的には窒素原子、硫黄原子、酸素原子若しくはハロゲン原子で置換されたアルキルを意味する。本用語はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基上の置換基を包含する。
「置換アルキル」中のアルキル基の任意の原子に結合することができる置換基の例としては、シクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、チオアルコキシ基、アシルチオアルコキシ基、ハロゲン基、スルホネート基、スルホンアミド基、エステル基、カルボン酸、酸素(例えばカルボニル基)及び硫黄(例えばチオカルボニル基)が挙げられる。置換基はまた、分子に水溶性の改善をもたらす任意の化学官能基(例えばカルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボキサミド基、モルホリノ基、ピペラジニル基、イミダゾリル基、チオモルホリノ基又はテトラゾリル基、非置換及び置換の両方)を含む。
「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の任意のラジカルを指す。
「環」及び「環系」という用語は、示された数の原子を含む環であって、該原子が炭素であるか、又は指定する場合には、窒素、酸素又は硫黄等のヘテロ原子である、環を指す。環自体及びその上にある任意の置換基は、安定な化合物の形成を可能にする任意の原子で結合し得る。
「アリール」という用語は、芳香族の5員環〜8員環の単環式、8員環〜12員環の二環式又は11員環〜14員環の三環式の環系(ここで、各環の0個、1個、2個又は3個の原子を置換基で置換することができる)を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール」という用語は、単環式の場合は1個〜3個のヘテロ原子、二環式の場合は1個〜6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1個〜9個のヘテロ原子を含む、芳香族の5員環〜8員環の単環式、8員環〜12員環の二環式又は11員環〜14員環の三環式の環系であって、前記ヘテロ原子がO、N又はSから選択される、環系(ここで、各環の0個、1個、2個又は3個の原子を置換基で置換することができる)を指す。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、フリル又はフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニル又はチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル等が挙げられる。
「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合は1個〜3個のヘテロ原子、二環式の場合は1個〜6個のヘテロ原子又は三環式の場合は1個〜9個のヘテロ原子を含む、非芳香族の5員環〜8員環の単環式、8員環〜12員環の二環式又は11員環〜14員環の三環式の環系であって、前記ヘテロ原子がO、N又はSから選択される、環系(ここで、各環の0個、1個、2個又は3個の原子を置換基で置換することができる)を指す。ヘテロシクリル基の例としては、ピペリジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル等が挙げられる。
アリール基、ヘテロアリール基及びヘテロシクリル基に対する好適な置換基は、アルキル基に対する置換基と同一である。
本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療及び/又は予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、スピカマイシン及びスピカマイシン誘導体並びにそれらの薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び光学異性体の両方を包含する或る特定の化合物を投与することを含む、方法を提供する。多数のスピカマイシン誘導体が当該技術分野において既知である(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5(各々の全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい)。 本発明は、スピカマイシン誘導体である1つ又は複数の化合物を含む、医薬組成物も提供する。幾つかの実施形態において、医薬組成物を製剤化して、当該技術分野において既知のスピカマイシン誘導体の医薬組成物よりも副作用(例えば胃腸刺激、悪心、嘔吐及び/又は下痢)の発生を少なくする。例えば実施例2に記載されている製剤は、胃腸障害の発生がより少ないことが期待される。他の実施形態において、化合物は(例えば癌の治療を目的として)当該技術分野において先に使用されたものよりも低い用量で投与されるにもかかわらず、疼痛の治療及び/又は予防に有効である。
したがって、一態様として、本発明は、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、Rは置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルを表す)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む、方法を提供する。
式IIの化合物の幾つかの実施形態において、Rは
(1)炭素数11〜13の直鎖アルケニル、
(2)二重結合又は三重結合を有しない炭素数11〜13の直鎖非置換アルキル、
(3)炭素数10〜15の直鎖ハロアルキル、
(4)CH(CHCH(OH)−又はCH(CHn−1CH(OH)CH−(式中、nは9〜13の整数を示す)、
(5)アジド基又はシアノ基で置換された炭素数10〜15のアルキル、
(6)フェノキシ基又はハロゲン置換フェノキシ基で置換された炭素数10〜13の直鎖アルキル、
(7)
Figure 2012505213
(式中、mは0〜2の整数を示し、pは9〜14の整数を示す)、
(8)
Figure 2012505213
(式中、mは0〜2の整数を示し、pは8〜13の整数を示す)、
(9)
Figure 2012505213
(式中、mは0〜2の整数を示し、pは10〜15の整数を示す)、
(10)CH(CHSOO(CH−(式中、mは0〜3の整数を示し、pは9〜14の整数を示す)、
(11)
Figure 2012505213
(式中、mは0〜3の整数を示し、pは10〜15の整数を示す)、
(12)CHSi(CH10−又はCHSi−C=C−(CH−、
(13)
Figure 2012505213
(14)
Figure 2012505213
(15)
Figure 2012505213
及び
(16)炭素数11〜13の直鎖アルカジエニル、
からなる群から選択される。
式IIの化合物の他の実施形態において、Rは
(1)炭素数11〜13の直鎖アルケニル、
(2)二重結合又は三重結合を有しない炭素数11〜13の直鎖非置換アルキル、及び
(3)CH(CHCH(OH)−又はCH(CHCH(OH)CH−(式中、nは9〜13の整数を示す)、
からなる群から選択される。
式IIの化合物の他の実施形態において、Rは炭素数11、12又は13のアルカジエニルである。
式IIの化合物の或る特定の実施形態において、RはHであり、RはOHである。他の実施形態において、RはHであり、RはOHである。さらに他の実施形態において、R及びRは両方ともH又は両方ともOHである。
一実施形態において、式IIの化合物は以下に示す構造:
Figure 2012505213
を有する6−[4−デオキシ−4−[(2E,4E)−テトラデカジエノイルグリシル]アミノ−L−グリセロ−β−L−マンノヘプトピラノシル]アミノ−9H−プリン(KRN5500)又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体である。
式IIに対応し特定のR基、R基及びR基が異なる様々なスピカマイシン誘導体が、合成されており(例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3並びに米国特許出願公開第2004/0038927号を参照されたい)、本発明に包含される。化合物の例としては、以下の化合物並びにその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ及び光学異性体が挙げられる:
6−[4’−N−(N’−トリデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPM9)、
6−[4’−N−(N’−テトラデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPM10)、
6−[4’−N−(N’−10−メチルウンデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK9)、
6−[4’−N−(N’−11−メチルドデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK251)、
6−[4’−N−(N’−12−メチルトリデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK136)、
6−[4’−N−(N’−11−ドデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK44)、
6−[4’−N−(N’−12−トリデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK142)、
6−[4’−N−(N’−シス−9−テトラデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK231)、
6−[4’−N−(N’−シス−9−ヘキサデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK148)、
6−[4’−N−(N’−トランス−2−ドデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK86)、
6−[4’−N−(N’−トランス−2−テトラデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK156)、
6−[4’−N−(N’−トランス−2−ヘキサデセノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK188)、
6−[4’−N−(N’−トランス,トランス−2,4−ドデカジエノイル−グリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK282)、
6−[4’−N−(N’−トランス,トランス−2,4−トリデカジエノイル−グリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK281)、
6−[4’−N−(N’−トランス,トランス−2,4−テトラデカジエノイル−グリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK241)、
6−[4’−N−(N’−11−ブロモウンデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK64)、
6−[4’−N−(N’−12−ブロモドデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK152)、
6−[4’−N−(N’−13−ブロモトリデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK276)、
6−[4’−N−(N’−14−ブロモテトラデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK273)、
6−[4’−N−(N’−12−クロロドデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK132)、
6−[4’−N−(N’−13−クロロトリデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ)プリン(SPK278)、
6−[4’−N−(N’−14−クロロテトラデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK280)、
6−[4’−N−(N’−14−フルオロテトラデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK279)、
6−[4’−N−(N’−15−フルオロペンタデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK247)、
6−[4’−N−(N’−16−フルオロヘキサデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK157)、
6−[4’−N−(N’−11−ヨードウンデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK165)、
6−[4’−N−(N’−2−クロロヘキサデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK135)、
6−[4’−N−(N’−2−フルオロドデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK159)、
6−[4’−N−(N’−2−フルオロヘキサデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK233)、
6−[4’−N−(N’−2,2−ジフルオロテトラデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK182)、
6−[4’−N−(N’−2−ヒドロキシヘキサデカノイルグリシル)スピカミニル−アミノ]プリン(SPK112)、
6−[4’−N−(N’−(S)−2−ヒドロキシヘキサデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK271)、
6−[4’−N−(N’−(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK270)、
6−[4’−N−(N’−(S)−3−ヒドロキシテトラデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK274)、
6−[4’−N−(N’−3−ヒドロキシヘキサデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK115)、
6−[4’−N−(N’−16−シアノヘキサデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK177)、
6−[4’−N−(N’−11−フェノキシウンデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK422)、
6−[4’−N−(N’−12−フェノキシドデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK249)、
6−[4’−N−(N’−(R)−2−アセトキシヘキサデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK198)、
6−[4’−N−(N’−3−アセトキシヘキサデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK189)、
6−[4’−N−(N’−12−ブタンスルホニルオキシドデカノイルグリシル)−スピカミニル−アミノ]プリン(SPK232)、
6−{4’−N−[N’−11−(2’−チエニル)−10−ウンデシノイルグリシル]−スピカミニル−アミノ}プリン(SPK262)、
6−{4’−N−[N’−11−(3’−チエニル)−10−ウンデシノイルグリシル]−スピカミニル−アミノ}プリン(SPK263)及び
6−{4’−N−[N’−11−(3’−フリル)−10−ウンデシノイルグリシル]−スピカミニル−アミノ}プリン(SPK266)。
式IIの化合物は、当該技術分野で既知の方法、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されるような方法を使用して合成することができる。
本発明はまた、被験体における疼痛、例えば神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIIの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、
R’は(1)炭素数1若しくは2の置換若しくは非置換アルキル若しくはアルケニル又は(2)Hを表す)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む、方法を提供する。
式IIIの化合物の一実施形態において、R’は置換アルキルである。別の実施形態において、R’の炭素数は2である。さらなる一実施形態において、R’はペプチド結合を含む。さらに別の実施形態において、R’はアミノ基、例えば第一級アミノ基を含む。一実施形態において、R’は−COCHNHである。
式IIIの化合物の一実施形態において、RはHであり、RはOHである(4’−N−グリシルスピカマイシンアミノヌクレオシド(SAN−Gly)として知られる化合物)。別の実施形態において、R’はHであり、RはHであり、RはOHである(SANとして知られる化合物)。例えば、Kamishohara et al., Oncology Res. 6:383(1994)を参照されたい。
またさらなる一態様として、本発明は、被験体における疼痛、例えば、神経障害性疼痛を治療又は予防する方法であって、それを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IVの化合物:
Figure 2012505213
(式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、
各R’’基は独立して、H又は1個〜3個の独立したR若しくはRで置換された炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはシクロアルキル基であり、
各Rは独立して、1個〜3個の独立したRで置換されていてもよいヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、
各Rは独立して、ハロゲン、酸素、硫黄、CF、SR、OR、OC(O)R、NR、NR、COOR、C(O)R又はC(O)NRであり、
各Rは独立して、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、ハロ、ハロアルキル、SR、OR、NR、COOR、NO、CN、C(O)R、C(O)NR、OC(O)R、S(O)、S(O)NR、NRC(O)NR、NRC(O)R、NR(COOR)、NRC(O)R、NRS(O)NR、NRS(O)、NRS(O)又はR若しくはRで置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル若しくはC〜C10シクロアルキルであり、
各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、R又はRで置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル若しくはC〜C10シクロアルキルであり、
各Rは独立して、COOR、C(O)NR、S(O)又はS(O)NRであり、
各Rは独立して、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである)
又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む、方法を提供する。
式IVの化合物の一実施形態において、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、R’’は(1)炭素数1若しくは炭素数2の置換若しくは非置換アルキル若しくはアルケニル又は(2)Hを表す。別の実施形態において、各R’’基は独立して、H又は1個〜3個の独立したR若しくはRで置換された炭素数1若しくは2のアルキル基若しくはアルケニル基である場合がある。
式III及び式IVの化合物は、当該技術分野で既知の方法を使用して調製することができる。例えば一般的な合成戦略は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5に記載されている。これらの戦略を適合させて、式III及び式IVに示すように、糖基上に1個又は2個の炭素を含有する任意のR’基又はR’’基を結合させることができる。SAN及びSAN−Glyを調製するための具体的な半合成戦略は、Kamishohara et al., J. Antibiotics 46:1439 (1993)、Kamishohara et al., Oncology Res. 6:383 (1994)並びに特許文献1及び特許文献2に記載されている。
本発明の化合物は、全てのその薬学的に許容可能な塩の形態を含む。このような塩の例としては、薬学的に許容可能な無機酸及び無機塩基並びに有機酸及び有機塩基由来の塩が挙げられる。好適な酸塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩(hydroxynapthoate)、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が挙げられるがこれらに限定されない。他の酸、例えばシュウ酸は、それ自体は薬学的に許容可能ではないが、本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製に利用することができる。
適当な塩基由来の塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム及びカルシウム)塩、アンモニウム塩及びN−(アルキル) 塩が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書における式の化合物は、その中において任意の塩基性の窒素含有基が四級化している化合物を含む。
本明細書における議論は、単純化のために、立体異性を考慮せずに提示する。当業者は、式I、式II、式III及び式IVの化合物が、1つ又は複数の不斉中心を含有していてもよく、したがってラセミ化合物(racemates)及びラセミ混合物(racemic mixtures)、単一の光学異性体、個々のジアステレオマー並びにジアステレオマー混合物として存在し得ることを理解するだろう。これらの化合物のこのような異性体形態は全て、明確に本発明に含まれる。
同様に、二重結合を含有する本発明の化合物は、従来の手順により容易に分離及び回収することができる幾何異性体の形態で存在し得る。このような異性体形態は、本発明の範囲に含まれる。
さらに、本発明の化合物は、in vivoで活性化合物に変換される式I、式II、式III及び式IVの化合物のプロドラッグを含む。例えば、化合物を、修飾して細胞の透過性を増強する(例えば極性基のエステル化により)ことができ、その後、細胞の酵素により変換して、活性薬剤をもたらすことができる。荷電した部分又は反応性を有する部分をプロドラッグとしてマスクする方法は、当業者に既知である(例えばP. Korgsgaard-Larsen and H. Bundgaard, A Textbook of Drug Design and Development, Reading U.K., Harwood Academic Publishers, 1991を参照されたい)。
「プロドラッグ」という用語は、in vivoで迅速に変換されて上式の親化合物をもたらす(例えば血液中における加水分解により)化合物を指す(例えばT. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series及びEdward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(これらの両方が参照により本明細書に援用される)を参照されたい)。米国特許第6,680,299号も参照されたい。プロドラッグの例としては、被験体により本明細書で記載したような化合物の活性を有する活性薬物へとin vivoで代謝されるプロドラッグが挙げられ、ここで該プロドラッグは、例えば米国特許第6,680,324号及び同第6,680,322号に記載されているような、アルコール基若しくはカルボン酸基(このような基が化合物中に存在する場合)のエステル、アミン基若しくはカルボン酸基(このような基が化合物中に存在する場合)のアミド、アミン基(このような基が化合物中に存在する場合)のウレタン、アルコール基(このような基が化合物中に存在する場合)のアセタール若しくはケタール、アミン基(このような基が化合物中に存在する場合)のN−マンニッヒ塩基若しくはイミン、又はカルボニル基(このような基が化合物中に存在する場合)のシッフ塩基、オキシム、アセタール、エノールエステル、オキサゾリジン若しくはチアゾリジンである。
本明細書で用いられる「薬学的に許容可能なプロドラッグ」という用語(及び同種の用語)は、正常な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしにヒト及び/又は他の動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、適切なリスク/便益比に見合っており、その目的とする使用に対して有効である本発明の化合物並びに本発明の化合物の双性イオン形態(存在し得る場合)のプロドラッグを指す。
本発明の一態様では、スピカマイシン誘導体を使用して、被験体における疼痛を治療又は予防する。疼痛は、神経障害によるもの(例えば神経障害性疼痛)であり得る。神経障害は、任意の形態の神経障害であり得る。幾つかの実施形態において、神経障害は、化学療法誘発性神経障害、癌関連神経障害、HIV関連末梢神経障害、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、線維筋痛、慢性疲労症候群による疼痛、多発性硬化症による疼痛、複合性局所疼痛症候群I型、複合性局所疼痛症候群II型、中枢性疼痛症候群、有痛性外傷性単神経障害、術後疼痛症候群、乳房切除後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛、神経根引き抜き損傷、放射線照射後神経障害、反復運動神経損傷、反復運動過多損傷及び受傷後神経障害からなる群から選択される。一実施形態において、治療又は予防される疼痛は侵害受容性疼痛を含む。別の実施形態において、治療又は予防される疼痛は侵害受容性疼痛を含まない。
本発明の一実施形態では、スピカマイシン誘導体を、必要に応じて被験体に投与して、疼痛を治療又は予防する。スピカマイシン誘導体を、連続的に又は断続的に投与することができる。一実施形態では、スピカマイシン誘導体を、1日2回以上又は1日、2日、3日、4日、5日、6日若しくは7日に1回、被験体に投与する。別の実施形態では、スピカマイシン誘導体を、1週間に1回を超えない、例えば2週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回、5ヶ月に1回、6ヶ月又はそれ以上の期間に1回を超えない頻度で被験体に投与する。さらなる一実施形態では、スピカマイシン誘導体を、2つ以上の異なるスケジュールを使用して、例えば最初はより高頻度で(例えば或る特定のレベルまで到達させるために、例えば1日1回又はそれより高頻度で)、その後より低頻度で(例えば1週間に1回又はそれより低頻度で)投与する。スピカマイシン誘導体を、疼痛の開始の1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、12時間前、1日前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前又はそれ以上前に(例えば疼痛を誘発する可能性がある事象の前に)投与することができる。化合物を、疼痛の開始又は疼痛を誘発する可能性がある事象の1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、12時間後、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後又はそれ以上後に投与することができる。他の実施形態では、スピカマイシン誘導体を、任意の不連続的な投与計画により投与することができる。一例では、化合物を、3日に、4日に、5日に、6日に、7日に、8日に、9日に又は10日若しくはそれ以上の期間に1回を超えない頻度で投与することができる。投与は、1週間、2週間、3週間若しくは4週間又は1ヶ月間、2ヶ月間若しくは3ヶ月間又はそれ以上の期間、継続することができる。必要に応じて、休薬期間の後、化合物を、同一の又は異なるスケジュールで投与することができる。休薬期間は、被験体に対する化合物の薬力学的効果に応じて、1週間、2週間、3週間若しくは4週間又はそれ以上の期間であり得る。
スピカマイシン誘導体を、任意の好適な経路、例えば経口投与、直腸投与、頬側(例えば舌下)投与、膣投与、非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与、局所(すなわち、気道表面を含む皮膚及び粘膜表面の両方)投与並びに経皮投与により、被験体に送達することができる。一実施形態において、経路は静脈内である。別の実施形態において、経路は皮下である。別の実施形態において、経路は筋肉内である。スピカマイシン誘導体を、疼痛を治療及び/又は予防するのに有効な用量で被験体に送達する。有効投与量は、被験体の性別、年齢、体重及び全体的な体調、疼痛の重症度、投与される特定の化合物又は組成物、治療の期間、任意の併用治療の性質、使用される担体を含む多くの因子並びに当業者の知識及び専門能力の範囲内の同種の因子に応じて異なる。必要に応じて、任意の個々の場合における治療有効量を、関連するテキスト及び文献を参照して及び/又は日常的な実験方法を使用することにより、当業者が決定することができる(例えばRemington, The Science and Practice of Pharmacy (21st ed. 2005)を参照されたい)。一実施形態では、スピカマイシン誘導体を、約0.2mg/m〜約10.0mg/m、例えば約0.6mg/m〜約4.0mg/m、約1.0mg/m〜約3.0mg/m又は約0.6mg/m、0.8mg/m、1.0mg/m、1.2mg/m、1.4mg/m、1.6mg/m、1.8mg/m、2.0mg/m、2.2mg/m、2.4mg/m、2.6mg/m、2.8mg/m、3.0mg/m、3.2mg/m、3.4mg/m、3.6mg/m、3.8mg/m若しくは4.0mg/mの用量で投与する。幾つかの例では、用量はさらに低くてもよく、例えば0.1mg/m、0.05mg/m、0.01mg/m、0.005mg/m若しくは0.001mg/m又はそれ以下の低さであり得る。幾つかの例では、用量はさらに高くてもよく、例えば20mg/m、50mg/m、100mg/m、500mg/m若しくは1000mg/m又はそれ以上の高さであり得る。本発明は、上記の範囲及び量内における全ての部分的範囲を包含する。
本発明の一実施形態において、被験体は神経障害を発症した被験体であり、化合物は、疼痛を治療するために神経障害の発症後に被験体に投与される。別の実施形態において、被験体は神経障害を発症していない被験体であり、化合物は、疼痛の発生を予防するために被験体に投与される。一実施形態において、被験体は、神経障害の発症を引き起こす可能性がある事象を受けている被験体である。スピカマイシン誘導体を、該事象が発生する前に、該事象と同時に及び/又は該事象の発生後であるが疼痛の発症前に、被験体に送達することができる。神経障害の発症を引き起こす可能性がある事象は既知であり、手術(例えば切断、乳房切除、開胸)、外傷性神経障害、放射線治療及び化学療法を含むがこれらに限定されない。
本発明の一実施形態において、被験体は、神経障害を誘発することが知られている又は疑われる1つ又は複数の化学療法剤による化学療法の治療を現在受けている、受けることになっている及び/又は受けた被験体であり、スピカマイシン誘導体を、疼痛を予防及び/又は治療するために投与する。神経障害を誘発することが知られている化学療法剤としては、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビン)、タキサン(例えばパクリタキセル又はドセタキセル)、白金系化合物(例えばシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、サトラプラチン又はオキサリプラチン(oxaliplaten))及びVELCADE(ボルテゾミブ)が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の一態様では、スピカマイシン誘導体を、さらなる薬剤と同時に被験体に送達する。さらなる薬剤を、スピカマイシン誘導体と同一の組成物で、又は別個の組成物で送達することができる。さらなる薬剤を、スピカマイシン誘導体と比較して異なるスケジュールで、又は異なる経路により、被験体に送達することができる。さらなる薬剤は、被験体に利益をもたらす任意の薬剤であり得る。さらなる薬剤としては、化学療法剤、制吐剤、鎮痛剤(例えばオピオイド及び/又は全身麻酔剤・局所麻酔剤)、抗炎症剤及びペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)アゴニスト(例えばPPARδアゴニスト)が挙げられるがこれらに限定されない。
化学療法剤の例としては、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン(ambomycin)、酢酸アメタントロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、塩酸ビスアントレン、ジメシル酸ビスナフィド、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナルナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール、クロラムブシル、シロレマイシン(cirolemycin)、シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロメート(enpromate)、エピプロピジン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン(flurocitabine)、ホスキドン(fosquidone)、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、塩酸イダルビシン、イホスファルニド(ifosfarnide)、イルモホシン、インターロイキンII(組換えインターロイキンIIすなわちrIL2を含む)、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、インターフェロンγ−Ib、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン(mitocarcin)、ミトクロミン(mitocromin)、ミトギリン、ミトマルシン(mitomalcin)、マイトマイシン、ミトスペル(mitosper)、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルホセート(sparfosate)ナトリウム、スパルソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾトシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガラン(tecogalan)ナトリウム、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート(vinglycinate)、硫酸ビンロイロシン(vinleurosine)、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、塩酸ゾルビシンが挙げられるがこれらに限定されない。
他の化学療法剤の例としては、20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール(adecypenol)、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL−TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリックス、抗背側化形態形成タンパク質−1、前立腺癌抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬、抗新生物薬、アンチセンスオリゴヌクレオチド、グリシン酸アフィディコリン、アポトーシス遺伝子調節因子、アポトーシス制御因子、アプリン酸、ara−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、β−アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビスアントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフレート(breflate)、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシイミン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カナリアポックスIL−2、カペシタビン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来の阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリックス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シス−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類縁体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類縁体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン(cyclopentanthraquinones)、シクロプラタム(cycloplatam)、シペマイシン(cypemycin)、シタラビンオクホスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ(dacliximab)、デシタビン、デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド(dexifosfamide)、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス(didox)、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジヒドロタキソール、9−、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類縁体、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin)、ホルフェニメックス(forfenimex)、ホルメスタン、ホストリエシン、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモフォシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫刺激ペプチド、インスリン様成長因子−1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン(iobenguane)、ヨードドキソルビシン、4−イポメアノール、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、三酢酸ラメラリン−N、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病阻害因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、リュープロレリン、レバミソール、リアロゾール、直鎖ポリアミン類縁体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リソクリンアミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ラルトテカン(lurtotecan)、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン(lysofylline)、細胞溶解ペプチド、メイタンシン(maitansine)、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害剤、マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン類縁体、ミトナフィド、マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン、モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム(myobacterium)細胞壁sk、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、多発性腫瘍抑制因子1に基づく治療、マスタード抗癌剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリアの細胞壁抽出物、ミリアポロン、N−アセチルジナリン、N−置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスティップ(nagrestip)、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節因子、ニトロキシド抗酸化剤、ニトルリン(nitrullyn)、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン(okicenone)、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オダンステロン(odansteron)、オラシン、経口サイトカイン誘導因子、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類縁体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム(pentosan polysulfate sodium)、ペントスタチン、ペントロゾール(pentrozole)、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニルアセテート、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチン(placetin)A、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤、白金錯体、白金化合物、白金トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス−アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、プロテインA系免疫調節因子、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテインキナーゼC阻害剤(微細藻類の)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化(pyridoxylated)ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体(conjugate)、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras−GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、エチドロン酸レニウム(Re186)、リゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ログレチミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、セイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi 1模倣体、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達調節因子、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ナトリウムボロカプテート(sodium borocaptate)、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホシン酸(sparfosic acid)、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド、ストロメライシン阻害剤、スルフィノシン、超活性血管作動性腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン、スウェインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム(tellurapyrylium)、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、チオコラリン、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣体、チマルファシン、サイモポエチン受容体アゴニスト、サイモトリナン(thymotrinan)、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、二塩化チタノセン、トプセンチン、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チロホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、泌尿生殖器洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリオリンB、ベクター系、赤血球遺伝子療法、ベラレソール、べラミン(veramine)、ベルジン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン(vinxaltine)、ビタキシン(vitaxin)、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるがこれらに限定されない。
制吐剤の例としては、メトクロプラミド(metoclopromide)、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オダンステロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル(methallatal)、メトピマジン、ナビロン、オキシペンジル(oxypemdyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びその混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
鎮痛剤の例としては、オピオイドであるアリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルフィン、エトニタゼンフェンタニル(etonitazene fentanyl)、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン及びトラマドールが挙げられるがこれらに限定されない。
抗炎症剤の例としては、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン(flubufen)、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン(piroprofen)、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン(pramoprofen)、ムロプロフェン(muroprofen)、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン(aminoprofen)、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸(bucloxic acid)、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルリサル(diflurisal)、フルフェニサル(flufenisal)、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ及びコルチコステロイド(例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)が挙げられるがこれらに限定されない。
PPARδアゴニストの例としては、GW501516、GW0742、L−165041及びカルバプロスタサイクリンが挙げられるがこれらに限定されない、米国特許第6,713,514号、同第6,677,298号、同第6,462,046号、同第5,925,657号、同第5,326,770号、欧州特許第1586573号、米国特許出願公開第20050245589号及び国際公開第2005049572号に並びにCombs et al., J. Neurosci. 20:558 (2000)に開示されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明については、研究並びに獣医学的用途及び医学的用途における使用が見出される。好適な被験体は、概して哺乳動物の被験体である。本明細書で用いられる「哺乳動物」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、げっ歯類(例えばラット又はマウス)等を含むがこれらに限定されない。ヒト被験体は、新生児、乳児、年少者、成人及び高齢者の被験体を含む。
特定の実施形態において、被験体は、疼痛(例えば神経障害性疼痛及び/又は侵害受容性疼痛及び/又は非神経障害性の炎症性疼痛)を有する及び/又は疼痛を経験することが予想されるヒト被験体である。他の実施形態において、本発明の方法において使用される被験体は、疼痛モデル動物である。
被験体は、本発明の方法「を必要とする(in need of)」、例えば本発明の方法の治療効果及び/又は予防効果を必要とする、被験体であり得る。例えば被験体は、疼痛(例えば神経障害性疼痛及び/又は侵害受容性疼痛及び/又は非神経障害性の炎症性疼痛)を経験している及び/又は疼痛を経験することが予想される被験体であってもよく、本発明の方法及び組成物が、治療処置及び/又は予防処置のために使用される。
被験体はさらに、実験動物、例えば疼痛モデル動物であり得る(例えばKim et al., Pain 50:355 (1992)、Bennett et al., Pain 33:87 (1988)、米国特許出願公開第2004/0038927号を参照されたい)。
上述のスピカマイシン誘導体を、既知の技法に従い、薬学的担体での投与のために製剤化することができる。例えばRemington, The Science And Practice of Pharmacy (21st ed. 2005)を参照されたい。本発明による医薬製剤の製造において、典型的には化合物を、とりわけ、許容可能な担体と混和する。担体は、言うまでもなく、製剤において任意の他の成分との相溶性を有する(compatible)という意味において許容可能でなければならず、患者に有害であってはならない。担体は、固体若しくは液体又はその両方であってもよく、該化合物と共に、0.01重量%又は0.5重量%〜95重量%又は99重量%の該化合物を含有し得る単位用量製剤、例えば錠剤として製剤化することができる。1つ又は複数の補助成分を必要に応じて含む構成成分を混和することを含む、既知の製薬技法のいずれかにより調製することができる本発明の製剤に、1つ又は複数の化合物を組み込むことができる。
本発明の製剤は、経口投与、直腸投与、局所投与、頬側(例えば舌下)投与、膣投与、非経口(例えば皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与、局所(すなわち、気道表面を含む皮膚及び粘膜表面の両方)投与並びに経皮投与に好適な製剤を含むが、任意の所与の場合における最も好適な経路は、治療される病態の性質及び重症度並びに使用される具体的な活性化合物の性質に応じて異なる。
経口投与に好適な製剤は、カプセル、カシェ(cachets)、ロゼンジ若しくは錠剤(各々が所定量の活性化合物を含有する)、粉末若しくは顆粒、水性若しくは非水性の液体中における溶液若しくは懸濁液、又は水中油型若しくは油中水型エマルジョンのような、分離した単位で提供することができる。このような製剤を、化合物と好適な担体(上述のような1つ又は複数の補助成分を含有し得る)とを結合(association)させる工程を含む、任意の好適な製薬方法により調製することができる。概して、本発明の製剤を、化合物を液体若しくは微粉化固体の担体又は両方と均一かつ密接に混和すること、及びその後、必要に応じて、得られる混合物を成形することにより調製する。例えば錠剤を、化合物を含有する粉末又は顆粒を必要に応じて1つ又は複数の補助成分と共に圧縮又は成型することにより調製することができる。圧縮した錠剤を、必要に応じて結合剤、滑剤、不活性希釈剤及び/又は界面活性剤/分散剤(複数可)と混合した自由に流動する形態、例えば粉末又は顆粒の化合物を好適な機械において圧縮することにより調製することができる。成型した錠剤を、不活性な液体結合剤で湿らせた粉末化化合物を好適な機械において成型することにより作製することができる。
頬側(舌下)投与に好適な製剤としては、香り付けした基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に化合物を含むロゼンジ、並びに不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア中に化合物を含むトローチが挙げられる。
非経口投与に好適な本発明の製剤は、化合物の水性及び非水性の滅菌注射溶液を含み、この調製物は好ましくは目的のレシピエントの血液と(with)等張である。これらの調製物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び目的のレシピエントの血液と等張の製剤をもたらす溶質を含有し得る。水性及び非水性の滅菌懸濁液は、懸濁剤及び増粘剤を含み得る。製剤は、単位用量(例えばシリンジ又は他の注射器具中における)又は複数用量容器、例えば密封したアンプル及びバイアルで提供することができ、使用直前に滅菌液体担体、例えば生理食塩水又は注射用水を添加することしか必要としない凍結乾燥した状態で貯蔵することができる。即時性の注射溶液及び懸濁液を、前述した種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。例えば本発明の一態様では、密封した容器中において単位剤形で1つ又は複数の化合物を含む注射可能で安定な滅菌組成物が提供される。好適な薬学的に許容可能な担体と共に再構成して被験体へのその注射に好適な液体組成物を形成することが可能である凍結乾燥物の形態で、化合物が提供される。単位剤形は、典型的には、約1mg〜約10gの化合物を含む。化合物が実質的に水に不溶性である場合(例えば脂質と複合体形成している場合)、生理学的に許容可能な十分な量の乳化剤を、水性担体中において化合物を乳化するのに十分な量利用することができる。このような有用な乳化剤の1つは、ホスファチジルコリンである。
直腸投与に好適な製剤は、好ましくは単位用量の坐剤として提供される。これらは、化合物を1つ又は複数の従来の固体担体、例えばココアバターと混和すること、及びその後得られる混合物を成形することにより調製することができる。
皮膚への局所適用に好適な製剤は、好ましくは軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー剤、エアロゾル又は油の形態をとる。使用することができる担体としては、石油ゼリー、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮性促進剤(transdermal enhancers)及びそれらの2つ以上の組合せが挙げられる。
経皮投与に好適な製剤を、長い期間レシピエントの表皮と密接に接触した状態が維持されるように適合させた分離したパッチとして提供することができる。経皮投与に好適な製剤は、イオントフォレーシスにより送達することもでき(例えばPharm. Res. 3:318 (1986)を参照されたい)、典型的には化合物の必要に応じて緩衝化した水溶液の形態をとる。好適な製剤は、クエン酸緩衝剤若しくはビス/トリス緩衝剤(pH6)又はエタノール/水を含み、0.1M〜0.2Mの活性成分を含有する。
他の医薬組成物、例えば水性(aqueous base)エマルジョンを、本明細書において開示される化合物から調製することができる。このような例では、組成物は、所望の量の化合物を乳化するのに十分な量の薬学的に許容可能な乳化剤を含有する。特に有用な乳化剤としては、ホスファチジルコリン及びレシチンが挙げられる。
化合物に加えて、医薬組成物は、他の添加剤、例えばpH調整添加剤を含有し得る。特に、有用なpH調整剤としては、酸、例えば塩酸、塩基又は緩衝剤、例えば乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム又はグルコン酸ナトリウムが挙げられる。さらに、組成物は、微生物用保存料を含有し得る。有用な微生物用保存料としては、メチルパラベン、プロピルパラベン及びベンジルアルコールが挙げられる。微生物用保存料は、典型的には、複数用量での使用のために設計されたバイアル中に製剤が入っている場合に利用する。当該技術分野で既知である他の添加剤としては、例えば脱着剤、消泡剤、抗酸化剤(例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びトコフェロール、例えばα−トコフェロール(ビタミンE))、保存料、キレート剤(例えばEDTA及び/又はEGTA)、粘度調節剤(viscomodulators)、等張化剤(tonicifiers)(例えば糖、例えばスクロース、ラクトース及び/又はマンニトール)、香味料、着色料、オドラント、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑剤及びその混合物が挙げられる。このような添加剤の量は、所望の具体的な特性に応じて当業者が容易に決定することができる。
添加剤は増粘剤も含み得る。好適な増粘剤は、当該技術分野で既知であり利用される増粘剤であってもよく、例えば薬学的に許容可能なポリマー材料及び無機増粘剤を含む。本発明の医薬組成物における使用のための増粘剤の例としては、ポリアクリレート及びポリアクリレート共重合体樹脂、例えばポリアクリル酸及びポリアクリル酸/メタクリル酸樹脂、セルロース及びセルロース誘導体(アルキルセルロース、例えばメチル−、エチル−及びプロピル−セルロースを含む)、ヒドロキシアルキル−セルロース、例えばヒドロキシプロピル−セルロース及びヒドロキシプロピルアルキル−セルロース、例えばヒドロキシプロピル−メチル−セルロース、アシル化セルロース、例えばセルロース−アセテート、セルロース−アセテートフタレート(phthallates)、セルロース−アセテートスクシネート及びヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート、並びにその塩、例えばカルボキシメチル−セルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(例えばポリ−N−ビニルピロリドン及びビニルピロリドン共重合体、例えばビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体を含む)、ポリビニル樹脂(例えばポリビニルアセテート及びアルコールを含む)並びに他のポリマー材料(トラガカント・ゴム(gum traganth)、アラビアゴム、アルギネート、例えばアルギン酸及びその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを含む)、並びに無機増粘剤、例えばアタパルジャイト(atapulgite)、ベントナイト及びシリケート(親水性二酸化ケイ素生成物、例えばアルキル化(例えばメチル化)シリカゲル、特にコロイド性二酸化ケイ素生成物を含む)が挙げられる。このような上述した増粘剤を、例えば徐放効果をもたらすために含めることができる。しかしながら、経口投与を意図する場合、前述したような増粘剤の使用は概して必要とされず、概してあまり好ましくない。他方、例えば局所適用が見込まれる場合、増粘剤の使用が予想される。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、ナノ粒子又はナノ構造を含む。これらの小型の担体(概して直径1ミクロン未満の)は、血液中における循環を長期化すること、水溶性又は脂溶性を高めること、局所刺激、例えばpH、温度又は光の変化に対して応答すること、解剖学的特徴部、例えば細胞壁、血管、胃上皮及び血液脳関門に浸透すること、並びに特定の細胞種を選択的に標的化することを含む複数の手段による薬物送達の改善をもたらす。ナノエマルジョン、リポソーム、炭素フラーレン及びナノチューブ、セラミックナノ粒子(ケイ素、チタン及びアルミニウムから誘導される)、金属粒子(酸化鉄並びに金−及び銀−コーティングした粒子)及び金属ポリマーを含む複数の種類のナノ粒子が開発されている。本発明の化合物のナノ粒子は、光散乱法、顕微鏡法又は当業者に既知の他の適当な方法により測定されるような、約2ミクロン未満、例えば約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、約50nm未満、約25nm未満又は約10nm未満の有効平均粒子径を有する。
スピカマイシン誘導体を含む医薬組成物は、ナノエマルジョンの形態であり得る。「エマルジョン」という用語は、水と混ざらない相を水相と混合した場合、無極性残基(例えば長い炭化水素鎖)を水から遠ざけ、極性頭部基を水に向ける疎水力の結果として形成され得る脂質構造を含む、任意の水中油型、油中水型、水中油中水型又は油中水中油型の分散液又は液滴を表すがこれらに限定されない。これらの他の脂質構造としては、単層、パウキラメラ(paucilamellar)及び多層脂質ベシクル、ミセル並びにラメラ相が挙げられるがこれらに限定されない。エマルジョンは、水相及び親油性相(典型的には油及び有機溶媒を含有する)から構成される。エマルジョンはまた、1つ又は複数の界面活性剤を含有することが多い。ナノエマルジョン製剤は、例えば米国特許出願公開第2002/0045667号及び同第2004/0043041号並びに米国特許第6,015,832号、同第6,506,803号、同第6,635,676号及び同第6,559,189号(これら各々の全体が参照により本明細書に援用される)に記載のように、既知である。
ナノエマルジョンにおける使用のための好適な油としては、大豆油、アボカド油、スクアレン油、オリーブ油、キャノーラ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、魚油、ケイ皮油、ココナツ油、綿実油、アマニ油、松葉油、シリコン油、鉱油、精油、香味油、水不溶性ビタミン及び前述の油の1つ又は複数を含む組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
ナノエマルジョンのための好適な溶媒としては、アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール及びオクタノールを含むがこれらに限定されない)、グリセロール、ポリエチレングリコール及び有機リン酸系溶媒が挙げられるがこれらに限定されない。
好適な界面活性剤としては、様々なイオン性及び非イオン性の界面活性剤並びにナノエマルジョンの形成を促進することが可能な他の乳化剤が挙げられるがこれらに限定されない。油相を水相中で懸濁化した状態に維持することが可能な界面活性剤を使用することができる。親水性及び疎水性の界面活性剤の両方を使用することができる。一実施形態において、ナノエマルジョンは、非イオン性の界面活性剤、例えばポリソルベート界面活性剤、すなわちポリオキシエチレンエーテルを含む。他の有用な界面活性剤としては、TWEEN20、TWEEN40、TWEEN60、TWEEN80の商品名で販売されているポリソルベート洗浄剤、フェノキシポリエトキシエタノール及びそのポリマー、例えばTRITON(すなわちX−100、X−301、X−165、X−102、X−200)、POLOXAMER407、Spans(20、40、60及び80)、チロキサポール並びに前述の界面活性剤の1つ又は複数を含む組合せが挙げられるがこれらに限定されない。さらなる適当な界面活性剤としては、BRIJ30、BRIJ35、BRIJ52、BRIJ56、BRIJ58、BRIJ72、BRIJ76、BRIJ78、BRIJ92、BRIJ97、BRIJ98及びBRIJ700が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられるがこれらに限定されない。界面活性剤の混合物も意図される。
或る特定の実施形態において、ナノエマルジョンは、約1000nm未満、例えば約500nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満又は約50nm未満の平均直径を有する粒子を含む。エマルジョンの粒子径を、例えばレーザー光散乱の使用のような当該技術分野で既知の任意の手段を使用して決定することができる。
ナノエマルジョン組成物は、約5体積パーセント(体積%)〜約90体積パーセントの水相を含有し得る。本明細書で用いられる体積パーセント(体積%)は、エマルジョン又はナノエマルジョンの総体積に基づく。一実施形態において、水相は、約5体積%〜約50体積%である。一実施形態において、水相は約10体積%〜約40体積%である。別の実施形態において、水相は約15体積%〜約30体積%である。さらなる一実施形態において、水相は、約5体積%、約10体積%、約15体積%、約20体積%、約25体積%、約30体積%、約35体積%、約40体積%、約45体積%、約50体積%、約55体積%、約60体積%、約65体積%、約70体積%、約75体積%、約80体積%、約85体積%若しくは約90体積%又はその中の任意の範囲である。水相のpHは、約4〜約10の範囲である。一実施形態において、水相のpHは、約6〜約8の範囲である。別の実施形態において、水相のpHは、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5又は約10.0である。水相のpHを、例えば塩酸又は水酸化ナトリウムのような酸又は塩基の添加により調整することができる。一実施形態において、水相は、脱イオン水又は蒸留水である。
ナノエマルジョンの油相は、1つ又は複数の油及び/又は1つ又は複数の有機溶媒を含有し得る。ナノエマルジョンの油相は、ナノエマルジョンの総体積に基づき約30体積%〜約90体積%の油を含有する。一実施形態において、ナノエマルジョンは、約60体積%〜約80体積%の油を含有する。別の実施形態において、ナノエマルジョンは、約60体積%〜約70体積%の油を含有する。さらなる一実施形態において、油相は、約30体積%、約35体積%、約40体積%、約45体積%、約50体積%、約55体積%、約60体積%、約65体積%、約70体積%、約75体積%、約80体積%、約85体積%若しくは約90体積%又はその中の任意の範囲である。油相は、ナノエマルジョンの総体積に基づき約3体積%〜約25体積%の有機溶媒も含有する。一実施形態において、ナノエマルジョンは、約5体積%〜約10体積%の有機溶媒を含有する。別の実施形態において、有機溶媒は、約3体積%、約4体積%、約5体積%、約6体積%、約7体積%、約8体積%、約9体積%、約10体積%、約11体積%、約12体積%、約13体積%、約14体積%、約15体積%、約16体積%、約17体積%、約18体積%、約19体積%、約20体積%、約21体積%、約22体積%、約23体積%、約24体積%若しくは約25体積%又はその中の任意の範囲である。
ナノエマルジョンは、ナノエマルジョンの総体積に基づき、約3体積%〜約25体積%の1つ又は複数の界面活性剤を含有し得る。一実施形態において、ナノエマルジョンは、約5体積%〜約10体積%の1つ又は複数の界面活性剤を含有する。別の実施形態において、1つ又は複数の界面活性剤は、約3体積%、約4体積%、約5体積%、約6体積%、約7体積%、約8体積%、約9体積%、約10体積%、約11体積%、約12体積%、約13体積%、約14体積%、約15体積%、約16体積%、約17体積%、約18体積%、約19体積%、約20体積%、約21体積%、約22体積%、約23体積%、約24体積%若しくは約25体積%又はその中の任意の範囲である。
特定の一実施形態において、ナノエマルジョンは、約5重量%〜約25重量%、例えば約5重量%〜約15重量%、例えば約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%又は約25重量%の油相を含む。一実施形態において、油相は、2つ以上の構成成分、例えば油及び分別(fractionated)油を含む。特定の一実施形態において、油相は、大豆油及び分別パーム油(例えばMIGLYOL 812)を含む。さらなる一実施形態において、油相は、約7重量%の大豆油及び約7重量%のMIGLYOL 812を含む、これらから本質的になる又はこれらからなる。
特定の一実施形態において、ナノエマルジョンは、約3重量%〜約20重量%、例えば約5重量%〜約15重量%、例えば約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%又は約20重量%の1つ又は複数の界面活性剤を含む。一実施形態において、ナノエマルジョンは、2つ以上の界面活性剤を含む。特定の一実施形態において、ナノエマルジョンは、大豆レシチン及びオレイン酸ナトリウム、例えば約7重量%の大豆レシチン及び約0.3重量%のオレイン酸ナトリウムを含む。
特定の一実施形態において、ナノエマルジョンは、約10重量%〜約15重量%の油相、約5重量%〜約10重量%の界面活性剤及び約50重量%〜約70重量%の水相を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。一実施形態において、ナノエマルジョンは、約13重量%〜約15重量%の油相、約6重量%〜約8重量%の界面活性剤及び約55重量%〜約65重量%の水相を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。さらなる一実施形態において、ナノエマルジョンは、約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム及び約62重量%の水を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。一実施形態において、ナノエマルジョンは、さらなる添加物、例えばキレート剤(例えばEDTA及び/又はEGTA)及び/又は浸透圧調整剤(例えば単純糖、例えばスクロース、ラクトース及び/又はマンニトール)を含む。別の実施形態において、ナノエマルジョンは、約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム、約0.006重量%のEDTA、約17重量%のスクロース及び約62重量%の水を含む、これから本質的になる、又はこれからなる。或る特定の実施形態において、ナノエマルジョンのpHは約5〜約7、例えば約6.2である。
ナノエマルジョン及びナノエマルジョンを含有する組成物を、任意の好適な手段により製造することができる。ナノエマルジョンを、最初に(in the first instance)形成することができ、又はより大きな粒子を有するエマルジョンから形成することができる。油相を水相と混合することによりエマルジョンを生産する方法は既知である。エマルジョンを、約1:9〜約9:1の範囲又はその中の任意の範囲の、例えば約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、約1:2〜約2:1又は約1:1の体積対体積基準で油相を水相と混ぜることにより形成することができる。他の実施形態において、油相対水相の比率は、約5:1、約4:1、約3:1又は約2:1である。油及び水相を、例えばフレンチプレス又は市販の低せん断混合器若しくは高せん断混合器のような、エマルジョンを形成するのに十分なせん断力を生み出すことが可能な装置を使用して混ぜることができる。一実施形態では、エマルジョンを、実質的に均一な粒子径分布を有するエマルジョンを生産するための高せん断の条件下で調製する。一実施形態において、ナノエマルジョン組成物の調製における使用のための標準エマルジョンは、約500nm〜約5μm以上、例えば約500nm〜約1μm、約400nm〜約5μm、約400nm〜約1μm、約250nm〜約5μm及び約250nm〜約1μmの平均直径を有する粒子から構成される。所望のpHを得るために、水相のpHを、酸、例えば塩酸又は塩基、例えば水酸化ナトリウムを使用して調整することができる。
標準エマルジョンからのナノエマルジョンの形成は、例えば、標準エマルジョンを、所望の粒子径をもたらすのに十分な圧力でマイクロフルイダイザー(Microfluidics Corp., Newton, Mass.)に(though)複数回通過させることにより、達成することができる。マイクロフルイダイザーは、流体の流れを相互作用チャンバー中にポンプで送りこむことにより機能するホモジナイザーである。相互作用チャンバーは、流体の流れを加速し、高い乱流(turbulence)、せん断及びキャビテーションをもたらす固定形状(fixed-geometry)マイクロチャネルを含有する。H210Zチャンバー(200μm)の上流のH230Zチャンバー(400μm)を使用することができる。他のチャンバーサイズ及び形状(configurations)(Y又はZ)を、マイクロフルイダイザーを使用してナノエマルジョンを形成する際に使用することができる。均質化時に、ナノエマルジョンをコイル式熱交換器を通して循環させることができ、又はそうでなくとも冷却してナノエマルジョンの温度が顕著に上昇しないように維持することができる。一実施形態では、標準エマルジョンを、約2,000psi〜約10,000psiの圧力でマイクロフルイダイザーに2回〜5回通過させる。別の実施形態において、圧力は3,000psi〜約4,000psiである。これらの条件は、標準エマルジョンの粒子径、エマルジョン組成及び所望の最終粒子径等の因子に応じて変化し得る。
ナノエマルジョンを形成する別の手段は、標準エマルジョンを、高圧ホモジナイザー、例えばEmulsiFlex(登録商標)高圧ホモジナイザー(Avestin, Inc., Ottawa, Canada)に通過させることである。ホモジナイザーへの通過回数及び流速は、標準エマルジョンの粒子径、エマルジョン組成及び得られるナノエマルジョンの所望の粒子径に応じて異なる。操作圧力は流速に関係なく、処理時間の間、設定値に維持される。一実施形態において、操作圧力は約2,500psi〜約20,000psiである。上で論じたマイクロ流動化法と同様に、ナノエマルジョンを熱交換器又は他の方法を使用して冷却することができ、ナノエマルジョンをホモジナイザーに約2回〜約5回通過させることができる。粒子径は、通過回数及び操作圧力の両方に逆依存する。
上述した方法に加えて、ナノエマルジョンを、予め混合することなく直接製造することができる。例えば上述したようなマイクロフルイダイザー又は高圧ホモジナイザーの直接の使用により、予め混合した標準エマルジョンから製造したナノエマルジョンに対して、上で論じた特性を有するナノエマルジョンをもたらすことができる。
ナノエマルジョンは、半固体のクリームから脱脂粉乳に類似した水様の液体までの範囲の稠度を有し得る。クリーム状のエマルジョンを、そのままで又は水と混合して使用することができる。
ナノエマルジョンを、希釈した又は希釈しない形態で調製することができる。一実施形態において、ナノエマルジョンは、希釈した形態及び希釈しない形態の両方で好適な安定性を示す。好適な安定性とは、エマルジョンが、少なくとも1ヶ月間、例えば少なくとも2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間又は24ヶ月間(水相からの油相の)分離の兆候を示さないことを意味する。安定性を、室温(約25℃)、冷蔵庫内の温度(約4℃)又は冷凍庫内の温度(約−20℃)で測定することができる。希釈したエマルジョンの沈降は、許容可能な特徴であり、水相からの油相の分離を示すものではない。沈降は、油相の水相からの分離ではなく、その希釈剤からのエマルジョンの分離によるものである。このような沈降は、ナノエマルジョンの単純な振盪により容易に逆戻りする(reversed)が、濃縮したエマルジョンの分離は単純な混合によっては逆戻りせず、代わりに再乳化を必要とする。ナノエマルジョンを、安定性の向上のために冷蔵又は凍結して貯蔵することができる。別の実施形態では、ナノエマルジョンを凍結乾燥し、その後例えば使用する準備をする時に、水又は別の水性溶媒中に再溶解してナノエマルジョンを再形成することができる。
さらに、本発明は、本明細書で開示した化合物のリポソーム製剤を提供する。リポソームの懸濁液を形成する技術は、当該技術分野で既知である。化合物が水溶性材料の形態である場合、従来のリポソーム技術を使用して、該化合物を脂質ベシクル中に組み込むことができる。このような例では、化合物の水溶性により、化合物はリポソームの親水性の中心又はコア内に実質的に取り込まれる(entrained)。利用される脂質層は、任意の従来の組成を有するものであってもよく、コレステロールを含有していてもよく、又はコレステロールを含まないものであってもよい。対象の化合物が水に不溶性のものである場合、再び従来のリポソーム形成技術を利用して、化合物は、リポソームの構造を形成する疎水性の脂質二重層内に実質的に取り込まれ得る。いずれの例においても、生産されるリポソームは、例えば(as)標準的な超音波処理及び均質化技法の使用により、その大きさを低減することができる。本明細書で開示した化合物を含有するリポソーム製剤を凍結乾燥して、薬学的に許容可能な担体、例えば水により再構成してリポソームの懸濁液を再生することができる凍結乾燥物を製造することができる。
ナノ粒子担体部分は、直径又は長さが概して1ミクロン未満の固体又は中空の担体である。化合物を、ナノ粒子担体部分に封入することができ、該部分上に吸着させることができ、又は該部分の表面と共有結合することができる。スキャフォールドと称することもあるナノ粒子は、金属、半導体材料又はセラミックスを含むがこれらに限定されない様々な無機材料を含み得る。ナノ粒子の製造のための好ましい金属系化合物としては、チタン、二酸化チタン、スズ、酸化スズ、ケイ素、二酸化ケイ素、鉄、酸化鉄(III)、銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム、鋼、コバルト−クロム合金、カドミウム(好ましくはセレン化カドミウム)及びチタン合金が挙げられる。好適なセラミック材料としては、ブルシャイト、リン酸三カルシウム、アルミナ、シリカ及びジルコニアが挙げられる。ナノ粒子を、炭素(ダイアモンド)を含む有機材料から製造することができる。好適なポリマーとしては、ポリスチレン、シリコーンゴム、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルクロリド、ポリエステル、ポリエーテル及びポリエチレンが挙げられる。生分解性バイオポリマー(例えばポリペプチド、例えばBSA、多糖類等)、他の生物学的材料(例えば炭水化物、例えばヒアルロン酸及びキトサン)も、ナノ粒子スキャフォールドとしての使用に好適である。ポリマー化合物は、本明細書で開示したポリマーのモノマーから調製される同種重合体又は共重合体であり得る(共重合体は、ジブロック構造、トリブロック構造又はマルチブロック構造のものであり得る)。好適なポリマーとしては、ポリアルキルシアノアクリレート(PACA)(Bertling et al., Biotechnol. Appl. Biochem. 13:390 (1991))、ポリブチルシアノアクリレート(PBCA)(Chavany et al., Pharm. Res. 9:441 (1992))、ポリソルベート80でコーティングした、その表面上でペプチド−薬物複合体が吸収されたポリブチルシアノアクリレート(Kreuter et al., Brain Res. 674:171 (1995)、Kreuter, Adv. Drug Deliv. Rev. 47:65 (2001)、Kreuter, Curr. Med. Chem. 2:241 (2002))、ポリイソヘキシルシアノアクリレート(PIHCA)(Chavany et al., Pharm. Res. 11:1370 (1994))、ポリヘキシルシアノアクリレート(PHCA)(Zobel et al., Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:483 (1997))、及びPEG化ポリシアノアクリレート(Pilar et al., Pharm. Res. 18:1157 (2001))、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)、ポリアリルアミン、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酪酸又はポリオルトエステル等が挙げられる。他のナノ粒子材料は、米国特許第7,371,738号、同第7,332,586号、同第7,332,159号、同第7,304,045号、同第7,285,289号、同第7,259,252号、同第6,797,380号、同第6,689,338号、同第6,602,932号、同第6,521,431号及び同第6,475,995号(各々の全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている。
ナノ粒子は市販されており、又は連続的な水相におけるエマルジョン重合、連続的な有機相におけるエマルジョン重合、界面重合、溶媒蒸着、溶媒蒸発、有機ポリマー溶液の溶解、エマルジョンにおける水溶性ポリマーの架橋結合、高分子の溶解、炭水化物架橋結合、溶液中における進行性核形成(例えばコロイド反応による)を含む既知の方法により、若しくは様々な物理的及び化学的な蒸着プロセス、例えばスパッタ蒸着により便利に製造することができる。例えば、Hayashi, Vac. Sci. Technol. A5:1375 (1987)、Hayashi, Physics Today December, pp. 44 (1987)、MRS Bulletin, January 1990, pgs. 16-47を参照されたい。
代替的には、ナノ粒子を、当該技術分野で既知の方法を使用して、HAuCl及びクエン酸還元剤を使用して製造することができる。例えば、Marinakos et al., Adv. Mater. 11:34 (1999)、Marinakos et al., Chem. Mater. 10:1214 (1998)、Enustun et al., J. Am. Chem. Soc. 85:3317 (1963)を参照されたい。約140nmの分散(HO中における)凝集粒子径を有する酸化スズナノ粒子は、Vacuum Metallurgical Co., Ltd.(千葉、日本)から市販されている。様々な組成及び粒子径範囲を有する他の市販のナノ粒子が、例えばVector Laboratories, Inc.(Burlingame, Calif)から入手可能である。
スパッタ蒸着に加えて、プラズマ支援化学蒸着(PACVD)は、好適なナノ粒子を調製するために使用することができる別の技法である。PACVDは、比較的高い気圧(およそ1torr以上)において機能し、約1000ナノメートル以下の直径を有する粒子を生成するのに有用である。例えば、1000ナノメートル未満の直径を有する窒化アルミニウム粒子を、Al(CH及びNHを反応物として使用するPACVDにより合成することができる。PACVDシステムは、典型的には関連のポンプシステム及びガス供給システムを備えた水平に取り付けられた石英管を含む。サセプタを石英管の中心に置き、60KHzの高周波源を使用して加熱する。合成した窒化アルミニウム粒子を、石英管の壁上で集める。一般的に窒素ガスをAl(CHの担体として使用する。反応チャンバー中におけるAl(CH:NHの比率を、N/Al(CH及びNHガスのチャンバー中への流速を変化させることにより制御する。一般的には反応チャンバー中における10torrの定圧を維持して、超微細な窒化アルミニウムナノ粒子の蒸着及び形成をもたらす。PACVDを使用して、様々な他の好適なナノ粒子を調製することができる。
ナノ粒子は、粒子の電荷又は親油性又は親水性に影響を及ぼすポリマーをさらに含有し得る。ポリ(ビニルアルコール)を含むがこれらに限定されない任意の生体適合性親水性ポリマーを、この目的のために使用することができる。
以下の非限定的な実施例において、本発明をより詳細に説明する。
〈実施例1〉
癌患者における神経障害性疼痛の試験:
第2相多施設プラセボ対照無作為並行群間試験を実施して、神経障害性疼痛を伴う末期の癌を有する患者におけるKRN5500の安全性、有効性及び用量応答を評価した。19名の患者が、試験に参加した。13名をKRN5500の投与を受けるように無作為化し、6名をプラセボの投与を受けるように無作為化した。調査場所(investigative site)における無作為化誤差(randomization error)により、KRN5500の投与を受けるように無作為化した1名の患者は、実際にはプラセボの投与を受けた。KRN5500の投与を受けた12名の患者のうち、3名(25%)が、投与のための来院(dosing visits)を全て完了した。プラセボの投与を受けた患者のうち2名(28.6%)が、投与のための来院を全て完了した。追跡不能となった患者はおらず、死亡した患者もいなかった。
治療群はデモグラフィクスにおいて類似しており、患者の大部分がカフカス人(73.7%)であり、性別の分布はおよそ50/50であった。参加した患者の年齢の中央値は62歳であり、41歳〜84歳の範囲に及んでいた。平均体表面積(BSA)は1.8mであり、0.95m〜2.27mの範囲に及んでいた。患者集団の大部分がアロディニアを有していた(84.2%)。神経障害性疼痛のこのベースライン特性及び他のベースライン特性は、治療群間で一致していた。
KRN5500への曝露期間の中央値は、プラセボに関する29日に対して、40日であった。平均すると、KRN5500群の患者は5.3回投与を受けたが、プラセボ群の患者は4.4回投与を受けた。投与された最高用量は2.2mg/mであった。KRN5500群の患者のうち7名(58.3%)がこのレベルの用量に少なくとも1回曝露され、プラセボ群の患者のうち4名(57.1%)がこのレベルの用量に少なくとも1回曝露された。
有効性結果(Efficacy Results):
臨床的な数値評価スケール(NRS)スコアに基づいて、疼痛強度をIntent−to−treat(ITT)集団及びmodified efficacy(ME)集団の両方に対して解析した。結果は両解析とも同様であり、KRN5500群が示すベースラインからの低下の中央値が22%(ITT)及び23.6%(ME)であったのに対し、プラセボ群における変化の中央値は両解析とも0であった。中央値のウィルコクソン順位和検定に基づいて、ME解析では疼痛強度の低下が統計的に有意であった(p=0.03)。患者の80%超がベースライン特性としてアロディニアを有し、ベースラインでアロディニアを呈する患者のサブセットについての解析結果は全体解析と一致した。ベースラインでアロディニアを呈さない患者はほとんどおらず、本サブセットにおける結論が適切に導かれた。全ての用量に対して診療所で記録された最良の疼痛強度応答(疼痛の最大低下)についての解析からは、KRN5500治療患者の低下の中央値が29.3%であったのに対し、プラセボ治療患者は全く低下を示さなかったことが示される。日記の(diary)データに基づく疼痛強度の低下は診療所で観察されたものと同様であり、KRN5500治療群が示す低下の中央値が16.4%であったのに対し、プラセボ治療群は低下を示さなかった。全体的に見ると、KRN5500治療患者では5名(42%)が、日記のエンドポイントに基づいて、20%以上の疼痛強度低減を示したのに対し、プラセボ治療患者では1名(14%)しかこのレベルを達成しなかった。KRN5500治療患者では3名(25%)が33%以上の疼痛低下を達成したが、プラセボ患者は誰もこのレベルを達成しなかった。投与された最後の用量(エンドポイント)について評価すると、ITT集団解析又はME集団解析のいずれにおいてもKRN5500の用量応答の傾向はなかった。
通院毎に神経障害性疼痛アンケート(NPQ)スコアを得たものの、質問9及び質問10に関するアンカーの言葉使いにおいて発見された誤りにより、神経障害性疼痛を予測する判別関数スコアの使用が無効となったが、NPQからの個々の質問は治療の有効性を評価するには十分であった。結果として、関数スコア並びに質問9及び質問10は要約しなかった。焼け付くような(Burning)疼痛、電気的な(electric)疼痛及び固まるような(freezing)疼痛は、KRN5500で優先的にベースラインからの低下を示した。しかしながら、接触への感受性、電撃痛、しびれ(numbness)、刺痛又はぎゅっとした(squeezing)疼痛に関連する他のNPQ質問は治療群間で差がなかった。さらに、接触又は天候変化に起因する疼痛の増大に関して治療差は観察されなかった。焼け付くような疼痛を除いて、個々のNPQ質問のベースラインからの変化は週毎に大きく変動し、NPQが有効性についての鋭敏な尺度(measure:測定基準)でないことが示唆された。
少なくとも過去24時間内の疼痛についての患者の知覚及び過去24時間内の集積された疼痛干渉の尺度は、治療群間での実証可能な差を示す唯一の簡易疼痛調査用紙(BPI)の尺度であった。両方の尺度からKRN5500治療患者ではベースラインからの低下が示されたのに対し、プラセボ治療患者では全く変化がなかった。
ブラシ/接触誘発疼痛及び低温誘発疼痛に関する2つの質問のうち、補足的疼痛アンケート(SPQ)の「ブラシ/接触」項目のみがNRSスコアと一致し、KRN5500治療患者はプラセボ治療患者よりも大きな疼痛スコアの低下を示した。両治療群ともエンドポイントでの低温誘発疼痛の低下を示したため、SPQの「低温誘発疼痛」項目は治療差を示さなかった。
動的アロディニア判定及び冷感アロディニア判定の両者について治療差が観察された。KRN5500治療患者は触覚及び低温の両方に関連する疼痛のより大きな低下を示した。患部及び非患部の両方がKRN5500に対する応答を示した。このことは場合によっては患部よりもアロディニアの程度が小さい(判定用の非患部として)身体域を選択する際の部位誤差に起因するものであった。これが試験治療に応答を示し得る非患部におけるベースラインアロディニアスコアの原因であった。
ベースラインにおいて、患者はカルノフスキーパフォーマンスステータス(Karnofsky Performance Status:カルノフスキー病態指数)(KPS)の中央値が75(KRN5500患者)及び80(プラセボ患者)と比較的高く、患者が特に問題なく活動可能であることが示された。このパフォーマンスの尺度はいずれの治療群に対しても試験を通じて変化しなかった。
投薬後1週間の追跡調査で、集積された肉体的及び精神的なSF−12スコアは基本的にはベースラインから変化しなかった。さらに、いずれの構成成分についても治療差は認められなかった。
安全性結果:
KRN5500治療患者全て(100%)において、プラセボ治療群における86%(7名中6名の患者)と比較して少なくとも1つの治療中に発生した有害事象があった。KRN5500患者によって記録された事象はより重篤である傾向があった(KRN5500では84%が中等度又は重篤であったのに対し、プラセボでは71%)。事象は典型的には悪心又は嘔吐等の胃腸障害であり、KRN5500群の方がプラセボ群よりも治療に関連すると考えられるものが多かった(92%対14%)。KRN5500群の患者3名(25%)及びプラセボ群の患者1名(14%)が深刻な有害事象(AE)を経験した。試験薬に関連すると考えられるものはなかった。KRN5500治療患者2名を試験薬に関連するとは考えられない悪心及び嘔吐のために試験から除外した。KRN5500治療患者1名を試験薬に関連するとは考えられない痙攣のために除外した。プラセボ治療患者1名を試験薬に関連しない卒中のために試験から除外した。死亡は観察されなかった。
全体として、臨床的に有意な検査値異常、生命徴候の変化、理学的検査値の変化又はECGの変化は試験を通じて観察されなかった。
本試験中、どの患者もオピエートを減じなかったため、臨床的なオピエート離脱の判定は為されなかった。
結論:
KRN5500は診療所でNRSによって測定されたように疼痛強度の統計的に有意な低下を示した。患者の日記の結果は臨床評価と一致した。NPQは有効性の尺度として鋭敏でなかった。さらに、SPQの「低温誘発疼痛」項目からは治療効果が示されなかった一方、SPQのBPI及び「ブラシ/接触」項目は臨床的NRS測定結果と一致した。
悪心及び嘔吐の高い発症率がKRN5500治療群で観察され、概して試験薬に関連するものと考えられた。これらの事象が患者2名の除外の理由であった。記録された深刻なAEのうち、試験薬と関連すると考えられるものはなかった。検査値、生命徴候、ECG及び理学的検査値は、試験を通じて臨床的に有意な変化を示さなかった。
〈実施例2〉
KRN5500の製剤:
静脈内投与用のナノエマルジョン製剤をKRN5500について開発した。製剤の構成成分を表1に重量%表示で列記する。この製剤は以前に使用したKRN5500製剤と比較して胃腸障害の形で引き起こす副作用が少ないことが期待される。
Figure 2012505213
上記は本発明を例示するものであり、それを限定するものと解釈されない。本発明は添付の特許請求の範囲によって特定され、特許請求の範囲の均等物もその中に含まれる。本明細書中に引用される全ての刊行物、特許出願、特許、特許公報及び任意の他の参考文献は参考文献を提示した文章及び/又は段落に関連する教示のために全体が参照により援用される。

Claims (67)

  1. 被験体における疼痛を治療又は予防する方法であって、それらを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、Rは置換又は非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルを表す)
    又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む方法。
  2. Rが
    (1)炭素数11〜13の直鎖アルケニル、
    (2)二重結合又は三重結合を有しない炭素数11〜13の直鎖非置換アルキル、
    (3)炭素数10〜15の直鎖ハロアルキル、
    (4)CH(CHCH(OH)−又はCH(CHn−1CH(OH)CH−(式中、nは9〜13の整数を示す)、
    (5)アジド基又はシアノ基で置換された炭素数10〜15のアルキル、
    (6)フェノキシ基又はハロゲン置換フェノキシ基で置換された炭素数10〜13の直鎖アルキル、
    (7)
    Figure 2012505213
    (式中、mは0〜2の整数を示し、pは9〜14の整数を示す)、
    (8)
    Figure 2012505213
    (式中、mは0〜2の整数を示し、pは8〜13の整数を示す)、
    (9)
    Figure 2012505213
    (式中、mは0〜2の整数を示し、pは10〜15の整数を示す)、
    (10)CH(CHSOO(CH−(式中、mは0〜3の整数を示し、pは9〜14の整数を示す)、
    (11)
    Figure 2012505213
    (式中、mは0〜3の整数を示し、pは10〜15の整数を示す)、
    (12)CHSi(CH10−又はCHSi−C=C−(CH−、
    (13)
    Figure 2012505213
    (14)
    Figure 2012505213
    (15)
    Figure 2012505213
    及び
    (16)炭素数11〜13の直鎖アルカジエニル
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. Rが
    (1)炭素数11〜13の直鎖アルケニル、
    (2)二重結合又は三重結合を有しない炭素数11〜13の直鎖非置換アルキル及び
    (3)CH(CHCH(OH)−又はCH(CHCH(OH)CH−(式中、nは9〜13の整数を示す)、
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. Rが炭素数11のアルカジエニルである、請求項1に記載の方法。
  5. Rが炭素数12のアルカジエニルである、請求項1に記載の方法。
  6. Rが炭素数13のアルカジエニルである、請求項1に記載の方法。
  7. がHであり、RがOHである、請求項1に記載の方法。
  8. がHであり、RがOHである、請求項6に記載の方法。
  9. 前記化合物が6−[4−デオキシ−4−[(2E,4E)−テトラデカジエノイルグリシル]アミノ−L−グリセロ−β−L−マンノヘプトピラノシル]アミノ−9H−プリン(KRN5500)である、請求項1に記載の方法。
  10. 被験体における疼痛を治療又は予防する方法であって、それらを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IIIの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、R’は(1)炭素数1若しくは2の置換若しくは非置換のアルキル若しくはアルケニル又は(2)Hを表す)
    又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む方法。
  11. R’が置換アルキルである、請求項10に記載の方法。
  12. R’の炭素数が2である、請求項10に記載の方法。
  13. R’がペプチド結合を含む、請求項10に記載の方法。
  14. R’がアミノ基を含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記アミノ基が第一級アミノ基である、請求項14に記載の方法。
  16. R’が−COCHNHである、請求項10に記載の方法。
  17. がHであり、RがOHである、請求項16に記載の方法。
  18. R’がHであり、RがHであり、RがOHである、請求項10に記載の方法。
  19. 被験体における疼痛を治療又は予防する方法であって、それらを必要とする被験体に対し、治療有効量又は予防有効量の式IVの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、
    各R’’基は独立して、H又は1個〜3個の独立したR若しくはRで置換された炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基若しくはシクロアルキル基である場合があり、
    各Rは独立して、1個〜3個の独立したRで置換されていてもよいヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、
    各Rは独立して、ハロゲン、酸素、硫黄、CF、SR、OR、OC(O)R、NR、NR、COOR、C(O)R又はC(O)NRであり、
    各Rは独立して、C〜C10アルキル、ハロ、ハロアルキル、SR、OR、NR、COOR、NO、CN、C(O)R、C(O)NR、OC(O)R、S(O)、S(O)NR、NRC(O)NR、NRC(O)R、NR(COOR)、NRC(O)R、NRS(O)NR、NRS(O)、NRS(O)又はR若しくはRで置換されたC〜C10アルキルであり、
    各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、R又はRで置換されたC〜C10アルキルであり、
    各Rは独立して、COOR、C(O)NR、S(O)又はS(O)NRであり、
    各Rは独立して、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
    各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである)
    又はその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体を投与することを含む方法。
  20. 及びRが互いに異なり、H又はOHを表し、R’’が(1)炭素数1若しくは2の置換若しくは非置換のアルキル若しくはアルケニル又は(2)Hを表す、請求項19に記載の方法。
  21. 各R’’基が独立して、H又は1個〜3個の独立したR若しくはRで置換された炭素数1〜2のアルキル基若しくはアルケニル基である場合がある、請求項19に記載の方法。
  22. 前記疼痛が神経障害性疼痛である、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記神経障害性疼痛が、化学療法誘発性神経障害、癌関連神経障害、HIV関連末梢神経障害、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、線維筋痛、慢性疲労症候群による疼痛、多発性硬化症による疼痛、複合性局所疼痛症候群I型、複合性局所疼痛症候群II型、中枢性疼痛症候群、有痛性外傷性単神経障害、術後疼痛症候群、乳房切除後症候群、開胸術後症候群、幻肢痛、神経根引き抜き損傷、放射線照射後神経障害、反復運動神経損傷、反復運動過多損傷及び受傷後神経障害からなる群から選択される神経障害に起因するものである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化合物を1週間に1回を超えない頻度で投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記化合物を2週間に1回を超えない頻度で投与する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記化合物を1ヶ月に1回を超えない頻度で投与する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記化合物を6ヶ月に1回を超えない頻度で投与する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記化合物が、該化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物の形態である、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記医薬組成物がナノ粒子を含む、請求項29に記載の方法。
  30. 前記医薬組成物がナノエマルジョンを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記化合物を静脈内投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記化合物を筋肉内投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記化合物を皮下内投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記化合物を局所投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記化合物を約0.6mg/m〜約4.0mg/mの用量で投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記化合物を約1.0mg/m〜約3.0mg/mの用量で投与する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記被験体における神経障害の発症後に、前記化合物を該被験体に投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記被験体における神経障害の発症前に、前記化合物を該被験体に投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記被験体における神経障害の発症を引き起こす可能性がある事象の前に又は該事象と同時に、前記化合物を該被験体に投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記事象が手術である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記事象が放射線治療である、請求項39に記載の方法。
  42. 前記事象が化学療法の投与である、請求項39に記載の方法。
  43. 前記化学療法が、神経障害を誘発することが知られている化学療法剤の投与を包む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記化学療法がビンカアルカロイド、タキサン、白金系化合物及びVELCADE(ボルテゾミブ)からなる群から選択される化学療法剤の投与を含む、請求項42に記載の方法。
  45. 前記ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン又はビノレルビンである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記タキサンがパクリタキセル又はドセタキセルである、請求項44に記載の方法。
  47. 前記白金系化合物がシスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、サトラプラチン又はオキサリプラチンである、請求項44に記載の方法。
  48. 前記化合物をさらなる薬剤と同時に投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記化合物を前記さらなる薬剤と同一の医薬組成物で投与する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記化合物を前記さらなる薬剤と異なる医薬組成物で投与する、請求項48に記載の方法。
  51. 前記さらなる薬剤が化学療法剤である、請求項48に記載の方法。
  52. 前記さらなる薬剤が制吐剤である、請求項48に記載の方法。
  53. 前記さらなる薬剤が鎮痛剤である、請求項48に記載の方法。
  54. 前記さらなる薬剤が抗炎症剤である、請求項48に記載の方法。
  55. 前記さらなる薬剤がPPARアゴニストである、請求項48に記載の方法。
  56. 前記PPARアゴニストがPPARδアゴニストである、請求項55に記載の方法。
  57. 治療有効量又は予防有効量の
    式IIの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、Rは置換又は非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル又はシクロアルキルを表す)
    若しくはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体、
    式IIIの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、R’は(1)炭素数1若しくは炭素数2の置換若しくは非置換のアルキル若しくはアルケニル、又は(2)Hを表す)
    若しくはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体又は
    式IVの化合物:
    Figure 2012505213
    (式中、R及びRは互いに異なり、H又はOHを表し、
    各R’’基は独立して、H又は1個〜3個の独立したR又はRで置換された炭素数1〜5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキル基である場合があり、
    各Rは独立して、1個〜3個の独立したRで置換されていてもよいヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、
    各Rは独立して、ハロゲン、酸素、硫黄、CF、SR、OR、OC(O)R、NR、NR、COOR、C(O)R又はC(O)NRであり、
    各Rは独立して、C〜C10アルキル、ハロ、ハロアルキル、SR、OR、NR、COOR、NO、CN、C(O)R、C(O)NR、OC(O)R、S(O)、S(O)NR、NRC(O)NR、NRC(O)R、NR(COOR)、NRC(O)R、NRS(O)NR、NRS(O)、NRS(O)又はR若しくはRで置換されたC〜C10アルキルであり、
    各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、R又はRで置換されたC〜C10アルキルであり、
    各Rは独立して、COOR、C(O)NR、S(O)又はS(O)NRであり、
    各Rは独立して、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、
    各Rは独立して、H、C〜C10アルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである)
    若しくはその薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ若しくは光学異性体と、
    薬学的に許容可能な担体と、
    を含む、医薬組成物。
  58. ナノ粒子を含む、請求項57に記載の医薬組成物。
  59. ナノエマルジョンを含む、請求項57に記載の医薬組成物。
  60. さらなる薬剤を含む、請求項57に記載の医薬組成物。
  61. 約10重量%〜約15重量%の油相、約5重量%〜約10重量%の界面活性剤及び約50重量%〜約70重量%の水相を含む、請求項57に記載の医薬組成物。
  62. 約13重量%〜約15重量%の油相、約6重量%〜約8重量%の界面活性剤及び約55重量%〜約65重量%の水相を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
  63. 約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム及び約62重量%の水を含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  64. 約7重量%の大豆油、約7重量%のMIGLYOL 812、約7重量%の大豆レシチン、約0.3重量%のオレイン酸ナトリウム、約0.006重量%のEDTA、約17重量%のスクロース及び約62重量%の水を含む、請求項63に記載の医薬組成物。
  65. pHが約5〜約7である、請求項61に記載の医薬組成物。
  66. pHが約6.2である、請求項65に記載の医薬組成物。
  67. 前記化合物を、請求項61〜66のいずれか一項に記載の医薬組成物で投与する、請求項1、10又は19のいずれか一項に記載の方法。
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