JP2012503669A - 肝炎を治療するためのpeg−インターフェロン、リバビリンおよびvx−950を含む治療レジメ - Google Patents

肝炎を治療するためのpeg−インターフェロン、リバビリンおよびvx−950を含む治療レジメ Download PDF

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Abstract

本発明は患者にてC型肝炎感染を治療または予防するための抗ウイルス療法および組成物、ならびに本願明細書に開示の他の方法に関する。本発明はまた、組成物を含むキットおよび医薬パックおよび剤形に関する。

Description

相互参照
本願は、2008年9月24日付け出願の米国特許出願第61/099,849号、2008年10月30日付け出願の米国特許出願第61/109,655号、および2009年9月16日出願の米国特許出願第61/243,041号に対する優先権を主張するものであり、その内容を出典明示により本願明細書の一部とする。
2009年9月24日に作成された、「08−146PCT ST25.txt」と称される、761バイトの配列表を出典明示により本願明細書の一部とする。該配列表は出願時の本願明細書の開示の範囲を超える新規事項を含むものではない。
発明の技術分野
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療方法に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)による感染は医学における根源的な問題である。HCVは、A型、B型肝炎以外のほとんどの症例の病原因子であると認識されており、全世界で3%の推定ヒトセロ−有病率である。米国だけで400万近くの個体が感染している。
HCVに感染したヒトのうち20−25%は急性感染の後にウイルスを排除し得るが、75−80%は慢性C型肝炎感染を発症するであろう。このことは、通常、再発性の徐々に悪化する肝炎をもたらし、それは肝硬変および肝細胞癌などのより重度の病態に至ることも多い。残念なことに、慢性HCVの進行を遅らせるのに広く有効な治療はない。
HCVゲノムは3010−3033のアミノ酸のポリ蛋白をコードする。HCVの非構造(NS)蛋白は、ウイルス複製に必須の触媒機構を提供すると考えられている。NS蛋白は、ポリ蛋白の蛋白分解的切断によって誘導される。
HCV NS蛋白3(NS3)は、ウイルス酵素の大部分のプロセシングを助けるセリンプロテアーゼ活性を有し、かくして、ウイルス複製および感染性に必須であると考えられる。黄熱病ウイルスNS3プロテアーゼにおける変異は、ウイルス感染性を減少させることが知られている。NS3の最初の181のアミノ酸(ウイルスポリ蛋白の残基1027−1207)は、HCVポリ蛋白の4つ全ての下流部位を処理するNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが明らかにされた。
HCV NS3 セリンプロテアーゼおよびそれと関係する補因子NS4Aは、すべてのウイルス酵素のプロセシングを助け、かくしてウイルス複製に必須であると考えられる。このプロセシングは、ウイルス酵素プロセシングにも関与する、ヒト免疫不全ウイルスのアスパルチルプロテアーゼにより行われるのと同じようである。ウイルス蛋白プロセシングを阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤はヒトの強力な抗ウイルス剤であり、ウイルス生活環のこの段階を中断することは、治療学的に活性な物質をもたらすことを意味する。結果的に、創薬の魅力的な標的である。
現在のところ、満足のいく抗HCV剤または治療法は存在しない。最近まで、HCV疾患のための確立された治療は、インターフェロン治療のみであった。最初に認可されたHCV感染用の治療法は、標準的な(ペグ化されていない)インターフェロンアルファを用いての治療であった。しかしながら、インターフェロンは顕著な副作用を有し、インターフェロンアルファの単独療法は症例のほんの一部(約25%)にて長期寛解を誘発する。リバビリンを該治療計画に加えることで応答割合がわずかに増加する。最近の、リバビリンも組み合わされている、ペグ化形態のインターフェロン(PEG−INTRON(登録商標)およびPEGASYS(登録商標)の導入は、寛解率のごく僅かな改善をもたらし、副作用の部分的な軽減をもたらすにすぎない。(PEGはポリエチレングリコールをいう。)現在の標準的な治療は、HCV遺伝子型などの予後因子、および治療への初期応答の現れに応じて、24−48週間続く治療レジメである。HCV遺伝子型−1患者の多くは、ペグ化インターフェロン−アルファ−2a/2bおよびリバビリンの48時間レジメの後で持続性ウイルス学的応答(SVR)を達成しない。その上、従来のPRノンレスポンダー(ヌルおよびパーシャルレスポンダー)で再び治療し、およびペグ化インターフェロンおよびリバビリンで逆戻りは、各々、10%および30%未満のSVR割合を達成する。有効な抗HCVワクチンの見込みは不明確なままである。
かくして、抗HCV療法および抗HCV化合物についての適当な投与レジメに対する要求がある。
HCVおよび他の疾患および障害は肝障害と関連付けられる。肝障害の治療法および適当な投与レジメに対する要求もある。
本発明はC型肝炎ウイルス感染の治療方法を提供する。一の実施態様において、本発明は、ペグインターフェロンおよびリバビリンをVX−950と一緒に初期段階にて患者に投与する工程、および第二段階にわたってペグインターフェロンおよびリバビリンを投与する工程を含み、ここで該第二段階が初期段階の後で生じ、VX−950が1125mgの量で一日に2回投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き180mgの量で投与され、リバビリンが一日に付き1000ないし1200mgの量で投与される、治療レジメを対象とする。
もう一つ別の実施態様において、本発明は、ペグインターフェロンおよびリバビリンをVX−950と一緒に初期段階にて患者に投与する工程、および第二段階にわたってペグインターフェロンおよびリバビリンを投与する工程を含み、ここで該第二段階が初期段階の後で生じ、VX−950が1125mgの量で一日に2回投与され、ペグインターフェロンが一週間で体重1kgに付き1.5mgの量で投与され、リバビリンが一日に付き800ないし1200mgの量で投与される、治療レジメを対象とする。
C208実験計画を示す。 log10HCV RNAレベルの経時的な平均値の変化を示す(NC=F)。 第4週でのウイルス学的応答を示す。 HCV RNAが検出できない患者(<10IU/mL)の%を示す。
VX−950は、以下の構造式を参照して、PCT公開番号WO02/018369、WO2006/050250およびWO/2008/144072に記載されている、化合物またはその医薬上許容される塩である:
Figure 2012503669
(I)
VX−950の他の記載は、PCT公開番号WO07/098270およびWO08/106151にて見ることができる。
したがって、本発明の一の実施態様は、VX−950および医薬上許容される担体を患者に投与することを含む、治療レジメを提供することである。これらの医薬組成物中のVX−950の量は、約100mgないし約1500mg、約300mgないし約1500mg、約300mgないし約1250mg、約450mg、約750mg、または約1250mgとすることができる。これらの医薬組成物は、各々、例えば、一日に1回、2回、または3回投与され得る。これらの組成物は、各々、1または複数の剤形(例えば、アンプル、カプセル、クリーム、エマルジョン、液剤、グレイン、ドロップ、注入、懸濁液、錠剤、散剤)とすることができる。これらの医薬組成物は、各々、当業者に適当と見なされ、かつ剤形に応じて1または複数の経路(例えば、経口、注入、注射、局所的または非経口的)により投与され得る。
本発明のもう一つ別の態様は、患者のHCV感染を治療または防止する方法であって、患者にVX−950を投与することを含む方法を提供する。
いくつかの実施態様において、VX−950の量は、少なくとも約300mg(例えば、少なくとも約450mg、少なくとも約500mg、少なくとも約750mg、少なくとも約1250mg、または少なくとも約1500mg)である。いくつかの態様において、VX−950の量は、約1500mg未満である(例えば、約1250mg未満、約750mg未満、約450mg未満、約500mg未満、または約300mg未満である)。
これらの下限量および上限量は、VX−950の投与のための好ましい用量範囲を提供するために組み合わせ得ると理解されるはずである。例えば、ある実施態様において、VX−950は、約300mgないし約1250mgまたは約300mgないし約1500mgの量で投与される。
ある実施態様において、VX−950は、約450mgの量で投与される。他の実施態様において、VX−950は、約500mgの量で投与される。他の実施態様において、VX−950は、約600mgの量で投与される。他の実施態様において、VX−950は、約750mgの量で投与される。他の実施態様において、VX−950は、約1000mgの量で投与される。他の実施態様において、VX−950は、約1250mgの量で投与される。
これらの実施態様においては、特定量のVX−950が、一日に1回される。別法として、一定量のVX−950が一日に2回(例えば、BID;q12h)投与される。別法として、一定量のVX−950が一日に3回(例えば、TID;q8h)投与される。さらには、VX−950は食事と共にまたは別に投与されてもよい。
VX−950はまた、ヒトにおいて試験され、HCV複製を阻害することに効果的であることが判明した。本発明者らは、VX−950の投与がHCV RNAレベルを実質的に減少させ得ることを明らかにした。発明者らが、VX−950をHCVに感染した対象に投与することで、ウイルスRNAがRoche COBAS TaqMan(登録商標)HCV/HPSアッセイ(Roche molecular Diagnosticsより市販)を用いることで検出できなくなる程度にウイルスを阻害しうることを明らかにしたことは重要なことである。以前の実験において、750mgのVX−950を8時間毎(q8h)に投与された8人の対象のうち、4人は定量限界(LLQ30IU/mL)より低いHCV RNAレベルであり、これら4人の対象のうち2人は検出限界(LLD10IU/mL)より低いHCV RNAレベルを有した。
以前の実験において、750mgのVX−950を8時間毎に14日間投与された対象は、HCV−RNAの4log10より大きな平均減少(すなわち、10,000倍の低下)を治療後に達成した。HCV−RNAの2log10より大きな平均減少が、14日間の治療後に、他の2つのVX−950用量群のそれぞれで見られた。VX−950を投与された各対象は、治療の最初の3日以内に2log10より大きなHCV−RNAの減少を達成し、VX−950を投与された28人の対象のうち26人が、治療の最初の3日以内に、3log10のHCV−RNAの減少を示した。実施例5を参照のこと。
血漿ウイルス量が、VX−950で治療された患者において迅速に減少することが明らかにされた。加えて、投与終了後、HCV RNAのベースラインレベルにゆっくりと戻ることが証明された。特に、治療終了後にHCV RNAベースラインレベルに戻る速度は、治療によるHCV RNAの減少速度よりゆっくりであった。検出できないHCV RNAレベルに達することと合わせてこれらの結果は、単剤療法としてのVX−950の有効性を示す。
従って、VX−950またはその医薬上許容される塩を、(a)各々約450mgの量で、一日3回、8時間毎;(b)約750mgの量で、一日3回、8時間毎;(c)約1250mgの量で、一日2回、12時間毎;または、(d)約1250mgの量で、一日3回、8時間毎に、HCVに感染した患者に投与してもよい。
別の実施態様において、本発明は、VX−950またはその医薬上許容される塩を1125mgの量で、一日に2回;あるいは約1125mgの量にて12時間毎に投与することを含む、HCVに感染した患者を治療する方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、患者のHCV RNAレベルが、治療前より治療後のほうが、少なくとも約2log10(例えば、少なくとも約4log10)低くなるように、VX−950を投与することによりHCVに感染した患者を治療する方法を提供する。
本発明のさらにもう一つ別の態様は、患者のウイルスRNAレベルが検出できないレベルに減少し、「持続的ウイルス応答(SVR:ウイルス排除)」が達成されるまで検出できないレベルのままであるように、VX−950を投与することによりHCVに感染した患者を治療する方法を提供する。本明細書で用いる用語「持続的ウイルス応答」は、投与完了後(または、VX−950投与の終了後)24週間、ウイルスRNAレベルが検出できないままであることを意味する。
一般に、「RVR」、「SVR」、「EVR」なる語は当該分野にて周知であり、当該分野にて十分に許容される意味の範囲内にある。例えば、「RVR」は迅速なウイルス応答を意味し、「SVR」は持続的ウイルス応答を意味し、および「EVR」は初期のウイルス応答を意味する。典型的には、「RVR」は第4週でHCV RNAレベルを検出できないことを意味し;「SVR」は治療後48週でHCV RNAレベルが検出できないことを意味し;および「EVR」は第12週でHCV RNAにてベースラインより2log10以上減少していること、あるいは第12週でHCV RNAを検出できないことを意味する。上記したように、HCV RNAが「検出できない」とは、HCV RNAが、現在利用可能なアッセイにより測定されるように、好ましくはRoche COBAS TaqMan(登録商標)HCV/HPSアッセイにより測定されるように、10IU/mLよりも低く存在することを意味する。
750mgのVX−950を8時間毎に用いる本発明の方法がより高いトラフ濃度をもたらすことが明らかにされた。トラフ濃度は、次に投薬する直前の血漿中における低下した薬物の濃度(すなわち、投薬間の最低濃度)である。ウイルス複製の適当な阻害を維持するのに、薬物のレベルを特定の濃度より上に維持することは、特にウイルス疾患の治療においては重要である。
従って、好ましい態様において、本発明は、VX−950を、それを必要とする患者に各々約750mgを一日3回、8時間毎に投与することを含む方法を提供する。
フレキシブルな投与スケジュールが都合よいことは、認められるであろう。従って、本発明のもう一つ別の実施態様において、該投与は一日3回であるが、8時間毎ではなく、要すれば食事と共に投与する。ある実施態様において、VX−950は、食事と共に投与される。
本発明はまた、VX−950を、それを必要とする患者に提供する方法であって、VX−950を含む経口用量の組成物を該患者に投与することを含み、ここで、該用量は、該患者に対して、投与後に少なくとも約750ng/mLの平均血漿濃度(Cavg)のVX−950を供する、方法を提供する。ある実施態様において、VX−950のCavgは、約1000ng/mLまたは約1250ng/mLである。ある実施態様において、該用量は本質的に、750mgのVX−950を含む。ある実施態様において、該Cavgは、投与後3時間以内、好ましくは2時間、より好ましくは1時間以内に得られるか、または達せられる。これら実施態様の好ましい形態において、VX−950のCavgは、約24時間以上、好ましくは12週間以上維持される。
もう一つ別の態様において、本発明は、VX−950を含む少なくとも1個の剤形を24時間にわたって投与することによりHCV感染を治療する方法であって、ここで該剤形はトラフ血漿中VX−950レベルの最低を24時間にわたって約750ng/mLに維持するように投与される、方法を提供する。
この実施態様のある形態において、24時間にわたってトラフ血漿中VX−950レベルの最低を、約800ng/mL、好ましくは約900ng/mL、より好ましくは24時間にわたって約1000ng/mLに維持するために該剤形を投与する。
特定の好ましい実施態様において、治療的有効血漿濃度が得られ、あるトラフ濃度が維持される。これらの方法は、特に、VX−950製剤を投与することによりHCV感染を有するヒトを治療するのに有用であり、ここで、該VX−950の血漿中トラフ濃度は、24時間の間、約750ng/mL、800ng/mL、900ng/mLまたは1000ng/mLの最低レベルに維持される。理論はともかく、約1500ng/mLより大きいトラフ濃度は、本発明に必要とされないと考えられる。従って、約750、800、900、1000ng/mLないし約1500ng/mL(特に、1000ないし約1500)のトラフ濃度は、本発明の範囲内である。
また、VX−950をヒトに送達するためのVX−950を含む剤形であって、該剤形が24時間の間に少なくとも1回投与されるとき、VX−950の血漿中トラフ濃度が、24時間の間、少なくとも約750ng/mL、800ng/mL、900ng/mL、または1000ng/mLないし、24時間の間、約1500ng/mL(特に、1000ng/mLないし約1500ng/mL)に維持される剤形も提供する。
理想的には、本発明の方法が、HCVに感染した患者を治療することを含む場合、本方法は、VX−950の治療的に有効な血漿濃度を比較的迅速に達成し、その後、効果的な治療応答を達成するようにトラフ濃度を維持することを含む。効果的な治療応答とは、好ましくは、a)持続的ウイルス応答を達成すること;そして、b)少なくとも12週間(12週間またはそれ以上)、検出できない血漿中HCV RNAを達成すること、の一方または両方である。本明細書中で用いる、HCV RNAについての「検出できない」とは、HCV RNAが、現在商業的に利用可能なアッセイにより決定される、好ましくは、Roche COBAS TaqMan(登録商標)HCV/HPSアッセイにより決定される、10IU/mL未満であることを意味する。
血漿濃度の比較的迅速な低下は、患者に負荷用量を投与することにより得られ得る。一態様において、負荷用量は、約1250mgのVX−950である。
本発明のある剤形において、(負荷用量を投与するために用いられる剤形以外の)剤形には、約750mgのVX−950が含まれ、該剤形は、8時間毎に1回(すなわち、q8h)投与される。
ある実施態様において、VX−950剤形は、8時間毎に1回投与される。
ある実施態様において、VX−950剤形は、12時間毎に1回投与される。
ある実施態様において、VX−950を用いる治療期間は、現在の標準的な治療期間よりも短い。
ある実施態様において、VX−950は、約12週間未満(または、12週間未満)の間投与される。
ある実施態様において、VX−950は、約8−12週間(または、8−12週間)の間投与される。
ある実施態様において、VX−950は、約10週間(または、10週間)の間投与される。
実験データは、VX−950の投与が、野生型ウイルスを10週間以内に根絶し得ることを示す。
ある実施態様において、VX−950は、約10週間未満の間投与される。
ある実施態様において、VX−950は、約2週間投与される。
本発明者らはVX−950の2週間の治療を受ける患者においてSVRが達成されることを証明した。
他の実施態様において、VX−950は、約8週間未満(または、約8週間もしくは8週間)、約6週間未満(または、約6週間もしくは6週間)、または約4週間未満(または、約4週間もしくは4週間)の間投与される。
ある実施態様において、本発明の方法は、遺伝子型1型のC型肝炎ウイルスに感染した患者の治療を含む。遺伝子型1型のHCV感染は、治療するHCVの最も困難な株および米国で最も蔓延している株である。
本発明者らはまた、VX−950の投与が、ネオプテリンおよびALTレベルをインビボで減少させることを証明した。AST(アルパラギン酸アミノ基転移酵素)レベルもまた、VX−950の投与により減少した。ALTは、肝臓細胞に存在する酵素であり;肝臓細胞が、損傷を受けるかまたは炎症を起こすとき、ALTが細胞から血中へ流れ出す。血中ALTレベルは、肝炎または肝臓損傷のマーカーとして有用である。
ネオプテリン(6−d−エリスロ−トリヒドロキシプロピルプテリジン)は、グアノシン三リン酸(GTP)の代謝中に産生されるプテリジン誘導体である。ネオプテリンは、インターフェロンγまたはインターフェロンアルファによる活性化により単球およびマクロファージによって最初に産生され、炎症のマーカーである。ネオプテリンレベルは、しばしば、慢性的HCV感染において上昇する。健康な個体において予期されるネオプテリンの血漿レベルは、3.1ないし7.7ナノモル/Lである。
従って、本発明者らは、単球/マクロファージ活性のマーカーとして、(HCV)NS3・4Aプロテアーゼの阻害剤の投与期間中の血清ネオプテリン濃度の変化を決定した。本明細書で記載の通り、VX−950を、遺伝子型1型のHCVに感染した34名の患者における、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多数回投与試験において14日間投与した。患者は、VX−950を、450mg、8時間毎(n=10)、750mg、8時間毎(n=8)、1250mg、12時間毎(n=10)、またはプラセボ(n=6)を受けた。血清ネオプテリン濃度を、定量的競合ELISA(ELItest(登録商標) Neopterin, Brahms, Hennigsdorf, Germany)により、治療前、治療7日目、14日目、および治療後10日目に測定した。検出の下限値(LLD)は、2ナノモル/Lであった。HCV RNAを、リアルタイムPCR (COBAS(登録商標) TaqMan HCV検定;3.0×10から2.0×10 HCV RNA IU/mLの線形ダイナミックレンジ;10 HCV RNA IU/mlのLLD;Roche Diagnostics, Branchburg, NJ)により、試験中頻繁に評価した。
VX−950の投与期間中、各患者は、全ての用量群においてウイルス量が少なくとも2log10低下することを明らかにした。750mg、8時間毎の用量群において、平均HCV RNAは、3日目に3.6log10低下し、14日目に4.3log10低下した。450mg、8時間毎、および1250mg、12時間毎の用量群において、最大効果は、3日目から7日目に見られ、その後、7日目から14日目の間に平均ウイルス量が増加した。平均ウイルス量は、全ての用量群において、フォローアップ中に増加した。有利なことに、HCV未処置患者および以前治療した患者の両方において、本発明の方法が有効である。以前治療した患者および未処置患者の両方が、VX−950に応答した。疑いを避けるために、本発明の方法で治療され得る患者には、HCV治療が、試されなかった患者か、または、非応答、リバウンド、再発および進行した患者を含む、治療に失敗した患者が含まれる。
ネオプテリンベースラインは、23/34名の患者で上昇した(平均9.33ナノモル/L;正常上限(ULN)7.7ナノモル/L)。750mgの用量群において、ベースラインおよびプラセボと比較したネオプテリンの減少は、14日目に顕著となった(750mg、8時間毎の用量群のベースライン対プラセボで、14日目にて10.48±0.84ナノモル/L対7.32±0.48ナノモル/L、P=0.0104、マンホイットニー検定;750mg、8時間毎の用量群対プラセボ、14日目で7.32±0.48ナノモル/L対9.81±1.36ナノモル/L P=0.0036、対応のない両側t検定)。平均ネオプテリンレベルは、750mg、8時間毎の用量群においてのみ、14日目にて正常値内であった。450mg、8時間毎の用量群、および1250mg、12時間毎の用量群において、平均ネオプテリンレベルの減少は、より小さかった。平均ネオプテリンレベルは、プラセボ群で変化しなかった。平均ネオプテリンレベルは、フォローアップ中に全ての用量群で増加した。
血清アラニンアミノ基転移酵素(ALT)レベルは、市販されている方法を用いて測定可能である。平均ALTレベルは、ベースライン時に高く、全ての群にて投与中に減少した。平均ALTレベルは、フォローアップ中に全ての用量群で増加し、ベースラインに戻った。
HCV RNAは、450mgの用量群、および1250mgの用量群で7日後に増加するが、ネオプテリンと、とりわけALTは、減少し続ける。平均ネオプテリン濃度の変化は、VX−950の投与中のHCV RNAおよびALTレベルの減少と関係があった。平均ネオプテリン濃度は、750mg、8時間毎の用量群において14日目に最大に減少した。これはまた、14日目に、HCV RNAの最大の減少を有する用量群でもあった。450mg、8時間毎、および1250mg、12時間毎の用量群において7日目の後、ALTおよびネオプテリンレベルは減少したが、HCV RNAレベルは増加した。これらのデータは、VX−950によるHCV複製の阻害が、結果としてウイルス感染と関係のある全身性炎症性活性の著しい減少となることを示唆する。
VX−950はまた、動物モデルにおいて高ALTレベルを改善する(WO2005/025517を参照)。詳細には、SCIDマウスにおけるWT−HCVプロテアーゼ−SEAPの発現は高レベルのALTをもたらし、それはVX−950で治療することにより改善され得る。SCIDマウスにおけるWT−HCVプロテアーゼのみの発現は、ALTレベルの時間および用量依存的上昇ももたらす。
従って、本発明は、患者においてALTレベルを低下する(正常化することを含む)方法を提供する。該方法は、治療的有効量のVX−950 (例えば、1日当たり約1350mg、約2250mg、または約2500mg)を、それを必要とする患者に投与することを含む。患者は、HCVに感染していても、HCVに感染していなくてもよい。
ある実施態様において、VX−950は、1日当たり、約450mgもしくは約750mgを8時間毎、または約1250mgを12時間毎で投与される。
本発明のもう一つ別の態様は、HCV陽性またはHCV陰性のどちらかである患者において、肝臓障害、肝炎、脂肪症、脂肪肝、NAFLD、NASH、アルコール性脂肪症、およびライ症候群の1種または複数を治療または予防するための方法を提供する。
本発明はまた、HCV陽性または陰性のどちらかである患者における、肝臓保護のための方法も、本発明の範囲内である。
本発明者らはまた、VX−950が、インビトロで免疫回避を遮断することを明らかにした。
VX−950は、センダイウイルス感染Huh7細胞におけるIFNβ依存的遺伝子発現を元に戻す。IFNβプロモーター活性は、WT HCVproの存在下で、センダイウイルス刺激に応答して減少する。VX−950は、WT HCVproが仲介するIFNβプロモーター活性化の抑制を克服する。
さらに、NS3/4Aは、例えば、TRIF依存的機序(ならびに、ウイルスポリタンパク質プロセシング)により、先天的防御の回避を伴うことが知られている。この免疫回避は、ウイルスの存続をもたらす。従って、ウイルスポリタンパク質プロセシングおよび先天的防御の回避の両方を阻害する化合物が望ましい。有利には、VX−950は、該その両方を行うことが示されている。特に、VX−950は、インビトロで、TLR3アダプタータンパク質であるTRIFの切断を阻害する。
理論はともかく、モデリングは、VX−950が、NS3プロテアーゼによるTRIF切断を阻害することを示唆する。TRIFは、NS3プロテアーゼ活性部位の非プライム(non−prime)側に結合する。VX−950は、TRIFと、同じ活性部位の非プライム側に結合し、TRIF切断を遮断する。
2種のVX−950ウイルス変種、A156TおよびA156Vが、TRIFまたは4A/4Bのどちらかを切断する能力の低下を示すことが示されている。これらのウイルス変種は適合性が小さいため、それらはウイルスポリタンパク質プロセシングおよびウイルスの存続の両方に影響しない。理論は別にして、これは、4A/4BおよびTRIF基質に結合して影響を与えるA156Vの立体障害と関係する。
これは、VX−950が、直接的抗ウイルス剤および免疫回避の阻害剤の両方として作用することを示す。従って、本発明はまた、HCVプロテアーゼが仲介する宿主の防御の回避を阻害する方法を提供する。
本明細書中で開示されるインビボデータと共にこれらの結果は、単剤療法としてのVX−950の有効性を示す。
本発明のVX−950の量は、単一剤形または2つ以上の剤形で投与される。分割剤形であるとき、各剤形は、ほぼ同時に投与される。疑いを避けるために、1日2回以上の投与を求める投与レジメについては、1個以上の丸剤または用量が、1日当たり各回で投与され得る(例えば、1個の丸剤を1日3回、または3個の丸剤を1日3回)。本発明の最も好ましい実施態様は、1回の投与につき少なくとも2個の丸剤を用い得る。
当業者に実施可能なように、本発明の方法が患者の予防的治療に用いられ、その患者がC型肝炎ウイルスに感染するとき、該方法は、その後感染を治療し得る。故に、本発明の一の実施態様は、患者におけるC型肝炎感染の治療または予防方法を提供する。
C型肝炎に感染した患者の治療に加えて、本発明の方法は、C型肝炎の感染から患者を予防するために用いられ得る。従って、本発明の一の実施態様は、本発明の組成物または剤形を患者に投与することを含む、患者におけるC型肝炎ウイルス感染の予防方法を提供する。
本願明細書に開示されているデータは併用療法としてのVX−950の有効性を示す。
本発明の方法はまた、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの阻害剤(VX−950以外);HCV生活環の別の標的の阻害剤(NS3/4Aプロテアーゼ以外);内部リボソーム侵入の阻害剤、広域的ウイルス阻害剤;または、シトクロムP−450阻害剤;または、それらの組み合わせ、から選択されるさらなる薬剤を含む別の成分の投与を含み得る。さらなる薬剤はまた、ウイルスの細胞侵入の阻害剤からも選択される。
そのような抗ウイルス剤には、α−、β−、およびγ−インターフェロンまたはチモシン、PEG化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびチモシンのような免疫調節剤;リバビリン、アマンタジン、およびテルビブジンのような別の抗ウイルス剤;C型肝炎プロテアーゼの他の阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、およびメタロプロテアーゼ阻害剤を含む、HCV生活環における他の標的の阻害剤;内部リポソーム侵入の阻害剤;IMPDH阻害剤のような広域的ウイルス阻害剤(例えば、VX−497、VX−148、および/またはVX−944を含むが、それらに限定されない、米国特許第5,807,876号、同第6,498,178号、同第6,344,465号および同第6,054,472号ならびにPCT公報WO97/40028、WO98/40381およびWO00/56331に記載の化合物;ならびにミコフェノール酸およびその誘導体);または、上記のいずれかの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
本発明の化合物と併用され得る他の薬剤(例えば、非免疫調節または免疫調節化合物)には、参照により本明細書中に包含されるWO02/18369(例えば、273頁、9−22行目、および274頁、4行目から276頁、11行目、その内容を出典明示により本願明細書に一部とする)に記載されるものが含まれるが、それらに限定されない。
種々の公開された米国特許出願に記載されるさらに他の薬剤が包含される。これらの刊行物は、本発明の方法、特に肝炎の治療方法においてVX−950と併用し得る化合物および方法のさらなる教示を提供する。そのような方法および組成物は全て、本発明の方法および組成物と併用し得ると考えられる。簡単には、それらの刊行物の開示内容は、公開番号を参照することにより言及されるが、特に化合物の開示は、出典明示により具体的に本願明細書の一部とされることに注意すべきである。そのような刊行物の例には、米国特許公開番号:US20040058982、US20050192212、US20050080005、US20050062522、US20050020503、US20040229818、US20040229817、US20040224900、US20040186125、US20040171626、US20040110747、US20040072788、US20040067901、US20030191067、US20030187018、US20030186895、US20030181363、US20020147160、US20040082574、US20050192212、US20050187192、US20050187165、US20050049220、およびUS20050222236が含まれる。
さらなる他の薬剤には、Human Genome Sciencesから市販されるアルブフェロン(商標)(アルブミン−インターフェロンアルファ);PEG−イントロン(登録商標)(ペグ化インターフェロンアルファ−2b、Schering Corporation, Kenilworth, NJから市販される);イントロン−A(登録商標)(VIRAFERON(登録商標)、インターフェロンアルファ−2b、Schering Corporation, Kenilworth, NJから市販されている);リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド、ICN Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CAから市販される;the Merck Index, entry 8365, Twelfth Editionに記載される);REBETROL(登録商標)(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);コーペガス(登録商標)(Hoffmann−La Roche, Nutley, NJ);ペガシス(登録商標)(ペグ化インターフェロンアルファ−2a、Hoffmann−La Roche, Nutley, NJから市販される);ロフェロン(登録商標)(組換えインターフェロンアルファ−2a、Hoffmann−La Roche, Nutley, NJから市販される);BEREFOR(登録商標)(インターフェロンアルファ2、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CTから市販される);スミフェロン(登録商標)(スミフェロンのような、精製物と天然のアルファインターフェロンの混合物、住友製薬、日本から市販される);ウェルフェロン(登録商標)(インターフェロン アルファ n1、Glaxo Wellcome Ltd., Great Britainから市販される);アルフェロン(登録商標)(Interferon Sciencesにより製造される天然アルファインターフェロンの混合物、およびPurdue Frederick Co., CTから市販される);アルファ−インターフェロン;天然アルファインターフェロン 2a;天然アルファインターフェロン 2b;ペグ化アルファインターフェロン 2aまたは2b;コンセンサスアルファインターフェロン(Amgen, Inc., Newbury Park, CA);レベトロン(登録商標)(Schering Plough、インターフェロン−アルファ 2B+リバビリン);ペグ化インターフェロンアルファ(Reddy, K.R. et al. “Efficacy and Safety of Pegylated (40−kd) Interferon alpha−2a Compared with Interferon alpha−2a in Noncirrhotic Patients with Chronic Hepatitis C”(Hepatology, 33, pp. 433−438 (2001);コンセンサスインターフェロン(インファゲン(登録商標))(Kao, J.H., et al., “Efficacy of Consensus Interferon in the Treatment of Chronic Hepatitis” J. Gastroenterol. Hepatol. 15, pp. 1418−1423 (2000);リンパ芽球様または“天然”インターフェロン;インターフェロン tau(Clayette, P. et al., “IFN−tau, A New Interferon Type I with Antiretroviral activity” Pathol. Biol. (Paris) 47, pp. 553−559 (1999);インターロイキン−2(Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103−112 (1999);インターロイキン−6(Davis et al. “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease 19, pp. 103−112 (1999);インターロイキン−12(Davis, G.L. et al., "Future Options for the Management of Hepatitis C." Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103−112 (1999);および、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物(Davis et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.” Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103−112 (1999))、が含まれるが、それらに限定されない。また、二本鎖RNA単独、またはトブラマイシンおよびイミキモドとの組み合わせを含むが、これらに限定されない(3M Pharmaceuticals;Sauder, D.N. “Immunomodulatory and Pharmacologic Properties of Imiquimod” J. Am. Acad. Dermatol., 43 pp. S6−11 (2000))、細胞におけるインターフェロンの合成を刺激する化合物(Tazulakhova, E.B. et al., “Russian Experience in Screening, analysis, and Clinical Application of Novel Interferon Inducers” J. Interferon Cytokine Res.,21 pp. 65−73)も含まれる。また、WO02/18369、特に272頁、15行目から273頁、8行目を参照のこと(この開示内容は、参照により本明細書中に明確に包含される)。
当業者に認められる通り、VX−950は、好ましくは経口投与される。インターフェロンは、通常、経口投与されないが、経口投与剤形が開発されている。それにもかかわらず、本明細書中、本発明の方法または組み合わせを、何らかの特定の剤形またはレジメに限定すべきではない。よって、本発明の組み合わせの各構成成分は、個別に、共に、またはその何らかの組み合わせで投与され得る。当業者に認められる通り、インターフェロンの投与量は、一般的に、IUで測定される(例えば、約400万IUから約1200万IU)。インターフェロンはまた、マイクログラム単位で投与され得る。例えば、ペグイントロンの標準的用量は、1.0−1.5μg/kg/週であり、ペガシスのそれは、180μg/週である。
リバビリンは、典型的には、経口投与され、リバビリンの錠剤が市販されている。汎用されているリバビリン錠(例えば、約200mg錠)の日用量は約800mgないし約1200mgである。それでも、本願明細書の記載は何ら本願発明の方法および組み合わせをその具体的な形態またはレジメに限定するものではない。典型的には、リバビリンはその商品ラベルに記載されている投与方法に従って服用され得る。当業者であれば、リバビリンの用量範囲が体重に応じて変化し得ることを認識するであろう。当業者であればまた、副作用を緩和するのに用量も減らしうることを認識するであろう。
ある態様において、該方法は、第一段階および第二段階の2つの期間の薬剤投与を含む。例えば、第一段階は、約12週間または24週間未満の期間であり、第二段階は、約12週間より長いか、または約12週間であってよく、例えば第二段階は、約12−36週間であり得る。ある態様において、第二段階は、12週間である。さらに他の態様において、第二段階は、36週間である。ある態様において、第一および第二段階の期間の和は、約24週間ないし48週間(例えば、24,36または48週間)である。いくつかの態様において、第一段階および第二段階は、同一期間であり得る。
VX−950は、第一段階、第二段階、または両段階のいずれかで投与され得る。いくつかの態様において、VX−950は、第一段階でのみ投与される。VX−950が、第一段階でのみ投与されるとき、VX−950は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて投与されてよく、1個以上の薬剤は、第二段階で投与される。他の薬剤は、1個以上の抗ウイルス剤、1個以上の本明細書に記載の他の薬剤、またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの態様において、第一段階および第二段階で投与される特定の薬剤は、同一である。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じており、ここでVX−950が一日に2回1125mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き1回投与され、リバビリンが一日に付き1回投与される、治療レジメを包含する。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じ、VX−950が一日に2回1125mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き1回投与され、リバビリンが一日に付き1回投与される、治療レジメを包含する。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じ、VX−950が一日に3回750mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き180ミリグラムの量にて投与され、リバビリンが一日に付き1000ないし1200mgの量にて投与される、治療レジメを包含する。特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンはペグインターフェロンアルファ2aである。もう一つ別の特定の実施態様において、VX−950は8時間毎に投与される。さらに別の特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンアルファ2bであり、VX−950は8時間毎に投与される。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じ、VX−950が一日に3回750mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き体重1kg当たり1.5ミリグラムの量にて投与され、リバビリンが一日に付き800ないし1200mgの量にて投与される、治療レジメを包含する。特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンはペグインターフェロンアルファ2bである。もう一つ別の特定の実施態様において、VX−950は8時間毎に投与される。さらに別の特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンアルファ2bであり、VX−950は8時間毎に投与される。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じ、VX−950が一日に2回1125mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き180ミリグラムの量にて投与され、リバビリンが一日に付き1000ないし1200mgの量にて投与される、治療レジメを包含する。特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンはペグインターフェロンアルファ2aである。もう一つ別の特定の実施態様において、VX−950は12時間毎に投与される。さらに別の特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンアルファ2aであり、VX−950は12時間毎に投与される。
ある実施態様において、本発明は、第一段階にてペグインターフェロンとリバビリンをVX−950と一緒に患者に投与し、第二段階を通してペグインターフェロンとリバビリンを投与し、ここで第二段階が第一段階の後に生じており、ここでVX−950が一日に2回1125mgの量にて投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き体重1kg当たり1.5ミリグラムの量にて投与され、リバビリンが一日に付き800ないし1200mgの量にて投与される、治療レジメを包含する。特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンはペグインターフェロンアルファ2bである。もう一つ別の特定の実施態様において、VX−950は12時間毎に投与される。さらに別の特定の実施態様において、第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンアルファ2bであり、VX−950は12時間毎に投与される。
上記した実施態様のいくつかでは、少なくとも65%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも75%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも80%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも85%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルに達する。
上記した実施態様のいくつかでは、少なくとも80%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも84%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも85%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも90%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルに達する。ある実施態様において、少なくとも93%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルに達する。
ある実施態様において、該方法はVX−950を2週間投与し(第一段階)、つづいて22週間、ペグインターフェロンアルファ−2aとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950を2週間投与し(第一段階)、つづいて46週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
さらに別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンと組み合わせて2週間投与し(第一段階)、つづいて22週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンと組み合わせて2週間投与し(第一段階)、つづいて46週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
さらに別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて2週間投与し(第一段階)、つづいて22週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて2週間投与し(第一段階)、つづいて46週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
ある実施態様において、該方法はVX−950を4週間投与し(第一段階)、つづいて20週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950を4週間投与し(第一段階)、つづいて44週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
さらに別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンと組み合わせて4週間投与し(第一段階)、つづいて20週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンと組み合わせて4週間投与し(第一段階)、つづいて44週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
さらに別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて4週間投与し(第一段階)、つづいて20週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。別の実施態様において、該方法はVX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて4週間投与し(第一段階)、つづいて44週間、ペグインターフェロンとリバビリンの組み合わせを投与する(第二段階)ことを含む。
いくつかの実施態様において、上記のいずれかの第一段階は約12週間行われ、第二段階は約12週間行われ得る。別法として、第一段階は約12週間行われ、第二段階は約24週間行われ得る。さらに別の態様において、第一段階は約12週間行われ、第二段階は約36週間行われ得る。
いくつかの実施態様において、上記のいずれかの第一段階は約8週間行われ、第二段階は約16週間行われ得る。別法として、第一段階は約8週間行われ、第二段階早く28週間行われ得る。さらに他の態様において、第一段階早く8週間行われ、第二段階は約40週間行われ得る。
いくつかの実施態様において、該方法は、VX−950をペグインターフェロンと組み合わせて48週間未満の間投与することを含む。例えば、該方法は、VX−950をペグインターフェロンと組み合わせて24週間未満の間投与することを含む。
いくつかの実施態様において、該方法は、VX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて48週間未満の間投与することを含む。例えば、該方法は、VX−950をペグインターフェロンおよびリバビリンと組み合わせて24週間未満の間投与することを含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、VX−950を約2週間(または、2週間)投与し、つづいてペグインターフェロンおよびリバビリンを約22週間(もしくは、22週間)または約46週間(もしくは、46週間)投与することを含む。
モデリングデータはまた、V36A/M、T54A、R155K/T、A156S A156V/T、V36A/M−R155K/T、およびV36A/M−A156V/TのようなVX−950耐性変異体は、主に、VX−950治療後の、約10−24週間(または、8−26週間)のペグインターフェロンおよびリバビリンの投与により根絶し得ることを示す。任意のこれらのレジメは、24−48週間続く現在の標準的ケア治療レジメにおいて、治療期間の減少を意味する。
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、第4週のRVRおよび第12週の検出できない状態を達成し得る。
VX−950の治療の8−12週間後のウイルス再発生は、VX−950耐性変異体と関係があり、治療の24−48週での再発生率は、特に治療に対して良好な初期応答を示す対象において、基本的に同じであった。
VX−950、ペグインターフェロンおよびリバビリンでの12週間の治療、可能であればわずか8週間の治療は、野生型ウイルスを排除するのに十分であることが明らかである。
従って、本発明はまた、VX−950とインターフェロンの併用投与法を提供する。ある態様において、インターフェロンを、約10週間(もしくは、10週間)、約12週間(もしくは、12週間)、約14週間(もしくは、14週間)投与する。リバビリンも、レジメ全体を含むが、それに限定されない該レジメの全部または一部で所望により投与されてよい。
一の実施態様において、本発明の方法は、約12週間(または、12週間)のVX−950およびペグインターフェロンの併用投与を含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、約12±4週間(例えば、8、12または16週間)のVX−950およびペグインターフェロンの併用投与を含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、約24週間(または、24週間)のVX−950およびペグインターフェロンの併用投与を含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、約24±4週間(例えば、20、24または28週間)のVX−950およびペグインターフェロンの併用投与を含む。
疑義を避けるために、本発明は、VX−950およびインターフェロンを約8週間(または、8週間)投与し、つづいてインターフェロンを約16週間(または、16週間)投与する合計約24週間(または、24週間)の治療レジメを含むが、これに限定されないことが理解されるであろう。また、VX−950およびインターフェロンを約12週間(または、12週間)投与し、つづいてインターフェロンを約12週間(または、12週間)投与する、合計約24週間(または、24週間)の治療レジメも提供する。かかるレジメは、所望により、約24週間(または、24週間)のレジメ全体を含むが、これに限定されないレジメの全部または一部でのリバビリンの投与を提供する。
一の実施態様において、本発明の方法は、約12週間(または、12週間)のVX−950、ペグインターフェロンおよびリバビリンの併用投与を含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、VX−950、ペグインターフェロンおよびリバビリンの組み合わせを約12週間(または、12週間)投与し、つづいてペグインターフェロンおよびリバビリンを約12週間(または、12週間)投与することを含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、VX−950、ペグインターフェロンおよびリバビリンの組み合わせを約12週間(または、12週間)投与し、つづいてペグインターフェロンおよびリバビリンを約36週間(または、36週間)投与することを含む。
一の実施態様において、本発明の方法は、VX−950、ペグインターフェロンおよびリバビリンの組み合わせを約24週間(または、24週間)投与し、つづいて、Peg−INFおよびリバビリンを約24週間(または、24週間)投与することを含む。
いくつかの実施態様において、該方法は負荷用量のVX−950(1250mg)を投与し、つづいて750mg、8時間毎のVX−950とペグインターフェロンおよびリバビリンの組み合わせを提供することを含む。
本発明に関連して用いられるシトクロムP450モノオキシゲナーゼ(「CYP」)阻害剤は、VX−950の代謝を阻害すると予期される。それ故に、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ阻害剤は、VX−950の代謝を阻害するのに有効量であり得る。従って、CYP阻害剤は、VX−950のバイオアベイラビリティまたはVX−950への暴露が、CYP阻害剤の不存在下でのVX−950と比較して増加するような量で投与される。CYP阻害剤には、リトナビル(WO94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロメチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944およびVX−497が含まれるが、これらに限定されない。好ましいCYP阻害剤には、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリンおよびクロメチアゾールが含まれる。
シトクロムP450モノオキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定するための方法は公知である(米国特許番号第6,037,157号、およびYunら、Drug Metabolism & Disposition, vol.21, pp. 403−407 (1993)を参照)。VX−950およびCYP阻害剤の対象への併用投与の影響を評価するための方法もまた公知である(US2004/0028755)。かかる方法は全て、組み合わせの薬物動態への影響を決定するために本発明に関連して用いられ得る。
本発明の一態様は、CYP3A4およびVX−950の阻害剤の投与方法を提供する。
本明細書に記載の方法は、a)VX−950および別の薬剤の組み合わせ;または、b)2個以上の剤形のVX−950、を投与または併用投与することを含み得る。併用投与は、同一の剤形または異なる剤形で各阻害剤を投与することを包含する。異なる剤形で投与されるとき、該阻害剤は、ほぼ同時または他の剤形の投与中のいずれかの時間を含む、異なる時間に投与され得る。分割剤形は、任意の順序で投与され得る。すなわち、全ての剤形は、他の剤形の前に、共に、またはその後に投与され得る。
VX−950、および何れかのさらなる薬剤を、分割剤形で処方してもよい。あるいは、患者に投与すべき剤形の数を減らすために、VX−950、および何れかのさらなる薬剤を、何れかの組み合わせで製剤できる。全ての分割剤形は、同時に、または異なる時間に投与され得る。剤形は、その生物学的効果が有利になるように時間内に投与されるべきであることが理解されるべきである。
本発明のレジメおよび剤形によれば、VX−950は、試料または患者のウイルス量(該ウイルスは、ウイルス生活環に必須のNS3/4Aセリンプロテアーゼをコードする)を減少するのに有効な量(または、本発明の方法を実行するのに有効な量)で、薬学的に許容される担体と共に存在する。あるいは、本発明の組成物には、本明細書中に記載のさらなる薬剤が包含される。各成分は、個々の組成物、組合せ組成物、または単一組成物中に存在し得る。
化合物の薬学的に許容される塩を、これらの組成物に用いるとき、それらの塩類は、好ましくは、無機または有機の酸および塩基から誘導される。そのような酸性塩類には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタン−プロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。塩基性塩類には、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンのような有機塩基との塩、ならびにアルギニン、リジンのようなアミノ酸との塩などが含まれる。
また、塩基性窒素含有基は、塩化、臭化およびヨウ化、メチル、エチル、プロピルおよびブチルのような低級ハロゲン化アルキル;硫化ジメチル、硫化ジエチル、硫化ジブチルおよび硫化ジアミルのような硫化ジアルキル;塩化、臭化およびヨウ化、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルのような長鎖ハロゲン化物;ベンジルおよびフェネチル臭化物のようなハロゲン化アラルキルなどのような物質によって四級化され得る。それにより、水または油に可溶性または分散性の生成物が得られる。
本発明の組成物および方法に利用される化合物はまた、選択的な生物学的特性を高めるのに適当な機能性を付加することにより修飾され得る。そのような修飾は、当技術分野で公知であり、所定の生物系(例えば、血液系、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加し、経口アベイラビリティーを増加し、注射による投与を可能にするための溶解性を増加し、代謝を変化させ、排泄速度を変化させることが含まれる。
これらの組成物に用いられ得る薬学的に許容される担体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸塩のような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸のような部分的グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂のような塩または電解質が含まれるが、これらに限定されない。
好ましい態様によれば、本発明の組成物を、哺乳動物、特にヒトに薬剤投与するために製剤する。
かかる本発明の医薬組成物(ならびに、本発明の方法において使用するための組成物、組み合わせ、キットおよびパッケージ)を、経口、非経腸、舌下、吸入スプレーにより、局所、経直腸、経鼻、口腔、経膣、または埋め込みリザーバー(implanted reservoir)により投与することができる。本明細書で用いる用語「非経腸」には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病変内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。好ましくは、該組成物を、経口または静脈内投与する。より好ましくは、該組成物を経口投与する。
本発明の組成物の滅菌注射剤は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当技術分野で公知の技術により製造され得る。該滅菌注射製剤はまた、非毒性の非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中滅菌注射溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール溶液であり得る。用い得る許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および生理食塩水である。さらに、滅菌した不揮発性油が、溶媒または懸濁化媒体として都合よく用いられる。この目的に関して、合成モノまたはジグリセリドを含む、何れかの無菌性の不揮発性油を用い得る。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸が、注射剤の製造において、オリーブ油またはヒマシ油のような、とりわけそれらのポリオキシエチル化型の天然の薬学的に許容される油として有用である。これらの油溶液または油懸濁液にはまた、エマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される剤形の剤形において通常用いられる、カルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤のような、長鎖アルコール希釈剤または分散剤が含まれ得る。他の通常用いられる、トゥイーン系、スパン系(Span)および他の乳化剤のような界面活性剤、または薬学的に許容される固体、液体または他の剤形の剤形に通常用いられるバイオアベイラビリティの増強剤はまた、製剤目的にも使用され得る。
VX−950およびさらなる薬剤を含む本発明の組成物において、VX−950および該さらなる薬剤は、約10ないし100%の投与量レベルで存在すべきであり、より好ましくは、単剤療法レジメにおいて通常投与される投与量の約10ないし80%で存在すべきである。
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤、粒剤、水性懸濁液または溶液を含むが、これらに限定されない何らかの経口的に許容される剤形で経口投与され得る。経口用錠剤の場合において、通常用いられる担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムのような滑剤もまた、一般的に添加される。カプセル形態での経口投与に関して、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口使用に必要とされるとき、活性成分を、乳化剤および懸濁化剤と併用する。要すれば、任意の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することもできる。許容される液体剤形には、エマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。
あるいは、本発明の医薬組成物は、直腸投与用に坐剤の形態で投与され得る。これらは、該薬剤と、室温では固体であるが、直腸温では液体であり、故に直腸で薬剤を放出し得る、適当な無刺激性賦形剤を混合することにより製造できる。そのような物質には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の医薬組成物はまた、とりわけ治療の標的が、眼、皮膚、または下部消化管の疾患を含む、局所適用により到達しやすい領域または臓器を含むとき、局所投与され得る。適当な局所製剤は、これらの領域または臓器のそれぞれのために容易に製造される。
当技術分野で認識される通り、医薬組成物はまた、リポソームの形態で投与され得る。
本発明者らは、VX−950が、経口投与可能であることを証明した。従って、本発明の好ましい医薬組成物は、経口投与用に製剤される。
CYP阻害剤に関して、1日当たり、体重1kg当たり約0.001ないし約200mgの投与量レベルが典型的であり得る。より典型的には、1日当たり約0.1ないし約50mg/kg、または約1.1ないし約25mg/kgの間の投与量レベルであり得る。
リトナビルの好ましい剤形に関しては、米国特許第6,037,157号、およびそこに引用される文献:米国特許第5,484,801号、米国特許出願第08/402,690号、および国際特許出願WO95/07696およびWO95/09614を参照のこと。
本発明に関係する投与を、長期または短期療法として用い得る。単一剤形を製造するために担体物質と併用され得る活性成分の量は、治療される宿主および特定の投与方法によって変化し得る。典型的な製剤は、約5%ないし約95%の活性化合物(w/w)を含み得る。好ましくは、かかる製剤は、約20%ないし約80%の活性化合物を含む。
患者の状態の改善により、必要ならば、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持量が投与され得る。次いで、投与の投与量あるいは頻度、または両方を、その症状の関数として、改善された状態が、症状が所望のレベルに軽減され、治療を終えるべきときに維持されるレベルに減らし得る。しかしながら、患者は、何らかの疾患症状の再発により長期的に断続的な治療を必要とし得る。
何れかの特定の患者に対する特定の投与量および治療レジメが、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、混合薬、担当医の判断、および治療すべき特定の疾患の重症度、これまでの治療歴、共存疾患または併用薬、ベースラインのウイルス量、種、疾患の期間、肝機能の状態および肝線維症/肝硬変の程度、ならびに治療目標(移植によるウイルス循環の排除またはウイルスの根絶)を含む、様々な因子によって変わり得ることも理解されるべきである。活性成分の量は、特定の記載した化合物、ならびに組成物中のさらなる抗ウイルス剤の存在または不存在、および性質によっても変わり得る。
他の態様によれば、本発明は、本発明の薬学的に許容される組成物を該患者に投与することにより、ウイルスの生活環に必要なNS3/4Aセリンプロテアーゼをコードするウイルスにより特徴付けられるウイルスに感染した患者の治療方法を提供する。好ましくは、本発明の方法は、HCV感染を有する患者の治療に用いられる。かかる治療は、ウイルス感染を完全に根絶するか、またはその重症度を低減し得る。好ましくは、該患者は哺乳動物である。より好ましくは、該患者はヒトである。
本明細書に記載の投与量は、好ましくはインビボでの使用用である。それにもかかわらず、これは目的に応じてこれらの量のVX−950の使用に限定されるものと意図されない。さらに別の態様において、本発明は、生物学的物質と、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物を合わせる工程を含む、患者に投与することを目的として該生物学的物質を前処理する方法を提供する。かかる生物学的物質には、血液および血漿、血小板、血液細胞の亜集団などのその成分;腎臓、肝臓、心臓、肺などの臓器;精子および卵子;骨髄およびその成分、ならびに食塩水、デキストロースなどの患者に注入される他の液体が含まれるが、それらに限定されない。
本発明はまた、VX−950、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを組み合わせる工程を含む、VX−950、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含む組成物を製造するための方法を提供する(ここで、組成物中のVX−950の投与量は、本発明のいずれかの態様に従う。)。本発明の別の態様は、該組成物が、本明細書に記載の1個以上のさらなる薬剤を含む方法を提供する。
本発明はまた、VX−950、またはその薬学的に許容される塩を、本明細書中に記載の投与量で含む治療レジメを提供する。本発明の別の態様において、治療レジメはさらに、本明細書に記載の1個以上のさらなる薬剤を含む。
医薬組成物はまた、単一パッケージ、通常ブリスターパッケージに一連の治療全体を含む「患者パック(patient pack)」で患者に処方され得る。患者パックは、患者が、従来の処方において通常紛失する患者パックに含まれる添付文書をいつでも利用できる点で、薬剤師が、大量供給物(bulk supply)から患者への薬剤分配を行なう従来の処方よりも有利である。添付文書の包含は、患者に医者の指示の順守を改善させることが明らかにされている。
患者が本発明の正しい使用をするように指示する添付文書を包含する単一の患者パック、または各製剤の患者パックを用いる本発明の併用投与は、本発明の望ましいさらなる特徴であることが理解され得る。
さらなる態様によれば、本発明は、VX−950(本発明の投与量)および本発明の併用使用の指示書を含む添付情報を含むパッケージである。全ての組成物、剤形、治療レジメまたは本発明の他の態様は、医薬パッケージ中に存在し得る。本発明の別の態様において、該医薬パッケージは、本明細書に記載の1個以上のさらなる薬剤をさらに含む。さらなる薬剤または複数の薬剤は、同一のパッケージまたは異なるパッケージで提供され得る。
本発明の他の態様は、各医薬成分の単一または複数の製剤;貯蔵中および投与前に製剤(複数可)を保存する容器;および、HCV感染の治療または予防のための有効な方法で薬剤投与を行うための指示書を含む、HCV感染の治療またはHCV感染の予防における使用のための(または、本発明の他の方法における使用のための)患者用のパッケージ化されたキットを含む。
従って、本発明は、VX−950(および、所望によりさらなる薬剤)の用量の同時または連続投与のためのキットを提供する。典型的に、そのようなキットは、例えば、薬学的に許容される担体中(および、単一または複数の製剤中)、各化合物の組成物および任意のさらなる薬剤(複数可)、ならびに同時または連続投与のための指示書を含み得る。
もう一つ別の実施態様において、パッケージキットは、自己投与のための1個以上の剤形;貯蔵中および使用前に該剤形を保存するための、好ましくは密閉された容器;および、薬剤投与を行うための指示書を包含して提供される。該指示書は、一般的に、添付文書、ラベル、および/またはキットの他の成分の指示書であり、剤形または複数の剤形が、本明細書中に記載されている。各剤形は、一枚の金属箔−プラスチック薄板で形成される個々の空間(cell)または半球形(bubble)中に、他から分離されたそれぞれの剤形を包含させるか、または剤形は、プラスチック容器のような単一の容器中に包含され得る。本発明のキットはまた、典型的には、個々のキット成分をパッケージングするための手段、すなわち、剤形、容器手段、および使用のための指示書を含み得る。そのようなパッケージング手段は、段ボール箱または紙箱、プラスチック容器または金属箔容器などの形態であり得る。
本発明のキットは、何れかの組成物、剤形、治療レジメまたは医薬パッケージのような、本発明のいずれかの態様を具現化し得る。
本発明のパッケージおよびキットは、所望により、複数の組成物または剤形を含む。従って、1個の組成物または2個以上の組成物を含むパッケージおよびキットは、本発明の範囲内に包含され得る。
ある例示的実施態様は、以下に描写および記載されているが、本発明の化合物を、当業者に一般的に利用可能な適当な出発物質を用いて、概して上記の方法に従い製造することができることは、当然のことである。
全ての引用文献は、出典明示により本願明細書の一部とされる。
本発明をより十分に理解するために、以下の製造例および実験例を記載する。これらの実施例は、説明のみを目的とし、いかなる点でも本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。
VX−950は当業者に公知の方法により一般に調製され得る(例えば、WO02/18369を参照のこと)。当該分野にて知られている適当な製剤は本発明にて用いることができる。例えば、WO2005/123075、WO2007/109604、WO2007/109605およびWO2008/080167に記載の製剤を本発明にて用いることができる。本発明にて用いることのできる具体的な製剤を実施例6にて示す。他の具体的な例は以下のとおりである:
Figure 2012503669

Figure 2012503669

Figure 2012503669

Figure 2012503669
ここで、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤー(Biddle Sawyer)または信越メトロース、HPMC60SH50)(ハイプロメロースアセタートスクシナート、HGグレード、信越化学会社)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、PVP(ポリビニルピロリドン)およびSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)はWO2005/123075に記載されているとおりである。特定の実施態様において、上記した固形分散体は1%HPMC、0.002%シメチコン(simethicone)溶液(1重量%HPMC、0.002重量%シメチコンおよび99重量%水)に懸濁させうる。付加的な例として、1:1 VX950:PVPK30、1重量%SLS(Refreshed Tox.);Niro−49重量%HPMCAS/1重量%SLS/1重量%SDBS/49%VX−950;40.5重量%PVP−VA/10重量%ETPGS/49.5重量%VX−950;40.5重量%HPMC/10重量%ETPGS/49.5重量%VX−950;49重量%VX950、49重量%HPMCAS、1重量%SLS、1重量%SDBS;および49重量%VX950、16重量%HPPh、33重量%HPC、1重量%SLS、重量%SDBSが挙げられ、ここでPVPK30(ポリビニルピロリドンK30)、SDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、HPMCAS(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート)、ビタミンETPGS、PVP(ポリビニルピロリドン)およびSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)およびこれら製剤の調製の説明はWO2005/123075に記載されている。付加的な例として、WO2007/109604に記載のものが挙げられる:
55重量%VX−950、24.4重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、19.6重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
55重量%VX−950、14.7重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、29.3重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、24.4重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、14.6重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
65重量%VX−950、17重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、17重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
70重量%VX−950、9.7重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、19.3重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、39重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
49.5重量%VX−950、24.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.5重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
83重量%VX−950、8重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、8重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
49.5重量%VX−950、24.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.5重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
70重量%VX−950、14.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、14.5重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
65重量%VX−950、14.6重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、19.4重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
65重量%VX−950、9.7重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.3重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、19.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、19.5重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、14.6重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.4重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
70重量%VX−950、9.7重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、19.3重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
49.5重量%VX−950、24.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.5重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
83重量%VX−950、8重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、8重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
49.5重量%VX−950、49.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
83重量%VX−950、16重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
82.44重量%VX−950、15.89重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1.67重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
49.5重量%VX−950、24.75重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、24.75重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、24.6重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、14.4重量%HPMC−60SH(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、60SH 50cP、ビドル・ソイヤーまたは信越メトロース、HPMC60SH50)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;
60重量%VX−950、39重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体;および
49.5重量%VX−950、49.5重量%HPMCAS−HG(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、JPE、ビドル・ソイヤーまたは信越HPMCAS−HGグレード)、および1重量%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含む固形分散体
が挙げられる。
これらの固形分散体の調製は、WO2007/109604に詳しく記載されている。付加的な特定の例として、WO2007/109604に記載されている、VX−950の噴霧乾燥した分散体を含有する錠剤が挙げられる:
Figure 2012503669
付加的な特定の例として、WO2008/080167に記載の錠剤が挙げられる:
VX950 SD 実験的錠剤化デザイン(効能:250mg VX950)
Figure 2012503669
実験番号A製剤
Figure 2012503669

注意:VX950SD Lot02
効能:250mg VX950

実験番号C製剤
Figure 2012503669

実験番号E製剤
Figure 2012503669

注意:VX950SD Lot02
効能:250mg VX950

実験番号F製剤
Figure 2012503669

注意:VX950SD Lot02
効能:250mg VX950
すべての引用文献を出典明示により本願明細書の一部とする。
本発明をよりよく理解するために、以下に調製例および試験例を示す。これらの実施例は例示を目的とするものであり、何ら本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:HCVレプリコン細胞アッセイプロトコル
C型肝炎ウイルス(HCV)レプリコンを含有する細胞を、10%仔ウシ血清(FBS)、0.25mg/mlのG418と適当な補助剤を含有するDMEM(「培地A」)に維持した。
1日目に、レプリコン細胞単層をトリプシン:EDTA混合物で処理し、取り出し、ついで、培地Aを100,000細胞/mLの最終濃度にまで希釈した。10,000細胞/100μlを96−ウェルの組織培養プレートの各プレートに置き、組織培養インキュベーター中、37℃で一夜培養した。
2日目に、化合物VX−950/100%DMSOを2%FBS、0.5%DMSOと適当な補助剤を含有するDMEM(「培地B」)に連続して希釈し、VX−950を種々の濃度で含有する溶液を得た。DMSOの最終濃度を連続希釈を通して0.5%に維持した。
レプリコン細胞単層上の培地Aを除去し、種々の濃度のVX−950含有の培地Bを添加した。いずれの化合物も含まない培地Bを他のウェルに加え、対照として用いた。
細胞をVX−950溶液と一緒に培地Bにて、または対照にて48時間、組織培養インキュベーター中、37℃でインキュベートした。48時間のインキュベーションの最後に、培地Bを除去し、レプリコン細胞単層をPBSで一度洗浄し、RNAを抽出するまで−80℃で貯蔵した。
処理したレプリコン細胞単層の培養プレートを解凍し、一定量の別のRNAウイルスである、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)を各ウェルの細胞に添加した。RNAの分解を回避するのに、RNA抽出試薬(RNeasyキットからの試薬などを)を直ちに加えた。全RNAを修飾について製造業者の指示に従って抽出し、抽出効率およびコンシステンシーを改善した。最後に、HCVレプリコンRNAを含む、すべての細胞のRNAを溶出し、さらなるプロセッシングまで−80℃で貯蔵した。
TaqmanリアルタイムRT−PCR定量アッセイを2種の特定のプライマーおよびプローブでセットアップした。一方はHCV用であり、もう一方はBVDV用であった。処理したHCVレプリコン細胞からのすべてのRNA抽出物をHCVおよびBVDV RNAの両方を定量するために同じPCRウェルにあるPCR反応体に加えた。実験での失敗に記しを付け、各ウェル中のBVDV RNAのレベルに基づいて排除した。各ウェルでのHCV RNAのレベルを同じPCRプレートで作成した標準曲線に従って算定した。VX−950処理によるHCV RNAレベルの阻害または減少割合を、DMSOまたはVX−950不含対照を用い、阻害0%として算定した。IC50(HCV RNAレベルの50%阻害を観察する濃度)をVX−950濃度の滴定曲線から算定した。
結果はVX−950がレプリコンアッセイにて約240ng/mLのIC50および約476ng/mLのIC90を有する顕著な阻害活性のあることを示す。
実施例2:HCV Kiアッセイプロトコル
HPLCマイクロボアによる5AB基質および産物の分離方法
この実験にて用いられる基質は:
NH−Glu−Asp−Val−Val−(アルファ)Abu−Cys−Ser−Met−Ser−Tyr−COOH 配列番号:1
であった。
20mMの5ABのストック溶液を0.2MのDTTを含むDMSOで調製し、−20℃でアリコートにて貯蔵した。pH7.8のバッファーを50mMのHEPES、100mMのNaCl、および20%グリセロールを含有するように製造した。
100μLのアッセイ溶液を表Iに従って調製した。
Figure 2012503669
バッファー、KK4A、DTTおよびtNS3を合わせ、その各々を78μLにて96−ウェルプレートのウェルに分配し、つづいて30℃で5ないし10分間インキュベートした。
適当な濃度の2.5μLのVX−950をDMSOに溶かし(対照はDMSOのみ)、各ウェルに加え、つづいて室温で15分間インキュベートした。
20μLの250μM 5AB基質(25μMの濃度は5ABのKmに等しいか、またはそれよりもわずかに低い)を添加することで反応を開始させた。得られた混合物を30℃で20分間インキュベートし、20μLの10%TFAを添加することで反応を停止させ、混合物を分析用のHPLCバイアルに(120μLのアリコートにて)移した。
SMSY産物を以下の方法により基質およびKK4Aより分離した:
装置:Agilent 1100
Degasser G1322A
Binary pump G1312A
Autosampler G1313A
Column thermostated chamber G1316A
Diode array detector G1315A
カラム:
Phenomenex Jupitoer;5ミクロンC18;300オングストローム;150x2分;P/O 00F−4053−B0
カラムサーモスタット:40℃
注入容量:100μL
溶媒A=HPLCグレード水+0.1%TFA
溶媒B=HPLCグレードアセトニトリル+0.1%TFA
Figure 2012503669
実施例3:耐容性および薬物動態実験
VX−950を無作為で二重盲検のプラセボを対照とする複数の単回用量の漸増実験で試験した。25人の健康な男性ボランティアが参加し、各々が複数回の単回用量のVX−950を服用し(少なくとも7日離して、VX−950を漸増量レベルで3回服用する)、プラセボを1回服用する。
25mgないし1250mgの用量を評価した。用量を倍増させ、フィボナッチを低用量範囲で攻撃的に、高用量範囲で保守的であるように修飾する用量漸増スキームを用いた。
結果はVX−950がすべての用量レベルで十分に耐容性であることを示した。実験の間、重度の副作用は報告されず、用量レベルの増加に伴い、副作用の増加は無いようであった。
統計学的モーメント方法を用いて薬物動態分析を行った。薬物動態分析はVX−950が3時間のtmax中央値で吸収されることを示した。2%以下のVX−950が変化することなく尿に放出され、このことは薬物が主に代謝経路を介して放出されていることを意味する。
実施例4:感染ウイルスアッセイ
VX−950は感染ウイルスアッセイにて196ng/mLのIC50を示した。
実施例5:VX−950治療の効果
VX−950を、24名の健康な対象および34名のC型肝炎陽性対象において、無作為化、プラセボ−対照、反復投与、盲検、用量漸増試験で試験した。
24名の健康な対象を、3つのパネルにそれぞれ8名の対象に分けた。各パネルにおいて、6名の対象がVX−950を受容し、2名の対象がプラセボを受容した。健康な対象に、5日間連続して、450mg、750mg、または1250mgのVX−950を8時間毎に投与した。該健康な対象は、18歳から65歳までであり(18歳と65歳を含む)、B型肝炎、C型肝炎、およびHIV陰性であった。男性は、18.5−29.0kg/m(18.5kg/mと29.0kg/mを含む)の肥満度指数を有していた。女性は、18.5−32.5kg/m(18.5kg/mと32.5kg/mを含む)の肥満度指数を有していた。
C型肝炎(遺伝子型1型)陽性の対象を、3つのパネルにそれぞれ12名の対象に分け、それぞれ14日間連続して、450mgまたは750mgのVX−950を8時間毎、または1250mgのVX−950を12時間毎に受容した。各パネルにおいて、10名の対象がVX−950を受容し、2名の対象がプラセボを受容した;750mgを8時間毎の群において、2名の対象が投与前に中止した。他の34名は全て、試験を完了した。
VX−950は、全ての用量レベルで良好な耐容性を示し、重大な有害事象は、試験中には報告されなかった;軽度および中程度の有害事象が報告された。プラセボ、450mgを8時間毎、750mgを8時間毎、および1250mgを12時間毎受容した群のHCV陽性対象のうち、それぞれ33.2%、10%、12.5%、そして30%は、未治療患者であった。
HCV陽性対象を、治療後、HCV RNAレベルがベースラインに戻るまで測定するために試験した。
Figure 2012503669
*4名の患者由来のサンプルを、それが、遺伝子型1a型または1b型であるかどうかを決定することができないアッセイのため、遺伝子型1型として分類した。
略語:BMI(肥満度指数);HCV(C型肝炎ウイルス);q8h(8時間毎);q12h(12時間毎);SD(標準偏差)。
ベースラインからのHCV RNAの変化を、VX04−950−101で試験した。
Figure 2012503669

値は、n(%)であり、q8hは、8時間毎;q12hは、12時間毎である。
実施例6:VX−950製剤
経口投与量製剤を、以下の通りに製造した。VX−950およびポビドンK29/32を塩化メチレン中に溶解し、その後、ラウリル硫酸ナトリウムを添加し、均一な懸濁液を形成するためにVX−950溶液を分散させた。この懸濁液を、90℃の入り口温度および56℃の出口温度を用いてスプレー乾燥させ、生成物をサイクロンから集めた。スプレー乾燥した分散物を、75℃で8時間、流動層乾燥させた。得られた粉末を、ガラスバイアル中で予め測定し、投与直前に、対象への投与のために水(30mL)に懸濁した。投与に関して、各バイアルを、全量が90mLである水の3分割量で洗浄した。
Figure 2012503669
実施例7:ヒト血漿中、VX−950の確認方法
ヒト血漿中のVX−950濃度を決定するためのアッセイは、当技術分野で公知の方法により行った。例えば、Wasley, A. ら、Semin. Liver Dis.,20:1−16,2000;Alter, H.J.ら、Semin. Liver Dis.,20:17−35,2000;Brown, R.S. Jr.ら、Liver Transpl., 9:S10−S13,2003;;DeFrancesco, R.ら、Nature, 436(7053):953−960,2005;Bowen, D.G.ら、J. Hepatol., 42:408−417,2005;Hoofnagle, J.H., Hepatology,36:S21−S29,2002, Brown, R.S. Jr.ら、Nature, 436 (7053):973−978,2005;および、Chisari, F.V., Nature, 436(7053):930−932,2005を参照のこと。
具体的には、以下のVX−950溶液を製造し、ふた付きホウケイ酸チューブ(11.5mL)中−20℃で貯蔵した:
原液:2−プロパノール中、961μg/mlのVX−950(10.0ml)
希釈した原液1:2−プロパノール中、96.1μg/mlのVX−950(5.00ml)
希釈した原液2:2−プロパノール中、9.61μg/mlのVX−950(10.0ml)
希釈した原液3:2−プロパノール中、0.961μg/mlのVX−950(10.0ml)。
内部標準原液を、2−プロパノール5.00ml中、1.00mg/mlの化合物1(VX−950の閉環構造類似体)を含んで製造し、ふた付きホウケイ酸チューブ(11.5ml)中、−20℃で貯蔵した。同様の化合物1を含む希釈溶液を、アセトニトリル100mL中、300ng/mLの化合物を含んで製造し、ふた付きホウケイ酸ボトル(100ml)中、−20℃で貯蔵した。
サンプル調整:血漿100μlおよび内部標準希釈溶液100μl(または、ブランク試料用のアセトニトリル)を、抽出チューブに添加した。30秒間ボルテックス混合後、500μlのトルエンを添加し、抽出を30秒間のボルテックス混合により行った。4℃で5分間、3000rpmでの遠心後、水層をアセトン混合物およびドライアイス中で凍結させ、有機層を別の抽出チューブに移した。50μlの2,2−ジメトキシプロパンを添加し、サンプルを、窒素下、約30℃で、乾燥するまで蒸発させた。残渣を、300μlのヘプタン:アセトン(90:10、v/v)[または、ヘプタン:THF(80:20、v/v)]中に、60秒間のボルテックス混合により再溶解した。サンプルを注入バイアルに移し、サンプルの60μLのアリコートを以下のクロマトグラフ条件の分析のためにクロマトグラフ系に注入した。
移動相:(定組成溶出)ヘプタン/アセトン/メタノール(80:19:1、v/v/v)
作製(Make−up)溶媒:アセトニトリル/アセトン/メタノール/ギ酸(40:60:1:1、v/v/v/v)
カラム温度:−1℃
流速:1.00ml/分(その内:0.750mL/分が移動相および0.250mL/分が、作製溶媒、検出器に完全に移す)
注入量:60μl
オートサンプラー温度:3℃。
実施例8:VX−950を用いる併用療法
VX−950併用療法を、VX−950の安全性およびその抗ウイルス応答を決定するために行った。具体的には、この実験は、遺伝子型1型HCVに感染した未治療患者12名を含んだ。全ての患者は、VX−950(750mg、8時間毎)、ペグインターフェロンアルファ−2a(「PEG−INF」、180μg/週)、およびリバビリン(1000または1200mg/日)を28日間受容した。28日間の完了後、患者は、担当医の臨床ケア下で、試験外の、ペグインターフェロンアルファ−2aおよびリバビリンでのフォローアップ治療を開始した。さらなるHCV RNA評価を、ペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリン治療期間中、治療医の判断で行った。これらには、実験後の治療およびその後の時点の4、8、14週での評価が含まれた。
結果は、VX−950/ペグインターフェロン/リバビリン併用が、28日間の実験中、重大な有害事象なしに、良好な耐容性であったことを示す。観察した有害事象プロフィールは、ペグインターフェロン/リバビリン併用療法で通常見られるプロフィールと一致した。全ての患者は、レジメ,VX−950の迅速かつ実質的な抗ウイルス効果を示す、薬剤レジメの実験に対する応答性を証明された。具体的には、2名の患者は、投与開始から8日間以内に血漿HCV RNAの検出不可能(<10IU/mL、Roche Taqman(登録商標)アッセイ)レベルに達し、全ての患者は、28日間の実験投与期間の終了時に検出できないHCV RNAを有した。28日間の実験投与の完了後、12週間の(ペグインターフェロン/リバビリンでの)後続治療で、HCV RNAレベルは、11名の患者で検出できないままであった。全ての患者は、ペグインターフェロン/リバビリン治療を継続し、標準的方法に従い応答を調査した。7名の患者は、全48週間の治療を受け、持続的ウイルス応答(SVR)を達成した。1名の患者は、中断前に18週間のみ(全22週間の治療)ペグインターフェロン/リバビリンを受け、SVRを達成した。2名の患者は、治療の12週および24週でウイルス突破現象(viral breakthrough)を有し、2名の患者は、フォローアップを行わなかった。合計で、10名の患者のうち8名の患者の結果が利用可能であり、SVRを達成した。実験後投与期間中に観察された副作用プロフィールは、ペグインターフェロン/リバビリン治療の予期プロフィールと一致した。
SVRが、22週間の治療のみで完了した1名を含む8名の患者で達成されたという観察は、VX−950に基づくレジメが、現在の治療法と比較してSVR率を増大し得ることを示す。
現在の治療法との比較
遺伝子型1型の慢性HCVを有する患者の現在の治療は、通常、48週間の、ペグ化インターフェロン−アルファ−2a/2b(ペグインターフェロン−2a)およびリバビリンのみの治療から構成され、遺伝子型1型HCVを有する患者の約50%のみがSVRを達成し、患者は一般的に、乏しい治療の耐容性を示す。
実施例9:フェーズ1b試験
VX−950は、単剤またはペグインターフェロン−2aとの併用で迅速かつ広範囲の抗ウイルス活性を有し、14日間の間良好な耐容性であった。この実験は、VX−950およびペグインターフェロンアルファ−2aの14日間の投与治療後のHCVの動力学的情報を提供するように設計された。
この実験は、慢性の遺伝子型1型C型肝炎感染を有する20名の未治療患者を3種の投与別に無作為化した(表1)。14日間の実験の完了時、20名の患者のうち19名は、14日間の投与期間の完了の5日以内からペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリンの投与開始を選択した;他のものは、Peg−INF−2aおよびリバビリンの併用投与を拒否したため。診療所訪問が、1週間および12週間の実験によって義務づけられたフォローアップ訪問の完了後に、調査者の裁量で行われた。19名の患者が、実験投与の完了後の24週間を通して継続していた。治療医との検討後、10名(VX−950の4名およびVX−950/ペグインターフェロンアルファ−2aの6名)の患者は、24週でペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリン治療を中止した。現在の患者の病状を以下の表1に示す。
Figure 2012503669
実験外のフォローアップの最終日(実験中、フォローアップの最後の後、12週間)に、HCV RNAレベルは、初め、VX−950のみ、およびVX−950/ペグインターフェロンアルファ−2a群に無作為化された、ペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリンを継続した患者全てで検出不可能であった。データを以下の表2に提供する。
Figure 2012503669
以下の表3に示す通り、24週間の全治療後、実験後のペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリン治療を中止した10名の患者のうち、VX−950のみを元々受容した4名の患者のうちの2名が、検出できない血漿HCV RNAレベルを、ペグインターフェロンアルファ−2aを中止後12週間のフォローアップで実証され;VX−950/ペグインターフェロンアルファ−2aを元々受容した6名の患者のうち5名が、検出できない血漿HCV RNAレベルを、ペグインターフェロンアルファ−2aを中止後12週間のフォローアップで実証された。
Figure 2012503669

* 1名の患者は、ペグインターフェロン−2a/リバビリンを拒否した。
24週間の実験外のフォローアップにて、初め、VX−950のグループに無作為化され、ペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリンを継続した患者の全てで、検出できないHCV RNAが維持された。初期(12週間)の治療後(ペグインターフェロンアルファ−2a/リバビリン)フォローアップのウイルス量データは、モデルと一致しており、SVRを達成するのに必要な期間が早期のウイルス排除の動力学に関連したことが示唆される。SVRは、VX−950の治療、要すればPeg−INFとの併用治療を14日間、その後のPeg−INF/リバビリンのさらに22または46週間の治療を受けた15名の患者のうち10名で達成された。
12週において、初めにVX−950とペグインターフェロンの併用治療を受けた8名の患者全て、ならびにVX−950のみを受容した7名の患者のうち5名が、検出できないHCV RNAを有した。24週において、VX−950を受容した15名の患者全てが、検出できないHCV RNAを有した。10名の患者(VX−950とペグインターフェロンの8名のうち6名、およびVX−950のみの7名のうち4名)が、24週でペグインターフェロン/リバビリンの停止を決定し、5名の患者が、全48週間のペグインターフェロン/リバビリン治療を継続した。全てのグループは、さらに24週間実験した。ペグインターフェロンとリバビリンを開始する前に、少なくとも14日間の(単独で、またはペグインターフェロンとの併用で)VX−950を受容した患者において、10名の患者のうち7名は、24週間治療し、5名の患者のうち3名は、48週間の治療でSVRを達成した。
実施例10:遺伝子型1C型肝炎の未処理対象にてペグインターフェロン−アルファ2aまたは−アルファ2bおよびリバビリンと一緒にテラプレビルをq8hまたはq12hで投与するフェーズ2実験:第4週の中間結果
背景:実験C208は、HCV遺伝子型1感染の未処理対象にて、テラプレビル(TVR)をプレインターフェロン−アルファ−2a(peginterferon-alfa-2a)またはペグインターフェロン−アルファ−2bおよびリバビリン(T/PR)と組み合わせてq8hまたはq12hで投与する継続性非盲検の無作為フェーズ2実験であった。本発明者らは治療の第12週で行われた中間解析の結果を報告する。
方法:161人の対象を表9に示すように4種の治療群に無作為に分けた。
Figure 2012503669
すべての治療群の対象はT/PRを12週間受け、その後で迅速なウイルス学的応答(RVR)基準に基づいて、さらに12週または36週のいずれかのPRを受けるであろう。ウイルスのブレイクスルーの定義(最悪状態よりHCV RNAにて1−log増)に到達した対象は、TVR投与を止め、48週のPRを終了するであろう。すべての処理対象が第4週の処理を終えるか、または第4週よりも早く中止した場合に、包括解析を行った。該解析はまた、データカットオフの時までに、第4週を超えて止めた対象を含め、すべての処理またはTVR投与中止を評価した。第4週(RVR)で検出限界(TaqManアッセイLOD10IU/mL)より下のHCV RNAの対象の割合を報告する。
結果:ベースライン特性を治療群を交えて平衡とした。違いは統計学的に有意にまでは達しなかったが、第4週で治療群BおよびDと比べて治療群AおよびCで高率のHCV RNAのクリアランスが観察された。第4週で検出できないHCV RNAを有する対象の割合は、治療群AおよびCで、各々、82%および85%であり;治療群BおよびDで、各々、71%および68%であった。第4週までに、ウイルスのブレイクスルーした対象の数は、治療群AおよびCで、各々、0および2名であり;治療群BおよびDで、各々、2および1名であった。何らかの理由でTVRを中止した割合は全体で12%(n=19)であった。同じような中止割合が各治療群で観察された。
結論:2種の現在利用可能な治療レジメの基準に照らして、TVR750mgをq8hで、または1125mgをq12hでPRと組み合わせて用い、第4週で高割合のウイルス学的応答および低割合のウイルスブレイクスルーを得た。検出できないHCV RNAの対象の割合の違いが、異なるPRレジメを受けている治療群の間で観察された。将来の第12週の週間解析からの結果からも、TVRq12h投与の治療の可能性、ならびにTVRをペグインターフェロン−アルファ−2aまたはペグインターフェロン−アルファ−2b
およびリバビリンのいずれかと組み合わせることに関連付けられる効能の潜在的な違いが評価されるであろう。
Figure 2012503669

Figure 2012503669
実施例11:遺伝子型1C型肝炎の未処理対象にてペグインターフェロン−アルファ−2aまたは−アルファ−2bおよびリバビリンと一緒にテラプレビルをq8hまたはq12hで投与するフェーズ2実験:第12週の中間結果
テラプレビル(TVR)はHCV NS3・4Aプロテアーゼの強力かつ選択的阻害剤であり、未処理患者およびペグインターフェロン(Peg−INF)およびリバビリン(RBV)での応答なしを含め、従来の治療で上手くいかなかった患者の両方で活性を示した。未処理のHCV遺伝子型1感染の患者のフェーズ2実験において、24週のTVR含有のレジメは、ペグインターフェロンおよびリバビリンを用いる継続的な48週治療に比べてウイルス学的応答の持続において顕著な改善を示した:PROVE1:61%対41%(p=0.02);PROVE2:69%対46%(p=0.01)。
C208実験(VX950−TiDP24−C208)の目的は、750mg q8hまたは1125mg q12hで投与したTVRの、ペグインターフェロンアルファ−2aまたはペグインターフェロン−アルファ−2bおよびリバビリンと組み合わせた(T/PR)効能、安全性、耐容性および薬物動態を検討することである。
本発明者らは、治療の第12週で行われたC208の中間解析の結果を報告する。
実験C208は継続性非盲検の無作為マルチセンターフェーズ2予備実験である。慢性のHCV遺伝子型1感染の成人の未処理対象を、線維症を兼ねている対象を含め、試験した。試験対象基準は従来のHCV実験に用いた基準と一致するものであった。対象はT/PRを12週間受け、つづいて長期にわたる迅速なウイルス学的応答(RVR)基準に基づいてさらに12週または36週のいずれかのPRを受けた(図1)。第4週、第6週または第8週にHCV RNAが>1000IU/mLの対象はTVR投与を止める必要があり、48週のPRを終えた。
中間包括(ITT)解析を行い、無作為に選択し、第12週の処理を終えた、あるいはそれ以前に中止した、すべての対象について得られたデータを含む、この報告にて明らかにする。主たる効能の終点は1回目の12週の投与の間の異なる点で検出限界(LOD、10IU/mL)より下のHCV RNAを有する対象が釣り合ったときであった。HCV RNAレベルをTaqman(登録商標)HCV RNAアッセイv2.0(Roche Molecular Systems Inc., Branchburg, NJ. USA)を用いて測定した。
ウイルスのブレイクスルー(最悪状態からHCV RNAが1−log増加するものとして、または以前にHCV RNAがあらゆる評価の時点で検出できなくなった[<10IU/mL]対象にて>100IU/mLのHCV RNAとして定義される)の評価を行った。薬物動態学およびウイルス動力学は、各々、ベースラインから第12週に及ぶTVRおよびHCV RNAの血漿濃度を所定のとおり連続して測定することで評価した。TVRの薬物動態分析を完全な薬物動態特性からのデータについてノン−コンパートメント方法を用いて行った。処理についての固定作用およびクリアランスについてのランダム作用、薬物作用、分散共分散マトリックを構築していない感染細胞における低下および死亡率を含む、ウイルスの動力学的実験もまた、構成された。安全性および耐容性は有害事象(AE)、検査の以上および心血管パラメータをモニター観察することで評価した。
該実験のすべての治療群を介したTVRで、その中で合計9名の対象(5.6%)がウイルスブレイクスルー(vBT)を経験し、このことは4名の対象について治療の最初の4週間の間に起こり;vBT基準に達する前に、検出できないHCV RNA(<10IU/mL)を達成した患者はおらず;q8h アルファ−2a治療群では1患者であり、q8h アルファ−2b治療群では3患者であり、q12h アルファ−2a治療群では2患者であり、q12h アルファ−2b治療群では3患者であり;8名の患者がHCV遺伝子型1aに感染した。集団配列決定を用いても、患者の誰もベースラインでTVR耐性関連変異を有しなかった。変異が確認されれば、すべて前に記載したTVR−耐性関連変異体であった(V36M、R155K)。
TVRを止めた後で2つの付加的なブレイクスルーが起こり、その両方が遺伝子型1aに感染した。
q8hアルファ−2b群からの1名の遺伝子型1aに感染した患者は、集団配列決定によりベースラインでR155K変異を有した。この患者は第4週および12週で検出できないHCV RNA(<10IU/mL)に達した。
TVR含有のレジメでq8hとq12h投与の間で統計学的に有意な違いは見られない。恒久的な治療の中止に至る重度のAEは主に貧血および発疹関連事象によるものであった。
検査異常の多くは重度においてグレード1または2であった。実験集団全体にて2名より多くの患者にて報告された緊急治療のグレード3の検査異常は、白血球の細胞数が少ない場合(n=32、11.4%)、尿酸が少ない場合(n=14、5.0%)、ヘモグロビンが少ない場合(n=15、9.4%)、リンパ球が少ない場合(n=19、6.8%)および好中球が少ない場合(n=33、11.7%)に観察された。グレード3の貧血(ヘモグロビン<8.5g/dL)が12名(7.5%)の患者で生じた。実験者の判断で全集団のうち、33名(20%)の対象にエリスロポエチンを用いた。
心電図または生命兆候パラメータにおいて関連する変化は認められなかった。
実験した4種のテラプレビル治療レジメの間で効能、安全性およびPKパラメータにて違いはなかった。
4種のテラプレビル含有レジメのすべてで、検出できないHCV RNA(<10または<25IU/mL)が高い割合で対象にて観察された。
すべての治療群がHCV RNAの迅速な抑制を達成した。第4週で:87−96%の対象が<25IU/mLのHCV RNAを;67−83%の対象が<10IU/mLのHCV RNAを達成した。第12週で:83−93%の対象が<10IU/mLのHCV RNAを達成した。患者がTVR/PRを受けていたとしても、低割合のvBT(n=9;5.6%)が観察された。
AEは、発疹および貧血を除き、ペグインターフェロンおよびリバビリンで見られる型および頻度にて同様であり、テラプレビルq12hおよびテラプレビルq8hレジメを介して類似していた。テラプレビルに対する全照射(AUC24h)はレジメを通して類似していた。テラプレビルq12h対テラプレビルq8h投与計画で、平均して、テラプレビルCmaxは高く、Cminは低かった。
Figure 2012503669


Figure 2012503669

Figure 2012503669
本明細書中に引用される全ての文献は、参照により本明細書中に包含される。
他の実施態様
本明細書中、本発明の多数の態様および実施例を記載しているが、これらの態様および実施例は、本発明の製剤および薬剤レジメを利用するさらなる態様および実施例を提供するために改変されてもよいことは明白である。故に、本発明の範囲は、上記の実施例として示されている特定の態様というよりむしろ、添付の特許請求の範囲により定義されるべきであることは、理解され得る。

Claims (27)

  1. ペグインターフェロンおよびリバビリンをVX−950と一緒に第一段階にて患者に投与する工程、および第二段階にわたってペグインターフェロンおよびリバビリンを投与する工程を含み、ここで該第二段階が第一段階の後で生じ、VX−950が1125mgの量で一日に2回投与され、ペグインターフェロンが一週間に1回投与され、リバビリンが一日に1回投与される、治療レジメ。
  2. ペグインターフェロンおよびリバビリンをVX−950と一緒に第一段階にて患者に投与する工程、および第二段階にわたってペグインターフェロンおよびリバビリンを投与する工程を含み、ここで該第二段階が第一段階の後で生じ、VX−950が1125mgの量で一日に2回投与され、ペグインターフェロンが一週間に付き180mgの量で投与され、リバビリンが一日に付き1000ないし1200mgの量で投与される、治療レジメ。
  3. 少なくとも65%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項2記載の治療レジメ。
  4. 少なくとも75%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項3記載の治療レジメ。
  5. 少なくとも80%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項4記載の治療レジメ。
  6. 少なくとも85%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項5記載の治療レジメ。
  7. 少なくとも80%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項2記載の治療レジメ。
  8. 少なくとも84%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項7記載の治療レジメ。
  9. 少なくとも90%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項8記載の治療レジメ。
  10. 少なくとも93%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項9記載の治療レジメ。
  11. VX−950が12時間毎に投与される、請求項2−10のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  12. 第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンがペグインターフェロンアルファ2aである、請求項2−10のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  13. 第一段階が12週間である、請求項2−12のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  14. 第二段階が12週間または36週間である、請求項13記載の治療レジメ。
  15. ペグインターフェロンおよびリバビリンをVX−950と一緒に第一段階にて患者に投与する工程、および第二段階にわたってペグインターフェロンおよびリバビリンを投与する工程を含み、ここで該第二段階が第一段階の後で生じ、VX−950が1125mgの量で一日に2回投与され、ペグインターフェロンが一週間で体重1kgに付き1.5mgの量で投与され、リバビリンが一日に付き800ないし1200mgの量で投与される、治療レジメ。
  16. 少なくとも65%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項15記載の治療レジメ。
  17. 少なくとも75%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項16記載の治療レジメ。
  18. 少なくとも80%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項17記載の治療レジメ。
  19. 少なくとも85%の患者が第4週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項18記載の治療レジメ。
  20. 少なくとも80%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項15記載の治療レジメ。
  21. 少なくとも84%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項20記載の治療レジメ。
  22. 少なくとも90%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項21記載の治療レジメ。
  23. 少なくとも93%の患者が第12週で検出できないHCV RNAレベルを有する、請求項22記載の治療レジメ。
  24. VX−950が12時間毎に投与される、請求項15−23のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  25. 第一段階および第二段階にて投与されるペグインターフェロンがペグインターフェロンアルファ2bである、請求項15−24のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  26. 第一段階が12週間である、請求項15−25のいずれか一項に記載の治療レジメ。
  27. 第二段階が12週間または36週間である、請求項26記載の治療レジメ。
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