JP2012502271A5 - - Google Patents

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クラスター・アッセイにおける改善した検出のための回転磁場
本発明は、クラスター・アッセイを実施する方法及び当該クラスター・アッセイを実施するための装置を対象とする。
インビトロ診断法におけるテストは、いくつかのアッセイ・フォーマットを有する。クラスター・アッセイは、アッセイの一種であり、形成された粒子クラスターの量が、サンプルにおける生体学的要素の存在及び/又は濃度を示す。クラスター・アッセイは、その素早いバルク動態、容易な加工及び低いコストのために、魅力的である。
クラスター・アッセイの主な課題は、感度の不足である。その感度を改善する1つの方法は、クラスター・アッセイを磁性粒子で実施することによる。磁性粒子を使用する利点は、磁場誘起チェーンがインキュベーション(incubation)中に形成されることである。これは、例えば、非特許文献1において示されている。
非特許文献2は、磁気鎖を形成する回転一方向磁場において配置され、その磁場と同じ周波数で回転する、常磁性粒子の浮遊を記載している。
特許文献1は、均一の磁場における常磁性粒子からのローター(rotor)の形成を含む、サンプルにおける低濃度の物質を測定する方法を記載している。そのローターは、実質的に均一の磁場を回転させることによって回転される。サンプルにおける物質の一部分は、常磁性粒子に結合し、時間と共に変化する要素を有する信号が検出される。
非特許文献3は、モーターによるマイクロリアクターの下の磁石の回転を記載する。生成される磁性ビーズの回転するクラスターは、抗体の結合速度を、流体における抗原で加速する。
特許文献2は、回転磁場を使用することによって、反応を促進し、それによって特定の要素を高感度で検出できる方法を記載している。その特定の要素の濃度が測定され、その反応時間は短縮され、試薬の量は節約され得る。磁性ビーズ・クラスターが生成される。
クラスター・アッセイを実施するときの1つの重要な課題は、他の磁性粒子の背景において非常に低い濃度のクラスターを検出することである。もう1つの課題は、非生体起源のクラスターの形成を防ぐこと、及び、望ましくは、弱く結合したクラスターを破壊することである。これらの課題は、磁気作動が検出中に使用される場合に特に重要である。
国際公開第2004/012836 A2号パンフレット 特開2006‐247535公報 国際公開第2008/072156号パンフレット
Baudry et al. "Acceleration of the recognition rate between grafted ligands and receptors with magnetic forces," Proc. Natl. Acad Sci. p.16076 Vuppu Anil et al. "Phase sensitive enhancement for biochemical detection using rotating paramagnetic particle chains",Journal of Applied Physics,American Insititute of Physics,NY,US,vol.96,No.11 Tanaka et al,"Rapid and reagent-saving immunoassay using innovative stirring actions of magnetic beads in microreactors in the sequential injection mode",Talanta,Elsevier,Amsterdam,NL,Vol.68,No.2
本発明の目的は、ビーズとも呼ばれる磁性粒子20の非常に低い濃度のクラスターを、他の磁性粒子の背景内で検出することを可能にする方法及び装置を提供することである。
クラスター・アッセイを実施する方法が提供され、該方法は、以下のステップ:
a)解析する流体において超常磁性粒子を浮遊させ、それらの超常磁性粒子を生体活性剤で被覆する、ステップ;
b)その流体内に存在する検体によって、粒子がクラスターを形成することを可能にするステップ;
c)少なくとも部分的に回転する磁場(B)を加えることによって超常磁性粒子のクラスターを選択的に作動させるステップ;及び
d)その選択的に作動したクラスターを検出するステップ;
を含む。
さらに、クラスター・アッセイを実施する装置が提供され、該装置は:
e)サンプル(14)を適合する手段(12、15、);
f)少なくとも部分的に回転する磁場(B)を加える手段であり、その磁場は、超常磁性粒子のクラスターを選択的に作動させるように適合されている、手段(1から4;11);及び
g)該選択的に作動したクラスターを検出する手段;
を含む。
本発明は、一般的に変動する場の振幅(field amplitude)を持つ回転磁場は、結合したクラスター20に選択的に結合することが出来ることを発見したという結果に基づく。その場の特性が、適切に選択されている場合、その場は、より大きいクラスター20を回転させず、作動中に新しいクラスター20を生成しない。
超常磁性ビーズは、回転する外部磁場にさらされるとき、その磁場に効率的に結合し、その場とともに回転する。その回転の性質は、むしろ複雑であり、3つの異なる型を含む:最初に、その超常磁性ビーズは、外部場と同じ周波数で回転できるが、周波数に依存する位相遅れを含む。一度その位相遅れが90度に達すると、そのビーズは、最大限のトルクを経験する(いわゆる「破壊周波数」にある)。外部の周波数が、さらに増加する場合、その外部場と超常磁性ビーズとの間の結合は、ますます非効率的になり、ビーズは減速し始める。さらに、クラスター20の小刻みに揺れる回転が観測され得る:逆行の振動が、超常磁性ビーズの滑らかな回転に重なる。その小刻みに揺れる回転は、以下に記載されているように臨界周波数よりも高い磁場の周波数で現れる。それよりもさらに高い周波数では、ビーズは、それらの超常磁性ビーズ内の強磁性物質のナノメートル単位の粒の存在によって再び回転することが可能である。
本発明は、上記の成果を使用してクラスター・アッセイを実施する方法を対象にする。本発明の方法に従って、解析する流体において超常磁性粒子が浮遊し、それらの超常磁性粒子は、生体活性剤によって被覆される。それらの粒子は、その結果、流体内に存在する検体によってクラスター20を形成することが可能になる。超常磁性粒子の検体への結合は、従来技術において知られている。続いて、超常磁性粒子のクラスター20が、少なくとも部分的に回転する磁場を加えることによって、選択的に駆動され、その磁場の振幅は、時間とともに変動する。その磁場は、完全に回転する特性を有するか、あるいはその代わりに、部分的に共通の特性及び部分的に回転する特性を有するように設計することができる。
超常磁性粒子は、望ましくは、10nmと10μmの間の直径、さらに望ましくは100nmと3μmの間の直径を有する超常磁性ビーズである。それらの超常磁性粒子は、クラスター・アッセイを実施するのに適切な如何なる生体活性剤で被覆されてもよい。そのような生体活性剤の典型的な例に:抗体、たんぱく質、細胞、DNA、RNA、小分子、組織、ウイルスなどがある。
それらの粒子がクラスター20を形成することを可能にするステップの間に、それらの粒子は、流体内に存在し、超常磁性粒子の表面に供給される生体活性剤に選択的に結合する検体によってお互いに結合する。1つの実施形態によると、そのステップは、所定の遅延時間を単に設定することによって提供される。その遅延時間の間に、検体が、生体活性剤と相互作用してもよい。もう1つの実施形態では、それらの粒子は、例えば、磁場を加えることによって、クラスター20を形成するように活発に支持される。
超常磁性粒子のクラスター20が一度形成されると、これらのクラスター20は、回転磁場を加えることによって選択的に駆動される。本出願の内容における「クラスター20を選択的に作動させる」という文は、ある一定の所定の特徴を持つクラスター20だけを作動させることを意味する。例えば、所定のサイズまでのクラスター20のみを作動させることが望ましい。特に、2つの粒子だけで構成されるクラスター20を作動させることが望ましい。望ましい実施形態によると、クラスター20を作動させるステップは、クラスター20を回転させるステップを含む。従って、その回転磁場の特徴が適切に選択されると、2つの粒子で構成されるクラスター20だけが回転することが成し遂げられてよい。一方、より大きいクラスター20は、全く回転しないか又は他の周波数及び/又は他の特徴を持って回転する。
その点で、超常磁性粒子のクラスター20を選択的に作動させる、すなわち回転させるプロセスは、変動する場振幅を持つ回転磁場を加えることによって制御される。例えば、その回転磁場は、振幅及び位相において異なる2つの要素で構成されてもよい。望ましい実施形態によると、その磁場の最大振幅と最小振幅との間の比は、1.1と10の間、望ましくは、2と8の間、最も望ましくは、4と6の間である。
その回転磁場の角周波数が臨界周波数よりも低いことがさらに望ましく、その臨界周波数は、
Figure 2012502271
として、定義される。そこにおいて、χは磁化率であり、BMAXは外部磁場の振幅であり、ηはその流体の粘性である。
最後に、選択的に作動したクラスター20が検出されなければいけない。これは、望ましくは、光学的技術を使用してされる。クラスター20が回転していることから、如何なる光散乱、透過又は反射も変調される。この変調は、回転するクラスター20だけを光学的に検出するために使用されてもよい。
本発明は、さらに、クラスター・アッセイを実施するため、特に、上記の方法に従ってクラスター・アッセイを実施する装置を対象にする。該装置は、サンプルを適合する手段及び回転磁場を加える手段を含み、その磁場は超常磁性粒子のクラスターを選択的に作動させるように適合されている。該装置は、さらに、作動するクラスターを選択的に検出する手段を含む。
回転磁場を加える手段は、望ましくは、いくつかの磁性コイル、特に4つの磁性コイルの四極構成を含む。その回転磁場の最大振幅と最小振幅との間の比は、1.1と10の間、望ましくは2と8の間、最も望ましくは、4と6の間である。さらに、その回転磁場の角周波数が臨界周波数よりも低いのが望ましく、その臨界周波数は、
Figure 2012502271
として定義される。
選択的に作動するクラスターを検出する手段は、望ましくは、光学的検出器(非表示)を含む。さらに、その検出手段が、検出された信号における変調を解析するように適合された中央処理装置を含むのが望ましい。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照することによって、明確になり、解明されるであろう。
2つの磁性粒子で構成されるクラスターの回転性質を示す図である。 クラスターの回転の位相遅れαを外部磁場の回転に関して概略的に描く図である。 四極を概略的に示す図である。 図2aの四極構成のコイルを駆動するのに使用される駆動信号を描く図である。 回転外部磁場が不均一な振幅を持つ場合において、累積角対時間を示すグラフである。 外部磁場が不均一な角速度を持つ場合において、累積角対時間を示すグラフである。 臨界周波数よりも上にある外部磁場において、2つの粒子で構成されるクラスターに対する累積角対時間を示すグラフである。 粒子の回転の周波数対外部磁場の周波数を描くグラフである。 図3aに示されるデータの数値的導関数を示すグラフである。 本発明の望ましい実施形態による装置の一部分を示す図である。 図7aの装置の写真である。 ビーズで誘導された磁気モーメントを示す2つの磁性ビーズのクラスター及びそれによって、クラスターの周りに引力及び反発エリアを生成する力を概略的に示す側面図である。
図1aに描かれたグラフは、2つの粒子で構成されるクラスターの角周波数対外部で加えられた磁場の角周波数を示す。図1aから分かるように、そのクラスターの角周波数は、最初に、図2a及び2bにおいて示されるように、四極子のコイル1‐4にそれぞれ加えられた駆動信号1aから4aによって生成される外部磁場Bの角周波数の増加とともに増加する。図2aによる構成は、示されるようにリングで配置された4つの極(pole)を含む。それらの極の対応する4つのコイルをある一定の方法で始動させることによって、例えば図2bにおける信号曲線に示されるように、回転場が生成される。この回転磁場は、四極子の真ん中にあるアーチ形の矢印で描かれている。コイル1、2、3、4を作動させる、印加された電圧を特徴付ける信号の振幅は、制御された方式で変動する間、生成された磁場がその四極子内で回転する。図2aにおいて、作動信号を説明する正弦曲線の信号曲線1a、2a、3a、4aが示され、4つのコイル1、2、3、4に対応している。その信号曲線は変化し、異なる磁場をもたらし得る。この異なる磁場は、弱い要素及び強い要素で構成される部分的に回転する磁場として呼ばれる。その強い要素は、正弦曲線信号によって生成される磁場又はパルスのシーケンスによって生成される磁場の何れか一方である。対照的に、完全に回転している磁場は、正弦曲線信号によって生成される磁場である。強い要素は、弱い要素よりも10倍までも高い信号振幅を有する。強い要素の信号周波数は、弱い要素の信号周波数とは異なる。第1ピークまで、クラスターは、外部場と同じ周波数で回転できる。しかし、周波数に依存する位相遅れαは、図1bに概略的に示されるようにクラスターの回転と外部磁場の回転との間で起こる。
そのいわゆる破壊周波数(現在の場合においておよそ1.2Hz)で起こる第1ピークで、位遅れαは90度に達する。この点で、クラスターは、最大可能なトルクを経験する。一度、外部磁場の角周波数が破壊周波数を越えて増加すると、その外部磁場とクラスターとの間の結合は、ますます非効率的になり、クラスターの減速に至る。この型において、クラスターの小刻みな揺れは、それらのクラスターの回転に重なる。
外部磁場の周波数がさらに増加(現在の場合では、20Hzを超える)すると、クラスターは、超常磁性粒子内にある強磁性物質のナノメートル単位の粒の存在によって再び回転することが可能である。クラスター・アッセイ応用では、ビーズの短い鎖、すなわち小さいクラスターが、特に、低い濃度限度において、主な興味の対象である。それらのクラスターは、外部の均一な回転磁場にさらされるとき、図1aにおいて説明されるように、全て同じ方法で振舞う。
しかし、その外部の回転磁場が変調されると、完全に予想外の動きが、その磁性クラスターに見られる。振幅変調の場合、その磁場のノルムは時間に依存する:
Figure 2012502271
これは、クラスターの回転動作を支配する全ての数量が、今では時間に依存し、動作の数式全体を修正しなければいけなくなることを暗示する。その回転は、もはや滑らかではなく、代わりに理論予測と十分に一致して角速度における急な増加によって特徴付けられる。これらの角速度における急な増加は、例えば、図3a及び3bにおいて見られる。両方の図は、累積角対時間のグラフを示す。図3aに場合において、外部場は、1Hzの周波数で回転し、その回転磁場の振幅は不均一(最大振幅と最小振幅の間の比は5に設定された)である。図3bの場合、外部磁場の不均一な角速度が選択された。両方の図は、理論予測(曲線5及び6を参照)及び実験結果(曲線5a及び6a)を示す。
この特定の動作は、破壊周波数よりも低い全ての周波数において観測される。この値のすぐ上では、動作はさらに不規則になる:いまだに観測はできるが、非常に速く衰える。さらに、この範囲の周波数において、回転する能力は、クラスターの未知の磁気容量に高く依存し、その応答は、クラスターによって実に異なる。データの解析(例えば図3aを参照)が可能であり、臨界周波数より下の振動の周波数が外部周波数の2倍であることを示す(これは、磁場のモジュールの2乗の式において、時間に依存する因数の存在に一致する);これらの振動は、小刻みに揺れる動作も存在する場合、破壊周波数の後でさえも常に存在する。その小刻みに揺れる振動の周波数は、fwiggling=fext-fclusterであり、fclusterは2つの粒子で構成されるクラスターの全体の回転周波数である。これらの2つの周波数は、通常、異なる。このような方法で、多数のピークが観測され、臨界周波数より下の小刻みな揺れ及び振動の重ね合わせによって臨界周波数の上の累積角を測定する。
その累積角対時間に対する一例において、臨界周波数より上の外部磁場にある2つの粒子で構成されるクラスターが、図4に示される。上記の数式に従って臨界周波数は、2.87Hzである。図4における曲線7は、5Hzの周波数で回転する外部場におけるクラスターの回転動作を表わし、一方、図7aは、6.5Hzの外部場におけるクラスターを表わす。両方の場合において、2つの粒子で構成されるクラスターは、いまだに回転しているが、小刻みな振動と時間に依存する因数による振動との重ね合わせによって、完全に不規則に動作する。その限度のはるかに上では、クラスターはどれも回転せず、揺れ動くだけである。
ビーズが同相に変調された場にさらされる場合、その結果は質的に同じである。これは、磁場の時間にともなう形状が、振幅変調の場合に非常に似ているからである。実験は、160度と200度の間の位相シフトを加えることが、同じ効果を生成することを示す。いくつかの定量的な相違があり、その現象を再生成することは、より困難である。いくつかの場合において、クラスターは回転しないが、前後に振動しがちである。驚くことに、それらの振動は、サイズに依存する:振幅は、クラスターそれ自体の寸法によって異なる。不運にも、この現象を適切に制御することは現時点でまだ可能でない。
周波数における全体の回転動作が、図5に描かれている。図5は、回転するクラスターの回転周波数対外部磁場の周波数のグラフを示す。図5において、破壊周波数を表わす明らかなピークの2Hzが見られる。その破壊周波数を越えると、反応は急に減少する。その破壊周波数自体は、使用されるビーズのサイズに依存する。
この効果は、磁場の要素の異なる振幅に対して観測される。より低い要素は、少なくとも、より小さいクラスターの回転を保証するのに十分高くなければいけなく、同時に、より大きいクラスターが回転することを防ぐのに十分に小さくなければいけないことから、より重要であると考えられる。言い換えれば、より低い要素は、そのような低い場によって回転できるクラスターの最大寸法を固定する。クラスターが大きいほど、それらを駆動する場も大きくなければいけないことから、それらが場に反応しないように、より低い要素の値を調整することが実に可能である。この調整プロセスは、コイルの実際の実装(寸法、磁気コアのタイプ、巻きの数...)、使用される粒子のサイズ、流体の水力学的特性及びビーズの磁気容量などの、多数の実験条件に依存する。この効果は、強い駆動に対してさえも常に存在することが実験中に観測されている。磁場のより大きい要素の値は、この作動スキームにおいては臨界パラメータではないと見てよい;唯一の拘束は、β(すなわち、2つの要素間の比)は、それほど大きくないため、より大きい要素は、他の要素の存在よりも完全に勝ることである。従って、β<10であることが望ましい。
この新規な作動スキームの中心的な課題は、以前記載された回転動作が、化学結合したクラスターに対してのみ観測されることである。これは、クラスター・アッセイにおいて重要である:この作動スキームの使用は、アッセイのSN比、及びそのアッセイ自体の感度のかなりの増加に至る可能性がある。さらに、この作動スキームにさらされる不特定のクラスター及び小さいクラスターは、不安定である。以前記載された全ての実験条件において、そのようなクラスターの破壊が観測された。より大きいクラスター内に「トラップ」されたクラスターは、いまだに回転していることは、実に注目に値する。
図7aは、本発明の望ましい実施形態に従って、装置の一部分の概略的スケッチを示す。回転磁場を加える手段10は、12個の円形に配置された磁気コイル11及びサンプル・セルを適合するための中央穴13を有する。例えば、PMMAで作成されたサンプル・セル12は、サンプル流体14を検体及び超常磁性粒子に提供するための、直径1mmの穴15を有する。サンプル・セル12は、穴13に正確にはまる。12個の磁気コイルは図7aに示されているものの、それらのうち4つだけが、実際の実験に使用された。しかし、他の作動スキームがより多い又はより少ない磁気コイルを使用することによって加えられてもよい。
図7bは、図7aにおいて概略的にスケッチされた装置の写真を示す。
1つの模範的な実験において、ストレプトアビジン(InvitrogenからのDynabeads MyOnesTM)で覆われた直径1μmの超常磁性ビーズが使用されている。それらは、ビオチニル化されたBSA(ストレプトアビジンによって特異的に認識される、ビオチンで覆われたたんぱく質)でインキュベートされている。使用されたバッファ流体は、PBS(異なる塩及び水を含む溶液)である。一度、そのサンプルが置かれ、クラスターが形成されると、上記に記載されているように、4つの磁気コイルが回転磁場を形成するように使用された。クラスターは、回転を開始し、例えば以下の高速カメラで観測された。磁場の最小値は、約0.1から0.2mTであり、最大値は、およそ1から2mTの間で選択された。回転周波数は、0.5Hzと10Hzの間で設定された。バッファ流体は基本的に水で構成されるため、その粘性は常に0.001Pasである。
図8は、お互いに隣り合っている2つの磁性ビーズで構成されるクラスター20の概略的な側面図を示す。生体活性剤が加えられ(非表示)、従来技術において知られているように、それは、検体と磁性ビーズとの間の結合を生成する検体に接続する。磁場が、記載されているように加えられ、上方に一方向に向けられたビーズに磁気モーメントを誘起し、それは、mindとして示され、対応する矢印は力方向を示す。この効果は、粒子の整列として呼ばれる。クラスター20が、記載されているように一方向に配列するまでに経過する時間は、加えられる磁場に依存して大まかに数十ミリ秒の単位である、整列時間として示される。磁場の振動周波数は、クラスター20の整列時間の逆数の10倍よりも低い。磁性粒子及びそれにともにクラスター20は、上方に向けられて配列され、その結果もたらされる力は、そのクラスターの周りに引力エリア及び反発エリアを生成し、図8に示されるように、クラスター20の上下に引力ゾーン、該クラスター20の横に反発ゾーンを生成する。
本発明による方法は、いくつかの利点を提供する。特定のクラスターだけが、それらが高感度で検出できるように、外部磁場に反応する。その作動は、作動スキームの間に磁場で駆動されるクラスターの形成を示さない。検出は、バルク及び表面上の両方で実施され得る。従って、生体反応は、その流体のバルクにおいて実施することができ、それは、アッセイの簡潔さ、そのアッセイの速度及び費用に対して有利である。最終的に、不特定のクラスターは不安定であり、壊れる傾向がある。
ビーズのクラスター20の検出は、従来技術で知られている異なる技術によってされ得る。1つの検出技術は、光学的検出であり、それは例えば、特許文献に記載されている。
本発明は、図表及び上述の記載において詳しく説明され記載されている一方、そのような説明及び記載は、例示的又は模範的であり、限定的ではないと見なされるべきである;本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変化形は、当業者が請求項に係る発明を実施する際に、該図表、開示及び添付の請求項から明らかになり達成することができる。請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数を示す用語は、複数形を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項において記載されるいくつかの事項の機能を満たしてもよい。ある一定の測定が、相互的に異なる従属項において記載されているという単なる事実は、それらの測定される事項の組み合わせを利用することは出来ないということを示唆しない。請求項における参照符号はいずれも、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (11)

  1. クラスター・アッセイを実施する方法であり:
    a)解析する流体において超常磁性粒子を浮遊させ、該超常磁性粒子は、生体活性剤によって被覆される、ステップ;
    b)前記粒子が、前記流体に存在する検体で粒子のクラスターを形成することを可能にするステップ;
    c)少なくとも部分的に回転する磁場を加えることによって、超常磁性粒子及び検体のクラスターを選択的に作動させるステップ;及び
    d)前記の選択的に作動したクラスターを検出するステップ;
    を含む、方法。
  2. 前記クラスターを選択的に作動させるステップが、クラスターを選択的に回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 所定のサイズのクラスターだけが、前記回転する磁場によって回転される、請求項2に記載の方法。
  4. 2つの粒子で構成されるクラスターだけが、前記回転する磁場によって回転される、請求項に記載の方法。
  5. 前記磁場の最大振幅と最小振幅との間の比は、1.1と10の間、望ましくは、2と8の間、及び最も望ましくは4と6の間である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記磁場の振動周波数は、前記クラスターが整列する時間の逆数よりも低い、請求項1に記載の方法。
  7. クラスター・アッセイを実施する装置であり:
    a)サンプルを適合するための手段;
    b)少なくとも部分的に回転する磁場を加える手段であり、該磁場は、超常磁性粒子及び検体のクラスターを選択的に作動させるように適合され手段;及び
    c)前記の選択的に作動したクラスターを検出する手段;
    を含む、装置。
  8. 前記の回転磁場を加える手段が、4つの磁気コイルの四極構成を有する、請求項に記載の装置。
  9. 前記磁場の最大振幅と最小振幅との間の比は、1.1と10の間、望ましくは2と8の間、及び最も望ましくは、4と6の間である、請求項に記載の装置。
  10. 前記検出する手段は、光学的検出器を含む、請求項に記載の装置。
  11. 請求項1に記載の方法又は請求項に記載の装置の使用であり、
    ‐たんぱく質、たんぱく質複合体、代謝体、糖たんぱく質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、脂肪酸、炭水化物及び/又は血液、唾液、尿などの他の複雑な生体混合物における両性電解質の迅速かつ敏感な検出、
    ‐例えば、たんぱく質、たんぱく質複合体、代謝体、糖たんぱく質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、脂肪酸、炭水化物及び/又は他の両性電解質の、例えば、現場での検査又は集中研究所又は科学的研究における診断のための、テスト・チップ、
    ‐分子診断学に使用される、特にマイクロ流体バイオセンサーなどのバイオセンサー、
    ‐化学、調剤学又は分子生物学に対するハイスループット・スクリーニング・チップ
    ‐心臓学、伝染病、新生児スクリーニング、腫瘍学、食物、環境及び/又は代謝学に対するたんぱく質診断バイオチップ、及び/又は
    ‐翻訳後修飾されたたんぱく質の及び/又は同じたんぱく質の修飾された種と修飾されていない種との間の比の検出及び計量に対するバイオチップ、
    における使用。
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