JP2012255763A - 電極厚さ変化測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定することができる電極厚さ変化測定装置の提供
【解決手段】本発明に係る電極厚さ変化測定装置100は、充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であり、第一硬質平板1と、第一電極2と、測定電極台座3と、第二電極4と、第二硬質平板(電極押さえ)5とを順に積層した積層体を電解質と接触する状態で密閉した電極厚さ変化測定用セル10と、第一電極に荷重を付加する荷重負荷手段11と、第一リード12および第二リード13を介して、電極厚さ変化測定用セル10内の第一電極(図示しない)および第二電極(図示しない)に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置14と、第一電極の充放電時の変位を測定する変位計15とを備え、測定電極台座3と第二硬質平板5との間隔は、第二電極4が膨張しても変化しない構成となっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、充放電時における電極の厚さ変化を測定する装置に関する。
リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池などの二次電池のほか、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ(以下、これを総称して「蓄電デバイス」と呼ぶ。)においては、充放電時には、それぞれの電極への各種イオンの吸蔵または放出が行われ、それに起因して電極の厚みが変化する。これは、例えば、リチウムイオン二次電池においては、Liイオンを可逆的に吸蔵または放出することのできる活物質の粉末が膨張収縮することを原因としている。
従来、電池の研究・開発においては、電極の体積変化を定量的に測定・評価することはあまり行われず、計算上、電極活物質のLi吸蔵時の結晶格子の膨張度合いの計算を行ったり、ある充放電状態で蓄電デバイスを分解し、電極を取り出してその厚みを測定したりするのが一般的であった。
しかし、計算によって得られるのは、結晶としての体積変化のみであり、実際の電極に必ず存在する空隙、結着材などを全く考慮していないため、理論計算値は、実際の電極とは誤差が生じる。また、分解した後に電極の厚さを測定する方法では、連続的なデータを得られず、しかも、本来であれば充放電中に負荷される圧力(荷重)がない状態での厚さ変化を測定することになり、この場合も実際の電極とは誤差が生じる。
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope :AFM)を用いて、局所的に電極の体積変化を測定する方法もあるが、この方法も本来パッケージされた電極にかかる圧力(荷重)がない状態での測定しかできず、また、充放電時の電極厚さ変化を連続的に測定することができない。さらに、この方法では、極めて局所的な測定に限られ、電極の膨張収縮のマクロ的な情報を得るのは困難である。
本来、電池に付与される圧力状態を再現した環境で、電極を含む蓄電デバイス全体の体積または厚みの変化を測定する方法として、下記の特許文献1および2に示すものが開示されている。
特許文献1には「電解液を収納し電極を浸漬するセル部と、該電極に直接接触し充放電時の電極体積の変位を測定する変位測定端子と、測定雰囲気を不活性に保つシール部と、体積変位測定部とセル部の位置を固定する架台部とを有する変位測定器本体と、該変位測定器本体からの信号を処理するデータ処理部とから構成されていることを特徴とする電極の充放電時の膨張率測定装置」に関する発明が開示され、図2には、具体的な装置構成が開示されている。
特許文献2には「非水二次電池」に関する発明が開示されており、正極−セパレータ−負極−セパレータ−・・・の順に、合計120枚積層した電池について、その電池特性を測るために30kgの錘を載せた状態で充放電させて、電池総厚さの変化を測定することが記載されている(段落0041、0046〜0049参照)。
特開2004−20327号公報 特開2001−143702号公報
特許文献1および2に記載されている方法は、電池に付与される圧力状態を再現した環境での厚さ変化を測定することができるが、いずれも蓄電デバイス全体の厚さ変化を測定することのみ検討されており、正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定することは全く想定されていない。
蓄電デバイスの商品開発の最終段階における性能確認を目的とするのであれば、充放電時の全体の厚さ変化を測定できればよいといえる。しかし、蓄電デバイスの構成材料が決まっておらず、新規の正極材料または負極材料を検討する段階においては、それらの材料を実際に電極として用いた場合に、充放電時において正極および負極それぞれの厚さがどのように変化するのかを正確に測定する必要があるが、そのような方法についてはいまだ確立されていない。
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、第一に、充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定することができる装置を提供することを目的としている。
車載用、工業製品用などに用いられるような大容量の電池は、その電極が大きいため、電極内における均一性を確保するのが電池品質を向上させるうえで重要となる。例えば、電極内に凹凸、突起物などがあると、繰り返し長期間行われる充放電時に、対極との距離が短い部分(凸部分)で電流集中が生じ、そこが起点となって電池性能が劣化することがある。
充放電時におけるLi、Naなどの金属イオンの吸蔵放出に伴い、電池活物質の体積が変化するが、電極層内での体積変化には異方性があるとされる。すなわち、電極面に対して垂直方向には体積変化しやすいが、水平方向には変化し難いというものである。これは、電極層と集電体とがバインダ(結着材)で接着されており、水平方向の変化は、集電体の伸縮範囲に制限されるからである。そして、電池活物質の体積変化量が集電体の機械的強度を超えるほど大きい場合には、集電体が破れてしまうことがある。また、結着力の弱いバインダを用いた場合には、電池活物質の体積変化量が大きいと、電極層と集電体が剥離することもある。
このように、電池性能は、活物質の体積変化に起因して様々な形で劣化するので、電極厚さ変化の測定は、活物質の検討だけでなく、集電体、バインダなどの検討、さらには、これらの部材同士の組み合わせの検討など、様々な場面で重要になる。特に、電極の周辺部分は、それよりも外へ膨張することができないため、電極の中央部分または周辺部において圧縮力が上昇し、部分的に厚さの変化が大きくなり、面内厚さが不均一になる場合がある。このような現象は、コイン電池試験用などの小さな電極では目立ちにくいが、大きな電極になるほど顕著になるものと考えられる。
本発明は、第二に、充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定するに際し、電極の厚さ変化をマッピング測定できることができる装置を提供することを目的としている。
本発明は、下記の(1)〜(14)に示す電極厚さ変化測定装置を要旨としている。
(1)充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であって、第一硬質平板と、第一電極と、測定電極台座と、第二電極と、第二硬質平板とを順に積層した積層体を電解質と接触する状態で密閉した電極厚さ変化測定用セルと、該第一電極に荷重を付加する荷重負荷手段と、該第一電極および該第二電極に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置と、該第一電極の充放電時の変位を測定する変位計とを備え、該測定電極台座と該第二硬質平板との間隔が、該第二電極が膨張しても変化しない、電極厚さ変化測定装置。
(2)前記電解質として、電解液、ポリマー電解質および固体電解質の一種以上を用いた上記(1)の電極厚さ変化測定装置。
(3)前記測定電極台座として、多孔質絶縁部材および/またはイオン伝導性硬質板を用いた上記(1)または(2)の電極厚さ変化測定装置。
(4)充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であって、第一硬質平板と、第一電極と、多孔質絶縁部材と、第二電極と、第二硬質平板とを順に積層した積層体を電解液に浸漬した状態で密閉した電極厚さ変化測定用セルと、該第一電極に荷重を付加する荷重負荷手段と、該第一電極および該第二電極に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置と、該第一電極の充放電時の変位を測定する変位計とを備え、該多孔質絶縁部材と該第二硬質平板との間隔が、該第二電極が膨張しても変化しない、電極厚さ変化測定装置。
(5)前記測定電極台座または前記多孔質絶縁部材と前記第二硬質平板との間隔が、前記第二電極の最膨張時の厚さよりも大きい上記(1)〜(4)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(6)前記電極厚さ変化測定用セルが、前記積層体を電解質に接触する状態でラミネートフィルムによって密閉したものである上記(1)〜(5)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(7)前記多孔質絶縁部材が、硬質発泡ガラスで構成されている上記(4)の電極厚さ変化測定装置。
(8)前記変位計での測定データを前記充放電装置に入力し、該測定データの時間軸と充放電の時間時間軸とを同期させる上記(1)〜(7)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(9)前記変位計での測定データを電圧に変換した後、前記充放電装置に入力する上記(1)〜(8)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(10)前記測定電極台座または前記多孔質絶縁部材と前記第二硬質平板との間に、温度センサを配置した上記(1)〜(9)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(11)前記第一硬質板が、前記第一電極上面よりも小さい面積を有する複数の分割板で構成され、前記荷重負荷手段が、それぞれの分割板に荷重を付加するものであり、前記変位計が、それぞれの分割板の充放電時の変位を測定するものである上記(1)〜(10)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(12)さらに、1以上の参照電極を配置した上記(1)〜(11)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(13)前記参照電極での測定データを、前記変位計での測定データとともに、前記充放電装置に入力し、これらの測定データの時間軸と充放電の時間時間軸とを同期させる上記(12)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
(14)前記変位計が、ロードセルで構成され、充放電時の圧力変化を測定するものであること上記(1)〜(13)のいずれかの電極厚さ変化測定装置。
本発明によれば、充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定することができるので、例えば、蓄電デバイスにおける新規の正極材料または負極材料を検討する段階において、それらの材料を実際に電極として用いた場合における、充放電時の正極および負極の厚さ変化をより正確に予想することが可能となる。
本発明の電極厚さ変化測定装置の全体構成を例示した模式図 図1に示す本発明の電極厚さ変化測定装置を例示した部分拡大断面図 二つの部材で構成した多孔質絶縁部材を用いた例を示す部分拡大断面図 イオン伝導性硬質板を用いた例を示す部分拡大断面図 固体電解質を用いた例を示す部分拡大断面図 本発明の電極厚さ変化測定装置の他の例の全体構成を示す模式図 電流出力と変位測定値との関係を示す図 電流信号を電圧信号に変換する回路の例を示す図 参照電極を用いた例を示す部分拡大断面図 マッピング測定が可能な電極厚さ変化測定装置の例を示す部分拡大断面図 多孔質絶縁部材の脚部の例を示す部分拡大断面図 多数の参照電極を用いた例を示す部分拡大断面図 ドーピング技術の検討に適した電極厚さ変化測定装置の例を示す部分拡大断面図 本発明の電極厚さ変化測定装置の他の例の分解展開図 図14に示す本発明の電極厚さ変化測定装置における電極厚さ変化測定用セルを組み立てた図 実施例1における充放電電圧と第一電極の厚さ変化を示す図 実施例2における充放電電圧と第一電極の厚さ変化を示す図
以下、図を使って、本発明に係る電極厚さ変化測定装置の実施形態の一例を説明するが、本発明は、図面に示された装置例には限定されない。
図1に示すように、本発明に係る電極厚さ変化測定装置100は、充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であり、電極厚さ変化測定用セル10と、電極厚さ変化測定用セル10内の第一電極(図示しない)に荷重を付加する荷重負荷手段11と、第一リード12および第二リード13を介して、電極厚さ変化測定用セル10内の第一電極(図示しない)および第二電極(図示しない)に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置14と、第一電極の充放電時の変位を測定する変位計15とを備えるものである。
図2に例示するように、電極厚さ変化測定用セル10は、第一硬質平板(電極押さえ)1と、第一電極2と、測定電極台座3と、第二電極4と、第二硬質平板(電極押さえ)5とを順に積層した積層体を電解質と接触する状態、例えば、電解液に浸漬した状態で密閉してある。そして、第一電極2および第二電極4は、電流が流され、充電または放電が行われると、膨張または収縮するが、本発明に係る電極厚さ変化測定装置100では、測定電極台座3と第二硬質平板5との間隔は、第二電極4が膨張または収縮しても変化しない構成となっている。
本発明に係る電極厚さ変化測定装置100は、上記のような構成を有しているため、変位計15において観測される変位は、第一電極2の厚さ変化によるものだけになる。よって、正極および負極のいずれかの厚さ変化のみを測定することが可能となる。また、本発明に係る電極厚さ変化測定装置100における電極厚さ変化測定用セル10は、実際の蓄電デバイスの電極構造とほとんど変わらないため、正極および負極のいずれかの厚さの経時変化をモニターすることが可能である。
ここで、第一硬質平板1および第二硬質平板5は、電極の平坦性を確保するためのものである。その材質は、電極の平坦性を確保できる程度に十分に硬い素材のものでよく、特に制約はない。例えば、ガラス、セラミックス、などの無機物、ステンレススチール、チタン、金、などの金属、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、メラミン樹脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ベークライトなどのフェノール樹脂などの硬質プラスチック、または上記した無機物を高分子で被覆した複合材料などを使用することができる。中でも、安価で面が平滑なものが入手しやすい、ガラスまたはステンレススチールを用いるのが好ましい。なお、第一硬質平板および第二硬質平板は、いずれも外部と電極との絶縁性を確保する必要がある場合には、絶縁板を使用するのがよく、電極から電流を取り出す必要がある場合には、導電板、または、導電板および絶縁板を積層したものを用いるのがよい。
第一電極2としては、正極または負極のいずれでもよく、また、第二電極4は、第一電極2が正極の場合は負極、第一電極2が負極の場合は正極となる。正極および負極の材料は、二次電池、電気二重層キャパシタなど、充放電時の膨張収縮が問題となる装置の電極として、使用されている材料、または、将来、使用される可能性があるあらゆる材料が対象となる。
測定電極台座3としては、例えば、多孔質絶縁部材が挙げられる。多孔質絶縁部材としては、電子伝導性の無いもので、且つ、電解液の導通を確保できる程度に十分な気泡を有する一方で、充放電時の荷重に耐えうる材料であれば、特に制約はない。例えば、ガラスフリット(粉末ガラス)などのガラス成形品、特に、硬質発泡ガラスを用いることができる。また、発砲セラミックなどを用いることも可能である。中でも、ガラスフリットを用いるのが好ましい。これは、ろ過フィルタなどの用途で気孔サイズおよび気孔率などに関して規格が存在し、一定の品質の規格品が入手し易いという理由による。なお、ガラスフリットは、ガラスろ過板、ガラス焼結フィルタなどの名称で一般的に流通しており、測定電極台座3としては、P16(細孔サイズ16μm、ISO 4793参照)以下の規格のものが好適である。
以上、主として、多孔質絶縁部材を電子伝導性の無い絶縁性材料(以下、電子絶縁性材料と表記する)のみで構成する場合について述べたが、電極との電子絶縁性を確保でき、かつ、充放電時の荷重に耐えうる材料であれば、このような構成に制限されない。多孔質絶縁部材は、一つの部材で構成されている必要はなく、例えば、図3に示すように、充放電時の荷重に耐えうる多孔体材料3aと、電子絶縁性材料3bとを組み合わせたものでもよい。なお、電子絶縁性材料3bの位置は、多孔体材料3aの上でもよい。なお、図3では、電極厚さ変化測定用セル10、荷重負荷手段11など一部の構成の図示を省略している。
多孔体材料3aとしては、メッシュ、パンチング、発泡金属、メタルファイバ不織布、焼結体などの多孔体金属、アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物の焼結体、セラミックファイバ不織布などの多孔体セラミックス、炭素繊維(PAN系またはPITCH系)をポリイミド(PI)などの樹脂で補強した多孔体薄板などを用いることができる。なお、多孔体金属の場合、SUS、Ti、Au、Ptなどは、正負極問わず使用可能であるが、Al、Ni−Cr合金などは正極用として、Cu、Ni、Feなどは負極用として用いることができる。一方、充放電時の荷重に耐えうる多孔体材料3aとの組み合わせで用いる電子絶縁性材料3bとしては、前掲の絶縁材料に加え、通常セパレータ材料、例えば、PE、PP、PVDF、PAN、PMMA、PVA、EVOH、PET、PI、PAI、アラミドなどの微多孔膜または不織布、セルロース繊維紙、またはガラス繊維不織布、ガラスフィルタなどを用いることができる。
なお、電子導電性のある金属系多孔体材料を用いる場合には、その上に搭載する第一電極は、集電体を省いて活物質層だけにすることもできる。その場合、金属多孔体材料にリードをつなぐことで、集電体とすることができる。
測定電極台座としては、多孔質電子絶縁部材3だけでなく、多孔質ではないが、イオン伝導性を有する電子絶縁性硬質板(イオン伝導性硬質板)を用いることができる。イオン伝導性硬質板としては、Li、Naなどのイオンを伝導するセラミックス、ガラスまたはガラスセラミックス(オハラ社製LICGCなど)などが挙げられる。このうち、イオン伝導性ガラスセラミックスを用いるのが好ましい。イオン伝導性硬質板を用いる場合には、例えば、図4または図5に示すように、剛性のある材料からなる脚部3dにイオン伝導性硬質板3c載せることにより構成するのが好ましい。
イオン伝導性硬質板は、多孔質ではなく、液体を完全に遮断する密な構造を有するが、イオン伝導性を有し、充放電時相当の荷重に耐えるのに十分な強度を有しており、特に、鏡面並みの高い平滑度を有しているので、正確な変位データが得られやすいというメリットがある。また、一般的に耐酸化性の強い電解液は、還元側に弱いことが多く、Li電位付近では還元されるため、一般的な負極やLi金属対極が使えない場合が多いが、イオン伝導性硬質板は、電解液を導通しないので、イオン伝導性硬質板によって遮断される正極と負極とでそれぞれ異なる電解液を使用することが可能となる。
例えば、5V級の高電圧正極の体積変化を測定する場合、イオン伝導性硬質板の上側、すなわち、正極側の空間(図4中の符号Aで示される空間)には、耐酸化性の強い電解液を用い、イオン伝導性硬質板の下側、すなわち、負極側の空間(図4中の符号Bで示される空間)は、通常の電解液を用いることが可能となる。
ただし、リチウム等の金属と反応するイオン伝導性硬質板を用いる場合には、例えば、図4または図5に示すように、第二電極(負極4)とイオン伝導性硬質板3cとの間に通常のセパレータ3eなどを介在させることが必要である。また、第一電極2をイオン伝導性硬質板と反応するようなリチウム電位に近い電位を持つ負極、またはリチウム等の金属にする場合には、第一電極2とイオン伝導性硬質板3cとの間に、発泡ガラス板(図示せず)などを介在させることが必要である。
前記電解液に代えて、ポリマー電解質または固体電解質を用いることができる。
ポリマー電解質とは、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーに電解液を含ませてゲル化したゲル電解質や、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテルに高解離性のリチウム塩を溶解させた、溶媒を含まないドライポリマー電解質を含めたものを意味する。ポリマー電解質としては、例えば、ダイソー社製ポリマー電解質フィルムなどを用いることができる。ポリマー電解質を用いる場合には、前掲の多孔体材料を合わせて用いるのが好ましい。このとき、多孔体材料の一方の面に第一電極を、他方の面にポリマー電解質フィルムを貼り付けた後、プレス加工により第一電極およびポリマー電解質を多孔体材料に含浸させ、第一電極およびポリマー電解質を多孔体材料内で接触させるか、プレス加工により第一電極を多孔体材料に含浸させた状態で、その反対面にポリマー電解質の前駆体を塗工、硬化させて、第一電極およびポリマー電解質を多孔体材料内で接触させるのがよい。このような構成であれば、多孔体材料が充放電時の荷重に耐えられる材料であるため、柔らかいポリマー電解質を用いることが可能となる。
固体電解質としては、例えば、近年注目されているリチウムイオン導電性の高いLiS−P系などの硫化物系無機固体電解質を用いることができる。ただし、硫化物系無機固体電解質は、頑丈な板状にすることが困難であるため、図5に示すように、このような固体電解質17を用いる場合には、例えば、イオン伝導性硬質板3cを用いるのが好ましい。しかし、イオン伝導性硬質板は、電極活物質との界面の接合が容易ではなく、通常は電解液がないと充放電が難しいため、図5に示すように、測定側に固体電解質17を用い、イオン伝導性硬質板3c、さらにはセパレータ3eを配置し、第二電極側の空間(図5中の符号Cで示される空間)にのみ電解液を満たすことが好ましい。なお、硫化物系無機固体電解質は、充放電時に体積が変化しないため、第一電極の厚さ変化に影響しない。
荷重負荷手段11は、電極に、充放電時に受ける荷重と同程度の荷重を付与するためのものである。その荷重を付与する形式には特に制約がないが、例えば、金属材料の錘を用いるのが、製造コストや作業性の観点から好ましい。ただし、後述の変位計としてロードセルを用いる場合には、荷重負荷手段11としてネジやサーボなど、荷重を微調整できる手段を用いるのが好ましい。
充放電装置14としては、市販の充放電試験装置を用いることが可能である。
変位計15としては、例えば、接触式のアナログ変位計、接触式のデジタル変位計、非接触式のレーザ変位計、共焦点式の変位計、CCDセンサ付きの外形測定機、LVDT(差動変圧器)、静電容量式微小変位センサ、ロードセルなどを用いることが可能である。中でも、接触式のデジタル変位計を用いるのが好ましい。これは、安価で繰り返し精度の良い信頼性の高いものが入手しやすく、また、デジタル式の変位計であれば出力信号を電気信号に変換して記録しやすいという理由による。
特に、変位計としてロードセルを用いれば、電極の体積変化が電池外装に与える圧力変化の推移を測定することも可能となる。これにより、設計した捲回型、積層型などの電池に用いる外装がどの程度の圧力を受けるか、どの程度の強度が必要であるかを見積もることができ、外装材の設計へフィードバックできる。また、電極に付与される圧力が過大な場合、体積変化が制限され、LiまたはNaの吸蔵放出が困難となり、電気容量が低下することがある。このため、充放電時の圧力変化データは、活物質、バインダ、集電体などの材料選定に有用な情報となる。
なお、電解液または活物質の分解によって大量のガスが発生して電極厚さ変化測定用セルの内圧が高まることがあり、このように内圧が高い状態では、第一電極がLiまたはNaを吸蔵しても、その厚さ変化が制限され、第一電極の厚さ変化を正確に測定することが困難となる。このような事態が想定される場合には、電極厚さ変化測定用セルにガス排出用逆止弁を設ける、先にピストン(注射器)がついた管を電極厚さ変化測定用セルに差し込むなどにより、内圧の上昇を防止するのが好ましい。
ロードセルと自動加圧機構を組み合わせた過重負荷機構と、変位計を組み合わせることで、精密に荷重を制御しつつ電極の厚み変化を測定することも可能である。さらにロードセルと自動加圧機構を組み合わせた過重負荷機構と、さらに別のロードセルとを組み合わせることで、一定荷重を付与しながら、電極の膨張による圧力を測定することも可能である。
測定電極台座3と第二硬質平板5との間隔は、第二電極4が膨張しても変化しない構成の例としては、例えば、図2に示すように、測定電極台座3と第二硬質平板5との間隔が、第二電極4の最膨張時の厚さよりも大きいものとすることができる。このとき、測定電極台座3として、例えば、円筒状の脚部と円盤部とで構成されているものを使用することができる。この場合の測定電極台座3と第二硬質平板5との間隔とは、円盤部と第二硬質平板5との間隔である。脚部と円盤部とは一体成型されたものでもよいし、別個の部材で構成されていてもよい。脚部については、円盤部と同一材質のものでもよいし、円盤部と異なり電解液の導通を考慮しなくてもよいので、円盤部とは異なる材質のものを使用してもよい。また、脚部は、円筒形状でなくてもよく、円盤部と第二硬質平板5との間隔を維持できる形状であれば、どのような形状も採用できる。
図1および図2に例示した、本発明に係る電極厚さ変化測定装置100においては、電極厚さ変化測定用セル10として、上記の積層体を電解液に浸漬した状態でラミネートフィルムによって密閉したものである。このような構成のほか、図14に示す構成の装置も用いることができる。ただし、ラミネートフィルムを用いる場合には、かなり実際の蓄電デバイスに近い挙動が得られるというメリットがあり、また、図14に示す装置よりも装置のコストが安いというメリットがある。
図1に示す例においては、充放電時の第一電極2における厚さ変化は変位計15によって測定され、得られた測定データはデータロガー16において変位量に変換され、保存される。しかし、この構成の場合、変位測定が終了した後に、充放電装置14における時間軸とデータロガー16における時間軸とを整合させる処理を要する。このため、例えば、図6に示す本発明に係る電極厚さ変化測定装置101のように、変位計15での測定データを充放電装置14に入力し、測定データの時間軸と充放電の時間軸とを同期させる構成とするのが好ましい。
電池の性能試験には一般的に充放電試験装置が用いられる。リチウムイオン二次電池の場合、±5V〜±20V程度の電圧レンジの試験装置が用いられている。変位計から信号として出力される測定データとしては、そのセンサに個別の電気信号が用いられる場合もあれば、電流値または電圧値が用いられる場合もある。そのセンサに個別の電気信号の場合は、信号の受信側の装置も、そのセンサ専用のものを使う必要があるが、ほとんどの変位計は、電流値または電圧値を測定データとして出力する。
電流出力の場合は、例えば、図7のように、測定レンジ内の測定値を電流出力の上下限範囲で直線的に対応させている。この電流信号を、例えば、図8に示すように、250Ωの抵抗にをつなげば、信号を1〜5Vの電圧に変換できる。電圧に変換された信号を充放電試験装置の測定チャンネル(参照電極付き測定チャンネル)につなげば、入力された電圧信号(変位信号)と、充放電のタイミングとを同期させることが可能となる。
なお、電圧データの変位データ(単位:μmなど)への変換は、例えば、充放電装置のソフトを変更して、変換式の設定と電圧→変位の単位表示の変換が可能になるようにすることによってなされる。また、充放電装置の測定制御ソフトでは変換を行わず、測定で得られた生データを、パソコン等でデータ処理するために汎用のテキストファイルやCSVファイルに変換する変換ソフトを介して、電圧→変位のデータ変換を行うこともできる。
本発明に係る電極厚さ変化測定装置においては、第二電極4を挟む測定電極台座3と第二硬質平板5と間には一定の空間があるため、これらの板間に、温度センサ(図示しない)を配置することができる。この位置であれば、温度センサが荷重の影響を受けないため、電極厚さ変化測定用セル内の温度を正確に測定することが可能となる。
本発明に係る電極厚さ変化測定装置においては、例えば、図9に示すように、1以上の参照電極18を配置し、3極式厚さ変化測定用セルにすることもできる。充放電サイクルを進めた際に電気容量が低下していくことがあるが、容量変化だけでは、着目している電極が劣化しているのか、対極が劣化しているのかは判断できない。しかし、1以上の参照電極8を配置することにより、着目している電極と対極の電圧推移を分離することができ、電圧変化からどちらの電極がどのように劣化しているのかを推察することが可能となる。このように、電圧変化と、体積変化の推移を結びつけることで、より高度な解析が可能となる。参照電極には、LiもしくはNa、または、活物質を用いることができる。
本発明に係る電極厚さ変化測定装置においては、例えば、図10に示すように、第一硬質板が、第一電極2上面よりも小さい面積を有する複数の分割板1a、1b、1c、1dで構成され、分割板1a、1b、1c、1dのそれぞれに荷重を付加する荷重負荷手段11a、11b、11c、11dを備え、さらに、それぞれの分割板1a、1b、1c、1dの充放電時の変位を測定する変位計(図示省略)を備えるものとすることもできる。
このような構成の電極厚さ変化測定装置であれば、充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定するに際し、電極の厚さ変化をマッピング測定できることができるので、特に、大容量の電池における電極内の均一性を調査することができ、電池品質を向上させるのに有用な情報が得ることが可能となる。
ただし、図10に示す構成の電極厚さ変化測定装置においては、測定電極台座3の局部的な撓みが懸念される。このため、このような構成の電極厚さ変化測定装置においては、例えば、図11および図12に示すように、複数の補助脚部3f、3g、3hを有する測定電極台座3を用いるのが好ましい。このような補助脚部としては、絶縁性材料を用いることもできるし、金属その他、導電性材料を用いることもできる。ただし、導電性材料を用いる場合には、例えば、図12に示すように、第二電極4に補助脚部3f、3g、3hに対応する穴を設けておくなど、第二電極4と補助脚部3f、3g、3hとが接触しないようにする必要がある。なお、図11では、荷重負荷手段の図示を省略しているが、複数の分割板1a、1b、1c、1dに個別に荷重を付加する荷重負荷手段11a、11b、11c、11dを備えることは、図10の例と同様である。
この構成の電極厚さ変化測定装置においては、図12に示すように、分割板1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1hと同数の参照電極18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18hを用意し、測定電極台座3の脚部に穴をあけて、その穴に参照電極18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18hを挿入して、第二電極4における、分割板1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1hに対応する部分の電位変化を測定できるようにすれば、電極の厚さ変化と電位変化とを同時にマッピング測定することが可能となる。
特に、電極が大きくなると、リードとの距離によって電極内に電位勾配が生じるため、リードの取り付けも電極の性能に大きな影響を及ぼす。このため、参照電極での測定データを、前記変位計での測定データとともに、前記充放電装置に入力し、これらの測定データの時間軸と充放電の時間時間軸とを同期させることで、より高度な解析が可能となる。この解析結果は、特に、電極へのリード取付け場所の設計に特に有用な情報となる。
ドーピング技術の検討においては、注目する電極内において、ドープされるLiなどのイオンの量がドープ電極からの距離によってどのように変化するのかがわかれば、有用な情報となる。ドーピング技術の検討に際しては、例えば、図13に示す構成の装置を用いることができる。この装置では、第一電極2aの水平方向の少し離れた位置にドープ電極(Li電極、Na電極など)2bを配置し、それぞれのリード12a、12bを電気的に短絡するか、または、電解することによりドープした状態とし、その状態で、電極内の様々な位置での厚さ変化を測定することとしているので、第一電極2aに生じる厚さ勾配から第一電極内のドープ量を予測することが可能となる。なお、この装置においても、分割板1i、1j、1kを用いて、第一電極2a面内各部位の厚さを測定するのは前述の例と同様である。図13中第二電極4をドープ電極として用いる垂直方向ドープ(対向配置ドープ)の場合には、ドープ量の面内分布の均一性は高いとされるが、上記したドープ電極2bを用いる水平方向ドープの場合には、ドープ量の面内均一化は大変困難な技術とされ、ドープ量の面内分布情報を得ることは、重要なものとなる。また、図12で例示した複数参照極と、図13で例示したドープ電極2bを用いる水平ドープとを併用することで、ドープ時の面内体積変化分布と面内電位分布を対応させる高度な解析が可能となる。
以上、主として、ラミネート型の電極厚さ変化測定用セルを用いる場合について述べたが、本発明に係る電極厚さ変化測定装置は、このような実施形態に限定されない。
図14および図15に示すように、本発明に係る電極厚さ変化測定装置における電極厚さ変化測定用セル30は、例えば、上ボディ22と、電解液および水分の通過を遮断するOリングを備え、上下動自在の円柱部24aおよび円盤部(第一硬質平板)24bで構成される第一電極押さえ24と、第一電極25と、測定電極台座26と、第二電極27と、第二電極押さえ(第二硬質平板)28と、下ボディ29とを有しており、これらを蝶ネジなどの接合部材20で固定、密閉し、内部に電解液を注入することにより得られる。なお、円盤部(第一硬質平板)24bおよび第二硬質平板28は、導電板で構成されており、第一電極25は、円盤部(第一硬質平板)24bおよび上ボディ22を介して充放電装置(図示省略)と電気的に接続されており、また、第二電極27は、第二硬質平板28および下ボディ29を介して、充放電装置(図示省略)と電気的に接続されている。
図14に示すように、スプリング23に円柱部24aを挿入し、スプリング23を上ボディ22の下面と円盤部24bの上面との間に圧縮状態で固定するのが好ましい。このような構成であれば、スプリング23の作用により第一硬質平板24には常時、図面下方向の力が付与されており、実際の蓄電デバイスの作動時に付与される圧力を再現することが可能となる。
そして、図15に示すように、電極厚さ変化測定用セル30では、例えば、第一電極押さえ24の円柱部24aが上ボディ22に設けられた貫通孔から突出している。この状態で、電極厚さ変化測定用セル30内にある第一電極25および第二電極27を充放電させると、第一電極25の厚さ変化に伴って、円筒部24aが変位し、これを変位計(図示省略)でモニターすることにより、充放電時における第一電極25の厚さ変化を測定することが可能となる。電極厚さ変化測定用セル以外の構成については前述の例と同様である。
なお、図14には、測定電極台座26を円盤部26aと円筒状の脚部26bとで構成したものを示したが、このような構成に限定されない。測定電極台座26と第二硬質平板28との間隔とは、円盤部26aと第二硬質平板28との間隔である。この例では、円盤部26aと脚部26bとを別個の部材で構成したものを示しているが、一体型でもよいことは前述の例と同様である。
本発明の効果を確認するため、実際の二次電池を想定した電極厚さ変化測定用セルを作製した。電極厚さ変化測定用セルは、図2に示すように、ガラス製の第一硬質平板と、黒鉛製の第一電極(負極。厚さ:27μm)と、ガラスフリット製(ISO4793の細孔規格でP5.5相当の細孔サイズを有する。)の多孔質絶縁部材3(厚さ:1.0mm)と、金属リチウム製の第二電極(厚さ:500μm)と、ガラス製の第二硬質平板とを順に積層した積層体を電解液に浸漬した状態で、アルミニウム製のラミネートシートで密閉して作製した。
このようにして得た電極厚さ変化測定用セルを、500gの金属製の錘を載せた状態で図6の装置に設置し、充放電時の第一電極(負極)の厚さ変化を測定した。変位計としてキーエンス社製のGT2−H12KLを用いた。
その結果を図16に示す。図16に示すように、第一電極の厚さは、充放電時の電圧変化に合わせて、膨張、圧縮を繰り返すこと、また、最大3.37μm膨張したことも測定できた。
次に、第一電極として、SiOを(厚さ:28μm)用い、第二電極として、LiFePO製の電極(厚さ:55μm)を用いたことを除いて、実施例1と同様の電極厚さ変化測定用セルを作製し、これを、実施例1と同様に、500gの金属製の錘を載せた状態で図6の装置に設置し、50サイクルまで充放電を繰り返し、第一電極(負極)の厚さ変化を測定した。その結果を図17に示す。
図17に示すように、第一電極としてSiOを用いた電極厚さ変化測定用セルにおいても、充放電時の電圧変化に合わせて、第一電極の厚さが変化する様子を測定することができた。また、図17に示すように、充放電サイクルを繰り返すほどに、第一電極の厚さ変化の幅が小さくなっていくが、これは、別途、容量を測定した結果を合わせると、二次電池の容量低下によってもたらされることに起因するものである。よって、この装置は、第一電極の厚さ変化の測定のみならず、蓄電デバイスの寿命予測にも利用することができる。
本発明によれば、充放電時における正極および負極それぞれの厚さ変化を個別に測定することができるので、例えば、蓄電デバイスにおける新規の正極材料または負極材料を検討する段階において、それらの材料を実際に電極として用いた場合における、充放電時の正極および負極の厚さ変化をより正確に予想することが可能となる。
1 第一硬質平板
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h 分割板
2、2a 第一電極
2b ドープ電極
3 測定電極台座
3a 多孔体材料
3b 電子絶縁性材料
3c イオン伝導性硬質板
3d 脚部
3e セパレータ
3f、3g、3h 補助脚部
4 第二電極
5 第二硬質平板
10 電極厚さ変化測定用セル
11、11a、11b、11c、11d 荷重負荷手段
12 第一リード
12a、12b リード
13 第二リード
14 充放電装置
15 変位計
16 データロガー
17 固体電解質
18、18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h 参照電極
20 接合部材
21 スリーブ
22 上ボディ
23 スプリング
24 第一電極押さえ
24a 円柱部
24b 円盤部(第一硬質平板)
25 第一電極
26 測定電極台座
27 第二電極
28 第二電極押さえ(第二硬質平板)
29 下ボディ
30 電極厚さ変化測定用セル
100、101 本発明に係る電極厚さ変化測定装置

Claims (14)

  1. 充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であって、
    第一硬質平板と、第一電極と、測定電極台座と、第二電極と、第二硬質平板とを順に積層した積層体を電解質と接触する状態で密閉した電極厚さ変化測定用セルと、
    該第一電極に荷重を付加する荷重負荷手段と、
    該第一電極および該第二電極に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置と、
    該第一電極の充放電時の変位を測定する変位計と
    を備え、
    該測定電極台座と該第二硬質平板との間隔が、該第二電極が膨張しても変化しないことを特徴とする電極厚さ変化測定装置。
  2. 前記電解質として、電解液、ポリマー電解質および固体電解質の一種以上を用いたことを特徴とする請求項1に記載の電極厚さ変化測定装置。
  3. 前記測定電極台座として、多孔質絶縁部材および/またはイオン伝導性硬質板を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の電極厚さ変化測定装置。
  4. 充放電時における正極または負極の厚さ変化を測定する装置であって、
    第一硬質平板と、第一電極と、多孔質絶縁部材と、第二電極と、第二硬質平板とを順に積層した積層体を電解液に浸漬した状態で密閉した電極厚さ変化測定用セルと、
    該第一電極に荷重を付加する荷重負荷手段と、
    該第一電極および該第二電極に電気的に接続され、充放電を行う充放電装置と、
    該第一電極の充放電時の変位を測定する変位計と
    を備え、
    該多孔質絶縁部材と該第二硬質平板との間隔が、該第二電極が膨張しても変化しないことを特徴とする電極厚さ変化測定装置。
  5. 前記測定電極台座または前記多孔質絶縁部材と前記第二硬質平板との間隔が、前記第二電極の最膨張時の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  6. 前記電極厚さ変化測定用セルが、前記積層体を電解質に接触する状態でラミネートフィルムによって密閉したものであることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  7. 前記多孔質絶縁部材が、硬質発泡ガラスで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電極厚さ変化測定装置。
  8. 前記変位計での測定データを前記充放電装置に入力し、該測定データの時間軸と充放電の時間時間軸とを同期させることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  9. 前記変位計での測定データを電圧に変換した後、前記充放電装置に入力することを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  10. 前記測定電極台座または前記多孔質絶縁部材と前記第二硬質平板との間に、温度センサを配置したことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  11. 前記第一硬質板が、前記第一電極上面よりも小さい面積を有する複数の分割板で構成され、
    前記荷重負荷手段が、それぞれの分割板に荷重を付加するものであり、
    前記変位計が、それぞれの分割板の充放電時の変位を測定するものであることを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  12. さらに、1以上の参照電極を配置したことを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
  13. 前記参照電極での測定データを、前記変位計での測定データとともに、前記充放電装置に入力し、これらの測定データの時間軸と充放電の時間時間軸とを同期させることを特徴とする請求項12に記載の電極厚さ変化測定装置。
  14. 前記変位計が、ロードセルで構成され、充放電時の圧力変化を測定するものであることを特徴とする請求項1から13までのいずれかに記載の電極厚さ変化測定装置。
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