JP2012254950A - ポリクロロプロパンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エチレンや塩化ビニルなどの炭素数2の不飽和化合物と四塩化炭素を出発物質として、収率良く、かつ簡易に下記式で示される高次塩素化プロパンを得る。
CCl−CCl(3−m)(m−1)−CCl(3−n)
(mは1又は2、nは0〜2の整数)
【解決手段】 鉄−リン酸エステル系触媒を用いて、炭素数2の不飽和化合物と四塩化炭素から下記式
CCl−CCl(2−m)−CCl(3−n)
(m及びnは上記式と同一の整数)
で示されるクロロプロパン含む粗生成物を得、該粗生成物から触媒に用いたリン酸エステルを除去する。その後、該リン酸エステルの除去された粗生成物に、触媒として無水塩化アルミニウムを添加、溶解させ、更に塩素を供給することにより、脱塩化水素反応と塩素付加反応を同じ反応器内で行わせる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリクロロプロパンを製造するための方法に関する。より詳しくは、四塩化炭素と非置換又は塩素で置換されたエチレンを原料とし、鉄−リン酸エステル系触媒を用い、ポリクロロプロパンを製造、リン酸エステルを取り除いた後、触媒として塩化アルミニウムを添加し、塩素と反応させることで、得られたポリクロロプロパンの2位がさらに塩素化されたポリクロロプロパンへと変換する製造方法に関する。
ポリクロロプロパンは、農薬、医薬品、フロン代替材料等の各種製品を製造するための原料ないし中間体として重要である。例えば1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンから出発して1,1,2,3−テトラクロロプロペンを経て、除草剤として有用なトリクロロアリルジイソプロピルチオカルバメートを製造することができる。
このような塩素化炭化水素の製造方法としては、例えば炭素数2の不飽和化合物(非置換又は塩素で置換されたエチレン)に四塩化炭素を付加してクロロプロパンを得る第一反応と、
該クロロプロパンを脱塩化水素してクロロプロペンを得る第二反応と、該クロロプロペンにさらに塩素を付加して目的のクロロプロパンを得る第三反応とからなる三段階反応が知られている。
このうち、第一反応は、例えば特許文献1には、エチレンと四塩化炭素との付加反応を鉄―ホスホリル化合物系触媒の存在下行って、1,1,1,3−テトラクロロプロパンとする方法が記載されている。前記第二、三反応として、例えば特許文献1には、1,1,1,3−テトラクロロプロパンに対してアルカリ水溶液を用いて脱塩化水素した後、水溶液を分離した1,1,3−トリクロロプロペンと3,3,3−トリクロロプロペンの混合物に塩素を用いて1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンとする例が記載されている。
また、前記第二反応の脱塩化水素反応に関しては、例えば特許文献2には高温下において、触媒として塩化鉄を用いる方法が記述されている。
さらに第二、三反応を1工程で行わせる方法として、触媒として塩化鉄を用い、加熱下に1,1,1,3−テトラクロロプロパン中へ塩素ガスを吹き込むことにより一気に1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを得る方法が提案されている(特許文献3)。
特公平2−47969号公報 特開昭49−66613公報 米国特許公開2009/216055号公報
上記特許文献1、2に記載の方法では、副反応を防ぐため原料となるポリクロロプロパン中の各種不純物を除き、極めて高純度のポリクロロプロパンとする必要がある。また第二、三反応の2工程の反応が各々全く異なる条件で行われるため、複数の設備が必要となり、時間も要し不経済である。
また特許文献3記載の方法は第二、三反応が1工程で可能なためこのような問題点はないが、一方で高温に加熱する必要があり、また目的生成物の選択率も不十分であり改善の余地が高い。
そこで本発明は、第一工程として鉄−リン酸エステル系触媒を用い前期第一反応を行って得たポリクロロプロパンの高度の精製を要せず、かつ第二、三反応を1工程で行いつつ、それぞれ十分な、転化率、選択率で目的生成物であるポリクロロプロパンを得ると共に、トータルの反応における時間削減と設備の簡素化、使用エネルギーの低減をも図るものである。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、第一反応後、簡易な精製によりリン酸エステルを取り除き、特許文献3に記載の塩化鉄に代えて、塩化アルミニウムを採用することにより、中間体のクロロプロパンの精製時の時間低減と設備の簡素化、第二、三反応を1工程で行い、その工程が低温で迅速に反応が進行し、また選択率も著しく良好となることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(A)鉄−リン酸エステル系触媒を用い、下記式(1)
CCl(2−m)=CCl(2−n) (1)
で示される不飽和化合物に四塩化炭素を付加して、下記式(2)
CCl−CCl(2−m)−CCl(3−n) (2)
(上記各式中、mは1又は2、nは0〜2の整数である)
で示されるクロロプロパンを含む粗クロロプロパンを得る第一工程、
(B)第一工程で得られた粗クロロプロパンからリン酸エステルを除去する第二工程、及び、
(C)第二工程により得られたリン酸エステルの除去されたクロロプロパンと無水塩化アルミニウムとを反応器内に入れておき、該反応器中へ塩素を導入することによって、該クロロプロパンを下記式(3)
CCl−CCl(3−m)(m−1)−CCl(3−n) (3)
(上記式中、m及びnは式(1)と同一の整数である)
で示される塩素数の一つ多いクロロプロパンへと変換する第三工程、
の各工程を含んでなることを特徴とするポリクロロプロパンの製造方法である。
本発明によれば、前記式(1)で表される不飽和化合物を四塩化炭素に付加して得られる前記式(2)で示されるクロロプロパンを含む反応混合物から、リン酸エステルのみを取り除けばよいため、精製のための設備の簡略化及び使用エネルギーの低減ができ、さらに前記式(2)で示されるクロロプロパンを、前記式(3)で示されるクロロプロパンへと変換するに際して、従来は二工程を必要としていた反応工程を一工程とでき、しかも相対的に低温下(即ち、低エネルギーで)、高収率で反応を行わせることができ、工業的に極めて有益である。
以下、本発明について詳細を説明する。本発明において原料となる下記式(1)で示される化合物は、
下記式(1)
CCl(2−m)=CCl(2−n) (1)
(上記式中、mは1又は2、nは0〜2の整数である)
で示される炭素数2の二重結合を持つ不飽和化合物と四塩化炭素である。
本発明に関係する炭素数2の二重結合を持つ不飽和化合物を具体的に明示すると、エチレン、塩化ビニル、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、1,1,2−トリクロロエチレンである。後述する鉄−リン酸エステル触媒により四塩化炭素を付加させると、相対的に塩素数の少ない側の炭素に、四塩化炭素の炭素が結合した、下記式(2)で示される生成物(クロロプロパン)が生じる。
CCl−CCl(2−m)−CCl(3−n) (2)
(上記式中、m及びnは式(1)と同一の整数である)
例えば、原料化合物としてエチレンを使用した場合には1,1,1,3−テトラクロロプロパンが、塩化ビニルを使用した場合には1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンが、それぞれ得られる。
第一工程の付加反応の操作の一例をより詳しく説明すると以下の通りである。まず反応容器内に四塩化炭素を、該四塩化炭素が液相として存在する温度及び圧力条件で入れておき、そこへ、炭素数2の不飽和化合物をガスとして連続的に供給する。この際、触媒となる鉄はその全量を最初から反応容器内に入れておき、一方、リン酸エステルは同じく全量を最初から反応容器内に入れておいてもよいし、反応の進行状況をモニターしながら、徐々に追加添加していってもよい。なお反応状態(速度)は、炭素数2の不飽和化合物の消費速度によりモニターできる。
用いる鉄は、金属鉄、純鉄、軟鉄、炭素鋼、フェロシリコン鋼、鉄を含む合金(例えばステンレス鋼等)等を挙げることができる。鉄の形状としては、例えば粉末状、粒状、塊状、棒状、球状、板状、繊維状等の任意の形状であることができるほか、これらを用いてさらに任意の加工をした金属片、蒸留充填物等であってもよい。前記加工金属片としては、例えばコイル、網、スチールウール、その他の不定形片状を;前記蒸留充填物としては、例えばラシヒリング、へリックス等を、それぞれ挙げることができる。これらのいずれの形態であっても使用することができるが、リン酸エステル及び反応物との接触面積を十分に確保する観点から、粉末状又は繊維状であることが好ましい。同様の観点から、窒素を吸着質としてBET法により測定した鉄の比表面積は0.001〜5m/gであることが好ましい。
またリン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸ジエチル、リン酸ジブチル、リン酸モノフェニル、リン酸モノブチル、リン酸ジメチルフェニル、リン酸ジエチルフェニル、リン酸ジメチルエチル、リン酸フェニルエチルメチル等を挙げることができる。なかでもリン酸トリアルキルエステルであることが好ましく、全てのアルキル基が炭素数1〜4のアルキル基であるリン酸トリアルキルエステルが特に好ましい。
リン酸エステルの使用量は、高い転化率及び高い選択率を担保するとの観点から、使用する四塩化炭素の1モルに対して、0.001モル以上とすることが好ましく、0.002モル以上とすることがより好ましい。リン酸エステルの使用量の上限は特に限定されないが、使用量を過度に多くすると、発熱により反応の制御が難しくなり、また反応に関与せずに無駄となるリン酸エステルが多くなる点で、経済上不利益となる。かかる観点から、リン酸エステルの使用量は、四塩化炭素の1モルに対して、1モル以下とすることが好ましく、0.1モル以下とすることがより好ましく、0.05モル以下であってもよい。
付加反応の反応温度は、前記式(1)で示される不飽和化合物の種類や他の反応条件にもよるが、高い転化率と高い選択率とを両立するために、90〜160℃とすることが好ましく、105〜130℃とすることが更に好ましい。
反応圧力は、上記反応温度において反応系(四塩化炭素及び反応生成物の混合物)が液相を維持し得る圧力であればよいが、高い転化率と高い選択率とを両立するためには、式(1)で示される不飽和化合物の分圧を一定の範囲内とすることが好ましい。式(1)で示される不飽和化合物がエチレンの場合、25℃に換算したエチレン分圧としては、0.11〜0.52MPa(abs)であることが好ましく、0.15〜0.35MPa(abs)であることがより好ましい。これを反応温度に換算すると、例えば、110℃においては、0.15〜0.65MPaとすることができ、好ましくは0.20〜0.0.45MPa(abs)である。25℃に換算したエチレン分圧を0.11MPa未満とすると、液相中における原料化合物(不飽和化合物)の濃度が過小となって反応添加率が不足する場合があり、一方、0.52MPaを超える圧力では多量体が生成する割合が高くなって選択率が損なわれる場合がある。
本発明においては、上記の如き第一工程において、鉄の全量及びリン酸エステルの一部を反応開始前に添加し、残余のリン酸エステルは付加反応の進行中に追加添加することが、反応の制御性を良好とし、転化率、選択率を高くし、そして使用する鉄、リン酸エステルの量を低減しうる点で好ましい。ここで、「反応開始前」とは、反応器の温度を四塩化炭素中と不飽和化合物とが実質的に反応する温度に昇温する前の時点をいう。例えば、不飽和化合物がエチレンである場合には、上記鉄−リン酸エステル触媒を用いた際の当該温度は90℃である。従って、鉄の全量及びリン酸エステルの全部又は一部は、反応系が90℃未満のときに添加されることが好ましく、常温時(非加熱状態時)に添加されることがより好ましい。
リン酸エステルの追加添加は、1回だけ行ってもよく、数回に分割して行ってもよく、あるいは連続的に行ってもよい。数回に分割して行う場合における追加添加の回数としては、2〜10回とすることが好ましく、2〜6回とすることが好ましい。ここで、リン酸エステルの追加添加を1回のみ行う場合には操作が簡便となる利点があり、これを連続的に行う場合には反応のコントロールが容易になる利点がある。
リン酸エステルの全使用量(反応開始前添加分及び追加添加分の、1バッチにおける合計量)は、使用する四塩化炭素の1モルに対して、0.001モル以上とすることが好ましく、特に0.002モル以上とすることが好ましい。追加添加する場合のリン酸エステルの総添加量は特に限定されない。しかしながらリン酸エステルの総添加量を過度に多くすると、反応に関与せずに無駄となるリン酸エステルが多くなる点で、経済上不利益となる。かかる観点から、追加添加する場合のリン酸エステルの総添加量は、四塩化炭素の1モルに対して、1モル以下とすることが好ましく、0.1モル以下とすることがより好ましく、0.01モル以下であってもよい。
リン酸エステルを追加添加する方法においては、リン酸エステルの使用量を、従来技術、例えば特許文献1(特公平2−47969号公報)に記載された方法よりも少ない量としても、目的の化合物を、より高い転化率及び安定した反応速度にて効率的に製造することができる利点を有する。
本発明の方法においては、反応系の温度を四塩化炭素と炭素数2の不飽和化合物とが実質的に反応する温度に昇温した後にリン酸エステルの全量を添加した場合でも付加反応は進行する。しかし、反応を安定して立ち上げるために少なくともその一部は昇温前(反応開始前)に添加することが好ましい。反応開始前におけるリン酸エステルの添加量としては、使用する四塩化炭素の1モルに対して0.0001モル以上とすることが好ましく、0.0005モル以上とすることがより好ましい。反応開始前に添加されるリン酸エステルの上限値は、追加添加の態様(追加添加を1回だけ行うか、数回に分割して行うか、あるいは連続的に行うか)によらず、また数回に分割して追加添加する場合にはその添加回数によらず、リン酸エステルの全使用量の80%以下とすることが好ましく、70%以下とすることがより好ましい。反応開始前におけるリン酸エステルの添加量を上記の如き範囲とすることにより、反応を安定して立ち上げることができ、反応のコントロールが容易となり、結果として高い転化率を達成することができることとなる。
反応開始前にリン酸エステルを一括して添加する場合における鉄の使用量としては、高い反応転化率及び高い選択率を両立するとの観点から、使用する四塩化炭素の1モルに対して、0.001モル以上とすることが好ましく、0.005モル以上とすることがより好ましく、特に0.01モル以上とすることが好ましい。鉄の使用量の上限は特に限定されない。鉄の使用量を多くしても、活性及び選択性にはほとんど影響しないが、鉄の体積相当量分、反応缶に導入できる原料の絶対量が少なくなり、また反応に関与せずに無駄となる鉄が多くなる点で、経済上不利益となる。かかる観点から、鉄の使用量は使用する四塩化炭素の1モルに対して、10モル以下とすることが好ましく、5モル以下とすることが好ましく、1モル以下とすることがさらに好ましく、特に0.1モル以下とすることが好ましい。
リン酸エステルを分割添加する際の鉄の量は、反応開始前にリン酸エステルを一括して添加する場合における鉄の使用量の下限として上記の値よりも少なくすることができる。この場合における鉄の使用量は、使用する四塩化炭素の1モルに対して、0.0005モル以上とすることが好ましく、0.001モル以上とすることがさらに好ましく、特に0.005モル以上とすることが好ましい。鉄の使用量の上限は、経済上の観点から設定される。この場合における鉄の使用量は、使用する四塩化炭素の1モルに対して、1モル以下とすることが好ましく、0.1モル以下とすることがより好ましく、0.05モル以下とすることがさらに好ましい。
かくして開始された付加反応は、炭素数2の不飽和化合物の消費速度を連続的にモニターしながら行うことが好ましい。この不飽和化合物の消費速度の連続的モニターは、例えば気相存在下の液相バッチ反応において、適当な反応圧力を維持するために気相に供給される不飽和化合物の量を調べることにより行うことができる。
リン酸エステルの追加添加を1回だけ行う場合には、不飽和化合物の消費速度が反応開始後60分間における平均消費速度の好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%となったときに、リン酸エステルの残りの全量が追加添加される。この追加添加により、一旦減少した不飽和化合物の消費速度が回復し、以後、該消費速度が再び漸減しながら残余の付加反応が進行していくこととなる。
リン酸エステルの追加添加を数回に分割して行う場合には、消費速度が反応開始後60分間における平均消費速度の好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%となったときに、第1回目のリン酸エステルの追加添加が行われる。この第1回目の追加添加により、一旦減少した不飽和化合物の消費速度が回復し、以後、該消費速度が再び漸減して行く。そして、不飽和化合物の消費速度が再度反応開始後60分間における平均消費速度の好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%となったときに、第2回目以降のリン酸エステルの追加添加が行われる。この追加添加により、不飽和化合物の消費速度は再度回復する。以降、さらに継続して炭素数2の不飽和化合物の消費速度をモニターし、所定の回数だけリン酸エステルの追加添加を行うことができる。
リン酸エステルの追加添加を数回に分割して行う場合の各分割添加量は、各回毎の添加量を等しく設定するか、あるいは回数を重ねるごとに徐々に多い添加量とすることが好ましい。
リン酸エステルの追加添加を連続的に行う場合には、反応開始直後から行ってもよいし、消費速度が反応開始後60分間における平均消費速度の好ましくは5〜50%、より好ましくは10〜40%となったときに、リン酸エステルの追加添加を開始してもよい。このリン酸の連続的な追加添加は、添加速度が速いと反応の制御が困難となり、また反応に関与せずに無駄となるリン酸エステルが多くなり経済上不利益となる。また、添加速度が遅いと反応が遅くなる。かかる観点から四塩化炭素の1モルに対して、リン酸エステル1.3×10−6〜6.6×10−3mol/分の速度で行うことが好ましく、6.6×10−6〜6.6×10−4molmol/分の速度で行うことがより好ましい。この連続的な添加は、炭素数2の不飽和化合物の消費速度が反応開始後60分間における平均消費速度の5〜50%と遅くなった場合、四塩化炭素の1モルに対して、リン酸エステル1.3×10−6〜6.6×10−3mol/分の速度で行うことが好ましく、6.6×10−6〜6.6×10−4molmol/分の速度の範囲で添加速度を途中から速くしてもよい。この連続的な添加は、好ましくは四塩化炭素の転化率が30〜100%となるまで続ければよく、より好ましくは80〜98%となるまで続ければよい。四塩化炭素の転化率は不飽和化合物の消費量から判断することができる。
上記のようにして行われる付加反応は、その合計の反応時間を1〜12時間とすることが好ましく、2〜10時間とすることがより好ましい。
この第一工程においては、得られる反応混合液(粗クロロプロパン)中には式(2)で示されるクロロプロパンが多いほうがよい。具体的には、原料とした四塩化炭素の50%以上が反応するまで反応させることが好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。一方、上限は100%であることが好ましいことは無論であるが、反応後期に反応速度が非常に遅くなるなどのことから、実質的に100%とすることは困難であり、99%以下でもよく、工業的観点からは98%以下でも十分である。
上記方法で得られた反応混合液(粗クロロプロパン)は、前記式(2)で示されるクロロプロパンを主成分とし、不純物として未反応原料である四塩化炭素、前記式(1)で示される炭素数2の不飽和化合物、副反応で生じた式(1)又は(2)以外の式で示される塩素化炭化水素類、リン酸エステル、鉄、及び塩化第二鉄等を含む。
本発明における第二工程では、粗クロロプロパン中の上記不純物のうちリン酸エステルを除去する。上記不純物のうちリン酸エステルを除去すれば、他の不純物は存在したままで第三工程の原料として使用することができることが本発明の特徴となる。リン酸エステルを除去する必要があるのは、リン酸エステルが後述する脱塩化水素反応を阻害する触媒として作用するためである。
第二工程で当該リン酸エステルを除去する方法としては、例えば、蒸留、吸着、カラムによる分離、リン酸エステルの失活等の方法が適宜適応できる。なお、当該リン酸エステルの除去に際して、他の不純物が共に除去されてもなんら問題はない。
リン酸エステルの除去に蒸留を採用する場合、式(2)で示されるクロロプロパンの沸点と、用いたリン酸エステルの沸点とを対比、該クロロプロパンが高沸点側にあるか低沸点側にあるかを判断し、回収操作を行えばよい。
例えば式(2)で示されるクロロプロパンが1,1,1,3−テトラクロロプロパンの場合、1,1,1,3−テトラクロロプロパンより用いたリン酸エステルが高沸点の場合は、リン酸エステルの沸点よりも低沸点の物質を集める簡易な蒸留により、該リン酸エステル除去を行える。そのような高沸点のリン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルなどが挙げられる。なお通常、本発明の第一工程で得られる式(2)で示されるクロロプロパンは、大部分のリン酸エステルよりも低沸点である。
本発明においては、前記のようにリン酸エステルさえ除けば良いため、例えば、上述の蒸留に際して、式(2)で示されるクロロプロパンが低沸点側物質として回収される場合、リン酸エステルよりも低沸点の物質(未反応原料や副生成物としての塩素化炭化水素など)は、該クロロプロパンと共に回収し、次の第三工程に供してもなんら問題は無い。換言すれば、高純度のクロロプロパンを回収するために分別蒸留を行う必要がなく、単式蒸留等により式(2)で示されるクロロプロパン及びそれよりも低沸点の物質を回収するだけの簡易な蒸留を行うことで、次の第三工程に移ることができることがこの発明の特徴である。 なおリン酸エステルの除去方法が蒸留である場合に限らず、例えば、カラム分離による場合には、リン酸エステルと式(2)で示されるクロロプロパンが分離されているのであれば、クロロプロパンよりも前又は後に流出する成分を含んだ状態で第三工程に供することが可能である。同様に、吸着によりリン酸エステルを除去する場合には、吸着剤に吸着されない不純物を含んだまま、第三工程に供することができる。
より具体的に、蒸留によるリン酸エステルの除去について、第一工程での原料がエチレンであり、リン酸エステルがリン酸トリエチルである場合を例に説明する。原料がエチレンである場合に得られるクロロプロパンである1,1,1,3−テトラクロロプロパンは、リン酸トリエチルよりも沸点が低い。よって、リン酸トリエチルより低沸点の物質を集める簡易な蒸留を行うことで、1,1,1,3−テトラクロロプロパンより高沸点のリン酸トリエチルを取り除くことができる。この際、鉄や塩化第二鉄などの高沸点不純物も共に除去される。
一方、リン酸トリエチルより低沸点の物質には、目的物である1,1,1,3−テトラクロロプロパンの他、主不純物となる未反応の四塩化炭素、副生成物であるクロロホルムなどの塩素化炭化水素類が含まれるが、いずれの物質も次の反応に直接悪影響を与えるものではないことから、全てまとめて回収することができる。本発明の第三工程では、このような低沸点の物質(四塩化炭素、副生成物)が含まれていても、該低沸点物が含まれていない高純度の1,1,1,3−テトラクロロプロパンを用いた時と同様の転化率、選択率で行える。
なお、1,1,1,3−テトラクロロプロパンなどの式(2)で示されるクロロプロパンよりも低沸点の物質を蒸留で分別しても、分別蒸留のための装置や時間が余計に必要な以外は特に問題はない。
蒸留に使用する蒸留塔は、当業界で知られているものを制限無く使用することができ、段塔または充填塔を好ましいものとしてあげることができる。この蒸留ではリン酸エステルの除去が目的であり、例えばリン酸トリエチルと1,1,1,3−テトラクロロプロパンは十分に沸点が離れていることから少ない段数でリン酸トリエチルを除去できる。段塔の段数または、段塔に換算した蒸留塔の相当段数に制限はないが多すぎると蒸留設備の費用があがることから、1〜20段であることが好ましく、1〜5段であることがより好ましい。
蒸留塔は一塔で行ってもよいし、数塔で行ってもよい。上記段塔としては、十字流トレイ、シャワートレイ等を用いることができる。
充填式蒸留装置を用いる場合における充填物としては、ラシヒリング、レッシングリングなどの公知の充填物を用いればよく、その材質にも制限はなく、各種金属を用いることができる。
蒸留の行う際の条件に特に制限はなく、常圧で行い(101kPa)、蒸留塔上部の温度を式(2)で表されるクロロプロパンの沸点付近でも行うことができるが、蒸留塔上部の温度を高くしすぎると(塔底部の温度も高くなり)式(2)のクロロプロパンが分解しやすくなり、また蒸留塔上部の温度を低くしすぎると蒸留時、蒸留塔上部を冷やすエネルギーが増大し、また圧力を非常に低くしないとならないため、設備の費用、運転費用が高額になる。そのため、蒸留時に塔底の温度の範囲としては、20℃〜200℃とすることが好ましく、50℃〜150℃とすることがより好ましく、70℃〜120℃の範囲で行うことがより好ましい。蒸留時の圧力に関しては、上記温度で式(2)のクロロプロパンが気化し、蒸留塔上部まで到達する圧力で行うことができる。式(2)で示されるクロロプロパンの種類、蒸留塔上部の温度によって異なるが、圧力は1kPa〜110kPaで行うことが好ましい。例えば、式(2)で表されるクロロプロパンが1,1,1,3−テトラクロロプロパンの場合、10kPaにおいて、蒸留塔の上部の温度約87℃で蒸留を行うことができ、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの分解はほとんど起こらない。ここでの圧力は絶対圧力である。
蒸留の際には特に添加物を加えなくてもよいが、分解を抑制するため、安定剤を加えることもできる。安定剤としては各種フェノール類、例えば、アルコキシ基で置換されたフェノール類やアリル基で置換されたフェノール類が挙げられる。アリル基で置換されたフェノール類を具体的に例示すると、o−アリルフェノール、m−アリルフェノール、p−アリルフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール(オイゲノール)、2−メトキシ−4−(1−プロペニル)フェノール(イソオイゲノール)等が挙げられる。これらアリル置換フェノールは単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
このような条件で蒸留を行うと、リン酸エステル及び式(2)で表されるクロロプロパンより沸点の高い物質を取り除くこととなる。
この蒸留によって得られる式(2)で表されるクロロプロパンの純度に特に制限はないが50〜100%が好ましく、80〜99%がより好ましく、90〜98%がさらに好ましい。
この蒸留によって得られる式(2)で表されるクロロプロパンに含まれるリン酸エステルの量は好ましくは10000ppmw以下、より好ましくは1000ppmw以下、さらに好ましくは100ppmw以下である。
またリン酸エステル除去が吸着の場合、その方法としては、例えばシリカゲルを第一工程後の反応液に入れ、攪拌することで、リン酸エステルがシリカゲルに吸着され、該シリカゲルを取り除くことでリン酸エステルも一緒に取り除くことができる。
式(2)で表されるクロロプロパンの純度やリン酸エステルの量を測定する方法に特に制限はないが例えば、分離にガスクロマトグラフィーを用い、検出器に水素炎イオン化型検出器(FID)を用い、それぞれ定量することができる。検出器はFIDの他、熱伝導度型検出器、質量分析器なども用いることができ、特に制限はない。またリン酸エステルに関しては誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−OES)によってリン濃度を定量することができる。
第三工程ではリン酸エステルを取り除いた式(2)で示されるクロロプロパンが、塩化アルミニウムの存在下、クロロプロペン中間体を経て塩素と反応し、2位の塩素数が一つ増えた下記式(3)で示されるクロロプロパンへと変換される。
CCl−CCl(3−m)(m−1)−CCl(3−n) (3)
(上記式中、m及びnは式(1)と同一の整数である)
推定される本発明の第三工程の反応機構等は以下の通りである。即ち、前記式(2)で示されるクロロプロパンが、塩化アルミニウムを触媒として脱塩化水素し、下記式(4)で示される中間体のクロロプロペンを生じる。
CCl=CCl(2−m)m−1−CCl(3−n) (4)
(上記式中、m及びnは式(1)と同一の整数)
この後、該中間体のクロロプロペンの二重結合に対して、供給された塩素が付加する反応により、前記式(3)に対応するクロロプロパン、即ち、式(2)で示されるクロロプロパンに比して2位の塩素が一つ多い上記式(3)で示されるクロロプロパンへと変換される。
具体的に、前記式(2)で示されるクロロプロパンとして、1,1,1,3−テトラクロロプロパンを例に説明すると、まず反応容器内に入れられた1,1,1,3−テトラクロロプロパンと塩化アルミニウムの反応により、脱塩化水素反応した反応中間体として1,1,3−トリクロロプロペンが生成する。続いて、該1,1,3−トリクロロプロペンの二重結合に塩素が付加して1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンが生成するものと推定される。
当該第三工程の反応をより詳しく説明すると以下の通りである。第一の態様においては、上述の如きクロロプロパンと無水塩化アルミニウムを反応容器に入れておき、次いで該反応器中へ塩素を導入する。無水塩化アルミニウムを用いない場合には、目的とする反応が選択的に進行しない。また塩化アルミニウムを用いることにより、他の金属塩化物、例えば、塩化鉄を用いた場合などに比べて遙かに低温で、高選択率で目的とする反応物を得ることができる。
なお、反応系内に溶解した塩化アルミニウムがない場合には、式(2)で示されるクロロプロパンの脱塩化水素化による式(4)で示されるクロロプロペンへの脱塩化水素反応よりも、式(2)で示されるクロロプロパンへの塩素の置換反応が進行するために、例えば、式(2)で示されるクロロプロパンが1,1,1,3−テトラクロロプロパンの場合は1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン等の副生物が生成し、目的とする1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの選択率が低下する傾向にある。
したがって、塩素の供給は無水塩化アルミニウムの少なくとも一部が溶解し、脱塩化水素反応が始まった後に供給することが望ましく、また、無水塩化アルミニウムの溶解量等を適宜調整することが重要である。無水塩化アルミニウムが溶解したか否かは、反応液の色調の変化により確認できる。例えば、1,1,1,3−テトラクロロプロパンに溶解させた場合には、ほぼ無色に近い状態であったものが青色を呈するようになる。
使用する塩化アルミニウムとしては、無水塩化アルミニウムを用いる。塩化アルミニウム6水和物は、実質的に式(2)で表されるクロロプロパンに溶解しない。また、塩化アルミニウムと水が反応してできる水酸化アルミニウムは脱塩化水素反応の触媒にはならない。但し、水酸化アルミニウムや塩化アルミニウム6水和物が系内に含まれていても特に反応に悪影響を与えることはない。
また、反応系内における無水塩化アルミニウムの溶解量が多すぎる場合には、式(2)で示されるクロロプロパンの脱塩化水素反応よって生成した式(4)で示されるクロロプロペン同士、または式(4)で示されるクロロプロペンと式(2)で示されるクロロプロパンとの反応による二量化が進行するために、目的とする式(3)で示されるクロロプロパンの選択率が低下する傾向にある。
従って、無水塩化アルミニウムの使用量は、前記式(2)で示されるクロロプロパン1モルに対して、2.0×10−5〜2.0×10−2モルが好ましく、より好ましくは、5.0×10−5〜1.0×10−3モルである。換言すれば、無水塩化アルミニウムの全量が溶解したとき、濃度が上記範囲となるように使用することが好ましい。
前述のように、無水塩化アルミニウムは水と反応(加水分解)して、水酸化アルミニウムになってしまう。従って、上記無水塩化アルミニウムの量は、反応系内に実質的に存在する量である。換言すれば、原料となるクロロプロパンに水が含まれている場合には、当該水と無水塩化アルミニウムが反応し水酸化アルミニウムを生じるとして、当該水の当量(無水塩化アルミニウム1モルに対して水3モル)分だけ無水塩化アルミニウムを多く加え、上記の量となるようにすればよい。より具体的には、実際に使用する無水塩化アルミニウムの量はクロロプロパンに含まれる水の当量分に加えてクロロプロパン1モルに対して、2.0×10−5〜2.0×10−2モルが好ましく、より好ましくは、5.0×10−5〜1.0×10−3モルである。
また反応器内への、クロロプロパン及び無水塩化アルミニウムの供給は、どちらを先に入れても良い。またバッチ反応、連続反応に限らず、最初に所定量を一度に供給してもよいし、反応途中において任意に分割または連続供給してもよい。さらには反応器外でクロロプロパンに無水塩化アルミニウムを溶解させ、この溶液を反応器へと導入してもよい。
第二の態様としては、反応器外で塩化アルミニウムの溶液を調製し、これを反応器内にいれて、前記式(2)で示されるクロロプロパンに塩化アルミニウムを溶解した溶液を調製する方法である。用いる塩化アルミニウム源としては、前述の反応器内で調製する場合と同様、無水塩化アルミニウムを使用することができる。またこの場合の溶媒としては、本発明の反応を阻害せず、塩化アルミニウムを溶解可能な溶媒であれば特に限定されないが、反応完了後の不純物除去等の精製操作を考慮すると、反応基質である前記式(2)で示されるクロロプロパンが好ましい。
他に使用可能な溶媒としては、反応完了後の目的物(式(3)で示されるポリクロロプロパン)の収率や回収等を考慮すると、塩化アルミニウムや塩素、或いは炭素−炭素二重結合等と反応しにくく、また目的物と沸点の異なる溶媒が好ましい。具体的には、四塩化炭素、クロロホルムなどのクロロメタンやテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類など各種溶媒が挙げられる。
反応器外での塩化アルミニウムの溶液の他の調製方法としては、溶媒中に金属アルミニウムを加えておき、該溶媒中に塩素及び/又は塩化水素を導入して、金属アルミニウムを塩化アルミニウムへと変換して調製する方法である。使用する溶媒は、上記無水塩化アルミニウムを用いる方法と同様である。なお、当該方法に当たっては、金属アルミニウムの純度等により、不溶性の不純物が生じる場合がある。このような不溶性物質は、調製された塩化アルミニウム溶液をろ過するなどして除去してから反応器内に導入することが好ましい。
上記、反応器外で塩化アルミニウムの溶液を調製する方法に当たっては、塩化アルミニウムの濃度を濃厚に調製しておき、反応器内で前記式(2)で示されるクロロプロパンと混合された状態で、該塩化アルミニウムの濃度が前記範囲になるようにするのが一般的である。
第三の態様としては、反応器内で金属アルミニウムから塩化アルミニウムのクロロプロパン溶液を調製する方法である。この場合の塩素化に際しては、塩素を用いると副反応を生じやすいため、塩化水素を用いることが好ましい。具体的には、反応器内に前記式(2)で示されるクロロプロパンと金属アルミニウムを入れておき、そこへ塩化水素を導入する。この際の塩化水素は乾燥したものを用いることが好ましい。金属アルミニウムの使用量は、該金属アルミニウムの全量が塩化アルミニウムへと変換された際に、塩化アルミニウム濃度が前記範囲に入る量とすればよい。
また上記第一乃至第三の方法を適宜組み合わせて実施してもよい。装置コストや操作の手間、得られる塩化アルミニウム溶液の純度及び濃度管理の容易さの点から、第一の態様が最も好ましい。
塩化アルミニウムの存在下で、前記式(2)で示されるクロロプロパンの脱塩化水素反応が起こる。この反応は温度が高いほど促進される。ここで反応系内に塩素が供給されていない場合、該脱塩化水素した化合物同士の二量化、もしくは更なる反応による副生物へと進む傾向がある。従って、クロロプロパンと無水塩化アルミニウムとを混合した後、塩素を供給開始するまでは、該反応液の温度は、50℃以下の範囲内に保持することが好ましく、より好ましくは40℃以下である。一方、温度が低すぎると無水塩化アルミニウムや金属アルミニウムの溶解が遅くなり、反応系内の塩化アルミニウム濃度が前述した範囲に入りにくい傾向があるため0℃以上が好ましく、さらに好ましくは10℃以上である。
上記第一の態様においては、反応器内に用いる式(2)で示されるクロロプロパン及び無水塩化アルミニウムの全量を導入し、望ましくは該塩化アルミニウムの溶解を確認した後、当該反応器内へ塩素を供給する。第二の態様においては、不溶分をろ過等により除去したものを用いれば、反応器内における溶解の確認を行う必要はない。また、第三の態様においては、金属アルミニウムの全量が溶解するまで塩化水素の導入を行った後、塩素の導入を行うことが好ましい。該塩素としては一般的な工業用塩素を使用することができる。
なお、前記式(2)で示されるクロロプロパンの濃度が高く、かつ前記式(3)で示されるクロロプロペンの濃度が低い状態で塩素の導入を行うと、該クロロプロパンの脱塩化水素化反応に加えて、競争反応的に塩素置換反応が起こる。
例えば、第三工程の原料が1,1,1,3−テトラクロロプロパンの場合、反応系内における1,1,3−トリクロロプロペン(脱塩化水素の生成物)の濃度が低く、加えて脱塩化水素反応の速度も遅い状態(例えば、塩化アルミニウム濃度が低い場合など)で、反応系への塩素供給量が多いと、反応系内の塩素の濃度が高くなる。その結果、塩素置換反応による1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの生成が起こりやすくなる。
一方で、反応系内における前記式(3)で示されるクロロプロペンの濃度が高くなりすぎると、前述した通り、該クロロプロペン同士の反応や、クロロプロペンと前記式(2)で示される反応生成物であるクロロプロパンとの反応などの副反応が起こりやすくなる。
したがって、反応系内の塩化アルミニウムの濃度を前記範囲にするとともに、塩素の供給開始のタイミング及び供給速度を適切な範囲にすることによって、より高選択率で本発明の製造方法を実施することができる。具体的には、塩素の供給開始は、脱塩化水素反応による式(4)クロロプロペン(原料が1,1,1,3−テトラクロロプロパンの場合、1,1,3−トリクロロプロペン)の濃度が、好ましくは0.1wt%〜30wt%、より好ましくは0.5wt%〜20wt%になった時点で開始するとよい。クロロプロパンの転化率はガスクロマトグラフィーによる分析、気相部に排出される塩化水素の総量、或いは除熱量が一定の場合には反応液の温度変化などから容易に判断できるため、該転化率及び供給した塩素の量から反応系内における濃度も容易に把握できる。
当該塩素の最終的な供給量は、反応効率を考慮すると、前記式(2)で示されるクロロプロパン1モルに対して0.9モル以上供給することが好ましく、1モル以上供給することがより好ましく、1.1モル以上供給することがさらに好ましい。一方、多すぎても反応に寄与しない無駄な塩素が多くなるため、クロロプロパン1モルに対して2.5モル以下とすることが好ましく、より好ましくは2.0モル以下である。
塩素の供給方式は、初期に一度に供給(反応器内に導入)してもよいが、その場合には前述のとおり副反応を起こしやすいため、一定時間かけて徐々に供給することが好ましい。この供給時間は、反応温度、反応器の大きさ等にもよるが、一般的には0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程度である。また時間をかけて供給する場合には、連続的に供給してもよいし、間欠的に供給してもよい。
さらに好ましくは、反応系内における前記式(4)で表されるクロロプロペンの占める割合が、好ましくは30wt%以下、より好ましくは20wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下を保つように塩素供給速度を調整する。また、反応系内における塩素濃度は、好ましくは10wt%以下、より好ましくは5wt%以下、さらに好ましくは3wt%以下、特に好ましくは1wt%以下を保つように塩素供給速度を調整することが好ましい。
上記の前記式(4)で示されるクロロプロペン及び塩素の反応系内濃度を保つための最適な塩素供給量は各温度により異なるが、反応温度が0〜50℃においては、初期に投入した原料となるクロロプロパン1モルに対し、好ましくは1〜2000ml/分、より好ましくは5〜1000ml/分、さらに好ましくは10〜500ml/分である。さらに反応系内の塩素濃度を上記した範囲とするために、反応進行中に上記の範囲で流量を途中で変化させることも好適である。
例えば、無水塩化アルミニウムは、式(2)で表されるクロロプロパンに溶解するまで時間を要する事から反応初期は塩化アルミニウムの濃度が低く脱塩化水素反応が遅くなる。そのため、初期には塩素供給量は少なく、反応中期は供給量を多くすることが好ましい。一方、反応後期は原料クロロプロパンの割合が減少しているが、その状態で塩素濃度が高いと式(3)で表されるクロロプロパンの塩素置換がさらに進み、不純物が増加するため塩素の供給量を少なくすることが好ましい。これらの事から、塩素供給開始後、原料クロロプロパンが、好ましくは95wt%以下、より好ましくは90wt%以下になった時点で塩素供給量を上げ、目的とする反応が進行し、反応系内の原料クロロプロパンの濃度が30%wt以下、より好ましくは20wt%以下になった時点で、塩素の供給量を少なくする方法が好適に採用できる。
反応器内に塩素を導入する際には、反応器内の気相部へと導入しても良いし、導入管を反応液中へ差し込んでおき、液中へ吹き込む形式で行っても良い。
本発明の形式は、バッチ反応で行ってもよいし、原料となるポリクロロプロパンを連続的に反応器に供給するとともに、生成したポリクロロプロパンを連続的に抜き出す連続反応を行うことも可能である。この場合、無水塩化アルミニウムも取り出されることになるため、反応系内における無水塩化アルミニウム量が前記範囲になうように追加供給することが好ましい。追加供給に際しては、濃厚な無水塩化アルミニウムのクロロプロパン溶液[式(2)又は式(3)のいずれでも良い]を別途調製しておき、これを加える方式や原料となるクロロプロパンと固体の無水塩化アルミニウムを別個で供給する方式などがあるが、後者の別個に供給する方式が余計な不純物を生ぜず好ましい。
塩素を供給中の温度も、前述したのと同様の理由により、0〜50℃の範囲内に保持することが好ましく、より好ましくは0〜40℃であり、さらに好ましくは10〜40℃である。なお、本発明の製造方法で起こる反応のうち、塩素付加反応は発熱反応であり、反応全体として発熱反応となるため、塩素導入開始後は、一般的には、上記温度範囲にするために反応系の冷却が必要である。該冷却(反応系の温度調整)方法は化学工学的に公知の方法が特に制限なく採用できる。
反応をバッチ式で行う場合、塩素の全量を反応器内に導入完了した後も、上記温度で0.1〜2時間程度保持することが好ましい。
反応完了後には、目的物である式(2)で示されるクロロプロパンは、必要に応じ公知の方法で精製することができる。但し、目的物である式(2)で示されるクロロプロパンは塩化アルミニウムの存在下、高温下では更に脱塩化水素反応を生じ得る。そこで高温を要する精製(例えば蒸留)を行う際には、無水塩化アルミニウムを除去してから行うこと、もしくは無水塩化アルミニウムの脱塩化水素に対する活性を失わせることが好ましい。当該無水塩化アルミニウムの除去方法としては、少量の水を添加する方法、湿潤したガス(例えば水蒸気や、水蒸気を含む窒素等の不活性ガス)でバブリングする方法、吸着材で除去する方法等が挙げられる。無水塩化アルミニウムを失活させる方法としては、反応後の液を放置することや他の成分を加え、脱塩化水素触媒として働かないようにすればよい。
蒸留によって精製する場合には、上記無水塩化アルミニウムの除去や失活に加え、更に安定剤を添加した後に蒸留することが好ましい。該安定剤としては、各種フェノール類、例えば、アルコキシ基で置換されたフェノール類やアリル基で置換されたフェノール類が挙げられる。アリル基で置換されたフェノール類を具体的に例示すると、o−アリルフェノール、m−アリルフェノール、p−アリルフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール(オイゲノール)、2−メトキシ−4−(1−プロペニル)フェノール(イソオイゲノール)等が挙げられる。これらアリル置換フェノールは単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
また、未反応の塩素は回収して、再度、本反応の原料塩素として使用することも可能であるし、精製して、他の反応の反応原料とすることも可能である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、第三工程の反応装置としては、図1に模式図を示す装置を用い、反応液中へ塩素ガスが吹き込まれようにすると共に、未反応のまま気相へ出てきたガス及び発生する塩化水素は、反応容器外へ排出されるようにして実験を行った。
実施例1
撹拌機、エチレン用ガス導入口及びガス排出口並びに四塩化炭素と鉄の添加口及びリン酸エステルの追加添加口並びに液体排出口を有するSUS製のオートクレーブ(内容積1,500mL)をエチレンで満たした。オートクレーブ中に四塩化炭素1,560g、リン酸トリエチル2.0g及びK100(JFEスチール(株)製コークス還元鉄粉)4.0gを仕込み、温度を110℃に設定した後、気相の全圧が0.5MPa(abs)となるようにエチレンを供給して付加反応を行った。気相の全圧が0.5MPa(abs)となった直後の気相におけるエチレン分圧は0.25MPaであった。
なお温度110℃、気相の全圧が0.5MPa(abs)になった時点から、リン酸トリエチルを0.02ml/分で反応終了まで連続的に添加を行った。
反応中は、気相における全圧が0.5MPa(abs)を維持するようにエチレンを供給しつつ行い、エチレンの消費速度(追加供給速度)が四塩化炭素の初期量に対して0.1モル%/分(200ml/分)となった時点で反応が完了したものと判断し、付加反応を終了した。
反応後の液を抜き出し、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)で分析を行った。四塩化炭素の転化率が97%、1,1,1,3−テトラクロロプロパンへの選択率96%だった。
抜き出した反応液のうちの1000gを1Lのフラスコに入れ、液温度を90℃に設定し、圧力を10kPa(abs)に設定し、バッチ蒸留を行った。塔頂部に来た気体を冷却し、凝縮により910gの液体を回収した。この回収液中には1,1,1,3−テトラクロロプロパンが約97%、四塩化炭素が約2%、その他の物質が約1%含まれていた。リン酸トリエチルは検出されなかった。
この1,1,1,3−テトラクロロプロパンを97%含んだ回収液のうち182gを200mlの4つ口ナスフラスコに入れた。そこへ更に無水塩化アルミニウムを0.10g入れた。液温を20℃に設定し、1時間攪拌した。液が青色になり、塩化アルミニウムが溶けたのを確認した後、液温を20℃に保ったまま、塩素を120ml/minで流入させた。4時間後、塩素の流入を止め、窒素を流通させて、塩素を追い出した。反応液をGCにて分析した。1,1,1,3−テトラクロロプロパンの転化率100%、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンへの選択率94%だった(第三工程の収率94%)。
なお第一工程後と第二工程後の四塩化炭素の量が計算上完全には合致しないが、これは四塩化炭素の蒸気圧が高いため完全には凝縮・回収しきれなかったためである。この差分は排気トラップにおいて凝縮・回収されている。
実施例2
実施例1と同様の方法により第一工程を行い、1,1,1,3−テトラクロロプロパンを95%含む反応液を得た。反応液のうちの1000gを1Lのフラスコに入れ、圧力を10kPa(abs)に設定し、バッチ蒸留を行い、1,1,1,3−テトラクロロプロパンより低沸点の物質、高沸点の物質をいずれも取り除き、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの純度を99.9%とした。該1,1,1,3−テトラクロロプロパン中にはリン酸トリエチルは検出されなかった。
この1,1,1,3−テトラクロロプロパン182gを200mlの4つ口ナスフラスコに入れた。そこへ更に無水塩化アルミニウムを0.10g入れた。液温を20℃に設定し、1時間攪拌した。液が青色になり、塩化アルミニウムが溶けたのを確認した後、液温を20℃に保ったまま、塩素を120ml/minで流入させた。4時間後、塩素の流入を止め、窒素を流通させて、塩素を追い出した。反応液をGCにて分析した。1,1,1,3−テトラクロロプロパンの転化率100%、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンへの選択率93%だった。

Claims (2)

  1. (A)鉄−リン酸エステル系触媒を用い、下記式(1)
    CCl(2−m)=CCl(2−n) (1)
    で示される不飽和化合物に四塩化炭素を付加して、下記式(2)
    CCl−CCl(2−m)−CCl(3−n) (2)
    (上記各式中、mは1又は2、nは0〜2の整数である)
    で示されるクロロプロパンを含む粗クロロプロパンを得る第一工程、
    (B)第一工程で得られた粗クロロプロパンからリン酸エステルを除去する第二工程、及び、
    (C)第二工程により得られたリン酸エステルの除去されたクロロプロパンと無水塩化アルミニウムとを反応器内に入れておき、該反応器中へ塩素を導入することによって、該クロロプロパンを下記式(3)
    CCl−CCl(3−m)(m−1)−CCl(3−n) (3)
    (上記式中、m及びnは式(1)と同一の整数である)
    で示される塩素数の一つ多いクロロプロパンへと変換する第三工程、
    の各工程を含んでなることを特徴とするポリクロロプロパンの製造方法。
  2. 第二工程におけるリン酸エステルの除去が、蒸留によるものである請求項1記載のポリクロロプロパンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124198A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 株式会社トクヤマ クロロ高次アルケンの製造方法
CN111902385A (zh) * 2018-04-03 2020-11-06 蓝立方知识产权有限责任公司 改进的制备卤化烷烃的方法

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