JP2012254028A - 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管 - Google Patents

地中灌水システムおよびそれに用いる給水管 Download PDF

Info

Publication number
JP2012254028A
JP2012254028A JP2011127822A JP2011127822A JP2012254028A JP 2012254028 A JP2012254028 A JP 2012254028A JP 2011127822 A JP2011127822 A JP 2011127822A JP 2011127822 A JP2011127822 A JP 2011127822A JP 2012254028 A JP2012254028 A JP 2012254028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water supply
supply pipe
pipe
soil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011127822A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5916302B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Hirao
和弘 平尾
Hidemi Yamaguchi
秀美 山口
Hideki Bai
秀樹 倍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota CI Co Ltd
Original Assignee
Kubota CI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota CI Co Ltd filed Critical Kubota CI Co Ltd
Priority to JP2011127822A priority Critical patent/JP5916302B2/ja
Publication of JP2012254028A publication Critical patent/JP2012254028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5916302B2 publication Critical patent/JP5916302B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

【構成】 地中灌水システム10は、耕作地(100)の地下に埋設される給水管12を含み、この給水管12から土壌に水を供給する。給水管12の管内面側には、軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の溝部20が形成され、各溝部20には、周方向に所定間隔で配置される複数の孔26が形成される。灌水時に、給水源(16)から給水管12内に供給された水は、各溝部20に振り分けられて、各孔26を通って徐々に土壌に供給される。
【効果】 ポンプ等の特別な送水設備を用いることなく、傾斜地に対しても好適に用いることができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は地中灌水システムおよびそれに用いる給水管に関し、特にたとえば、地下に埋設された給水管から土壌に水を供給する、地中灌水システムおよびそれに用いる給水管に関する。
従来、畑地などの灌水には、地表に這わせた孔あきホースやスプリンクラ等を用いて、地表面から土壌に水を供給する地表灌水が一般的に用いられている。ここで、地表灌水によって土壌に供給された水は、土壌表面や植物表面も潤すことになるが、これらの水は大気中に蒸発(つまり表面蒸発)してしまうだけであるので、水の無駄遣いが生じる。また、土壌のぬかるみによって作業に支障が出たり、泥跳ねや土壌表面の凝固などの不具合を招いたりしてしまう。さらに、ハウス栽培の場合には、表面蒸発した水分によってハウス内の湿度が過剰に高くなり、植物の病気発生の原因となる場合もある。
これに対して、地下に埋設した給水管から土壌に水を供給する地中灌水では、供給した水が表面蒸発することが無いので、水の無駄遣いを低減でき、水資源を効率的に利用できる。また、土壌がぬかるんだり、ハウス内の湿度が過度に上昇したりする等の地表灌水に起因する不具合も生じない。このため、近年では、各種の地中灌水システムが提案されている。
たとえば、特許文献1には、本件出願人が提案した地中灌水システム(地下灌漑システム)が開示される。特許文献1の技術では、上側開口の容器状に形成される遮水部材の内部に重力水状態の土壌部を形成し、その重力水状態の土壌部から毛細管現象によって植物根圏の土壌に水を供給するようにしている。一例として、上側に開口を設けた横管状(横長の容器状)の遮水部材が用いられる。
また、特許文献2には、従来の地中灌水システムに用いられる灌水ホースの一例が開示される。特許文献2の灌水ホースは、中間層に編組糸補強層を有する3層構造のホースであって、内層および外層は互いに独立した孔を有している。そして、編組糸補強層が内層および外層の孔を連結する間隙を形成することよって、ホースの内外が通じるようにしている。この灌水ホースを用いて地中灌水を行う場合には、灌水ホースの一端を封止すると共に、他端に配水管をつないで水圧をかける。これによって、灌水ホース内の水は、内層および外層の孔および編組糸補強層を通過して、土壌に供給される。
特開2010−29072号公報 [A01G 25/00] 特開2000−346253号公報 [F16L 11/12]
特許文献1の技術では、上側開口の遮水部材内に重力水状態の土壌部を形成するので、遮水部材が傾いて設置されると、灌水時に遮水部材内の重力水が開口からこぼれてしまう可能性がある。このため、特許文献1の技術では、遮水部材を水平に設置する必要があるので、遮水部材の設置作業に注意を要し、特に傾斜を有する耕作地(傾斜地)に適用する場合には、遮水部材の配置態様に制約を受ける。
また、特許文献2の灌水ホースは、傾斜地にも適用できるが、この灌水ホースを用いて灌水を行うためには、一定以上の高い圧力をかけて送水する必要があるので、ポンプ等の特別な送水設備が別途必要となる。したがって、特許文献2の技術を用いた地中灌水システムでは、設備コストや維持管理コスト等が嵩んでしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、地中灌水システムおよびそれに用いる給水管を提供することである。
この発明の他の目的は、ポンプ等の特別な送水設備を必要とすることなく、傾斜地にも好適に用いることができる、地中灌水システムおよびそれに用いる給水管を提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、地下に埋設された給水管から土壌に水を供給する地中灌水システムであって、給水管は、管内面側において、周方向の少なくとも一部に形成され、かつ軸方向に並ぶ複数の溝部、および溝部のそれぞれに形成される孔を備える、地中灌水システムである。
第1の発明では、地中灌水システム(10)は、地下に埋設される給水管(12)を備え、この給水管から土壌に水を供給する。給水管は、合成樹脂や金属などによって形成され、その管内面側には、軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の溝部(20)が形成される。実施例では、給水管は、複数の山部(22)と谷部(24)とが軸方向に交互に並設される波形の管壁を有しており、この山部の内面側が溝部として利用される。また、給水管の各溝部には、たとえば周方向に所定間隔で配置される複数の孔(26)が形成される。灌水時には、農業用水配管などの給水源(16)から給水管内に供給された水は、各溝部に振り分けられて、各孔を通って徐々に土壌に供給される。
第1の発明によれば、給水管の管内面側に複数の溝部を形成したので、灌水時には、溝部のそれぞれに水を溜めることができる。このため、給水管が軸方向に傾斜して設置されても、給水管からの水の供給が一部に偏ることなく土壌に対して略均等に灌水できる。したがって、傾斜地に対しても好適に用いることができる。また、給水源の水圧が低い場合であっても、給水管から土壌に対して灌水できるので、ポンプ等の特別な送水設備を用いる必要がなく、設備コストや維持管理コストを低減できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、給水管内に挿通されて、溝部に管壁を介して水を導く導水管をさらに備える。
第2の発明では、給水管(12)内に挿通される導水管(14)をさらに備える。導水管は、たとえば管壁に孔(30)や空隙などを有し、その管壁を介して給水源(16)からの水を給水管の各溝部(20)内に導く。
第2の発明によれば、給水管が上下方向に蛇行するように設置されても、給水管の各溝部には確実に水が供給される。したがって、一様な傾斜を有する耕作地だけでなく、起伏がある(上り下りがある)耕作地にも地中灌水システムを好適に用いることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、給水管は、溝部の孔のそれぞれに設けられる浸透材を備える。
第3の発明では、給水管(12)の溝部(20)に形成される孔(26)のそれぞれには、透水性を有する浸透材(36)が設けられる。浸透材は、たとえば、複数の繊維を撚り合わせて棒状にしたり、帯状の不織布を撚って棒状にしたりすることによって形成され、溝部の孔に嵌り合うように取り付けられる。
第3の発明によれば、給水管の溝部の孔への土砂や植物の根などの侵入が防止されるので、孔の目詰まりを防止できる。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明に従属し、給水管の下方に埋設される遮水部材をさらに備える。
第4の発明では、給水管(12)の下方には、遮水部材(38)が埋設される。遮水部材は、合成樹脂などによって形成される遮水性を有するシートや板などであり、給水管から土壌に供給された水の移動を規制する。遮水部材は、たとえば、給水管の下方において、給水管の全長に亘るように略水平方向に帯状に配置される。
第4の発明によれば、土壌下方への水の無駄な拡散が遮水部材によって防止されるので、植物の根圏に対して適切に水分を供給できる。
第5の発明は、地中灌水システムに用いられて、地下から土壌に水を供給する給水管であって、管内面側において、周方向の少なくとも一部に形成され、かつ軸方向に並ぶ複数の溝部、および溝部のそれぞれに形成される孔を備える、給水管である。
第5の発明では、給水管(12)は、地中灌水システム(10)に用いられ、地下から土壌に水を供給する。給水管は、合成樹脂や金属などによって形成され、その管内面側には、軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の溝部(20)が形成される。実施例では、給水管は、複数の山部(22)と谷部(24)とが軸方向に交互に並設される波形の管壁を有しており、この山部の内面側が溝部として利用される。また、給水管の各溝部には、たとえば周方向に所定間隔で配置される複数の孔(26)が形成される。灌水時には、農業用水配管などの給水源(16)から給水管内に供給された水は、各溝部に振り分けられて、孔を通って徐々に土壌に供給される。
第5の発明によれば、管内面側に複数の溝部を形成したので、灌水時には、溝部のそれぞれに水を溜めることができる。このため、給水管が軸方向に傾斜して設置されても、給水管からの水の供給が一部に偏ることなく土壌に対して略均等に灌水できる。したがって、傾斜地に対しても好適に適用できる地中灌水システムを提供できる。また、給水源の水圧が低い場合であっても、給水管から土壌に対して灌水できるので、ポンプ等の特別な送水設備を用いる必要がなく、地中灌水システムの設備コストや維持管理コストを低減できる。
この発明によれば、給水管の管内面側に複数の溝部を形成したので、給水時には、溝部のそれぞれに水を溜めることができる。このため、給水管が軸方向に傾斜して設置されても、給水管からの水の供給が一部に偏ることなく土壌に対して略均等に灌水できる。したがって、傾斜地に対しても好適に用いることができる。また、給水源の水圧が低い場合であっても、給水管から土壌に対して灌水できるので、ポンプ等の特別な送水設備を用いる必要がなく、設備コストや維持管理コストを低減できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施例である地中灌水システムを傾斜地に適用した様子を示す図解図であり、(A)は、地中灌水システムを側方から見た外観および一部断面を示し、(B)は、地中灌水システムを軸方向から見た断面を示す。 図1の地中灌水システムが備える給水管の一例を示す図解図であり、(A)は、給水管を側方から見た外観および一部断面を示し、(B)は、給水管を軸方向から見た断面を示す。 図1の地中灌水システムにおける水の流れを示す図解図である。 地中灌水システムが備える給水管の他の一例を示す図解図であり、(A)は、給水管を側方から見た外観および一部断面を示し、(B)は、給水管を軸方向から見た断面を示す。 この発明の他の実施例である導水管を用いない場合の地中灌水システムにおける水の流れを示す図解図である。 この発明のさらに他の実施例である地中灌水システムを軸方向から見た断面を示す図解図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である地中灌水システム10は、地下に埋設される給水管12および導水管14を含み、たとえば傾斜を有する耕作地(傾斜地)100に適用されて、植物の生育に必要な水を地下から土壌に供給する。詳細は後述するが、この実施例では、給水源16からの水を、導水管14によって給水管12の全長に行き渡らせ、給水管12に形成された複数の溝部20から土壌に水を供給する。
図2に示すように、給水管12は、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂やステンレス等の金属などによって形成され、その管内面側には、軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の溝部20が形成される。この実施例では、給水管12は、環状の山部22と谷部24とを交互に繰り返す波形状(蛇腹状)の管壁を有しており、この山部22の内面側が、周方向の全周に亘って延びる環状の溝部20となる。なお、溝部20の断面形状は、図2では台形状のものを例示しているが、これに限定されず適宜の形状を適用可能であり、たとえば円形状や方形状などであってもよい。また、給水管20は、円形の管に限定されず、楕円形や矩形などの管であってもよい。給水管12および溝部20の大きさは、特に限定されず、適用する耕作地100の土壌成分などによって適宜設定される。一例として、給水管12の外径(山部22の外径)は、たとえば50−300mmであり、溝部20の幅および深さのそれぞれは、たとえば5−50mmである。
また、各溝部20の底部(山部22の天頂部)には、周方向に所定間隔で配置される複数の貫通孔26が形成される。この周方向の所定間隔は、給水管12をどの周方向位置に設置しても、つまり給水管12が回転したり捩れたりしても、給水管12の底部付近に貫通孔26が位置するように設定される。貫通孔26の大きさは、たとえば直径1−5mmである。
なお、図2では、8つの円形の貫通孔26を溝部20の底部中央において周方向に1列に並べて配置したものを例示しているが、これに限定されない。たとえば、貫通孔26は、スリット状に形成してもよいし、周方向に2列以上に並べて配置したり、溝部20を形成する管壁全体にランダムに分散させて配置したりすることもできる。貫通孔26の大きさ、形状、形成位置および数などは、適用する耕作地100の土壌成分などに応じて適宜設定されるものであり、これらを調整変更することによって、給水管12から土壌への水の供給量を制御することができる。
給水管12の製作には、汎用の波形管(コルゲート管)を原管として用いるとよく、この原管の山部にドリルなどを用いて貫通孔を穿孔することで、容易かつ安価に給水管12を製作できる。
図1に戻って、このような給水管12は、たとえば植物の根圏に沿うように耕作地100に埋設される。なお、図1では1本の給水管12を示しているが、耕作地100が広い場合には、複数本の給水管12を並列に配置するとよい。たとえば、複数の畝がある耕作地100では、畝ごとに給水管12を配置してもよいし、2−3本の畝に1本の割合で給水管12を配置してもよい。隣り合う給水管12同士の間隔は、たとえば500−2000mmとされる。また、給水管12は、基本的には直線状に配置されるが、蛇行するように配置してもよい。
また、給水管12の内部には、合成樹脂や合成ゴムなどによって形成される導水管14が挿通される。導水管14は、給水管12の全長に亘って挿通されて、給水源16からの水を、その管壁に形成される孔や空隙などを介して給水管12の各溝部20まで導くものである。この実施例では、導水管14は、管壁に複数の貫通孔30を有する有孔管である。導水管14の外径は、たとえば5−30mmであり、導水管14の管壁に形成される貫通孔30の大きさは、たとえば直径1−5mmである。また、導水管14の貫通孔30が形成される軸方向の間隔は、給水管12の全ての溝部20に確実に水を導けるように、給水管12の溝部20が形成される軸方向の間隔と同等またはそれ以下に設定されることが好ましい。なお、導水管14の管壁に形成される孔や空隙などは、管壁を直線状に貫くものに限定されず、多孔質状や網目状のものでもよい。また、給水管12への導水時には弱い圧力をかけて送水するようにしても構わない。
給水管12および導水管14の下流側端部は、管端キャップ(図示せず)等によって適宜封止される。また、導水管14の上流側端部は、配水管32を介して、農業用水配管(用水パイプライン)や貯水タンクなどの給水源16と接続される。
このような地中灌水システム10では、灌水時には、たとえば配水管32に設けられたバルブ34を手動で開け閉めすることによって、給水源16から導水管14に対して水が供給される。ただし、電磁弁やタイマ等を利用して、所定の時間帯に自動的に給水源16から水が供給されるようにしてもよいし、給水源16からの取水量を適宜調整して、水が常時供給されるようにしてもよい。
給水源16から導水管14に供給された水は、図3に示すように、導水管14内を通って給水管12の全長に亘るように搬送されると共に、各貫通孔30から導水管14外に出て、給水管12の各溝部20内に振り分けられる。そして、溝部20に一時的に溜められた水は、貫通孔26を通って徐々に土壌に供給され、毛細管現象によって給水管12の周囲に浸透していく。このように、地中灌水システム10では、給水管12の溝部20のそれぞれに水を溜めることができるので、給水管12が軸方向に傾斜して設置されても、給水管12からの水の供給が一部に偏ることなく、土壌に対して略均等に灌水できる。
なお、給水管12から土壌への水の供給量は、上述のように、溝部20の貫通孔26の大きさ、形状、形成位置および数などによって制御可能であり、この場合には、給水管12から土壌に出ていく水の量と導水管14から給水管12に供給される水の量とは、同程度に設定される。ただし、給水管12の溝部20に形成する貫通孔26の孔径を大きくして、溝部20に供給された水は直ぐに土壌に出ていくようにし、土壌への水の供給量は、導水管14から給水管12(溝部20)への水の供給量によって制御するようにしてもよい。
この実施例によれば、給水管12の軸方向に間隔を開けて形成される複数の溝部20のそれぞれに水を溜めることができるので、給水管12が軸方向に傾斜して設置されても、給水管12からの水の供給が一部に偏ることなく、土壌に対して略均等に灌水できる。つまり、給水管12の正確な水平出しを行う必要がないので、傾斜地に対しても好適に用いることができる。また、給水源16の水圧が低い場合であっても、給水管12から土壌に対して灌水できるので、ポンプ等の特別な送水設備を用いる必要がなく、設備コストや維持管理コスト等が低減できる。
また、この実施例では、給水管12に対して周方向全周に亘って延びる環状の溝部20を形成し、溝部20には周方向に所定間隔で配置される複数の貫通孔26を形成した。このため、給水管12を設置する際に、給水管12が捩れたり回転したりしても、常に給水管12の底側には溝部20および貫通孔26が存在することになり、土壌への水の供給は適切に行われる。すなわち、給水管12の周方向位置を気にすることなく設置作業を行うことができるので、地中灌水システム10は、施工が容易となる。
さらに、この実施例では、給水管12内に導水管14を挿通して、導水管14によって給水管12の各溝部20まで水を導くようにしたので、給水管12が上下方向に蛇行するように設置されても、給水管12の各溝部20には確実に水が供給される。このため、地中灌水システム10は、一様な傾斜を有する耕作地だけでなく、起伏がある(上り下りがある)耕作地にも好適に用いられる。特に、畑などの耕作地は、一見すると水平地に見えても起伏がある場合が多いので、地中灌水システム10を利用する効果は大きい。もちろん、地中灌水システム10は、水平地にも好適に用いることができる。
なお、給水管12は、導水管14を覆って保護する機能も有しており、導水管14は土壌と接触しないので、導水管14の貫通孔30が土や砂などによって詰まってしまうことがない。すなわち、導水管14の目詰まりによる導水機能の低下が発生せず、導水管14内を洗浄したり、交換したりする必要が生じないので、地中灌水システム10は、維持管理が容易となる。
また、耕作地100の面積などに応じて、給水管12の大きさや配置態様などを適宜変更することによって、地中灌水システム10は、個人用から大規模なものまで幅広く適用できる。たとえば、庭の花壇に用いることもできるし、大規模な畑作や稲作などに用いることもできる。
図4は、地中灌水システム10が備える給水管の他の一例を示す。図4に示す給水管12は、図2に示す給水管12に浸透材36を設けたものであり、それ以外は図2に示す給水管12と同様であるので、共通する部分については同じ番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図4に示すように、給水管12の管内面側には、軸方向に間隔を開けて並ぶ複数の溝部20が形成され、各溝部20には、周方向に所定間隔で配置される複数の貫通孔26を形成される。そして、貫通孔26のそれぞれには、透水性を有する浸透材36が設けられる。浸透材36は、毛細管現象によって溝部20内の水を給水管12外(土壌)に吸い出すものであり、貫通孔26に嵌り合うように設けられて、溝部20内から給水管12外まで延びる。浸透材36は、たとえば、複数の繊維を撚り合わせて棒状にしたり、帯状の不織布を撚って棒状にしたりすることによって形成される。そして、浸透材36を形成する繊維間が、毛細管現象によって移動する水の通路となる。浸透材36を形成する繊維の材質は、特に限定されず、たとえば、ポリエステル系やポリアミド系などの合成繊維、および綿や麻などの天然繊維などの一般的な繊維を用いることができる。なお、浸透材36は、毛細管現象が生じる素材であれば、繊維以外のもので形成されていても構わない。
図4に示す給水管12では、貫通孔26に浸透材36を設けているので、貫通孔26への土砂や植物の根などの侵入が防止される。したがって、給水管12の貫通孔26の目詰まりを防止でき、地中灌水システム10の維持管理がより容易となる。
なお、図1に示す実施例では、給水管12の内部に導水管14を挿通するようにしたが、一様な傾斜を有する(起伏がない)耕作地100に地中灌水システム10を適用する場合には、導水管14は必ずしも設ける必要はない。この場合には、給水管12の上流側端部に配水管34が接続され、給水源16からの水は給水管12内に直接供給される。給水管12内に供給された水は、図5に示すように、上流側の溝部20内に供給されると共に、一部が越流して、順に下流側の溝部20内に供給される。そして、溝部20に一時的に溜められた水は、貫通孔26を通って徐々に土壌に供給され、毛細管現象によって給水管12の周囲に浸透していく。なお、導水管14を省略する場合には、溝部20に設けられる貫通孔26は、小さめに形成され、給水源16から供給された水が給水管12の下流端側の溝部20まで適切に行き渡るようにされる。このように、導水管14を省略することで、地中灌水システム10の更なるコストダウンを図ることができる。
また、地中灌水システム10の他の実施例として、図6に示すように、給水管12の下方に埋設される遮水部材38をさらに備えるようにしてもよい。遮水部材38は、ポリエチレンおよびポリ塩化ビニル等の合成樹脂などによって形成される遮水性を有するシートや板などであり、給水管12から土壌に供給された水の移動を規制するものである。一例として、遮水部材38は、給水管12底部からたとえば10−50mm離れた下方において、給水管12の全長に亘るように略水平方向に帯状に配置され、その両側部は、給水管12に沿うように立ち上げられる。
このように遮水部材38を給水管12の下方に設けることによって、給水管12から土壌に供給された水は、下方および側方への移動が抑制され、毛管水として上方に移動し易くなる。したがって、植物の根圏に対してより効率よく水を供給できるようになる。ただし、遮水部材38は、給水管12の下方において略水平方向のみに配置されるだけでもよい。なお、遮水部材38を容器状に形成したり、耕作地100の広範囲に亘って配置したりすると、降雨があったときに水が溜まってしまい、根腐れ等が発生する恐れがあるので、過度の水は下に抜けるような孔などを遮水部材38に形成しておくことが好ましい。
また、上述の各実施例では、給水管12の溝部20を周方向に延びる独立した環状に形成したが、これに限定されず、給水管12の管内面に沿って螺旋状に延びる溝を形成し、その溝を溝部20としてもよい。また、溝部20は、必ずしも周方向全周に亘って形成される必要はない。溝部20は、少なくとも給水管12の底部に形成されていればよく、周方向の一部、たとえば周方向の半分や4分の1に亘って延びる円弧状に形成することもできる。さらに、たとえば、円形の凹みを軸方向に並べて配置したものを溝部20としてもよいし、給水管12の管内空間の下部を軸方向に所定間隔で仕切る複数の堰部(たとえば半円状の突出部)を形成し、その堰部によって区画された各部分を溝部20としてもよい。
なお、周方向の一部に溝部20を形成する場合には、給水管12の設置時の目印として、溝部20の周方向中央と対向する管外面位置に、突起や溝などを形成したり、ロゴマーク等の印刷を施したりしておくとよい。このような目印を設けておくことによって、給水管12の底部に溝部20が位置するように、給水管12を確実に設置できる。
また、給水管12の軸方向全長に亘って凹凸を繰り返すように溝部20を形成する必要はなく、給水管12の軸方向の一部に溝部20を形成することもできる。つまり、給水管12の溝部20は、灌水を行いたい必要な場所に設けてあればよく、給水管12は、溝部20が形成される波形状の部分の他に、溝部20が形成されないプレーン管の部分を有していてもよい。たとえば、溝部20を有する管と通常のプレーン管とを接続して給水管12を形成しても構わない。また、溝部20は、必ずしも軸方向に一定の間隔で設けられる必要もない。
さらに、溝部20は、給水管12の管内面側に形成されていればよいので、給水管12の管外面側は平滑に形成されていてもよい。また、各溝部20に1つの貫通孔26を形成するだけでもよい。この場合には、上述のような設置時の目印を貫通孔26と対向する管外面位置に形成しておくとよい。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …地中灌水システム
12 …給水管
14 …導水管
16 …給水源
20 …溝部
26 …給水管の貫通孔
30 …導水管の貫通孔
36 …浸透材
38 …遮水部材
100 …耕作地

Claims (5)

  1. 地下に埋設された給水管から土壌に水を供給する地中灌水システムであって、
    前記給水管は、
    管内面側において、周方向の少なくとも一部に形成され、かつ軸方向に並ぶ複数の溝部、および
    前記溝部のそれぞれに形成される孔を備える、地中灌水システム。
  2. 前記給水管内に挿通されて、前記溝部に管壁を介して水を導く導水管をさらに備える、請求項1記載の地中灌水システム。
  3. 前記給水管は、前記溝部の孔のそれぞれに設けられる浸透材を備える、請求項1または2記載の地中灌水システム。
  4. 前記給水管の下方に埋設される遮水部材をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の地中灌水システム。
  5. 地中灌水システムに用いられて、地下から土壌に水を供給する給水管であって、
    管内面側において、周方向の少なくとも一部に形成され、かつ軸方向に並ぶ複数の溝部、および
    前記溝部のそれぞれに形成される孔を備える、給水管。
JP2011127822A 2011-06-08 2011-06-08 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管 Active JP5916302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011127822A JP5916302B2 (ja) 2011-06-08 2011-06-08 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011127822A JP5916302B2 (ja) 2011-06-08 2011-06-08 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012254028A true JP2012254028A (ja) 2012-12-27
JP5916302B2 JP5916302B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=47526247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011127822A Active JP5916302B2 (ja) 2011-06-08 2011-06-08 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5916302B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2546988A (en) * 2016-02-03 2017-08-09 Self Irrigation System Ltd Dispenser for dispensing water and fertiliser
CN113853981A (zh) * 2021-09-25 2021-12-31 广东德泽建设工程有限公司 一种景观生态边坡智能化绿化养护结构及其施工方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4837717Y1 (ja) * 1970-04-14 1973-11-09
JPS492926Y1 (ja) * 1970-02-25 1974-01-24
JPS499148Y1 (ja) * 1969-11-25 1974-03-04
JPS5386343A (en) * 1976-12-14 1978-07-29 Henttonen M W Artificial irrigating method and device for flower bed and garden
JPS6336715A (ja) * 1986-07-31 1988-02-17 有限会社 イデアリサ−チ 植物栽培方法
JPH0532A (ja) * 1991-06-24 1993-01-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 水耕栽培装置
JPH07170866A (ja) * 1993-12-17 1995-07-11 U C Sangyo Kk 保水パイプ
US5752784A (en) * 1995-02-17 1998-05-19 The Motz Group Low profile drainage network for athletic field drainage system
US20080017729A1 (en) * 2006-07-07 2008-01-24 Kuang-Bao Ou-Young High volume dripping hoses

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS499148Y1 (ja) * 1969-11-25 1974-03-04
JPS492926Y1 (ja) * 1970-02-25 1974-01-24
JPS4837717Y1 (ja) * 1970-04-14 1973-11-09
JPS5386343A (en) * 1976-12-14 1978-07-29 Henttonen M W Artificial irrigating method and device for flower bed and garden
JPS6336715A (ja) * 1986-07-31 1988-02-17 有限会社 イデアリサ−チ 植物栽培方法
JPH0532A (ja) * 1991-06-24 1993-01-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 水耕栽培装置
JPH07170866A (ja) * 1993-12-17 1995-07-11 U C Sangyo Kk 保水パイプ
US5752784A (en) * 1995-02-17 1998-05-19 The Motz Group Low profile drainage network for athletic field drainage system
US20080017729A1 (en) * 2006-07-07 2008-01-24 Kuang-Bao Ou-Young High volume dripping hoses

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2546988A (en) * 2016-02-03 2017-08-09 Self Irrigation System Ltd Dispenser for dispensing water and fertiliser
GB2546988B (en) * 2016-02-03 2018-09-12 Self Irrigation System Ltd Dispenser for dispensing water and fertiliser
US10750666B2 (en) 2016-02-03 2020-08-25 Self Irrigation System Limited Dispenser for dispensing water and fertiliser
CN113853981A (zh) * 2021-09-25 2021-12-31 广东德泽建设工程有限公司 一种景观生态边坡智能化绿化养护结构及其施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5916302B2 (ja) 2016-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2955996B1 (en) Cultivation floor system and method of use
JP6041190B2 (ja) 地下灌漑システム
US20220142065A1 (en) Liquid Containment and Focus for Subterranean Capillary Irrigation
US10548258B2 (en) Seed tape, seed tape system and greening or planting system
JP2010501166A (ja) 新型排水灌漑配管装置
US10091956B2 (en) Subsurface irrigation systems and methods
JP5916302B2 (ja) 地中灌水システムおよびそれに用いる給水管
US20090242492A1 (en) Subsurface wastewater disposal system
US20080025796A1 (en) Root irrigation device
KR101019776B1 (ko) 식생블록의 수분공급 시스템
WO2008132749A1 (en) Improved underground irrigation system
JP5872195B2 (ja) 地下灌漑システム
US3256693A (en) Lawn watering device
JP6803783B2 (ja) 田畑転換方法および灌漑排水システム
JP2013135700A (ja) 地下灌漑システム
KR100899775B1 (ko) 징검다리형 인공 수로습지
JP6094787B2 (ja) 地下灌漑用部材およびそれを用いた地下灌漑システム
KR101044221B1 (ko) 지중관수 시스템
WO2017035410A1 (en) Liquid containment and focus for subterranean capillary irrigation
JP5975381B2 (ja) 植栽基盤及び植栽基盤の施工方法、緑化エリアのボーダー部処理構造
JP5907462B2 (ja) 植栽基盤
CN217378812U (zh) 一种生态景观型灌溉渠结构
KR20130004341U (ko) 잔디 식재 배수로 구조물
JP5206939B2 (ja) 給水チューブ
IL169155A (en) Crop irrigation and/or liquid nutrition device, application of such a device and method for its manufacture

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20140320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151225

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5916302

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350