JP2012252849A - 高周波・高速パルス用絶縁機構および絶縁装置ならびに電流導入端子 - Google Patents

高周波・高速パルス用絶縁機構および絶縁装置ならびに電流導入端子 Download PDF

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Abstract


【課題】高周波電流や立ち上がりの早い高速パルス電流の伝送ロスが少なく、絶縁部の発熱が少なく、且つ浮遊容量の小さい、絶縁機構および絶縁装置ならびに電流導入端子を提供する。
【解決手段】第1導電部と第2導電部との間に設ける絶縁機構において、前記第1導電部と前記第2導電部との間で前記第1導電部と前記第2導電部とを支持する第1絶縁部と、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1絶縁部より誘電率が低い第2絶縁部とを有する絶縁機構。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高周波電流や立ち上がりの早い高速パルス電流(以下、高周波電流とまとめる)を電気的に絶縁するために好適な、絶縁機構および該絶縁機構を持つ絶縁装置、ならびに該絶縁機構を持つ電流導入端子に関する。
高周波電流を伝送するための金属線や金属板、金属棒など(以下、高周波伝送材、又は導電部と呼ぶ)は、不用意に触れて感電したり、付近の金属や電子部品などの間に放電が生じないように、ポリエチレンなどの絶縁材料で被覆されているのが一般的である。
また、高周波伝送材をこれと同電位にない箇所に固定する際、該高周波伝送材と該高周波伝送材と同電位にない箇所との間を電気的に絶縁すること、更に、これらを物理的に固定することの二つの条件を満足させる必要があり、ここで用いる絶縁材としては、陶磁器やフッ素系樹脂などの絶縁物質で構成される碍子を用いる。
また、高周波伝送材を圧力や温度など環境条件が異なる二つの空間を隔てる隔壁に貫通させて固定する際、該高周波伝送材と該高周波伝送材と同電位にない隔壁との間を電気的に絶縁すること、更に、これらを物理的に固定すること、及び環境条件の異なる二つの空間を隔てることの三つの条件を満足させる必要があり、一般的には電流導入端子などという名称で市販されている(非特許文献1参照)。
http://www.cosmotec-co.jp/product/va/dtn/s_j/3kv-35a.htm
こうした用途に用いる絶縁材料には、単位長さあたりの絶縁抵抗が大きく、容易に絶縁が破壊されない素材が用いられるが、伝送する高周波電流の周波数が高くなるにつれ、絶縁材料の誘電率が問題となる。
すなわち、誘電率が大きい素材を絶縁材として用いると、高周波伝送材−絶縁材−高周波伝送材の構造が、コンデンサとして機能する。こうした、予期しない部分で発生するコンデンサ構造により生じる容量成分を、浮遊容量などと呼ぶ。ここに周波数の高い周波電流が印加されると、コンデンサは抵抗器として振舞うため、絶縁物を介して高周波電流が流れ、伝送ロスが発生する。同時に、ジュール発熱のため絶縁材が加熱され、該絶縁材料が劣化し、時には破壊される。
このため、絶縁する高周波電流の周波数が高い場合は、誘電率の小さい物質を使用するが、その種類は限られており、また、該物質が物理的な強度を備えていたり、あるいは二つの環境を隔てる能力を備えていたりすることは珍しい。
こうした問題点から、たとえば電流導入端子などを使用する機器を設計する場合、伝送ロスが発生することを見越して、より多くの電力を印加し、また、電流導入端子の材質には、誘電率が大きくても物理的な強度に優れ、耐熱性の高い材料をやむを得ず使うのが一般である。
しかしながら、こうした対処は省エネルギーの観点から望ましくないばかりではなく、絶縁材が加熱されることにより安全性が損なわれ、絶縁材の劣化が促進されるなどの問題となる。
さらには、本来、高周波電流を消費させたい対象物の抵抗が極端に大きい場合、絶縁機構での抵抗の方が小さくなってしまうため、従来技術の絶縁機構では、電力の供給そのものが難しくなる場合もある。
また、立ち上がりの早い高速パルス電流の場合、誘電率の大きい絶縁材を用いると、該絶縁材により発生する浮遊容量のためにパルスの立ち上がり時間が延びたり、波高値が減少したり、パルスの波形そのものが変形するなどの問題を生じる。
以上のような点に鑑み、本発明は、絶縁機構が、誘電率の異なる2種以上の絶縁材(以下、絶縁部ともいう)を備えることにより、絶縁材(以下、絶縁部ともいう)として誘電率の高い材質を用いた場合でも、伝送ロスが少なく、該絶縁部の発熱が少なく、且つ浮遊容量の小さい、絶縁機構および絶縁装置ならびに電流導入端子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、絶縁機構が、誘電率の異なる2種以上の絶縁部を備えることにより、上記課題が解決されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る絶縁機構は、第1導電部と第2導電部との間に設ける絶縁機構において、前記第1導電部と前記第2導電部との間で前記第1導電部と前記第2導電部とを支持する第1絶縁部と、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1絶縁部より誘電率が低い第2絶縁部とを有する。
上記本発明の絶縁機構は、誘電率の異なる2種以上の絶縁部を備えることにより、導電部間に発生する浮遊容量を低減でき、その結果、高い周波数の電流を印加した場合でも、伝送ロスが少なく、該絶縁部での発熱を低減することができる。
本発明に係る絶縁機構においては、前記絶縁機構の一の断面において、前記第1導電部の断面が前記第2絶縁部の断面より小さいことが、導電部間に発生する浮遊容量を低減する観点から好ましい。
本発明に係る絶縁機構においては、前記第1導電部に、前記第2絶縁部が接していることが、導電部間に発生する浮遊容量を低減する観点から好ましい。
また、本発明は、前記本発明に係る絶縁機構を備え、且つ導電部を物理的に保持できる機構を備えた絶縁装置も提供する。
更に、本発明は、前記本発明に係る絶縁機構を備え、且つ導電部を物理的に保持できる機構と、環境条件の異なる空間を隔てる機構とを備えた電流導入端子も提供する。
本発明は、絶縁機構が、誘電率の異なる2種以上の絶縁部を備えることにより、導電部間に発生する浮遊容量を低減でき、その結果、高い周波数の電流を印加した場合でも、伝送ロスが少なく、該絶縁部での発熱を低減することができる。
従来の絶縁機構を説明する図 本発明に係る絶縁機構の一例を説明する図 本発明に係る絶縁機構の他の一例を説明する図 本発明に係る絶縁機構の他の一例を説明する図 (A)本発明に係る絶縁機構を備えた碍子の設計図、(B)図(A)のア−イ断面図 (A)従来技術により設計された電流導入端子の側面図、(B)図(A)のウ−エ断面図 従来技術により設計された電流導入端子に高周波電流を通じたところ焼損した写真 (A)本発明に係る絶縁機構を備えた電流導入端子の側面図、(B)図(A)のオ−カ断面図 本発明に係る絶縁機構を備えた電流導入端子の写真 (A)本発明に係る絶縁機構の他の一例を説明する図、(B)図(A)のキ−ク断面図、(C)図(A)のケ−コ断面図、(D)図(A)のサ−シ断面図
以下、本発明の高周波・高速パルス用絶縁機構および絶縁装置ならびに電流導入端子について、図1から図5を用いて説明する。
本発明の実施の形態においては、絶縁機構の絶縁部に誘電率の異なる2種以上の絶縁材を用いる手法であれば特に限定されない。
また、本発明の実施の形態においては、電位が異なる一組以上の導電部が、絶縁部を介して対向する断面積が最も小さくなるように、これらの導電部の位置をずらして配置する構造であれば特に限定されない。
まず、本実施形態における原理を図1および図2を用いて説明する。接地電位に対して電位差を持つ導電部1を、絶縁部2を用いて電気的に絶縁し、接地電位と同電位にある高周波伝送材により形成された導電部3に固定する手法を考えたとき、従来の手法を用いて電気的絶縁と物理的固定を満足する形態を模式したのが図1である。該導電部3と見立てた無限大の金属板の上に、絶縁部2として高さ5cm、横幅20cm、奥行き10cm、誘電率が9.35×10−11F/mのアルミナ磁器製の板を置き、その上に横幅20cm、奥行き10cmの導電部1と見立てた金属板を置く。このとき、導電部1と3の間に発生する静電容量は、
(静電容量)=(誘電率)×(対向する金属板の断面積)÷(絶縁体の厚み)
の公式より3.7×10−11Fとなる。
このとき、3.7×10−11Fの静電容量は、高周波電流に対しては抵抗器として働く。その抵抗値(容量性リアクタンス)の大きさは周波数に依存し、
(容量性リアクタンス)=1÷〔2×円周率×静電容量×周波数〕
で求められる。上記で導出した値を用いると、高周波電流の周波数が1kHzのとき4.3MΩ,1MHzのとき4.3kΩ、100MHzのとき43Ωとなる。
また、負荷インピーダンスが50Ωで終端する回路系で、高周波電力を50kWで投入したと仮定すると、この導電部1と見立てた金属板には、
(電圧)=(電力)×(負荷インピーダンス)
の公式より1600Vが印加されることとなる。
電圧が抵抗器に印加されると電流が流れるため、ジュール熱が発生する。このジュール熱は
(ジュール熱)=(電圧)÷(抵抗値)
の公式であらわされる。このときの抵抗値は周波数によって異なるため、上記で導出した値を用いて各々のジュール熱を求めると1kHzのとき0.53W,1MHzのとき530W,100MHzのとき60kWとなる。この熱は、絶縁部を加熱させる原因となり、伝送ロスの原因となる。また、100MHzのとき、伝送ロスの電力が、投入される高周波電力量を上回っており、すなわち負荷には電力が供給されないことになる。
次に、本実施形態における絶縁機構を考え、図2を用いて説明する。構造を支える絶縁部2として先の例と同じくアルミナ磁器製の板を用い、その中心部に高さ4cm、横幅15cm、奥行き10cmのくりぬき構造を設け、該くりぬき構造の内部に絶縁部2よりも誘電率が低い絶縁部4として、誘電率が8.85×10−12F/mの空気を設置する。
この構造では、空気という物理的強度の乏しい素材を絶縁部4として使用しているにもかかわらず、構造を支える絶縁部2により形状が保持されているため、導電部1は正常に固定されている。
このとき導電部1と3の間に発生する静電容量を計算すると1.3×10-11Fまで低減される。
次に、本実施形態における絶縁機構の第二の形態として、先のくりぬき構造をさらに拡大したものを図3を用いて説明する。これは、導電部1の下に構造を支える絶縁部2の柱がまったくない構造である。構造を支える絶縁部2として先の例と同じくアルミナ磁器製の板を用い、その中心部に高さ4cm、横幅22cm、奥行き10cmのくりぬき構造を設け、該くりぬき構造の内部に絶縁部2よりも誘電率が低い絶縁部4として、誘電率が8.85×10−12F/mの空気を設置する。
このとき導電部1と3の間に発生する静電容量を計算すると4.3×10-12Fまで低減される。
求められた静電容量を元に、同様の条件を仮定して発熱量を算出すると、1kHzのとき0.069W,1MHzのとき69W,100MHzのとき6.9kWまで低減できる。また、100MHzのとき、本実施形態では伝送ロスの電力が、投入される高周波電力量を下回っており、すなわち負荷に電力が供給されることが明らかとなる。
この絶縁機構において、誘電率が低い材質として空気を用いているが、この空気を常に送風ファンなどで循環させることで、絶縁構造全体の熱を冷やすクーラントとしての機能をもたせることができる。
また、このように気流を流すことにより、偶存電子やイオン、または高電界により発生した電子やイオンが気流により取り除かれるため、気流を流していないときに比べ絶縁耐圧を高める効果が期待できる。
また、風が通る絶縁機構の部分に、フィン構造を作成し、放冷表面積を増やすことで冷却効率を高めてもよい。
また、誘電率の低い絶縁部として、空気の代わりに真空、二酸化炭素、及び六フッ化硫黄等を用いることができる。また、二酸化炭素及び六フッ化硫黄のように、放電開始電圧が高い気体などを用いることで、より絶縁耐圧の高い絶縁機構を形成することもできる。
また、気体を封入する部分を密閉構造とし、該密閉構造内の気圧を常圧以上に保つことで、より高い絶縁構造とすることができる。
あるいは、気体を封入する部分を密閉構造とし、該密閉構造内の気圧を常圧以下に保つと、気体の誘電率が気圧に比例して下がるため、浮遊容量がより少なく、発熱や伝送ロスの少ない絶縁機構を実現することができる。
つぎに、本実施形態における絶縁機構の第三の形態について図4を用いて説明する。本実施形態の絶縁機構は、電位が異なる導電部1,5が、絶縁部2を介して対向しないように、図4(A)のように位置をずらして配置する構造を持つ。また、本実施形態の第二形態に関わる機構を加味し、誘電率の高い絶縁部2の内部をくりぬき構造とし、そこに誘電率の低い物質を設置した図4(B)のような形態でもよい。
これらの形態では、導電部1,5が絶縁部2,4を介して対向する断面積がほぼゼロになるため、原理的には静電容量を発生しない。このため、絶縁部が加熱され電力がロスされることを防ぐことができる。
実際には断面積がゼロではなく、図4(A)では絶縁部2を介してコンデンサを形成するため、図4(B)のように誘電率の低い絶縁部4を絶縁部2内部に持つことが望ましい。
本発明に係る絶縁機構は、誘電率の異なる2種以上の絶縁部を備えることにより、導電部間に発生する浮遊容量を低減でき、その結果、高い周波数の電流を印加した場合でも、伝送ロスが少なく、該絶縁部での発熱を低減することができる。そのため、大電力を送電することも可能である。また、浮遊容量が少ないため、パルス電流を用いた場合でもパルスの立ち上がり時間が延びたり、波高値が減少したり、パルスの波形そのものが変形するなどの問題を生じない。
次に、本発明を碍子に適応する場合について説明する。
本発明に係る絶縁機構を備えた電流導入端子の設計図の一例が、図5である。図5(A)は天頂から見た図、図5(B)は図5(A)に示すア−イの一点破線で切断したときの断面図である。接地電位と同電位にある高周波伝送材からなる構造物(図示せず)に高周波伝送材からなるフランジ8をネジ穴7を用いて固定し、さらにこれを絶縁部2を用いて電気的に絶縁し、接地電位に対して電位差を持つ高周波伝送材をネジ6を用いて固定する、いわゆる碍子である。絶縁部2の内部はくりぬかれた構造となっており、内部には比較的誘電率の低い絶縁材として空気が設置されている。また、フランジ8も中心部がくりぬかれた構造となっており、ネジ6と対向する面積がない構造をとる。
次に、本発明を電流導入端子に適応する場合について説明する。
従来の手法を用いて電流導入端子を製作した例が図6である。図6(A)は製作した電流導入端子を側面から見た図、図6(B)は図6(A)に示すウ−エの一点破線で切断したときの断面図である。接地電位と同電位にある高周波伝送材からなる構造物隔壁(図示せず)に高周波伝送材からなるフランジ11をネジ穴14を用いて固定し、さらにこれを絶縁部12を用いて電気的に絶縁し、また、構造物隔壁の内外を密閉する機能を持つ。接地電位に対して電位差を持つ導電部13は絶縁部12の内部を貫通し、かつ気密を保った状態で設置されており、高周波電流はこの導電部13を通じて、構造物の内外を行き来する。これは、一般的な電流導入端子の形態である。
一般的な電流導入端子を用いた本参考例では、Lの直径が42mmで高さが55mmの円筒形と、Lの直径が37mmで高さが50mmの円筒形を組み合わせた形状のものを、誘電率が1.86×10−11F/mのポリテトラフルオロエチレンを削りだしにより作成した。導電部13には直径8mm、長さ50cmの真鍮製全ネジを用いた。隔壁との固定のためにはステンレス製フランジICF70を用いた。
この電流導入端子を介して誘導型の負荷を接続し、13.56MHzの電力を2kW、2MHzの電力を4kW、重畳して印加した。このときの電流導入端子を通過する電流は63.91Aから86.14Aの範囲であった。
本形態では、通電から35分で絶縁素材が加熱されることが原因と思われる異常放電を生じ、図7に示すように絶縁機構が燃損し、それ以降の通電が不可能となった。この異常放電を生じたのは図6(A)のフランジ11と導電部13とが絶縁部12を介して対向する部分であることが、図7の写真から明らかである。
次に、本発明の手法を用いて電流導入端子を製作した例が図8である。図8(A)は製作した電流導入端子を側面から見た図、図8(B)は図8(A)に示すオ−カの一点破線で切断したときの断面図である。接地電位と同電位にある高周波伝送材からなる構造物隔壁(図示せず)に高周波伝送材からなるフランジ11をネジ穴14を用いて固定し、さらにこれを絶縁部12を用いて電気的に絶縁し、また、構造物隔壁の内外を密閉する機能を持つ。絶縁部12の中心部はくりぬかれており、内部には比較的誘電率の低い絶縁部15として空気を設置した。接地電位に対して電位差を持つ導電部13は絶縁部12の内部を貫通し、かつ気密を保った状態で設置されており、高周波電流はこの導電部13を通じて、構造物の内外を行き来する。
本実施例では、L3の直径が37mmで高さが50mmの円筒形と、Lで示される外形37mm、Lで示される内径が30mmで高さが120mmのパイプ状の物体を組み合わせた形状のものを、誘電率が1.86×10−11F/mのポリテトラフルオロエチレンを削りだしにより作成した。導電部13には直径8mm、長さ50cmの真鍮製全ネジを用いた。隔壁との固定のためにはステンレス製フランジICF70を用いた。
本発明の形態を伴った電流導入端子を同条件で用いたところ、通電前は20℃であった絶縁素材表面温度が、通電から20分で140℃まで上昇したが、その後は温度の上昇が認められなかった。また、絶縁部12が焼損するようなことはなかった。
中心部の導電部13は、自身の持つ抵抗分により大電流を流した際にジュール熱を発する。また、周囲の絶縁部12,15の温度が上がることで副次的に温度が上がることがあるため、必要に応じて中空のパイプ構造とし、気流や冷却水を通じることで強制的に冷却してもよい。
また、絶縁素材は高周波伝送材の温度の上昇や、誘導加熱などにより温度が上がることがあるため、必要に応じて中空のパイプ構造とし、気流や冷却水を通じることで強制的に冷却してもよい。
また、中心部の導電部と誘電率の高い絶縁部と誘電率の低い絶縁部とが触れ合う部分は、3種類の異なる材料が一箇所で接合される「トリプルジャンクション」と呼ばれる、きわめて異常放電を生じやすい構造となる。このため、高い電圧を絶縁する必要がある場合には、導電部か、誘電率の高い絶縁部の形状を階段状にする、あるいは球面を持たせるなど、電界を緩和し沿面距離を延ばす構造をとったほうが好ましい。
次に、本発明の絶縁機構の応用例として、二つの電位の異なる高周波を伝送する機構が図10である。図10(A)は、設計した高周波を伝送する機構を側面から見た図、図10(B)は図10(A)に示すキ−ク、図10(C)は図10(A)に示すケ−コ、図10(D)は図10(A)に示すサ−シの一点破線で切断したときの断面図である。
本実施例では、導電部22および23同士が各断面において、必ず絶縁部21よりも誘電率が低い空気の層24を介して対向する構造をとる。図10(B)に示す断面において、導電部22は誘電率が高いが、物理的強度に優れた絶縁部21に覆われており、該絶縁部21は導電部22を物理的に固定する役割を果たしている。一方、導電部23は空気の層24に浮かんでいる構造をとる。
また、図10(D)に示す断面において、導電部23は誘電率が高いが、物理的強度に優れた絶縁部21に覆われており、該絶縁部21は導電部23を物理的に固定する役割を果たしている。一方、導電部22は空気の層24に浮かんでいる構造をとる。
一方で、図10(C)に示す断面においては、いずれの導電部22,23も空気の層24に浮かんでいる構造をとっている。構造的強度によるが、可能な限り、中央の断面の状態が長距離に渡って続くことが望ましい。
こうした構造を繰り返すことで、導電部を空間中で保持することと、高周波的に絶縁することを同時に満たす、高周波を伝送する機構が実現する。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
1 導電部(金属板)
2 絶縁部(アルミナ磁器製の板)
3 導電部(金属板)
4 絶縁部(絶縁部2よりも誘電率が低い)
5 導電部
6 高周波伝送材固定用ネジ
7 ネジ穴
8 導電部(金属板)
11 高周波伝送材により形成されるフランジ
12 絶縁部(高い誘電率を持つが物理的強度に優れる)
13 導電部
14 ネジ穴
15 絶縁部(絶縁部12よりも誘電率が低い)
21 絶縁部
22 導電部
23 導電部
24 絶縁部(空気の層)(絶縁部21よりも誘電率が低い)

Claims (5)

  1. 第1導電部と第2導電部との間に設ける絶縁機構において、
    前記第1導電部と前記第2導電部との間で前記第1導電部と前記第2導電部とを支持する第1絶縁部と、前記第1導電部と前記第2導電部との間に設けられ、前記第1絶縁部より誘電率が低い第2絶縁部とを有する絶縁機構。
  2. 前記絶縁機構の一の断面において、前記第1導電部の断面が前記第2絶縁部の断面より小さい請求項1に記載の絶縁機構。
  3. 前記第1導電部に、前記第2絶縁部が接している請求項1又は2に記載の絶縁機構。
  4. 少なくとも請求項1乃至3のいずれかに記載の絶縁機構を備え、且つ導電部を物理的に保持できる機構を備えた絶縁装置。
  5. 少なくとも請求項1乃至3のいずれかに記載の絶縁機構を備え、且つ導電部を物理的に保持できる機構と、環境条件の異なる空間を隔てる機構とを備えた電流導入端子。
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