JP2012251781A - 車両試験方法および車両試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軌道上での鉄道車両の走行状態を軌条輪上でより再現性を高めて模擬する車両試験方法を提供する。
【解決手段】台車枠102に一対の輪軸103が支持されそれぞれの輪軸に一対の車輪101が輪軸の軸線C1回りに回転可能に支持された鉄道車両100について、二対の車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの台車枠の走行状態を、二対の車輪が軌条輪上で走行するときの台車枠の走行状態で模擬する車両試験方法であって、二対の車輪が軌道上で走行するときと二対の車輪が軌条輪上で走行するときとで、台車枠における鉄道車両の幅方向Dの加速度が等しくなるとともに、台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、軌条輪を幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求め、補正通り不整変化量に基づいて軌条輪を幅方向に移動させながら、軌条輪上で二対の車輪を走行させる。
【選択図】図1
【解決手段】台車枠102に一対の輪軸103が支持されそれぞれの輪軸に一対の車輪101が輪軸の軸線C1回りに回転可能に支持された鉄道車両100について、二対の車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの台車枠の走行状態を、二対の車輪が軌条輪上で走行するときの台車枠の走行状態で模擬する車両試験方法であって、二対の車輪が軌道上で走行するときと二対の車輪が軌条輪上で走行するときとで、台車枠における鉄道車両の幅方向Dの加速度が等しくなるとともに、台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、軌条輪を幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求め、補正通り不整変化量に基づいて軌条輪を幅方向に移動させながら、軌条輪上で二対の車輪を走行させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両の軌道上での走行状態を軌条輪上で模擬する車両試験方法および車両試験装置に関する。
鉄道車両が走行する軌道は、軌道の長手方向に対して歪んでいて、この歪みは、上下方向の高低不整と、軌道の幅方向の通り不整とに分類される。軌道に歪みがあると走行中に鉄道車両が振動して走行に支障をきたしたり、鉄道車両の乗客の乗り心地が悪くなったりする場合がある。
このため、軌道上を走行する鉄道車両の走行状態を、実験室内に配置された軌条輪上で再現させる車両試験方法が検討されている。前述した2つの不整のうちの高低不整は軌条輪上で再現できるようになったが、通り不整の再現は難しく検討が続けられている。
このため、軌道上を走行する鉄道車両の走行状態を、実験室内に配置された軌条輪上で再現させる車両試験方法が検討されている。前述した2つの不整のうちの高低不整は軌条輪上で再現できるようになったが、通り不整の再現は難しく検討が続けられている。
例えば、特許文献1に開示された車両試験方法は、軌条輪の駆動軸を回転させる駆動装置と、軌条輪を強制的に幅方向に振動させる加振装置と、駆動装置および加振装置を制御する制御装置とを備えている。
制御装置は、駆動軸の回転速度や、加振装置から軌条輪に加えられる振動の振幅などを制御する。制御装置には、軌道および軌条輪の上部に配置された鉄道車両の仮想の走行状態をシミュレーションするシミュレーション装置が接続されている。
シミュレーション装置は、複数の波長で振動する軌条輪の上部での鉄道車両の幅方向の振動加速度と、複数の波長で通り不整が生じる軌道の上部での鉄道車両の幅方向の振動加速度とを、波長ごとにシミュレーション結果から算出する。
制御装置は、駆動軸の回転速度や、加振装置から軌条輪に加えられる振動の振幅などを制御する。制御装置には、軌道および軌条輪の上部に配置された鉄道車両の仮想の走行状態をシミュレーションするシミュレーション装置が接続されている。
シミュレーション装置は、複数の波長で振動する軌条輪の上部での鉄道車両の幅方向の振動加速度と、複数の波長で通り不整が生じる軌道の上部での鉄道車両の幅方向の振動加速度とを、波長ごとにシミュレーション結果から算出する。
しかしながら、上記特許文献1の車両試験方法では、鉄道車両の幅方向の加速度の振幅のみしか再現させることができない。
このため、軌道上の鉄道車両と軌条輪上の鉄道車両とで、ヨー角の大きさなどの走行状態の差が大きく、軌条輪上で鉄道車両の走行状態を適切に評価できないという問題がある。
このため、軌道上の鉄道車両と軌条輪上の鉄道車両とで、ヨー角の大きさなどの走行状態の差が大きく、軌条輪上で鉄道車両の走行状態を適切に評価できないという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、軌道上での鉄道車両の走行状態を軌条輪上でより再現性を高めて模擬する車両試験方法および車両試験装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の車両試験方法は、台車枠に一対の輪軸が支持されそれぞれの前記輪軸に一対の車輪が前記輪軸の軸線回りに回転可能に支持された鉄道車両について、二対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記台車枠の走行状態を、二対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記台車枠の走行状態で模擬する車両試験方法であって、二対の前記車輪が前記軌道上で走行するときと二対の前記車輪が前記軌条輪上で走行するときとで、前記台車枠における前記鉄道車両の幅方向の加速度が等しくなるとともに、前記台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、前記輪軸の質量mw、前記輪軸のヨー慣性半径iw、それぞれの前記輪軸の前記幅方向の変位yw1、yw2、それぞれの前記輪軸のヨー角度ψw1、ψw2、それぞれの前記輪軸の位置における前記軌道の前記通り不整yR1、yR2、前記台車枠の質量mt、前記台車枠のヨー慣性半径it、前記台車枠の前記幅方向の変位yt、前記台車枠のヨー角度ψt、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記鉄道車両の進行方向に支持する進行側支持部材の支持剛性kX、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記幅方向に支持する一対の幅側支持部材の支持剛性kY、一対の前記幅側支持部材の中心の前記幅方向の距離2b、それぞれの前記輪軸の重心と前記台車枠の重心との前記進行方向の距離a、前記軌道と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22r、前記軌道と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11r、前記軌条輪と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22p、前記軌条輪と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11p、前記車輪が前記軌道上を走行するときの等価踏面勾配γer、前記車輪が前記軌条輪上を走行するときの等価踏面勾配γep、前記鉄道車両の前記進行方向の走行速度v、一対の前記車輪が前記軌道および前記軌条輪に接触する前記幅方向の間隔2d、および、前記車輪の平均の半径r0を用いて、前記軌条輪を前記幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求め、前記補正通り不整変化量に基づいて前記軌条輪を前記幅方向に移動させながら、前記軌条輪上で二対の前記車輪を走行させることを特徴としている。
本発明の車両試験方法は、台車枠に一対の輪軸が支持されそれぞれの前記輪軸に一対の車輪が前記輪軸の軸線回りに回転可能に支持された鉄道車両について、二対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記台車枠の走行状態を、二対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記台車枠の走行状態で模擬する車両試験方法であって、二対の前記車輪が前記軌道上で走行するときと二対の前記車輪が前記軌条輪上で走行するときとで、前記台車枠における前記鉄道車両の幅方向の加速度が等しくなるとともに、前記台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、前記輪軸の質量mw、前記輪軸のヨー慣性半径iw、それぞれの前記輪軸の前記幅方向の変位yw1、yw2、それぞれの前記輪軸のヨー角度ψw1、ψw2、それぞれの前記輪軸の位置における前記軌道の前記通り不整yR1、yR2、前記台車枠の質量mt、前記台車枠のヨー慣性半径it、前記台車枠の前記幅方向の変位yt、前記台車枠のヨー角度ψt、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記鉄道車両の進行方向に支持する進行側支持部材の支持剛性kX、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記幅方向に支持する一対の幅側支持部材の支持剛性kY、一対の前記幅側支持部材の中心の前記幅方向の距離2b、それぞれの前記輪軸の重心と前記台車枠の重心との前記進行方向の距離a、前記軌道と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22r、前記軌道と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11r、前記軌条輪と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22p、前記軌条輪と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11p、前記車輪が前記軌道上を走行するときの等価踏面勾配γer、前記車輪が前記軌条輪上を走行するときの等価踏面勾配γep、前記鉄道車両の前記進行方向の走行速度v、一対の前記車輪が前記軌道および前記軌条輪に接触する前記幅方向の間隔2d、および、前記車輪の平均の半径r0を用いて、前記軌条輪を前記幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求め、前記補正通り不整変化量に基づいて前記軌条輪を前記幅方向に移動させながら、前記軌条輪上で二対の前記車輪を走行させることを特徴としている。
また、本発明の車両試験装置は、台車枠に一対の輪軸が支持されそれぞれの前記輪軸に一対の車輪が前記輪軸の軸線回りに回転可能に支持された鉄道車両について、二対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記台車枠の走行状態を、二対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記台車枠の走行状態で模擬する車両試験装置であって、二対の前記車輪を支持する軌条輪と、前記軌条輪を前記軌条輪の軸線回りに回転させる回転部と、前記軌条輪を前記鉄道車両の幅方向に移動させる移動部と、二対の前記車輪が前記軌道上で走行するときと二対の前記車輪が前記軌条輪上で走行するときとで、前記台車枠における前記鉄道車両の幅方向の加速度が等しくなるとともに、前記台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、前記輪軸の質量mw、前記輪軸のヨー慣性半径iw、それぞれの前記輪軸の前記幅方向の変位yw1、yw2、それぞれの前記輪軸のヨー角度ψw1、ψw2、それぞれの前記輪軸の位置における前記軌道の前記通り不整yR1、yR2、前記台車枠の質量mt、前記台車枠のヨー慣性半径it、前記台車枠の前記幅方向の変位yt、前記台車枠のヨー角度ψt、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記鉄道車両の進行方向に支持する進行側支持部材の支持剛性kX、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記幅方向に支持する一対の幅側支持部材の支持剛性kY、一対の前記幅側支持部材の中心の前記幅方向の距離2b、それぞれの前記輪軸の重心と前記台車枠の重心との前記進行方向の距離a、前記軌道と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22r、前記軌道と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11r、前記軌条輪と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22p、前記軌条輪と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11p、前記車輪が前記軌道上を走行するときの等価踏面勾配γer、前記車輪が前記軌条輪上を走行するときの等価踏面勾配γep、前記鉄道車両の前記進行方向の走行速度v、一対の前記車輪が前記軌道および前記軌条輪に接触する前記幅方向の間隔2d、および、前記車輪の平均の半径r0を用いて、前記軌条輪を前記幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求める模擬部と、前記補正通り不整変化量に基づいて前記移動部を制御する動作制御部と、を備えることを特徴としている。
また、上記の車両試験方法において、前記補正通り不整変化量upを、(1)式から(9)式を用いて求められる(10)式の解として求めることがより好ましい。
ただし、前記変位yおよび前記ヨー角度ψにおける添え字rは、前記軌道上を走行するときの値であり、前記変位yおよび前記ヨー角度ψにおける添え字pは、前記軌条輪上を走行するときの値である。
また、上記の車両試験方法において、前記軌道における前記軌道の長手方向の各位置における前記通り不整に対して、前記補正通り不整変化量をそれぞれ求めることがより好ましい。
また、上記の車両試験方法において、前記鉄道車両は、一対の前記台車枠上に車体を有し、四対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記車体の走行状態を、四対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記車体の走行状態で模擬することがより好ましい。
また、上記の車両試験方法において、前記鉄道車両は、一対の前記台車枠上に車体を有し、四対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記車体の走行状態を、四対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記車体の走行状態で模擬することがより好ましい。
本発明の車両試験方法によれば、軌道上での鉄道車両の走行状態を軌条輪上でより再現性を高めて模擬することができる。
以下、本発明に係る車両試験装置の一実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。本車両試験装置は、鉄道車両が軌道上で走行する走行状態を模擬するものである。
図1に示すように、本実施形態の車両試験装置1は、鉄道車両100の一対の車輪101を支持する軌条輪11と、軌条輪11を軌条輪11の軸線C1回りに回転させる回転部12と、軌条輪11を鉄道車両100の幅方向Dに移動させる移動部13と、回転部12および移動部13に接続された制御部20とを備えている。
図1に示すように、本実施形態の車両試験装置1は、鉄道車両100の一対の車輪101を支持する軌条輪11と、軌条輪11を軌条輪11の軸線C1回りに回転させる回転部12と、軌条輪11を鉄道車両100の幅方向Dに移動させる移動部13と、回転部12および移動部13に接続された制御部20とを備えている。
本車両試験装置1で試験される鉄道車両100は、図1および図2に示すように、台車枠102に一対の輪軸103が支持されるとともに、それぞれの輪軸103に一対の車輪101が輪軸103の軸線C2回りに回転可能に支持されている。車両一両には、前述の台車枠102が一対設けられている。台車枠102に支持されている一対の輪軸103を区別して表すときは、一方を添え字「1」を用いて「輪軸1031」と表し、他方を添え字「2」を用いて「輪軸1032」と表す。
鉄道車両100は、台車枠102上に車体104が設けられている。台車枠102と車体104との間には、空気バネなどが配置されている場合がある。
ここで、水平面上において、図2に示すように、輪軸103の変位を表すx軸、y軸、および、輪軸103のヨー角度ψを定義する。x軸は鉄道車両100の進行方向となり、y軸は幅方向Dに平行となる。
輪軸1031のy軸方向の変位をyw1、輪軸1032のy軸方向の変位をyw2とする。輪軸1031のヨー角度をヨー角度ψw1、輪軸1032のヨー角度をヨー角度ψw2とする。
また、輪軸1031、輪軸1032の変位、ヨー角度、および後述する通り不整yRにおいて、添え字「1」および「2」を示さない変数は、輪軸1031および輪軸1032の状態を区別なく表現できることを意味する。
鉄道車両100は、台車枠102上に車体104が設けられている。台車枠102と車体104との間には、空気バネなどが配置されている場合がある。
ここで、水平面上において、図2に示すように、輪軸103の変位を表すx軸、y軸、および、輪軸103のヨー角度ψを定義する。x軸は鉄道車両100の進行方向となり、y軸は幅方向Dに平行となる。
輪軸1031のy軸方向の変位をyw1、輪軸1032のy軸方向の変位をyw2とする。輪軸1031のヨー角度をヨー角度ψw1、輪軸1032のヨー角度をヨー角度ψw2とする。
また、輪軸1031、輪軸1032の変位、ヨー角度、および後述する通り不整yRにおいて、添え字「1」および「2」を示さない変数は、輪軸1031および輪軸1032の状態を区別なく表現できることを意味する。
台車枠102とそれぞれの輪軸103とは、x軸方向にバネ部材(進行側支持部材)106により支持され、y軸方向にバネ部材(幅側支持部材)107により支持されている。
バネ部材106による、台車枠102が輪軸103を支持するx軸方向の支持剛性をkX、バネ部材107による、台車枠102が輪軸103を支持するy軸方向の支持剛性をkYとする。一対のバネ部材107の中心のy軸方向の距離を2b、それぞれの輪軸103の重心と台車枠102の重心とのx軸方向の距離をaとする。
一対の車輪101が軌条輪11に接触するy軸方向の間隔を2dとする。この間隔は、一対の車輪101が軌道Rに接触する場合も同様とする。車輪101の平均の半径をr0とする。
バネ部材106による、台車枠102が輪軸103を支持するx軸方向の支持剛性をkX、バネ部材107による、台車枠102が輪軸103を支持するy軸方向の支持剛性をkYとする。一対のバネ部材107の中心のy軸方向の距離を2b、それぞれの輪軸103の重心と台車枠102の重心とのx軸方向の距離をaとする。
一対の車輪101が軌条輪11に接触するy軸方向の間隔を2dとする。この間隔は、一対の車輪101が軌道Rに接触する場合も同様とする。車輪101の平均の半径をr0とする。
軌条輪11と車輪101との間のx軸方向のクリープ係数をK11p、軌条輪11と車輪101との間のy軸方向のクリープ係数をK22pとする。軌道RのレールR1(図4参照。)と車輪101との間のx軸方向のクリープ係数をK11r、レールR1と車輪101との間のy軸方向のクリープ係数をK22rとする。
さらに、車輪101が軌条輪11上を走行するときの等価踏面勾配をγepとし、車輪101がレールR1上を走行するときの等価踏面勾配をγerとする。
以下の例では、説明を簡単にするために、鉄道車両100の中でも1つの輪軸103および一対の車輪101の走行状態について説明する。
本発明における台車枠102の走行状態とは、台車枠102の位置、速度、加速度、および、台車枠102のヨー、ロール、ピッチの角度、角速度、角加速度を意味する。
さらに、車輪101が軌条輪11上を走行するときの等価踏面勾配をγepとし、車輪101がレールR1上を走行するときの等価踏面勾配をγerとする。
以下の例では、説明を簡単にするために、鉄道車両100の中でも1つの輪軸103および一対の車輪101の走行状態について説明する。
本発明における台車枠102の走行状態とは、台車枠102の位置、速度、加速度、および、台車枠102のヨー、ロール、ピッチの角度、角速度、角加速度を意味する。
図1に示すように、車両試験装置1において、一対の軌条輪11は駆動軸16によって連結されている。駆動軸16は支持台17によって支持され、回転部12により軸線C1回りに回転可能になっている。
駆動軸16には、フライホイール18が連結されている。
移動部13は、駆動軸16を移動させることで、一対の軌条輪11を一体にしてy軸方向に移動させる。
駆動軸16には、フライホイール18が連結されている。
移動部13は、駆動軸16を移動させることで、一対の軌条輪11を一体にしてy軸方向に移動させる。
制御部20は、回転部12および移動部13を制御する動作制御部21と、シミュレーション部(模擬部)22と、動作制御部21およびシミュレーション部22に与える命令などを入力する入力部26とを有している。
制御部20としては、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。
動作制御部21は、駆動軸16に設けられた不図示のロータリエンコーダからの信号を受信して軌条輪11の回転速度を制御するとともに、不図示の位置センサからの信号を受信して、軌条輪11のy軸方向の位置を制御している。
制御部20としては、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。
動作制御部21は、駆動軸16に設けられた不図示のロータリエンコーダからの信号を受信して軌条輪11の回転速度を制御するとともに、不図示の位置センサからの信号を受信して、軌条輪11のy軸方向の位置を制御している。
シミュレーション部22は、図3に示すように、参照モデル計算部23と、通り不整計算部24と、制御対象モデル計算部25とを有している。
図4に示すように、一般的に軌道RのレールR1には、レールR1の長手方向に対して通り不整yRが生じている。通り不整yRは、軌道検測車などで測定され、得られた通り不整yRから(11)式により、通り不整の変化量urが求められる。
なお、輪軸1031の位置における軌道Rの通り不整をyR1、輪軸1032の位置における軌道Rの通り不整をyR2とする。通り不整をyR2は、通り不整をyR1に対して、輪軸1031と輪軸1032とのx軸方向の距離だけずれたものである。
また、以下の式中の英字の上部に点が1つあるものは、その英字に対応する変数を時間で微分したものを意味する。また、英字の上部に点が2つあるものは、その英字に対応する変数を時間で2度微分したものを意味する。また、記号の右上部に「T」と記述しているものは、行列に対する転置操作(転置行列)を意味する。
図4に示すように、一般的に軌道RのレールR1には、レールR1の長手方向に対して通り不整yRが生じている。通り不整yRは、軌道検測車などで測定され、得られた通り不整yRから(11)式により、通り不整の変化量urが求められる。
なお、輪軸1031の位置における軌道Rの通り不整をyR1、輪軸1032の位置における軌道Rの通り不整をyR2とする。通り不整をyR2は、通り不整をyR1に対して、輪軸1031と輪軸1032とのx軸方向の距離だけずれたものである。
また、以下の式中の英字の上部に点が1つあるものは、その英字に対応する変数を時間で微分したものを意味する。また、英字の上部に点が2つあるものは、その英字に対応する変数を時間で2度微分したものを意味する。また、記号の右上部に「T」と記述しているものは、行列に対する転置操作(転置行列)を意味する。
ここで、台車枠102の運動方程式について説明する。
一対の車輪101が軌道R上で走行することで輪軸103がx軸に沿って走行速度vで直進し、台車枠102の影響を受けないとする。この場合、軌道R上の輪軸103の運動方程式は、y軸およびヨー角度ψに対して、公知の運動方程式により、(12)式および(13)式のように表すことができる。
ここで、輪軸103の質量をmw、輪軸103のヨー慣性半径をiwとする。
なお、変位ywおよびヨー角度ψwにおける添え字rは、添え字が付された変数が車輪101が軌道R上を走行するときの値であることを意味し、変位ywおよびヨー角度ψwにおける添え字pは、添え字が付された変数が車輪101が軌条輪11上を走行するときの値であることを意味する。
一対の車輪101が軌道R上で走行することで輪軸103がx軸に沿って走行速度vで直進し、台車枠102の影響を受けないとする。この場合、軌道R上の輪軸103の運動方程式は、y軸およびヨー角度ψに対して、公知の運動方程式により、(12)式および(13)式のように表すことができる。
ここで、輪軸103の質量をmw、輪軸103のヨー慣性半径をiwとする。
なお、変位ywおよびヨー角度ψwにおける添え字rは、添え字が付された変数が車輪101が軌道R上を走行するときの値であることを意味し、変位ywおよびヨー角度ψwにおける添え字pは、添え字が付された変数が車輪101が軌条輪11上を走行するときの値であることを意味する。
同様に、一対の車輪101が軌条輪11上で走行する場合には、輪軸103の運動方程式は、変位ywおよびヨー角度ψwに対して、(14)式および(15)式のようになる。
(12)式および(13)式を変形し、行列形式に書き表すと、(16)式のようになる。なお、(16)式は、軌道Rに通り不整yRが無いときの式である。
(16)式に通り不整yRというy軸方向の変位を与えると、(17)式のようになる。
同様に、一対の車輪101が軌条輪11上で走行する場合には、輪軸103の運動方程式は、(14)式および(15)式を変形して(18)式のようになる。
(19)式から(21)式に示すように定義するとともに(11)式の定義を用い、さらに台車枠102の運動の影響を考慮すると、(17)式は(22)式のように表される。
ここで、台車枠102の質量をmt、台車枠102のヨー慣性半径をit、台車枠102のy軸方向の変位をyt、そして、台車枠102のヨー角度をψtとする。
ここで、台車枠102の質量をmt、台車枠102のヨー慣性半径をit、台車枠102のy軸方向の変位をyt、そして、台車枠102のヨー角度をψtとする。
同様に、(23)式から(25)式に示すように定義すると、(18)式は(26)式のように表される。
ただし、(26)式において、upは、補正通り不整の時間による微分値(補正通り不整を時間で微分した値)である補正通り不整変化量であり、成分を2つ有するベクトルである。補正通り不整の成分は、通り不整yRとは異なり、軌条輪11をy軸方向に移動させる量である通り不整を、通り不整yRから後述するように修正した変数である。
ここで、軌道R上の台車枠102の状態方程式として、(27)式および(28)式を作成する。
ここで、軌道R上の台車枠102の状態方程式として、(27)式および(28)式を作成する。
Yrは、車輪101が軌道R上で走行する場合と軌条輪11上で走行する場合とで一致させたい状態量であり、台車枠102のy軸方向の加速度と、台車枠102のヨー角加速度である。なお、Yrを評価出力と呼ぶ。
具体的には、(28)式は(29)式のように表すことができる。
具体的には、(28)式は(29)式のように表すことができる。
同様に、軌条輪11上の台車枠102の状態方程式として、(30)式および(31)式を作成する。
なお、具体的には、(31)式は(32)式のように表すことができる。
なお、具体的には、(31)式は(32)式のように表すことができる。
(28)式の両辺を微分して(27)式を代入することで、(33)式が導かれる。
一方で、通り不整yRの入力がない(upの2つの成分がともに0になる。)場合には、(31)式の両辺を微分して(30)式を代入することで、(34)式が導かれる。
(33)式の右辺と(34)式の右辺との差と、通り不整yRの入力が加えられる(upが加えられる)ことによって(34)式の左辺に与えられるupの影響が等しくなれば、このときのupを通り不整yRの入力として実際に加えることで、(33)式の右辺と(34)式の右辺との差を無くし、評価出力YrとYpとを等しくすることができる。
この場合、下記の(35)式および(36)式を導くことができる。
この場合、下記の(35)式および(36)式を導くことができる。
すなわち、(36)式より得られる補正通り不整変化量upだけ軌条輪11をy軸方向に移動し続ければ、それぞれのモデルの初期値が等しい場合において、評価出力YrとYpとを等しくすることができる。
この例では、車輪101が軌道R上で走行する場合と軌条輪11上で走行する場合とで、台車枠102のy軸方向の加速度、および、台車枠102のヨー角加速度を一致させている。この2つの値が一致していれば、車輪101が軌道R上で走行する場合と軌条輪11上で走行する場合とで、この2つの値以外の台車枠102のy軸方向の変位ytや、台車枠102のヨー角度ψtなど、台車枠102の全ての位置および向きを一致させることができる。
この例では、車輪101が軌道R上で走行する場合と軌条輪11上で走行する場合とで、台車枠102のy軸方向の加速度、および、台車枠102のヨー角加速度を一致させている。この2つの値が一致していれば、車輪101が軌道R上で走行する場合と軌条輪11上で走行する場合とで、この2つの値以外の台車枠102のy軸方向の変位ytや、台車枠102のヨー角度ψtなど、台車枠102の全ての位置および向きを一致させることができる。
ここで、再び、図3に基づいてシミュレーション部22について説明する。
参照モデル計算部23は、通り不整の変化量urから前述の(22)式を用いてxrを求める。
通り不整計算部24は、参照モデル計算部23で得られたxr、および通り不整の変化量urから、(36)式を用いて補正通り不整変化量upを求める。
制御対象モデル計算部25は、通り不整計算部24で得られた補正通り不整変化量upから(26)式を用いてxpを求める。
このとき求めたxrおよびxpは、シミュレーション部22が有する不図示のメモリなどに記憶される。
参照モデル計算部23は、通り不整の変化量urから前述の(22)式を用いてxrを求める。
通り不整計算部24は、参照モデル計算部23で得られたxr、および通り不整の変化量urから、(36)式を用いて補正通り不整変化量upを求める。
制御対象モデル計算部25は、通り不整計算部24で得られた補正通り不整変化量upから(26)式を用いてxpを求める。
このとき求めたxrおよびxpは、シミュレーション部22が有する不図示のメモリなどに記憶される。
次に、以上のように構成された車両試験装置1による本実施形態の車両試験方法について説明する。
まず、モデル構築工程において、一対の車輪101が軌道R上および軌条輪11上で走行するそれぞれの場合について、台車枠102の力学モデル(運動方程式)を求める。具体的には、前述の(20)式および(24)式に示す行列式Ar、Apの各成分の値を求める。
輪軸103の質量mw、バネ部材106のx軸方向の支持剛性kX、および、軌条輪11と車輪101との間のx軸方向のクリープ係数をK11pなどは、輪軸103、バネ部材106、および車輪101などの設計値のパラメータから求めることができる。
次に、通り不整測定工程において、軌道検測車などにより軌道RのレールR1の通り不整yRを測定し、得られた通り不整yRから(11)式により、通り不整の変化量urを求める。この通り不整の変化量urを入力部26から入力し、シミュレーション部22のメモリに記憶させておく。
まず、モデル構築工程において、一対の車輪101が軌道R上および軌条輪11上で走行するそれぞれの場合について、台車枠102の力学モデル(運動方程式)を求める。具体的には、前述の(20)式および(24)式に示す行列式Ar、Apの各成分の値を求める。
輪軸103の質量mw、バネ部材106のx軸方向の支持剛性kX、および、軌条輪11と車輪101との間のx軸方向のクリープ係数をK11pなどは、輪軸103、バネ部材106、および車輪101などの設計値のパラメータから求めることができる。
次に、通り不整測定工程において、軌道検測車などにより軌道RのレールR1の通り不整yRを測定し、得られた通り不整yRから(11)式により、通り不整の変化量urを求める。この通り不整の変化量urを入力部26から入力し、シミュレーション部22のメモリに記憶させておく。
続いて、軌道上状態算出工程において、参照モデル計算部23は、レールR1の長手方向の初期位置に対して、(22)式を用いて軌道R上の台車枠102の運動方程式を計算しxrを求める。なお、この例では、(22)式のxrおよび(26)式のxpは、数値積分することでそれぞれ求められる。
次に、通り不整算出工程において、レールR1の初期位置に対して、通り不整計算部24は、参照モデル計算部23で得られたxr、および通り不整の変化量urから、(36)式を用いて補正通り不整変化量upを求める。さらに、制御対象モデル計算部25は、通り不整計算部24で得られた補正通り不整変化量upから(26)式を用いて軌条輪11上の台車枠102の運動方程式を計算しxpを求める。
このとき求めたxrおよびxpを、メモリに記憶しておく。
レールR1の長手方向の位置を、初期位置から刻み長さだけ移動した位置における通り不整の変化量urに対して、メモリに記憶したxrおよびxpの値を用いて、前述の軌道上状態算出工程および通り不整算出工程を行う。
このように、レールR1の長手方向の位置を刻み長さだけ移動させながら、軌道RにおけるレールR1の長手方向の通り不整の変化量urに対して、補正通り不整変化量upおよびxpをそれぞれ求めることを繰り返し、軌道Rの必要な長さに対する補正通り不整変化量upおよびxpを求める。
次に、通り不整算出工程において、レールR1の初期位置に対して、通り不整計算部24は、参照モデル計算部23で得られたxr、および通り不整の変化量urから、(36)式を用いて補正通り不整変化量upを求める。さらに、制御対象モデル計算部25は、通り不整計算部24で得られた補正通り不整変化量upから(26)式を用いて軌条輪11上の台車枠102の運動方程式を計算しxpを求める。
このとき求めたxrおよびxpを、メモリに記憶しておく。
レールR1の長手方向の位置を、初期位置から刻み長さだけ移動した位置における通り不整の変化量urに対して、メモリに記憶したxrおよびxpの値を用いて、前述の軌道上状態算出工程および通り不整算出工程を行う。
このように、レールR1の長手方向の位置を刻み長さだけ移動させながら、軌道RにおけるレールR1の長手方向の通り不整の変化量urに対して、補正通り不整変化量upおよびxpをそれぞれ求めることを繰り返し、軌道Rの必要な長さに対する補正通り不整変化量upおよびxpを求める。
続いて、算出結果確認工程において、車両試験装置1の軌条輪11上に鉄道車両100を配置する。
動作制御部21は、回転部12を制御して軌条輪11を軸線C1回りに一定の回転速度で回転させ、軌条輪11上で一対の車輪101を走行させておく。そして、シミュレーション部22のメモリに記憶されたレールR1の長手方向の各位置における補正通り不整変化量upに基づいて軌条輪11をy軸方向に移動させることで、鉄道車両100の走行試験を行う。
動作制御部21は、回転部12を制御して軌条輪11を軸線C1回りに一定の回転速度で回転させ、軌条輪11上で一対の車輪101を走行させておく。そして、シミュレーション部22のメモリに記憶されたレールR1の長手方向の各位置における補正通り不整変化量upに基づいて軌条輪11をy軸方向に移動させることで、鉄道車両100の走行試験を行う。
以上説明したように、本実施形態の車両試験装置1および車両試験方法によれば、軌道R上を走行する台車枠102と軌条輪11上を走行する台車枠102との、台車枠102のy軸方向の加速度、および、台車枠102のヨー角加速度を一致させている。このため、軌道R上で走行するときと軌条輪11上で走行するときとで、台車枠102のy軸方向の変位y、速度、加速度、台車枠102のヨー角度ψ、ヨー角度ψの角速度、および角加速度、さらには、台車枠102のロール角加速度を一致させることができる。
これにより、軌道R上での鉄道車両100の走行状態を軌条輪11上で、より再現性を高めて模擬することができる。
これにより、軌道R上での鉄道車両100の走行状態を軌条輪11上で、より再現性を高めて模擬することができる。
また、軌道R上で走行するときと軌条輪11上で走行するときとで、台車枠102の振動の振幅だけでなく位相もほぼ一致させることができる。
これに対して、前述の特許文献1に記載された車両試験方法では、軌条輪に与える入力に対して周波数に重みをかけているだけなので、振動の振幅は一致しても位相が一致する保証がない。
これに対して、前述の特許文献1に記載された車両試験方法では、軌条輪に与える入力に対して周波数に重みをかけているだけなので、振動の振幅は一致しても位相が一致する保証がない。
レールR1の長手方向の刻み長さごとの各位置における通り不整yRに対して補正通り不整変化量upをそれぞれ求めるため、鉄道車両100の軌条輪11上での走行状態の再現性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、鉄道車両100の一部である1つの台車枠102の運動方程式について説明した。
一般的に、鉄道車両100の車両一両は、車体の下部に一対の台車枠102を有し、一対の台車枠102には四対の車輪101を備えている。車両一両分のモデルを構築する場合には、台車枠102と車体104との相互作用を考慮したり、車体104の状態量も運動方程式に入れたりする必要があるため、運動方程式のサイズが非常に大きくなる。しかし、行列やベクトルのサイズが大きくなるだけで、軌道R上を走行する車両一両のモデル、および、軌条輪11上を走行する車両一両のモデルが、(27)式および(30)式と同様に表せることには変わりない。
車両一両のモデルにおける(27)式のxrは、車両一両の運動状態を表現するための全ての情報をベクトルの形で格納している。この場合のxrは、モデルの複雑さによってサイズが異なるが、成分の数は少なくとも100以上になる。
この場合のxrの成分には、本実施形態のxrの要素以外に、車体104の上下方向やy軸方向の変位などがある。
また、車両一両に対する通り不整の変化量urは、車両一両が4つの輪軸を備えている場合には、4次元のベクトルになる。
このように、運動方程式のサイズが大きくなるが、上記実施形態と同様に運動方程式をたてることで、四対の車輪101に対して、軌道R上で走行するときの車体104の走行状態を軌条輪11上で走行するときの車体104の走行状態で模擬することができる。
一般的に、鉄道車両100の車両一両は、車体の下部に一対の台車枠102を有し、一対の台車枠102には四対の車輪101を備えている。車両一両分のモデルを構築する場合には、台車枠102と車体104との相互作用を考慮したり、車体104の状態量も運動方程式に入れたりする必要があるため、運動方程式のサイズが非常に大きくなる。しかし、行列やベクトルのサイズが大きくなるだけで、軌道R上を走行する車両一両のモデル、および、軌条輪11上を走行する車両一両のモデルが、(27)式および(30)式と同様に表せることには変わりない。
車両一両のモデルにおける(27)式のxrは、車両一両の運動状態を表現するための全ての情報をベクトルの形で格納している。この場合のxrは、モデルの複雑さによってサイズが異なるが、成分の数は少なくとも100以上になる。
この場合のxrの成分には、本実施形態のxrの要素以外に、車体104の上下方向やy軸方向の変位などがある。
また、車両一両に対する通り不整の変化量urは、車両一両が4つの輪軸を備えている場合には、4次元のベクトルになる。
このように、運動方程式のサイズが大きくなるが、上記実施形態と同様に運動方程式をたてることで、四対の車輪101に対して、軌道R上で走行するときの車体104の走行状態を軌条輪11上で走行するときの車体104の走行状態で模擬することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。
たとえば、前記実施形態では、動作制御部21およびシミュレーション部22をパーソナルコンピュータとして一体に構成したが、動作制御部とシミュレーション部とを互いに独立した構成にしてもよい。
また、前記実施形態の車両試験方法では、モデル構築工程より前に通り不整測定工程を行ってもよいし、これら2つの工程を同時に行ってもよい。
たとえば、前記実施形態では、動作制御部21およびシミュレーション部22をパーソナルコンピュータとして一体に構成したが、動作制御部とシミュレーション部とを互いに独立した構成にしてもよい。
また、前記実施形態の車両試験方法では、モデル構築工程より前に通り不整測定工程を行ってもよいし、これら2つの工程を同時に行ってもよい。
前記実施形態では、台車枠102と不図示の軸箱とを前述のバネ部材106、107により支持し、それぞれの輪軸103が軸箱により、輪軸103の軸線C2回りに回転可能に支持されるように構成してもよい。
(実施例)
本車両試験装置1を用いて補正通り不整変化量upを求め、軌道R上での車体104の走行状態を軌条輪11上で再現した結果について図5に示す。横軸は時刻を、縦軸は車体104のy軸方向の加速度をそれぞれ示している。なお、走行速度vは、150km/hとした。
図中5の実線は軌条輪11上での車体104のy軸方向の加速度を示し、点線は軌道R上での車体104のy軸方向の加速度を示す。
軌道R上で走行するときと軌条輪11上で走行するときとで、車体104のy軸方向の加速度の振幅だけでなく位相もほぼ一致していることがわかる。
本車両試験装置1を用いて補正通り不整変化量upを求め、軌道R上での車体104の走行状態を軌条輪11上で再現した結果について図5に示す。横軸は時刻を、縦軸は車体104のy軸方向の加速度をそれぞれ示している。なお、走行速度vは、150km/hとした。
図中5の実線は軌条輪11上での車体104のy軸方向の加速度を示し、点線は軌道R上での車体104のy軸方向の加速度を示す。
軌道R上で走行するときと軌条輪11上で走行するときとで、車体104のy軸方向の加速度の振幅だけでなく位相もほぼ一致していることがわかる。
図6には、比較例として、従来の車両試験装置を用いて軌道R上での車体104のy軸方向の走行状態を再現した結果について示す。図6の縦軸と横軸、および台車枠102の走行速度vは図5の場合と同様である。
軌道R上での車体104のy軸方向の加速度に対して、軌条輪11上で車体104のy軸方向の加速度の振幅や位相のずれが大きいことが分かる。
軌道R上での車体104のy軸方向の加速度に対して、軌条輪11上で車体104のy軸方向の加速度の振幅や位相のずれが大きいことが分かる。
1 車両試験装置
11 軌条輪
12 回転部
13 移動部
21 動作制御部
22 シミュレーション部(模擬部)
100 鉄道車両
101 車輪
102 台車枠
103 輪軸
106 バネ部材(進行側支持部材)
107 バネ部材(幅側支持部材)
C1、C2 軸線
R 軌道
x 軸(進行方向)
y 軸(幅方向)
yR 通り不整
11 軌条輪
12 回転部
13 移動部
21 動作制御部
22 シミュレーション部(模擬部)
100 鉄道車両
101 車輪
102 台車枠
103 輪軸
106 バネ部材(進行側支持部材)
107 バネ部材(幅側支持部材)
C1、C2 軸線
R 軌道
x 軸(進行方向)
y 軸(幅方向)
yR 通り不整
Claims (5)
- 台車枠に一対の輪軸が支持されそれぞれの前記輪軸に一対の車輪が前記輪軸の軸線回りに回転可能に支持された鉄道車両について、二対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記台車枠の走行状態を、二対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記台車枠の走行状態で模擬する車両試験方法であって、
二対の前記車輪が前記軌道上で走行するときと二対の前記車輪が前記軌条輪上で走行するときとで、前記台車枠における前記鉄道車両の幅方向の加速度が等しくなるとともに、前記台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、
前記輪軸の質量mw、前記輪軸のヨー慣性半径iw、それぞれの前記輪軸の前記幅方向の変位yw1、yw2、それぞれの前記輪軸のヨー角度ψw1、ψw2、それぞれの前記輪軸の位置における前記軌道の前記通り不整yR1、yR2、前記台車枠の質量mt、前記台車枠のヨー慣性半径it、前記台車枠の前記幅方向の変位yt、前記台車枠のヨー角度ψt、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記鉄道車両の進行方向に支持する進行側支持部材の支持剛性kX、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記幅方向に支持する一対の幅側支持部材の支持剛性kY、一対の前記幅側支持部材の中心の前記幅方向の距離2b、それぞれの前記輪軸の重心と前記台車枠の重心との前記進行方向の距離a、前記軌道と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22r、前記軌道と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11r、前記軌条輪と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22p、前記軌条輪と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11p、前記車輪が前記軌道上を走行するときの等価踏面勾配γer、前記車輪が前記軌条輪上を走行するときの等価踏面勾配γep、前記鉄道車両の前記進行方向の走行速度v、一対の前記車輪が前記軌道および前記軌条輪に接触する前記幅方向の間隔2d、および、前記車輪の平均の半径r0を用いて、前記軌条輪を前記幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求め、
前記補正通り不整変化量に基づいて前記軌条輪を前記幅方向に移動させながら、前記軌条輪上で二対の前記車輪を走行させることを特徴とする車両試験方法。 - 前記軌道における前記軌道の長手方向の各位置における前記通り不整に対して、前記補正通り不整変化量をそれぞれ求めることを特徴とする請求項2に記載の車両試験方法。
- 前記鉄道車両は、一対の前記台車枠上に車体を有し、
四対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記車体の走行状態を、四対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記車体の走行状態で模擬することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両試験方法。 - 台車枠に一対の輪軸が支持されそれぞれの前記輪軸に一対の車輪が前記輪軸の軸線回りに回転可能に支持された鉄道車両について、二対の前記車輪が通り不整を有する軌道上で走行するときの前記台車枠の走行状態を、二対の前記車輪が軌条輪上で走行するときの前記台車枠の走行状態で模擬する車両試験装置であって、
二対の前記車輪を支持する軌条輪と、
前記軌条輪を前記軌条輪の軸線回りに回転させる回転部と、
前記軌条輪を前記鉄道車両の幅方向に移動させる移動部と、
二対の前記車輪が前記軌道上で走行するときと二対の前記車輪が前記軌条輪上で走行するときとで、前記台車枠における前記鉄道車両の幅方向の加速度が等しくなるとともに、前記台車枠のヨー角加速度が等しくなるように、
前記輪軸の質量mw、前記輪軸のヨー慣性半径iw、それぞれの前記輪軸の前記幅方向の変位yw1、yw2、それぞれの前記輪軸のヨー角度ψw1、ψw2、それぞれの前記輪軸の位置における前記軌道の前記通り不整yR1、yR2、前記台車枠の質量mt、前記台車枠のヨー慣性半径it、前記台車枠の前記幅方向の変位yt、前記台車枠のヨー角度ψt、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記鉄道車両の進行方向に支持する進行側支持部材の支持剛性kX、それぞれの前記輪軸と前記台車枠とを前記幅方向に支持する一対の幅側支持部材の支持剛性kY、一対の前記幅側支持部材の中心の前記幅方向の距離2b、それぞれの前記輪軸の重心と前記台車枠の重心との前記進行方向の距離a、前記軌道と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22r、前記軌道と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11r、前記軌条輪と前記車輪との間の前記幅方向のクリープ係数K22p、前記軌条輪と前記車輪との間の前記進行方向のクリープ係数K11p、前記車輪が前記軌道上を走行するときの等価踏面勾配γer、前記車輪が前記軌条輪上を走行するときの等価踏面勾配γep、前記鉄道車両の前記進行方向の走行速度v、一対の前記車輪が前記軌道および前記軌条輪に接触する前記幅方向の間隔2d、および、前記車輪の平均の半径r0を用いて、前記軌条輪を前記幅方向に移動させる量である補正通り不整の時間による微分値である補正通り不整変化量を求める模擬部と、
前記補正通り不整変化量に基づいて前記移動部を制御する動作制御部と、
を備えることを特徴とする車両試験装置。
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